(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
F17C 3/04 20060101AFI20241021BHJP
F17C 13/02 20060101ALI20241021BHJP
B65D 90/02 20190101ALI20241021BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
F17C3/04 A
F17C13/02 302
F17C3/04 D
F17C3/04 E
B65D90/02 B
B63B25/16 P
(21)【出願番号】P 2022573753
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(86)【国際出願番号】 KR2021009553
(87)【国際公開番号】W WO2022025534
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0096370
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0174789
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0046751
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520387760
【氏名又は名称】エイチディー ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホ ウォン ソク
(72)【発明者】
【氏名】チェ ビョン キ
(72)【発明者】
【氏名】オ フン キュ
(72)【発明者】
【氏名】パク チョン チン
(72)【発明者】
【氏名】パク ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】パク ソン ボ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン テ
(72)【発明者】
【氏名】キム トン ウ
(72)【発明者】
【氏名】アン チェ ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】ソン ヨン ム
(72)【発明者】
【氏名】イ ミョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】イ ソン イル
(72)【発明者】
【氏名】ホン ソン キュ
(72)【発明者】
【氏名】パク チョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン イク フイ
(72)【発明者】
【氏名】ペク クム ヒョン
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520770(JP,A)
【文献】特開2002-145387(JP,A)
【文献】特表2007-525624(JP,A)
【文献】特開2000-079987(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0081546(KR,A)
【文献】米国特許第03361285(US,A)
【文献】特表2011-519005(JP,A)
【文献】特開2010-048421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 3/04
F17C 13/02
B65D 90/02
B63B 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁を固定し上記フラット1次防壁の外側に配置されるフラット1次断熱壁と、上記フラット1次断熱壁の外側に設けられるフラット2次防壁と、上記フラット2次防壁の外側に配置されるフラット2次断熱壁と、を含む平面ブロックと、
上記第1面と上記第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁を固定し上記コーナー1次防壁の外側に配置されるコーナー1次断熱壁と、上記コーナー1次断熱壁の外側に設けられるコーナー2次防壁と、上記コーナー2次防壁の外側に配置されるコーナー2次断熱壁と、を含むコーナーブロックと、を含み、
上記コーナー1次断熱壁は、
上記コーナー2次防壁に固定される外側1次プライウッド
であって、上記コーナー1次断熱壁を上記コーナー2次防壁に接着する際に接着剤のスクイーズアウトを確認できる、外側表面の両側縁に隣接して設けられたグルーブを有する外側一次プライウッドと、上記コーナー1次防壁が固定される内側1次プライウッドと、上記内側1次プライウッドと上記外側1次プライウッドとの間に配置されるコーナー1次断熱材と、を含み、
上記平面ブロックの上記フラット1次断熱壁に連結される上記コーナーブロックの上記コーナー1次断熱壁と、上記平面ブロックの上記フラット2次断熱壁に連結される上記コーナーブロックの上記コーナー2次断熱壁の厚さは、同一であることを特徴とする液化ガス貯蔵タンク。
【請求項2】
上記コーナー1次断熱壁は、
上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ設けられ、上記外側1次プライウッド、上記コーナー1次断熱材及び上記内側1次プライウッドからなる内側第1固定部と内側第2固定部と、
上記内側第1固定部と上記内側第2固定部との間に断熱材を充填して構成される内側折曲部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項3】
上記コーナー1次断熱材は、
高密度ポリウレタンフォームであり、
上記内側折曲部の上記断熱材は低密度ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項2に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項4】
上記コーナー1次防壁は、
上記内側第1固定部の上記内側1次プライウッド及び上記内側第2固定部の上記内側1次プライウッドに固定され、上記内側折曲部の上記断熱材の内面において折り曲げられるように設けられることを特徴とする請求項2に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項5】
上記コーナー2次断熱壁は、
上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ固定され、上記コーナー2次防壁の外側に順に配置される内側2次プライウッド、コーナー2次断熱材、外側2次プライウッドからなる外側第1固定部と外側第2固定部を含み、
上記第1面に固定される上記外側第1固定部と上記第2面に固定される上記外側第2固定部が対向する側面は、上記コーナー部分を分割する方向に傾斜して設けられることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、技術開発や環境規制により、ガソリンやディーゼルに代わって液化天然ガス(Liquefied Natural Gas;LNG)、液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas;LPG)などの液化ガスが広く使用されている。
【0003】
また、LNGなどの液化ガスを海上で輸送または保管するLNG運搬船、LNG RV(Regasification Vessel)、LNG FPSO(Floating、Production、Storage and Offloading)、LNG FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)などの船舶内には、LNGを極低温の液体状態で貯蔵するための貯蔵タンク(いわゆる、「貨物倉」と呼ばれる)が設置されており、IMO環境規制により超大型コンテナ船及び各種貨物船にもLNG燃料Tankの適用が現実化している。
【0004】
また、液化ガス貯蔵タンクは、外部からの熱侵入により蒸発ガス(Boil Off Gas;BOG)が発生することがあり、断熱設計を通じて蒸発ガスの気化比率である自然気化率(Boil Off Rate;BOR)を下げるのが液化ガス貯蔵タンク設計の核心技術である。また、液化ガス貯蔵タンクはスロッシング(Sloshing)などの様々な荷重にさらされるため、断熱パネルの機械的強度を確保することも必須であり得る。
【0005】
このような点を考慮し、液化ガス貯蔵タンクで直角または鈍角をなすコーナー部分においても断熱パネルの機械的強度を確保するとともに断熱性能を向上させ、スロッシングなど様々な荷重、船体の変形、温度変化によって発生する応力を減少させるための研究が活発に行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は、コーナーブロックの構造を改善して、コーナー2次防壁の低温負担、スロッシング負担及び応力負担を低減させられる液化ガス貯蔵タンク及びそれを含む船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面による液化ガス貯蔵タンクは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁を固定し上記フラット1次防壁の外側に配置されるフラット1次断熱壁と、上記フラット1次断熱壁の外側に設けられるフラット2次防壁と、上記フラット2次防壁の外側に配置されるフラット2次断熱壁と、を含む平面ブロックと、上記第1面と上記第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁を固定し上記コーナー1次防壁の外側に配置されるコーナー1次断熱壁と、上記コーナー1次断熱壁の外側に設けられるコーナー2次防壁と、上記コーナー2次防壁の外側に配置されるコーナー2次断熱壁と、を含むコーナーブロックと、を含み、上記コーナー1次断熱壁は、上記コーナー2次防壁に固定される外側1次プライウッドと、上記コーナー1次防壁が固定される内側1次プライウッドと、上記内側1次プライウッドと上記外側1次プライウッドとの間に配置されるコーナー1次断熱材と、を含むことを特徴とする。
【0008】
具体的に、上記コーナー1次断熱壁は上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ設けられ、上記外側1次プライウッド、上記コーナー1次断熱材及び上記内側1次プライウッドからなる内側第1固定部と内側第2固定部と、上記内側第1固定部と上記内側第2固定部との間に断熱材を充填して構成される内側折曲部と、を含んでもよい。
【0009】
具体的に、上記コーナー1次断熱材は高密度ポリウレタンフォームであり、上記内側折曲部の上記断熱材は低密度ポリウレタンフォームであってもよい。
【0010】
具体的に、上記コーナー1次防壁は、上記内側第1固定部の上記内側1次プライウッド及び上記内側第2固定部の上記内側1次プライウッドに固定され、上記内側折曲部の上記断熱材の内面において折り曲げられるように設けられてもよい。
【0011】
具体的に、上記コーナー2次断熱壁は、上記第1面と上記第2面の内側にそれぞれ固定され、上記コーナー2次防壁の外側に順に配置される内側2次プライウッド、コーナー2次断熱材、外側2次プライウッドからなる外側第1固定部と外側第2固定部を含み、上記第1面に固定される上記外側第1固定部と上記第2面に固定される上記外側第2固定部が対向する側面は、上記コーナー部分を分割する方向に傾斜して設けられてもよい。
【0012】
具体的に、上記平面ブロックの上記フラット1次断熱壁に連結される上記コーナーブロックの上記コーナー1次断熱壁と、上記平面ブロックの上記フラット2次断熱壁に連結される上記コーナーブロックの上記コーナー2次断熱壁の厚さは、同一または類似することができる。
【0013】
本発明の他の側面による液化ガス貯蔵タンクは、互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置されて液化ガスを収容する貯蔵空間を形成するコーナーブロックを含む液化ガス貯蔵タンクであって、上記コーナーブロックは、上記第1、2面の内側に設けられ、シングルボードからなる下部ブロックと、上記下部ブロック上に隣接配置されてボンディング結合される複数の上部ブロックと、隣り合って配置される上記下部ブロックの上面にボンディング結合されて上記下部ブロック間を連結する上部連結ブロックと、からなり、上記上部ブロック(または上記上部連結ブロック)は、上記第1、2面の内側に予定された角度に折り曲げられて設けられ、金属材質のコーナー1次防壁を固定し、上記コーナー1次防壁の外側に配置される金属材質の防壁固定部材と、上記防壁固定部材の外側に配置される内側1次プライウッド(またはコーナー第1連結プライウッド)と、上記内側1次プライウッド(または上記コーナー第1連結プライウッド)の外側に配置されるコーナー1次断熱材(またはコーナー連結)断熱材)と、上記コーナー1次断熱材(または上記コーナー連結断熱材)の外側に配置され、上記下部ブロックとボンディング結合される外側1次プライウッド(またはコーナー第2連結プライウッド)と、からなり、複数の第1ホールを有する上記外側1次プライウッド(または上記コーナー第2連結プライウッド)を複数の第2ホールを有する上記コーナー1次断熱材(または上記コーナー連結断熱材)の外側面にボンディング結合し、複数の第3ホールを有する上記内側1次プライウッド(または上記コーナー第1連結プライウッド)を上記コーナー1次断熱材(または上記コーナー連結断熱材)の内側面にボンディング結合し、上記外側1次プライウッド(または上記コーナー第2連結プライウッド)、上記コーナー1次断熱材(または上記コーナー連結断熱材)、上記内側1次プライウッド(または上記コーナー第1連結プライウッド)がボンディング接合された状態で、上記内側1次プライウッド(または上記コーナー第1連結プライウッド)の上面に上記防壁固定部材を固定し、上記防壁固定部材が上記内側1次プライウッド(または上記コーナー第1連結プライウッド)に固定された状態で、上記複数の第1、2ホールによって形成される連通ホールのそれぞれにフォームプラグを挿入することができる。
【0014】
具体的に、上記防壁固定部材は上記内側1次プライウッド(または上記コーナー第1連結プライウッド)とボルト結合することができる。
【0015】
具体的に、互いに隣接配置される上記上部ブロックの上記コーナー1次断熱材の間には、別途の断熱材の充填が省略または施工されてもよい。
【0016】
具体的に、互いに隣接配置される上記上部ブロックの上記コーナー1次断熱材と上記上部連結ブロックの上記コーナー連結断熱材との間には、別途の断熱材の充填が省略または施工されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナーブロックの構造を改善して、コーナー2次防壁の低温負担、スロッシング負担及び応力負担を低減させることができる。
【0018】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナーブロックにおいてコーナー1次防壁が固定される防壁固定部材を固定させるための内側第1、2固定部をプライウッドのみで構成せずにポリウレタンフォームの断熱材と組み合わせた構成で形成することにより、既存のプライウッドのみで構成されたものに比べて断熱性能を向上させることができ、重さを減らすことができ、コストを節減することができる。
【0019】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、平面ブロックのフラット1次断熱壁に連結されるコーナーブロックのコーナー1次断熱壁と平面ブロックのフラット2次断熱壁に連結されるコーナーブロックのコーナー2次断熱壁の厚さを同一または類似するように構成することにより、既存対比でコーナー1次断熱壁の厚さが相対的に厚くなり(ただし、コーナー2次断熱壁の厚さは機械的強度を一定水準に保持できる厚さである)、コーナー2次防壁の低温負担及びスロッシング負担を減らすことができ、コーナー2次防壁の損傷を防止することができるだけでなく、コーナー2次防壁の低温負担が軽減されて船体の脆性破壊を防止することができる。
【0020】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー1次断熱壁の厚さが既存対比で相対的に厚く構成されることにより、コーナー2次防壁がコーナー2次断熱壁に接着されない部分の長さを増加させることができ、コーナー2次防壁の柔軟性(flexibility)が増加してコーナー連結防壁を含むコーナー2次防壁の損傷確率をさらに下げることができるだけでなく、コーナー2次防壁は船体変形吸収が容易になり、低温応力もさらに減少することができる。
【0021】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられる内側第1固定部と内側第2固定部の間を一定間隔離隔させ、内側第1、2固定部の間に内側中間固定部を設けることにより、内側中間固定部によってコーナー1次防壁の折り曲げられる角度を緩和させることができるため、コーナー1次防壁におけるスロッシング負担を減らせるだけでなく、コーナー部分の機械的強度を増大させることができる。
【0022】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファーに低密度ポリウレタンフォームを充填することで、低密度ポリウレタンフォームによってコーナー部分における断熱性能をさらに増大させることができる。
【0023】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部が対向する角に段差を形成し、段差部分にグラスウールを充填することにより、グラスウールの上部に形成されるコーナー連結防壁を含むコーナー2次防壁の柔軟性が向上し、コーナー2次防壁の損傷をさらに防止することができる。
【0024】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部の間を一定間隔離隔させ、外側第1、2固定部の間に外側中間固定部を設けることにより、外側第1固定部と外側中間固定部との間及び外側第2固定部と外側中間固定部との間にそれぞれ形成されるギャップによって既存の1つのギャップ対比で外側固定部の温度による収縮または膨張応力(stress)が緩和し、外側固定部に固定されるコーナー2次防壁の損傷を防止することができる。
【0025】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、互いに異なる角度の第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部と外側第2固定部が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファー部分を含む外側第1、2固定部の表面に沿ってコーナー2次防壁を設けることにより、コーナー2次防壁が外側に突出し折り曲げられてコーナー2次断熱壁に接着されない部分の長さが増加し、コーナー2次防壁の柔軟性(flexibility)が増加してコーナー連結防壁を含むコーナー2次防壁の損傷確率をさらに下げることができるだけでなく、コーナー2次防壁は船体変形吸収が容易になり、低温応力もさらに減少することができる。
【0026】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー1次断熱材と段差をなす内側1次プライウッドを含むコーナー1次断熱壁がコーナー2次断熱壁上に複数配置されるが、隣り合うコーナー1次断熱材が隣接して配置されるように構成することにより、隣接配置される内側1次プライウッドの間の段差部分を通じて防壁固定部材の設置ハンドリングを容易にするだけでなく、段差部分のみにパッキング材を装着すればよいため、パッキング材の消耗を減らすことができる。
