(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】セグメント化セクションにまたがり独立してエネルギーを送達するための制御回路を制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20241021BHJP
A61B 17/072 20060101ALN20241021BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B17/072
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023032649
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2019572429の分割
【原出願日】2018-06-13
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】メサーリー・ジェフリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】デビソン・マーク・エイ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-519636(JP,A)
【文献】特表2010-525867(JP,A)
【文献】国際公開第2011/156544(WO,A1)
【文献】特表2016-513993(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0272654(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0088122(US,A1)
【文献】特表2016-511025(JP,A)
【文献】特開2007-075468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00 - 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
エンドエフェクタであって、
遠位部及び近位部を備える第1ジョーと、
前記第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、
前記第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、
を備える、エンドエフェクタと、
電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するように構成された制御回路であって、シャフト制御セグメント及び電気外科的エネルギー制御セグメントを備える、制御回路と、
前記エンドエフェクタと前記制御回路との間で電気的に接続された第1の導電体と、を備え、
前記シャフト制御セグメントは、前記第1の導電体を介して、制御信号を前記エンドエフェクタに提供する、
及び/又は前記制御信号を前記エンドエフェクタから受信するように構成されており、前記制御信号は、前記エンドエフェクタを動作させるための情報、及び/又は前記エンドエフェクタにおいて測定された情報を含んでおり、
前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記第1の導電体を介して、前記電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するように構成されており、
前記制御信号は、
(1)前記エンドエフェクタを切断動作モード及び/又は凝固動作モードで動作させるための信号、
(2)前記エンドエフェクタにクランプ留めされた組織のインピーダンスの情報を含む信号、
(3)前記エンドエフェクタに位置付けられたセンサからの信号、並びに、
(4)前記エンドエフェクタが使用済か未使用であるかを示す信号、の少なくともいずれか1つの信号であり、
前記電気外科的エネルギーは、組織を焼灼するために前記少なくとも1つの電極を介して組織に提供される高周波(RF)エネルギーで
り、
前記外科用器具は第2の導電体を更に備え、前記シャフト制御セグメントが、前記第2の導電体を介して、前記制御信号を前記エンドエフェクタに提供する、及び/又は前記制御信号を前記エンドエフェクタから受信するように構成され、前記シャフト制御セグメントは、前記電気外科的エネルギー制御セグメントが前記第1の導電体を介して前記電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給しているときに、前記第1の導電体を介さず前記第2の導電体のみを介して、前記制御信号を前記エンドエフェクタに提供する、及び/又は前記制御信号を前記エンドエフェクタから受信するように構成されている、外科用器具。
【請求項2】
前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するときに、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記電気外科的エネルギー制御セグメントと前記シャフト制御セグメントとの間に電気的に連結されたスイッチを更に備え、前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記スイッチを制御することにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記第1の導電体と前記シャフト制御セグメントとの間に位置するスイッチを開くことにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、請求項3に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記第2ジョーはアンビルを備える、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記少なくとも1つの電極は、前記第1ジョーの前記近位部に位置する第1の組の電極、及び前記第1ジョーの前記遠位部に位置する第2の組の電極を備えており、電気外科的エネルギーセグメントは、所定の時間間隔で、電気外科的エネルギーを前記第1の組の電極と前記第2の組の電極との間で繰り返し交替させるように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
切断部材を更に含み、前記第1ジョー及び前記第2ジョーは、前記第1ジョーの前記近位部から延びる細長スロットを、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間で画定し、前記切断部材は、前記細長スロット内で摺動可能に受容可能であり、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間に位置する組織を切断する、請求項
6に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記第1の組の電極は第1電極及び第2電極を備え、前記第1電極は前記細長スロットの左側に位置し、前記第2電極は前記細長スロットの右側に位置する、請求項
7に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記第2の組の電極は第3電極と第4電極とを備え、前記第3電極は前記細長スロットの左側に位置し、前記第4電極は前記細長スロットの右側に位置する、請求項
7に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記所定の時間間隔は、前記第1の組の電極に対する第1時間間隔と、前記第2の組の電極に対する第2時間間隔とを含み、前記第1時間間隔は前記第2時間間隔と異なる、請求項
6に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記所定の時間間隔は0.1~0.5秒の範囲である、請求項
6に記載の外科用器具。
【請求項12】
高周波(RF)エネルギー生成器と、
ハンドル本体と、
エンドエフェクタであって、
遠位部及び近位部を備える第1ジョーと、
前記第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、
前記第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、
を備える、エンドエフェクタと、
前記RFエネルギー生成器から前記少なくとも1つの電極にRFエネルギーを供給するように構成されており、シャフト制御セグメントとRF制御セグメントとを備える、制御回路と、
前記エンドエフェクタと前記制御回路との間に電気的に接続された第1の導電体と、
を備える、外科用システムであって、
前記シャフト制御セグメントは、前記第1の導電体を介して
、制御信号を前記エンドエフェクタに提供する、
及び/又は前記制御信号を前記エンドエフェクタから受信するように構成されており、前記制御信号は、前記エンドエフェクタを動作させるための情報、及び/又は前記エンドエフェクタにおいて測定された情報を含んでおり、
前記RF制御セグメントは、前記第1の導電体を介して前記RFエネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するように構成されており、
前記制御信号は、
(1)前記エンドエフェクタを切断動作モード及び/又は凝固動作モードで動作させるための信号、
(2)前記エンドエフェクタにクランプ留めされた組織のインピーダンスの情報を含む信号、
(3)前記エンドエフェクタに位置付けられたセンサからの信号、並びに、
(4)前記エンドエフェクタが使用済か未使用であるかを示す信号、の少なくともいずれか1つの信号であり、
前記RFエネルギーは、組織を焼灼するために前記少なくとも1つの電極を介して組織に提供され
、
前記外科用システムは第2の導電体を更に備え、前記シャフト制御セグメントは、前記第2の導電体を介して、前記制御信号を前記エンドエフェクタに提供する、及び/又は前記制御信号を前記エンドエフェクタから受信するように構成されており、前記シャフト制御セグメントは、前記RF制御セグメントが前記第1の導電体を介して前記RFエネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給しているときに、前記第1の導電体を介さず前記第2の導電体のみを介して、前記制御信号を前記エンドエフェクタに提供する、及び/又は前記制御信号を前記エンドエフェクタから受信するように構成されている、外科用システム。
【請求項13】
前記RF制御セグメントは、前記RFエネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するときに、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、請求項
12に記載の外科用システム。
【請求項14】
前記第1の導電体と前記シャフト制御セグメントとの間に電気的に連結されたスイッチを更に備え、前記RF制御セグメントは、前記スイッチを制御することにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、請求項
13に記載の外科用システム。
【請求項15】
前記
RF制御セグメントは、前記第1の導電体と前記シャフト制御セグメントとの間に位置するスイッチを開くことにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから、電気的に絶縁するように構成されている、請求項
14に記載の外科用
システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの電極は、前記第1ジョーの前記近位部に位置する第1の組の電極、及び前記第1ジョーの前記遠位部に位置する第2の組の電極を備えており、
前記RF制御セグメントは、所定の時間間隔で、RFエネルギーを前記第1の組の電極と前記第2の組の電極との間で繰り返し交替させるように構成されている、請求項
12に記載の外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外科用器具に関し、また様々な状況において、組織をステープル留め及び切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらのステープルカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な開腹手術、内視鏡手術及び/又は腹腔鏡手術では、例えば、組織を、凝固、封着、及び/又は癒合することが望ましい場合がある。組織を封止する1つの手段は、組織内に熱効果を引き起こすために、外科用器具のエンドエフェクタ又はエンドエフェクタ組立体内に捕捉又はクランプ留めされた組織に対する、例えば、電気エネルギーなど、エネルギーの印加に依存する。様々な単極性及び双極性の高周波(RF)外科用器具及び外科技術が、このような目的のために開発されてきた。一般に、捕捉された組織にRFエネルギーを送達することにより、組織の温度を上げることができ、結果として、エネルギーがその組織内で、少なくとも部分的にタンパク質を変性することができる。コラーゲンなどのこのようなタンパク質は例えば、変性して、タンパク質が再変性するときに混合して癒合する、又は封止する、タンパク様アマルガムになることができる。治療領域が時間を経て治癒するとき、この生物学的「封着部」は、身体の創傷治癒過程によって再吸収され得る。
【0003】
双極性高周波(RF)外科用器具の特定の構成において、外科用器具は、各ジョーが電極を備えることができる、対向する第1のジョー及び第2ジョーを備えることができる。使用において、組織は、エネルギーが対向するジョーの電極間を、これらの電極間に配置される組織を通って流れるように、ジョーの間で捕捉されてもよい。このような器具は、不規則な、若しくは厚い繊維状内容物を含む壁を有する解剖学的構造、異質の解剖的構造の束、及び/又は、実質的に厚い若しくは薄い解剖的構造物どの、多くの種類の組織を封止する必要があり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、外科用器具は、遠位部及び近位部を有する第1ジョーと、第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、を有するエンドエフェクタを含む。外科用器具は、電気外科的エネルギーを少なくとも1つの電極に供給するように構成された制御回路と、エンドエフェクタと制御回路との間で電気的に接続された導電体と、もまた含む。制御回路は、シャフト制御セグメント及び電気外科的エネルギー制御セグメントを含む。シャフト制御セグメントは、導電体を介して、エンドエフェクタを操作するための制御信号をエンドエフェクタに提供するように構成されている。電気外科的エネルギー制御セグメントは、導電体を介して、電気外科的エネルギーを少なくとも1つの電極に供給するように構成されている。
【0005】
一態様では、外科用システムは、高周波(RF)エネルギー生成器と、ハンドル本体と、エンドエフェクタと、制御回路と、エンドエフェクタと制御回路との間で電気的に接続された導電体と、を含む。エンドエフェクタは、遠位部及び近位部を有する第1ジョーと、第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、を含む。制御回路は、RFエネルギー生成器から少なくとも1つの電極にRFエネルギーを供給するように構成される。制御回路は、シャフト制御セグメント及びRF制御セグメントを含む。シャフト制御セグメントは、導電体を介して、エンドエフェクタを操作するための制御信号をエンドエフェクタに提供するように構成されている。RF制御セグメントは、導電体を介して、RFエネルギーを少なくとも1つの電極に供給するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に記載される態様の新規特徴は、添付の「特許請求の範囲」に具体的に記載される。しかしこれらの態様は、構成及び動作の方法のいずれに関しても、以下の説明文を添付の図面と共に参照することによってより深く理解され得る。
【
図1】本開示の一態様に従った、従来の外科用ステープル/締結具カートリッジ及び高周波(RF)カートリッジと共に使用するように構成された交換式外科用道具組立体に連結されたハンドル組立体を含む外科用システムの斜視図である。
【
図2】本開示の一態様に従った、
図1の外科用システムの分解斜視組立図である。
【
図3】本開示の一態様に従った、
図1及び
図2のハンドル組立体及び交換式外科用道具組立体の一部の、別の分解斜視組立図である。
【
図4】本開示の一態様に従った、
図1~
図3の交換式外科用道具組立体の近位部の分解組立図である。
【
図5】本開示の一態様に従った、
図1~
図4の交換式外科用道具組立体の遠位部の、別の分解組立図である。
【
図6】本開示の一態様に従った、中にRFカートリッジを支持し、カートリッジとアンビルとの間に組織がクランプ留めされ、
図1~
図5に示すエンドエフェクタの部分断面図である。
【
図7】本開示の一態様に従った、
図6のアンビルの部分断面図である。
【
図8】本開示の一態様に従った、
図1~
図5の交換式外科用道具組立体の一部の、別の分解組立図である。
【
図9】本開示の一態様に従った、
図1及び
図2の交換式外科用道具組立体及びハンドル組立体の、別の分解組立図である。
【
図10】本開示の一態様に従った、
図1~
図5の交換式外科用道具組立体のRFカートリッジ及び細長通路の斜視図である。
【
図11】本開示の一態様に従った、ナイフ部材を備えた、
図10のRFカートリッジ及び細長通路の一部の部分斜視図である。
【
図12】本開示の一態様に従った、
図10の細長通路内に取り付けられ、フレキシブルシャフト回路構成の一部を示すRFカートリッジの別の斜視図である。
【
図13】本開示の一態様に従った、
図12の線13-13に沿って切り取った、
図12のRFカートリッジ及び細長通路の断面端図である。
【
図14】本開示の一態様に従った、エンドエフェクタが関節運動位置にある、
図1及び5の交換式外科用道具組立体の一部の上部断面図である。
【
図15】本開示の一態様に従った、搭載された回路基板構成及びRF発電機を加えた構成の斜視図である。
【
図16A】本開示の一態様に従った、2つの図面にまたがる、
図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
【
図16B】本開示の一態様に従った、2つの図面にまたがる、
図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
【
図17】本開示の一態様に従った、ハンドル組立体と電源組立体との間のインタフェース、と及びハンドル組立体交換式シャフト組立体との間のインタフェースを示す、
図1の外科用器具の制御回路のブロック図である。
【
図18】本開示の一態様に従った、様々な機能を制御するように構成された外科用器具の概略図である。
【
図19】本開示の一態様に従った、エンドエフェクタ内のジョーの概略上面図である。
【
図20】本開示の一態様に従った、時間の関数として電極に印加された電圧を示すグラフである。
【
図21】本開示の一態様に従った、エンドエフェクタと電力及び制御信号を通信するようにプログラムされた外科用システムのブロック図を示す。
【
図22】本開示の一態様に従った、外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成のプロセスを示す論理フロー図である。
【
図23】本開示の一態様に従った、時間の関数としての組織インピーダンス曲線のグラフである。
【
図24】本開示の一態様に従った、例示的なモータ電圧曲線を示すグラフである。
【
図25】本開示の一態様に従った、外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成のプロセスを示す論理フロー図である。
【
図26】本開示の一態様に従った、時間の関数としての組織インピーダンス曲線のグラフである。
【
図27】本開示の一態様に従った、例示的なモータ電圧曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本出願の出願人は、本出願と同時に出願された以下の特許出願を所有しており、これらの各々は、参照によりそれぞれの全体が本明細書に組み込まれる。
代理人整理番号END8184USNP/170063、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」。
【0008】
代理人整理番号END8183USNP/170064、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SYSTEMS AND METHODS OF DISPLAYING SURGICAL INSTRUMENT STATUS」。
【0009】
代理人整理番号END8190USNP/170065、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SHAFT MODULE CIRCUITRY ARRANGEMENTS」。
【0010】
代理人整理番号END8185USNP/170067、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「FLEXIBLE CIRCUIT ARRANGEMENT FOR SURGICAL FASTENING INSTRUMENTS」。
