(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20241021BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20241021BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20241021BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B57/00 D
G16Y40/20
G16Y40/30
(21)【出願番号】P 2023552751
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 JP2022033196
(87)【国際公開番号】W WO2023058375
(87)【国際公開日】2023-04-13
【審査請求日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】P 2021164214
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000206233
【氏名又は名称】大成ラミック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】柴▲崎▼ 知宏
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特許第6436156(JP,B2)
【文献】特開2009-255961(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
G16Y 40/20
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の包装装置とネットワークを介して通信可能に接続されている情報処理装置であって、
制御部と、記憶部と、を備え、前記制御部は、
前記包装装置及び包材を用いて前記包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を前記複数の包装装置から取得し、
前記包材情報及び前記内容物情報に前記包装条件を関連付けて前記製造情報を前記記憶部に格納し、
前記包装条件のうち第1包装条件について、前記包材情報及び前記内容物情報に応じた第1設定値分布を生成する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記包装条件のうち第2包装条件について、前記第1設定値分布における設定値に応じた第2設定値分布を生成する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記包装条件のうち第3包装条件について、前記第2設定値分布における設定値に応じた第3設定値分布を生成する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記第1包装条件は、包装速度を含み、
前記第2包装条件は、シール温度を含み、
前記第3包装条件は、シール圧力を含む、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記包装装置によって製造された前記製品が良品であったと判定すると、良品であったと判定された前記製品についての前記製造情報のみを用いて設定値分布の生成処理を実行する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記包装装置によって製造された前記製品の製造個数及び連続製造時間のうちの少なくとも一方が閾値に達すると前記製品が良品であったと判定する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記製造情報を前記複数の包装装置から取得するたびに設定値分布を更新する、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記製造情報を前記情報処理装置に提供する前記複数の包装装置と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項9】
複数の包装装置とネットワークを介して通信可能に接続されている情報処理装置に、
前記包装装置及び包材を用いて前記包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を前記複数の包装装置から取得するステップと、
前記包材情報及び前記内容物情報に前記包装条件を関連付けて前記製造情報を記憶するステップと、
前記包装条件のうち第1包装条件について、前記包材情報及び前記内容物情報に応じた第1設定値分布を生成するステップと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【請求項10】
情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている包装装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
包材を用いて前記包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を前記情報処理装置に提供し、
前記包装条件のうち第1包装条件について、前記包材情報及び前記内容物情報に応じた第1設定値分布を前記情報処理装置から取得し、
前記包材情報及び前記内容物情報に関するユーザの入力内容に応じて、対応する前記第1設定値分布をユーザに対して出力する、