【0027】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、防壁固定部材の背面にスチフナーなどの補強部材を備えないことで、防壁固定部材そのものの重量を減少させることができ、補強部材の付着のための溶接を行わないため、製作時に溶接工数の削減及び精度を向上させることができ、直角または鈍角に折り曲げられた部分に生じるストレスを均一に分布させることにより、既存のスチフナーが備えられる一般的な防壁固定部材に比べて折り曲げられた部品における損傷(damage)の発生頻度の減少、修理(Repair)を最小化するなどシステムの安定性を向上させることができる。
【0028】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、上部ブロック及び上部連結ブロックのそれぞれの下部層である外側1次プライウッド及びコーナー第2連結プライウッドのそれぞれにスクイーズアウト確認手段としてチャンファーまたはグルーブ形状を適用することにより、上部ブロック及び上部連結ブロックのそれぞれのそれ自体の重量を減らすことができ、上部ブロック及び上部連結ブロックのそれぞれに接着剤を塗布した後、スクイードアウトされる接着剤を目視で直接確認することができ、システムの安定性を向上させることができる。
【0029】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、隣り合う上部ブロックの内側1次プライウッドの間に生じる第1段差空間、及び上部ブロックの内側1次プライウッドと上部連結ブロックのコーナー第1連結プライウッドの間に生じる第2段差空間に挿入されるスタッフィングピースを設けることにより、隣り合う上部ブロックの間のギャップ間隔及び上部ブロックと上部連結ブロックの間のギャップ間隔を一定に保持できるようにするだけでなく、上部ブロックの内側折曲部及び上部連結ブロックのコーナー連結折曲部を固定できるようにし、上部ブロックの作業時のハンドリングも容易にすることができる。
【0030】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、ボンディング防止部材を上部連結ブロックにおいて非ボンディング領域であるコーナー連結折曲部及びコーナー連結断熱材のそれぞれの露出面に設けるか、または上部連結ブロックの非ボンディング領域であるコーナー連結折曲部が接触される下部ブロックのコーナー連結防壁の露出面と、上部連結ブロックの非ボンディング領域であるコーナー連結断熱材と隣接する上部ブロックの内側折曲部及びコーナー1次断熱材のそれぞれの露出面に設けることにより、上部連結ブロックのボンディング結合時に接着剤が非ボンディング領域であるコーナー連結折曲部及びコーナー連結断熱材のそれぞれの露出面にはみ出ることを防止するか、またははみ出てもコーナー連結折曲部とコーナー連結防壁またはコーナー連結断熱材と隣り合う上部ブロックのコーナー1次断熱材がボンディングされるのを防止することができる。
【0031】
また、本発明による液化ガス貯蔵タンク及びそれを備えた船舶は、コーナー部分にコーナーブロックを、平坦な部分に平面ブロックを設けた後、タンクハル(tank hull)の公差によってコーナーブロックと平面ブロックが接する部分に発生するギャップの内部をスプレー装置を用いて断熱材スプレー方式で充填することで、大きさが一定でないギャップを充填する作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するための平坦な部分の一部断面図である。
【
図2】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
【
図3】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する他の構造解析の結果を示す図である。
【
図5】本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
【
図6】本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図7】本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
【
図8】本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図9】本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
【
図10】本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図11】本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
【
図12】本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図13】本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
【
図14】本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図15】本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図である。
【
図16】本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図17】本発明の第8実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図である。
【
図18】本発明の第9実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図である。
【
図19】
図18の上部ブロックを説明するための斜視図である。
【
図20】
図18の上部連結ブロックを説明するための斜視図である。
【
図23】
図19の上部ブロックの他の実施例を示す断面図である。
【
図24】
図18のスタッフィングピースを説明するための斜視図である。
【
図25】
図18の上部連結ブロックに適用されるボンディング防止部材を説明するための図である。
【
図26】
図18の上部連結ブロックに適用されるボンディング防止部材の他の実施例を説明するための図である。
【
図27】(a)及び(b)は、
図18の上部ブロック及び上部連結ブロックの他の実施例を説明するための図である。
【
図28】
図27の上部ブロック及び上部連結ブロックが適用されたコーナー部分の一部拡大正面図である。
【
図29】(a)及び(b)は、
図18の上部ブロック及び上部連結ブロックのさらに他の実施例を説明するための図である。
【
図30】
図29の上部ブロック及び上部連結ブロックが適用されたコーナー部分の一部拡大正面図である。
【
図31】(a)及び(b)はスチフナーが備えられていない本実施例の防壁固定部材とスチフナーが備えられる比較例の防壁固定部材のそれぞれに対する構造解析の結果を示す図である。
【
図32】(a)及び(b)は、スチフナーが備えられていない本実施例の防壁固定部材とスチフナーが備えられる比較例の防壁固定部材のそれぞれの下側に設けられる構成品(プライウッド)に対する構造解析の結果を示す図である。
【
図33】本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。また、本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ異なる図面上に表示されても、できる限り同じ番号を付したことに留意されたい。なお、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0034】
また、添付の図面は本明細書に開示された実施例を理解しやすくするためのものであり、添付の図面によって本明細書に開示された技術的思想は限定されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、等価物ないし代替物を含むと理解すべきである。
【0035】
また、第1、第2などの序数を含む用語は様々な構成要素を説明するために用いられるが、上記構成要素は上記用語によって限定されない。上記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。なお、明細書の全体にわたって使用される用語のうち、「外側」は液化ガス貯蔵タンクを基準としてタンクの外部側を意味し、「内側」は液化ガス貯蔵タンクを基準としてタンクの内部側を意味する。
【0036】
以下、本明細書において、液化ガスはLNGまたはLPG、エチレン、アンモニアなどのように一般的に液体状態で保管される全てのガス燃料を包括する意味で使用してもよく、加熱や加圧によって液体状態でない場合なども便宜上液化ガスと表現することができる。これは蒸発ガスにも同様に適用されることができる。また、LNGは便宜上液体状態であるNG(Natural Gas)だけでなく、超臨界状態などであるLNGを全て包括する意味で使用することができ、蒸発ガスは気体状態の蒸発ガスだけでなく、液化された蒸発ガスを含む意味で使用することができる。
【0037】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0038】
図1は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するための平坦な部分の一部断面図であり、
図2は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、
図3は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図であり、
図4は本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する他の構造解析の結果を示す図である。
【0039】
以下で説明する液化ガス貯蔵タンク1が備えられる船舶は、図示していないが、貨物を出発地から目的地まで輸送する商船の他にも海上の一定地点に浮遊して特定の作業を行う海洋構造物を包括する概念である。また、本発明における液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスを貯蔵する如何なる形態のタンクも含まれる。
【0040】
液化ガス貯蔵タンク1は、船舶に備えられて極低温(約-160℃~-170℃)物質であるLNGなどの液化ガスを貯蔵することができ、平面構造及びコーナー構造を含むことができる。例えば、液化ガス貯蔵タンク1の前後方向の横壁、横壁の間の底面、縦壁及び天井は平面構造に該当することができる。また、例えば、液化ガス貯蔵タンク1の横壁、底面、縦壁、天井が接する構造はコーナー構造に該当することができる。ここで、コーナー構造は鈍角コーナー構造または直角コーナー構造を含んでもよい。1次断熱壁3または2次断熱壁5の厚さが変化すると、鈍角コーナー構造または直角コーナー構造の変化が伴われることがある。
【0041】
液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、
図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、
図2に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0042】
図1及び
図2に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0043】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。
【0044】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0045】
このような液化ガス貯蔵タンク1は、断熱性能及び貯蔵容量を最適化するために、1次断熱壁3と2次断熱壁5の厚さの最適化が必要となり得る。例えば、1次断熱壁3と2次断熱壁5の主要材質としてポリウレタンフォームを使用する場合、1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを合わせた全体の厚さが250mm~500mmの範囲となるようにすることができ、本実施例の場合、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0046】
即ち、既存の液化ガス貯蔵タンクの場合、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁の厚さが2次断熱壁の厚さより約1/3程度に薄い厚さを有するが、これと比較して、本実施例は平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにするが、その理由は後述により明らかになる。
【0047】
図1を参照して、本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンク1の平坦な部分を先ず説明する。液化ガス貯蔵タンク1の平坦な部分は複数の平面ブロックの組み合わせからなり、以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成は第1実施例だけでなく、後述する第2実施例~第8実施例においても同様に適用される。
【0048】
図1に示すように、液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0049】
フラット1次防壁2aは、互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなってもよい。例えば、金属材質はステンレス鋼材であってもよいが、これに限定されない。フラット1次防壁2aは、フラット2次防壁41aとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0050】
フラット1次防壁2aは、金属ストリップ(不図示)によりフラット1次断熱壁3aの上部に固定結合されて液化ガス貯蔵タンク1に貯蔵される極低温物質である液化ガスと直接接触するように設けられてもよい。
【0051】
このようなフラット1次防壁2aは、平面ブロックと
図2に示すコーナーブロックを隣接配置して連結するとき、フラット1次断熱壁3aと
図2に示すコーナー1次防壁2bをシーリングする。
【0052】
フラット1次断熱壁3aは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、フラット1次防壁2aとフラット2次防壁41aとの間に設けられてもよい。
【0053】
フラット1次断熱壁3aは、フラット1次防壁2aの外側にフラット1次プライウッド31aとフラット1次断熱材32aが順に積層された構造であってもよく、フラット1次プライウッド31aの厚さとフラット1次断熱材32aの厚さを合わせた厚さ、例えば、160mm~250mmの厚さに形成されてもよいが、これに限定されない。
【0054】
フラット1次プライウッド31aは、フラット1次防壁2aとフラット1次断熱材32aとの間に設けられてもよい。
【0055】
フラット1次断熱材32aは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質で形成されてもよい。
【0056】
フラット1次断熱材32aは、フラット1次プライウッド31aとフラット2次防壁4aの間にポリウレタンフォームで形成されてもよく、フラット1次断熱壁3aの厚さの大半を占める。
【0057】
フラット1次断熱壁3aは、フラット2次防壁41a及びフラット2次断熱壁5aとともに平面ブロックの一部構成であり、平面ブロックをなすフラット1次断熱壁3aは平面ブロックの他の構成であるフラット2次断熱壁5aの幅より小さい幅を有することができる。これにより、フラット1次断熱壁3aの両側にフラット2次防壁41aの一部が露出することができる。複数の平面ブロックが隣接配置されるとき、隣り合って隣接配置されるフラット1次断熱壁3aの間の空間部分、即ち、フラット2次防壁41aが露出する空間部分にはフラット連結断熱壁33aが設けられてもよい。
【0058】
フラット連結断熱壁33aは、平面ブロックが互いに隣接配置されるとき、隣り合うフラット1次断熱壁3aの間に配置されるものであり、フラット1次断熱壁3aと同一または類似するフラット連結プライウッド331aとフラット連結断熱材332aが積層された形態に設けられてもよく、フラット1次断熱壁3aと同一または類似する厚さを有する。
【0059】
このようなフラット連結断熱壁33aは、複数の平面ブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次断熱壁5aの間に生じる空間部分をフラット連結防壁42aとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割を行うように設けられる。
【0060】
フラット2次防壁41aは、フラット1次断熱壁3aとフラット2次断熱壁5aとの間に設けられてもよく、フラット1次防壁2aとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0061】
フラット2次防壁41aは、フラット1次断熱壁3a及びフラット2次断熱壁5aとともに平面ブロックの一部構成であり、平面ブロックが隣接配置されるとき、隣り合うフラット2次防壁41aはフラット連結防壁42aによって連結されることができる。
【0062】
フラット連結防壁42aは、平面ブロックが隣接配置されるとき、外部に露出する隣り合うフラット2次防壁41を連結することができ、上部にフラット連結断熱壁33aが設けられてもよい。
【0063】
フラット2次断熱壁5aは、フラット1次断熱壁3a及びフラット連結断熱壁33aとともに外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計されることができる。また、フラット2次断熱壁5aはフラット2次防壁4aと船体7との間に設けられてもよく、フラット2次断熱材51a、フラット2次プライウッド52aを含んで構成されてもよい。
【0064】
フラット2次断熱壁5aは、フラット2次防壁41aの外側にフラット2次断熱材51aとフラット2次プライウッド52aが順に積層された構造であってもよく、フラット2次断熱材51aの厚さとフラット2次プライウッド52aの厚さを合わせた全体の厚さ、例えば、フラット1次断熱壁3aの厚さと同一または類似する150mm~240mmに形成されてもよいが、これに限定されない。
【0065】
フラット2次断熱材51aは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質で形成されてもよい。
【0066】
フラット2次断熱材51aは、フラット2次防壁41aとフラット2次プライウッド52aとの間にポリウレタンフォームで形成されてもよく、フラット2次断熱壁5aの厚さの大半を占める。
【0067】
フラット2次プライウッド52aは、フラット2次断熱材51aと船体7との間に設けられてもよい。
【0068】
上記のように、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、フラット1次断熱壁3aに包括されるフラット連結断熱壁33aがフラット2次断熱壁5aの厚さと同一または類似する厚さになるように構成することができる。このような構成と関連して、フラット連結断熱壁33aのフラット連結断熱材332aがフラット2次断熱材51aの90%~110%の厚さを有するようにして、フラット連結断熱壁33aのフラット連結断熱材332aがフラット2次断熱材51aと同一または類似する厚さになるように構成することができる。
