(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】セルフチェックアウト装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20241021BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
G07G1/00 331B
G07G1/12 341F
G07G1/12 341G
(21)【出願番号】P 2023098676
(22)【出願日】2023-06-15
(62)【分割の表示】P 2021149632の分割
【原出願日】2016-09-07
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿野 友成
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-072561(JP,A)
【文献】特開2003-281624(JP,A)
【文献】特開2004-252865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者の操作に基づく商品識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記操作者の不正な操作を検出する検出手段と、
前記受付手段により入力を受け付けた一取引分の前記商品識別情報に基づいて決済処理を行う前に、操作に応じて動作モードを変更する変更手段と、
前記変更手段により前記動作モードが特定操作者が操作する特定操作者モードに変更された場合、前記不正な操作を検出する強度を引き下げる又は前記不正な操作を検出しないように前記検出手段を制御
し、前記変更手段により前記動作モードが通常モードに変更された場合、前記不正な操作を検出する強度を引き上げる又は前記不正な操作を検出するように前記検出手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記受付手段が、前記操作者の入力を受け付けることで、取引が開始され、
前記取引の開始後に、前記動作モードが前記特定操作者モードに変更され、
前記受付手段が、前記特定操作者による入力を受け付け、
前記受付手段が受け付けた前記操作者と前記特定操作者の入力を併せて一取引分として決済処理を行う、
セルフチェックアウト装置。
【請求項2】
前記動作モードとして、
前記通常モード及び前記通常モードにおいてかけられているセキュリティが緩和又は無効化される特定者が操作する前記特定操作者モードを有する、
請求項1に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項3】
前記操作者が前記特定操作者であるか認証する認証手段、
をさらに備え、
前記受付手段により入力を受け付けた一取引分の前記商品識別情報に基づいて決済処理を行う前に、前記認証手段により前記操作者が前記特定操作者であると認証された場合、前記変更手段は、前記動作モードを前記特定操作者モードに変更する、
請求項1に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項4】
前記受付手段は、前記商品識別情報に加えて、前記操作者に関連付けられた操作者識別情報の入力を受け付け、
前記認証手段は、前記受付手段により受け付けた前記操作者識別情報に基づいて前記操作者が前記特定操作者であるか認証する、請求項3に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記受付手段により入力を受け付けた一取引分の前記商品識別情報に基づいて決済処理を行った後、前記動作モードを通常モードに変更する、
請求項1に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項6】
前記制御手段による制御によって前記検出手段が不正な操作を検出する強度を引き下げているとき又は不正な操作を検出しないとき、不正な操作を検出する強度を引き下げていること又は不正な操作を検出しないことを報知させる報知手段、
をさらに備える、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のセルフチェックアウト装置。
【請求項7】
セルフチェックアウト装置が備えるコンピューターを、
操作者の操作に基づく商品識別情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記操作者の不正な操作を検出する検出手段と、
前記受付手段により入力を受け付けた一取引分の前記商品識別情報に基づいて決済処理を行う前に、操作に応じて動作モードを変更する変更手段と、
前記変更手段により前記動作モードが特定操作者が操作する特定操作者モードに変更された場合、前記不正な操作を検出する強度を引き下げる又は前記不正な操作を検出しないように前記検出手段を制御
し、前記変更手段により前記動作モードが通常モードに変更された場合、前記不正な操作を検出する強度を引き上げる又は前記不正な操作を検出するように前記検出手段を制御する制御手段と、して機能させるためのプログラムであって、
前記受付手段が、前記操作者の入力を受け付けることで、取引が開始され、
前記取引の開始後に、前記動作モードが前記特定操作者モードに変更され、
前記受付手段が、前記特定操作者による入力を受け付け、
前記受付手段が受け付けた前記操作者と前記特定操作者の入力を併せて一取引分として決済処理を行う、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、セルフチェックアウト装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
客自身が操作することで商品の登録から決済までを行うセルフチェックアウト装置が知られている。このようなセルフチェックアウト装置では、客が不正を働くことを防止するためにセキュリティがかけられている。ところで、セルフチェックアウト装置の操作方法が分からない客の求めに応じるなどして、店員がセルフチェックアウト装置を操作することがある。この場合、不正防止のためのセキュリティが動作することによって、店員がセルフチェックアウト装置をスムーズに操作できないことがある。また、不正を働く可能性が低いと考えられる優良顧客などがセルフチェックアウト装置を操作する場合、セキュリティよりも操作性を優先させたいといったニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、店員又は優良顧客などが操作する場合にはセキュリティを無効化又は緩和することで、店員又は優良顧客などによる操作の操作性を向上することができるセルフチェックアウト装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のセルフチェックアウト装置は、受付手段、検出手段、変更手段及び制御手段を含む。受付手段は、操作者の操作に基づく商品識別情報の入力を受け付ける。検出手段は、操作者の不正な操作を検出する。変更手段は、受付手段により入力を受け付けた一取引分の商品識別情報に基づいて決済処理を行う前に、操作に応じて動作モードを変更する。制御手段は、変更手段により動作モードが特定操作者が操作する特定操作者モードに変更された場合、不正な操作を検出する強度を引き下げる又は不正な操作を検出しないように検出手段を制御し、変更手段により動作モードが通常モードに変更された場合、不正な操作を検出する強度を引き上げる又は不正な操作を検出するように検出手段を制御する。さらに、受付手段が、操作者の入力を受け付けることで、取引が開始され、取引の開始後に、動作モードが特定操作者モードに変更され、受付手段が、特定操作者による入力を受け付け、受付手段が受け付けた操作者と特定操作者の入力を併せて一取引分として決済処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態及び第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置の外観を示す斜視図。
