(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】電子値札の測位方法、コンピュータ機器および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01S 5/14 20060101AFI20241021BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20241021BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
G01S5/14
H04W64/00
B65G1/137
(21)【出願番号】P 2024098836
(22)【出願日】2024-06-19
【審査請求日】2024-06-19
(31)【優先権主張番号】202311075762.3
(32)【優先日】2023-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520367544
【氏名又は名称】漢朔科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hanshow Technology Co.Ltd.
【住所又は居所原語表記】Floor 4,Building 1 and Floor 7,Building 5,Jiaxing Guangfu Innovation Park,No.1288 Kanghe Road,Xiuzhou District,Jiaxing,Zhejiang 314031 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】梁敏
(72)【発明者】
【氏名】吉亞平
(72)【発明者】
【氏名】虞思成
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111901742(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111885505(CN,A)
【文献】特開2023-024064(JP,A)
【文献】国際公開第2010/021170(WO,A1)
【文献】中国実用新案第214040064(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0246405(US,A1)
【文献】特開2020-165696(JP,A)
【文献】国際公開第2019/197716(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/68
G01S 5/00-5/14
G01S 11/00-11/10
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札および前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を決定するステップであって、前記複数のペアリング電子値札は、前記候補電子値札の近隣値札のうち、位置が既知であり、かつ異なる棚に位置するまたは/および異なる陳列面に位置する電子値札であるステップと、
前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得り、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップと、
各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップと、
全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップと、を含む
ことを特徴とする電子値札の測位方法。
【請求項2】
基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップは、
現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が同一のターゲット基地局に登録されている場合、サーバが前記ターゲット基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信することと、
サーバが現在の候補ペアリング値札ペアの測定距離を受信した後、サーバが次の候補ペアリング値札ペアに測距命令を送信することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札の測位方法。
【請求項3】
現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が異なる2つの基地局に登録されている場合、サーバは、前記2つの基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の電子値札の測位方法。
【請求項4】
現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が異なる2つの基地局に登録されている場合、前記ペアリング電子値札に前記候補電子値札が登録されたターゲット基地局に再登録させるようにサーバが前記ペアリング電子値札に再登録コマンドを送信することと、
サーバが前記ターゲット基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信することと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の電子値札の測位方法。
【請求項5】
前記測距命令には、2つの測距すべき値札のID、2つの値札の身分、測距開始時間、測距に使用される周波数点の範囲、測定信号送信の時間長、信号の送信電力、受信時間窓長、一回の測定時間長および測定回数の任意の組み合わせが含まれる
ことを特徴とする請求項3または4に記載の電子値札の測位方法。
【請求項6】
各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップは、
現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札が中心周波数点f
iでi回目の測定信号を送信し、前記現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札が、前記i回目の測定信号が受信される位相φ
Riを記録することと、
前記現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札が前記位相φ
Riをi回目の応答信号に携帯させて、中心周波数点f
iで前記i回目の応答信号を送信し、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札が、前記i回目の応答信号が受信される位相φ
Iiを記録することと、
前記候補電子値札がペアリング電子値札から送信されたN回目の応答信号が受信される位相φ
INを記録するとき、中心周波数点f
i、位相φ
Riおよび位相φ
Iiに基づいて、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することと、を含み、
ただし、f
iは等差数列であり、iは[1,2,…,N]における正の整数であり、Nは予め設定された測定信号を送信する総回数である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札の測位方法。
【請求項7】
現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が、中心周波数点f
i、位相φ
Riおよび位相φ
Iiに基づいて、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することは、
現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が、位相φ
Riと位相φ
Iiから位相差φ
iを得ることと、
位相差φ
iと中心周波数点f
iに対して線形フィッティングを行い、曲線の傾きを得ることと、
前記曲線の傾きに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出することと、を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の電子値札の測位方法。
【請求項8】
前記曲線の傾きに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出する算出式は、
d
1=k×(c/π)であり、
ただし、d
1は、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離であり、kは、曲線の傾きを整数倍の関係で除算した対応する伝送遅延であり、cは、光速である