【0069】
即ち、既存の液化ガス貯蔵タンクの場合、平面ブロックにおいて1次断熱壁の厚さが2次断熱壁の厚さより約1/3程度に薄い厚さを有するが、これと比較して、本実施例は平面ブロックにおいてフラット1次断熱壁3aの厚さとフラット2次断熱壁5aの厚さを同一または類似するように構成しており、これはフラット2次断熱壁41aの低温応力による損傷を防止するためである。
【0070】
通常、フラット2次防壁41a及びフラット2次断熱壁5aは露出する温度によって自己収縮量に差が生じるが、フラット2次防壁41a及びフラット2次断熱壁5aの場合、フラット連結断熱壁33aの厚さが薄くなるほど、極低温の液化ガスの冷熱による影響を多く受けることができる。また、この場合、自己温度が低くなって収縮量そのものが増加し、低温における応力が増加してフラット2次防壁41aが損傷する危険性が高くなるという問題がある。このような問題は、特にフラット連結断熱壁33aの下部でフラット2次防壁41aをボンディングなどにより相互連結するフラット連結防壁42aにおいて多く発生することができる。フラット連結断熱壁33aの下部におけるフラット連結防壁42aは、両端が隣接配置される複数の平面ブロックのフラット2次防壁41aに連結されているが、これは平面ブロックのフラット2次断熱壁5aが収縮することに応じてフラット連結防壁42aの両端が互いに遠くなるか、近くなるように変形され得るためである。
【0071】
本実施例は、フラット連結断熱壁33aを包括するフラット1次断熱壁3a及びフラット2次断熱壁5aの厚さを同一または類似するように形成することにより、フラット連結断熱壁33aを包括するフラット1次断熱壁3aの厚さが既存と比較して相対的に厚くなるにつれてフラット2次防壁41aはもちろん、特にフラット連結防壁42aの極低温の負担が低減し、またフラット2次断熱壁5aの厚さが既存と比較して相対的に薄くなるにつれて収縮量そのものが減少して、低温でのストレスが減少する。その結果、複数の平面ブロックが隣接配置される部分において2次防壁4の損傷の危険性が既存と比べて相対的に低くなる。
【0072】
図2を参照して、本発明の第1実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分を説明する。液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は135度の角度をなす鈍角コーナー構造である場合を例に挙げて説明するが、数値に限定されない。
【0073】
図2に示すように、液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。ここで、コーナー1次断熱壁3bは内側折曲部3b3をさらに含んでもよい。
【0074】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が当接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bは、コーナー2次防壁41bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0075】
コーナー1次防壁2bは、
図2には示していないが、コーナー1次断熱壁3bの上端部に接着またはボルティングなどの様々な方式で設けられる防壁固定部材によってコーナー1次断熱壁3b上に固定結合されて、液化ガス貯蔵タンク1に貯蔵される極低温物質である液化ガスと直接接触するように設けられてもよい。よって、以下で述べるコーナー1次防壁2bは防壁固定部材などを含む意味で使用することができる。
【0076】
このようなコーナー1次防壁2bは、コーナーブロックと
図1に示す平面ブロックを隣接配置して連結するとき、コーナー1次断熱壁3bと
図1に示すフラット1次防壁2aをシーリングすることができ、内側第1固定部3b1の内側1次プライウッド31b及び内側第2固定部3b2の内側1次プライウッド31bに固定され、内側折曲部3b3の断熱材3b31の内面において一定角度、例えば、135度の角度に折り曲げられるように設けられてもよい。
【0077】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。
【0078】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32b、外側1次プライウッド33bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。
【0079】
ここで、内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0080】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に断熱材3b31を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。
【0081】
このようなコーナー1次断熱壁3bは、内側1次プライウッド31bの厚さ、コーナー1次断熱材32bの厚さ、外側1次プライウッド33bの厚さを合わせた厚さが上述したフラット1次断熱壁3aの厚さ(例えば、160mm~250mmの厚さ)と同一であってもよい。
【0082】
内側1次プライウッド31bは、コーナー1次防壁2bとコーナー1次断熱材32bとの間に設けられてもよい。
【0083】
本実施例では、上述したように、平面ブロック及びコーナーブロックにおける1次断熱壁3が既存の1次断熱壁の厚さより相対的に厚く形成されるため、コーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bを構成する内側1次プライウッド31bの厚さを減らし、残りの厚さをポリウレタンフォームで形成されるコーナー1次断熱材32bに代替することができる。
【0084】
本実施例の内側1次プライウッド31bの厚さは20mm~80mmであってもよい。
【0085】
このように、本実施例は、コーナーブロックにおいてコーナー1次防壁2bが固定される防壁固定部材を固定するための内側第1、2固定部3b1、3b2を既存のように約92mmの厚さを有するプライウッドでのみ構成せずにポリウレタンフォームのコーナー1次断熱材32bと組み合わせた構成で形成することにより、既存のプライウッドのみで構成されたものに比べて断熱性能を向上させることができ、重さを低減することができ、コストを節減することができる。
【0086】
コーナー1次断熱材32bは、内側1次プライウッド31bと外側1次プライウッド33bの間に配置されてもよく、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質である高密度ポリウレタンフォームで形成されてもよい。
【0087】
外側1次プライウッド33bはコーナー1次断熱材32bとコーナー2次防壁41bの間に配置されてもよく、コーナー2次防壁41bに固定されることができる。
【0088】
外側1次プライウッド33bは6.5mm~15mmの厚さに形成されてもよい。
【0089】
上記のように、本実施例のコーナー1次断熱壁3bは、内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32b、外側1次プライウッド33bが順に積層された構造からなることによって、コーナー1次断熱材32bの熱収縮を強度の高い内側1次プライウッド31b及び外側1次プライウッド33bが防ぎ、外側第1、2固定部5b1、5b2との間の2次防壁4、41b、42bにコーナー1次断熱材32bの熱収縮が直接加えられないようにし、中間層としてコーナー1次断熱材32bを設けることにより、湿度(humidity)に敏感な内側1次プライウッド31b及び外側1次プライウッド33bの公差管理を容易にすることができる。
【0090】
コーナー1次断熱壁3bとして構成される内側第1、2固定部3b1、3b2のそれぞれは、コーナー2次防壁41b及びコーナー2次断熱壁5bからなる外側第1、2固定部5b1、5b2のそれぞれに固定されるが、このような内側第1、2固定部3b1、3b2のそれぞれの幅は外側第1、2固定部5b1、5b2のそれぞれの幅より小さい幅を有することができる。これにより、互いに異なる角度の第1面と第2面が対向するコーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックが隣接配置されるとき、隣り合って隣接配置される内側第1、2固定部3b1、3b2の間の空間部分、即ち、コーナー2次防壁41bが露出する空間部分には内側折曲部3b3が形成されることができる。
【0091】
内側折曲部3b3は断熱材3b31を充填して構成することができる。
【0092】
内側折曲部3b3の断熱材3b31は低密度ポリウレタンフォームであってもよく、一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられた外面にはコーナー2次防壁41bとコーナー連結防壁42bが積層された2次防壁4が設けられてもよい。
【0093】
このような内側折曲部3b3の断熱材3b31は、複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置される外側第1、2固定部5b1、5b2の間に生じる空間部分をコーナー連結防壁42bとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割を担うことができる。
【0094】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bの外側に設けられてもよい。コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0095】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3b及びコーナー2次断熱壁5bとともにコーナーブロックの一部構成であり、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよい。
【0096】
コーナー連結防壁42bは、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外部に露出する隣り合うコーナー2次防壁41bを連結することができ、上部に内側折曲部3b3の断熱材3b31が設けられて、内側折曲部3b3の断熱材3b31と隣接配置される外側第1、2固定部5b1、5b2の間に生じる空間部分を密封して外部からの熱侵入を遮断する役割をすることができる。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0097】
外側第1、2固定部5b1、5b2が当接する地点において、コーナー2次防壁41bとコーナー連結防壁42bとが積層された2次防壁4は折り曲げられるように設けられてもよい。
【0098】
コーナー2次断熱壁5bはコーナー2次防壁41bの外側に配置されることができる。コーナー2次断熱壁5bは、コーナー1次断熱壁3b及び内側折曲部3b3の断熱材3b31とともに外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計されることができる。また、コーナー2次断熱壁5bはコーナー2次防壁4bと船体7との間に設けられてもよく、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。
【0099】
コーナー2次断熱壁5bは第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0100】
ここで、外側第1固定部5b1は第1面の内側に固定され、外側第2固定部5b2は第2面の内側に固定されてもよい。
【0101】
第1面に固定される外側第1固定部5b1と第2面に固定される外側第2固定部5b2が対向する側面は、コーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分が均等に分割されるもので説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないことがあるため、コーナー部分が不均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよいことは言うまでもない。
【0102】
このようなコーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51bの厚さ、コーナー2次断熱材52bの厚さ、外側2次プライウッド53bの厚さを合わせた全体の厚さが上述したフラット2次断熱壁5aの厚さ(例えば、150mm~240mmの厚さ)と同一であってもよい。
【0103】
内側2次プライウッド51bはコーナー2次防壁2bとコーナー2次断熱材51bの間に配置されてもよく、コーナー2次防壁2bが固定されることができる。内側2次プライウッド51bは6.5mm~15mmの厚さに形成されてもよい。
【0104】
コーナー2次断熱材52bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように、断熱性能に優れ、且つ機械的強度に優れた材質で形成されてもよい。
【0105】
コーナー2次断熱材52bは内側2次プライウッド51bと外側2次プライウッド53bの間にポリウレタンフォームで形成されてもよく、コーナー2次断熱壁5bの厚さの大半を占める。
【0106】
外側2次プライウッド53bはコーナー2次断熱材52bと船体7の間に設けられてもよい。外側2次プライウッド53bは6.5mm~25mmの厚さに形成されることができる。
【0107】
上記した本実施例による液化ガス貯蔵タンク1は、1次断熱壁3の厚さが既存対比で相対的に厚くなることにより、平面ブロックだけでなくコーナーブロックにおいて、2次防壁4が船体7側に移動するようになって曲率半径が大きくなり、この場合、コーナー部分で2次防壁4の曲率半径が大きくなることによって、2次防壁4が2次断熱壁5に接着されない部分の長さも増加するようになる。これは鈍角コーナー構造における2次防壁4の柔軟性(flexibility)の増加を意味し、このため、鈍角コーナー構造において2次防壁4は周辺部の変形吸収、例えば、船体変形吸収が容易になり、低温応力も減少するようになる。本実施例の場合、接着されない部分の長さは、例えば、0mm~100mm、好ましくは50mm~100mmであることができる。
【0108】
上記のように、本発明の鈍角コーナー構造における2次防壁4は、相対的に薄い厚さに形成される1次断熱壁3の鈍角コーナー構造に比べて既存の2次防壁4に加わる低温での応力が減少することができる。また、接着されない部分が増加し、船体の変形吸収も容易である。
【0109】
これは、
図3及び
図4において、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分に対する構造解析の結果により立証された。
【0110】
構造解析の遂行条件は、船体位置で20度℃、1次防壁で163℃で熱伝達解析を行っており、この結果から出た温度分布を用いて構造解析を行った。
【0111】
また、本実施例による液化ガス貯蔵タンク1の構造解析で得られた結果を比較するための既存の液化ガス貯蔵タンクは、平面ブロック及びコーナーブロックにおける1次断熱壁の厚さが2次断熱壁の厚さより約1/3程度に薄い厚さを有し、内側第1、2固定部3b1、3b2に該当する固定部材がプライウッドのみで構成され、接着されない部分の長さが50mmの場合であり、このような既存の液化ガス貯蔵タンクでは、2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPaであり、温度が約-135.857℃であった。
【0112】
構造解析の結果で得られるYY方向の応力値はコーナーにおける応力値であって、低いほどストレスが少なく、温度はコーナーにおける温度であり、温度が高いほどストレスが少ない(常温25℃で設置した後に変化した値を示す)。
【0113】
上記の条件は、本実施例だけでなく、後述する第2~第7実施例による液化ガス貯蔵タンク1の構造解析にも同様に適用される。
【0114】
図3は、本実施例において接着されない部分の長さが50mmのとき、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は37.155MPaで、温度は-57.940℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0115】
図4は、本実施例において接着されない部分の長さが97mmのとき、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.084MPaで、温度が-59.025℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0116】
これにより、本実施例では、コーナーブロックにおいてコーナー1次防壁2bが固定される防壁固定部材を固定するための内側第1、2固定部3b1、3b2をプライウッドのみで構成せず、ポリウレタンフォームの断熱材3b31と組み合わせた構成で形成することにより、既存のプライウッドのみで構成されたものと比べて断熱性能を向上させることができ、重さを減らすことができ、コストを節減することができる。
【0117】
また、本実施例は、平面ブロックのフラット1次断熱壁3aに連結されるコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bと平面ブロックのフラット2次断熱壁5aに連結されるコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bの厚さを同一または類似するように構成することにより、既存対比でコーナー1次断熱壁3bの厚さが相対的に厚くなり(ただし、コーナー2次断熱壁5bの厚さは機械的強度を一定レベルに保持できる厚さである)、外側第1、2固定部5b1、5b2の間の2次防壁4、41b、42bの低温負担及びスロッシング負担を減らすことができ、2次防壁4、41b、42bの損傷を防止することができるだけでなく、2次防壁4、41b、42bの低温負担が軽減されて船体7の脆性破壊を防止することができる。
【0118】
また、本実施例では、コーナー1次断熱壁3bの厚さが既存対比で相対的に厚く構成されることにより、2次防壁4、41b、42bがコーナー2次断熱壁5bに接着されない部分の長さを増加させることができ、2次防壁4、41b、42bの柔軟性(flexibility)の増加により、2次防壁4、41b、42bの損傷確率がさらに下げられるだけでなく、2次防壁4、41b、42bは船体変形吸収が容易になり、低温応力もさらに減少することができる。
【0119】
図5は本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、
図6は本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0120】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した
図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、
図5に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0121】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は
