(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 13/02 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
G02B13/02
(21)【出願番号】P 2023199251
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2022183235の分割
【原出願日】2017-11-20
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】中原 誠
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓
(72)【発明者】
【氏名】水間 章
(72)【発明者】
【氏名】山岸 正和
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-148707(JP,A)
【文献】特開2016-173397(JP,A)
【文献】特開平07-301749(JP,A)
【文献】特許第7005312(JP,B2)
【文献】特許第7183456(JP,B2)
【文献】特開2014-081457(JP,A)
【文献】特開2011-081064(JP,A)
【文献】特開2013-161076(JP,A)
【文献】特開2016-148793(JP,A)
【文献】特開2018-097276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、
開口絞り、第2レンズ群、第3レンズ群から構成され
、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する光学系であって、
前記第1レンズ群は、最も物体側に配置された正レンズG1pと、該正レンズG1pの像側に隣接して配置されたレンズG2と、前記第1レンズ群に含まれる負レンズの中で最も物体側に配置された負レンズG1nを含み、
前記レンズG2は正の屈折力を有し、
前記第2レンズ群は、1枚の負レンズから成り、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して像側へ移動し、
前記光学系のバックフォーカスをBF、前記正レンズG1pの焦点距離をfG1p、前記負レンズG1nの焦点距離をfG1n、前記負レンズG1nの材料のアッベ数をνdG1n、部分分散比をθgFG1n、前記レンズG2の材料のアッベ数をνdG2としたとき、
0.02<BF/fG1p<0.14
3.358≦|fG1p/fG1n|<10.00
20.0<νdG1n<40.0
-0.1000<θgFG1n-(-1.665×10
-7×νdG1n
3+5.213×10
-5×νdG1n
2-5.656×10
-3×νdG1n+0.7268)<-0.0010
νdG2>73.0
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記正レンズG1pと前記レンズG2の光軸上の距離をD12、前記第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLDとしたとき、
0.13<D12/LD<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記レンズG2は正の屈折力を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項4】
前記レンズG2の焦点距離をfG2としたとき、
0.05<BF/fG2<0.23
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記レンズG2の焦点距離をfG2としたとき、
1.5<fG1p/fG2<5.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記レンズG2の材料の部分分散比をθgFG2としたとき、
0.0100<θgFG2-(-1.665×10
-7×νdG2
3+5.213×10
-5×νdG2
2-5.656×10
-3×νdG2+0.7268)<0.1000
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記第1レンズ群はフォーカシングに際して不動であることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記第3レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズと少なくとも1枚の負レンズを含み、前記第3レンズ群に含まれる正レンズの内、最も像側に配置された正レンズの焦点距離をfGkp、前記第3レンズ群に含まれる負レンズの内、最も像側に配置された負レンズの焦点距離をfGknとしたとき、
1.02<|fGkp/fGkn|<2.50
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項9】
前記第3レンズ群は、最も像側に配置された正レンズGkpと、前記正レンズGkpの物体側に隣接して配置された負レンズGknを有することを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記第3レンズ群は負の屈折力を有することを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項11】
請求項1乃至1
