(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】無線品質が低い端末の存在の判定、および端末が使用する基準信号の調整
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20241021BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20241021BHJP
H04W 68/02 20090101ALI20241021BHJP
H04W 76/20 20180101ALI20241021BHJP
H04W 74/0833 20240101ALI20241021BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W72/232
H04W68/02
H04W76/20
H04W74/0833
(21)【出願番号】P 2022581506
(86)(22)【出願日】2021-06-26
(86)【国際出願番号】 IB2021055718
(87)【国際公開番号】W WO2022003520
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-28
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【氏名又は名称】森 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】デーニエラ ラセルバ
(72)【発明者】
【氏名】ヌーノ キーレレク プラタス
(72)【発明者】
【氏名】ヨルマ カイッコネン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-519214(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0053818(US,A1)
【文献】CATT,Summary of UE Power Saving Schemes,3GPP TSG RAN WG1#96 R1-1903737,フランス,3GPP,2019年03月03日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかに遷移することと、
セルとの同期のために、追加の基準信号の必要性に関する情報を取得することと、
前記セルに、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信することと、
前記送信に応答して、前記アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することと、
前記追加の基準信号構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として前記追加の基準信号を使用して、前記セルと同期させることと、
を含
み、
前記情報を取得することは、少なくとも、1つ以上の無線品質指標が低いとみなされると判断することによって実行され、
追加の基準信号が同期のために必要であるという前記指示を前記送信することは、前記1つ以上の無線品質指標が低いと判断されるという判断に応答する、
ユーザ機器によって実行される方法。
【請求項2】
同期のために追加の基準信号が必要であるという前記指示を前記送信することは、前記1つ以上の無線品質指標が低いとみなされるという指示を送信することを含む、
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の無線品質指標は、信号対干渉プラスノイズ比、基準信号受信電力、または、基準信号受信品質のうちの1つ以上を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
同期のために追加の基準信号が必要であるという前記指示は、無線通知領域更新メッセージにおいて、または、ランダムアクセス手順において、送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記追加の基準信号が、トラッキング基準信号、または、チャネル状態情報基準信号のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記セルと同期するために、少なくとも同期を目的として、前記追加の基準信号を前記使用することは、前記セルに対するページング機会におけるページング指示および/またはページングメッセージをモニタする準備ができるように、前記追加の基準信号を使用して、前記セルと同期すること、または、時間誤差または周波数誤差のオフセット推定、復調のためのトラッキング、または、モビリティのための基準信号受信電力測定のために、前記追加の基準信号を使用すること、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザ機器における無線リンク品質が高いと判断されたことに応答して、前記追加の基準信号を無視することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記追加の基準信号の構成についての情報は、基準信号の構成の指示、または、前記セルの送信に、追加の基準信号が存在するという指示の一方または両方を含む、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
無線ネットワーク内のセルの基地局によって実行される方法であって、
アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することと、
サービングセルの前記基地局が、前記ユーザ機器を前記アイドル状態または前記非アクティブ状態のうちの1つに遷移させることと、
前記追加の基準信号の構成に従って、前記ユーザ機器に向けて、前記追加の基準信号を送信することと、
ターゲットセルから、前記ユーザ機器のコンテキストに対する要求を受信することと、
前記要求に応答して、前記ユーザ機器に向かって、前記追加の基準信号を送信することを停止することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記追加の基準信号の構成についての情報は、基準信号の構成の指示、または、前記セルの送信に、追加の基準信号が存在するという指示の一方または両方を含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を前記送信することは、前記ユーザ機器が、前記アイドル状態または前記非アクティブ状態のうち
の選択された1つに入る前に実行される、
請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザ機器へ追加の基準信号を前記送信することは、前記サービングセルの前記基地局による前記ユーザ機器へのページング機会の送信の前に実行される、
請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記要求に応答して、前記サービングセルの前記基地局から、前記ターゲットセルに向けて、前記アイドル状態または前記非アクティブ状態のいずれかのときに、前記サービングセル内の前記ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、前記アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかの前記ユーザ機器から、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を受信することを含み、
前記追加の基準信号を前記送信することは、追加の基準信号が同期のために必要であるという前記指示を前記受信することに応答して実行される、
請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記アイドル状態または非アクティブ状態の前記ユーザ機器によって使用される前記追加の基準信号の構成についての前記情報を送信することは、無線リソース制御メッセージを用いることを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記無線リソース制御メッセージは、サスペンド指示を伴う無線リソース制御リリースメッセージを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかに遷移するための手段と、
セルとの同期のために、追加の基準信号の必要性についての情報を取得するための手段と、
前記セルに対して、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信するための手段と、
前記送信することに応答して、前記アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信するための手段と、
前記追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として、前記追加の基準信号を使用して、前記セルと同期させるための手段と、
を備え
、
情報を前記取得することは、少なくとも、1つ以上の無線品質指標が低いとみなされると判断することによって実行され、
追加の基準信号が同期のために必要であるという前記指示を前記送信することは、前記1つ以上の無線品質指標が低いとみなされるという前記判断に応答する、
装置。
【請求項18】
追加の基準信号が同期のために必要であるという前記指示を前記送信することは、前記1つ以上の無線品質指標が低いとみなされるという指示を送信することを含む、
請求項
17に記載の装置。
【請求項19】
前記1つ以上の無線品質指標は、信号対干渉プラスノイズ比、基準信号受信電力、または、基準信号受信品質のうちの1つ以上を含む、請求項
17に記載の装置。
【請求項20】
同期のために追加の基準信号が必要であるという前記指示は、無線通知領域更新メッセージにおいて、または、ランダムアクセス手順において、送信される、請求項
17記載の装置。
【請求項21】
前記追加の基準信号は、トラッキング基準信号、または、チャネル状態情報基準信号のうちの1つ以上を含む、請求項
17に記載の装置。
【請求項22】
前記セルと同期するために、少なくとも同期を目的として、前記追加の基準信号を前記使用することは、前記セルに対するページング機会におけるページング指示またはページングメッセージをモニタする準備ができるように、前記セルと同期するために追加の基準信号を使用すること、または、時間または周波数誤差オフセット推定のため、復調のためのトラッキングのため、または、モビリティのための基準信号受信電力測定のために、前記追加の基準信号を使用すること、の少なくとも1つを含む、請求項
17に記載の装置。
【請求項23】
前記装置における無線リンク品質が高いと判断されることに応答して、前記追加の基準信号を無視するための手段をさらに有する、請求項
17に記載の装置。
【請求項24】
追加の基準信号の構成についての前記情報は、追加の基準信号の構成の指示、または、前記セルの送信に基準信号が存在することの指示の一方または両方を含む、請求項
17乃至
23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信するための手段と、
前記ユーザ機器を前記アイドル状態または前記非アクティブ状態のうちの1つに移行させるための手段と、
前記追加の基準信号の構成に従って、前記ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信するための手段と、
前記ユーザ機器のコンテキストに関するターゲットセルからの要求を受信する手段と、
前記要求に応答して、前記ユーザ機器に向かって、前記追加の基準信号を前記送信することを停止する手段と、
を備える装置。
【請求項26】
前記追加の基準信号の構成についての情報は、基準信号の構成の指示、または
、セルの送信に追加の基準信号が存在するという指示の一方または両方を含む、請求項
25に記載の装置。
【請求項27】