図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、
図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0122】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、
図1及び
図5を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0123】
図1及び
図5に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0124】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0125】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0126】
図5に示すように、本発明の第2実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0127】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0128】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が当接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bは、コーナー2次防壁41bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0129】
本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。ただし、本実施例のコーナー1次防壁2bはコーナー1次断熱壁3bの構成が第1実施例と異なるため、折り曲げられる角度が異なり得るが、以下でコーナー1次断熱壁3bを説明する際に言及する。
【0130】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較して、外側1次プライウッド33bが省略され、断熱材3b31を充填して構成される内側折曲部3b3が配置される部分の構成が異なることを除き、同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0131】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0132】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0133】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2との間に設けられる内側中間固定部3b12を含んでもよい。
【0134】
内側中間固定部3b12は隣り合うコーナー2次防壁41bを連結するコーナー連結防壁42bに固定されるコーナー中間断熱材32b12と、コーナー中間断熱材32b12の内側に配置され、コーナー1次防壁2bが固定される内側中間プライウッド31b12と、を含んでもよい。
【0135】
内側中間プライウッド31b12は、内側1次プライウッド31bと同一または類似する構造で形成されてもよく、内側1次プライウッド31bとともにコーナー1次防壁2bが固定されることができる。
【0136】
このような内側中間プライウッド31b12は、コーナー部分を均等に分割する場合、均等に分割する方向EDと垂直な方向に平行することができる。ただし、内側中間プライウッド31b12は、コーナー部分を不均等に分割する場合、コーナー部分を分割する方向EDと垂直な方向に平行でなくてもよいことは言うまでもない。
【0137】
コーナー中間断熱材32b12はコーナー1次断熱材32bと同一または類似する材質で形成されてもよい。コーナー中間断熱材32b12は高密度ポリウレタンフォームで形成されてもよい。
【0138】
このようなコーナー中間断熱材32b12は、複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置される外側第1、2固定部5b1、5b2の間に生じる空間部分をコーナー連結防壁42bとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割をすることができる。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0139】
内側中間プライウッド31b12が内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に設けられることにより、コーナー1次防壁2bは、内側第1固定部3b1の内側1次プライウッド31b、内側中間固定部3b12の内側中間プライウッド31b12及び内側第2固定部3b2の内側1次プライウッド31bに固定され、内側第1固定部3b1と内側中間固定部3b12との間及び内側中間固定部3b12と内側第2固定部3b2との間で150度~160度の角度範囲で折り曲げられるように設けられてもよい。
【0140】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間を一定間隔離隔させ、内側第1、2固定部3b1、3b2の間に内側中間固定部3b12を設けることで、内側中間固定部3b12によりコーナー1次防壁2bが折り曲げられる角度を緩和させることができ、コーナー1次防壁2bにおけるスロッシング負担を減らすことができる上、コーナー部分の機械的強度を増大させることができる。
【0141】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、上述した第1実施例と同一または類似するため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0142】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0143】
このような本実施例のコーナー2次断熱壁5bは、上述した第1実施例と同一または類似するため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0144】
図6は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は10.982MPaで、温度は-67.914℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0145】
図7は本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、
図8は本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0146】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した
図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、
図7に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0147】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は
図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、
図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0148】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、
図1及び
図7を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0149】
図1及び
図7に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0150】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0151】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0152】
図7に示すように、本発明の第3実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0153】
本実施例は、図とは異なり、コーナー1次断熱壁3bの位置がコーナー2次断熱壁5b上に施工されたコーナー2次防壁41bをコーナー中心部分で露出させるように位置してもよいことは言うまでもない。従って、露出したコーナー2次防壁41bをコーナー連結防壁42bに相互連結して仕上げるか、またはコーナー1次断熱壁3bが隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するようにコーナー連結防壁42bを施工した後、コーナー2次防壁41b/コーナー連結防壁42b上に積層することも可能である。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0154】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0155】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が当接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bは、コーナー2次防壁41bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0156】
本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0157】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較すると、外側1次プライウッド33bが省略されることを除き、同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0158】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0159】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0160】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に断熱材3b32を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b32は、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0161】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、コーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0162】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0163】
上記の外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する側面がコーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分を均等に分割することで説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないこともあり得るため、コーナー部分を不均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよいことは言うまでもない。
【0164】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する角にチャンファー部が形成されてもよい。
【0165】
また、コーナー2次断熱壁5bは、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分の間に充填される断熱材5b31を含む外側折曲部5b3を含んでもよい。外側折曲部5b3の断熱材5b31は低密度ポリウレタンフォームであってもよい。
【0166】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分に外側折曲部5b3の断熱材5b31が設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の内側2次プライウッド51b、外側折曲部5b3の断熱材5b31、外側第2固定部5b2の内側2次プライウッド51bに固定され、外側折曲部5b3の断熱材5b31の内側において一定角度、例えば、135度の角度に折り曲げられるように設けられてもよい。
【0167】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファーに低密度ポリウレタンフォームからなる外側折曲部5b3の断熱材5b31が設けられることにより、低密度ポリウレタンフォームによってコーナー部分における断熱性能をさらに増大させることができる。
【0168】
図8は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.003MPaで、温度は-64.358℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0169】
図9は本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、
図10は本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0170】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した
図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、
図9に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0171】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は
図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、
図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0172】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、
図1及び
図9を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0173】
図1及び
図9に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0174】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0175】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0176】
図9に示すように、本発明の第4実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0177】
本実施例は、図とは異なり、コーナー1次断熱壁3bの位置がコーナー2次断熱壁5b上に施工されたコーナー2次防壁41bをコーナー中心部分で露出させるように位置してもよいことは言うまでもない。従って、露出したコーナー2次防壁41bをコーナー連結防壁42bに相互連結して仕上げるか、またはコーナー1次断熱壁3bが隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するようにコーナー連結防壁42bを施工した後、コーナー2次防壁41b/コーナー連結防壁42b上に積層することも可能である。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0178】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0179】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が当接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bは、コーナー2次防壁41bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0180】
本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0181】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較すると、外側1次プライウッド33bが省略され、内側折曲部3b3の構成が異なることを除いては同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0182】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0183】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0184】
また、コーナー1次断熱壁3bは内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に充填され、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41b上に設けられる外側断熱材3b33と、外側断熱材3b33とコーナー1次防壁2bとの間に設けられる内側断熱材3b34と、を含む内側折曲部3b3を含んでもよい。
【0185】
内側折曲部3b3の外側断熱材3b33はグラスウールであってもよく、一定角度、例えば135度の角度で折り曲げられた外面にはコーナー2次防壁41bとコーナー連結防壁42bとが積層された2次防壁4が設けられてもよい。
【0186】
内側折曲部3b3の内側断熱材3b34は低密度ポリウレタンフォームであってもよく、一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられた内面にはコーナー1次防壁2bが設けられてもよい。
【0187】
内側折曲部3b3の外側断熱材3b33と内側断熱材3b34のそれぞれの厚さは自由にできる。
【0188】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、上記のコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0189】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0190】
上記の外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する側面がコーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分を均等に分割することで説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないこともあり得るため、コーナー部分を不均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよいことは言うまでもない。
【0191】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は互いに対向する角に段差が形成されてもよい。
