(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】現像装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241021BHJP
【FI】
G03G15/08 233
G03G15/08 226
(21)【出願番号】P 2024099426
(22)【出願日】2024-06-20
(62)【分割の表示】P 2019239032の分割
【原出願日】2019-12-27
【審査請求日】2024-06-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】川上 卓也
(72)【発明者】
【氏名】深澤 悠
(72)【発明者】
【氏名】川口 祐司
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-197547(JP,A)
【文献】特開2013-029635(JP,A)
【文献】特開2012-113331(JP,A)
【文献】特開2011-197561(JP,A)
【文献】特開2018-022021(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0064777(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に用いられる現像装置であって、現像剤を収容する現像枠体と、前記現像剤を担持し回転可能な現像部材と、前記現像枠体に固定され前記現像部材の表面に担持された前記現像剤を規制する規制ブレードと、前記現像剤が前記現像枠体の外部に漏れないようにシールするシール部材と、を有し、
前記規制ブレードは、
前記現像部材の回転軸線方向である第一の方向に延びる支持板と、
前記第一の方向と交差する方向である第二の方向における一端部において、前記現像部材に対向するように配置され、前記第一の方向と交差する方向における他端部において、前記支持板によって支持される板状部材と、
前記現像部材の表面に担持された前記現像剤を規制する規制部材であって、前記一端部において前記板状部材の前記現像部材と対向する側の対向面に固定されて前記現像部材に接触
する規制部と
、前記一端部から前記他端部に向かう方向に突出
し前記第一の方向における前記規制部の端部に配置されている突出部と、を有する
前記第一の方向における前記板状部材の端部よりも内側に形成される規制部材と、を有し、
前記シール部材は、
前記板状部材の前記対向面に固定され、
前記第一の方向において、前記板状部材の前記端部に前記規制部ならびに前記突出部と並んで配置され、前記現像部材が前記規制部と接触している状態で前記規制部ならびに前記突出部の端面と接触しており、
前記第一の方向と交差し前記第二の方向と交差する方向である第三の方向において、前記板状部材と前記現像部材との間に配置され、
前記板状部材は、前記第一の方向に沿って前記支持板に溶接されて溶接痕を形成し、前記溶接痕が断続的に形成されており、
前記溶接痕が形成されている前記板状部材の領域は、前記
第一の方向において前記板状部材の中央部と前記突出部が形成されている前記
規制部の端部とに、オーバーラップしていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記規制部材は、可撓性を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記支持板を前記現像枠体に固定する固定部を有し、
前記固定部は、前記
第一の方向において
前記突出部が形成されている前記規制部の端部よりも外側で前記現像枠体に前記支持板を固定することを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記規制部材は、前記第一の方向の端部が中央部よりも前記一端部から前記他端部に向かう方向に凹んだ凹部を有し、
前記規制部材の端面は、前記凹部を形成する前記規制部材の一部と連続的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記突出部は、前記第一の方向と交差し前記第二の方向と交差する方向である第三の方向における厚みが前記規制部の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記突出部は、前記規制部と接触していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記第二の方向において、前記突出部と前記他端部との間の長さは、前記シール部材と前記他端部との間の長さよりも短いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記支持板に対して溶接されていない前記板状部材の領域は、前記回転軸線方向において前記突出部が形成されている前記端部に、少なくとも一部オーバーラップしていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられる現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に用いられる現像装置として、以下の構成が用いられている。