包装装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年10月5日に日本国に特許出願された特願2021-164214の優先権を主張するものであり、この出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び包装装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、包装装置は、包材に内容物が包装されることで得られる製品を製造するために用いられる。このとき、包材構成、内容物、及び包装温度などを含む包装条件を含む製造情報の多様性によって製造に関する明確な基準が定まっておらず、ユーザは、包装条件を決定するために膨大な量の包装試験を行う必要があった。
【0004】
このような背景のもとで、例えば特許文献1には、包装装置の設定を適切かつ簡単に行う包装システムが開示されている。包装装置は、包装装置の機種と被包装物の種類とに対応する包装設定情報を記憶する外部のサーバと通信可能であるとともに、包装設定情報を用いて被包装物を包装する。包装装置は、当該包装装置の機種の選択と被包装物の種類の選択とを選択画面を介して受け付け可能であり、選択を受け付けた当該包装装置の機種と被包装物の種類とに対応する包装設定情報をサーバから受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、包装装置の機種と被包装物の種類とに対応する包装設定情報が予め定められた情報としてサーバに蓄積されている。ユーザは、これらの予め定められた情報の中から、包装装置の機種の選択と被包装物の種類の選択とに基づいて決められた情報しか得ることができない。ユーザは、包装条件を客観的に、かつ全体的に把握しながら自身で自由に設定することが困難であった。
【0007】
本開示は、ユーザが包装条件を客観的に、かつ全体的に把握しながら自身で設定可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の幾つかの実施形態に係る情報処理装置は、
複数の包装装置とネットワークを介して通信可能に接続されている情報処理装置であって、
制御部と、記憶部と、を備え、前記制御部は、
前記包装装置及び包材を用いて前記包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を前記複数の包装装置から取得し、
前記包材情報及び前記内容物情報に前記包装条件を関連付けて前記製造情報を前記記憶部に格納し、
前記包装条件のうち第1包装条件について、前記包材情報及び前記内容物情報に応じた第1設定値分布を生成する。
【0009】
一実施形態において、前記制御部は、前記包装条件のうち第2包装条件について、前記第1設定値分布における設定値に応じた第2設定値分布を生成してもよい。
【0010】
一実施形態において、前記制御部は、前記包装条件のうち第3包装条件について、前記第2設定値分布における設定値に応じた第3設定値分布を生成してもよい。
【0011】
一実施形態において、
前記第1包装条件は、包装速度を含み、
前記第2包装条件は、シール温度を含み、
前記第3包装条件は、シール圧力を含んでもよい。
【0012】
一実施形態において、前記制御部は、前記包装装置によって製造された前記製品が良品であったと判定すると、良品であったと判定された前記製品についての前記製造情報のみを用いて設定値分布の生成処理を実行してもよい。
【0013】
一実施形態において、前記制御部は、前記包装装置によって製造された前記製品の製造個数及び連続製造時間のうちの少なくとも一方が閾値に達すると前記製品が良品であったと判定してもよい。
【0014】
一実施形態において、前記制御部は、前記製造情報を前記複数の包装装置から取得するたびに設定値分布を更新してもよい。
【0015】
本開示の幾つかの実施形態に係る情報処理システムは、
上記のいずれかの情報処理装置と、
前記製造情報を前記情報処理装置に提供する前記複数の包装装置と、
を備える。
【0016】
本開示の幾つかの実施形態に係るプログラムは、
複数の包装装置とネットワークを介して通信可能に接続されている情報処理装置に、
前記包装装置及び包材を用いて前記包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を前記複数の包装装置から取得するステップと、
前記包材情報及び前記内容物情報に前記包装条件を関連付けて前記製造情報を記憶するステップと、
前記包装条件のうち第1包装条件について、前記包材情報及び前記内容物情報に応じた第1設定値分布を生成するステップと、
を含む動作を実行させる。
【0017】
本開示の幾つかの実施形態に係る包装装置は、
情報処理装置とネットワークを介して通信可能に接続されている包装装置であって、
制御部を備え、前記制御部は、
包材を用いて前記包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を前記情報処理装置に提供し、
前記包装条件のうち第1包装条件について、前記包材情報及び前記内容物情報に応じた第1設定値分布を前記情報処理装置から取得し、
前記包材情報及び前記内容物情報に関するユーザの入力内容に応じて、対応する前記第1設定値分布をユーザに対して出力する。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び包装装置によれば、ユーザが包装条件を客観的に、かつ全体的に把握しながら自身で設定可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示す構成図である。
【
図2】
図1の情報処理装置、包装装置、及び端末装置のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1の情報処理システムにより実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図4】
