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特許7574504レーザレーダの調節方法、レーザ、レーザレーダ及びその応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-18
(45)【発行日】2024-10-28
(54)【発明の名称】レーザレーダの調節方法、レーザ、レーザレーダ及びその応用
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20241021BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20241021BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20241021BHJP
【FI】
G01S7/497
G01S7/481 A
G01S7/484
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2024532581
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(86)【国際出願番号】 CN2021142665
(87)【国際公開番号】W WO2023123115
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2024-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522013326
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲レイ▼神智能系統有限公司
【氏名又は名称原語表記】LEISHEN INTELLIGENT SYSTEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】4th Floor, No. 1 Commercial Building, Cultural Center, Bogang Road, Bogang Community, Shajing Street, Bao’an District Shenzhen, Guangdong 518104 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】胡小波
(72)【発明者】
【氏名】劉穎
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103543495(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109855546(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0396848(US,A1)
【文献】特開2014-124213(JP,A)
【文献】特開2015-028469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00- 3/32
H01S 3/067
H01S 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザレーダの調節方法であって、同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有するレーザと、コリメーティングレンズとを備えるレーザレーダを調節するために用いられ、
コリメータ及びターゲット面を用意し、前記レーザの不可視光の波長に基づいて、前記コリメータのレンズと前記ターゲット面との間の距離である第2の距離を設定するステップと、
前記レーザの不可視光の波長と可視光の波長に基づいて、前記第2の距離に対する試験偏差値を得るステップと、
前記試験偏差値に基づいて、前記第2の距離を調整して、補正された第2の距離を得るステップと、
前記補正された第2の距離に基づいて、前記レーザに可視光を出力させ、前記ターゲット面における可視光のスポットの面積が最小値に達するまで、前記レーザと前記コリメーティングレンズとの間の距離である第1の距離を調整して、前記レーザレーダの調節を完了するステップと、を含むことを特徴とするレーザレーダの調節方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザレーダの調節方法であって、調節済みのレーザレーダを検証することをさらに含み、前記検証することは、
一つの標準のレーザレーダを取り出し、前記標準のレーザレーダに可視光を出力させるステップと、
前記コリメータと前記ターゲット面との間の距離を前記補正された第2の距離とするステップと、
前記ターゲット面における可視光のスポットに対して、
前記ターゲット面における可視光のスポットの面積が最小値に達すると、先のレーザレーダが調節を完了したことが証明されるような判断を行うステップと、を含むことを特徴とするレーザレーダの調節方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレーザレーダの調節方法であって、「前記レーザの不可視光の波長と可視光の波長に基づいて、前記第2の距離に対する試験偏差値を得る」ステップは、
