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特許7574454タイヤ構成要素を搬送するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】タイヤ構成要素を搬送するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20241021BHJP
   G01B 11/04 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
G01B11/24 K
G01B11/04 101H
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2023536460
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 NL2023050102
(87)【国際公開番号】W WO2023195845
(87)【国際公開日】2023-10-12
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】2031484
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】519009895
【氏名又は名称】ブイエムアイ・ホラント・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】VMI Holland B.V.
【住所又は居所原語表記】Gelriaweg 16,8161 RK EPE,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーフマン、マテウス・ヤコブス
(72)【発明者】
【氏名】バーグマンズ、クィンテン・マッテイス
(72)【発明者】
【氏名】シェルペンフイゼン、ヘルマン・セバスティアーン
【審査官】三笠 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-292203(JP,A)
【文献】特開昭58-173409(JP,A)
【文献】特開昭59-075106(JP,A)
【文献】特開平04-038418(JP,A)
【文献】特開平5-180624(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00548464(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第105856317(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01N 21/892
B29D 30/00-30/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ構成要素を搬送するためのコンベヤと、測定ユニットと、を備えるシステムにおいて、
前記コンベヤは、コンベヤベルトを備え、
前記コンベヤベルトは、縦方向に延在し且つ荷搬送側を有するベルト本体を備え、
前記ベルト本体は、前記荷搬送側において、搬送平面において前記タイヤ構成要素を共に支持するための第1の支持領域及び第2の支持領域を画定し、
前記コンベヤベルトは、前記荷搬送側において、前記ベルト本体において前記縦方向に延在する測定スロットを備え、
前記測定スロットは、前記縦方向に垂直な横方向において、前記第1の支持領域と前記第2の支持領域との間に位置し、
前記測定スロットは、前記第1の支持領域及び前記第2の支持領域における前記ベルト本体とは幾何学的に異なるように設計されており、
前記コンベヤベルトには、前記測定スロットにおいて、前記搬送平面から前記搬送平面を横断する凹み方向に凹んだ測定面が設けられており、
前記測定ユニットは、視野を有し、
前記測定ユニットは、前記視野が前記視野において高さ値を測定するための前記測定スロットと重なるように、前記コンベヤに対して位置決めされており、
前記システムは、
- 前記視野において前記測定ユニットによって測定された前記高さ値を監視することと、
- 前記測定スロットにおいて、前記搬送平面より下の第1の高さレベルから前記搬送平面より上の第2の高さレベルまでの、前記高さ値における段差を検出することと、
を行うように構成された制御ユニットを更に備える、システム。
【請求項2】
前記第1の支持領域、前記第2の支持領域、及び前記測定スロットは、前記横方向におけるベルト幅を共に画定し、前記測定スロットは、前記ベルト幅の25パーセントより小さい、前記横方向におけるスロット幅を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スロット幅は、前記ベルト幅の1~20パーセントの範囲内にある、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記測定スロットは、5~100ミリメートルの範囲内にある、前記横方向におけるスロット幅を有する、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ベルト本体には、各支持領域において、前記縦方向に延在する波形を有する波形支持面が設けられている、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記波形支持面は、前記波形間の前記横方向における波形ピッチを有し、前記測定スロットは、前記波形ピッチの少なくとも2倍である、前記横方向におけるスロット幅を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記波形ピッチは、5ミリメートルより小さい、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ベルト本体は、各支持領域において、前記搬送平面において延在する平坦な支持面を有し、これは、それぞれの前記支持領域を完全に画定する、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記測定面は、少なくとも2分の1ミリメートルの測定深度にわたって、前記搬送平面から前記凹み方向に凹んでいる、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記測定面は、平坦である、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記測定面は、10分の1ミリメートルより小さい平坦度公差内で平坦である、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記測定面は、前記搬送平面に平行に延在する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ベルト本体は、前記横方向における中心を有し、前記測定スロットは、前記中心に位置する、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記ベルト本体は、前記横方向における中心を有し、前記測定スロットは、前記中心に対して中心から外れて位置する、請求項に記載のシステム。
【請求項15】
前記測定スロットは、前記縦方向において前記ベルト本体の長さに沿って連続している、請求項に記載のシステム。
【請求項16】
前記ベルト本体は、無端ループにおいて継ぎ合わされ、前記測定スロットは、前記無端ループに沿って連続している、請求項に記載のシステム。
【請求項17】
前記測定面は、前記ベルト本体によって形成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンベヤベルトには、前記測定面を形成するために、前記測定スロットに挿入された測定インサートが設けられている、請求項に記載のシステム。
【請求項19】
前記測定インサートは、前記ベルト本体とは色又は組成が異なる材料を備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記測定面は、反射性又は発光性の材料によって形成されている、請求項に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムは、前記視野内の前記コンベヤベルト上にレーザ投影を投影するための、前記測定ユニットと角度的にオフセットされたレーザユニットを更に備える、請求項に記載のシステム。
【請求項22】
前記レーザ投影は、前記測定スロットにわたって前記横方向に延在する、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
請求項に記載のシステムを使用して、タイヤ構成要素を搬送するための方法であって、前記方法は、
- 前記タイヤ構成要素が前記横方向において前記測定スロットにまたがりながら、前記搬送平面において前記タイヤ構成要素を搬送するステップと、
- 前記測定スロットと重なる視野において高さ値を監視するステップと、
- 前記測定スロットにおいて、前記搬送平面より下の第1の高さレベルから前記搬送平面より上の第2の高さレベルまでの、前記高さ値における段差を検出するステップと、
備える、方法。
【請求項24】
前記高さ値は、前記視野内でレーザ三角測量を使用して監視される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、前記第1の高さレベルから前記第2の高さレベルまでの、前記高さ値における前記段差を、前記タイヤ構成要素の縁部として識別するステップを更に備える、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記タイヤ構成要素は、前記測定面から完全に離れたままである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ構成要素を搬送するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GB 1 574 263 Aは、デジタルカメラ及びレーザを使用して、コンベヤベルト上のタイヤトレッドの前縁及び後縁を検出するための装置を開示している。
【発明の概要】
【0003】
GB 1 574 263 Aから知られる装置の欠点は、タイヤトレッドよりも大幅に薄い、インナーライナ等のタイヤ構成要素が存在するということである。上記ベルトの表面における小さい凹凸(irregularities)又は波形等の表面テクスチャの結果としての、コンベヤベルトの高さにおける段差(step)は、そのような薄いタイヤ構成要素と容易に間違えられ、特に、コンベヤベルトの横方向の位置が、その最適な中心に揃えられた位置(centered position)から時折揺れ動くとき、前縁又は後縁の誤検出をトリガし得る。
【0004】
更に、コンベヤベルトの表面における凹凸は、レーザビームの散乱を引き起こし得、薄いタイヤ構成要素の縁部と、ベルトの表面における凹凸とを確実に区別することを、より一層困難にしている。
【0005】
分割コンベヤベルトに、割れ目において測定するための背面照射(back illumination)のための手段を設けることが知られているが、このような分割コンベヤベルトの分割した部分は、同期して操縦及び制御することが困難である。
【0006】
