IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェルティン ファルマ アー/エスの特許一覧

<>
  • 特許-圧縮ニコチンロゼンジ 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】圧縮ニコチンロゼンジ
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/465 20060101AFI20241021BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20241021BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20241021BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20241021BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241021BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20241021BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241021BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
A61K31/465
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/02
A61K9/20
A61P25/34
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022521536
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 DK2020050103
(87)【国際公開番号】W WO2021069036
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】16/599,629
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507002103
【氏名又は名称】フェルティン ファルマ アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン、ブルーノ プロフストゴール
(72)【発明者】
【氏名】ボーセン、ドーテ シャキンガー
(72)【発明者】
【氏名】ブルーン、ハイディ ツィーグラー
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン、ケント アルビン
(72)【発明者】
【氏名】プランジャー-ラスムセン、リッケ
【審査官】田澤 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-505878(JP,A)
【文献】国際公開第2018/091050(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0333354(US,A1)
【文献】特表2011-519862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0172927(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
47/00-47/69
9/00-9/72
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモジュールおよび第2のモジュールを含む水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジであって、
前記第1のモジュールおよび前記第2のモジュールは圧縮によって融合されており、
前記第1のモジュールおよび前記第2のモジュールは複数の圧縮された粒子によって形成されており、
前記第1のモジュールは、少なくとも1つの糖アルコールを前記第1のモジュールの少なくとも50重量%の量で含むロゼンジモジュールであり、
前記第2のモジュールは、前記第2のモジュールの少なくとも50重量%の量の少なくとも1つの糖アルコールとニコチンとを含む高速崩壊錠(FDT)モジュールであり、
前記第2のモジュールは、崩壊剤を含み、
前記第2のモジュールは、前記第2のモジュールの5重量%未満の量でニコチンを含
前記第1のモジュールは、ニコチンを含まず、
前記第1のモジュールは、フレーバーを含む、前記水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項2】
前記第2のモジュールが、前記第2のモジュールの3重量%未満の量でニコチンを含む、請求項1に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項3】
前記第2のモジュールの重量は、50mg~250mgである、請求項1または2に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項4】
前記第2のモジュールは、ニコチン塩および/またはニコチン遊離塩基を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項5】
前記第2のモジュールが二酒石酸ニコチンを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項6】
前記第2のモジュールが、前記第2のモジュールの0.5重量%から25重量%の間の量の崩壊剤を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項7】
前記崩壊剤が、超崩壊剤を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項8】
前記超崩壊剤が、架橋ポリマーを含む、請求項7に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項9】
前記超崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項7または8に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項10】
前記超崩壊剤の量が、前記第2のモジュールの2~13重量%である、請求項7~9のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項11】
前記第1のモジュールが、前記ロゼンジの少なくとも50重量%を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項12】
前記第2のモジュールが、前記ロゼンジの少なくとも10重量%を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項13】
前記第2のモジュールの前記少なくとも1つの糖アルコールが、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトールまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコールを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項14】
前記第1のモジュールの前記少なくとも1つの糖アルコールが、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトールまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコールを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項15】
前記ロゼンジが、pH調節剤を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項16】
前記pH調節剤が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、およびそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項15に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項17】
前記ロゼンジが高甘味度甘味料を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項18】
前記第1のモジュールが、溶解調整剤を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項19】
前記第2のモジュールが、結合剤を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ。
【請求項20】
水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジを製造する方法であって、前記方法は、
第1の粉末組成物および第2の粉末組成物を提供する工程であって、前記第1の粉末組成物は少なくとも一つの糖アルコールを前記第1の粉末組成物の少なくとも50重量%の量で含み、前記第2の粉末組成物は前記第2の粉末組成物の少なくとも50重量%の量の少なくとも一つの糖アルコール、ニコチンおよび崩壊剤を含む工程と、
前記第1の粉末組成物および前記第2の粉末組成物をプレスして、圧縮によって高速崩壊錠(FDTモジュールに融合したロゼンジモジュールを得る工程とを含み、
前記第2の粉末組成物は前記第2の粉末組成物の5重量%未満の量でニコチンを含
前記第1の粉末組成物はニコチンを含まず、
前記第1の粉末組成物はフレーバーを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ニコチンロゼンジおよび圧縮ニコチンロゼンジを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザへのニコチンの経口投与には、様々な種類の送達ビヒクルが適用されてきた。このような送達ビヒクルには、ポーチ、チューインガム、およびロゼンジが含まれる。ユーザからの一般的な期待は、ニコチンの投与中に快感を感じながら、適切なタイミングでニコチンの渇望からの解放が得られることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ユーザエクスペリエンスに関してユーザが本当に望んでいることに対処することは、技術分野における重要な課題である。渇望に関連するニコチンの効果に関連して重要なのは何か、味と送達ビヒクルのユーザとに関連する重要なパラメータは何か、および、さらにより重要なのは、送達ビヒクルの使用中に異なる反応と経験の連鎖との間で最も許容可能なトレードオフとは何か、である。
【0004】
これらのトレードオフは、長年にわたって関連業界にとって継続的な課題であった。
本発明は、例えばタバコを吸うときにユーザが経験し得るものと比較したときに、ニコチン送達ビヒクルに関するユーザの期待に特に関連する課題およびトレードオフに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1のモジュールおよび第2のモジュールを含む水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジに関連し、
第1のモジュールおよび第2のモジュールは圧縮によって融合され、
第1のモジュールは、少なくとも1つの糖アルコールを含むロゼンジモジュールであり、および、
第2のモジュールは、少なくとも1つの糖アルコールとニコチンとを含むFDTモジュールである。
【0006】
本文脈において、モジュールは、複数の圧縮された粒子として定義される。そのようなロゼンジの典型的な実施態様は、例えば、第1のモジュールおよび第2のモジュールの2つのモジュールからなるロゼンジであり、各モジュールはロゼンジの層である。言い換えれば、そのような一例は、2層のロゼンジである。本発明の範囲内で、他の数のモジュールを適用し得る。
【0007】
本文脈におけるモジュールの理解は、意図された効果、すなわち、ニコチンの効果的な送達または投与を可能にし、かつ、促進し、同時に意図されたマスキングを提供するモジュールであることに留意されたい。これは、モジュールがニコチンだけでなく、所望のマスキング化合物も適切なタイミングで送達できるように十分に大きくなければならないという意味で、モジュールにいくつかの構造的制限を課す。
【0008】
したがって、本文脈におけるモジュールは、有利な実施形態において、ロゼンジの少なくとも10重量%の重さの圧縮粒子の集団を包含する。言い換えれば、モジュールは、錠剤化の技術から従来理解されているように、個々の粒子を指すことを意図していない。
【0009】
第1のモジュールがロゼンジであるという点に関して、ロゼンジは、通常は有効成分を放出するために、口の中でゆっくりと溶解または崩壊することを意図された薬用錠剤に関してよく知られている用語である。例えばニコチンロゼンジ、および、咳等を一時的に止め、かつ、喉の炎症を起こした組織(通常は喉の痛みが原因)を潤滑して落ち着かせるためのロゼンジなど、様々な有効成分を有するロゼンジが知られる。
【0010】
第2のモジュールは、それ自体がFDTであることを特徴とするモジュール、すなわち、いわゆる高速崩壊錠の特徴を有するモジュールとして設計および提供されている。高速崩壊錠は、一般に、口に入れてから通常60秒未満の速い崩壊を示し、または口に入れてから30秒などさらに速い崩壊を示す。
【0011】
構造的に異なって設計された2つのモジュール(1つはニコチンを含むモジュール)を組み合わせるというアイデアにより、味のマスキングおよび快感がユーザに印象的な効果をもたらすニコチン送達ロゼンジを提供することが可能になる。
【0012】
第2のモジュールは通常、マルチモジュールロゼンジでの経口投与時に60秒未満で崩壊するように設計されている。
しかしながら、第1のモジュールでマスキングすることによって所望の効果が得られると同時に、FDT内のニコチンの濃度を特定のレベルに保つことは驚くべきことである。所望の効果は、例えば、ニコチン渇望の緩和、味および/またはユーザが知覚する快感を含み得る。
【0013】
速溶性錠剤は、ニコチンユーザにニコチンの速い投与/バーストを提供して速い効果を与える理想的な方法を表す。しかしながら、この速い渇望の軽減は、ニコチンユーザにとって望ましい快感にしばしば関連する快感を完全にはカバーしていない。また、高すぎる負荷のニコチンが高速で送達されると、望ましくない副作用が発生する可能性がある。
【0014】
したがって、速い渇望の緩和感覚を第2段階の感覚と融合させて1つのロゼンジにすることによって長時間の快感を得ることができる。
2つのそのような異なる組成物の、単一のマルチモジュラーロゼンジへの圧縮/融合は、本発明が所望の効果を得るために特定の設計を必要とするので、必ずしも些細なことではないかもしれない。
【0015】
本発明は、多くの利点の中で、従来技術の送達ビヒクルと比較して、ニコチンの直感的で誰にでもできる使用から利益を得る。
ユーザの時間は、およそ5分、すなわちタバコを吸うのと同様に、簡単に設計できる。ニコチンの苦味が減らされ得る。
【0016】
本発明のさらなる利点は、驚くほど効果的な渇望の軽減が得られることであり得る。少なくとも1つの糖アルコールおよびニコチンを含むFDTモジュールである第2のモジュールを提供することにより、本発明のロゼンジは、ニコチンの迅速な作用を促進するが、同時に、持続的な渇望の軽減を提供することが示されており、これは非常に効果的である。非常に効果的な渇望の軽減を有することは、結果として生じる効果を損なうことなく、錠剤の必要なニコチン用量を減らすことをさらに提供し得る。ニコチンは比較的高価であり得るため、ニコチンの投与量を減らすと、ひいては生産コストが削減され得るが、また、ニコチンの摂取量を減らしたいユーザを支援し得る。
【0017】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、ニコチンの適切な長期マスキングを提供し、同時に、第2のモジュールは、好ましくは特定のレベル未満のレベルでのニコチンの非常に速い放出を提供し、それにより、初期の灼熱感が可能な限り最善の方法でマスクされていることを保証する。
【0018】
ニコチン放出ビヒクルとして適用されるロゼンジにおけるモジュールFDTの使用は、堅牢な錠剤の製造をさらにまた容易にし、マスキング化合物の長期放出を提供すると同時に、錠剤の使用中に引き起こされる唾液分泌を延長する。
【0019】
有利な実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの5重量%未満、例えば第2のモジュールの3重量%未満、例えば第2のモジュールの2重量%未満の量でニコチンを含む。
【0020】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの0.2~5重量%、例えば第2のモジュールの0.3~3重量%、例えば第2のモジュールの0.5~2重量%の量でニコチンを含む。
【0021】
本発明の実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの少なくとも0.2重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも0.3重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも0.5重量%の量でニコチンを含む。
【0022】
本発明の有利な実施形態では、第2のモジュールの重量は、50mg~250mg、例えば、75mg~150mgである。
本文脈において、本発明は、ニコチンの送達が「単相」であっても、マスキングの魅力的な二相送達を提供する。
【0023】
本発明の有利な実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの5重量%以下の量のニコチンと、第2のモジュールの重量の少なくとも0.2mgのニコチンとを含む。
【0024】
本発明の有利な実施形態では、第2のモジュールは、少なくとも0.2mgのニコチンを含む。