0のいずれか一項に記載の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
前記撮像装置における最大像高をIHとしたとき、
0.05<BF/IH<2.20
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1
1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学系及びそれを有する撮像装置に関し、例えばデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、放送用カメラ等の撮像素子を用いた撮像装置、或いは銀塩写真フィルムを用いたカメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
焦点距離の長い撮影光学系として、物体側に正の屈折力の光学系を配置し、像側に負の屈折力の光学系を配置した、いわゆるテレフォトタイプの撮影光学系が知られている。テレフォトタイプの撮影光学系は、例えば単焦点の超望遠レンズに用いられている。
【0003】
超望遠レンズでは、一般に、焦点距離が長くなるにつれて軸上色収差や倍率色収差が多く発生する。これらの色収差を良好に補正するための手法として、物体側に配置されるレンズの枚数を増やし、各レンズに色収差の補正作用を分担させることが知られている。しかしながら、超望遠レンズの物体側に配置されるレンズは有効径が大きくなりやすく、上述した手法により色収差の補正を図ると撮影光学系の重量が増大してしまう。
【0004】
特許文献1の撮影光学系では、最も物体側から連続して、低分散かつ異常分散性を有する材料から形成された正レンズを配置することで、軸上色収差や倍率色収差の補正を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の光学系では、低分散かつ異常分散性を有する材料から形成された正レンズをできる限り物体側に配置することで色収差の補正を図っているが、これらの正レンズは有効径が大きくなるため、光学系を十分に軽量化することができていない。
【0007】
光学系の更なる軽量化を実現するためには、正レンズのみならず、負レンズについても適切な材料や配置を見出すことが重要である。
【0008】
本発明は、小型であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された光学系及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光学系は、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、開口絞り、第2レンズ群、第3レンズ群から構成され、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する光学系であって、前記第1レンズ群は、最も物体側に配置された正レンズG1pと、該正レンズG1pの像側に隣接して配置されたレンズG2と、前記第1レンズ群に含まれる負レンズの中で最も物体側に配置された負レンズG1nを含み、前記レンズG2は正の屈折力を有し、前記第2レンズ群は、1枚の負レンズから成り、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して像側へ移動し、前記光学系のバックフォーカスをBF、前記正レンズG1pの焦点距離をfG1p、前記負レンズG1nの焦点距離をfG1n、前記負レンズG1nの材料のアッベ数をνdG1n、部分分散比をθgFG1n、前記レンズG2の材料のアッベ数をνdG2としたとき、
0.02<BF/fG1p<0.14
3.358≦|fG1p/fG1n|<10.00
20.0<νdG1n<40.0
-0.1000<θgFG1n-(-1.665×10-7×νdG1n3+5.213×10-5×νdG1n2-5.656×10-3×νdG1n+0.7268)<-0.0010
νdG2>73.0
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小型であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された光学系を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】無限遠に合焦しているときにおける実施例1の光学系の収差図である。
【
図4】無限遠に合焦しているときにおける実施例2の光学系の収差図である。
【
図6】無限遠に合焦しているときにおける実施例3の光学系の収差図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の光学系及びそれを有する撮像装置の実施例について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。各実施例の光学系は、物体側より像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群から構成される。フォーカシングに際して第2レンズ群が移動し、隣り合うレンズ群の間隔が変化する。ここでレンズ群とは、フォーカシングに際して一体的に移動するレンズ要素であって、1枚以上のレンズを有していればよく、複数枚のレンズを有していなくてもよい。
【0013】