シミュレーションシステムにおいて、前記レーザレーダの不可視光の波長に基づいて、第1の距離及び第2の距離を設定するサブステップと、
前記レーザレーダに可視光を出力させ、前記ターゲット面における可視光のスポットの状況を観察するサブステップと、
第1の距離を一定に保持したまま、前記ターゲット面を移動しつつ、前記ターゲット面における可視光のスポットの変化を観察し続けるサブステップと、
前記ターゲット面における可視光のスポットの面積が最小値に達すると、前記ターゲット面の移動の変化量を記録し、前記変化量を前記第2の距離の試験偏差値と定義するサブステップと、を含むことを特徴とするレーザレーダの調節方法。
【請求項4】
レーザであって、同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有し、不可視光を出力するシード光源と、可視光を出力する可視光光源と、第1の波長分割多重化モジュールと、正の整数であるN個の増幅モジュールとを備え、
前記シード光源は前記増幅モジュールにパルスレーザ光を出力するものであり、
前記増幅モジュールは通過する信号に電力増幅を行って、電力増幅された信号を得るために用いられ、
前記第1の波長分割多重化モジュールは、前記レーザの出力端が同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有することを確保するように、可視光と不可視光に波長分割多重化処理を行うために用いられる、ことを特徴とするレーザ。
【請求項5】
請求項4に記載のレーザであって、N=1であれば、前記増幅モジュールを第1の増幅モジュールと定義し、
前記シード光源の出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第1の入力端に接続され、
前記可視光光源の出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第2の入力端に接続され、
前記第1の波長分割多重化モジュールの出力端は前記増幅モジュールの入力端に接続され、
前記増幅モジュールの出力端は、前記レーザの出力端となり、前記レーザは、光ファイバを介して出力する、ことを特徴とするレーザ。
【請求項6】
請求項4に記載のレーザであって、N=1であれば、前記増幅モジュールを第1の増幅モジュールと定義し、
前記シード光源の出力端は前記増幅モジュールの入力端に接続され、
前記増幅モジュールの出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第1の入力端に接続され、
前記可視光光源の出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第2の入力端に接続され、
前記第1の波長分割多重化モジュールの出力端は、前記レーザの出力端となり、前記レーザは、光ファイバを介して出力する、ことを特徴とするレーザ。
【請求項7】
請求項4に記載のレーザであって、N≠1であれば、N個の前記増幅モジュールを順に第1の増幅モジュール~第Nの増幅モジュールと定義し、
前記シード光源の出力端は前記第1の増幅モジュールの入力端に接続され、
N個の前記増幅モジュールは順に接続され、信号の段階的な電力増幅を実現するために用いられ、
前記第Nの増幅モジュールの出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第1の入力端に接続され、
前記可視光光源の出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第2の入力端に接続され、
前記第1の波長分割多重化モジュールの出力端は、前記レーザの出力端となり、前記レーザは、光ファイバを介して出力する、ことを特徴とするレーザ。
【請求項8】
請求項4に記載のレーザであって、N≠1であれば、N個の前記増幅モジュールを順に第1の増幅モジュール~第Nの増幅モジュールと定義し、
前記シード光源の出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第1の入力端に接続され、
前記可視光光源の出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第2の入力端に接続され、
前記第1の波長分割多重化モジュールの出力端は前記第1の増幅モジュールの入力端に接続され、
N個の前記増幅モジュールは順に接続され、信号の段階的な電力増幅を実現するために用いられ、
前記第Nの増幅モジュールの出力端は前記レーザの出力端となり、前記レーザは光ファイバを介して出力する、ことを特徴とするレーザ。
【請求項9】
請求項4に記載のレーザであって、N≠1であれば、Mを正の整数として定義し、かつMの値の範囲は、M∈[1,N-1]の関係によって制約され、
N個の前記増幅モジュールを順に第1の増幅モジュール~第Nの増幅モジュールに定義し、
前記シード光源の出力端は前記第1の増幅モジュールの入力端に接続され、
N個の前記増幅モジュールは順に接続され、信号の段階的な電力増幅を実現するために用いられ、
第Mの増幅モジュールの出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第1の入力端に接続され、
前記可視光光源の出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第2の入力端に接続され、