図1の情報処理装置により実行される情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図5】包装装置と通信可能に接続されている端末装置の出力部に表示された、第1設定値分布を含む出力画像の一例を示す模式図である。
【
図6】包装装置と通信可能に接続されている端末装置の出力部に表示された、第2設定値分布を含む出力画像の一例を示す模式図である。
【
図7】包装装置と通信可能に接続されている端末装置の出力部に表示された、第3設定値分布を含む出力画像の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成を示す構成図である。
図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、包装装置20及び端末装置30の組を複数有する。
【0022】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10について1つのみ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10の数は2つ以上であってもよい。
図1では説明の簡便のため、包装装置20及び端末装置30について1組のみ図示しているが、情報処理システム1が有する包装装置20及び端末装置30は2組以上である。情報処理装置10、複数の包装装置20、及び複数の端末装置30のそれぞれは、例えば移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0023】
情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0024】
包装装置20は、例えば包材に内容物を包装し、内容物を含む包装体としての製品を製造する任意の装置である。包装装置20は、設定された包装条件に基づいて、縦シール処理及び横シール処理を包材に対して実行しながら、当該包材に内容物を包装する。包装装置20は、情報処理装置10とネットワーク40を介して通信可能に接続されている。
【0025】
端末装置30は、例えばPC、スマートフォン、又はタブレット端末などの汎用の電子機器である。端末装置30は、例えば、包装装置20のユーザが使用する電子機器である。端末装置30は、包装装置20と通信可能に接続されている。端末装置30は、ユーザからの入力情報を包装装置20に送信したり、ユーザへの出力情報を包装装置20から受信したりする。端末装置30は、以上に限定されず、包装装置20のユーザが使用する1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置であってもよいし、情報処理システム1に専用の電子機器であってもよい。
【0026】
一実施形態の概要として、情報処理装置10は、複数の包装装置20とネットワーク40を介して通信可能に接続されている。情報処理装置10は、包装装置20及び包材を用いて包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を複数の包装装置20から取得する。
【0027】
本明細書において、「包材」は、例えばフィルム、瓶、及び缶などを含む。「包材情報」は、例えば包材構成を含む。包材がフィルムである場合、包材情報は、例えば層構成、各層に用いられる材料、厚み、及びフィルム幅などを含む。包材情報は、例えば材料の製造業者及びグレードなどの情報をさらに含んでもよい。「内容物情報」は、例えば内容物の種類及び内容物の温度などを含む。内容物は、液体であってもよいし固体であってもよい。「包装条件」は、包材がフィルムである場合、例えば包装速度、シール温度、及びシール圧力などを含む。シール温度は、縦シール温度及び横シール温度などを含む。シール圧力は、縦シール圧力及び横シール圧力などを含む。シール圧力は、包材の幅方向における一端での圧力及び他端での圧力の少なくとも一方を含んでもよい。
【0028】
情報処理装置10は、包材情報及び内容物情報に包装条件を関連付けて製造情報を記憶する。情報処理装置10は、包装条件のうち第1包装条件について、包材情報及び内容物情報に応じた第1設定値分布を生成する。
【0029】
図2は、
図1の情報処理装置10、包装装置20、及び端末装置30のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10、包装装置20、及び端末装置30のそれぞれの構成の一例について主に説明する。
【0030】
図2に示すとおり、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0031】
通信部11は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部11は、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含む。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0032】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部11により受信又は送信される各種情報などを記憶する。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能である。
【0033】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0034】
情報処理システム1に含まれる包装装置20の構成について主に説明する。