【
図2】第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置を用いたセルフチェックアウトシステムに含まれる装置のそれぞれの要部回路構成を示すブロック図。
【
図3】
図2中のセルフチェックアウト装置のCPUによる第1実施形態における制御処理のフローチャート。
【
図4】
図2中のセルフチェックアウト装置のCPUによる第1実施形態における制御処理のフローチャート。
【
図5】
図2中のセルフチェックアウト装置のCPUによる第1実施形態における制御処理のフローチャート。
【
図6】
図2又は
図9中のセルフチェックアウト装置のCPUによる第1実施形態及び第2実施形態における制御処理のフローチャート。
【
図7】
図2又は
図9中のセルフチェックアウト装置のCPUによる第1実施形態及び第2実施形態における制御処理のフローチャート。
【
図8】
図2又は
図9中のアテンダント端末のCPUによる第1実施形態及び第2実施形態における制御処理のフローチャート。
【
図9】第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置を用いたセルフチェックアウトシステムに含まれる装置のそれぞれの要部回路構成を示すブロック図。
【
図10】
図9中のセルフチェックアウト装置のCPUによる第2実施形態における制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置について図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置100の外観を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置100を用いたセルフチェックアウトシステム1に含まれる装置のそれぞれの要部回路構成を示すブロック図である。なお、
図2において、
図1と同一の要素については、
図1と同一の符号を付している。セルフチェックアウトシステム1は、複数のセルフチェックアウト装置100及びアテンダント端末200を含む。複数のセルフチェックアウト装置100及びアテンダント端末200は、ネットワークNWに接続されている。ネットワークNWは、典型的にはLAN(local area network)である。ネットワークNWは、無線回線でも良いし有線回線でも良い。また、無線回線と有線回線とが混在していても良い。なお、
図2は複数のセルフチェックアウト装置100を示すが、要部回路構成については、そのうちの1台についてのみを代表として示す。また、
図2は複数のセルフチェックアウト装置100を示すが、セルフチェックアウトシステム1に含まれるセルフチェックアウト装置の台数は任意の数でよく、また、1台であってもよい。
【0008】
セルフチェックアウト装置100は、決済対象となる商品の登録及び決済などの業務のために店舗などに設置される。セルフチェックアウト装置100は、主に買物客により操作されるが、買物客の求めに応じた場合などにおいて店員によって操作される場合もある。セルフチェックアウト装置100は、店員モードと通常モードの2つの動作モードを有する。店員などの特定操作者は、セルフチェックアウト装置100を店員モードで動作させることができる。店員モードでは、通常モードにおいてかけられているセキュリティが無効化される。あるいは、店員モードでは、通常モードにおいてかけられているセキュリティが緩和される。セルフチェックアウト装置100は、床面に載置される筐体100Aを含み、この筐体100Aの一方の側面に第1の載置台S1、もう一方の側面に第2の載置台S2が設けられている。第1の載置台S1は、登録前の商品を載せるための台である。そして、第2の載置台S2は、登録済みの商品を載せるための台である。セルフチェックアウト装置100は、CPU(central processing unit)101、メインメモリ102、補助記憶デバイス103、タッチパネル104、通信インターフェース105、スキャナー106、プリンター107、第1の秤108、第2の秤109、パトランプ110、スピーカー111及びバス112を含む。
【0009】
CPU101は、セルフチェックアウト装置100の動作に必要な処理及び制御を行うコンピューターの中枢部分に相当する。CPU101は、メインメモリ102に記憶されたオペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、セルフチェックアウト装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0010】
メインメモリ102は、上記コンピューターの主記憶部分に相当する。メインメモリ102は、オペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムを記憶する。また、メインメモリ102は、CPU101が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらに、メインメモリ102は、CPU101が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0011】
補助記憶デバイス103は、上記コンピューターの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス103は、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)又はSSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス103は、CPU101が各種の処理を行う上で使用するデータ又はCPU101での処理によって生成されたデータなどを保存する。補助記憶デバイス103は、上記のオペレーティングシステム又はアプリケーションなどのプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス103は、買上商品として登録された商品のリストである商品リストも記憶する。あるいは、メインメモリ102が、上記商品リストを記憶しても良い。さらに、補助記憶デバイス103は、許容値d1及び許容値d2を記憶する。あるいは、メインメモリ102が、許容値d1及び許容値d2を記憶する。許容値d1及び許容値d2は、後述する重さの判定において許容される差分の上限を示す。許容値d1及び許容値d2は、セルフチェックアウト装置100の管理者などによって予め設定される。なお、セルフチェックアウト装置100の管理者などによって許容値d1又は許容値d2の値が設定されていない場合、当該許容値d1又は許容値d2はデフォルトの値が設定される。許容値d1及び許容値d2のデフォルトの値は、例えばセルフチェックアウト装置100の設計者などによって予め定められる。また、補助記憶デバイス103は、店舗で働く店員のそれぞれに付与されたユニークな識別番号である店員ID(identifier)を記憶する。店員IDは、操作者識別情報の一例である。さらに、補助記憶デバイス103は、店舗で販売されている商品についての商品コード、商品名及び金額などの各種情報を含む商品データベースも記憶する。また、補助記憶デバイス103は、セルフチェックアウト装置100の装置IDも記憶する。装置IDは、複数のセルフチェックアウト装置100のそれぞれに予め定められた、ユニークな識別番号である。
【0012】
メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶されるプログラムは、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。一例としてセルフチェックアウト装置100は、制御プログラムがメインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶された状態で、セルフチェックアウト装置100の管理者などへと譲渡される。しかしながら、セルフチェックアウト装置100は、制御プログラムがメインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶されない状態で当該管理者などに譲渡されても良い。そして、別途に当該管理者などへと譲渡された制御プログラムが、当該管理者など又はサービスマンなどによる操作の下にメインメモリ102又は補助記憶デバイス103へと書き込まれても良い。このときの制御プログラムの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
【0013】
タッチパネル104は、セルフチェックアウト装置100の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する表示デバイスとして機能する。タッチパネル104は、
図1では筐体100Aに取り付けられている。また、タッチパネル104は、当該操作者によるタッチ操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。
【0014】
通信インターフェース105は、セルフチェックアウト装置100がネットワークNWを介して通信するためのインターフェースである。
【0015】
スキャナー106は、商品などに表示されたバーコードを読取って、このバーコードが表した商品コードを出力する。スキャナー106は、
図1では、セルフチェックアウト装置100の筐体100Aに固定されているものとして示すが、手で持って使用するタイプであっても良い。
【0016】
プリンター107は、レシートなどを印刷する。プリンター107は、ドットインパクトプリンター、インクジェットプリンター、サーマルプリンター、レーザープリンター又はその他のプリンターなど、種々の方式を用いることができる。
【0017】
第1の秤108は、未登録の商品の重さを量るために設けられる。第1の秤108は、一例として第1の載置台S1に内蔵される。第1の秤108は、第1の載置台S1の上に載せられたものの重さを量り、当該重さを電子データとして出力する。
【0018】
第2の秤109は、登録済みの商品の重さを量るために設けられる。第2の秤109は、一例として第2の載置台S2に内蔵される。第2の秤109は、第2の載置台S2の上に載せられたものの重さを量り、当該重さを電子データとして出力する。
【0019】
パトランプ110は、
図1では、遠くからでも見えるように、鉛直方向に伸びたポールの先端に取り付けられている。パトランプ110は、LED(light-emitting diode)、蛍光灯又は白熱灯などの発光部材、及び円筒を含む。前記発光部材は、前記円筒の内部に、前記円筒と同軸に回転可能に取り付けられている。パトランプ110は、動作すると、発光部材を発光させながら回転させる。
【0020】
スピーカー111は、入力された音声信号が示す音声を音として出力する。
【0021】
バス112は、アドレスバス及びデータバスなどを含み、セルフチェックアウト装置100の各部で授受される信号を伝送する。
【0022】
アテンダント端末200は、ネットワークNWを介して接続されたセルフチェックアウト装置100それぞれについての各種状況を監視するなどの目的で設置される。
アテンダント端末200は、CPU201、メインメモリ202、補助記憶デバイス203、タッチパネル204、通信インターフェース205及びバス206を含む。
【0023】
CPU201は、アテンダント端末200の動作に必要な処理及び制御を行うコンピューターの中枢部分に相当する。CPU201は、メインメモリ202に記憶されたオペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、アテンダント端末200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0024】
メインメモリ202は、上記コンピューターの主記憶部分に相当する。メインメモリ202は、オペレーティングシステム及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムを記憶する。また、メインメモリ202は、CPU201が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらに、メインメモリ202は、CPU201が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
【0025】
補助記憶デバイス203は、上記コンピューターの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス203は、例えばEEPROM、HDD又はSSDなどである。補助記憶デバイス203は、CPU201が各種の処理を行う上で使用するデータ又はCPU201での処理によって生成されたデータなどを保存する。補助記憶デバイス203は、上記のオペレーティングシステム又はアプリケーションなどのプログラムを記憶する場合もある。
【0026】
メインメモリ202又は補助記憶デバイス203に記憶されるプログラムは、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。一例としてアテンダント端末200は、制御プログラムがメインメモリ202又は補助記憶デバイス203に記憶された状態で、利用者へと譲渡される。しかしながら、アテンダント端末200は、制御プログラムがメインメモリ202又は補助記憶デバイス203に記憶されない状態で利用者に譲渡されても良い。そして、別途に利用者へと譲渡された制御プログラムが、利用者又はサービスマンなどによる操作の下にメインメモリ202又は補助記憶デバイス203へと書き込まれても良い。このときの制御プログラムの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介したダウンロードにより実現できる。
【0027】
タッチパネル204は、アテンダント端末200の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する表示デバイスとして機能する。また、タッチパネル204は、当該操作者によるタッチ操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。
【0028】
通信インターフェース205は、アテンダント端末200がネットワークNWを介して通信するためのインターフェースである。
【0029】
バス206は、アドレスバス及びデータバスなどを含み、アテンダント端末200の各部で授受される信号を伝送する。
【0030】
以下、第1実施形態に係るセルフチェックアウト装置100を用いたセルフチェックアウトシステム1の動作を
図3~
図8に基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
第1実施形態では、セルフチェックアウト装置100のメインメモリ102又は補助記憶デバイス103は、
図3~7に示す制御処理に関して記述した制御プログラムを記憶する。
図3~
図7は、セルフチェックアウト装置100のCPU101による制御処理のフローチャートである。CPU101は、メインメモリ102及び補助記憶デバイス103に記憶された制御プログラムに基づいてこの制御処理を実行する。
また、第1実施形態では、アテンダント端末200のメインメモリ202又は補助記憶デバイス203は、
図8に示す制御処理に関して記述した制御プログラムを記憶する。
図8は、アテンダント端末200のCPU201による制御処理のフローチャートである。CPU201は、メインメモリ202及び補助記憶デバイス203に記憶された制御プログラムに基づいてこの制御処理を実行する。
【0031】
