(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】情報処理装置とプログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20241021BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241021BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241021BHJP
B41J 5/30 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
H04M1/00 V
H04N1/00 127B
H04N1/00 127A
H04M11/00 302
B41J5/30 Z
(21)【出願番号】P 2023065220
(22)【出願日】2023-04-12
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】布施 洋
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-182020(JP,A)
【文献】特開2016-004456(JP,A)
【文献】特開2015-210766(JP,A)
【文献】特開2014-038561(JP,A)
【文献】特開2006-209588(JP,A)
【文献】特開2006-227748(JP,A)
【文献】特開2005-165795(JP,A)
【文献】特開2019-128832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
H04N 1/00
H04M 11/00
B41J 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部サービスから
決済データ一覧を取得する一覧取得手段と、
取得した前記
決済データ一覧から選択された
決済データに
領収書画像が関連付けられているかを判定する
第1の判定手段と、
選択された前記
決済データに
領収書画像が関連付けられていないと判定した場合、選択された前記
決済データに関連付ける
領収書画像を
アップロードするか生成するかを、ユーザによる指示に基づいて判定する第2の判定手段と、
領収書画像のアップロードが指示された場合、選択された前記決済データに関連付ける領収書画像をアップロードした保存先を取得する取得手段と、
領収書画像の生成が指示された場合、選択された前記決済データに関連付ける領収書画像を前記決済データに基づいて生成して保存する第1の生成手段と、
前記
アップロードした領収書画像の保存先
を符号化した二次元コードまたは前記生成した領収書画像の保存先を符号化した二次元コードを生成
する第2の
生成手段と、
選択された前記決済データと生成された前記二次元コードとを関連付けて保存する保存手段と、
を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前
記保存手段により保存した前記二次元コードを画像として出力する出力手段を更に有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の情報処理装置であって、
前記
第1の生成手段は、テンプレートに前記
決済データを適用して前記
領収書画像を生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記
第1の生成手段は、
前記領収書画像
の生成の指示に応じて前記
領収書画像を外部システムにより生成させ、生成された前記
領収書画像を取得する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項
1に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、外部システムにより生成された画像をアップロード
してアップロードした保存先を取得する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
選択された前記
決済データに
前記領収書画像が関連付けられていると判定した場合、前記第2の
生成手段により前記
領収書画像の保存先を符号化した二次元コードを生
成する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項2に記載の情報処理装置と、
出力された前記二次元コードを読み取って前記
領収書画像の保存先
を取得し、取得した前記保存先から
前記領収書画像を取得し、取得した前記
領収書画像を印刷する印刷装置と、を含む
ことを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置とプログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャッシュレスサービスの普及に伴い、スマートフォンを介したキャッシュレス決済を利用する機会が増えてきた。キャッシュレスサービスはビジネスの現場においても幅広く利用されており、企業の経理部門は現金決済だけではなくキャッシュレス決済に関しても効率的かつ正確な経費処理が必要不可欠である。ところがキャッシュレス決済では領収書が発行されないケースがある。このような場合に備え、領収書の発行元である企業はウェブページから領収書を発行できる仕組みを提供している。例えば、ホテルを利用したユーザーは、ホテルのウェブページから利用履歴を参照し、画像として領収書を発行できる。