【0011】
代理人整理番号END8188USNP/170068、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SURGICAL SYSTEM COUPLEABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND HAVING A PLURALITY OF RADIO-FREQUENCY ENERGY RETURN PATHS」。
【0012】
代理人整理番号END8181USNP/170069、2017年6月28日出願の発明者David C.Yatesらによる、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING CONTROL CIRCUITS FOR AN INDEPENDENT ENERGY DELIVERY OVER SEGMENTED SECTIONS」。
【0013】
代理人整理番号END8187USNP/170070、2017年6月28日出願の発明者Tamara Widenhouseらによる、表題「SURGICAL END EFFECTOR FOR APPLYING ELECTROSURGICAL ENERGY TO DIFFERENT ELECTRODES ON DIFFERENT TIME PERIODS」。
【0014】
代理人整理番号END8182USNP/170071、2017年6月28日出願の発明者Tamara Widenhouseらによる、表題「ELECTROSURGICAL CARTRIDGE FOR USE IN THIN PROFILE SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」。
【0015】
代理人整理番号END8186USNP/170072、2017年6月28日出願の発明者Frederick E.Shelton,IVらによる、表題「SURGICAL END EFFECTOR TO ADJUST JAW COMPRESSION」。
【0016】
代理人整理番号END8224USNP/170073、2017年6月28日出願の発明者Jason L.Harrisらによる、表題「CARTRIDGE ARRANGEMENTS FOR SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENTS WITH LOCKOUT DISABLEMENT FEATURES」。
【0017】
代理人整理番号END8229USNP/170074、2017年6月28日出願の発明者Jeffrey D.Messerlyらによる、表題「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENTS WITH DUAL POWER SOURCES」。
【0018】
電気外科用装置は、多くの外科手術で使用され得る。電気外科用装置は、組織を治療するために、組織に電気エネルギーを印加することができる。電気外科用装置は、1つ以上の電極を備えるエンドエフェクタを遠位に取り付けた器具を備えていてもよい。エンドエフェクタは、電流が組織に導入されるように、組織に対して配置することができる。電気外科用装置は、単極性動作又は双極性動作のために構成することができる。単極性動作の間、エンドエフェクタ上の活性(又はソース)電極により、電流を組織に導入することができ、リターン電極により戻すことができる。リターン電極は接地パッドであってよく、患者の身体の上で別個に配置されていてよい。双極性動作の間、電流は、それぞれエンドエフェクタの活性電極により組織に導入され、リターン電極により組織から戻され得る。
【0019】
エンドエフェクタは2つ以上のジョー部材を含むことができる。ジョー部材のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの電極を有することができる。少なくとも1つのジョーは、ジョー部材の間隔が、第1の位置の間隔よりも小さくなる位置に組織を受容するために、対向するジョーから隔置された位置から移動可能であり得る。この移動可能なジョーの動きにより、その間に保持された組織が圧縮され得る。組織を通じて流れる電流によって発生する熱が、ジョーの移動によって達成される圧縮と組み合わさって、組織内及び/又は組織間に止血封止を形成してもよく、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用となり得る。
【0020】
エンドエフェクタは、切断部材を備えてもよい。切断部材は、組織及び電極に対して移動可能であり、組織を切除することができる。電気外科用装置は、ステープリング装置などの、合わせて組織をクランプ留めする機構、及び/又は、組織ナイフなどの、組織を切断する機構もまた含むことができる。電気外科用装置は、治療を受けている組織に近接してエンドエフェクタを配置するためのシャフトを含んでもよい。シャフトは、直線状であっても曲線状であってもよく、屈曲可能であっても屈曲不能であってもよい。直線状の屈曲可能なシャフトを含む電気外科用装置では、シャフトは、シャフトの制御された屈曲を可能にするための1つ以上の関節接合部を有してもよい。そのような接合部は、直線状の非屈曲式シャフトを有する電気外科用装置を使用して治療されている組織に容易にアクセスできないときに、本電気外科用装置のユーザが、シャフトに対してある角度をなしてエンドエフェクタを組織と接触させて配置することを可能にし得る。
【0021】
電気外科用装置によって印加される電気エネルギーは、ハンドピースと連通している発電機によって、器具へと伝達することができる。電気エネルギーは、高周波(「RF」)エネルギーの形態であってもよい。RFエネルギーは、200キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数範囲であり得る電気エネルギーの一形態である。印加中、電気外科用器具は、組織を通じて低周波数RFエネルギーを伝送することができ、これはイオン撹拌又は摩擦、即ち抵抗加熱を生じさせ、これによって組織の温度を増加させることができる。罹患組織と周囲組織との間にはっきりとした境界が作り出されるため、外科医は、隣接する非標的組織を犠牲にすることなく、高レベルの正確性及び制御で手術することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は成形しながら、同時に血管を封止するために有用である。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成されかつ熱に接触した際に収縮する、結合組織に対して特に良好に作用する。
【0022】
RFエネルギーは、EN 60601-2-:2:2009+A11:2011、Definition 201.3.218-HIGH FREQUENCYに記載される周波数の範囲内であってよい。例えば、モノポーラRF用途における周波数は、典型的には、5MHz未満に制限され得る。しかしながら、バイポーラRF用途において、周波数は、ほぼどのような周波数であってもよい。200kHz超の周波数は、典型的には、低周波数の電流の使用から生じる神経及び筋肉の不必要な刺激を避けるために、モノポーラ用途に使用され得る。神経筋刺激の可能性が許容可能なレベルにまで緩和されたことをリスク分析が示す場合、より低い周波数がバイポーラ用途に使用され得る。高周波数漏洩電流に関連する問題を最小限に抑えるために、5MHz超の周波数は、通常使用されない。しかしながら、より高い周波数は、バイポーラ用途の場合には使用され得る。一般に、10mAが、組織への熱効果の下側閾値であると認識されている。
【0023】
図1及び
図2は、様々な異なる外科的処置を実施するために使用し得る、モータ駆動式外科用システム10を示す。図示した構成において、外科用システム10は、ハンドル組立体500に動作可能に連結された交換式外科用道具組立体1000を備える。別の外科用システムの態様では、交換式外科用道具組立体1000は、ロボット制御又は自動外科用システムの道具駆動組立体と共に効果的に使用され得る。例えば、本明細書で開示する外科用道具組立体1000は、様々なロボットシステム、器具、構成要素及び方法、例えば、限定されないが、参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されるものと共に使用されてもよい。
【0024】
図示した態様において、ハンドル組立体500は、臨床医により把持及び操作することが可能なピストルグリップ部分504を含むハンドルハウジング502を備えることができる。以下で簡潔に論じるように、ハンドル組立体500は、様々な制御運動を生成して交換式外科用道具組立体1000の対応する部分に適用するように構成された複数の駆動システムを動作可能に支持する。
図2に示すように、ハンドル組立体500は、複数の駆動システムを動作可能に支持するハンドルフレーム506を更に含むことができる。例えば、ハンドルフレーム506は、全般的に510として示される「第1の」、又は閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、これを用いて、交換式外科用道具組立体1000に開閉運動を適用することができる。少なくとも1つの形態では、閉鎖駆動システム510は、ハンドルフレーム506により枢動可能に支持される閉鎖トリガ512の形態のアクチュエータを含んでもよい。このような構成により、臨床医が閉鎖トリガ512を操作することが可能になり、これにより、臨床医がハンドル組立体500のピストルグリップ部分504を把持する場合に、閉鎖トリガ512は、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へ、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置へと、容易に枢動できるようになっている。使用中、閉鎖駆動システム510を作動させるために、臨床医は、閉鎖トリガ512を、ピストルグリップ部分504に向かって押し下げる。参照によって全体内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/226,142号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SENSOR SYSTEM」(現在は米国特許出願公開第2015/0272575号)に更に詳細に記載されるように、臨床医が閉鎖トリガ512を完全に押し下げ、完全に閉じたストロークを達成するとき、閉鎖駆動システム510は、閉鎖トリガ512を、完全に押し下げられた位置又は完全に作動した位置にロックするように構成されている。臨床医が閉鎖トリガ512をロック解除して非作動位置へと付勢させるように所望する場合、臨床医は、単純に、閉鎖解放ボタン組立体518を活性化させ、これにより、閉鎖トリガを非作動位置まで戻すことが可能である。閉鎖解放ボタン組立体518はまた、閉鎖トリガ512の位置を追跡するために、ハンドル組立体500内のマイクロコントローラと連通する様々なセンサと相互作用するように構成されてもよい。閉鎖解放ボタン組立体518の構成及び動作に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2015/0272575号に見出すことができる。
【0025】
少なくとも1つの形態では、ハンドル組立体500及びハンドルフレーム506は、取り付けられている交換式外科用道具組立体の対応する部分に発射運動を適用するように構成されている、本明細書で発射駆動システム530と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持していてもよい。米国特許出願公開第2015/0272575号に詳細に記載されるように、発射駆動システム530は、ハンドル組立体500のピストルグリップ部分504内に位置する電動モータ505を使用してもよい。様々な形態では、モータ505は、最大回転数が例えば約25,000RPMのブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ505はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。モータ505は、電源522によって給電されてもよく、電源522は、一形態では、着脱可能なパワーパックを備えてもよい。パワーパックは、その中にある複数のリチウムイオン(「LI」)電池又は他の好適な電池を支持してもよい。直列又は並列で接続した複数の電池を、外科用システム10のための電源522として使用することができる。加えて、電源522は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0026】
電動モータ505は、長手方向に移動可能な駆動部材540(
図3)を、モータの極性に応じて、遠位方向及び近位方向で軸方向に駆動させるように構成されている。例えば、モータ505がある回転方向に駆動すると、長手方向に移動可能な駆動部材は、遠位方向「DD」に軸方向に駆動することになる。モータ505が、反対の回転方向に駆動すると、長手方向に移動可能な駆動部材540は、近位方向「PD」に軸方向に駆動することになる。ハンドル組立体500は、スイッチ513を含んでもよく、スイッチ513は、電源522によって電動モータ505に適用される極性を逆転させるか、又は別の方法でモータ505を制御するように構成されてもよい。ハンドル組立体500はまた、駆動部材の位置及び/又は駆動部材が移動する方向を検出するように構成されている、1つ又は複数のセンサ(図示せず)を含むことができる。モータ505の作動は、閉鎖トリガ512に隣接しており、ハンドル組立体500上で枢動可能に支持される、発射トリガ(図示せず)により制御可能である。発射トリガは、非作動位置と作動位置との間で枢動されてよい。発射トリガは、バネ若しくはその他の付勢構成により非作動位置へと付勢されてよく、これにより、臨床医が発射トリガを解放する場合に、それがバネ若しくは付勢構成により非作動位置へと枢動する、又は別の方法で戻されてよい。少なくとも1つの形態では、発射トリガは、閉鎖トリガ512の「機外」に配置され得る。米国特許出願公開第2015/0272575号に記載されるように、ハンドル組立体500には、発射トリガの不注意による作動を防ぐために、発射トリガ安全ボタン(図示せず)が設けられていてもよい。閉鎖トリガ512が非作動位置にある場合、安全ボタンはハンドル組立体500の中に入っており、臨床医は、これに容易に触ることができず、発射トリガの作動を防ぐ安全位置と、発射トリガが発射し得る発射位置との間を移動させることはできない。臨床医が閉鎖トリガを押し下げる際に、安全ボタン及び発射トリガが下方に枢動し、次に、臨床医による操作が可能になる。
【0027】
少なくとも1つの形態では、長手方向に移動可能な駆動部材540は、モータと連係する対応する駆動歯車構成(図示せず)との噛み合い係合ために、その上に形成された歯のラック542を有してよい。
図3を参照されたい。これらの特徴に関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2015/0272575号に見出すことができる。しかし、少なくとも1つの構成において、長手方向に移動可能な駆動部材は、不注意によるRFエネルギーからその構成を保護するために絶縁されている。少なくとも1つの形態はまた、臨床医が長手方向に移動可能な駆動部材を手動で後退させ、モータ505を使用できないようにすることが可能なように構成された、手動で作動可能な「緊急離脱」組立体を含む。緊急離脱組立体は、解放可能なドア部550の下のハンドル組立体500内に格納されたレバー又は緊急離脱ハンドル組立体を含んでもよい。
図2を参照されたい。レバーは、駆動部材内の歯とラチェット係合するように、手動で枢動するように構成されてもよい。したがって、臨床医は、緊急離脱ハンドル組立体を使用して駆動部材540を手動で後退させ、駆動部材を近位方向「PD」にラチェットさせることができる。その開示全体が本明細書に参照により組み込まれている、米国特許第8,608,045号(表題「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」)は、本明細書にて開示した様々な交換式外科用道具組立体のいずれか1つと共に使用可能でもある、緊急離脱構成、並びに他の構成要素、構成、及びシステムについて開示している。
【0028】
図示した態様において、交換式外科用道具組立体1000は、第1ジョー1600及び第2ジョー1800を備える外科用エンドエフェクタ1500を含む。ある構成において、第1ジョーは、中に従来の(機械式)外科用ステープル/締結具カートリッジ1400(
図4)、又は高周波(RF)カートリッジ1700(
図1及び
図2)を動作可能に支持するように構成された細長通路1602を備える。第2ジョー1800は、細長通路1602に対して枢動可能に支持されるアンビル1810を備える。アンビル1810は、閉鎖駆動システム510を作動させることにより、開位置と閉位置との間を、細長通路1602内で支持された外科用カートリッジに向かうように、及びそこから離れるように選択的に移動されてもよい。図示した構成において、アンビル1810は、シャフト軸SAを横断する枢動軸を中心に選択的枢動移動のために、細長通路1602の近位端部分に枢動可能に支持される。閉鎖駆動システム510の作動により、関節運動コネクタ1920に取り付けられた、近位閉鎖部材又は近位閉鎖管1910の遠位軸移動がもたらされ得る。
【0029】
図4に戻ると、関節運動コネクタ1920は、エンドエフェクタ閉鎖スリーブ又は遠位閉鎖管セグメント1930に移動可能に連結される関節運動コネクタ1920の遠位端から遠位に突出する上部突出部1922及び下部突出部1924を含む。
図3を参照されたい。遠位閉鎖管セグメント1930は、上部突出部1932、及び上部突出部1932の近位端から近位に突出する下部突出部(図示せず)を含む。上部二重枢動リンク1940は、それぞれ関節運動コネクタ1920及び遠位閉鎖管セグメント1930の上部突出部1922、1932の対応する穴と係合する、近位ピン1941及び遠位ピン1942を含む。同様に、下部二重枢動リンク1944は、それぞれ関節運動コネクタ1920及び遠位閉鎖管セグメント1930の下部突出部1924の対応する穴と係合する、近位ピン1945及び遠位ピン1946を含む。
【0030】
依然として
図4を参照すると、図示した例において、遠位閉鎖管セグメント1930は、アンビル1810の対応する部分と対応し、遠位閉鎖管セグメント1930が開始位置に向かって近位方向PDに後退すると、アンビル1810に開運動を適用する、正ジョー開口部特徴部又はタブ1936、1938を含む。アンビル1810の開閉に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH POSITIVE JAW OPENING FEATURES」)(代理人整理番号END8208USNP/170096)に見出すことができる。
【0031】
図5に示すように、少なくとも1つの構成において、交換式外科用道具組立体1000は、上にノズル組立体1240を動作可能に支持する道具シャーシ1210を備える、道具フレーム組立体1200を含む。その全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」)(代理人整理番号END8209USNP/170097)にて更に詳細に論じられるように、道具シャーシ1210及びノズル構成1240は、道具シャーシ1210に対してシャフト軸SAを中心にした外科用エンドエフェクタ1500の回転を容易にする。このような回転移動は、
図1において矢印Rにより示される。
図4及び
図5にもまた示すように、交換式外科用道具組立体1000は、近位閉鎖管1910を動作可能に支持するスパイン組立体1250を含み、外科用エンドエフェクタ1500に連結されている。様々な状況において、組み立てを容易にするために、スパイン組立体1250は、スナップ形成体、接着剤、溶接などにより互いに接続された、上部スパインセグメント1251及び下部スパインセグメント1252から作製可能である。組み立てられた形態において、スパイン組立体1250は、道具シャーシ1210内に回転可能に支持される近位端1253を含む。ある構成では例えば、スパイン組立体1250の近位端1253は、道具シャーシ1210内で支持されるように構成されたスパインベアリング(図示せず)に結合されている。このような構成により、スパイン組立体1250の道具シャーシへの取り付けが容易になり、スパイン組立体1250が道具シャーシ1210に対してシャフト軸SAを中心に選択的に回転可能となる。
【0032】
図4に示すように、上部スパインセグメント1251は上部ラグ固定特徴部1260で終了し、下部スパインセグメント1252は、下部ラグ固定特徴部1270で終了する。上部ラグ固定特徴部1260は、中に上部固定リンク1264を固定するように支持するように適合された、ラグスロット1262が中に形成される。同様に、下部ラグ固定特徴部1270は、中に下部固定リンク1274を固定するように支持するように適合された、ラグスロット1272が中に形成される。上部固定リンク1264は、シャフト軸SAからずれた枢動ソケット1266を中に含む。枢動ソケット1266は、中に、通路キャップ上に形成された枢動ピン1634、又は細長通路1602の近位端部分1610に取り付けられた通路キャップ又はアンビル保持装置1630を回転可能に受容するように適合されている。下部固定リンク1274は、細長通路1602の近位端部分1610内に形成された枢動穴1611内に受容されるように適合された、下部枢動ピン1276を含む。下部枢動ピン1276及び枢動穴1611は、シャフト軸SAからずれている。下部枢動ピン1276は枢動ソケット1266と垂直に連動し、それを中心として外科用エンドエフェクタ1500がシャフト軸SAに対して関節運動し得る関節運動軸AAを画定する。
