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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】血管アクセスデバイスアダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/04 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
A61M39/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022515670
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 US2020048354
(87)【国際公開番号】W WO2021050291
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】62/898,291
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/003,202
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ユエチアン シュエ
(72)【発明者】
【氏名】シーウェイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-515797(JP,A)
【文献】特開2015-66205(JP,A)
【文献】特開昭61-94664(JP,A)
【文献】登録実用新案第3219248(JP,U)
【文献】特開平10-80494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0243092(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管アクセスデバイスアダプタであって、
円筒形のハウジング本体であって、近位端、遠位端、外側ハウジング側壁、および内部の流路を画定する開口部を有する前記ハウジング本体と、
前記ハウジング本体から近位に突出する前記ハウジング本体の前記近位端に一体的に形成された継手であって、前記継手の内部の流路を画定する同心管腔を有するメス継手であって、前記継手がロック式継手であり、前記血管アクセスデバイスアダプタの前記ロック式継手が、別個のアクセスデバイスの対応するロック式継手に接続され、前記血管アクセスデバイスアダプタおよび前記別個のアクセスデバイスの前記継手は、前記血管アクセスデバイスアダプタの前記継手を前記別個のデバイス受容体の前記継手に押圧し、前記血管アクセスデバイスアダプタをねじり、ロックを生成することによって取り外し可能に固定される、前記継手と、
エンドキャップであって、同心の近位開口部、遠位壁、内側側壁、および前記近位開口部から前記遠位壁に延びる同心の開口部を有し、前記開口部がエンドキャップ内部を画定し、前記遠位壁がそれを通って延びる同心孔を有する、前記エンドキャップと、
近位部分および遠位部分を有する円筒形の自己修復可能な穿刺可能な隔壁であって、前記近位部分は前記円筒形の遠位部分のその直径よりも小さい直径を有する、前記近位部分から前記遠位部分への遷移が隆起を画定する、穿刺可能な前記隔壁と、
を備え、
前記流路および前記同心管腔が、前記ハウジング本体の前記流路より大きな流路を画定し、
前記ハウジング本体が前記エンドキャップ内に配置され、前記エンドキャップの前記内側側壁と、前記ハウジング本体のその外側側壁とが嵌合部を形成し、
前記穿刺可能な隔壁が前記エンドキャップの前記同心の開口部内に配置され、前記隆起が前記ハウジング本体の前記遠位端に接し、シールを生成する、
血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項2】
前記継手がねじ付き継手であり、前記血管アクセスデバイスアダプタの前記ねじ付き継手が、別個のアクセスデバイスの対応するねじ付き継手に接続する、
請求項1に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項3】
前記継手は、スリップ継手であり、前記血管アクセスデバイスアダプタの前記スリップ継手は、別個のアクセスデバイスのスリップ継手に対応し、前記血管アクセスデバイスアダプタの前記スリップ継手は、円錐形状を有し、
前記血管アクセスデバイスアダプタおよび前記別個のアクセスデバイスの前記継手は、取り外し可能に押され、干渉継手と共に保持される、
請求項1に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項4】
前記嵌合部は、干渉継手によって取り外し可能に固定される、
請求項1に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項5】
前記嵌合部が接着剤によって固定される、
請求項1に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項6】
前記嵌合部は、ねじ接続によって固定される、
請求項1に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項7】
前記エンドキャップは、複数のリブをさらに備え、前記リブは、サンプル容器収集デバイスの内壁とスリップ継手を生成する、
請求項1に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項8】
請求項1に記載の血管アクセスデバイスアダプタと、
内側側壁と、開放された第1の端部および第2の端部とを有する円筒状の本体を備えるサンプル容器収集デバイスであって、前記第2の端部は、同心円状に配置された雄コネクタが前記円筒状の本体から遠位に突出する底壁を有し、前記開放された端部は、前記底壁に延びる開口部を画定し、前記底壁は、一体的に配置された小さな中空ゲージ針を有し、前記小さな中空ゲージ針は、管腔を画定し、前記管腔および前記雄コネクタの開口部は、収集デバイスチャネルを画定する、サンプル容器収集デバイスと、