本発明の有利な実施形態では、第2のモジュールは、0.2mg~5.0mgのニコチン、例えば、0.5mg~4.0mgのニコチン、例えば、1.0mg~3.0mgのニコチンを含む。
【0025】
本発明の有利な実施形態において、ロゼンジは、少なくとも0.5mg、例えば、少なくとも1.0mg、例えば、少なくとも2.0mgの量のニコチンを含む。
本発明の有利な実施形態において、ロゼンジは、0.5~8.0mg、例えば、1.0~6.0mg、例えば、2.0~4.0mgの量のニコチンを含む。
【0026】
一実施形態では、第2のモジュールのニコチンは、ニコチン塩、ニコチン遊離塩基、例えばイオン交換樹脂、例えば、ニコチンポラクリレックス樹脂などのイオン交換体に結合したニコチン、ニコチン包接複合体、または任意の非共有結合のニコチン;ゼオライトに結合したニコチン;例えば微結晶性セルロースなどのセルロースに結合したニコチン、またはデンプンミクロスフェア、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0027】
本発明の有利な実施形態では、第2のモジュールはニコチン塩を含む。
本発明の一実施形態では、第2のモジュールのニコチンはニコチン塩である。
本発明の一実施形態では、ニコチン塩は、アスコルビン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、安息香酸ニコチン、一酒石酸ニコチン(nicotine monotartrate)、二酒石酸ニコチン、塩化ニコチン(例えば、塩酸ニコチンおよび二塩酸ニコチン)、クエン酸ニコチン、フマル酸ニコチン、ゲンシチン酸ニコチン(nicotine gensitate)、乳酸ニコチン、ニコチンムケート(nicotine mucate)、ニコチンラウレート、レブリン酸ニコチン、リンゴ酸ニコチン、過塩素酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、ニコチンソルベート、コハク酸ニコチン、塩化亜鉛ニコチン、硫酸ニコチン、トシル酸ニコチンおよびニコチン塩水和物(例えば、ニコチン塩化亜鉛一水和物)から選択される。
【0028】
本発明の有利な実施形態では、第2のモジュールは、二酒石酸ニコチンを含む。
本発明の一実施形態では、第2のモジュールのニコチンは二酒石酸ニコチンである。
本発明の一実施形態では、ニコチンは二酒石酸ニコチンである。
【0029】
本発明の有利な実施形態において、第2のモジュールは、ニコチン遊離塩基を含む。
本発明の有利な実施形態において、第2のモジュールのニコチンは、ニコチン遊離塩基である。
【0030】
遊離塩基ニコチンには、糖アルコールと混合されたニコチン、修飾炭酸カルシウム、水溶性繊維、イオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせが含まれる。修飾炭酸カルシウムに結合したニコチンは、参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願WO2010/121619に記載されている。
【0031】
本発明の有利な実施形態では、第1のモジュールはニコチンを含む。
一実施形態では、第1のモジュールのニコチンは、ニコチン塩、ニコチン遊離塩基、例えばイオン交換樹脂、例えば、ニコチンポラクリレックス樹脂などのイオン交換体に結合したニコチン、ニコチン包接複合体、または任意の非共有結合のニコチン;ゼオライトに結合したニコチン;例えば微結晶性セルロースなどのセルロースに結合したニコチン、またはデンプンミクロスフェア、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0032】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、イオン交換樹脂に結合したニコチンを含む。
本発明の一実施形態では、第1のモジュールのニコチンは、イオン交換樹脂に結合したニコチンである。
【0033】
有利な一実施形態では、第1のモジュールは、ニコチンポラクリレックス樹脂(NPR)を含む。
一実施形態では、第1のモジュールのニコチンは、ニコチンポラクリレックス樹脂(NPR)である。
【0034】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールのニコチンは、第2のモジュールのニコチンよりも平均粘膜への取り込みが遅い。
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールはニコチン塩を含む。
【0035】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールのニコチンはニコチン塩である。
本発明の一実施形態では、ニコチン塩は、アスコルビン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、安息香酸ニコチン、一酒石酸ニコチン、二酒石酸ニコチン、塩化ニコチン(例えば、塩酸ニコチンおよび二塩酸ニコチン)、クエン酸ニコチン、フマル酸ニコチン、ゲンシチン酸ニコチン、ニコチン乳酸塩、ニコチンムケート、ニコチンラウレート、レブリン酸ニコチン、リンゴ酸ニコチン、過塩素酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、ニコチンソルベート、コハク酸ニコチン、塩化亜鉛ニコチン、硫酸ニコチン、トシル酸ニコチンおよびニコチン塩水和物(例えば、ニコチン塩化亜鉛一水和物)から選択される。
【0036】
本発明の有利な実施形態では、第1のモジュールは、二酒石酸ニコチンを含む。
本発明の一実施形態では、第1のモジュールのニコチンは二酒石酸ニコチンである。
本発明の有利な実施形態では、第1のモジュールはニコチンを含まない。
【0037】
したがって、上記の実施形態では、ロゼンジが第1のモジュールおよび第2のモジュールからなる場合、第2のモジュールはニコチンを含む。
本発明の一実施形態では、ニコチンは第2のモジュールに含まれる。したがって、第1のモジュール、および、存在する場合、任意のさらなるモジュールにはニコチンが含まれていない。
【0038】
本発明の一実施形態では、ロゼンジはニコチン塩を含む。
本発明の一実施形態では、ロゼンジのニコチンはニコチン塩である。
本発明の有利な実施形態において、ロゼンジは、二酒石酸ニコチンを含む。
【0039】
本発明の一実施形態では、ロゼンジのニコチンは二酒石酸ニコチンである。
本発明の有利な一実施形態において、ロゼンジは、ニコチン遊離塩基を含む。
本発明の有利な一実施形態において、ロゼンジのニコチンは、ニコチン遊離塩基である。
【0040】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは崩壊剤を含む。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの0.5重量%~25重量%の量の崩壊剤を含む。
【0041】
本文脈における崩壊剤は、糖アルコール以外の化合物を指す。
本発明の有利な実施形態において、崩壊剤は、デンプン、アルファ化デンプン、加工デンプン(ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、デンプン1500、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプン誘導体を含む)、セルロース、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、架橋セルロース(ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋デンプン、架橋アルギン酸、天然超崩壊剤、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)およびケイ酸カルシウムなどの超崩壊剤、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0042】
本発明の一実施形態では、崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンを含む。
本発明の一実施形態では、崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンである。
クロスポビドンとしても知られる架橋ポリビニルピロリドンを崩壊剤として使用することの利点は、かなり短い崩壊時間を可能にしながら、崩壊時間の、圧縮力への依存性を低減することであり得る。また、圧縮力から、より独立していることにより、圧縮力の変動による異なるロゼンジの第2のモジュール間のより低い変動が容易になる。
【0043】
本発明の一実施形態では、架橋ポリビニルピロリドンの少なくとも50重量%は、50マイクロメートル未満の粒子サイズを有する。
これは、BASFから入手可能な商用グレードのKollidon CL-FおよびCL-SFに対応している。
【0044】
本発明の一実施形態では、架橋ポリビニルピロリドンの少なくとも25重量%は、15マイクロメートル未満の粒子サイズを有する。
これは、BASFから入手可能な商用グレードのKollidonCL-SFに対応している。
【0045】
より小さな粒子サイズを有する架橋ポリビニルピロリドンを使用する上記の実施形態の利点は、例えば崩壊性粒子の相対的な表面が大きいため、より短い崩壊時間を促進する。
本発明の有利な一実施形態では、崩壊剤はデンプンを含む。
【0046】
本発明の有利な一実施形態では、崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)を含む。
本発明の有利な一実施形態では、崩壊剤は、超崩壊剤を含み、超崩壊剤の量は、第2のモジュールの2~13重量%、例えば、第2のモジュールの5~12重量%の間である。
【0047】
本発明の有利な一実施形態では、超崩壊剤は、架橋ポリマーを含む。
本発明の有利な一実施形態では、超崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウムの群から選択される。
【0048】
本発明の有利な一実施形態では、崩壊剤は、架橋ポリビニルピロリドンを含む。
本発明の有利な一実施形態では、架橋ポリビニルピロリドンの少なくとも50重量%は、50マイクロメートル未満の粒子サイズを有する。
【0049】
本発明の有利な一実施形態では、架橋ポリビニルピロリドンの少なくとも25重量%は、15マイクロメートル未満の粒子サイズを有する。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、崩壊剤および糖アルコールを含む。
【0050】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、
0.2mg~5mgの量のニコチン、
40mg~250mgの量の糖アルコールおよび
5mg~50mgの量の崩壊剤
を含む。
【0051】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールの圧縮に適用される粒子の平均粒子サイズは、第2のモジュールの圧縮に適用される粒子の平均粒子サイズよりも大きい。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールの圧縮に適用される粒子の平均粒子サイズは、350マイクロメートル未満、例えば、250マイクロメートル、例えば、150マイクロメートルである。
【0052】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールの圧縮に適用される粒子は、少なくとも500マイクロメートル、例えば少なくとも750マイクロメートル、例えば少なくとも100マイクロメートルの粒子サイズを有する粒子を含む。
【0053】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールの圧縮に適用される粒子は、少なくとも500マイクロメートル、例えば少なくとも750マイクロメートル、例えば少なくとも100マイクロメートルの粒子サイズを有する粒子の少なくとも10重量%を含む。
【0054】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、ロゼンジの少なくとも50重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも60重量%を構成する。
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、ロゼンジの50重量%~90重量%、例えば、ロゼンジの50重量%~90重量%、例えば、ロゼンジの60重量%~90重量%、ロゼンジの70重量%~90重量%、例えば、ロゼンジの70重量%~80重量%、例えば、ロゼンジの80重量%~90重量%、例えば、ロゼンジの65重量%~75重量%を構成する。
【0055】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、ロゼンジの少なくとも10重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも20重量%を構成する。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、ロゼンジの10重量%~50重量%、例えば、ロゼンジの20重量%~40重量%、例えば、ロゼンジの10重量%~30重量%、例えばロゼンジの20重量%~30重量%を構成する。
【0056】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、ロゼンジの総露出表面積の最大50%、例えば、ロゼンジの総露出表面積の40%、例えば、総露出表面積の30%、例えば、ロゼンジの総露出表面積の20%などの表面積を構成する露出表面積を有する。
【0057】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジは、0.7cm3、例えば、0.6cm3、例えば、0.5cm3、例えば、0.4cm3、例えば、0.3cm3の最大総体積を有する。
【0058】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジは、1グラムの最大総重量、例えば、0.9グラム、例えば、0.75グラム、例えば、0.5グラム、例えば、0.4グラム、例えば、0.3グラムの最大総重量を有する。
【0059】
記載されている最大体積未満の体積を有するロゼンジの利点は、ロゼンジを個別に使用可能であることである。さらにまた、自己用量調節(self-titration)の選択肢を提供する。
【0060】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジは、0.2~1グラム、例えば、0.2~0.9グラム、例えば、0.2~0.75グラム、例えば、0.2~0.5グラムの総重量を有する。
【0061】
記載されている最大体積未満の体積のロゼンジは、ユーザに所望の崩壊時間および溶解時間を提供し得る。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、少なくとも10kN、例えば少なくとも15kN、例えば少なくとも20kN、例えば少なくとも25kN、例えば少なくとも30kNなどの最小圧縮力を加えて第1のモジュールに圧縮によって融合される。
【0062】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、10~40kN、例えば15~40kN、例えば20~40kN、例えば25~40kN、例えば30~40kNなどの最小圧縮力を加えて第1のモジュールに圧縮によって融合される。
【0063】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、10~40kN、例えば15~35kN、例えば20~30kNの最小圧縮力を加えて第1のモジュールに圧縮によって融合される。
【0064】
押圧力とは、特に記載のない限り、直径10.0mmの円形パンチを使用した場合の加えられる力のことを指す。他の直径または形状のパンチを使用する場合は、パンチの面積に応じて押圧力を調整し、必要なパンチ圧を得る。より高いパンチ圧はより高い圧力をもたらし、逆もまた同様である。
【0065】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールおよび第2のモジュールは、圧縮によって融合された2つの層である。
ロゼンジの層またはモジュールは、本発明の範囲内で多くの異なる方法で形成され得る。上記から分かるように、ロゼンジは円形、楕円形、または例えば四角形など縁がある場合がある。
【0066】
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、第1のモジュールおよび第2のモジュールからなり、第1のモジュールおよび第2のモジュールは、圧縮によって融合された2つの層である。
【0067】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第1のモジュールを少なくとも部分的にカプセル化する。
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第1のモジュールをカプセル化する。
【0068】
第2のモジュールによってカプセル化された第1のモジュールを備えたロゼンジを得るには、第1のモジュールの周りに第2のモジュールとしてプレスコートを適用することによって得ることができる。
【0069】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジは、ロゼンジの少なくとも50重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも60重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも70重量%の量の少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0070】
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、ロゼンジの50~97重量%、例えば、ロゼンジの60~95重量%、例えば、ロゼンジの70~90重量%の量の少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0071】
