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特許7574452駐車場情報分析装置及び駐車場情報分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】駐車場情報分析装置及び駐車場情報分析方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20241021BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20241021BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241021BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241021BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241021BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G09B29/00 Z
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023535179
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 JP2022022902
(87)【国際公開番号】W WO2023286495
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-08-15
(31)【優先権主張番号】P 2021115468
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】杉本 佳昭
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0225255(US,A1)
【文献】特開2010-203983(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0364063(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-25/00
G09B 29/00
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設について当該施設の中心位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部と、
複数の車両からの連続した位置情報を時刻情報とともに受信する受信部と、
前記位置情報に所定時間以上変化が無い場合に車両が駐車したと判定し、前記車両の駐車位置情報として記憶する駐車位置情報記録部と、
記地図情報記憶部に記憶される1つの施設の中心位置情報を含み、前記中心位置情報から所定範囲の区域を設定し、
当該区域を複数のグリッドに区切り、
複数の前記駐車位置情報を、前記複数のグリッドにプロットし、グリッド内にプロットされた駐車位置情報の数が所定値以上又は所定値を超える場合に当該グリッドを前記施設の駐車場の形状情報と判定する駐車場判定部と、
を備えることを特徴とする駐車場情報分析装置。
【請求項2】
前記駐車場判定部は、前記駐車場と判定されたグリッドの集合体の外郭を前記駐車場の境界線情報として、前記施設の駐車場の形状情報と判定することを特徴とする請求項1に記載の駐車場情報分析装置。
【請求項3】
前記駐車場判定部は、前記駐車場と判定されたグリッドの駐車位置情報の数が、減少から増加に転じるグリッドを前記施設とは異なる施設の駐車場とみなし、前記施設と当該異なる施設との駐車場の境界線情報として、前記施設の駐車場の形状情報と判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駐車場情報分析装置。
【請求項4】
前記駐車場判定部によって判定された前記施設の駐車場の形状情報を前記地図情報記憶部に記憶する駐車場記録部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駐車場情報分析装置。
【請求項5】
コンピュータにより実行される駐車場情報分析方法であって、
複数の施設について当該施設の中心位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶ステップと、
複数の車両からの連続した位置情報を時刻情報とともに受信する受信ステップと、
前記位置情報に所定時間以上変化が無い場合に車両が駐車したと判定し、前記車両の駐車位置情報として記憶する駐車位置情報記録ステップと、
記地図情報記憶ステップにおいて記憶される1つの施設の中心位置情報を含み、前記中心位置情報から所定範囲の区域を設定し、
当該区域を複数のグリッドに区切り、
複数の前記駐車位置情報を、前記複数のグリッドにプロットし、グリッド内にプロットされた駐車位置情報の数が所定値以上又は所定値を超える場合に当該グリッドを前記施設の駐車場の形状情報と判定する駐車場判定ステップと、
を有することを特徴とする駐車場情報分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の車両からの位置情報に基づいて、施設の駐車場の形状を判定するための駐車場情報分析装置及び駐車場情報分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両からのGPS位置情報をサーバによって受信し、蓄積した位置情報に基づいて施設に関するデータ解析に活用する用途が広がっている。
例えば、特許文献1には駐車位置を記録する技術として、エンジンが始動されることでGPS位置情報を取得し、今回のエンジンの始動時刻、前回のエンジンの停止時刻、及び駐車位置を含む駐車情報を生成して、駐車情報収集サーバに送信し、駐車情報収集サーバは、複数の車両から収集した駐車情報に基づいて、地図を複数の小区画で区切った区画毎に駐車時間と駐車数の総数を集計することで、区画の順位を示す駐車ランキング情報を生成する技術が開示されている。
従来、施設への駐車については、施設の中心点となる緯度経度から所定半径内に車両の位置情報が所定時間、留まっていたか否かで当該施設への駐車を判定している。しかしながら、本来、施設に来訪するための駐車であるか否かは、駐車場の区画情報を地図上に記録しておく必要がある。そのための技術として、例えば特許文献2(段落0029、図4等)には、施設を多角形で定義し、多角形の頂点を結ぶ面積内で来訪を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-282234号
【文献】特許3539629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2記載の技術は、施設の駐車場の区画を含む地図情報を作成する必要があり、地図事業者のコスト負担が大きく、実現が困難となっている。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、施設の中心点から所定範囲の複数のグリッド内の駐車推定台数を集計することで、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、グリッドが施設の駐車場か否かを判定することを可能とすることで、施設の駐車場の形状を判定するための駐車場情報分析装置及び駐車場情報分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の駐車場情報分析装置(例えば、後述の駐車場情報分析装置30)は、複数の施設について当該施設の中心位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部(例えば、後述の地図情報記憶部321)と、複数の車両からの連続した位置情報を時刻情報とともに受信する受信部(例えば、後述の受信部311)と、
前記位置情報に所定時間以上変化が無い場合に車両が駐車したと判定し、前記車両の駐車位置情報として記憶する駐車位置情報記録部(例えば、後述の駐車位置情報記録部312)と、