前記血管アクセスデバイスアダプタのメス継手に取り外し可能に取り付けるための互換性のあるオス継手を有するフラッシュシリンジであって、前記メス継手は、前記互換性のあるオスコネクタをハウジング本体に流体液密接続で取り付けるようにサイズされた内側寸法を画定する内面を含む取り付け部分を備える、フラッシュシリンジと、
を含み、
前記小さな中空ゲージ針が前記血管アクセスデバイスアダプタの前記隔壁を穿刺し、流体が前記シリンジから前記血管アクセスデバイスアダプタの前記ハウジング本体の流路より大きな流路を通って前記収集デバイスチャネルに流れることを可能にする、
採血キット。
【請求項9】
前記サンプル容器収集デバイスは、前記中空の小さなゲージ針を覆う保護エラストマースリーブをさらに備え、前記エラストマースリーブは、前記底壁に一体的に接合され、前記エラストマースリーブは、修復力を有する、
請求項8に記載の採血キット。
【請求項10】
前記エンドキャップが複数のリブをさらに備え、前記リブがサンプル容器収集デバイスの内壁とスリップ継手を生成し、前記血管アクセスデバイスアダプタが静止したままになるように前記修復力に対抗する、
請求項9に記載の採血キット。
【請求項11】
導入針と、前記サンプル容器収集デバイスの前記雄コネクタを流体密着接続で受容するように適合された雌コネクタとを含むカテーテルをさらに備える、
請求項8に記載の採血キット。
【請求項12】
液体密閉区画および穿刺可能な隔壁を含む円筒形採血チューブをさらに備え、
前記小さな中空ゲージが前記採血チューブの前記隔壁を穿刺し、流体が前記サンプル容器収集デバイスの前記収集デバイスチャネルからその区間に流れることを可能にする、
請求項8に記載の採血キット。
【請求項13】
血管アクセスデバイスアダプタであって、
円筒形のハウジング本体であって、近位端、遠位端、外側ハウジング側壁、および内部流路を画定する開口部を有する前記ハウジング本体と、
前記ハウジング本体から近位に突出する前記ハウジング本体の前記近位端に一体的に形成されたメス継手であって、前記メス継手が開いた細長い先端を有し、前記細長い先端が外面を有し、前記メス継手の内部流路を画定する同心の管腔を有し、前記細長い先端の前記外面が近位方向に延びるテーパーを有する、前記メス継手と、
前記メス継手がロック継手であり、前記ロック継手が別個のアクセスデバイスの対応するロック受容体に接続し、前記継手および受容体は、前記継手を前記受容体内に押し込み、前記継手をねじり、ロックを生成することによって取り外し可能に固定され、前記ハウジング本体の遠位端に一体的に配置された円筒形の自己修復可能な穿刺可能な隔壁が一体的に配置されている、
血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項14】
前記メス継手はねじ付き継手であり、前記ねじ付き継手は、別個のアクセスデバイスの対応するねじ付き受容体に接続する、
請求項13に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項15】
前記メス継手がスリップ受容体であり、前記スリップ受容体が別個のアクセスデバイスのスリップ継手に対応し、前記スリップ継手が円錐形状を有し、
前記継手および受容体は取り外し可能に押され、干渉継手で一緒に保持される、
請求項13に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項16】
前記ハウジング本体は、隆起をさらに備え、前記隆起は、保持クリップの複数のジョーに対応するように構成され、前記保持クリップは、サンプル収集デバイスの内側側壁との干渉継手を有する、
請求項13に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項17】
前記近位端から前記ハウジング本体に部分的に沿って延びる複数のリブをさらに備える、
請求項13に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【請求項18】
注射器の遠位に位置する雌コネクタを前記血管アクセスデバイスアダプタのその近位アダプタ継手に連結するように構成された雌雌間アダプタをさらに備える、
請求項13に記載の血管アクセスデバイスアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、血管(vascular)アクセスデバイスと共に使用するように適合されたデバイス、アセンブリ、およびシステムに関し、より具体的には、ポイントオブケア試験および分析中に非滅菌環境への曝露を最小限に抑えながら、より大きな血管外システムの構成要素間の交換可能な接続を可能にする血管アクセス機器(デバイス)アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
血管アクセスデバイス(VAD)は、血管外システムで一般的に使用される治療デバイスであり、静脈内(IV)カテーテル、翼状針セット(WNS)、シリンジ、チューブ、高圧延長チューブ、サンプル容器収集デバイス、血液サンプル容器、および無針アクセスデバイスを含む。そのようなデバイスは、ルアーロックまたはルアースリップなどの対応する付属品(fittings)と互いに直接接続されてよく、他の医療を容易にするために他のデバイスと互換的に取り付けられてよい。
【0003】
例として、臨床医は、最初に血液サンプリングのためにサンプル容器収集デバイスをWPNに取り付け、次いで従来の生理食塩水フラッシュシリンジを使用してWPNを洗浄(flush)し得る。サンプル容器収集デバイスおよび従来のフラッシュシリンジの両方は、雄型の継手(fitting)を有してもよく、一方WPNは対応する雌型継手を有してもよい。同様に、臨床医は、最初に注射器を針に取り付けて、小瓶(vial)から薬物を取り出し、続いて同じ針を使用して静脈内に薬物を投与してもよい。あるいは、臨床医は、シリンジをカテーテルに取り付けて、薬物を投与することができる。注射器は、針とカテーテルの両方が対応するメスの継手(fitting)を有し得る間、オスの継手を有し得る。
