(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】医療用コンドーム自動供給装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20241021BHJP
A61F 6/04 20060101ALN20241021BHJP
【FI】
A61B8/00
A61F6/04
(21)【出願番号】P 2023558108
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 KR2021010545
(87)【国際公開番号】W WO2022124519
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0169536
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523212416
【氏名又は名称】アイビーエムソル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】IBMsol Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】(Kyung Hee University Medical Center, Hoegi-dong) #502, 5th Floor, 23, Kyungheedae-ro, Dongdaemun-gu, Seoul 02447, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒ キョン
【審査官】井海田 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-072511(JP,A)
【文献】特開2012-115551(JP,A)
【文献】特開2010-155069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 ー 8/15
A61F 6/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に設置され、包装材によって包装された
コンドームモジュールを一つずつ供給するコンドーム供給部と、
前記コンドーム供給部から供給される
コンドームモジュールを、前記装置本体に形成された出口を通じて外部へと移動させるコンドーム取出部と、
前記コンドーム取出部によって前記装置本体の外部へと取り出される
コンドームモジュールの包装材を除去する包装材除去部と、
前記装置本体の外部に設置され、前記包装材が除去された医療用コンドームに、医療用プローブを結合することができるように、前記出口から排出された医療用コンドームが保持されるコンドーム保持部と、を含むことを特徴とする、医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項2】
前記コンドーム取出部は、
前記装置本体の内部に設置され、前記コンドーム供給部から供給されたコンドームモジュールを、前記出口側へと移動するようにガイドするガイド部材と、
前記ガイド部材に装填されたコンドームモジュールについて、包装材除去位置を経由して前記出口の外部へと取り出されるようにする移送部材と、
前記移送部材を駆動させる移送部材駆動部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、
前記コンドームモジュールが着座した状態でスライドして移動するように支持する底部ガイド部と、
前記底部ガイド部の縁部から折り曲げられて形成される側面ガイド部と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項4】
前記移送部材は、
前記装置本体に往復移動可能に設置され、移動の際に、前記コンドーム供給部から供給されて前記ガイド部材に装填されたコンドームモジュールを押し動かすことにより、前記包装材除去部による包装材除去位置を経由して、前記出口の外部へと押し出すプッシュ部材を含むことを特徴とする、請求項2に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項5】
前記包装材除去部は、
前記装置本体の内部に設置され、前記コンドームモジュールの包装材について、レーザーを用いて部分切開するレーザー発生モジュールと、
前記レーザー発生モジュールによって部分切開された包装材を、強制的に剥がすように前記コンドームモジュールの移動経路上に設置される包装材クランプ部材と、を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項6】
前記包装材クランプ部材は、一対が前記出口の両側にそれぞれ対称に配置され、
前記一対の包装材クランプ部材は、
互いに対向して上下に離隔して設置され、前記コンドームモジュールの包装材の縁部に上方及び下方から干渉して、前記出口を通じて移動する医療用コンドームから分離されるようにする、上部クランプ部材及び下部クランプ部材を含むことを特徴とする、請求項5に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項7】