図1、3、5は、それぞれ実施例1乃至3の光学系の断面図である。各実施例の光学系はビデオカメラやデジタルカメラ、銀塩フィルムカメラ、テレビカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。レンズ断面図において左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。またレンズ断面図において、jを物体側から像側へのレンズ群の順番とするとBjは第jレンズ群を示す。
【0014】
各実施例において、SPは開口絞りである。各実施例の光学系では、開口絞りSPは、第1レンズ群B1と第2レンズ群B2の間に配置されている。
【0015】
IPは像面である。ビデオカメラやデジタルカメラの撮像光学系として光学系を使用する際には、像面IPはCCDセンサやCMOSセンサといった固体撮像素子(光電変換素子)に相当する。銀塩フィルムカメラの撮像光学系として各実施例の光学系を使用する際には、像面IPはフィルム面に相当する。
【0016】
図2、4、6は、それぞれ無限遠合焦時の実施例1乃至3の光学系の収差図である。
【0017】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.6nm)、g線(波長435.8nm)に対する球面収差を示している。非点収差図においてSはサジタル像面における非点収差量、Mはメリディオナル像面における非点収差量を示している。歪曲収差はd線について示している。色収差図ではg線における色収差を示している。ωは撮像半画角である。
【0018】
各実施例の光学系では、レンズ断面図中の矢印で示すように、無限遠から近距離へのフォーカシングに際して第2レンズ群B2が像側へ移動し、隣り合うレンズ群の間隔が変化する。すなわち、各実施例の光学系において第2レンズ群B2がフォーカス群に相当する。
【0019】
また、各実施例の光学系では、光学系の一部のレンズを防振群として、防振群を光軸と垂直方向の成分を持つ方向に移動させることにより結像位置を変化させることができる。これにより像ぶれ補正を行うことができる。第1レンズ群B1、第2レンズ群B2、第3レンズ群B3のいずれかのレンズ群を防振群としても良いし、特定のレンズ群に含まれる一部のレンズを防振群としても良い。
【0020】
各実施例の光学系では、第1レンズ群B1に含まれる負レンズに、高分散かつ異常分散性の高い材料を用いることで色収差を良好に補正している。従来の超望遠レンズでは、第1レンズ群B1に含まれる正レンズの材料を適切に設定することで色収差の発生量を低減させており、第1レンズ群B1に含まれる負レンズによる色収差の補正効果は十分ではなかった。そこで、各実施例の光学系では、第1レンズ群B1に含まれる負レンズに高分散かつ異常分散性の高い材料を用いることで、第1レンズ群B1に含まれる負レンズにおける色収差の補正効果を高め、光学系全体での色収差を良好に補正している。
【0021】
ここで、光学系における色収差の補正に関連するパラメータとして、アッベ数νd、部分分散比θgFが知られている。g線(波長435.8nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)、d線(587.6nm)に対する材料の屈折率をそれぞれNg、NF、NC、Ndとするとき、アッベ数νd、部分分散比θgFはそれぞれ、以下の式で表される。
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
θgF=(Ng-NF)/(NF-NC)
【0022】
一般に、全体として正の屈折力を有するレンズ群の中に配置された負レンズの材料として高分散の材料を用いることで、1次の色収差の補正効果を得ることができる。また、全体として正の屈折力を有するレンズ群の中に配置された負レンズの材料として異常分散性の高い材料を用いることで、2次の倍率色収差を良好に補正することができる。
【0023】
ここで、レンズに用いられる材料の異常分散性について説明する。本願明細書では、異常分散性の強さの指標ΔθgFを以下の式で定義する。
ΔθgF=θgF-(-1.665×10-7×νd3+5.213×10-5×νd2-5.656×10-3×νd+0.7268)
【0024】
多くの光学材料では、ΔθgFの値はゼロ近傍の値となる。ΔθgFの値がゼロから離れるほど、異常分散性の高い材料となる。
【0025】
光学系のバックフォーカスをBF、第1レンズ群B1に含まれる正レンズの中で最も物体側に配置された正レンズG1pの焦点距離をfG1pとする。また、第1レンズ群B1に含まれる負レンズの中で最も物体側に配置された負レンズG1nの焦点距離、アッベ数、部分分散比をそれぞれfG1n、νdG1n、θgFG1nとしたとき、各実施例の光学系は、以下の式(1)乃至(4)を満足する。
0.02<BF/fG1p<0.14 (1)
2.00<|fG1p/fG1n|<10.00 (2)
20.00<νdG1n<40.00 (3)
-0.1000<θgFG1n-(-1.665×10-7×νdG1n3+5.213×10-5×νdG1n2-5.656×10-3×νdG1n+0.7268)<-0.0010 (4)
【0026】
条件式(1)は、光学系のバックフォーカスと正レンズG1pの焦点距離の関係を規定するものである。条件式(1)を満たすことで、全長の短い小型な光学系を実現できる。条件式(1)の上限値を上回ると、バックフォーカスが長くなりすぎる結果、光学系や光学系が装着される撮像装置が光軸方向に大型化してしまうため好ましくない。また、条件式(1)の下限値を下回ると、バックフォーカスが短くなりすぎる。この場合、光学系の最も像側に配置されるレンズの径が大きくなりすぎ、撮像装置に光学系を装着するためのマウントの径が大型化してしまう。結果として、光学系や撮像装置を小型かつ軽量に構成することが困難となる。また、条件式(1)の下限値を下回るほどにバックフォーカスを小さくしつつ光学系の最終レンズの径を小さくしようとすると、撮像素子への光線入射角が大きくなる結果、特に画像の周辺で画質が低下しやすくなるため好ましくない。