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、ロゼンジの50~97重量%、例えば、ロゼンジの60~97重量%、例えば、ロゼンジの70~97重量%の量の少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0072】
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、ロゼンジの少なくとも75重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも80重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも85重量%の量の少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0073】
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、ロゼンジの75~97重量%、例えば、ロゼンジの80~97重量%、例えば、ロゼンジの85~97重量%の量の少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0074】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトールまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0075】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトール、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0076】
本発明の一実施形態では、第2のモジュール中の少なくとも1つの糖アルコールは、マンニトール、エリスリトールまたはキシリトールを含む。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、マンニトールを含む。
【0077】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、エリスリトールを含む。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、摂氏20度で測定されたときに最大1000g/Lの水溶性を有する。
【0078】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、摂氏20度で測定されたときに10~1000g/Lの水溶性を有する。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの少なくとも50重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも60重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも70重量%の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0079】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの50~97重量%、例えば、第2のモジュールの60~95重量%、例えば、第2のモジュールの70~90重量%の量の少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0080】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの50~97重量%、例えば、第2のモジュールの60~97重量%、例えば、第2のモジュールの70~97の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0081】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの少なくとも75重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも80重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも85重量%の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0082】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの75~97重量%、例えば、第2のモジュールの80~97重量%、例えば、第2のモジュールの85~97重量%、の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0083】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、非DC(非直接圧縮性)グレードの糖アルコールを含む。
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトールまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0084】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、キシリトール、マルチトール、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、ラクチトールまたはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0085】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールの少なくとも1つの糖アルコールは、マンニトール、エリスリトール、イソマルト、ソルビトール、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0086】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの少なくとも50重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも60重量%、例えば、第1のモジュールの少なくとも70重量%の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0087】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの50~97重量%、例えば、第1のモジュールの60~95重量%、例えば、第1のモジュールの70~90重量%の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0088】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの50~97重量%、例えば、第1のモジュールの60~97重量%、例えば、第1のモジュールの70~97重量%の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0089】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの少なくとも75重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも80重量%、例えば、第1のモジュールの少なくとも85重量%、例えば、第1のモジュールの少なくとも90重量%の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0090】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの75~97重量%、例えば、第1のモジュールの80~97重量%、例えば、第1のモジュール85~97重量%、例えば、第1のモジュールの90~97重量%の量で少なくとも1つの糖アルコールを含む。
【0091】
本発明の有利な一実施形態において、ロゼンジは、単糖および二糖を実質的に含まない。
本発明の一実施形態では、ロゼンジは無糖である。したがって、この実施形態では、ロゼンジは糖を含まない。
【0092】
本発明の有利な実施形態では、ロゼンジは、pH調節剤を含む。
本発明の有利な実施形態において、pH調節剤は、アルカリ金属、アンモニウム、トリスバッファ、アミノ酸、および任意の組み合わせの、モノカーボネート、重炭酸塩およびセスキカーボネートを含む炭酸塩、グリセリネート、ホスフェート、グリセロホスフェート、アセテート、グリコネートまたはクエン酸塩から選択される。
【0093】
本発明の一実施形態では、Effersodaなどのカプセル化されたバッファも使用することができる。
本発明の有利な一実施形態において、pH調節剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0094】
炭酸塩および重炭酸塩の組み合わせが特に有利である場合がある。そのような組み合わせは、例えば、炭酸ナトリウム-重炭酸ナトリウムバッファ系であり得、例えば、炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムは、5:1~2.5:1の重量比で、好ましくは4.1:1~3.5:1の重量比である。
【0095】
本発明の有利な一実施形態において、pH調節剤は、炭酸ナトリウムを含むか、または炭酸ナトリウムである。
本発明の有利な一実施形態において、ロゼンジは、ロゼンジの少なくとも0.2重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも0.3重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも0.4重量%、例えば、ロゼンジの少なくとも0.5重量%の量でpH調節剤を含む。
【0096】
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、ロゼンジの0.2~7重量%、例えば、ロゼンジの0.2~6重量%、例えば、ロゼンジの0.2~5重量%、例えば、ロゼンジの0.3~4重量%、例えば、ロゼンジの0.4~3重量%、例えば、ロゼンジの0.5~2重量%の量のpH調節剤を含む。
【0097】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジはpH調節剤を含まない。
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、0.5重量%以下のpH調節剤、例えば、0.2重量%以下のpH調節剤、例えば、0.1重量%以下のpH調節剤を含む。したがって、この実施形態では、ロゼンジは、pH調節剤を含まないか、またはロゼンジの0.5重量%以下、例えば、ロゼンジの0.2重量%以下、例えば、ロゼンジの0.1重量%以下の量のpH調節剤を含み得る。
【0098】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、pH調節剤を含む。
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの少なくとも0.2重量%、例えば、第1のモジュールの少なくとも0.3重量%、例えば、第1のモジュールの少なくとも0.4重量%、例えば、第1のモジュールの少なくとも0.5重量%の量のpH調節剤を含む。
【0099】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの0.2~7重量%、例えば、0.2~6重量%、例えば、第1のモジュールの0.2~5重量%、例えば、第1のモジュールの0.3~4重量%、例えば、第1のモジュールの0.4~3重量%、例えば、第1のモジュールの0.5~2重量%の量でpH調節剤を含む。
【0100】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、pH調節剤を含まない。
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、0.5重量%以下のpH調節剤、例えば、0.2重量%以下のpH調節剤、例えば、0.1重量%以下のpH調節剤を含む。したがって、この実施形態では、第1のモジュールは、pH調節剤を含まないか、または第1のモジュールの0.5重量%以下、例えば、第1のモジュールの0.2重量%以下、例えば、第1のモジュールの0.1重量%以下の量でpH調節剤を含み得る。
【0101】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、pH調節剤を含む。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの少なくとも0.2重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも0.3重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも0.4重量%、例えば、第2のモジュールの少なくとも0.5重量%の量でpH調節剤を含む。
【0102】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの0.2~7重量%、例えば、第2のモジュールの0.2~6重量%、例えば、第2のモジュールの0.2~5重量%の量、例えば、第2のモジュールの0.3~4重量%、例えば、第2のモジュールの0.4~3重量%、例えば、第2のモジュールの0.5~2重量%の量でpH調節剤を含む。
【0103】
本発明での使用に適したアルカリ性緩衝剤などのpH調節剤には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウムおよび重炭酸カリウムが含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、緩衝剤は、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの混合物から選択される。pH調節剤、例えば緩衝剤は、第1のモジュールおよび/または第2のモジュールに組み込まれ得る。本発明の組成物中に存在するバッファの総量は、約5mg~約20mgである。一実施形態では、本発明の組成物中に存在するバッファの総量は、約8mg~約12mgである。一実施形態では、全バッファに対するニコチンの比率は、総重量で約3:1から約1:3である。
【0104】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの2.0~8.0重量%、例えば第2のモジュールの2.7~5.7重量%の量のpH調節剤を含む。
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、pH調節剤を含まない。
【0105】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、0.5重量%以下のpH調節剤、例えば、0.2重量%以下のpH調節剤、例えば、0.1重量%以下のpH調節剤を含む。したがって、この実施形態では、第2のモジュールは、pH調節剤を含まないか、または第2のモジュールの0.5重量%以下、例えば第2のモジュールの0.2重量%以下、例えば、第2のモジュールの0.1重量%以下の量のpH調節剤を含み得る。
【0106】
本発明の有利な一実施形態において、pH調節剤は、塩基性pH調節剤である。
したがって、上記の実施形態では、第1のモジュールおよび/または第2のモジュールのpH調節剤は、塩基性pH調節剤である。
【0107】
本発明の有利な一実施形態では、pH調節剤は緩衝剤である。
したがって、上記の実施形態では、第1のモジュールおよび/または第2のモジュールのpH調節剤は緩衝剤である。
【0108】
本発明の有利な一実施形態において、pH調節剤は、塩基性緩衝剤である。
したがって、上記の実施形態では、第1のモジュールおよび/または第2のモジュールのpH調節剤は、塩基性緩衝剤である。
【0109】
本発明の一実施形態では、ニコチンおよびpH調節剤は、同じモジュールに含まれる。
本発明の一実施形態では、ニコチンおよびpH調節剤は、反対のモジュールに含まれる。この実施形態では、ロゼンジが第1のモジュールおよび第2のモジュールに加えてモジュールを有さない場合、ニコチンおよびpH調節剤は、それぞれ第1のモジュールおよび第2のモジュールに含まれ得るか、またはその逆であり得る。
【0110】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、ニコチンおよびpH調節剤を含む。
本発明の一実施形態では、ニコチンおよびpH調節剤は、第1のモジュールに含まれる。したがって、第2のモジュールにはニコチンおよびpH調節剤が含まれていない。
【0111】
上記の実施形態の1つの利点は、所望のニコチンの放出および取り込みを保持しながら、改善された味および口当たりであり得る。所望のニコチン取り込みを得るために、ニコチンが比較的高いpHで唾液に放出されることが望ましい。しかしながら、この高いpHを得るために添加されたpH調節剤は、特に第2のモジュール中に配置された場合、不快な味および口当たりを引き起こし得る。しかしながら、pH調節剤を含まない第2のモジュールを有し、代わりに第1のモジュールにpH調節剤を含めることにより、許容可能な唾液pHが得られ、それにより、不快なアルカリ性の感覚なしにユーザに所望の味および口当たりを与えながら、ニコチン取り込みを促進し得る。
【0112】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、ニコチンおよびpH調節剤を含む。
本発明の有利な一実施形態において、ニコチンおよびpH調節剤は、第2のモジュールに含まれる。
【0113】
したがって、上記の実施形態では、第1のモジュールは、ニコチンおよびpH調節剤を含まない。
本発明の一実施形態では、第1のモジュールはニコチンを含み、第2のモジュールはpH調節剤を含む。
【0114】
本発明の一実施形態では、ニコチンは第1のモジュールに含まれ、pH調節剤は第2のモジュールに含まれる。したがって、第1のモジュールにはpH調節剤が含まれておらず、第2のモジュールにはニコチンが含まれていない。