前記第1の波長分割多重化モジュールの出力端は第(M+1)の増幅モジュールの入力端に接続され、
前記第Nの増幅モジュールの出力端は前記レーザの出力端となり、前記レーザは光ファイバを介して出力する、ことを特徴とするレーザ。
【請求項10】
請求項7または8に記載のレーザであって、N≠1であれば、さらにP個の分離濾波モジュールを備え、前記分離濾波モジュールは二つの前記増幅モジュールの間に設けられ、信号の逆流を防止することやノイズをフィルタリングすることに用いられ、Pは正の整数であり、且つPの値の範囲は、P∈[1,N-1]の関係によって制約される、ことを特徴とするレーザ。
【請求項11】
請求項10に記載のレーザであって、前記分離濾波モジュールは、アイソレータとフィルタとを含み、
前記アイソレータの入力端は前記分離濾波モジュールの入力端となり、
前記アイソレータの出力端は前記フィルタの入力端に接続され、
前記フィルタの出力端は、前記分離濾波モジュールの出力端となる、ことを特徴とするレーザ。
【請求項12】
請求項9に記載のレーザであって、N≠1であれば、アイソレータとフィルタとをさらに備え、
前記第Mの増幅モジュールの出力端は前記フィルタの入力端に接続され、
前記フィルタの出力端は前記第1の波長分割多重化モジュールの第1の入力端に接続され、
前記第1の波長分割多重化モジュールの出力端は前記アイソレータの入力端に接続され、
前記アイソレータの出力端は第(M+1)の増幅モジュールの入力端に接続される、ことを特徴とするレーザ。
【請求項13】
請求項7から12のいずれか1項に記載のレーザであって、N≠1であれば、第Qの増幅モジュールを前記N個の増幅モジュールのうち第1の増幅モジュールを除くいずれかの増幅モジュールと定義し、前記第Qの増幅モジュールは、
第Qのポンプ光を出射するための第Qのポンプ光源と、
入力端が前記第Qの増幅モジュールの入力端となる第Qの利得光ファイバと、
第1の入力端が前記第Qの利得光ファイバの出力端に接続され、第2の入力端が前記第Qのポンプ光源の出力端に接続され、出力端が前記第Qの増幅モジュールの出力端となる第Qのコンバイナと、を備え、
前記第Qのポンプ光と前記第Qの利得光ファイバから出力された信号とは、前記第Qのコンバイナに入射する方向が逆であり、
Qは正の整数であり、かつQの値の範囲は、Q∈[2,N]の関係によって制約される、ことを特徴とするレーザ。
【請求項14】
請求項13に記載のレーザであって、前記第Qの増幅モジュールは、前記第Qのポンプ光源を冷却するための第Qの放熱ユニットをさらに含む、ことを特徴とするレーザ。
【請求項15】
請求項7から12のいずれか1項に記載のレーザであって、N>2であれば、Oを正の整数として定義し、かつOの値の範囲は、O∈[1,N-2]の関係によって制約され、Rを正の整数として定義し、かつRの値の範囲は、R∈[2,N-1]の関係によって制約され、Qを正の整数として定義し、かつQの値の範囲は、Q∈[2,N]の関係によって制約され、
前記レーザはさらにO個のポンプ光源及びO個のビームスプリッタを備え、前記ポンプ光源と前記ビームスプリッタとは1対1対応で接続され、前記ポンプ光源はビーム分割比に従って同時に第1の増幅モジュールを除くR個の増幅モジュールにエネルギを供給し、O個の前記ポンプ光源によって第1の増幅モジュールを除くN-1個の増幅モジュールへのエネルギ供給がなされ、
第Qの増幅モジュールを前記N個の増幅モジュールのうち第1の増幅モジュールを除くいずれかの増幅モジュールと定義し、前記第Qの増幅モジュールは、
入力端が前記第Qの増幅モジュールの入力端となる第Qの利得光ファイバと、
第1の入力端が前記第Qの利得光ファイバの出力端に接続され、第2の入力端が前記ビームスプリッタの出力端に接続され、出力端が前記第Qの増幅モジュールの出力端となる第Qのコンバイナと、を含み、
前記ビームスプリッタから出力された信号と前記第Qの利得光ファイバから出力された信号とは、前記第Qのコンバイナに入射する方向が逆である、ことを特徴とするレーザ。
【請求項16】
請求項15に記載のレーザであって、N=3であれば、前記ポンプ光源のビーム分割比の範囲は、3:17~7:13である、ことを特徴とするレーザ。
【請求項17】
請求項5から16のいずれか1項に記載のレーザであって、前記第1の増幅モジュールは、
第1のポンプ光を出射するための第1のポンプ光源と、
第1の端が前記第1の増幅モジュールの入力端となり、第2の端が前記第1のポンプ光源の出力端に接続される第1の結合モジュールと、
通過する信号に電力増幅を行うために用いられ、第1の端が前記第1の結合モジュールの第3の端に接続される第1の利得光ファイバと、を含むことを特徴とするレーザ。
【請求項18】
請求項17に記載のレーザであって、前記第1の増幅モジュールは、リフレクタをさらに含み、
前記リフレクタは前記第1の利得光ファイバの第2の端に接続され、前記第1の利得光ファイバから出力された1回目の電力増幅後のパルスレーザ光を反射して前記第1の利得光ファイバに戻せ、前記第1の利得光ファイバが1回目の電力増幅後の信号に2回目の電力増幅を行うようにするために用いられる、ことを特徴とするレーザ。
【請求項19】
請求項18に記載のレーザであって、前記第1の増幅モジュールは、サーキュレーターをさらに含み、