複数の前記駐車位置情報を、前記地図情報記憶部に記憶される1つの施設の中心位置情報から所定範囲の複数のグリッドにプロットし、グリッド内にプロットされた駐車位置情報の数が所定値以上又は所定値を超える場合に当該グリッドを前記施設の駐車場の形状情報と判定する駐車場判定部(例えば、後述の駐車場判定部313)と、
を備える。
【0007】
上記(1)によれば、施設の中心点から所定範囲の複数のグリッドにおけるそれぞれのグリッド内の駐車推定台数を集計することで、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、それぞれのグリッドが施設の駐車場か否かを判定することで、施設の駐車場のポリゴンを作成することを可能とする。
【0008】
(2)上記(1)に記載の駐車場情報分析装置(例えば、後述の駐車場情報分析装置30)において、前記駐車場判定部(例えば、後述の駐車場判定部313)は、前記駐車場と判定されたグリッドの集合体の外郭を前記駐車場の境界線情報として、前記施設の駐車場の形状情報と判定するようにしてもよい。
【0009】
上記(2)によれば、人手を介することなく、施設の駐車場の境界線情報を作成することが可能となる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)に記載の駐車場情報分析装置(例えば、後述の駐車場情報分析装置30)において、前記駐車場判定部(例えば、後述の駐車場判定部313)は、前記駐車場と判定されたグリッドの駐車位置情報の数が、減少から増加に転じるグリッドを前記施設とは異なる施設の駐車場とみなし、前記施設と当該異なる施設との駐車場の境界線情報として、前記施設の駐車場の形状情報と判定するようにしてもよい。
【0011】
上記(3)によれば、2つの施設が近隣に位置する場合(例えば、(例えば街道沿いに隣接するような場合))であっても、それぞれの駐車場の形状を人手で作成することなく、当該2つの施設の駐車場の境界を判定することが可能となる。
【0012】
(4)上記(1)から(3)に記載の駐車場情報分析装置(例えば、後述の駐車場情報分析装置30)は、前記駐車場判定部(例えば、後述の駐車場判定部313)によって判定された前記施設の駐車場の形状情報を前記地図情報記憶部に記憶する駐車場記録部(例えば、後述の駐車場記録部314)を備えるようにしてもよい。
【0013】
上記(4)によれば、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、駐車場の形状を備えた地図を作成することが可能となる。
【0014】
(5)本発明の駐車場情報分析方法は、コンピュータにより実行される駐車場情報分析方法であって、
複数の施設について当該施設の中心位置情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶ステップと、
複数の車両からの連続した位置情報を時刻情報とともに受信する受信ステップと、
前記位置情報に所定時間以上変化が無い場合に車両が駐車したと判定し、前記車両の駐車位置情報として記憶する駐車位置情報記録ステップと、
複数の前記駐車位置情報を、前記地図情報記憶ステップにおいて記憶される1つの施設の中心位置情報から所定範囲の複数のグリッドにプロットし、グリッド内にプロットされた駐車位置情報の数が所定値以上又は所定値を超える場合に当該グリッドを前記施設の駐車場の形状情報と判定する駐車場判定ステップと、を有する。
【0015】
上記(5)の方法によれば、上記(1)の駐車場情報分析装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、施設の中心点から所定範囲の複数のグリッド内の駐車推定台数を集計することで、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、グリッドが施設の駐車場か否かを判定することを可能とすることで、施設の駐車場の形状を判定するための、駐車場情報分析装置及び駐車場情報分析方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態である駐車場情報分析システム全体の基本的構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態における車載ナビゲーション装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態における携帯端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態における駐車場情報分析装置の機能構成を示す機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態における位置情報データベースの一例を示すテーブルである。
図6】本発明の実施形態における、1つの施設の駐車場の形状を判定する際のプロセスを示す概略図である。
図7A】本発明の実施形態における、2つの施設の駐車場の境界を判定する際の概要を示す図である。
図7B】本発明の実施形態における、複数のグリッドにおける駐車位置情報の個数の分布の概略を示す図である。
図7C】本発明の実施形態における、2つの施設の駐車場の境界を判定する際の概要を示す図である。
図8】本発明の実施形態における、1つの施設の駐車場の形状を判定する動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態における、隣接する(又は、近隣に位置する)2つの施設駐車場の境界を判定する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の駐車場情報分析システムの好ましい一実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<駐車場情報分析システム1の全体構成>
本発明の好ましい一実施形態に係る駐車場情報分析システム1について説明する。図1に、駐車場情報分析システム1の全体構成を示す。
【0020】
図1に示すように、駐車場情報分析システム1は、車載ナビゲーション装置10と、携帯端末20と、駐車場情報分析装置30と、を含んで構成される。これら各装置及び各端末は、通信網60を介して相互に通信可能に接続される。なお、図中では、これら各装置及び各端末にて送受信される情報についても図示しているが、これらの情報はあくまで一例である。本実施形態にて、図示をしている以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0021】
車載ナビゲーション装置10は、車両50aに乗車したユーザに対して、ナビゲーション(経路案内)を行う装置である。また、車載ナビゲーション装置10は、車載ナビゲーション装置10の位置情報(すなわち、車両50aの位置情報)を測位する機能も有する。車載ナビゲーション装置10は、車両50に乗車したユーザの要求と、測位した位置情報とに基づき、現在位置から目的地までの経路案内を行う。
【0022】
また、車載ナビゲーション装置10は、測位した位置情報を、車載ナビゲーション装置10を識別するための識別情報である移動体ID及び日時情報とともに、駐車場情報分析装置30に対して適宜送信する。ここで、車載ナビゲーション装置10と車両50aは1対1の組として利用されているので、送信される位置情報は、実質的に、車両50aの位置情報とみなすことができる。
このような車載ナビゲーション装置10は、移動体である車両50aに据え付けられ可搬可能なカーナビゲーション装置や、移動体である車両50aに簡易的に設置されたPND(Portable Navigation Device)により実現することができる。
【0023】
携帯端末20は、車両50bに乗車したユーザが利用する携帯型の端末である。携帯端末20は、上述した車載ナビゲーション装置10と同様に、ナビゲーション(経路案内)を行う機能や、携帯端末20の位置情報(すなわち、車両50bの位置情報)を測位する機能を有する。
【0024】
そして、携帯端末20は、これも上述した車載ナビゲーション装置10と同様に、測位した位置情報を、携帯端末20を識別するための識別情報である移動体ID及び日時情報とともに、駐車場情報分析装置30に対して適宜送信する。ここで、携帯端末20と車両50bは1対1の組として利用されているので、送信される位置情報は、実質的に、車両50bの位置情報とみなすことができる。