本発明の目的は、タイヤ構成要素がより確実にコンベヤベルト上で検出され得る、タイヤ構成要素を搬送するためのシステム及び方法を提供することである。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、タイヤ構成要素を搬送するためのコンベヤと、測定ユニットと、を備えるシステムを提供し、コンベヤは、コンベヤベルトを備え、コンベヤベルトは、縦方向に延在し且つ荷搬送側(side)を有するベルト本体を備え、ベルト本体は、荷搬送側において、搬送平面においてタイヤ構成要素を共に支持するための第1の支持領域及び第2の支持領域を画定し、コンベヤベルトは、荷搬送側において、ベルト本体において縦方向に延在する測定スロットを備え、測定スロットは、縦方向に垂直な横方向において、第1の支持領域と第2の支持領域との間に位置し、測定スロットは、第1の支持領域及び第2の支持領域におけるベルト本体とは幾何学的に異なるように設計されており、コンベヤベルトには、測定スロットにおいて、搬送平面から上記搬送平面を横断する凹み方向に凹んだ測定面が設けられており、測定ユニットは、視野を有し、測定ユニットは、視野が上記視野において高さ値を測定するための測定スロットと重なるように、コンベヤに対して位置決めされており、このシステムは、
- 視野において測定ユニットによって測定された高さ値を監視することと、
- 測定スロットにおいて、搬送平面より下の第1の高さレベルから搬送平面より上の第2の高さレベルまでの、高さ値における段差を検出することと、
を行うように構成された制御ユニットを更に備える。
【0008】
測定スロットはベルト本体の残りの部分とは幾何学的に異なるように設計されているので、より確実な測定位置が、ベルト本体の残りの部分における表面テクスチャ及び/又は凹凸の結果としての高さ変動とは無関係に、高さレベルにおける段差を検出するために上記測定スロット内で選ばれ得、この段差は、上記測定位置におけるタイヤ構成要素、及び特にその縁部の到達を示し得る。
【0009】
特に、上記測定スロット内の測定位置において高さレベルを監視するとき、測定面の第1の高さレベルが測定され得、これは、搬送平面より下にあり、且つ、それ自体では、タイヤ構成要素の誤検出をトリガしそうにないものである。この第1の高さレベルは、同じ測定位置における搬送平面より上の第2の高さレベルまでの後続の段差が、本当にタイヤ構成要素、及び特にその縁部が上記測定位置に到達したことの結果であるかどうかを決定するための確実な基準として機能し得る。上記測定スロット内の第1の高さレベルから第2の高さレベルまでの段差は、上記ベルトの表面における小さい凹凸又は波形等の表面テクスチャの結果としての、搬送平面より上の高さ変動とは間違えにくい。
【0010】
好都合には、これら高さレベルは、例えば、レーザ三角測量を使用して、排他的に荷搬送側から検出され得、ベルト本体における割れ目又はコンベヤベルトの下の照明手段を必要としない。
【0011】
有利には、測定面は、タイヤ構成要素を支持するのに好適である必要はなく、従って、その高さレベルの確実な測定のために専用化及び/又は最適化され得る。
【0012】
一実施形態では、第1の支持領域、第2の支持領域、及び測定スロットは、横方向におけるベルト幅を共に画定し、測定スロットは、ベルト幅の25パーセントより小さい、横方向におけるスロット幅を有する。好ましくは、スロット幅は、ベルト幅の1~20パーセントの範囲内、好ましくはベルト幅の1~10パーセントの範囲内、最も好ましくはベルト幅の1~5パーセントの範囲内にある。
【0013】
従って、測定スロットは、第1の支持領域と第2の支持領域とによって支持されるタイヤ構成要素が、測定スロット内へのいかなる有意な垂れ下がり(significant sagging)も示さないことを確実にするのに十分に幅が狭くあり得る。その結果として、第1の高さレベルから第2の高さレベルまでの段差は、タイヤ構成要素が上記測定スロットにわたって支持されていないにもかかわらず、確実に検出され得る。追加の利点は、タイヤ構成要素を測定面から完全に離しておくことができ、それによって、上記測定面の汚染を防止していることである。
【0014】
一方、指定された範囲の上限(upper end)において、測定スロットは、依然として十分に幅が広くあり得、これにより、横方向においてその最適な中心に揃えられた位置から揺れ動くコンベヤベルトは、測定スロットを完全には測定領域外に移動させない。
【0015】
更なる実施形態では、測定スロットは、5~100ミリメートルの範囲内、好ましくは10~50ミリメートルの範囲内、最も好ましくは20~40ミリメートルの範囲内にある、横方向におけるスロット幅を有する。このような寸法は、ほとんどのタイヤ構成要素にとって、測定スロット内への支持されていない部分のいかなる有意な垂れ下がりも防止するのに十分に幅が狭くなっている。
【0016】
別の実施形態では、ベルト本体には、各支持領域において、縦方向に延在する波形を有する波形支持面が設けられている。波形は、支持領域とタイヤ構成要素との間の接触面積、摩擦及び/又は付着を低減し得る。波形は、典型的に、絶えず(constantly)変化する高さを持つ山部と谷部とを有し、これらは、互いに容易に区別可能ではなく、タイヤ構成要素を検出するための基準として、確実な測定結果又は高さレベルを提供するようには設計されていない。
【0017】
好ましくは、波形支持面は、波形間の横方向における波形ピッチを有し、波形ピッチは、好ましくは5ミリメートルより小さく、より好ましくは3ミリメートルより小さく、最も好ましくは2ミリメートルより小さく、測定スロットは、波形ピッチの少なくとも2倍、好ましくは波形ピッチの少なくとも5倍、最も好ましくは波形ピッチの少なくとも10倍である、横方向におけるスロット幅を有する。このようなスロット幅により、測定スロットは、波形と容易に区別され得る。
【0018】
代替の実施形態では、ベルト本体は、各支持領域において、搬送平面において延在する平坦な支持面を有し、これは、それぞれの支持領域を完全に画定する。平坦な支持面は、その波形の対応部分(counterpart)よりも少ない高さ変動を有するが、上記平坦な支持面における凹凸は、依然としてタイヤ構成要素の誤検出をトリガし得る。搬送平面の下に延在する凹設された測定面は、搬送平面において延在する平坦な支持面と容易に区別され得る。
【0019】
別の実施形態では、測定面は、少なくとも2分の1ミリメートル、好ましくは少なくとも1ミリメートルの測定深度にわたって、搬送平面から凹み方向に凹んでいる。従って、測定面における第1の高さレベルから第2の高さレベルまでの段差は、少なくとも上記測定深度に等しくなり得る。
