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特許7574297生産性が高い静音研磨材ブラストノズルのための方法及び設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】生産性が高い静音研磨材ブラストノズルのための方法及び設計
(51)【国際特許分類】
   B24C 5/04 20060101AFI20241021BHJP
   B05B 7/26 20060101ALI20241021BHJP
   B05B 7/14 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
B24C5/04 A
B05B7/26
B05B7/14
B24C5/04 C
B24C5/04 B
【請求項の数】 41
(21)【出願番号】P 2022535240
(86)(22)【出願日】2020-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 US2020025586
(87)【国際公開番号】W WO2021118625
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】PCT/US2019/065783
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/819,035
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594027476
【氏名又は名称】ケンナメタル インコ-ポレイテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サリバン, クリストファー
【審査官】須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03628627(US,A)
【文献】特開昭62-063205(JP,A)
【文献】特開平06-190310(JP,A)
【文献】特開2018-141208(JP,A)
【文献】米国特許第03982605(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C1/00-11/00
B05B1/00-3/18
B05B7/00-9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産性が高い静音研磨材ブラストノズルであって、
ガスが流れる方向に縮径する収束内径を有する収束部分と、
前記収束部分に接続され、実質的に一定の内径及び所定の長さを有するスロートと、
前記スロートに接続され、前記ガスが流れる方向に拡径する内径を有する発散部分と、
前記発散部分に接続され、直後に続き、一定の内径を有する直線部分と、を備え、
前記直線部分は、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、前記ブラストノズルを出るガスの速度が、前記直線部分が除去された状態の前記ブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有し、
動作中、流体が、前記収束部分、前記スロート、前記発散部分、及び前記直線部分を、その順番で通って流れ、
前記直線部分の前記長さが、1インチ~10インチであり、
前記直線部分の前記長さLが、次の方程式によって与えられるように、少なくともL*であり、



式中、所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、前記直線部分の直径であり、Mが、前記直線部分への入口における前記流体のマッハ数であり、



(以下、このfの上のバーのある記号をfbarと読み替えるものとする。)が、前記直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の前記粒子の摩擦係数であり、γが、前記流体流の比熱比である、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【請求項2】
前記直線部分の内径が、前記収束部分の最大内径未満である、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【請求項3】
請求項1に記載の騒音が低減された研磨材ブラストノズルを備える、生産性が高い静音研磨材ブラストノズルアセンブリ。
【請求項4】
前記ノズルは、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、前記ガスの超音速流が、前記ノズルの内側に隔離され、前記ガスの超音速流が、前記直線部分における研磨材粒子を加速させるように構成されている、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【請求項5】
前記ノズルは、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数が、
前記直線部分の出口において、前記発散部分の出口よりも低く、それによって、動作の騒音を低減するように、かつ
前記発散部分の前記出口において1超から、前記直線部分の前記出口において1まで低減されるように、構成されている、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【請求項6】
前記直線部分の前記長さが、前記直線部分の前記内径の少なくとも10分の2と前記直線部分の前記内径の10倍との間にある、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項7】
記直線部分が、前記発散部分に取り付けられ、かつ前記発散部分から取り外されるように構成されている、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項8】
記発散部分に取り付けられ、かつ前記発散部分から取り外されるように構成された1つ以上の追加の直線部分をさらに備え、前記直線部分及び前記1つ以上の追加の直線部分が、各々、異なる長さ及び異なる内径のうちの少なくとも1つを有する、請求項に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項9】
記1つ以上の追加の直線部分の各々は、異なる所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、前記ブラストノズルを出るガスの速度が、前記直線部分が除去された状態の前記ブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有する、請求項に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項10】
記直線部分が、円筒形状である、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項11】
記ノズルが、#4ノズル、#5ノズル、#6ノズル、#7ノズル、又は#8ノズルである、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項12】
記発散部分から前記直線部分への出口において、1超のマッハ数で前記発散部分を通って流れる流体をさらに含む、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項13】
記直線部分からの出口において、1のマッハ数で前記直線部分を通って流れる流体をさらに含む、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項14】
記ノズルの内側の超音速流体流内に複数の研磨材粒子をさらに含み、前記超音速流体流が、前記直線部分で衝撃波を受ける、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項15】
記ノズルが、炭化タングステン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アクリル、セラミック、ステンレス鋼、硬化鋼、アルミニウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から作製される、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項16】
記ノズルが、少なくとも1つの保護グリップをさらに備える、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項17】
記直線部分の前記長さは、前記ブラストノズルが、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、90dBA以下の騒音レベルを有するような長さである、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項18】
記直線部分の前記長さLが、背圧対出口圧力の比率に対して調整された、少なくともL*であり、L*が、次の方程式によって与えられ、

式中、所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、前記直線部分の直径であり、Mが、前記直線部分への入口における前記流体のマッハ数であり、fbarが、前記直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の前記粒子の摩擦係数であり、γが、前記流体流の比熱比である、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項19】
求項1に記載のノズルを、前記ノズルの生産性を低減することなく、前記ノズルの騒音を低減するために、製造するための方法であって、前記方法が、
前記所定のガス及び研磨材粒子の混合ならびに圧力に関して、前記直線部分からの出口において、又は前記出口に至る前の前記直線部分の内部で、前記ガスに対する1のマッハ数を生成するために必要とされる請求項1に記載の直線部分の最小長さを判定することと、
前記最小長さ以上の長さを有する直線部分を有する前記ノズルを製造することと、を含む、方法
【請求項20】
記ガスのマッハ数が、前記発散部分の端である第1の点におけるピークから、前記直線部分の出口において、又はその前の前記直線部分の内径に等しい長さ以内で、第2の点における1のマッハ数まで、前記第1の点と前記第2の点との間で亜音速にならずに減少するように、請求項1に記載の直線部分の最適長さを判定することと、
前記最適長さを有する直線部分を有する前記ノズルを製造することと、をさらに含む、請求項19に記載の方法
【請求項21】
記最適長さを判定することが、
前記直線部分の壁からの摩擦の影響を分析することと、
前記直線部分内の空気流速を低減する複数の研磨材粒子の影響を分析することと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法
【請求項22】
定の動作条件に対して前記直線部分の前記長さを調整して、どの長さが、音の低減及び生産性の所望の組み合わせをもたらすかを判定することと、その長さを有するように前記ノズルを製造することと、をさらに含む、請求項19に記載の方法
【請求項23】
線部分の長さの範囲にわたって請求項1に記載のノズルの反復コンピュータシミュレーションを行って、音の低減及び生産性の所望の組み合わせを有する長さを見出すことと、その長さを有するように前記ノズルを製造することと、をさらに含む、請求項19に記載の方法
【請求項24】
産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメントであって、
ガスが流れる方向に縮径する収束内径を有する収束部分と、
前記収束部分に接続され、実質的に一定の内径及び所定の長さを有するスロートと、
前記スロートに接続され、前記ガスが流れる方向に拡径する内径を有する発散部分と、
を備える研磨材ブラストノズルの出口に接続するための直管を備え、
前記直管は、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、前記研磨材ブラストノズルを出るガスの速度が、前記直管が接続された状態で少なくとも30%だけ低減されるような長さを有し、
前記研磨材ブラストノズルの前記出口に接続されたときに、前記直管が、前記研磨材ブラストノズルの前記出口直後にあり、
前記直管の長さが、1インチ~10インチであり、
前記直管の長さLが、次の方程式によって与えられるように、少なくともL*であり、



式中、前記直管が前記研磨材ブラストノズルに接続された状態の前記所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、前記直管の直径であり、Mが、前記直管への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、前記直管の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の前記粒子の摩擦係数であり、γが、前記流体流の比熱比である、ノズルアタッチメント
【請求項25】
記直管を前記研磨材ブラストノズルに接続することを補助するために、前記直管内に組み込まれた固設デバイスをさらに備える、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項26】
記直管の内径が、前記研磨材ブラストノズルの収束部分の最大内径未満である、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項27】
記直管は、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、前記直管が前記研磨材ブラストノズルに接続されているときに、前記ガスの超音速流が、前記直管の出口を越えて続かず、かつ前記ガスの超音速流が、前記直管内の研磨材粒子を加速させるように、構成されている、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項28】
記直管は、前記直管が前記研磨材ブラストノズルに接続されているときに、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数が、
前記直管の出口において、前記研磨材ブラストノズルの前記発散部分の出口よりも低く、それによって、動作の騒音を低減するように、かつ