【0115】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールはニコチンを含み、第1のモジュールはpH調節剤を含む。
本発明の一実施形態では、ニコチンは第2のモジュールに含まれ、pH調節剤は第1のモジュールに含まれる。この第1のモジュールにはニコチンが含まれておらず、第2のモジュールにはpH調節剤が含まれていない。
【0116】
本発明の有利な一実施形態において、製剤は、例えば、0.5mg/mLを超えるなど、0.3mg/mLを超えるニコチンのピーク唾液濃度を提供する。
本発明の有利な一実施形態において、製剤は、経口投与の最初の120秒間に8を超えるピーク唾液pHを提供する。
【0117】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジは高甘味度甘味料を含む。
本発明の一実施形態では、高甘味度甘味料は、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどアセスルファムの塩、アリテーム、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオシド、およびそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0118】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、高甘味度甘味料を含む。
本発明の有利な一実施形態では、高甘味度甘味料が第1のモジュールに含まれる。
したがって、上記の実施形態では、すべての高甘味度甘味料は、第1のモジュールに含まれる、すなわち、第2のモジュールは、高甘味度甘味料を含まない。この実施形態の利点は、各モジュールの成分の量が限られているため、ロゼンジの製造が比較的簡単である一方で、ユーザの味およびフレーバーの知覚に関して驚くほど良好な結果が得られることである可能性がある。
【0119】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、高甘味度甘味料を含まない。
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、0.2重量%以下の高甘味度甘味料、例えば、0.1重量%以下の高甘味度甘味料を含む。したがって、この実施形態では、第2のモジュールは、高甘味度甘味料を含まなくてもよく、または高甘味度甘味料を含み得るが、第2のモジュールの0.1重量%までなど、第2のモジュールの0.2重量%までのみである。
【0120】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、高甘味度甘味料を含む。
本発明の一実施形態では、高甘味度甘味料は、第2のモジュールに含まれる。
したがって、上記の実施形態では、すべての高甘味度甘味料は、第2のモジュールに含まれる、すなわち、第1のモジュールは、高甘味度甘味料を含まない。
【0121】
本発明の一実施形態では、高甘味度甘味料は、第1のモジュールおよび第2のモジュールに含まれる。
したがって、上記の実施形態では、第1のモジュールおよび第2のモジュールの両方が高甘味度甘味料を含む。
【0122】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジはフレーバーを含む。
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジは、ロゼンジの少なくとも0.1重量%の量のフレーバーを含む。
【0123】
本発明の一実施形態において、ロゼンジは、ロゼンジの0.1~15.0重量%、例えば、ロゼンジの0.1から10.0重量%、例えば、ロゼンジの0.1~5.0重量%、例えば、ロゼンジの0.2~3.0重量%の量のフレーバーを含む。
【0124】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールはフレーバーを含む。
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの少なくとも0.1重量%の量のフレーバーを含む。
【0125】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの0.1~15.0重量%、例えば、第1のモジュールの0.1~10.0重量%、例えば、第1のモジュールの0.1~5.0重量%、例えば第1のモジュールの0.2~3.0重量%の量のフレーバーを含む。
【0126】
本発明の有利な一実施形態では、フレーバーは第1のモジュールに含まれる。
したがって、上記の実施形態では、すべてのフレーバーが第1のモジュールに含まれる、すなわち、第2のモジュールはフレーバーを含まない。
【0127】
上記の実施形態の利点は、フレーバーからのニコチンの分離を容易にし、それにより、第2のモジュールにおけるニコチンのフレーバー誘発性分解を最小限に抑えることによって、ニコチンの安定性が増加することであり得る。上記の実施形態のさらなる利点は、各モジュール中の限られた量の成分のためにロゼンジを製造するのが比較的簡単である一方で、ユーザの味およびフレーバーの知覚に関して驚くほど良好な結果を得ることができる。
【0128】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、0.2重量%以下のフレーバー、例えば、0.1重量%以下のフレーバーを含む。したがって、この実施形態では、第2のモジュールは、フレーバーを含まないか、またはフレーバーを含み得るが、例えば、第2のモジュールの0.1重量%など、第2のモジュールの0.2重量%までのみである。
【0129】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールはフレーバーを含む。
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの少なくとも0.1重量%の量のフレーバーを含む。
【0130】
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、第2のモジュールの0.1~15.0重量%、例えば、第2のモジュールの0.1~10.0重量%、例えば、第2のモジュールの0.1~5.0重量%、例えば、第2のモジュールの0.2~3.0重量%の量のフレーバーを含む。
【0131】
本発明の一実施形態では、フレーバーは第2のモジュールに含まれる。したがって、この実施形態では、すべてのフレーバーが第2のモジュールに含まれる、すなわち、第1のモジュールはフレーバーを含まない。
【0132】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、0.2重量%以下のフレーバー、例えば、0.1重量%以下のフレーバーを含む。したがって、この実施形態では、第1のモジュールは、フレーバーを含まないか、またはフレーバーを含み得るが、例えば、第1のモジュールの0.1重量%までなど、第1のモジュールの0.2重量%までのみである。
【0133】
本発明の一実施形態では、フレーバーは、第1のモジュールおよび第2のモジュールに含まれており、すなわち、両方のモジュールがフレーバーを含む。
本発明の一実施形態では、ニコチンおよびフレーバーは、反対のモジュールに含まれる。
【0134】
上記の実施形態の利点は、フレーバーからのニコチンの分離を容易にし、それによって、ニコチンのフレーバー誘発性分解を最小限に抑えることによって、ニコチンの安定性が増加することである可能性がある。
【0135】
本発明の一実施形態では、ニコチンは第1のモジュールに含まれ、フレーバーは第2のモジュールに含まれる。
本発明の有利な一実施形態では、ニコチンは第2のモジュールに含まれ、フレーバーは第1のモジュールに含まれる。
【0136】
本発明の有利な一実施形態において、フレーバーは、メントール、ペパーミント、ウィンターグリーン、スイートミント、スペアミント、バニリン、チョコレート、コーヒー、シナモン、クローブ、タバコ、柑橘類およびフルーツフレーバーおよびそれらの混合物の群から選択される。
【0137】
フレーバーは、例えばロゼンジあたり約1mg~約100mgの量で存在する。
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、第1のモジュールの0.5~10重量%の量で少なくとも1つの粘膜付着剤を含む。
【0138】
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは溶解調整剤を含む。
本発明の有利な一実施形態において、溶解調整剤は、限定するものではないが、アカシア、寒天、アルギン酸またはそれらの塩、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、セルロース、キトサン、コポビドン、シクロデキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、イヌリン、メチルセルロース、ペクチン、ポリカルボフィルまたはその塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、プルラン、デンプン、トラガカンス、トレハロース、キサンタンガムおよびそれらの混合物のうちのいずれかを含む。
【0139】
一実施形態では、本発明の製剤に含まれる溶解調整剤は、アルギン酸またはその塩、ポリカルボフィルまたはその塩、キサンタンガムおよびそれらの混合物からなる群から選択され得る。一実施形態では、溶解調整剤は、ロゼンジあたり約10mg~約30mgの量で使用され、別の実施形態では、ロゼンジあたり約15mg~約25mgの量で使用される。
【0140】
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、またはそれらの混合物などの結合剤を含む。
本発明の有利な一実施形態では、第1のモジュールは、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、またはそれらの混合物などの結合剤を含む。
【0141】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジは、少なくとも100N、例えば、少なくとも150N、例えば、少なくとも200Nの破壊点を有する。
本発明の一実施形態では、ロゼンジは、100N~400N、例えば、150N~400N、例えば、200N~400Nの破壊点を有する。
【0142】
本発明の一実施形態では、破壊点は、Pharma TestからのPTB311によって測定される。
本発明はさらに、水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジを製造する方法に関し、本方法は、
-第1の粉末組成物および第2の粉末組成物を提供することであって、第1の粉末組成物は少なくとも1つの糖アルコールを含み、第2の粉末組成物は少なくとも1つの糖アルコールおよびニコチンを含む、前記提供する工程と、
-第1の粉末組成物および第2の粉末組成物をプレスして、圧縮によってFDTモジュールに融合したロゼンジモジュールを得る工程と
を含む。
【0143】
本発明の有利な一実施形態では、本方法は、
-第1の粉末組成物をプレスしてロゼンジモジュールを得ることと、
-ロゼンジモジュールおよび第2の粉末組成物をプレスして、圧縮によってロゼンジモジュールに融合したFDTモジュールを得ることと、
を含む。
【0144】
本発明の有利な一実施形態では、本方法は、
-第2の粉末組成物をプレスしてFDTモジュールを得ることと、
-FDTモジュールおよび第1の粉末組成物をプレスして、圧縮によってFDTモジュールに融合したロゼンジモジュールを得ることと
を含む。
【0145】
有利な一実施形態では、プレスは、少なくとも5kN、例えば、少なくとも10kN、例えば、少なくとも15kN、例えば、少なくとも20kNの押圧力で実行される。
押圧力を指すとき、特に記載のない限り、これは直径10.0mmの円形パンチを使用した場合の加えられる力を指す。他の直径または形状のパンチを使用する場合、パンチの面積に応じて押圧力を調整し、必要なパンチ圧を得る。より高いパンチ圧はより高い圧力をもたらし、逆もまた同様である。
【0146】
本発明の一実施形態では、プレスは、5~40kN、例えば10~40kN、例えば15~40kN、例えば20~40kNの押圧力で行われる。
本発明の一実施形態において、本発明またはその実施形態のいずれかの水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジは、本発明の方法またはその実施形態のいずれかによって得られる。
【0147】
本発明の有利な一実施形態では、ロゼンジはコーティングを含まない。
本発明の有利な一実施形態では、第2のモジュールは、10重量%未満、例えば5重量%未満、例えば2重量%未満、例えば1重量%未満の含水量を有する。
【0148】
上記の実施形態の利点は、第2のモジュールの安定性が向上することであり得る。これは特に、第2のモジュールが超崩壊剤などの崩壊剤を含む場合である。
本発明の一実施形態では、第2のモジュールは、0~10重量%、例えば0.01~5重量%、例えば0.05~2重量%、例えば0.1~1重量%の含水量を有する。
【0149】
すなわち上記の実施形態では、第2のモジュールは水を含まなくてもよい。
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、10重量%未満、例えば5重量%未満、例えば2重量%未満、例えば1重量%未満の含水量を有する。
【0150】
本発明の一実施形態では、第1のモジュールは、0~10重量%、例えば0.01~5重量%、例えば0.05~2重量%、例えば0.1~1重量%の含水量を有する。
すなわち上記の実施形態では、第1のモジュールは水を含まなくてもよい。
【0151】
本発明の有利な一実施形態において、水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジは、10重量%未満、例えば5重量%未満、例えば2重量%未満、例えば1重量%未満の含水量を有する。
【0152】
本発明の一実施形態では、水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジは、0~10重量%、例えば0.01~5重量%、例えば0.05~2重量%、例えば0.1~1重量%の含水量を有する。
【0153】
すなわち上記の実施形態において、水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジは、水を含まなくてもよい。
本発明はさらに、第1のモジュールおよび第2のモジュールを含む水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジに関連し、
第1のモジュールおよび第2のモジュールは圧縮によって融合され、
第1のモジュールはロゼンジモジュールであり、
第2のモジュールはニコチンを含むFDTモジュールである。
【0154】
本発明の一実施形態では、実施形態による水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジは、最初に記載されたまたはその実施形態のいずれかに従って作られるか、または本発明の方法またはその実施形態によって得られる。
【0155】
次に、本発明は、以下の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0156】
図1】本発明の実施形態によるロゼンジの渇望緩和を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0157】
本明細書で使用される場合、「水溶解性圧縮経口ニコチンロゼンジ」という用語は、全体がゆっくりと水に溶解する圧縮錠剤を指す。本発明のニコチンロゼンジは、速く溶解するFDTモジュールを含むが、それはまた、ゆっくりと溶解するロゼンジモジュールを含む。もちろん、ニコチンロゼンジは、例えば、水に溶けないチューインガムモジュールを含まない。さらにまた、ニコチンロゼンジは、分解し、主成分が水に溶解するという意味で水に溶解する。本発明のニコチンロゼンジは、少なくとも第1の粉末組成物および第2の粉末組成物を圧縮してそれぞれ第1層および第2層を与えることによって形成される圧縮ロゼンジである。ニコチンロゼンジは、例えば、MCCなど水不溶性物質のいくらかの量を含み得る。例えば、ニコチンロゼンジは、経口投与時に少なくとも2分、例えば、少なくとも3分、例えば、少なくとも4分、例えば、少なくとも5分以内に溶解し得る。
【0158】
本明細書で使用される場合、「FDTモジュール」(高速崩壊錠モジュール)という用語は、経口投与用のロゼンジのモジュールを指す。FDTモジュールは、経口投与から約60秒以内など、投与から比較的速く口腔内で崩壊する。
【0159】
本明細書で使用される場合、「ロゼンジモジュール」という用語は、ロゼンジ特性を付与するモジュール、すなわち、口の中でゆっくりと溶解または崩壊し、それによって、その成分(特定の実施形態に応じて、pH調節剤、フレーバー、ニコチンなど)がゆっくりと放出されるモジュールを指す。例えば、ロゼンジモジュールは、経口投与時に少なくとも2分、例えば、少なくとも3分、例えば、少なくとも4分、例えば、少なくとも5分以内に溶解し得る。
【0160】
本明細書で使用される場合、「崩壊する」という用語は、物体を成分、断片、または粒子に還元することを指す。崩壊時間は、インビトロまたはインビボで測定することができる。特に明記しない限り、in vitro測定は、European Pharmacopeia9.0、セクション2.9.1、錠剤およびカプセルの崩壊に従って実施される。
【0161】
本明細書で使用される場合、「溶解する」という用語は、固体物質が溶媒(口腔唾液)に入って溶液を生成するプロセスである。特に明記しない限り、溶解とは、問題の化合物が完全に溶解することを含意する。
【0162】