【0020】
別の実施形態では、測定面は、特に10分の1ミリメートルより小さい平坦度公差内で平坦である。測定面の平坦性は、その高さレベルの測定が、上記測定面内の任意の測定位置において確実に行われ得ることを確実にする。
【0021】
別の実施形態では、測定面は、搬送平面に平行又は実質的に平行に延在する。その結果として、搬送平面に対する測定面の測定深度は、一定又は実質的に一定に保たれ得る。
【0022】
別の実施形態では、ベルト本体は、横方向における中心を有し、測定スロットは、上記中心に位置する。タイヤ構成要素が上記中心に対しておよそ中心に揃えられた位置において、コンベヤベルト上で搬送される場合、上記タイヤ構成要素は、上記タイヤ構成要素の幅にかかわらず、測定スロットと位置合わせされる、及び/又は測定スロットにわたって延在することになる。
【0023】
代替として、ベルト本体は、横方向における中心を有し、測定スロットは、上記中心に対して中心から外れて位置する。一部のタイヤ構成要素については、中心における縁部は、切断プロセスの結果として、むらがあり(be inconsistent)得るか、又はほつれ得る。このようなタイヤ構成要素は、中心から外れて測定したときに、より確実に検出され得る。
【0024】
別の実施形態では、測定スロットは、縦方向においてベルト本体の長さに沿って連続している。別の実施形態では、ベルト本体は、無端ループにおいて継ぎ合わされ、測定スロットは、無端ループに沿って連続している。従って、タイヤ構成要素は、ベルト本体の長さに沿った任意の測定位置において検出され得る。換言すれば、タイヤ構成要素は、連続的に検出され得る。更に、タイヤ構成要素の先端及び後端は、ベルト本体の上記長さにそって離間した位置において同時に検出され得る。
【0025】
別の実施形態では、測定面は、ベルト本体によって形成されている。測定面がベルト本体の一部であることにより、ベルト本体の整合性(integrity)が確実にされ得る。換言すれば、先行技術の分割コンベヤベルトとは対照的に、ベルト本体は一様に前進され得る。
【0026】
代替として、コンベヤベルトには、測定面を形成するために、測定スロットに挿入された測定インサートが設けられている。測定インサートは、ベルト本体とは異なるように、即ち、より小さい平坦度公差で又は異なる材料特性で、製造され得る。更に、測定インサートは、測定されるタイヤ構成要素Tに必要な特性に応じて交換可能であり得る。
【0027】
好ましくは、測定インサートは、ベルト本体とは色又は組成が異なる材料を備える。従って、測定面は、ベルト本体とより容易に区別され得る。
【0028】
別の実施形態では、測定面は、反射性又は発光性の材料によって形成されている。反射性の測定面は、測定面によって反射される光の量と、タイヤ構成要素によって反射される光の量との間の差を増大させ得る。発光性の材料は、バックライトの光源として機能し、コントラストを増大させ得、及び/又はタイヤ構成要素の輪郭をより容易に観測できるようにし得る。
【0029】
第2の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様の実施形態のいずれか1つによるシステムを使用して、タイヤ構成要素を搬送するための方法を提供し、方法は、
- タイヤ構成要素が横方向において測定スロットにまたがりながら、搬送平面においてタイヤ構成要素を搬送するステップと、
- 測定スロットと重なる視野において高さ値を監視するステップと、
- 測定スロットにおいて、搬送平面より下の第1の高さレベルから搬送平面より上の第2の高さレベルまでの、高さ値における段差を検出するステップと、を備える。
【0030】
方法は、コンベヤベルト上のタイヤ構成要素を検出するための方法のステップにおけるコンベヤベルトの実用的な実装形態に関し、従って、コンベヤベルトに関連して上述したものと同じ技術的利点を有する。これらの利点は、以降繰り返されない。
【0031】
方法の一実施形態では、高さ値は、上記視野内でレーザ三角測量を使用して監視される。
【0032】
別の実施形態では、方法は、第1の高さレベルから第2の高さレベルまでの、高さ値における段差を、タイヤ構成要素の縁部として識別するステップを更に備える。
【0033】
方法の更なる実施形態では、タイヤ構成要素は、測定面から完全に離れたままであり、それによって、上記測定面の汚染を防止している。
【0034】
本明細書に記載され、示された様々な態様及び特徴は、可能な限り、個々に適用され得る。これらの個々の態様、特に、添付の従属請求項に記載される態様及び特徴は、分割特許出願の主題となり得る。
【0035】
本発明は、添付の概略的な図面に示される例示的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、タイヤ構成要素を搬送するためのコンベヤベルトを備える、本発明の第1の例示的な実施形態によるシステムの断面図を示す。
図2図2は、図1によるコンベヤベルトの上面図を示す。
図3図3は、本発明の第2の例示的な実施形態による代替のコンベヤベルトの断面図を示す。
図4図4は、本発明の第3の例示的な実施形態による代替のコンベヤベルトの断面図を示す。
図5図5は、本発明の第4の例示的な実施形態による代替のコンベヤベルトの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、コンベヤ400と、測定ユニット501と、レーザ三角測量セットアップにおいて測定ユニット501と協働するためのレーザユニット502と、測定ユニット501からの信号又はデータを処理するための制御ユニット503と、を備えるシステム500を示す。
【0038】