図1を参照されたい。関節運動軸AAはシャフト軸SAを横断するものの、少なくとも1つの構成において、関節運動軸AAはシャフト軸SAから水平にずれており、シャフト軸SAと交差しない。
【0033】
図5に戻ると、近位閉鎖管1910の近位端1912は、近位閉鎖管セグメント1910内の環状溝1915に位置するコネクタ1916により、閉鎖シャトル1914に回転可能に連結されている。閉鎖シャトル1914は道具シャーシ1210内で軸移動のために支持され、道具シャーシ1210がハンドルフレーム506に連結されたときに閉鎖駆動システム510に係合するように構成された一対のフック1917を、閉鎖シャトル1914上に有する。道具シャーシ1210は、道具シャーシ1210をハンドルフレーム506に解放可能に掛け留めするための掛留組立体1280を、更に支持する。道具シャーシ1210及び掛留組立体1280に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」)(代理人整理番号END8209USNP/170097)に見出すことができる。
【0034】
ハンドル組立体500内の発射駆動システム530は、交換式外科用道具組立体1000内で動作可能に支持された発射システム1300に、動作可能に連結されるように構成されている。発射システム1300は、発射駆動システム530により適用される、対応する発射運動に応答して、遠位方向及び近位方向に軸移動されるように構成された、中間発射シャフト部分1310を含むことができる。
図4を参照されたい。
図5に示すように、中間発射シャフト部分1310の近位端1312は、ハンドル組立体500内の発射駆動システム530の長手方向に移動可能な駆動部材540の遠位端の上にある、取り付けクレードル544(
図3)内に封止されるように構成された、近位端1312の上に形成された発射シャフト取り付けラグ1314を有する。このような構成により、発射駆動システム530の作動時に、中間発射シャフト部分1310の軸移動が容易になる。図示した例において、中間発射シャフト部分1310は、遠位切断部分又はナイフバー1320に取り付けられるように構成されている。
図4に示すように、ナイフバー1320は、発射部材又はナイフ部材1330に接続されている。ナイフ部材1330は、その上に組織切断刃1334を動作可能に支持する、ナイフ本体1332を備える。ナイフ本体1332は、アンビル係合タブ又は特徴部1336、及び通路係合特徴部又は足部1338を更に含むことができる。アンビル係合特徴部1336は、ナイフ部材1330がエンドエフェクタ1500を通って遠位に前進したときに、更なる閉鎖運動をアンビル1810に適用するように機能し得る。
【0035】
図示した例において、外科用エンドエフェクタ1500は関節運動システム1360により、関節運動軸AAを中心として選択的に関節運動可能である。一形態において、関節運動システム1360は、関節運動リンク1380に枢動可能に連結された近位関節運動ドライバ1370を含む。
図4に最も具体的に確認できるように、ずれ取り付けラグ1373が、近位関節運動ドライバ1370の遠位端1372に形成される。枢動穴1374がずれ取り付けラグ1373の中に形成され、関節運動リンク1380の近位端1381に形成された近位リンクピン1382を、中に枢動可能に受容するように構成されている。関節運動リンク1380の遠位端1383は、細長通路1602の近位端部分1610に形成された通路ピン1618を、中に枢動可能に受容するように構成された枢動穴1384を含む。したがって、近位関節運動ドライバ1370の軸移動により、関節運動が細長通路1602に適用され、これによって、外科用エンドエフェクタ1500がスパイン組立体1250に対して、関節運動軸AAを中心に関節移動する。様々な状況において、近位関節運動ドライバ1370が近位方向又は遠位方向に移動していないときに、近位関節運動ドライバ1370が、関節運動ロック1390により、所定の位置で維持されてもよい。関節運動ロック1390の例示的な形態に関する更なる詳細は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION SYSTEM LOCKABLE TO A FRAME」)(代理人整理番号END8217USNP/170102)に見出すことができる。
【0036】
上記に加えて更に、交換式外科用道具組立体1000は、近位関節運動ドライバ1310を発射システム1300に選択的にかつ解放可能に連結するように構成することができる、シフタ組立体1100を含む。
図5に示すように、例えば、一形態において、シフタ組立体1100は、発射システム1300の中間発射シャフト部分1310の周りに配置された、ロックカラー、又はロックスリーブ1110を含み、ロックスリーブ1110は、ロックスリーブ1110が近位関節運動ドライバ1370を発射部材組立体1300に動作可能に連結させる係合位置と、近位関節運動ドライバ1370が発射部材組立体1300に動作可能に連結されない係合解除位置との間を回転することができる。ロックスリーブ1110が係合位置にあるとき、発射部材組立体1300が遠位に移動することにより、近位関節運動ドライバ1370が遠位に移動することができ、これに対応して、発射部材組立体1300が近位に移動することにより、近位関節運動ドライバ1370が近位に移動することができる。ロックスリーブ1110がその係合解除位置にあるとき、発射部材組立体1300の移動は近位関節運動ドライバ1370に伝達されず、その結果、発射部材組立体1300は近位関節運動ドライバ1370から独立して移動することができる。様々な状況下では、近位関節運動ドライバ1370は、近位関節運動ドライバ1370が発射部材組立体1300によって近位方向又は遠位方向に移動されていないとき、関節運動ロック1390によって所定の位置に保持され得る。
【0037】
図示した構成において、発射部材組立体1300の中間発射シャフト部分1310は、中に駆動ノッチ1316が形成された、2つの対向する平坦な側面を有して形成される。
図5を参照されたい。
図5でもまた確認できるように、ロックスリーブ1110は、中間発射シャフト部分1310を受容するように構成された長手方向アパーチャを含む、円筒形、又は少なくとも実質的に円筒形の本体を備える。ロックスリーブ1110は、ロックスリーブ1110がある位置にあるときに、中間発射シャフト部分1310内の駆動ノッチ1316の対応する部分の中に係合可能に受容され、別の位置にあるときに、駆動ノッチ1316内には受容されない、直径の反対方向に内側に向き合う、ロック突出部を備えることができ、これにより、ロックスリーブ1110と中間発射シャフト1310との間での、相対的な軸運動を可能にする。
図5に更に確認できるように、ロックスリーブ1110は、近位関節運動ドライバ1370の近位端のノッチ1375内に移動可能に受容されるような寸法である、ロック部材1112を更に含む。このような構成により、近位関節運動ドライバ1370内でのノッチ1375との係合のために、適切な位置に残りながら、又は係合しながら、ロックスリーブ1110はわずかに回転して、中間発射シャフト部分1310と係合し、係合解除することができる。例えば、ロックスリーブ1110がその係合位置にある場合、ロック突出部は、中間発射シャフト部分1310の駆動ノッチ1316内に配置され、これにより、遠位押力及び/又は近位引張力が発射部材組立体1300からロックスリーブ1110へと伝達され得る。このような軸方向の押運動、又は引張運動は次に、ロックスリーブ1110から近位関節運動ドライバ1370へと伝達されることにより、外科用エンドエフェクタ1500を関節運動させる。実際には、発射部材組立体1300、ロックスリーブ1110、及び近位関節運動ドライバ1370は、ロックスリーブ1110がその係合(関節運動)位置にあるときに共に移動する。他方で、ロックスリーブ1110がその係合解除位置にあるとき、ロック突出部は中間発射シャフト部分1310の駆動ノッチ1316内には受容されず、結果的に、遠位押力及び/又は近位引張力は、発射部材組立体1300からロックスリーブ1110(そして、近位関節運動ドライバ1370)に伝達され得ない。
【0038】
図示した例において、係合位置と係合解除位置との間での、ロックスリーブ1110の相対移動は、近位閉鎖管1910と連係するシフタ組立体1100により、制御されてもよい。依然として
図5を参照すると、シフタ組立体1100は、ロックスリーブ1110の外側周辺に形成された鍵溝内に摺動可能に受容されるように構成された、シフタキー1120を更に含む。このような構成により、シフタキー1120がロックスリーブ1110に対して軸移動することが可能となる。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、同日に出願された米国特許出願(表題「SURGICAL INSTRUMENT WITH AXIALLY MOVABLE CLOSURE MEMBER」)(代理人整理番号END8209USNP/170097)に更に詳細に論じられているように、シフタキー1120の一部は、近位閉鎖管部分1910内でカム開口部(図示せず)とカム作用により相互作用するように、構成されている。また、図示した例では、シフタ組立体1100は、近位閉鎖管部分1910の近位端部分に回転可能に受容される、スイッチドラム1130を更に含む。シフタキー1120の一部は、スイッチドラム1130内の軸スロットセグメントを通って延び、スイッチドラム1130内の弓状スロットセグメント内に移動可能に受容される。スイッチドラムねじりバネ1132がスイッチドラム1130に固定され、ノズル組立体1240の一部に係合して、近位閉鎖管部分1910内のカム開口部の端部部分にシフタキー1120の一部が到達するまで、スイッチドラム1130を回転させる役割を果たすねじれ付勢又は回転を適用する。この位置にあるとき、スイッチドラム1130はねじれ付勢をシフタキー1120にもたらすことにより、ロックスリーブ1110を回転させて、中間発射シャフト部分1310との係合位置にする。この位置はまた、近位閉鎖管1910(及び、遠位閉鎖管セグメント1930)の非作動構成に対応している。
【0039】
ある構成では例えば、近位閉鎖管1910が非作動構成にある(アンビル1810が、細長通路1602に固定されたカートリッジから離れて開位置にある)とき、中間発射シャフト部分1310が作動することにより、近位関節運動ドライバ1370が軸移動し、エンドエフェクタ1500の関節運動が容易になる。ユーザが外科用エンドエフェクタ1500を所望の向きに関節運動させると、次いでユーザは、近位閉鎖管部分1910を作動させることができる。近位閉鎖管部分1910を作動させることにより、遠位閉鎖管セグメント1930の遠位移動がもたされ、最終的に閉鎖運動がアンビル1810に適用される。近位閉鎖管部分1910のこの遠位移動により、その中のカム開口部において、シフタキー1120のカム部分とのカム作用による相互作用がもたされることにより、シフタキー1120が作動方向に、ロックスリーブ1110を回転させる。ロックスリーブ1110のこのような回転により、中間発射シャフト部分1310内で、駆動ノッチ1316からロック突出部が係合解除される。このような構成にあるとき、発射駆動システム530が作動して、近位関節運動ドライバ1370を作動させることなく、中間発射シャフト部分1310を作動させることができる。スイッチドラム1130及びロックスリーブ1110の動作、並びに、本明細書で記載される様々な交換式外科用道具組立体と共に用いることができる、代替の関節運動及び発射駆動構成に関する更なる詳細は、これらの開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/803,086号(現在は米国特許公開第2014/0263541号)及び米国特許出願第15/019,196号に見出すことができる。
【0040】
図5及び
図15にもまた示すように、交換式外科用道具組立体1000は、ノズル組立体1240を回転させることにより、道具シャーシ1210に対するシャフト軸SAを中心にしたシャフト及びエンドエフェクタ1500の回転移動を容易にしながら、電力を外科用エンドエフェクタ1500に/から伝えし、かつ/又は、外科用エンドエフェクタ1500に/から、信号を通信するように構成可能な、搭載された回路基板1152の背後にある、スリップリング組立体1150を備えることができる。
図15に示すように、少なくとも1つの構成において、搭載された回路基板1152は、例えば、ハンドル組立体500又はロボットシステムコントローラ内で支持されるマイクロプロセッサ560と通信する、ハウジングコネクタ562(
図9)と連係するように構成された、搭載されたコネクタ1154を含む。スリップリング組立体1150は、搭載された回路基板1152と連係する近位コネクタ1153と連係するように構成されている。スリップリング組立体1150及び関連するコネクタに関する更なる詳細は、それらの各全体が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願第13/803,086号、現在は米国特許出願公開第2014/0263541号、及び米国特許出願第15/019,196号、並びにその全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(現在は米国特許出願公開第2014/0263552号)に見出され得る。
【0041】
本明細書で開示した交換式外科用道具組立体1000の例示的なバージョンを、ナイフ部材により組織の切断を容易にし、切断組織を、高周波(RF)エネルギーを用いて封止するように構成された、標準的な(機械式)外科用締結具カートリッジ1400又はカートリッジ1700と共に使用することができる。
図4に再び戻ると、従来の、又は標準的な機械式カートリッジ1400が示されている。このようなカートリッジ構成は既知であり、細長通路1602内で着脱可能に受容され支持されるような寸法、及び形状である、カートリッジ本体1402を備えることができる。例えば、カートリッジ本体1402は、細長通路1602とスナップ係合して、着脱可能に保持されるように構成されてもよい。カートリッジ本体1402は細長スロット1404を含み、このスロットを通して、ナイフ部材1330の軸移動に適応する。カートリッジ本体1402は、中央に配置された細長スロット1404の各側面の列に位置合わせされた複数のステープルドライバ(図示せず)をその内部に動作可能に支持する。ドライバは、カートリッジ本体1402の上部デッキ表面1410を通って開いている、対応するステープル/締結具ポケット1412と関連付けられる。ステープルドライバのそれぞれは、1つ以上の外科用ステープル又は締結具(図示せず)を支持する。スレッド組立体1420がカートリッジ本体1402の近位端内で支持されており、カートリッジ1400が新しいものであり、発射されていないときには、開始位置においてドライバ及び締結具に近位に位置している。スレッド組立体1420は、複数の傾斜した又は楔形のカム1422を含み、各カム1422は、スロット1404の側面上に位置する締結具又はドライバの特定のラインに対応する。スレッド組立体1420は、アンビルとカートリッジデッキ表面1410との間でクランプ留めされた組織を通ってナイフ部材が遠位に駆動されるときに、ナイフ部材1330により接触され駆動されるように構成されている。ドライバがカートリッジデッキ表面1410に向けて上向きに駆動されると、その上で支持されている締結具(単数又は複数)は、ステープルポケット1412から、アンビルとカートリッジとの間でクランプ留めされた組織を通って駆動される。
【0042】
依然として
図4を参照すると、少なくとも1つの形態のアンビル1810は、水平に突出し、細長通路1602の近位端部分1610の直立壁1622に形成された、対応するトラニオンクレードル1614の中に枢動可能に受容される、一対のアンビルトラニオン1822を有するアンビル固定部分1820を含む。アンビルトラニオン1822は、通路キャップ又はアンビル保持装置1630により、対応するトラニオンクレードル1614内で枢動可能に保持される。アンビル固定部分1820は、シャフト軸SAを横断する、固定されたアンビル枢動軸を中心にしたアンビル固定部分1820に対する選択的な枢動移動のために、細長通路1602の上で、移動可能に、又は枢動可能に支持される。
図6及び
図7に示すように、少なくとも1つの形態において、アンビル1810は、例えば導電性金属材料から作製されるアンビル本体部分1812を含み、中にナイフ部材1330を摺動可能に収容するように構成された中央に配置されたアンビルスロット1815の各側面に、中に形成された一連の締結具形成ポケット1814を有するステープル形成下面1813を有する。アンビルスロット1815は、アンビル本体1812を通って長手方向に延びる上部開口部1816へと開口し、発射の間、ナイフ部材1330上にアンビル係合特徴部1336を収容する。従来の機械式外科用ステープル/締結具カートリッジ1400が細長通路1602内に取り付けられると、ステープル/締結具は組織Tを通って駆動され、対応する締結具形成ポケット1814との接触を形成する。アンビル本体1812は上部に開口部を有し、例えば取り付けを容易にすることができる。アンビルキャップ1818を中に挿入し、アンビル本体1812に溶接して開口部を取り囲み、アンビル本体1812の全体の剛性を改善することができる。
図7に示すように、RFカートリッジ1700と共にエンドエフェクタ1500の使用を容易にするために、締結具形成下面1813の組織に面しているセグメント1817は、その上に電気絶縁性材料1819を有してよい。
【0043】
図示した構成において、交換式外科用道具組立体1000は、全般的に1640として示される発射部材ロックアウトシステムと共に構成される。
図8を参照されたい。
図8に示すように、細長通路1602は、突出する2つの直立側壁1622を有する底部表面又は底部1620を含む。中央に配置された長手方向通路スロット1624は底部1620を通して形成され、ナイフ部材1330がスロットを通って軸移動することを容易にする。通路スロット1624は、ナイフ部材1330上に通路係合特徴部又は足部1338を収容する長手方向パッセージ1626へと開口している。パッセージ1626は、通路係合特徴部又は足部1338の対応する部分に係合する役割を果たす、内側に延びる2つの出っ張り部分1628を画定する役割を果たす。発射部材ロックアウトシステム1640は、ナイフ部材1330が開始位置にあるときに、それぞれが、通路係合特徴部又は足部1338の対応する部分を受容するように構成された、通路スロット1624の各側面に位置する近位開口部1642を含む。ナイフロックアウトバネ1650は、細長通路1602の近位端1610で支持され、ナイフ部材1330を下に向かって付勢する役割を果たす。
図8に示すように、ナイフロックアウトバネ1650は、ナイフ本体1332上に、対応する中央通路係合特徴部1337に係合するように構成された、2つの遠位末端バネアーム1652を含む。バネアーム1652は、中央通路係合特徴部1337を下に向かって付勢するように構成されている。したがって、開始(未発射位置)にあるときに、ナイフ部材1330は下向きに付勢され、通路係合特徴部又は足部1338は、細長1602通路の対応する近位開口部1642内に受容される。そのロック位置にあるとき、ナイフ1330を遠位に前進させようとすると、中央通路係合特徴部1137及び/又は足部1338は、細長通路1602上で直立した出っ張り1654と係合し(
図8及び
図11)、ナイフ1330は発射できなくなる。
【0044】
依然として
図8を参照すると、発射部材ロックアウトシステム1640は、発射部材本体1332の遠位端に形成された、又はそこで支持された、ロック解除組立体1660もまた含む。ロック解除組立体1660は、スレッド組立体1420が、未発射の外科用ステープルカートリッジ1400にて開始位置にあるときに、スレッド組立体1420に形成されたロック解除特徴部1426に係合するように構成された、遠位に延びる出っ張り1662を含む。したがって、未発射の外科用ステープルカートリッジ1400が細長通路1602に適切に取り付けられると、ロック解除組立体1660の出っ張り1662が、ナイフ部材1330を上向きに付勢する役割を果たすスレッド組立体1420上でロック解除特徴部1426と接触し、中央通路係合特徴部1137及び/又は足部1338が、通路底部1620内で直立した出っ張り1654を取り除き、ナイフ部材1330の細長通路1602を通っての軸通過を容易にする。部分的に発射されたカートリッジ1400が細長通路に、知らぬ間に取り付けられた場合、スレッド組立体1420は開始位置にはなく、ナイフ部材1330はロック位置にとどまる。
【0045】
ここから、ハンドル組立体500への交換式外科用道具組立体1000の取り付けについて、
図3及び
