(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20241021BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241021BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20241021BHJP
A63F 13/67 20140101ALI20241021BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/69
A63F13/792
A63F13/67
(21)【出願番号】P 2024061386
(22)【出願日】2024-04-05
【審査請求日】2024-04-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上杉 昇太郎
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-525413(JP,A)
【文献】特開2023-061397(JP,A)
【文献】[chatGPT]無料版と有料版(chatGPT Plas)の機能の違いについて調べてみた!,わたし出すわ[online],2023年05月17日,[2024年8月1日検索]、インターネット:<URL:https://watashi-dasuwa.com/chatgpt-muryo-yuryo>
【文献】動画編集ソフト「Vrew」は無料でどこまでできる?その制限、有料版との違いについてご解説,Digiarty[online] ,2023年07月25日,[2024年8月1日検索]、インターネット:<URL:https://jp.videoproc.com/edit-convert/vrew-free-limited.htm>
【文献】岩倉玲音とビデオ通話ができるAI対話型サービス「AI lain」が開始,INGSTE[online],2023年09月06日,[2024年5月14日検索]、インターネット:<URL:https://ingste.net/ai-lain/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工知能を利用するゲームを提供する情報処理システムであって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶する換算レート記憶部と、
前記換算レートに基づいて、ユーザから支払われた所定ゲーム媒体の数量に応じたデータ量である利用可能データ量を算出し、当該利用可能データ量を示す利用許可情報を生成するAI利用量管理部と、
前記利用許可情報に基づき、前記人工知能からの出力のデータ量を前記利用可能データ量の範囲内に制御して、前記人工知能の出力情報を生成するAI制御部と、を備え
、
前記ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含み、
前記換算レートは、前記生成AIモデルごとにそれぞれ設定され、前記換算レート記憶部に記憶されている情報処理システム。
【請求項2】
人工知能を利用するゲームを提供する情報処理システムであって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶する換算レート記憶部と、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理するAI利用量管理部と、を備え、
前記ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含み、
前記換算レートは、前記生成AIモデルごとにそれぞれ設定され、前記換算レート記憶部に記憶されている情報処理システム。
【請求項3】
前記所定ゲーム媒体は、前記人工知能の利用により消費される消費媒体であり、
前記生成AIモデルごとに対応する消費媒体が設定されて、前記生成AIモデルごとに対応する前記消費媒体との前記換算レートが前記換算レート記憶部に記憶されている請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記所定ゲーム媒体は、前記人工知能の利用により消費される消費媒体である請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記消費媒体には、有償媒体、及び、無償媒体が含まれ、
前記換算レート記憶部は、前記有償媒体に対応する換算レートと、前記無償媒体に対応する換算レートとを記憶している請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記AI利用量管理部は、前記ユーザが保有する前記所定ゲーム媒体の数量を上限として、前記ユーザによる前記人工知能の利用を制限する制限情報を生成する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記AI利用量管理部は、前記人工知能の1回あたり、又は、単位期間あたりの利用で使用可能な前記所定ゲーム媒体の上限数の設定を受け付け、前記換算レートに基づいて算出される当該上限数に応じたデータ量を、前記人工知能の1回あたり、又は、単位期間あたりの利用における入力及び/又は出力の上限値として設定する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記AI利用量管理部は、前記ユーザが前記人工知能を利用した際の入力に関するデータ量、及び/又は、出力に関するデータ量に応じた前記所定ゲーム媒体の消費量を算出し、算出した消費量を前記ユーザが保有する前記所定ゲーム媒体の数量から差し引いて、前記ユーザの保有数情報を更新する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項9】
人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに実行させる情報処理は、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づいて、ユーザから支払われた所定ゲーム媒体の数量に応じたデータ量である利用可能データ量を算出し、当該利用可能データ量を示す利用許可情報を生成することと、
前記利用許可情報に基づき、前記人工知能からの出力のデータ量を前記利用可能データ量の範囲内に制御して、前記人工知能の出力情報を生成することと、
を含み、
前記ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含み、
前記換算レートは、前記生成AIモデルごとにそれぞれ設定されている、プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理を実行する情報処理方法であって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づいて、ユーザから支払われた所定ゲーム媒体の数量に応じたデータ量である利用可能データ量を算出し、当該利用可能データ量を示す利用許可情報を生成することと、
前記利用許可情報に基づき、前記人工知能からの出力のデータ量を前記利用可能データ量の範囲内に制御して、前記人工知能の出力情報を生成することと、を前記コンピュータが実行
し、
前記ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含み、
前記換算レートは、前記生成AIモデルごとにそれぞれ設定されている、情報処理方法。
【請求項11】
人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに実行させる情報処理は、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理することと、を含み、
前記ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含み、
前記換算レートは、前記生成AIモデルごとにそれぞれ設定されている、プログラム。
【請求項12】
コンピュータが、人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理を実行する情報処理方法であって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理することと、を前記コンピュータが実行し、
前記ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含み、
前記換算レートは、前記生成AIモデルごとにそれぞれ設定されている、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、プログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人工知能(Artificial Intelligence)に関連する技術の発展に伴い、ゲーム業界においてもAIを利用したゲームが提案されている。例えば、特許文献1は、ユーザがAIによって制御されているキャラクタとの会話を楽しむことができる育成ゲームを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AIを利用するゲームでは、膨大な量のデータを処理することが想定され、各ユーザ(プレイヤ)によるAIの利用を適正に管理することが求められる。