【0192】
また、コーナー2次断熱壁5bは、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の段差部分の間に充填される断熱材5b312を含む外側折曲部5b3を含んでもよい。外側折曲部5b3の断熱材5b32は、内側折曲部3b3の外側断熱材3b33と同じ材質であるグラスウールであってもよい。
【0193】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の段差部分に外側折曲部5b3の断熱材5b32が設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の内側2次プライウッド51b、外側折曲部5b3の断熱材5b32、外側第2固定部5b2の内側2次プライウッド51bに固定され、外側折曲部5b3の断熱材5b32の内側から一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられるように設けられてもよい。
【0194】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が対向する角に段差を形成し、段差部分にグラスウールからなる外側折曲部5b3の断熱材5b32が設けられ、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bを挟んでグラスウールからなる内側折曲部5b3の外側断熱材3b33が設けられることにより、グラスウールの間に形成されるコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの柔軟性が向上し、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷をさらに防止することができる。
【0195】
図10は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.003MPaで、温度は-64.358℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0196】
図11は本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、
図12は本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0197】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した
図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、
図11に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0198】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は
図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、
図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0199】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、
図1及び
図11を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0200】
図1及び
図11に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0201】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0202】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0203】
図11に示すように、本発明の第5実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0204】
本実施例は、図とは異なり、コーナー1次断熱壁3bの位置がコーナー2次断熱壁5b上に施工されたコーナー2次防壁41bをコーナー中心部分で露出させるように位置してもよいことは言うまでもない。従って、露出したコーナー2次防壁41bをコーナー連結防壁42bに相互連結して仕上げるか、またはコーナー1次断熱壁3bが隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するようにコーナー連結防壁42bを施工した後、コーナー2次防壁41b/コーナー連結防壁42b上に積層することも可能である。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0205】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0206】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が当接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bは、コーナー2次防壁41bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0207】
本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0208】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較して外側1次プライウッド33bが省略されることを除いて同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0209】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0210】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0211】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2との間に断熱材3b35を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b35は上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0212】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、コーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0213】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0214】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0215】
また、コーナー2次断熱壁5bは外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2との間に設けられ、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの折曲部分が装着される外側中間固定部5b12を含んでもよい。
【0216】
外側中間固定部5b12は、第1面及び第2面にそれぞれ固定される外側中間プライウッド51b12と、外側中間プライウッド51b12の内側に設けられる外側中間断熱材52b12と、外側中間断熱材52b12の内側に設けられ、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの折曲部分が装着される内側中間断熱材53b12と、を含んでもよい。
【0217】
外側中間プライウッド51b12は内側2次プライウッド51bと同一線上に位置し、同じ構成であってもよい。
【0218】
外側中間断熱材52b12はポリウレタンフォームであってもよい。
【0219】
内側中間断熱材53b12はグラスウールであってもよい。
【0220】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の間に外側中間プライウッド51b12、外側中間断熱材52b12、内側中間断熱材53b12が積層された外側中間固定部5b12が設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の内側2次プライウッド51b、外側中間固定部5b12の内側中間断熱材53b12、外側第2固定部5b2の内側2次プライウッド51bに固定され、外側中間固定部5b12の内側中間断熱材53b12の内側において一定角度、例えば、135度の角度で折り曲げられるように設けられてもよい。
【0221】
これにより、本実施例では、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の間に外側中間固定部5b12を設け、グラスウールからなる外側中間固定部5b12の内側中間断熱材53b12の上部に形成されるコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの柔軟性が向上し、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷をさらに防止することができる。
【0222】
また、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2の間を一定間隔離隔させ、外側第1、2固定部5b1、5b2の間に外側中間固定部5b12を設けることにより、外側第1固定部5b1と外側中間固定部5b12の間及び外側第2固定部5b2と外側中間固定部5b12の間のそれぞれに形成されるギャップによって、既存の1つのギャップを有する外側固定部に比べて本実施例の2つのギャップを有する外側固定部5b1、5b2、5b12での温度による収縮または膨張応力(stress)が緩和し、外側固定部5b1、5b2、5b12に固定されるコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷を防止することができる。
【0223】
図12は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は13.101MPaで、温度は-74.480℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0224】
図13は本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、
図14は本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0225】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した
図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、
図13に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0226】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は
図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、
図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0227】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、
図1及び
図13を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0228】
図1及び
図13に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0229】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0230】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0231】
図13に示すように、本発明の第6実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。以下に説明する液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は一定角度、例えば、135度の角度をなす鈍角コーナー構造であってもよい。
【0232】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0233】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が当接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bは、コーナー2次防壁41bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0234】
本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0235】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較して外側1次プライウッド33bが省略され、内側折曲部3b3の断熱材3b31の外面形状が異なることを除いて同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0236】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー1次防壁2bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。ここで、本実施例の内側1次プライウッド31b及びコーナー1次断熱材32bは、上述した第1実施例と同一または類似することができるため、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0237】
内側第1固定部3b1は外側第1固定部5b1に固定されて第1面の内側に設けられ、内側第2固定部3b2は外側第2固定部5b2に固定されて第2面の内側に設けられてもよい。
【0238】
また、コーナー1次断熱壁3bは内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2との間に断熱材3b36を充填して構成される内側折曲部3b3を含んでもよい。本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b36は、上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b36は、外側第1、2固定部5b1、5b2の構成が異なることに応じて外面の形状が変化することができる。
【0239】
即ち、本実施例の内側折曲部3b3の断熱材3b36は、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が互いに対向する角にチャンファーが形成されるため、外面が内側第1固定部3b1または内側第2固定部3b2に比べて外側方向に突出する形状を有する。
【0240】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外側第1、2固定部5b1、5b2の間で隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bによって連結されてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。本実施例では、コーナー連結防壁42bは、内側第1、2固定部3b1、3b2の間だけでなく、少なくとも内側第1、2固定部3b1、3b2に重畳する長さに延長形成されてもよい。
【0241】
本実施例のコーナー2次防壁41bは、基本的な構成が上述した第1実施例と同一または類似することができる。ただし、本実施例のコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、コーナー2次断熱壁5bの一部の構成が上述した第1実施例と異なることにより、配置関係が異なり得るが、以下、コーナー2次断熱壁5bを説明する際に言及する。
【0242】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されてもよい。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなる外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2を含んでもよい。
【0243】
上記の外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する側面がコーナー部分を均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよい。本実施例では、コーナー部分を均等に分割することで説明したが、これに限定されず、コーナー位置によって均等でないこともあり得るため、コーナー部分を不均等に分割する方向EDに傾斜して設けられてもよいことは言うまでもない。
【0244】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2は、互いに対向する角にチャンファー部が形成されてもよい。
【0245】
本実施例において、内側2次プライウッド51bは、外側2次プライウッド53bと平行し、コーナー2次断熱材52b上に固定される周辺プライウッド51b1と、周辺プライウッド51b1に連結され、チャンファー部分のコーナー2次断熱材52b上に固定される傾斜プライウッド51b2と、で構成されてもよい。これにより、上述した第1実施例とは異なり、周辺プライウッド51b1上にはコーナー1次断熱材32bが設けられ、傾斜プライウッド51b2上には内側折曲部3b3の断熱材3b36が設けられることができる。
【0246】
外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分に傾斜プライウッド51b2及び内側折曲部3b3の断熱材3b36が設けられることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の周辺プライウッド51b1、外側第1固定部5b1の傾斜プライウッド5b2、外側第2固定部5b2の傾斜プライウッド5b2、外側第2固定部5b2の周辺プライウッド51b1に固定されることができる。
【0247】
また、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2のチャンファー部分に装着されるために外側に突出するように折り曲げられてもよい。
【0248】
即ち、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは、外側第1固定部5b1の周辺プライウッド51b1と外側第1固定部5b1の傾斜プライウッド51b2の間で外側に折り曲げられ、外側第1固定部5b1の傾斜プライウッド51b2と外側第2固定部5b2の傾斜プライウッド51b2の間で内側に折り曲げられ、外側第2固定部5b2の傾斜プライウッド51b2と外側第2固定部5b2の周辺プライウッド51b1の間で外側に折り曲げられるように設けられてもよい。
【0249】