【0003】
特許文献1では、決済データと領収書画像をまとめて経費精算サービスに送信するシステムが記載されている。このシステムを利用すると、ユーザーは発行した領収書画像をキャッシュレスサービスにアップロードすることにより、キャッシュレスサービスで決済データと領収書画像とを適切に紐づけて経費精算サービスに送信することができる。
【0004】
また特許文献2では、二次元コードに印刷物のファイルパスを含む文字列を埋め込むシステムが記載されている。この技術を用いて、領収書画像のパスを埋め込んだ二次元コードを作成して表示し、それを複合機が読み取ってそのパスから取得した領収書画像を印刷することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2021-196663号公報
【文献】特開2020-001253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では領収書画像が存在していることが前提であり、特許文献2でも印刷対象の画像の存在が前提であるため、領収書画像がなければ経費精算サービスは利用できないし、印刷物として出力することもできない。例えば、キャッシュレスサービスを介して支払った経費に対して領収書が発行されなかった場合、手動でウェブページから領収書画像を作成する必要がある。また、領収書画像を作成済みであっても、キャッシュレスサービスの決済データに領収書画像を紐づける作業が必要である。このように、従来の技術では領収書画像を印刷するためにはユーザーによる様々な手間があり、経費申請のための印刷を効率的にできないという課題がある。
【0007】
本発明は、上記従来例に鑑みたもので、ユーザーの労力を軽減して効率的に領収書画像の印刷を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。すなわち本発明の一態様によれば、外部サービスから決済データ一覧を取得する一覧取得手段と、
取得した前記決済データ一覧から選択された決済データに領収書画像が関連付けられているかを判定する第1の判定手段と、
選択された前記決済データに領収書画像が関連付けられていないと判定した場合、選択された前記決済データに関連付ける領収書画像をアップロードするか生成するかを、ユーザによる指示に基づいて判定する第2の判定手段と、
領収書画像のアップロードが指示された場合、選択された前記決済データに関連付ける領収書画像をアップロードした保存先を取得する取得手段と、
領収書画像の生成が指示された場合、選択された前記決済データに関連付ける領収書画像を前記決済データに基づいて生成して保存する第1の生成手段と、
前記アップロードした領収書画像の保存先を符号化した二次元コードまたは前記生成した領収書画像の保存先を符号化した二次元コードを生成する第2の生成手段と、
選択された前記決済データと生成された前記二次元コードとを関連付けて保存する保存手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザーの労力を軽減して効率的に領収書画像の印刷を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】QRコード作成の処理詳細を示すフローチャート
【
図8】QRコード作成の処理詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
●実施形態1
[システム構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成を示している。クライアント端末100はスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末である。MFP110は、スキャナやプリンタといった複数の機能を有する複合機である。MFP110を画像形成装置あるいは印刷装置と呼ぶこともある。クラウドサービス120は、モバイル決済サービスなどのキャッシュレスサービスである。なおサービスとは無形であるが、ここではコンピュータや情報処理装置によってサービスを提供するサーバーのことを含めてサービスと呼ぶ。したがってクラウドサービス120のことをクラウドサーバー120と言い換えてもよい。
【0013】
図1の構成により、クライアント端末100はクラウドサービス120の利用履歴を参照し、領収書(領収証とも呼ぶ)の画像(領収書画像)の保存先などを含むコード、例えばQRコード(登録商標)を作成できる。MFP110はクライアント端末100が作成したQRコードを読み取ることで、クライアント端末100やクラウドサービス120から領収書画像を取得し、領収書を印刷できる。
【0014】
本実施形態において、クライアント端末100やMFP110はOAuth等の認証認可の仕組みを利用し、クラウドサービス120との連携を実現する。
【0015】
図1の各構成要素はネットワークにより通信可能に接続されている。例えば、ネットワークはインターネットおよびアクセス回線等であってよく、例えばLAN、WAN、電話回線等のいずれかである。または、これらの組み合わせで実現される通信ネットワークである。ネットワークはデータの送受信が可能であればよい。クライアント端末100やMFP110は、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)に接続され、LANを介してインターネットにアクセスできる。