【0005】
本開示における例示的な実施形態の目的は、ゲームで用いられるAIの利用量を可視化して管理することができる情報処理システム、プログラム、及び、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係わる情報処理システムは、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶する換算レート記憶部と、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理するAI利用量管理部と、を備える。
【0007】
情報処理システムが上記の特徴を有することで、各ユーザによるゲームプレイにおけるAIの利用量を可視化して管理することができる。
【0008】
本開示の一態様に係わるプログラムは、
人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理することと、を前記コンピュータに実行させる。
【0009】
プログラムが上記の特徴を有することで、各ユーザによるゲームプレイにおけるAIの利用量を可視化して管理することができる。
【0010】
本開示の一様態に係わる情報処理方法は、
コンピュータが、人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理を実行する情報処理方法であって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理することと、を前記コンピュータが実行する。
【0011】
情報処理方法が上記の特徴を有することで、各ユーザによるゲームプレイにおけるAIの利用量を可視化して管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係わる情報処理システムの構成例を示す概略図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバの機能上の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すユーザ端末の機能上の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す換算レート記憶部に記憶されている換算レート情報の一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、
図2に示す換算レート記憶部に記憶されている換算レート情報の一例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、ゲームの提供におけるAI利用量の管理方法を説明するためのフローチャートの一例である。
【
図7】
図7は、ゲームの提供におけるAI利用量の管理方法を説明するためのフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の一実施形態に係わる情報処理システム10を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は本実施形態を説明するための例示であり、各図面で示すシステム構成、ブロック図、及びフローチャートなどは、技術的に問題が生じない範囲内で改変したり、変更したりしてもよい。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0014】
本実施形態に係わる情報処理システム10は、インターネット網などのネットワークNを介してゲームに関する各種サービスを、ユーザ3に提供するためのシステムである。
【0015】
図1に示すように、情報処理システム10は、少なくとも1つのサーバ20、及び、少なくとも1つのユーザ端末30、を主要構成として備える。これら主要構成は、ネットワークNを介して互いにアクセス可能に接続される。この情報処理システム10では、事業者1に配備されているサーバ20が、画像、動画、音声等によって構成されるゲームに関する情報処理を、ユーザ3が保有するユーザ端末30に実行させることによって、ユーザ端末30にゲームを提供する。
【0016】
情報処理システム10において提供するゲームは、人工知能を利用するゲームであって、提供されるゲームのカテゴリは、特に限定されない。たとえば、情報処理システム10において提供するゲームのカテゴリは、恋愛ゲーム、対戦ゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム、野球ゲーム、サッカーゲーム、その他スポーツゲーム、クイズゲーム、ピンボールゲーム、カードゲーム、リズムゲーム、RPG(ロールプレイングゲーム)、位置情報ゲーム、ボードゲーム、アドベンチャーゲーム、カジノゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、もしくは、レーシングゲーム等であってもよい。
【0017】
なお、情報処理システム10で提供するゲームには、例えば、所謂「インゲーム」と呼ばれる実際のゲームプレイに関する部分であって、キャラクタ、アイテムなどのゲーム媒体を操作してゲームを進行させるための「ゲーム進行パート」だけでなく、所謂「アウトゲーム」と呼ばれる、ゲーム内のキャラクタ及び/又はアイテム等のゲーム媒体をプレイヤに抽選で付与する所謂「ガチャ」などの「抽選パート」、ゲーム内で使用するキャラクタ等のゲーム媒体を選択する「準備処理(編成)パート」、キャラクタ及び/又はアイテム等を合成などの方法で強化する「強化パート」等を含んでいてもよい。
【0018】
情報処理システム10のゲームで利用されるAIは、特に限定されず、例えば、情報処理システム10には、キャラクタAI、メタAI、及び、ナビゲーションAIから選択される1種以上のAIが実装されていてもよい。キャラクタAIは、ゲームに登場するノンプレイヤキャラクタ(NPC)の脳にあたるAIであって、NPCの自律行動を制御する役割を担う。メタAIは、ゲームをデザインする機能を有するAIであって、ユーザの操作に応じて敵キャラクタを出現させるなどのように、ゲームの進行、ゲームのシーンを変化させたりして、ゲームの監督のような役割を担う。ナビゲーションAIは、ゲーム内の地形を認識し、ユーザ、キャラクタAI(NPC)、及び/又は、メタAIに対して経路をナビゲーションする機能を有するAIである。
【0019】
また、情報処理システム10のゲームでは、上記で例示したAI(キャラクタAI、メタAI、又は、ナビゲーションAI)の一部又は全部の機能、若しくは、上記で例示したAIとは異なる機能を実現するAIとして、生成AI(生成的人工知能)が実装されてもよい。例えば、NPCの会話を制御する機能として、大規模言語モデル(LLM)に基づくテキスト生成AI、及び/又は、NPCの台詞を読み上げる音声生成AIなどの会話生成AIが利用されてもよい。ユーザオリジナルのBGM、音楽ゲーム用の楽曲を生成するための音楽生成AIが利用されてもよい。また、アバター、ユーザ独自のキャラクタ、アイテム等の作成、ゲーム背景などのユーザオリジナルのゲームグラフィックの作成などを実行するための画像生成AIが利用されてもよい。また、キャラクタに実行させるモーションを作成したり、ゲームシーンで再生する動画を作成したりするための動画生成AIが利用されてもよい。その他に、ユーザオリジナルのシナリオ、ダンジョンを生成するためのシナリオ生成AIが利用されてもよい。
【0020】
上記のような生成AIは、ユーザの入力情報等をプロンプトとして受け付けて(ユーザの入力情報に代えて又は加えて、ゲームの進行状況、ゲーム履歴などを示す情報が入力に用いられてもよい)、テキスト、音響データ(音声、音楽)、画像、動画、又は、プログラムなどのいずれかの形式で、入力情報に応じた出力をユーザに提供する。情報処理システム10のゲームでは、上記の生成AIのうち1種類の生成AIが実装されていてもよいし、出力の属性が異なる複数種の生成AIが実装されていてもよい。
【0021】
情報処理システム10が提供するゲームでは、所定のゲーム媒体の使用を要件としてユーザによるAIの利用を許可する。ゲームにおいてAIを利用する際には、予め所定のゲーム媒体が使用される(支払われる)ことで、AIに対するユーザ3からの入力(プロンプト)が受け付け可能となってもよいし、AIによる処理結果が出力された後で事後的に対象媒体の使用(支払い)が要求されてもよい。このようにユーザ3によるAIの利用は、所定ゲーム媒体の使用に基づいて管理され、所定ゲーム媒体の数量に基づいて数値化される。
【0022】
情報処理システム10では、AIの情報処理に関わるデータ量と所定ゲーム媒体の数量とを換算するための換算レートが登録されており、当該換算レートに基づいて、ゲームプレイにおけるユーザ3のAI利用量が管理される。所定ゲーム媒体の使用によって利用の制限が課せられるAIは、情報処理システム10のゲームサービスで利用されるAIのうちの少なくとも1種であり、複数種のAIが利用制限の対象であってもよい。ゲームサービスにおいて利用制限の対象となるAIモデルは、特に限定されず、1種又は複数種の生成AIであってもよい。以下の詳細な説明では、主として、ゲームにおける生成AIの利用を管理する場合について例示する。
【0023】
なお、「ゲーム媒体」とは、ユーザ3がゲーム内で使用する電子データの総称である。たとえば、カード、キャラクタ、アバター、武器、防具、その他のアイテム、及び、ゲーム内通貨などの消費媒体などが、ゲーム媒体に該当する。ゲームで利用される消費媒体には、ミッションクリアの報酬として無償で獲得可能な無償媒体、及び、課金によってのみ獲得可能な有償媒体が含まれてもよく、無償か有償かの区別なく取り扱われる消費媒体(無償で獲得可能で、かつ、課金による有償でも獲得可能なゲーム内通貨など)が含まれてもよい。