前記上部クランプ部材及び下部クランプ部材における前記包装材に干渉する端部には、摩擦突起が形成されたことを特徴とする、請求項6に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項8】
前記上部クランプ部材及び下部クランプ部材のうちの少なくとも1つは、往復移動可能に設置されることを特徴とする、請求項6に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項9】
前記コンドーム保持部は、
前記装置本体の出口の外側に設置され、前記出口を通じて排出される医療用コンドームの縁部を支持して移動をガイドするガイドブラケットと、
前記ガイドブラケットの先端に設置され、前記医療用コンドームの縁部を支持することにより、医療用プローブを結合することができるようにするコンドーム支持部材と、を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項10】
前記
コンドームモジュールは、
包装材と、
前記包装材の内部に収容され、硬い材質で形成され、前記医療用プローブの探触子が通過する通孔を有する支持部、及び、前記支持部の内周から延びて弾性変形可能な材質で形成され、前記探触子に被せられるカバー部を有する医療用コンドームと、を含むことを特徴する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【請求項11】
前記支持部は、前記カバー部が連結される内周と外周との間の厚さが一定であることを特徴とする、請求項10に記載の医療用コンドーム自動供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用コンドーム、及び、その医療用コンドームの自動供給装置に関し、より詳細には、婦人科にて超音波検査のために使用される医療用プローブに、医療用コンドームを非接触式で被せることができるように、医療用コンドーム及び医療用コンドームモジュールの包装材を除去することにより医療用コンドームを自動的に供給することができる医療用コンドーム自動供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、超音波検査は、人体に無害な超音波を用いて人体内部の臓器の疾病の有無を診断する技術であって、検査が比較的安価で簡単であり、安全(非放射線)であって様々な診療分野で使用されている。特に、韓国の場合、健康保険給付化により検査件数が急激に増加している。
【0003】
このような超音波の探針部(プローブ部)は、不特定多数の患者の人体に接触をして検査するため、検査後に周期的な消毒を行わなければ、様々な病原菌が存在する。また、被検査者の手を用いてプローブを掴んで検査するため、被検査者における適切な手の感染管理が足りなければ、病原菌の温床になるおそれがある。
【0004】
特に、産婦人科で使用される膣の超音波探針部の場合、患者の膣腔内に挿入されて膣粘膜及び子宮頸部に直接接触する。したがって、探針部が汚染すると、様々な性媒介性の感染だけでなく、子宮頸がんの誘発因子であるヒト乳頭腫ウイルス(HPV、Human papillomavirus)の感染を引き起こすため、膣探針部の場合は、準リスク医療器具として検査前に高レベルの消毒が要求される。
【0005】
産婦人科の場合、超音波探針部での検査の前に探針部を一次的に消毒し、消毒された探針部に使い捨て保護カバー(コンドーム)を被せる。このような過程は、検査前に患者ごとに繰り返し行われなければならない。
【0006】
ところが、プローブを一次的に消毒処理しても、カバーを探針部に被せる過程で探針部が汚染される場合が頻繁に発生する。すなわち、一次的な消毒がなされた探針部に、滅菌カバーを被せた後で患者の膣腔に挿入するのであるところ、問題は、検査者が、消毒済みの手袋を着用してコンドームを探針部に手動で被せているが、先行する包装材(非滅菌状態)を除去する過程で消毒済みの手袋が汚染されるしかない。よって、包装材内のコンドームが汚染されるという問題があり、これにより、最終段階での汚染により、以前の消毒過程が無意味になる。
【0007】
また、検査者が、コンドームの包装材を直接取り除き、コンドームを掴んで探針部に直接被せるという作業を行わなければならないので、検査準備の時間が長くかかり、患者の検査待ち時間が遅延してしまうという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みて創案されたもので、その目的は、ユーザが医療用コンドームに接触することなく、医療用プローブに自動的に結合することができる医療用コンドーム、及び、その医療用コンドームを包装材から分離して自動的に供給することができる医療用コンドーム自動供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の医療用コンドーム自動供給装置は、(1)装置本体と、(2)前記装置本体に設置され、包装材によって包装された医療用コンドームモジュールを一つずつ供給するコンドーム供給部と、(3)前記コンドーム供給部から供給される医療用コンドームモジュールを、前記装置本体に形成された出口を通じて外部へと移動させるコンドーム取出部と、(4)前記コンドーム取出部によって前記装置本体の外部へと取り出される医療用コンドームモジュールの包装材を除去する包装材除去部と、(5)前記装置本体の外部に設置され、前記包装材が除去された医療用コンドームに、医療用プローブを結合することができるように、前記出口から排出された医療用コンドームが保持されるコンドーム保持部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