【0027】
条件式(2)は、正レンズG1pの焦点距離fG1pと負レンズG1nの焦点距離fG1nの比を規定した条件式である。条件式(2)の下限値を下回って正レンズG1pの焦点距離fG1pが短くなると、正レンズG1pの屈折力が強くなり過ぎて、正レンズG1pにおいて軸上色収差が多く発生するため好ましくない。正レンズG1pで発生した軸上色収差を第1レンズ群B1に含まれる負レンズで補正するためには、負レンズの枚数を増やす必要性が生じ、光学系の重量化を招くため好ましくない。
【0028】
また、条件式(2)の上限値を上回って正レンズG1pの焦点距離fG1pが長くなると、正レンズG1pの屈折力が弱くなり過ぎる。その結果、正レンズG1pにおいて光を十分に収斂させることができず、正レンズG1pの像側に配置されたレンズの有効径が大きくなり、光学系の重量化を招くため好ましくない。
【0029】
条件式(3)は、負レンズG1nの材料のアッベ数νdG1nを規定した条件式である。正の屈折力の第1レンズ群B1に含まれる負レンズG1nの材料として、高分散の材料を用いることで1次の色収差を良好に補正することができる。条件式(3)の下限値を下回ると、負レンズG1nにおいて倍率色収差が過剰に補正されてしまうため好ましくない。また、条件式(3)の上限値を上回ると、負レンズG1nにおいて倍率色収差を十分に補正することが困難になるため、好ましくない。
【0030】
条件式(4)は、負レンズG1nの材料の異常分散性ΔθgFG1nを規定した条件式である。異常分散性の高い材料を用いて負レンズG1nを構成することで、2次の倍率色収差の補正効果を高めることができる。条件式(4)の下限値を下回る材料は、撮影光学系としての実用性が乏しくなる。負レンズG1nの材料として、条件式(4)の上限値を上回る材料を用いると、2次の倍率色収差を十分に補正することが困難になるため好ましくない。
【0031】
なお、各実施例の光学系では光学系全体の収差補正のバランスを考慮した結果、負レンズG1nを構成する材料としてNBFD15(HOYA株式会社製。νd=33.27、θgF=0.5883、ΔθgF=-0.0019)を用いている。なお、本発明の負レンズG1nは式(3)、(4)を共に満足する材料から構成されていれば良い。式(3)、(4)を共に満たす材料としては、例えばS-LAH79(株式会社OHARA製。νd=28.27、θgF=0.5980、ΔθgF=-0.0068)がある。また、S-NBH56(株式会社OHARA製。νd=24.80、θgF=0.6122、ΔθgF=-0.0039)等でも良い。
【0032】
各実施例では以上説明したように、条件式(1)~(4)を満足するように各要素を適切に設定している。これにより小型であり、色収差等の収差が良好に補正された光学系を得ることができる。
【0033】
なお、各実施例において、好ましくは、条件式(1)~(4)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.02<BF/fG1p<0.11 (1a)
2.50<|fG1p/fG1n|<8.00 (2a)
21.00<νdG1n<39.00 (3a)
-0.0300<θgFG1n-(-1.665×10-7×νdG1n3+5.213×10-5×νdG1n2-5.656×10-3×νdG1n+0.7268)<-0.0013 (4a)
【0034】
また、さらに好ましくは、条件式(1)~(4)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.04<BF/fG1p<0.09 (1b)
2.20<|fG1p/fG1n|<7.00 (2b)
23.00<νdG1n<36.00 (3b)
-0.0020<θgFG1n-(-1.665×10-7×νdG1n3+5.213×10-5×νdG1n2-5.656×10-3×νdG1n+0.7268)<-0.0015 (4b)
【0035】
このように、負レンズG1nの材料として異常分散性の高い材料を用いることで、第1レンズ群B1に含まれる正レンズを比較的像側に配置することができる。これにより、第1レンズ群B1の重量を効果的に低減させることができ、光学系の小型化と色収差の良好な補正を両立させることができる。
【0036】
さらに、各実施例において、次の条件式のうち1つ以上を満足することがより好ましい。
0.13<D12/LD<0.50 (5)
1.50<fG1p/fG2<5.00 (6)
νdG2>73.00 (7)
0.0100<θgFG2-(-1.665×10-7×νdG23+5.213×10-5×νdG22-5.656×10-3×νdG2+0.7268)<0.1000(8)
0.05<BF/IH<2.20 (9)
0.05<BF/fG2<0.23 (10)
1.02<|fGkp/fGkn|<2.50 (11)
【0037】
ここで、第1レンズ群B1の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の距離をLDとする。また、正レンズG1pの像側に隣接して配置されたレンズG2と正レンズG1pの光軸上の距離をD12、レンズG2の焦点距離をfG2、レンズG2の材料のアッベ数をνdG2、レンズG2の材料の部分分散比をθgFG2とする。