ことを特徴とする請求項7に記載の電子値札の測位方法。
【請求項9】
現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が、中心周波数点f
i、位相φ
Riおよび位相φ
Iiに基づいて、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することは、
現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が位相φ
Riと位相φ
Iiから位相差φ
iを得ることと、
前記位相差φ
iに対して自己相関処理および高速フーリエ変換を行い、最大特徴点に対応するデータ座標m(i
max)を抽出することと、
前記データ座標に基づいて前記現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出することと、を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の電子値札の測位方法。
【請求項10】
前記データ座標に基づいて前記現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出する算出式は、
d
2=d
max×m(A
max)+d
offsetであり、
ただし、d
2は、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離であり、d
max=c/4Δf、Δfは、2つの隣接する周波数点の差であり、d
offsetは、値札内部回路による距離誤差であり、m(A
max)は、データ座標m(i
max)を正規化した値である
ことを特徴とする請求項9に記載の電子値札の測位方法。
【請求項11】
全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップは、
同じ陳列面または/および同じ棚によって前記複数のペアリング電子値札をグループ化し、電子値札組を少なくとも二つ得ることと、
前記候補電子値札から全てのペアリング電子値札までの全ての測定距離に基づいて、少なくとも二つの電子値札組から測定距離が最も小さいターゲット電子値札組を決定することと、
前記ターゲット電子値札組に対応する陳列面または/および棚を前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚とすることと、
前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚と前記曖昧な測位結果とに基づいて融合し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札の測位方法。
【請求項12】
全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップは、
同じ陳列面または/および同じ棚によって前記複数のペアリング電子値札をグループ化し、電子値札組を少なくとも二つ得ることと、
前記候補電子値札から全てのペアリング電子値札までの全ての測定距離に基づいて、少なくとも二つの電子値札組から平均測定距離が最も小さいターゲット電子値札組を決定することと、
前記ターゲット電子値札組に対応する陳列面または/および棚を前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚とすることと、
前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚と前記曖昧な測位結果とに基づいて融合し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定することと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札の測位方法。
【請求項13】
同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札を決定するステップは、
サーバは、全域測位メッセージを全ての基地局に送信することによって、全ての電子値札が所定の時間窓、所定の周波数点および所定の送信電力で身分情報をランダムに送信し、他の電子値札から送信された身分情報を持続的に受信し、信号強度および受信回数を取るように基地局に放送通知させ、同一の店舗における全ての電子値札の近隣重みテーブルを取得することと、
前記近隣重みテーブルにおける位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を算出することと、
前記近隣重みテーブルに基づいて、各電子値札の異なる陳列面または/および近隣の棚に位置する全ての近隣値札に対応する少なくとも2つの重み合計を得ることと、
前記少なくとも2つの重み合計の間の重み差が所定の閾値範囲内に収まる電子値札を候補電子値札とし、前記候補電子値札の測位結果を曖昧な測位結果とすることと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の電子値札の測位方法。
【請求項14】
前記近隣重みテーブルにおける位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を算出することは、
前記近隣重みテーブルに基づいて、全ての位置が未知の電子値札と位置が既知の電子値札との間に連絡関係を有するネットワーク図を構築することと、
ネットワーク図における近隣重みに基づいて、各位置が未知の電子値札と各位置が既知の電子値札とのパス値を取得することと、
最小の2つのパス値、および前記2つのパス値に対応する2つの位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を得ることと、を含む
ことを特徴とする請求項13に記載の電子値札の測位方法。
【請求項15】
近隣の2つの電子値札のパス値が、(1/(第1の電子値札が第2の電子値札の情報を受信した近隣重み+第2の電子値札が第1の電子値札の情報を受信した近隣重み))である
ことを特徴とする請求項14に記載の電子値札の測位方法。
【請求項16】
前記近隣重みは、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した回数であり、
または、前記近隣重みは、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した信号強度であり、
または、前記近隣重みは、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した信号強度と回数との加重平均である
ことを特徴とする請求項13~15のいずれか1項に記載の電子値札の測位方法。
【請求項17】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含むコンピュータ機器において、
前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項
1に記載の方法のステップを実現する
ことを特徴とするコンピュータ機器。
【請求項18】
コンピュータプログラムが記憶されている読み取り可能な記憶媒体において、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項
1に記載の方法のステップを実現する
ことを特徴とする読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測位の技術分野に関し、具体的には、電子値札の測位方法、コンピュータ機器および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、世界的な大型商店やスーパーマーケットは、いずれもデジタルアップグレードの改造を行っており、デジタル化応用において電子棚ラベルが従来の紙ラベルを代替し、電子棚ラベルは、普通の情報を表示することに加え、例えば迅速なピッキング、欠品管理、迅速な棚卸およびユーザとの間のヒューマンコンピュータインタラクションなどに広く応用されている。各電子値札とある商品との間に1対1のバインディング関係があるため、電子値札の位置を測位することは、この商品まで測位することと等価であり、迅速なピッキング、品探し、品補充などの応用場面に対して、実用的な価値がある。
【0003】
現在、電子値札を測位するには、通常、AOA測位技術が採用されており、大型商店やスーパーマーケットにおける全ての電子値札の測位をカバーするために、数が膨大なAOA基地局を配置する必要があり、実装が複雑でコストが高いという問題があり、また、同一の棚における電子値札は、横方向および縦方向における密集度が高いため、AOAに基づく測位技術には、測位誤差が高いという問題がある。