【0024】
情報処理システム10のゲームサービスにおいて、管理対象のAIを利用するために使用される所定のゲーム媒体(以下、対象媒体と称する)は、特に限定されない。当該対象媒体は、キャラクタ、アイテムなどのインゲームにおいてユーザ3の操作対象となるゲーム媒体であってもよく、AIの利用により消費される消費媒体であってもよく、後者の消費媒体が好ましい。対象媒体は、管理対象のAIを利用するためだけに使用可能な専用のゲーム媒体であってもよく、抽選を実行するための消費媒体のようにAI以外の他の用途でも使用可能な汎用のゲーム媒体であってもよい。また、対象媒体として、単一種のゲーム媒体が設定されてもよいし、複数種のゲーム媒体が設定されてもよい。
【0025】
以下、情報処理システム10の各部の具体的な構成について、詳述する。
【0026】
<サーバ装置の構成>
サーバ20は、ゲームサービスを運営及び管理する際に利用する情報処理装置であって、前述のとおり、ゲームサービスを提供する事業者1に配備されている。情報処理装置としてのサーバ20は、たとえば、ワークステーションもしくはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよく、クラウド・コンピューティング技術により論理的に構築されていてもよい。
【0027】
サーバ20は、
図2に示すように、サーバ20全体の制御を行う制御部21と、各種データ及びアプリケーションプログラムを記憶する記憶部22と、ネットワークNを介してユーザ端末30との間でデータを送受信するサーバ通信部23と、を有する。
【0028】
<記憶部(サーバ)>
記憶部22は、各種制御処理及び制御部21内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するサーバ20の記憶領域であり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される。また、記憶部22は、サーバ20が通信を行った際に、サーバ20の通信内容を一時的に記憶する機能を有していてもよい。
【0029】
サーバ20の記憶部22は、記憶する情報の種類に応じて区画された複数の領域を有していてもよい。例えば、記憶部22は、
図2に示すように、ゲーム情報記憶部221、ユーザ情報記憶部222、AI情報記憶部223、及び、換算レート記憶部224を備えていてもよい。
【0030】
ゲーム情報記憶部221は、ゲームに関する基本的な情報を記憶し、格納している。ゲーム情報記憶部221に格納されるゲームに関する基本的な情報は、ゲームの種類に応じて適宜構成され、特に限定されない。たとえば、ゲーム情報記憶部221には、ゲーム単位ごとの設定情報、ゲーム媒体の設定情報、背景画像などのゲーム空間に関連する情報、イベント情報などの情報が格納されていてもよい。なお、「ゲーム単位」とは、ゲームの一つのまとまりを意味し、「ゲーム単位」は、クエスト、イベント、ミッション、コース、ストーリー、シナリオ、チャプター、ダンジョン、ステージ、戦闘、及び、対戦などの用語で換言することができる。複数のステージが設定されたゲームの場合、ゲーム単位ごとの設定情報は、各ゲーム単位を識別するための識別子であるステージIDと、該ステージIDに紐づけられた、ステージ名、敵キャラクタ情報、消費スタミナ情報、及び、背景画像などの仮想空間に関連する情報などを含んでいてもよい。
【0031】
ゲーム情報記憶部221に格納されるゲーム媒体の設定情報には、各ゲーム媒体を一意に識別するための識別子としてID(以下、ゲーム媒体IDと称する)が付与されていてもよい。ゲーム情報記憶部221では、ゲーム媒体の設定情報として、ゲーム媒体の名称、画像データ、及び、獲得方法などが記憶されていてもよい。キャラクタ又はアイテムなどのユーザ3の操作対象となり得るゲーム媒体については、属性、及び/又は、パラメータ(体力、攻撃力、防御力等の初期値/最大値)などの各ゲーム媒体の特性を示す情報が、各ゲーム媒体の設定情報に含まれていてもよい。
【0032】
ユーザ情報記憶部222は、ゲームサービスを利用する各ユーザ3に関連付けられた情報を記憶する。たとえば、ユーザ情報記憶部222には、ユーザID(各ユーザ3を特定するための識別子)と、ユーザIDと紐づけられた、アカウント情報、プレイ履歴情報、所有ゲーム媒体の情報などが含まれていてもよい。
【0033】
アカウント情報は、例えば、ユーザ名、ゲームサービスへの登録日、ユーザのランク(プレイヤランク)、及び、その他、ユーザ3の操作によって登録された各種設定情報などを含んでいてもよい。プレイ履歴情報は、例えば、ログイン日時、ログイン回数、総プレイ時間、ゲーム単位ごとの実行回数、各ゲーム単位をクリアした際のデータ、キャラクタ及び/又はアイテムなどのゲーム媒体の獲得履歴、課金額、課金回数、及び、抽選の実行回数などのデータを含んでいてもよい。
【0034】
所有ゲーム媒体の情報は、各ユーザ3が所有しているゲーム媒体に関する情報であって、各所有ゲーム媒体の取得履歴、各所有ゲーム媒体の保有数を示す保有数情報、各所有ゲーム媒体の使用状況を示す情報(例;使用回数、選択確率のような使用度合いを示す情報、お気に入り登録の有無を示す情報など)、各所有ゲーム媒体の特性を示す情報(例;攻撃力、防御力、体力、スピード等の各種のパラメータの現在値/最大値、レアリティ、属性などの分類情報、使用可能なスキルに関する情報など)などが含まれてもよい。各所有ゲーム媒体のデータ構成は、ゲーム媒体の種類に応じて適宜設定されればよく、特に限定されない。
【0035】
なお、ゲームサービスで提供されるゲームが、複数のキャラクタなどのゲーム媒体の組み合わせからなるデッキを使用する場合には、当該デッキを特定するデッキ情報がユーザ情報記憶部222に記憶されていてもよい。また、ゲームサービスが、他のユーザ3との間でフレンド関係を構築する機能を備えている場合には、他のユーザ3との間で構築済みのフレンド関係を示す情報、及び、未成立状態のフレンド申請に関する情報などを含むフレンド関連情報が、ユーザ情報記憶部222に記憶されていてもよい。
【0036】
AI情報記憶部223は、情報処理システム10のゲームで利用されるAIに関連する情報を記憶し、格納している。例えば、AI情報記憶部223は、機械学習によって構築されたAIモデル、機械学習のアルゴリズムの実行に関わるプログラム、及び、機械学習に用いられる学習データなどを記憶していてもよい。情報処理システム10に複数種のAIを実装する場合には、AI情報記憶部223は、AIモデルごとにそれぞれ機械学習アルゴリズムに関わるプログラム及び学習データを記憶していてもよい。キャラクタAI、及び/又は、ユーザがNPCと会話するための会話生成AIなどを実装する場合には、このようなAIモデルをユーザごとにパーソナライズすることが可能であってもよい。この場合、AI情報記憶部223は、各ユーザのIDと対応付けて、AIモデル、及び/又は、学習データを記憶していてもよい。なお、学習データの構成は、特に限定されず、AI情報記憶部223で管理される学習データは、教師データを含んでいてもよいし、教師なしデータを含んでいてもよく、その他、追加学習用データ、強化学習用データなどを含んでいてもよい。
【0037】
換算レート記憶部224は、ゲームプレイを通じたユーザ3によるAIの利用量をゲーム要素(すなわち対象媒体)で数値化するための換算レートに関する情報を記憶している。当該換算レートは、対象媒体の数量と、AIによる演算処理に関わるデータ量との相対比率である。この換算レートは、各ユーザ3によるAIの利用量を管理するために、対象媒体の数量、及び、AIによる演算処理に関わるデータ量のいずれか一方を、他方へと換算する際に用いられる。例えば、ゲームでAIを利用する前に対象媒体の支払いをユーザ3に対して要求する場合(前払い方式の場合)、ユーザ3によって支払われた対象媒体の数量を、換算レートに基づいて、AIの演算処理に関わるデータ量へ換算し、換算されたデータ量の範囲でユーザ3によるAIの利用を許可してもよい。もしくは、AIの演算処理後に出力結果に応じた対象媒体の支払いをユーザ3に対して要求する場合(後払い方式の場合)、AIの演算処理に要したデータ量を、換算レートに基づいて、対象媒体の数量へ換算し、換算された数量の対象媒体の支払いをユーザ3に要求してもよい。
【0038】
AIによる演算処理に関わるデータ量とは、AIに対するユーザ3からの入力情報(プロンプト)のデータ量、及び/又は、入力情報に対してAIからユーザ3に対して提供される出力情報(演算処理結果)のデータ量である。つまり、ユーザ3がゲームでAIを利用する際には、AIへの入力のみに対応して対象媒体の使用が要求されてもよいし、AIからの出力のみに対応して対象媒体の使用が要求されてもよいし、入力と出力の両方に対応して対象媒体の使用が要求されてもよい。
【0039】
換算レートは、対象媒体1つあたりに対して入力及び/又は出力が可能なデータ量を示す相対比率で表されてもよいし、単位量当たりの入力データ及び/又は出力データに対応する対象媒体の数量を示す相対比率で表されてもよい。
【0040】