【0016】
本実施形態ではクラウドサービスとしてキャッシュレスサービスを例に挙げたが、クラウドサービスの種別や連携できるサービスの数は本実施形態に限ったものとしない。
【0017】
[クライアント端末のハードウェア構成]
図2は、クライアント端末100のハードウェア構成図である。クライアント端末100は、制御部210と操作部220とを有する。
【0018】
制御部210は、以下の各部211~215を含み、クライアント端末100全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムを読み出して各種処理を実行することで、端末全体の動作を制御する。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、本実施形態では1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213またはストレージ214)を用いて後述のフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、これに限定されない。例えば、複数のCPUや複数のRAMまたはストレージを協働させて各処理を実行してもよい。ストレージ214は、画像データや各種プログラムを記憶する大容量記憶部である。ネットワークI/F215は、クライアント端末100をインターネットに接続するインタフェースである。クライアント端末100は、ネットワークI/F315を介して他の装置(クラウドサービス120など)と通信し、各種情報を送受信する。
【0019】
操作部220は、タッチパネルを備え、ユーザーによる操作や入力或いは指示を受け付けて操作や入力或いは指示に応じた画面を表示する。
【0020】
[MFPのハードウェア構成]
図3は、MFP110のハードウェア構成図である。MFP110は、制御部310、操作部320、プリンタ部321、スキャナ部322、モデム323、QRコード読取部324を有する。制御部310は、以下の各部311~319を有し、MFP110全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312に記憶されたプログラムを読み出して、画像の読取や印刷、通信などMFP110が有する各種機能を実行し、また装置全体を制御する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、本実施形態では1つのCPU311が1つのメモリ(RAM313またはストレージ314)を用いて後述のフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、これに限定されない。例えば、複数のCPUや複数のRAMまたはストレージを協働させて各処理を実行してもよい。ストレージ314は、画像データや各種プログラムを記憶する大容量記憶部である。ネットワークI/F315は、制御部310(MFP110)をLANに接続するインタフェースである。MFP110は、ネットワークI/F315を介して他の装置(クラウドサービス120など)と通信し、各種情報を送受信する。
【0021】
操作部320は、タッチパネルやボタンなどが備えられており、ユーザーによる操作や入力或いは指示を受け付ける。プリンタ部321は、制御部310から転送された印刷用の画像データを記録媒体上に印刷する。スキャナ部322は、原稿台や文書搬送Auto Document Feeder)にセットされた原稿を読み取って画像データを生成し、制御部310に入力する。MFP110は、スキャナ部322で生成された画像データをプリンタ部331から印刷出力(コピー)する他、ファイル送信またはメール送信することができる。モデム323は、PSTN上のファクシミリ装置との間で画像データをファクシミリ通信する。
【0022】
QRコード読取部324は、QRコードに含まれる様々なテキストデータを読み取り、制御部310に入力する。本実施例では、MFP110のQRコード読取部324が抽出したテキストデータを基に領収書画像の保存先など取得し、ネットワークI/F315を介して領収書画像をクライアント端末100やクラウドサービス120等からダウンロードし、領収書画像を印刷する。なおQRコード読取部をソフトウェアで実現する場合には、QRコード読取部324をハードウェアとして持たなくともよい。
【0023】
[システム全体のソフトウェア構成]
図4は、本実施形態に係るシステム全体のソフトウェア構成図である。クライアント端末100は、リクエスト制御部401、画像作成部402、QRコード生成部403、データ管理部404、表示制御部405を有する。
【0024】
リクエスト制御部401は、クラウドサービス120に対して各種処理の要求を行う。例えば、サービスへのログイン、決済データなどの取得要求を行う。決済データには領収書の発行元、日付、金額、領収書画像の保存先、サムネイル画像の保存先などの様々な情報が含まれる。なお、決済データに領収書画像が紐づいていない場合、決済データには領収書画像の保存先やサムネイル画像の保存先などの画像に関する情報は含まれない。クラウドサービス120とのやり取りはRESTやSOAPなどのプロトコルを使用するが、その他の通信手段を用いてもよい。
【0025】