このような携帯端末20は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、ノートパソコン、その他の携帯可能な電子機器により実現することができる。
【0025】
なお、図中では、車載ナビゲーション装置10と車両50aの組と、携帯端末20と車両50bの組をそれぞれ一組ずつ図示しているが、これらの組数に特に制限はなく、本実施形態には任意の数だけこれらの組が含まれていてよい。また、同様に、駐車場情報分析装置30の数についても、特に制限はなく、本実施形態には任意の数だけ駐車場情報分析装置30が含まれていてよい。
【0026】
また、以下の説明において、車載ナビゲーション装置10が搭載された車両50aや、携帯端末20を利用するユーザが乗車する車両50bを区別することなく呼ぶ場合には、末尾のアルファベットを省略して、単に「車両50」と呼ぶ。
さらに、車両50や、車両50にて利用される車載ナビゲーション装置10や携帯端末20は、車両50の移動に伴い移動する。そのため、以下の説明では、車両50、車載ナビゲーション装置10、及び携帯端末20のことを適宜「移動体」とも呼ぶ。
【0027】
駐車場情報分析装置30は、複数の車両50から受信する連続した位置情報等に基づいて各車両50の駐車した施設の駐車場の形状をより正確に分析することができる装置である。そうすることで、駐車場情報分析装置30は、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、例えば駐車場の形状を備えた地図を作成することが可能となる。
【0028】
車両50は、車載ナビゲーション装置10や携帯端末20のユーザが乗車する移動体である。車両50は、例えば、四輪自動車及び自動二輪車等により実現される。
【0029】
通信網60は、インターネットや携帯電話網といったネットワークや、これらを組合せたネットワークにより実現される。また、ネットワークの一部に、LAN(Local Area Network)が含まれていてもよい。
駐車場情報分析装置30の説明をする前に、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20について簡単に説明する。
【0030】
<車載ナビゲーション装置10について>
車載ナビゲーション装置10は、車両50aから電源の供給を受けており、車両50aに乗車したユーザにより車両50aのイグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされることによって自動起動する。そして、車載ナビゲーション装置10は、車両50aに乗車したユーザにより車両50aのイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされるまで稼働する。
【0031】
図2に示すように、車載ナビゲーション装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、センサ部14と、表示部15と、入力部16とを含んで構成される。
【0032】
制御部11は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、車載ナビゲーション装置10を構成する各部の制御を行う。制御部11の詳細については、後述する。
【0033】
記憶部12は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、経路案内処理を行うためのプログラムや、駐車場情報分析装置30に対する位置情報の送信処理を行うためのプログラムといった各プログラム、さらにその他、経路案内のための施設情報や施設IDを含んだ地図情報等の種々の情報が記憶される。
【0034】
図中には、記憶部12が記憶する情報として、位置情報の送信処理に特に関する情報である、位置情報121、及び移動体ID122を図示する。
位置情報121は、後述のセンサ部14により測位された車載ナビゲーション装置10の位置情報(すなわち、車両50aの位置情報)である。位置情報121には、測位された位置を示す情報のみならず、測位を行った時刻も含まれるようにすることができる。
【0035】
移動体ID122は、車載ナビゲーション装置10や、車載ナビゲーション装置10が設置された車両50aを識別するための情報である。
移動体ID122としては、例えば車載ナビゲーション装置10に一意に割り当てられた製造番号等を利用することができる。また、他にも、通信部13が携帯電話網等のネットワークである通信網60に接続するために、通信部13に挿入されたSIM(Subscriber Identity Module)に付与された電話番号を移動体ID122として利用することができる。また、他にも、車両50aに固有に付与されたVIN(車両識別番号)やナンバープレートの番号を移動体ID122として利用することができる。
【0036】
通信部13は、DSP(Digital Signal Processor)等を有し、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の規格や、Wi-Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網60を介して他の装置(例えば、駐車場情報分析装置30)との間の無線通信を実現する。通信部13は、例えば、後述の位置情報送信部112が、記憶部12に格納されている位置情報121、及び移動体ID122を、駐車場情報分析装置30に対して送信するために利用される。ただし、通信部13と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、位置情報121、及び移動体ID122以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0037】
センサ部14は、例えばGPS(Global Positioning System)センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ等により構成される。センサ部14は、位置情報を検出する位置検出手段としての機能を備え、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、車載ナビゲーション装置10の位置情報(緯度及び経度)を測位する。センサ部14による測位は、上述したように所定の時間間隔(例えば3秒間隔)で行われる。測位した位置情報は、位置情報121として記憶部12に格納される。なお、GPSセンサは、緯度、経度に加えて標高を測位することができることから、位置情報として緯度、経度に加えて標高を含むようにしてもよい。
なお、センサ部14は、ジャイロセンサ、加速度センサにより測定される角速度や、加速度に基づいて車載ナビゲーション装置10の位置情報の測位精度をさらに高めることも可能である。
表示部15は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部15は、制御部11からの指示を受けて画像を表示する。
入力部16は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部15の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示を省略する。)等で構成される。
なお、この他、図示しないが、スピーカやマイク等を備えることもできる。スピーカは、運転者に対して音声出力を行い、マイクは、運転者によって発せられた音声等を集音する。
そうすることで、情報をスピーカから音声で出力したり、マイクを介して音声入力された運転者による各種の選択、指示を音声認識技術により、制御部11に入力したりすることもできる。
【0038】