【0003】
現像装置は、表面に現像剤を担持し回転可能な現像部材と、現像部材の表面に担持された現像剤の層厚を規制する規制ブレードとを有し、規制ブレードの先端部には、ゴム部材や樹脂材料などの可撓性を有する規制部を形成する。そして、現像部材の回転軸線方向において規制部と接触して、現像部材と規制ブレードの間に配置されるシール部材を備えるものが特許文献1に開示されている。
【0004】
このような現像装置では、シール部材が規制部に密着することで、現像部材の回転軸線方向における規制部の両端部において、現像剤が現像装置の外部に漏れることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の構成において、以下のような課題があった。このような現像装置において、現像部材の回転軸線方向においてシール部材と規制部とが十分に密着していない場合、シール部材と規制部との間から現像剤が漏れ出す可能性があった。
【0007】
そこで、本発明は、現像装置におけるシール部材と規制部との密着性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本出願に係る現像装置は、画像形成装置に用いられる現像装置であって、現像剤を収容する現像枠体と、前記現像剤を担持し回転可能な現像部材と、前記現像枠体に固定され前記現像部材の表面に担持された前記現像剤を規制する規制ブレードと、前記現像剤が前記現像枠体の外部に漏れないようにシールするシール部材と、を有し、前記規制ブレードは、前記現像部材の回転軸線方向である第一の方向に延びる支持板と、前記第一の方向と交差する方向である第二の方向における一端部において、前記現像部材に対向するように配置され、前記第一の方向と交差する方向における他端部において、前記支持板によって支持される板状部材と、前記現像部材の表面に担持された前記現像剤を規制する規制部材であって、前記一端部において前記板状部材の前記現像部材と対向する側の対向面に固定されて前記現像部材に接触する規制部と、前記一端部から前記他端部に向かう方向に突出し前記第一の方向における前記規制部の端部に配置されている突出部と、を有する前記第一の方向における前記板状部材の端部よりも内側に形成される規制部材と、を有し、前記シール部材は、前記板状部材の前記対向面に固定され、前記第一の方向において、前記板状部材の前記端部に前記規制部ならびに前記突出部と並んで配置され、前記現像部材が前記規制部と接触している状態で前記規制部ならびに前記突出部の端面と接触しており、前記第一の方向と交差し前記第二の方向と交差する方向である第三の方向において、前記板状部材と前記現像部材との間に配置され、前記板状部材は、前記第一の方向に沿って前記支持板に溶接されて溶接痕を形成し、前記溶接痕が断続的に形成されており、前記溶接痕が形成されている前記板状部材の領域は、前記第一の方向において前記板状部材の中央部と前記突出部が形成されている前記規制部の端部とに、オーバーラップしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
現像装置におけるシール部材と規制部との密着性を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1に係る規制ブレードの斜視図である。
【
図2】実施例1に係る画像形成装置の断面図である。
【
図3】実施例1に係る画像形成装置の斜視図である。
【
図4】実施例1に係るカートリッジトレイおよび現像カートリッジの斜視図である。
【
図5】実施例1に係る現像カートリッジおよびドラムユニットの断面図である。
【
図6】実施例1に係る現像カートリッジの分解斜視図である。
【
図7】実施例1に係る現像カートリッジの説明図である。
【
図8】実施例1に係る現像カートリッジの断面図である。
【
図9】実施例1に係る規制ブレードの斜視図である。
【
図10】実施例1に係る規制ブレードの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して、この発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の機能、材質、形状、その相対配置などは、特定の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての機能、材質、形状などは、特に改めて記載しない限りははじめの説明と同様のものである。
【0012】
また、以下の説明では、現像ローラの軸線が延びる方向を「第1方向」または、「長手方向」、「回転軸線方向」、または、「長手」と称する。また、第1方向に対して交差する方向であって、画像形成装置を水平面に設置した状態における鉛直方向を「第2方向」と称する。また、第1方向および第2方向と交差する方向を「第3方向」と称する。第1方向と第2方向とは、互いに交差、好ましくは直交する。第2方向と第3方向とは、互いに交差、好ましくは直交する。第3方向と第1方向とは、互いに交差、好ましくは直交する。また、以下の説明では、画像形成装置に関して、前ドアを設けた側を正面側、正面側と反対側を背面側と称す。また、画像形成装置を正面側から見て左側を駆動側、右側を非駆動側と称す。
【実施例1】
【0013】