図2に示すとおり、包装装置20は、通信部21、記憶部22、取得部23、入力部24、出力部25、及び制御部26を有する。
【0035】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部21は、4G及び5Gなどの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含む。一実施形態において、包装装置20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0036】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部22は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22は、包装装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部21により受信又は送信される各種情報などを記憶する。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能である。
【0037】
取得部23は、包装条件に含まれる各パラメータの値を取得可能な任意のセンサを含む。取得部23は、包装速度を取得可能な任意のエンコーダを含む。取得部23は、シール温度を取得可能な任意の熱電対を含む。取得部23は、シール圧力を取得可能な任意の圧力センサを含む。その他にも、取得部23は、内容物の温度を取得可能な任意の温度センサ及び包装中の包材に関する包材情報を取得可能な任意の読取モジュールを含む。例えば、読取モジュールは、包装中の包材に付されているQR(Quick Response)コードなどの二次元バーコード及びRF(Radio Frequency)タグなどを読み取り可能な任意のモジュールを含む。
【0038】
入力部24は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部24は、物理キー、静電容量キー、出力部25のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0039】
出力部25は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部25は、情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカなどであるが、これらに限定されない。
【0040】
制御部26は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部26は、包装装置20を構成する各構成部と通信可能に接続され、包装装置20全体の動作を制御する。
【0041】
情報処理システム1に含まれる端末装置30の構成について主に説明する。
図2に示すとおり、端末装置30は、通信部31、記憶部32、入力部33、出力部34、及び制御部35を有する。
【0042】
通信部31は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部31は、4G及び5Gなどの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含む。一実施形態において、端末装置30は、通信部31を介してネットワーク40に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0043】
記憶部32は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部32は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、端末装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部31により受信又は送信される各種情報などを記憶する。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能である。
【0044】
入力部33は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部33は、物理キー、静電容量キー、出力部34のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含む。
【0045】
出力部34は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部34は、情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカなどであるが、これらに限定されない。
【0046】
制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部35は、端末装置30を構成する各構成部と通信可能に接続され、端末装置30全体の動作を制御する。
【0047】
図3は、
図1の情報処理システム1により実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
図3を参照しながら、
図1の情報処理システム1が実行する情報処理方法の一例について説明する。
図3に示すシーケンス図は、情報処理システム1により実行される情報処理方法の基本的な処理の流れを示す。
【0048】
ステップS100では、複数の包装装置20のうちの一の包装装置20の制御部26は、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を取得部23及び入力部24などを用いて取得する。
【0049】