これにより、本実施例は、互いに異なる角度の第1面と第2面にそれぞれ固定される外側第1固定部5b1と外側第2固定部5b2が対向する角にチャンファーを形成し、チャンファー部分を含む外側第1、2固定部5b1、5b2の表面に沿ってコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bを設けることにより、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bが外側に突出して折り曲げられてコーナー2次断熱壁5bに接着されない部分の長さが増加し、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの柔軟性(flexibility)が増加してコーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bの損傷確率をさらに下げることができるだけでなく、コーナー連結防壁42bを包括するコーナー2次防壁41bは船体変形吸収が容易になり、低温応力もさらに減少することができる。
【0250】
図14は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は7.197MPaで、温度は-53.710℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0251】
図15は本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の断面図であり、
図16は本発明の第7実施例による液化ガス貯蔵タンクのコーナー部分に対する構造解析の結果を示す図である。
【0252】
図15に示すように、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1は、上述した第1実施例の液化ガス貯蔵タンク1と比較して、内側折曲部3b3の構成を除いた構成は同一または類似することができるため、同じ構成に対しては重複する説明を避けるために具体的な説明は省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0253】
本実施例のコーナー1次断熱壁3bの構成は、上述した第1実施例と比較すると、断熱材3b31を充填して構成される内側折曲部3b3が配置される部分の構成が異なることを除いては同一または類似するため、ここでは異なる構成を中心に説明する。
【0254】
本実施例のコーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間の内側折曲部3b3に充填される真空断熱パネル3b37を含んでもよい。
【0255】
本実施例の場合、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2が非構造部材であるため、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間に構造部材である真空断熱パネル3b37の施工が容易である。真空断熱パネル3b37はポリウレタンフォームなどの様々な断熱材のうち断熱性能に優れ、コーナー部分での断熱性能を向上させることができる。
【0256】
図16は、外側第1、2固定部5b1、5b2が対向して折り曲げられる部分における2次防壁4、41b、42bのYY方向の応力値と温度分布を構造解析した結果であり、YY方向の応力値は12.084MPaで、温度は-59.025℃であった。このような数値は、既存の液化ガス貯蔵タンクの2次防壁において折り曲げられた部分のYY方向の応力値が約66.8984MPa、温度が約-135.857℃であるのと比べると、本実施例による2次防壁4、41b、42bでストレスがはるかに少ないことが分かり、これは既存対比で本実施例の2次防壁4、41b、42bにおいて低温応力による損傷などの極低温物質からの冷熱による影響力が減少したことを意味する。
【0257】
図17は本発明の第8実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図である。
【0258】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面構造は、上述した
図1に示すように、複数の平面ブロックの組み合わせからなってもよく、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー構造は、
図17に示すように、複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。このような複数の平面ブロックは、液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分において複数のコーナーブロックと連結されることができる。
【0259】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク1において、平面ブロックの構成は
図1を参照して上述した構成と同一または類似する。即ち、本実施例の液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックは、
図1に示すように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置され、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されるフラット2次断熱壁5aと、を含んでもよい。
【0260】
従って、ここでは、重複する説明を避けるために液化ガス貯蔵タンク1の平面ブロックの構成に対する具体的な説明を省略する。以下では、
図1及び
図17を参照して本実施例の液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックの構成を中心に具体的に説明する。
【0261】
図1及び
図17に示すように、液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスと接触する1次防壁2と、1次防壁2の外側に設けられる1次断熱壁3と、1次断熱壁3の外側に設けられる2次防壁4と、2次防壁4の外側に配置される2次断熱壁5と、を含んで構成されてもよい。液化ガス貯蔵タンク1は、2次断熱壁5と船体7との間に設けられるマスティック6によって船体7に支持されることができる。
【0262】
上記において、1次防壁2は平面ブロックのフラット1次防壁2aとコーナーブロックのコーナー1次防壁2bからなってもよく、1次断熱壁3は平面ブロックのフラット1次断熱壁3aとコーナーブロックのコーナー1次断熱壁3bからなってもよく、2次防壁4は平面ブロックのフラット2次防壁41aとコーナーブロックのコーナー2次防壁41bからなってもよく、2次断熱壁5は平面ブロックのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックのコーナー2次断熱壁5bからなってもよい。本実施例の場合、第1実施例で説明したように、平面ブロックとコーナーブロックにおいて1次断熱壁3の厚さと2次断熱壁5の厚さを同一または類似するようにすることができる。
【0263】
上記において、平面ブロック及びコーナーブロックの2次防壁4は、複数の平面ブロックまたは複数のコーナーブロックを隣接配置するとき、隣り合って隣接配置されるフラット2次防壁41aまたは隣り合って隣接配置されるコーナー2次防壁41bを連結するフラット連結防壁42aまたはコーナー連結防壁42bを含んでもよい。
【0264】
図17に示すように、本発明の第8実施例による液化ガス貯蔵タンク1のコーナー部分は複数のコーナーブロックの組み合わせからなってもよい。
【0265】
液化ガス貯蔵タンク1のコーナーブロックは、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置され、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されるコーナー2次断熱壁5bと、を含んでもよい。
【0266】
コーナー1次防壁2bは、互いに異なる角度の第1面または第2面が当接するコーナー部分に配置されて極低温物質である液化ガスを収容する収容空間を形成し、金属材質からなることができる。コーナー1次防壁2bは、コーナー2次防壁41bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。本実施例のコーナー1次防壁2bは、基本的に上述した第1実施例と同一または類似するため、ここでは具体的な説明を省略する。
【0267】
コーナー1次防壁2bは防壁固定部材21bに固定されてもよい。
【0268】
防壁固定部材21bは金属材質であり、コーナー1次断熱壁3bの上部に設けられてもよい。コーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次断熱壁5b上においてコーナー部分の辺に沿って複数配置されることができ、これにより、防壁固定部材21bは複数のコーナー1次断熱壁3bのそれぞれに独立して設けられることができる。
【0269】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、コーナー1次防壁2bとコーナー2次防壁41bとの間に設けられてもよい。
【0270】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、コーナー2次防壁41bに固定されるコーナー1次断熱材32bと、コーナー1次断熱材32bの内側に配置されてコーナー1次断熱材32bと段差をなし、コーナー1次防壁2bが固定される内側1次プライウッド31bと、を含んでもよい。
【0271】
内側1次プライウッド31bとコーナー1次断熱材32bが順に積層されたコーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次断熱壁5b上においてコーナー部分の辺に沿って複数配置されてもよい。
【0272】
本実施例では、コーナー1次断熱壁3bが内側1次プライウッド31bとコーナー1次断熱材32bとで構成されることを説明したが、上述した第1実施例~第7実施例のうち少なくとも何れか1つの実施例によるコーナー1次断熱壁3bと同一または類似してもよいことは言うまでもない。
【0273】
上記した複数のコーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次断熱壁5b上に互いに隣接して配置されるが、複数のコーナー1次断熱壁3bの間にグラスウールなどの別途の断熱材の充填が省略されるように複数のコーナー1次断熱壁3bの間の間隔を最小化して配置することができる。
【0274】
このように複数のコーナー1次断熱壁3bを配置すると、コーナー1次断熱材32bと段差をなす内側1次プライウッド31bの間に段差空間が生じる。本実施例のコーナーブロックは、互いに隣接配置されるコーナー1次断熱壁3bの段差空間に充填され、コーナー1次防壁2bが装着される内側第1パッキング材3b4を含む。
【0275】
内側第1パッキング材3b4はポリウレタンフォームまたはグラスウールであってもよい。
【0276】
複数のコーナー1次断熱壁3bは、コーナー2次防壁41b及びコーナー2次断熱壁5bとともにコーナーブロックの一部構成であり、コーナーブロックをなす複数のコーナー1次断熱壁3bの全体幅はコーナーブロックの他の構成であるコーナー2次断熱壁5bの幅より小さくてもよい。これにより、複数のコーナー1次断熱壁3bの最外側にコーナー2次防壁41bの一部が露出することができる。コーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックが隣接配置されるとき、隣り合って隣接配置される最外郭のコーナー1次断熱壁3bの間の空間部分、即ち、コーナー2次防壁41bが露出する空間部分にはコーナー連結断熱壁34bが設けられてもよい。
【0277】
コーナー連結断熱壁34bは、コーナーブロックが互いに隣接配置されるときに隣り合う最外郭のコーナー1次断熱壁3bの間に配置されるものであり、コーナー1次断熱壁3bと同一または類似するコーナー連結断熱材341bとコーナー連結プライウッド342bとが積層された形態で設けられてもよく、コーナー1次断熱壁3bと同一または類似する厚さを有する。
【0278】
このようなコーナー連結断熱壁34bは、コーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置されるコーナー2次断熱壁5bの間に生じる空間部分をコーナー連結防壁42bとともに密封して外部からの熱侵入を遮断する役割を果たすように設けられる。
【0279】
このようにコーナー部分に沿って複数のコーナーブロックを隣接配置すると、コーナー連結断熱材341bとコーナー1次断熱材32bとの間及びコーナー連結プライウッド342bと内側1次プライウッド31bとの間に空間が生じ、この空間にコーナー1次防壁2bが装着される内側第2パッキング材3b5を充填してコーナー1次断熱壁3bの施工を仕上げることができる。
【0280】
内側第2パッキング材3b5はポリウレタンフォームまたはグラスウールであってもよい。
【0281】
コーナー2次防壁41bはコーナー1次断熱壁3bとコーナー2次断熱壁5bの間に設けられてもよく、コーナー1次防壁2bとともに液化ガスが外部に漏れるのを防止することができる。
【0282】
コーナー2次防壁41bは、コーナー1次断熱壁3b及びコーナー2次断熱壁5bとともにコーナーブロックの一部構成であり、コーナーブロックが隣接配置されるとき、隣り合うコーナー2次防壁41bはコーナー連結防壁42bを介してシーリング連結されることができる。
【0283】
コーナー連結防壁42bは、コーナーブロックが隣接配置されるとき、外部に露出する隣り合うコーナー2次防壁41bを連結することができ、上部にコーナー連結断熱壁34bが設けられてもよい。
【0284】
コーナー2次断熱壁5bは、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されることができる。コーナー2次断熱壁5bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ固定され、コーナー2次防壁2bの外側に内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bが順に積層された構造からなることができる。
【0285】
コーナー部分の辺に沿って複数のコーナーブロックを隣接配置したとき、隣り合って隣接配置されるコーナー2次断熱壁5bの間に生じる空間は、外側パッキング材5b4で充填することができる。
【0286】
外側パッキング材5b4、ポリウレタンフォームまたはグラスウールであってもよい。
【0287】
このような本実施例のコーナー2次断熱壁5bは、上述した第1実施例~第7実施例の少なくとも何れか1つの実施例によるコーナー2次断熱壁5bと同一または類似することができるため、ここでは重複する説明を避けるために、具体的な説明を省略する。
【0288】
これにより、本実施例では、コーナー1次断熱材32bと段差をなす内側1次プライウッド31bを含むコーナー1次断熱壁3bがコーナー2次断熱壁5b上に複数配置されるが、隣り合うコーナー1次断熱材32bが隣接して配置されるように構成することにより、隣接配置される内側1次プライウッド31bの間の段差部分を通じて防壁固定部材21bの設置ハンドリングが容易になるだけでなく、段差部分にのみパッキング材3b4を装着させればよいため、パッキング材の消耗を減らすことができる。
【0289】
図18は本発明の第9実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するためのコーナー部分の一部正面図であり、
図19は
図18の上部ブロックを説明するための斜視図であり、
図20は
図18の上部連結ブロックを説明するための斜視図であり、
図21は
図19の上部ブロックの分解斜視図であり、
図22は
図19の上部ブロックの断面図であり、
図23は
図19の上部ブロックの他の実施例を示す断面図であり、
図24は
図18のスタッフィングピースを説明するための斜視図であり、
図25は
図18の上部連結ブロックに適用されるボンディング防止部材を説明するための図であり、
図26は
図18の上部連結ブロックに適用されるボンディング防止部材の他の実施例を説明するための図である。
【0290】
また、
図27の(a)及び(b)は
図18の上部ブロック及び上部連結ブロックの他の実施例を説明するための図であり、
図28は
図27の上部ブロック及び上部連結ブロックが適用されたコーナー部分の一部拡大正面図であり、
図29の(a)及び(b)は
図18の上部ブロック及び上部連結ブロックのさらに他の実施例を説明するための図であり、
図30は
図29の上部ブロック及び上部連結ブロックが適用されたコーナー部分の一部拡大正面図である。
【0291】
また、
図31の(a)及び(b)はスチフナーが備えられていない本実施例の防壁固定部材とスチフナーが備えられる比較例の防壁固定部材のそれぞれに対する構造解析の結果を示す図であり、
図32の(a)及び(b)はスチフナーが備えられていない本実施例の防壁固定部材とスチフナーが備えられる比較例の防壁固定部材のそれぞれの下側に設けられる構成品(プライウッド)に対する構造解析の結果を示す図である。
【0292】
図18に示すように、本発明の第9実施例による液化ガス貯蔵タンク100のコーナー部分は複数のコーナーブロックCBの組み合わせからなることができる。コーナーブロックCBの基本構造(primary structure)は船体7に固定され、シングルボード(single board)からなる下部ブロックLBと、下部ブロックLB上にボンディングされる複数の上部ブロックUBと、隣り合って配置される下部ブロックLBを連結する上部連結ブロックUBBと、からなってもよい。
【0293】
このような本実施例のコーナーブロックCBは、上述した第1実施例~第8実施例のように、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面が接するコーナー部分に配置されてもよく、図示していないが、コーナーブロックCBが配置された状態で上述したように金属材質のコーナー1次防壁2bを上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBB上に形成して極低温物質である液化ガスを密閉収容する収容空間を有する液化ガス貯蔵タンク100のコーナー部分を完成する。
【0294】
本実施例の液化ガス貯蔵タンク100は、上記したコーナー部分に形成されるコーナーブロックCBと平坦な部分に形成される平面ブロックを連結することにより完成されるが、ここで、平面ブロックは上述した第1実施例の
図1に示す平面ブロックまたは後述する第10実施例の
図33に示す平面ブロックFBであってもよいが、これに限定されない。
【0295】
なお、本実施例のコーナーブロックCBは、以下において下部ブロックLB、上部ブロックUB、上部連結ブロックUBBに区分して具体的に説明するが、これに限定されず、上述した第1実施例~第8実施例のうち何れか1つの構造と同一または類似してもよいことは言うまでもない。
【0296】
下部ブロックLBは、
図18に示すように、上面に複数の上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBが設けられてもよく、上部ブロックUBの下面にボンディング結合されるコーナー2次防壁41bと、下部ブロックLBが隣接配置されるとき、上部ブロックUBが設けられず外部に露出する隣り合うコーナー2次防壁41bを連結し、上部連結ブロックUBBの下面にボンディング結合されるコーナー連結防壁42bと、内側2次プライウッド51b、コーナー2次断熱材52b、外側2次プライウッド53bを含んで構成されるコーナー2次断熱壁5bと、からなってもよい。