本発明に係る現像装置の実施例1について図を用いて説明する。
【0014】
≪画像形成装置の構成≫
はじめに、画像形成装置の構成について説明する。
図2は、本実施例に係る画像形成装置1の断面図である。
図3は、本実施例に係る画像形成装置1の斜視図であり、
図3(a)は画像形成装置1の前ドア40を開けてカートリッジトレイ3を引き出した状態の図、
図3(b)はカートリッジトレイ3を非表示にした図である。
図4は、本実施例に係るカートリッジトレイ3および現像装置である現像カートリッジ8の斜視図である。
図5は、本実施例に係る現像カートリッジ8およびドラムユニット30の断面図である。
【0015】
なお
図2、
図5の断面図は、現像部材である現像ローラ6の回転軸線方向に垂直な方向から切断したときの断面図である。
【0016】
図2に示す画像形成装置1は、電子写真画像形成プロセスを用いたカラーレーザプリンタである。現像装置である現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)から供給される現像剤(例えば、トナー)により、記録媒体S(例えば、印刷用紙)にカラー画像を形成するものである。本実施例では、4つの感光ドラム4(4Y、4M、4C、4K)と4つの現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)によりカラー画像を形成する例を示す。4つの現像カートリッジ8は、互いに異なる色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色)の現像剤を収容する。なお、現像カートリッジ8と感光ドラム4等の数は使用する色の数に応じて1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。尚、本実施例においては、感光ドラム4(4Y、4M、4C、4K)、現像カートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)の構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、以下、特に区別を要しない場合は、Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。即ち、本実施例においては、画像形成装置1は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個の感光ドラム4ならびに現像カートリッジ8を有する。
【0017】
画像形成装置1は、画像形成装置本体2(以下「装置本体2」と称す)と、感光ドラム4を有し、装置本体2から着脱可能なカートリッジトレイ3と、カートリッジトレイ3から着脱可能な現像カートリッジ8で構成される。
【0018】
装置本体2は、露光装置10と、静電転写装置11と、給紙ユニット18と、定着装置21と、排出ユニット22と、前ドア40とを有する。
【0019】
露光装置10は、現像カートリッジ8とカートリッジトレイ3の上方に設けられており、画像情報に対応してレーザ光Lを出力する。レーザ光Lは、感光ドラム4(4Y、4M、4C、4K)の表面を走査露光する。
【0020】
走査露光された感光ドラム4の表面に現像剤を現像するための現像装置たる現像カートリッジ8が備えられる。感光ドラム4の表面上に現像剤像が形成される現像プロセスに関しては後述する。
【0021】
静電転写装置11は、現像カートリッジ8と、カートリッジトレイ3の下方に設けられており、すべての感光ドラム4に対向し、接するように循環移動する転写ベルト12を有する。転写ベルト12には、樹脂フィルムや、ゴム基層上に樹脂層が設けられた多層フィルム状部材が用いられている。この転写ベルト12は、駆動ローラ13、従動ローラ14に張架されている。そして、転写ベルト12は、
図2中上側の外周面に記録媒体Sを静電吸着して、感光ドラム4に記録媒体Sを接触させるべく循環移動する。これにより、記録媒体Sは感光ドラム4に向けて搬送される。この転写ベルト12の内側に当接し、感光ドラム4に対向した位置に転写ローラ16が並設される。これら転写ローラ16には、転写時に所定のバイアスが印加されて、電荷が転写ベルト12を介して記録媒体Sに印加される。このとき生じた電界により、感光ドラム4に接触中の記録媒体Sに、感光ドラム4上の現像剤像が転写される。
【0022】
給紙ユニット18は、静電転写装置11の下方に設けられている。この給紙ユニット18は、記録媒体Sを積載して収納した給紙トレイ19と、給紙ローラ20を有する。
【0023】
定着装置21と排出ユニット22は、装置本体2の上方に設けられている。定着装置21は、記録媒体S上に転写された現像剤像を加熱および加圧して定着するものであり、排出ユニット22は定着装置21を通過した記録媒体Sを排出トレイ23へ排出するものである。
【0024】
カートリッジトレイ3は、4つの現像カートリッジ8にそれぞれ対応した感光ドラム4が設けられたドラムユニット30を有する。さらに、
図5に示すように、ドラムユニット30はドラム枠体27と、帯電装置5とを備えている。
【0025】
そして、
図3に示すように、カートリッジトレイ3は、画像形成装置1の前ドア40を開けた後、画像形成装置1に設けられたトレイ引出しレール41に沿って第3方向の正面側に引き出し可能に構成されている。