AIに関する入力及び/又は出力のデータ量を表す表示形式は、特に限定されない。例えば、AIに対する入力情報、及び、AIからの出力情報は、当該AIによる演算処理の最小単位に基づいて数値化されてもよい。AIによる演算処理とは、AIが、所定の機械学習アルゴリズムに基づいて、入力情報を認識したり、分析したり、出力情報を構築したりすることを意味する。大規模言語モデルのようなテキスト生成AIでは、テキストデータをトークンと呼ばれる単位に分割して、言語処理を実行する(例;「Hello. Nice to meet you.」は「Hello」「.」「Nice」「to」「meet」「you」「.」の7つのトークンに分割される)。テキスト生成AIだけでなく、音声生成AI、音楽生成AI、画像生成AI、動画生成AIなどにおいても、トークンと呼ぶ演算処理の単位が利用されている(音声/音楽生成AIにおける演算処理単位を「音響特徴トークン」と呼ぶ場合がある)。換算レートにおけるデータ量の単位は、この演算処理の単位である「トークン」で表されてもよい。なお、上記のとおり、本実施形態で示す「トークン」は、AIが実行する演算における処理単位であって、ブロックチェーン上で発行されるNFT(非代替性トークン)とは概念が異なることに留意されたい。
【0041】
換算レートにおけるデータ量の単位は、上記のような演算処理の単位(トークン)以外の表示形式で表されてもよく、管理対象のAIの種類に応じて適宜設定されてもよい。たとえば、テキスト生成AIに対応する換算レートでは、「単語数」「文字数」などの単位でデータ量が表現されてもよい。音楽生成AI、画像生成AI、又は、動画生成AIに対応する換算レートでは、AIに関するデータ量が、「KB」「MB」「ピクセル」などのデータサイズを示す単位で表現されてもよいし、「1画像あたりのゲーム媒体量」「1楽曲あたりのゲーム媒体量」などのようにファイル数量で表現されてもよい。
【0042】
換算レート記憶部224は、上記のような換算レートを記憶するとともに、当該換算レートと対応付けて、換算対象のゲーム媒体(AIの利用に際して使用される対象媒体)を特定する情報、管理対象のAIを特定する情報、管理対象AIの入出力に関するデータ形式を特定する情報などを記憶していてもよい。また、情報処理システム10で提供するゲームにおいて、出力の属性が異なる複数のAIが利用可能である場合には、全てのAIモデルごとに一律に適用される1つの換算レートが設定されていてもよいし、AIモデルごとにそれぞれ換算レートが設定されていてもよい。後者の場合、換算レート記憶部224には、利用量の管理対象とするAIモデルごとに換算レートが登録される。
図4及び
図5が、換算レート記憶部224に格納される換算レート情報の例示である。
【0043】
各AIモデルに対応する換算レートでは、各AIモデルに共通する1種のゲーム媒体が、AIに関するデータ量との換算対象として設定されていてもよい。例えば、
図4に示すNo.K001,K003-K006では、対象媒体としてアイテム「メダル」が設定されている。この場合、ゲームにおける複数のAIの利用量を、1つの尺度(アイテム「メダル」の量)で管理することができる。もしくは、AIに関するデータ量との換算対象として、AIモデルごとにそれぞれ種類が異なる対象媒体が設定されていてもよい。例えば、
図5のNo.KK001-KK003では対象媒体としてそれぞれ異なるアイテムが設定されている。この場合、AIを利用するゲームにおける戦略性の向上、ユーザの興趣性の向上などが期待できる。
【0044】
利用量の管理対象とする各AIモデルに対して、それぞれ1つのみ換算レートが設定されていてもよいが、対象媒体が異なる複数の換算レートが設定されていてもよい。例えば、
図4の例では、テキスト形式の会話生成AIに対して、「メダル」を対象媒体とする換算レート(No.K001)と、「金の盾」を対象媒体とする換算レートとが設定されている。各ユーザ3が獲得可能なゲーム媒体の種類及び量は、プレイ履歴、ゲームの進捗状況などの各ユーザ3のステータス、課金額などに応じて異なることが想定され、複数のゲーム媒体に対応する換算レートを設定することで、各ユーザ3が自らのステータスに応じて戦略的にAIを利用することができる。
【0045】
また、各AIモデルに対して、有償媒体に対応する換算レートと、無償媒体に対応する換算レートとがそれぞれ設定されていてもよい。各AIモデルに対応する換算レート情報には、AIへの入力データと対象媒体との相対比率を示す入力用換算レート、AIからの出力データと対象媒体との相対比率を示す出力用換算レート、及び、入力及び出力の合算量と対象媒体との相対比率を示す入出力合算用換算レートのうちの1種以上が含まれていてもよい。例えば、
図4のNo.K001は、会話生成AIに対応する入出力合算用換算レートの例であり、No.K004は、音楽生成AIに対応する出力用換算レートの例であり、No.005は、画像生成AIに対応する入力用換算レートと出力用換算レートの両方が設定されている例である。
【0046】
各AIモデルに対応する換算レートは、ユーザ3ごとに設定され、ユーザ3の識別IDに対応付けて換算レート記憶部224に記憶されていてもよい。若しくは、各AIモデルに対応する換算レート情報には、ユーザ3のステータス(プレイヤランク、ゲームステージのクリア状況、ストーリーの進捗状況などのゲーム進行度合いなど)又は課金状況(総課金額、課金回数など)に応じた複数の換算レートが含まれていてもよい。例えば、
図5に示す換算レート情報の例では、プレイヤランクに応じて換算レートが設定されており、KK001-Kk003がプレイヤランク「初級」に対応する換算レートであり、KK010-KK012がプレイヤランク「上級」に対応する換算レートである。
【0047】
図4及び
図5で例示するような換算レート情報は、事業者1の担当者により設定されて換算レート記憶部224に登録されてもよい。換算レートの具体的な数値は、換算レートが対象とするAIの属性に応じて設定してもよい。例えば、AIを利用する際の入力データ量の平均値、及び、出力データ量の平均値を算出し、当該平均値に応じて対象媒体の数量に重み付けをして、換算レートが設定されてもよい。また、換算レート記憶部224に格納されている換算レート情報は、後述するレート設定部213の機能に基づいて更新されてもよい。
【0048】
<制御部(サーバ)>
制御部21は、各部間のデータの受け渡しを行うとともに、サーバ20全体の制御を行う構成要素である。制御部21は、ゲームサービスの提供に必要な各種情報処理を実行する機能を有しており、制御部21の該機能は、CPU(Central Processing Unit)、及び/又は、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置が所定のストレージに格納されたデータ及びプログラムを読み出し、メモリの作業領域で各種プログラムを実行することによって実現される。
【0049】
制御部21は、実行する情報処理の種類に応じた複数の機能部を有する。たとえば、制御部21は、
図2に示すように、機能部として、ゲーム実行部210と、AI制御部211と、AI利用量管理部212と、レート設定部213と、操作情報受信部214と、処理結果生成部215と、機械学習制御部216と、を備えていてもよい。
【0050】
ゲーム実行部210は、ゲームプログラムに従ってゲームを進行させる処理を実行する機能を有する。情報処理システム10が提供するゲームのカテゴリは、前述のとおり、特に限定されない。
【0051】
ゲーム実行部210が進行するゲームは、例えば、ノンプレイヤキャラクタ(以下、NPCと記す)を用いるゲームであってもよい。NPCは、ユーザ3が操作しないキャラクタを意味し、例えば、NPCは、人工知能であるキャラクタAIにより操作される。ゲームにおけるNPCの用途は特に限定されず、例えば、対戦ゲームの場合には、ユーザ3と協力する仲間のキャラクタとしてNPCを用いてもよいし、ユーザと対戦する敵のキャラクタとしてNPCを用いてもよい。その他、恋愛ゲームの場合、恋愛対象のキャラクタとしてNPCを用いてもよいし、育成型のシミュレーションゲームの場合、育成対象のキャラクタとしてNPCを用いてもよい。ゲーム実行部210が進行するゲームでは、単一のNPCが用いられてもよいし、複数のNPCが用いられてもよい。
【0052】
AI制御部211は、AIによる演算処理を実行する機能を有し、ゲームに実装されるAIそのものの機能である。ゲームサービスで複数のAIモデルが利用可能である場合には、AI制御部211は、各AIモデルに対応する複数の機能を有していてもよい。AI制御部211は、ユーザ3の入力情報を受け付けて、所定のAIモデルに基づき、当該入力情報に対応する出力情報を生成する。入力情報は、テキストデータ、音声データ、その他の音響データ、画像データ、及び動画データから選択される1種以上を含んでいてもよい。
【0053】
例えば、AI制御部211は、キャラクタAIに基づいてNPCを制御する処理を実行してもよい。この場合のキャラクタAIは、NPCを自律的に活動させるための機械学習が施された、NPCの意思決定モデルである。キャラクタAIには、ユーザ3がNPCと対話できるようにするために、テキスト生成AI及び/又は音声生成AIなどのような会話生成AIが組み込まれていてもよい。
【0054】
