(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】調整装置
(51)【国際特許分類】
A44B 11/00 20060101AFI20241021BHJP
G02B 27/02 20060101ALN20241021BHJP
【FI】
A44B11/00
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2023001140
(22)【出願日】2023-01-06
【審査請求日】2023-01-10
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508226687
【氏名又は名称】和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEGATRON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,No.76,Ligong St., Beitou Dist., Taipei City 112, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】李仲偉
(72)【発明者】
【氏名】楊庭豪
(72)【発明者】
【氏名】葉青松
【審査官】岡澤 洋
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201578546(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0095438(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0002096(US,A1)
【文献】特開平08-027613(JP,A)
【文献】中国実用新案第211426934(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 11/00
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容溝と、収容溝の内側壁に設けられる複数のラチェット歯とを含むベースと、
前記収容溝に回転可能に収容され、本体と、ばねアームと、ラチェット爪とを含むラチェットアセンブリであって、前記ばねアームは本体の一方側に設けられ、且つ互いに接続されている第1の接続段と第2の接続段とを含み、前記第1の接続段は前記本体に接続され、前記第2の接続段は前記ラチェット爪に接続され、前記ラチェット爪は前記ラチェット歯に噛合できるラチェットアセンブリと、
前記ラチェットアセンブリの前記本体と前記ばねアームとの間に移動可能に穿設される固定レバーであって、前記固定レバーが前記第2の接続段と前記本体との間に位置する時、前記ラチェット爪は前記ラチェット歯のうちの一つに固定され、これによって、前記ラチェットアセンブリは前記ベースに位置決めされ、前記固定レバーが前記第1の接続段と前記本体との間に位置する時、前記ラチェットアセンブリは前記ベースに対して回転可能になる、固定レバーと、
前記ベースに配置され、前記ラチェットアセンブリに接続される回転ノブであって、前記回転ノブは、第1の端部と第2の端部とを有する案内穴を含み、前記固定レバーはさらに前記案内穴に移動可能に穿設され、前記固定レバーが前記第2の接続段と前記本体との間に移動する時、前記固定レバーは前記案内穴の前記第1の端部に位置し、前記固定レバーが前記第1の接続段と前記本体との間に移動する時、前記固定レバーは前記案内穴の前記第2の端部に位置する回転ノブとを含む、
調整装置。
【請求項2】
前記案内穴の前記第1の端部と前記第2の端部との間に少なくとも1つの湾曲部を有する、請求項
1に記載の調整装置。
【請求項3】
前記固定レバーは前記回転ノブに隣接して設けられる環状凸部をさらに含み、前記環状凸部の直径は前記案内穴の幅よりも大きい、請求項
1に記載の調整装置。
【請求項4】
一端が前記回転ノブに接続され、他端が前記固定レバーに接続される弾性素子をさらに含む、請求項
1に記載の調整装置。
【請求項5】
前記回転ノブに固設されるストップシートをさらに含み、前記弾性素子は前記回転ノブと前記ストップシートとの間に挟設される、請求項
4に記載の調整装置。
【請求項6】
前記ストップシートは制限穴を含み、前記固定レバーはさらに前記制限穴に穿設される、請求項
5に記載の調整装置。
【請求項7】
前記固定レバーは前記回転ノブと前記ストップシートとの間に位置するバンプをさらに含み、前記弾性素子の前記他端は前記バンプと前記回転ノブとの間に位置する、請求項
5に記載の調整装置。
【請求項8】
前記第1の接続段は前記本体との間に第1のピッチを有し、前記第2の接続段は前記本体との間に第2のピッチを有し、前記第1のピッチは前記第2のピッチよりも大きい、請求項1に記載の調整装置。