前記ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することは、前記ユーザ機器が、前記アイドル状態または前記非アクティブ状態のうち
の選択された1つに入る前に実行される、請求項
25に記載の装置。
【請求項28】
前記ユーザ機器へ向けて、追加の基準信号を前記送信することは、前記ユーザ機器へのページング機会の送信の前に行われる、
請求項
25に記載の装置。
【請求項29】
前記要求に応答して、前記ターゲットセルに向けて、前記アイドル状態または前記非アクティブ状態のいずれかのときに
、サービングセル内の前記ユーザ機器によって使用される前記追加の基準信号の構成についての情報を送信するための手段をさらに有する、請求項
25に記載の装置。
【請求項30】
前記アイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つの前記ユーザ機器から、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を受信するための手段をさらに有し、
前記追加の基準信号を前記送信することは、追加の基準信号が同期のために必要であるという前記指示を前記受信することに応答して実行される、
請求項
25に記載の装置。
【請求項31】
前記アイドル状態または非アクティブ状態の前記ユーザ機器によって使用される前記追加の基準信号の構成についての前記情報を送信することは、無線リソース制御メッセージを用いることを含む、請求項
30に記載の装置。
【請求項32】
前記無線リソース制御メッセージは、サスペンド指示を伴う無線リソース制御リリースメッセージを含む、請求項
31に記載の装置。
【請求項33】
前記手段は、
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリであって、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記装置
の性能を発揮させるように構成される、少なくとも1つのメモリと、
を備える、請求項
17乃至
32のいずれか一項に記載の装置。
【請求項34】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、
アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかに移行することと、
セルとの同期を目的として、追加の基準信号の必要性についての情報を取得することと、
前記セルに対して、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信することと、
前記送信することに応答して、前記アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することと、
前記追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として、前記追加の基準信号を使用して、前記セルと同期することと、
を実行させるように構成さ
れ、
情報を前記取得することは、少なくとも、1つ以上の無線品質指標が低いとみなされると判断することによって実行され、
追加の基準信号が同期のために必要であるという前記指示を前記送信することは、前記1つ以上の無線品質指標が低いとみなされるという前記判断に応答する、
その上に格納された命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、プロセッサに、
アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することと、
サービングセルの基地局が、前記ユーザ機器を前記アイドル状態または前記非アクティブ状態のうちの1つに遷移させることと、
前記追加の基準信号の構成に従って、前記ユーザ機器に向けて、前記追加の基準信号を送信することと、
ターゲットセルから、前記ユーザ機器のコンテキストに対する要求を受信することと、
前記要求に応答して、前記ユーザ機器に向かって、前記追加の基準信号を送信することを停止することと、
を実行させるように構成される、その上に格納された命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における例示的な実施形態は、総じて、無線通信ネットワークに関し、より具体的には、無線ネットワークにおけるユーザ機器(UE)の存在を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークにおけるユーザ機器(UE)は、接続(Connected)状態、非アクティブ(Inactive)状態、および、アイドル(Idle)状態など、設定可能ないくつかの状態を有する。非アクティブ状態およびアイドル状態は、接続状態に対してより多くの電力を節約することを可能にする。しかしながら、非アクティブ状態およびアイドル状態では、接続状態によって許可される接続オプションはほとんど許可されない。特に、非アクティブ状態およびアイドル状態は、接続状態に比べて制限も多くなっている。
【0003】
たとえば、非アクティブ状態のUEはセルに「キャンプ」している場合があるが、これは、UEが実際にはセルに「接続」されておらず、データを送信する前にランダムアクセスチャネル(RACH)プロセスを通過する必要があることを意味する。UEは非アクティブ状態のときにページングされることがあり、UEはウェイクアップし、UEが実際にページングされているか否かを判断するために、ページングオケージョン(PO)を確認する必要がある。ページングは、セルおよびその対応するネットワークがUE用のデータ(場合によっては、音声通話を含む)を持っていることを示す。
【0004】
UEは、POを受信できるようにするために、セルと同期する必要がある。とりわけ、その同期プロセスは改善される可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本項は、実施例を含むことを意図しており、限定することを意図していない。
【0006】
例示的な実施形態では、ユーザ機器が、アイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つに遷移することと、ユーザ機器が、1つ以上のセルとの同期目的のための追加の基準信号の必要性に関する情報を取得することと、を含む方法が開示される。本方法は、ユーザ機器が、1つ以上のセルに対して、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信することを含む。本方法はさらに、ユーザ機器において、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することを含む。本方法はまた、ユーザ機器が、追加の基準信号構成に従って、追加の基準信号をモニタすることと、少なくとも同期のために、追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期をとることと、を含む。
【0007】
追加の例示的な実施形態は、コンピュータプログラムが、プロセッサ上で実行される場合に、前項の方法を実行するためのコードを含む、コンピュータプログラムを含む。本項によるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、コンピュータと共に使用するためにその中に具現化されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラムプロダクトである。他の例は、本項によるコンピュータプログラムであって、プログラムが、コンピュータの内部メモリに直接ロード可能である、コンピュータプログラムである。
【0008】
例示的な装置は、1つ以上の複数のプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む1つ以上のメモリと、を含む。1つ以上のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプロセッサと共に、装置に、ユーザ機器が、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかに遷移することと、ユーザ機器が、1つ以上のセルとの同期のために追加の基準信号の必要性に関する情報を取得することと、ユーザ機器が、1つ以上のセルに、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信することと、ユーザ機器において、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することと、ユーザ機器が、追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期の目的で追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期をとることと、を含む動作を実行させるように構成される。
【0009】
例示的なコンピュータプログラム製品は、コンピュータと共に使用するために、その中に具現化されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータプログラムコードは、ユーザ機器が、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかに遷移するためのコードと、ユーザ機器が、1つ以上のセルとの同期のために、追加の基準信号の必要性に関する情報を取得するためのコードと、ユーザ機器が、1つ以上のセルに対して、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信するためのコードと、ユーザ機器において、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態において使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信するためのコードと、ユーザ機器が、追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期させるためのコードと、を含む。
【0010】
他の例示的な実施形態では、装置は、ユーザ機器が、アイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つに遷移することと、ユーザ機器が、1つ以上のセルとの同期のために、追加の基準信号の必要性に関する情報を取得することと、ユーザ機器が、1つ以上のセルに、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信することと、ユーザ機器において、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することと、ユーザ機器が、追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期をとることと、を実行するための手段を備える。
【0011】
例示的な実施形態において、無線ネットワークにおけるセルが、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することを含む方法が開示される。本方法は、また、セルが、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて追加の基準信号を送信することを含む。
【0012】
追加の例示的な実施形態は、コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行されるときに、前の段落の方法を実行するためのコードを含むコンピュータプログラムを含む。本段落によるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、コンピュータと共に使用するために具現化されたコンピュータプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品である。他の例は、本段落によるコンピュータプログラムであり、プログラムは、コンピュータの内部メモリに直接ロード可能である。