ステップS101では、複数の包装装置20のうちの一の包装装置20の制御部26は、ステップS100において取得された製造情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0050】
ステップS102では、複数の包装装置20のうちの他の包装装置20の制御部26は、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を取得部23及び入力部24などを用いて取得する。
【0051】
ステップS103では、複数の包装装置20のうちの他の包装装置20の制御部26は、ステップS102において取得された製造情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。
【0052】
上記のステップS101及びステップS103のように、包装装置20の制御部26は、包材を用いて包材に内容物が包装されることで得られる製品について、包材情報、内容物情報、及び包装条件を含む製造情報を情報処理装置10に提供する。情報処理装置10の制御部13は、包装装置20及び包材を用いて包材に内容物が包装されることで得られる製品について製造情報を複数の包装装置20から取得する。
【0053】
ステップS104では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS101及びステップS103において取得された製造情報を、包材情報及び内容物情報に包装条件を関連付けて記憶部12に格納する。情報処理装置10の制御部13は、ステップS101及びステップS103において取得された製造情報をデータベース化して記憶部12に格納する。
【0054】
ステップS105では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104において記憶部12に格納された包装条件のうち第1包装条件について、包材情報及び内容物情報に応じた第1設定値分布を生成する。
【0055】
ステップS106では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104において記憶部12に格納された包装条件のうち第2包装条件について、ステップS105において生成された第1設定値分布における設定値に応じた第2設定値分布を生成する。
【0056】
ステップS107では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS104において記憶部12に格納された包装条件のうち第3包装条件について、ステップS106において生成された第2設定値分布における設定値に応じた第3設定値分布を生成する。
【0057】
ここで、第1設定分布、第2設定値分布、及び第3設定値分布を含む設定値分布は、例えば対応する包装条件について複数の包装装置20から取得された複数の設定値全体に占める一の設定値の割合を設定値ごとにプロットしたグラフによって示される。
【0058】
ステップS108では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS105乃至ステップS107において生成された設定値分布を、通信部11及びネットワーク40を介して複数の包装装置20のうちの一の包装装置20に送信する。
【0059】
これにより、一の包装装置20の制御部26は、包装条件のうち第1包装条件について、包材情報及び内容物情報に応じた第1設定値分布を情報処理装置10から取得する。一の包装装置20の制御部26は、包装条件のうち第2包装条件について、第1設定値分布における設定値に応じた第2設定値分布を情報処理装置10から取得する。一の包装装置20の制御部26は、包装条件のうち第3包装条件について、第2設定値分布における設定値に応じた第3設定値分布を情報処理装置10から取得する。
【0060】
ステップS109では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS105乃至ステップS107において生成された設定値分布を、通信部11及びネットワーク40を介して複数の包装装置20のうちの他の包装装置20に送信する。
【0061】
これにより、他の包装装置20の制御部26は、包装条件のうち第1包装条件について、包材情報及び内容物情報に応じた第1設定値分布を情報処理装置10から取得する。他の包装装置20の制御部26は、包装条件のうち第2包装条件について、第1設定値分布における設定値に応じた第2設定値分布を情報処理装置10から取得する。他の包装装置20の制御部26は、包装条件のうち第3包装条件について、第2設定値分布における設定値に応じた第3設定値分布を情報処理装置10から取得する。
【0062】
ステップS110では、一の包装装置20の制御部26は、包材情報及び内容物情報に関するユーザの入力内容に応じて、対応する第1設定値分布を当該ユーザに対して出力する。例えば、制御部26は、一の包装装置20と通信可能に接続されている端末装置30の入力部33を用いてユーザにより入力された包材情報及び内容物情報に応じて、対応する第1設定値分布を端末装置30の出力部34によりユーザに対して出力する。同様に、一の包装装置20の制御部26は、第1設定値分布に関する入力部33を用いたユーザの入力内容に応じて、対応する第2設定値分布を出力部34により当該ユーザに対して出力する。同様に、一の包装装置20の制御部26は、第2設定値分布に関する入力部33を用いたユーザの入力内容に応じて、対応する第3設定値分布を出力部34により当該ユーザに対して出力する。
【0063】