【0038】
また、IHを最大像高とする。なお、最大像高IHは、出力画像の形成に用いられる撮像素子の使用範囲の対角長の半分の長さを指す。
【0039】
また、第3レンズ群B3に含まれる正レンズの内最も像側に配置された正レンズの焦点距離をfGkp、第3レンズ群B3に含まれる負レンズの内最も像側に配置された負レンズの焦点距離をfGknとする。
【0040】
条件式(5)は、正レンズG1pと、正レンズG1pの像側に隣接して配置されたレンズG2との光軸上の距離D12と、レンズ全長LDの比を規定した式である。条件式(5)の下限値を下回って、正レンズG1pとレンズG2の距離D12が短くなると、レンズG2の有効径が大きくなり、レンズG2の重量が増大するため好ましくない。条件式(5)の上限値を上回って、正レンズG1pとレンズG2の距離D12が長くなると、正レンズG1pで発生する球面収差や色収差をレンズG2以降のレンズで補正することが困難になるため好ましくない。
【0041】
また、レンズG2は、正の屈折力を有することが好ましい。光学系の最も物体側から連続して2枚の正レンズを配置することで、レンズを通過する光線を大きく収斂させることができ、結果として、レンズG2よりも像側に配置されるレンズの有効径を小さくすることができる。これにより、光学系全系のさらなる軽量化を実現することができる。
【0042】
条件式(6)は、正レンズG1pの焦点距離fG1pとレンズG2の焦点距離fG2の比を規定した条件式である。条件式(6)の下限値を下回って正レンズG1pの焦点距離fG1pが短くなると、正レンズG1pの屈折力が強くなり過ぎて、正レンズG1pにおいて軸上色収差が多く発生するため好ましくない。正レンズG1pで発生した軸上色収差を第1レンズ群B1に含まれる負レンズで補正するためには、負レンズの枚数を増やす必要性が生じ、光学系の重量化を招くため好ましくない。
【0043】
また、条件式(6)の上限値を上回って正レンズG1pの焦点距離fG1pが長くなると、正レンズG1pの屈折力が弱くなり過ぎる。その結果、正レンズG1pにおいて光を十分に収斂させることができず、正レンズG1pの像側に配置されたレンズの有効径が大きくなり、光学系の重量化を招くため好ましくない。
【0044】
条件式(7)は、レンズG2の材料のアッベ数νdG2を規定する条件式である。条件式(7)の下限値を下回って、アッベ数νdG2が小さくなると、レンズG2において色収差が多く発生するため好ましくない。
【0045】
条件式(8)は、レンズG2の材料の異常分散性を規定した条件式である。異常分散性の高い材料を用いてレンズG2を構成することで、2次の倍率色収差の補正効果を高めることができる。条件式(8)の下限値を下回る材料は、撮影光学系に用いられる光学材料としての実用性が乏しくなる。レンズG2の材料として、条件式(8)の上限値を上回る材料を用いると、2次の倍率色収差を十分に補正することが困難になるため好ましくない。
【0046】
なお、各実施例の光学系では光学系全体の収差補正のバランスを考慮した結果、レンズG2を構成する材料としてFCD100(HOYA株式会社製。νd=95.10、θgF=0.5334、ΔθgF=0.0162)を用いている。なお、式(3)、(4)を共に満たす他の材料としては、例えばS-FPL53(株式会社OHARA製。νd=94.93、θgF=0.5340、ΔθgF=0.0168)がある。また、S-FPL51(株式会社OHARA製。νd=81.54、θgF=0.5375、ΔθgF=0.0168)等でも良い。
【0047】
条件式(9)は、光学系のバックフォーカスと最大像高との関係式である。条件式(9)の上限値を上回ると、全長が長くなりすぎて、光学系を保持するメカ部材(鏡筒等)の重量が大きくなってしまい、光学系の軽量化が困難になる。また、条件式(9)の下限値を下回ると、バックフォーカスが短くなりすぎる。この場合、光学系の最も像側に配置されるレンズの径が大きくなりすぎ、撮像装置に光学系を装着するためのマウントの径が大型化してしまう。結果として、光学系や撮像装置を小型かつ軽量に構成することが困難となる。また、条件式(9)の下限値を下回るほどにバックフォーカスを小さくしつつ光学系の最終レンズの径を小さくしようとすると、撮像素子への光線入射角が大きくなる結果、特に画像の周辺で画質が低下しやすくなるため好ましくない。
【0048】
条件式(10)は、光学系のバックフォーカスとレンズG2の焦点距離との関係式である。条件式(10)の上限値を上回ると、全長が長くなりすぎて、光学系を保持するメカ部材(鏡筒等)の重量が大きくなってしまい、光学系の軽量化が困難になる。また、条件式(10)の下限値を下回ると、バックフォーカスが短くなりすぎる。この場合、光学系の最も像側に配置されるレンズの径が大きくなりすぎ、撮像装置に光学系を装着するためのマウントの径が大型化してしまう。結果として、光学系や撮像装置を小型かつ軽量に構成することが困難となる。また、条件式(10)の下限値を下回るほどにバックフォーカスを小さくしつつ光学系の最終レンズの径を小さくしようとすると、撮像素子への光線入射角が大きくなる結果、特に画像の周辺で画質が低下しやすくなるため好ましくない。
【0049】
条件式(11)は、第3レンズ群B3の正レンズのうち、最も像側に位置する正レンズGkpと、負レンズのうち、最も像側に位置する負レンズGknの焦点距離の関係を規定したものである。条件式(11)を満足することで、歪曲収差、倍率色収差を良好に補正しつつ、光学系の全長を短縮することができる。
【0050】
条件式(11)の上限値を超える場合、光学系の全長の短縮には有利だが、歪曲収差や倍率色収差の補正が不十分となり易く好ましくない。