【0026】
現像カートリッジ8は、
図5のように現像剤を収容する現像枠体28と、表面に現像剤を担持し、第1方向に延びる回転軸について回転可能な現像ローラ6を有する。また、現像カートリッジ8は、現像ローラ6に現像剤を供給する供給ローラ26、現像ローラ6の表面に接触して現像ローラ6の表面に担持された現像剤の層厚を規制する層厚規制ブレード72を有する。
【0027】
そして、
図4に示すように、現像カートリッジ8はカートリッジトレイ3に対して、第2方向に着脱可能である。一例として、
図4では、現像カートリッジ8Cがカートリッジトレイ3から取り出された状態を示している。このように、カートリッジトレイ3に設けられた4つのスロットに、現像カートリッジ8の着脱が行われ、使用状況に応じて現像カートリッジ8の交換を行うことが可能となっている。
【0028】
≪画像形成プロセス≫
続いて、
図2、
図5を用いて画像形成プロセスについて説明する。
【0029】
画像形成プロセス実行中において、感光ドラム4は所定の速度で矢印D方向に回転駆動される。静電転写装置11の転写ベルト12も感光ドラム4の速度に対応した速度で矢印C方向に回転駆動される。最初に、帯電装置5によって感光ドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。その後、露光装置10が各色の画像信号に応じたレーザ光Lを出力し、各感光ドラム4の表面を走査露光する。これにより、各感光ドラム4の表面に各色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。
【0030】
現像枠体28内の現像剤は、所定の速度で矢印E方向に回転駆動される現像ローラ6に担持される。現像ローラ6に担持される現像剤は、供給ローラ26によって現像ローラ6の表面に供給される。そして、現像ローラ6に供給された現像剤は、現像ローラ6と層厚規制ブレード72の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ6上に担持される。現像ローラ6上に担持された現像剤は、感光ドラム4上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像に現像剤が付着して現像(可視像化)されて、感光ドラム4の表面上に現像剤像が形成される。本実施例において、現像剤の極性を正極性とした。したがって、現像ローラ6には、不図示の現像電源から感光ドラム4の表面に形成された静電潜像の電位に比べて正極性の電圧を印加する。上記設定にすることで、正極性に帯電された現像剤が現像ローラ6から感光ドラム4に形成された静電潜像へと移動する。
【0031】
また、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、第1の感光ドラム4Y表面上の現像剤像の先端が、転写ベルト12との対向点である転写部に移動する。そこで、記録媒体Sが転写部に搬送されるタイミングと感光ドラム4の回転を同期させ、その転写部において印字開始位置が一致するように、所定の制御タイミングで転写ベルト12へ搬送される。転写ベルト12に静電吸着されて搬送される記録媒体Sには、各感光ドラム4と転写ローラ16との間に形成される電界によって、各感光ドラム4の現像剤像が順次転写される。この時、転写ローラ16には、不図示の転写電源から正極性の逆の極性である負極性の電圧が印加される。それによって、正極性の現像剤を記録媒体S側に電気的に引き付けることが可能となる。
【0032】
4色の現像剤像を転写された記録媒体Sは、転写ベルト12から分離されて定着装置21に搬送される。記録媒体Sは、定着装置21で現像剤像を熱定着される。その後、記録媒体Sは、排出ユニット22によって、排出トレイ23へ排出される。
【0033】
また、転写されずに感光ドラム4上に残留した現像剤は、現像カートリッジ8で回収して再利用する。具体的には、帯電装置5で感光ドラム4を一度正極性に帯電させ、感光ドラム4の表面電位を現像ローラ6に印加される電圧よりも正極性側に高くする。これにより、感光ドラム4の表面上で正極性に帯電している残留現像剤が現像ローラ6との対向部へと移動すると、残留現像剤は現像枠体28内部に電気的に回収される。
【0034】
≪ドラムユニットと現像カートリッジの詳細構成≫
図5、
図6を用いて、ドラムユニット30と現像カートリッジ8の詳細な構成について説明する。
図6は、本実施例に係る現像カートリッジ8の分解斜視図であり、各部品の取り付け方向を矢印で示した図である。
【0035】
図5に示すように、ドラムユニット30は、前述のように感光ドラム4と、ドラム枠体27と帯電装置5とを備えている。感光ドラム4は、第1方向に延びる回転軸について回転可能に、ドラム枠体27に取り付けられている。また、感光ドラム4の駆動側には、感光ドラム4に駆動力を伝達するためのドラム入力カップリング54が設けられている(
図4)。ドラム入力カップリング54は、装置本体2のドラム駆動カップリング52(
図3(b))と係合することで、装置本体2から駆動力を受けて感光ドラム4に伝達可能に構成されている。帯電装置5は、第1方向に沿って設けられており、感光ドラム4に対し近接してドラム枠体27に支持されている。帯電装置5は装置本体2と電気的に導通している。
