(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】フィルタバイパスおよび隔離を用いた水道管再循環システム、ならびにそれを用いる方法
(51)【国際特許分類】
B08B 9/032 20060101AFI20241021BHJP
C02F 1/00 20230101ALI20241021BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20241021BHJP
C02F 1/70 20230101ALI20241021BHJP
C02F 1/76 20230101ALI20241021BHJP
E03B 7/09 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
B08B9/032
C02F1/00 L
C02F1/28 D
C02F1/70 Z
C02F1/76
E03B7/09
B08B9/032 325
(21)【出願番号】P 2022543392
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 US2020041559
(87)【国際公開番号】W WO2021145921
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2023-07-10
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522110810
【氏名又は名称】ノー-デス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ウィルキンソン,クリス・エリック
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0192835(US,A1)
【文献】特表2002-501426(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0055794(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/00-9/46
C02F 1/00
C02F 1/28
C02F 1/70
C02F 1/76
E03B 7/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水システムに使用するための閉じた導管システムであって、前記
給水システムのセクション
が給水システム圧力下のままであり
つつ、第1の箇所と第2の箇所との間で前記給水システムの前記セクションに接続されるように構成された再循環ユニットを備え、前記再循環ユニットは、
前記セクションを含む第1の回路を画定し、第1の処理を実行するように構成された第1のフィルタユニットと、
前記セクションを含む第2の回路を画定し、第2の処理を実行するように構成された第2のフィルタユニットと、
正常な水の主流の流れに対して向流の前記セクションを通る水の循環流を発生可能な少なくとも1つのポンプと、
第1の位置と第2の位置との間で選択的に配置されるように構成される弁であって、前記第1の位置にあるときに前記第1のフィルタユニットのみを通る前記水の循環流の流れを制御し、前記第2の位置にあるときに前記第2のフィルタユニットのみを通る前記水の循環流の流れを制御するように構成された弁と、を含む、閉じた導管システム。
【請求項2】
前記給水システムの前記セクションは、第1の水道栓と第2の水道栓との間に画定される、請求項1に記載の閉じた導管システム。
【請求項3】
前記閉じた導管システムの動作中に前記セクションの前記第1の箇所から出る前記水の全部は、前記セクションの前記第2の箇所へ戻される、請求項1に記載の閉じた導管システム。
【請求項4】
前記第1のフィルタユニットおよび前記第2のフィルタユニットの各々は、微粒子フィルタ媒体を含む、またはフィルタ要素を含まない、請求項1に記載の閉じた導管システム。
【請求項5】
前記第1のフィルタユニットは、微粒子フィルタ媒体を含み、前記第2のフィルタユニットは、粒状活性炭素フィルタ媒体を含む、請求項1に記載の閉じた導管システム。
【請求項6】
前記再循環ユニットは、車両に取り付けられる、請求項1に記載の閉じた導管システム。
【請求項7】
前記再循環ユニットは、地方自治体の水道管、私有の消火本管、リサイクル配水本管、または地方自治体の貯水タンクに接続されるように構成される、請求項1に記載の閉じた導管システム。
【請求項8】
前記再循環ユニットは、
前記第1の回路および前記第2の回路の一方または両方において前記水の流れに物質を加えるように構成されたインジェクタをさらに含む、請求項1に記載の閉じた導管システム。
【請求項9】
給水システムを試験、監視、および/または清浄化する方法であって、
前記
給水システムのセクション
が給水システム圧力下のままであり