画像作成部402は、決済データに含まれる領収書の発行元、日付、金額などを基に領収書画像を作成する。また、本実施形態ではクライアント端末100がクラウドサービス120からサムネイル画像を取得しているが、サムネイル画像の取得方法はこれに限らない。例えば、クライアント端末100のリクエスト制御部401がクラウドサービス120から領収書画像をダウンロードし、クライアント端末100の画像作成部402がサムネイル画像を生成してもよい。あるいは画像作成部402が作成した領収書画像を基にサムネイル画像を作成しても良い。
【0026】
QRコード生成部403は、領収書画像の保存先、印刷設定などを格納したQRコードを作成する。領収書画像の保存先には、リクエスト制御部401がクラウドサービス120から取得した領収書画像の保存先、あるいは画像作成部402が作成した領収書画像の保存先の何れかを含む。印刷設定には紙を印刷する際の一般的な設定(カラー/モノクロ、片面/両面など)を含む。
【0027】
データ管理部404は、画像作成部402が作成した領収書画像やクライアント端末100が接続するクラウドサービス120の接続情報、各種処理で使用する一時的なデータなどをストレージ214に保存する。
【0028】
表示制御部405は、クライアント端末100で動作しているアプリケーションからのリクエストを受けて画面表示に必要な画面構成情報を返す。ユーザーがアプリケーション画面(
図6)を操作し、クラウドサービス120の決済データを選択すると、それら情報を格納したQRコード613と領収書のサムネイル画像611が表示される。また、決済データを選択した際に決済データ一覧画面600の領収書登録ボタン603を押すことで領収書画像をクラウドサービス120にアップロードできる。これにより、決済データと領収書画像を紐づけて管理することが可能になる。また、印刷設定はUI画面(表示制御部404)を介して設定できる。
【0029】
MFP110は、リクエスト制御部411、QRコード読取部412、データ管理部413、表示制御部414、プリント制御部415を有する。
【0030】
リクエスト制御部411は、クライアント端末100やクラウドサービス120に対して各種処理の要求を行う。例えば、サービスへのログイン、領収書画像のダウンロードなどの取得要求を行う。クライアント端末100やクラウドサービス120とのやり取りはRESTやSOAPなどのプロトコルを使用するが、その他の通信手段を用いてもよい。
【0031】
QRコード読取部412は、QRコードを解析し、QRコードに含まれる領収書画像の保存先、印刷設定などを読み取る。より詳しくは、QRコード読取部412は、光学的に読み取られたQRコードに含まれる様々なテキストデータを抽出し、制御部310に入力する。本実施形態では、MFP110のQRコード読取部412が抽出したテキストデータを基に領収書画像の保存先や印刷設定など取得する。さらにネットワークI/F315を介して、取得した保存先であるクライアント端末100やクラウドサービス120等から領収書画像をダウンロードし、その領収書画像を印刷する。なおQRコード読取部412はハードウェアにより実現されてもよい。
【0032】
データ管理部413は、クライアント端末100やクラウドサービス120からダウンロードした領収書画像などの画像データをストレージ314に保存する。
【0033】
表示制御部414は、MFP110の操作部220のタッチパネル機能を有する液晶表示部に、印刷処理の進捗を表示したり、ユーザーによる操作を受け付けるためのユーザインタフェース(UI)画面を表示したりする。
【0034】
プリント制御部415は、QRコード読取部412がQRコードを読み取ることでダウンロードした領収書画像を自動で印刷する。本実施形態では、クライアント端末100にて印刷設定を設定しQRコードを読み取ることで印刷が開始されるが、印刷方法はこれに限定しない。例えば、MFP110のUI画面(表示制御部414)を介してクラウドサービス120へアクセスするための認証情報の入力、印刷設定、ならびに、印刷開始の操作などの指示を受け付け、印刷処理を実行しても良い。
【0035】
クラウドサービス120は、リクエスト制御部421、データ管理部422、表示制御部423を有する。
【0036】
リクエスト制御部421は、クライアント端末100やMFP110からの処理要求、たとえば決済データ取得リクエスト(決済データ取得要求)に応じた処理を適時実行し、処理要求の結果を応答する。
【0037】
データ管理部422は、クラウドサービス130に保存された領収書の画像データや決済データを保持する。これらのデータはユーザーに関連付けて保存されていてもよい。例えば、クラウドサービス120はMFP110から領収書画像のダウンロード要求を受けた場合、リクエスト制御部421はデータ管理部422から指定された領収書画像を取得し、処理要求の結果として応答する。同様に、決済データの取得要求を受けた場合、リクエスト制御部421はデータ管理部422から指定された領収書の決済データを取得し、処理要求の結果として応答する。
【0038】
表示制御部423は、クライアント端末100で動作しているウェブブラウザからのリクエストを受けて画面表示に必要な画面構成情報(HTML、CSS等)を返す。ユーザーは、ウェブブラウザで表示される画面経由でクラウドサービス130に保存している画像データや決済データなどを参照できる。
【0039】
[実施形態1におけるMFP連携サービスの処理詳細]
図5はクライアント端末100がQRコードを作成する処理の詳細を示すフローチャートである。このQRコードは