【0051】
条件式(11)の下限値を超えると、像面湾曲や歪曲収差が大きくなるため好ましくない。
【0052】
好ましくは、条件式(5)~(11)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.15<D12/LD<0.45 (5a)
1.55<fG1p/fG2<4.50 (6a)
νdG2>80.00 (7a)
0.0120<θgFG2-(-1.665×10-7×νdG23+5.213×10-5×νdG22-5.656×10-3×νdG2+0.7268)<0.0600(8a)
0.06<BF/IH<2.00 (9a)
0.06<BF/fG2<0.21 (10a)
1.04<|fGkp/fGkn|<2.20 (11a)
【0053】
なお、さらに好ましくは、条件式(5)~(8)の数値範囲を次のように設定するのが良い。
0.17<D12/LD<0.40 (5b)
1.60<fG1p/fG2<4.00 (6b)
νdG2>90.00 (7b)
0.0150<θgFG2-(-1.665×10-7×νdG23+5.213×10-5×νdG22-5.656×10-3×νdG2+0.7268)<0.0170(8b)
0.07<BF/IH<1.80 (9b)
0.07<BF/fG2<0.20 (10b)
1.06<|fGkp/fGkn|<1.90 (11b)
【0054】
なお、フォーカシングに際して移動する第2レンズ群B2は、1枚の負レンズから成ることが好ましい。これにより、第2レンズ群B2を駆動させるためのメカ機構の小型化や軽量化を実現できる。また、迅速なフォーカシングが容易となる。
【0055】
さらに、各実施例の光学系において、フォーカシングに際して第1レンズ群B1が不動であることが好ましい。光学系を構成するレンズ群の中で最も物体側に配置される第1レンズ群B1は、有効径が大きくなり高重量である。重量の大きい第1レンズ群B1をフォーカシングに際して移動させるためには大型の駆動機構が必要となり、光学系や光学系を含む撮像装置が重量化してしまうため好ましくない。
【0056】
また、各実施例の光学系において、第3レンズ群B3は像面側から順に正レンズ、負レンズを有することが好ましい。すなわち、第3レンズ群B3は最も像側に配置された正レンズGkpと、正レンズGkpの物体側に隣接して配置された負レンズGknを有することが好ましい。光学系の最も像面側において、物体側から順に負レンズ、正レンズが配置された構成をとることによって、撮像面への入射角度を小さくすることが可能となる。これによって、撮像素子としてCMOSセンサやCCDセンサを用いる場合に問題となる画像周辺部での光量の低下や画質の低下を抑制できる。
【0057】
また、各実施例の光学系において、第2レンズ群B2および第3レンズ群B3は共に負の屈折力を有することが好ましい。これによって、テレフォトタイプのパワー配置の傾向を強めることができ、光学系の全長を短くすることができる。
【0058】
次に、実施例1から3にそれぞれ対応する数値実施例1から3を示す。各数値実施例において、iは物体側からの光学面の順序を示す。riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、diは無限遠合焦時の第i面と第i+1面との間の間隔、ndiとνdiはそれぞれd線に対する第i番目の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。レンズ面の間隔変化に関しては、無限遠に合焦しているときのレンズ面の間隔と、最至近距離に合焦しているときのレンズ面の間隔を記載している。
【0059】
各数値実施例において、バックフォーカス(BF)は、光学系の最も像側の面から像面までの距離を、空気換算長により表したものである。
【0060】
なお、各実施例において第1レンズ群B1の物体側に、レンズを保護するための保護ガラスを配置しても良い。また、最も像面側に配置されたレンズと像面の間に保護ガラスやローパスフィルタを配置しても良い。本願明細書において、光学系の最も物体側および最も像側に配置された保護ガラスやローパスフィルタなどの屈折力が極めて弱い光学部材は、光学系を構成するレンズとしては扱わないものとする。なお、「屈折力が極めて弱い」とは、焦点距離の絶対値が光学系全系の焦点距離の5倍以上である光学部材を言う。
【0061】
なお、光学系と撮像素子の間に屈折力の極めて弱い光学部材が配置されている場合、バックフォーカスBFの値は光学系と撮像素子の間に配置された屈折力の極めて弱い光学部材を空気換算した際の値を用いる。
【0062】
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 208.863 12.81 1.59522 67.7 135.17
2 2382.509 111.80 134.54
3 102.362 15.74 1.43700 95.1 89.59
4 -468.113 0.00 87.76
5 -468.113 1.50 1.80610 33.3 87.76
6 114.870 2.04 83.37
7 100.771 11.33 1.43700 95.1 83.11
8 ∞ 16.95 82.34
9 82.389 5.78 1.89286 20.4 70.56
10 140.543 0.20 69.07
11 73.987 2.00 1.83400 37.2 65.93
12 42.707 11.70 1.43700 95.1 59.92