本明細書で使用される場合、「崩壊剤」という用語は、FDTモジュールが唾液と接触したときに、FDTモジュールの崩壊を促進する成分を指す。本発明の範囲内で使用可能な崩壊剤には、デンプン、アルファ化デンプン、加工デンプン(ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、デンプン1500、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプン誘導体を含む)、セルロース、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、および、架橋セルロース(ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋デンプン、架橋アルギン酸、天然超崩壊剤、およびケイ酸カルシウムなどの超崩壊剤が含まれ得る。崩壊剤は、ニコチンの放出および最終的な吸収を促進するために、投与時にモジュールのより小さな断片への分解を促進する手段とみなされることがよくある。
【0163】
本明細書で使用される場合、「ニコチン」という用語は、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、ニコチンポラクリレックスなどのイオン交換樹脂に結合したニコチン、ゼオライトに結合したニコチン、微生物起源またはデンプンミクロスフェアのような微結晶性セルロースの繊維などのセルロースに結合したニコチン、CaCO3に結合したニコチン、およびそれらの混合物を含む、任意の形態のニコチンを指す。したがって、ニコチン用量としても理解されるニコチン量に言及する場合、その量は純粋なニコチンの量を指す。したがって、ニコチン塩として添加されたニコチンの濃度を測定する場合、関連するのは、塩の質量ではなく、同等量の純粋なニコチンの質量である。ニコチンはまた、しばしば合成ニコチンと呼ばれる、タバコから得られないニコチンを包含する。ニコチンは第2層に含まれ、いくつかの実施形態では第1層にも含まれる。他の実施形態では、ニコチンは第2層に含まれるが、第1層には含まれない。
【0164】
本明細書で使用される場合、「ニコチン塩」という用語は、対イオンに結合したイオン化形態のニコチンを指す。
本明細書で使用される場合、「NBT」という用語は、二酒石酸ニコチンおよびその水和物を指す。
【0165】
本明細書で使用される場合、「%」および「パーセント」という用語は、特に明記しない限り、重量パーセントを指す。
本明細書で使用される場合、「ニコチンの放出」という用語は、生物学的に利用可能である、すなわち、口腔内の粘膜を介した吸収のために利用可能であるニコチンを指す。ニコチンのいくつかの形態は、生物学的に利用可能であるために溶解を必要とするが、他の形態は、溶解することなく体内に容易に吸収され得る。例えば、ニコチンが生物学的に利用可能であるためには、固体製剤のマトリックスが崩壊されるべきである。ニコチンのいくつかの形態は、例えばニコチンポラクリレックスなどのニコチンイオン交換樹脂からのニコチンなど、ニコチンが例えば担体からさらに放出されることを必要とする。ニコチン塩、後述の二酒石酸ニコチンなどの他のニコチン形態は、固体製剤のマトリックスが崩壊すると容易に溶解し得る。それでも、一部のニコチン形態は溶解を必要としない場合がある。これは、例えば固体製剤マトリックスの崩壊時に放出されるニコチン遊離塩基にあてはまる。
【0166】
本明細書で使用される場合、「pH調節剤」という用語は、それらが添加された、または添加される予定の溶液のpH値を能動的に調整および調節する薬剤を指す。したがって、pH調節剤は、酸性緩衝剤およびアルカリ性緩衝剤を含む酸および塩基であり得る。一方、pH調節剤には、希釈によってのみpHに影響を与える可能性のある物質および組成物は含まれていない。さらにまた、pH調節剤は、例えば、フレーバー、賦形剤などを含まない。
【0167】
本明細書で使用される場合、「緩衝剤」という用語は、「バッファ」と交換可能に使用され、緩衝液を得るための薬剤を指す。緩衝剤には、酸性緩衝剤、すなわち酸性pHの緩衝液を得るためのもの、およびアルカリ性緩衝剤、すなわちアルカリ性pHの緩衝液を得るためのものが含まれる。
【0168】
「未満」、「以下」などの用語で成分の量を指す場合、これは一般に、存在しないか、または、微量から指定された最大量までの範囲で存在する特定の成分を指す。
ロゼンジが賦形剤を含む実施形態では、異なる賦形剤を使用することができる。微結晶性セルロースは、本発明のいくつかの実施形態において賦形剤として使用され得る。使用可能な賦形剤の例には、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、粉砕石灰石、ケイ酸マグネシウムおよびケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩化合物、カオリンおよび粘土、酸化アルミニウム、酸化ケイ酸、タルク、酸化チタン、モノ-、ジ-およびトリ-リン酸カルシウム、木材などのセルロースポリマー、デンプンポリマー、繊維およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0169】
本発明の実施形態において、マンニトールは、バルク甘味料として使用される。他の使用可能な甘味料には、砂糖甘味料および/または無糖甘味料が含まれる。
甘味料は、多くの場合、製剤のフレーバープロファイルをサポートし得る。
【0170】
砂糖甘味料には、限定するものではないが、一般に、ショ糖、デキストロース、マルトース、サッカロース、ラクトース、ソルボース、デキストリン、トレハロース、D-タガトース、乾燥転化糖、フルクトース、果糖、ガラクトース、コーンシロップ固形物、グルコースシロップ、水素化グルコースシロップなど、単独または組み合わせてなどの糖含有成分が含まれる。これらの砂糖甘味料はまた、保湿剤として含まれ得る。
【0171】
無糖甘味料には、一般に、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、ラクチトール、およびイソマルトなどの糖アルコール(ポリオールとも時々呼ばれる)が含まれるが、これらに限定されない。
【0172】
使用可能な崩壊剤の例には、デンプン、アルファ化デンプン、加工デンプン(ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、デンプン1500、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプン誘導体を含む)、セルロース、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、イオン交換樹脂、およびクロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどの超崩壊剤、架橋セルロース(カルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋デンプン、架橋アルギン酸、天然超崩壊剤、ケイ酸カルシウム、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0173】
使用可能な高甘味度甘味料には、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどのアセスルファムの塩、アリテーム、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリシルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオシドなどが単独または組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0174】
使用できるフレーバーには、アーモンド、アーモンドアマレット、アップル、ババロア、ブラックチェリー、黒ゴマシード、ブルーベリー、ブラウンシュガー、バブルガム、バタースコッチ、カプチーノ、キャラメル、キャラメルカプチーノ、チーズケーキ(グラハムクラスト)、シナモンレッドホット、コットンキャンディー、サーカスコットンキャンディー、クローブ、ココナッツ、コーヒー、クリアコーヒー、ダブルチョコレート、エナジーカウ、グラハムクラッカー、グレープジュース、青リンゴ、ハワイアンパンチ、蜂蜜、ジャマイカラム、ケンタッキーバーボン、キウイ、クーラダ、レモン、レモンライム、タバコ、メープルシロップ、マラスキノチェリー、マシュマロ、メントール、ミルクチョコレート、モカ、マウンテンデュー、ピーナッツバター、ピーカン、ペパーミント、ラズベリー、バナナ、熟したバナナ、ルートビール、RY4、スピアミント、ストロベリー、スイートクリーム、スイートタルト、甘味料、トーストアーモンド、タバコ、タバコブレンド、バニラビーンズアイスクリーム、バニラカップケーキ、バニラスワール、バニリン、ワッフル、ベルギーワッフル、スイカ、ホイップクリーム、ホワイトチョコレート、ウィンターグリーン、アマレット、バナナクリーム、ブラックウォールナット、ブラックベリー、バター、バターラム、チェリー、チョコレートヘーゼルナッツ、シナモンロール、コーラ、クレームドメンテ、エッグノグ、イングリッシュタフィー、グアバ、レモネード、リコリス、メープル、ミントチョコレートチップ、オレンジクリーム、ピーチ、ピニャコラーダ、パイナップル、プラム、ザクロ、プラリネとクリーム、赤い甘草、塩水タフィー、ストロベリーバナナ、ストロベリーキウイ、トロピカルパンチ、トゥッティフルッティ、バニラ、またはそれらの任意の組み合わせなどがある。
【0175】
本発明の一実施形態によれば、フレーバーは、ニコチンの味覚マスキングとして使用され得る。
本発明のいくつかの実施形態では、第1のおよび/または第2のモジュールは、pH調節剤を含む。
【0176】
本発明のいくつかの実施形態では、pH調節剤はバッファを含む。
使用可能な緩衝剤には、アルカリ金属、アンモニウム、トリスバッファ、アミノ酸およびそれらの混合物の、モノカーボネート、重炭酸塩およびセスキカーボネートを含むカーボネート、グリセリネート、ホスフェート、グリセロホスフェート、アセテート、グリコネートまたはクエン酸塩を含む炭酸塩が含まれる。Effersodaなどのカプセル化されたバッファも使用され得る。
【0177】
緩衝剤は、水溶性成分と一緒に第1のモジュールおよび/または第2のモジュールの製剤に添加され得る。ロゼンジ中の緩衝剤を使用して、ロゼンジユーザの唾液中で所望のpH値を得ることができる。
【0178】
いくつかの実施形態において、緩衝剤は、例えば5:1から2.5:1の間の重量比で、好ましくは4.1:1から3.5:1の間の重量比で炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムを含む。
【0179】
二酸化ケイ素は滑剤として使用され得る。製剤に使用可能な他の滑剤もまた、本発明の範囲内で使用され得る。
ステアリン酸マグネシウムおよび/またはステアリルフメリン酸ナトリウム(sodium stearyl fumerate)は、潤滑剤として使用され得る。製剤に使用可能な他の潤滑剤もまた、本発明の範囲内で使用され得る。
【0180】
すぐに使用できるシステムを本発明の範囲内で使用し得る。通常、そのようなすぐに使用できるシステムは、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑剤または同様のものを単一の粉末混合物に置き換える。目的に適したすぐに使用できるシステムには、限定するものではないが、パーリトールフラッシュ(Roquette)、ファーマバースト500(SPI Pharma)、ルディフラッシュ(BASF)、プロソルブ(JRS Pharma)、プロソルブイージータブ(JRS Pharma)、F-Melt(Fuji Chemical)、SmartEx50またはSmartEx100(Shin Etsu/Harke Pharma)が含まれる。崩壊剤を含むすぐに使用できるシステムを使用することは、特に有利である可能性がある。
【0181】
経口投与時に60秒以内に崩壊するように設計されたFDTモジュールを得るために、パラメータの範囲を調整することができる。
第一に、組成を変えることにより、崩壊時間を変えることができる。水溶性の高い成分を使用すると、崩壊時間を短縮できる場合がある。
【0182】
特に、崩壊剤を含むことは、第2のモジュールの全体的な組成に応じて、崩壊時間に大きく影響する可能性がある。また、崩壊剤の量および種類を変えることにより、崩壊時間をさらに調整し得る。例えば、より短い崩壊時間を有する第2層が望まれる場合、崩壊剤の含有率を増加させることができ、および/または崩壊剤のタイプを、より効果的な崩壊剤と少なくとも部分的に交換することができる。
【0183】
また、崩壊剤の粒子サイズを小さくすると、おそらく表面積対体積比が増加するために、崩壊時間が短くなる傾向がある。
さらにまた、第2のモジュールをプレスするために使用される圧縮力は、第2のモジュールの得られた硬度と有意に相関し、その結果、高い圧縮力は、通常、得られた第2のモジュールの硬度を増加させる。第2のモジュールの硬度を調整することにより、崩壊時間も影響を受ける可能性があり、その結果、硬度が低下すると、通常、崩壊時間が短くなる。ここで、多くの組成物について、正しい圧縮力を加えることにより、経口投与時に60秒未満の崩壊時間を達成できるが、圧縮力が高すぎると、崩壊時間が60秒を超えて長くなる可能性があることが観察されている。これに関して、閾値圧縮力は、全体的な組成、崩壊剤の含有量および種類などの他のパラメータに応じて、大幅に変化する可能性があることに留意されたい。例えば、特定の設定で崩壊が遅すぎる場合、調整のさらなる方法は、通常の崩壊剤を超崩壊剤に置き換えること、すなわち、より効率的な方法で崩壊を促進することであり得る。
【0184】
水溶性の低い成分を水溶性の高い成分と交換することにより、水溶性の向上を促進することもできる。例えば、糖アルコールが代替の賦形剤よりも高い水溶性を有する限り、賦形剤として糖アルコールを使用することは非常に有利であり得る。
【0185】
また、圧縮性の低い糖アルコールを使用すると、崩壊時間が短くなる。圧縮性が低すぎると、第2のモジュールおよびロゼンジの機械的強度が損なわれ、望ましくないほど高いもろさと亀裂などのリスクにつながる可能性がある。
【0186】
経口投与時に60秒以内に崩壊するように設計されている第2のモジュールを得るために調整できるパラメータのさらなる例には、第2のモジュールおよびロゼンジのサイズおよび形状が含まれる。第2のモジュールの体積が大きいほど、崩壊時間が長くなり、したがってニコチンおよびpH調節剤の放出時間が長くなる。
【0187】
例えば、円盤状のロゼンジにおいて、平坦度(例えば、直径の高さに対する比率で定量化)を上げることは、通常、表面積対体積を増加させることにより、崩壊時間を短縮する。ロゼンジが十分な機械的強度を有する限り、平坦度を上げることができる。
【0188】
また、断面プロファイルを凸型のロゼンジから凹形状のロゼンジに変更すると、崩壊時間が短縮される。これは、ロゼンジの機械的強度をある程度低下させる可能性があるが、満足できるものである限り、凹面断面を追求することは、崩壊を増加させ得、したがって崩壊時間を短縮するのに役立ち得ることに留意されたい。
【0189】
また、結合剤を使用する場合、例えばロゼンジのより高い凝集性および機械的強度を得るために、そのような結合剤の量を可能な限り減らして、より高い崩壊速度、したがってより短い崩壊時間を得ることができる。例えばPVPなど一部の崩壊剤は、結合剤としても機能し得る。
【0190】
さらにまた、ニコチンロゼンジに唾液分泌剤を添加することにより、ロゼンジ付近の唾液の量を増加させることが容易になり、これもまた、第2のモジュールの溶解および崩壊をサポートして、崩壊時間を短縮し得る。
【0191】
さらに、潤滑剤の種類および量は、あったとしても、崩壊時間を最適化するために調整され得る。例えば、ステアリルフマル酸ナトリウム(SSF)を使用すると、通常、ステアリン酸マグネシウムMgStを使用した場合に比べて崩壊時間が短くなる。
【0192】
したがって、経口投与時に60秒の崩壊時間で第2のモジュールを設計する場合、広範囲のパラメータを調整することができる。
通常、第2のモジュールの製剤は、バルク甘味料、賦形剤、すぐに使用できるシステム、フレーバー、乾式結合剤、崩壊剤、以下、超崩壊剤、錠剤化助剤、固化防止剤、乳化剤、抗酸化剤、促進剤、吸収促進剤、緩衝剤、高甘味度甘味料、着色料、滑剤、潤滑剤、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される成分を含み得る。吸収促進剤には、例えば、緩衝剤などのpH調節剤、および粘膜付着剤を含み得る。
【0193】
本発明の一実施形態によれば、ニコチンの少なくとも一部は、乾式結合剤粒子に付着している。
本発明の一実施形態によれば、ある量の乾式結合剤を使用して、ニコチンをバルク甘味料に付着させる。
【0194】
実施例
実施例1~8-ニコチン量の変動
500mgのニコチンロゼンジは、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作成された。
【0195】
層1の組成物は、糖アルコールの約半分をミキシングボウルに注ぎ、続いて潤滑剤を除く残りの成分、そして最後に残りの糖アルコールを注ぐことによって調製される。それら成分をミキサー(TurbulaまたはDuma)で49rpmで4~10分間振り混ぜ/混合する。
【0196】
ミキサー(TurbulaまたはDuma)内で約5%の糖アルコールとMgStを49rpmで1分間混合することによって作成された、事前に作成されたMgSt-糖アルコール混合物を添加し、成分を49rpmで1~2分間さらに混合する。
【0197】
層2の組成物は、潤滑剤を除くすべての成分をミキシングボウルに注ぐことによって調製される。それら成分をミキサー(TurbulaまたはDuma)で49rpmで4~10分間転倒/混合する。
【0198】
ミキサー(TurbulaまたはDuma)内で約5%の糖アルコールとMgStを49rpmで1分間混合することによって作成された、事前に作成されたMgSt-糖アルコール混合物を添加し、成分を49rpmで1~2分間さらに混合する。
【0199】
潤滑された粉末ブレンドは、打錠機のホッパーに順次移される。
次に、層1は、約3kNの圧縮力で圧縮され、その後、層2は、約15~20kNの圧縮力で、圧縮によって層1に融合される。使用したパンチ:10.00mm、円形、浅い凹面、D工具。
【0200】
高速崩壊錠は、実験室規模の機械、例えばRIVA Piccola二層錠剤プレスで製造される。錠剤機は、ロゼンジの重量および硬度が許容基準に一致するように、充填深さおよび圧縮力を調整することによって遂行される。キャッピングを回避するために、事前圧縮力を含めることができる。
【0201】
【表1】