【0013】
例示的な装置は、1つ以上のプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む1つ以上のメモリとを含む。1つ以上のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプロセッサにより、装置に、無線ネットワーク内のセルが、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかのときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することと、セルが、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することと、を含む動作を実行させるように構成される。
【0014】
例示的なコンピュータプログラム製品は、コンピュータで使用するためのコンピュータプログラムコードをその中に具現化したコンピュータ読取可能な記憶媒体を含む。コンピュータプログラムコードは、無線ネットワークにおけるセルが、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかのときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信するためのコードと、セルが、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信するためのコードと、を含む。
【0015】
他の例示的な実施形態において、装置は、無線ネットワーク内のセルが、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかのときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することと、セルが、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することと、を実行するための手段を備える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
添付の図面は、例示的な方法または方法の動作、コンピュータ可読メモリ上に具現化されたコンピュータプログラム命令の実行結果、ハードウェアに実装された論理によって実行される機能、および/または、例示的な実施形態に従って機能を実行するための相互接続手段を説明する図である。
【
図1】
図1は、例示的な実施形態が実践され得る、1つの可能かつ非限定的な例示的なシステムのブロック図である。
【
図2】
図2は、状態遷移を含む、NR(5G)状態マシンのブロック図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態を示す例示的な信号伝達フローである。
【
図3A】
図3Aは、
図3と同様の例示的なシグナリングフローであるが、例示的な実施形態において、サービングセルおよびターゲットセルが両方とも単一のgNBにある(および、それによって形成される)。
【
図4】
図4は、ユーザ機器およびセルによって実行される論理フロー図である。
【
図5】
図5は、ユーザ機器およびセルによって実行される論理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書および/または図面に見られる略語は、詳細な説明の最後に定義されている。
【0018】
語句「例示的」は、本明細書において、「例、実例、または、例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書において、「例示的」として説明される任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい、または、有利であると解釈されるものではない。この詳細な説明に記載された全ての実施形態は、当業者が本発明を実施または使用できるようにするために提供される例示的な実施形態であり、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するものでない。
【0019】
本明細書内で複数の図面参照数字、単語、または略語が「/」と共に使用される場合、および、一般的に、本明細書内で使用される「/」は、「または」、「および」、または、「両方」のいずれかとして解釈される場合がある。
【0020】
本明細書における例示的な実施形態は、低SINRなどの低い無線品質指標を有するUEの存在を決定し、例えば、非アクティブ状態またはアイドル状態のときに、これらのUEが使用するための基準信号(RS)を調整するための技法について説明する。これらの技法の追加の説明は、例示的な実施形態が使用され得るシステムについて説明した後に示される。
【0021】
図1に戻ると、この図は、例示的な実施形態が実施され得る、1つの可能かつ非限定的な例示的システムのブロック図を示す。ユーザ機器(UE)110、無線アクセスネットワーク(RAN)ノード170および170-1、ならびに、ネットワーク要素(複数可)190が図示されている。
図1において、ユーザ機器(UE)110は、無線ネットワーク100と無線通信を行っている。UEは、無線ネットワークにアクセスすることができる、無線、典型的には、携帯端末である。UE110は、1つ以上のプロセッサ120と、1つ以上のメモリ125と、1つ以上のバス127を介して相互接続された1つ以上のトランシーバ130と、を含む。1つ以上のトランシーバ130の各々は、受信機Rx、132、および、送信機Tx、133を含む。1つ以上のバス127は、アドレス、データ、または、制御バスであってもよく、マザーボードまたは集積回路上の一連の配線、光ファイバ、または、他の光通信装置等、任意の相互接続機構を含んでもよい。1つ以上のトランシーバ130は、1つ以上のアンテナ128に接続されている。1つ以上のメモリ125は、コンピュータプログラムコード123を含む。UE110は、多くの方法で実装されてもよい、部分140-1および/または140-2の一方または両方を含む、制御モジュール140を含む。制御モジュール140は、1つ以上のプロセッサ120の一部として実装される等、制御モジュール140-1としてハードウェアで実装されてもよい。制御モジュール140-1は、集積回路として実装されてもよいし、プログラマブルゲートアレイ等の他のハードウェアによって実装されてもよい。他の例では、制御モジュール140は、コンピュータプログラムコード123として実装され、1つ以上のプロセッサ120によって実行される制御モジュール140-2として実装されてもよい。例えば、1つ以上のメモリ125およびコンピュータプログラムコード123は、1つ以上のプロセッサ120と共に、ユーザ機器110に、本明細書で説明するような動作のうちの1つ以上を実行させるように構成されてもよい。UE110は、無線リンク111を介してRANノード170と通信し、無線リンク111-1を介してRANノード170-1と通信する。
【0022】
2つのRANノード170、170-1が図示されており、UE110は、いずれかのノード(または両方)に接続することができる。一例では、RANノード170は、サービングgNB、または、(サービングgNBの)サービングセルである。参照を容易にするために、これは、いくつかの例において、サービングgNB/セル170、サービングgNB、または、サービングセルと呼ばれる。同様に、RANノード170-1は、ターゲットgNB、または、(ターゲットgNBの)ターゲットセルである。参照を容易にするために、これは、いくつかの例において、ターゲットgNB/セル170-1、または、ターゲットgNB、または、ターゲットセルと呼ばれる。また、参照を容易にするために、RANノード170および170-1の両方は類似していると仮定し、したがって、ここではRANノード170の回路のみを説明する。
【0023】
RANノード170は、UE110等の無線機器による無線ネットワーク100へのアクセスを提供する基地局である。RANノード170は、例えば、新無線(NR)とも呼ばれる5Gのための基地局であってもよい。5Gでは、RANノード170は、gNBまたはng-eNBのいずれかとして定義されるNG-RANノードであってよい。gNBは、NRユーザプレーンおよび制御プレーンプロトコル終端をUEに提供するノードであり、NGインタフェースを介して5GC(例えば、ネットワーク要素(複数可)190)に接続される。ng-eNBは、E-UTRAユーザプレーンおよび制御プレーンプロトコル終端をUEに提供するノードであり、NGインタフェースを介して5GCに接続される。NG-RANノードは、複数のgNBを含んでもよく、それは、中央ユニット(CU)(gNB-CU)196および分散ユニット(DU)(gNB-DU)を含んでもよく、そのうちのDU195が示される。なお、DUは、無線ユニット(RU)を含むか、または、無線ユニットに結合して制御することができる。gNB-CUは、gNBのRRC、SDAPおよびPDCPプロトコル、または、en-gNBのRRCおよびPDCPプロトコルをホストする論理ノードであり、1つ以上のgNB-DUの動作を制御する。gNB-CUは、gNB-DUに接続されたF1インタフェースを終端する。F1インタフェースは、参照番号198として図示されているが、参照番号198は、gNB-CU196とgNB-DU195との間など、RANノード170のリモート要素とRANノード170の集中要素との間のリンクも図示するものである。gNB-DUは、gNBまたはen-gNBのRLC、MAC、および、PHY層をホストする論理ノードであり、その動作はgNB-CUによって部分的に制御される。1つのgNB-CUは、1つ以上のセルをサポートする。1つのセルは、1つのgNB-DUのみによってサポートされる。gNB-DUは、gNB-CUと接続されたF1インタフェース198を終端する。なお、DU195は、例えば、RUの一部としてトランシーバ160を含むと考えられるが、一部の例では、例えば、DU195の制御下にあり、DU195に接続された、別のRUの一部として、トランシーバ160を備えてもよい。また、RANノード170は、LTE(long term evolution)用のeNB(evolved NodeB)基地局、または、他の任意の適切な基地局であってもよい。
【0024】
RANノード170は、1つ以上のプロセッサ152と、1つ以上のメモリ155と、1つ以上のネットワークインタフェース(N/W I/F(複数可))161と、1つ以上のバス157を介して相互接続された1つ以上のトランシーバ160と、を含む。つ以上のトランシーバ160の各々は、受信機Rx、162と、送信機Tx、163と、を含む。1つ以上のトランシーバ160は、1つ以上のアンテナ158に接続されている。1つ以上のメモリ155は、コンピュータプログラムコード153を含む。CU196は、プロセッサ(複数可)152と、メモリ155と、ネットワークインタフェース161と、を含んでよい。DU195は、また、それ自身のメモリ/メモリおよびプロセッサ(複数可)、および/または、他のハードウェアを含んでもよいが、これらは示されていないことに留意されたい。
【0025】
RANノード170は、多くの方法で実装され得る、部分150-1および/または150-2のうちの1つまたは両方を含む制御モジュール150を含む。制御モジュール150は、1つ以上のプロセッサ152の一部として実装される等、制御モジュール150-1として、ハードウェアで実装されてもよい。制御モジュール150-1は、集積回路として実装されてもよいし、プログラマブルゲートアレイ等の他のハードウェアを通じて実装されてもよい。別の例では、制御モジュール150は、コンピュータプログラムコード153として実装され、1つ以上のプロセッサ152によって実行される、制御モジュール150-2として実装されてもよい。例えば、1つ以上のメモリ155およびコンピュータプログラムコード153は、1つ以上のプロセッサ152と共に、RANノード170に、本明細書で説明するような動作の1つ以上を実行させるように構成される。制御モジュール150の機能は、DU195とCU196との間に分散される等、分散されてもよく、または、DU195にのみ実装されてもよいことに留意されたい。
