(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】歯科用工具機械のステッピングモータを動作する方法
(51)【国際特許分類】
H02P 8/32 20060101AFI20241021BHJP
H02P 8/12 20060101ALI20241021BHJP
A61C 1/06 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H02P8/32
H02P8/12
A61C1/06
(21)【出願番号】P 2022501346
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2020069262
(87)【国際公開番号】W WO2021005115
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-07-07
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】519410367
【氏名又は名称】シロナ・デンタル・システムズ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー、ハンス-クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】トラウトマン、ダニエル
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-202331(JP,A)
【文献】特開2001-054863(JP,A)
【文献】特開平04-053652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 8/32
H02P 8/12
A61C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科用ブランク(2)から材料を除去するための歯科用工具機械(1)において使用するためのステッピングモータを動作する方法であって、
回転エンコーダ
で調整することなく、動作点における前記ステッピングモータのトルクリザーブを、前記ステッピングモータの回転軸を中心
とした正味荷重モーメント(M_net)にそれぞれ適合させるステップを含み、ここで、前記適合させるステップは、
シミュレーションを通して、前記正味荷重モーメント(M_net)を予め予測する第1の
予測ステップ(S1)と、
シミュレーションを通して、前記予測された正味荷重モーメント(M_net)にそれぞれ対応する前記トルクリザーブを設定するために前記ステッピングモータに供給される供給電流(I_tr)を予測する第2の
予測ステップ(S2)とを含み、
回転エンコーダで調整することなく、前記予測された供給電流(I_tr)に基づいて、前記ステッピングモータを動作するステップ(S3)をさらに含
み、
前記正味荷重モーメント(M_net)は、歯科用工具(3)の移動に対応する駆動トレイン軌跡に沿った動的加速/減速の駆動トレインシミュレーション(S_dt)及び材料除去シミュレーション(S_mr)、並びに歯科用工具軌跡に基づいて、前記第1の予測ステップ(S1)においてそれぞれ予測される、前記ステッピングモータの駆動トレインを通して生じる駆動力、及び前記歯科用ブランク(2)からの材料除去を通して生じる機械加工力に起因する荷重モーメント(M_df、M_mf)それぞれの重ね合わせに対応することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記供給電流(I_tr)は、動的電流供給のトルクリザーブシミュレーション(S_tr)に基づいて、前記第2の予測ステップ(S2)において予測されることを特徴とする、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2の予測ステップ(S1、S2)は、駆動ステップ(S3)の前に実行されることを特徴とする、請求項
1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記予測された供給電流(I_tr)に一定量を加算することによって、及び/又は1より大きい一定の係数で前記予測された供給電流(I_tr)を乗算することによって、増強された供給電流(I_tr')を生成するステップをさらに含み、前記ステッピングモータは、前記増強された供給電流(I_tr')に基づいて駆動されることを特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記予測された供給電流(I_tr)に基づいて、2つ以上のレベルを有する階段状供給電流(I_tr'')を生成するステップをさらに含み、前記ステッピングモータは、前記階段状供給電流(I_tr'')に基づいて駆動されることを特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ステッピングモータは、補間、モーフィング及
びフィルタリングのうちの少なくとも1つによって取得される平滑化された階段状供給電流(I_tr'')に基づいて駆動されることを特徴とする、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)を仕上げるために使用され、比較的高いレベルが前記歯科用ブランク(2)を荒削りするために使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)に部分的な切断経路を形成するために使用され、比較的高いレベルが前記歯科用ブランク(2)に完全な切断経路を形成するために使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項9】