マンニトールは、層1および層2の糖アルコールとして使用され得る。層1で使用するための他の使用可能な糖アルコールには、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、およびイソマルトが含まれ得る。これらのうち、イソマルト、エリスリトール、およびソルビトールが特に好ましい。層2で使用するための他の使用可能な糖アルコールには、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、およびイソマルトが含まれ得る。層2の崩壊剤は、例えば、デンプンベースの崩壊剤であり得る。本発明の実施形態において、崩壊剤は、例えば、おおよそ17重量%の崩壊剤を含むマンニトールベースの製品であるRoquette社のPearlitol Flashなど、すぐに使用できるシステムの一部として供給され得る。他の使用可能なすぐに使用できるシステムの例には、例えば、Pharmaburst500(SPI Pharma)、Ludiflash(BASF)、ProSolv(JRS Pharma)、ProSolv EasyTab(JRS Pharma)、F-Melt(Fuji Chemical)、SmartEx50またはSmartEx100(Shin Etsu/Harke Pharma)が含まれる。
【0202】
好ましい高甘味度甘味料(HIS)は、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、およびそれらの混合物であり得る。アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどのアセスルファムの塩、アリテーム、サッカリンおよびその塩、シクラミン酸およびその塩、グリチルリチン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリン、ステビオシドなどの他の高甘味度甘味料も、単独でまたは組み合わせで、本発明の範囲で使用可能である。
【0203】
メントール、ペパーミント、およびそれらの混合物は、フレーバーとして上記の製剤に使用され得る。他のフレーバーもまた、本発明の範囲内で使用され得る。
炭酸ナトリウムはバッファとして使用され得る。さらに使用可能なバッファには、アルカリ金属、アンモニウム、トリスバッファ、アミノ酸およびそれらの混合物の、モノカーボネート、重炭酸塩およびセスキカーボネートを含む他の炭酸塩、グリセリネート、ホスフェート、グリセロホスフェート、アセテート、グリコネートまたはクエン酸塩が含まれる。
【0204】
上記では、MgSt(ステアリン酸マグネシウム)が潤滑剤として使用されている。ステアリルフメリン酸ナトリウムなどの他の潤滑剤もまた、本発明の範囲内で使用可能であり得る。
【0205】
実施例1~8では、デンプンが崩壊剤として使用されている。他の使用可能な崩壊剤の例には、例えば、アルファ化デンプン、加工デンプン(ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、デンプン1500、デンプングリコール酸ナトリウムおよびデンプン誘導体を含む)、セルロース、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、およびイオン交換樹脂を含む。
【0206】
実施例9~16-超崩壊剤の使用
500mgのニコチンロゼンジ、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作られている。
【0207】
ロゼンジは、実施例1-8に関して記載されているように調製された。
【0208】
【表2】