【0026】
1つ以上のネットワークインタフェース161は、リンク176および131を介する等、ネットワークを介して通信する。2つ以上のRANノード170、170-1は、例えば、リンク176を使用して通信する。リンク(複数可)176は、有線または無線、あるいは、その両方であってよく、例えば、5G用のXnインタフェース、LTE用のX2インタフェース、または、他の規格用の他の適切なインタフェースを実装してもよい。
【0027】
1つ以上のバス157は、アドレスバス、データバス、または、制御バスであってもよく、マザーボードまたは集積回路上の一連の配線、光ファイバまたは他の光通信機器、無線チャネル等の任意の相互接続機構を含んでもよい。例えば、1つまたは複数のトランシーバ160は、LTEのためのリモート無線ヘッド(RRH)195、または、5GのためのgNB実装のための分散ユニット(DU)195として実装されてよく、RANノード170の他の要素は、RRH/DUと物理的に異なる場所にあってよく、1つ以上のバス157は、部分的に、例えば、光ファイバケーブルまたは他の適切なネットワーク接続に実装されて、RANノード170の他の要素(例えば、中央装置(CU)、gNB-CU)をRRH/DU195に接続してよい。参照番号198はまた、それらの適切なネットワークリンク(複数可)を示す。
【0028】
特定の例では、gNB/セル表記が使用される。これに対処するため、本明細書における説明では、「セル」が機能を実行することを示すが、セルを形成する基地局が機能を実行することは明らかであることに留意されたい。セルは、基地局の一部を構成する。すなわち、1つの基地局につき、複数のセルが存在し得る。例えば、1つの搬送波周波数、および、関連する帯域幅に対して、3つのセルが存在し、各セルは360度のエリアの3分の1をカバーし、1つの基地局のカバーエリアが、ほぼ楕円または円をカバーするようにすることができる。さらに、各セルは1つのキャリアに対応し、1つの基地局が複数のキャリアを使用することも可能である。つまり、1キャリアあたり120度のセルが3つあり、キャリアが2つあれば、基地局は合計6つのセルを持つことになる。
【0029】
無線ネットワーク100は、コアネットワーク機能を含み、かつ、電話網および/またはデータ通信ネットワーク(例えば、インターネット)等のデータネットワーク191とのリンクまたは複数のリンク181を介して、接続を提供する、ネットワーク要素または複数の要素190を含んでよい。5Gのためのそのようなコアネットワーク機能は、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF(複数可))、および/または、ユーザプレーン機能(UPF(複数可))、および/または、セッション管理機能(SMF(複数可))を含んでもよい。LTEのこのようなコアネットワーク機能は、MME(モビリティ管理エンティティ)/SGW(サービングゲートウェイ)機能を含んでもよい。これらは、ネットワーク要素(複数可)190によってサポートされ得る単なる例示的な機能であり、5GおよびLTE機能の両方がサポートされ得ることに留意されたい。RANノード170は、リンク131を介して、ネットワーク要素190に結合される。リンク131は、例えば、5G用のNGインタフェース、または、LTE用のS1インタフェース、または他の規格用の他の適切なインタフェースとして実装されてもよい。ネットワーク要素190は、1つ以上のバス185を介して相互接続された、1つ以上のプロセッサ175と、1つ以上のメモリ171と、1つ以上のネットワークインタフェース(N/W I/F(複数可))180と、を含む。1つ以上のメモリ171は、コンピュータプログラムコード173を含む。1つ以上のメモリ171およびコンピュータプログラムコード173は、1つ以上のプロセッサ175と共に、ネットワーク要素190に1つ以上の動作を実行させるように構成される。
【0030】
無線ネットワーク100は、ハードウェアおよびソフトウェアのネットワークリソースおよびネットワーク機能を単一のソフトウェアベースの管理エンティティである仮想ネットワークに結合するプロセスである、ネットワーク仮想化を実装してもよい。ネットワーク仮想化には、プラットフォーム仮想化が含まれ、しばしばリソース仮想化と組み合わされる。ネットワーク仮想化は、多くのネットワークまたはネットワークの一部を仮想ユニットに統合する外部型と、単一システム上のソフトウェアコンテナに、ネットワークのような機能を提供する内部型に分類される。ネットワーク仮想化の結果として生じる仮想化されたエンティティは、プロセッサ152または175、あるいは、メモリ155および171等のハードウェアを使用して、あるレベルではまだ実装されており、また、そのような仮想化されたエンティティは、技術的効果を生み出すことに注意されたい。
【0031】
コンピュータ可読メモリ125、155、および、171は、ローカルな技術環境に適した任意のタイプであってよく、半導体ベースのメモリ装置、フラッシュメモリ、磁気メモリ装置およびシステム、光学メモリ装置およびシステム、固定メモリおよび取り外し可能メモリ等の任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ可読メモリ125、155、および171は、記憶機能を実行するための手段であってもよい。プロセッサ120、152、および、175は、ローカルな技術環境に適した任意のタイプであってよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および、マルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでもよい。プロセッサ120、152、および、175は、UE110、RANノード170、および、本明細書に記載の他の機能の制御等を行う機能を実行するための手段であってよい。
【0032】
一般に、ユーザ機器110の様々な実施形態は、スマートホン等の携帯電話、タブレット、無線通信機能を有するパーソナルデジタルアシスタント(PDA)、無線通信機能を有する携帯コンピュータ、無線V2X(ビークルトゥエブリシング)通信用のモデム装置を有する車両、無線通信機能を有するデジタルカメラ等の画像撮影装置、無線通信機能を有するゲーム機器、無線通信機能を有する音楽保存・再生機器、無線インターネットアクセスおよび場合によってはブラウジングを可能にするインターネット機器(モノのインターネット(IoT)機器を含む)、無線通信機能を有する無線通信タブレットを備えた自動化アプリケーション用のセンサーおよび/またはアクチュエータを有するIoT機器、さらに、これらの機能を組み合わせた携帯ユニットまたは端末を含むことができるが、これらには限定されない。
【0033】
このように、例示的な実施形態の実施に好適であるが非限定的な1つの技術的背景を示したが、次に、例示的な実施形態について、より具体的に説明する。
【0034】
本明細書における例示的な実施形態は、UEの状態、特にRRCアイドル状態および非アクティブ状態に関するものである。
図2は、状態遷移を含む、NR(5G)状態機械のブロック図である。
図2において、RRC接続状態210があり、これは、RRC_CONNECTEDまたはRRC接続または接続されたRRCとも表記される場合がある。RRC_INACTIVEまたはRRC非アクティブまたは非アクティブRRCと表記さていてもよいRRC非アクティブ状態220がある。最後の状態は、RRCアイドル状態230であり、これは、RRC_IDLEまたはRRCアイドルまたはアイドルRRCと表記されることがある。データ転送を含む遷移240、RRC状態遷移時間満了またはデータ非アクティブを含む遷移250、および、過負荷または「故障」ケースを含む遷移260が存在する。また、RRC非アクティブ状態がRRC非アクティブモードと同じであるように、「状態」が「モード」と呼ばれることがあることに留意されたい。
【0035】
RRC_INACTIVE状態220とRRC_CONNECTED状態210との間には、レジューム遷移240と、サスペンド遷移250と、リジェクト遷移260と、が生じる。RRC_IDLE状態230とRRC_CONNECTED状態210との間には、確立遷移240と、リリース遷移250と、リジェクト遷移260と、が生じる。RRC_INACTIVE状態220とRRC_IDLE状態230との間には、リリース遷移260が存在する。
【0036】
本明細書の例示的な実施形態は、RRC非アクティブ状態またはアイドル状態のUEに対する最適化に関するものであってよい。RRC非アクティブ状態220またはアイドル状態230のいずれかにあるとき、UEは、ページングを定期的にモニタしなければならない。これは、ネットワークで定義されたページングサイクル(例えば、RRC非アクティブ状態220にあるUEの非アクティブ-DRXサイクル)に従って実行される。UE識別子に基づいて、正しいページング機会(PO)を決定することをUEおよびネットワークで可能にするルールが知られている(3GPP(登録商標) TS 36.304、および、3GPP(登録商標) TS 38.304を参照)。UE識別子は5G-RAN内で既知であるため、トラッキングエリア内のCNレベルのページング、および、RAN通知エリア(RNA)内のRANレベルのページングを可能にするために、5G-RAN内でPOを決定することができる。しかしながら、POにおけるページングをモニタする前に、UEは、トラッキング、および、サービングセルとのダウンリンク同期を時間/周波数で実行する必要がある。従来技術では、RRC非アクティブまたはアイドル状態のUEは、SSBに基づいて、これらの動作を実行する必要がある。
【0037】
さらに、ネットワークに対して透過的に、以下のように、UEがRRC非アクティブのときに、RNA内にUEモビリティが存在する場合がある。
1)RRC非アクティブ状態のUEの位置は、RNAレベルでのみ知られている。
2)UEが定期的にRNA更新を行い、RNA内における存在を通知する。
3)RNAエリアの通過時に、UEはネットワークにもそのようなイベントを通知する。
【0038】
例示的な実施形態はまた、UE省電力機能強化に関するRel-17 WID(RP-193239)の一部としてRel-17中に定義される予定のRRC_Inactive(および、アイドル)UE用のトラッキング基準信号(TRS)/チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を提供することによって、RRC非アクティブUEのスリープ時間を増加させるメカニズムに関連しうる。
【0039】
NRにおけるTRS/CSI-RSの多くの機能のうち、この文脈では、これらのRSは、同期、復調のための時間/周波数トラッキング、モビリティのための基準信号受信電力(RSRP)の測定をサポートする。現在定義されているTRS/CSI-RSは、RRC接続状態210にのみ適用可能である。なお、TRSは、複数の周期的なCSI-RSを含むリソースセットである。TRS/CSI-RSは、UE毎に設定されるが、複数のUEが同じRSリソースを共有することができる。NRは、TRS/CSI-RSの構成に関して、大きな柔軟性をサポートする。例えば、リソースは最大32ポートまで設定可能で、密度は完全に設定可能である。時間領域では、CSI-RSリソースは、スロットの任意のOFDMシンボルで開始でき、リソースは、設定されたポート数に応じて、1、2、または4個のOFDMシンボルにまたがっている。CSI-RSは、周期的、半周期的、または、非周期的(DCIトリガ)であり得る。時間周波数トラキングのユースケースの場合、CSI-RSは、周期的、または、非周期的であり、1つのポートが構成され、信号は、1つまたは2つのスロットに広がる、2つまたは4つのシンボルのバーストで送信されてよい。
【0040】