図3のAct1においてCPU101は、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶された商品リストをリセットする。すなわちCPU101は、商品リストに商品が登録されていない状態にするようメインメモリ102又は補助記憶デバイス103に対して指示する。
【0032】
セルフチェックアウト装置100の操作者は、客が購入したい商品を買物かごに入れた状態で第1の載置台S1に置く。あるいは、当該操作者は、客が購入したい商品を買物かごに入れずにそのまま第1の載置台S1に置いても良い。そして、当該操作者は、セルフチェックアウト装置100のタッチパネル104に表示された開始ボタンをタッチする。開始ボタンは、商品の登録の開始を指示する場合にセルフチェックアウト装置100の操作者が操作する。
Act2においてCPU101は、商品の登録の開始を指示する操作が行われるのを待ち受けている。すなわち、CPU101は、タッチパネル104に表示された開始ボタンをタッチするなどの、商品の登録の開始を指示するための予め定められた操作が行われるのを待ち受けている。CPU101は、商品の登録の開始を指示する操作が行われたならば、Act2においてYesと判定してAct3へと進む。
【0033】
Act3においてCPU101は、第1の秤108が出力する重さを取得して、第1の重さとしてメインメモリ102に記憶する。さらに、CPU101は、第2の秤109が出力する重さを取得して、第2の重さとしてメインメモリ102に記憶する。
【0034】
Act4においてCPU101は、店員IDが記憶されたバーコードがスキャナー106により読み込まれたか否かを確認する。Act4の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、操作者が予め定められた特定操作者であるか認証する認証手段として動作する。CPU101は、店員IDが読み込まれないならば、Act4においてNoと判定してAct5へと進む。
【0035】
Act5においてCPU101は、第1の秤108が出力する重さが減少したか否かを確認する。このとき、CPU101は、第1の秤108が出力する重さを取得する。そして、CPU101は、Act3で記憶した第1の重さから、第1の秤108から取得した重さを引いた、減少量を算出する。CPU101は、当該減少量が予め定められた値以上であるならば、第1の秤108が出力する重さが減少したと見做す。なお、減少量が予め定められた値以上である場合に重さが減少したと見做すのは、セルフチェックアウト装置100に振動が加わる等の要因で第1の秤108が出力する重さが変動する場合があり、このような場合に重さが減少したと見做す事を防ぐためである。CPU101は、第1の秤108が出力する重さが減少していないならば、Act5においてNoと判定してAct6へと進む。
【0036】
Act6においてCPU101は、登録完了を指示する操作が行われたか否かを確認する。すなわち、CPU101は、タッチパネル104に表示された小計ボタンをタッチするなどの予め定められた操作が行われたか否かを確認する。なお、登録完了を指示する操作は、商品を1つ以上登録してから行うことを操作上のルールとしておく。商品が登録されていない状態での登録完了を指示する操作がなされた場合のCPU101の動作は、CPU101の制御プログラムの設計者により定められて良い。例えば、CPU101は、登録完了を指示する操作を無視する。あるいはCPU101は、商品が登録されていない状態では、登録完了を指示する操作自体ができないようにしても良い。CPU101は、登録完了を指示する操作が行われないならば、Act6においてNoと判定してAct4へと戻る。かくして、CPU101は、店員IDが読み込まれるか、重さが減少するか、登録完了を指示する操作が行われるまでAct4~Act6を繰り返す。
【0037】
セルフチェックアウト装置100の操作者は、第1の載置台S1に置いた商品の中から商品リストに登録したい商品を1つ持ち上げる。これにより、第1の秤108が出力する重さが減少する。CPU101は、Act4~Act6の待受状態にあるときに第1の秤108が出力する重さが減少したならば、Act5においてYesと判定してAct7へと進む。
Act7においてCPU101は、Act5において算出した減少量をメインメモリ102に記憶する。
【0038】
Act8においてCPU101は、商品コードが入力されるのを待ち受ける。なお、商品コードは、以下に示すようにCPU101に入力される。セルフチェックアウト装置100の操作者は、商品に付されたバーコードをスキャナー106に読み込ませる。これにより、当該バーコードに記録された商品コードがCPU101に入力される。また、タッチパネル104には、バーコードが付されていない商品に関連付けられたボタンが表示される。セルフチェックアウト装置100の操作者は、タッチパネル104に表示された当該ボタンの中から商品リストに登録したい商品をタッチする。これにより、当該ボタンに関連付けられた商品の商品コードがCPU101に入力される。商品コードは、商品に関連付けられた識別情報である。したがって、Act8の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、決済対象の商品に関連付けられた商品識別情報の入力を受け付ける受付手段として動作する。CPU101は、商品コードが入力されたならば、Act8においてYesと判定してAct9へと進む。
【0039】
Act9においてCPU101は、Act8で入力を受け付けた商品コードを、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶された商品リストに追加する。したがって、Act9の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、前記受付手段により入力を受け付けた前記商品識別情報により前記商品の販売データを処理する処理手段として動作する。CPU101は、Act9の処理の後、Act10へと進む。
【0040】
Act10においてCPU101は、第2の秤109が出力する重さが増加するのを待ち受ける。このとき、CPU101は、第2の秤109が出力する重さを取得する。そして、CPU101は、第2の秤109から取得した重さから、Act3で記憶した第2の重さを引いた、増加量を算出する。CPU101は、当該増加量が予め定められた値以上であるならば、第2の秤109が出力する重さが増加したと見做す。なお、増加量が予め定められた値以上である場合に重さが増加したと見做すのは、セルフチェックアウト装置100に振動が加わる等の要因で第2の秤109が出力する重さが変動する場合があり、このような場合に重さが増加したと見做す事を防ぐためである。
セルフチェックアウト装置100の操作者は、商品リストに追加した商品を第2の載置台S2に置く。これにより、第2の秤109が出力する重さが増加する。CPU101は、第2の秤109が出力する重さが増加したならば、Act10においてYesと判定してAct11へと進む。
【0041】
Act11においてCPU101は、Act10で算出した増加量と、Act7で記憶した減少量とを比較して、重さが同一であるか否かを判定する。このとき、CPU101は、減少量と増加量との差が許容値d1以下である場合、重さが同一であると見做す。Act11において重さが同一でないと見做された場合、何らかの不正が行われた可能性がある。したがって、Act11の処理を行うことでCPU101を中枢とするコンピューターは、不正な操作を検出する検出手段として動作する。CPU101は、重さが同一であるならば、Act11においてYesと判定してAct3へと戻る。一方、CPU101は、重さが同一でないならば、Act11においてNoと判定してAct12へと進む。
【0042】
Act12においてCPU101は、最後にAct9で商品リストに追加した商品コードを、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶された商品リストから削除する。