実施例9~16では、クロスポビドンが超崩壊剤として使用されている。代替の超崩壊剤は、例えば、架橋セルロース(ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)、架橋デンプン、架橋アルギン酸、天然超崩壊剤、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、およびケイ酸カルシウムが含まれ得る。
【0209】
実施例1~8に関連して記載された代替成分もまた、実施例9~16に適用され得る。
実施例17~24-崩壊剤の使用
500mgのニコチンロゼンジ、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作られている。
【0210】
ロゼンジは、実施例1-8に関して記載されているように調製された。
【0211】
【表3】

デンプン崩壊剤の示された含有量は、Roquette社から市販されているすぐに使用できるシステムであるPearlitol Flashの一部として含まれている。
おおよそ17重量%のデンプン崩壊剤を含むPearlitol Flashが使用される。他の使用可能なすぐに使用できるシステムの例には、例えば、Pharmaburst500(SPI Pharma)、Ludiflash(BASF)、ProSolv(JRS Pharma)、ProSolv EasyTab(JRS Pharma)、F-Melt(Fuji Chemical)、SmartEx50またはSmartEx100(Shin Etsu/Harke Pharma)が含まれる。
【0212】
実施例1~16に関連して記載された代替成分もまた、実施例17~24に適用され得る。
実施例25~32
500mgのニコチンロゼンジ、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作られている。
【0213】
ロゼンジは、実施例1~8に関して記載されているように調製された。
【0214】
【表4-1】

実施例1~24に関連して記載された代替成分もまた、実施例25~32に適用され得る。
実施例25A~32A
500mgのニコチンロゼンジ、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作られている。
【0215】
ロゼンジは、実施例1~8に関して記載されているように調製された。
【0216】
【表4-2】

実施例1~24に関連して記載された代替成分もまた、実施例25A~32Aに適用され得る。
実施例33~40-様々な糖アルコール
500mgのニコチンロゼンジ、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作られている。
【0217】
ロゼンジは、実施例1~8に関して記載されているように調製された。
【0218】
【表5】

実施例1~32に関連して記載された代替成分もまた、実施例33~40に適用され得る。
実施例41~48
実施例41~42は、各々300mgの第1モジュールおよび100mgの第2モジュールで作られた400mgのニコチンロゼンジである。
【0219】
実施例43~48は、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作られた500mgのニコチンロゼンジである。
上記を条件として、ロゼンジは、実施例1~8に記載されるように調製された。
【0220】
【表6-1】