【0004】
これによりわかるように、従来の技術における電子値札の測位方法には、測位コストが高く、測位精度が低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術に存在する欠点に対して、本発明に係る電子値札の測位方法、コンピュータ機器および記憶媒体は、従来の技術における電子値札の測位方法に存在する測位コストが高く、測位精度が低いという問題を解決し、本発明は、電子値札同士の近隣関係および位置が既知である電子値札によって位置が未知である電子値札の位置を決定し、測位結果に不確定性を有する電子値札に対応する複数のペアリング電子値札との間を測距するとともに、測距結果に基づいて不確定な測位結果を修正することによって、電子値札の精確な実際の測位結果を取得し、電子値札の測位精度を向上させるだけでなく、測位の複雑さおよび測位コストをも低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本発明は、電子値札の測位方法を提供し、前記方法は、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札および前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を決定するステップであって、前記複数のペアリング電子値札は、前記候補電子値札の近隣値札のうち、位置が既知であり、かつ異なる棚に位置するまたは/および異なる陳列面に位置する電子値札であるステップと、前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得り、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップと、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に基づいて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップと、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップと、を含む。
【0007】
また、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップは、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が同一のターゲット基地局に登録されている場合、サーバが前記ターゲット基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信することと、サーバが現在の候補ペアリング値札ペアの測定距離を受信した後、サーバが次の候補ペアリング値札ペアに測距命令を送信することと、を含む。
【0008】
また、前記方法は、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が異なる2つの基地局に登録されている場合、サーバは、前記2つの基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信することをさらに含む。
【0009】
また、前記方法は、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が異なる2つの基地局に登録されている場合、前記ペアリング電子値札に前記候補電子値札が登録されたターゲット基地局に再登録させるようにサーバが前記ペアリング電子値札に再登録コマンドを送信することと、サーバが前記ターゲット基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信することと、をさらに含む。
【0010】
また、前記測距命令には、2つの測距すべき値札のID、2つの値札の身分、測距開始時間、測距に使用される周波数点の範囲、測定信号送信の時間長、信号の送信電力、受信時間窓長、一回の測定時間長および測定回数の任意の組み合わせが含まれる。
【0011】
また、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップは、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札が中心周波数点fiでi回目の測定信号を送信し、前記現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札が、前記i回目の測定信号が受信される位相φRiを記録することと、前記現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札が前記位相φRiをi回目の応答信号に携帯させて、中心周波数点fiで前記i回目の応答信号を送信し、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札が、前記i回目の応答信号が受信される位相φIiを記録することと、前記候補電子値札がペアリング電子値札から送信されたN回目の応答信号が受信される位相φINを記録するとき、中心周波数点fi、位相φRiおよび位相φIiに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することと、を含み、ただし、fiは等差数列であり、iは[1,2,…,N]における正の整数であり、Nは予め設定された測定信号を送信する総回数である。
【0012】
また、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が中心周波数点fi、位相φRiおよび位相φIiに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することは、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が位相φRiと位相φIiから位相差φiを得ることと、位相差φiと中心周波数点fiに対して線形フィッティングを行い、曲線の傾きを得ることと、前記曲線の傾きに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出することと、を含む。
【0013】
また、前記曲線の傾きに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出する算出式は、
d1=k×(c/π)であり
ただし、d1は、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離であり、kは、曲線の傾きを整数倍の関係で除算した対応する伝送遅延であり、cは、光速である。
【0014】
また、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が中心周波数点fi、位相φRiおよび位相φIiに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することは、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が位相φRiと位相φIiから位相差φiを得ることと、前記位相差φiに対して自己相関処理および高速フーリエ変換を行い、最大特徴点に対応するデータ座標m(imax)を抽出することと、前記データ座標に基づいて前記現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出することと。
【0015】
また、前記データ座標に基づいて前記現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出する算出式は、
d2=dmax×m(Amax)+doffsetであり、
ただし、d2は、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離であり、dmax=c/4Δf、Δfは、2つの隣接する周波数点の差であり、doffsetは、値札内部回路による距離誤差であり、m(Amax)は、データ座標m(Amax)を正規化した値である。
【0016】
また、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップは、同じ陳列面または/および同じ棚によって前記複数のペアリング電子値札をグループ化し、電子値札組を少なくとも2つ得ることと、前記候補電子値札から全てのペアリング電子値札までの全ての測定距離に基づいて、少なくとも二つの電子値札組から測定距離が最も小さいターゲット電子値札組を決定することと、前記ターゲット電子値札組に対応する陳列面または/および棚を前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚とすることと、前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚と前記曖昧な測位結果とに基づいて融合し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定することと、を含む。