13 117.076 7.33 57.82
14(絞り) ∞ 5.00 54.98
15 2203.612 1.60 1.61800 63.4 51.02
16 70.804 55.04 48.37
17 90.626 1.40 1.89286 20.4 33.99
18 63.622 6.17 1.51742 52.4 33.76
19 -141.334 1.00 33.75
20 62.995 6.11 1.80610 33.3 33.21
21 -112.871 1.20 1.53775 74.7 32.36
22 28.360 7.05 29.59
23 -61.753 1.20 1.72916 54.7 29.57
24 49.029 1.23 30.62
25 58.720 3.29 1.65412 39.7 31.53
26 384.248 6.25 31.95
27 51.293 12.56 1.64769 33.8 36.97
28 -41.167 1.70 1.80810 22.8 36.94
29 -94.283 8.00 37.29
30 -67.868 2.00 1.85025 30.1 35.98
31 65.755 1.00 37.10
32 54.455 8.04 1.56732 42.8 38.88
33 -98.899 31.01 39.42
像面 ∞
各種データ
焦点距離 392.00
Fナンバー 2.90
画角 3.16
像高 21.64
レンズ全長 360.03
BF 31.01
入射瞳位置 379.29
射出瞳位置 -96.96
前側主点位置-429.43
後側主点位置-360.99
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 183.77 199.18 99.64 -110.90
2 15 -118.41 1.60 1.02 0.03
3 17 -2011.18 68.20 252.67 174.19
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 383.77
2 3 193.83
3 5 -114.29
4 7 230.60
5 9 213.02
6 11 -124.75
7 12 146.82
8 15 -118.41
9 17 -245.13
10 18 85.67
11 20 50.95
12 21 -42.02
13 23 -37.31
14 25 105.54
15 27 37.25
16 28 -91.74
17 30 -39.01
18 32 63.10
【0063】
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 246.184 9.84 1.59349 67.0 118.93
2 7777.408 144.07 118.42
3 90.915 12.21 1.43700 95.1 74.98
4 -527.016 0.00 73.66
5 -527.016 1.85 1.80610 33.3 73.66
6 112.626 0.14 70.68
7 80.019 8.30 1.43700 95.1 70.47
8 289.154 26.22 69.69
9 73.539 3.98 1.92286 18.9 57.85
10 116.802 0.15 56.90
11 84.384 2.10 1.83481 42.7 55.90
12 39.915 11.42 1.43700 95.1 51.21
13 217.108 6.41 49.52
14(絞り) ∞ 3.77 46.57
15 449.487 1.60 1.59522 67.7 44.02
16 69.954 46.69 42.28
17 200.917 1.30 1.89286 20.4 30.60
18 38.569 4.77 1.80610 33.3 29.82
19 -622.316 1.03 29.52
20 86.674 4.54 1.66680 33.0 28.63
21 -56.951 1.30 1.59522 67.7 28.06
22 48.644 2.97 26.48
23 -148.460 1.10 1.77250 49.6 26.54
24 72.673 4.75 26.94
25 68.402 3.23 1.76182 26.5 29.85
26 -451.612 44.09 30.00
27 54.085 4.62 1.66565 35.6 36.58
28 359.236 1.60 1.92286 20.9 36.20
29 86.966 17.75 35.63
30 -68.784 1.60 1.72916 54.7 35.92
31 238.667 1.00 37.04
32 206.217 4.27 1.58144 40.8 37.66
33 -83.915 33.39 37.99
像面 ∞
各種データ
焦点距離 490.00
Fナンバー 4.12
画角 2.53
像高 21.64
レンズ全長 412.08
BF 33.39
入射瞳位置 463.65
射出瞳位置 -117.91
前側主点位置-633.29
後側主点位置-456.61
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 206.83 226.69 130.87 -127.55
2 15 -139.41 1.60 1.19 0.19
3 17 -556.34 99.94 59.24 -25.69
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 428.16