コンベヤ400は、本発明の第1の例示的な実施形態によるコンベヤベルト1を備える。コンベヤベルト1は、シート状物品を搬送するために使用される。この例では、コンベヤベルト1は、タイヤ構成要素T、例えば、インナーライナ、ボディプライ、ブレーカプライ、サイドウォール、ストリップ、トレッド、又は、例えばプレアセンブリなどのこれらの組合せを搬送するために、タイヤ組立て又はタイヤ製造のプロセスにおいて使用される。このようなタイヤ構成要素Tは、典型的に、未加硫のゴム又はエラストマー材料を備え、これは、依然として比較的柔らかく粘着性である。
【0039】
コンベヤベルト1は、縦方向Xに延在するベルト本体2を備える。この例では、上記縦方向Xにおけるベルト本体2の両端は、無端ループを形成するように接合又は継ぎ合わされている。コンベヤ400は、上記無端ループの上部ランに沿って、搬送方向にベルト本体2を案内及び/又は前進させるための1つ以上のプーリ(図示せず)を更に備え得る。
【0040】
図1で最もよく分かるように、ベルト本体2は、荷担持側又は荷搬送側Aと、上記荷搬送側Aの反対側の非搬送側Bと、を有する。荷搬送側Aは、タイヤ構成要素Tを支持するための搬送平面Pを画定する。荷搬送側Aは上向きであり、従って、重力の影響下で搬送平面Pにおいてベルト本体2上にタイヤ構成要素Tを支持及び保持し得る。
【0041】
図2で最もよく分かるように、コンベヤベルト1は、荷搬送側Aにおいて、ベルト本体2を通って縦方向Xに延在する測定スロット3を画定する。特に、測定スロット3は、縦方向Xにおいてベルト本体2の長さに沿って連続している。より具体的には、測定スロット3は、上記ベルト本体2の無端ループに沿って連続している。
【0042】
ベルト本体2は、荷搬送側Aにおいて、横方向Yにおいて測定スロット3の両側に延在する第1の支持領域A1及び第2の支持領域A2を更に画定するか又は備える。第1の支持領域A1及び第2の支持領域A2は、搬送平面Pにおいてタイヤ構成要素Tを共に支持するように、構成、配置又は適合されている。換言すれば、第1の支持領域A1及び第2の支持領域A2は、タイヤ構成要素Tが両方の支持領域A1、A2によって同時に支持され得るように、互いに対して位置決めされている。好ましくは、使用中、タイヤ構成要素Tは、上記前述の支持領域A1、A2のみによって支持される。
【0043】
第1の支持領域A1、第2の支持領域A2、及び測定スロット3は、横方向Yにおけるベルト幅W1を共に画定する。この例では、横方向Yにおけるコンベヤベルト1の全幅が、ベルト幅W1に対応する。代替として、コンベヤベルト1の全幅は、例えば、ベルト本体2にタイヤ構成要素Tを支持するように意図されていない1つ以上の縁部領域が設けられている場合、より幅が広くなり得る。測定スロット3は、横方向Yにおけるスロット幅W2を有する。
【0044】
この例では、ベルト本体2は、特にベルト幅W1の半分において、横方向Yにおける中心Mを有する。測定スロット3は、上記中心Mにおいて又は上記中心Mに位置する。更に、ベルト本体2は、上記中心Mに対して対称であり得る。
【0045】
図面における第1の支持領域A1、第2の支持領域A2、及び測定スロット3の縮尺及び/又は比率は、コンベヤベルト1の特徴をより明確に示すために誇張されており、いかなる形でも、以下で言及されるような実際の縮尺及び/又は比率を反映するようにはなっていないことが指摘される。現に、実際には、ベルト幅W1は、1000ミリメートル(1メートル)を超え得、一方、スロット幅W2は、10ミリメートル(ベルト幅W1の1パーセント)程度の小ささであり得る。
【0046】
測定スロット3は、好ましくは、図1に示すように、タイヤ構成要素Tが測定スロット3の位置において支持されないような寸法及び/又は形状にされる。この条件は、コンベヤベルト1上で支持されているタイヤ構成要素Tの材料特性に依存することが理解されよう。しかしながら、ほとんどのタイヤ構成要素Tについては、横方向Yにおけるスロット幅W2が、ベルト幅W1の25パーセントより小さくあれば十分である。タイヤ構成要素Tの材料特性に応じて、スロット幅W2は、ベルト幅W1の1~10パーセントの範囲内又はベルト幅W1の1~5パーセントの範囲内にさえあり得る。絶対数では、スロット幅W2は、5~100ミリメートルの範囲内、好ましくは10~50ミリメートルの範囲内、より好ましくは20~40ミリメートルの範囲内にあり得る。
【0047】
この例では、ベルト本体2には、各支持領域A1、A2において、上記支持領域A1、A2内のタイヤ構成要素Tとの接触面積、摩擦及び/又は付着を低減するために、波形支持面21、22が設けられている。特に、支持面A1、A2には、縦方向Xに延在する波形23、例えば、山部と谷部とが設けられている。波形23の山部は、搬送平面P内に延在し、搬送平面Pを画定する。
【0048】
図中の波形23の数は、いかなる形でも、波形23の実際の数を反映するようにはなっていないことに留意されたい。現に、実際には、両方の支持面A1、A2の組み合わせは、500個又は1000個を超える波形23を特徴とし得る。波形23は、1ミリメートル程度の小ささである波形ピッチW3、即ち、横方向Yにおける波形23間の山部から山部までの距離を有し得る。この例では、波形23は、1ミリメートルより小さい、好ましくは約2分の1ミリメートルの波形深度D1を有する。
【0049】
スロット幅W2の先の仕様の代替として、スロット幅W2は、波形ピッチW3の少なくとも2倍、好ましくは波形ピッチW3の少なくとも5倍、最も好ましくは波形ピッチW3の少なくとも10倍であると更に定義され得る。
【0050】
図1で最もよく分かるように、測定スロット3は、少なくとも2分の1ミリメートル、好ましくは少なくとも1ミリメートルのスロット深度D3にわたって、搬送平面Pを横断する又は搬送平面Pに垂直な凹み方向Zにおいて、搬送平面Pから凹んでいる。この例では、スロット深度は、波形深度D1に等しいか又は実質的に等しい。
【0051】