これにより、医療用コンドームについて、包装材を剥がして自動的に供給することができる。
【0011】
ここで、前記コンドーム取出部は、前記装置本体の内部に設置され、(i)前記コンドーム供給部から供給されたコンドームモジュールを、前記出口側へと移動するようにガイドするガイド部材と、(ii)前記ガイド部材に装填されたコンドームモジュールについて、包装材除去位置を経由して前記出口の外部へと取り出させる移送部材と、(iii)前記移送部材を駆動させる移送部材駆動部と、を含むことを特徴とする。
【0012】
これにより、一つずつ供給される医療用コンドームモジュールを、装置本体の外部へと自動的に取り出して供給することができる。
【0013】
また、前記ガイド部材は、(a)前記コンドームモジュールが着座した状態でスライドして移動するように支持する底部ガイド部と、(b)前記底部ガイド部の縁部から折り曲げられて形成される側面ガイド部と、を含むことが好ましい。
【0014】
これにより、コンドームモジュールについて、包装材除去位置を経由するように安定的に移動ガイドすることができる。
【0015】
また、前記移送部材は、前記装置本体に往復移動可能に設置され、移動の際に、前記コンドーム供給部から供給されて前記ガイド部材に装填されたコンドームモジュールを押し動かすことにより、前記包装材除去部による包装材除去位置を経由して、前記出口の外部へと押し出すプッシュ部材を含むことが好ましい。
【0016】
これにより、簡単な構成によって、医療用コンドームモジュールの包装材を容易に除去して取り出しを実現できる。
【0017】
また、前記包装材除去部は、前記装置本体の内部に設置され、前記コンドームモジュールの包装材について、レーザーを用いて部分切開するレーザー発生モジュールと、前記レーザー発生モジュールによって部分切開された包装材を、強制的に引き剥がすように前記コンドームモジュールの移動経路上に設置される包装材クランプ部材と、を含むことが好ましい。
【0018】
これにより、医療用コンドームモジュールの包装材を自動的に除去することができる。
【0019】
また、前記包装材クランプ部材は、一対が前記出口の両側にそれぞれ対称に配置されるのであり、前記一対の包装材クランプ部材は、互いに対向して上下に離隔して設けられ、前記コンドームモジュールの包装材の縁部に上方及び下方から干渉することで、前記出口を介して移動する医療用コンドームから分離されるようにする、上部クランプ部材及び下部クランプ部材を含むことが好ましい。
【0020】
また、上部クランプ部材及び下部クランプ部材における前記包装材に干渉する端部には、摩擦突起が形成されることが好ましい。
【0021】
これにより、簡単な構成でも医療用コンドームモジュールの包装材を容易に分離除去することができる。
【0022】
また、前記上部クランプ部材及び下部クランプ部材のうちの少なくとも1つは、往復移動可能に設置されることが好ましい。
【0023】
これにより、医療用コンドームモジュールの包装材をしっかりとクランプして、医療用コンドームとの分離が確実に行われるようにすることができる。
【0024】
また、前記コンドーム保持部は、(1)前記装置本体の出口の外側に設置され、前記出口を通じて排出される医療用コンドームの縁部を支持して移動をガイドするガイドブラケットと、(2)前記ガイドブラケットの先端に設置され、前記医療用コンドームの縁部を支持することにより、医療用プローブを結合することができるようにするコンドーム支持部材と、を含むことが好ましい。
【0025】
これにより、包装材が除去された医療用コンドームを手で掴まずに、婦人科用医療用プローブと結合することができるように安全に保持することができる。
【0026】
また、前記医療用コンドームモジュールは、(1)包装材と、(2)前記包装材の内部に収容され、硬い材質で形成され、前記医療用プローブの探触子(プローブ部)が通過する通孔を有する支持部、及び前記支持部の内周から延びて弾性変形可能な材質で形成され、前記探触子を被せるカバー部を有する医療用コンドームと、を含むことが好ましい。
【0027】
また、上記の目的を達成するための本発明の医療用コンドームは、硬い材質で形成され、(1)中央に通孔を有する支持部と、(2)前記支持部の内周に連結された状態で延び、弾性変形可能な材質で形成されて婦人科用医療用プローブの探触子に被せるカバー部と、を含むことを特徴とする。
【0028】
これにより、医療用コンドームモジュールを自動的に供給しながら包装材を自動的に除去することが容易である。
【0029】
ここで、前記支持部は、前記カバー部が連結される内周と、外周との間の厚さが一定であることが好ましい。
【0030】
これにより、支持部のみを接触支持して移動させることができるので、カバー部と構造物との接触による汚染を防止することができる。
【0031】
また、前記カバー部は、前記支持部とは異なる材質で形成されることが好ましい。
【0032】
これにより、支持部が変形しないように安定的な姿勢で保持することができるのであって、保持された状態でカバー部に医療用プローブを結合するにあたり、結合される際の力を安定的に支承することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の医療用コンドーム及びその医療用コンドーム自動供給装置によれば、医療用コンドームを医療用プローブに結合する際、ユーザが医療用コンドームを手で握って包装材を剥がして除去するのではなく、自動的に包装材を除去して医療用コンドームを供給することができる。
【0034】
したがって、医療用コンドームを医療用プローブに結合する際、医療用コンドームを手で握るときに汚染されることを防止し、超音波検査の過程にて、被検査者が、汚染された医療用コンドームによって感染されることを防止することができる。
【0035】
また、ユーザも、手で医療用コンドームを直接握らなくてもよいので、医療用コンドームの表面に処理された、潤滑剤などが手に付くことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の実施形態による医療用コンドーム自動供給装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示された医療用コンドーム自動供給装置を示す分離斜視図である。
【
図3】
図1に示された医療用コンドーム自動供給装置を示す分離斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態による、医療用コンドームを含むコンドームモジュールを示す平面図である。
【
図6】本発明の実施形態による医療用コンドームを示す斜視図である。
【
図7】
図1に示された医療用コンドーム自動供給装置の正面図である。
【
図9】
図7のIII-III線に沿った断面図である。
【
図10】コンドームモジュールの包装材を分離する過程を説明するための図である。
【
図11】包装材と医療用コンドームとが、分離されてコンドーム保持部へと移動する状態を示す図である。
【
図12】
図3に示されたコンドーム供給部とコンドームモジュールの他の例を説明するための概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による医療用コンドーム及びその医療用コンドーム自動供給装置を詳細に説明する。
【0038】
図1~
図12を参照すると、本発明の実施形態による医療用コンドーム自動供給装置は、(1)装置本体100と、(2)前記装置本体100に設置され、包装材11によって包装された状態の医療用コンドームモジュール10を収容して、一つずつ供給するコンドーム供給部200と、(3)前記コンドーム供給部200から供給される医療用コンドームモジュール10を、装置本体100の外部へと移動させるコンドーム取出部300と、(4)前記コンドーム取出部300によって装置本体100の外部へと取り出される医療用コンドームモジュール10の包装材11を除去する包装材除去部400と、(5)前記装置本体100の外部に設置され、前記包装材11が除去されたコンドーム13が装着されるコンドーム保持部500と、を備える。
【0039】
ここで、医療用コンドームモジュール10は、
図4~
図6に示すように、(1)包装材11と、(2)包装材11の内部に収容される医療用コンドーム13と、を備える。包装材11は、ビニールや合成樹脂などの材質で形成され、医療用コンドーム13を外部に露出しないように密閉状態で保管する。このような包装材11は、レーザーなどによって切開されうる。
【0040】
前記医療用コンドーム13は、支持部13aと、支持部13aに連結されるカバー部13bと、を備える。支持部13aは、外力によって変形しないように硬い材質、例えば、合成樹脂などで形成されてもよく、外力によって変形しない程度の厚さを有するクッション材質(シリコーンや合成ゴムなど)で形成されてもよい。もちろん、場合によっては、支持部13aは、金属材質で形成されてもよい。このような支持部13aは、リング形状を有し、中央に通孔h1を有する。このような支持部13aは、一定の幅と厚さを有し、内周と外周を有する板状のリング構造を有する。特に、支持部13aの内周と外周との間の幅は変わらず、固定された値に維持される。すなわち、カバー部13bに医療用プローブ20の探触子(プローブ部)21を被せても、支持部13aの幅には変化が生じない。
【0041】
前記カバー部13bは、ビニール、合成樹脂、シリコーン材質などの軟質の材質で形成され、プローブ20の探触子21に被せるためのものである。このようなカバー部13bは、開放された一端が支持部13aに連結され、他端は閉塞した構造にて畳み合わされた状態で包装材11の内部に収容される。このようなカバー部13bは、従来の医療用コンドームと同じ材質で形成されうる。
【0042】