つつ、第1の箇所と第2の箇所との間で再循環ユニットを前記セクションに接続するステップであって、前記再循環ユニットは、第1のフィルタユニット、第2のフィルタユニット、弁、および少なくとも1つのポンプを含む、接続するステップと、
前記再循環ユニットの前記第1のフィルタユニットを含む第1の回路および前記再循環ユニットの前記第2のフィルタユニットを含む第2の回路を形成するステップであって、前記弁は、第1の位置と第2の位置との間で選択的に配置されるように構成され、前記弁を前記第1の位置に配置することによって前記第1のフィルタユニットのみを通る水の循環流の流れが制御され、前記弁を前記第2の位置に配置することによって前記第2のフィルタユニットのみを通る前記水の循環流の流れが制御される、ステップと、
前記弁を前記第1の位置または第2の位置に選択的に配置することによって、前記第1の回路または前記第2の回路の一方への流れを一度ずつ選択的に制御するステップと、
前記少なくとも1つのポンプを用いて、選択された前記第1または第2の回路を通して水を循環させるステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記水は、第1の期間にわたって前記第1の回路を通して循環させられ、前記第1の期間の後に、前記弁は、前記第2の回路への流れを制御するように作動させられ、前記水は、第2の期間にわたって前記第2の回路を通して循環させられる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のフィルタユニットおよび前記第2のフィルタユニットの各々は、微粒子フィルタ媒体を含む、またはフィルタ要素を含まない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のフィルタユニットは、微粒子フィルタ媒体を含み、前記第2のフィルタユニットは、粒状活性炭素フィルタ媒体を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
給水システムを試験、監視、および/または清浄化する方法であって、
前記
給水システムのセクション
が給水システム圧力下のままであり
つつ、第1の箇所と第2の箇所との間で再循環ユニットを前記セクションに接続するステップであって、前記再循環ユニットは、第1のフィルタユニット、第2のフィルタユニット、弁、および少なくとも1つのポンプを含む、接続するステップと、
前記再循環ユニットの前記第1のフィルタユニットを含む第1の回路および前記再循環ユニットの前記第2のフィルタユニットを含む第2の回路を形成するステップであって、前記弁は、第1の位置と第2の位置との間で選択的に配置されるように構成され、前記弁を前記第1の位置に配置することによって前記第1のフィルタユニットのみを通る水の循環流の流れが制御され、前記弁を前記第2の位置に配置することによって前記第2のフィルタユニットのみを通る前記水の循環流の流れが制御される、ステップと、
前記弁を前記第1の位置または第2の位置に選択的に配置することによって、前記第1の回路または前記第2の回路の一方への流れを一度ずつ選択的に制御するステップと、
前記少なくとも1つのポンプを用いて、選択された前記第1または第2の回路を通して水を循環させるステップと、を含み、
前記水は、第1の期間にわたって前記第1の回路を通して循環させられ、前記第1の期間の後に、前記弁は、前記第2の回路への流れを制御するように作動させられ、前記水は、第2の期間にわたって前記第2の回路を通して循環させられ、
前記水は、最初に、粒状活性炭素フィルタ媒体を有さない前記第1のフィルタユニットを用いて第1の流量で前記第1の回路を通して循環させられ、次いで、前記水は、微粒子フィルタ媒体を含む前記第2のフィルタユニットを用いて第2の流量で前記第2の回路を通して循環させられ、
前記第1の流量は前記第2の流量より大きい、方法。
【請求項14】
前記試験、監視、および/または清浄化の間、前記セクションの前記第1の箇所から出る前記水の全部は、前記セクションの前記第2の箇所へ戻される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記再循環ユニットは、車両に取り付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記給水システムの前記セクションは、第1の水道栓と第2の水道栓との間に画定される、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記ポンプは、正常な水の主流の流れに対して向流の前記水を循環させる、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