前記サーキュレーターは、第1のポートが前記第1の増幅モジュールの入力端となり、第2のポートが前記第1の結合モジュールの第1の端に接続され、第3のポートが前記第1の増幅モジュールの出力端となる、ことを特徴とするレーザ。
【請求項20】
請求項17から19のいずれか1項に記載のレーザであって、前記第1の増幅モジュールは、前記第1のポンプ光源を冷却するための第1の放熱ユニットをさらに含む、ことを特徴とするレーザ。
【請求項21】
レーザレーダであって、コリメーティングレンズと、請求項4から20のいずれか1項に記載のレーザとを備え、前記レーザは、同軸に可視光と非可視光とを出力する特性を有し、前記レーザから出射された光が前記コリメーティングレンズに投射される、ことを特徴とするレーザレーダ。
【請求項22】
請求項21に記載のレーザレーダを備えることを特徴とする自動車。
【請求項23】
請求項21に記載のレーザレーダを備えることを特徴とするロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ器具の技術分野に属し、特にレーザレーダの調節方法、レーザ、レーザレーダ及びその応用に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバレーザは体積が小さく、効率が高く、ビーム品質が良く、熱管理が便利であるなどの顕著な利点から、開発速度が極めて速く、工業や国防などの分野に広く利用されており、良好な発展の見通しである。例えば、光ファイバレーザを用いて作製されたレーザレーダは、自動運転、マッピング、ロボットナビゲーション、空間モデル化などの場合に広く用いられている。レーザレーダに対して、それが出荷されて使用される前に、レーザ光を出射する方位角や発散角などのパラメータを確保するために、事前に光路調節を行う必要がある。レーザレーダから出射された光は一般的に不可視光であるため、当業界では通常に不可視光カメラ(例えば近赤外線カメラ)を使用して角度調整などの調節を行うが、不可視光カメラの価格は非常に高く、企業の生産コストの低減に有利ではない。
【発明の概要】
【0003】
従来技術における欠点を克服するために、本発明の目的はレーザレーダの調節方法、レーザ、レーザレーダ及びその応用を提供して、生産コストを低減することである。
【0004】
一実施態様では、本発明は、同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有するレーザと、コリメーティングレンズとを備えるレーザレーダを調節するためのレーザレーダの調節方法であって、
コリメータ及びターゲット面を用意し、前記レーザの不可視光の波長に基づいて、前記コリメータのレンズと前記ターゲット面との間の距離である第2の距離を設定するステップと、
前記レーザの不可視光の波長と可視光の波長に基づいて、前記第2の距離に対する試験偏差値を得るステップと、
前記試験偏差値に基づいて、前記第2の距離を調整して、補正された第2の距離を得るステップと、
前記補正された第2の距離に基づいて、前記レーザに可視光を出力させ、前記ターゲット面における可視光のスポットの面積が最小値に達するまで、前記レーザと前記コリメーティングレンズとの間の距離である第1の距離を調整して、前記レーザレーダの調節を完了するステップと、を含むレーザレーダの調節方法を提供する。
【0005】
本発明はまた、同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有し、不可視光を出力するシード光源と、可視光を出力する可視光光源と、第1の波長分割多重化モジュールと、正の整数であるN個の増幅モジュールとを備えるレーザであって、
前記シード光源は前記増幅モジュールにパルスレーザ光を出力するものであり、
前記増幅モジュールは通過する信号に電力増幅を行って、電力増幅された信号を得るために用いられ、
前記第1の波長分割多重化モジュールは、前記レーザの出力端が同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有することを確保するように、可視光と不可視光に波長分割多重化処理を行うために用いられるレーザを提供する。
【0006】
本発明はまた、コリメーティングレンズと、上述したレーザとを備えるレーザレーダであって、前記レーザは、同軸に可視光と非可視光とを出力する特性を有し、前記レーザから出射された光が前記コリメーティングレンズに投射されるレーザレーダを提供する。
【0007】
本発明はまた、上述したレーザレーダを備える自動車を提供する。
【0008】
本発明はまた、上述したレーザレーダを備えるロボットを提供する。
【0009】
従来技術と比較して、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
本発明によるレーザレーダの調節方法、レーザ、レーザレーダ及びその応用では、可視光光源と不可視光光源に波長分割多重化処理を行うことにより、レーザの出力端が同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を持たせ、このようにして、可視光を観測することによりレーザレーダにおける不可視光を調節することができ、レーザレーダの調節をやすくし、比較的安価な通常のカメラによっても調節作業を行うことができ、調節のコストを低減し、企業による生産操作及び生産コストの低減に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態や従来技術における技術方案をより明らかに説明するために、発明を実施するための形態や従来技術の説明に用いられる図面を簡単に紹介するが、下記の説明する図面は、本発明のいくつかの実施態様にすぎず、当業者であれば、創造的な創作を行うことなく、これらの図面から他の図面に想到することもできることが明確であろう。