本発明の医療用コンドーム自動供給装置は、前記構成の医療用コンドームモジュール10を、医療用プローブ20の探触子21に自動的に被せるためのものである。
【0043】
前記装置本体100は、内部に空間を有するケーシング構造を有し、前面が開放されたメイン本体110と、前記メイン本体110の前面に結合される前面カバー120と、を有する。メイン本体110は、メインフレーム111と、メインフレーム111の外周を囲んで結合されるメイン本体ケーシング113と、を有することができる。ここで、メインフレーム111は、任意選択的に適用されうる。
【0044】
前面カバー120は、メイン本体110の開放された前面に結合され、好ましくは開閉可能に設置されることが良い。このような前面カバー120には、装置の動作状態を表示し、駆動を操作するためのパネル121が設置されることがよい。前記パネル121は、タッチスクリーンを含むことができる。また、前面カバー120には、包装材11の除去された医療用コンドーム13が露出される、出口123が形成される。
【0045】
前記コンドーム供給部200は、装置本体110の内部に設置される供給ホッパー210と、供給ホッパー210を装置本体110の内部に固定支持するためのホッパー支持ブラケット220と、を備える。前記供給ホッパー210は、上下側が開放された筒構造を有し、その内部に、コンドームモジュール10が積層されて収容される。供給ホッパー210に収容されたコンドームモジュール10のうち、最下部のコンドームモジュール10から順次に落下して供給され、落下したコンドームモジュール10は、後述するガイド部材310上に着座する。
【0046】
前記ホッパー支持ブラケット220は、一対が、供給ホッパー210の外側に対称な位置に結合される。このようなホッパー支持ブラケット220は、供給ホッパー210の外側に結合される支持ブラケット本体221と、支持ブラケット本体221の下端へと突出し、前記ガイド部材310から前記供給ホッパー210を離隔するように支持する受け部223と、を備える。前記受け部223は、装置本体110の内部に設置される固定ブラケット130に結合されて固定される。
【0047】
ここで、前記固定ブラケット130は、一対が同一の高さに水平姿勢で設置され、互いに離隔して配置される。よって、一対の固定ブラケット130の間に、前記ガイド部材310が供給ホッパー210と離隔した状態で対向する。供給ホッパー210とガイド部材310との間隔(高さ)は、コンドームモジュール10の厚さに対応する間隔であることが好ましい。したがって、供給ホッパー210の最下端のコンドームモジュール10は、供給ホッパー210から排出されてガイド部材310に着座した状態に装填される。装填状態のコンドームモジュール10は、前記コンドーム取出部300によって、包装材除去のための包装材除去位置を経由し、包装材が除去されながら医療用コンドーム13のみ出口123を介してコンドーム保持部500に排出される。
【0048】
ここで、前記構成のコンドーム供給部200の構成以外にも、コンドームモジュール10を1つずつ供給することができる様々な構成が可能であり、上述したようなコンドーム供給部200の構成によって本発明が限定されるものではない。
【0049】
前記コンドーム取出部300は、メイン本体110の内部に設置されるガイド部材310と、前記ガイド部材310に装填されたコンドームモジュール10について、包装材除去位置Bを経由して前記出口123の外部へと取り出されるようにする移送部材320と、前記移送部材320を往復駆動させる移送部材駆動部330と、を備える。
【0050】
前記ガイド部材310は、一対が、コンドームモジュール10の取出方向を基準として互いに対称に離隔して設置される。このようなガイド部材310は、底部ガイド部311と、前記底部ガイド部311の縁部が折り曲げられている側面ガイド部313と、を備える。ガイド部材310は、供給ホッパー210の下部から出口123まで延びるように設置され、供給ホッパー210から供給されたコンドームモジュール10が、出口123へと移動するようにガイドする。このようなガイド部材310は、固定ブラケット130に支持されて固定される。前記構成を有する一対のガイド部材310の底部ガイド部311に、コンドームモジュール10の縁部分が着座して装填された状態で、前記移送部材320によって出口123側へと移動することができる。
【0051】
もちろん、前記一対のガイド部材310は、一体に形成されてもよい。すなわち、一対のガイド部材310は、一端又は他端のうちの少なくとも一部分が連結された構造をもち、中央にスリットが形成された構成を有することにより、スリットを通じて、分離された包装材が落下することで包装材回収部に回収できるという構成も可能である。
【0052】