前記発散部分の前記出口において1超から、前記直管の前記出口において1まで低減されるように、構成されている、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項29】
記直管の長さが、前記直管の直径の少なくとも10分の2と前記直管の前記直径の10倍との間にある、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項30】
記直管が、円筒形状である、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項31】
記研磨材ブラストノズルが、#4ノズル、#5ノズル、#6ノズル、#7ノズル、又は#8ノズルである、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項32】
記直管が、炭化タングステン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アクリル、セラミック、ステンレス鋼、硬化鋼、アルミニウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から作製される、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項33】
記直管の長さは、前記直管が前記研磨材ブラストノズルに接続されているときに、前記ブラストノズルが、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、90dBA以下の騒音レベルを有するような長さである、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項34】
記直管の長さLが、背圧対出口圧力の比率に対して調整された、少なくともL*であり、L*が、次の方程式によって与えられ、

式中、前記直管が前記研磨材ブラストノズルに接続された状態の前記所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、前記直管の直径であり、Mが、前記直管への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、前記直管の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の前記粒子の摩擦係数であり、γが、前記流体流の比熱比である、請求項24に記載のノズルアタッチメント
【請求項35】
続された研磨材ブラストノズルの騒音を、前記ノズルの生産性を低減することなく、低減するために、請求項24に記載のノズルアタッチメントを製造するための方法であって、前記方法が、
前記所定のガス及び研磨材粒子の混合ならびに圧力に関して、前記直管からの出口において、又はその前の1つの直管内径以内で、前記ガスに対する1のマッハ数を生成するために必要とされる請求項24に記載の直管の最小長さを判定することと、
前記最小長さ以上の長さを有する前記直管を製造することと、を含む、方法
【請求項36】
記ガスのマッハ数が、前記接続された研磨材ブラストノズルの前記発散部分の端である第1の点におけるピークから、前記直管の出口において、又はその前の前記直管の内径に等しい長さ以内で、第2の点における1のマッハ数まで、前記第1の点と前記第2の点との間で亜音速にならずに減少するように、請求項24に記載の直管の最適長さを判定することと、
前記最適長さを有する前記直管を製造することと、をさらに含む、請求項35に記載の方法
【請求項37】
記最適長さを判定することが、
前記直管の壁からの摩擦の影響を分析することと、
前記直管内の空気流速を低減する複数の研磨材粒子の影響を分析することと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項36に記載の方法
【請求項38】
定の動作条件に対して前記直管の前記長さを調整して、どの長さが、音の低減及び生産性の所望の組み合わせをもたらすかを判定することと、その長さを有するように前記直管を製造することと、をさらに含む、請求項35に記載の方法
【請求項39】
管の長さの範囲にわたって請求項24に記載の直管の反復コンピュータシミュレーションを行って、音の低減及び生産性の所望の組み合わせを有する長さを見出すことと、その長さを有するように前記直管を製造することと、をさらに含む、請求項35に記載の方法
【請求項40】
記直線部分の前記長さは、前記ブラストノズルが、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、前記直線部分なしの前記ブラストノズルと比較して、3dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである、請求項1に記載の生産性が高い静音研磨材ブラストノズル
【請求項41】
記直管の長さは、前記直管が前記研磨材ブラストノズルに接続されているときに、前記ブラストノズルが、前記所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、前記直管なしの前記研磨材ブラストノズルと比較して、3dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである、請求項24に記載のノズルアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府資金による研究開発の記載:本発明は、空軍省との契約FA8222-14-M-0006の下で、米国政府(「政府」)によって部分的に支援された。本発明はまた、海軍研究局との契約N68335-17-C-0581の下で政府によって部分的に支援された。そのため、政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0002】
本発明は、研磨材ブラストのための装置及び方法に関する。より具体的には、本発明は、騒音が低減された研磨材ブラストアセンブリ及びシステム、ならびにそのようなシステムを構築する方法を説明する。
【背景技術】
【0003】
塗料及び表面コーティングの除去に使用される研磨材ブラスト操作は、米軍の船舶、航空機、及び陸上車両、ならびに産業用車両及び機械の保守に不可欠である。しかし、これらの操作は、保守担当者を119dB以上の音圧レベル(SPL)に日常的に曝し、ブラストオペレータにとって顕著な健康、生産性、及びコンプライアンスの問題を結果的にもたらす。多くのブラストオペレータは、ブラスト騒音に長時間曝された直接の結果として聴覚損失を受ける。耳栓及びイヤーマフなどの個人用保護具(PPE)は、即時のリスクを軽減し得るが、状況認識の喪失をもたらし、騒音曝露制限に対するOSHAレベルの要件を依然として満たさない。OSHA騒音基準(29 CFR 1910.95)は、労働者の許容可能な騒音曝露限界(PEL)を8時間の時間加重平均90dBAに制限し、より良好な聴覚保護は、労働者の騒音曝露を短縮することであるとは考えられていない。労働者は、その音源における音を低減することのみによって、無害な騒音を経験することになる。
【0004】
図1に例示されるものは、コンプレッサ12、コンプレッサホース14、及び研磨材媒体18を収容する研磨材タンク16を備える、従来の最先端の超音速研磨材ブラストシステム10である。研磨材計量弁20が、標準的なブラストホース22内への研磨材媒体18の放出速度を制御する。放出媒体18は、ブラストホース22を通ってかみあい継手24に移動し、超音速収束発散ノズル26を通って、超音速で、相当な騒音を伴って環境内に放出される。
【0005】
最先端の収束発散ノズル26の状態の詳細は、図2に断面で図示される。ノズル26は、収束口径区分32、スロート34、及び発散口径区分36を伴う口径30を有するバレル28から構成される。研磨材媒体18と混合されたガスは、収束区分32を通って移動するときに圧縮され、次いで、発散区分36を通って分散され、媒体18の粒子をノズル26の発散区分36内で加速させて、そこから外に出す。
【0006】
従来の研磨材ブラストシステム機構は、収束発散タイプの超音速ノズルアタッチメント26を有する単一の1インチの内径のブラストホース22を利用する。これらの機構における研磨材ブラスト媒体は、ノズル26に入って、その後、ノズル26から出るまでの短い距離にわたって、それらの加速の大部分を受ける。
【0007】
Settlesの論文(Settles G.,A scientific view of the productivity of abrasive blasting nozzles,1996)に示されているように、粒子は、ノズルの前のかなり控えめな速度から、粒子がノズルと出口との発散部分を通って流れる際のより速い速度に加速する。これは、特に研磨性の高い媒体に関して、ホース内の摩耗を最小限に抑える。この挙動は、図3のSettlesの論文から再現されたグラフに例示されており、Lavalノズルを通る予測及び測定された速度を示している。示されるように、粒子速度は、ノズル全体を通してガス速度の50%未満に留まる。
【0008】
図1及び図2に図示されるもののように現在利用可能な研磨材ブラストシステムは、作業環境騒音のために労働安全衛生組織によって設定されたレベルを超える過度の騒音を発生させ、結果として、聴覚保護のための個人用保護具の使用と共に、この騒音にオペレータが曝される時間制限を必要とする。したがって、同等の生産性及び効率を依然として示しながら、より少ない騒音を発生させ、騒音誘発性聴覚損失及び/又は耳鳴を低減し、騒音の多い操作環境における状況認識を改善する研磨材ブラストシステムに対する必要性が存在する。
【0009】
図1及び図2に図示されるもののように現在利用可能な研磨材ブラストシステムは、大きくて重く、ユーザにストレス及び疲労を生じさせる。したがって、使い易さ及びより長い使用期間のために、より小型かつより軽量である研磨材ブラストシステムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0010】
これらの及び他の目的は、本発明の騒音が低減された研磨材ブラストアセンブリ及びシステムにおいて達成される。新しいアセンブリ及びシステムは、システムの搬送部分のサイズ及び重量からの人間工学的ストレスを低減しながら、現在の最先端のものよりも顕著に少ない騒音で効果的な研磨材ブラストを提供する。
【0011】
新しいアセンブリ及びシステムは、ホース、ノズル、又は両方のいずれかで、粒子が出口前に加速されるより長い長さを提供し、出口で粒子速度をガス速度に近づけ、より低いガス出口速度の使用を可能にして、粒子速度を維持又はさらに改善し、したがって、生産性を改善しながら、システム騒音を低減する。ブラストオペレータに許容されるブラスト時間の量は、騒音曝露(例えば、規制遵守の問題に起因する)に関連しているが、ノズルを出る研磨材の速度に関連するノズルの生産性は、研磨材ブラストにおいて同様に懸念される。より速い速度は、ブラストオペレータが1平方メートル当たりのブラスト時間を短縮し得ることを意味する。時間の短縮は、より高い労働者の生産性及びより低い運用コストにつながる。
【0012】
いくつかの実施形態における新しいアセンブリ及びシステムは、標準的なブラストホース、新規の加速ホース部分、遷移継手を含む継手、及びノズルから構成される。この改善された研磨材ブラストシステムは、出口ガス速度を減少させながら所望の研磨材粒子速度を維持し、結果として音の発生を減少させる。これは、必要な研磨材粒子速度を提供するのに十分な長さを有する最先端のブラストシステムには存在しない直線加速区分を組み込むことを通じて達成される。新しいシステムは、従来の研磨材ブラストシステムの生産性及び効率を維持するが、音響騒音の発生を大幅に低減し、システムの搬送部分のより低重量に起因して、オペレータの疲労を低減する。
【0013】
本発明の一態様は、従来の超音波研磨材ブラスト装置と比較したときに、同等又は優れた効率及びブラスト結果を示しながら、従来の超音波研磨材ブラストシステムよりも顕著に少ない騒音を発生する研磨材ブラスト装置である。
【0014】
本発明のさらなる態様は、同等又は優れた効率及び結果を示しながら、従来の超音波研磨材ブラストシステムよりも小さく、かつ軽量である搬送部分を有する研磨材ブラスト装置である。
【0015】
本発明の別の態様は、粒子がブラストノズルに入る前に、媒体粒子を所望の速度まで加速させるために、従来の標準的なブラストホースよりも小さい内径を有する加速ホースを、追加の長さにわたって用いる研磨材ブラストシステムである。
【0016】
本発明のさらなる態様は、標準的なブラストホースから加速ホースまでの媒体経路の内径を段階的に小さくするための遷移継手の使用である。
【0017】
本発明の別の態様は、粒子がブラストノズルを出る前に、媒体粒子を所望の速度まで加速させるために、発散区分に続く直線区分を有するノズルを用いる研磨材ブラストシステムである。
【0018】
本発明のさらなる態様は、エネルギーが粒子に伝達されるにつれて、発散区分に続く直線区分を出る空気速度が低減され、それによって、ノズルからのより少ない音の発生を結果的にもたらすことである。
【0019】
いくつかの実施形態では、新しいアセンブリ及びシステムは、ホース及びノズルアセンブリから構成され、ホース及びノズルアセンブリは、第1の内径を有する第1の部分と、第1の内径未満の内径を有するくびれた部分と、第1の部分をくびれた部分に接続し、かつ収束する内径を有する、収束部分と、くびれた部分から下流の、第1の部分の内径未満の一定の内径を有する、直線部分と、を有する。直線部分は、所定のガス及び/又は粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、ブラストノズルアセンブリを出るガスの速度が、直線部分なしのブラストノズルアセンブリに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有する。システムの生産性を損なわないか、又はノズルを扱い難くしないか、もしくは制御し難くしない、騒音の任意の低減が望ましい。排出ガス速度の7%のみの低減は、3dBの騒音低減を結果的にもたらし、これは、注目に値する改善である。様々な実施形態では、直線部分の長さが、所定のガス/粒子の混合及び圧力で動作したときに、7%~43%、いくつかの実施形態では、30%~40%の間、及びいくつかの実施形態では、35%だけ、排出ガス速度を低減するために有効である。動作中、流体が、第1の部分、収束部分、くびれた部分、及び直線部分を、その順番で通って流れる。
【0020】