前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが第1のタイプの歯科用工具(3)による機械加工するために使用され、比較的高いレベルが前記第1のタイプの歯科用工具とは異なる第2のタイプの歯科用工具(3)による機械加工するために使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項10】
前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)の潤滑機械加工するために使用され、比較的高いレベルが前記歯科用ブランク(2)の乾式機械加工するために使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項11】
前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)の第1の回転スピードに対して使用され、比較的高いレベルが前記第1の回転スピードとは異なる歯科用工具(3)の第2の回転スピードに対して使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項12】
前記階段状供給電流(I_tr'')は少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)の第1のタイプの材料に対して使用され、比較的高いレベルが前記第1のタイプの材料とは異なる前記歯科用ブランク(2)の第2のタイプの材料に対して使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項13】
前記階段状供給電流(I_tr'')は少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の比較的低い加速度に対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の比較的高い加速度に対して使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項14】
前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の第1の速度に対して使用され、比較的高いレベルが前記第1の速度とは異なる歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の第2の速度に対して使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項15】
前記階段状供給電流(I_tr'')は少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の軌跡における低いジャークに対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の軌跡における高いジャークに対して使用されることを特徴とする、請求項
5又は6に記載の方法。
【請求項16】
歯科用工具機械加工システムであって、
少なくとも1つの歯科用ブランク(2)から材料を除去するための歯科用工具機械(1)と、前記歯科用工具機械(1)は、1つ以上の歯科用工具(3)を移動可能に保持するキャリッジ(4)を駆動するための1つ以上のステッピングモータと、前記歯科用ブランク(2)を移動可能に保持するリテーナを駆動するための1つ以上のステッピングモータとを有し、
前記ステッピングモータを動作する制御手段とを備え、
前記制御手段は、請求項1から
15のうちのいずれか一項に記載の方法
を用いて前記ステッピングモータを動作するようにさらに適合されることを特徴とする、歯科用工具機械加工システム。
【請求項17】
コンピュータベースの歯科用工具機械(1)に、請求項1から
15のうちのいずれか一項に記載の方法
のステップを実行させるためのコンピュータ読取可能コードを含むプログラム。
【請求項18】
請求項
17に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用ブランクから材料を除去するための歯科用工具機械を有する歯科用機械加工システムに関する。本発明は、より具体的には、歯科用ブランクから材料を除去するための歯科用工具機械におけるステッピングモータを動作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工具機械加工システム、特に歯科用工具機械加工システムは、技術的に一般的に知られている。歯科用工具機械加工システムは、概して、少なくとも1つの歯科用ブランクから材料を除去するための歯科用工具機械と、ここで、歯科用工具機械は、1つ以上の歯科用工具を移動可能に保持するキャリッジを駆動するための1つ以上のステッピングモータと、歯科用ブランクを移動可能に保持するリテーナを駆動するための1つ以上のステッピングモータとを有し、ステッピングモータを動作するための制御手段とを備える。
【0003】
安全限界内で歯科用工具機械を動作するように、実際の機械加工の前及び/又はその間に工具経路を分析及び検証することが一般的に行われている。
【0004】
例えば、US2017/0227945A1は、工具機械と、工具機械にワークピースを機械加工させるために実行可能なNCプログラムとを開示している。機械工具の軸はサーボ制御される。特に、NCプログラムは、機械加工の間に機械限界を超えた場合に、シミュレーションを通して修正される。さらに、動的限界を超えた場合、供給速度はリアルタイムシミュレーションに従って変更される。
【0005】
安全な範囲内で工具機械を動作する必要があるにもかかわらず、最適な条件下で機械加工を行うことも重要である。
【0006】