【請求項9】
前記ラチェットアセンブリは、前記本体に接続され、前記収容溝を貫通して前記ベースから突出するギアをさらに含む、請求項1に記載の調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は調整装置に関し、特に、緩さ及びロックの調整に使用できる調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ヘッドマウント表示装置はますます人気を集め、それぞれの装着構造もますます多様化している。例えば、ゴムバンド自体の弾性引張により、異なる大きさの頭の形に適合させるゴムバンド式のベルト状構造がある。固定バンドを調整できる調整装置により、異なる頭の形に適合させる一般的な非弾性な固定バンドもある。例を挙げると、調整構造を固定バンドの両端に接続し、調整装置による調節で固定バンドの間隔距離を締めたり緩めたりすることによって、固定バンドの装着時の緩さを調整し、より多くの異なる大きさの頭の形に適合させ、あるいは、より多くの異なる装着位置に必要な緩さに適用させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
調整装置では、制限と固定の効果を達成するために、締り嵌め又は複雑なギアアセンブリを利用することが多い。しかし、こうした場合、構造全体の体積が大きく、又は厚くなり、構造全体の重量も増加するので、例えばヘッドマウント表示装置に応用する際に、頭部に装着する時の重量が増加し、あるいは装置全体が過度に大型化してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記に鑑み、本開示は一実施例において、ベースと、ラチェットアセンブリと、固定レバーとを含む調整装置を提供する。ベースは、収容溝と、収容溝の内側壁に設けられる複数のラチェット歯とを含む。ラチェットアセンブリは、収容溝に回転可能に収容され、本体と、ばねアームと、ラチェット爪とを含み、ばねアームは本体の一方側に設けられ、且つ互いに接続されている第1の接続段と第2の接続段とを含む。第1の接続段は本体に接続される。第2の接続段はラチェット爪に接続され、ラチェット爪は複数のラチェット歯に噛合できる。固定レバーはラチェットアセンブリの本体とばねアームとの間に移動可能に穿設され、固定レバーが第2の接続段と本体との間に位置する時、ラチェット爪は前記複数のラチェット歯のうちの一つに固定され、これによって、ラチェットアセンブリはベースに位置決めされる。固定レバーが第1の接続段と本体との間に位置する時、ラチェットアセンブリはベースに対して回転可能になる。
【0005】
以上より、本開示の実施例に係る調整装置は、固定レバーを移動させることによって、ラチェットアセンブリを回転可能な状態又は位置決めの状態にすることができる。固定レバーが第1の接続段と本体との間に移動する時、ラチェットアセンブリは回転可能な状態になる。固定レバーが第1の接続段と本体との間から第2の接続段と本体との間に移動する時、ラチェット爪はラチェット歯に固定され、これによって、ラチェットアセンブリはベースに位置決めされて駆動できないので、ラチェットアセンブリはロック状態になる。このように、ラチェットアセンブリに穿設可能な固定レバーを利用することで、既存の構造スペースを利用できるので、回転止め構造を増加するために構造全体の厚さを増やす必要がない。また、複雑なギアアセンブリよりも、固定レバーが簡単で操作しやすく、使用者の回転止めの操作がより直感的で便利になる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本開示の一実施例に係る固定レバーが回転位置にある調整装置と固定バンドの模式図である。
【
図2】本開示の一実施例に係る調整装置の分解模式図である。
【
図3】本開示の一実施例に係る固定レバーが回転位置にあり、且つアセンブリの一部を省略した調整装置の正面図である。
【
図4】本開示の一実施例に係る固定レバーが回転位置にあり、且つ回転ノブを省略した調整装置の模式図である。
【
図5】本開示の一実施例に係る固定レバーが回転止め位置にある調整装置と固定バンドの模式図である。
【
図6】本開示の一実施例に係る固定レバーが回転止め位置にあり、且つアセンブリの一部を省略した調整装置の正面図である。
【
図7】本開示の一実施例に係る固定レバーが回転止め位置にあり、且つ回転ノブを省略した調整装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施例を挙げて詳しく説明する。ただし、実施例は例示として説明されるものに過ぎず、本開示の請求の範囲を限縮することはない。なお、実施例における図面では、本開示の技術的特徴を明らかにするために、一部の要素の図示を省略している。すべての図面において同一又は相当の要素を同一の符号で示すこととする。