【0004】
そのようなデバイスは、多くの場合、使い捨てであり、通常は滅菌包装に保管される。しかしながら、医療機器の交換の間に、オス継手とメス継手の両方が非滅菌環境に曝露される。さらに、血液漏出は、医療機器の交換中および複数の血液サンプル容器の順次充填中の両方で生じ得る。
【0005】
現在の慣行は、使用と生理食塩水フラッシュの間の継手を消毒するなどの適切な技術を使用して、感染症と非滅菌環境への曝露を制限しようとしている。非滅菌環境への曝露を最小限に抑えながら、より大きな血管外システムの構成要素間の交換可能な接続を可能にするユニバーサルディスポーザブルデバイスが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
従来技術内の上述の欠点を考慮して、ポイントオブケア試験および分析中に非滅菌環境への曝露を最小限に抑えながら、より大きな血管外システムの別個の構成要素間の交換可能な接続を可能にする血管アクセスデバイスアダプタが本明細書に提供される。本開示のさらなる詳細および利点は、添付の図面と併せて読まれる以下の詳細な説明から理解されるであろう。
【0007】
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、円筒形ハウジング本体の上に少なくとも部分的に挿入されたエンドキャップと、エンドキャップとハウジング本体との間に配置された自己修復可能な穿刺可能な隔壁(septum)とを含む血管アクセスデバイスアダプタが開示され、シールを生成する。ハウジング本体の近位端に一体的に形成された継手は、血管アクセスデバイスを、対応する継手を有する別個のデバイスに接続する。一例として、継手は、ねじ接続、ルアーロック、ルアースリップ、無針エントリ、または一般的な医療接続であり得る。
【0008】
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、隔壁は、ハウジング本体の遠位端およびエンドキャップの底壁に対して圧縮される。中空の小さなゲージ針でエンドキャップの開口部を通って隔壁を穿刺することで、流体が針から血管アクセスデバイスを通って別個のデバイスに流れることを可能にする。本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、フラッシュシリンジは、血管アクセスデバイスアダプタに取り外し可能に接続され得、キットは、血液採取サンプリング中に翼状針セットの中空ゲージ針で隔壁を穿刺することによって、翼状針セットをフラッシュするために使用され得る。
【0009】
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、エンドキャップは、ハウジング本体の外壁の上に干渉継手で固定され得る。1つまたは複数の実施形態では、エンドキャップは、医療用グレードの接着剤またはねじ接続で固定され得る。エンドキャップは、デバイスアダプタを、干渉継手によってVACUTAINER(登録商標)などのサンプル収集デバイスの内部ハウジングに取り外し可能に固定する、外側側壁上に配置されたリブをさらに含んでもよい。
本開示の1つまたは複数の実施形態によれば、隔壁は、エンドキャップを必要とせずに、ハウジング本体に一体的に形成され得る。さらなる構成において、ハウジング本体の遠位部分は、不要な接続または鈍い先端カニューレのために構成され得、無針接続を可能にする。そのような構成は、スプリットセプタムまたはバルブロックを含んでいてもよく、Becton、Dickinson、andCompanyから市販されている、BD Q-SYTE(登録商標)Luer Access Split Septumシステム、BD INTERLINK(登録商標)システム、およびBD SMARTSITE(登録商標)システムなどのシステムとの互換性を可能にする。エンドキャップなしの構成は、保持クリップ付属品を伴ってもよく、血管アクセスアダプタが取り外し可能に挿入され、Becton、Dickinson、andCompanyからも市販されているVacutainer(登録商標)などのサンプル収集デバイスの内部ハウジングに固定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の第1の実施形態による、より大きな血管外システムの一部としての血管アクセスデバイスアダプタの側面図を図示する。
図2図2は、本開示の第1の実施形態による血管アクセスデバイスアダプタの詳細な斜視図を図示する。
図3図3は、本開示の第1の実施形態による血管アクセスデバイスアダプタの分解斜視図を図示する。
図4A図4Aは、第1の実施形態のより大きな血管外システムの一部としてのサンプル容器収集デバイスの斜視図を図示する。
図4B図4Bは、第1の実施形態のより大きな血管外システムの一部としてのサンプル容器収集デバイスの断面図を図示する。
図4C図4Cは、より大きな血管外システムの一部として容器収集デバイス内に配置された血管アクセスデバイスアダプタの斜視図を図示する。
図5図5は、本開示の第2の実施形態による、より大きな血管外システムの一部としての血管アクセスデバイスアダプタの側面図を図示する。
図6図6は、本開示の第2の実施形態による血管アクセスデバイスアダプタの側面図を図示する。
図7図7は、本開示の第2の実施形態による雌雄別アダプタの側面図を図示する。
図8A図8Aは、第2の実施形態のより大きな血管外システムの一部としてのサンプル容器収集デバイスの側面断面図を図示する。
図8B図8Bは、第2の実施形態のより大きな血管外システムの一部としての保持クリップの斜視図を図示する。
図9図9は、本開示の第3の実施形態による血管アクセスデバイスアダプタの側面図を図示する。
図10図10は、本開示の第4の実施形態による血管アクセスデバイスアダプタの側面図を図示する。
図11図11は、本開示の1つまたは複数の実施形態による血管外システムキットを図示する。