いくつかの実施形態では、くびれた部分、収束部分、及び直線部分は、すべて、ノズルの部分であり、ノズルはまた、くびれた部分を直線部分と接続する発散部分を有し得る。収束部分、くびれた部分、発散部分、及び直線部分は、一緒にノズルを構成し得、くびれた部分は、ノズルのスロートであり得る。直線部分は、長さが直線部分の内径の少なくとも2/10倍、かつ長さが直線部分の内径の10倍未満であり得る。いくつかの実施形態では、直線部分は、一定の内径を有するが、他の実施形態では、わずかに発散する輪郭又はわずかに収束する輪郭(直線部分の長さにわたって内径が5%以下で変化する)を有する。わずかに発散又は収束する輪郭は、直線部分内で所望の流速(すなわち、直線部分の出口又はその近くで1のマッハ数)を達成するために、直線部分の適切な長さを計算する際に考慮され得る。いくつかの実施形態では、直線部分は、例えば、1/8インチだけ変化する交互の直径を有する区分を少なくとも有し、その区分の内側の表面摩擦を増加させ、必要な長さに影響を与える隆起を作り出す(直線部分の長さを判定するときに摩擦計算に組み込まれ得る)が、粒子速度の低減の可能性を伴う。変動する内径を有する直線部分について、本明細書におけるこの直線部分の直径への参照は、直線部分の平均内径、又はその出口における直線部分の内径への参照とみなされ得る。ノズルは、#6ノズルであり得る。他の実施形態では、限定されるものではないが、#4、#5、#7、#8、#9、及び#10ノズルを含む、任意の直径のノズルであり得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、直線部分の内径は、研磨材作用の所定の「ホットスポット」直径を生成するように選択される。
【0022】
他の実施形態では、直線部分の内径は、収束区分の出口に一致するように選択される。
【0023】
いくつかの実施形態における騒音が低減された研磨材ブラストノズルアセンブリはまた、媒体タンクと、研磨材媒体と、研磨材媒体を運ぶための圧縮ガスと、を含み、ホース及びノズルアセンブリは、1つ以上のホース区分を含む。
【0024】
本発明は、より低速の出口速度を有する気流内のより長い加速距離を通じて十分な研磨材粒子速度を達成し、それによって、超音速ブラストノズルで受ける、ノズルで発生する騒音を低減する。ブラスト生産性に対する調整は、研磨材質量流量を調整することによって行われ得る。
【0025】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、収束内径を有する収束部分と、収束部分に接続されたスロートと、スロートに接続された発散部分と、発散部分に接続され、その直後に続く直線部分と、を備える、生産性が高い静音研磨材ブラストノズルである。直線部分は、ブラストノズルを出るガスの速度が、直線部分が除去された状態の同じブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有し、両方のブラストノズルは、同じ所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作されると仮定する。加えて、生産性が高い静音研磨材ノズルの動作中、流体が、収束部分、スロート、発散部分、及び直線部分を、その順番で通って流れる。好ましい実施形態では、流体は、いかなる追加の介在部分もなしで、収束部分からスロートに、発散部分に、直線部分に、ノズルの外側(大気/環境)に直接流れる。
【0026】
いくつかの実施形態では、直線部分の内径は、収束部分の最大内径未満である。いくつかの実施形態では、直線部分は、一定の内径を有し、他の実施形態では、直線部分の内径は、その長さにわたって最大5%変化し得る。
【0027】
特定の実施形態における直線部分の長さは、直線部分の内径の少なくとも10分の2である。他の実施形態では、直線部分の長さは、直線部分の内径の10倍未満である。追加の実施形態では、直線部分の長さは、1インチ~10インチである。またさらなる実施形態では、直線部分の長さは、2.5インチである。
【0028】
いくつかの実施形態では、ノズルは、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、ガスの超音速流が、ノズルの内側に隔離され、超音速ガス流が、直線区分における研磨材粒子を加速させるように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、ノズルは、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数が、直線部分の出口において、発散部分の出口よりも低く、それによって、動作の騒音を低減するようにさらに構成されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、ノズルは、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数が、発散部分の出口において1超から、直線部分の出口において1まで低減されるようにさらに構成されている。
【0031】
本発明の少なくとも1つの実施形態における直線部分は、発散部分に取り付けられ、かつ発散部分から取り外されるように構成されている。いくつかの実施形態は、発散部分に取り付けられ、発散部分から取り外されるように構成された1つ以上の追加の直線部分をさらに備える。直線部分及び1つ以上の追加の直線部分は、各々、異なる長さ及び/又は内径を有し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の直線部分の各々は、異なる所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、ブラストノズルを出るガスの速度が、直線部分が除去された状態のブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有する。いくつかの実施形態では、直線部分のうちの1つ以上は、そのような追加の直線部分を取り付けるか、又は取り外すことによって、直線部分の全長が迅速に修正され得るように、互いに対する取り付けのために構成され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、直線部分は、円筒形状である。
【0033】
いくつかの実施形態では、ノズルは、#4ノズル、#5ノズル、#6ノズル、#7ノズル、又は#8ノズルである。いくつかの実施形態では、ノズルが、炭化タングステン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アクリル、セラミック、ステンレス鋼、硬化鋼、アルミニウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から作製される。またさらなる実施形態では、ノズルは、少なくとも1つの保護グリップをさらに備える。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態は、発散部分から直線部分への出口において、1超のマッハ数で発散部分を通って流れる流体をさらに含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態は、直線部分からの出口において、1のマッハ数で直線部分を通って流れる流体をさらに含む。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態は、ノズルの内側の超音速流体流内に複数の研磨材粒子をさらに含み、超音速流体流が、直線部分で衝撃波を受ける。
【0037】
いくつかの実施形態では、直線部分の長さは、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、90dBA以下の騒音レベルを有するような長さである。さらなる実施形態では、直線部分の長さは、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直線部分なしのブラストノズルと比較して、3dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである。またさらなる実施形態では、直線部分の長さは、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直線部分なしのブラストノズルと比較して、6dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである。
【0038】
いくつかの実施形態では、直線部分の長さLが、次の方程式によって与えられるように、少なくともLであり、
【0039】
式中、所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直線区分の直径であり、Mが、直線部分への入口における流体のマッハ数でありf、
(以下、このfの上にバーのある記号をfbarと読み替えるものとする。)が、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である。
【0040】
いくつかの実施形態では、直線部分の長さLが、背圧対出口圧力の比率に対して調整された少なくともLであり、Lが、次の方程式によって与えられ、
【0041】
式中、所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直線区分の直径であり、Mが、直線部分への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である。言い換えれば、Lは、上記の方程式に従って計算され得、次いで、長さLが、1以外の背圧対出口圧力の比率を考慮するためにLから調整される。
【0042】
本発明はまた、その様々な実施形態において、例えば、収束内径を有する収束部分と、収束部分に接続されたスロートと、スロートに接続された発散部分と、発散部分に接続された直線部分と、を備える、本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルなどの、生産性が高い静音研磨材ブラストノズルを製造するための方法を含み、直線部分は、ブラストノズルを出るガスの速度が、直線部分が除去された状態の同じブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有しており、両方のブラストノズルが、同じ所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作されると仮定し、ノズルの動作中、流体が、収束部分、スロート、発散部分、及び直線部分を、その順番で通って流れる。そのような方法は、所定のガス及び研磨材粒子の混合ならびに圧力に関して、直線部分からの出口において、又はその前の1つの直線区分内径以内で、ガスに対する1のマッハ数を生成するために必要とされる直線部分の最小長さを判定することと、最小長さ以上の長さを有する直線部分を有するノズルを製造することと、を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、ガスのマッハ数が、発散部分の端である第1の点におけるピークから、直線部分の出口において、又はその前の直線部分の内径に等しい長さ以内で、第2の点における1のマッハ数まで、第1の点と第2の点との間で亜音速にならずに減少するように、直線部分の最適長さを判定することと、最適長さを有する直線部分を有するノズルを製造することと、をさらに含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、最適長さステップを判定することが、直線区分の壁からの摩擦の効果を分析すること、及び/又は直線部分の空気流速を低減する複数の研磨材粒子の効果を分析することを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法は、特定の動作条件に対して直線部分の長さを調整して、どの長さが、音の低減及び生産性の所望の組み合わせをもたらすかを判定することと、その長さを有するようにノズルを製造することと、をさらに含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、方法は、直線部分の長さの範囲にわたって本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルの反復コンピュータシミュレーションを行って、音の低減及び生産性の所望の組み合わせを有する長さを見出すことと、その長さを有するようにノズルを製造することと、をさらに含む。
【0047】
その様々な実施形態における本発明は、加えて、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメントを含み、ノズルアタッチメントは、研磨材ブラストノズルの出口に接続するように適合された直管を備える。直管は、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直管が取り付けられた状態の研磨材ブラストノズルを出るガスの速度が、直管が接続されていない状態の研磨材ブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有する。好ましい実施形態では、直管は、その全長に沿って一定の内径を有する。いくつかの実施形態では、直管の内径は、その長さにわたって最大5%変化し得る。好ましい実施形態では、直管の内径(特に入口)は、直管が使用されることが意図される所与の研磨材ブラストノズル又は研磨材ブラストノズルのセットの出口における内径と一致するように設定される。好ましい実施形態では、直管の発散又は収束部分又は直管への取り付けは存在せず、ノズルアタッチメントが研磨材ブラストノズルに装着されるとき、流体流は、ノズルの発散部分から直管ノズルアタッチメントに直接、及び直管から大気/環境内に直接(例えば、研磨材ブラストのための標的表面に向かって)通過する。同様に、例えば、上記に説明されるように、直線部分が研磨材ブラストノズルの端に組み込まれている実施形態では、流体は、いかなる介在部分もなしで、発散部分から直線部分内に、及び直線部分から大気/環境内に直接流れ込み得る。
【0048】
ノズルアタッチメントの少なくとも1つの態様では、研磨材ブラストノズルは、#4ノズル、#5ノズル、#6ノズル、#7ノズル、又は#8ノズルである。ノズル(#6、#8など)の数値サイズは、オリフィスサイズ(出口の内径)に基づいたサイズ測定が公知である。
【0049】
いくつかの実施形態では、ノズルアタッチメントは、直管を研磨材ブラストノズルに接続するための固設デバイスをさらに備える。
【0050】
いくつかの実施形態では、ノズルアタッチメントは、直管を研磨材ブラストノズルに接続することを支援するために直管内に組み込まれた固設デバイスをさらに備える。