【0043】
Act13においてCPU101は、エラーが発生したことを報知する。例えば、CPU101は、エラー画面に対応した画像を生成する。そしてCPU101は、この画像を表示するようタッチパネル104に指示する。この指示を受けて、タッチパネル104は、エラー画面を表示する。エラー画面は、例えば、商品の登録が正常に行われなかったことを示す文字列、及び最後に登録しようとした商品を第1の載置台S1上に戻すように指示することを示す文字列を含む。また例えば、CPU101は、商品の登録が正常に行われなかったことを示す音声、及び最後に登録しようとした商品を第1の載置台S1上に戻すように指示することを示す音声を含む音声信号をスピーカー111に入力する。これにより、当該音声信号が表す音声が、スピーカー111により音として発せられる。したがって、Act13の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、検出手段が不正な操作を検出した場合、警告を発する警告手段として動作する。CPU101は、Act13の処理の後、Act3へと戻る。
【0044】
セルフチェックアウト装置100の操作者は、一取引分の決済対象の商品、すなわち第1の載置台S1に載せられていた全ての商品の登録が終了したならば、登録完了を指示する操作を行う。
CPU101は、Act4~Act6の待受状態にあるときに登録完了を指示する操作が行われたならば、Act6においてYesと判定してAct14へと進む。
Act14においてCPU101は、
図5に示す重さ監視処理を開始させる。なお、CPU101は、重さ監視処理を、
図3に示す制御処理とは別スレッドで実行するなどして、
図3に示す制御処理と並行して処理を行う。
【0045】
以下、
図5に示す重さ監視処理について説明する。
図5のAct31においてCPU101は、変数iをメインメモリ102に割り当てる。
【0046】
Act32においてCPU101は、第2の秤109が出力する重さを取得して、当該重さをメインメモリ102に記憶する。
【0047】
Act33においてCPU101は、変数iの値を0にする。
Act34においてCPU101は、第2の秤109が出力する重さが減少したか否かを確認する。このとき、CPU101は、第2の秤109が出力する重さを取得する。そして、CPU101は、Act32で記憶した重さから、第2の秤109から取得した重さを引いた、減少量を算出する。CPU101は、当該減少量が許容値d2以上であるならば、第2の秤109が出力する重さが減少したと見做す。CPU101は、第2の秤109が出力する重さが減少していないならば、Act34においてYesと判定してAct35へと進む。
【0048】
Act35においてCPU101は、変数iの値を1増やす。
Act36においてCPU101は、変数iの値が予め定められた値N以上であるか否かを確認する。CPU101は、変数iの値がNよりも小さいならば、Act36においてNoと判定してAct34へと戻る。すなわち、CPU101は、N回連続してAct34でYesと判定するまでは、Act36でNoと判定する。なお、このようにするのは、セルフチェックアウト装置100に振動が加わるなどの要因で第2の秤109が出力する重さが一時的に変動する場合があり、このような場合にAct37の処理へと進むことを防ぐためである。
【0049】
セルフチェックアウト装置100の操作者などが、第2の載置台S2に置かれた商品を持ち上げると、第2の秤109が出力する重さが減少する。そして、商品が第2の載置台S2に戻されなければ、CPU101は、N回連続してAct34でYesと判定する。CPU101は、変数iの値がN以上であるならば、Act36においてYesと判定してAct37へと進む。
Act37においてCPU101は、セルフチェックアウト装置100の操作者に商品を第2の載置台S2に戻すよう警告するための警告動作を行う。一例として、CPU101は、商品を第2の載置台S2に戻すよう警告する文字列を含む画面に対応した画像を生成する。そしてCPU101は、この画像を表示するようにタッチパネル104に対して指示する。この指示を受けてタッチパネル104は、当該文字列を含む画面を表示する。また一例として、CPU101は、商品を第2の載置台S2に戻すよう警告する音声を示す音声信号をスピーカー111に入力する。これにより、当該音声信号が表す音声が、スピーカー111により音として発せられる。以上のように、
図5の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、不正な操作を検出する検出手段として動作する。また、Act37の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、検出手段が不正な操作を検出した場合、警告を発する警告手段として動作する。
【0050】
図3に示す制御処理の説明へと戻る。
図3のAct15においてCPU101は、商品リストに登録された商品コードに基づいて決済処理を行う。なお、CPU101は、当該商品コードで示される商品の金額及び商品名などは、商品データベースから取得する。決済処理については、周知の処理であるため詳細な説明は省略する。Act15の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、処理手段により処理された一取引分の前記販売データに基づいて決済処理を行う決済手段として動作する。
【0051】
Act16においてCPU101は、重さ監視処理を終了させる。CPU11は、Act16の処理の後、Act1へと戻る。
【0052】
さて、セルフチェックアウト装置100の操作方法が分からない客の求めに応じるなどして、店員がセルフチェックアウト装置を操作することがある。この場合、店員は、セルフチェックアウト装置100を店員モードで動作させるため、店員IDが記憶されたバーコードをスキャナー106に読み込ませる。当該バーコードは、例えば、店員のそれぞれが所持するIDカードなどに印刷される。
CPU101は、Act4~Act6の待受状態にあるときに店員IDが読み込まれたならば、Act4においてYesと判定してAct17へと進む。
Act17においてCPU101は、セルフチェックアウト装置100を店員モードへと変更するために、
図6に示す店員モード変更処理を行う。
【0053】
図6のAct41においてCPU101は、店員モードに変更したことを示す店員モード通知コマンドをアテンダント端末200に送信するように通信インターフェース105に対して指示する。なお、店員モード通知コマンドは、この店員モード通知コマンドを送信するセルフチェックアウト装置100の装置IDを含む。CPU101の指示を受けて、通信インターフェース105は、当該店員モード通知コマンドをアテンダント端末200に送信する。送信された当該店員モード通知コマンドは、アテンダント端末200の通信インターフェース205によって受信される。
【0054】
一方、
図8のAct61においてアテンダント端末のCPU201は、店員モード通知コマンドが通信インターフェース205によって受信されたか否かを確認する。CPU201は、店員モード通知コマンドが受信されないならば、Act61においてNoと判定してAct62へと進む。
【0055】
Act62においてCPU201は、通常モード通知コマンドが通信インターフェース205によって受信されたか否かを確認する。なお、通常モード通知コマンドについての説明は後述する。CPU201は、通常モード通知コマンドが受信されないならば、Act62においてNoと判定してAct61へと戻る。かくして、CPU201は、店員モード通知コマンド又は通常モード通知コマンドが受信されるまでAct61及びAct62を繰り返す。CPU201は、Act61及びAct62の待受状態にあるときに店員モード通知コマンドが受信されたならば、Act61においてYesと判定してAct63へと進む。
【0056】