【0008】
図1は、本開示の一実施例に係る固定レバーが回転位置にある調整装置と固定バンドの模式図である。
図2は、本開示の一実施例に係る調整装置の分解模式図である。
図3は、本開示の一実施例に係る固定レバーが回転位置にあり、且つアセンブリの一部を省略した調整装置の正面図である。
図4は、本開示の一実施例に係る固定レバーが回転位置にあり、且つ回転ノブを省略した調整装置の模式図である。
図5は、本開示の一実施例に係る固定レバーが回転止め位置にある調整装置と固定バンドの模式図である。
図6は、本開示の一実施例に係る固定レバーが回転止め位置にあり、且つアセンブリの一部を省略した調整装置の正面図である。
図7は、本開示の一実施例に係る固定レバーが回転止め位置にあり、且つ回転ノブを省略した調整装置の模式図である。
【0009】
図1~
図2を参照する。本実施例において、調整装置100は、ベース10と、ラチェットアセンブリ20と、固定レバー40とを含む。
図1から分かるように、2つの固定バンド90は調整装置100のベース10に穿設されることができる。ラチェットアセンブリ20を回転させて、2つの固定バンド90の間の相対位置を調整することによって、2つの固定バンド90を互いに接近又は離間させる。
【0010】
ベース10は、収容溝11と、収容溝11の内側壁111に設けられる複数のラチェット歯12とを含む。ラチェットアセンブリ20はベース10の収容溝11に回転可能に収容される。
図2~
図7から分かるように、ラチェットアセンブリ20は、本体21と、2つのばねアーム22と、2つのラチェット爪23とを含む。ばねアーム22はそれぞれ本体21の一方側に設けられ、本実施例において、2つのばねアーム22は本体21の対向する両側に位置する。各ばねアーム22は、接続されている第1の接続段221と第2の接続段222とを含み、第1の接続段221は本体21と第2の接続段222との間に接続される。第2の接続段222は第1の接続段221とラチェット爪23との間に接続される。ラチェット爪23は複数のラチェット歯12に噛合できる。
【0011】
本実施例において、ラチェットアセンブリ20の一例として、本体21の対向する両側に位置する2つのばねアーム22及び2つのラチェット爪23が設けられる。他の実施態様において、本体21の一方側のみに1つのばねアーム22及び1つのラチェット爪23を設けても、同様に、ラチェットアセンブリ20の作動を達成できる。
ばねアーム22の第2の接続段222に接続されるラチェット爪23は、ばねアーム22の弾性力により、ラチェット歯12に沿って移動してラチェット歯12に噛合することで、一時的な位置決め及び操作感を提供することができる。詳細には、ラチェット爪23と複数のラチェット歯12との間のラチェットの作動原理により、操作中に使用者に操作感を提供し、また、2つの固定バンド90を互いに接近又は離間させる間で一時的に位置決めする機能を提供することができる。
さらに、これによって、使用者は固定レバー40を移動させることで容易にラチェットアセンブリ20を回転可能な状態又は位置決め状態にすることができる。固定レバー40を移動してラチェットアセンブリ20を回転可能な状態にすると、2つの固定バンド90がすぐに互いに離間するおそれもない。
【0012】
図1及び
図3から分かるように、固定レバー40はラチェットアセンブリ20の本体21とばねアーム22との間に移動可能に穿設される。また、
図5~
図7に示すように、固定レバー40が第2の接続段222と本体21との間に位置する時、ラチェット爪23はラチェット歯12のうちの一つに固定され、これによって、ラチェットアセンブリ20はベース10に位置決めされ、ラチェットアセンブリ20はロック状態になる。また、
図1~
図4に示すように、固定レバー40が第1の接続段221と本体21との間に位置する時、ラチェットアセンブリ20はベース10に対して回転可能になり、ラチェットアセンブリ20は回転可能な状態になる。
【0013】
以上より、調整装置100は、固定レバー40を移動させることによって、ラチェットアセンブリ20を回転可能な状態又はロック状態にすることができる。固定バンド90を調整したい場合、固定レバー40を第1の接続段221と本体21との間に移動させるだけで、ラチェットアセンブリ20が回転可能な状態になる。固定バンド90を必要な緩さに調整した後、固定レバー40を第2の接続段222と本体21との間に移動させると、ラチェットアセンブリ20をロック状態にすることができる。このように、固定バンド90が相対位置の調節完了後の使用中に相対移動することを回避できる。