【0051】
ノズルアタッチメントのさらなる態様では、直管の内径が、研磨材ブラストノズルの収束部分の最大内径未満である。
【0052】
ノズルアタッチメントの他の態様では、直管は、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ガスの超音速流が、直管の出口を越えて続かず、かつ超音速ガス流が、直管内の研磨材粒子を加速させるように、構成されている。
【0053】
ノズルアタッチメントのさらに他の態様では、直管は、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数は、研磨材ブラストノズルの発散部分の出口よりも直管の出口で低くなり、それによって、動作の騒音を低減するように構成されている。
【0054】
ノズルアタッチメントのさらなる態様では、直管は、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数は、研磨材ブラストノズルの発散部分の出口における1超から、直線部分の出口で1まで低減されるように構成されている。
【0055】
ノズルアタッチメントの追加の態様では、直管の長さは、直管の直径の少なくとも10分の2である。いくつかの実施形態では、直管の長さは、直管の直径の10倍未満である。さらなる実施形態では、直管の長さは、1インチ~10インチである。さらなる実施形態では、直管の長さは、2.5インチである。
【0056】
ノズルアタッチメントの他の態様では、直管は、円筒形状である。いくつかの実施形態では、直管が、炭化タングステン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アクリル、セラミック、ステンレス鋼、硬化鋼、アルミニウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から作製される。
【0057】
ノズルアタッチメントのさらなる態様では、直管の長さは、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、90dBA以下の騒音レベルを有するような長さである。ノズル実施形態のまたさらなる態様では、直管の長さは、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直管なしのブラストノズルと比較して、3dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである。ノズル実施形態のなおさらなる態様では、直管の長さは、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直管なしのブラストノズルと比較して、6dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである。
【0058】
ノズルアタッチメントの追加の態様は、次の方程式によって与えられるように、Lが少なくともLである直管の長さLを有し、
【0059】
式中、直線部分が研磨材ブラストノズルに接続された状態の所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直管の直径であり、Mが、直管への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である。
【0060】
ノズルアタッチメントのいくつかの態様は、直管の長さLが、背圧対出口圧力の比率に対して調整された少なくともLであり、Lが、次の方程式によって与えられ、
【0061】
式中、直線部分が研磨材ブラストノズルに接続された状態の所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直管の直径であり、Mが、直管への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である。
【0062】
その様々な実施形態における本発明は、ノズルの生産性を低減することなく、接続された研磨材ブラストノズルの騒音を低減するために、本明細書で上記に説明されるノズルアタッチメントを製造する方法をさらに含む。方法は、所定のガス及び研磨材粒子の混合ならびに圧力に関して、直線部分からの出口において、又はその前の1つの直管内径以内で、ガスに対する1のマッハ数を生成するために必要とされる本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントの直管の最小長さを判定することと、最小長さ以上の長さを有する直管を製造することと、を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントを製造する方法は、ガスのマッハ数が、接続された研磨材ブラストノズルの発散部分の端である第1の点におけるピークから、直管の出口において、又はその前の直管の内径に等しい長さ以内で、第2の点における1のマッハ数まで、第1の点と第2の点との間で亜音速にならずに減少するように、本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントの直管の最適長さを判定することと、最適長さを有する直管を製造することと、をさらに含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、最適長さステップを判定することが、直管の壁からの摩擦の効果を分析すること、及び/又は直管の空気流速を低減する複数の研磨材粒子の効果を分析することを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントを製造する方法は、特定の動作条件に対して直管の長さを調整して、どの長さが、音の低減及び生産性の所望の組み合わせをもたらすかを判定することと、その長さを有するように直管を製造することと、をさらに含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントを製造するための方法は、直管の長さの範囲にわたって本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントの直管の反復コンピュータシミュレーションを行って、音の低減及び生産性の所望の組み合わせを有する長さを見出すことと、その長さを有するように直管を製造することと、をさらに含む。
【0067】
概して、任意の既知の研磨材ブラストノズルは、本発明の実施形態によるノズルであるように適合され得る。例えば、既存の#2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ノズルは、本発明の実施形態を達成するために、本明細書に説明されるように、ノズルの発散部分の端に直線部分を有するように適合され得る。同様に、本発明の実施形態によるノズルアタッチメントは、任意の既知の研磨材ブラストノズルへの取り付けに適合され得る。ノズルアタッチメントが既存のノズルに装着されると、アセンブリ全体(すなわち、取り付けられたノズルアタッチメントとの組み合わせにおける、既存のノズル)は、生産性が高い静音研磨材ブラストノズルとみなされ得る。さらに、本発明の実施形態による研磨材ブラストノズル及びノズルアタッチメントは、多種多様な用途で、及び圧力、粒子負荷、研磨材粒子及び流体のタイプ、ノズル材料などを含む多種多様な動作条件における使用に適合され得る。具体的には、本発明の一実施形態による任意の所与のノズル又はノズルアタッチメントは、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、又は所定の範囲のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、特定の結果、又は特定の範囲内の結果を達成するように適合され得る。本発明の実施形態によるノズル及びノズルアタッチメントは、例えば、20psi~200psiのノズル圧力、及び50~10,000lbs/時間の研磨材消費速度の粒子負荷、又はそれらの範囲内の任意の範囲の圧力及び粒子負荷を含む、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、従来技術の研磨材ブラストノズルに対して、少なくとも3dBの騒音低減を達成するように適合され得る。そのような条件は、例えば、#2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、及び12ノズルに適用可能である。粒子負荷は、ブラスタがどのタイプの粗さプロファイルを有することを望むか、及び使用されるブラスト圧力によって部分的に判定され得る。所定のガス及び粒子の混合は、例えば、圧縮空気と、砂、及び/又は任意の他の研磨材粒子と、であり得る。「所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力」という語句は、ガスタイプ、粒子タイプ、ノズル圧力、背圧、及び粒子負荷から構成され得る。背圧は、通常大気圧であり、特に言及しない場合、大気圧と仮定され得る。例えば、砂粒子を有する圧縮空気、100psiのノズル圧力、及び1,000lbs/時間の粒子負荷は、例示的な所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力の1つである。
【0068】
本発明の追加の実施形態は、本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ノズルを備える生産性が高い静音研磨材ブラストノズルアセンブリを含む。
【0069】
説明される本発明の原理は、ノズルを利用しないものでさえも、流体流の音量が問題となる研磨材ブラスト以外の用途に適用され得る。特に、超音速流体流が高い騒音レベルを結果的にもたらす用途では、大気/環境に入る前に、直管を通して流体を流すことは、流体の速度を低減し得る。直管が、環境内への流体の出口又はその直前に衝撃を誘発するようにサイズ決めされている場合、騒音レベルは、特に低減される。非超音速流でも、直管は、速度及び騒音レベルを低減する。直管の使用は、直線部分が、同伴する物体の速度を増加させながら流体の速度を低減することができ、それによって、生産性を犠牲にすることなく、騒音レベルを低減するため、流体よりも低速である流体流内の粒子又は他の主体を加速させるために流体が使用され得る用途で特に有用である。
【0070】
そのため、上記の、及び続く説明に基づいて、その様々な実施形態における本発明は、任意の相互排他的でない組み合わせにおける以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る:
【0071】
・収束内径を有する収束部分を有する、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0072】
・収束部分に接続されたスロートを有する、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0073】
・スロートに接続された発散部分を有する、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
・発散部分に接続され、かつその直後に続く、直線部分を有する、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0074】
・所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、ブラストノズルを出るガスの速度が、直線部分が除去された状態のブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有する直線部分を有する、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0075】
・動作中、流体が、収束部分、スロート、発散部分、及び直線部分を、その順番で通って流れる、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0076】
・直線部分の内径が、収束部分の最大内径未満である、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0077】
・ノズルは、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、ガスの超音速流が、ノズルの内側に隔離され、超音速ガス流が、直線区分における研磨材粒子を加速させるように構成されている、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0078】
・ノズルは、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数が、直線部分の出口において、発散部分の出口よりも低く、それによって、動作の騒音を低減するように構成されている、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0079】
・ノズルは、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数が、発散部分の出口において1超から、直線部分の出口において1まで低減されるように構成されている、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0080】
・直線部分の長さが、直線部分の内径の少なくとも10分の2である、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0081】
・直線部分の長さが、直線部分の内径の10倍未満である、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0082】
・直線部分の長さが、1インチ~10インチである、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0083】
・直線部分の長さが、2.5インチである、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0084】
・直線部分が、発散部分に取り付けられ、かつ発散部分から取り外されるように構成されている、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0085】
・発散部分に取り付けられ、かつ発散部分から取り外されるように構成された1つ以上の追加の直線部分をさらに備え、直線部分及び1つ以上の追加の直線部分が、各々、異なる長さ及び/又は内径を有する、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0086】