図12A図12Aは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、血管アクセスデバイスアダプタの使用方法を図示する。
図12B図12Bは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、血管アクセスデバイスアダプタの使用方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に示される構成またはプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態であることができ、様々な方法で実施または実行することができる。
【0012】
以下、説明の目的のために、用語「上部(upper)」、「下部(lower)」、「右(right)」、「左(left)」、「垂直の(vertical)」、「水平の(horizontal)」、「上(top)」、「下(bottom)」、「横の(lateral)」、「縦の(longitudinal)」、およびそれらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本開示は、それとは反対に明示的に特定されない限り、代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、および以下の明細書に記載される具体的なデバイスおよびプロセスは、本開示の単なる例示的な実施形態であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的な寸法、および、他の物理的な特徴は、限定的であるとしてみなされるべきではない。
【0013】
本開示は、血管(vascular)アクセスデバイスアダプタ110に関し、ポイントオブケア試験および分析中に非滅菌環境への曝露を最小限に抑えながら、例示的なより大きな血管外システムの構成要素間の交換可能な接続を可能にする。例示的な血管外システム10のキットを図1に示す。1つまたは複数の実施形態では、システムは、Becton,DICKINSON,and Companyから市販されている、例示的な予め充填されたフラッシュシリンジ16、血管アクセスデバイスアダプタ110、例示的な翼状針セット12、およびBD Vacutainer(登録商標)採血チューブなどのサンプル収集チューブ(図示せず)を含む。血管アクセスデバイスアダプタ110は、血管外システム10の追加の構成要素を受け入れるように構成された近位アダプタ継手166を含む。一例として、1つまたは複数の実施形態では、近位アダプタ継手(fitting)166は、フラッシュシリンジ16を血管アクセスデバイスアダプタ110に結合するためのねじ山のセットを含んでもよい。
【0014】
図2に示されるように、本実施形態では、フラッシュシリンジは、血管アクセスデバイスアダプタ110の近位アダプタ継手166に接続された雌ルアー継手16aを含む。図示のように、近位アダプタ継手116は、雄ルアー継手であり、雄ルアー継手および雌ルアー継手は、互いに対応するように適合され、血管アクセスデバイスアダプタ110と、血管外システム10の追加の構成要素との間の接続との間の流体連通を可能にする。
【0015】
図1に戻って参照すると、例示的な翼状針セット12は、血液吸引カテーテル62、統合された延長チューブ64、ニードルハブ66、中空の小型ゲージニードル(図示せず)、および保護エラストマースリーブ(図示せず)を含み得る。一体型延長チューブ64は血液吸引(採血)カテーテル62とニードルハブ66とを接続する。1つまたは複数の実施形態では、エラストマースリーブ70を備える中空小ゲージ針68を収容するニードルハブ66は、ニードルハブ66に一体的に連結され、中空小ゲージ針68を少なくとも部分的に覆う。中空の小ゲージ針68の先細または尖った端部は、本明細書に開示される1つまたは複数の実施形態の血管アクセスデバイスアダプタのゴム栓または隔壁を穿刺するように構成される。
【0016】
採血中、開業医は、まず、小さなゲージ針68をサンプル収集チューブ(図示せず)に挿入し、サンプル収集チューブの隔壁(図示せず)を貫通し得る。血液サンプルを抽出した後、生理食塩水フラッシュは、小さなゲージ針68を血管アクセスデバイスアダプタ110の隔壁130に挿入することによって実行され得る。したがって、血管アクセスデバイスアダプタ110は、追加のデバイスおよびアダプタを接続および切断する追加のステップを最小限に抑え、血液曝露および感染のリスクを最小限に抑える。サンプル収集チューブおよび血管アクセスデバイスアダプタ110の隔壁またはストッパーは、針が隔壁またはストッパーから取り外されるとき、自己修復し、自己回復するものである。
【0017】
血管外システム10の別個の追加の構成要素は、針、生理食塩水フラッシュシリンジ、従来のシリンジ、無針アクセスシステム、IVカテーテル、サンプル容器収集デバイス、および血液サンプル容器をさらに含み得る。そのようなデバイスは、一般的に標準化されたカップリング、ポート、または継手を有することができる。前記構成要素は、本明細書に記載の実施形態の構成要素と交換可能である。
【0018】
図2および3を参照すると、血管アクセスデバイスアダプタ110は、より詳細に説明される。血管アクセスデバイスアダプタ110は、実質的に円筒形のハウジング本体112、自己修復可能な穿刺可能な隔壁130、およびエンドキャップ140を備える。隔壁130は、エンドキャップ140内に配置され、ハウジング本体112の遠位ハウジング端116に隣接している。遠位ハウジング端116は、アダプタエンドキャップ140内に少なくとも部分的に挿入され、遠位ハウジング端116とエンドキャップ140のエンドキャップ底壁150との間の隔壁130を圧縮し、シールを生成する。
【0019】
円筒形ハウジング本体112の構造は、近位端114、遠位端116、外側ハウジング側壁120、および内部流路176を画定する開口部を含む。ハウジング本体112および内部流路176は、軸124に沿って同心円状に延在する。近位端114から近位に突出するのは、前述の近位アダプタ継手166である。