歯科用工具機械の上述のステッピングモータは、通常、トルクリザーブ(torque reserve)で動作され、すなわち、供給電流は、ステップ損失が生じないように、全体プロセスの全ての動作点において利用可能な十分なトルクリザーブを有するように静的に調節される。これにより、入力電力はほぼ一定に保たれる。入力電力が負荷によって完全に回収されない動作点では、過剰な電力は熱及び共振振動に変換される。ステッピングモータが歯科用工具機械の駆動として使用されるとき、共振振動は望ましくない。それはノイズ及び歯科用工具振動をもたらし、これは表面アーティファクトをもたらすことがある。ステッピングモータのこの欠点は、調整を通して回避することができる。ステッピングモータは、回転エンコーダを使用することによって、現場指向方式で調整することができる。ステッピングモータに対する調整システムは一般に知られており、例えばNanotec(登録商標)によって市販されている。しかしながら、最適に制御されたシステムは、一般に、調整偏差に応答して調整が常に行われるので、調整されたシステムよりも動的に優れている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、特にステッピングモータへの過剰な供給電流を使用することなく、エネルギー最適化された方法で機械加工を達成するように、回転エンコーダベースの調整なしに、歯科用工具機械で使用するための1つ以上のステッピングモータを動作する方法を提供することである。
【0008】
この目的は、請求項1に規定される方法によって達成された。従属請求項は、さらなる展開に関する。
【0009】
本発明は、歯科用ブランクから材料を除去するための歯科用工具機械で使用される少なくとも1つのステッピングモータを動作する方法を提供する。方法は、回転エンコーダベースの調整を使用することなく、動作点におけるステッピングモータのトルクリザーブを、正味荷重モーメント(net load moment)にそれぞれ適合させるステップを含む。方法は、シミュレーションを通して、正味荷重モーメントを予め予測する第1のステップと、シミュレーションを通して、予測された正味荷重モーメントにそれぞれ対応するトルクリザーブを設定するためにステッピングモータに供給される供給電流を予測する第2のステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の主な有利な効果は、各動作点におけるトルクリザーブがシミュレーションを通して負荷条件に予め正確に適合されるので、ステッピングモータをエネルギー最適化された方法で動作することができることである。これにより、発熱、ノイズ発生及び工具振動の低減を図ることができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、正味荷重モーメントは、それぞれのステッピングモータの駆動トレインを通して生じる駆動力、及び歯科用ブランクからの材料除去を通して生じる機械加工力にそれぞれ起因する荷重モーメントの重ね合わせに対応する。したがって、上述のシミュレーションは、駆動トレインシミュレーションと材料除去シミュレーションとの合成である。荷重モーメントは、第1の予測ステップにおいて、歯科用工具の移動に対応する駆動トレイン軌跡に沿った動的加速/減速の駆動トレインシミュレーション及び材料除去シミュレーション、並びに歯科用工具軌跡にそれぞれ基づいて予測される。この実施形態によれば、歯科用工具機械において、歯科用工具の軌跡、したがって歯科用工具の移動に関与する駆動軸の駆動トレイン軌跡が予め分かっている。したがって、動的な加速/減速プロセスにおける負荷変化は予測可能である。機械加工力又は駆動力によって引き起こされる負荷変化は、シミュレーションを通して別々に推定することができる。駆動力は、駆動トレインにおける慣性力及び摩擦力を含むことができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、供給電流は、動的電流供給のトルクリザーブシミュレーションに基づいて、第2の予測ステップにおいて予測される。ステッピングモータの動的電流供給は、トルクリザーブの予測を可能にするようにモデル化される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、第1及び第2の予測ステップは、駆動ステップの前に実行される。これにより、駆動力と機械加工力との重ね合わせを通した正味の荷重モーメントを予測することによって、動作点に応じて、電流供給、したがって歯科用工具機械のステッピングモータのトルクリザーブを予測し、電流供給ダイナミクスを考慮して、予見しながら電流供給を設定することが可能になる。本発明では、上述のシミュレーションのおかげで、任意の回転エンコーダベースの調整を使用する必要性が除去され、したがって、歯科用工具機械を動的に優れた方法で最適に制御することができる。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、本方法は、予測された供給電流に一定量を加算することによって、及び/又は1より大きい一定の係数で予測された供給電流を乗算することによって、増強された供給電流を生成するステップをさらに含む。その後、増強された供給電流に基づいて、ステッピングモータが駆動される。増強された供給電流のおかげで、シミュレーションにおける不確実性を安全に補償することができる。その結果、トルクリザーブは常に0よりも大きくなる傾向があるが、一定のトルクリザーブのケースよりも小さくなる。これは、高い動作信頼性と、改善された運転の滑らかさとを、すなわち、より少ないノイズ発生、製品の高い表面品質とを兼ね備える。
【0015】