会話生成において、AI制御部211は、プロンプトに相当するユーザ3の入力情報(ユーザ3の発言データ)を受け付けて、当該入力情報に応じた出力情報であるNPCの台詞を生成する。この際のユーザ3の入力情報は、キーボード又はタッチパネルに対するユーザ3の操作によりテキストデータ形式で入力されてもよいし、マイクを介して音声データ形式で入力されてもよい。もしくは、ゲーム実行部210が、予め用意された台詞の選択肢をユーザ端末30に送信し、当該選択肢のうちからユーザ3が所望の台詞を選択してもよい。AI制御部211は、ユーザ3による選択操作を受信して、選択された台詞をユーザ3の入力情報として受け付けてもよい。会話生成を担うAIモデルが、大規模言語モデルのようなテキスト生成AIである場合には、AI制御部211は、ユーザ3の入力情報に対するNPCの台詞をテキストデータ形式で出力してもよい。若しくは、会話生成を担うAIモデルが、音声生成AIである場合には、AI制御部211は、NPCの台詞を音声データ形式で出力してもよい。
【0055】
なお、上記のような会話生成に利用される音声生成AIは、NPCがユーザ3の所望する音声特徴(声色、イントネーション等)を有するように、予めパーソナライズされていてもよい。この場合、AI制御部211は、音声特徴のパラメータを設定するためのプロンプト(テキスト形式のプロンプトであってもよいし音源データを含むプロンプトであってもよい)をユーザ3から受け付けて、当該プロンプトに基づいて、NPCの音声特徴パラメータを設定する処理を実行してもよい。
【0056】
上記では、主に会話生成に関わるAI制御部211の機能を例示したが、ゲームで利用されるAIの機能は、上記の会話生成に限定されない。AI制御部211は、本実施形態の冒頭で述べたとおり、テキスト生成AI、音声生成AI、音楽生成AI、画像生成AI、動画生成AI、及び、シナリオ生成AIなどのように、1種又は複数の生成AIに関する機能を有していてもよい。
【0057】
AI利用量管理部212は、AIへの入力データ量及び/又はAIからの出力データ量と、対象媒体の数量との間の換算に基づいて、ユーザ3によるAIの利用量を管理する。ここで「ユーザ3によるAIの利用量を管理する」とは、以下に示す類型1~4のいずれかの方法で、ユーザ3によるAIの利用に制限を課すことを意味する。
類型1:AIへの入力データ量及び/又はAIからの出力データ量を、AIによる演算処理の実行前に予めユーザ3から支払われた対象媒体の数量に応じた範囲に制限する
類型2:AIによる演算処理の実行後に、当該演算処理における入力データ量及び/又は出力データ量に応じた数量の対象媒体の支払いをユーザ3に対して要求する
類型3:ユーザ3の対象媒体の保有数を上限として、ユーザ3が利用可能な入力データ量及び/又は出力データ量の範囲を、当該保有数に応じた範囲に制限する
類型4:AIの1回あたり、又は、単位期間あたりの利用で使用可能な対象媒体の任意の上限数の設定を受け付け、ユーザ3が利用可能な入力データ量及び/又は出力データ量の範囲を、設定された上限数に応じた範囲に制限する
上記の類型3及び類型4の場合には、AIによる演算処理の前に対象媒体の支払いが実行されてもよいし、演算処理の後で対象媒体の支払いが要求されてもよい。
【0058】
類型1の場合、AI利用量管理部212は、ユーザ3から所定量の対象媒体の支払いを受け付け、支払い前の対象媒体の保有数から支払われた量を減じて保有数情報を更新する。また、AI利用量管理部212は、ユーザ3から支払われた対象媒体の数量を、換算レートに基づいて、AIの演算処理に関わるデータ量(入力及び/又は出力のデータ量)に換算する。この際、AI利用量管理部212は、使用された対象媒体及びユーザ3の操作情報(例えば、ゲームでNPCとの会話を要求する、キャラクタ画像の作成を要求するなどのようなユーザ3が利用しようとしているAIモデルを特定する操作情報)に基づいて、利用予定のAIモデルに対応する換算レートを換算レート記憶部224から読み出す。AI利用量管理部212は、支払い量から換算されたデータ量(以下、利用可能データ量と称する)を特定する利用許可情報を生成し、当該利用許可情報をAI制御部211へ伝達する。
【0059】
AI制御部211は、受信した利用許可情報に基づき、ユーザ3によるプロンプトの入力を許可する。ユーザ3がユーザ端末30を介してプロンプトを入力すると(例えば、ユーザ3とNPCとの会話の場合、NPCに対するユーザ3からの発言(台詞)をテキスト又は音声で入力する)、AI制御部211は、対象媒体の支払い量に応じた利用可能データ量の範囲で、機械学習が施されたAIモデルによる演算処理を実行し、ユーザ3のプロンプトに対応する出力情報を生成する(例えば、ユーザ3とNPCとの会話の場合、ユーザ3の発言に対するNPCの回答をテキストデータ又は音声データで出力する)。AI制御部211がユーザ3に対して演算処理結果を出力した後に未だ利用可能データ量が残存している場合には、AI制御部211は、演算処理結果を出力する前の利用可能データ量から出力に要したデータ量を差し引いて利用可能データ量を更新する。この場合、AI制御部211は、利用可能データ量が無くなるまで連続的又は断続的にユーザ3によるプロンプトの入力を受け付けてもよい。
【0060】
AI制御部211は、ユーザ3による入力情報のデータ量、及び/又は、プロンプトに応じて生成した出力情報のデータ量が、利用可能データ量を上回る場合に、入力情報の受け付け、又は、出力情報のユーザ端末30への送信を中断して、対象媒体が不足していることをユーザ3に通知する警告情報をユーザ端末30へ送信してもよい。警告情報を受けとったユーザ3が追加で対象媒体の支払いを実行した場合には、AI利用量管理部212は、追加の支払い量に応じた利用可能データ量を換算レートに基づいて算出する。そして、AI制御部211は、AI利用量管理部212から新たに受信した利用許可情報に基づいて、中断している処理を再開する。一方、対象媒体の追加の支払いが実行されなかった場合には、AI制御部211は、一時的に中断している処理(入力情報の受け付け、又は、出力情報のユーザ端末30への送信)を中止して、出力情報をユーザ端末30へ送信することなく処理を完了してもよい。
【0061】
AIの演算処理に関わるデータ量が利用可能データ量を上回った際の対応は、上記の追加支払いを要求する対応に限定されない。例えば、AI制御部211は、プロンプトに応じて生成した出力情報のデータ量が利用可能データ量を上回る場合に、当該出力情報を利用可能データ量の範囲まで縮小化する処理を実行してもよい。つまり、AI制御部211が、AIからの出力情報が、対象媒体の支払い量に応じた利用可能データ量の範囲に収まるように、出力の内容を調整してもよい。この出力情報の縮小化処理は、前述の警告情報をユーザ3に通知することなく自動的に実行されてもよいし、警告情報の通知後に追加の対象媒体が支払われなかった場合に実行されてもよい。
【0062】
類型2の後払い方式の管理の場合、AI制御部211は、ユーザ3によるゲームでのAIの利用要求及びプロンプトの入力を受け付けて、機械学習が施されたAIモデルによる演算処理を実行し、ユーザ3のプロンプトに対応する出力情報を生成する。当該出力情報のユーザ端末30への送信前又は送信後に、AI制御部211は、当該演算処理における入力情報のデータ量及び/又は出力情報のデータ量を特定する演算処理結果情報を、AI利用量管理部212へ伝達する。当該演算処理結果情報には、演算処理を実行したAIモデルを特定する情報が含まれていてもよい。AI利用量管理部212は、演算処理結果情報が示すデータ量を、換算レートに基づいて、対象媒体の数量に換算する。この際、AI利用量管理部212は、演算処理結果情報等から演算処理を実行したAIモデルを特定し、特定したAIモデルに対応する換算レートを換算レート記憶部224から読み出す。
【0063】
AI利用量管理部212は、ユーザ3がAIを利用した際の演算処理に要したデータ量に応じた対象媒体の数量(以下、対象媒体の消費量と称する)を算出した後、ユーザ3の対象媒体の保有数から消費量を差し引いて、ユーザ3の対象媒体に関する保有数情報を更新する。類型2の管理方式において、AIの利用による対象媒体の消費量が、ユーザ3の対象媒体の保有数を上回る場合には、AI利用量管理部212は、ユーザ3に対して不足分の対象媒体を補充するように要求し(補充要求をユーザ端末30に通知し)、不足分の対象媒体が補充されるまでユーザ3によるAIの利用を停止する指示情報をAI制御部211に伝達してもよい。対象媒体の補充方法は、特に限定されず、対象媒体は、当該対象媒体の属性に応じて課金、抽選、ミッションクリアの報酬などの方法で獲得されればよい。なお、類型2の後払い方式による管理方法を採用する場合において、後払い方式による管理方法と、類型3又は4による上限数の設定による管理方法とを組み合わせて、ユーザ3によるAIの利用量が対象媒体の保有数が上回ることが無いように、ユーザ3によるAIの利用を制限してもよい。
【0064】
類型3による管理方法の場合、AI利用量管理部212は、ユーザ情報記憶部222に格納されているユーザ3の対象媒体の保有数を読み出し、当該保有数に応じた上限データ量を算出する。具体的に、AI利用量管理部212は、対象媒体の保有数を、換算レートに基づいて、AIの演算処理に関わるデータ量へ換算し、当該換算量を、ユーザ3がゲームでAIを利用する際の入力及び/又は出力で使用可能な上限データ量として設定する。また、AI利用量管理部212は、上限データ量と当該上限データ量の対象となるAIモデルとを特定する制限情報を生成し、当該制限情報をAI制御部211へ伝達する。つまり、制限情報は、AI利用量管理部212がAI制御部211に対して、対象媒体の保有数に応じたデータ量を上限として、ユーザ3によるAIの利用を制限するように指示する指示情報である。なお、複数の換算レートが換算レート記憶部224に記憶されている場合には、AI利用量管理部212は、各換算レートに対応する上限データ量をそれぞれ算出し、各換算レートに対応する制限情報を出力してもよい。