ステップS111では、他の包装装置20の制御部26は、包材情報及び内容物情報に関するユーザの入力内容に応じて、対応する第1設定値分布を当該ユーザに対して出力する。例えば、制御部26は、他の包装装置20と通信可能に接続されている端末装置30の入力部33を用いてユーザにより入力された包材情報及び内容物情報に応じて、対応する第1設定値分布を端末装置30の出力部34によりユーザに対して出力する。同様に、他の包装装置20の制御部26は、第1設定値分布に関する入力部33を用いたユーザの入力内容に応じて、対応する第2設定値分布を出力部34により当該ユーザに対して出力する。同様に、他の包装装置20の制御部26は、第2設定値分布に関する入力部33を用いたユーザの入力内容に応じて、対応する第3設定値分布を出力部34により当該ユーザに対して出力する。
【0064】
情報処理装置10の制御部13は、以後、製造情報を複数の包装装置20から取得するたびに設定値分布を更新する。
【0065】
図4は、
図1の情報処理装置10により実行される情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図4を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する情報処理方法の一例について説明する。
図4に示すフローチャートは、
図3のステップS105乃至ステップS107における設定値分布の生成処理を情報処理装置10が実行する前の判定処理を示す。
【0066】
ステップS200では、制御部13は、包装装置20によって製造された製品が良品であったか否かを、
図3のステップS101及びステップS103において取得された製造情報を用いて判定する。制御部13は、製品が良品であったと判定すると、ステップS201の処理を実行する。制御部13は、製品が良品ではない、すなわち不良品であったと判定すると、異なる製品について再度ステップS200の処理を実行する。
【0067】
例えば、制御部13は、包装装置20によって製造された製品の製造個数及び連続製造時間のうちの少なくとも一方が閾値に達すると当該製品が良品であったと判定する。制御部13は、包装装置20によって製造が安定して継続されていた製品については良品であったと推定する。一方で、制御部13は、包装装置20によって製造された製品の製造個数及び連続製造時間の両方が閾値に達しておらず、製造が継続せずに早期に中断されたような製品については不良品であったと推定する。以上のような閾値は、例えば情報処理システム1を管理するサービス業者によって適宜定められる。
【0068】
ステップS201では、制御部13は、全ての製品についてステップS200の判定処理を実行したか否かを判定する。制御部13は、全ての製品について判定処理を実行したと判定すると、ステップS202の処理を実行する。制御部13は、全ての製品について判定処理を実行していないと判定すると、ステップS200の処理を再度実行する。
【0069】
ステップS202では、制御部13は、ステップS200において良品であったと判定された製品についての製造情報のみを用いて、
図3のステップS105乃至ステップS107における設定値分布の生成処理を実行する。
【0070】
以下では、情報処理装置10によって生成された設定値分布を用いながらユーザが包装装置20に対して包装条件を決定するときの流れの一例を
図5乃至
図7を参照しながら説明する。
図5乃至
図7を用いた説明では、第1包装条件は包装速度を含む。第2包装条件はシール温度、例えば縦シール温度を含む。第3包装条件はシール圧力、例えば縦シール左圧力を含む。
【0071】
図5は、包装装置20と通信可能に接続されている端末装置30の出力部34に表示された、第1設定値分布を含む出力画像の一例を示す模式図である。
【0072】
包装装置20の制御部26は、設定値分布を情報処理装置10から取得すると、第1設定値分布を含む
図5のような画像を端末装置30の出力部34によりユーザに対して出力する。ユーザは、端末装置30の出力部34に出力された画像を視認しながら、「構成を選択」の項目において、包装装置20を用いてこれから製造する製品の包材情報を、端末装置30の入力部33を用いて選択又は入力する。続いて、ユーザは、「液種を選択」及び「液温を選択」の項目において、包装装置20を用いてこれから製造する製品の内容物情報を、端末装置30の入力部33を用いて選択又は入力する。
【0073】
包装装置20の制御部26は、端末装置30の入力部33を用いてユーザにより選択又は入力された包材情報及び内容物情報に応じた第1設定値分布を端末装置30の出力部34に出力する。ユーザは、端末装置30の出力部34に出力された第1設定値分布を視認しながら、自身が所望する包装速度の設定値を第1設定値分布の中から端末装置30の入力部33を用いて選択する。例えば、ユーザは、第1設定値分布において分布の中央部に含まれる18m/minという設定値を、端末装置30の入力部33を用いて選択する。
【0074】
図6は、包装装置20と通信可能に接続されている端末装置30の出力部34に表示された、第2設定値分布を含む出力画像の一例を示す模式図である。
【0075】
包装装置20の制御部26は、端末装置30の入力部33を用いてユーザにより選択された第1設定値分布における18m/minという設定値に応じた第2設定値分布を端末装置30の出力部34に出力する。ユーザは、端末装置30の出力部34に出力された第2設定値分布を視認しながら、自身が所望する縦シール温度の設定値を第2設定値分布の中から端末装置30の入力部33を用いて選択する。例えば、ユーザは、第2設定値分布において大きな割合を示している175℃という設定値を、端末装置30の入力部33を用いて選択する。
【0076】
図7は、包装装置20と通信可能に接続されている端末装置30の出力部34に表示された、第3設定値分布を含む出力画像の一例を示す模式図である。
【0077】