【0020】
図2~3の血管アクセスデバイスアダプタ110の継手166は、フラッシュシリンジの雌ルアーコネクタに接続するための雄ルアー継手であるが、継手166は、代替的に雄ルアー継手を含んでもよい。好ましい実施形態では、近位アダプタ継手116は、ねじ付きの雄ルアーコネクタであるが、代替の実施形態では、近位アダプタ継手116は、ねじ付き雌ルアーコネクタ、雌ルアースリップコネクタ、雄ルアースリップコネクタ、または当技術分野で既知の他のコネクタとして構成され得る。前記コネクタは、血管外システム10の構成要素と取り外し可能または取り外し不可能に嵌合するように構成される。
【0021】
血管アクセスデバイスアダプタ110の特定の近位アダプタ継手166が血管外システム10の構成要素と互換性がない場合、追加の雌雌間または雌雌間ルアーアダプタ(図示せず)を使用して、そうでなければ互換性のないデバイスを結合し得る。さらなるアダプタは、例として、ルアーロックスリップアダプタ、ルアーロックスレッド接続アダプタ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、雄ルアーロックを有する血管アクセスデバイスアダプタの実施形態は、図7に示されるように、雌雌間ルアーアダプタ19を有する雄ルアーロックも有するフラッシュシリンジに接続されてもよい。
【0022】
カプラ、継手、ポート、およびアダプタのための例示的な構成は、市販のルアーロック、ルアースリップポート、ロックポート、ねじ接続、インターロック接続、または概して当技術分野で知られている他の一般的な医療デバイス継手を含み得る。血管アクセスデバイス110アダプタのさらなる実施形態は、そのようなカプラ、継手、およびポートを利用するように適合されてもよい。
【0023】
図3に示されるように、近位アダプタ継手166は、軸124に沿ってそこを通って延びる同心管腔(図示せず)をさらに含む。流路176および同心の管腔(lumen)178は、互いに流体連通している。
【0024】
アダプタエンドキャップ140の構造は、内側側壁(図示せず)、外側キャップ側壁154、遠位キャップ端148、および実質的に開いた近位キャップ端146を有する概して円筒形のエンドキャップ本体142を含む。開口した近位キャップ端146は、底壁150に延在する内部空洞を画定し、底壁150は遠位キャップ端148に配置される。底壁150は、軸125に沿ってそれを通って延びる同心開口部152を有する。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、複数のリブ156は、外側キャップ側壁154の周りに半径方向に配置され、リブ156は、外側キャップ側壁154の長さを少なくとも部分的に延在する。複数のリブ156は、血管アクセスデバイスアダプタ110をねじるための触覚的な把持面を提供するように構成される。複数のリブ156はまた、以下でさらに詳細に説明するように、サンプル容器収集デバイス14のバレルと取り外し可能な摩擦嵌合を生成するように構成される。摩擦嵌合は、採血中に血管アクセスデバイスアダプタ110を血管アクセスデバイスアダプタ110のバレル内に確実に保持するように構成され、したがって、施術者が血管アクセスデバイスアダプタ110を所定の位置に手動で保持する必要はない。
【0026】
1つまたは複数の実施形態では、アダプタエンドキャップ140は、生理食塩水フラッシュ中に、臨床医が結合されたフラッシュシリンジ16および血管アクセスデバイスアダプタ110をプライミングし得る通気機能をさらに含む。プライミングは、閉じたシステムから空気を排出して除去すること、または生理食塩水のフラッシュ中に空気が患者の血流に入るのを防ぐことを目的としています。
【0027】
図3を参照すると、本実施形態における隔壁130は、概して円筒形の近位部分134および概して円筒形の遠位部分136を含むフランジ形状を有する。近位部分134は、円筒形の遠位部分136の直径よりも小さい直径を有する。近位部分134から遠位部分136への遷移は、隆起(ridge)132を画定する。隔壁の他の実施形態は、実質的に台形、三角形、または先細りの断面を有する概して円筒形の本体を含み得る。隔壁130の材料は、一般に、弾性ポリマーまたはゴムであってよく、従来の針の繰り返しの穿刺および漏れなくバリアを通る流体の移送を可能にするバリアを作り出す。
【0028】
血管アクセスデバイスアダプタ110は、円筒形ハウジング本体112を、開いた近位キャップ端146を通して少なくとも部分的に押すことによって組み立てられ、それによって、エンドキャップ140の底壁150に対する隔壁130の圧縮を引き起こす。完全に組み立てられた隆起132は、円筒形ハウジング本体112の遠位端116に隣接し、流体密閉シールを生成する。円筒形ハウジング本体112は、円筒形ハウジング本体112の外側ハウジング側壁120とエンドキャップ140の内側側壁(図示せず)との間の干渉圧入(press-fit)によってエンドキャップ140と連結される。1つまたは複数の実施形態では、円筒形ハウジング本体112の外側ハウジング側壁120は、ねじ接続、ロック機構または医療用グレードの接着剤、音波溶接、またはそれらの組み合わせを使用して、エンドキャップ140の内側側壁(図示せず)と連結される。
【0029】
完全に組み立てられ、エンドキャップ140の開口部152は、従来の針、または本実施形態では、中空の小ゲージ針68が隔壁130を貫通することを可能にするのに十分に大きい。次いで、生理食塩水は、小さなゲージ針68を通って大流動チャネル180から流れ、翼状針セット12をフラッシュし得る。
【0030】
前述のように、血管アクセスデバイスアダプタ110の近位アダプタ継手166は、従来のシリンジ、シリンジ16、または例示的なフラッシュシリンジ14を含む、血管外システム10の追加の構成要素を受け入れるように構成される。さらに、アクセスデバイスアダプタ110の自己治癒隔壁130は、針を受け入れるように構成され、それによって、血管アクセスデバイスアダプタ110と挿入される針の管腔との間に流体連通が確立される。そのような構成の1つは以下に説明され、シリンジ16のコネクタは、アクセスデバイスアダプタ110の近位アダプタ継手166に接続され、血管アクセスデバイスアダプタ110は、サンプル容器収集デバイス14のバレルに挿入される。