図9を参照して記載する。連結プロセスを開始するために、臨床医は、道具シャーシ1210上に形成された先細取り付け部分1212がハンドルフレーム506のダブテールスロット507と整列するように、交換式外科用道具組立体1000の道具シャーシ1210をハンドルフレーム506の遠位端の上方に、又はそれに隣接して配置してもよい。臨床医は、次いで、先細取り付け部分1212を、ハンドルフレーム506の遠位端の対応するダブテール受容スロット507と「動作可能に係合」した状態で着座させるように、外科用道具組立体1000をシャフト軸SAに垂直な取り付け軸IAに沿って移動させてもよい。そうすることで、中間発射シャフト部分1310上の発射シャフト取り付けラグ1314もまた、ハンドル組立体500内の長手方向に移動可能な駆動部材540のクレードル544内に着座され、閉鎖リンク514上にあるピン516の部分が、閉鎖シャトル1914の対応するフック1917内に着座される。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、それにより、作動運動をそれらに適用すると、構成要素が意図される行為、機能、及び/又は手順を実施し得ることを意味する。本プロセス中にはまた、外科用道具組立体1000の、搭載されたコネクタ1154が、例えばハンドル組立体500又はロボットシステムコントローラ内で支持されたマイクロプロセッサ560と通信するハウジングコネクタ562に連結される。
【0046】
通常の外科的処置の間、臨床医は、標的組織にアクセスするため、患者のトロカール又は他の開口部を通して、外科用エンドエフェクタ1500を手術部位へと導入することができる。そうするとき、臨床医は、典型的には、シャフト軸SAに沿って外科用エンドエフェクタ1500を軸方向に整列させる(非関節運動状態)。外科用エンドエフェクタ1500がトロカールポートを通過すると、例えば、臨床医には、エンドエフェクタ1500を関節運動させて、標的組織に隣接させて有利に配置することが必要とされ得る。これは、アンビル1810が標的組織の上で閉じる前であるため、閉鎖駆動システム510は非作動のままである。この位置にあるとき、発射駆動システム530が作動することにより、関節運動が近位関節運動ドライバ1370に適用される。エンドエフェクタ1500が所望の関節運動位置に達すると、発射駆動システム530は非活性化され、関節運動ロック1390が外科用エンドエフェクタ1500を関節運動位置で保持することができる。次に臨床医は、閉鎖駆動システム510を作動させて、アンビル1810を標的組織の上で閉じることができる。閉鎖駆動システム510をこのように作動させることによってまた、シフタ組立体1100が中間発射シャフト部分1310から近位関節運動ドライバ1370を分離することができる。したがって、標的組織が外科用エンドエフェクタ1500で捕捉されると、臨床医は再び、発射駆動システム530を作動させて、発射部材1330を外科用ステープル/締結具カートリッジ1400、又はRFカートリッジ1700を通して軸方向に前進させ、クランプ留めした組織を切断し、ステープル/締結具を切断した組織Tに発射する。他の閉鎖及び発射装置構成、作動装置構成(共に手持ち型、手動、及び自動又はロボット式)もまた使用して、本開示の範囲を逸脱することなく、外科用道具組立体1000の閉鎖システム構成要素、関節運動システム構成要素、及び/又は発射システム構成要素の軸移動を制御することができる。
【0047】
上で示したとおり、外科用道具組立体1000は、従来の機械式外科用ステープル/締結具カートリッジ1400及びRFカートリッジ1700と共に使用するように構成されている。少なくとも1つの形態において、RFカートリッジ1700は、凝固用電流を電流経路内の組織に送達しながら、ナイフ部材1330を用いて、アンビル1810とRFカートリッジ1700との間でクランプ留めされた組織の機械的切断を容易にすることができる。組織を機械的に切断し、電流を用いて凝固させる代替的な構成はまた、例えば、米国特許第5,403,312号;同第7,780,663号、及び米国特許出願第15/142,609号(表題「ELECTROSURGICAL INSTRUMENT WITH ELECTRICALLY CONDUCTIVE GAP SETTING AND TISSUE ENGAGING MEMBERS」)(上記それぞれの参照文献である開示全体は、本明細書に参照により組み込まれている)に開示されている。このような器具により、例えば、止血が改善され、外科的複雑性の減少並びに手術室にいる時間の減少がもたらされ得る。
【0048】
図10~
図12に示すように、少なくとも1つの構成において、RF外科用カートリッジ1700は、細長通路1602内で着脱可能に受容され支持されるような寸法、及び形状である、カートリッジ本体1710を含む。例えば、カートリッジ本体1710は、細長通路1602とスナップ係合して、着脱可能に保持されるように構成されてもよい。様々な構成において、カートリッジ本体1710はポリマー材料、例えば、液晶ポリマー(LCP)VECTRA(商標)などのエンジニアリング熱可塑性樹脂から作製可能であり、細長通路1602は金属から作製可能である。少なくとも一態様において、カートリッジ本体1710は、カートリッジ本体を通って長手方向に延び、ナイフ1330の長手方向移動を収容する、中央に配置された細長スロット1712を含む。
図10及び
図11に示すように、一対のロックアウト係合尾部1714は、カートリッジ本体1710から近位に延びる。各ロックアウト係合尾部1714は、通路底部1620の対応する近位開口部部分1642内に受容される寸法である、下側に形成されるロックアウトパッド1716を有する。したがって、カートリッジ1700が細長通路1602に適切に取り付けられると、ロックアウト係合尾部1714は開口部1642及び出っ張り1654を覆い、ナイフ1330を、発射の準備ができたロック解除位置で保持する。
【0049】
ここで、
図10~
図13に戻ると、図示した例において、カートリッジ本体1710は、中央に配置された隆起電極パッド1720を有して形成されている。最も具体的には
図6に確認できるように、細長スロット1712は、電極パッド1720の中心を通って延び、パッド1720を、左パッドセグメント1720Lと右パッドセグメント1720Rとに分割する役割を果たす。右側フレキシブル回路組立体1730Rは右パッドセグメント1720Rに取り付けられ、左側フレキシブル回路組立体1730Lは左パッドセグメント1720Lに取り付けられている。少なくとも1つの構成では、例えば、右側フレキシブル回路1730Rは、例えば、右側パッド1720Rに取り付けられた右側絶縁体シース/部材1734Rに支持された、取り付けられた、又は埋め込まれた、RF用の、幅広い導電体/導電体、及び、従来のステープル留め用の薄い導電体を含むことができる、複数の導電体1732Rを備える。更に、右側フレキシブル回路組立体1730Rは、「フェーズ1」、即ち近位右側電極1736R、及び「フェーズ2」、即ち遠位右側電極1738Rを含む。同様に、左側フレキシブル回路組立体1730Lは、例えば、左側パッド1720Lに取り付けられた左側絶縁体シース/部材1734Lに支持された、取り付けられた、又は埋め込まれた、RF用の、幅広い導電体/導電体、及び、従来のステープル留め用の薄い導電体を含むことができる、複数の導電体1732Lを備える。更に、左側フレキシブル回路組立体1730Lは、「フェーズ1」、即ち近位左側電極1736L、及び「フェーズ2」、即ち遠位左側電極1738Lを含む。左側導電体1732L及び右側導電体1732Rは、カートリッジ本体1710の遠位端部分に固定された遠位マイクロチップ1740に取り付けられている。ある構成では例えば、右側フレキシブル回路1730R及び左側フレキシブル回路1730Lはそれぞれ、約0.025インチの全体幅「CW」を有することができ、電極1736R、1736L、1738R、1738Rのそれぞれは、例えば約0.010インチの幅「EW」を有する。
図13を参照されたい。しかし、他の幅/寸法が想到され、代替の態様において用いられてよい。
【0050】
少なくとも1つの構成では、RFエネルギーは、従来のRF発電機400により、供給リード402を通って外科用道具組立体1000に供給される。少なくとも1つの構成では、供給リード402は、搭載された回路基板1152上のセグメント化RF回路1160に取り付けられた、対応する雌型コネクタ410にプラグ接続されるように構成された、雄型プラグ組立体406を含む。
図15を参照されたい。このような構成により、発電機400から供給リード402を巻回することなく、ノズル組立体1240を回転させることによって、道具シャーシ1210に対するシャフト軸SAを中心にしたシャフト及びエンドエフェクタ1500の回転移動が容易になる。搭載されたオン/オフ電源スイッチ420が、RF発電機のオンとオフとを切り替えるために、掛留組立体1280及び道具シャーシ1210上に支持されている。道具組立体1000がハンドル組立体500又はロボットシステムに動作可能に連結されているとき、搭載されたセグメント化RF回路1160は、コネクタ1154及び562を介してマイクロプロセッサ560と通信する。
図1に示すように、ハンドル組立体500は、封止、ステープル留め、ナイフ位置、カートリッジのステータス、組織、温度の進行に関する情報を確認するために表示スクリーン430もまた含むことができる。
図15でもまた確認できるように、スリップリング組立体1150は、フレキシブルシャフト回路ストリップを含む遠位コネクタ1162、又は、RF用に使用する、関係する活動及びより幅広い導電体1168をステープル留めするための、狭い複数の導電体1166を含み得る組立体1164と連係する。
図14及び
図15に示すように、フレキシブルシャフト回路ストリップ1164は、ナイフバー1320を形成する積層板又は積層されたバー1322の間で、中心で支持される。このような構成により、エンドエフェクタ1500の関節運動の間に十分な硬さを残したまま、ナイフバー1320とフレキシブルシャフト回路ストリップ1164とを十分に撓曲させることが容易となり、ナイフ部材1330がクランプ留めされた組織を通して遠位に前進することが可能となる。
【0051】
図10に再び戻ると、少なくとも1つの図示した構成において、細長通路1602は、細長通路1602の近位端1610から、細長通路底部1620の遠位位置1623に延びるくぼみ1621内で支持された、通路回路1670を含む。通路回路1670は、電気接触のために、フレキシブルシャフト回路ストリップ1164の遠位接触部分1169と接触する近位接触部分1672を含む。通路回路1670の遠位端1674は、通路壁1622の1つに形成された、対応する壁のくぼみ1625内に受容され、折りたたまれ、通路壁1622の上部縁1627に取り付けられる。一連の、対応する露出した接触部1676は、
図10に示すように、通路回路1670の遠位端1674内に備えられる。
図10でもまた確認できるように、フレキシブルカートリッジ回路1750の端部1752は遠位マイクロチップ1740に取り付けられ、カートリッジ本体1710の遠位端部分に固定される。別の端部1754はカートリッジデッキ表面1711の縁を覆って折りたたまれ、通路回路1670の露出した接触部1676と電気接触するように構成された、露出した接触部1756を含む。したがって、RFカートリッジ1700が細長通路1602に取り付けられると、電極と遠位マイクロチップ1740が給電され、フレキシブルカートリッジ回路1750とフレキシブル通路回路1670とフレキシブルシャフト回路1164とスリップリング組立体1150との接触部を介して、搭載された回路基板1152と通信する。
【0052】
図16A~
図16Bは、本開示の一態様に従った、2つの図面にまたがる、
図1の外科用器具10の制御回路700のブロック図である。主に
図16A~
図16Bを参照すると、ハンドル組立体702は、モータドライバ715により制御可能であり、外科用器具10の発射システムにより用いられることが可能な、モータ714を備えることができる。様々な形態において、モータ714は、約25,000RPMの最大回転速度を有する、ブラシ付きDC駆動モータであってよい。別の構成において、モータ714はブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。モータドライバ715は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)719を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ714は、制御電力を外科用器具10に供給するためにハンドル組立体500に解放可能に固定された電源組立体706により給電されてもよい。電源組立体706は、外科用器具10に給電するための電源として使用され得る、直列に接続された複数の電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源組立体706の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体706に別個に連結可能であり得るリチウムイオン電池であってよい。
【0053】
シャフト組立体704は、シャフト組立体704と電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間に、インタフェースを介して安全コントローラ及び電力管理コントローラ716と通信可能である、シャフト組立体コントローラ722を含むことができる。例えば、インタフェースは、シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間にシャフト組立体コントローラ722と電力管理コントローラ716との間の電気通信を可能にするために、対応するシャフト組立体電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第1のインタフェース部分725、及び、対応する電源組立体電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第2のインタフェース部分727を備え得る。インタフェースを介して1つ以上の通信信号を送信して、取り付けられて交換式シャフト組立体704の1つ以上の電力要件を電力管理コントローラ716に送信することができる。それに応じて、電力管理コントローラは、取り付けられたシャフト組立体704の電力要件に従って、以下に更に詳細に記載されているように、電源組立体706の電池の電力出力を変調し得る。コネクタは、ハンドル組立体702の、シャフト組立体704及び/又は電源組立体706への機械的連結係合の後に活性化して、シャフト組立体コントローラ722と電力管理コントローラ716との電気的通信を可能にすることができるスイッチを備えることができる。
【0054】
インタフェースは、例えば、ハンドル組立体702に収められたメインコントローラ717を通して、通信信号の経路指定を行うことにより、電力管理コントローラ716とシャフト組立体コントローラ722との1つ以上のこのような通信信号の伝達を容易にすることができる。他の状況下では、シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間、インタフェースは、ハンドル組立体702を介した電力管理コントローラ716とシャフト組立体コントローラ722との間の直接線の通信を容易にし得る。
【0055】
メインコントローラ717は、Texas Instrumentsの商標名ARM Cortexとして知られるものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一態様では、メインコントローラ717は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0056】
安全コントローラは、やはりTexas Instrumentsの商標名Hercules ARM Cortex R4として知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのコントローラベースファミリを備える安全コントローラプラットフォームであってよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0057】
電源組立体706は、電力管理回路を含んでよく、電力管理回路は、電力管理コントローラ716、電力変調器738、及び電流感知回路736を含み得る。シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間に、電力管理回路は、シャフト組立体704の電力要件に基づいて電池の電力出力を変調するように構成され得る。電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力の電力変調器738を制御するようにプログラムされ得、電流感知回路736は、電源組立体706の電力出力を監視して、電池の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ716に提供するように用いられ得るため、電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。電力管理コントローラ716及び/又はシャフト組立体コントローラ722はそれぞれ、多数のソフトウェアモジュールを記憶可能な1つ以上のプロセッサ、及び/又はメモリユニットを備えることができる。
【0058】
外科用器具10(
図1~
図5)は、間隔フィードバックをユーザに提供するための装置を含み得る、出力装置742を備えることができる。このような装置は、例えば、視覚的フィードバック装置(例えば、LCD表示スクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。このような装置は、例えば、視覚的フィードバック装置(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。特定の状況下では、出力装置742は、ハンドル組立体702に含まれ得るディスプレイ743を備えてよい。シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716は、出力装置742を介して外科用器具10のユーザにフィードバックを提供し得る。インタフェースは、シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716を出力装置742に接続するように構成することができる。出力装置742は代わりに、電源組立体706と一体化することができる。このような状況下では、シャフト組立体704がハンドル組立体702に連結されている一方で、出力装置742とシャフト組立体コントローラ722との間の通信はインタフェースを介して成し遂げられ得る。
【0059】
制御回路700は、電動外科用器具10の動作を制御するように構成された回路セグメントを備える。安全コントローラセグメント(セグメント1)は、安全コントローラ、及びメインコントローラ717セグメント(セグメント2)を備える。安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717は、加速度セグメント、ディスプレイセグメント、シャフトセグメント、エンコーダセグメント、モータセグメント、及び電力セグメントなどの1つ以上の追加の回路セグメントと相互作用するように構成されている。回路セグメントのそれぞれは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されてよい。メインコントローラ717もまた、フラッシュメモリに連結される。メインコントローラ717は、シリアル通信インタフェースもまた備える。メインコントローラ717は、例えば、1つ以上の回路セグメント、電池、及び/又は複数のスイッチに連結された、複数の入力を備える。セグメント化回路は、例えば、電動外科用器具10内のプリント回路基板組立体(PCBA)など、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用するとき、任意のマイクロプロセッサ、プロセッサ、1つ若しくは複数のコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。メインコントローラ717は、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラム可能装置である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。制御回路700は、本明細書で記載される1つ以上のプロセスを実装するように構成されてもよい。
【0060】
加速度セグメント(セグメント3)は加速度計を備える。加速度計は、電動外科用器具10の移動又は加速度を検出するように構成されている。加速度計からの入力は、スリープモードとの間での遷移、電動外科用器具の配向の識別、及び/又は外科用器具が落下したときの識別に使用されてもよい。いくつかの例では、加速度セグメントは安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結される。
【0061】