包装装置20の制御部26は、端末装置30の入力部33を用いてユーザにより選択された第2設定値分布における175℃という設定値に応じた第3設定値分布を端末装置30の出力部34に出力する。ユーザは、端末装置30の出力部34に出力された第3設定値分布を視認しながら、自身が所望する縦シール左圧力の設定値を第3設定値分布の中から端末装置30の入力部33を用いて選択する。例えば、ユーザは、第3設定値分布において大きな割合を示している120kPaという設定値を、端末装置30の入力部33を用いて選択する。このとき、包装装置20の制御部26は、選択された120kPaという縦シール左圧力の設定値とフィルム幅とに基づいて、縦シール右圧力の適切な設定値を算出する。
【0078】
以上のような一実施形態によれば、ユーザは、包装条件を客観的に、かつ全体的に把握しながら自身で設定可能である。例えば、情報処理装置10は、複数の包装装置20から製造情報を取得して第1設定値分布を生成する。これにより、情報処理装置10は、複数の包装装置20をそれぞれ使用する複数のユーザが第1包装条件についてどのような設定値を選択したのかを、客観的及び全体的な情報として一括してユーザに提示することができる。ユーザは、第1設定値分布を確認することで、自身が選択しようとしている設定値が、複数の包装装置20をそれぞれ使用する複数のユーザによって選択された全設定値の中でどのような位置づけにあるのかを客観的に把握することができる。ユーザは、実際に導き出した第1包装条件に基づく製品の生産性についての妥当性を客観的に評価することも可能となる。
【0079】
加えて、ユーザは、第1設定値分布を確認することで、自身が選択又は入力した包材情報及び内容物情報に応じた第1包装条件の設定値の適正な範囲を容易に把握することが可能である。したがって、ユーザによる第1包装条件についての条件出しの手間が簡素になる。ユーザは、第1包装条件の設定値の適正範囲から容易に設定値を選択することができる。
【0080】
例えば、ユーザは、他のユーザによって選択されている割合が比較的高い設定値を容易に選択することができる。例えば、ユーザは、第1包装条件の設定値について全範囲内の上限値及び下限値を容易に把握することができる。したがって、ユーザは、平均的な第1包装条件と比較して極端な第1包装条件をあえて選択することもできる。例えば、ユーザは、製品の品質を担保しつつ生産速度を可能な限り向上させたいと考えたときに、
図5に示すような平均的な包装速度18m/minをどの程度まで増加させることが可能であるかを第1設定値分布に基づいて容易に把握可能である。ユーザは、製品の品質を担保しつつ、生産速度を向上させる包装条件を容易に見極めることもできる。したがって、製品の生産に直接的に従事していないようなユーザであっても、生産速度の妥当性をある程度予測でき、生産コストを容易に評価することができる。
【0081】
一方で、包装条件は上記のようにユーザによって選択される。したがって、包装装置20をユーザに提供する製造業者は、包装装置20の製造にあたって包装条件の条件式などを独自に作成する必要がない。製造業者は、複数の包装装置20から情報処理装置10に集約された製造情報を、コスト算出などの他機能へのデータ活用に利用することも可能である。加えて、製造業者は、これらの製造情報を、ユーザが包装装置20を使用して製品を製造するときの生産効率の改善などに関するコンサルタント業務に利用することも可能である。製造業者は、包装装置20を用いたユーザによる製品の製造が最適化されていくことで、ユーザが包装装置20を実際に使用している現場まで作業者を派遣するような機会を低減させることも可能となる。これにより、製造業者は、人件費及び作業時間などのコストを低減させることも可能となる。
【0082】
情報処理装置10は、包装条件のうち第2包装条件について、第1設定値分布における設定値に応じた第2設定値分布を生成することで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0083】
情報処理装置10は、包装条件のうち第3包装条件について、第2設定値分布における設定値に応じた第3設定値分布を生成することで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0084】
情報処理装置10は、第1設定値分布に加えて、第2設定値分布及び第3設定値分布も生成することで、上記の効果をより顕著に奏する。
【0085】
情報処理装置10は、包装装置20によって製造された製品として良品であったと判定された製品についての製造情報のみを用いて設定値分布の生成処理を実行することで、設定値分布の精度及び信頼性を向上させることができる。良品であったと判定された製品についての製造情報のみを用いて設定値分布が生成されていれば、ユーザは、当該設定値分布をより信頼して安心しながら包装条件を選択することができる。したがって、情報処理システム1を利用するユーザの利便性も向上する。
【0086】
情報処理装置10は、包装装置20によって製造された製品の製造個数及び連続製造時間のうちの少なくとも一方が閾値に達すると製品が良品であったと判定することで、このような判定処理における客観的な指標を提供できる。したがって、情報処理装置10は、良品か否かの判定処理の精度を向上させ、結果的に設定値分布の精度及び信頼性をさらに向上させることができる。
【0087】
情報処理装置10は、製造情報を複数の包装装置20から取得するたびに設定値分布を更新することで、最新の製造情報に基づいて設定値分布を自動的に最適化することができる。情報処理装置10は、最適化された最新の設定値分布を、包装条件の選択に必要な情報として精度及び信頼性をより向上させた状態でユーザに提供可能である。
【0088】