Act63においてCPU201は、Act62で受信を確認した店員モード通知コマンドに含まれる装置IDで特定されるセルフチェックアウト装置100が店員モードで動作していることを示す画面に対応した画像を生成する。そしてCPU201は、この画像を表示するようにタッチパネル204に対して指示する。この指示を受けてタッチパネル204は、当該画面を表示する。CPU201は、Act63の処理の後Act61へと戻る。
Act63の処理は、
図6のAct41においてセルフチェックアウト装置100から送信された店員モード通知に基づいて行われる。したがって、Act41の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、不正な操作を検出する強度を引き下げていること又は不正な操作を検出しないことを報知させる報知手段として動作する。
【0057】
一方、セルフチェックアウト装置100のCPU101は、
図6のAct41の処理の後、Act42へと進む。
図6のAct42においてCPU101は、店員モード用の画面に対応した画像を生成する。そしてCPU101は、この画像を表示するようにタッチパネル104に対して指示する。この指示を受けて、タッチパネル104は、店員モード用の画面を表示する。店員モード用の画面は、セルフチェックアウト装置100が店員モードで動作していることを示す文字列、及び店員モードの解除を指示するためのボタンを含む。なお、通常モードで動作しているときに表示される通常モード用の画面では、当該文字列及び当該ボタンは表示されない。したがって、Act42の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、不正な操作を検出する強度を引き下げていること又は不正な操作を検出しないことを報知させる報知手段として動作する。
Act43においてCPU101は、パトランプ110を動作させる。通常モードでは、パトランプ110は動作していない。したがって、Act43の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、不正な操作を検出する強度を引き下げていること又は不正な操作を検出しないことを報知させる報知手段として動作する。その後、CPU101は、店員モード変更処理を終了する。
【0058】
CPU101は、
図3のAct17で示す店員モード変更処理の後、
図4のAct18へと進む。
図4は、店員モードでの動作を示す。
図4のAct18においてCPU101は、Act8と同様にして商品コードが入力されたか否かを確認する。商品コードは、Act8で示したようにCPU101に入力される。CPU101は、商品コードが入力されないならば、Act18においてNoと判定してAct19へと進む。
【0059】
Act19においてCPU101は、Act6と同様に登録完了を指示する操作が行われたか否かを確認する。CPU101は、登録完了を指示する操作が行われないならば、Act19においてNoと判定してAct20へと進む。
【0060】
Act20においてCPU101は、店員モードを解除する操作が行われたか否かを確認する。すなわち、CPU101は、タッチパネル104に表示された、店員モードの解除を指示するためのボタンをタッチするなどの予め定められた操作が行われたか否かを確認する。CPU101は、店員モードを解除する操作が行われないならば、Act20においてNoと判定してAct18へと戻る。かくして、CPU101は、商品コードが入力されるか、登録完了を指示する操作が行われるか、店員モードを解除する操作が行われるまでAct18~Act20を繰り返す。CPU101は、Act18~Act20の待受状態にあるときに商品コードが入力されたならば、Act18においてYesと判定してAct21へと進む。
【0061】
Act21においてCPU101は、Act18で入力が確認された商品コードを、メインメモリ102又は補助記憶デバイス103に記憶された商品リストに追加する。したがって、Act21の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、前記受付手段により入力を受け付けた前記商品識別情報により前記商品の販売データを処理する処理手段として動作する。CPU101は、Act21の処理の後、Act18へと戻る。
【0062】
そして、CPU101は、Act18~Act20の待受状態にあるときに登録完了を指示する操作が行われたならば、Act19においてYesと判定してAct22へと進む。
Act22においてCPU101は、商品リストに登録された商品コードに基づいて決済処理を行う。なお、CPU101は、当該商品コードで示される商品の金額及び商品名などは、商品データベースから取得する。決済処理については、周知の処理であるため詳細な説明は省略する。Act22の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、処理手段により処理された一取引分の前記販売データに基づいて決済処理を行う決済手段として動作する。以上のように、
図4に示す店員モードでは、
図3に示すAct5、Act7、Act10及びAct11における重さの判定を行わない。さらに、
図4に示す店員モードでは、Act14及びAct16の処理を行わず、
図5に示す重さ監視処理を行わない。したがって、
図4の処理を行うことでCPU101を中枢とするコンピューターは、操作者が特定操作者であると認証されたことを条件に、不正な操作を検出しないように検出手段を制御する制御手段として動作する。
【0063】
Act23においてCPU101は、セルフチェックアウト装置100を通常モードへと変更するために、
図7に示す通常モード変更処理を行う。
【0064】
図7のAct61においてCPU101は、通常モードに変更したことを示す通常モード通知コマンドをアテンダント端末200に送信するように通信インターフェース105に対して指示する。なお、通常モード通知コマンドは、この通常モード通知コマンドを送信するセルフチェックアウト装置100の装置IDを含む。CPU101の指示を受けて、通信インターフェース105は、当該通常モード通知コマンドをアテンダント端末200に送信する。送信された当該通常モード通知コマンドは、アテンダント端末200の通信インターフェース205によって受信される。
【0065】
一方、アテンダント端末200のCPU201は、
図8のAct61及びAct62の待受状態にあるときに通常モード通知コマンドが受信されたならば、Act62においてYesと判定してAct64へと進む。
【0066】
Act64においてCPU201は、Act62で受信を確認した通常モード通知コマンドに含まれる装置IDで特定されるセルフチェックアウト装置100が通常モードで動作していることを示す画面に対応した画像を生成する。そしてCPU201は、この画像を表示するようにタッチパネル204に対して指示する。この指示を受けてタッチパネル204は、当該画面を表示する。CPU201は、Act64の処理の後Act61へと戻る。
【0067】
一方、セルフチェックアウト装置100のCPU101は、
図7のAct51の処理の後、Act52へと進む。
図7のAct52においてCPU101は、通常モード用の画面に対応した画像を生成する。そしてCPU101は、この画像を表示するようにタッチパネル104に対して指示する。この指示を受けて、タッチパネル104は、通常モード用の画面を表示する。 Act53においてCPU101は、パトランプ110を停止させる。そして、CPU101は、通常モード変更処理を終了する。
【0068】
CPU101は、
図4のAct23で示す通常モード変更処理の後、
図3のAct1へと戻る。
また、CPU101は、
図4のAct18~Act20の待受状態にあるときに店員モードを解除する操作が行われたならば、Act20においてYesと判定してAct24へと進む。
Act24においてCPU101は、