ディスプレイセグメント(セグメント4)は、メインコントローラ717に連結されたディスプレイコネクタを備える。表示コネクタは、メインコントローラ717を、ディスプレイの1つ以上の集積回路ドライバを通して、ディスプレイに連結している。ディスプレイの集積回路ドライバは、ディスプレイと一体化されてよく、かつ/又はディスプレイとは別個に配置されてよい。ディスプレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意の他の好適なディスプレイなど、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。いくつかの例では、ディスプレイセグメントは安全コントローラに連結される。
【0062】
シャフトセグメント(セグメント5)は、外科用器具10(
図1~
図5)に連結された、交換式シャフト組立体500用の制御、並びに/又は、交換式シャフト組立体500に連結されたエンドエフェクタ1500用の1つ以上の制御を備える。シャフトセグメントは、メインコントローラ717をシャフトPCBAに連結するように構成された、シャフトコネクタを備える。シャフトPCBAは、強誘電性ランダムアクセスメモリ(FRAM)、関節運動スイッチ、シャフト解放ホール効果スイッチ、及びシャフトPCBA EEPROMを有する低電力マイクロコントローラを備える。シャフトPCBA EEPROMは、交換式シャフト組立体500及び/又はシャフトPCBAに固有の、1つ以上のパラメータ、ルーチン、及び/又はプログラムを含む。シャフトPCBAは交換式シャフト組立体500に連結されてもよく、かつ/又は、外科用器具10と一体であってもよい。いくつかの例では、シャフトセグメントは、第2のシャフトEEPROMを備える。第2のシャフトEEPROMは、電動外科用器具10と連係され得る1つ以上のシャフト組立体500及び/又はエンドエフェクタ1500に対応する複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、及び/又は他のデータを含む。
【0063】
位置エンコーダセグメント(セグメント6)は、1つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダを備える。1つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダは、外科用器具10(
図1~
図5)のモータ714、交換式シャフト組立体500、並びに/又はエンドエフェクタ1500の回転位置を識別するように構成されている。いくつかの例では、磁気式角度回転位置エンコーダは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されてよい。
【0064】
モータ回路セグメント(セグメント7)は、電動外科用器具10(
図1~
図5)の移動を制御するように構成された、モータ714を備える。モータ714は、1つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)、及びモータコントローラを備える、Hブリッジドライバによりメインマイクロコントローラプロセッサ717に連結される。Hブリッジドライバはまた、安全コントローラにも連結される。モータ電流センサは、モータの電引き込み電流を測定するため、モータと直列に連結している。モータ電流センサは、メインコントローラ717及び/又は安全コントローラと信号通信している。いくつかの例では、モータ714は、モータ電磁干渉(EMI)フィルタに連結されている。
【0065】
モータコントローラは、第1のモータフラグ及び第2のモータフラグを制御して、モータ714のステータス及び位置をメインコントローラ717に示す。メインコントローラ717は、パルス幅変調(PWM)高信号、PWM低信号、方向信号、同期信号及びモータリセット信号をモータコントローラに、バッファを介して供給する。電力セグメントは、セグメント電圧を回路セグメントのそれぞれに提供するように構成される。
【0066】
電力セグメント(セグメント8)は、安全コントローラ、メインコントローラ717、及び追加の回路セグメントに連結された電池を備える。電池は、電池コネクタ及び電流センサによってセグメント化回路に連結されている。電流センサは、セグメント化回路の合計引き込み電流を測定するように構成されている。いくつかの例では、1つ以上の電圧変換器が、所定の電圧値を1つ以上の回路セグメントに提供するように構成されている。例えば、いくつかの例では、セグメント化回路は、3.3V電圧変換器及び/又は5V電圧変換器を備えてもよい。ブースト変換器は、例えば13V以下など、既定量以下のブースト電圧を提供するように構成されている。ブースト変換器は、電力集約的な動作の間、追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を防止するように構成されている。
【0067】
複数のスイッチは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ717に連結されている。スイッチは、セグメント化回路の、外科用器具10(
図1~
図5)の動作を制御し、かつ/又は外科用器具10のステータスを示すように構成されてよい。緊急離脱ドアスイッチ、及び緊急離脱用のホール効果スイッチは、緊急離脱ドアのステータスを示すように構成される。例えば、左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、及び右側関節運動中央スイッチなど、複数の関節運動スイッチは、交換式シャフト組立体500(
図1及び
図3)並びに/又はエンドエフェクタ300(
図1及び
図4)の関節運動を制御するように構成されている。左側反転スイッチ及び右側反転スイッチは、メインコントローラ717に連結される。左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、及び左側反転スイッチを備える左側スイッチは、左側可撓コネクタによってメインコントローラ717に連結されている。右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、右側関節運動中央スイッチ、及び右側反転スイッチを備える右側スイッチは、右側可撓コネクタによってメインコントローラ717に連結されている。発射スイッチ、クランプ解放スイッチ、及びシャフト係合スイッチは、メインコントローラ717に連結されている。
【0068】
任意の好適な機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、又は固体スイッチを用いて、任意の組み合わせで、複数のスイッチを実装してよい。例えば、スイッチは、外科用器具10(
図1~
図5)、又は対象体の存在と関連した構成要素の運動により操作される、制限スイッチであってよい。このようなスイッチを用いて、外科用器具10と関連した様々な機能を制御することができる。制限スイッチは、一組の接触部と機械的に繋がったアクチュエータからなる、電気機械装置である。対象体がアクチュエータと接触すると、装置はその接触部を操作して、電気的接続を作成する、又は破壊する。その丈夫さ、取り付けの容易さ、及び動作の信頼性により、制限スイッチは様々な用途及び環境で用いられる。制限スイッチは、対象体の有無、通過、配置、及び移動の終了を判定することができる。他の実装形態において、スイッチは、とりわけホール効果装置、磁気抵抗性(MR)装置、巨大磁気抵抗性(GMR)装置、磁力計などの、磁場の影響下にて動作する、固体スイッチであってもよい。他の実装形態では、スイッチは、とりわけ光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体装置であってもよい。他のスイッチとしてはとりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサを挙げることができる。
【0069】
図17は、本開示の一態様に従った、ハンドル組立体702と電源組立体706との間のインタフェース、及びハンドル組立体702と交換式シャフト組立体704との間のインタフェースを示す、
図1の外科用器具の制御回路700の別のブロック図である。ハンドル組立体702は、メインコントローラ717、シャフト組立体コネクタ726、及び電源組立体コネクタ730を備えることができる。電源組立体706は、電源組立体コネクタ732、電力管理コントローラ716を備え得る電力管理回路734、電力変調器738、及び電流感知回路736を含むことができる。シャフト組立体コネクタ730、732はインタフェース727を形成する。交換式シャフト組立体704及び電源組立体706がハンドル組立体702に連結されている間、電力管理回路734は、交換式シャフト組立体704の電力要件に基づいて電池707の電力出力を変調するように構成され得る。例えば、電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力の電力変調器738を制御するようにプログラムされ得、電流感知回路736は、電池707の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ716に提供するため、電源組立体706の電力出力を監視するように用いられ得、そのため、電力管理コントローラ716は、電源組立体706の電力出力を調節して、所望の出力を維持することができる。シャフト組立体704は、不揮発性メモリ721及びシャフト組立体コネクタ728に連結され、シャフト組立体704をハンドル組立体702に電気的に連結する、シャフトプロセッサ719を備える。シャフト組立体コネクタ726、728は、インタフェース725を形成する。メインコントローラ717、シャフトプロセッサ719、及び/又は電力管理コントローラ716は、本明細書で記載されるプロセスの1つ以上を実装するように構成することができる。
【0070】
外科用器具10(
図1~
図5)は、感覚フィードバックをユーザに送る出力装置742を備えることができる。このような装置は、視覚的フィードバック装置(例えば、LCD表示画面、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでよい。特定の状況下では、出力装置742は、ハンドル組立体702に含まれ得るディスプレイ743を備えてよい。シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716は、出力装置742を介して外科用器具10のユーザにフィードバックを提供し得る。インタフェース727は、シャフト組立体コントローラ722及び/又は電力管理コントローラ716を出力装置742に接続するように構成され得る。出力装置742は電源組立体706と一体化されてもよい。交換式シャフト組立体704がハンドル組立体702に連結されている間に、出力装置742とシャフト組立体コントローラ722との通信が、インタフェース725を介して成し遂げられ得る。外科用器具10(
図1~
図5)の動作を制御するための制御回路700(
図16A~
図16B、及び
図6)を記載したが、本開示はここから、外科用器具10(
図1~
図5)及び制御回路700の様々な構成に転じる。
【0071】
図18は、本開示の一態様に従った、様々な機能を制御するように構成された外科用器具600の概略図である。一態様では、外科用器具600は、Iビーム614などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具600は、アンビル616と、Iビーム614と、RFカートリッジ609(破線で示す)と交換することができる着脱可能なステープルカートリッジ618と、を備え得るエンドエフェクタ602を備える。エンドエフェクタ602、アンビル616、Iビーム614、ステープルカートリッジ618、及びRFカートリッジ609は、例えば
図1~
図15に関して本明細書に記載されているとおりに構成されてもよい。開示を簡潔かつ明確にするために、本開示のいくつかの態様は、
図18を参照して説明され得る。制御回路610、センサ638、位置センサ634、エンドエフェクタ602、Iビーム614、ステープルカートリッジ618、RFカートリッジ609、アンビル616などの、
図18に概略的に示す構成要素は、本開示の
図1~
図17と関連して記載されていることが理解されよう。
【0072】
したがって、
図18に概略的に表される構成要素は、
図1~
図17と関連して記載される、物理的かつ機能的に等価な構成要素により、速やかに置換可能である。例えば、一態様において、制御回路610は、
図16~
図17と関連して図示及び記載される制御回路700として実装されてもよい。一態様では、センサ638はとりわけ、制限スイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなどの、光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサを含んでもよい。一態様では、位置センサ634は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ634は、制御回路700と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上に位置し、桁毎計算法(digit-by-digit method)、及びヴォルダーのアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られている、CORDICプロセッサ(座標回転デジタルコンピュータ用)に連結された、複数のホール効果素子を含んでよく、加法、減法、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算するための簡潔かつ効果的なアルゴリズムを実装するために提供される。一態様では、エンドエフェクタ602は、
図1、
図2、及び
図4と関連して図示及び記載される外科用エンドエフェクタ1500として実装されてもよい。一態様では、Iビーム614は、上に組織切断刃1334を動作可能に支持するナイフ本体1332を備えるナイフ部材1330として実装されてもよく、
図2~
図4、
図8、
図11、及び
図14と関連して図示及び記載される、アンビル係合タブ又は特徴部1336及び通路係合特徴部又は足部1338を更に含んでよい。一態様では、ステープルカートリッジ618は、
図4と関連して図示及び記載される、標準的な(機械式)外科用締結具カートリッジ1400として実装されてもよい。一態様では、RFカートリッジ609は、
図1、
図2、
図6、及び
図10~
図13と関連して図示及び記載される、高周波(RF)カートリッジ1700として実装されてもよい。一態様では、アンビル616は、
図1、
図2、
図4、及び
図6と関連して図示及び記載されるアンビル1810として実装されてもよい。これら、及び他のセンサ構成は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、同一出願の米国特許出願第15/628,175号(表題「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」)に記載されている。
【0073】
Iビーム614などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ構成、及び位置センサ634として表される位置センサにより、測定可能である。Iビーム614が長手方向に移動可能な駆動部材540に連結されているため、Iビーム614の位置は、位置センサ634を使用する長手方向に移動可能な駆動部材540の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム614の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ634によって達成され得る。
図16A及び
図16Bに記載する制御回路700などの制御回路610は、本明細書に記載したIビーム614などの変位部材の並進を制御するようにプログラムすることができる。いくつかの例では、制御回路610は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は1つ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えばIビーム614を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/計数回路631は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路610に提供して、位置センサ634によって測定されたIビーム614の位置をタイマー/計数回路631の出力と相関させ、その結果、制御回路610は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム614の位置を判定することができる。タイマー/計数回路631は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0074】
制御回路610は、モータ設定値信号622を生成してもよい。モータ設定値信号622は、モータコントローラ608に提供されてもよい。モータコントローラ608は、本明細書で説明するように、モータ604にモータ駆動信号624を提供してモータ604を駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの例では、モータ604は、
図1に示すモータ505などのブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ604の速度は、モータ駆動信号624に比例してもよい。いくつかの例では、モータ604はブラシレス直流(DC)電動モータであってもよく、モータ駆動信号624は、モータ604の1つ以上の固定子巻線に提供されるパルス幅変調(PWM)信号を含んでもよい。また、いくつかの例では、モータコントローラ608は省略されてもよく、制御回路610がモータ駆動信号624を直接生成してもよい。
【0075】
モータ604は、エネルギー源612から電力を受容することができる。エネルギー源612は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源612であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ604は、伝達装置606を介してIビーム614に機械的に連結され得る。伝達装置606は、モータ604をIビーム614に連結するための1つ以上の歯車又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ634は、Iビーム614の位置を感知し得る。位置センサ634は、Iビーム614の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ634は、Iビーム614が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路610に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路610は、パルスを追跡してIビーム614の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム614の運動を示す他の信号を提供することができる。また、一部の例では、位置センサ634は省略されてもよい。モータ604がステップモータである場合、制御回路610は、モータ604が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム614の位置を追跡することができる。位置センサ634は、エンドエフェクタ602内、又は器具の任意の他の部分に位置してもよい。
【0076】
制御回路610は、1つ以上のセンサ638と通信してもよい。センサ638は、エンドエフェクタ602上に配置され、外科用器具600と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ638は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ602の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ638は、1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0077】
1つ以上のセンサ638は、クランプ留め状態の間のアンビル616における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ638は、アンビル616とステープルカートリッジ618との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ638は、アンビル616とステープルカートリッジ618との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0078】
センサ638は、閉鎖駆動システムによりにより、アンビル616上に及ぼされる力を測定するように構成されてよい。例えば、1つ以上のセンサ638は、閉鎖管1910(
図1~
図4)とアンビル616との相互作用点に位置し、閉鎖管1910によりアンビル616に適用される閉鎖力を検出することができる。アンビル616に対して及ぼされる力は、アンビル616とステープルカートリッジ618との間で捕捉された組織切片が受容する組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ638を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル616に適用される閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ638は、