次に、制御部11の詳細について説明をする。制御部11はCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random access memory)、ROM(Read Only Memory)、及びI/O(Input / output)等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部12から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部12から情報を読み出し、RAM及び記憶部12に対して情報の書き込みを行い、通信部13、センサ部14、表示部15、及び入力部16と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0039】
制御部11は、機能ブロックとして、経路案内部111、及び位置情報送信部112を備える。
【0040】
経路案内部111は、ユーザによって入力又は選択された施設等の目的地までの経路案内処理を行う部分であり、当業者によく知られているので、詳細な説明は省略する。
【0041】
位置情報送信部112は、通信部13を利用した無線通信により、記憶部12に格納されている位置情報121、及び移動体ID122を、駐車場情報分析装置30に対して送信する部分である。
【0042】
位置情報送信部112による、駐車場情報分析装置30に対する位置情報121、及び移動体ID122の送信は、ドライブ開始時に車両50aに乗車したユーザにより車両50aのイグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされ、車載ナビゲーション装置10が自動起動してから、ドライブ終了時に車両50aのイグニッションスイッチがオフ(エンジンを停止)にされるまでの間、周期的に行われる。例えば、所定の時間間隔(例えば3秒間隔)でセンサ部14が測位を行う都度、リアルタイムに送信が行われる。すなわち、一度ドライブが開始されて、このドライブが終了するまでの間、リアルタイムに送信が行われる。
また、リアルタイムに駐車場情報分析装置30に送信する替わりに、複数個まとめて(例えば3分間分の間に3秒間隔で更新された位置情報121と、移動体ID122とをまとめて)、一度に送信するようにしてもよい。すなわち、いわゆるバースト送信をするようにしてもよい。所定の時間間隔の長さや、リアルタイムに送信するか、それともバースト送信するかは、本実施形態を適用する環境等に応じて、任意に設定することができる。
このようにして、リアルタイム送信やバースト送信を行うことにより、位置情報送信部112は、センサ部14が測位した車両50aの移動経路を特定するための位置情報121と、移動体ID122とを、駐車場情報分析装置30に対して送信する。
【0043】
この場合に、イグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされ、車載ナビゲーション装置10が自動起動した直後に測位された位置情報121により特定される位置をドライブにおける最初の車両位置、すなわち出発位置として駐車場情報分析装置30に送信することができる。さらに、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)される直前に測位された位置情報121により特定される位置をドライブにおける最終の車両位置、すなわち駐車位置として駐車場情報分析装置30に送信することができる。例えば、出発位置を表す位置情報121であることや駐車位置を表す位置情報121であることを示す情報(例えば、これらを示すフラグの値を1にする。)を、位置情報121に追加してから、駐車場情報分析装置30に送信するようにする。
なお、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)される直前に測位された位置情報121(すなわち、駐車位置)については、イグニッションスイッチがオン(エンジンを始動)にされ、車載ナビゲーション装置10が再度起動した際に送信されてもよい。
【0044】
なお、バースト送信を行う場合、例えば、経路案内部111により車両50aが施設等の目的地に到着したと判断された場合には、位置情報送信部112は、リアルタイムに送信を行うように切り替えることができる。このようにすれば、施設等の目的地に到着後、施設等の目的地の位置情報121が送信される前に、イグニッションスイッチがオフ(エンジン停止)されてしまい、施設等の目的地の位置情報121が駐車場情報分析装置30に対して送信されない、という事態を防止することができる。
【0045】
また、位置情報送信部112は、上述した位置情報121、及び移動体ID122とともに、当該車両50aの速度情報を駐車場情報分析装置30に対して送信することができる。
【0046】
<携帯端末20について>
図3に示すように、携帯端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26と、近距離通信部27とを含んで構成される。
ここで、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26は、上述した車載ナビゲーション装置10が含む同名の機能ブロックと同等の機能を有している。つまり、上述した車載ナビゲーション装置10の説明における、「車載ナビゲーション装置10」の文言を「携帯端末20」に置き換え、「車両50a」の文言を「車両50b」に置き換えることにより、携帯端末20の各機能ブロックの説明となるので、重複する再度の説明は省略する。
【0047】
一方で、携帯端末20は、近距離通信部27を含んでいる点等で、車載ナビゲーション装置10と相違するので、この相違点について、以下説明をする。
近距離通信部27は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)といった規格に準拠した非接触の近距離通信、又はUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介した有線による近距離通信を行うための部分である。
【0048】
一方で、車両50bは、近距離通信部27と通信を行うための近距離通信部を備える。例えば車両50bのECU(Electronic Control Unit)が近距離通信部を備える。
そして、携帯端末20がECUと近距離通信により通信することができる場合とは、すなわち、携帯端末20が車両50bの車内に存在する場合である。この場合、携帯端末20のセンサ部24が測位する位置情報は、車両50bの位置情報に相当することになる。
【0049】
そこで、携帯端末20は、近距離通信部27を介してECUと近距離通信できる間は、位置情報送信部212を起動させる。そして、起動した位置情報送信部212が、車載ナビゲーション装置10の位置情報送信部112と同様にして、センサ部24が測位した車両50bの移動経路を特定するための位置情報221と、移動体ID222とを、駐車場情報分析装置30に対して送信する。
【0050】
例えば、ユーザが携帯端末20を所持して車両50bに乗車し、イグニッションスイッチ等の車両50bの起動スイッチをオンにすると、車両50bと携帯端末20とが接続(ペアリング)され、その後、携帯端末20で測位した位置情報221、及び移動体ID222が携帯端末20から駐車場情報分析装置30に送信されるようになる。
さらに、イグニッションスイッチ等の車両50bの起動スイッチがオフにされると、車両50bと携帯端末20とのペアリングが解除される。
【0051】
なお、車両50bが位置情報を測位する機能を有している場合には、センサ部24が測位する位置情報ではなく、車両50bが測位する位置情報を位置情報121として駐車場情報分析装置30に送信するようにしてもよい。この場合、携帯端末20から、センサ部24を省略するようにしてもよい。
【0052】
<駐車場情報分析装置30について>
次に、駐車場情報分析装置30が備える機能ブロックについて図4のブロック図を参照して説明をする。
【0053】
図4に示すように、駐車場情報分析装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33とを含んで構成される。
【0054】
制御部31は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、駐車場情報分析装置30を構成する各部の制御を行う。制御部31の詳細については、後述する。
【0055】