図7のシーケンスにおける領収書の印刷処理で使用するが、シーケンスの詳細については後述する。なお、本フローチャートの一連の処理は、クライアント端末100の制御部210において、CPU211がストレージ214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。以下、詳しく説明する。
【0040】
本実施形態において、クライアント端末100の表示制御部404がクラウドサービス120の決済データ一覧を表示する操作を受け付けたことを検知することで開始される。
【0041】
S501において、クライアント端末100のリクエスト制御部401は決済データ一覧の取得リクエストをクラウドサービス120に送信する。決済データには領収書の発行元、日付、金額などが含まれる。決済データ一覧取得リクエストに応じて、クラウドサービス120は決済データ一覧を要求元へと送信する。決済データ一覧が取得されると、
図6の決済データ一覧画面600で決済データ一覧601として表示される。なお取得の対象となる決済データ一覧は、例えばクライアント端末100にログインしているユーザーにより決済された取引の決済データ一覧であってよい。その場合の決済データ一覧取得要求には、当該ユーザーの識別情報も含まれる。決済データ一覧には、決済ごとに、決済に係る名称、たとえば領収書の発行元の名称や、決済データに紐づけられた領収書画像へのリンク情報が含まれている。紐づけられた領収書画像がない決済データについては、領収書画像へのリンク情報が含まれていなくてよい。
【0042】
S502において、クライアント端末100の表示制御部404は決済データ一覧画面600にて決済データ一覧601のいずれかの決済データが選択され、次へボタン602が押されたかを判定する。次へボタンが押された場合、S503へ進み、次へボタンが押されていない場合、再びS502へ進む。
【0043】
S503において、クライアント端末100のリクエスト制御部401は選択した決済データに領収書画像が紐づいているか判定する。領収書画像が紐づいている場合、S506へ進み、領収書画像が紐づいていない場合、S504へ進む。
【0044】
S504において、クライアント端末100の表示制御部404は決済データに領収書画像をどのように紐づけるか選択するためのメッセージ画面620表示する。メッセージ画面620には、例えば決済データ623と、画像生成の指示のためのボタン621と画像アップロード指示のためのボタン622とが含まれている。「決済データから領収書画像を生成する」621が選択された場合、S505へ進み、「領収書画像をクラウドサービス120にアップロードする」622が選択された場合、S506へ進む。
【0045】
S505において、クライアント端末100の画像作成部402は決済データから領収書画像を作成する。例えば、決済データに含まれる発行元、日付、金額などを基に領収書画像を作成し、データ管理部403に保存する。領収書画像は、発行元、日付、金額などをテンプレートに適用して生成してよい。また使用するテンプレートは複数の候補から選択できても、或いは予め決めておいたものであってもよい。作成した領収書画像は決済データと紐づけてクライアント端末100に保存しておいてよい。その保存先はステップS507で用いられる。
【0046】
S506において、クライアント端末100の表示制御部404は領収書画像をクラウドサービス120にアップロードするためのUIを表示し、アップロード操作を受け付けたか否かを判定する。アップロード操作を受け付けた場合、S507へ進み、アップロード操作を受け付けなかった場合(操作をキャンセルした場合)、S502へ進む。ユーザーがクラウドサービス120に領収書画像をアップロードする場合、リクエスト制御部401はクラウドサービス120に対して領収書画像のアップロードリクエストを送信する。なお、このアップロードリクエストに対して、クライアント端末100は領収書画像をアップロードした後、クラウドサービス120から領収書画像の保存先をレスポンスとして取得できる。領収書画像は、たとえばクライアント端末100が、外部サービスの会計のアプリケーションやービスなどを用いて作成した領収書の画像であってよい。或いは既に紙で発行された領収書がある取引についても、領収書を電子化する目的で、紙の領収書を撮影した画像をアップロードしてもよい。
【0047】
S507において、クライアント端末100のQRコード作成部402は領収書画像の保存先や印刷設定を格納したQRコードを作成する。このQRコードには、符号化された保存先や印刷設定が含まれている。本実施形態では、実行した処理によって領収書画像の保存先が異なる。例えば、S501、S502あるいはS506の処理でクラウドサービス120から取得した、あるいはクラウドサービス120にアップロードした領収書画像の保存先は、クラウドサービス120のいずれかのディレクトリである。一方で、S505の処理で取得した領収書画像の保存先は、クライアント端末100のいずれかのディレクトリである。作成したQRコードは、決済データに紐づけて保存しておく。
【0048】
保存したQRコードは、それを読み取って例えば
図6の表示画面610に示すようにクライアント端末100で表示することができる。表示画面610を画像として保存しておくことで、例えば画像の表示用のアプリケーションを使用して保存した表示画面610を表示できる。
【0049】
また、QRコードに含める印刷設定は例えば、紙を印刷する際の一般的な設定(カラー/モノクロ、片面/両面など)を含み、これら設定はクライアント端末100の不図示のUIで設定できるものとする。
【0050】