【0036】
現像カートリッジ8は、前述のように現像剤を収容する現像枠体28、現像ローラ6、現像ローラ6に現像剤を供給する供給ローラ26、現像ローラ6の表面に担持される現像剤の厚さを規制する規制ブレード72を有する。また現像カートリッジ8は、
図6に示すように、固定ネジ99、撹拌部材88、駆動側軸受部材70、サイドカバー68、非駆動側軸受部材71を有する。さらに、現像カートリッジ8の各部材を駆動するための現像ギア61、供給ギア63、現像入力ギア62、撹拌ギア65、アイドラギア64を有する。詳細は後述する。
【0037】
現像ローラ6は、第1方向に延びる回転軸において、
図5に示したように、矢印E方向に回転可能なローラであり、ローラ本体とローラ軸によって構成される。ローラ本体の材料には、例えば、弾性を有するゴムやスポンジ部材が用いられる。ローラ軸の材料には、導電性を有する金属または樹脂が用いられる。また、ローラ軸の駆動側端部には現像ギア61が連結される。供給ローラ26は、現像ローラ6に接触して現像ローラ6の表面に現像剤を供給するものであり、第1方向に延びる回転軸において回転可能である。そして、供給ローラ26はローラ本体とローラ軸によって構成され、ローラ本体の材料には、例えば、弾性を有するゴムやスポンジ部材が用いられる。ローラ軸の材料には、導電性を有する金属または樹脂が用いられる。また、ローラ軸の駆動側端部には供給ギア63が連結される。
【0038】
図6を用いて、規制ブレード72の構成について説明する。規制ブレード72は、現像ローラ6と当接し、現像ローラ6の表面に担持される現像剤の厚みを規制するものである。この規制ブレード72は、支持板73と、ブレード部74と、規制部75で構成される。
【0039】
支持板73は、ブレード部74を支持する金属製の部材であり、ブレード部74に対面して第1方向に延びる略長方形の第1板状部73aと、第1板状部73aからブレード部74と交差する方向に延びる第2板状部73bを有する。そして、第1板状部73aは、第1方向の両端に、第1方向と直交する方向において現像ローラ6から離れる方向に突出した突出部73eを有し、突出部73eには厚み方向に貫通した貫通穴73cが設けられている。また、第2板状部73bには、細長い溝形状の位置決め溝73dが設けられている。
【0040】
ブレード部74は、第1方向に延びる略長方形の金属製の板状部材である。そして、第1方向と交差する方向における一端部である先端部74aにおいて現像ローラ6に対向するように配置される。そして、第1方向と交差する方向における他端部である基端部74bにおいて支持板73の第1板状部73aに溶接により固定されて溶接痕である固定部Wを形成する。第1方向の両端部にはブレード端部74eを有する。また、ブレード部74の厚さは支持板73より薄く設定し、現像ローラ6と当接した際に弾性変形することが出来る厚さとする。そして、弾性変形時に生じる復元力を利用して現像ローラ6に当接し、現像ローラ6の表面に担持される現像剤の厚さを規制する。
【0041】
また、ブレード部74の第1方向両端部には丸穴74cと長穴74dとが形成されており、支持板73の第1板状部73aの対応する位置にも丸穴73fと長穴73gが形成されている。これら丸穴74cと丸穴73fおよび長穴74dと長穴73gは支持板73にブレード部74を固定する際に、それぞれ組立治具でそれぞれの穴を貫通して位置決めされた上で固定される。これにより、支持板73とブレード部74の相対位置の位置決め精度が向上する。本実施例では支持板73とブレード部74のそれぞれに穴形状を設けたが、いずれか一方の部品の形状を穴、他方の部品の形状を突起とし、穴と突起が互いに係合することで部品間の相対位置を規制するようにしてもよい。
【0042】
規制部75は、第1方向に延びた略長方形で第1方向におけるブレード部74のブレード端部74eよりも内側に形成される規制部材であり、シリコンゴムやウレタンゴム等のゴム部材や樹脂材料で形成された可撓性を有する規制部材である。規制部75は、ブレード部74に対面して先端部74aに固定された第1面75a(
図5)と、現像ローラ6に対面して現像ローラ6の表面に接触する第2面75bを有する。第2面75bにおける規制ブレード72の先端側の角部は第1方向から見た断面形状が円弧状になっている(
図5)。また、規制部75は、第1方向の両端部に切欠部75dを有している。切欠部75dは、規制ブレード72の先端側の端部から基端部74b側に向かって凹むとともに、規制部75の第1方向両端の端部75cから第1方向内側に凹んだ形状を有している。規制部75の規制ブレード72の先端側の角部のうち切欠部75dが形成された部分は、第1方向から見た断面形状が略直角になっている。現像ローラ6は、規制部75上を摺擦しながら矢印E方向に回転する(
図5)。そのため、規制部75の規制ブレード72の先端側の角部のうち切欠部75dが形成された部位では、第1方向内側の切欠部75dが形成されていない部位よりも、現像ローラ6上の現像剤を掻き取りやすくなっている。具体的には、