【0017】
また、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップは、同じ陳列面または/および同じ棚によって前記複数のペアリング電子値札をグループ化し、電子値札組を少なくとも2つ得ることと、前記候補電子値札から全てのペアリング電子値札までの全ての測定距離に基づいて、少なくとも2つの電子値札組から平均測定距離が最も小さいターゲット電子値札組を決定することと、前記ターゲット電子値札組に対応する陳列面または/および棚を前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚とすることと、前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚と前記曖昧な測位結果とに基づいて融合し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定することと、を含む。
【0018】
また、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札を決定するステップは、サーバが、全域測位メッセージを全ての基地局に送信することによって、全ての電子値札が所定の時間窓、所定の周波数点および所定の送信電力で身分情報をランダムに送信し、他の電子値札から送信された身分情報を持続的に受信し、信号強度および受信回数を取るように基地局に放送通知させ、同一の店舗における全ての電子値札の近隣重みテーブルを取得することと、前記近隣重みテーブルにおける位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を算出することと、前記近隣重みテーブルに基づいて、各電子値札の異なる陳列面または/および近隣棚における全ての近隣値札に対応する少なくとも2つの重み合計を得ることと、前記少なくとも2つの重み合計の間の重み差が所定の閾値範囲内に収まる電子値札を候補電子値札とし、前記候補電子値札の測位結果を曖昧な測位結果とすることと、を含む。
【0019】
また、前記近隣重みテーブルにおける位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を算出することは、前記近隣重みテーブルに基づいて、全ての位置が未知の電子値札と位置が既知の電子値札との間に連絡関係を有するネットワーク図を構築することと、ネットワーク図における近隣重みに基づいて、各位置が未知の電子値札と各位置が既知の電子値札とのパス値を取得することと、最小の2つのパス値、および前記2つのパス値に対応する2つの位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を得ることと、を含む。
【0020】
また、近隣する2つの電子値札のパス値が(1/(第1の電子値札が第2の電子値札の情報を受信した近隣重み+第2の電子値札が第1の電子値札の情報を受信した近隣重み))である。
【0021】
また、前記近隣重みは、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した回数であり、または、前記近隣重みは、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した信号強度であり、または、前記近隣重みは、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した信号強度と回数との加重平均である。
【0022】
第2の態様において、本発明は、コンピュータ機器を提供し、該コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札および前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を決定するステップであって、前記複数のペアリング電子値札は、前記候補電子値札の近隣値札のうち、位置が既知であり、かつ異なる棚に位置するまたは/および異なる陳列面に位置する電子値札であるステップと、前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得り、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップと、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップと、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップと、を実現する。
【0023】
第3の態様において、本発明は、コンピュータプログラムが記憶されている読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札および前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を決定するステップであって、前記複数のペアリング電子値札は、前記候補電子値札の近隣値札のうち、位置が既知であり、かつ異なる棚に位置するまたは/および異なる陳列面に位置する電子値札であるステップと、前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得り、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップと、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップと、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップと、を実現する。
【発明の効果】
【0024】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0025】
1、本発明は、電子値札同士の近隣関係と位置が既知の電子値札によって位置が未知の電子値札の位置を決定し、電子値札システムの元々の通信基地局の数を変えない前提で電子値札を測位することを実現でき、電子値札の測位精度を向上させるだけでなく、測位の複雑さとコストをも低減させる。
【0026】
2、本発明は、測位結果に不確定性を有する電子値札に対応する複数のペアリング電子値札との間を測距するとともに、測距結果に基づいて不確定な測位結果を修正することによって、電子値札の精確な実際の測位結果を取得し、電子値札の測位精度をさらに向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例に係る電子値札の測位方法の模式フローチャートを示す。
【
図2】本発明の実施例に係る電子値札システムの模式構造図を示す。
【
図3】本発明の実施例に係る
図1におけるステップS101の具体的な模式フローチャートを示す。
【
図4】本発明の実施例に係る電子値札同士の近隣関係の模式図を示す。
【
図5】本発明の実施例に係る候補値札が異なる陳列面に測位される可能性がある模式図を示す。
【
図6】本発明の実施例に係る候補値札が異なる棚に測位される可能性がある模式図を示す。
【
図7】本発明の実施例に係る測距命令を配信する模式フローチャートを示す。
【
図8】本発明の実施例に係る値札位相測定のアクティブ反射の模式図を示す。
【
図9】本発明の実施例に係る距離測定の制御の模式フローチャートを示す。
【
図10】本発明の実施例に係る主値札と副値札との間の信号の送受信のタイミング関係図を示す。
【
図11】本発明の実施例に係る線形フィッティングの模式図を示す。
【
図12】本発明の実施例に係るデータグループに対して自己相関およびFFT変換を実行した後の特徴の模式図を示す。
【
図13】本発明の実施例に係る測距結果の報告の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確で完全に説明し、明らかに、説明された実施例は、全部の実施例ではなく、本願の一部の実施例である。本願の実施例に基づいて、当業者が進歩的な労働をせずに取得した他の全ての実施例は、本願の権利範囲に属する。
【0029】
第1の態様により、本発明は、電子値札の測位方法を提供し、具体的には、以下の実施例を含み、
図1は、本発明の実施例に係る電子値札の測位方法の模式フローチャートを示し、
図1に示すように、前記測位方法は、以下のステップを含み、