RRCアイドル/非アクティブUEに、このようなTRS/CSI-RSプロビジョニングを導入することにより、UEは、ページングモニタリングの前に、時間/周波数でトラッキングおよびDL同期を実行するための柔軟性および省電力を得ることができる。UEは、UEのページングサイクルの少し前、即ち、ページング機会のモニタのためにUEがウェイクアップする必要がある時間の少し前に、NG-RANノードによって起動されるべきアイドルおよび非アクティブモード用のTRS/CSI-RSを使用できるため、UEのスリープ時間の増加、ひいては節電につながる。このようにして、UEは、多数の(その後の)SSB期間(ページングサイクルと整合していない場合もある)に覚醒(awake)することを回避することができる。基本的に、UEは、UEがページングモニタリングのために準備する必要がある基準信号を正確に検出し、SSBで行ったのと同じ方法でTRS/CSI-RSを使用することができる。
【0041】
この目的のために、ダウンリンク無線リソースを確保する必要がある場合があるため、UEへのTRS/CSI-RSのプロビジョニングに関連するNG-RAN170のシグナリングオーバヘッドが存在する。したがって、NG-RANノードが、RRC非アクティブまたはアイドル状態のUEに、TRS/CSI-RSを提供する目的で、追加のリソースを費やす余裕があると仮定すると、これらのRSは、UEにとって有用であるためには、正しいセルで、正しい時刻に、正しいUEに対して、正しい量で、利用できなければならない。UEの完全なRNAにおいて、このUE省電力機能を有用とし、かつ、サポートするために、NG-RANは、以下を決定/認識する必要がある。
1)いつ、NG-RANが、これらのRSを提供すべきか(例えば、RRC非アクティブ状態のUEがこれらを要求する場合)、および、
2)どのセル(複数可)に、NG-RANがこれらのRSを提供すべきか(例えば、UEが存在するセル内)
【0042】
このような知識を得て、追加のRSのサポートを効率的に行うには、UEから提供され、例えば、Xnインタフェースを介して交換される、RRCアイドルモードまたは非アクティブモードのUEに使用されるTRS/CSI-RSに関する何らかの情報が必要である。
【0043】
さらに、良好なSINRを有するUEは、典型的には、1つのSSBバーストに基づいて、サービングセルとのダウンリンク同期を処理することができるが、SINRが低いUEは、ダウンリンクにおいてネットワークと十分に同期するために、ページング機会(PO)の前に、N個(例えば、3~8個以上)のSSBバーストを処理する必要がある。特に、PDSCHの復号は、PDSCHチャネルにおけるRSの密度が低いため、同期に対してより影響を受けやすい場合がある。これは、スリープ時間の短縮につながる。また、SINR(または、低い無線チャネル品質を示し得る他の無線品質指標)が低いUEは、それらのPOの前に提供される十分な数の追加のTRS/CSI-RSから利益を得るが、SINRが良好なUEに対しては、これらからあまり利益を得ない可能性があることを意味している。これらは、ネットワーク信号の追加コストがかかるだけかもしれない。
【0044】
さらに、例えば、Release-17の一部として、3GPP(登録商標)においてCSI-RSの存在を決定する場合、UEの自律的な検出に任せるのか、あるいは、SIB等でTRS/CSI-RSの存在(アクティブ化/非アクティブ化)のネットワーク表示があるのかは、未解決の問題である。UEは、受信したSSBに基づいて、準コロケーション(QCL)シナリオでTRS/CSI-RSの存在を自律的に検出することができると想定されている。TRS/CSI-RSは、SSBと時間的に近接し、SSBと比較して一定のパワーオフセットを有し、既知の(擬似)シーケンスで、送信されることが期待される。また、TRS/CSI-RSは、それらが十分に強いと検出された場合、UEによって使用され、そうでない場合は無視されることが予想される。しかしながら、TRS/CSI-RSの存在がネットワークによって示されない場合、以下のオプションのいずれかが実行される可能性がある。
【0045】
1)CSI-RSが存在しない場合(POにおいてPDCCH内のページングDCIをモニタし、PDSCH内の関連するページングメッセージを復号できるように)、UEがネットワークとのダウンリンク同期を確実に行い、POに備えられるように、POよりN個のSSB期間前にUEを起動することが依然として必要とされる。このオプションは、UEの省電力化を促進することになる。
【0046】
2)UEは、CSI-RSの存在を期待しながら、PO前の最後のSSBで起動する必要がある。しかしながら、CSI-RSが存在しない/使用できない場合、POの検出はおそらく失敗し、同期が完了する前にUEは追加のSSBをモニタする必要がある。このオプションでは、追加のページング信号と遅延のコストをかけて、UEを再びページングする必要がある。
【0047】
これらのオプションは、いずれも、シグナリングのオーバヘッドおよび省電力化の観点から好ましくない。
【0048】
さらに、NRの一環として、準コロケーション(QCL)の概念が導入されている。一般に、この概念では、同じアンテナポートから送信される2つの信号は、同じ無線チャネルを経るが、異なる2つのアンテナポートから送信される場合は、例えば、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、全てのマルチパス成分を受信する平均遅延の点で、異なる無線状態を経る。しかしながら、2つの異なるアンテナポートから送信される2つの信号が、共通の特性を有する無線チャネルを経る場合もあり得る。このような場合、アンテナポートおよび信号は、疑似的に同じ場所にある(QCL)とみなされる。3GPP(登録商標)は、チャネル推定、周波数オフセットエラー推定、および、同期等の手順を実行する際に、UEを支援するために、このQCLのコンセプトを導入した。例えば、2つの異なるアンテナポートに対応する無線チャネルが、ドップラーシフトの点でQCLであることをUEが知っている場合、UEは、一方のアンテナポートのドップラーシフトを決定し、その結果を両方のアンテナポートに適用してチャネル推定を行うことができるため、両方のアンテナポートで別々にドップラー計算を行う必要はない。3GPP(登録商標) TS 38.214,5.1.5を参照のこと。
【0049】
これに関して、本明細書では、SSBに対するTRS/CSI-RS QCLが想定され得る。QCLの概念に関する本明細書の説明に照らして、これは、UEが(所定のアンテナポートで送信される)SSB(複数可)を測定することができ、それに基づいて、UEが、異なるアンテナポートで送信されるTRS/CSI-RSに関する特性を推論/推定できることを意味している。換言すれば、TRS/CSI-RSがSSB(複数可)と擬似コロケーション(QCL)を有するという特性に依拠して、UEは、SSBの測定時に、TRS/CSI-RSの測定値を測定/処理する際に役立つ(例えばその結果を再利用できる)いくつかの動作を実行することができる。
【0050】
例示的な実施形態は、ネットワークが、無線品質が悪いために、ネットワークとの同期のための追加の基準信号から恩恵を受けるRRC非アクティブ状態220(例えば、アイドル状態230)のUEのセルのカバーエリア内の存在を検出する方法を提供し、検出は、RRC非アクティブ(例えば、または、アイドル)動作を利用するUEアシスタンスにより支援され得る。すなわち、UEアシスタンスは、例えば、RRC非アクティブ動作(例えば、関連するシグナリング)と共に提供されてもよい。具体的には、UEは、「アシスタンス」として、例えば、(UE主導である)RNA更新手順の一部として、低無線品質(例えば、低いSINR/RSRP/RSRQ、例えば、閾値未満のSINR/RSRP/RSRQ、または、そのSINR/RSRP/RSRQの量子化バージョン)の表示をネットワークに提供してもよい。このプロセスは、UEの無線品質指標(SINRなど)に基づいて、UEのページング機会の前に、TRS/CSI-RSの効率的なプロビジョニングを可能にし、このような追加のTRS/CSI-RSを取得することによるUEの必要性および利益、ならびに、例えば、時間的な、それらの密度を示している。さらに、UEのTRS/CSI-RS構成は、受信したSINRレベルに基づいて、ネットワークによって調整することもできる。
【0051】
例示的な提案方法は、
図3に示されており、以下に説明するステップを含む。
図3は、例示的な方法または複数の方法の動作、コンピュータ可読メモリ上に具現化されたコンピュータプログラム命令の実行の結果、ハードウェアに実装されたロジックによって実行される機能、および/または、例示的な実施形態に従って機能を実行するための相互接続された手段を例示する。
【0052】
さらに、本実施例を実現するために、UuおよびXnを介して転送されるシグナリングメッセージに新しい情報要素(IE)が導入されてよいが、他の技術も可能であることに留意されたい。本実施例では、サービングgNB/セル170が、ターゲットgNB/セル170-1と同様に図示されている。上述したように、gNBは、典型的には複数のセルを形成し、サービングセルまたはターゲットセルは、対応するgNBに対するそれらのセルのうちの1つである。以下の説明では、gNBおよびセルという両方の用語が使用される。
【0053】
UEがRRC_Connected状態210にあるとき、以下のステップが実行される。
図3において、参照符号310は、UEがRRC接続状態210にあることを示す。
【0054】
ステップ0(ゼロ)において、ネットワークは、例えば、データの非アクティブに基づいて、UEをRRC非アクティブ状態に移行させることを決定し、RRC非アクティブ状態またはアイドル状態のUEによって行われるUEのRRM測定、例えば、SINR(または、RSRP/RSRQ等の同様の無線品質指標)等のUEの取得した無線品質指標(複数可)に基づいて、追加のRSの構成/起動(サービングセルに属するTRS/CSI-RS基準信号)をトリガすることに決定する。参照を容易にするために、以下の説明(および、本明細書)では、主にSINRが使用されるが、UEで利用可能な他の無線品質指標が使用されてもよいし、この目的のために定義された新たな専用指標が使用されてもよい。さらに、本明細書ではRRC非アクティブ状態220に重点が置かれているが、説明する動作は、RRCアイドル状態230にも適用可能である。
【0055】
TRS/CSI-RSのプロビジョニングは、UE SINRの関数として行われ得る。UEに提供されるRSの数および構成は、UEのSINRに基づいて決定することもできる。例えば、低SINRのUEに対しては、TRS/CSI-RSの構成に関連する以下の要素、密度、ポート数、OFDMシンボル数、周波数領域割り当て、および/または、周期性のいずれかの観点から、より多くのRSを提供することが可能である。また、高SINRのUEであっても、少なくとも1つのTRS/CSI-RSをプロビジョニングすることが可能である。
【0056】
ステップ1において、UE110は、UEをRRC非アクティブ状態220に移行させるサスペンド表示を伴うRRCリリースを受信する。サスペンド表示を伴うRRCリリースメッセージは、この例では、RRC非アクティブで使用するためのTRS/CSI-RS構成、および、オプションで、追加のRSプレゼンス表示を含む。例示的かつ非限定的な実施形態では、追加のRSは、低SINR(例えば、または、低いと見なされる他の無線品質)を有するRRC非アクティブアイドル状態のUEに対してのみ、追加のRSを構成/送信することができ、これは、これらのUEは、追加のRSからより多くの利益を得ることができるからである。この例では、UEが低いSINR(または、他の同等の無線品質)を有するため、ネットワークはオプションで追加のRSのプレゼンス表示および追加のRS自体を送信する。
【0057】
UEがRRC非アクティブ状態220にあるとき、以下のステップが実行される。なお、参照番号320は、UE110がRRC非アクティブ状態220にあることを示す。
【0058】
ステップ2において、サービングセル170は、UEのためのTRS/CSI-RSを、例えば、周期的に、UEのページング機会(PO)にしたがって、送信する。したがって、サービングセル170は、ステップ5においても、TRS/CSI-RSを送信することに留意されたい。RSとPOとの間の関係は、様々な態様で定義され得る。以下の非限定的な選択肢のセットを考慮されたい。