図8に示す通常モード変更処理を行う。そして、CPU101は、Act24で示す通常モード変更処理の後、
図3のAct3へと戻る。
【0069】
第1実施形態のセルフチェックアウト装置100によれば、店員IDを読み込んだことに応じて、動作モードを店員モードへと変更する。店員モードで動作するセルフチェックアウト装置100は、通常モードのAct5、Act7、Act10及びAct11における重さの判定を行わない。通常モードでは、商品の登録を素早く行おうとするとAct11でNoと判定されて、エラーとなる場合がある。店員は、店員モードに変更してから商品の登録を行うことで、エラーを気にせずに商品の登録を行うことができる。また、店員モードで動作するセルフチェックアウト装置100は、
図5に示す重さ監視処理を行わない。したがって、セルフチェックアウト装置100が店員モードで動作しているとき、決済処理を終える前に、店員又は客などによって第2の載置台S2から商品が持ち上げられても、セルフチェックアウト装置100は警告動作を行わない。よって、店員又は客は、決済処理を終える前に商品の袋詰めなどを開始することができる。
【0070】
また、第1実施形態のセルフチェックアウト装置100によれば、商品に付されたバーコードと店員IDが記録されたバーコードとを同じスキャナー106により読み込む。したがって、商品コードの入力を行う装置と店員IDの入力を行う装置とを別にする場合に比べて、セルフチェックアウト装置100の製造コストなどを低くすることが出来る。
【0071】
また、第1実施形態のセルフチェックアウト装置100によれば、セルフチェックアウト装置100が店員モードで動作しているとき、アテンダント端末200のタッチパネル204に、店員モードで動作していることを示す画面を表示させる。また、セルフチェックアウト装置100は、セルフチェックアウト装置100が店員モードで動作しているとき、タッチパネル104に店員モード用の画面を表示させる。また、また、セルフチェックアウト装置100は、セルフチェックアウト装置100が店員モードで動作しているとき、パトランプ110を動作させる。したがって、セルフチェックアウト装置100が店員モードで動作していることが店員にとって分かりやすい。
【0072】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置について図面を用いて説明する。なお、第2実施形態に係る各図面及び以下におけるその説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。したがって、当該同一の要素については説明を省略している場合がある。
第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置300の外観は、第1実施形態の
図1に示すセルフチェックアウト装置100と同様であるので説明を省略する。
図9は、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置300を用いたセルフチェックアウトシステム2に含まれる装置のそれぞれの要部回路構成を示すブロック図である。セルフチェックアウト装置300は、第1実施形態とは異なり第2の秤109を設けるには及ばない。また、セルフチェックアウト装置300は、第1実施形態とは異なり生体認証デバイス301を含む。
【0073】
生体認証デバイス301は、特定の人間の特徴を示す生体情報を読み取る。生体認証デバイス301が読取る生体情報は、例えば、顔、指紋若しくは静脈のパターンなどの身体的特徴又は歩行若しくはまばたきのパターンなどの行動的特徴である。
【0074】
第2実施形態では、セルフチェックアウト装置300の補助記憶デバイス103は、店舗で働く店員のそれぞれの生体情報を記憶する。また、第2実施形態では、補助記憶デバイス103は、許容値d3を記憶する。許容値d3は、許容値d1と同様に重さの判定において許容される差分の上限を示す。なお、許容値d3の値は、許容値d1の値より大きいものとする。許容値d3は、セルフチェックアウト装置300の管理者などによって予め設定される。なお、セルフチェックアウト装置300の管理者などによって許容値d3の値が設定されていない場合、当該許容値d3はデフォルトの値が設定される。許容値d3のデフォルトの値は、例えばセルフチェックアウト装置300の設計者などによって予め定められる。さらに、第2実施形態では、補助記憶デバイス103が記憶する商品データベースは、商品それぞれについての重さも記憶する。
【0075】
第2実施形態では、セルフチェックアウト装置300のメインメモリ102又は補助記憶デバイス103は、
図6、
図7及び
図10に示す制御処理に関して記述した制御プログラムを記憶する。
図10は、セルフチェックアウト装置300のCPU101による制御処理のフローチャートである。
また、第2実施形態では、アテンダント端末200のメインメモリ202又は補助記憶デバイス203は、第1実施形態と同様に
図8に示す制御処理に関して記述した制御プログラムを記憶する。
【0076】
以下、第2実施形態に係るセルフチェックアウト装置300を用いたセルフチェックアウトシステム2の動作を
図6~
図8及び
図10に基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
第2実施形態では、CPU101は、Act1の処理の前にAct71の処理を行う。
図10のAct71においてCPU101は、初期値をd1とする変数Dをメインメモリ102に割り当てる。なお、Act71の処理の後、セルフチェックアウト装置300は、通常モードで動作する。
【0077】
第2実施形態では、CPU101は、第1実施形態のAct4に代えてAct72の処理を行う。
Act72においてCPU101は、生体情報が生体認証デバイス301によって読み込まれたか否かを確認する。CPU101は、生体情報が読み込まれないならば、Act72においてNoと判定してAct73へと進む。
【0078】
Act73においてCPU101は、Act20と同様にして店員モードを解除する操作が行われたか否かを確認する。CPU11は、店員モードを解除する操作が行われないならば、Act73においてNoと判定してAct5へと進む。Act5及びAct6は第1実施形態と同様である。ただし、CPU101は、Act6でNoと判定した場合、Act72へと戻る。かくして、CPU101は、Act72、Act73、Act5及びAct6において、生体情報が読み込まれるか、店員モードを解除する操作が行われるか、重さが減少するか、登録完了を指示する操作が行われるまでAct72、Act73、Act5及びAct6を繰り返す。CPU101は、Act72、Act73、Act5及びAct6の待受状態にあるときに生体情報が読み込まれたならば、Act72においてYesと判定してAct74へと進む。
【0079】
Act74においてCPU101は、補助記憶デバイス103に記憶された生体情報を参照して、Act72で読み込みが確認された生体情報が店員のものであるか否かを確認する。したがって、Act72及びAct74の処理を行うことで、CPU101を中枢とするコンピューターは、操作者が予め定められた特定操作者であるか認証する認証手段として動作する。CPU101は、生体情報が店員のものでないならば、Act74においてNoと判定してAct72へと戻る。一方、CPU101は、生体情報が店員のものであるならば、Act74においてYesと判定してAct17へと進む。CPU101は、第1実施形態と同様にAct17の処理を行った後、Act75へと進む。
Act75においてCPU101は、変数Dの値をd3にする。CPU101は、Act75の処理の後、Act72へと戻る。なお、Act75の処理の後、セルフチェックアウト装置300は、店員モードで動作する。
【0080】
第1実施形態と同様に、セルフチェックアウト装置300の操作方法が分からない客の求めに応じるなどして、店員がセルフチェックアウト装置を操作することがある。この場合、店員は、セルフチェックアウト装置300を店員モードで動作させるため、自身の生体情報を生体認証デバイス301に読み込ませる。