ステップS101であって、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札および前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を取得し、
なお、
図2に示すように、本実施例における各店舗の電子値札システムは、いずれもサーバと、複数の基地局と、複数の電子値札とを含み、サーバは基地局を介して電子値札に制御コマンド及びサービスデータを送信する。本実施例の測位原則は、位置が既知の電子値札によって位置が未知の電子値札を決定することであるため、店舗で電子値札システムを初めて配布する際に、位置が既知の電子値札が存在する必要があり、該電子値札を測位アンカーと呼ぶことができ、本実施例に係る近隣重みテーブルによって、測位アンカー付近の電子値札の位置を算出することができ、これにより類推し、他の位置が既知の電子値札と近隣重みテーブルによって他の位置が未知の電子値札の測位座標を算出し、次に、如何にして同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルを取得するか、および如何にして近隣重みテーブルに基づいて位置が未知の電子値札の測位結果を決定するか、および如何にして曖昧な測位結果を有する候補電子値札を決定するかを詳細に説明する。
【0030】
図3に示すように、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札を決定するステップは、具体的には、以下のステップを含み、
ステップS201であって、サーバは、全域測位メッセージを全ての基地局に送信することによって、全ての電子値札が所定の時間窓、所定の周波数点および所定の送信電力で身分情報をランダムに送信し、および他の電子値札から送信された身分情報を持続的に受信し、信号強度および受信回数を取るように基地局に放送通知させ、同一の店舗における全ての電子値札の近隣重みテーブルを取得する。
【0031】
なお、前記近隣重みテーブルは、電子値札のID、近隣電子値札のIDおよび該近隣電子値札との近隣重みを含み、ここに、近隣電子値札は、物理的位置に近隣する2つの電子値札のみを指すのではなく、物理的に近隣しないが互いに相手から送信された身分情報を受信できる2つの電子値札であってもよく、さらに、近隣重みは、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した回数であってもよく、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した信号強度であってもよく、さらに、1つの電子値札が限られたタイムスライス内に他の電子値札から送信された身分情報を受信した信号強度と回数との加重平均であってもよい。
【0032】
ステップS202であって、前記近隣重みテーブルにおける位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を算出する。
【0033】
本実施例において、前記近隣重みテーブルにおける位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を算出するステップは、具体的には、前記近隣重みテーブルに基づいて、全ての位置が未知の電子値札と位置が既知の電子値札との間に連絡関係を有するネットワーク図を構築することと、ネットワーク図における近隣重みに基づいて、各位置が未知の電子値札と各位置が既知の電子値札とのパス値を取得することと、最小の2つのパス値、および前記2つのパス値に対応する2つの位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を得ることと、を含む。
【0034】
なお、近隣重みテーブルに基づいて、全ての位置が未知の電子値札と位置が既知の電子値札との間に連絡関係を有するネットワーク図を構築することは、
図4に示し、
図4における電子値札ESL3を例として、ESL3に近隣し且つ位置が既知のものは、ESL1、ESL4、ESL5、ESL7があり、対応する近隣重みがそれぞれ5、10、10、5である。また、1つの電子値札と他の特定の電子値札とが互いに相手の近隣値札である場合、対応する近隣重みは同じであっても異なっていてもよく、例を挙げると、
図4におけるESL4がESL3の近隣値札である場合、対応する近隣重みは10であり、
図4におけるESL3がESL4の近隣値札である場合、対応する近隣重みは10であっても10でなくてもよく、説明および算出の便宜上、本実施例では、互いに相手の近隣値札である場合、対応する近隣重みは同じであることを例とする。
【0035】
本実施例において、近隣する2つの電子値札のパス値が(1/(第1の電子値札が第2の電子値札の情報を受信した近隣重み+第2の電子値札が第1の電子値札の情報を受信した近隣重み))であるため、ネットワーク図における近隣重みに基づいて算出された、電子値札ESL3からESL1、ESL4、ESL5、ESL7のそれぞれまでのパス値がそれぞれ0.1、0.05、0.05、0.1であり、パス値を昇順にソートし、ソートの前の2つのパス値を最小の2つのパス値として取得し、
図4における2つの最小パス値がいずれも0.05であり、対応する2つの位置が既知の電子値札がESL4、ESL5の2つの電子値札である。なお、ネットワーク図において、位置未知の値札が位置既知の値札に接続されるには、1ホップまたはマルチホップで到達する可能性があり、マルチホップで到達する時のパス値は、複数種の可能なマルチホップパスから最も短いパスを選択したパス値である。ここに、本実施例における1ホップとは、位置既知の値札と位置既知の値札とが近隣重みを直接有する関係を指し、例えば、
図4におけるESL3とESL1とは1ホップであり、ESL3とESL4との間は、1ホップであるが、ESL3とアンカーAnchor1との間は、マルチホップであり、ESL3は、ESL5を介してアンカーAnchor1に到達することができ、ESL3は、さらに、ESL1を介してアンカーAnchor1に到達することができ、すると、ESL3とアンカーAnchor1との間のパス値は、ESL3-ESL1-Anchor1とESL3-ESL5-Anchor1との2つのパスにおけるパス値の最小値である。ここに、マルチホップのパス値は、各ホップのパス値の和であり、A
all=Σ
I
iA
i、A
allは、2つのマルチホップ値札の間の総パス値を示し、A
iは、2つのマルチホップ値札の間に含まれる各ホップのパス値を示し、i=[1,…,I]、Iは、2つのマルチホップ値札間の総ホップ数を示し、例えば、ESL3-ESL1-Anchor1というマルチホッパのパス値は、ESL3からESL1へのホッパのパス値にESL1からAnchor1へのホッパのパス値を加えたものに等しい。
【0036】
本実施例において、最小の2つのパス値、および前記2つのパス値に対応する2つの位置が既知の電子値札の座標情報に基づいて、各位置が未知の電子値札の測位結果を得ることは、最小の2つのパス値を加重平均し、加重平均値を得ることと、2つの位置が既知の電子値札の横座標を加算して加重平均を乗算し、対応する位置が未知の電子値札の横座標を得ることと、同様に、2つの位置が既知の電子値札の縦座標を加算して加重平均を乗算し、対応する位置が未知の電子値札の縦座標を得ることと、を含む。
【0037】
ステップS203であって、前記近隣重みテーブルに基づいて、各電子値札の異なる陳列面または/および近隣棚における全ての近隣値札に対応する少なくとも2つの重み合計を得、
本実施例において、異なる陳列面とは、同一の通路に対応する2つの棚面を指し、たとえば、
図4における通路1は、対応して陳列面Aと陳列面Bとがあり、ここに、陳列面Aは棚2と棚11からなり、陳列面Bは棚3と棚10からなり、同様に、通路2は、対応して陳列面Aと陳列面Bがあり、陳列面Aは棚4と棚9からなり、陳列面Bは棚5と棚8からなる。近隣棚とは、物理的位置において近隣する棚を指し、例えば、
図4における棚10の近隣棚は、棚9と棚3がある。
【0038】
本実施例において、前記近隣重みテーブルに基づいて、各電子値札の異なる陳列面または/および近隣棚における全ての近隣値札に対応する少なくとも2つの重み合計を得ることは、即ち、同一の電子値札の異なる陳列面における近隣電子値札に対応する重み合計、および異なる棚における近隣電子値札に対応する重み合計を得ることであり、
図4におけるESL3を例として、対応する異なる陳列面は、通路1に対応する陳列面Aおよび陳列面Bであり、対応する近隣棚は棚3、棚10および棚9があり、陳列面Aおよび棚3にはESL3と近隣関係を有する電子値札がないため、現在、棚10および棚9における重み合計のみを算出し、棚10に対応する重み合計=5+10=15であり、棚9に対応する重み合計=10+5=15である。
【0039】
ステップS204であって、前記少なくとも2つの重み合計の間の重み差が所定の閾値範囲内に収まる電子値札を候補電子値札とし、前記候補電子値札の測位結果を曖昧な測位結果とする。