【0059】
オプション1:ネットワークは、POの前にRSの正確なタイミングを示す(例えば、RSが送信される(かもしれない)正確なスロット/OFDMシンボルが構成/表示される)。正確なタイミングは、一例では、PF(ページングフレーム)における最初のPO(ページング機会)のタイミングに対する差分(delta)として、提供され得る。別の例では、正確なタイミングは、POの前のSSBに対する差分として提供され得る。
【0060】
オプション2:ネットワークは、POの前にRSが送信される(可能性がある)時間ウィンドウを(例えば、開始および/または終了を介して)示す。ウィンドウのタイミングは、一例として、POの前にSSBに関して提供され得る。
【0061】
オプション3:ネットワークは、POの前にRSの存在を示すだけで、時間的に正確な位置に関する更なる情報はない。
【0062】
オプション4:ネットワークは何も表示せず、単にRSを送信してよい。UEは自律的にその存在を検出する。しかしながら、時間上のそれらの位置は、SSBの位置に、依然として結びついている可能性がある。
【0063】
ステップ3において、RRC非アクティブ状態220のUEは、例えば、受信した追加のRSの構成および(可能な)プレゼンス表示に基づいて、追加のRSをモニタし、少なくとも同期を目的として、それらを使用する。これらの追加のRSは、同期を図るUEを支援するためにネットワークが送信するTRS/CSI-RSに対応する。これらのRS(TRS/CSI-RS)は、既に設定/送信されたRS(例えば、一例としてSSB等)を補完するため、「追加」という語句が使用される。
【0064】
例示的な実施形態では、TRS/CSI-RSの量/密度、ならびに、目的および使用は、RRC状態によって異なってもよい。例えば、RRC接続状態210では、TRS/CSI-RSの構成は、主に、ネットワークが、UEから見た無線環境について知るためのものである。すなわち、CSI-RS測定値のUE報告(すなわち、ネットワークによって送信されたCSI-RSから測定)は、例えば、ネットワークにおけるスケジューリングおよびリンク適応決定のために有用である。
【0065】
逆に、RRC非アクティブまたはアイドル状態で使用するためのTRS/CSI-RSの構成は、異なる目的を有する場合がある。この目的は、UEがPDCCH上のページングDCIおよびPDSCHにおけるページングメッセージをページング機会にモニタする等、UEが準備するためにネットワークとの同期を取得および/または維持することを支援するためのものである。したがって、これらのTRS/CSI-RSは、UEのページング機会の「直前」に(例えば、既知/指示された時間周期で)送信されてもよい。追加のRSは、また、RRC接続に使用されるものよりも(例えば、時間期間あたりのTRS/CSI-RSの観点から)密であってもよい。RRC非アクティブまたはアイドル状態では、UEが長時間スリープすることがあるため、同期が失われることがある(ページングサイクルは秒単位であり、通常1.28秒である)。この同期の問題は、UEが長時間スリープしない可能性があり、したがって、ネットワークとの同期が失われない可能性があるRRC接続モード210では、通常存在しない。
【0066】
さらに、UEがRRC接続モードに移行した後も、例えば、ネットワークが許可/指示した場合には、原則として、RRC非アクティブまたはアイドル状態を意図したこれらの追加のRSを使用することができることに留意されたい。しかしながら、上記のように、これらのRSは、ネットワークとの同期を取得するために用意されているため、UEがネットワークとの同期を維持できるRRC接続モードでは、あまり必要ない場合がある。しかしながら、例えば、DRXの周期が大きい特定のシナリオでは、RRC接続モードにおきて、これらのRSが有効である可能性がある。
【0067】
ブロック325において、UE110は、(古い)サービングセルから、(新しい)ターゲットセルへのセル再選択を実行する。その後、RNAアップデート、RNAU(RAN通知領域、RNA、アップデート)が、UEが現在キャンプしているセル(すなわち、ターゲットセル)に送信される。
【0068】
その結果、ステップ4において、RRC非アクティブ状態220のUEは、例えば、RNAUとともに、低SINRの指示を送信してよい。低SINRの指示は、SINR値/範囲の指示、または、「低SINR」の指示とすることができ、一例では、SINRがネットワーク定義の閾値未満であることを示す指示である。「低い」無線品質指標に関して、「低い」指標は、(例えば、設定された)閾値よりも小さい選択/設定された指標とすることができ、RRC非アクティブまたはアイドル状態のUEに対する無線指標の例は、DL SINR、(DL)RSRP、または、(DL)RSRQとすることができる。ネットワークとのDL同期を維持/取得するために、UEは、異なる時間にサンプリングされたRSの比較に基づいて、時間/周波数(同期)エラー(すなわち、実際/公称の時間/周波数からの偏差)を推定する。基本的に、UEは、これらの誤差(例えば、ローカルオシレータの時間/周波数ドリフトに起因する)をチャネルの電波の変化(例えば、ノイズおよび/または高速フェーディングに起因する)から識別することを試みる。一般に、UEの関連DL信号SINR(RSRP/RSRQ)が高いほど、UEが、同期エラーと例えばノイズとを識別する能力が高く、ひいては、UEが比較する必要のあるサンプルが少なくなり、これはNWが時間内に送信できるRSの数が少なくなることを意味している。
【0069】
例として、RNAUメッセージは、4ステップRACH手順326のMsg3、または、2ステップRACH手順326のMSGAにおいて、UEが、レジューム原因値がRNAUに設定されるRRCレジューム要求を送信するランダムアクセス手順326を介して送信されてよいことに留意されたい。
【0070】
低SINR表示(または、低とみなされる無線品質指標の表示)の存在は、無線プロトコルヘッダ(例えば、MACヘッダ)、または、レジューム原因を有するメッセージで示され得る。これは、他のトリガが満たされない場合(例えば、周期的RNAUのトリガ、ネットワークによってページングされた後のレジュームトリガ、または、UEのバッファに存在するULデータに起因してトリガされたレジュームのうち)にもUEが表示を提供できるように一般化することが可能である。
【0071】
ステップ4に対して、代替的または追加的に、UEは、追加の基準信号の必要性および/または要求を示すことができる。一態様では、この表示は、UEが、現在、RRC非アクティブ状態220で使用するためにTRS/CSI-RSを構成しているか否かに関係なく、提供されることになっている。
【0072】
さらに1つの態様では、UEは、追加の基準信号が必要ないことを示し得る。これは、例えば、UEが十分に高いSINRを有することによって示され得る。別の態様では、この表示は、UEが現在、RRC非アクティブモード220で使用するためにTRS/CSI-RSで構成されている場合にのみ提供されることになっている。
【0073】
代替的または追加的に、UEが、(ネットワークによって定義され得る)特定の量のモニタリング時間の間、より良いSINR条件を経験しているとき、UEは、次のRNAU(例えば、ステップ4の後に送信されるもの)において、UEが、もはやTRS/CSI-RSを必要としないか、より少ない数のTRS/CSI-RSを必要とするかのどちらかを示すことができる。
【0074】
さらに、UEのSINR条件が特定のモニタリング時間の間に悪化した場合、UEは、追加のTRS/CSI-RSの必要性について、UEが、NWに通知する早期のRNAU(または他のメッセージ)をトリガすることができる。
【0075】
ステップ5において、サービングセル170は、以前に送信された構成に従って、追加のTRS/CSI-RSを送信する。
【0076】
ステップ6において、UEからRNAU要求を受信したセルのgNB(この例では、ターゲットセル170-1)は、XnAP取り出しUEコンテキスト要求の一部として、SINR表示をアンカーgNBに提供し、要求の原因としてRNAUを示し得る。アンカーgNBは、サービングgNB170である。
【0077】
XnAP取り出しUEコンテキスト要求の受信に応答して、サービングセル170は、UEへのTRS/CSI-RSの送信を停止する。これはブロック328で発生する。
【0078】
ステップ7において、XnAP取り出しUEコンテキスト要求を受信すると、(要求が、UEがもはやそのカバレッジエリア下にないことを示すものとして役立つため)アンカーgNB170は、UEに対するTRS/CSI-RSのプロビジョニングを停止し、オプションとして、UEの現在のTRS/CSI-RS構成を提供して、ターゲットgNBに応答することになる。
【0079】
特定の代替実装では、TRS/CSI-RSの送信を継続する決定は、複数のUE、例えば、セル内に存在する状態に基づくことができ、これに対応して、TRS/CSI-RSは、複数のUEにプロビジョニングされることができる。
【0080】
ステップ8において、(NW、ネットワークと呼ばれる)受信セル、この場合、ターゲットセル170-1は、SINR表示に従って、(そのPOの直前の)UEに合わせたTRS/CSI-RSをプロビジョニングするか否かを判断する。プロビジョニングは、指示が低SINRを示した場合など、SINRの関数として行われてもよい。一態様では、ターゲットセル170-1において、同一/現在のTRS/CSI-RS構成が保持される。別の態様では、RSの数、および、潜在的にUE(または、複数のUE)に提供されるべき構成は、UEのSINRに基づいて決定される。さらに別の態様では、RSの数、および、UEに提供される可能性のある構成は、複数のUEの表示/無線品質指標に基づいて決定される。
【0081】
ステップ9において、ターゲットセル170-1は、UEのRNAUに応答して(例えば、TRS/CSI-RS構成の起動として)、追加のRS構成、および、「TRS/CSI-RSの存在/不在」の(可能な)表示を一定時間T_RSPresceの間、UE110に提供する。
【0082】
ブロック330において、受信セルは、UE用に調整された(そのPOの直前の)セルにおいて、TRS/CSI-RSのプロビジョジョニングを開始する。その結果、ステップ10において、ターゲットセル170-1は、TRS/CSI-RSをUE110に送信する。
【0083】
ステップ11において、UEは、例えば、受信した追加のRSのプレゼンス表示に基いて追加のRSをモニタし、少なくとも同期のためにそれらを使用する。
【0084】
図3Aは、
図3と同様の例示的なシグナリングフローであるが、例示的な実施形態において、サービングセルおよびターゲットセルが共に単一のgNBにある(および、それによって形成される)。
図3Aは、例示的な方法または複数の方法、コンピュータ可読メモリ上に具現化されたコンピュータプログラム命令の実行の結果、ハードウェアに実装されたロジックによって実行される機能、および/または、例示的な実施形態に従って機能を実行するための相互接続された手段の動作を例示する。
【0085】
この例は、単一のgNB170にあり、それによって形成されるサービングセル370およびターゲットセル370-1を有する。
図3Aにおける例示的なシグナリングシーケンスは、
図3のシーケンスに類似しているが、
図3のステップ6は、今度は、
図3Aのステップ6Aであり、E1/F1インタフェース上で実行される。同様に、
図3のステップ7は、今度は、
図3Aのステップ7Aであり、E1/F1インタフェースを介して実行される。
【0086】
図4に戻ると、この図は、上記で提示された技術に従って、ユーザ機器によって実行される方法を示す。この図は、例示的な方法または複数の方法、コンピュータ可読メモリ上に具現化されたコンピュータプログラム命令の実行の結果、ハードウェアに実装されたロジックによって実行される機能、および/または、例示的な実施形態に従って機能を実行するための相互接続手段の動作をさらに例示している。例えば、制御モジュール140は、
図4におけるブロックの複数のものを含んでもよく、含まれる各ブロックは、ブロック内の機能を実行するための相互接続された手段である。