図1】本発明の一実施形態によるレーザレーダの調節方法の模式図である。
図2】本発明に記載のレーザの模式図である。
図3図2に記載のレーザの第1の実施形態の模式図である。
図4図2に記載のレーザの第2の実施形態の模式図である。
図5図2に記載のレーザの第3の実施形態の模式図である。
図6図2に記載のレーザの第4の実施形態の模式図である。
図7図2に記載のレーザの第5の実施形態の模式図である。
図8図2に記載のレーザにおける第1の増幅モジュールの模式図である。
図9図8に記載の第1の増幅モジュールの別の実施形態の模式図である。
図10図8に記載の第1の増幅モジュールのさらなる実施形態の模式図である。
図11図2に記載のレーザに分離濾波モジュールを配置した場合の模式図である。
図12図11に記載の分離濾波モジュールの模式図である。
図13図2に記載のレーザにおける第1の増幅モジュールを除くいずれかの増幅モジュールの模式図である。
図14図13に記載の増幅モジュールの別の実施形態の模式図である。
図15図2に記載のレーザにおける第1の増幅モジュールを除くいずれかの増幅モジュールの別の実施形態の模式図である。
図16】特定の実施形態1におけるレーザレーダの模式図である。
図17】特定の実施形態2におけるレーザレーダの模式図である。
図18】特定の実施形態3におけるレーザレーダの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明し、この実施形態の例を図面に示し、ただし、全ての図面にわたって同一または類似の符号は、同一または類似の要素または同一または類似の機能を有する要素を示す。以下、図面を参照しながら説明する実施形態は例示であり、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものとして理解してはならない。
【0012】
本明細書の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「円周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位において構成されて操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本発明を限定するものとして理解してはならない。
【0013】
なお、用語「第1」、「第2」は、単に説明の目的のためのものであり、相対的重要性を示すか又は示唆するものや、示された技術的特徴の数を暗黙的に指定するものとして理解してはならない。したがって、「第1」および「第2」で限定された特徴は、明示的または暗黙的に1つ以上のこの特徴を含むことができる。本明細書の説明において、「複数」とは、特に明記しない限り、2つまたは2つ以上を意味する。
【0014】
本明細書において、「取り付ける」、「連なる」、「接続」、「固定」などの用語は、特に明確な規定および定義がない限り、広義で理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、取り外し可能な接続であっても、一体であってもよく、機械的接続であっても、電気的接続であってもよく、直接接続であっても、中間媒体を介する間接接続であってもよく、2つの要素の内部の連通であっても、2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本明細書における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0015】
本明細書において、特に明確な規定および定義がない限り、第1の特徴が第2の特徴「上」または「下」にあるとは、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触すること、または中間媒体を介して間接接触することであってもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、および「上側」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真上方または斜め上方にあること、または単に第2の特徴よりも第1の特徴のレベルが高いことを示すことであってもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、および「下側」にあるとは、第1の特徴が第2の特徴の真下方または斜め下方にあること、または単に第2の特徴よりも第1の特徴のレベルが低いことを示すことであってもよい。
【0016】
図1に示すように、本発明は、レーザ100とコリメーティングレンズ201とを備えるレーザレーダ200を調節するためのレーザレーダの調節方法を提供する。レーザ100は、同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有する。コリメーティングレンズ201は、レーザ100の出力端の前側に設けられている。レーザ100とコリメーティングレンズ201との間の距離を第1の距離とする。前記レーザレーダの調節方法は以下のステップを含む。