前記移送部材320は、メイン本体110の内部にて水平に往復移動可能に設置される。具体的には、移送部材320の先端の接触押圧部321が、ガイド部材310に装填されたコンドームモジュール10を押し動かして、出口123の外部まで移動させることができるように、移送部材駆動部330によって往復駆動されるプッシュ部材を含むことができる。前記移送部材320は、好ましくは所定の長さの板構造を有し、ガイド部材310と供給ホッパー210との間隔よりも小さい厚さに形成される。この移送部材320は、その上面が供給ホッパー210の下部出口と同じ高さに位置するように設置されることが好ましい。これにより、移送部材320が供給ホッパー210の最下端のコンドームモジュール10を押し動かして取り出されるようにする動作を行う際に、移送部材320が、供給ホッパー210の出口を遮断することができる。そして、移送部材320が初期位置に復帰すると、供給ホッパー210の出口が開放されてコンドームモジュール10が落下して排出される。
【0053】
前記移送部材駆動部330は、メイン本体110の内部に設置され、移送部材320を往復駆動させるためのものである。このような移送部材駆動部330は、移送部材320が結合される可動部331と、可動部331を往復駆動させる駆動部333と、を備える。前記駆動部333は、可動部331を所望の速度及び位置に移動させるためのものであって、様々な公知の駆動手段、例えばリニアモータ、油圧シリンダ、リードスクリューなどが適用されうる。すなわち、移送部材320を往復駆動させるための様々な公知の駆動手段が適用されうるのであり、特定の駆動手段によって本発明が限定されるものではない。
【0054】
前記包装材除去部400は、前記移送部材320によって移動して出口123から取り出される前に、コンドームモジュール10の包装材11を除去するためのものである。このような包装材除去部400の一例として、装置本体100の内部に設置され、コンドームモジュール10の包装材11について、レーザーを用いて部分切開するレーザー発生モジュール410と、レーザー発生モジュール410によって部分切開された包装材11を強制的に剥がすようにコンドームモジュール10の移動経路上に設置される包装材クランプ部材420と、を備える。
【0055】
前記レーザー発生モジュール410は、メイン本体110の内部に設置され、好ましくは、移送部材320によって押し動かされて移動する、コンドームモジュール10の移動経路の上方に配置されることが良い。これにより、移送部材320によってコンドームモジュール10が、出口123側へと移動する際に、レーザー発生モジュール410に対応する位置に到達すると、レーザー発生モジュール410が駆動されてレーザーを照射することにより、コンドームモジュール10の包装材11に、切開線11a(
図4参照)が形成される。このように切開線11aが形成されたコンドームモジュール10は、移送部材320によって出口123側へと移動して、包装材クランプ部材420に干渉されることにより、切開線11aが広がりながら、医療用コンドーム13が包装材11から分離されて出てくることとなりうる。前記包装材クランプ部材420は、互いに対向して、上下に離隔して設置される上部クランプ部材421及び下部クランプ部材423を備え、一対が出口123の両側にそれぞれ対称に配置される。上部クランプ部材421と下部クランプ部材423との間隔は、包装材11の内部に医療用コンドーム13が収容された状態で、コンドームモジュール10の縁部の厚さよりも小さい間隔で配置されることが良い。また、好ましくは、上部クランプ部材421及び下部クランプ部材423における包装材クランプ面は、摩擦力を高め、包装材11が効果的に引っ掛かりうるようにすべく、
図10に示すように、摩擦突起421a、423aが突出形成されることが良い。また、一対の包装材クランプ部材420の間隔は、医療用コンドーム13のサイズよりは大きく、包装材11のサイズよりは小さい間隔で配置されることにより、包装材11の両側縁が引っ掛かった状態で、移送部材320によって医療用コンドーム13が包装材11から押し出されながら出口123から排出されるのであって、包装材11は、分離されて包装材回収部430によって回収される。
【0056】
また、さらに好ましくは、前記上部クランプ部材421及び下部クランプ部材423は、互いに接近及び離隔が可能に設置されることが良い。この場合、昇降手段425によって、上部クランプ部材421及び下部クランプ部材423のうちの少なくとも一つについての昇降動作がなされることで、包装材11の縁部を強くクランプすることにより、包装材11が、より効果的に剥がされるようにすることができる。前記昇降手段425は、油圧シリンダなどのアクチュエータを含むことができる。
【0057】
前記包装材回収部430は、医療用コンドーム13と分離されて剥がされた包装材11を回収するためのものである。このような包装材回収部430は、(1)メイン本体110に設置されて包装材を回収する包装材回収チャンバー431と、(2)前記包装材回収チャンバー431に吸入力を提供する吸入ファン433と、を備える。
【0058】
前記包装材回収チャンバー431は、(1)包装材回収筒431aと、(2)包装材回収筒431aが着脱可能に装着され、包装材吸入口431cを有する装着チャンバー431bと、を備える。包装材回収筒431aは、前面カバー120の回収筒装着具125を介して、装置本体100内の装着チャンバー431bに対して取り付け及び取り外しが可能である。包装材回収筒431aは、上部が開放されたバスケット構造を有し、装着チャンバー431bの背面に接する一面に、多数の通気孔が形成されうる。