【0297】
このような本実施例の下部ブロックLBは、上述した第1実施例~第8実施例のうち少なくとも何れか1つの実施例による構成と同一または類似することができるため、ここでは、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0298】
複数の上部ブロックUBは下部ブロックLBにボンディング結合されてもよい。
【0299】
複数の上部ブロックUBのそれぞれは、
図18、
図19、
図21に示すように、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置される防壁固定部材21bと、防壁固定部材21bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bとからなる基本構造を有する。ここで、コーナー1次断熱壁3bは内側折曲部3b3をさらに含んでもよい。
【0300】
このように基本構造を有する上部ブロックUBは、一定のギャップを置いて並んで配置され、下部ブロックLB上にボンディングされてもよい。本実施例は、
図18に示すように5つが一定のギャップを置いて並んで配置されてもよいが、これに限定されない。
【0301】
防壁固定部材21bは金属材質であり、コーナー1次断熱壁3bの上部に設けられてもよく、第1面と第2面の内側に予定された角度に折り曲げられ、例えば、液化ガスを収容する貯蔵空間を形成する互いに異なる角度の第1面と第2面がなす角度と同じ角度に折り曲げられてもよい。コーナー1次断熱壁3bの場合、下部ブロックLBをなすコーナー2次断熱壁5b上において直角または鈍角をなすコーナー部分の辺に沿って複数配置されてもよく、これにより、防壁固定部材21bは直角または鈍角に折り曲げられて複数のコーナー1次断熱壁3bのそれぞれの上部に独立して設けられてもよい。
【0302】
防壁固定部材21bは背面に備えられる複数の結合部材21b1を利用してコーナー1次断熱壁3bの上部に設けられてもよい。結合部材21b1はスタッドボルト(stud bolt)とナットからなってもよい。
【0303】
本実施例の防壁固定部材21bは、
図21に示すように、背面にコーナー1次断熱壁3bの上部を固定する補強部材が備えられない。
【0304】
通常、コーナー1次断熱壁3bの上部を固定する補強部材としては、
図31の(b)に示すように、スチフナー122bがある。即ち、一般的な防壁固定部材121bは補強部材として背面の縁に沿ってスチフナー122bが備えられる。このようなスチフナー122bは、上部ブロックUBを強固に固定(tightness)させるためのコンセプトを有する。
【0305】
しかし、スチフナー122bが備えられる一般的な防壁固定部材121bは、直角または鈍角に折り曲げられた部分において船体挙動による挙動または熱荷重(thermal load)などの外力が加わるときのストレスに脆弱であるという問題があった。
【0306】
そこで、本実施例の防壁固定部材21bは、このような問題を解決するために背面にスチフナー122bのような補強部材がなく、平面対平面でコーナー1次断熱壁3bの上面に結合されるようにしており、構造解析の結果からも立証された。
【0307】
図31の(a)は、船体挙動による挙動または熱荷重(thermal load)などの外力が加わるときの本実施例の液化ガス貯蔵タンク100のスチフナー122bが備えられていない防壁固定部材21bに対する構造解析の結果を示す図であり、
図31の(b)は、船体挙動による挙動または熱荷重(thermal load)などの外力が加わるときの比較例の液化ガス貯蔵タンク100aのスチフナー122bが備えられる一般的な防壁固定部材121bに対する構造解析の結果を示す図であり、構造解析の結果を比較すると、スチフナー122bがあるとき(比較例)より無いとき(本実施例)が外力に柔軟に応答して直角または鈍角に折り曲げられた部分でストレスが均等に分布されることが分かる。
【0308】
図32の(a)は、船体挙動による挙動または熱荷重(thermal load)などの外力が加わるときの本実施例の液化ガス貯蔵タンク100のスチフナー122bが備えられていない防壁固定部材21bの下側に設けられる構成品(プライウッド)に対する構造解析の結果を示す図であり、
図32の(b)は、船体挙動による挙動または熱荷重(thermal load)などの外力が加わるときの比較例の液化ガス貯蔵タンク100aのスチフナー122bが備えられる一般的な防壁固定部材121bの下側に設けられる構成品(プライウッド)に対する構造解析の結果を示す図であり、構造解析の結果と比較すると、直角または鈍角で折り曲げられた部分において均一に分布するストレスによって折り曲げられた部分の曲げも減少するため、下側に接合される構成品に作用する圧力も低い値で均等に分布することが分かる。
【0309】
これにより、本実施例は、防壁固定部材21bの背面にスチフナー122bのような補強部材を備えないことにより、防壁固定部材21bそのものの重量を減少させることができ、補強部材を取り付けるための溶接を行わないため、製作時の溶接工数の削減及び精度を向上させることができ、直角または鈍角に折り曲げられた部分に発生するストレスを均一に分布させることにより、既存のスチフナー122bが備えられる一般的な防壁固定部材121bに比べて折り曲げられた部分における損傷(damage)の発生頻度の減少、修理(Repair)を最小化するなどシステムの安定性を向上させることができる。
【0310】
コーナー1次断熱壁3bは、外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、防壁固定部材21bと下部ブロックLBのコーナー2次防壁41bの間に設けられてもよい。
【0311】
コーナー1次断熱壁3bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、防壁固定部材21bの外側に内側1次プライウッド31b、コーナー1次断熱材32b、外側1次プライウッド33bが順に積層された構造からなる内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2を含んでもよい。
【0312】
また、コーナー1次断熱壁3bは、内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間の空間部分に断熱材からなる内側折曲部3b3を含んでもよい。
【0313】
本実施例のコーナー1次断熱壁3bは、上述した第1実施例のコーナー1次断熱壁3bと同一または類似することができるため、ここでは、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0314】
上記のように構成される上部ブロックUBにおいて、内側1次プライウッド31bはコーナー1次断熱材32bの内側上面に設けられるが、コーナー1次断熱材32bと段差をなすように設けられる。そのため、基本構造を有する上部ブロックUBを一定のギャップを置いて並べて配置すると、隣り合うコーナー1次断熱材32bは隣接して配置され、隣り合う内側1次プライウッド31bの間には段差空間が生じるようになる。互いに隣接配置されるコーナー1次断熱材32bの間には別途の断熱材の充填が省略されることができる。本実施例では、コーナー1次断熱材32bの間に断熱材の充填が省略されることを説明したが、コーナー1次断熱材32bの間に断熱材を施工できることは言うまでもない。
【0315】
隣り合う内側1次プライウッド31bの間に生じる段差空間には、
図24に示すように、スタッフィングピース(stuffing piece)10が挿入される。スタッフィングピース10に対する具体的な説明は後述する。
【0316】
上部連結ブロックUBBは、隣り合って配置される下部ブロックLBの上面にボンディング結合されて下部ブロックLB間を連結することができる。
【0317】
上部連結ブロックUBBは、
図18、
図20に示すように、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置される防壁固定部材21bと、防壁固定部材21bの外側に配置されるコーナー連結断熱壁34bと、からなってもよい。ここで、コーナー連結断熱壁34bはコーナー連結折曲部34b3をさらに含んでもよい。
【0318】
上部連結ブロックUBBの防壁固定部材21bは、上述した上部ブロックUBの防壁固定部材21bと同一または類似することができるため、ここでは、重複する説明を避けるために具体的な説明を省略する。
【0319】
上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱壁34bは、コーナー1次断熱壁3bとともに外部からの熱侵入を遮断しながら外部からの衝撃または内部での液化ガススロッシングによる衝撃に耐えられるように設計され、防壁固定部材21bと下部ブロックLBのコーナー連結防壁42bの間に設けられることができる。
【0320】
このようなコーナー連結断熱壁34bは、第1面と第2面の内側にそれぞれ設けられ、防壁固定部材21bの外側にコーナー第1連結プライウッド342b、コーナー連結断熱材341b、コーナー第2連結プライウッド343bが順に積層された構造からなるコーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2を含んでもよい。
【0321】
また、コーナー連結断熱壁34bは、コーナー第1連結固定部34b1とコーナー第2連結固定部34b2の間の空間部分に断熱材からなるコーナー連結折曲部34b3を含んでもよい。コーナー連結折曲部34b3は内側折曲部3b3と同一または類似する材質、例えば、低密度ポリウレタンフォームまたはグラスウールで形成されることができる。
【0322】
本実施例において、コーナー連結断熱壁34bは、上述したコーナー1次断熱壁3bと比べると、図面の符号のみが異なり、構成は同一または類似することができため、ここでは、重複する説明を避けるために具体的な説明は省略する。
【0323】
上記のように構成される上部連結ブロックUBBにおいて、コーナー第1連結プライウッド342bはコーナー連結断熱材34bの内側上面に設けられるが、コーナー連結断熱材34bと段差をなすように設けられる。これにより、上部連結ブロックUBBを隣り合う下部ブロックLBを連結するために下部ブロックLBの連結部位に配置すると、上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱材341bと上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bは隣接して配置され、上部連結ブロックUBBのコーナー第1連結プライウッド342bと上部ブロックUBの内側1次プライウッド31bの間には段差空間が生じるようになる。互いに隣接配置される上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bと上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱材341bの間には、別途の断熱材の充填が省略されることができる。本実施例では、上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bと上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱材341bの間に断熱材の充填が省略されることを説明したが、上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bと上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱材341bの間に断熱材を施工できることは言うまでもない。
【0324】
コーナー第1連結プライウッド342bと内側1次プライウッド31bの間に生じる段差空間には、
図24に示すように、スタッフィングピース(stuffing piece)10が挿入される。
【0325】
スタッフィングピース10は、
図18及び
図24に示すように、隣り合う上部ブロックUBの内側1次プライウッド31bの間に生じる第1段差空間だけでなく、上部ブロックUBの内側1次プライウッド31bと上部連結ブロックUBBのコーナー第1連結プライウッド342bの間に生じる第2段差空間にも挿入されて隣り合う上部ブロックUBの間のギャップ間隔及び上部ブロックUBと上部連結ブロックUBBの間のギャップ間隔を一定に保持させることができ、また、上部ブロックUBの内側折曲部3b3及び上部連結ブロックUBBのコーナー連結折曲部34b3を固定できるようにし、上部ブロックUBの作業時のハンドリングも容易にすることができる。
【0326】
内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3が固定されない場合、隣り合う上部ブロックUBの間または上部ブロックUBと上部連結ブロックUBBの間の一定のギャップを保持することができず、偏る現象が発生し得る。
【0327】
このため、上記した一般的な防壁固定部材121bのように背面の縁に沿ってスチフナー122bが備えられると、スチフナー122bが内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3を固定させることができるが、本実施例の防壁固定部材21bは、スチフナー122bが備えられていないため、内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3を固定する別途の固定手段が必要となり、スタッフィングピース10が固定手段の役割をする。
【0328】
このようなスタッフィングピース10は内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3と同一または類似する材質、例えば、低密度ポリウレタンフォームで形成されてもよく、第1、2段差空間に対応する形状を有する胴体11と、胴体11が第1、2段差空間に挿入されてから内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3に挿入される端部12と、からなることができる。
【0329】
上記において、端部12は内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3に容易に挿入されるように楔状に形成されてもよい。
【0330】
また、端部12には内側折曲部3b3またはコーナー連結折曲部34b3を安定して固定できるように、接着剤(不図示)が塗布されてもよい。
【0331】
上記のように構成される上部ブロックUBの組み立て過程を
図21及び
図22を参照して説明する。
【0332】
1次組み立て過程は、複数の第1ホール81を有する外側1次プライウッド33bを複数の第2ホール82を有するコーナー1次断熱材32bの外側面にボンディング結合し、複数の第3ホール83を有する内側1次プライウッド31bを複数の第2ホール82を有するコーナー1次断熱材32bの内側面にボンディング結合する。
【0333】
ここで、第1、2、3ホール81、82、83は、防壁固定部材21bに備えられる複数の結合部材21b1のそれぞれに対応する位置の延長線上に形成されてもよい。第1、2ホール81、82は同じ大きさを有し、外側1次プライウッド33bとコーナー1次断熱材32bがボンディング結合されることによって連通するホール状になり、このような連通ホールにフォームプラグ9が挿入されて封止されることができ、第3ホール83は結合部材21b1が挿入される大きさに形成されることができる。
【0334】
2次組み立て過程は、外側1次プライウッド33b、コーナー1次断熱材32b、内側1次プライウッド31bがボンディング結合された状態で、内側1次プライウッド31bに形成された複数の第3ホール83に複数の結合部材21b1が挿入されるように内側1次プライウッド31bの上面に防壁固定部材21bを密着させる。
【0335】
3次組み立て過程は、複数の第1、2ホール81、82によって形成される連通ホールを介して結合部材21b1をボルト締結することにより、防壁固定部材21bを内側1次プライウッド31bの上面に固定させる。
【0336】
4次組み立て過程は、防壁固定部材21bが内側1次プライウッド31bに固定された状態で、複数の第1、2ホール81、82によって形成される連通ホールにフォームプラグ9を挿入する。ここで、フォームプラグ9は連通ホールに対応する大きさを有し、コーナー1次断熱材32bと同一または類似する材質であってもよい。
【0337】
その後、外側1次プライウッド33b、コーナー1次断熱材32b、内側1次プライウッド31bがボンディング結合された構造物によって形成される内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間の空間部分に内側折曲部3b3を挿入することで、上部ブロックUBの組み立て過程が終了する。
【0338】
上記のように、本実施例の上部ブロックUBは、複数の第1ホール81を有する外側1次プライウッド33b、複数の第2ホール82を有するコーナー1次断熱材32b、及び複数の第3ホール83を有する内側1次プライウッド31bをまずボンディング結合し、その後、防壁固定部材21bをボルト締結することができる構造を有する。
【0339】
上記では、上部ブロックUBの組み立て過程について説明したが、上部ブロックUBと構成的に同一または類似する上部連結ブロックUBBも同一または類似する組み立て過程で組み立てることができる。従って、本実施例では、上部ブロックUBの構成が上部連結ブロックUBBの構成を含む意味で使用することができる。
【0340】
上記の本実施例の上部ブロックUBは、外側1次プライウッド33bに複数の第1ホール81が形成され、コーナー1次断熱材32bに複数の第2ホール82が形成された構造であるが、外側1次プライウッド33b及びコーナー1次断熱材32bのそれぞれに形成される第1、2ホール81、82を除去することができ、これは
図23を参照して説明する。
【0341】
図23に示すように、他の実施例の上部ブロックUBは、外側1次プライウッド33b及びコーナー1次断熱材32bのそれぞれに上述した第1、2ホール81、82が省略された構造であることができる。
【0342】
この場合、他の実施例の上部ブロックUBの組み立て過程が変わることができ、以下に説明する。
【0343】
1次組み立て過程は、内側1次プライウッド31bに形成された複数の第3ホール83に複数の結合部材21b1が挿入されるように内側1次プライウッド31bの上面に防壁固定部材21bを密着させ、結合部材21b1をボルト締結して防壁固定部材21bを内側1次プライウッド31bの上面に固定させる。
【0344】
2次組み立て過程は、内側1次プライウッド31bの外側面にコーナー1次断熱材32bをボンディング結合し、コーナー1次断熱材32bの外側面に外側1次プライウッド33bをボンディング結合する。
【0345】
その後、外側1次プライウッド33b、コーナー1次断熱材32b、内側1次プライウッド31bがボンディング結合された構造物によって形成される内側第1固定部3b1と内側第2固定部3b2の間の空間部分に内側折曲部3b3を挿入することで、上部ブロックUBの組み立て過程が終了する。
【0346】
このように組み立てて製作される他の実施例の上部ブロックUBは、外側1次プライウッド33b及びコーナー1次断熱材32bのそれぞれから別途の第1、2ホール81、82の加工及びフォームプラグ9の追加挿入工程も省略することができ、第1、2ホール81、82を削除することができるため、断熱性の保持に有利であるだけでなく、強度もさらに強い。これに加えて他の実施例の上部ブロックUBを下部ブロックLBにボンディングするとき、他の実施例の上部ブロックUBの下部にグルーイングする工程で第1、2ホール81、82によって損失されるグルーイングを充填することができ、接着強度にも有利であることができる。