以上、領収書画像の情報を含むQRコードの作成手法について説明した。本実施形態ではS505のように作成した領収書画像をクライアント端末100に保存したが、クライアント端末100で作成した領収書画像はクラウドサービス120や外部のクラウドストレージサービス等にアップロードしてもよい。
【0051】
[実施形態1における各機器間の処理の流れ]
図7は、MFP110で領収書画像を印刷する際の各装置間の処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、各装置間のやり取りを中心に説明する。この処理はMFP110のQRコード読取部412がクライアント端末100のUI画面(QRコード表示画面610)に表示されたQRコード612を読み取ることで開始される。またこの読み取りは、たとえばQRコード読取部412により提供されるUI上の読み取り指示ボタン等をユーザーがタッチすることをきっかけとして開始されてよい。以下の説明においては、それぞれの装置による処理は、装置の有するソフトウェアモジュールを処理の主体としている。しかし、ソフトウェアモジュールはそれぞれの装置が有するCPUによりプログラムを実行することで実現されるので、実行主体はそれぞれの装置のCPUと考えてもよい。
【0052】
S701において、MFP110のQRコード読取部412はクライアント端末100のUI画面(QRコード表示画面610)に表示されたQRコード612をスキャナ部321で読み取って取得する。
【0053】
S702において、MFP110のQRコード読取部412は取得したQRコード612に格納された文字列を解析する。例えば、解析で得られる情報は、領収書画像の保存先、印刷設定を含む。
【0054】
S703、S704において、MFP110のリクエスト制御部411は解析結果を基にS702で取得した領収書画像の保存先を指定して画像ダウンロードのリクエストを送信する。領収書画像をステップS505で作成した場合には、保存先はクライアント端末100である。一方、領収書画像が決済データに紐づけられてクラウドサービス120に保存されている場合、あるいはクライアント端末100からアップロードされた場合には、保存先はクラウドサービス120である。
【0055】
S703において、領収書画像の保存先がクライアント端末100の場合、MFP110はクライアント端末100に画像ダウンロードのリクエストを送信する。
【0056】
S704において、領収書画像の保存先がクラウドサービス120の場合、MFP110はクラウドサービス120に画像ダウンロードのリクエストを送信する。
【0057】
領収書画像の保存先に応じてリクエストを送信した後、MFP110はクラウドサービス120から受信した画像をデータ管理部413に一時保存する。
【0058】
S705において、MFP110のプリント制御部415はデータ管理部413に保存した領収書画像を印刷する。
【0059】
以上、QRコードを用いた印刷手法について説明した。従来の手法では領収書画像を印刷するためには様々な手間があったが、本実施形態の手法により、簡易な方法で領収書を印刷することができる。これにより例えば経費申請のための領収書の印刷を効率的に実施できるようになる。
【0060】
●実施形態2
[実施形態2におけるMFP連携サービスの処理詳細]
前述した実施形態1(
図5)では、領収書画像をクライアント端末100上で作成したが、領収書画像の作成方法はこれに限定しない。例えば、クライアント端末100ではなく外部システムで領収書画像を作成できる場合、領収書画像の作成を外部システム上で行うことが考えられる。そこで実施形態2(
図8)では、領収書画像の作成を外部システム上で行う手法について説明する。本実施形態において、システム構成やアプリケーションのUIなど、実施形態1と同様の説明は割愛する。
【0061】
図8はクライアント端末100がQRコードを作成する処理の詳細を示すフローチャートである。このQRコードは
図8のシーケンスにおける領収書の印刷処理で使用するが、シーケンスの詳細については後述する。なお、本フローチャートの一連の処理は、クライアント端末100の制御部210において、CPU211がストレージ214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。以下、詳しく説明する。
【0062】
本実施形態において、クライアント端末100の表示制御部404がクラウドサービス120の決済データ一覧を表示する操作を受け付けたことを検知することで開始される。
【0063】
S805において、クライアント端末100のリクエスト制御部401は、決済データ一覧画面600にて選択された決裁データと共に、領収書画像の作成リクエストをクラウドサービス120や外部の領収書画像作成サービスなどの外部システムに送信する。クライアント端末100は外部システムが作成した領収書画像をレスポンスとして受信し、データ管理部403に保存する。本実施形態では領収書画像の保存先としてクライアント端末100のデータ管理部403を指定したが、取得した領収書画像は任意のストレージサービスなど、別の場所に保存してもよい。また、領収書画像を作成した外部システムに画像データを保存する機能も併せて提供されている場合、クライアント端末100に領収書画像を取得しなくてもよい。クライアント端末100以外の場所に領収書画像が保存されている場合、QRコードに格納する領収書画像の保存先は、ストレージサービスや外部システム上の領収書画像の保存先となる。