前記再循環ユニットは、前記第1の回路および前記第2の回路の一方または両方において前記水の流れに物質を加えるように構成されたインジェクタをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年1月17日に出願した「WATER MAIN RECIRCULATING SYSTEM WITH FILTER BY-PASS AND ISOLATION AND METHOD OF USING SAME(フィルタバイパスおよび隔離を用いた水道管再循環システム、ならびにそれを用いる方法)」という名称の米国特許出願第16/745,815号の国際PCT出願であり、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、水道管を検査、清浄化、および保守する方法および機材に関し、詳細には、システムを通る水流を選択的に制御するために少なくとも2つの流路ならびにフィルタバイパスおよび隔離マニホールドを含む閉じた導管システム、ならびにシステムの圧力下のままで循環フラッシング流体を使用しつつ、水道栓間の水道管のセクションを検査、清浄化、および/または保守する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ほとんど全ての水道事業者は、防火用に十分な流れを供給するのに十分大きい本管を有することが求められる。これは、通常使用中の大規模本管内の流量または流速がかなり減少し、微粒子が本管の底に沈殿して集まることを可能にし、また、物質、例えば、鉄、マンガン、バイオフィルムなど(まとめて「物質」)がパイプの内壁に付着することを可能にすることを意味する。しばらくして、微粒子および物質が蓄積し、システム内に何らかのサージがある場合、微粒子および物質が攪拌され、水が汚れて見える原因となる。この発生を改善するために、システム全体が、システム全体にわたって設けられた水道栓およびブローオフから年1回フラッシュされ得る。この方法は、毎年数百万ガロンの水を浪費し、物的損害を引き起こす可能性があったり、道路の冠水により交通問題を引き起こす可能性があったりし、通常、人目を避けて夜に実行され、フラッシングの措置をとても高価にさせる。
【0004】
[0004]上記の問題に加えて、新規則は、水がいずれかの雨水排水システムに排水されることが許可される前に水が脱塩素されることを要求する。NPDES(国家汚染物質排出除去システム)の許可が必要とされ、封じ込めシステムが、洗浄の沈泥および他の物質が雨水管に入るのを防ぐために所定の位置にある必要がある。
【0005】
[0005]また、時々、飲料水を届ける水道システムをフラッシングする必要がある。これは、新たに設置された水道管の場合に特に当てはまる。パイプを通過する水を飲用水のために使用することができる前に、本管を水道水で完全にフラッシングする必要がある。水質を維持するために、時々、近所の水道水システムおよび細分化水道水システムなどの局所的な水道水供給システムをフラッシングする必要もある。
【0006】
[0006]一般に、飲料水システムからの排出は、飲料水を貯蔵または搬送するために使用される容器または構造の溢流、フラッシング、消毒、水圧試験、機械的清浄化、または脱水から生じる。これは、しばしば、高速ストリームが10~15分の期間に毎分2,000ガロン程度で発生する防火用水道栓のフラッシングを含む。防火用水道栓を定期的に試験すること(防火用の流れの試験)によって、消火の目的で十分な水がシステム内で利用できるか決定することができる。
【0007】
[0007]さらに、飲料水は、通常、残留塩素を含む。連邦水質浄化法(Federal Clean Water Act)、およびメリーランド州環境局により公布された規則などの州機関の飲料水の排出に関する規則は、残留塩素の1日あたりの合計最大量は、0.1mg/リットル未満でなければならないことを要求する。0.1mg/リットルよりも高いレベルで、水生生物は絶滅の危機に瀕し、魚の大量死が生じ得る。郡水道システムから生じる飲料水および防火用水道栓から排出された水は、必ず最初に塩素消毒されているので、この水の大量排出は、残留塩素の量が0.1mg/リットル未満まで減少されなければ水生生物に悪影響を及ぼす。過去には、これは、行われなかったか、または試みられたときには、亜硫酸ナトリウムを排出ストリームに注入することよって行われた。これは、処理されている水の量に従って制御された量で亜硫酸ナトリウムを分配することが必要であるので、実行および監視するのが難しいプロセスである。あまりに多くの亜硫酸ナトリウムがある場合、それはpHレベルを妨げることによってそれ自体が汚染問題を引き起こす場合があり、量が不十分である場合、過度の残留塩素が残留する。注入手法は、高度に熟練した人だけでなく、広範な訓練を必要とすることが分かっている。また、最終結果は、予想できない。したがって、水道管フラッシングシステムの改善においていくつかの試みがなされたが、水廃棄物および水質の本当の問題は、依然として対処されるべきままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