【0031】
図4A~4Cを参照すると、サンプル容器収集デバイス14は、内側側壁42、実質的に開放された第1の端部44、および第2の端部48を有する概して円筒形の本体40を含み、実質的に開放された端部44は、内部空洞を画定する。第2の端部48は、同心に配置されたファスナ52が遠位方向に延びる底壁50を含む。ファスナ52は、サンプル容器収集デバイス14を、対応するアダプタを有する血管外システム10のカテーテルまたは翼状針セットなどの血液サンプル抽出デバイスに固定するが、これらに限定されない。図4A~4Cの描写される実施形態では、ファスナ52は、血管外システム10の血液サンプル抽出デバイスの留め具(fasteners)に対応する雌ルアーロックである。
【0032】
カプラ、継手、ポート、およびアダプタのための例示的な構成は、市販のルアーロック、ルアースリップポート、ロックポート、ねじ接続、インターロック接続、または概して当技術分野で知られている他の一般的な医療デバイス継手を含み得る。ファスナ52のさらなる実施形態は、そのようなカプラ、継手、およびポートを利用するように適合されてもよい。
【0033】
ファスナ52は、底壁50を通って延びる留め具チャネル(図示せず)を画定する同心開口部を有する。底壁は、同心円状に配置された一体型で中空の小さなゲージ針54を含み、小さな中空のゲージ針54は、針チャネル60を画定する管腔を有する。留め具チャネル58および針チャネル60は、互いに流体連通している。
【0034】
1つまたは複数の実施形態では、サンプル容器収集デバイス14は、中空の小ゲージ針54を実質的に覆う保護エラストマースリーブ46をさらに含む。保護エラストマースリーブ46は、血管アクセスデバイスアダプタ110の前進時にそれ自体が崩壊(collapse)するように構成される。1つまたは複数の実施形態では、エラストマースリーブ46は、底壁50に一体的に連結される。保護エラストマースリーブ46は、使用していないときに中空の小ゲージ針54を保護するように構成される。いくつかの実施形態では、保護エラストマースリーブ46はまた、雰囲気から無菌バリアを提供するように構成される。
【0035】
図4Cに示されるように、血管アクセスデバイスアダプタ110が円筒形本体40内に挿入された後、保護エラストマースリーブ46が圧縮され、これにより、小ゲージ中空針54が少なくとも部分的に露出する。挿入時に、小ゲージ中空針54は、隔壁130を穿刺する。前述のリブ156は、スリーブ46の修復力に対抗し、リブ156と円筒形本体40の内壁との間に生じる干渉継手によって、デバイスアダプタ110を円筒形本体40内の所定の位置に保持する。次いで、ユーザは、デバイスアダプタ110が取り付けられているシリンジ16を、デバイスを同時に所定の位置に保持することなく自由に操作することができる。
【0036】
1つまたは複数の実施形態では、血管アクセスデバイスアダプタ110はまた、サンプル収集デバイス14なしで利用されてもよい。尖った中空ゲージ針も有する任意の挿入デバイスは、隔壁130を直接貫通し得る。例として、翼状針セット12を利用してもよく、それにより、中空小ゲージ針68は、隔壁130を貫通してもよい。
【0037】
1つまたは複数の実施形態では、隔壁130を除く血管アクセスデバイスアダプタ110の構成要素は、ポリエステル、コポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレンまたはポリプロピレンのうちの1つまたは複数から選択される剛性ポリマー材料から作製され得る。1つまたは複数の実施形態では、隔壁130は、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性加硫エラストマー(TPV)、オレフィンブロックコポリマー(OBC)、ポリイソプレン、シリコーンまたはゴムのうちの1つまたは複数から選択される柔らかい可撓性ポリマー材料から作製され得る。
【0038】
ここで図5~8Bを参照すると、第2の実施形態の例示的な血管外系が示される。システムは、第2の実施形態による血管アクセスデバイスアダプタ210、雌雌間(female-to-female)アダプタ19、および先に記載されたシリンジ16を含む。システムは、サンプル容器収集デバイス14および翼状針セット12を含む、第1の実施形態からの要素をさらに含み得る。
【0039】
前述のように、第2の実施形態の例示的な血管外システムは、雌雌間アダプタ19を含み、さらなる実施形態は雄および雌コネクタを含むが、前記雌雌間アダプタ19は必要とされず、シリンジ16は、血管アクセスデバイスアダプタ210に直接接続されてもよい。
【0040】
図6に示されるように、血管(vascular)アクセスデバイスアダプタ210は、実質的に円筒形のハウジング本体212および自己修復可能な穿刺可能な隔壁230を備える。隔壁230は、ハウジング本体212の遠位ハウジング端216に一体的に連結され、流体シールを生成する。隔壁230の材料は、一般に、弾性ポリマーまたはゴムであってよく、従来の針の繰り返しの穿刺およびバリアを通る流体の移送を可能にするバリアを作り出す。
【0041】
円筒形ハウジング本体212の構造は、近位端214、遠位端216、外側ハウジング側壁220、および内部流路(図示せず)を画定する開口部を含む。ハウジング本体212および内部流路(図示せず)は、軸224に沿って同心円状に延びる。近位端214から近位に突出するのは、近位アダプタ継手266である。近位アダプタ継手266は、軸224に沿ってそこを通って延びる同心管腔(図示せず)をさらに含む。流路276および同心管腔278は、流体連通している。
【0042】