・1つ以上の追加の直線部分の各々は、異なる所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、ブラストノズルを出るガスの速度が、直線部分が除去された状態のブラストノズルに対して少なくとも30%だけ低減されるような長さを有する、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0087】
・直線部分が、円筒形状である、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0088】
・ノズルが、#4ノズル、#5ノズル、#6ノズル、#7ノズル、又は#8ノズルである、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0089】
・ノズルが、炭化タングステン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アクリル、セラミック、ステンレス鋼、硬化鋼、アルミニウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から作製される、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0090】
・ノズルが、少なくとも1つの保護グリップをさらに備える、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0091】
・発散部分から直線部分への出口において、1超のマッハ数で発散部分を通って流れる流体をさらに含む、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0092】
・直線部分からの出口において、1のマッハ数で直線部分を通って流れる流体をさらに含む、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0093】
・ノズルの内側の超音速流体流内に複数の研磨材粒子をさらに含み、超音速流体流が、直線部分で衝撃波を受ける、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0094】
・直線部分の長さは、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、90dBA以下の騒音レベルを有するような長さである、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0095】
・直線部分の長さは、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直線部分なしのブラストノズルと比較して、3dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである、生産性が高い静音ブラストノズル。
【0096】
・直線部分の長さは、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直線部分なしのブラストノズルと比較して、6dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである、生産性が高い静音ブラストノズル。
【0097】
・直線部分の長さLが、次の方程式によって与えられるように、少なくともLであり、
【0098】
式中、所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直線区分の直径であり、Mが、直線部分への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル;直線部分の長さLが、背圧対出口圧力の比率に対して調整された少なくともLであり、Lが、次の方程式によって与えられ、
式中、所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直線区分の直径であり、Mが、直線部分への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である、生産性が高い静音研磨材ブラストノズル。
【0099】
・ノズルの生産性を低減することなく、ノズルの騒音を低減するために、本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルを製造するため方法であって、方法が、所定のガス及び研磨材粒子の混合ならびに圧力に関して、直線部分からの出口において、又はその前の1つの直線区分内径以内で、ガスに対する1のマッハ数を生成するために必要とされる本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルの直線部分の最小長さを判定することと、最小長さ以上の長さを有する直線部分を有するノズルを製造することと、を含む、方法。
【0100】
・本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルを製造するための方法であって、方法は、ガスのマッハ数が、発散部分の端である第1の点におけるピークから、直線部分の出口において、又はその前の直線部分の内径に等しい長さ以内で、第2の点における1のマッハ数まで、第1の点と第2の点との間で亜音速にならずに減少するように、本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルの直線部分の最適長さを判定することと、最適長さを有する直線部分を有するノズルを製造することと、をさらに含む、方法。
【0101】
・本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルを製造するための方法であって、最適長さステップを判定することが、直線区分の壁からの摩擦の効果を分析すること、及び/又は直線部分の空気流速を低減する複数の研磨材粒子の効果を分析することを含む、方法。
【0102】
・本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルを製造するための方法であって、方法は、特定の動作条件に対して直線部分の長さを調整して、どの長さが、音の低減及び生産性の所望の組み合わせをもたらすかを判定することと、その長さを有するようにノズルを製造することと、をさらに含む、方法。
【0103】
・本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルを製造するための方法であって、方法が、直線部分の長さの範囲にわたって本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルの反復コンピュータシミュレーションを行って、音の低減及び生産性の所望の組み合わせを有する長さを見出すことと、その長さを有するようにノズルを製造することと、をさらに含む、方法。
【0104】
・ノズルが、研磨材ブラストノズルの出口に接続するための直管を備え、直管は、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、研磨材ブラストノズルを出るガスの速度が、直管が接続された状態で少なくとも30%だけ低減されるような長さを有する、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0105】
・研磨材ブラストノズルが、#4ノズル、#5ノズル、#6ノズル、#7ノズル、又は#8ノズルである、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0106】
・ノズルが、直管を研磨材ブラストノズルに接続するための固設デバイスをさらに備える、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0107】
・ノズルが、直管を研磨材ブラストノズルに接続することを補助するために、直管内に組み込まれた固設デバイスをさらに備える、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0108】
・直管の内径が、研磨材ブラストノズルの収束部分の最大内径未満である、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0109】
・直管は、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に関して、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ガスの超音速流が、直管の出口を越えて続かず、かつ超音速ガス流が、直管内の研磨材粒子を加速させるように、構成されている、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0110】
・直管は、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数は、研磨材ブラストノズルの発散部分の出口よりも直管の出口で低くなり、それによって、動作の騒音を低減するように構成されている、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0111】
・直管は、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力に対するガスマッハ数は、研磨材ブラストノズルの発散部分の出口における1超から、直管の出口で1まで低減されるように構成されている、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0112】
・直管の長さが、直管の直径の少なくとも10分の2である、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0113】
・直管の長さが、直管の内径の10倍未満である、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0114】
・直管の長さが、1インチ~10インチである、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0115】
・直管の長さが、2.5インチである、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0116】
・直管が、円筒形状である、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0117】
・直管が、炭化タングステン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アクリル、セラミック、ステンレス鋼、硬化鋼、アルミニウム、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される材料から作製される、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0118】
・直管の長さは、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、90dBA以下の騒音レベルを有するような長さである、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0119】
・直管の長さは、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直管なしのブラストノズルと比較して、3dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0120】
・直管の長さは、直管が研磨材ブラストノズルに接続されているときに、ブラストノズルが、所定のガス及び粒子の混合ならびに圧力で動作したときに、直管なしのブラストノズルと比較して、6dBA以上の騒音レベルの低減を有するような長さである、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0121】
・20psi~200psiのノズル圧力、及び50~10,000lbs/時間の研磨材消費速度の粒子負荷、又はそれらの範囲内の任意の値もしくは値の範囲に対する、所定の騒音レベル低減を達成する、ノズルアタッチメント。
【0122】
・直管の長さLが、次の方程式によって与えられるように、少なくともLであり、
式中、直管が研磨材ブラストノズルに接続された状態の所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直管の直径であり、Mが、直線部分への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0123】
・直管の長さLが、背圧対出口圧力の比率に対して調整された、少なくともLであり、Lが、次の方程式によって与えられ、
式中、直管が研磨材ブラストノズルに接続された状態の所定のガス及び研磨材粒子の混合に関して、Dが、直管の直径であり、Mが、直線部分への入口における流体のマッハ数であり、fbarが、直線部分の平均摩擦係数であり、fabrasivesが、流体流内の粒子の摩擦係数であり、γが、流体流の比熱比である、生産性が高い静音研磨材ブラストのためのノズルアタッチメント。
【0124】
・複数のノズルアタッチメントであって、それらの長さを組み合わせるために互いに接続するように構成されている、複数のノズルアタッチメント
【0125】
・ノズルの生産性を低減することなく、接続された研磨材ブラストノズルの騒音を低減するために、本明細書で上記に説明されるノズルアタッチメントを製造するための方法であって、方法は、所定のガス及び研磨材粒子の混合ならびに圧力に関して、直線部分からの出口において、又はその前の1つの直管内径以内で、ガスに対する1のマッハ数を生成するために必要とされる本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントの直管の最小長さを判定することと、最小長さ以上の長さを有する直管を製造することと、を含む、方法。
【0126】