図5に示すように、切欠部75dが形成されていない部位では、現像ローラ6の回転方向における現像ローラ6と規制部75の当接幅が広い。一方、切欠部75dが形成された部位では当接幅が狭いことで当接圧が高くなり、現像ローラ6上の現像剤を掻き取りやすい。また、切欠部75dが形成されていない部位では、規制部75の先端角部が円弧状になっており、現像剤を現像ローラ6の表面に向けて誘い込みやすい。これに対し、切欠部75dが形成された部位では、規制部75の先端角部が略直角になっており、現像剤を現像ローラ6の表面に向けて誘い込みにくく、掻き取りやすい構成となっている。
【0043】
規制部75の第1方向両端部には、第1方向と直交する方向において現像ローラ6から離れる方向に他の部位より突出した突出部75eが設けられている。突出部75eは規制部75の他の部位よりも厚みが薄く形成されており、第2面75bよりもブレード部74に近くなっている。そして、ブレード部74の先端部74aは、規制部75と切欠部75dに対応した形状になっている。
【0044】
現像枠体28は、内部に現像剤を収容するとともに、規制ブレード72の支持板73に対面したブレード支持面28a、ブレード支持面28aに設けられた固定穴28bを有する。また、現像枠体28は、規制ブレード72の支持板73の位置決め溝73dに対応した位置に位置決めリブ28cを有し、撹拌ギア65を回転可能に支持するとともに、アイドラギア64の一端を回転可能に支持する。現像枠体28と規制ブレード72は、ブレード支持面28aと支持板73を突き当て、位置決めリブ28cと位置決め溝73dを係合させた状態で、貫通穴73cを通した固定ネジ99を固定穴28bに締結することで両端部を固定される。
図5に示したように、撹拌部材88は、現像枠体28の内部に設けられ、第1方向に延びる回転軸において回転可能である軸部88aと、可撓性のシート状であるシート部88bによって構成される。撹拌部材88は、現像枠体28内の現像剤を撹拌し、供給ローラ26に向けて現像剤を搬送する。また、
図6に示したように、軸部88aの駆動側の端部には撹拌ギア65が連結される。駆動側軸受部材70は、駆動側で現像枠体28に固定され、現像ローラ6のローラ軸と、供給ローラ26のローラ軸と、現像入力ギア62を回転可能に支持する。サイドカバー68は、駆動側で現像枠体28に固定され、アイドラギア64の他端を回転可能に支持し、供給ギア63、現像入力ギア62、アイドラギア64、撹拌ギア65を覆い保護する機能を有する。そして、サイドカバー68には現像入力ギア62に対応する位置に貫通穴68aを有し、貫通穴68aは後述する現像入力ギア62のカップリング部62aを露出させる。非駆動側軸受部材71は、非駆動側で現像枠体28に固定され、現像ローラ6のローラ軸と、供給ローラ26のローラ軸を回転可能に支持する。現像入力ギア62は、装置本体2の現像駆動カップリング51(
図3(b))と係合して駆動力を受けるためのカップリング部62aを有する。現像入力ギア62に入力された駆動力は、現像ギア61を介して現像ローラ6に、供給ギア63を介して供給ローラ26にそれぞれ伝達される。同様に、現像入力ギア62に入力された駆動力は、アイドラギア64および撹拌ギア65を介して撹拌部材88に伝達される。
【0045】
≪現像カートリッジの現像剤封止構成≫
次に、
図1、
図7、
図8、
図9、
図10を用いて、現像カートリッジ8の現像剤封止構成について説明する。
図1は、本実施例に係る規制ブレード72の斜視図である。
図7は、本実施例に係る現像カートリッジ8の説明図であり、規制ブレード72の取り付け方向から見た図である。
図7(a)は、現像ローラ6と規制ブレード72を非表示にし、飛散防止シート79を破線で示した図であり、
図7(b)は、現像ローラ6と飛散防止シート79を破線で示した図である。
図8は、本実施例に係る現像カートリッジ8の断面図であり、
図7(b)の切断線F-Fで切断して、現像ローラ6の回転軸線方向から見た断面図である。また、
図8では端部シール部材25は破線で示している。
図9は、本実施例に係る規制ブレード72の斜視図である。
図10は、本実施例に係る規制ブレード72の説明図であり、規制ブレード72のブレード部74の厚み方向から見た図である。
【0046】
以降の説明では駆動側を例に説明するが、非駆動側についても同様である。
【0047】
図7(a)に示すように、規制ブレード72と現像枠体28との間には、現像ローラ6の回転軸線方向(第1方向)に亘って第1シール部材76が設けられている。また、規制ブレード72の第1方向における両端部と現像枠体28の間には第2シール部材77が設けられている。第1シール部材76と第2シール部材77はスポンジ等の可撓性部材を含む部材であり、現像枠体28と規制ブレード72の間で圧縮されることで、現像枠体28と規制ブレード72の間の隙間を埋めて現像剤の漏れを抑制している。
【0048】
また、
図7(b)に示すように、ブレード部74のブレード端部74eには、規制部75の端面である端部75cに接触するシール部材である端部シール部材25が固定されている。ここで、端部75cとは、現像ローラ6と接触する第2面75bの第1方向における最も外側の部位であり、端部シール部材25の内側の端面である端部25aと接触(密着)している第1方向における最も外側の部位である。また、端部シール部材25の少なくとも一部は、ブレード部74のブレード端部74eから先端部74a方向にはみ出して、第2シール部材77の現像ローラ6に対向する側の面に固定されている(