【0040】
なお、前記少なくとも2つの重み合計の間の重み差が所定の閾値範囲内に収まることは、2つの重み合計の数値が非常に近いことを意味し、
図4におけるESL3を例とし、現在、
図4の近隣重みに基づいて算出された、棚10に対応する重み合計が15であり、棚9に対応する重み合計も15であり、棚9と棚10とは対応する重み合計が同じであり、このような状況が発生した場合、ESL3が棚9にあるか棚10にあるかには、不確定になるという問題が発生し、
図4に棚10にあることを示しているが、実際の測位時にESL3が具体的にどの棚にあるかが分からないため、異なる陳列面または異なる棚に対応する重み合計が近い状況が発生した場合、電子値札の測位結果をさらに修正する必要があり、ここに、異なる陳列面または異なる棚に対応する重み合計が近い電子値札を候補電子値札と称し、上記ステップS202の方式に基づいて算出された測位結果を曖昧な測位結果と称する。ここに、
図5は、候補値札が異なる陳列面に測位される可能性がある模式図であり、
図6は、候補値札が近隣する棚に測位される可能性がある模式図である。
【0041】
候補電子値札を決定した後、前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を決定することができ、ここに、前記複数のペアリング電子値札は、前記候補電子値札の近隣値札のうち、位置が既知であり、且つ異なる棚に位置する、または/および異なる陳列面に位置する電子値札であり、
図4におけるESL3を候補電子値札とし、それに対応する複数のペアリング電子値札は、ESL1、ESL4、ESL5およびESL7であり、いずれも位置が既知であり、且つ異なる棚に分布している。
【0042】
ステップS102であって、前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得り、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信する。
【0043】
なお、前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得ることは、即ち、1つの候補電子値札を各ペアリング電子値札と1組の候補ペアリング値札ペアをそれぞれ構成し、例えば、ESL3とESL1が1組の候補ペアリング値札ペアであり、ESL3とESL4が1組の候補ペアリング値札ペアであり、ESL3とESL5が1組の候補ペアリング値札ペアであり、ESL3とESL7が1組の候補ペアリング値札ペアである。
【0044】
本実施例において、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップは、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が同一のターゲット基地局に登録されている場合、サーバが前記ターゲット基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信することと、サーバが現在の候補ペアリング値札ペアの測定距離を受信した後、サーバが次の候補ペアリング値札ペアに測距命令を送信することと、を含む。
【0045】
本実施例において、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が異なる2つの基地局に登録されている場合、サーバは、前記2つの基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信する。
【0046】
本実施例において、前記方法は、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札と前記候補電子値札が異なる2つの基地局に登録されている場合、前記ペアリング電子値札に前記候補電子値札が登録されたターゲット基地局に再登録させるようにサーバが前記ペアリング電子値札に再登録コマンドを送信することと、サーバが前記ターゲット基地局を介して前記候補電子値札と前記ペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信することと、をさらに含む。
【0047】
なお、
図7に示すように、測位サーバは、選択された候補値札および該値札の近隣における位置が既知であり且つ異なる陳列面に位置する値札を一緒に値札管理システムに送信し、この1対または複数対の値札に対して測距を行うように要求する。値札管理システムは、基地局に記憶された値札登録情報に基づいて、この候補値札を判定し、および測距が必要な近隣から、同じ基地局に登録された一対または複数対を選択する。
図4に示すように、候補電子値札ESL3、近隣値札ESL1、ESL4、ESL5およびESL7は、いずれも基地局AP1に登録され、その後、この基地局AP1を介して、候補値札およびその近隣に測距命令を同時に送信し、このような一対の値札を起動して測距操作を行い、さらに説明すべきことは、本実施例では、ESL3について、4組の候補ペアリング値札ペアが存在し、基地局AP1は、そのうちの1組の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信し、この1組の測距が完了した後、次の組の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札とに測距命令を同時に送信する。
【0048】
さらに、候補電子値札とそのペアリング電子値札とが同一の基地局に登録されていない場合、つまり、ESL3が基地局AP1に登録され、ESL1が基地局AP2に登録されている場合、以下の2つの方式で命令を配信することができ、第1種は、2つの基地局を介して測距命令を2つの値札に同時に送信するが、配信された測距命令において、将来のある時刻に測距を同時に開始することを約束し、第2種は、測定対象の近隣値札に対してまず再登録コマンドを配信する必要がり、近隣値札を候補値札が登録された基地局に再登録してから、測距命令の配信を開始する。
【0049】
本実施例において、配信された測距命令には、少なくとも、2つの測距すべき値札のID、2つの値札の身分(例えば、候補値札がマスタ値札(Master)であり、近隣値札がスレーブ値札(Slave)である)、測距開始時間、測距に使用される周波数点の範囲、測定信号送信の時間長、信号の送信電力、受信時間窓長、一回の測定時間長、測定回数などの情報が含まれるべきであり、選択された一対の値札が上記情報を完全に受信した後、測距モードに入り、測距開始時間に基づいて測距プロセスを開始する。
【0050】
ステップS103であって、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得る。
【0051】
本実施例において、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得ることは、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札が中心周波数点fiでi回目の測定信号を送信し、前記現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札が前記i回目の測定信号が受信される位相φRiを記録することと、前記現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札が前記位相φRiをi回目の応答信号に携帯させて、中心周波数点fiで前記i回目の応答信号を送信し、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札が、前記i回目の応答信号が受信される位相φIiを記録することと、前記候補電子値札がペアリング電子値札から送信されたN回目の応答信号が受信される位相φINを記録するとき、中心周波数点fi、位相φRiおよび位相φIiに基づいて、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することと、を含み、ただし、fiは等差数列であり、iは[1,2,…,N]における正の整数であり、Nは予め設定された測定信号を送信する総回数である。
【0052】
なお、2つの値札が相互に交流して測距する場合、クロックが完全に同期していないため、測定誤差が生じる。このような誤差を回避するために、本実施例は、アクティブ反射の測定方法を採用し、
図8と
図9に示すように、1回の測定において、まず、今回の測定に使用される周波数点を設定し、その後、まず、マスタ値札から測定信号を送信し、スレーブ値札が受信して位相を測定して記録し、完成した後、スレーブ値札から測定信号を送信して前の位相測定情報を付け、マスタ値札が該信号を受信し、位相を測定して伝送された測定情報を記録する。このプロセスは、1回の完全なテストである。マスタ値札が測定信号を送信した後、信号受信状態に入り、スレーブ値札が測定情報を記憶した後、測定信号の送信時間長に基づいて待ち、該時間長が終了した後、信号送信状態に入り、2つの測定結果の差を取って該周波数点での位相差を得ることができ、連続的に測定する場合、この位相差はクロックシフトの影響を受けない。