・ノズルの生産性を低減することなく、接続された研磨材ブラストノズルの騒音を低減するために、本明細書で上記に説明されるノズルアタッチメントを製造するための方法であって、方法は、ガスのマッハ数が、接続された研磨材ブラストノズルの発散部分の端である第1の点におけるピークから、直管の出口において、又はその前の直管の内径に等しい長さ以内で、第2の点における1のマッハ数まで、第1の点と第2の点との間で亜音速にならずに減少するように、本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントの直管の最適長さを判定することと、最適長さを有する直管を製造することと、をさらに含む、方法。
【0127】
・ノズルの生産性を低減することなく、接続された研磨材ブラストノズルの騒音を低減するために、本明細書で上記に説明されるノズルアタッチメントを製造するための方法であって、最適長さステップを判定することが、直管の壁からの摩擦の効果を分析すること、及び/又は直管の空気流速を低減する複数の研磨材粒子の効果を分析することを含む、方法。
【0128】
・ノズルの生産性を低減することなく、接続された研磨材ブラストノズルの騒音を低減するために、本明細書で上記に説明されるノズルアタッチメントを製造するための方法であって、方法は、特定の動作条件に対して直管の長さを調整して、どの長さが、音の低減及び生産性の所望の組み合わせをもたらすかを判定することと、その長さを有するように直管を製造することと、をさらに含む、方法。
【0129】
・ノズルの生産性を低減することなく、接続された研磨材ブラストノズルの騒音を低減するために、本明細書で上記に説明されるノズルアタッチメントを製造するための方法であって、方法は、直管の長さの範囲にわたって本明細書で上記に説明されたノズルアタッチメントの直管の反復コンピュータシミュレーションを行って、音の低減及び生産性の所望の組み合わせを有する長さを見出すことと、その長さを有するように直管を製造することと、をさらに含む、方法。
【0130】
・本明細書で上記に説明された生産性が高い静音研磨材ブラストノズルを備える、生産性が高い静音研磨材ブラストノズルアセンブリ。
【0131】
・末端直線部分であって、その長さにわたって5%以下の内径の変化を有する、末端直線部分を有する、ノズル又はノズルアタッチメント。
【図面の簡単な説明】
【0132】
図1】従来の最先端の超音波研磨材ブラストシステムを例示する。
図2図1に例示された研磨材ブラストシステムで使用される従来の最先端の超音速収束発散ノズルを断面で図示する。
図3】従来のLavalノズルを通る、予測及び測定された速度、ならびに研磨材速度と出口ガス速度との間の大きな差を示す、Settlesの論文(Settles G.,A scientific view of the productivity of abrasive blasting nozzles,1996)からのグラフを再現する。
図4】球に対する2つのレイノルズ数に対するマッハ数の関数としての抗力係数を示すグラフである。
図5】ジェット出口速度対ジェット騒音発生の関係に基づく、音圧レベル(SPL)の所望の低減を達成するために必要なジェット出口速度の低減を示すグラフである。
図6】タイプVアクリル媒体20/30メッシュに関して、345m/秒の加速区分におけるモデル化された粒子速度対距離を示すグラフである。
図7】レイノルズ数及びパイプ粗さからの摩擦係数の推定に使用されるムーディー図である。
図8】本発明の一実施形態による、改善された騒音が低減された研磨材ブラストシステムを例示する。
図9図8に例示される騒音が低減された研磨材ブラストシステムで用いられる研磨材媒体経路の内径を段階的に小さくするために使用される遷移継手の詳細、ならびにノズル及び加速ホースの相対的な幾何学形状を断面で示す。
図10】本発明の一実施形態による、プロトタイプの騒音が低減された研磨材ブラスト加速ホース及びノズルの写真である。
図11】30秒間、露出されたコーティングされた焼型の半分に#8ノズルブラストタイプV媒体を使用した、本発明の一実施形態による、騒音が低減された研磨材ブラストノズル(左側)と、従来のブラスト(右側)と、の生産性を比較形式で例示する写真であり、両方が研磨材計量弁ノブの4ターンを伴う。
図12】追加の研磨材を用いて動作する、本発明の一実施形態による、騒音が低減されたブラストシステムを使用した結果を、標準的な#8ノズルを用いて動作する従来のシステムと比較する写真である。
図13】ブラストコンプレッサユニットからのバックグラウンド騒音レベルと共に、標準的な#8ノズルを有する従来の最先端の超音速研磨材ブラスト装置のオートスペクトルと、タイプV媒体及び40psi動作圧力を有する本発明のプロトタイプとの自己スペクトルである。
図14】A、Bは、それぞれ、標準的な#6ノズルの側面及び斜視透視図である。
図15】XL#6ノズルの断面図である。
図16】A、Bは、本発明の一実施形態による、改善されたブラストノズルの側面透視図(図16A)及び断面図(図16B)である。
図17】A、Bは、本発明の一実施形態による、延長された長さの改善されたブラストノズルの側面透視図(図17A)及び断面図(図17B)である。
図18】収束発散ノズル拡張を例示する模式図である。
図19】A、Bは、標準的な#6ノズル(図19A)に関して、及び本発明の一実施形態による改良されたノズル(図19B)に関して、ANSYS Fluentを使用した、67psigノズル圧力におけるマッハ数分布を示すCFD結果である。
図20】A、Bは、標準的な#6ノズル(図20A)に関して、及び本発明の一実施形態による改良されたノズル(図20B)に関して、ANSYS Fluentを使用した、100psigノズル圧力におけるマッハ数分布を示すCFD結果である。
図21A】標準的な#6ノズル(図21A)に関して、ANSYS Fluentを使用した、追加の壁抗力を伴う67psigノズル圧力におけるマッハ数分布を示すCFD結果である。
図21B】本発明の一実施形態による改良されたノズル(図21B)に関して、ANSYS Fluentを使用した、追加の壁抗力を伴う67psigノズル圧力におけるマッハ数分布を示すCFD結果である。
図22】様々なノズルの平均1/3オクターブの音スペクトルを示すグラフである。
図23】標準的な収束発散研磨材ブラストノズルの断面図である。
図24】本発明の一実施形態による、研磨材ブラストノズルの断面を示す。
図25】流れの中に研磨材粒子を有する、本発明の一実施形態による、研磨材ブラストノズルの断面を示す。
図26】本発明の一実施形態による、研磨材ブラストノズルの断面を示しており、長さ=L又は長さがLよりもわずかに長い。
図27】ノズル直線区分の出口条件に対してノズル圧力を上下させる効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0133】
最先端の超音速研磨材ブラストシステムからの過度の騒音の問題に対する解決策が、以下に記載されるように見出される。
【0134】
ストリーム内の粒子の加速度は、Bailey and Hialtからのデータに基づいて、以前に提示された経験的に判定された抗力係数(Settles&Geppert、1997)を使用してモデル化され得る。質量mの粒子の加速度は、抗力Dから次のように求められ、
【0135】
式中、Aが、球の断面積、Urelが、ガスと粒子との間の相対速度である。図4に例示されるものは、球に対する2つのレイノルズ数に対するマッハ数の関数としての抗力係数を示すグラフである。
【0136】
以前の研究では、ジェットの騒音パワーPが、次のように、速度の8乗及びジェット直径の2乗に比例してスケールすることが示されてきた
【0137】
さらに、音圧レベルSPLは、音響パワーレベルSWLに比例し、SWLは、次のとおりである
【0138】
その結果、SPL、速度及び直径スケールは、次のように推測され得る:
【0139】
この関係が、図5にグラフ形態で示される。したがって、例えば、ノズルの出口速度が30%だけ低減される場合、12.5dBのSPLの降下が予想され、一方で、43%の出口速度の低減は、20dBのSPLの予想される降下を結果的にもたらすことになる。
【0140】
現在の最先端のノズルブラストシステムと同じ生産を行うために、粒子の速度は、維持されなければならない。図2に例示されるように、従来のノズルは、粒子速度よりもはるかに高速のガス速度を有し、これらの高速のガス速度は、高い音発生レベルの原因となる。本発明は、粒子速度を維持するが、一方で、ノズル出口ガス速度を減少させ、したがって、音の発生を減少させる。これは、従来技術のノズルブラストシステムに対して、より長い加速長さを必要とする。
【0141】
球の質量は、粒子の密度ρparticleに体積(4πr/3)を乗算したものである。そのため、加速度は、次のとおりである
【0142】
解決策は、段階的な様式で見出され得、345m/秒の速度を有する空気流内の20/30メッシュのタイプVアクリル媒体に関して、図6に示される。これは、275m/秒の粒子速度を達成するために、4メートルの加速区分がホース内に必要とされることを示す。
【0143】
40psiの圧力で動作する標準的な#8ノズルの以前のモデルからの推定された出口速度483m/秒に基づいて、345m/秒(ほぼ音速)までの出口速度の30%の低減は、SPLにおける12.5dBの低減をもたらした。次いで、ホースの長さは、40psiで#8ノズルの粒子速度に一致するのに十分な長さであることを必要とする。
【0144】
本発明は、より低い出口速度を有する気流内のより長い加速距離を通じて十分な研磨材粒子速度を達成し、それによって、超音速ブラストノズルによるノズルで発生する騒音の経験を低減する。ブラスト生産性に対する調整は、研磨材質量流量を調整することによって行われ得る。
【0145】
圧力損失、又は水頭損失は、回避不能であり、考慮されなければならない。ホースの長さが長くなると、圧力が減少し、最終的には流速を減少させることになる。しかし、この損失は、計算され得る。パイプに沿った摩擦に起因する水頭損失、又は圧力損失は、ダルシー・ワイスバッハの式によって与えられ、
【0146】
式中、Lは、パイプ区分の長さ、Dは、パイプ径、ρは、流体の密度、Vは、平均流体速度、fは、レイノルズ数、Re及び相対パイプ粗さε/dに基づくダルシー摩擦係数であり、プラスチック/ゴムについては約0.02に等しい。図7は、レイノルズ数及びパイプ粗さからの摩擦係数の推定に使用されるムーディー図を示す。
【0147】
「詰まった」条件に近い3/4インチの内径のブラストホースは、230~340m/秒の速度、300,000~436,000のレイノルズ数を有する。ホースの長さにわたる抗力が、圧力損失が誘発し、パイプ内の平均速度を減少させる。
【0148】
ホース内の速度は、下流の圧力が臨界値を下回る、詰まった流れ条件が存在する場合、音速になり、
【0149】
式中、熱容量比kは、空気に対して1.4であり、次を与える、
【0150】
40psiのゲージ圧力、又は54.7psiの絶対圧力の場合、pは、28.9psia、又は14.2psigである。
【0151】
上記で考察された分析モデルの結果に基づいて、実施例1”のホースから空気中の粒子を取り出し、生産粒子速度が得られるように、より小さい直径のホースを通して十分な距離でそれらを加速させる、本発明の好ましい実施形態が設計された。ホースの内径を段階的に小さくする遷移継手は、異なるホース区分直径間の平滑な遷移を最小限の圧力損失で提供する。
【0152】
図8に図示される本発明の騒音が低減された研磨材ブラストシステムの好ましい実施形態によると、コンプレッサ112は、ガスを120psi付近まで加圧する。圧縮されたガスは、初期ホース区分114を通して、研磨材媒体118を収容する研磨材媒体タンク116内にポンプ送達される。研磨材計量弁120が、研磨材媒体118の放出速度を制御する。標準的な1インチの内径のブラストホース124は、一端で計量弁120に、他端で遷移継手122に取り付く。低減された内径、例えば、3/4インチのアクセルホース130の長さは、かみあい継手132を通して遷移継手122をノズル134に接続する。遷移継手122は、1インチの直径のブラストホース124から、より小さい直径の加速ホース130までの研磨材媒体118によってとられる経路の内径を段階的に小さくする役割を果たす。
【0153】
遷移継手122、及びノズル134の詳細は、断面で、図9に例示される。継手122は、口径(図示せず)を包囲するハウジング128から構成される。遷移継手122のブラストホース側125は、1インチの内径の口径を有するが、遷移継手122の加速側130は、3/4インチの直径の口径を有する。遷移継手122の各側は、従来のかみあい継手132の技術を使用して、それぞれのホースと接続する。
【0154】
ノズル134の出口直径136は、騒音が低減された研磨材ブラストシステムの有効ブラスト領域が、従来の超音速ノズルのものと一致し得るように、所望の研磨材の「ホットスポット」の直径を制御するようにサイズ決めされる。
【0155】
本発明の騒音が低減された研磨材ブラストシステムの他の好ましい実施形態は、1つを超える区分の加速ホースを備え、かつ1つを超える遷移継手を採用するシステムであり、加速ホースの各区分は、減少する内径を有する。他のタイプの継手、ノズル、計測弁、及び研磨材媒体は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明のシステムで採用され得る。
【0156】
本発明の様々な実施形態における本発明による、収束区分に続いてスロート区分に続いて発散区分に続いて直線区分を利用する構成のためのノズルをどのように設計するかについて、より詳細が以下に示される。摩擦を有するパイプ内の一次元超音速流は、次の方程式によって表現され得、式中、x1及びx2が、関心対象の場所であり、M及びMが、これらの場所の局所的なマッハ数に対応する。Dが、パイプの直径であり、fbarが、摩擦係数であり、γが、比熱比である:
【0157】
式中、壁剪断応力τが、次のように摩擦係数に関連する
【0158】
が摩擦を通じてマッハ数が1まで低減するパイプの長さ位置として定義される場合、次の公知の関係が結果的に得られる:
【0159】
式中、平均摩擦係数は、次のように定義される:
【0160】
音速スロートにおけるものに対する局所的な温度、静圧、密度、及び総圧力は、それぞれ、次の方程式によって与えられる:
【0161】
従来のノズルの騒音低減されたバージョンを生産するために、従来の出口面積対スロート面積比を調べることができ、これは、出口対スロート直径の比の2乗A/A=(D/Dである。次いで、この面積比は、公知の面積マッハ数関係から発散区分の端におけるマッハ数を判定する:

【0162】
収束区分の出口マッハ数Mは、次いで、マッハ数を1まで低減するために必要とされるパイプの長さを判定するために、パイプ壁の摩擦係数及び方程式と共に使用される。次いで、この長さLは、出口で1のマッハ数をもたらすために、いかなる研磨材媒体もなしで、ノズルに必要とされる直線区分の長さである。これを越える任意の長さは、出口における通常の衝撃波を結果的にもたらすことになる。通常の衝撃波は、衝撃波の下流に亜音速流を有するため、流速、したがって、流れによって生じる音が、劇的に低減される。