記憶部32は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、駐車場情報分析処理を行うためのプログラムといった各プログラム、さらにその他、地図情報等の種々の情報が記憶される。図中には、記憶部32が記憶する情報として、駐車場情報分析処理に関する情報である、地図情報を記憶する地図情報記憶部321、各車両50の位置情報を記憶する位置情報データベース322、及び各車両50の駐車位置情報を記憶する駐車位置情報テーブル323を図示する。
【0056】
地図情報記憶部321に記憶される地図情報は、複数の施設について、施設の識別情報(施設ID)、施設の名称、施設の種別に関する施設種別(及び/又はジャンル)、電話番号、住所、営業時間、施設の中心位置(例えば、緯度経度の情報)を示す中心位置情報等を含む。ここで、施設種別は、例えば、コンビニエンスストア、病院、カーディーラー等の施設の業態を示す。
なお、記憶部32には、地図情報の外、道路情報、道路及び道路地図等の背景を表示するための表示用地図データ、ノード(例えば道路の交差点、屈曲点、端点等)の位置情報及びその種別情報、各ノード間を結ぶ経路であるリンクの位置情報及びその種別情報、全てのリンクのコスト情報(例えば距離、所要時間等)に関するリンクコストデータ等を含む道路ネットワークデータ等を含むようにしてもよい。
【0057】
地図情報は、地図情報記憶部321に予め記憶しておく構成としてもよいし、通信網60に接続されたサーバ装置(図示を省略)等から必要に応じて適宜ダウンロードされる構成としてもよい。さらに、地図情報は、ユーザの入力等に応じて適宜修正されてもよい。
【0058】
位置情報データベース322は、車載ナビゲーション装置10から受信した位置情報121、及び移動体ID122や、携帯端末20から受信した位置情報221、及び移動体ID222に基づいて構築されたデータベースである。
位置情報データベース322は、制御部31に含まれる各機能ブロックにより構築及び更新される。位置情報データベース322の詳細については、後述する。
【0059】
駐車位置情報テーブル323は、後述するように、駐車位置情報記録部312により車両50が駐車したと判定された位置情報を当該車両の駐車位置として当該車両50の識別情報に対応づけて保存するテーブルである。この際、駐車位置情報テーブル323は、駐車位置に加えて、当該駐車位置における日時情報を含む駐車時間を合わせて保存するようにしてもよい。
【0060】
なお、以下の説明では、位置情報121及び位置情報221を区別することなく説明する際は、符号を省略して「位置情報」と呼ぶ。また、同様に移動体ID122及び移動体ID222を区別することなく説明する際は、符号を省略して「移動体ID」と呼ぶ。
【0061】
通信部33は、DSP等を有し、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)の規格や、Wi-Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網60を介して他の装置(例えば、車載ナビゲーション装置10、及び携帯端末20等)との間の無線通信や有線通信を実現する。通信部33は、例えば、車載ナビゲーション装置10及び携帯端末20のそれぞれから送信される位置情報、ユーザ情報及び移動体IDを受信するために利用される。
ただし、通信部33と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、これらの情報以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0062】
次に、制御部31の詳細について説明をする。制御部31はCPU、RAM、ROM、及びI/O等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部32から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部32から情報を読み出し、RAM及び記憶部32に対して情報の書き込みを行い、通信部33と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0063】
制御部31は、機能ブロックとして、受信部311、駐車位置情報記録部312、駐車場判定部313、及び駐車場記録部314を含む。
【0064】
<受信部311>
受信部311は、複数の車両50からの連続した位置情報を時刻情報とともに受信する。より具体的には、受信部311は、通信部33を介して、移動体から受信した、連続した位置情報、及び移動体IDと、に基づいて、位置情報データベース322を更新する部分である。
【0065】
位置情報データベース322のデータ構造の一例について、図5を参照して説明する。図5に示すように、位置情報データベース322は、受信部311により受信した「移動体ID」、「移動推移」、「車両50からの連続した位置情報と時刻情報」、に加えて、「速度情報」を、車両50毎に記憶するようにしてもよい。
【0066】
位置情報データベース322内の「移動体ID」は、上述したように、位置情報等の送信元である車載ナビゲーション装置10や携帯端末20や、これらを搭載した車両50を識別するための情報である。
位置情報データベース322内の「移動推移」は、当該移動体から、位置情報等の送信が開始されてから現在までに受信した全ての連続した位置情報である。この全ての連続した位置情報により、駐車位置、駐車日時等を含む駐車位置情報を特定することが可能となる。なお、移動推移には、位置情報の測位を行った時刻情報も含まれる。さらに、移動体から、位置情報とともに、速度情報が送信される場合、受信した速度情報を時刻情報及び位置情報に紐づけて記憶される。
【0067】
<駐車位置情報記録部312>
駐車位置情報記録部312は、車両位置情報に所定時間以上変化が無いと判断される場合に車両50が駐車したと判定する。また、駐車位置情報記録部312は、車両50が駐車したと判定した場合、当該車両50の駐車時間を算出する。駐車位置情報記録部312は、車両50が駐車したと判定された位置情報を当該車両の駐車位置として、駐車位置情報テーブル323に、当該車両50の識別情報に対応づけて記憶する。また、駐車位置情報記録部312は、駐車位置情報テーブル323に当該駐車位置における日時情報を含む駐車時間を合わせて記憶する。
【0068】
より具体的には、例えば、位置情報等の送信が一度開始されてから最後に位置情報を受信して、所定時間位置情報の送信がなかった場合に、駐車位置情報記録部312は、この最後に受信した位置情報に対応する位置が駐車位置であると判定してもよい。この場合、駐車位置情報記録部312は、位置情報の送信がなかった所定時間を当該車両50の駐車時間として算出してもよい。また、他にも送信される位置情報に対応する位置が一定時間以上変化しないような場合に、この位置を駐車位置であると判定してもよい。この場合、駐車位置情報記録部312は、位置が変化しない時間を当該車両50の駐車時間として算出してもよい。
また、車両50から受信した連続した位置情報において隣接した位置情報が計測されたそれぞれの時刻の間隔が予め設定された第1時間を超えるか又はそれ以上であるとともに予め設定された第2時間を下回るか又はそれ以下であり、かつ該隣接した位置情報の速度情報のいずれかが予め設定された所定速度Vを下回るか又はそれ以下である場合に、駐車位置情報記録部312は、当該車両は停車していたと判定してもよい。この場合、駐車位置情報記録部312は、当該隣接した位置情報が計測されたそれぞれの時刻の間隔を当該車両50の駐車時間として算出してもよい。
ここで、所定速度Vは、例えば駐車場に停車する際の速度程度としてもよい。また、0km/hとしてもよい。車両50毎の特徴(運転者の運転時の特徴)に応じて設定してもよい。
以上のようにすることで、例えば、デバイスがイグニッションオン時及び/又はイグニッションオフ時に位置情報を送信できない装置であっても、停車と見込める情報を特定することができる。
なお、車両50が、例えば現行のエンジン車における車載ナビゲーション装置10のように、イグニッションオフにより、車両50の位置情報の送信が停止する場合、車両50の位置情報の受信が停止する直前に送信された現在位置を駐車位置としてもよい。この場合、駐車位置情報記録部312は、車両50の位置情報の送信が停止してから、次に当該車両50の位置情報の送信が開始されるまでの時間を当該車両50の駐車時間として算出してもよい。