【0053】
本実施例において、マスタ値札が信号を送信する開始時点とスレーブ値札が信号を受信する開始時点は厳密に同期しており、スレーブ値札は、信号を失わないように、適切に事前にRF(Radio Frequency)をオンにして測定信号を受信することを待ってもよく、スレーブ値札は、逆にマスタ値札の測定信号に応答して応答信号を送信する時も、予め設計されたプロトコル規則に従って所定の設計された時点で送信を開始し、マスタ値札も対応する時点で受信を開始し、同様にマスタ値札も事前にRF(Radio Frequency)をオンにして応答信号を受信することを待ってもよい。
図10に示すように、マスタ値札がi回目に測定信号を送信する開始時点は、スレーブ値札がi回目の測定信号を受信する開始時点と同じであり、1ms間隔後に、対応するスレーブ値札がi回目の応答信号を送信する開始時点は、マスタ値札がi回目の応答信号を受信する開始時点と同じである。ここに、マスタ値札またはスレーブ値札は、送信から受信へ、およびf
1からf
2へf
Nまでの過程において、いずれもRFのクロックおよび位相同期ループをオフにせず、過程全体のクロックの安定性および位相同期ループの安定性を保持する。
【0054】
指定された回数の測定を完了した後、2つの値札は、テストモードを停止し、候補値札(マスタ値札)によりデータを処理して距離を算出し、値札により測定値をサーバに報告して、サーバにより距離を算出してもよく、測定過程に誤差があるため、特殊なアルゴリズムによりデータを処理する必要があり、誤差による影響をできるだけ低減する。測距アルゴリズムは、主に、2種に分けられ、第1種が線形フィッティングであり、第2種が特徴抽出である。
【0055】
なお、1つの候補ペアリング値札ペアに対する1回の完全な測定について、中心周波数点はfiであり、スレーブ値札の測定された位相はφRiであり、マスタ値札の測定された位相はφIiであり、それに対応する位相差はφi=φIi―φRiである。異なる周波数点を複数回に測定することによって、φiとfiの関係を取得することができる。
【0056】
一実施例において、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が中心周波数点fi、位相φRiおよび位相φIiに基づいて、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することは、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が位相φRiと位相φIiから位相差φiを得ることと、位相差φiと中心周波数点fiに対して線形フィッティングを行い、曲線の傾きを得ることと、前記曲線の傾きに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出することと、を含む。
【0057】
ここに、前記曲線の傾きに基づいて現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出する算出式は、
d1=k×(c/π)であり、
ただし、d1は、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離であり、kは、エアインターフェースに対応する伝送遅延を示し、cは光速であり、ただし、kと空中伝送遅延との間に整数倍の関係があり、kは、曲線の傾きを整数倍の関係で除算した対応する伝送遅延である。
【0058】
なお、
図11に示すように、本実施例は、φ
iとf
iの関係に対して線形フィッティングを行うことによって、曲線の傾きを得て、曲線の傾きに基づいて2つの電子値札の測定距離を算出する式の導出過程は、以下の通りである。
【0059】
ESL1とESL2との間の距離はd1であり、cは光速であり、πは円周率であり、信号伝送時間はt=dl/cであると仮定し、2つの機器のクロックが同期すると仮定する。伝送信号の周波数(周波数点)がfiである場合、φi=2πfit、φiは送信端の送信信号と受信端の受信信号との位相差である。同様に、伝送信号の周波数がfi+1である場合、φi+1=2πfi+1t。すると、Δφi=φi+1―φi=2πt(fi+1―fi)、これにより、t=(φi+l―φi)/{2π(fi+l―fi)}
を得ることができ、これによって、
d1=tc={(φi+l―φi)/(fi+l―fi)}×(c/2π)=(Δφi/Δf)×(c/2π)
【0060】
2つの機器のクロックが完全に同期するのではないと仮定すると、φiを直接測定することができず、アクティブ反射方法によりfi周波数点でφi=φIi―φRiを得て、同様にfi+1周波数点でφi+1=φIi+1―φRi+1を得る。すると、
Δφi=φi+1―φi=(φIi+1―φRi+1)-(φIi―φRi)。
実際に、前者の場合のΔφiは、本ケースの2倍であり、すると、
d1=tc=(2Δφi/Δf)×(c/2π)=(Δφi/Δf)×(c/π)、
Δφi/Δf=kと仮定すると、d1=k×(c/π)。
【0061】
他の実施例において、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が中心周波数点fi、位相φRiおよび位相φIiに基づいて、現在の候補ペアリング値札ペアにおけるペアリング電子値札までの測定距離を算出することは、現在の候補ペアリング値札ペアにおける前記候補電子値札が位相φRiと位相φIiから位相差φiを得ることと、前記位相差φiに対して自己相関処理および高速フーリエ変換を行い、最大特徴点に対応するデータ座標m(imax)を抽出することと、前記データ座標に基づいて前記現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出することと、を含む。
【0062】
ここに、前記データ座標に基づいて前記現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離を算出する算出式は、
d2=dmax×m(Amax)+doffset
である。
【0063】
ただし、d2は、現在の候補ペアリング値札ペアにおける候補電子値札とペアリング電子値札との測定距離であり、dmax=c/4Δf、Δfは、2つの隣接する周波数点の差であり、doffsetは、値札内部回路による距離誤差であり、m(Amax)は、データ座標m(imax)を正規化した値である。
【0064】
なお、まず、データ組φ
iに対して自己相関処理を行い、その変化特徴を強調してから、高速フーリエ変換により特徴を抽出し、その後、変換後のデータ組の最大特徴点(振幅ピーク値)に対応するデータ座標m(i
max)を見つけ、データ組の長さを正規化した後
(m(A)∈[0,1])
図12に示すように、式d
2=d
max×m(A
max)+d
offsetにより2つの値札間の距離d
2を算出した。ただし、d
max=c/4Δf、Δfは、2つの近隣する周波数点の差であり(デフォルト条件で任意の2つの近隣周波数点の周波数差が同じである)、d
offsetは値札内部回路による距離誤差である。
【0065】
テップS104であって、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定する。
【0066】
一実施例において、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップは、同じ陳列面または/および同じ棚によって前記複数のペアリング電子値札をグループ化し、電子値札組を少なくとも2つ得ることと、前記候補電子値札から全てのペアリング電子値札までの全ての測定距離に基づいて、少なくとも二つの電子値札組から測定距離が最も小さいターゲット電子値札組を決定することと、前記ターゲット電子値札組に対応する陳列面または/および棚を前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚とすることと、前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚と前記曖昧な測位結果とに基づいて融合し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定することと、を含む。
【0067】