図16A~
図16Bに記載されているプロセッサにより、クランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路610は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、分析時間ベースの情報を提供し、アンビル616に印加される閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0079】
モータ604によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ636を用いることができる。Iビーム614を前進させるのに必要な力は、モータ604によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路610に提供される。
【0080】
RFエネルギー源400はエンドエフェクタ602に連結され、RFカートリッジ609が、ステープルカートリッジ618の代わりにエンドエフェクタ602にロードされるときに、RFカートリッジ609に適用される。制御回路610は、RFエネルギーのRFカートリッジ609への送達を制御する。
【0081】
一般に、組織が実質的に融着するまで連続して、電気外科的エネルギーを低インピーダンス組織に供給することは困難である。例えば、電気外科的エネルギーを低インピーダンス組織に供給するとき、組織インピーダンスが低くなりすぎ、短絡のように作用して、組織に電気外科的エネルギーが全く又はほとんど供給されないのに、組織が単に、多くの電流を流す点が存在する。これにより、例えば組織の不完全な融着、電極の過熱、手術の遅延、臨床医の不便さ又はフラストレーションなどを含むいくつかの望ましくない結果がもたらされ得る。
【0082】
本開示の態様は、セグメント化セクションにまたがり独立してエネルギーを送達するための制御回路を制御することにより、上述した欠陥を対処することができる。例示的な一態様において、外科用器具は、遠位部及び近位部を含む第1ジョーと、第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、第1ジョーの遠位部に位置する第1の組の電極と、第1ジョーの近位部に位置する第2の組の電極と、を有するエンドエフェクタを含むことができる。外科用器具は、第1の組の電極及び第2の組の電極に電気外科的エネルギー(例えばRFエネルギー)を供給するように構成された制御回路もまた含むことができる。第1の組の電極及び第2の組の電極に供給される電気外科的エネルギーは、所定の時間間隔にて第1の組の電極と第2の組の電極との間で繰り返し交替し得る。例えば、電気外科的エネルギーは、第1の組の電極に第1期間(例えば0.25秒)にわたって、第2の組の電極に第1期間後の第2期間(例えば0.25秒)にわたって、次に、第1の組の電極に第3期間(0.25秒)にわたって、などと供給されてよい。第1の組の電極と第2の組の電極とでの電気外科的エネルギーの交替は、例えば、組織の融着が完了するまで、又は実質的に完了するまで繰り返すことができる。第1の組の電極と第2の組の電極とを、電気外科的エネルギーが非常に短い時間間隔の期間(例えば0.25秒)で交替させることにより、電極の過熱、又は手術の遅延を伴わずに、低インピーダンス組織の融着の完了を容易にすることができる。一例において、電気外科的エネルギーのこの交替は、従来のRFエネルギー生成器から供給されるRFエネルギーを使用して、第1ジョー内のマイクロチップ、又は外科用器具の本体内のプロセッサにより実施することができる。
【0083】
このように、本開示の態様により、低インピーダンス組織の融着が実質的に完了するまで、外科用器具が電気外科的エネルギーを低インピーダンスの組織に供給することが可能となり得る。更に、本開示の態様は、有利には、第1ジョー内のマイクロチップ、又は外科用器具の本体内のプロセッサを使用して、従来のRFエネルギー生成器からのRFエネルギーを使用した二組の電極間で電気外科的エネルギーを交替させることができる。
【0084】
図19は、本開示の一態様に従った、外科用器具(例えば、外科用システム10又は外科用道具組立体1000)のエンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ1500)内のジョー3000の概略上面図を示す。ジョー3000は、カートリッジ3010、フレックス回路接触部3025(例えば露出した接触部1756)を有するフレックス回路3020と、切断部材(例えばナイフ部材1330)を中に摺動可能に受容可能であり、切断線3035に沿ってエンドエフェクタ内にクランプ留めされた組織を切断する、細長スロット3030と、を含むことができる。細長スロットは、ジョー3000の近位端から延びることができる。例示的な一態様において、フレックス回路3020はマイクロチップ(例えば遠位マイクロチップ1740)もまた含むことができ、次いで、カートリッジ3010はスマートカートリッジとも呼ばれることがある。ジョー3000はまた、第1ゾーン3060に第1の組の電極3040L及び3040Rを、第2ゾーン3065に第2の組の電極3050L及び3050Rを含むことができる。例示的な一態様において、第1ゾーン3060はジョー3000の近位部に位置することができ、第2ゾーン3065はジョー3000の遠位部に位置することができる。別の例示的な態様において、第1ゾーン3060及び第2ゾーン3065は、ジョー3000の任意の他の好適な場所に位置することができる。
【0085】
第1及び第2の組の電極3040L、3040R、3050L、3050Rは、フレックス回路3020と通信することができ、かつ/又は、フレックス回路3020に溶着されていてもよい。一例において、細長スロット3030はジョー3000の中心に配置されてよい。別の例において、細長スロット3000は、ジョー3000の任意の他の好適な場所に配置されてよい。
図16で確認されるように、電極3040L及び3050Lは細長スロット3030の左側に位置することができ、電極3040R及び3050Rは、細長スロット3030の右側に位置することができる。例示的な一態様において、制御回路(例えば、マイクロプロセッサ560、セグメント化RF回路1160、又は遠位マイクロチップ1740)は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに供給するように構成されてもよい。
【0086】
電気外科的エネルギーは高周波(RF)エネルギーの形態であってもよい。RFエネルギーは、200キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数範囲であり得る電気エネルギーの一形態である。印加中、電気外科用装置は、組織を通じて低周波数RFエネルギーを伝達することができ、これはイオン撹拌又は摩擦、即ち抵抗加熱を生じさせ、これによって組織の温度を上昇させる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は成形しながら、同時に血管を封止するために有用である。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成されかつ熱に接触した際に収縮する、結合組織に対して特に良好に作用する。第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rは、フレックス回路3020を通して制御回路に電気的に接続することができる。第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rは、RFエネルギーを放出して、切断線3035に沿って、電極3040L、3040R、3050L、3050Rに隣接する組織上に止血(又は凝固)線を形成するように構成されてもよい。
【0087】
例示的な一態様において、第1の組の電極3040L及び3040Rの長さ3070は、約10mm~約100mmの範囲、好ましくは約20mm~約50mmの範囲、より好ましくは約25mm~約35mmの範囲であってもよい。同様に、例示的な一態様において、第2の組の電極3050L及び3050Rの長さ3075は、約10mm~約100mmの範囲、好ましくは約20mm~約50mmの範囲、より好ましくは約25mm~約35mmの範囲であってもよい。別の例示的な態様において、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rは、任意の他の好適な長さを有することができる。例示的な一態様において、第1の組の電極3040L及び3040Rと第2の組の電極3050L及び3050Rとの間の間隙は非常に小さく、特許請求された組織は、2つのゾーン3060と3065と間の位置する組織が封止されていない/融着されている状態で、第1ゾーン3060から第2ゾーン3065まで連続して融着されてもよい。例示的な一態様において、第1の組の電極3040L及び3040Rと第2の組の電極3050L及び3050Rとの間隙の長さ3072は、約0.1mm~約20mmの範囲、好ましくは約0.5mm~約5mmの範囲、より好ましくは約1mm~約3mmの範囲であってもよい。別の例示的な態様において、第1の組の電極3040L及び3040Rと第2の組の電極3050L及び3050Rとの間隙の長さ3072は、任意の他の好適な長さを有してよい。第1の組の電極3040L及び3040R、第2の組の電極3050L及び3050R、及び間隙の全長3080は、約20mm~約210mmの範囲、好ましくは約60mm~約100mmの範囲、より好ましくは約50mm~約70mmの範囲であってもよい。
【0088】
例示的な一態様において、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rは、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rが電気外科的エネルギー(例えばRFエネルギー)を受容することができる幅広の導電体1168に電気的に連結されてもよい。第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rは、幅広の導電体1168が電極3040L、3040R、3050L及び3050RにRFエネルギーを供給することができるフレックス回路3020上の複数の導電体(例えば、導電体1732L及び1732R)に電気的に連結されてもよい。例示的な一態様において、電極3040L、3040R、3050L及び3050Rのそれぞれは、異なる導電体を介して、制御回路(例えばマイクロチップ1740)に個別に接続することができる。例えば、左側導電体1732Lの第1の導電体は電極3040Lに接続することができ、左側導電体1732Lの第2の導電体は電極3050Lに接続することができる。同様に、右側導電体1732Rの第1の導電体は電極3040Rに接続することができ、右側導電体1732Rの第2の導電体は電極3050Rに接続することができる。
【0089】
例示的な一態様において、ジョー3000は、電極3040L、3040R、3050L及び3050Rに個別に対応するマルチプレクサを含むことができる。マルチプレクサは、制御回路(例えばマイクロプロセッサ560、セグメント化RF回路1160、若しくは遠位マイクロチップ1740)に含まれることができる、又は、制御回路と電極3040L、3040R、3050L及び3050Rとの間に位置することができる。マルチプレクサは、制御回路の制御下において、電気外科的エネルギーを電極3040L、3040R、3050L及び3050Rに分配することができる。例示的な一態様において、マルチプレクサは、例えば、前の器具発射又は外科的処置で組織に残った、金属ステープルライン、又は他の導電性物体により引き起こされる、電極の3040L、3040R、3050L及び3050Rのショートを検出するように構成されてもよく、電気外科的エネルギーは短絡に対して適切な方法で変調することができる。例示的な一態様において、導電体1168、1732L及び1732Rは、不注意によるRFエネルギーから、導電体1168、1732L及び1732Rに隣接する構成要素(例えば、マイクロチップ1740、スパイン組立体1250、積層板1322及びフレックス回路3020)を保護するように絶縁することができる。例示的な一態様において、カートリッジ3010は交換式であってもよい。カートリッジを交換する際、外科用器具内の狭い導電体1166、及び幅広の導電体1168は、新しいカートリッジ内の新しい導電体及び電極に接続することができる。
【0090】
例示的な一態様において、切断部材(例えばナイフ部材1330)は、モータ(例えばモータ505)に直接、又は間接的に連結されてもよい。制御回路がモータに電圧を供給するとき、切断部材は第1ゾーン3060又は第2ゾーン3065に前進し、第1ゾーン3060又は第2ゾーン3065内の組織を切断することができる。
【0091】
図20は、非限定的態様に従った、時間の関数として電極3040L、3040R、3050L及び3050Rに印加される電圧を示すグラフ3100を示す。パルス3110は、第1ゾーン3060内で電極3040L及び3040Rに印加された電圧を表すことができる。パルス3120は、第2ゾーン3065で電極3050L及び3050Rに印加された電圧を表すことができる。電圧が第1ゾーン3060でオンになっているとき、電気外科的エネルギーは第1の組の電極3040L及び3040Rに隣接する組織に印加され、そこで凝固/融着線を形成することができる。同様に、電圧が第2ゾーン3065でオンになっているとき、電気外科的エネルギーは第2の組の電極3050L及び3050Rに隣接する組織に印加され、そこで凝固/融着線を形成することができる。
図20に示すように、例示的な一態様において、制御回路は、交替サイクルを通じて、設定された電圧を交互に印加することができる。次に、組織に印加される電力/エネルギーは、組織インピーダンスが変化すると変化し得る。別の例示的な態様において、制御回路又は発電機400は、電極に印加される電圧を変化させることができる(例えば、最初の5サイクルは30ボルト、次の5サイクルは50ボルト、次の5サイクルは80ボルト)。別の例示的な態様において、制御回路又は発電機400は、電極に印加される電圧を変化させて、組織に一定の電力を供給することができる。この場合、電圧は、組織インピーダンスが変化すると変化し得る。
【0092】
例示的な一態様において、電気外科的エネルギーは、所定の時間間隔にて第1の組の電極3040L及び3040Rと第2の組の電極3050L及び3050Rとの間で繰り返し交替し得る。例えば、電気外科的エネルギーは、第1期間(例えば0.25秒)にわたって第1の組の電極3040L、3040Rに供給され、次に、第2期間(例えば0.25秒)にわたって第2の組の電極3050L、3050Rに供給されてもよい。次に、エネルギーを第1の組の電極3040L及び3040Rに再度切り替えて戻し、例えば、クランプ留めされた組織のインピーダンスが所定のインピーダンス値に達するまで、第1の組の電極3040L及び3040Rと第2の組の電極3050L及び3050Rとの間での電気外科的エネルギーの交替を繰り返してよい。例示的な一態様において、所定の時間間隔は、約0.05秒~約0.5秒の範囲、好ましくは約0.1秒~約0.4秒の範囲、より好ましくは約0.2秒~約0.3秒の範囲あってもよい。別の例示的な態様において、所定の時間間隔は、任意の他の好適な期間を有してよい。例示的な一態様において、電気外科的エネルギーの交替の所定の時間間隔は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに供給することが同時に見えるほど十分に速くてよい。
【0093】
例示的な一態様において、電気外科的エネルギーの交替は、搭載されたオン/オフ電源スイッチ420がオンになったら開始することができ、搭載されたオン/オフ電源スイッチ420がオフになるまで、電気外科用装置のユーザからの入力無しで、交流を続けることができる。搭載されたオン/オフ電源スイッチ420は、判定された組織インピーダンスが所定のインピーダンス値(例えば、クランプ留めされた組織が完全に封止されたことを示すインピーダンス値)に到達したときに、自動的にオフになることができる。所定のインピーダンス値に達するために必要な電気外科的エネルギーの交替サイクル数(例えばn回)は、組織の種類、組織厚、組織内での含水量などを含む、様々なパラメータに応じて変動し得る。
【0094】
例示的な一態様において、
図20に示すように、第1の組の電極3040L及び3040Rの時間間隔は、第2の組の電極3050L及び3050Rの時間間隔と同じであってよい。別の例示的な態様において、第1の組の電極3040L及び3040Rの時間間隔は、第2の組の電極3050L及び3050Rの時間間隔と異なっていてよい。例えば、第1の組の電極3040L及び3040Rの時間間隔は0.3秒であってよい一方で、第2の組の電極3050L及び3050Rの時間間隔は0.2秒であってよい。即ちこの場合、電気外科的エネルギーは第1の組の電極3040L及び3040Rに0.3秒間供給されてよく、次に第2の組の電極3050L及び3050Rに0.2秒間供給されてよく、次にこの交替を繰り返す。例示的な一態様において、所定の時間間隔は時間と共に短くなってよい。例えば、所定の時間間隔は、開始時(例えば数サイクルの間)は0.3秒、その後(次の数サイクルの間)は0.2秒、その後(組織が融着を完了する前、又は組織が融着される前の、次の数サイクルの間)は0.1秒であってよい。別の例示的な態様において、所定の時間間隔は時間と共に長くなってよい。
【0095】
図21は、本開示の一態様に従った、エンドエフェクタ3250と電力及び制御信号を通信するようにプログラムされた外科用システム3200のブロック図を示す。例示的な一態様において、外科用システム3200は、電気外科的エネルギー制御セグメント(若しくはRFエネルギー制御セグメント)3220とシャフト制御セグメント3230(例えばシャフトセグメント(セグメント5)、モータ回路セグメント(セグメント7)、又は電力セグメント(セグメント8))とを有する制御回路3210(例えば、マイクロプロセッサ560、セグメント化RF回路1160、又は遠位マイクロチップ1740)を含むことができる。制御回路3210は、電気外科的エネルギー(例えばRFエネルギー)を、エンドエフェクタ3250(例えばエンドエフェクタ1500)内の電極(例えば、電極3040L、3040R、3050L及び3050R)に供給するように構成されてもよい。外科用システム3200は、電気外科的エネルギー生成器3240(例えばRF発電機400)からエフェクタ3250に電気外科的エネルギーを供給するために使用される、1つ以上の導電体3260(例えば導電体1168)を含むことができる。1つ以上の導電体3260は、エンドエフェクタ3250と制御回路3210(例えば、電気外科的エネルギー制御セグメント3220、及びシャフト制御セグメント3230)との間に電気的に接続されてよい。シャフト制御セグメント3230はメモリにシャフト制御プログラムを格納することができ、例えばセンサ及び出力を制御する。
【0096】
電気外科的エネルギー制御セグメント3220は、1つ以上の導電体3260を介して電気外科的エネルギーを電極に供給するように構成されてもよい。例示的な一態様において、シャフト制御セグメント3230は、1つ以上の導電体3260を介して、エンドエフェクタ3250(及び/又は、外科用道具組立体1000、シャフト組立体704)に/から、制御信号を提供する、及び/又は受信するように構成されてもよい。即ち、1つ以上の導電体3260は、電気外科的エネルギーをエンドエフェクタ3250に供給するためだけでなく、エンドエフェクタ3250と制御信号を通信するためにもまた使用することができる。例示的な一態様において、電気外科的エネルギー制御セグメント3220及びシャフト制御セグメント3230の少なくともいくつかの部分は、互いに電気的に絶縁されてもよい。
【0097】
例示的な一態様において、電気外科的エネルギー制御セグメント3220は、例えば、1つ以上の導電体3260を介して電気外科的エネルギーをエンドエフェクタ3250内の電極に供給するときに、1つ以上の導電体3260をシャフト制御セグメント3230から電気的に絶縁することができる。例示的な一態様において、電気外科的エネルギー制御セグメント3220は、制御線3280を通して信号を供給することにより、1つ以上の導電体3260とシャフト制御セグメント3230との間に位置するスイッチ3270を制御して、1つ以上の導電体3260をシャフト制御セグメント3230から電気的に絶縁することができる。スイッチ3270は、開状態と閉状態とを切り替えるように構成されてもよい。シャフト制御セグメント3230及び1つ以上の導電体3260は、スイッチ3270が開状態にあるときに電気的に絶縁されることができ、スイッチ3270が閉状態にあるときに、電気的に通信されていることができる。別の例示的な態様において、電気外科的エネルギー制御セグメント3220は、任意の他の好適な方法で、1つ以上の導電体3260をシャフト制御セグメント3230から電気的に絶縁することができる。スイッチ3270の他の構成では、スイッチ3270を閉じることにより、1つ以上の導電体3260をシャフト制御セグメント3230から電気的に絶縁することが可能となり得る。