【0347】
上記で上部連結ブロックUBBは、複数の上部ブロックUBが上面にボンディング結合された下部ブロックLBが隣り合って配置された状態で、隣り合う下部ブロックLBのそれぞれの上面に重畳するようにボンディング結合されて下部ブロックLBの間を連結することができる。
【0348】
上部連結ブロックUBBは、コーナー第2連結プライウッド343bが下部ブロックLBにボンディングされることにより下部ブロックLBと結合されるため、
図28または
図30に示すように、接着剤20をコーナー第2連結プライウッド343bに対応する部分のコーナー連結防壁42bの上面に塗布した状態で加圧してボンディング結合する。
【0349】
このとき、上部連結ブロックUBBと下部ブロックLBとの結合力を向上させるために、接着剤20が一定程度外にはみ出る(squeeze out)ように加圧してボンディング領域であるコーナー第2連結プライウッド343bの接触面全体がコーナー連結防壁42bにボンディングされるようにする。
【0350】
しかし、接着剤20の量が過剰である場合、外にはみ出る接着剤20がボンディングされてはならない非ボンディング領域であるコーナー連結折曲部34b3及びコーナー連結断熱材341bのそれぞれの露出面まではみ出て、コーナー連結折曲部34b3とコーナー連結防壁42bまたはコーナー連結断熱材341bと隣り合う上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bがボンディングされることがあるため、発生現場で非ボンディング領域にはみ出た接着剤20を掻き落とすなどの追加の作業を行わなければならない。
【0351】
本実施例の場合、
図18に示すように、上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱材341bと上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bの間のギャップは、目視では接着剤20がはみ出たことを確認できないほど狭いため、ギャップからはみ出た接着剤20を掻き落とすことが困難である。
【0352】
そのため、本実施例は、
図25及び
図26に示すように、上部連結ブロックUBBのボンディング結合時に接着剤20が非ボンディング領域であるコーナー連結折曲部34b3及びコーナー連結断熱材341bのそれぞれの露出面にはみ出るのを防止するか、またははみ出てもコーナー連結折曲部34b3とコーナー連結防壁42bまたはコーナー連結断熱材341bと隣り合う上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bがボンディングされるのを防止することができるボンディング防止部材30をさらに含む。ボンディング防止部材30はスポンジ材質のフィルムで形成されてもよい。
【0353】
ボンディング防止部材30は、
図25に示すように、上部連結ブロックUBBにおいて非ボンディング領域であるコーナー連結折曲部34b3及びコーナー連結断熱材341bのそれぞれの露出面に設けられてもよい。
【0354】
また、ボンディング防止部材30は、
図26に示すように、上部連結ブロックUBBの非ボンディング領域であるコーナー連結折曲部34b3が接触する下部ブロックLBのコーナー連結防壁42bの露出面と、上部連結ブロックUBBの非ボンディング領域であるコーナー連結断熱材341bと隣接する上部ブロックUBの内側折曲部3b3及びコーナー1次断熱材32bのそれぞれの露出面に設けられてもよい。
【0355】
本実施例の上部ブロックUBは、
図18、
図28及び
図30に示すように、一定のキャップを置いて並んで配置されて下部ブロックLBの上面にボンディング結合される。このような上部ブロックUBは、外側1次プライウッド33bが下部ブロックLBにボンディングされることにより下部ブロックLBと結合されるため、接着剤20を外側1次プライウッド33bに対応する部分のコーナー2次防壁41bの上面に塗布した状態で加圧してボンディング結合する。
【0356】
このとき、上部ブロックUBと下部ブロックLBとの結合力を向上させるために、接着剤20が一定程度外にはみ出る(squeeze out)ように加圧してボンディング領域である外側1次プライウッド33bの接触面全体がコーナー2次防壁41bにボンディングされるようにする。
【0357】
また、本実施例の上部連結ブロックUBBは、
図18、
図28及び
図30に示すように、複数の上部ブロックUBが上面にボンディング結合された下部ブロックLBを隣り合って配置した状態で、隣り合う下部ブロックLBのそれぞれの上面に重畳するようにボンディング結合されて下部ブロックLB間を連結することができる。このような上部連結ブロックUBBは、コーナー第2連結プライウッド343bが下部ブロックLBにボンディングされることにより下部ブロックLBと結合されるため、接着剤20をコーナー第2連結プライウッド343bに対応する部分のコーナー連結防壁42bの上面に塗布した状態で加圧してボンディング結合する。
【0358】
このとき、上部連結ブロックUBBと下部ブロックLBとの結合力を向上させるために、接着剤20が一定程度外にはみ出る(squeeze out)ように加圧して出来る限りボンディング領域であるコーナー第2連結プライウッド343bの接触面全体がコーナー連結防壁42bにボンディングされるようにする。
【0359】
ところが、本実施例の場合、上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bと隣り合う上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bの間のギャップ、及び上部連結ブロックUBBのコーナー連結断熱材341bと上部ブロックUBのコーナー1次断熱材32bの間のキャップは、目視では接着剤20がはみ出たことが確認できないほど狭いため、スクイーズアウト(squeeze out)を確認することができない。即ち、上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBを下部ブロックLBにボンディング結合するとき、接着剤20の十分な塗布を確認することができないため、接着面積が足りなくて上部ブロックUBと下部ブロックLBの間または上部連結ブロックUBBと下部ブロックLBの間の結合力が低下するか、または隣り合うブロックUB、UBBがボンディングされるなどのボンディング結合不良が発生し得る。
【0360】
そのため、本実施例では、
図27~
図30に示すように、上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBを下部ブロックLBにボンディング結合するとき、接着剤20のスクイーズアウトを確認することができるスクイーズアウト確認手段を設けてボンディング結合不良が防止できるようにする。
【0361】
上記において、スクイーズアウト確認手段は、
図27の(a)に示すように、上部ブロックUBの外側1次プライウッド33bの両側端に設けられたチャンファーCFと、
図27の(b)に示すように、上部連結ブロックUBBのコーナー第2連結プライウッド343bの両側端に設けられたチャンファーCFであってもよい。このようなチャンファーCFは、
図28に示すように、上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBを下部ブロックLB上に配置すると、上部ブロックUBとそれに隣り合う上部ブロックUBとの間及び上部ブロックUBとそれに隣り合う上部連結ブロックUBBとの間に空間を形成し、接着剤20がスクイーズアウトされることを前方などで確認できるようにする。
【0362】
また、スクイーズアウト確認手段は、
図29の(a)に示すように、上部ブロックUBの外側1次プライウッド33bの両側縁に隣接して設けられたグルーブGVと、
図29の(b)に示すように、上部連結ブロックUBBのコーナー第2連結プライウッド343bの両側縁に隣接して設けられたグルーブGVであってもよい。このようなグルーブGVは、
図30に示すように、複数の上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBを下部ブロックLB上に配置した状態で、上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBで接着剤20がスクイーズアウトされることを前方などで確認できるようにする。
【0363】
これにより、本実施例は、上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBのそれぞれの下部層である外側1次プライウッド33b及びコーナー第2連結プライウッド343bのそれぞれにスクイーズアウト確認手段としてチャンファーCFまたはグルーブGV形状を適用することで、上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBのそれぞれのそれ自体の重量を減少させることができ、上部ブロックUB及び上部連結ブロックUBBのそれぞれにおいて接着剤20を塗布した後、スクイードアウトされる接着剤20を目視で直接確認でき、システムの安定性を向上させることができる。スクイーズアウト確認手段であるチャンファーCFとグルーブGVを比較すると、チャンファーCF形状を適用した場合がグルーブGV形状を適用した場合より塗布される接着剤20の量を増やせるため、接着力を増大させることができる。
【0364】
図33は本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンクを説明するための図である。
【0365】
図33に示すように、本発明の第10実施例による液化ガス貯蔵タンク200は、コーナー部分にコーナーブロックCBを、平坦な部分に平面ブロックFBを設けた後、タンクハル(tank hull)及びブロック設置公差によってコーナーブロックCBと平面ブロックFBが接する部分に生じるギャップを保温材で充填する作業を行う。
【0366】
通常、コーナーブロックCBと平面ブロックFBが接する部分に生じるギャップを保温材で充填する作業(ブロック連結システム設置作業)は、ギャップの大きさが一定でないため、複雑な工程と多くの時間が投入されると知られている。
【0367】
そこで、本実施例は、コーナーブロックCBと平面ブロックFBが接する部分に生じるギャップを保温材で充填する作業を単純化できるようにしており、以下で具体的に説明する。
【0368】
液化ガス貯蔵タンク100は、コーナー部分に設けられる平面ブロックFBと、平坦な部分に設けられる平面ブロックFBと、タンクハル(tank hull)及びブロック設置公差によってコーナーブロックCBと平面ブロックFBが接する部分に生じるギャップに設けられるブロック連結システム40と、を含む。
【0369】
平面ブロックFBは、金属材質のフラット1次防壁2aを固定しフラット1次防壁2aの外側に配置されるフラット1次断熱壁3aと、フラット1次断熱壁3aの外側に設けられるフラット2次防壁41aと、フラット2次防壁41aの外側に配置されて船体7に設けられるフラット2次断熱壁5aとからなり、互いに異なる角度の第1面または第2面において平坦な部分に配置されてコーナーブロックCBとともに液化ガスを収容する貯蔵空間を形成することができる。
【0370】
本実施例では、平面ブロックFBは、上述した第1実施例の平面ブロックと同一または類似する構造であってもよく、これに限定されず、既知の他の平面ブロックの構造であってもよいことは言うまでもない。
【0371】
コーナーブロックCBは、金属材質のコーナー1次防壁2bを固定しコーナー1次防壁2bの外側に配置されるコーナー1次断熱壁3bと、コーナー1次断熱壁3bの外側に設けられるコーナー2次防壁41bと、コーナー2次防壁41bの外側に配置されて船体7に設けられるコーナー2次断熱壁5bとからなり、第1、2面が接するコーナー部分に配置されて平面ブロックFBとともに液化ガスを収容する貯蔵空間を形成することができる。
【0372】
本実施例では、コーナーブロックCBは、上述した第1実施例~第9実施例のコーナーブロックと同一または類似する構造であってもよく、これに限定されず、既知の他のコーナーブロックの構造であってもよいことは言うまでもない。
【0373】
ブロック連結システム40は、平面ブロックFBのフラット2次断熱壁5aとコーナーブロックCBのコーナー2次断熱壁5bの間のギャップに設けられて平面ブロックFBとコーナーブロックCBを連結することができ、流路部材41、ブロック緩衝部材42、ブロック連結部材43を含んでもよい。
【0374】
流路部材41は、平面ブロックFBと船体7の間の第1空間とコーナーブロックCBと船体7の間の第2空間とが互いに連通するようにギャップの底に設けられてもよく、凝縮水などの液体流動通路または窒素ガス循環(N2 Gas Circulation)通路を提供することができる。
【0375】
即ち、本実施例のブロック連結部材43は、後述するが、スプレー装置50を利用して自動スプレー(automatic spray)方式で形成されるため、流路部材41がない場合、ブロック連結部材43が平面ブロックFBの下部の第1空間とコーナーブロックCBの下部の第2空間の間を遮断し、これにより、平面ブロックFBとコーナーブロックCBのそれぞれの下部を流動する凝縮水などの液体または窒素ガスの流動経路が遮断されるという問題が発生する。
【0376】
本実施例の流路部材41は網目状のメラミンフォーム(Melamine Foam)で形成されてもよく、これに限定されず、ガスや液体が通過できる他の部材で形成されるものを含んでもよい。
【0377】
ブロック緩衝部材42は、ギャップの一側面をなす平面ブロックFBの側面に先施工で設けられてもよい。
【0378】
ブロック緩衝部材42は、船体挙動による外力によって平面ブロックFBとコーナーブロックCBの間に発生するストレスまたは熱的弛緩/収縮によるストレスを緩和することができるように、軟質の断熱材で薄く作製されてもよい。ブロック緩衝部材42を形成する軟質の断熱材は、例えば、低密度ポリウレタンフォームまたはグラスウール(Glass Wool)であってもよい。即ち、軟質の断熱材で形成されるブロック緩衝部材42は、後述するブロック連結部材43のように強度部材の役割はできないが、外部のストレスを緩和する最小限の薄い厚さに加工することができる。
【0379】
ブロック連結部材43は、流路部材41及びブロック緩衝部材42が先施工された状態のギャップ内部をスプレー装置50を利用して硬質の断熱材をスプレー方式で噴射することで、後施工して設けることができる。
【0380】
ブロック連結部材43は、平面ブロックFB及びコーナーブロックCBと同一または類似する断熱性を有する材質で形成されてもよい。即ち、ブロック連結部材43は、液化ガス貯蔵タンク200の内部に充填される液化ガスの荷重に耐えられる程度の強度を有する様々な硬質の断熱材で形成されることができる。ブロック連結部材43を形成する硬質の断熱材は、例えば、高密度ポリウレタンフォームであってもよいが、これに限定されない。
【0381】
上記したブロック連結部材43は、上面レベルが平面ブロックFB及びコーナーブロックCBの上面レベルと類似または同一するように形成される。
【0382】
これにより、タンクハルの公差によって区間別のギャップの差が大きい場合、特定間隔で平面ブロックFBとコーナーブロックCBの間のギャップ値を現側(測定)した後、スプレー装置50に該当情報を入力してスプレーする断熱材の量が調整できるようにする。
【0383】
このとき、スプレー装置50は、コーナー連結防壁42bを設置するためのレールと類似または同じレールに設置できるように作製されてもよく、スプレーされる断熱材の量が平面ブロックFBとコーナーブロックCBの上面にできるだけはみ出ないように注入される断熱材の量を調整する。
【0384】
また、後続工程として、コーナー連結防壁42bを設置するために、上記したブロック連結部材43の上面レベルが平面ブロックFBとコーナーブロックCBのそれぞれの上面レベルと正確に一致しなければならない場合、断熱材の量が平面ブロックFBとコーナーブロックCBのそれぞれの上面レベルより微細に高くなるように1次施工した後、研磨機(grinding machine)を利用して突出した部位を研磨することでレベルを一致させることができる。
【0385】
本発明は上述した実施例に限定されず、上記実施例の組み合わせまたは上記実施例の少なくとも何れか1つと公知技術の組み合わせをさらに他の実施例として含むことができる。
【0386】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的な思想内で当該分野の通常の知識を有する者によりその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0387】
本発明の単純な変形ないし変更はすべて本発明の範囲に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになる。
【符号の説明】
【0388】
1、100、100a、200 液化ガス貯蔵タンク
2 1次防壁
2a フラット1次防壁
2b コーナー1次防壁
21b、121b 防壁固定部材
21b1 結合部材
122b スチフナー
3 1次断熱壁
3a フラット1次断熱壁
31a フラット1次プライウッド
32a フラット1次断熱材
33a フラット連結断熱壁
331a フラット連結プライウッド
332a フラット連結断熱材
3b コーナー1次断熱壁
3b1 内側第1固定部
3b2 内側第2固定部
31b 内側1次プライウッド
32b コーナー1次断熱材
33b 外側1次プライウッド
4313b12 内側中間固定部
31b12 内側中間プライウッド
32b12 コーナー中間断熱材
34b コーナー連結断熱壁
34b1 コーナー第1連結固定部
34b2 コーナー第1連結固定部
341b コーナー連結断熱材
342b、343b コーナー連結プライウッド
34b3 コーナー連結折曲部
3b3 内側折曲部
3b31 断熱材
3b32 断熱材
3b33 外側断熱材
3b34 内側断熱材
3b35 断熱材
3b36 断熱材
3b37 真空断熱パネル
3b4 内側第1パッキング材
3b5 内側第2パッキング材
4 2次防壁
41a フラット2次防壁
42a フラット連結防壁
41b コーナー2次防壁
42b コーナー連結防壁
5 2次断熱壁
5a フラット2次断熱壁
51a フラット2次断熱材
52a フラット2次プライウッド
5b コーナー2次断熱壁
5b1 外側第1固定部
5b2 外側第2固定部
51b 内側2次プライウッド
51b1 周辺プライウッド
51b2 傾斜プライウッド
52b コーナー2次断熱材
53b 外側2次プライウッド
5b12 外側中間固定部
51b12 外側中間プライウッド
52b12 外側中間断熱材
53b12 内側中間断熱材
5b3 外側折曲部
5b31 断熱材
5b32 断熱材
5b4 外側パッキング材
6 マスティック
7 船体
81 第1ホール
82 第2ホール
83 第3ホール
9 フォームプラグ
10 スタッフィングピース
11 胴体
12 端部
20 接着剤
30 ボンディング防止部材
40 ブロック連結システム
41 流路部材
42 ブロック緩衝部材
43 ブロック連結部材
50 スプレー装置
ED 分割方向
FB 平面ブロック
CB コーナーブロック
LB 下部ブロック
UB 上部ブロック
UBB 上部連結ブロック
CF チャンファー
GV グルーブ