図4のブロックは、例えば、少なくとも部分的に制御モジュール140の制御下で、UE110によって実行されることが想定されている。
【0087】
ブロック410において、ユーザ機器は、アイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つに遷移することを実行する。ブロック420において、ユーザ機器110は、1つ以上のセルとの同期を目的として追加の基準信号の必要性に関する情報を取得することを実行する。ユーザ機器は、ブロック430において、1つ以上のセルに対して、追加の基準信号が同期のために必要であるという指示を送信することを実行する。ブロック440において、ユーザ機器は、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することを実行する。ブロック450において、ユーザ機器110は、ユーザ機器によって、追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期をとることを実行する。
【0088】
以下、実施例を追加する。これらの実施例では、
図4のフローチャートを実施例1と称する。
【0089】
実施例2
実施例1に記載の方法であって、
情報を取得することは、少なくとも、1つ以上の無線品質指標が低いとみなされることをユーザ機器によって決定することによって実行され、
追加の基準信号が同期のために必要であるという指示を送信することは、1つ以上の無線品質指標が低いとみなされるというユーザ機器による判断に応答する。
【0090】
実施例3
実施例2に記載の方法であって、
追加の基準信号が同期のために必要であるという指示を送信することは、1つ以上の無線品質指標が低いとみなされることの指示を送信することを含む。
【0091】
実施例4
追加の基準信号が同期のために必要であるという指示は、無線通知領域更新メッセージで送信される、実施例1乃至3のいずれか1つに記載の方法。
【0092】
実施例5
追加の基準信号が同期のために必要であるという指示は、ランダムアクセス手順で送信される、実施例1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
【0093】
実施例6
1つ以上の無線品質指標は、SINR、RSRP、または、RSRQのうちの1つ以上を含む、上記実施例のいずれか1つに記載の方法。
【0094】
実施例7
追加の基準信号は、トラッキング基準信号および/またはチャネル状態情報基準信号のうちの1つ以上を含む、上記実施例のいずれか1つに記載の方法。
【0095】
実施例8
1つ以上のセルと同期するために、少なくとも同期を目的として追加の基準信号を使用することは、少なくとも1つのセルに対するページング機会におけるページング指示および/またはページングメッセージをモニタする準備ができるように、ユーザ機器が、追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルのうちの少なくとも1つと同期することを含む、実施例7に記載の方法。
【0096】
実施例9
少なくとも同期のために追加の基準信号を使用することは、時間および/または周波数誤差オフセット推定のために、および/または、復調のためのトラッキングのために、および/または、モビリティのための基準信号受信電力測定のために、追加の基準信号を使用することを含む、上記の実施例のいずれか1つに記載の方法。
【0097】
実施例10
ユーザ機器における無線リンク品質が高いと判断されたことに応答して、ユーザ機器が、追加の基準信号を無視することをさらに含む、上記実施例のいずれか1つに記載の方法。
【0098】
実施例11
追加の基準信号の構成についての情報は、基準信号の構成の指示、または、1つ以上のセルの少なくとも1つによる送信に基準信号が存在することの指示のうちの1つまたは両方を含む、上記の実施例のいずれか1つに記載の方法。
【0099】
図5に戻ると、この図は、gNB170/170-1によって制御される、セルによって実行される論理フロー図である。この図は、例示的な方法または方法、コンピュータ可読メモリ上に具現されたコンピュータプログラム命令の実行の結果、ハードウェアに実装されたロジックによって実行される機能、および/または、例示的な実施形態に従って機能を実行するための相互接続手段の動作をさらに例示するものである。例えば、制御モジュール150は、
図5におけるブロックの複数のものを含んでよく、含まれる各ブロックは、ブロック内の機能を実行するための相互接続された手段である。
図5におけるブロックは、基地局またはRANノード170/170-1(例では、gNBであってもよい)などの他のネットワークノードによって、例えば、少なくとも部分的に制御モジュール150の制御下で実行されると仮定される。参照を容易にするために、フローを実行するエンティティとして、「セル」が使用される。
【0100】
ブロック510において、セルは、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することを実行する。ブロック520において、セルは、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて追加の基準信号を送信することを実行する。
【0101】
以下に、追加の実施例を示す。これらの実施例では、
図5におけるフローを実施例12と称する。
【0102】
実施例13
追加の基準信号の構成についての情報は、基準信号の構成の指示、または、セルによる送信に基準信号が存在することの指示の一方または両方を含む、実施例12に記載の方法。
【0103】
実施例14
セルがサービングセルであり、本方法は、サービングセルが、ユーザ機器をアイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つに遷移させることをさらに含む、実施例12または13のいずれかに記載の方法。
【0104】
実施例15
サービングセルが、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することは、ユーザ機器がアイドル状態または非アクティブ状態のうちの選択された1つに移行する前に実行される、
実施例14に記載の方法。
【0105】
実施例16
サービングセルが、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することは、サービングセルが、ユーザ機器に向けてページング機会を送信する前に実行される、
実施例14または15のいずれかに記載の方法。
【0106】
実施例17
サービングセルが、ユーザ機器のためのコンテキストに対するターゲットセルからの要求を受信することと、
要求に応答して、ユーザ機器に向かって、追加の基準信号を送信することを停止することと、
をさらに備える実施例14に記載の方法。
【0107】
実施例18
要求に応答して、サービングセルからターゲットセルに向けて、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかのときに、サービングセル内のユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することをさらに含む、実施例14乃至17のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
実施例19
本方法は、セルにおいて、アイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つのユーザ機器から、追加の基準信号が同期のために必要であるという指示を受信することを含み、
追加の基準信号の送信は、追加の基準信号が同期のために必要とされているという指示を受信することに応答して実行される、
実施例12に記載の方法。
【0109】
実施例19A
追加の基準信号が同期のために必要であるという指示は、1つ以上の無線品質指標が低いと判断されることの指示を含む、実施例19に記載の方法。
【0110】
実施例20
セルがターゲットセルであり、本方法は、ターゲットセルが、サービングセルに、および、追加の基準信号が同期のために必要とされているという指示に応答して、追加の基準信号が同期のために必要とされているというユーザ機器からの指示を示すメッセージを送信することをさらに含む、実施例19または19Aに記載の方法。
【0111】
実施例21
ターゲットセルが、サービングセルによってユーザ機器のために使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することをさらに含み、アイドル状態または非アクティブ状態のユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報は、サービングセルによってユーザ機器のために使用される追加の基準信号の構成についての情報にも基づいている、実施例20に記載の方法。
【0112】
実施例22
ターゲットセルによって送信され、サービングセルに送信されるメッセージは、サービングセルからのユーザ機器のコンテキストの要求も示し、サービングセルによってユーザ機器のために使用される追加の基準信号の構成についての情報は、ユーザ機器のコンテキストの情報とともに受信される、実施例21の方法。
【0113】
実施例23
ターゲットセルによる送信は、無線リソース制御メッセージを用いて、アイドル状態または非アクティブ状態におけるユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することを含む、実施例20乃至22のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
実施例24
無線リソース制御メッセージは、サスペンド指示を伴う無線リソース制御リリースメッセージを含む、実施例23に記載の方法。
【0115】
実施例25
ターゲットセルによって追加の基準信号の構成についての情報を送信することは、ユーザ機器に対して既に構成された追加の基準信号の構成をアクティブにする必要があるという指示を送信することをさらに含む、実施例19乃至24のいずれか1つに記載の方法。
【0116】
さらなる実施例は、以下の通りである。
【0117】
実施例26
コンピュータプログラムであって、コンピュータ上で実行される場合に、実施例1乃至25のいずれかに記載の方法を実行するためのコードを含む、コンピュータプログラム。
【0118】
実施例27
コンピュータプログラムは、コンピュータと共に使用するために、その中に具現化されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品である、実施例26によるコンピュータプログラム。
【0119】
実施例28
コンピュータプログラムは、コンピュータの内部メモリに直接ロード可能である、実施例26に記載のコンピュータプログラム。
【0120】
実施例29
ユーザ機器が、アイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つに遷移することと、
ユーザ機器が、1つ以上のセルとの同期を目的として、追加の基準信号の必要性についての情報を取得することと、
ユーザ機器が、1つ以上のセルに対して、同期のために追加の基準信号が必要であるという指示を送信することと、
ユーザ機器において、かつ、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することと、
ユーザ機器が、追加の基準信号構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として、追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期させることと、
を実行するための手段を含む装置。
【0121】
実施例30
無線ネットワークにおけるセルが、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することと、
セルが、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することと、