同様に、車両50が、例えば現行のエンジン車における車載ナビゲーション装置10のように、イグニッションオンにより、車両50の位置情報の送信を開始する場合、車両50の位置情報の受信を開始した現在位置を駐車位置としてもよい。この場合、駐車位置情報記録部312は、車両50の位置情報の受信を開始する前に、当該車両50の位置情報の送信が停止した時刻からの時刻差を当該車両50の駐車時間として算出してもよい。
また、車両50が、例えば電気自動車のように、停車した場合でも、停止信号情報を送信できる場合、停止信号により示された現在位置又は車両50の位置情報の最も直近の位置情報を駐車位置としてもよい。この場合、駐車位置情報記録部312は、停止信号情報を受信してから次に起動信号情報又は位置情報を受信するまでの時間を当該車両50の駐車時間として算出してもよい。
同様に、車両50が、例えば電気自動車のように、車両50の起動時に、起動信号情報を送信できる場合、起動信号により示された現在位置を駐車位置としてもよい。この場合、駐車位置情報記録部312は、軌道信号情報を受信する前に当該車両50からの停止信号情報又は最後に位置信号を受信した時刻からの時刻差を当該車両50の駐車時間として算出してもよい。
【0069】
<駐車場判定部313>
駐車場判定部313は、地図情報記憶部321に記憶される1つの施設の中心位置情報と、駐車位置情報テーブル323に記憶された複数の駐車位置情報に基づいて、当該施設の駐車場の形状を判定する。
具体的には、駐車場判定部313は、駐車位置情報テーブル323に記憶された複数の駐車位置情報を、地図情報記憶部321に記憶される1つの施設の中心位置情報から所定範囲の複数のグリッド(以下、「格子」ともいう)にプロットし、グリッド内にプロットされた駐車位置情報の個数が所定値以上又は所定値を超える場合に当該グリッドを前記施設の駐車場の形状情報と判定する。
駐車場判定部313は、このようにして、1つの施設の駐車場と判定されたグリッドの集合体の外郭を当該施設の駐車場の境界線情報として、当該施設の駐車場の形状情報と判定するようにしてもよい。
以下に、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0070】
図6は、駐車場判定部313が、1つの施設の駐車場の形状を判定する際のプロセスを示す概略図である。図6を参照しながら、1つの施設の駐車場の形状を判定するプロセスを説明する。
【0071】
図6において、1番目のプロセスとして示すように、まず、駐車場判定部313は、駐車場の形状を判定する対象となる施設の中心位置情報を、地図情報記憶部321に記憶される地図情報に基づいて設定する。
【0072】
次に、図6において、2番目のプロセスとして示すように、駐車場判定部313は、当該施設の中心位置情報を含む所定範囲の区域を設定し、当該区域を複数のグリッド(「格子」ともいう)に区切る。ここで、グリッドは、図6に示すように直交座標系において方眼状のグリッド(例えば、辺の長さが2m~10m程度)としてもよいし、また図示しないが極座標系において放射状のグリッドとしてもよいが、これらの形状に限られない。任意の形状のグリッドとしてもよい。なお、グリッドは、例えば、2m×2m等の微小なグリッドとしてもよい。
【0073】
次に、図6において、3番目のプロセスとして示すように、駐車場判定部313は、駐車位置情報テーブル323に記憶された、例えば所定期間内における複数の駐車位置情報に基づいて、それぞれのグリッド毎にそれぞれのグリッドに含まれる駐車位置情報の個数をカウントする。そうすることで、図6に示すように、所定範囲の区域に含まれるグリッド毎に、所定期間内に当該グリッドに駐車した車両の台数を算出することができる。
【0074】
次に図6において、4番目のプロセスとして示すように、駐車場判定部313は、所定期間内に各グリッドに駐車した車両の台数が、予め設定された第1の閾値以上又は超える場合に、当該グリッドを当該施設の駐車場に含まれるエリアと判定する。そうすることで、駐車場判定部313は、当該施設の駐車場に含まれると判定されたグリッドの集合体の外郭を当該施設の駐車場の境界線情報と判定することができる。
【0075】
前述したように、グリッドは、例えば2m×2m等の微小なグリッドとすることで、駐車場の境界線情報をより細かく判定することが可能となる。
また、前述したプロセスにおいて、所定期間としては、年月日を指定した期間(例えば、指定した年月の1カ月間、指定した2つの年月日の範囲等)に限らず、例えば、所定期間における平日、又は祝祭休日としてもよい。そうすることで、例えば、平日における施設の駐車場の形状と、祝祭日における施設の駐車場の形状と、を比較することで、祝祭日に設定される臨時駐車場を推定することができる。
以上のように、駐車場判定部313は、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、施設の中心位置情報から所定範囲の区域を複数のグリッドに区切り、それぞれのグリッドが当該施設の駐車場か否かを判定することが可能となる。そうすることで、人手を介することなく、施設の駐車場のポリゴンを作成することが可能となる。
【0076】
図6を参照して説明したケースは、1つの施設の駐車場に含まれるグリッドと、含まれないグリッドと、の間で明確な閾値(第1の閾値)が存在する場合に、施設の駐車場の形状を判定することができることを説明した。
これに対して、例えば2つの異なる施設の駐車場が、近隣に位置する場合(例えば街道沿いに隣接するような場合)、2つの異なる施設の駐車場の境界を判定する必要がある。
このため、駐車場判定部313は、1つの施設の駐車場と判定されたグリッドの駐車位置情報の数が、減少から増加に転じるグリッドを当該施設とは異なる別の施設の駐車場とみなし、当該施設と、当該異なる施設と、の駐車場の境界線情報として、当該施設の駐車場の形状情報と判定するようにしてもよい。具体的には、例えばグリッドにおける駐車位置情報の個数の減衰率の変化する箇所(「減衰率の変化部」ともいう)を両者の駐車場の境界として判定するようにしてもよい。
以下に、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0077】
図7Aから図7Cは、例えば2つの異なる施設の駐車場が近隣に位置する場合(例えば街道沿いに隣接するような場合)に、駐車場判定部313が、2つの施設の駐車場の境界を判定する際の概要を示す図である。図7Aから図7Cを参照しながら、2つの施設の駐車場の境界を判定するプロセスを説明する。
【0078】
図7Aに示すように、1つの施設(例えば店舗A)と、別の施設(例えば店舗B)と、が、例えば街道沿いに隣接するように位置している場合、前述したように駐車場判定部313は、店舗Aの中心位置情報及び店舗Bの中心位置情報を含む所定範囲の区域を設定し、当該区域を複数のグリッド(格子)に区切る。駐車場判定部313は、前述したように、駐車位置情報テーブル323に記憶された、例えば所定期間における複数の駐車位置情報に基づいて、それぞれのグリッド毎にそれぞれのグリッドに含まれる駐車位置情報の個数をカウントする。そうすることで、所定範囲の区域に含まれるグリッド毎に、所定期間内に当該グリッドに駐車した車両の台数を算出する。この場合、仮にそれぞれのグリッドに含まれる駐車位置情報の個数が第1の閾値以上又は超える場合、前述したプロセスでは、2つの施設の駐車場の境界を判定することができない。
【0079】
このような場合、駐車場判定部313は、例えば、店舗Aの駐車場と判定されるグリッドにおける駐車位置情報の個数が、減少から増加に転ずるグリッドを特定するようにしてもよい。図7Bは、複数のグリッドにおける駐車位置情報の個数の分布の概略を示す図である。図7Bに示す分布パターンAは、前述したように、所定期間内に隣り合う複数のグリッドに駐車した車両の台数が第1の閾値以上又は超える場合と、駐車した車両の台数が第1の閾値以下又は未満の場合と、が判別できるパターンを示す。これに対して、図7Bに示す分布パターンBは、2つの施設が例えば近隣に位置する場合における隣り合う複数のグリッドにおける駐車位置情報の個数の分布の概略を示す図である。図7Bに示すように、2つの駐車場の間に境界があるならば、境界は、グリッドにおける駐車位置情報の個数が極小となるグリッドを境界と見做すことができる。