測定スロット3は、第1の支持領域A1及び第2の支持領域A2におけるベルト本体2とは、幾何学的に異なるか、識別可能であるか、又は区別可能である。本発明の文脈において、「区別可能である」という用語は、異なるものとして認識又は識別できる程度に明瞭なものとして解釈されるべきである。「幾何学的に」という用語は、測定スロット3及び支持領域A1、A2の輪郭を構成する形状、線、縁部、表面、及び/又は点の、関係、スケール、及び/又は比率に関する。特に、搬送平面Pより下に又は搬送平面Pに対して、ベルト本体2における上記測定スロット3によって画定される凹部は、波形23間の谷部及び搬送平面Pと形状、サイズ又は比率が著しく異なる。
【0052】
本発明の目的のために、測定スロット3は、測定ユニット501、特に、光学カメラ又はラインスキャンカメラ等の光学撮像装置を使用して、好ましくは、レーザユニット502によって支援されて、即ち、レーザ三角測量を用いて、支持領域A1、A2と区別可能である。好ましくは、測定スロット3はまた、人間の目又は裸眼で支持領域A1、A2と区別可能である。
【0053】
コンベヤベルト2の製造プロセスの通常の公差内にある差は、測定スロット3を支持領域A1、A2と区別するのに好適でないと見なされることに留意されたい。換言すれば、測定スロット3は、設計によって幾何学的に異なり、それによって、意図しない及び/又は微視的な変動を除外する。
【0054】
図1に示すように、コンベヤベルト1には、スロット深度D3に等しい測定深度D2において、測定スロット3において搬送平面Pから凹み方向Zに凹んだ測定面30が設けられている。この例では、測定面30は、測定スロット3の底部において、又は底部によって形成されており、これは、ベルト本体2の一部、特に一体部分である。従って、測定面30は、ベルト本体2と同じ材料から作製される。測定面30は、オプションで、測定面30をベルト本体2の残りの部分からより明確に区別するために、コントラストを成すか、発光性か、若しくは反射性の層又はフィルムで、コーティング、塗装又は処理され得る。
【0055】
測定面30は、平坦である。特に、測定面30は、搬送平面Pに平行又は実質的に平行に延在する。好ましくは、測定面30は、10分の1ミリメートルより小さい平坦度公差内で平坦である。本発明の文脈において、「平坦度公差」という用語は、測定面30全体がその間に位置しなければならない2つの平行な平面間の距離を示す値として解釈されるべきである。好ましくは、測定面30は、スロット幅W2について先に規定したものと同じ制約を受ける幅を有する。特に、測定面30は、少なくとも80パーセント、好ましくは少なくとも90パーセント、最も好ましくはスロット幅W2全体にわたって延在する。
【0056】
図3は、本発明の第2の例示的な実施形態による代替のコンベヤベルト101を示しており、これは、ベルト本体102に、測定インサート104を受容するのに十分なスロット深度D3を有する測定スロット103が設けられているという点で、前述のコンベヤベルト1とは異なる。測定インサート104は、上記スロット深度D3より小さい測定深度D2において、測定面140を形成又は画定する。測定インサート104は、ベルト本体102とは色又は組成が異なる材料、例えば、コントラストを成すか、反射性か、又は発光性の材料を備え得る。測定インサート104は、測定されるタイヤ構成要素Tに必要な特性に応じて交換可能であり得る。
【0057】
図4は、本発明の第3の例示的な実施形態による更なる代替のコンベヤベルト201を示しており、これは、ベルト本体202に、上記ベルト本体202の中心Mに対して中心から外れて位置する測定スロット203が設けられているという点で、前述のコンベヤベルト1、101とは異なる。これは、測定されるべきタイヤ構成要素Tの形状が中心Mにおいてむらがあるか又は不規則であり、縁部Eが中心から外れた位置でより確実に決定され得るときに有益であり得る。
【0058】
図5は、本発明の第4の例示的な実施形態による更なる代替のコンベヤベルト301を示しており、これは、ベルト本体302が、各支持領域A1、A2において、搬送平面Pにおいて延在する平坦な支持面321、322を有するという点で、前述のコンベヤベルト1、101、201とは異なる。平坦な支持面321、322は、それぞれの支持領域A1、A2を完全に画定する。
【0059】
次に、タイヤ構成要素Tを搬送するための方法を、図1及び図2によるコンベヤベルト1を使用して以下に説明する。同じ方法はまた、必要な変更を加えて、それぞれ図3図4及び図5のコンベヤベルト101、201、301にも適用され得ることが理解されよう。
【0060】
方法の第1のステップにおいて、タイヤ構成要素Tは、タイヤ構成要素Tが横方向Yにおいて測定スロット3に橋架されるか、またがるか、又はそれにわたって延在しながら、搬送平面Pにおいて運搬又は搬送される。
【0061】
図1に示すように、レーザユニット502は、レーザ三角測量によって、凹み方向Zにおける高さ値Hを測定することを目的として、レーザ投影、この例では、レーザ線L1、L2を、測定ユニット501の光軸に対して斜角を成してコンベヤベルト1上に放射又は投影するように構成されている。レーザ投影は、代替として、1つ以上のレーザ点、レーザドット、又は別の好適な形状を備え得る。特に、レーザ線L1、L2は、それが測定スロット3にわたって横方向Yに延在するように投影される。図1では、レーザユニット502は、横方向平面において、測定ユニット501に対して角度的にオフセットされている。しかしながら、実際には、レーザユニット502は、おそらく縦方向平面において、測定ユニット501に対して角度的にオフセットされるであろう。この例では、測定ユニット501は、その光軸が搬送平面Pに垂直になるように配置されており、レーザユニット502は、上記搬送平面Pに対して斜角を成して配置されている。代替として、レーザユニット502は、測定ユニット501が角度的にオフセットされた状態で、垂直に配置され得る。測定ユニット501は、測定スロット3と重なる視野FOVを有する。
【0062】