本発明の実施形態によれば、方法は、予測された供給電流に基づいて、2つ以上のレベルを有する階段状供給電流を生成するステップをさらに含む。その後、それぞれのステッピングモータは、階段状供給電流、又は補間、モーフィング若しくはフィルタリングを通じて得られた平滑化された階段状供給電流に基づいて駆動される。例えば、ステッピングモータは、2つ以上のレベル間でトルクリザーブを静的に切り替えることによって制御することができる。これにより、所望のシミュレーション精度を抽象化することができる。この実施形態のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用ブランクを仕上げるために使用され、比較的高いレベルが歯科用ブランクを荒削りするために使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用ブランクに部分的な切断経路を形成するために使用され、比較的高いレベルが歯科用ブランクに完全な切断経路を形成するために使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが第1のタイプの歯科用工具で機械加工するために使用され、比較的高いレベルが第1のタイプの歯科用工具とは異なる第2のタイプの歯科用工具で機械加工するために使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用ブランクの潤滑機械加工するために使用され、比較的高いレベルが歯科用ブランクの乾式機械加工するために使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用工具の第1の回転スピードに対して使用され、比較的高いレベルが第1の回転スピードとは異なる歯科用工具の第2の回転スピードに対して使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用ブランクの第1のタイプの材料に対して使用され、比較的高いレベルが、第1のタイプの材料とは異なる歯科用ブランクの第2のタイプの材料に対して使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用工具のキャリッジの比較的低い加速度に対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具のキャリッジの比較的高い加速度に対して使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用工具のキャリッジの第1の速度に対して使用され、比較的高いレベルが第1の速度とは異なる歯科用工具のキャリッジの第2の速度に対して使用される。この実施形態の別のバージョンでは、比較的低いレベルが歯科用工具のキャリッジの軌跡における低いジャーク(jerk)に対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具のキャリッジの軌跡における高いジャークに対して使用される。
【0016】
本発明はまた、歯科用機械加工システムも提供し、歯科用機械加工システムは、歯科用ブランクから材料を除去するための歯科用工具機械と、歯科用工具機械は、1つ以上の歯科用工具を移動可能に保持するキャリッジを駆動するための1つ以上のステッピングモータを有し、ステッピングモータを選択的に動作するための制御手段とを備える。キャリッジは、回転可能及び並進可能なシャフトと、シャフトに半径方向にリンクされたアームとを有することが好ましい。各歯科用工具は、アーム上に位置付けられた、ブラシレスDC(bldc)モータのような、別個の歯科用工具スピンドルモータによって駆動されることが好ましい。ステッピングモータはそれぞれ、シャフトを回転及び並進させ、それによってアームを移動させるように配置される。歯科用工具は、フライス削り、研削、研磨、又は穿孔のいずれかに適合される。歯科用ブランクは、好ましくは回転可能かつ並進可能なリテーナを介してシャフトに着脱可能に据え付け可能である。歯科用ブランクを保持するシャフトは、キャリッジに対して回転及び並進移動可能であることが好ましい。歯科用機械加工システムは、共通の歯科用ブランクを両側から平行に機械加工することを可能にする2つのキャリッジを含むことが好ましい。キャリッジは、互いに及び歯科用ブランクに対してそれぞれ並進及び回転移動可能であることが好ましい。制御手段は更に、本発明の方法に従ってステッピングモータを選択的に動作するように適合されている。制御手段は、2つ以上のサブ制御ユニットに分割され、歯科機械加工システムにわたって分散されてもよい。各サブ制御ユニットは、直接接続されていてもよく、又はネットワークを通して接続されてもよい。供給電流又は関連データを見つけるためのシミュレーションは、リソースを節約するために歯科用工具機械に外部的にリンクされたコンピュータにおいて実行されることが好ましい。本発明はまた、コンピュータベースの歯科機械加工システムに上述の方法を実行させるためのコンピュータ読取可能コードを有するプログラムを提供する。また、本発明は、上述のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能記憶装置をさらに提供する。
【0017】
後続する説明では、例示的な実施形態を使用し、図面を参照することによって、本発明のさらなる態様及び有利な効果をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、歯科用ブランクから材料を除去するための歯科用工具機械で使用されるステッピングモータを動作する方法を示すフローダイヤグラムである。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、予測された供給電流、増強された供給電流、及び階段状供給電流対歯科用工具軌跡のダイヤグラムを示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による、歯科用工具機械の概略部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に示される参照番号は、以下にリストアップされる要素を示し、例示的な実施形態の後続する説明において参照される。
【符号の説明】
【0020】
1.歯科用工具機械
2.歯科用ブランク
2a.シャフト
3.歯科用工具
4.キャリッジ
4a.アーム
4b.シャフト
M_net: 正味荷重モーメント
M_df: 駆動力による荷重モーメント
M_mf: 機械加工力による荷重モーメント