を実行するための手段を備える装置。
【0122】
実施例31
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む1つ以上のメモリと、
を備える装置であって、
1つ以上のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプロセッサと共に、装置に、
ユーザ機器が、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかに遷移することと、
ユーザ機器が、1つ以上のセルとの同期のために追加の基準信号の必要性についての情報を取得することと、
ユーザ機器が、1つ以上のセルに対して、同期のために追加の基準信号が必要であるとの指示を送信することと、
ユーザ機器において、かつ、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信することと、
ユーザ機器が、追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として、追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期させることと、
を含む動作を実行させるように構成される装置。
【0123】
実施例32
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む1つ以上のメモリと、
を備える装置であって、
1つ以上のメモリおよびコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプロセッサと共に、装置に、
無線ネットワーク内のセルが、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することと、
セルが、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することと、
を含む動作を実行させるように構成される装置。
【0124】
実施例33
コンピュータと共に使用するために、その中に具現化されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラムコードは、
ユーザ機器が、アイドル状態または非アクティブ状態のうちの1つに遷移するためのコードと、
ユーザ機器が、1つ以上のセルとの同期を目的とした追加の基準信号の必要性に関する情報を取得するためのコードと、
ユーザ機器が、同期をとるために追加の基準信号が必要であるという指示を1つ以上のセルに送信するためのコードと、
ユーザ機器において、送信に応答して、アイドル状態または非アクティブ状態で使用される追加の基準信号の構成についての情報を受信するためのコードと、
ユーザ機器が、追加の基準信号の構成に従って、追加の基準信号をモニタし、少なくとも同期を目的として、追加の基準信号を使用して、1つ以上のセルと同期するためのコードと、
を含むコンピュータプログラム製品。
【0125】
実施例34
コンピュータと共に使用するために、その中に具現化されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラムコードは、
無線ネットワーク内のセルが、アイドル状態または非アクティブ状態のいずれかにあるときに、ユーザ機器によって使用される追加の基準信号の構成についての情報を送信することと、
セルが、追加の基準信号の構成に従って、ユーザ機器に向けて、追加の基準信号を送信することと、
を含むコンピュータプログラム製品。
【0126】
上述のように、例示的な実施形態は、例えば、UEが、ネットワーク内の交換によって、追加のRSを受信するRRCアイドルまたは非アクティブ状態のUEの実際の必要性/利益に関連する知識、ならびに、いくつかの例示的な実施形態において、RSの時間/周波数密度に関連する知識を取得することを可能にする。これにより、例えば、RRCアイドルまたは非アクティブ状態のUEに使用されるTRS/CSI-RSを、RRC非アクティブまたはアイドル状態のUEがそれらを必要とする(例えば、低いSINRを有するか、例えば、その同期能力/アルゴリズムおよび取得した無線チャネル条件に関する内部知識に基づいて必要性を示す)ときにのみ、所定のUE能力/条件に基づいて、UE同期を加速するのに適した量で提供し、ひいては、電力節約につなげることが可能になる。TRS/CSI-RSは、この目的のために起動された場合、同じ/近いPO周期を共有する複数のUEによって共有され得ることに留意されたい。
【0127】
本願明細書で使用する場合、「回路」という用語は、以下の1つ以上、または、全てを指す場合がある。
(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログ回路及び/又はデジタル回路のみにおける実装など)、および、
(b)ハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせ、例えば、(該当する場合)、(i)アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアとの組み合わせ、(ii)ソフトウェア(デジタル信号プロセッサを含む)、ソフトウェアおよびメモリとハードウェアプロセッサの一部であって、携帯電話やサーバなどの装置に様々な機能を実行させるために協働する部分)、および、
(c)マイクロプロセッサ(複数可)、または、マイクロプロセッサ(複数可)の一部などのハードウェア回路およびプロセッサで、動作のためにソフトウェア(例えば、ファームウェア)を必要とするが、動作に必要ないときはソフトウェアが存在しない場合もあるもの。
【0128】
この回路の定義は、あらゆる請求項を含む、本願明細書における、この用語の全ての使用に適用される。さらなる例として、本願明細書で使用されるように、回路という用語は、単に、ハードウェア回路またはプロセッサ(または、複数のプロセッサ)、または、ハードウェア回路またはプロセッサの一部、および、その(または、それらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装も対象とする。回路という用語は、例えば、また、特定の特許請求の範囲の要素に適用可能であれば、携帯端末用のベースバンド集積回路またはプロセッサ集積回路、あるいは、サーバ、セルラーネットワーク装置、または、他のコンピューティング、もしくは、ネットワーク装置における同様の集積回路も対象とする。
【0129】
本明細書の実施形態は、ソフトウェア(1つ以上のプロセッサによって実行される)、ハードウェア(例えば、特定用途向け集積回路)、または、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装され得る。例示的な実施形態では、ソフトウェア(例えば、アプリケーションロジック、命令セット)は、様々な従来のコンピュータ可読媒体のうちのいずれか1つに保持される。本明細書の文脈では、「コンピュータ可読媒体」は、例えば、
図1に説明され図示されたコンピュータの一例を有するコンピュータなどの命令実行システム、装置、または、デバイスによって、または、それらに関連して使用するための命令を格納、保存、通信、伝達、または、搬送できる任意の媒体または手段であり得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータなどの命令実行システム、装置、または、デバイスによって、または、それらに関連して使用するための命令を格納、保存、および/または、搬送できる任意の媒体または手段であり得るコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ125、155、171または他のデバイス)を構成してもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、伝搬信号を構成しない。
【0130】
所望であれば、本明細書で論じた異なる機能は、異なる順序で、および/または、互いに同時に実行されてもよい。さらに、所望であれば、上述した機能の1つ以上は任意であってもよいし、組み合わせてもよい。
【0131】
本発明の様々な態様は独立請求項に記載されているが、本発明の他の態様は、記載された実施形態および/または従属請求項からの特徴と独立請求項の特徴との他の組み合わせを含んでおり、請求項に明示的に記載された組み合わせのみを含むわけではない。
【0132】
また、本明細書では、上記で本発明の例示的な実施形態を説明したが、これらの説明を限定的な意味でとらえるべきではないことに留意されたい。むしろ、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、なされ得るいくつかの変形および修正が存在する。
【0133】
本明細書および/または図面に見られる以下の略語は、以下のように定義される。
3GPP(登録商標) 第三世代パートナーシッププロジェクト
5G 第五世代
5GC 5Gコアネットワーク
AMF アクセスおよびモビリティ管理機能
BWP 帯域幅部
Config. 構成
CP コントロールプレーン
CQI チャネル品質インジケータ
CSI チャネル状態情報
CSI-RS チャネル状態情報基準信号
CU 中央装置
DCI ダウンリンク制御チャネル
DRX 不連続受信
DU 分散ユニット
eNB(または、eNodeB) 進化したノードB(例えば、LTE基地局)
EN-DC E-UTRA-NRデュアルコネクティビティ
en-gNB、または、En-gNB UEに向けてNRユーザプレーンおよび制御プレーンのプロトコル終端を提供し、EN-DCのセカンダリノードとして動作するノード
E-UTRA 進化した地上波ユニバーサル無線アクセス、すなわち、LTE無線アクセス技術
gNB(または、gNodeB) 5G/NR用基地局、すなわち、UEに向けてNRユーザプレーンおよび制御プレーンプロトコル終端を提供し、NGインタフェースを介して5GCに接続されているノード
IE 情報要素
I/F インタフェース
incl. を含む
I-RNTI 非アクティブ-RNTI
LTE ロングタームエボリューション
MAC 媒体アクセス制御
MME 移動管理エンティティ
ng、または、NG 次世代
NG-5G-S-TMSI 5G S-テンポラリモバイルサブスクライバアイデンティティ
ng-eNB、または、NG-eNB 次世代eNB
NR 新世代無線
NG-RAN 新世代-無線アクセスネットワーク
N/W、または、NW ネットワーク
OFDM 直交周波数分割多重化方式
opt. オプション
PCell プライマリーセル
PDCCH 物理的ダウンリンク制御チャネル
PDCP パケットデータコンバージェンスプロトコル
PDSCH 物理的ダウンリンク共有チャネル
PHY 物理層
PO ページング機会
PRACH 物理ランダムアクセスチャネル
PRB 物理リソースブロック
PUCCH 物理的アップリンク制御チャネル
PUSCH 物理的アップリンク共有チャネル
PS-RNTI 省電力RNTI
QCL 準コロケーションまたは準コロケーティド
RA ランダムアクセス
RACH ランダムアクセスチャンネル
RAN 無線アクセスネットワーク
Rel リリース
RLC 無線リンク制御
RNA RAN通知領域
RNAU RAN通知領域更新
RNTI 無線ネットワーク一時識別子
RRH リモートラジオヘッド
RRC 無線リソース制御
RRM 無線リソース管理
RS 基準信号
RSRP 基準信号受信電力
RSRQ 基準信号の受信品質
RU 無線ユニット
Rx レシーバ
SDAP サービスデータ適応プロトコル
SGW サービングゲートウェイ
SI システム情報
SIB システム情報ブロック
SINR 信号対干渉プラス雑音比
SMF セッション管理機能
SSB 同期信号ブロック
TA タイムアライメント
TRS トラッキング基準信号
TS 技術仕様
Tx 送信機
UE ユーザ機器(例えば、無線、一般的には、携帯端末)
UP ユーザプレーン
UPF ユーザプレーン機能
Uu 無線インタフェース
WUS ウェイクアップ信号
Xn gNB間のネットワークインタフェース