概略的に、図1及び図2は、タイヤ構成要素Tがある場合とない場合との2つのレーザ線L1、L2の挙動を比較するために、わずかにオフセットしたやり方で上記レーザ線L1、L2を示していることに留意されたい。しかしながら、2つのレーザ線L1、L2は、同じレーザ線L1、L2であり得、即ち、コンベヤベルト1上の同じ位置に投影されるが、異なる瞬間(moments in time)に投影される。特に、第1のレーザ線L1は、タイヤ構成要素Tが上記レーザ線L1の位置において測定スロット3を覆っていないときに、コンベヤベルト1上に投影されるレーザ線である。第2のレーザ線L2は、タイヤ構成要素Tが上記レーザ線L2の位置において測定スロットを覆うときに、コンベヤベルト1及び/又はタイヤ構成要素T上に投影される同じ又は別のレーザ線である。
【0063】
タイヤ構成要素Tの搬送中、測定ユニット501からの高さ値Hは、連続的に又は間隔を置いて監視される。測定ユニット501からの信号又はデータは、制御ユニット503によって受信及び/又は処理される。
【0064】
第1のレーザ線L1について、支持領域A1、A2の山部において測定された高さ値Hは、搬送平面Pに対応する基準レベルH0にあることに留意されたい。波形23の谷部は、他の高さ値Hを返し得るが、これらの変動は、比較的狭い谷部においてのみ生じ、全体としての支持領域A1、A2の基準レベルH0に対するノイズとして打ち消され(cancelled out)得る。
【0065】
対照的に、第1のレーザ線L1のケースで依然として露出されている測定面30において、搬送平面Pより下の第1の高さレベルH1は、持続的若しくは連続的なやり方で、及び/又はスロット幅W2の実質的な部分にわたって、一貫して検出又は測定され得る。換言すれば、測定スロット3は、支持領域A1、A2と容易に区別され得、測定スロット3に凹設された測定面30の第1の高さレベルH1は、確実に測定、検出、及び/又は決定され得る。測定スロット3の側面では、基準レベルH0と第1の高さレベルH1との間の高さ値Hにおける段差が観測され得る。
【0066】
タイヤ構成要素Tがコンベヤベルト1の縦方向Xにおいて搬送されると、それは、やがて第1のレーザ線L1の位置に到達し、次いで、これは、第2のレーザ線L2に変化する。先に述べたように、測定スロット3は、タイヤ構成要素Tが測定スロット3においては支持されないままであるような寸法及び/又は形状にされる。更に、タイヤ構成要素Tは、測定面30から完全に離れたままであるべきである。特に、スロット幅W2は、タイヤ構成要素Tの支持されていない部分が、支持領域A1、A2において支持されているタイヤ構成要素Tの残りの部分に対して、測定スロット3内へのいかなる有意な垂れ下がりも示さないように選ばれる。
【0067】
その結果として、タイヤ構成要素Tの全幅にわたって、高さ値Hは、搬送平面Pより上の第2の高さレベルH2まで増大することになる。換言すれば、第2の高さレベルH2は、基準レベルH0及び第1の高さレベルH1より大きい。より具体的には、測定スロット3において、第1の高さレベルH1から第2の高さレベルH2までの、第1のレーザ線L1と第2のレーザ線L2との間の高さ値Hにおける段差が検出され得る。この段差は、基準レベルH0から第2の高さレベルH2までの段差よりもかなり大きく、従って、タイヤ構成要素T、より具体的にはその縁部Eが、第2のレーザ線L2の位置に到達したか又は通過したことを識別するための確実な指標として使用され得る。図1の制御ユニット503は、測定ユニット501から受信した信号及び/又はデータを監視、記憶及び/又は処理して、上記段差を検出し、及び/又はこの段差を上記タイヤ構成要素Tの縁部Eとして決定及び/又は識別するように、構成、プログラム、適合及び/又は配置されている。
【0068】
この方法は、タイヤ構成要素Tの所謂「先端」又は「前縁」を検出するために使用され得る。同じ方法がまた、同じタイヤ構成要素Tの所謂「後端」又は「後縁」を、上記両端部間又は上記両縁部間のタイヤ構成要素Tの長さを決定することを目的として検出するために使用され得る。
【0069】
上記の説明は、好ましい実施形態の動作を例示するために含まれており、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。以上の説明から、本発明の範囲に更に包含されることになるであろう多くの変形例が、当業者には明らかであろう。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] タイヤ構成要素を搬送するためのコンベヤと、測定ユニットと、を備えるシステムにおいて、
前記コンベヤは、コンベヤベルトを備え、
前記コンベヤベルトは、縦方向に延在し且つ荷搬送側を有するベルト本体を備え、
前記ベルト本体は、前記荷搬送側において、搬送平面において前記タイヤ構成要素を共に支持するための第1の支持領域及び第2の支持領域を画定し、
前記コンベヤベルトは、前記荷搬送側において、前記ベルト本体において前記縦方向に延在する測定スロットを備え、
前記測定スロットは、前記縦方向に垂直な横方向において、前記第1の支持領域と前記第2の支持領域との間に位置し、
前記測定スロットは、前記第1の支持領域及び前記第2の支持領域における前記ベルト本体とは幾何学的に異なるように設計されており、
前記コンベヤベルトには、前記測定スロットにおいて、前記搬送平面から前記搬送平面を横断する凹み方向に凹んだ測定面が設けられており、
前記測定ユニットは、視野を有し、
前記測定ユニットは、前記視野が前記視野において高さ値を測定するための前記測定スロットと重なるように、前記コンベヤに対して位置決めされており、
前記システムは、
- 前記視野において前記測定ユニットによって測定された前記高さ値を監視することと、
- 前記測定スロットにおいて、前記搬送平面より下の第1の高さレベルから前記搬送平面より上の第2の高さレベルまでの、前記高さ値における段差を検出することと、
を行うように構成された制御ユニットを更に備える、システム。