カプラ、継手、ポート、およびアダプタのための例示的な構成は、市販のルアーロック、ルアースリップポート、ロックポート、ねじ接続、インターロック接続、または概して当技術分野で知られている他の一般的な医療デバイス継手を含み得る。近位アダプタ継手266のさらなる実施形態は、そのようなカプラ、継手、およびポートを利用するように適合され得る。
【0043】
1つまたは複数の実施形態では、円筒形ハウジング本体212は、説明されるように、生理食塩水フラッシュ中に、臨床医が結合されたフラッシュシリンジ16および血管アクセスデバイスアダプタ210をプライミングし得る通気機能をさらに含んでもよい。プライミングは、閉じたシステムから空気を排出して除去すること、または生理食塩水のフラッシュ中に空気が患者の血流に入るのを防ぐことを目的としている。
【0044】
1つまたは複数の実施形態では、血管アクセスデバイスアダプタ210の円筒形ハウジング本体212は、外側側壁220の周りに半径方向に配置された隆起(ridge)256をさらに含んでもよい。隆起256は、血管アクセスデバイスアダプタ210の操作を補助するように構成され、具体的には、隆起256の表面は、血管アクセスデバイスアダプタ210のねじれ、ねじ切り、引っ張る、または押すのを補助する。
【0045】
1つまたは複数の実施形態では、隆起256は、円筒形ハウジング本体212から外向きに延在し、以下にさらに詳細に記載される保持(retainer)クリップ300のジョーセット310上にロックするようにインターロック(interlock lock)するように構成される。
【0046】
図6および7に示されるように、雌雌間アダプタ19は、フラッシュシリンジ16の遠位に位置する雌コネクタ17を、フラッシュシリンジ16の遠位に位置する雌コネクタ17と、血管アクセスデバイスアダプタ210の近位アダプタ継手266との互換性がないために接続ができない血管アクセスデバイスアダプタ210の近位アダプタ継手266に結合するように構成される。雌雌間アダプタ19は、近位部分、中間部分、および遠位部分を有する実質的に円筒形の本体80を備える。近位部分は、フラッシュシリンジ16の遠位に位置する雌コネクタ17に接続するように構成された近位雄コネクタ82を有し、遠位部分は、血管アクセスデバイスアダプタ210の近位アダプタ継手266に接続するように構成された遠位雄コネクタ84を有する。1つまたは複数の実施形態では、中間部分は、円筒形本体80から延びる半径方向突出部86を有する。1つまたは複数の実施形態では、半径方向突出部86は、複数の長手方向リブ86をさらに含む。半径方向突出部86および複数の長手方向リブ86は、雌雌間アダプタ19の操作を補助するように構成される。一例として、複数の長手方向リブ86は、ねじ付きまたはツイストロック接続を解除するための回転力またはねじり力の適用を補助する。1つまたは複数の実施形態では、半径方向突出部86は、台形または翼状突起の形状であってもよい。この形状は、雌雌間アダプタ19を構成要素に対して押す、または引くことを補助する。
【0047】
図示の雌雌間アダプタ19において、近位雄コネクタ82は、少なくとも1つの近位ねじ83をさらに含み、遠位雄コネクタ84は、少なくとも1つの遠位ねじ85をさらに含む。少なくとも1つの近位ねじ83および遠位ねじ85は、雌コネクタとねじで結合するように構成される。
【0048】
前述のように、血管アクセスデバイスアダプタ210の隆起256は、円筒形ハウジング本体212から外向きに延在し、保持クリップ300のジョーセット310にインターロックするように構成される。
【0049】
図8Aおよび8Bに示されるように、保持クリップ300は、実質的に円筒形のクリップ本体302、それを通って延びる開口部301、および近位端306上に配置されたジョーセット310を含む。ジョーセット310は、円筒形クリップ本体302の中心に向けられる。保持クリップ300は、サンプル容器収集デバイス14の円筒形本体40に挿入され、干渉継手(interference fit)を生じさせてもよい。次に、シリンジ16に取り付けられた血管アクセスデバイスアダプタ210を挿入してよく、ジョーセット310は、血管アクセスデバイスアダプタ210および保持クリップ300をロックし、スリーブ46の修復力に対抗し、円筒形クリップ本体302と円筒形本体40の内壁との間に作られた干渉継手によって、デバイスアダプタ210を円筒形本体40内の所定の位置に保持する。次いで、ユーザは、デバイスアダプタ210が取り付けられている別個のデバイスを同時に所定の位置に保持することなく自由に操作することができる。本実施形態における血管アクセスデバイスアダプタ210の取り外しはまた、保持クリップ300を取り外す;しかしながら、代替の実施形態では、ジョーセット310は、保持クリップ300を取り外すことなく血管アクセスデバイスアダプタ210を取り外すことを可能にするのに十分な弾性変形を有し得る。保持クリップ300の代替の実施形態は、ジョーを有していなくてもよい。ロックは、干渉継手、ロック機構、または一組のねじ山によって達成され得る。
【0050】
図9は、例示的な従来の注射器90のオス継手92に直接接続された近位アダプタ継手266を有する血管アクセスデバイスアダプタ210を示す。近位アダプタ継手266とオス継手92が互換性がある場合、雌雌間アダプタ19は必要とされない。
【0051】
図10は、本明細書に記載される実施形態の1つの雌雌間アダプタ19に接続された血管アクセスアダプタ310のさらに別の実施形態を図示する。血管アクセスデバイスアダプタ310は、実質的に円筒形のハウジング本体312と、自己修復可能な穿刺可能な隔壁330とを備える。隔壁330は一体的に連結され、ハウジング本体312の遠位ハウジング端316を実質的に覆い、流体シールを作り出す。隔壁330の材料は、一般に、弾性ポリマーまたはゴムであってよく、従来の針の繰り返しの穿刺およびバリアを通る流体の移送を可能にするバリアを作り出す。
【0052】