【0065】
AI利用量管理部212から制限情報を受け取ったAI制御部211は、制限情報が示す上限データ量の範囲で、AIによる演算処理を実行する。例えば、AI制御部211は、AIによる演算処理結果を出力する際に、当該演算処理における入力データ量及び/又は出力データ量が上限データ量の範囲に収まるか否かを判定してもよい。入力データ量及び/又は出力データ量が上限データ量の範囲内であれば、AI制御部211は、演算処理結果をユーザ端末30へ送信する。一方で、入力データ量及び/又は出力データ量が上限データ量を上回る場合、AI制御部211は、演算処理結果の出力を中止して、対象媒体が不足していることをユーザ3に通知する警告情報をユーザ端末30へ送信してもよい。警告情報を受けとったユーザ3が、課金などの手段で直ぐに対象媒体を補充した場合には、AI利用量管理部212が、対象媒体の補充量に基づいて上限データ量を更新するとともに、AI制御部211が、出力が中止されていた演算処理結果をユーザ端末30へ送信する処理を実行する。一方、対象媒体の補充が実行されなかった場合には、AI制御部211は、演算処理結果をユーザ端末30へ送信することなく処理を完了し、対象媒体が補充されるまで(上限データ量が更新されるまで)ユーザ3によるAIの利用を停止させてもよい。
【0066】
類型4による管理方法の場合、AI利用量管理部212は、AIの1回あたり、又は、単位期間(例;月単位、週単位、日単位など)あたりの利用で使用可能な対象媒体の上限数の設定を受け付ける(なお、AIの利用回数はAIによる出力回数に相当する)。1回あたり又は単位期間あたりに使用可能な対象媒体の上限数は、ユーザ3によって指定されてもよいし、事業者1によって指定されてもよい。AI利用量管理部212は、受け付けた対象媒体の上限数を、換算レートに基づいて、AIの演算処理に関わるデータ量へ換算し、当該換算量を、1回あたり又は単位期間でユーザ3が利用可能な上限データ量として設定する。AI利用量管理部212は、類型3による管理方法の場合と同様に、限データ量と当該上限データ量の対象となるAIモデルとを特定する制限情報を生成し、当該制限情報をAI制御部211へ伝達する。類型4の制御情報は、AI利用量管理部212からAI制御部211に対して通知される指示情報であって、当該制御情報に基づいて、指定された対象媒体の上限数に応じたデータ量を上限として、1回あたり又は単位期間あたりのAI利用量が制限される。
【0067】
AI利用量管理部212から制限情報を受け取ったAI制御部211は、類型3の場合と同様に、制限情報が示す上限データ量の範囲で、AIによる演算処理を実行する。
【0068】
レート設定部213は、ユーザ3によるAIの利用量を管理する際に用いられる換算レートを設定及び/又は更新する処理を実行する。例えば、レート設定部213は、事業者1から換算レートに関する設定情報を受け付けて、受け付けた設定情報に基づいて生成した換算レートに関する情報を換算レート記憶部224へ記憶させてもよい。当該換算レートの設定処理は、管理対象とするAIモデルごとに実行されてもよい。また、レート設定部213は、事業者1から換算レート記憶部224に格納されている各換算レートを変動させる旨の指示情報を受け付けて、換算レートに関する情報を更新する処理を実行してもよい。
【0069】
レート設定部213は、各換算レートの修正を事業者1に提案する処理を実行してもよい。例えば、レート設定部213は、所定期間(例;1週間、1か月間、3か月間、半年間など)におけるユーザ3のAI利用量をAIモデルごとに集計し、当該集計結果に基づいて、各換算レートの上昇又は低下させるような修正の提案を事業者1へ通知してもよい。上記のAI利用量の集計は、全ユーザ3を対象として実行されてもよいし、プレイヤランクが上位のユーザ3などのように一部のユーザ3に対象を絞って実行されてもよい。事業者1へ提案する換算レートの修正内容は、例えば、所定の閾値に基づいて決定されてもよい。所定期間におけるAI利用量の合計が所定の閾値を上回っていた場合、レート設定部213が、データ量に対する対象媒体の比率を上昇又は低下させるように換算レートを修正する提案情報を生成してもよい。反対に、所定期間におけるAI利用量の合計が所定の閾値を下回っていた場合、レート設定部213が、データ量に対する対象媒体の比率を上昇又は低下させるように換算レートを修正する提案情報を生成してもよい。この場合の閾値は、事業者1により設定されていてもよいし、集計期間よりも前の期間におけるAI利用量の合計を閾値として設定してもよい。
【0070】
操作情報受信部214は、ユーザ端末30より送信された操作情報を受信する機能を有する。受信した操作情報は、ゲーム実行部210によりゲームプログラムが処理されるための指示情報として用いられる。また、受信した操作情報は、ゲームで利用される各AIモデルに対する入力情報(プロンプト)として用いられる。
【0071】
処理結果生成部215は、ゲーム実行部210により実行されたゲームプログラムの処理結果を生成する処理を実行する機能を有している。ゲームプログラムの処理結果の生成に際して、処理結果生成部215は、AI制御部211から送られてくるAIモデルによる出力情報(演算処理結果)を受信し、その出力情報を反映させてゲームプログラムの処理結果を生成する。処理結果生成部215により生成された処理結果は、サーバ通信部23を介してユーザ端末30に送信され、ユーザ端末30の表示部34により出力される。
【0072】
サーバ20の制御部21は、ゲームで利用される各AIの機械学習を制御する処理を実行する機械学習制御部216を有していてもよい。例えば、ゲームで利用されるAIモデルをユーザ3ごとにパーソナライズする場合には、機械学習制御部216は、パーソナライズのための機械学習を実行して各ユーザ3に対応するAIモデルを構築する処理を実行してもよい。この場合の学習データは特に限定されず、ユーザ3のプレイ履歴、ゲーム進行度合い、及び、AIに対して入力された操作情報などが学習データとして利用されてもよい。また、機械学習制御部216は、学習済みの各AIモデルの追加学習及び/又は強化学習を制御する処理を実行してもよい。機械学習制御部216が実行する機械学習のアルゴリズム及び学習データは、特に限定されず、各AIモデルの属性に応じて適宜決定されてもよい。
【0073】
<サーバ通信部>
サーバ通信部23は、ネットワークNを介して、ユーザ端末30の端末通信部35と接続されている。サーバ通信部23と、ユーザ端末30の端末通信部35とは、互いに情報を送受信する。サーバ20では、サーバ通信部23を介してユーザ端末30から各種のコマンド(プロンプト、リクエストなど)を受信する。ユーザ端末30から送信されてくる各種コマンドを基に、制御部21においてゲームプログラムによる処理を実行し、サーバ通信部23は、処理結果生成部215が生成したゲームプログラムの処理結果(例えば、ゲーム画像、ゲーム音声等)をユーザ端末30に送信する。なお、上記ゲームプログラムの一部は、ユーザ端末30に送信されてユーザ端末30上で実行されてもよい。
【0074】
<ユーザ端末>
図3は、
図1に示すユーザ端末30の機能ブロック図である。ユーザ端末30は、ユーザ3が所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末、ゲーム専用端末、その他コンピュータ等)である。ユーザ端末30は、サーバ20から送信されたゲームプログラムの処理結果をゲームアプリケーションまたはWebブラウザを介して出力(例えば、ゲーム画像出力、ゲーム音声出力等)することができる。ユーザ端末30は、例えば、ユーザ端末30全体の制御を行う制御部31と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部32と、ユーザが操作入力を行うための入力部33と、ゲーム画面及び操作画面等を表示する表示部34と、サーバ20との間で情報通信を行う端末通信部35と、を有する。
【0075】
<制御部(ユーザ端末)>
制御部31は、ディスプレイ及びカメラなどのユーザ端末30の各部を制御するために必要な機能を有しており、制御部31の各機能は、CPU(Central Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。ユーザ端末30の制御部31は、例えば、操作情報受付部311と、ゲーム動作部312と、処理結果受信部313と、を備えていてもよい。
【0076】
操作情報受付部311は、ユーザ3によって後述の入力部33に入力されたゲームに関する操作情報を受け付ける処理を実行する。また、操作情報受付部311は、受け付けたゲームに関する操作情報をゲーム動作部312に出力する処理を実行する。
【0077】
ゲーム動作部312は、ゲームアプリケーションを動作させるための処理を実行する。ゲーム動作部312は、後述の記憶部22に記憶されたゲーム動作情報に含まれるゲームソフトウェアと、ユーザによって後述の入力部33から入力されたゲームに関する操作情報に基づいてゲームを開始及び動作させる。ゲーム動作部312は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる画像データからゲーム用の画像を生成し、生成した画像を表示部34に出力させるための制御処理を行う。同様にして、ゲーム動作部312は、ゲームの動作に伴い、ゲーム動作情報に含まれる音楽データや音声データからゲーム用の音楽や音声を生成し、生成した音楽や音声をユーザ端末30から出力させるための制御処理を行う。