[0008]したがって、必要とされているものは、水道管のフラッシングおよび修理中ならびに水道管のフラッシングおよび修理後に、本管の減圧を必要とせず、水を浪費しないまたは化学物質およびパイプ沈殿物を含む水を環境に放たないようにフィルタバイパスおよび隔離を可能にする、水道管または他の配管システムを定期的に検査、清浄化、および保守するシステムである。本発明は、これらの必要性および他の必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[0009]本発明の一態様によれば、給水システムに使用するための閉じた導管システムは、給水システムの第1の箇所と第2の箇所との間で隔離セクションに接続されるように構成された再循環ユニットを含む。再循環ユニットは、隔離セクションを含む第1の閉じた回路を画定し、第1の処理を実行するように構成された第1のフィルタユニットを含む。第2のフィルタユニットは、隔離セクションを含む第2の閉じた回路を画定し、第2の処理を実行するように構成される。少なくとも1つのポンプは、第1および第2の閉じた回路を通して水を圧送することができ、弁は、第1または第2の閉じた回路への流れを選択的に制御する。給水システムの隔離セクションは、第1の水道栓と第2の水道栓との間に画定されることができ、隔離セクションの第1の箇所から取られる水の全部は、隔離セクションの第2の箇所へ戻される。
【0010】
[0010]本発明のさらなる態様では、第1のフィルタユニットおよび第2のフィルタユニットの各々は、微粒子フィルタ媒体を含む、またはフィルタ要素を含まない。一例として、第1のフィルタユニットは、微粒子フィルタ媒体を含んでもよく、第2のフィルタユニットは、粒状活性炭素フィルタ媒体を含んでもよい。
【0011】
[0011]本発明の別の態様では、再循環ユニットは、車両に取り付けられる。再循環ユニットは、地方自治体の水道管、私有の消火本管、リサイクル配水本管、または地方自治体の貯水タンクに接続されるように構成されてもよい。ポンプは、正常な水の主流の流れに対して、向流の水を圧送するように構成されることも可能である。
【0012】
[0012]本発明のさらに別の態様では、再循環ユニットは、第1の閉じた回路および第2の閉じた回路の一方または両方において水の流れに物質を加えるように構成されたインジェクタをさらに含むことができる。物質は、消毒するための塩素であってもよく、またはチオ硫酸カルシウムなどの脱塩素剤であってもよい。
【0013】
[0013]本発明の別の態様によれは、給水システムのセクションを試験、監視、および/または清浄化する方法は、第1の箇所と第2の箇所との間に給水システムのセクションを隔離するステップと、再循環ユニットを第1および第2の箇所に接続するステップであって、再循環ユニットは、第1の閉じた回路を画定する第1のフィルタユニットおよび第2の閉じた回路を画定する第2のフィルタユニットを含む、接続するステップと、弁を介して第1または第2の閉じた回路への流れを選択的に制御するステップと、選択された第1または第2の閉じた回路を通して水を圧送するステップと、を含む。
【0014】
[0014]本発明の1つの態様では、水は、第1の期間にわたって第1の閉じた回路を通して圧送され、第1の期間の後に、弁は、第2の閉じた回路への流れを制御するように作動させられ、水は、第2の期間にわたって第2の閉じた回路を通して圧送される。第1のフィルタユニットおよび第2のフィルタユニットの各々は、微粒子フィルタ媒体を含んでもよく、またはフィルタ要素を含まなくてもよい。例えば、第1のフィルタユニットは、微粒子フィルタ媒体を含んでもよく、第2のフィルタユニットは、粒状活性炭素フィルタ媒体を含んでもよい。
【0015】
[0015]本発明の別の態様では、給水システムの隔離セクションは、第1の水道栓と第2の水道栓との間に画定され、隔離セクションの第1の箇所から取られる水の全部は、隔離セクションの第2の箇所へ戻される。再循環ユニットは、車両に取り付けられることもできる。
【0016】
[0016]本発明のこれらおよび他の詳細は、添付図面と共に説明され、これは、例示によってのみ与えられ、本発明の限定ではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】[0017]本発明の一態様による地方自治体の給水システムと共に使用するための閉じた導管システムの一実施形態の概略上面図である。
【
図2】[0018]本発明の一態様による地方自治体の給水システムと共に使用するための閉じた導管システムの代替実施形態の概略上面図である。
【
図3】[0019]私有の防火用給水システムと共に使用するための閉じた導管システムの一実施形態の概略上面図である。
【
図4】[0020]私有の建物の消防サービス用給水システムのための閉じた導管システムの代替実施形態の概略上面図である。
【
図5】[0021]本発明の一態様による給水システムを試験、監視、および/または清浄化する例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0022]図面に、特に
図1~