なお、ラチェットアセンブリ20に穿設可能な固定レバー40を利用することで、既存の構造スペースを利用できるので、回転止め構造を増加するために構造全体の厚さを増やす必要がない。また、複雑なギアアセンブリによるロックよりも、固定レバー40の設置は簡単で操作しやすく、使用者の回転止めの操作がより直感的で便利になる。
【0014】
図1及び
図2に示すように、本実施例において、調整装置100は、ベース10に設けられ、ラチェットアセンブリ20の本体21に接続されることでラチェットアセンブリ20を駆動する回転ノブ30をさらに含む。固定レバー40は対向する第1の端41と第2の端42とを含み、第1の端41は回転ノブ30を通って回転ノブ30から突出し、第2の端42はラチェットアセンブリ20に穿設される。
図1から分かるように、使用者が容易に固定レバー40を操作して移動させるように、固定レバーの第1の端41は回転ノブ30の外面から突出する。また、同様に、
図1から分かるように、回転ノブ30は案内穴31を含む。案内穴31は第1の端部311と第2の端部312とを有する。本実施例において、案内穴31はフック状を呈しており、すなわち、
図5に示すように、案内穴31は第1の端部311から第2の端部312までの間に、2つの湾曲部313を有する。他の実施態様において、案内穴31は第1の端部311から第2の端部312までの間に、湾曲部313を1つのみ有し、横たわりのL状を呈してもよい。
固定レバー40の第1の端41は案内穴31に移動可能に穿設される。詳細には、
図1に示すように、固定レバー40の第2の端42が第1の接続段221と本体21との間に位置する時、固定レバー40の第1の端41は案内穴31の第2の端部312に位置する。
図4及び
図5に示すように、固定レバー40の第2の端42が第2の接続段222と本体21との間に移動する時、固定レバー40の第1の端41は案内穴31の第1の端部311に位置する。
【0015】
これによって、案内穴31に穿設される固定レバー40が操作によって移動する時、この1つ又は複数の湾曲部313により、固定レバー40が使用中に意図せずに他の位置に移動してしまうことを回避できる。
例を挙げると、固定レバー40を第2の端部312に移動させ、使用者が回転ノブ30を回してラチェットアセンブリ20を駆動する場合、湾曲部313で提供される制限によって、固定レバー40が第2の端部312から容易に脱離して第1の端部311に移動することはない。
【0016】
また、
図2から分かるように、固定レバー40は、第1の端41と第2の端42との間に位置し、回転ノブ30に隣接して設けられる環状凸部43をさらに含み、環状凸部43の直径は案内穴31の幅よりも大きい。環状凸部43は、回転ノブ30の内側表面に当接することができ、これによって、使用者が操作中に固定レバー40を意図せずに引き出してしまうことを回避する。
【0017】
本実施例において、
図2及び
図3に示すように、回転ノブ30は、内側に複数の凸柱32を有し、これらの凸柱32は、本体21を連動させるように、本体21の外周に設けられる。
上側に位置するばねアーム22を例示として説明すると、2つの凸柱32はそれぞればねアーム22の第1の接続段221の外側及び第2の接続段222の外側に位置する。回転ノブ30を反時計回りに回転する時、第1の接続段221の外側に位置する凸柱32は第1の接続段221を押し、第2の接続段222の外側に位置する凸柱32は第2の接続段222の外側を押して、第2の接続段222の外側を図面における下側へ移動させる。
【0018】
また、本体21は、第1の接続段221に隣接して位置する凸ストッパ211を有してもよい。回転ノブ30を時計回りに回転させる時、第1の接続段221の外側に位置する凸柱32は、凸ストッパ211に当接するまで移動し、本体21を時計回りに回転させる。この時、第1の接続段221と本体21との間に固定レバー40が存在しないので、第2の接続段222は順調に下向きに移動でき、これによって、ラチェット爪23はラチェット歯12の突出部分を順調に通過し、別のラチェット歯12に入り込む。
【0019】
次に、
図2、
図3及び
図6に示すように、本実施例に係る調整装置100は、一端が回転ノブ30に接続され、他端が固定レバー40に接続される弾性素子50をさらに含んでもよい。本実施例において、弾性素子50は引張バネである。
図1及び
図3に示すように、固定レバー40の第1の端41が案内穴31の第2の端部312に位置する時、弾性素子50が引っ張られて回復力が発生することによって、固定レバー40の第1の端41を案内穴31の第2の端部312に緊密に当接させ、これによって、回転ノブ30の回転中に固定レバー40が案内穴31の第2の端部312から離れることを回避する。固定レバー40が移動操作によって全ての湾曲部313を通過して直線領域に入ると、固定レバー40は弾性素子50の回復力により、案内穴31の第1の端部311までに引っ張られ、迅速に