【0163】
について解く前の方程式を並べ替えると、次の方程式をもたらす:
【0164】
研磨材ブラストノズルは、いくつかのタイプの研磨材を利用し、これは、研磨材が出口に向かって移動する際にノズル内で加速される。研磨材粒子が加速されると、エネルギーは、流れから粒子に移動する。流れに研磨材を添加する効果は、直線区分の摩擦係数を増加させることと同様であり、したがって、出口において、又は出口の直前に通常の衝撃波を達成するために必要な長さを短縮する。一般に、流れに添加される研磨材が多いほど、出口において、又は出口の直前に通常の衝撃波を達成するために必要な直線パイプ区分の長さがより短くなる。研磨材の効果のより詳細な推定は、1つの研磨材粒子からの抗力の力で開始して計算され得、
【0165】
式中、Urelは、粒子速度に対する空気/ガス流の相対速度であり、dparticleは、研磨材粒子の直径である。特定の体積における粒子の数nは、以下からその体積にわたる流れに対する総力を計算するために使用され得る:
【0166】
より精密な計算は、体積全体の変動を含むことになるが、平均値は、近似計算に使用され得る。長さLの直線区分におけるnの値は、次式から近似され得る:
【0167】
式中、Qabsは、研磨材消費の質量流量、Qairは、空気流の体積流量、Dは、直線区分の直径、Lは、直線区分の長さ、mは、研磨材粒子質量である。粒子質量は、次式から計算され得る:
次いで、
【0168】
体積、例えば、静音ノズルの直線区分の体積に対する抗力に関するこの値から、壁面積の関数としての研磨材からの流体に対する同等の追加の力が、次式から計算され得る:
【0169】
これは、剪断力ではないが、流体体積に対する力は、流れ断面積ではなく壁面積で除算されている、最終的にLに対する方程式に組み込まれ得るため、剪断力と同じ表記が使用される。
【0170】
次いで、Mが直線区分の始点のマッハ数を指す次の方程式に基づいて、マッハ数が1になる近似長さを計算することができる:
【0171】
次いで、この長さは、発散区分、スロート、収束区分に続く直線区分の最小長さとみなされる。この長さは、出口圧力が背圧、又は出口後の圧力に等しいと仮定する。この仮定からの逸脱は、直線区分出口圧力が背圧よりも大きい場合、又は直線区分出口圧力が背圧よりも小さい場合、衝撃を外向きに移動させることになる。これらの偏差は、ノズルの入口の圧力、ノズル出口面積に対するノズルスロート面積の比率、及び背圧(概して局所的な大気圧)に基づいて、公知の方法を用いて定量化され得る。概して、出口圧力は、スロートの上流の圧力と、スロートの面積に対する発散区分の出口面積の比率との関数であり、流れは、音速、すなわち、1マッハである。そのため、収束区分への入口における上流圧力の制御は、出口圧力を制御する。
【0172】
騒音が低減された研磨材ブラストノズルはまた、ねじ山もしくはクランプ、又は他の既知の固設方法もしくはデバイスを介して、端に接続するアタッチメントを有する標準的なノズルの形態を採ることができる。したがって、騒音が低減された研磨材ブラストノズルの直線部分について本明細書に説明される特性のいずれかは、そのようなアタッチメントの直線部分に適用され得、その逆も同様である。発散部分の出口にねじ山を欠く標準的なノズルについて、ねじ山が発散部分に加工されて、アタッチメント(もしくは固設デバイス)上のねじ山と嵌合し得るか、又はクランプもしくは他の固設デバイスが使用され得る。多くの異なるタイプのクランプは、隣接する管状物体を接続する目的で公知である。実施形態におけるそのようなアタッチメントは、ノズルの他の構成要素から分離可能であることを除いて、本明細書に説明されたノズルの「直線部分」と同一である。このようにして、標準的なノズルは、静音の騒音が低減された研磨材ブラストノズルに再構成され得る。これらのアタッチメント、及びこれらのアタッチメントの寸法を判定する方法は、本明細書で既に概説されているのと同じ設計原理及び手順に従う。アタッチメントは、既存の標準的なノズルを改造する際の即時適用のために、単独で、及び/もしくは固設デバイスと共に提供され得るか、又はノズルの残部及び任意選択的に固設デバイスと共に提供され得る。ノズルの残部は、標準ノズルであり得るか、又は、例えば、発散部分の端にねじ山を入れることによって、ノズルの発散部分にアタッチメントを取り外し可能に固設するために特別に適合されたカスタムノズルもしくは標準的なノズルであり得る。ノズルのアタッチメント及び発散部分は、アタッチメントを発散部分に取り外し可能に固設することを補助するために内蔵された様々な公知の固設構造を有し得る。実施形態では、様々なアタッチメントは、様々な対応するガス/研磨材粒子混合及び/又は圧力と共に使用するために(ノズルの残部を伴って又は伴わずに)提供され得る。
【実施例
【0173】
[初期プロトタイプの製作及び試験]
図8及び図9に例示される構成部品を含むプロトタイプが、試験のために次の特性を有して、図10に示されるように製作された:
・音速条件(345m/秒)を達成するための3/4インチの内径の4メートル加速区分
・現在の標準的な#8構成と同じ「ホットスポット」を達成するための#8ノズルの出力直径に合致するための0.79口径の直線口径ノズル
・カプラなど。
【0174】
音圧レベルは、ハンドヘルド積算音圧計及びスタンドアロンマイクロフォンデータ取得システムの両方を使用して測定された。ノズル圧力は、カプラが40psiになる前に1インチのホースの端の近傍で測定された。タイプV媒体は、媒体弁を4回フルターンで開くことによって導入された。dB単位の音圧レベル試験の結果は、以下のとおりであった:
【0175】
図11に例示されるように、コーティングされた焼型の露出された半分で、30秒間、#8ノズルと本発明のプロトタイプとの両方を使用することによって、生産性を定性的に評価した。研磨材計量弁ノブを調整する効果を、プロトタイプに関してノブを6ターンに調整し、その構成の生産を、4ターン設定を使用した標準的な#8ノズルと比較することによって調べた。
【0176】
図12は、6ターン設定で動作するプロトタイプが、4ターン設定で動作する標準的な#8よりも明らかに生産性が高かったことを例示する。これらの結果は、本発明が、オペレータにおいて測定される16dB低い騒音を生成しながら、標準的な#8ノズルと比較して同等以上の生産性で動作され得ることを示す。
【0177】
試験はまた、標準的な#8ノズルと比較して、プロトタイプの全音圧レベル及び音響スペクトルを調べるために実施され、両方、40psiで動作している。試験結果は、図13に例示されるように、騒音低減が広いスペクトルであることを示している。
【0178】
本発明の騒音が低減された研磨材ブラストシステムの他の好ましい実施形態は、粒子がブラストノズルを出る前に、媒体粒子を所望の速度に加速させるために、発散区分に続く直線区分を有する新しいノズルを採用するシステムである。そのような低騒音研磨材ブラストノズルは、改善されたブラスト生産性及び低減された騒音発生を伴って、標準的な#6ノズルなどのノズルを置換するために好適である。新しいノズルの出口衝撃条件は、ノズルを出る流れからのジェット騒音を劇的に低減するように設計される。新しいノズルと既存の市販ノズルとの間の比較試験は、ガーネットを用いた試験で生産性の改善を示しながら、17dB(A)の騒音低減を達成した。CFDモデリングは、改善された粒子加速ゾーンを示す。さらに、評価は、新しいノズルと標準的な#6ノズルを使用するスチールショットで、改善された生産性及び低減された騒音を示し、改善された生産性、低減された音響騒音、低減された取り扱い疲労を伴う。
【0179】
図14A及び図14Bは、それぞれ、標準的な#6ノズル1400の側面及び斜視透視図である。図示されるノズルの全長は、6.53インチであり、2.80インチの長さの収束区分1410、0.50インチの長さのスロート1420、ならびに3.13インチの長さ、1.25インチの内径の開口部、0.38インチの直径のスロート、及び0.55インチの直径の出口の発散区分1430を有する。出口部分1440は、0.10インチの長さであり、また発散している。ノズルは、研磨材ブラスト動作のための標準である。従来のノズルは、標準的な#6などの収束/発散ノズルである。示される特定のバージョンは、粒子分布の均一性を向上させることを意味する広い入口を有する。入口における収束区分、6/16インチの直径の直線スロート区分(したがって、#6の指定)、及び、次いで、出口まで続く発散区分を有する。この設計のピーク速度は、出口(及びその先)で発生する。図15は、図示される11.71インチの全長、及び図14A及び図14Bに示される標準的な#6ノズル(3.13インチの代わりに8.31インチ)よりも長い発散区分1530を有する、XL#6ノズル1500の断面図である。収束区分1510、スロート1520、及び出口1540は、同一である。
【0180】
図16A及び図16Bは、本発明の一実施形態による、それぞれ、改良されたブラストノズル1600の側面透視図及び断面図である。示されるノズルの全長は、9.07インチであり、0.50インチの長いスロート1620、3.13インチの長い発散区分1630、及び2.56インチの長い直線区分1650を有し、収束部分1610が残りの長さを占める。開口部の内径は、1.25インチ、スロートの直径は、0.375インチ、直線区分の直径は、0.55インチである。収束角度は、8.88度であり、発散出口部分1640の角度は、50度である。図17A及び図17Bは、本発明の一実施形態による、延長された長さの改善されたブラストノズル1700の側面透視図及び断面図であり、収束部分1710、スロート1720、発散部分1730、直線部分1750、及び出口部分1740を有する。このノズル1700は、図16A及び図16Bに示されるノズル1600よりも長い直線区分1750を有し、全長11.71インチを有する図15に示されるXL#6ノズルと全長が同様である。寸法は、直線部分1750が5.20インチの長さであることを除いて、図16A及び図16Bに図示されるノズル1600の寸法と同一である。
【0181】
ノズルを出る空気からの音の発生は、空気速度に大きく依存するため、研磨材粒子の速度を低減することなく、より低い空気出口速度を有する設計は、音量を大幅に低減しながら、同等以上の生産性を可能にする。このアプローチを適用する新しいノズルは、従来のノズル設計の発散区分の端に直線区分(収束区分でも発散区分でもない)を追加する。これは、粒子加速区分を延長するが、一方、エネルギーが空気から粒子に伝達されるにつれて、出口マッハ数を低減する。加速区分の延長は、発散区分終了時に達成される最大マッハ数に基づく。様々な実施形態では、この直線区分の長さは、ノズルスロートの直径の1/5から、ノズルスロートの直径の10倍の範囲であるが、直線区分の直径の10倍まで延長し得る。流れ内のより低速の研磨材と空気との間の追加された相互作用距離は、壁摩擦と同様に空気を低速化し、研磨材粒子をより効率的に加速させるが、一方、ノズル出口速度を低減する。
【0182】
図18は、過拡張1810、完全拡張1820、及び拡張不足1830の条件における収束発散ノズル拡張を例示する模式図である。従来の研磨材ブラストノズルは、ノズル出口の後に流れが排気及び収縮する(1840)につれて、流れが斜め衝撃1870を通過することを意味する過拡張条件とみなされる状態で一般的に動作する。流れは、ノズルの分散部分全体を通して、及び出口で超音速であり、ジェット圧力は、出口平面の外側の斜め衝撃波1840によって大気圧に調整される。対照的に、完全拡張の流れ1850は、出口後に拡張又は収縮せず、一方、拡張不足の流れは、拡張ファン1880を有する出口後に拡張する(1860)。
【0183】
#6ノズルを考慮すると、A/A=2.15の出口対スロート面積比を有する完全拡張ノズルは、183psiの圧力リザーバによって駆動され、2.3の出口マッハ数を達成することになる。リザーバ圧力を低減することは、適切な状況下で、ノズルの出口平面で通常の衝撃を誘発し、ノズルを出る際のガスの速度を実質的に低減し得る。しかしながら、従来の研磨材ブラストノズルのリザーバ圧力を低減することは、粒子速度を低減し、そのような構成を非現実的にする。しかしながら、超音速流れ構造上のブラスト媒体の効果は、超音速区分が不均一に延長されたときに、予想されるリザーバ圧力よりも高い通常の衝撃形成につながる。長い高マッハ数のノズル区分に続くノズル出口における通常の衝撃は、空気の出口速度を低減し、したがって、音響騒音の発生を低減する。これは、出口における通常の衝撃波を生成するのに十分に低い圧力で研磨材なしのノズルを動作させるのと同じ効果を有する。出口に通常の衝撃波を有することは、空気出口速度を大幅に低減させ、正味の研磨材速度にほとんど影響しない。直線円筒区分はまた、壁面粗さのみから幾分の摩擦損失を引き起こし、ノズルの端に向かってわずかに低いマッハ数を結果的にもたらす。2.56インチの直線区分の長さにわたる0.005の公称摩擦係数の場合、これは、例えば、M=2.3~M=1.8までのマッハ数の降下を結果的にもたらす。この条件は、さらにより過拡張され、出力が亜音速かつ静音である通常の衝撃波を結果的にもたらす可能性がより高くなる。
【0184】
図19A及び図19Bは、標準的な#6ノズル(図19A)に関して、及び本発明の一実施形態による改良されたノズル(図19B)に関して、媒体なしの単一相圧縮空気流に対してANSYS Fluentを使用した、67psigノズル圧力におけるマッハ数分布を示すCFD結果1900、1901である。図20A及び図20Bは、標準的な#6ノズル(図20A)に関して、及び本発明の一実施形態による改良されたノズル(図20B)に関して、ANSYS Fluentを使用した、100psigノズル圧力におけるマッハ数分布を示すCFD結果2000、2001である。結果は、改善されたノズルが標準的な#6ノズルと比較して様々な条件にわたって延長された加速区分を有することを明確に示す。このモデルでは、67psigの改善されたノズルは、標準的な#6ノズルよりもわずかに低い最大マッハ数(2.21対2.26)を有するが、粒子を加速させるために超音速流が存在する、より長い区分を有する。同様の結果は、100psigのノズル圧力で見出された。
【0185】