【0098】
例示的な一態様において、制御回路3210が、例えば、コネクタ3265を連続して確認することにより、又は、電気外科的エネルギーの印加を感知することにより、電気外科的エネルギー生成器3240がコネクタ3265(例えば雌型コネクタ410)に接続されていることを検出したときに、電気外科的エネルギー制御セグメント3220は、1つ以上の導電体3260をシャフト制御セグメント3230から電気的に絶縁することができる。例えば、雄型プラグ組立体406が雌型コネクタ410にプラグ接続されたときに、電気外科的エネルギー制御セグメント3220は、導電体3260をシャフト制御セグメント3230から分離することができる。別の例示的な態様において、電気外科的エネルギー制御セグメント3220は、電気外科的エネルギーがエンドエフェクタ3250に、又は任意の他の好適な瞬間に供給されるときに、1つ以上の導電体3260をシャフト制御セグメント3230から電気的に絶縁することができる。
【0099】
例示的な一態様において、外科用システムは、エンドエフェクタ3250(及び/又は、外科用道具組立体1000、シャフト組立体704)を動作させるために使用される1つ以上の導電体3290(例えば導電体1166)を含むことができる。例示的な一態様において、1つ以上の導電体3290は、電気外科的エネルギーをエンドエフェクタ3250に送達するために使用されなくてもよい。シャフト制御セグメント3230は、1つ以上の導電体3290を介して、エンドエフェクタ3250に/から、制御信号を提供する、及び/又は受信するようにプログラムされてもよい。例示的な一態様において、スイッチ3270が開状態にある間に(例えば、電気外科的エネルギー制御セグメント3220が1つ以上の導電体3260を介して、電気外科的エネルギーをエンドエフェクタ3250に供給する間に)、シャフト制御セグメント3230は1つ以上の導電体3290を使用して、エンドエフェクタ3250に/から、制御信号を提供する、及び/又は受信することができる。例示的な一態様において、シャフト制御セグメント3230はまた、スイッチ3270が閉状態にある間に、1つ以上の導電体3290を使用して、エンドエフェクタ3250に/から、制御信号を提供、及び/又は受信することができる。
【0100】
スイッチ3270は、トランジスタスイッチ、機械式スイッチ、電気機械式スイッチ、中継スイッチ、又は任意の他の好適なスイッチであってもよい。例示的な一態様において、導電体3260、3290を介して制御回路3210とエンドエフェクタ3250(及び/又は、外科用道具組立体1000、シャフト組立体704)との間で通信される制御信号としては、エンドエフェクタ3250(及び/又は、外科用道具組立体1000、シャフト組立体704)を切断動作モード及び/又は凝固動作モードで駆動するための信号、外科用システム3200の電気特性、及び/又はエンドエフェクタ3250にクランプ留めされた組織を測定するための信号、使用のためのフィードバックを提供するための信号、センサ信号を通信するための信号、並びに、エンドエフェクタ3250の特定の特性(例えば、使用/未使用ステータス)を識別するための信号が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
したがって、本開示の態様は、有利なことに、電気外科的エネルギーを送達して制御信号を通信するために使用される導電体(例えば、導電体3260)のいくつかを、これらの導電体が電気外科的エネルギーのために使用されていないときに用いることにより、制御回路3210とエンドエフェクタ3250(及び/又は外科用道具組立体1000、シャフト組立体704)との間で制御信号を通信するために必要な導電体の数を減らすことができる。更に、これらの導電体を介して電気外科的エネルギーを供給するときに、他の回路セグメント(例えばシャフト制御セグメント3230)からこれらの導電体を分離することにより、本開示の態様は、電気外科的エネルギーが、他の回路セグメント、及び/又はこれらの回路セグメントに接続された導電体(例えば導電体3290)に流れることを防止することができ、これらの回路セグメント及び/又は導電体への損傷を防止する。
【0102】
例示的な一態様において、制御回路は2つの動作モード、モードI及びモードIIを含んでよい。モードIでは、制御回路は、組織の融着が完了するとき、又は完了した後に、組織を切断することができる。モード2では、制御回路は組織の融着が進行している間に、組織を切断することができる。これらのモードの例は、以下に更に詳細に記載し、
図22~
図27で示すとおりである。
【0103】
図22は、モードIに従って外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成のプロセス4500を示す論理フロー図である。例示的なプロセス4500は、
図22に示す論理フロー図を参照して説明されるが、この方法と関連する動作を実施する他の多くの方法も使用可能であると理解されよう。例えば、ブロックのいくつかの順序を変更してよく、特定のブロックを他のブロックと組み合わせてよく、記載したブロックのいくつかは任意である。
【0104】
図示した例において、及び、
図18もまた参照すると、制御回路610(
図18)は、組織のインピーダンスに関する情報を受信することができる(4510)。例えば、制御回路610は、インピーダンスフィードバック回路を含むことができ、エンドエフェクタ602(例えば、エンドエフェクタ1500)にクランプ留めされた組織、例えば、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに隣接する組織などのインピーダンスを測定することができる。例示的な一態様において、制御回路610は組織インピーダンスを周期的に(例えば、0.1秒毎、0.5秒毎、又は1秒毎)に測定することができる。別の例示的な態様において、制御回路610は組織インピーダンスを無作為的に、又は任意の他の好適な方法で測定することができる。制御回路610は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極及び第2の組の電極に供給することができ、電気外科的エネルギーの供給は、所定の時間間隔にて第1の組の電極と第2の組の電極との間で繰り返し交替する(4520)。例えば、制御回路610は、第1の電気外科的エネルギーを、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに、
図20に関して上述した所定の時間間隔にて交互に供給することができる。
【0105】
次に、いくつかの時点で、制御回路610は、組織のインピーダンスが所定のインピーダンス値に達することを判定することができる(4530)。例えば、所定のインピーダンス値は、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の第2の組の電極3050L3050Rに隣接する組織が実質的に、又は完全に融着した、又は凝固したことを示す値であってもよい。制御回路610は、測定した組織インピーダンスを所定の終了インピーダンス値と比較することにより、組織の融着が実質的に完了したと判定することができる。次いで、制御回路610は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極及び第2の組の電極に供給することを停止することができる(4540)。次いで、制御回路610は切断部材(Iビーム614など)を前進させて、組織を切断することができる(4550)。例示的な一態様において、制御回路610は、切断部材(例えばIビーム614)を第1ゾーン3060に前進させて、第1ゾーン3060の組織を切断し、次いで、第2ゾーン3065に前進させて、第2ゾーン3065の組織を切断することができる。別の例示的な態様において、制御回路610は第1ゾーン3060及び第2ゾーン3065の組織を同時に切断することができる。
【0106】
図23は、時間の関数としての組織インピーダンス曲線4605のグラフ4600を示す。組織インピーダンス曲線4605は、制御回路610(
図18)がモードIで動作しているときに、エンドエフェクタ1500で特許請求された組織のインピーダンスの変化を表すことができる。
図23に示すように、組織インピーダンスは、一般的な「浴槽型」パターンに従う傾向にあり、エネルギー交替の開始において第1期間4625(例えば0.3~1.5秒)にわたって低下し、第1時間(t
1)4615において最小インピーダンス値(Z
M)に達し、次いで、クランプ留めされた組織が融着されている第2期間4630(例えば、0.3~1.5秒)の間に増加する。次いで、組織インピーダンスは第2時間(t
2)4620にて点4610に達することができ、点4610での組織インピーダンスは、所定の終了インピーダンス(Z
T)に等しい。
【0107】
第1期間4625において、組織インピーダンスは、最小インピーダンス値(ZM)に達するまで、初期値から下がって低下する、例えば負の傾斜を有する。これは、エネルギーが一定期間組織に印加された後、組織の水分が蒸発し組織を乾燥させ、その後、第2期間4630において、組織インピーダンスが所定の終了インピーダンス(ZT)に達するまで、組織インピーダンスを上昇させる、例えば正の勾配を有することとなるからであり、この時点で、エネルギーのエンドエフェクタへの供給が遮断され得る。例示的な一態様において、組織インピーダンスは、一定の期間(例えば0.5~5秒)にわたって、最小インピーダンスZMを維持することができ、組織インピーダンス曲線4605はほぼ平坦となる。電気外科的エネルギー(例えばRFエネルギー)が、終了インピーダンス点4610にて遮断される代わりに連続して印加されるのであれば、組織インピーダンスは点4610を超えて連続して増加し得る。
【0108】
例示的な一態様において、所定の終了インピーダンス(ZT)は、電極3040L、3040R、3050L及び3050Rに隣接する組織が実質的に、又は完全に融着し、出血することなく組織(例えば血管)を切断することができる点に対応することができる。所定の終了インピーダンスは、外科用器具(例えば外科用システム10、又は外科用道具組立体1000)のメモリ装置に格納することができる。
【0109】
組織インピーダンスが所定の終了インピーダンスに達したとき、制御回路は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組電極3050L及び3050Rに供給することを停止してもよく、t
2 4620において組織インピーダンスが急降下する。例示的な一態様において、電気外科的エネルギーの供給が停止したときに、制御回路が組織インピーダンスを測定することを停止するため、組織インピーダンスのこの急降下が生じ得る。例示的なモータの電圧曲線であるグラフ4650を示す
図24に示すように、t
2において電気外科的エネルギーの供給が停止したとき、又は停止した後、制御回路は電圧4660をモータ(例えばモータ505)に供給して、第1ゾーン3060で組織を切断することができる。次いで、制御回路はまた、電圧4670をモータに供給して、第2ゾーン3065で組織を切断することができる。
図22及び
図23に示すように、モードIでは、クランプ留めされた組織の切断は、組織インピーダンスが所定の終了インピーダンス値に達した(例えば、組織の融着が完了した)後の、第3期間4635の間に開始することができる。
【0110】
図25は、モードIIに従って外科用器具を動作させるための制御プログラム又は論理構成のプロセス4700を示す論理フロー図である。例示的なプロセス4700は、
図24に示す論理フロー図を参照して説明されるが、この方法と関連する動作を実施する他の多くの方法も使用可能であると、理解されよう。例えば、ブロックのいくつかの順序を変更してよく、特定のブロックを他のブロックと組み合わせてよく、記載したブロックのいくつかは任意である。
【0111】
図示した例において、
図18もまた参照すると、制御回路610は組織のインピーダンスに関する情報を受信することができる(4710)。例えば、制御回路610は、エンドエフェクタ602(例えばエンドエフェクタ1500)にクランプ留めされた組織のインピーダンスを測定することができる。例示的な一態様において、制御回路610は組織インピーダンスを周期的に(例えば、0.1秒毎、0.5秒毎、又は1秒毎)に測定することができる。別の例示的な態様において、制御回路610は組織インピーダンスを無作為的に、又は任意の他の好適な方法で測定することができる。制御回路610は、電気外科的エネルギーをジョーの近位部にある第1の組の電極に、及びジョーの遠位部にある第2の組の電極に供給することができ、電気外科的エネルギーの供給は、所定の時間間隔にて第1の組の電極と第2の組の電極との間で繰り返し交替する(4720)。例えば、制御回路610は、電気外科的エネルギーを、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに、
図20に関して上述した所定の時間間隔にて交互に供給することができる。
【0112】
次に、いくつかの時点で、制御回路610は、組織のインピーダンスが所定のインピーダンス値に達することを判定することができる(4730)。例えば、所定のインピーダンス値は、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに隣接する組織の融着が完了し始めることを示す値であってもよい。次いで、制御回路610は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極及び第2の組の電極に供給しながら、切断部材(Iビーム614など)を前進させて、近位部内の組織を切断することができる(4740)。制御回路610は、電気外科的エネルギーを第2の組の電極に供給しながら、ジョーの近位部内の組織を切断した後、切断部材(例えばIビーム614)を前進させて、遠位部内の組織を切断することができる(4740)。
【0113】
例示的な一態様において、制御回路610は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極3040L及び3040Rと第2の組の電極3050L及び3050Rの両方に供給しながら、切断部材(例えばIビーム614)を前進させて、遠位部内の組織を切断することができる(4750)。別の例示的な態様において、制御回路610は、近位部内の切断した後に、電気外科的エネルギーの第1の組の電極への供給を停止することができ、遠位部で組織を切断しながら、第2の組の電極にのみ電気外科的エネルギーを供給することができる。この場合、電気外科的エネルギーを第2の組の電極3050L及び3050Rに供給することは、依然として不連続であり得る。例えば、電気外科的エネルギーは設定した期間(例えば0.25秒)にわたって第2の組の電極3050L及び3050Rに供給されてよく、次いで、電気外科的エネルギーは次の設定した期間(例えば0.25秒)にわたって第2の組の電極3050L及び3050Rに供給されなくてよく、次いで、電気外科的エネルギーを次の設定した期間(例えば0.25秒)にわたって第2の組の電極3050L、3050Rに供給されてよい。ジョーの遠位部(例えば、第2ゾーン3065)内の組織が切断されている間、このことを繰り返してよい。
【0114】
別の例示的な態様において、制御回路610は、第1ゾーンで組織を切断した後、第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに電気外科的エネルギーを供給することを停止することができる。この場合、組織を第2ゾーン3065で切断している間、電気外科的エネルギーは組織に供給されなくてよい。例示的な一態様において、制御回路610は、組織インピーダンスが所定の終了インピーダンス値に達したときに、第1ゾーン3060及び/又は第2ゾーン3065で組織を切断しながら、電気外科的エネルギーを第1の組の電極3040L及び3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rに供給することを停止することができる。
【0115】
図26は、時間の関数としての組織インピーダンス曲線4805のグラフ4800を示す。組織インピーダンス曲線4805は、制御回路がモードIIで動作しているときの、エンドエフェクタ1500で特許請求される組織のインピーダンスの変化を表すことができる。
図23で確認されるように、組織インピーダンスはここでもまた、一般的な「浴槽型」パターンに従う傾向にある、(例えば、第1の組の電極3040L及び3040Rと第2の組の電極3050L及び3050Rとでの)エネルギー交替の開始時に第1期間4835(例えば、0.3~1.5秒)にわたって低下し、第1時間(t
1)4820において最小インピーダンス値(Z
M)に達し、次いで、第2期間4840(例えば、0.3~1.5秒)の間に増加する。上で説明したとおり、第1期間4835において、組織インピーダンスは、最小インピーダンス値(Z
M)に達するまで、初期値から下がって低下する、例えば負の傾斜を有する。これは、エネルギーが一定期間組織に印加された後、組織の水分が蒸発し組織を乾燥させ、その後、第2期間4840において、組織インピーダンスが所定の終了インピーダンス(Z
T1)に達するまで、組織インピーダンスを上昇させる、例えば正の勾配を有することとなるからである。例示的な一態様において、組織インピーダンスはある期間(例えば0.5~5秒)にわたって、最少インピーダンスを維持することができ、組織インピーダンス曲線4805はほぼ平坦となる。
【0116】
例示的な一態様において、組織インピーダンスが最小インピーダンス値(Z
M)に達したとき、インピーダンスの変化(例えば低下)速度は、
図23に示すようにほとんど0になり得る。クランプ留めされた組織の融着は、この時点で完了し始めることができる。例示的な一態様において、モードIIでは、制御回路は、組織インピーダンスが最小インピーダンス値(Z
M)に達したときに、切断部材を前進させ始めることができる。例えば、制御回路は、インピーダンスの変化(例えば低下)速度がおよそ0になるときに、組織インピーダンスが最小インピーダンス値(Z
M)に達した判定することができる。別の例示的な態様において、モードIIでは、制御回路は、クランプ留めされた組織が完全に融着する前の任意の他の好適な時間において切断部材を前進させ始めることができる。組織インピーダンスがある期間(例えば0.5~5秒)にわたって最小インピーダンスを維持する場合、制御回路は、その期間の間の任意の好適な瞬間(例えば、平坦な曲線の開始/中央/終了時)に切断部材を前進させ始めることができる。
【0117】
図27に示すとおり、そして
図18もまた参照すると、制御回路610は、組織の融着が完了する前に、組織インピーダンスが最小インピーダンス値(Z
M)に達したとき、又は達した後で、電圧4860をモータ604(例えば、モータ505)に供給して、第1ゾーン3060で組織を切断することができる。終了インピーダンスZ
T1は、第2時間(t
2)4825における切断完了時の組織インピーダンスを表すことができる。次いで、制御回路は、第1ゾーン3060で組織を切断した後で、電圧4870をモータ604(例えば、モータ505)に供給して、第2ゾーン3065で組織を切断することができる。終了インピーダンスZT
2は、第3時間(t
3)4830における切断完了時の組織インピーダンスを表すことができる。クランプ留めされた組織は、第1ゾーン3060で組織を切断している間に生成されたいくらかの流体(例えば血液、又は任意の他の体液)で湿っている場合があるため、インピーダンス曲線4805は、第1ゾーン3060で組織を切断した直後に、第2時間4825付近、又は第2時間4825における降下し得る。したがって、測定したインピーダンス値4805は、第1ゾーン3060で組織を切断した後で降下するように見えることがあるが、実際の組織インピーダンスは降下しないことがある。しかし、第3期間4845を通じて、Z
T1に類似する、又はZ
T1より高い場合がある。組織の水分が蒸発すると、第3期間4845の間にクランプ留めされた組織に印加された電気外科的エネルギーにより、組織の乾燥が引き起こされるため、測定したインピーダンス値はまた、速やかに増加し、実際の組織インピーダンスを反映し得る。
【0118】
例示的な一態様において、制御回路610は、Iビーム614などの切断部材をいつ前進させ始めるかを判定するために、エンドエフェクタ602でクランプ留めされた組織を切断するのに必要な時間量を考慮することができる。例えば、第1ゾーン3060で組織を切断するのに1秒かかる場合、制御回路610は、第1ゾーン3060での組織の切断が完了する時間までに、組織の融着が実質的に完了するように、組織インピーダンスが所定の終了インピーダンス値に達する約1秒前(およそこの時間に、組織の融着は通常完了する)に、切断部材(例えばIビーム614)を前進させ始めることができる。別の例示的な態様において、組織の融着が、切断の終了までに実質的に完了するように、切断速度を調節することができる。例えば、組織インピーダンスが最小インピーダンスに達する瞬間から、終了インピーダンスに達する瞬間(例えば、組織の融着が完了するとき)まで0.5秒かかるとすると、第1ゾーン3060又は第2ゾーン3065で組織を切断するのに0.5秒かかるように、切断速度を調節することができる。
【0119】