【0078】
なお、ここでは、ネイティブアプリがWebアプリの機能を一部実行する、すなわち、ユーザ端末30のゲーム動作部312がサーバ20の処理結果生成部215の機能を一部実行する構成について説明したが、ユーザ端末30の制御部31はゲーム動作部312の機能を有していなくともよい。その場合、サーバ20の処理結果生成部215が処理結果として全てのゲーム用画像、音声を生成するように構成されていてもよい。また、サーバ20の処理結果生成部215の代わりに、ユーザ端末30のゲーム動作部312が全てのゲーム用画像、音声を生成するように情報処理システム10を構成してもよい。
【0079】
制御部31がゲーム動作部312を有する場合、ゲーム動作部312が動作させるゲームにおける所定のパラメータはサーバ20にて管理される。例えば、ゲームにおけるレベルや、ゲーム内通貨といったパラメータが、サーバ20にて管理される。そのため、ユーザ端末30のゲーム動作部312は、ゲームにおいてこれらの所定のパラメータの変化が伴う処理が発生する場合には、サーバ20との通信を行うことにより、サーバ20が管理するパラメータを更新させる。そして、ゲーム動作部312は、更新後のパラメータをサーバ20から受信し、この更新後のパラメータに基づいてゲームの動作を継続する。
【0080】
サーバ20が処理結果生成部215を有する場合には、ユーザ端末30の処理結果受信部313は、サーバ20の処理結果生成部215により生成及び送信された処理結果を受信し、その処理結果を表示部34に出力させる処理を実行する。なお、ユーザ端末30の制御部31は、上述した操作情報受付部311、ゲーム動作部312、及び、処理結果受信部313以外の機能部を有していてもよい。
【0081】
<記憶部(ユーザ端末)>
ユーザ端末30の記憶部32は、各種制御処理や制御部31内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される。また、記憶部32は、ユーザ端末30が通信を行った際には、ユーザ端末30の通信内容を一時的に記憶する。記憶部32は、ユーザ設定記憶部321を備えていてもよい。
【0082】
ユーザ設定記憶部321は、決済手段に関する情報やアカウント情報などのユーザ設定情報を記憶する。このようなユーザ設定情報は、サーバ20のユーザ情報記憶部222に記憶させておいてもよい。
【0083】
<入力部>
入力部33は、ユーザ3による入力操作を受け付けて、ゲームにおけるユーザ3の操作情報を生成する。ユーザ3による入力操作としては、例えば、タッチパネルなどの表示面への接触による入力操作、ユーザ端末30に備えられている物理ボタンを介した入力操作、キーボードを用いたテキストの入力操作、マイクを用いた音声の入力操作、ユーザ端末30に内装されるジャイロセンサのようなセンサを利用してユーザ3がユーザ端末30を物理的に動かす(傾ける、振るなど)ことによる入力操作などが挙げられる。
【0084】
ゲームにおいてユーザ3がNPCと会話する際には、ユーザ3は、表示面への接触、又は、キーボードを用いて、入力操作を行ってもよく、その場合は、テキストデータが操作情報として生成される。もしくは、ユーザ3は、マイクを用いて入力操作を行ってもよく、その場合は、音声データ、又は、音声データから変換されたテキストデータが操作情報として生成される。ユーザ3とNPCとの会話においては、上記のような操作情報が、会話生成AIへの入力情報(プロンプト)として用いられてもよい。
【0085】
<表示部>
表示部34は、ゲームプログラムの処理結果が表示されるディスプレイであり、このディスプレイは、表示面への接触によりユーザ3の入力操作を受付可能なタッチパネルであってもよい。
【0086】
<端末通信部>
端末通信部35は、ネットワークNを介して、サーバ20のサーバ通信部23と接続されている。端末通信部35と、サーバ通信部23とは、互いに情報を送受信する。
【0087】
次に、ユーザ3がゲームでAIを利用する際に実行される情報処理の概略を、
図6-
図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0088】
図6は、ユーザ3によるAIの利用を前払い方式(類型1)で管理するフローを例示している。まず、ユーザ3がゲームのプレイ中にAIの利用をリクエストした場合に、AI利用量管理部212は、ユーザ3が利用を希望するAIに応じた対象媒体の支払を要求する。ユーザ3がユーザ端末30を介して所定量の対象媒体の支払を実行すると(
図6のステップS101)、AI利用量管理部212は、支払い前の対象媒体の保有数から支払われた量を減じて保有数情報を更新する。また、AI利用量管理部212は、換算レート記憶部224から、支払われた対象媒体及び利用予定のAIモデルに対応する換算レートを特定し、当該換算レートに基づいて、ユーザ3から支払われた対象媒体の数量を、AIの演算処理に関わるデータ量(入力及び/又は出力のデータ量)に換算する。そして、支払い量から換算されたデータ量(以下、利用可能データ量と称する)を特定する利用許可情報を生成し、当該利用許可情報をAI制御部211へ伝達する。なお、
図6では、簡潔な説明のために、AIの出力情報と対象媒体との相対比率を示す出力用換算レートを用いたAI利用量の管理を例示するものとする。
【0089】
利用許可情報を受信したAI制御部211は、ユーザ3によるAIの利用を許可し、AIモデルに対するユーザ3の入力情報(プロンプト)を受け付ける(ステップS102)。AI制御部211は、機械学習が施されたAIモデルによる演算処理を実行し、ユーザ3のプロンプトに対応する出力情報を生成する(ステップS103)。AI制御部211は、AIが生成した出力情報のデータ量が利用可能データ量の範囲内であるか否かを判定する(ステップS104)。出力情報のデータ量が利用可能データ量の範囲内の場合(ステップS104のYes)、AI制御部211は、出力情報をユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30の表示部34に表示させる(ステップS106)。一方で、出力情報のデータ量が利用可能データ量を上回る場合(ステップS104のNo)、AI制御部211は、出力情報のデータ量が利用可能データ量の範囲内に収まるように、AIが生成した出力情報を縮小化する処理を実行する(ステップS105)。当該縮小化処理により出力情報のデータ量が利用可能データ量の範囲内に低減されば場合には、ステップS106へ移行し、縮小された出力情報をユーザ端末30へ表示させる。
【0090】
ステップS106の後、AI制御部211は、ステップS106でユーザ端末30へ出力された出力情報に対応するデータ量をステップS101の時点における利用可能データ量から差し引いて、利用可能データ量を更新する。また、ユーザ3が継続してAIの利用を所望する場合には(ステップS107のYes)、AI制御部211は、AIの出力情報の出力後において利用可能データ量が残存しているか否かを判定する(ステップS108)。1回あたりの出力に要するだけの利用可能データ量が残っていない場合(ステップS108のNo)、ステップS101へ移行し、AI利用量管理部212は、ユーザ3に対して対象媒体の支払いを要求する。一方、1回あたりの出力に要するだけの利用可能データ量が残っている場合(ステップS108のYes)、ステップS102へ移行し、AI制御部211が、ユーザ3からプロンプトである入力情報を受け付ける。
【0091】
図7は、ユーザ3による対象媒体の保有数を上限として後払い方式でユーザ3によるAIの利用を管理するフロー(類型2及び類型3の組み合わせ)を例示している。まず、AI利用量管理部212は、ユーザ情報記憶部222に格納されているユーザ3の対象媒体の保有数を読み出し、換算レートに基づいて当該保有数に応じた上限データ量を算出する(
図7のステップS201)。AI利用量管理部212は、算出した上限データ量と当該上限データ量の対象となるAIモデルとを特定する制限情報を生成し、当該制限情報をAI制御部211へ伝達する。なお、
図7では、簡潔な説明のために、AIの出力情報と対象媒体との相対比率を示す出力用換算レートを用いたAI利用量の管理を例示するものとする。
【0092】
AI利用量管理部212から制限情報を受け取ったAI制御部211は、ユーザ3によるAIの利用を許可し、AIモデルに対するユーザ3の入力情報(プロンプト)を受け付ける(ステップS202)。AI制御部211は、機械学習が施されたAIモデルによる演算処理を実行し、ユーザ3のプロンプトに対応する出力情報を生成する(ステップS203)。AI制御部211は、AIによる演算処理結果を出力する際に、当該演算処理で生成された出力情報のデータ量が上限データ量の範囲に収まるか否かを判定する(ステップS204)。出力情報のデータ量が上限データ量の範囲内であれば(ステップS204のYes)、AI制御部211は、出力情報をユーザ端末30に送信し、ユーザ端末30の表示部34に表示させる(ステップS205)。一方で、出力情報のデータ量が上限データ量を上回っている場合(ステップS204のNo)、AI制御部211は、演算処理結果の出力を中止して、対象媒体が不足していることをユーザ3に通知する警告情報をユーザ端末30へ送信する(ステップS208)。
【0093】