【0059】
前記装着チャンバー431bは、メイン本体110内の下部に固定・設置され、好ましくは包装材11が剥がされる位置に対応して設置される。この装着チャンバー431bは、回収筒装着具125に対向する前方が開放されていて包装材回収筒131が装着可能であり、背面には多数の通気孔が形成されることにより、前記吸入ファン433から発生する吸入力が、包装材回収筒431を経由して前記包装材吸入口431cへと伝達されるようにする。包装材吸入口431cは、前記上部クランプ部材421及び下部クランプ部材423の下部に対応するように位置することにより、医療用コンドーム13から分離された包装材11を、吸入力によって包装材吸入口431cへと吸い込んで、包装材回収筒431aへと効果的に回収することができる。
【0060】
前記コンドーム保持部500は、装置本体100の前面、すなわち前面カバー120の出口123の周辺に設置される。このようなコンドーム保持部500は、(1)ガイドブラケット510と、(2)ガイドブラケット510の先端に設置され、医療用コンドーム13を支持するコンドーム支持部材520と、を備える。ガイドブラケット510は、(1)前面カバー120に固定される一対の側面ガイダー511と、(2)側面ガイダー511の下端から水平に延びる底部ガイダー513と、を有する。出口123を通じて、移送部材320によって押し出されて出て来た、医療用コンドーム13の支持部13aが底部ガイダー513に支持された状態で、側面ガイダー511に沿って安定的に移動して、コンドーム支持部材520に支持される。
【0061】
前記コンドーム支持部材520は、ガイドブラケット510の先端に設置され、好ましくはガイドブラケット510の底部ガイダー513よりも低い位置に位置するように、ガイドブラケット510の先端に連結される。このようなコンドーム支持部材520は、一対が互いに離隔して配置され、医療用コンドーム13の支持部13aのみを支持することにより、カバー部13bは、周辺構造物に接触していない状態で供給することができる。
【0062】
コンドーム支持部材520に医療用コンドーム13が保持されると、ユーザがプローブ20を持って、
図1に示すように、医療用コンドーム13に探触子21を接近させてカバー部13bを被せることができる。
【0063】
以上説明したように、本発明の実施形態による医療用コンドームモジュール及びその医療用コンドーム自動供給装置によれば、医療用コンドーム13の構造が支持部13aとカバー部13bとから構成される。したがって、包装材11を除去しながらの移動が容易であり、特にカバー部13bの接触を防止しながら支持部13bを用いて保持するようにして供給することにより、プローブ20の探触子21に医療用コンドーム13を容易に結合することができる。
【0064】
また、コンドームモジュール10を供給ホッパー210から一つずつ供給し、供給されたコンドームモジュール10を装置本体100の出口123へ移動させながら、包装材11を自動的に除去して医療用コンドーム13と分離することができる。したがって、従来のように、包装材11を作業者が手で持って剥がし、医療用コンドーム13を作業者の手で掴まなければならない問題を解決することにより、医療用コンドーム13の汚染を防止することができる。
【0065】
そして、分離された包装材11は、別途回収して処理することにより、装置本体100の内部の汚染を防止することができる。
【0066】
以上では、コンドームモジュール10の包装材11が円形であることを例として説明したが、これは例示に過ぎない。すなわち、
図12に示すように、その包装材11’の形状が四角形状に形成されたコンドームモジュール10’が適用されてもよい。この場合、コンドームモジュール10’を供給するためのコンドーム供給部200’は、四角筒状に形成された供給ホッパー210’を備える。このように供給ホッパー210’の形状は、コンドームモジュール10’の包装材11’の形状に対応して形成されることが好ましく、よって、様々なコンドームモジュール10の包装材と供給ホッパーは、様々な形状に製作可能であり、その具体的な形状によって本発明が限定されるものではない。
【0067】
また、前記医療用コンドーム13の場合にも、支持部13aがリング状を有し、その通孔h1が円形であることを例として説明したが、これは例示的なものに過ぎない。すなわち、医療用プローブの探針の形状は、図示の如く、棒状を有してもよいが、この他にも様々な形状が可能であるので、そのような探針棒の形状に対応して医療用コンドームを被せることができるように、医療用コンドームの形状と支持部13a及び通孔h1の形状は様々に適用できるのは、当たり前である。
【0068】
以上、本発明の特定の実施形態が説明及び図示されているが、本発明は、記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、様々に修正及び変形を加え得るのは、当該技術の分野における通常の知識を有す者にとって自明なことである。したがって、それらの修正例又は変形例は、本発明の技術的思想又は観点から個別に理解されてはならず、変形した実施形態も本発明の特許請求の範囲に属すると理解すべきである。