以上のような効果は、一実施形態に係る情報処理システム1、包装装置20、及び端末装置30に対しても当てはまる。
【0089】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0090】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が包装装置20又は端末装置30において実行されてもよい。包装装置20又は端末装置30において実行される少なくとも一部の処理動作が情報処理装置10において実行されてもよい。
【0091】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報処理装置10などの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、一実施形態に係る開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0092】
又は、一実施形態に係る開示は、実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0093】
上記実施形態では、情報処理装置10は、包装条件のうち第2包装条件について、第1設定値分布における設定値に応じた第2設定値分布を生成すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような第2設定値分布を生成しなくてもよい。
【0094】
上記実施形態では、情報処理装置10は、包装条件のうち第3包装条件について、第2設定値分布における設定値に応じた第3設定値分布を生成すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような第3設定値分布を生成しなくてもよい。
【0095】
上記実施形態では、情報処理装置10は、第1包装条件、第2包装条件、及び第3包装条件の3つの包装条件について設定値分布を生成すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、4つ以上の包装条件について設定値分布を生成してもよい。
【0096】
上記実施形態では、第1包装条件は包装速度を含み、第2包装条件はシール温度を含み、第3包装条件はシール圧力を含むと説明したが、これに限定されない。第1包装条件、第2包装条件、及び第3包装条件のそれぞれは、包装装置20を用いて製品を製造するときに包装条件としてユーザが設定し得る任意の他のパラメータを含んでもよい。
【0097】
上記実施形態では、情報処理装置10は、包装装置20によって製造された製品として良品であったと判定された製品についての製造情報のみを用いて設定値分布の生成処理を実行すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、このような判定処理を実行せずに、複数の包装装置20から取得した全ての製造情報を設定値分布の生成処理に用いてもよい。このような場合に情報処理装置10によって生成される設定値分布には所定の割合で不良品についての製造情報に基づく設定値も含まれる。しかしながら、このような設定値について、良品に対する不良品のデータ数の割合は非常に小さい。したがって、情報処理装置10は、設定値分布の精度の低下をある程度抑制可能である。
【0098】
上記実施形態では、包装装置20によって製造された製品が良品であったか否かの判定処理を情報処理装置10が実行すると説明したが、これに限定されない。このような判定処理を包装装置20又は端末装置30が実行してもよい。包装装置20は、包装装置20によって製造された製品として良品であったと包装装置20又は端末装置30により判定された製品についての製造情報のみを情報処理装置10に提供してもよい。
【0099】
上記実施形態では、情報処理装置10は、包装装置20によって製造された製品の製造個数及び連続製造時間のうちの少なくとも一方が閾値に達すると製品が良品であったと判定すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、他の任意の客観的な指標に基づいてこのような判定処理を実行してもよい。
【0100】
上記実施形態では、情報処理装置10は、製造情報を複数の包装装置20から取得するたびに設定値分布を更新すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10は、複数の包装装置20から取得した製造情報に基づいて定期的又は非定期的に設定値分布を更新してもよい。
【0101】
上記実施形態では、
図3のステップS100及びステップS102において、包装装置20の制御部26は、製造情報を取得部23及び入力部24などを用いて取得すると説明したが、これに限定されない。包装装置20の制御部26は、端末装置30の入力部33を用いてユーザにより入力された製造情報を端末装置30から取得してもよい。
【0102】
上記実施形態では、包装装置20の制御部26は、端末装置30の入力部33を用いてユーザにより入力された入力内容に応じて、対応する設定値分布を端末装置30の出力部34によりユーザに対して出力すると説明したが、これに限定されない。包装装置20の制御部26は、包装装置20の入力部24を用いてユーザにより入力された入力内容に応じて、対応する設定値分布を包装装置20の出力部25によりユーザに対して出力してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 包装装置
21 通信部
22 記憶部
23 取得部
24 入力部
25 出力部
26 制御部
30 端末装置
31 通信部
32 記憶部
33 入力部
34 出力部
35 制御部
40 ネットワーク