【0017】
ステップ1:コリメータ301とターゲット面302を用意する。
前記コリメータ301は、コリメーティングレンズ201のレーザ100から離れた側に設けられている。前記ターゲット面302はコリメータ301のコリメーティングレンズ201から離れた側に設けられている。
【0018】
レーザ100における不可視光の波長に基づいて、コリメータ301とターゲット面302との間の距離を設定し、このときのコリメータ301とターゲット面302との間の距離を第2の距離とする。
【0019】
ステップ2:レーザ100における不可視光の波長と可視光の波長に基づいて、第2の距離に対する試験偏差値を得る。
【0020】
具体的に、前記試験偏差値は、シミュレーションシステムにおいて、
調節位置に合わせてレーザレーダ200、コリメータ301及びターゲット面302を配置するサブステップと、
レーザレーダ200における不可視光の波長に基づいて、第1の距離及び第2の距離を設定するサブステップと、
レーザレーダ200に可視光を出力させ、ターゲット面302における可視光のスポットの状況を観察するサブステップと、
第1の距離を一定に保持したまま、前記ターゲット面302を移動しつつ、前記ターゲット面302における可視光のスポットの変化を観察し続けるサブステップと、
前記ターゲット面302における可視光のスポットの面積が最小値に達すると、前記ターゲット面302の移動の変化量を記録し、前記変化量を前記第2の距離の試験偏差値と定義するサブステップとを完了することによって得られる。
【0021】
シミュレーションシステムにおける偏差値は、第1の距離を一定に保った場合、単一変数の変化(可視光/不可視光の切り替え)による第2の距離の変化を反映している。現実のシステムでも、同軸に可視光と不可視光とを出力し、かつ同じコリメータとターゲット面の組を使用しているため、同様に単一変数の変化を実現でき、シミュレーションシステムの偏差値を実際のシステムに使用することができる。しかし、実際のシステムは完璧ではなく、必然的に一定の偏差が存在するため、実際のシステムにおける最終的な調節を完了するために、第1の距離を調整する、すなわち第1の距離を微調整する必要が有る。
【0022】
ステップ3:試験偏差値に基づいて、第2の距離を調整して、補正された第2の距離を得る。
【0023】
ステップ4:補正された第2の距離に基づいて、レーザ100に可視光を出力させ、ターゲット面302における可視光のスポットの面積が最小値に達するまで、第1の距離を調整する。このようにすると、レーザレーダ200の調節が完成される。
【0024】
本発明によるレーザレーダの調節方法は、調節済みのレーザレーダ200を検証することをさらに含んでも良い。具体的な検証には、
一つの標準のレーザレーダ200(すなわち、光路が正しいレーザレーダ200)を取り出し、標準のレーザレーダ200に可視光を出力させるステップと、
コリメータ301とターゲット面302との間の距離を、補正された第2の距離、つまり調節済みのレーザレーダ200が調節の場合に使用する距離とするステップと、
ターゲット面302における可視光のスポットに対して、
ターゲット面302における可視光のスポットの面積が最小値に達すると、先の調節済みのレーザレーダ200が確実に光路の調節を完了したことが証明され、そうでないと調節が間違っているような判断を行うステップとを含む。
【0025】
ここで、標準のレーザレーダ200は、不可視光カメラや他の手段で校正されたものを標準とすることができる。
【0026】
本発明によるレーザレーダの調節方法では、レーザ100が同軸に可視光と不可視光を出力する特性を有するため、可視光を観測することによりレーザレーダ200における不可視光を調節することができ、レーザレーダ200の調節をやすくし、比較的安価な通常のカメラによっても調節作業を行うことができ、調節のコストを低減し、企業による生産操作及び生産コストの低減に有利である。
【0027】
本発明はまた、図2に示すように、上述したレーザレーダの調節方法に係るレーザレーダ200に適用されるレーザ100を提供する。レーザ100は、同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有する。レーザ100は、不可視光を出力するシード光源10と、可視光を出力する可視光光源20と、第1の波長分割多重化モジュール30と、増幅モジュール40とを備える。
【0028】
シード光源10は、パルスレーザ光を出力するためのものであり、パルスレーザ光を増幅モジュール40に伝送して増幅させる。
【0029】
第1の波長分割多重化モジュール30は、レーザ100の出力端が同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有することを確保するように、可視光光源20から出力された可視光とシード光源10から出力された不可視光とに波長分割多重化処理を行うために用いられる。
【0030】
増幅モジュール40はN個あり、Nは正の整数である。増幅モジュール40は、通過する信号に電力増幅を行って、電力増幅された信号を得るために用いられる。
【0031】