【0064】
以上、領収書画像の情報を含むQRコードの作成手法について説明した。これにより、MFP110が外部システムから領収書画像を取得できるようになるため、領収書画像の印刷が効率的に実施できるようになる。
【0065】
本実施形態では、外部システムが作成した領収書画像をクライアント端末100に領収書画像をレスポンスとして受信し(
図8)、更にMFP110は領収書画像をクライアント端末100からに取得する(
図7)、という2回の画像データの取得処理が発生する。同じ領収書画像を複数のシステムで伝搬させるのは効率的な処理ではないため、QRコードに対して領収書画像の保存先ではなく他の情報を格納することでこの問題を解消してもよい。例えば、外部システムに対する領収書画像の作成リクエストをQRコードに格納し、このQRコードから読み取ったMFP110が外部システムに対して領収書画像の作成リクエストを実行してもよい。これにより、クライアント端末100は領収書画像を外部システムから取得する必要がなくなり、更にMFP110が直接外部システムから領収書画像を取得できるようになり、効率的な領収書画像の取得処理を実現できる。
【0066】
(他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0067】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【0068】
●実施形態のまとめ
上記実施形態をまとめると以下のような発明が含まれる。
(項目1)
外部サービスからデータ一覧を取得する一覧取得手段と、
取得した前記データ一覧から選択されたデータに画像が関連付けられているかを判定する判定手段と、
選択された前記データに画像が関連付けられていないと判定した場合、選択された前記データに関連付ける画像を取得する取得手段と、
選択された前記データと取得した前記画像とを関連付けて保存する第1の保存手段と、
前記画像の保存先を符号化した二次元コードを生成して保存する第2の保存手段と、を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目2)
項目1に記載の情報処理装置であって、
前記第2の保存手段により保存した前記二次元コードを画像として出力する出力手段を更に有する
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目3)
項目1または2に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、画像生成の指示に応じて前記画像を生成する生成手段を含む
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目4)
項目3に記載の情報処理装置であって、
前記生成手段は、テンプレートに前記データを適用して前記画像を生成する
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目5)
項目1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、画像生成の指示に応じて前記画像を外部システムにより生成させ、生成された前記画像を取得する
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目6)
項目1乃至5のいずれか一項1に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、アップロード指示に応じて画像を取得し、該画像を前記外部サービスにアップロードする
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目7)
項目6に記載の情報処理装置であって、
前記取得手段は、外部システムにより生成された画像をアップロードする
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目8)
項目1乃至7のいずれか一項1に記載の情報処理装置であって、
選択された前記データに画像が関連付けられていると判定した場合、前記第2の保存手段により前記画像の保存先を符号化した二次元コードを生成して保存する
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目9)
項目1乃至8のいずれか一項1に記載の情報処理装置であって、
前記データは決済データであり、前記画像は前記決済データに関する領収書画像である
ことを特徴とする情報処理装置。
(項目10)
項目1乃至9のいずれか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0069】
100 クライアント端末、110 MFP、120 クラウドサービス、411 リクエスト制御部、412 QRコード読取部
【要約】
【課題】従来技術では、領収書画像を印刷するためには様々な手間があり、経費申請のための印刷を効率的にできなかった。
【解決手段】情報処理装置は、外部サービスからデータ一覧を取得し、取得したデータ一覧から選択されたデータに画像が関連付けられているかを判定し、選択されたデータに画像が関連付けられていないと判定した場合、選択されたデータに関連付ける画像を取得し、選択されたデータと取得した画像とを関連付けて保存する。さらに、画像の保存先を符号化した二次元コードを生成して保存する。この二次元コードを印刷装置により読み取って印刷する。
【選択図】
図5