図8)。そして、端部シール部材25は、第1方向と交差するブレード部74の厚み方向において、ブレード部74と現像ローラ6の間に配置される。
【0049】
端部シール部材25は、スポンジ等の可撓性部材を含む部材であり、ブレード部74と現像ローラ6の間に配置されて圧縮されることで、端部シール部材25と規制部75との間からの現像剤の漏れを抑制している。また、第1方向における現像ローラ6の両端部において、第2シール部材77と端部シール部材25が圧縮されることで、現像枠体28と規制ブレード72と現像ローラ6との間の隙間を埋めて現像剤の漏れを抑制している。
【0050】
さらに、現像枠体28には、第1方向に亘って第3シール部材78が設けられている。第3シール部材78は、PET、PPS、PC等の材質で形成された可撓性のシート状部材であり、第1方向と直交する方向において、一端が現像枠体28に貼り付けられ、他端が現像ローラ6と接触するように構成されている。第3シール部材78が撓むことで、現像枠体28と現像ローラ6の間の隙間を埋めて現像剤の漏れを抑制している。
【0051】
また、第3シール部材78の近傍には第1方向に亘って飛散防止シート79が設けられている。第1方向と直交する方向において、飛散防止シート79は、一端が現像枠体28に貼り付けられ、他端が現像ローラ6に近づくように延びている(
図8)。飛散防止シート79は、現像ローラ6の近傍から落下した現像剤を受けることで、現像剤が外部に飛散するのを抑制する機能を有する。
【0052】
支持板73とブレード部74とが溶接により固定された固定部Wは、第1方向において端部75cから内側に形成され、端部75cより外側に形成されない。そして、固定部Wは、第1方向に沿って連続的に形成されている。ここでは、
図7(b)に示すように、第1方向における固定部Wと端部75cとの距離L1を0mmに設定した。上記を言い換えると、支持板73とブレード部74とは、第1方向においてブレード部74と端部シール部材25とが重なる範囲では固定されていない。詳細は後述する。
【0053】
なお、本実施例における「内側」、「外側」の定義は、現像ローラ6の回転軸線方向において、現像ローラ6、層厚規制ブレード72の中央に近い側を「内側」、現像ローラ6、層厚規制ブレード72の中央から遠い側を「外側」とする。以降、特別な記載が無い限り、上記内容の趣旨とする。
【0054】
図8に示すように、規制ブレード72が現像ローラ6と当接すると、ブレード部74は規制部75を介して先端部74aに力を受けて矢印H方向に変形する。一方、基端部74bの固定部W(
図7)には変形したブレード部74が元の形状に戻ろうとする復元力がかかる。ここで、固定部Wが形成されていない第1方向の両端部では、前述の復元力と第2シール部材77の反発力によって、ブレード部74が矢印J方向に変形する。
【0055】
図1を用いて、固定部Wが形成されていない第1方向の両端部におけるブレード部74の変形について、さらに説明する。
【0056】
第1方向の両端部におけるブレード部74の変形は、現像ローラ6と接触する規制部75の端部75cと固定部Wの端部とを結ぶ破線Kに沿ってブレード端部74eが矢印J方向に曲がる変形と、前述の矢印H方向への変形とが組み合わさったものである。
【0057】
このように、ブレード部74が変形すると、ブレード部74に貼り付けられた端部シール部材25は、規制部75の端部75cに向かって、より食い込むように圧縮される。つまり、第1方向において、端部シール部材25の端部25aと規制部75の端部75cの密着性が高くなる。これにより、端部シール部材25と規制部75の間からの現像剤の漏れを、より効果的に抑制することが出来る。本実施例においては、端部シール25の端面である端部25aと規制部75の端面である端部75cとが常に接触している構成を採用した。しかし、現像カートリッジ8に現像ローラ6を組み込んで矢印H方向の力が働いたことで矢印J方向の力が増加した際に、端部シール25の端面である端部25aと規制部75の端面である端部75cとが接触する構成としてもよい。言い換えれば、現像カートリッジ8に現像ローラ6が組み込まれていない状態では、端部シール25の端面である端部25aと規制部75の端面である端部75cとが必ずしも接触する構成としなくてもよい。
【0058】
仮に、支持板73とブレード部74との固定部Wが、第1方向において端部75cより外側まで形成されている場合には、ブレード部74の第1方向両端の変形が固定部Wによって規制されてしまう。そのため、ブレード部74は、端部シール部材25と規制部75の端部75cとが近づく方向にほとんど変形しない。よって前述のような作用を生じにくい。
【0059】
なお、前述のような作用を生じるためには、ブレード部74の第1方向における両端部をより大きく変形させることが望ましい。よって、
図9(a)に示すように、第1方向における固定部Wと端部75cの距離L1を大きく設定してもよい。上記のように設定すると、距離L1を0mmに設定した場合よりも、ブレード部74がより大きく変形するため、ブレード部74に固定された端部シール部材25を、規制部75の端部75cに向かって密着させることが出来る。
【0060】
また、