そうすると、駐車場判定部313は、1つの施設の駐車場と判定されたグリッドの駐車位置情報の数が、減少から増加に転じるグリッドを当該施設とは異なる別の施設の駐車場とみなし、当該施設と、当該異なる施設と、の駐車場の境界線情報として、当該施設の駐車場の形状情報と判定するようにしてもよい。
具体的には、図7Cに示すように、駐車場判定部313は、店舗A側から順番にグリッドを参照して、グリッドにおける駐車位置情報の個数が、減少から増加に転ずるグリッドを特定することができる。同様に、駐車場判定部313は、店舗B側から順番にグリッドを参照して、グリッドにおける駐車位置情報の個数が、減少から増加に転ずるグリッドを特定することができる。こうすることで、駐車場判定部313は、グリッドにおける駐車位置情報の個数の減衰率の変化する箇所(「減衰率の変化部」)を両者の駐車場の境界として判定するようにしてもよい。
以上のように、駐車場判定部313は、2つの施設が例えば近隣に位置する場合であっても、それぞれの駐車場の形状を人手で作成することなく、境界を判定することが可能となる。
なお、駐車場判定部313は、2つの施設が例えば近隣に位置する場合(例えば街道沿いに隣接するような場合)であっても、施設種別により境界を判定することができる場合がある。
【0080】
具体的には、例えば、施設種別がコンビニエンスストアの場合、コンビニエンスストアにおける車両の駐車時間の目安を例えば10分前後とし、施設種別が病院の場合、病院における車両の駐車時間の目安を例えば1時間前後と、予め施設の種別毎に車両の駐車時間の目安を対応づけておく。なお、これらの時間は例示に過ぎず、これらの値に限られない。駐車時間の目安は、所定の時間範囲を設定してもよい。
そうすることで、例えば、コンビニエンスストアと病院とが近隣に位置する場合(例えば街道沿いに隣接するような場合)、駐車位置情報記録部312による車両50が駐車したと判定する場合の所定時間を、例えば1時間前後として、駐車位置情報の個数をカウントした場合、コンビニエンスストアの駐車場に含まれるグリッドにおける駐車位置情報の個数は、病院の駐車場に含まれるグリッドにおける駐車位置情報の個数に比べて明らかに少ないことが想定される。そうすると、駐車場判定部313は、病院の駐車場とコンビニエンスストアの駐車場と、の境界を判定することが可能となる。
【0081】
<駐車場記録部314>
駐車場記録部314は、駐車場判定部313によって判定された施設の駐車場の形状情報を地図情報記憶部321に記憶する。具体的には、駐車場記録部314は、施設の中心位置情報とともに、当該施設の形状情報を地図情報記憶部321に記憶する。
そうすることで、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、駐車場の形状を備えた地図を作成することが可能となる。
以上、本実施形態として例示した駐車場情報分析装置30の各機能部の構成について説明した。
【0082】
<本実施形態の動作>
次に、図8及び図9に記載したフローチャートを参照して、本実施形態の動作について説明する。ここで、図8は、1つの施設の駐車場の形状を判定する動作を示すフローチャートである。また、図9は、近隣に位置する(例えば街道沿いに隣接する)2つの施設駐車場の境界を判定する動作を示すフローチャートである。
なお、駐車場情報分析装置30(受信部311)が、各車両50から、当該車両50の識別情報、位置情報、及び時刻情報等を受信して、位置情報データベース322を作成更新する動作処理、及び駐車場情報分析装置30(駐車位置情報記録部312)が、各車両50の位置情報の移動推移から、各車両50の駐車位置を判定するとともに、判定位置情報及び駐車時刻等を判定して、駐車位置情報テーブル323を作成更新する動作処理は、いずれも当業者にとって公知であり、詳細な説明は省略する。
【0083】
図8を参照すると、ステップS10において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、1つの施設を選択して、当該施設の中心位置情報を地図情報記憶部321に記憶される地図情報に基づいて設定する。
【0084】
ステップS11において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、当該施設の中心位置情報を含む所定範囲の区域を設定し、当該区域を複数のグリッド(格子)(i)(1≦i≦N)に区切る。ここで、グリッドの個数をN個とし、N個のグリッドそれぞれをインデックスi(1≦i≦N)により識別し、G(i)とする。
【0085】
ステップS12において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、駐車位置情報テーブル323に記憶された、所定期間内における複数の駐車位置情報のうち、ステップS11において設定した区域に含まれる駐車位置情報(「区域内駐車位置情報」という)を全て抽出する。
【0086】
ステップS13において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、ステップS12において抽出された区域内駐車位置情報集合に基づいて、それぞれのグリッドG(i)に含まれる駐車位置情報の個数(i)を、例えばカウンタ(i)によりカウントする。グリッドG(i)に含まれる駐車位置情報の個数をP(i)(1≦i≦N)とする。
【0087】
ステップS14において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、jを初期化する。
【0088】
ステップS15において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、グリッドG(j)に含まれる駐車位置情報の個数P(j)が、
P(j) >(又は≧) 第1の閾値
を満たす場合、ステップS16に移る。満たさない場合、ステップS17に移る。
【0089】
ステップS16において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、グリッドG(j)を当該施設の駐車場に含まれるグリッドと判定し、グリッドG(j)を当該施設の駐車場を構成する集合に含める。
【0090】
ステップS17において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、jに1を加算する。
【0091】
ステップS18において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、j>Nか否かを判定する。j>Nの場合、ステップS19に移る。j≦Nの場合、ステップS15に移る。
【0092】
ステップS19において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、当該施設の駐車場を構成するグリッドの集合を当該施設の駐車場の形状情報とするとともに、グリッドの集合体の外郭を当該施設の駐車場の境界線情報として、当該施設の駐車場の形状情報と判定する。そして、駐車場情報分析装置30(駐車場記録部314)は、施設の駐車場の形状情報を地図情報記憶部321に記憶する。
以上により、駐車場情報分析装置30が、地図情報記憶部321に記憶される1つの施設の中心位置情報と、駐車位置情報テーブル323に記憶された複数の駐車位置情報に基づいて、当該施設の駐車場の形状を判定する動作について説明した。なお、駐車場情報分析装置30は、地図情報に含まれる全ての施設に対して、上記動作を行うことにより、全ての施設の駐車場の形状を判定することができる。
【0093】
次に、図9に記載したフローチャートを参照して、本実施形態の動作、具体的には、駐車場情報分析装置30が、近隣に位置する(例えば街道沿いに隣接する)2つの施設駐車場の境界を判定する動作について説明する。
【0094】
図9を参照すると、ステップS20において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、施設(「施設A」という)の中心位置情報及び近隣に位置する(例えば街道沿いに隣接する)別の施設(「施設B」という)の中心位置情報を設定する。