上で説明したとおり、例示的な一態様において、制御回路610は、第3期間4845の間に第2ゾーン3065で組織を切断しながら、電気外科的エネルギーを、第1の組の電極3040Lと3040R並びに第2の組の電極3050L及び3050Rの両方に供給することができる。この場合、クランプ留めされた組織は第3期間4845にわたって更なる電気外科的エネルギーを受容したため、第3時間4830における終了インピーダンスZ
T2は、
図26で確認されるように、第2時間4825における終了インピーダンスZ
T1よりも大きい場合がある。
【0120】
例示的な一態様において、制御回路610は、第1ゾーン3060で組織を切断した後に、電気外科的エネルギーを第1の組の電極に供給することを停止することができ、第2ゾーン3065で組織を切断しながら、第2の組の電極のみに電気外科的エネルギーを供給することができる。この場合、第2ゾーン3065の組織は、第1ゾーン3060の組織よりも第3期間4845にわたってより多くの電気外科的エネルギーを受容したため、第2ゾーン3065の組織の終了インピーダンスは、第1ゾーン3060での組織の終了インピーダンスよりも大きい場合があり、二組の電極に対する所定の時間間隔は同じである、ということが推定される。
【0121】
本明細書で記載される機能又はプロセス4500、4700は、本明細書で記載される処理回路、例えば、
図16~
図17に関連して記載される制御回路700、
図18に関連して記載される制御回路610のいずれかにより実行することができる。
【0122】
外科用器具の態様は、本明細書で開示した具体的な詳細を伴わずに実施することができる。いくつかの態様は、詳細ではなくブロック図として示されている。本開示の一部は、コンピュータメモリに格納されたデータ上で動作する命令として、表されてもよい。一般に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができる。結果として、「電気回路構成」は、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路構成、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路構成、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路構成、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ又はマイクロプロセッサ)を形成する電気回路構成、メモリデバイスを形成する(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)電気回路構成、及び/又は、通信デバイス(例えばモデム、通信スイッチ、若しくは光学電気機器)を形成する電気回路構成を含むが、これらに限定されない。これらの態様はアナログ形態若しくはデジタル形態、又はこれらの組み合わせで実装することができる。
【0123】
前述の説明は、1つ以上の機能及び/又は動作を含み得る、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例の使用による、装置及び/又はプロセスの態様を説明している。このようなブロック図、フローチャート、又は実施例における各機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は実質上これらの任意の組み合わせにより、個別に、かつ/又は集合的に実装することができる。一態様では、本明細書で記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、回路、レジスタ並びに/又はソフトウェア構成要素(例えばプログラム、サブルーチン、論理並びに/若しくはハードウェア及びソフトウェア構成要素の組み合わせ)、論理ゲート、又は他の一体化フォーマットにより実装されてもよい。その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実装することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが、当業者には理解されよう。
【0124】
開示される主題のメカニズムは、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される特定の種類の信号搬送媒体に関係なく用いられる。信号搬送媒体の例としては以下:記録可能型の媒体、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなど、並びに伝送型の媒体、例えば、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、導電体通信リンク、導電体非含有通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)が挙げられる。
【0125】
これらの態様の前述の説明は、記載及び説明を目的として提示されている。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。これら態様は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、態様を修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されるものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0126】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する:
実施例1.外科用器具であって、エンドエフェクタであって、遠位部及び近位部を備える第1ジョーと、第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、を備える、エンドエフェクタと、電気外科的エネルギーを少なくとも1つの電極に供給するように構成された制御回路であって、シャフト制御セグメント及び電気外科的エネルギー制御セグメントを備える、制御回路と、エンドエフェクタと制御回路との間で電気的に接続された第1の導電体と、を備え、シャフト制御セグメントは、第1の導電体を介して、エンドエフェクタを操作するための制御信号をエンドエフェクタに提供するように構成されており、電気外科的エネルギー制御セグメントは、第1の導電体を介して、電気外科的エネルギーを少なくとも1つの電極に供給するように構成されている、外科用器具。
【0127】
実施例2.電気外科的エネルギー制御セグメントはシャフト制御セグメントから電気的に絶縁されている、実施例1に記載の外科用器具。
【0128】
実施例3.電気外科的エネルギー制御セグメントは、電気外科的エネルギーを少なくとも1つの電極に供給するときに、第1の導電体をシャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施例1~実施例2の1つ以上に記載の外科用器具。
【0129】
実施例4.電気外科的エネルギー制御セグメントとシャフト制御セグメントとの間に電気的に連結されたスイッチを更に備え、電気外科的エネルギー制御セグメントは、スイッチを制御することにより、第1の導電体をシャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施例3に記載の外科用器具。
【0130】
実施例5.電気外科的エネルギー制御セグメントは、第1の導電体とシャフト制御セグメントとの間に位置するスイッチを開くことにより、第1の導電体をシャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施例4に記載の外科用器具。
【0131】
実施例6.第2の導電体を更に備え、シャフト制御セグメントが、第2の導電体を介して制御信号をエンドエフェクタに提供するように構成され、シャフト制御セグメントは、電気外科的エネルギー制御セグメントが第1の導電体を介して電気外科的エネルギーを少なくとも1つの電極に供給しているときに、第2の導電体を介して制御信号をエンドエフェクタに提供するように構成されている、実施例1~実施例5の1つ以上に記載の外科用器具。
【0132】
実施例7.第2ジョーはアンビルを備える、実施例1~実施例6の1つ以上に記載の外科用器具。
【0133】
実施例8.電気外科的エネルギーは高周波(RF)エネルギーを含む、実施例1~実施例7の1つ以上に記載の外科用器具。
【0134】
実施例9.少なくとも1つの電極は、第1ジョーの近位部に位置する第1の組の電極、及び第1ジョーの遠位部に位置する第2の組の電極を備えており、電気外科的エネルギーセグメントは、所定の時間間隔で、電気外科的エネルギーを第1の組の電極と第2の組の電極との間で繰り返し交替させるように構成されている、実施例1~実施例8の1つ以上に記載の外科用器具。
【0135】
実施例10.切断部材を更に含み、第1ジョー及び第2ジョーは、第1ジョーの近位部から延びる細長スロットを、第1ジョーと第2ジョーとの間で画定し、切断部材は、細長スロット内で摺動可能に受容可能であり、第1ジョーと第2ジョーとの間に位置する組織を切断する、実施例9に記載の外科用器具。
【0136】
実施例11.第1の組の電極は第1電極及び第2電極を備え、第1電極は細長スロットの左側に位置し、第2電極は細長スロットの右側に位置する、実施例10に記載の外科用器具。
【0137】
実施例12.第2の組の電極は第3電極と第4電極とを備え、第3電極は細長スロットの左側に位置し、第4電極は細長スロットの右側に位置する、実施例10~実施例11の1つ以上に記載の外科用器具。
【0138】
実施例13.所定の時間間隔は、第1の組の電極に対する第1時間間隔と、第2の組の電極に対する第2時間間隔とを含み、第1時間間隔は第2時間間隔と異なる、実施例9~実施例12の1つ以上に記載の外科用器具。
【0139】
実施例14.交替のための所定の時間間隔は、電気外科的エネルギーを第1の組の電極及び第2の組の電極に供給することが同時に見えるほど十分に速い、実施例9~実施例12の1つ以上に記載の外科用器具。
【0140】
実施例15.所定の時間間隔は約0.1~0.5秒の範囲である、実施例9~実施例14の1つ以上に記載の外科用器具。
【0141】
実施例16.高周波(RF)エネルギー生成器と、ハンドル本体と、エンドエフェクタであって、遠位部及び近位部を備える第1ジョーと、第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、を備える、エンドエフェクタと、RFエネルギー生成器から少なくとも1つの電極にRFエネルギーを供給するように構成されており、シャフト制御セグメントとRF制御セグメントとを備える、制御回路と、エンドエフェクタと制御回路との間に電気的に接続された第1の導電体と、を備える、外科用システムであって、シャフト制御セグメントは、第1の導電体を介して、エンドエフェクタを操作するための制御信号をエンドエフェクタに提供するように構成されており、RF制御セグメントは、第1の導電体を介してRFエネルギーを少なくとも1つの電極に供給するように構成されている、外科用システム。
【0142】
実施例17.RF制御セグメントはシャフト制御セグメントから電気的に絶縁されている、実施例16に記載の外科用システム。
【0143】
実施例18.RF制御セグメントは、RFエネルギーを少なくとも1つの電極に供給するときに、第1の導電体をシャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施例16~実施例17の1つ以上に記載の外科用システム。
【0144】
実施例19.第1の導電体とシャフト制御セグメントとの間に電気的に連結されたスイッチを更に備え、RF制御セグメントは、スイッチを制御することにより、第1の導電体をシャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施例18に記載の外科用システム。
【0145】
実施例20.電気外科的エネルギー制御セグメントは、第1の導電体とシャフト制御セグメントとの間に位置するスイッチを開くことにより、第1の導電体をシャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施例19に記載の外科用器具。
【0146】
実施例21.第2の導電体を更に備え、シャフト制御セグメントは、第2の導電体を介して制御信号をエンドエフェクタに提供するように構成されており、シャフト制御セグメントは、RF制御セグメントが第1の導電体を介してRFエネルギーを少なくとも1つの電極に供給しているときに、制御信号を第2の導電体を介してエンドエフェクタに提供するように構成されている、実施例16~実施例20のいずれか1つに記載の外科用システム。
【0147】
実施例22.少なくとも1つの電極は、第1ジョーの近位部に位置する第1の組の電極、及び第1ジョーの遠位部に位置する第2の組の電極を備えており、電気外科的エネルギーセグメントは、所定の時間間隔で、RFエネルギーを第1の組の電極と第2の組の電極との間で繰り返し交替させるように構成されている、実施例16~実施例21の1つ以上に記載の外科用システム。
【0148】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
エンドエフェクタであって、
遠位部及び近位部を備える第1ジョーと、
前記第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、
前記第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、
を備える、エンドエフェクタと、
電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するように構成された制御回路であって、シャフト制御セグメント及び電気外科的エネルギー制御セグメントを備える、制御回路と、
前記エンドエフェクタと前記制御回路との間で電気的に接続された第1の導電体と、を備え、
前記シャフト制御セグメントは、前記第1の導電体を介して、前記エンドエフェクタを操作するための制御信号を前記エンドエフェクタに提供するように構成されており、
前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記第1の導電体を介して、前記電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するように構成されている、
外科用器具。
(2) 前記電気外科的エネルギー制御セグメントは前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するときに、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(4) 前記電気外科的エネルギー制御セグメントと前記シャフト制御セグメントとの間に電気的に連結されたスイッチを更に備え、前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記スイッチを制御することにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施態様3に記載の外科用器具。
(5) 前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記第1の導電体と前記シャフト制御セグメントとの間に位置するスイッチを開くことにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施態様4に記載の外科用器具。
【0149】
(6) 第2の導電体を更に備え、前記シャフト制御セグメントが、前記第2の導電体を介して前記制御信号を前記エンドエフェクタに提供するように構成され、前記シャフト制御セグメントは、前記電気外科的エネルギー制御セグメントが前記第1の導電体を介して前記電気外科的エネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給しているときに、前記第2の導電体を介して前記制御信号を前記エンドエフェクタに提供するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記第2ジョーはアンビルを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記電気外科的エネルギーは高周波(RF)エネルギーを含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記少なくとも1つの電極は、前記第1ジョーの前記近位部に位置する第1の組の電極、及び前記第1ジョーの前記遠位部に位置する第2の組の電極を備えており、電気外科的エネルギーセグメントは、所定の時間間隔で、電気外科的エネルギーを前記第1の組の電極と前記第2の組の電極との間で繰り返し交替させるように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 切断部材を更に含み、前記第1ジョー及び前記第2ジョーは、前記第1ジョーの前記近位部から延びる細長スロットを、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間で画定し、前記切断部材は、前記細長スロット内で摺動可能に受容可能であり、前記第1ジョーと前記第2ジョーとの間に位置する組織を切断する、実施態様9に記載の外科用器具。
【0150】
(11) 前記第1の組の電極は第1電極及び第2電極を備え、前記第1電極は前記細長スロットの左側に位置し、前記第2電極は前記細長スロットの右側に位置する、実施態様10に記載の外科用器具。
(12) 前記第2の組の電極は第3電極と第4電極とを備え、前記第3電極は前記細長スロットの左側に位置し、前記第4電極は前記細長スロットの右側に位置する、実施態様10に記載の外科用器具。
(13) 前記所定の時間間隔は、前記第1の組の電極に対する第1時間間隔と、前記第2の組の電極に対する第2時間間隔とを含み、前記第1時間間隔は前記第2時間間隔と異なる、実施態様9に記載の外科用器具。
(14) 前記交替のための前記所定の時間間隔は、前記電気外科的エネルギーを前記第1の組の電極及び前記第2の組の電極に供給することが同時に見えるほど十分に速い、実施態様9に記載の外科用器具。
(15) 前記所定の時間間隔は約0.1~0.5秒の範囲である、実施態様9に記載の外科用器具。
【0151】
(16) 高周波(RF)エネルギー生成器と、
ハンドル本体と、
エンドエフェクタであって、
遠位部及び近位部を備える第1ジョーと、
前記第1ジョーに対して移動可能な第2ジョーと、
前記第1ジョー内の少なくとも1つの電極と、
を備える、エンドエフェクタと、
前記RFエネルギー生成器から前記少なくとも1つの電極にRFエネルギーを供給するように構成されており、シャフト制御セグメントとRF制御セグメントとを備える、制御回路と、
前記エンドエフェクタと前記制御回路との間に電気的に接続された第1の導電体と、
を備える、外科用システムであって、
前記シャフト制御セグメントは、前記第1の導電体を介して、前記エンドエフェクタを操作するための制御信号を前記エンドエフェクタに提供するように構成されており、
前記RF制御セグメントは、前記第1の導電体を介して前記RFエネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するように構成されている、
外科用システム。
(17) 前記RF制御セグメントは前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁されている、実施態様16に記載の外科用システム。
(18) 前記RF制御セグメントは、前記RFエネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給するときに、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施態様16に記載の外科用システム。
(19) 前記第1の導電体と前記シャフト制御セグメントとの間に電気的に連結されたスイッチを更に備え、前記RF制御セグメントは、前記スイッチを制御することにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから電気的に絶縁するように構成されている、実施態様18に記載の外科用システム。
(20) 前記電気外科的エネルギー制御セグメントは、前記第1の導電体と前記シャフト制御セグメントとの間に位置するスイッチを開くことにより、前記第1の導電体を前記シャフト制御セグメントから、電気的に絶縁するように構成されている、実施態様19に記載の外科用器具。
【0152】
(21) 第2の導電体を更に備え、前記シャフト制御セグメントは、前記第2の導電体を介して前記制御信号を前記エンドエフェクタに提供するように構成されており、前記シャフト制御セグメントは、前記RF制御セグメントが前記第1の導電体を介して前記RFエネルギーを前記少なくとも1つの電極に供給しているときに、前記制御信号を前記第2の導電体を介して前記エンドエフェクタに提供するように構成されている、実施態様16に記載の外科用システム。
(22) 前記少なくとも1つの電極は、前記第1ジョーの前記近位部に位置する第1の組の電極、及び前記第1ジョーの前記遠位部に位置する第2の組の電極を備えており、電気外科的エネルギーセグメントは、所定の時間間隔で、RFエネルギーを前記第1の組の電極と前記第2の組の電極との間で繰り返し交替させるように構成されている、実施態様16に記載の外科用システム。