実施例41~42は、層2における結合剤としてのMCC(微結晶性セルロース)の使用、および層2における滑剤としてのステアリルフメリン酸ナトリウムの使用を示している。
【0221】
実施例1~40に関連して記載された代替成分もまた、実施例41~48に適用され得る。
実施例41A~48A
実施例41A~48Aは、各々225mgの第1のモジュールおよび75mgの第2のモジュールで作られた300mgのニコチンロゼンジである。
【0222】
上記を条件として、ロゼンジは、実施例1~8に関して記載されるように調製された。
【0223】
【表6-2】

実施例1~40に関連して記載された代替成分もまた、実施例41A~48Aに適用され得る。
実施例49~56-ニコチン源およびすぐに使えるシステム
500mgのニコチンロゼンジ、各々350mgの第1モジュールおよび150mgの第2モジュールで作られている。
【0224】
ロゼンジは、実施例1~8に関して記載されているように調製された。
【0225】
【表7】

実施例1~48に関連して記載された代替成分もまた、実施例49~56に適用され得る。
実施例57~64-糖アルコールの粒子サイズと溶解調整剤
ロゼンジは、実施例1~8に関して記載されているように調製された。
【0226】
【表8】

マンニトールDC300、マンニトール150 SD、およびマンニトール200 SDは、Roquette社から市販されており、平均粒子サイズが異なる。
実施例1~56に関連して記載された代替成分もまた、実施例57~64に適用され得る。
【0227】
実施例65。評価-実施例43および47の第1層
実施例43および47は、各々3つのバージョンで製造され、第1層をプレスするために使用される印加圧力は、それぞれ10kN、20kN、および30kN(パンチ直径10.0mmの単一パンチ装置)であった。これらのバージョンごとに5つのニコチンロゼンジが作られた。
【0228】
ロゼンジ43および47の各バージョンについて、破壊点試験、脆弱性試験、および溶解時間測定が第1層で実施された。
限界点の測定には、PharmaTestのPTB311を使用した。
【0229】
脆弱性試験では、生成された破砕層の数を評価した。5つすべてが無傷の場合、「合格」グレードが割り当てられたが、1つ以上の破砕層は破砕層の数で示される。あるいは、もろさは脆弱性の尺度として使用できる。
【0230】
溶解時間を試験するために、次の方法を使用した。スクリューキャップ付きの測定管内の50mLの水に、15mLの0.02Mリン酸二水素カリウムバッファ(pHは7.4に調整されている)を添加する。ロゼンジを測定管に挿入し、スクリューキャップを固定する。測定管は水平に固定されている。ロゼンジが測定管内を前後に移動できるように、測定管を約110RPMで振動させる。当該ロゼンジまたはそのモジュールが完全に溶解するまで測定管を振動させ、振動の時間を溶解時間として記録する。
【0231】
【表9】

表9から分かるように、破壊点試験は、糖アルコールとしてのソルビトールに基づく第1層を有する実施例47が、糖アルコールとしてのイソマルトに基づく第1の層を有する実施例43よりも高い破壊点を与えることを明らかにする。実施例43は、30kNでプレスされたバージョンは、20kNでプレスされたバージョンよりも実際には破壊点が低いことを示している。これは、30kNの押圧力が高すぎること、および糖アルコール(イソマルト)の直接圧縮性が損なわれていることを示している。
【0232】
また、すべての試験された層が脆弱性テストで合格を記録したことが観察され、これは、各バージョンの5つのうち、製造中に脆弱であるか、または破砕されたと評価されたものはなかったことを意味する。
【0233】
さらに、溶解時間試験によって、ソルビトールベースの実施例47が、イソマルトベースの実施例43よりも一般に速く溶解することを示された。さらに、より高い押圧力はより長い溶解時間をもたらした。
【0234】
最後に、実施例48を実施例43と比較する。実施例48は、実施例43と幾分類似しているが、キサンタンガムをさらに含む。表9からわかるように、キサンタンガムの添加は破壊点試験または脆弱性試験に目立った影響を与えなかったが、溶解時間はおよそ9~10分(実施例43)から約12~16分(実施例48)に大幅に増加し、キサンタンガムの溶解を遅らせ、したがって糖アルコール、フレーバー、ニコチン(もしあれば)などの成分の放出を遅らせる効果を示している。上記を得る間、第1層のマスキング効果の妥協は観察されなかった。
【0235】
実施例66.評価-実施例43、44、45、および46の第2層
実施例43、44、および45は、各々3つのバージョンで製造され、第1層をプレスするために使用された加えられた圧力は、それぞれ10kN、20kN、および30kNであった。これらのバージョンごとに5つのニコチンロゼンジが作られた。
【0236】
ロゼンジ43、44、および45の各バージョンについて、破壊点試験、脆弱性試験、および溶解時間測定が第2層で実施された。
【0237】
【表10】

まず、実施例43~45を見ると、表10は、圧縮力が10kNから30kNに増加すると、生成されたロゼンジの第2層の破壊点が一般に増加することを示している。
それにもかかわらず、表10は、脆弱性が懸念される場合があることも示している。実施例43は、試験中に1つのロゼンジが壊れただけで、適度に良好に機能したことに留意されたい。
【0238】
表10は、非脆弱性の第2層を得るために十分な圧縮力を適用することの間にはトレードオフが存在する可能性があることも示しているが、圧縮力を増やすと溶解時間にも影響する。
【0239】
さらに、第2層(実施例44~45)で崩壊剤を使用すると、第2層(実施例43)に崩壊剤がない場合よりも溶解時間が短縮されること、さらに、実施例44よりも実施例45のように崩壊剤の量を増加させると溶解時間のさらなる短縮につながることに留意されたい。
【0240】
例46も考慮に入れると、非常に壊れやすい第2のモジュールが生成されたものの、かなり短い溶解時間が測定されたことに留意されたい。実施例43~44および46で使用されたマンニトール、実施例44~45で使用されたPearlitol Flash、および実施例46で使用されたエリスリトールの粒子サイズ分布を評価した場合、Pearlitol Flashは、最小の粒子サイズを示し、次にマンニトールであったのに対し、適用されたエリスリトール(非DCグレードのエリスリトール)は著しく大きな粒子を有していたことに留意されたい。より大きな粒子で非DCグレードのエリスリトールを使用すると、溶解時間が比較的速くなった。
【0241】
実施例67.実施例45の評価
表11に示されている圧縮力で作られた実施例45のロゼンジ。
【0242】
【表11】

表11は、層2に加えられた圧縮力よりも高い圧縮力で層1を圧縮できる一方で、脆弱すぎないニコチンロゼンジを得ることができることを示している。しかしながら、層1に加えられる圧縮力が高すぎない場合、層1からの層2の脱キャップは回避され得ることに留意されたい。さらにまた、特に第2層が1分以内に溶解したのに対し、第1層はすべて溶解するのに5分以上かかったため、測定された溶解時間は完全に許容範囲内であった。
【0243】
実施例68.一般評価
実施例41~43および45のロゼンジは、7人の訓練を受けた評価者のパネルによって評価された。
【0244】
評価されたロゼンジは、一般に、従来のニコチンロゼンジよりも例えばニコチン放出および長期マスキングに関して、改善された放出を与えると評価された。
実施例69.放出のin vivo試験
サンプル錠剤は、8人の試験者の試験パネルで試験された。被験者は、試験開始の少なくとも30分前に飲食を控える。試験者は、特定の要件に従って客観的に任命された健康な人であった。
【0245】
試験のために、錠剤を秤量し、舌と口蓋との間の口の中に置いた。錠剤を吸引し、0.5分ごとに回転させた。0、0.5、1、2、3、および5分後、ニコチンの含有量を、まだ存在する場合は残りの錠剤残留物で測定した。所望の試験時間(0、0.5、1、2、3および5分)に達すると、錠剤を取り出し、ニコチン含有量の分析に使用するための測定ガラスに直接秤量した。ニコチン含有量は、関連するバッファに抽出した後、標準的なHPLC技術を使用して分析した。
【0246】
錠剤は、8人の試験者のそれぞれに対して繰り返し測定され、各サンプルに対して合計16回の測定が行われた。16回の測定の平均を計算し、サンプル中のニコチンの元の含有量に基づいて重量%放出を計算した。
【0247】
上で概説した方法を適用して、選択されたサンプルについてインビボ溶解プロファイルが得られた。
【0248】
【表12】

実施例70.渇望の軽減の評価
実施例41Aのロゼンジは、摂取後の時間の経過とともにニコチン渇望(喫煙への衝動)がどのように影響を受けるかに関して評価された。
【0249】
評価は103人の評価者のパネルによって実施された。各評価者は、事前定義された時間間隔で1から15まで評価された喫煙への衝動に注目した。結果を表13に示し、ここで、列記されている値は、評価者からの結果の平均値である。
【0250】
また、市販の従来型ロゼンジ(NiQuitin Lozenge 2mg、GlaxoSmithKline)、ニコチンFDT(1mg)、およびタバコを同じ方法で試験した。従来のロゼンジおよびタバコの場合、時間間隔は、実施例41AのFDTおよびロゼンジの場合とはわずかに異なる。
【0251】
【表13】

表13の結果は、図1にも示されている。これらの結果は、実施例41Aのロゼンジが喫煙意欲を急速に低下させ、従来のロゼンジよりも明らかに優れている一方で、ニコチンFDTよりもわずかに良好な結果を提供するという点で非常に注目すべき結果を提供することを示している。
【0252】
さらに、実施例41Aのロゼンジは、ニコチンFDTの効果が薄れるときでさえ、持続的な渇望の軽減を提供することに留意されたい。
最後に、そしてとりわけ、1mgのニコチンを含む実施例41Aのロゼンジが、これが2倍の量のニコチン、すなわち2mgを含むとしても、従来のロゼンジよりも著しく良好な渇望緩和を提供し続けることに留意されたい。これは非常に驚くべきことであり、本発明のロゼンジの優れた効果を示している。
図1