I_tr: トルクリザーブを設定する供給電流
I_tr': 増強された供給電流
I_tr": 階段状供給電流
S_dt: 駆動トレインシミュレーション
S_mr: 材料除去シミュレーション
S_tr: トルクリザーブシミュレーション
【0021】
歯科用機械加工システムの実施形態が
図3に部分的に示されている。歯科用機械加工システムは、歯科用ブランク(2)から材料を除去するための歯科用工具機械(1)を有する。歯科用工具機械(1)は、歯科用工具(3)をそれぞれ移動可能に保持する2つのキャリッジ(4)を有する。キャリッジ(4)は、歯科用ブランク(2)の対向する側に配置される。本発明は、二重キャリッジ(4)の使用に限定されず、代替的に、より少ない又はより多いキャリッジ(4)を有する歯科用機械加工システムに適用することができる。歯科用工具(3)は交換可能である。ユーザは、フライス削り、研削、研磨又は穿孔及びこれらに類するもののために歯科用工具(3)を選択的に据え付けることができる。歯科用工具機械(1)は、各キャリッジ(4)を駆動するための2つのステッピングモータ(図示せず)を有することが好ましい。歯科用機械加工システムはまた、ステッピングモータを個々に動作するための制御手段(図示せず)を有し、それによって歯科用ブランク(2)の同時機械加工も可能にする。各キャリッジ(4)は、シャフト(4b)と、それぞれのシャフト(4b)に固定されたアーム(4a)とを有する。2つのステッピングモータは、それぞれのシャフト(4b)を回転及び並進させるためにそれぞれのシャフト(4b)にリンクされる。各シャフト(4b)は、それぞれのステッピングモータを通してy方向を中心に回転可能である。各シャフト(4b)は、それぞれのステッピングモータを通ってy方向に沿って並進可能である。各アーム(4a)は、y方向に直交する径方向に延びている。各歯科用工具(3)は、それぞれのアーム(4a)上に位置付けられた別個の歯科用工具スピンドルモータ(図示せず)によって駆動される。各アーム(4a)は、1つ以上の歯科用工具(3)を支持してもよい。歯科用工具スピンドルモータは、制御手段によって個別に制御することができる。歯科用工具(3)は、y方向に平行に整列される。歯科用ブランク(2)は、やはり制御手段によって制御されるステッピングモータ(図示せず)を通してx方向を中心に回転可能なシャフト(2a)に、リテーナ(図示せず)を通して着脱可能に取り付けることができる。歯科用ブランク(2)を保持するシャフト(2a)はまた、制御手段によって制御されるステッピングモータ(図示せず)を通して、キャリッジ(4)に対してx方向に沿って並進移動可能である。歯科用ブランク(2)は、2つの歯科用工具(3)の間の領域の内外に移動することができる。キャリッジ(4)は、制御手段によって制御されるステッピングモータを介して、それぞれy方向に沿って及びy方向を中心に互いに対して並進移動可能及び回転移動可能である。
【0022】
本発明は、歯科用ブランク(2)から材料を除去するために歯科用工具機械(1)中のステッピングモータのそれぞれを動作する方法を提供する。制御手段はさらに、本発明の方法に従ってステッピングモータを個々に動作するように適合される。本発明はさらに、コンピュータベースの歯科用機械加工システムに方法を実行させるためのコンピュータ読取可能コードを有するプログラムを提供する。本発明は、プログラムを記憶したコンピュータ読取可能記憶装置をさらに提供する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態による、歯科用ブランク(2)から材料を除去するための歯科用工具機械(1)中のステッピングモータを動作する方法のフローダイヤグラムを示す。動作点におけるステッピングモータのトルクリザーブは、正味荷重モーメント(M_net)にそれぞれ適合される。正味荷重モーメントは、ステッピングモータの回転軸(x,y)を中心に作用する正味荷重によるトルクに等しく、すなわち、トルクベクトルは回転軸(x,y)に平行である。本発明では、これは回転エンコーダベースの調整なしに達成される。そのため、方法は、正味荷重モーメント(M_net)を予めシミュレーションを通して予測する第1のステップ(S1)と、予測された正味荷重モーメント(M_net)にそれぞれ対応するトルクリザーブを設定するためにステッピングモータに供給される供給電流(I_tr)をシミュレーションを通して予測する第2のステップ(S2)と、予測された供給電流(I_tr)に基づいてステッピングモータを動作するステップ(S3)とを含む。
【0024】
図1に示されるように、正味荷重モーメント(M_net)は、それぞれステッピングモータの駆動トレインを通して生じる駆動力及び歯科用ブランク(2)からの材料除去を通して生じる機械加工力に起因する荷重モーメント(M_df、M_mf)の重ね合わせに対応する。第1の予測ステップ(S1)では、歯科用工具(3)の移動に対応する駆動トレイン軌跡に沿った動的加速/減速の駆動トレインシミュレーション(S_dt)及び材料除去シミュレーション(S_mr)と、歯科用工具軌跡とに基づいて、荷重モーメント(M_df,M_mf)を予測する。歯科用工具軌跡、したがって歯科用工具(3)の移動に関与する駆動軸の駆動トレイン軌跡は、対象となる特定の用途について予め知られている。歯科用工具軌跡はまた、それに沿って材料が除去されない、1つ以上の区分を備えてもよい。第2の予測ステップ(S2)では、動的電流供給のトルクリザーブシミュレーション(S_tr)に基づいて供給電流(I_tr)を予測する。第1及び第2の予測ステップ(S1,S2)は、駆動ステップ(S3)に先立って行われる。例えば、供給電流(I_tr)又は関連データを予測するためのシミュレーションは、好ましくは、リソースを節約するために歯科用工具機械(1)の外部にあるコンピュータにおいて実行される。このようなコンピュータは、ネットワークを介してワイヤード又はワイヤレスのデータ通信回線を通して歯科用工具機械(1)にリンクされている。代替的に、シミュレーションは、歯科用工具機械(1)において実行されてもよい。