2 3 178.51
3 5 -114.97
4 7 250.15
5 9 206.04
6 11 -92.72
7 12 109.76
8 15 -139.41
9 17 -53.66
10 18 45.20
11 20 52.20
12 21 -43.88
13 23 -63.02
14 25 78.19
15 27 95.08
16 28 -124.69
17 30 -73.07
18 32 103.14
【0064】
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 337.123 11.90 1.59349 67.0 142.72
2 -2141.571 163.62 142.22
3 122.803 16.05 1.43700 95.1 90.55
4 -259.830 0.00 88.96
5 -259.830 1.60 1.80610 33.3 88.96
6 155.285 0.15 85.83
7 92.998 10.91 1.43387 95.1 85.67
8 356.639 44.95 84.69
9 82.341 5.68 1.84666 23.9 66.50
10 174.332 0.15 65.45
11 120.575 2.00 1.80420 46.5 64.32
12 44.732 14.19 1.43700 95.1 58.51
13 682.520 17.80 56.74
14(絞り) ∞ 3.30 45.94
15 377.336 1.60 1.59349 67.0 43.47
16 61.273 24.90 41.50
17 214.060 1.50 1.89286 20.4 35.71
18 49.453 5.28 1.73800 32.3 34.86
19 -421.466 0.97 34.55
20 84.928 4.22 1.80518 25.5 33.47
21 -117.310 1.30 1.59349 67.0 32.93
22 47.131 4.55 30.55
23 -106.050 1.30 1.81600 46.6 30.22
24 94.264 3.59 30.00
25 67.803 5.46 1.85478 24.8 30.63
26 3886.804 50.06 30.13
27 72.986 9.82 1.63980 34.5 33.25
28 -57.663 1.60 1.89286 20.4 32.74
29 223.691 22.76 32.73
30 -78.575 1.60 1.53775 74.7 35.35
31 53.409 1.00 37.05
32 52.308 9.05 1.51742 52.4 38.24
33 -84.502 33.21 39.00
像面 ∞
各種データ
焦点距離 588.00
Fナンバー 4.12
画角 2.11
像高 21.64
レンズ全長 476.08
BF 33.21
入射瞳位置 705.95
射出瞳位置 -142.39
前側主点位置-675.02
後側主点位置-554.79
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 234.60 289.00 193.11 -160.97
2 15 -123.49 1.60 1.20 0.20
3 17 -1500.00 124.07 -7.97 -121.60
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 491.66
2 3 193.29
3 5 -120.37
4 7 286.37
5 9 179.23
6 11 -89.48
7 12 108.80
8 15 -123.49
9 17 -72.34
10 18 60.26
11 20 61.76
12 21 -56.49
13 23 -60.98
14 25 80.68
15 27 51.87
16 28 -51.21
17 30 -58.88
18 32 63.88
【0065】
各実施例の光学系における種々の値を以下の表1にまとめて示す。なお、表中のΔθgFG1nは、θgFG1n-(-1.665×10-7×νdG1n3+5.213×10-5×νdG1n2-5.656×10-3×νdG1n+0.7268)の値である。また、ΔθgFG2は、θgFG2-(-1.665×10-7×νdG23+5.213×10-5×νdG22-5.656×10-3×νdG2+0.7268)の値である。
【0066】
【0067】
[撮像装置]
次に、上述した各実施例の光学系を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)について、
図7を用いて説明する。
図7において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至3で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
【0068】
このように各実施例の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、軽量であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された撮像装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0069】
B1 第1レンズ群
B2 第2レンズ群
B3 第3レンズ群
SP 開口絞り