図4で示されるように、給水システム102にそれぞれ使用するための閉じた導管システム100a~100dの実施形態は、概して、隔離セクション106が給水システムの圧力下のままでありつつ、第1の箇所108と第2の箇所110との間で給水システム102の隔離セクション106に接続されるように構成された再循環ユニット104を備える。一例として、
図1および
図2を参照すると、隔離セクション106は、水道システム弁107/107dを閉じることによって画定されることができる。本発明の一態様によれば、再循環ユニット104は、隔離セクション106と共に第1の閉じた回路114を画定する第1のフィルタユニット112を含むことができる。以下により詳細に説明されるように、第1の処理は、第1の閉じた回路114を用いて実行することができる。再循環ユニット104は、隔離セクション106と共に第2の閉じた回路118を画定する第2のフィルタユニット116を含むこともできる。やはり、以下により詳細に説明されるように、第2の処理は、第2の閉じた回路118を用いて実行されてもよい。第1および第2の処理は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。1つまたは複数の流体ポンプを備えるポンプユニット120は、加圧システム水の循環流122を発生させ、一方、弁124は、第1の閉じた回路114または第2の閉じた回路118を通る循環流122の流れを選択的に制御する。ポンプユニット120は、正常な水の主流の流れ(例えば、流れ122)と逆である向流の流れ122’を発生させるように制御することもできる。
【0019】
[0023]
図1および
図2に見ることができるように、地方自治体の給水システム102aと共に使用されるとき、第1の箇所108は、第1の防火用水道栓108aであってもよく、一方、第2の箇所110は、第2の防火用水道栓110aであってもよい。しかしながら、
図3に示されるように、給水システム102は、ホースのフックアップ108c、110cを用いる私有の消防サービスを有する建物内に設けられた水道システム102cを含むことができ、またはより一般には、地方自治体の給水システム102aに接続された私有の防火用水道管ならびに第1および第2の水道栓108d、110dを含む水道システム102dを含むことができる。いずれにしても、本発明の一態様によれば、第1の箇所108a、108c、108dから抽出される全部の水は、閉じた導管システム100a~100dから環境中に放たれる水がほとんどないか全くないように第2の箇所110a、110c、110dへ戻される。限定されるものではないがリサイクル配水本管または地方自治体の貯水タンクなどのさらなる給水システム(図示せず)は、それぞれの再循環ユニット104に同様に結合されてもよい。
【0020】
[0024]本発明の一態様によれば、再循環ユニット104は、第1および第2のフィルタユニット112、116ならびにポンプ120を、限定するものではなく大型ボブテールトラック、セミトラック/トレーラ、トレーラ、または他の自走する乗り物などの車両に取り付けた移動式システムを備えることができる。また、以下により詳細に説明されるように、第1および第2のフィルタユニット112、116の一方または両方は、中にそれぞれのフィルタ媒体を含んでもよく、または媒体を含まなくてもよい。任意の適切なフィルタ媒体が用いられてもよいが、本発明の一態様によれば、第1および第2のフィルタユニット112、116は、システムの必要に応じて、フィルタ媒体なし、微粒子フィルタ媒体117、または粒状の活性炭素フィルタ媒体119のうちの1つを選択的に含むことができる。さらに、再循環ユニット104は、循環流122/122’に物質を選択的に加えるように構成されたインジェクタ126をさらに含むことができる。一例として、それに限定されるものではなく、インジェクタ126は、循環流122/122’に塩素化剤または脱塩素化剤を加えるようになされてもよい。
【0021】
[0025]次に、
図5を見ると、本発明の一態様による給水システムを試験、監視、および/または清浄化する例示的な方法200のフローチャートが示されている。最初に、ステップ210において、再循環ユニット104などの再循環ユニットは、給水システム102がシステムの圧力下のままでありつつ、給水システム102などの給水システムのセクション(例えば、セクション106)に接続される。上述したように、セクション106は、第1の箇所108と第2の箇所110との間に画定されてもよい。ステップ212において、セクション106は、例えば、水道システム弁107/107dを閉じることなどによって隔離され、それによって隔離セクション106および再循環ユニット104を含む閉じた回路を作り出す。上述したように、再循環ユニット104は、2つの独立した閉じた回路、すなわち、第1のフィルタユニット112が画定する第1の閉じた回路114、および第2のフィルタユニット116が画定する第2の閉じた回路118を形成するように第1のフィルタユニット112、第2のフィルタユニット116、ポンプユニット120、および弁124を含んでもよい。ステップ214のように、弁124は、第1の閉じた回路114または第2の閉じた回路118への流れ(例えば、循環流122/122’)を選択的に制御するように作動させられる。ステップ216において、ポンプユニット120は、閉じた回路114/118を通して加圧システム水の循環流122/122’を発生させる。ステップ214および216は、任意の順序でまたは同時に行われてもよいことに留意されたい。