【0095】
ステップS21において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、施設Aの中心位置情報及び施設Bの中心位置情報を含む所定範囲の区域を設定し、当該区域を複数のグリッドに区切る。ここで、グリッドの個数をM個とし、M個のグリッドそれぞれをインデックスi(1≦i≦M)により識別し、G(i)とする。
【0096】
ステップS22において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、駐車位置情報テーブル323に記憶された、所定期間内における複数の駐車位置情報のうち、ステップS21において設定した区域に含まれる駐車位置情報(「区域内駐車位置情報」という)を全て抽出する。
【0097】
ステップS23において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、ステップS22において抽出された区域内駐車位置情報集合に基づいて、それぞれのグリッドG(i)に含まれる駐車位置情報の個数(i)を、例えばカウンタ(i)によりカウントする。グリッドG(i)に含まれる駐車位置情報の個数をP(i)(1≦i≦M)とする。
【0098】
ステップS24において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、jを初期化する。
【0099】
ステップS25において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、グリッドG(j)に含まれる駐車位置情報の個数P(j)を当該グリッドG(j)に隣り合うどのグリッドに含まれる駐車位置情報の個数Pよりも小さいか否かを比較する。小さい場合(「減衰率の変化部の場合」)、ステップS26に移る。小さくない場合、ステップS27に移る。
【0100】
ステップS26において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、グリッドG(j)を施設Aの駐車場と施設Bとの境界に位置するグリッドと判定し、グリッドG(j)を施設Aの駐車場と施設Bとの境界を構成するグリッドの集合に含める。
【0101】
ステップS27において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、jに1を加算する。
【0102】
ステップS28において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、j>Mか否かを判定する。j>Mの場合、ステップS29に移る。j≦Mの場合、ステップS25に移る。
【0103】
ステップS29において、駐車場情報分析装置30(駐車場判定部313)は、施設Aの駐車場と施設Bとの境界を構成するグリッドの集合体を、施設Aの駐車場と施設Bの駐車場との間の境界情報として判定する。そして、駐車場情報分析装置30(駐車場記録部314)は、施設Aの駐車場と施設Bの駐車場との間の境界情報を地図情報記憶部321に記憶する。
以上により、駐車場情報分析装置30が、2つの施設が例えば近隣に位置する場合において、それぞれの駐車場の形状を人手で作成することなく、境界を判定する動作について説明した。以上のように、駐車場判定部313は、2つの施設が例えば近隣に位置する場合であっても、それぞれの駐車場の形状を人手で作成することなく、境界を判定することが可能となる。なお、駐車場情報分析装置30は、地図情報に含まれる全ての隣接する2つの施設に対して、上記動作を行うことにより、全ての隣接する施設の駐車場の間の境界を判定することができる。
【0104】
以上説明した本実施形態によれば、施設の中心点から所定範囲の複数のグリッドにおけるそれぞれのグリッド内の駐車推定台数を集計することで、施設の駐車場の形状を人手で作成することなく、それぞれのグリッドが施設の駐車場か否かを判定することで、施設の駐車場の形状を判定するための駐車場情報分析装置及び駐車場情報分析方法を提供することが可能となる。
【0105】
<ハードウェア及びソフトウェアについて>
なお、上記のナビゲーションシステムに含まれる各機器のそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のナビゲーションシステムに含まれる各機器のそれぞれが協働することにより行なわれるナビゲーション方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0106】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0107】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0108】
<変形例1>
施設によっては、祝祭休日に臨時駐車場を設定する場合がある。臨時駐車場が設定される場合、前述したように、駐車場判定部313は、例えば、平日から構成される所定期間1と、祝祭休日から構成される所定期間2に区別して、駐車位置情報テーブル323に記憶された複数の駐車位置情報に基づいて、所定期間1及び所定期間2における、それぞれのグリッド毎にそれぞれのグリッドに含まれる駐車位置情報の個数をカウントすることで、平日における施設の駐車場の形状1と、祝祭日における施設の駐車場の形状2と、を判定することができる。そうすることで、仮に、形状2に含まれ、形状1に含まれないグリッドがあった場合、当該グリッドを祝祭休日に設定される臨時駐車場の形状情報と判定することができる。
【0109】
<変形例2>
例えば、図2図3、及び図4の機能的構成は例示に過ぎず、本実施形態の機能的構成を限定するものではない。すなわち、本発明の車両位置分析機能に関する一連の処理を全体として実行できる機能が各機器に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2図3、及び図4の例に限定されない。
また、他にも、上述した実施形態を、例えば以下に説明する変形例のように変形するようにしてもよい。なお、以下に説明する変形例をさらに組み合わせるようにしてもよい。
【0110】
<変形例3>
上述の実施形態では、駐車場情報分析装置30を1つのサーバ装置等により実現すると説明したが、駐車場情報分析装置30の各機能を、適宜複数のサーバ装置に分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、駐車場情報分析装置30の各機能を実現してもよい。
【0111】
<変形例4>
上述の実施形態では、駐車場情報分析装置30が、各車両50から、当該車両50の識別情報、位置情報、及び時刻情報等を通信部33を介して受信する構成とした。さらに、受信部311は、各車両50から受信した識別情報、位置情報、及び時刻情報等に基づいて、位置情報データベース322を適宜作成更新する構成とした。
これに対して、駐車場情報分析装置30とは別に、例えばFCD(Floating Car Data)サーバ(仮称)を設けて、FCDサーバが、各車両50から、当該車両50の識別情報、位置情報、及び時刻情報等を受信するようにしてもよい。その場合、駐車場情報分析装置30は、FCDサーバから各車両の位置情報等を取得して、位置情報データベース322(移動推移)を適宜作成更新するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 駐車場情報分析システム
10 車載ナビゲーション装置
11 制御部
111 経路案内部
112 位置情報送信部
12 記憶部
13 通信部
14 センサ部
20 携帯端末
21 制御部
111 経路案内部
112 位置情報送信部
22 記憶部
23 通信部
24 センサ部
30 駐車場情報分析装置
31 制御部
311 受信部
312 駐車位置情報記録部
313 駐車場判定部
314 駐車場記録部
32 記憶部
321 地図情報記憶部
322 位置情報データベース
323 駐車位置情報テーブル
33 通信部
50、50a、50b 車両
60 通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9