図6に示す回転止め位置となる。
【0020】
また、
図2から分かるように、本実施例に係る調整装置100は、回転ノブ30に固設されるストップシート60と、回転ノブ30とストップシート60との間に挟設される弾性素子50とをさらに含んでもよい。ストップシート60は、固定レバー40及び弾性素子50が回転ノブ30に配置された後、回転ノブ30に配置されてもよい。ストップシート60は、さらに熱熔接又は粘着などの方式によって、回転ノブ30に接着されてもよい。あるいは、回転ノブ30とストップシート60とに互いに係止可能な構造を設けることによって、必要に応じてストップシート60を取り外してもよい。ストップシート60によって、弾性素子50の紙面に垂直な方向における移動を制限し、弾性素子50が回転ノブ30から脱離することを回避できる。
【0021】
本実施例において、ストップシート60は制限穴61を含み、固定レバー40はさらに制限穴61に穿設される。
図1~
図4から分かるように、制限穴61の形状は、案内穴31と同様で、且つ案内穴31と平行して設けられる。固定レバー40は同時に案内穴31と制限穴61とに穿設され、案内穴31と制限穴61との制限により、固定レバー40の移動を過度の傾斜や回転のない、より安定化したものにすることができる。
【0022】
また、
図2から分かるように、固定レバー40は、回転ノブ30とストップシート60との間に位置するバンプ44と、固定レバー40の一端に接続され、バンプ44と回転ノブ30との間に位置する弾性素子50とをさらに含んでもよい。さらに、バンプ44は環状凸部43と第2の端42との間に位置し、弾性素子50の他端(即ち、固定レバー40に接続される端)は環状凸部43とバンプ44との間に位置してもよい。これによって、弾性素子50が固定レバーにおいて軸方向に沿って移動することを回避できる。
【0023】
本実施例において、
図3に示すように、第2の接続段222は本体21との間に第2のピッチD2を有する。
図6に示すように、第1の接続段221は本体21との間に第1のピッチD1を有し、第1のピッチD1は第2のピッチD2よりも大きい。
【0024】
図3及び
図4から分かるように、固定レバー40の第2の端42が第1のピッチD1に位置する時、ばねアーム22は移動中に止められることなく、ラチェットアセンブリ20を回転可能な状態にする。
図5~
図7から分かるように、固定レバー40の第2の端42が第2のピッチD2に位置する時、ばねアーム22は移動中に固定レバー40に止められ、ラチェットアセンブリ20をロック状態にする。
【0025】
図2を参照する。ラチェットアセンブリ20は、本体21に接続され、収容溝11を貫通してベース10から突出するギア24をさらに含んでもよい。本実施例において、ギア24は収容溝11中央の通り穴112から通り抜いて、2つの固定バンド90に穿設される。よって、本体21を回転させる時、ギア24はそれとともに回転し、時計回り又は反時計回りに回転することによって2つの固定バンド90の端部を接近又は離間させることによって、固定バンド90の緩さを調整する。
【0026】
以上より、本開示実施例の調整装置100は、固定レバー40を移動させることによって、ラチェットアセンブリ20を回転可能な状態又は位置決めの状態にすることができる。調整ベース10に穿設される固定バンド90を調整したい場合、固定レバー40を第1の接続段221と本体21との間に移動させるだけで、ラチェットアセンブリ20を回転可能な状態にすることができる。
固定バンド90を必要な緩さ程度に調整した後、固定レバー40を第2の接続段222と本体21との間に移動させると、ラチェット爪23がラチェット歯12に固定され、ラチェットアセンブリ20がベース10に位置決めされて駆動不能になり、ラチェットアセンブリ20をロック状態にする。このように、固定バンド90が緩さの調節完了後の使用中に緩めることを回避できる。なお、ラチェットアセンブリ20に穿設可能な固定レバー40を利用することで、既存の構造スペースを利用できるので、回転止め構造を増加するために構造全体の厚さを増やす必要はなく、使用者の回転止めの操作がより直感的で便利になる。
【符号の説明】
【0027】
100 調整装置
10 ベース
11 収容溝
111 内側壁
112 通り穴
12 ラチェット歯
20 ラチェットアセンブリ
21 本体
211 凸ストッパ
22 ばねアーム
221 第1の接続段
222 第2の接続段
23 ラチェット爪
24 ギア
30 回転ノブ
31 案内穴
311 第1の端部
312 第2の端部
313 湾曲部
32 凸柱
40 固定レバー
41 第1の端
42 第2の端
43 環状凸部
44 バンプ
50 弾性素子
60 ストップシート
61 制限穴
90 固定バンド
D1 第1のピッチ
D2 第2のピッチ