円筒形ハウジング本体312の構造は、近位端314、遠位端316、外側ハウジング側壁320、および内部流路(図示せず)を画定する開口部を含む。ハウジング本体312および内部流路(図示せず)は、同心円状に延びる。近位端314から近位に突出するのは、近位アダプタ継手366である。近位アダプタ継手366は、そこを通って延びる同心管腔(図示せず)をさらに含む。描写される実施形態では、近位アダプタ継手366は、雌雌間アダプタ19の少なくとも1つの遠位ねじ85と嵌合するように構成された複数のねじ367を含む。
【0053】
カプラ、継手、ポート、およびアダプタのための例示的な構成は、市販のルアーロック、ルアースリップポート、ロックポート、ねじ接続、インターロック接続、または概して当技術分野で知られている他の一般的な医療デバイス継手を含み得る。近位アダプタ継手366のさらなる実施形態は、そのようなカプラ、継手、およびポートを利用するように適合され得る。
【0054】
1つまたは複数の実施形態では、円筒形ハウジング本体312は、説明されるように、生理食塩水フラッシュ中に、臨床医が結合されたフラッシュシリンジおよび血管アクセスデバイスアダプタ310をプライミングし得る通気機能をさらに含んでもよい。プライミングは、閉じたシステムから空気を排出して除去すること、または生理食塩水のフラッシュ中に空気が患者の血流に入るのを防ぐことを目的としています。
【0055】
1つまたは複数の実施形態では、複数のリブ368は、近位端314からハウジング本体312に部分的に沿って延在する。複数のリブ368は、血管アクセスデバイスアダプタ310の操作を補助し、より具体的には、血管アクセスデバイスアダプタ310を把持し、ねじりまたは通す(threading)ことを補助するように構成される。
【0056】
図11は、本明細書の実施形態に記載される構成要素が滅菌ブリスター包装で一緒に包装され得る血管外システム10のキットを示す。描写される実施形態では、血管アクセスデバイスアダプタ210は、雌雌間アダプタ19に接続される。1つまたは複数の実施形態では、雌雌間アダプタ19の近位端83は、使い捨てキャップ98で覆われている。使い捨てキャップ98は、雌雌間アダプタ19の別の方法で露出した近位端83のために無菌環境を維持するように構成される。同様に、第2の使い捨てキャップ99は、本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態の提供されたフラッシュシリンジ16を覆ってもよい。
【0057】
図12Aおよび12Bに示されるように、翼状針セット12を洗浄する方法が本明細書に記載される。本方法は、本明細書に記載の実施形態の採血カテーテル62を患者の皮膚に挿入することを含む。方法は、翼状針セット12の中空の小ゲージ針(図示せず)を血液サンプル容器97の隔壁(図示せず)に挿入し、血液サンプルを引き出すことをさらに含む。方法は、血液サンプル容器97を取り外し、本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態の血管アクセスデバイスアダプタ110の隔壁(図示せず)に翼状針セット12の小ゲージ針(図示せず)を挿入することをさらに含む。血管アクセスデバイスアダプタ110の近位アダプタ継手166は、シリンジ16に接続され、本方法は、翼状針セット12の統合された延長チューブ64をフラッシュすることをさらに含む。方法は、中空の小ゲージ針(図示せず)を近位アダプタ継手166から取り外し、翼状針セット12を密封またはクランプすることをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、本方法は、患者の皮膚上の挿入部位から翼状針セット12を除去することをさらに含む。
【0058】
さらなる実施形態では、血管アクセスデバイスアダプタの遠位端は、Becton、Dickinson、and Companyから市販されているBDQ-SYTE(登録商標)ルアーアクセススプリットセプタムなどの不必要な(needless)または鈍い先端接続と互換性があるように構成されてもよい。さらにさらなる実施形態では、血管アクセスデバイスアダプタの遠位端は、Becton、Dickinson、and Companyから市販されているBD INTERLINK(登録商標)システムなどの不必要な(needless)または鈍い先端接続と互換性があるように構成されてもよい。さらにさらなる実施形態では、血管アクセスデバイスアダプタ610の遠位端は、Becton、Dickinson、and Companyから市販されているBD SMARTSITE(登録商標)システムなどの不必要なまたは鈍い先端接続と互換性があるように構成されてもよい。
【0059】
本明細書全体における「一実施形態」、「ある特定の実施形態」、「様々な実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「ある実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特色、構造、材料、または特徴が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。従って、本明細書全体の様々な箇所にある「1つまたは複数の実施形態では」、「ある特定の実施形態では」、「様々な実施形態では」、「一実施形態では」または「ある実施形態では」は、必ずしも本開示における同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特色は、1つまたは複数の実施形態において任意の適当な様式で組み合わされ得る。
【0060】
本開示は特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は本開示の原理および応用の例示に過ぎないことが理解されるべきである。精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を本発明に対して行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内である修正および変形を含むことが意図される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B