図9(b)に示すように、第1方向における固定部Wと端部75cの距離L1を、切欠部75dの第1方向の幅L2と同じに設定してもよい。このように設定することで、距離L1を0mmに設定した場合よりも、ブレード部74が大きく変形するため、ブレード部74に貼り付けられた端部シール部材25を規制部75の端面に向かって、より密着させることが出来る。
【0061】
また、
図9(b)のような構成とする理由として、第1方向において、切欠部75dが形成されていない範囲では、ブレード部74の基端部74b側と支持板73とが固定されるように構成することが望ましいことがある。切欠部75dが形成されていない範囲では、画像形成動作時に画像形成に必要な現像剤のコート量を規制する必要がある。仮に、第1方向においてブレード部74の基端部74b側が支持板73に固定されていない部位がある場合には、その部位の規制ブレード72と現像ローラ6の当接力が低下する懸念がある。すると、第1方向における画像濃度ムラのような画像弊害が発生する。しかし、上記設定を行うことにより、第1方向の切欠部75dが形成されていない範囲全域において当接力の低下を抑制出来る。
【0062】
このように、第1方向における固定部Wと端部75cの距離L1は0mm以上であれば、端部シール部材25と規制部75との接触状態と、規制ブレード72と現像ローラ6の当接力を考慮して任意の量に設定してよい。
【0063】
以上から、現像カートリッジ8における端部シール部材25と規制部75との密着性を高めることが出来る構成を以下に示す。画像形成装置1に用いられる現像カートリッジ8であって、現像剤を収容する現像枠体28と、現像剤を担持し回転可能な現像ローラ6と、現像枠体28に固定され、現像ローラ6の表面に担持された現像剤を規制する規制ブレード72と、を有する。現像剤が現像枠体28の外部に漏れないようにシールする端部シール部材25を有する。規制ブレード72は、現像ローラ6の回転軸線方向に延びる支持板73を有する。そして、回転軸線方向と交差する方向における先端部74aである一端部において、現像ローラ6に対向するように配置され、基端部74bである他端部において、支持板73によって支持される板状部材たるブレード部74を有する。規制ブレード72に設けられる規制部材たる規制部75は、現像ローラ6の表面に担持された現像剤を規制し、一端部においてブレード部74の現像ローラ6と対向する側の対向面に固定されて現像ローラ6に接触する。さらに、規制部75は、回転軸線方向におけるブレード部74のブレード端部よりも内側に形成される。端部シール部材25は、ブレード部74の対向面に固定され、回転軸線方向において、ブレード部74の端部に規制部75と並んで配置され、規制部75の端面75cと接触している。さらに、回転軸線方向と交差する方向において、ブレード部74と現像ローラ6との間に配置される。そして、ブレード部74は、回転軸線方向における規制部75の端面75cより外側の領域を除いた領域において支持板73に溶接されている。
【0064】
また、本発明は、本実施例に限定されることなく、以下に例示するような様々な形態に利用することが出来る。
【0065】
ここまで、支持板73とブレード部74との溶接痕である固定部Wが第1方向に沿って連続的に形成された例について説明した。しかし、
図10(a)~(d)に示すように、支持板73とブレード部74との固定部Wは、第1方向に沿って断続的に形成されていてもよく、各固定部Wの形状も任意である。他にも、固定部Wの形状は、
図10(e)~(g)に示すような形状でもよく任意である。
【0066】
本実施例の構成においては、支持板73とブレード部74を固定する固定部Wを形成する手段として溶接を用いた。具体的な溶接手段は任意であるが、例えば、ファイバーレーザ溶接やYAGレーザ溶接等の溶接手段を用いればよい。溶接による固定の特徴は、固定強度が高いこと、固定に必要な面積が小さいことである。仮に、固定部Wの面積が大きい場合を考えると、ブレード部74の第1方向の両端部における変形が、固定部Wによって阻害されて小さくなる懸念がある。
【0067】
このように、固定部Wを形成する手段には溶接を用いること望ましく、効果的にブレード部74を変形させ、端部シール部材25と規制部75の密着性を高めることができる。さらに、ブレード部74は、回転軸線方向に沿って支持板73に溶接されて溶接痕を形成し、溶接痕が連続的に固定部Wのように形成されるように構成することが望ましい。
【0068】
また、本実施例ではカラーの画像形成装置について説明したが、モノクロの画像形成装置に適用してもよい。
【0069】
そして、前述の各実施形態で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施しても良い。
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体(装置本体)
6 現像部材(現像ローラ)
8(8Y、8M、8C、8K) 現像装置(現像カートリッジ)
25 シール部材(端部シール部材)
28 現像枠体
72 規制ブレード
73 支持板
74 板状部材(ブレード部)
74a 先端部
74b 基端部
74e ブレード端部
75 規制部
75a 第1面
75b 第2面
75c 端部
75d 切欠部