【0025】
方法は、予測された供給電流(I_tr)に一定量を加算することによって、及び/又は1より大きい一定の係数で予測された供給電流(I_tr)を乗算することによって、
図2に示されるような増強された供給電流(I_tr')を生成する任意選択のステップをさらに含む。続いて、増強された供給電流(I_tr')に基づいてステッピングモータが駆動される。
【0026】
この方法は、予測された供給電流(I_tr')に基づいて、
図2に示されるような階段状供給電流(I_tr'')を生成する任意選択のステップをさらに含む。階段状供給電流(I_tr'')は、2つ以上のレベルを有する。その後、階段状供給電流(I_tr'')に基づいてステッピングモータが駆動される。任意選択で、階段状供給電流(I_tr'')は、補間、モーフィング、及び/又はフィルタリングによってさらに平滑化することができる。そして、平滑化された階段状供給電流(I_tr'')に基づいて、ステッピングモータを駆動することができる。レベルは、いくつかの異なる機械加工用途で利用することができる。
【0027】
ある用途では、比較的低いレベルが歯科用ブランク(2)を仕上げるために使用され、比較的高いレベルが歯科用ブランク(2)を荒削りするために使用される。
【0028】
別の用途では、比較的低いレベルが歯科用ブランク(2)内に部分的切断経路を形成するために使用され、比較的高いレベルが歯科用ブランク(2)内に完全切断経路を形成するために使用される。
【0029】
別の用途では、比較的低いレベルが第1のタイプの歯科用工具(3)による機械加工するために使用され、比較的高いレベルが第1のタイプの歯科用工具(3)とは異なる第2のタイプの歯科用工具(3)による機械加工するために使用される。
【0030】
別の用途では、比較的低いレベルが歯科用ブランク(2)の潤滑機械加工するために使用され、比較的高いレベルが歯科用ブランク(2)の乾式機械加工するために使用される。
【0031】
別の用途では、比較的低いレベルが歯科用工具(3)の第1の回転スピードに対して使用され、比較的高いレベルが第1の回転スピードとは異なる歯科用工具(3)の第2の回転スピードに対して使用される。
【0032】
別の用途では、比較的低いレベルが歯科用ブランク(2)の第1のタイプの材料に対して使用され、比較的高いレベルが第1のタイプの材料とは異なる第2のタイプの材料に対して使用される。
【0033】
別の用途では、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の比較的低い加速度に対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の比較的高い加速度に対して使用される。
【0034】
別の用途では、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の第1の速度に対して使用され、比較的高いレベルが第1の速度とは異なる歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の第2の速度に対して使用される。
【0035】
別の用途では、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の軌跡における低いジャークに対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の軌跡における高いジャークに対して使用される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 歯科用ブランク(2)から材料を除去するための歯科用工具機械(1)において使用するためのステッピングモータを動作する方法であって、
回転エンコーダベースの調整を使用することなく、動作点における前記ステッピングモータのトルクリザーブを、前記ステッピングモータの回転軸を中心に正味荷重モーメント(M_net)にそれぞれ適合させるステップを含み、ここで、前記適合させるステップは、
シミュレーションを通して、前記正味荷重モーメント(M_net)を予め予測する第1のステップ(S1)と、
シミュレーションを通して、前記予測された正味荷重モーメント(M_net)にそれぞれ対応する前記トルクリザーブを設定するために前記ステッピングモータに供給される供給電流(I_tr)を予測する第2のステップ(S2)とを含み、
前記予測された供給電流(I_tr)に基づいて、前記ステッピングモータを動作するステップ(S3)をさらに含むことを特徴とする、方法。
[2] 前記正味荷重モーメント(M_net)は、歯科用工具(3)の移動に対応する駆動トレイン軌跡に沿った動的加速/減速の駆動トレインシミュレーション(S_dt)及び材料除去シミュレーション(S_mr)、並びに歯科用工具軌跡に基づいて、前記第1の予測ステップにおいてそれぞれ予測される、前記ステッピングモータの駆動トレインを通して生じる駆動力、及び前記歯科用ブランク(2)からの材料除去を通して生じる機械加工力に起因する荷重モーメント(M_df、M_mf)それぞれの重ね合わせに対応することを特徴とする、[1]に記載の方法。