[2] 前記第1の支持領域、前記第2の支持領域、及び前記測定スロットは、前記横方向におけるベルト幅を共に画定し、前記測定スロットは、前記ベルト幅の25パーセントより小さい、前記横方向におけるスロット幅を有する、[1]に記載のシステム。
[3] 前記スロット幅は、前記ベルト幅の1~20パーセントの範囲内、好ましくは前記ベルト幅の1~10パーセントの範囲内、最も好ましくは前記ベルト幅の1~5パーセントの範囲内にある、[2]に記載のシステム。
[4] 前記測定スロットは、5~100ミリメートルの範囲内、好ましくは10~50ミリメートルの範囲内、最も好ましくは20~40ミリメートルの範囲内にある、前記横方向におけるスロット幅を有する、[1]又は[2]に記載のシステム。
[5] 前記ベルト本体には、各支持領域において、前記縦方向に延在する波形を有する波形支持面が設けられている、[1]~[4]のいずれか一項に記載のシステム。
[6] 前記波形支持面は、前記波形間の前記横方向における波形ピッチを有し、前記測定スロットは、前記波形ピッチの少なくとも2倍、好ましくは前記波形ピッチの少なくとも5倍、最も好ましくは前記波形ピッチの少なくとも10倍である、前記横方向におけるスロット幅を有する、[5]に記載のシステム。
[7] 前記波形ピッチは、5ミリメートルより小さく、好ましくは3ミリメートルより小さく、最も好ましくは2ミリメートルより小さい、[6]に記載のシステム。
[8] 前記ベルト本体は、各支持領域において、前記搬送平面において延在する平坦な支持面を有し、これは、それぞれの前記支持領域を完全に画定する、[1]~[4]のいずれか一項に記載のシステム。
[9] 前記測定面は、少なくとも2分の1ミリメートル、好ましくは少なくとも1ミリメートルの測定深度にわたって、前記搬送平面から前記凹み方向に凹んでいる、[1]~[8]のいずれか一項に記載のシステム。
[10] 前記測定面は、平坦である、[1]~[9]のいずれか一項に記載のシステム。
[11] 前記測定面は、10分の1ミリメートルより小さい平坦度公差内で平坦である、[1]~[9]のいずれか一項に記載のシステム。
[12] 前記測定面は、前記搬送平面に平行又は実質的に平行に延在する、[10]又は[11]に記載のシステム。
[13] 前記ベルト本体は、前記横方向における中心を有し、前記測定スロットは、前記中心に位置する、[1]~[12]のいずれか一項に記載のシステム。
[14] 前記ベルト本体は、前記横方向における中心を有し、前記測定スロットは、前記中心に対して中心から外れて位置する、[1]~[12]のいずれか一項に記載のシステム。
[15] 前記測定スロットは、前記縦方向において前記ベルト本体の長さに沿って連続している、[1]~[14]のいずれか一項に記載のシステム。
[16] 前記ベルト本体は、無端ループにおいて継ぎ合わされ、前記測定スロットは、前記無端ループに沿って連続している、[1]~[15]のいずれか一項に記載のシステム。
[17] 前記測定面は、前記ベルト本体によって形成されている、[1]~[16]のいずれか一項に記載のシステム。
[18] 前記コンベヤベルトには、前記測定面を形成するために、前記測定スロットに挿入された測定インサートが設けられている、[1]~[16]のいずれか一項に記載のシステム。
[19] 前記測定インサートは、前記ベルト本体とは色又は組成が異なる材料を備える、[18]に記載のシステム。
[20] 前記測定面は、反射性又は発光性の材料によって形成されている、[1]~[19]のいずれか一項に記載のシステム。
[21] 前記システムは、前記視野内の前記コンベヤベルト上にレーザ投影、特にレーザ線を投影するための、前記測定ユニットと角度的にオフセットされたレーザユニットを更に備える、[1]~[20]のいずれか一項に記載のシステム。
[22] 前記レーザ投影は、前記測定スロットにわたって前記横方向に延在する、[21]に記載のシステム。
[23] [1]~[22]のいずれか一項に記載のシステムを使用して、タイヤ構成要素を搬送するための方法であって、前記方法は、
- 前記タイヤ構成要素が前記横方向において前記測定スロットにまたがりながら、前記搬送平面において前記タイヤ構成要素を搬送するステップと、
- 前記測定スロットと重なる視野において高さ値を監視するステップと、
- 前記測定スロットにおいて、前記搬送平面より下の第1の高さレベルから前記搬送平面より上の第2の高さレベルまでの、前記高さ値における段差を検出するステップと、
備える、方法。
[24] 前記高さ値は、前記視野内でレーザ三角測量を使用して監視される、[23]に記載の方法。
[25] 前記方法は、前記第1の高さレベルから前記第2の高さレベルまでの、前記高さ値における前記段差を、前記タイヤ構成要素の縁部として識別するステップを更に備える、[23]又は[24]に記載の方法。
[26] 前記タイヤ構成要素は、前記測定面から完全に離れたままである、[23]~[25]のいずれか一項に記載の方法。
【0070】
[参照番号のリスト]
1 コンベヤベルト
2 ベルト本体
21 第1の支持面
22 第2の支持面
23 波形
3 測定スロット
30 測定面
101 代替のコンベヤベルト
102 ベルト本体
103 測定スロット
104 測定インサート
140 測定面
201 更なる代替のコンベヤベルト
202 ベルト本体
203 測定スロット
301 更なる代替のコンベヤベルト
302 ベルト本体
321 第1の支持面
322 第2の支持面
303 測定スロット
400 コンベヤ
500 システム
501 測定ユニット
502 レーザユニット
503 制御ユニット
A 荷搬送側
A1 第1の支持領域
A2 第2の支持領域
B 非搬送側
D1 波形深度
D2 測定深度
D3 スロット深度
E 縁部
H 高さ値
H0 基準レベル
H1 第1の高さレベル
H2 第2の高さレベル
FOV 視野
L1 第1のレーザビーム
L2 第2のレーザビーム
M 中心
P 搬送平面
T タイヤ構成要素
W1 ベルト幅
W2 スロット幅
W3 波形ピッチ
X 縦方向
Y 横方向
Z 凹み方向
図1
図2
図3
図4
図5