他の実施例において、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップは、同じ陳列面または/および同じ棚によって前記複数のペアリング電子値札をグループ化し、電子値札組を少なくとも2つ得ることと、前記候補電子値札から全てのペアリング電子値札までの全ての測定距離に基づいて、少なくとも2つの電子値札組から平均測定距離が最も小さいターゲット電子値札組を決定することと、前記ターゲット電子値札組に対応する陳列面または/および棚を前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚とすることと、前記候補電子値札のターゲット陳列面または/およびターゲット棚と前記曖昧な測位結果とに基づいて融合し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定することと、を含む。
【0068】
なお、
図13に示すように、値札は、距離測定を完了した後、基地局と通信を再確立する必要がある。その後、値札は、基地局を介してその測距の結果を値札管理システムに報告し、次の組の要求を満たす値札を指定して測距を行う。全ての要求される測距が完了してから、管理システムにより全ての測距結果を測位サーバに報告する。
【0069】
さらに、測位サーバは、全ての候補値札の測距結果を収集した後、測位結果を修正する。測距結果は、対応する近隣値札の位置に基づいてグループ化され、同じ陳列面に位置する値札に対応する測定距離は、同じグループに分けられ、同じ棚に位置する値札に対応する測定距離は、同じグループに分けられる。修正方法は、2種類に分けられる。第1種は、2組の結果のうちの最小値を比較し、最小値が小さい1組に対応する陳列面または棚を候補値札の実際陳列面または棚とする。第2種は、2組の結果の平均値を比較し、平均値が小さい1組に対応する陳列面または棚を候補値札の実際陳列面または棚とする。
【0070】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0071】
1、本発明は、電子値札同士の近隣関係と位置が既知の電子値札によって位置が未知の電子値札の位置を決定し、電子値札システムの元々の通信基地局の数を変えない前提で電子値札を測位することを実現でき、電子値札の測位精度を向上させるだけでなく、測位の複雑さとコストをも低減させる。
【0072】
2、本発明は、測位結果に不確定性を有する電子値札に対応する複数のペアリング電子値札との間を測距するとともに、測距結果に基づいて不確定な測位結果を修正することによって、電子値札の精確な実際の測位結果を取得し、電子値札の測位精度をさらに向上させる。
【0073】
第2の態様において、本発明は、コンピュータ機器を提供し、該コンピュータ機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果を算出し、曖昧な測位結果を有する候補電子値札および前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を決定するステップであって、前記複数のペアリング電子値札は、前記候補電子値札の近隣値札のうち、位置が既知であり、かつ異なる棚に位置するまたは/および異なる陳列面に位置する電子値札であるステップと、前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得り、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップと、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップと、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップと、を実現する。
【0074】
第3の態様において、本発明は、コンピュータプログラムが記憶されている読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、同一の店舗における全ての値札の近隣重みテーブルに基づいて、位置が既知の電子値札の座標情報によって各位置が未知の電子値札の測位結果をし、曖昧な測位結果を有する候補電子値札および前記候補電子値札に対応する複数のペアリング電子値札を決定するステップであって、前記複数のペアリング電子値札は、前記候補電子値札の近隣値札のうち、位置が既知であり、かつ異なる棚に位置するまたは/および異なる陳列面に位置する電子値札であるステップと、前記候補電子値札を前記複数のペアリング電子値札のそれぞれと1対1でペアリングして複数組の候補ペアリング値札ペアを得り、基地局を介して各候補ペアリング値札ペアに測距命令を順次送信するステップと、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、前記候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップと、全ての測定距離に基づいて前記候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、前記候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップと、を実現する。
【0075】
上記実施例の方法における全部または一部のフローを実現するには、コンピュータプログラムにより関連するハードウェアを命令することによって完成されることができ、前記プログラムは、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができ、該プログラムが実行される場合、上記各方法の実施例のフローを含むことができることを当業者に理解されることができる。ここに、本願により提供される各実施において言及されているメモリ、ストレージ、データベース、または他の媒体は、いずれも不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリを含むことができる。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)またはフラッシュメモリを含むことができる。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)または外部キャッシュメモリを含むことができる。例示的には、RAMは、例えば、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクロナスリンク(Synchlink)DRAM(SLDRAM)、メモリバス(Rambus)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトメモリバスダイナミックRAM(DRDRAM)、およびメモリバスダイナミックRAM(RDRAM)などの様々な形式で得られるが、これらに限られない。
【0076】
なお、本明細書において、例えば「第1の」および「第2の」などのような関係用語は、1つのエンティティまたは動作を他のエンティティまたは動作から区別するためのものに過ぎず、必ずしもこれらのエンティティまたは動作の間にこのような実際の関係または順序が存在することを要求または暗示するものではない。そして、用語「含む」、「包含」またはその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図することによって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品またはデバイスは、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含み、または、このようなプロセス、方法、物品またはデバイスに固有の要素も含む。より多くの制限がない場合、「1つの…を含む」という語句によって限定された要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品またはデバイスに他の同じ要素が存在することを排除されない。
【要約】 (修正有)
【課題】電子値札の測位方法、コンピュータ機器および記憶媒体を提供
【解決手段】方法は、曖昧な測位結果を有する候補電子値札を決定するステップと、各候補ペアリング値札ペアは、前記測距命令に応じて測距を順次実行し、候補電子値札と各ペアリング電子値札とのそれぞれの測定距離を得るステップと、全ての測定距離に基づいて候補電子値札の曖昧な測位結果を修正し、候補電子値札の実際の測位結果を決定するステップと、を含み、本発明は、電子値札同士の近隣関係および位置が既知である電子値札によって位置が未知である電子値札の位置を決定し、測位結果に不確定性を有する電子値札に対応する複数のペアリング電子値札との間を測距するとともに、測距結果に基づいて不確定な測位結果を修正することによって、電子値札の精確な実際の測位結果を取得し、電子値札の測位精度を向上させるだけでなく、測位の複雑さおよび測位コストをも低減させる。
【選択図】
図5