[3] 前記供給電流(I_tr)は、動的電流供給のトルクリザーブシミュレーション(S_tr)に基づいて、前記第2の予測ステップ(S2)において予測されることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記第1及び第2の予測ステップ(S1、S2)は、駆動ステップ(S3)の前に実行されることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 前記予測された供給電流(I_tr)に一定量を加算することによって、及び/又は1より大きい一定の係数で前記予測された供給電流(I_tr)を乗算することによって、増強された供給電流(I_tr')を生成するステップをさらに含み、前記ステッピングモータは、前記増強された供給電流(I_tr')に基づいて駆動されることを特徴とする、[1]から[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記予測された供給電流(I_tr)に基づいて、2つ以上のレベルを有する階段状供給電流(I_tr'')を生成するステップをさらに含み、前記ステッピングモータは、前記階段状供給電流(I_tr'')に基づいて駆動されることを特徴とする、[1]から[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7] 前記ステッピングモータは、補間、モーフィング及びそのフィルタリングのうちの少なくとも1つによって取得される平滑化された階段状供給電流(I_tr'')に基づいて駆動されることを特徴とする、[6]に記載の方法。
[8] 前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)を仕上げるために使用され、比較的高いレベルが前記歯科用ブランク(2)を荒削りするために使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[9] 前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)に部分的な切断経路を形成するために使用され、比較的高いレベルが前記歯科用ブランク(2)に完全な切断経路を形成するために使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[10] 前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが第1のタイプの歯科用工具(3)による機械加工するために使用され、比較的高いレベルが前記第1のタイプの歯科用工具とは異なる第2のタイプの歯科用工具(3)による機械加工するために使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[11] 前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)の潤滑機械加工するために使用され、比較的高いレベルが前記歯科用ブランク(2)の乾式機械加工するために使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[12] 前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)の第1の回転スピードに対して使用され、比較的高いレベルが前記第1の回転スピードとは異なる歯科用工具(3)の第2の回転スピードに対して使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[13] 前記階段状供給電流(I_tr'')は少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが前記歯科用ブランク(2)の第1のタイプの材料に対して使用され、比較的高いレベルが前記第1のタイプの材料とは異なる前記歯科用ブランク(2)の第2のタイプの材料に対して使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[14] 前記階段状供給電流(I_tr'')は少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の比較的低い加速度に対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の比較的高い加速度に対して使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[15] 前記階段状供給電流(I_tr'')が少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の第1の速度に対して使用され、比較的高いレベルが前記第1の速度とは異なる歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の第2の速度に対して使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[16] 前記階段状供給電流(I_tr'')は少なくとも2つのレベルを有し、比較的低いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の軌跡における低いジャークに対して使用され、比較的高いレベルが歯科用工具(3)のキャリッジ(4)の軌跡における高いジャークに対して使用されることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の方法。
[17] 歯科用工具機械加工システムであって、
少なくとも1つの歯科用ブランク(2)から材料を除去するための歯科用工具機械(1)と、前記歯科用工具機械(1)は、1つ以上の歯科用工具(3)を移動可能に保持するキャリッジ(4)を駆動するための1つ以上のステッピングモータと、前記歯科用ブランク(2)を移動可能に保持するリテーナを駆動するための1つ以上のステッピングモータとを有し、
前記ステッピングモータを動作する制御手段とを備え、
前記制御手段は、[1]から[16]のうちのいずれか一項に記載の前記ステッピングモータを動作するようにさらに適合されることを特徴とする、歯科用工具機械加工システム。
[18] コンピュータベースの歯科用工具機械(1)に、[1]から[16]のうちのいずれか一項に記載の方法ステップを実行させるためのコンピュータ読取可能コードを含むプログラム。
[19] [18]に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能記憶装置。