CPU101は、Act72、Act73、Act5及びAct6の待受状態にあるときに店員モードを解除する操作が行われたならば、Act73においてYesと判定してAct24へと進む。CPU101は、第1実施形態と同様にAct24の処理を行った後、Act76へと進む。
Act76においてCPU101は、変数Dの値をd1にする。CPU101は、Act76の処理の後、Act72へと戻る。なお、Act76の処理の後、セルフチェックアウト装置300は、通常モードで動作する。
【0081】
また、第2実施形態では、CPU101は、Act8でYesと判定した後、Act77へと進む。
Act77においてCPU101は、Act7で記憶した減少量と、Act8で入力を受け付けた商品コードで特定される商品についての商品データベースに記憶された重さとを比較して、重さが同一であるか否かを判定する。このとき、CPU101は、減少量と商品データベースに記憶された重さとの差が変数D以下である場合、重さが同一であると見做す。Act77において重さが同一でないと見做される場合、何らかの不正が行われた可能性がある。したがって、Act77の処理を行うことでCPU101を中枢とするコンピューターは、不正な操作を検出する検出手段として動作する。CPU101は、重さが同一であるならば、Act77においてYesと判定してAct9へと進む。一方、CPU101は、重さが同一でないならば、Act77においてNoと判定してAct13へと進む。
なお、変数Dの値は、通常モードのときd1であり、店員モードのとき、d1より大きい値であるd3である。すなわち、店員モードのときには、不正な操作を検出する強度が引き下げられている。したがって、Act75の処理を行うことで、操作者が特定操作者であると認証されたことを条件に、不正な操作を検出する強度を引き下げるように検出手段を制御する制御手段として動作する。
【0082】
なお、CPU101は、第2実施形態では第1実施形態とは異なり、Act10~Act12、Act14、Act15及びAct16の処理を行わない。また、CPU101は、Act15の処理の後、Act23へと進む。CPU101は、第1実施形態と同様にAct23の処理を行った後、Act71へと戻る。
【0083】
第2実施形態のセルフチェックアウト装置300によれば、生体情報を読み取って生体認証を行うことで、操作者が店員であるか否かを識別している。したがって、店員IDを用いる場合に比べてセキュリティ性が向上する。
【0084】
上記の第1実施形態及び第2実施形態は以下のような変形も可能である。
第1実施形態では、店員IDによって認証を行った。しかしながら、第2実施形態と同様にセルフチェックアウト装置100に生体認証デバイスを設けて、生体認証を行っても良い。
また、第2実施形態では、生体認証デバイスを用いて生態認証を行った。しかしながら、第1実施形態と同様に、店員IDによって認証を行っても良い。
【0085】
第1実施形態では、店員IDは、バーコードに記録されていた。しかしながら、店員IDは、磁気カード、接触型IC(integrated circuit)カード又は非接触型ICカードなどに記憶されているものであっても良い。非接触型ICカードとしては、例えばRFID(radio frequency identifier)又はNFC(near field communication)などの規格を用いることができる。以上の場合には、店員IDの記録方式に対応した読取デバイスをセルフチェックアウト装置に設ける。
【0086】
第1実施形態及び第2実施形態では、操作者を店員として説明した。しかしながら、店員に代えて優良顧客などが操作者であっても良い。
【0087】
第1実施形態及び第2実施形態では、不正な操作を検出する検出手段をいくつか説明した。しかしながら、セルフチェックアウト装置は、不正な操作を検出するその他の検出手段を備えたものであっても良い。そして、当該その他の検出手段を備えたセルフチェックアウト装置は、第1実施形態又は第2実施形態と同様に、店員モードにおいて当該その他の検出手段を行わない。あるいは、当該セルフチェックアウト装置は、店員モードにおいて当該その他の検出手段が不正な操作を検出する強度を引き下げる。当該その他の検出手段の一例としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、セルフチェックアウト装置は、操作者、セルフチェックアウト装置又は決済対象の商品などをカメラにより撮影させた画像を分析することで、当該操作者が不正な操作をしているか否かを判定する(例えば、特許第5054670号公報参照。)。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]操作者の操作に基づく、決済対象の商品に関連付けられた商品識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により入力を受け付けた前記商品識別情報により前記商品の販売データを処理する処理手段と、前記操作者の不正な操作を検出する検出手段と、前記操作者が予め定められた特定操作者であるか認証する認証手段と、前記認証手段により前記操作者が特定操作者であると認証されたことを条件に、不正な操作を検出する強度を引き下げる又は不正な操作を検出しないように前記検出手段を制御する制御手段と、前記処理手段により処理された一取引分の前記販売データに基づいて決済処理を行う決済手段と、を備えたセルフチェックアウト装置。
[2]前記受付手段は、前記商品識別情報に加えて、前記操作者に関連付けられた操作者識別情報の入力を受け付け、前記認証手段は、前記受付手段が受け付けた前記操作者識別情報に基づいて前記操作者が前記特定操作者であるか認証する、[1]に記載のセルフチェックアウト装置。
[3]前記認証手段は、前記操作者の生体情報を用いて前記操作者を生体認証することで、前記操作者が前記特定操作者であるか認証する、[1]に記載のセルフチェックアウト装置。
[4]前記検出手段が不正な操作を検出した場合、警告を発する警告手段をさらに備える、[1]乃至[3]のいずれか1項に記載のセルフチェックアウト装置。
[5]前記制御手段による制御によって前記検出手段が不正な操作を検出する強度を引き下げているとき又は不正な操作を検出しないとき、不正な操作を検出する強度を引き下げていること又は不正な操作を検出しないことを報知させる報知手段をさらに備える、[1]乃至[4]のいずれか1項に記載のセルフチェックアウト装置。
[6]セルフチェックアウト装置が備えるコンピューターを、操作者の操作に基づく、決済対象の商品に関連付けられた商品識別情報の入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により入力を受け付けた前記商品識別情報により前記商品の販売データを処理する処理手段と、前記操作者の不正な操作を検出する検出手段と、前記操作者が予め定められた特定操作者であるか認証する認証手段と、前記認証手段により前記操作者が特定操作者であると認証されたことを条件に、不正な操作を検出する強度を引き下げる又は不正な操作を検出しないように前記検出手段を制御する制御手段と、前記処理手段により処理された一取引分の前記販売データに基づいて決済処理を行う決済手段と、して機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0089】
1,2…セルフチェックアウトシステム、100,300…セルフチェックアウト装置、101,201…CPU、102,202…メインメモリ、103,203…補助記憶デバイス、104,204…タッチパネル、105,205…通信インターフェース、106…スキャナー、107…プリンター、108…第1の秤、109…第2の秤、110…パトランプ、111…スピーカー、112…バス、200…アテンダント端末、301…生体認証デバイス。