【0022】
[0026]
図5を続いて参照すると、本発明の一態様によれば、弁124は、第1の閉じた回路114を通る循環流122/122’の流れを選択的に制御するように作動させられる(ステップ214)。ポンプユニット120は、例えば、限定するものではないが、約91.44cmから152.40cm(約3から5フィート)毎秒などの第1の流量を有する第1の循環流122/122’をもたらすように制御される(ステップ216)。第1の循環流122/122’は、第1の期間にわたって、例えば、限定するものではないが、約5から10分間、第1の閉じた回路114を通して循環させられてもよい。第1の期間の満了時に、次いで、弁124を、第2の閉じた回路118を通る循環流122/122’の流れを選択的に制御するように作動させることができる(ステップ218)。次いで、ポンプユニット120は、第2の流量を有する第2の循環流122/122’をもたらすように制御されてもよい(ステップ220)。本発明の一態様によれば、ポンプユニット120は、第1の流量が第2の流量と同じであるまたは第2の流量とは異なるように制御され得る。
【0023】
[0027]次に、方法200の用途の非限定の例が説明される。これらの例は、いかなる形でも本発明の範囲を限定することは意図されないことに留意されたい。システム100a~100dに関して上述したように、第1および第2のフィルタユニット112、116の一方または両方は、中にそれぞれのフィルタ媒体を含んでもよく、または媒体を含まなくてもよい。本発明の1つの態様では、第1のフィルタユニット112は、微粒子フィルタ媒体117を含んでもよく、一方、第2のフィルタユニット116は、粒状活性炭素フィルタ媒体119を含んでもよい。このやり方では、まず、循環流122/122’は、第1の閉じた回路114を介して第1のフィルタユニット112の中に向けることができ(ステップ214)、それによって第1のフィルタユニット112内の微粒子フィルタ媒体117は、隔離セクション106内にあり得る金属堆積物、泥、水垢等などの微粒子状物質を除去する。微粒子状物質が十分に除去されると(例えば、操作者の裁量で、または濁度が任意の適切な基準もしくは規則を満たすもしくは超えるのに十分低いときに)、弁124は、粒状活性炭素フィルタ媒体119を中に有する第2のフィルタユニット116を含む第2の閉じた回路118を通るように流れ122/122’を向けるように作動させられ得る。次いで、粒状活性炭素フィルタ媒体119は、硫化水素または塩素などの水の匂いまたは味に影響を与える有機化合物または他の不要な化学物質などの水中の化学汚染物質を吸着することができる。
【0024】
[0028]方法200の用途の別の非限定の例によれば、第1のフィルタユニット112は、いずれの濾過媒体も中に含まないように構成されてもよい。したがって、ステップ214の後に、循環流122/122’は、フィルタ媒体が存在する場合に通常生じ得る流速の減少を何ら受けることなく第1のフィルタユニット112を通過してもよい。結果として、ステップ216において、ポンプユニット120は、超高流量を有する循環流122/122’を出力するように制御されることが可能である。本発明の1つの態様では、超高は、少なくとも152.40cm/秒(5フィート/秒)、およびより具体的には、少なくとも約91.44cm/秒から152.40cm/秒(約3フィート/秒から5フィート/秒)の流量を意味するものとする。第1の期間にわたって(例えば、約10秒から約1分、およびより詳細には、約15秒から30秒の間)超高流量で動作することで、水道管(例えば、約35.56cm(約14インチ)よりも大きい直径を有する大口径水道管)のこすり落としを可能にする。次いで、ステップ218において、弁124は、微粒子フィルタ媒体117を中に有する第2のフィルタユニット116を含む第2の閉じた回路118を通るように流れを向けるように作動させることができ、一方、ポンプユニット120は、代表的な91.44cm~152.40cm(3~5フィート)毎秒まで循環流の速度を低減させるように制御される。このやり方では、ステップ216中に水道管(隔離セクション106)からこすり落とされる物質は、次いで、その後、ステップ220中に第2のフィルタユニット116を介して水のストリームから濾過することができる。したがって、水道管がフラッシングシーケンス中に少なくとも水道システムの圧力下のままでありつつ、超高の流れのこすり落としで、大口径水道管のフラッシングを可能にする。
【0025】
[0029]前述の説明は、ただ単に例示によって与えられ、本発明の限定ではなく、様々な修正が、権利主張される本発明の趣旨から逸脱することなくそれになされてもよいことが理解される。