警告情報を受け取ったユーザ3が課金等の手段で対象媒体を補充されれば(ステップS209のYes)、ステップS205へ移行し、AI制御部211が、中断されていた出力情報のユーザ端末30への送信を実行して当該出力情報をユーザ端末30へ表示させる。当該出力情報の送信後に、AI制御部211は、出力情報のデータ量を特定する演算処理結果情報を、AI利用量管理部212へ伝達する。AI利用量管理部212は、演算処理結果情報が示すデータ量を、換算レートに基づいて、対象媒体の数量に換算する(ステップS206)。この際、AI利用量管理部212は、演算処理結果情報等から演算処理を実行したAIモデルを特定し、特定したAIモデルに対応する換算レートを換算レート記憶部224から読み出す。AI利用量管理部212は、出力情報のデータ量に応じた対象媒体の消費量を算出した後、ユーザ3の対象媒体の保有数から消費量を差し引いて、ユーザ3の対象媒体に関する保有数情報を更新する。このステップS206の後、ユーザ3が継続してAIの利用を所望する場合には(ステップS207のYes)、ステップS202へ移行し、ステップS202移行の工程を繰り返す。
【0094】
類型4の管理方法で1回あたり又は所定期間あたりに利用可能な対象媒体の上限数の指定を受け付ける場合においても、
図7で示すフローと同様のフローで、ユーザ3によるAIの利用が管理されてもよい。
【0095】
<実施形態のまとめ>
本実施形態の情報処理システム10は、人工知能(AI)を利用するゲームを提供するゲームシステムである。この情報処理システム10は、ユーザ3が保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶するユーザ情報記憶部222と、人工知能への入力のデータ量、及び/又は、人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体(対象媒体)の数量と、を換算するための換算レートを記憶する換算レート記憶部224と、換算レートに基づく、所定ゲーム媒体と、人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、ユーザ3による人工知能の利用量を管理するAI利用量管理部212と、を備える。
【0096】
情報処理システム10が上記の特徴を有することで、各ユーザ3によるゲームプレイにおけるAIの利用量をゲーム要素で可視化して管理することができる。ユーザ3にとってAI利用時の入力情報及び/又は出力情報がどの程度のデータ量で構成されているか把握することが容易ではないことが想定されるが、本実施形態の情報処理システム10では、AIの演算処理に関わるデータ量をゲーム要素の数量で表現することで、ユーザ3がゲームプレイにおいてどの程度AIを利用しているか容易に把握できる。
【0097】
ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含む。この場合、利用量の管理に使用される換算レートは、生成AIモデルごとにそれぞれ設定され換算レート記憶部224に記憶されていてもよい。また、各生成AIモデルに対応する換算レートでは、演算処理に関わるデータ量の換算対象として、共通の対象媒体が設定されていてもよいし、生成AIモデルごとにそれぞれ異なる対象媒体が設定されていてもよい。複数の生成AIがゲームに組み込まれている場合、出力のデータ形式及び1回あたりの出力に要するデータ量が生成AIの属性に応じて異なるため、AI利用量の管理が複雑となることが想定されるが、本実施形態の情報処理システム10では、各生成AIの属性に応じて生成AIごとにゲーム要素との換算レートが設定されるため、複数の生成AIの利用量をゲーム要素で規格化して管理することができ、AI利用量の管理が容易となる。また、生成AIごとにそれぞれ対象媒体を設定することで、ゲームにおけるAIの利用に際して、戦略性及び興趣性の向上が期待できる。
【0098】
AIの演算処理に関わるデータ量との換算対象である対象媒体は、AIの利用によって消費される消費媒体であってもよい。また、換算レート記憶部224は、AIモデルごとに、有償媒体に対応する換算レートと、無償媒体に対応する換算レートとをそれぞれ記憶していてもよい。
【0099】
AI利用量管理部212は、前払い方式でユーザ3によるAIの利用量を管理してもよく(管理類型1)、後払い方式でAIの利用量を管理してもよい(管理類型2)。また、AI利用量管理部212は、ユーザ3が保有する対象媒体の数量(保有数)を上限として設定し、ユーザ3によるAIの利用を制限してもよく(管理類型3)、1回あたり又は単位期間あたりの対象媒体の上限の設定を受け付けて、当該上限の範囲でユーザ3によるAIの利用を制限してもよい(管理類型4)。このように、本実施形態の情報処理システム10では、AIの演算処理に関わるデータ量をゲーム要素で規格化することで、様々な方式でゲームにおけるAIの利用量を管理できる。そのため、事業者1は、AIの利用による対価を確実な方法で回収できるように管理方式を選択できる。
【0100】
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0101】
本開示は、以下の構成を備える。
(項目1)
人工知能を利用するゲームを提供する情報処理システムであって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶するユーザ情報記憶部と、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶する換算レート記憶部と、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理するAI利用量管理部と、を備える情報処理システム。
(項目2)
前記ゲームで利用される人工知能は、出力の属性が異なる複数の生成AIモデルを含み、
前記換算レートは、前記生成AIモデルごとにそれぞれ設定され、前記換算レート記憶部に記憶されている項目1に記載の情報処理システム。
(項目3)
前記所定ゲーム媒体は、前記人工知能の利用により消費される消費媒体であり、
前記生成AIモデルごとに対応する消費媒体が設定されて、前記生成AIモデルごとに対応する前記消費媒体との前記換算レートが前記換算レート記憶部に記憶されている項目2に記載の情報処理システム。
(項目4)
前記所定ゲーム媒体は、前記人工知能の利用により消費される消費媒体である項目1または2に記載の情報処理システム。
(項目5)
前記消費媒体には、有償媒体、及び、無償媒体が含まれ、
前記換算レート記憶部は、前記有償媒体に対応する換算レートと、前記無償媒体に対応する換算レートとを記憶している項目4に記載の情報処理システム。
(項目6)
前記AI利用量管理部は、前記ユーザが保有する前記所定ゲーム媒体の数量を上限として、前記ユーザによる前記人工知能の利用を制限する制限情報を生成する項目1又は2に記載の情報処理システム。
(項目7)
前記AI利用管理部は、前記人工知能の1回あたり、又は、単位期間あたりの利用で使用可能な前記所定ゲーム媒体の上限数の設定を受け付け、前記換算レートに基づいて算出される当該上限数に応じたデータ量を、前記人工知能の1回あたり、又は、単位期間あたりの利用における入力及び/又は出力の上限値として設定する、項目1又は2に記載の情報処理システム。
(項目8)
前記AI利用管理部は、前記ユーザが前記人工知能を利用した際の入力に関するデータ量、及び/又は、出力に関するデータ量に応じた前記所定ゲーム媒体の消費量を算出し、算出した消費量を前記ユーザが保有する前記所定ゲーム媒体の数量から差し引いて、前記ユーザの保有数情報を更新する項目1又は2に記載の情報処理システム。
(項目9)
人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理することと、を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
(項目10)
コンピュータが、人工知能を利用するゲームの提供に関わる情報処理を実行する情報処理方法であって、
ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶することと、
前記人工知能への入力のデータ量、及び/又は、前記人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶することと、
前記換算レートに基づく、前記所定ゲーム媒体と、前記人工知能に関わる入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、前記ユーザによる前記人工知能の利用量を管理することと、を前記コンピュータが実行する情報処理方法。
【符号の説明】
【0102】
1 … 事業者
3 … ユーザ
10 … ゲームシステム
20 … サーバ(情報処理装置)
【要約】
【課題】ゲームで用いられるAIの利用量を可視化して管理することができる情報処理システム、プログラム、及び、情報処理方法を提供することである。
【解決手段】人工知能を利用するゲームを提供する情報処理システムであって、ユーザが保有するゲーム媒体及び該ゲーム媒体の数量を示す保有数情報を記憶するユーザ情報記憶部と、人工知能への入力のデータ量、及び/又は、人工知能からの出力のデータ量と、所定ゲーム媒体の数量と、を換算するための換算レートを記憶する換算レート記憶部と、換算レートに基づく、所定ゲーム媒体と、入力及び/又は出力のデータ量との間の換算に基づいて、ユーザによる人工知能の利用量を管理するAI利用量管理部と、を備える情報処理システム。
【選択図】
図4