図21A及び図21Bは、標準的な#6ノズル(図21A)に関して、及び本発明の一実施形態による改良されたノズル(図21B)に関して、ANSYS Fluentを使用した、追加の壁抗力を伴う67psigノズル圧力におけるマッハ数分布を示すCFD結果2100、2101である。追加された壁抗力は、流れ上の粒子からの抗力をシミュレートするために、増加した壁摩擦係数を使用する。この結果の主な欠点は、改善されたノズルの長い直線ノズル区分が、流れ構造に大きな影響を生じさせることである。
【0186】
図22は、様々なノズルの平均1/3オクターブの音スペクトルを示すグラフであり、以下により詳細に考察される。
【0187】
図23は、スロート2304における1のマッハ数及び出口2310における1超のマッハ数を示す、現在の最先端の標準的な収束発散研磨材ブラストノズル2300の断面図である。収束区分2303は、ノズルの入口からスロート2303の始点まで延在し、発散区分2306は、スロート2305の端からノズル2307の端まで延在する。
【0188】
図24は、本発明の実施形態によるノズル2400の断面を示しており、収束区分2402は、ノズルの入口2401からスロート2404の始点2403まで延在し、スロート2404は、2405で終了し、その後、発散区分2406に続き、発散区分2406は、ポイント2407で、ノズル2409の端まで延在する直線円筒区分2408まで遷移する。発散区分2407の出口におけるマッハ数は、1超であるM1である。Lは、壁摩擦に起因して流れが音波(M=1)になる、直線区分円筒2408の長さを示す。出口2410において、流れは、1未満のマッハ数Mを有する。
【0189】
図25は、本発明の実施形態によるノズル2500の断面を示しており、収束区分2502は、入口2501からスロート2504の始点2503まで延在し、その後、スロートの端2505から直線円筒区分2508の始点2507まで延在する発散区分2506に続き、直線円筒区分2508は、ノズルの端2509まで続く。研磨材粒子2512は、このノズル2500を通る流れ内にある。△Lは、流れ内のエネルギーを低減する役割を果たす研磨材粒子2512の導入に起因して、図24に示されるノズルに対して短縮されたLの長さを示す。
【0190】
図26は、本発明の一実施形態によるノズル2600の断面を示し、収束区分2602に続いて、スロート入口2603からスロート出口2605まで延在するスロート2604、続いて、スロート出口2605から、ノズル2609の端で終端する直線円筒区分2608の入口2607まで延在する発散区分2606に続き、ノズルの軸方向の次元(x)に沿ったマッハ数(M)を示すマッハ数グラフ2620と共に流れ内の研磨材粒子2612を有する。本発明に従って設計された最適化されたノズルの場合、マッハ数は、「L=L」とラベル付けされたプロファイル2622によって示される出口まで1を上回ったままである。直線区分2608の長さがLよりもわずかに長い、本発明に従って設計された最適化不足のノズルの場合、マッハ数は、プロファイル2624によって示されるように、直線部分2608で1を下回って降下し、次いで、出口2610で1まで上昇する。
【0191】
図27は、本発明の一実施形態によるノズル2700の断面を示し、収束区分2702に続いて、スロート入口2703からスロート出口2705まで延在するスロート2704、続いて、スロート出口2705から、ノズル2709の端で終端する直線円筒区分2708の入口2707まで延在する発散区分2706に続き、ノズルの軸方向の次元(x)に沿ったマッハ数(M)を示すマッハ数グラフ2720と共に流れ内の研磨材粒子2712を有する。プロファイル2722、2724、2726は、ノズル直線区分の出口条件に対してノズル圧力を上下させる効果を示す。出口圧力pが、背圧pと等しく、直線区分2708の長さLが、Lと等しいとき、衝撃波は、プロファイル2722に示されるように、出口で流れ内に形成され、出口後に亜音速流を結果的にもたらす。ノズル圧力pを増加させることは、より高い出口圧力pを結果的にもたらし、pがプロファイル2726のように背圧pを超えるときに、より高い騒音を伴う超音速出口流を結果的にもたらす。そのようなノズル圧力を伴う超音速出口流を回避するために、直線区分2708の長さLは、Lを越えて増加し得る、及び/又は内部ノズル壁及び/もしくは研磨材粒子の摩擦は、直線区分におけるガス流の速度がより迅速に低減されるように増加し得る。ノズル圧力を減少させることは、より低い出口圧力pを結果的にもたらし、プロファイル2724のように、衝撃波が出口から上流に移動し、より低いマッハ数プロファイルに起因して粒子加速度がわずかに減少する。
【0192】
上記に説明された新しいノズルの生産性及び騒音性能を、標準的な#6及びエクストラロング(XL)ノズルを含む標準的な市販#6ノズルと比較した。試験前に、ノズル生産性(パネルを設定レベルまで清浄化するために必要な時間)を評価するために使用される20個の14ゲージ鋼の18インチ×18インチのパネルを均一に粉体コーティングした(10~12ミルコーティング厚さ)。すべての試験は、67psiのノズル圧力で、新しい30/40ガーネット媒体を用いて実施された。
【0193】
試験された各ノズルについて、ノズルを空気中で動作させながら(実際のブラスト中に砂が金属にぶつかることによって発生する音を回避するために)、オペレータの左肩にある音量計を使用して音量を測定した。1/3オクターブバンドの音量を10秒間測定し、最小、最大及び平均音量を自動的に計算し、記憶した。バックグラウンド音量もまた、バックグラウンド騒音がノズルの測定された騒音レベルに寄与しなかったことを確認するために、記録された。
【0194】
次に、粉体コーティングされた試験パネルの片側をブラストするために使用される際に、各ノズルのビデオを記録した。ビデオを使用して、各ノズルの生産性を定量化した(試験パネルを所望の仕上がりまで清浄化するために必要な時間を判定した)。音量及び生産性の印象を含む、各ノズル使用後のブラスタのフィードバックもまた、記された。
【0195】
表1は、試験の主要な結果をいくつかのオペレータのコメントと共に要約している。試験の第1のラウンドから、最も静かで最も生産性が高いノズルは、Oceanit BN6V1、又はOceanit Short SSと呼ばれる改善されたノズルであり、これは、図17A及び図17Bに模式的に示されるノズルである。それは、標準的な長いノズルに対して、16dB静かであり、51秒対69秒で試験パネルを清浄化した。XLノズル(XL#6)は、音性能におけるある程度の改善を示したが、生産性は向上せず、日常使用するには大き過ぎ、重過ぎると思われた。
【0196】
第1のラウンドの結果に基づいて、標準的な#6ノズル及び2つの直線区分Oceanitノズルの第2の試験を実施した(これも表1に示される)。再び、Oceanit Short SSがオペレータの特に好みのノズルであり、標準的な#6ノズルよりも15.2dB静かで、39秒で試験パネルを清浄化した(これに対して標準的な#6ノズルの場合は41秒)。Oceanit BN6-V1は、標準的な#6ノズルよりも顕著に静かであり、耳保護が不要であったとオペレータが感じる程度であり、より生産性が高く、キックバックが少なく、試験パネルの熱反りが少なかった。
【0197】
1/3オクターブバンド2200について測定された平均音量が図22に示されている。これらは、2つの新しい直線区分ノズル2230(BNG-V1)、2240(BNG-V2)の音量が、スペクトル全体にわたって標準的なノズル2210よりも低く、同様にスペクトルの大部分にわたってXLノズル2220よりも実質的に低いことを確認する。また、注目に値するのは、標準的なノズル(標準的な#6)の4000Hzを中心にしたスパイク2250であり、これは、より大きな、高速ジェットからの乱流の発生及び/又はジェットのかん高い音と関連付けられ得、これは、ノズル出口における通常の衝撃後の亜音速出口速度によって回避される。
【0198】
約90psiのノズル圧力でスチールショット媒体を使用して、標準的な#6ノズルに対して、より短い直線区分(Oceanit BN6V1)を有する新しいノズルのさらなる試験を実施した。上記の試験で説明されたものと同じコーティングされたパネルを使用して、ノズルの生産性(パネルをブラスト清浄化する時間)を測定した。各ノズルについて2回の試験を実施した。結果が下の表2に示されている。第1の試験では、新しいノズルは、標準的なノズルと同等の性能を発揮した(パネルを清浄化するために各々約53秒)。第2の試験では、新しいノズルは、標準的なノズル(30秒対47秒)を上回った。概して、第2の試験は、ユーザが特定のノズルに調整する時間があったため、より信頼性が高い。
【0199】
したがって、新しい騒音発生が低減された研磨材ブラストノズルは、商用研磨材ブラスト設定において優れていることが実証されている。高粒子速度は、生産性が高いノズルをもたらす。低い出口空気速度は、低騒音ノズルをもたらす。新しいノズルは、ノズルを出る研磨材粒子速度を維持又は改善するが、一方、出口空気速度を低減する。新しいノズル(#6ノズルに基づく)は、ノズルの高マッハ数加速ゾーンを延長する延長された出口区分を利用するが、一方、部分的に(いくつかの実施形態では)ノズルの端における通常の衝撃波の形成を通じて、はるかに低い出口速度をもたらす。新しいノズルの生産性は、ガーネット及びスチールショットによる試験で標準的な#6ノズルよりも良好であるように示されたが、一方、市販ノズルよりも17dBの騒音低減、低減されたキックバック及びその結果として軽減されたユーザの疲労、改善された取り扱い特性を達成する。CFDモデリングは、改善された粒子加速ゾーンを示す。
【0200】
OSHAの8時間加重平均を下回る、危険な騒音への従業員の曝露の低減は、雇用者が従業員の現在の慣行を修正する必要性を軽減し、個人用保護具(PPE)の必要性を減少させ、PPE故障の場合の怪我の可能性を低減し、隣接する「安全ゾーン」の従業員が曝露から安全であることを保証されることを確実にする。最も重要なことに、ブラスト施設内の騒音を90dBA以下に低減することは、作業者が、OSHA遵守内で完全な8時間の標準的な労働日にわたって作業することを可能にする。少なくとも3dBAの騒音低減は、そのようなより静かなノズルを利用する作業者に利益をもたらすことも理解されたい。実際には、例えば、6dBAの騒音低減は、労働者の傷害のリスクを低下させる際に重要になる。
【0201】
#6ノズル実施形態の試験が上記に説明されているが、他の実施形態は、#8、#7、#4、及び#5ノズル、又は#6 90度ノズルもしくは他の90度ノズルを含む、任意のサイズであり得る。同じ設計は、石炭スラグ、ガーネット、アクリルなどの任意のタイプの研磨材媒体/材料を使用して、任意の収束発散ノズルに適用され得る。典型的には、圧縮空気が使用される。いくつかの実施形態では、水蒸気が使用され得る。新しいノズルは、例えば、炭化タングステン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、アクリル、セラミック、ステンレス鋼、硬化鋼、アルミニウム、任意の他の既知のノズル材料、又はそれらの組み合わせ(耐摩耗性セラミックライナを伴うか、又は伴わない)で作製され得る。ノズルは、取り扱いを改善し、かつステンレス鋼バージョンの静電気の懸念を排除するために、保護グリップを有し得る。ノズルは、様々なホース圧力及びブラストパターン用に設計され、それらと共に使用され得る。
【0202】
上に記載される説明、図面、及び実施例から理解され、本明細書で参照されるように、本発明の騒音が低減された研磨材ブラストシステムは、従来の研磨材ブラストシステムと比較して同等の又は改善された生産性及び効率を提供しながら、結果として生じる騒音が顕著に低減された研磨材ブラストを可能にする。そのような改善された騒音が低減されたブラストシステムは、労働者の健康及び安全、ならびに近くの労働者にとってより静かな環境を促進する。
【0203】
改善された研磨材ブラストシステムの実施形態は、ガス出口速度を減少させながら粒子速度を維持するために、ホース及び/又はノズル内の延長された加速区分を利用する。直線口径ノズルは、所望のアクティブ研磨材面積を生成するために使用され得る。維持された粒子速度は、同等の研磨材生産性を提供するが、一方、減少されたガス速度は、低減された結果として生じる騒音を提供する。
【0204】
本発明の特定の好ましい実施形態及び製作及び試験の実施例が例示及び説明されてきたが、本発明は、そのように限定されないことは明らかであろう。多数の修正又は変更、変化、変形、置換、及び均等物が、本発明の概念及び範囲から逸脱することなく、当業者に生じることになり、本明細書に開示される本発明の一部及び一群とみなされる。
【0205】
限定ではなく例として、ノズル及びホースの寸法、及び継手タイプ、ならびにホース、継手、ノズル及び加速区分の特定の構成及びサイズは、異なる作業条件、標的材料、プロジェクト仕様、予算の検討事項、及びユーザ選好に適応するために、本明細書に説明される本発明の一般的な原理に従って変化させることができる。ノズルは、直線区分を有する新しいノズルを特徴とする実施形態を含む、任意のスロート直径、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12などを有し得る。加えて、1つよりも多い遷移継手及び加速ホース区分及び内径が、本発明のシステムで採用され得る。本明細書に説明される本発明は、すべてのそのような修正及び変形を含む。
【0206】
さらに、本発明は、新しく、発明的であり、かつ工業的に適用可能であるとみなされ得る、本明細書、添付の特許請求の範囲、及び/又は図面に説明されているすべての可能な組み合わせを含むとみなされるべきである。
【0207】
本明細書に説明される本発明の実施形態において、複数の変形及び修正が可能である。本発明のある特定の例示的な実施形態が、本明細書に示され、説明されてきたが、幅広い範囲の修正、変化、及び置換が、上述の開示において企図される。上記の説明は、多くの詳細を含むが、これらは、本発明の範囲の限定として解釈されるべきではなく、むしろ、その1つ又は別の好ましい実施形態の例証として解釈されるべきである。いくつかの事例では、本発明のいくつかの特徴は、他の特徴の対応する使用を伴わずに用いられ得る。
【0208】
したがって、上述の説明は、広く解釈され、例示及び例のみとして与えられるように理解されることが適切であり、本発明の概念及び範囲は、最終的に発行される特許請求の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図19
図20
図21A
図21B
図22
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図25
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図27