前記レーザ100では、第1の波長分割多重化モジュール30が可視光と不可視光に波長分割多重化処理を行うことにより、レーザ100の出力端が同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を備えるようにし、このようにして、可視光を観測することによりレーザ100を使用したレーザレーダ200における不可視光を調節することができ、レーザレーダ200の調節をやすくし、比較的安価な通常のカメラによっても調節作業を行うことができ、調節のコストを低減し、企業による生産操作及び生産コストの低減に有利である。
【0032】
具体的に、N=1の場合、前記レーザ100は、以下の2つの実施態様を有する。
【0033】
図3に示すように、第1の実施形態では、シード光源10の出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第1の入力端に接続されている。可視光光源20の出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第2の入力端に接続されている。第1の波長分割多重化モジュール30の出力端は増幅モジュール40の入力端に接続されている。増幅モジュール40の出力端は、レーザ100の出力端となる。レーザ100は、光ファイバを介して出力する。
【0034】
図4に示すように、第2の実施形態では、シード光源10の出力端は、増幅モジュール40の入力端に接続されている。増幅モジュール40の出力端は、第1の波長分割多重化モジュール30の第1の入力端に接続されている。可視光光源20の出力端は、第1の波長分割多重化モジュール30の第2の入力端に接続されている。第1の波長分割多重化モジュール30の出力端はレーザ100の出力端となり、レーザ100は、光ファイバを介して出力する。
【0035】
N≠1の場合、N個の増幅モジュール40は、順に第1の増幅モジュール41~第Nの増幅モジュール4Nとして定義される。前記レーザ100は、以下のいくつかの実施態様を有する。
【0036】
図5に示すように、第3の実施形態では、シード光源10の出力端は第1の増幅モジュール41の入力端に接続されている。N個の増幅モジュール40は順に接続され、信号の段階的な電力増幅を実現するために用いられる。第Nの増幅モジュール4Nの出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第1の入力端に接続されている。可視光光源20の出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第2の入力端に接続されている。第1の波長分割多重化モジュール30の出力端は、レーザ100の出力端となり、レーザ100は、光ファイバを介して出力する。
【0037】
図6に示すように、第4の実施形態では、シード光源10の出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第1の入力端に接続されている。可視光光源20の出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第2の入力端に接続されている。第1の波長分割多重化モジュール30の出力端は第1の増幅モジュール41の入力端に接続されている。N個の増幅モジュール40は順に接続され、信号の段階的な電力増幅を実現するために用いられる。第Nの増幅モジュール4Nの出力端はレーザ100の出力端となり、レーザ100は光ファイバを介して出力する。
【0038】
図7に示すように、第5の実施形態では、Mを正の整数として定義し、かつMの値の範囲は、M∈[1,N-1]の関係によって制約される。第Mの増幅モジュールは4Mであり、第(M+1)の増幅モジュールは4(M+1)である。
【0039】
シード光源10の出力端は第1の増幅モジュール41の入力端に接続されている。第Mの増幅モジュール4Mの出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第1の入力端に接続されている。可視光光源20の出力端は第1の波長分割多重化モジュール30の第2の入力端に接続されている。第1の波長分割多重化モジュール30の出力端は第(M+1)の増幅モジュール4(M+1)の入力端に接続されている。第Nの増幅モジュール4Nの出力端はレーザ100の出力端となり、レーザ100は光ファイバを介して出力する。N個の増幅モジュール40は順に接続され、信号の段階的な電力増幅を実現するために用いられる。
【0040】
図8に示すように、第1~第5の実施形態では、それぞれ、N個の増幅モジュール40のうち第1個の増幅モジュール40を第1の増幅モジュール41と定義し、第1の増幅モジュール41は、第1のポンプ光源411、第1の結合モジュール412、および第1の利得光ファイバ413を含む。
【0041】
第1のポンプ光源411は、第1のポンプ光を出射するために用いられる。
第1の結合モジュール412は、第1の端が第1の増幅モジュール41の入力端となり、第2の端が第1のポンプ光源411の出力端に接続され、第3の端が第1の利得光ファイバ413の第1の端に接続されている。
第1の利得光ファイバ413は、通過する信号に電力増幅を行うためのものであり、第1の利得光ファイバ413の第2の端が、第1の増幅モジュール41の出力端となる。
【0042】
図9に示すように、別の実施形態では、第1の増幅モジュール41は、リフレクタ414をさらに含む。
リフレクタ414は、第1の利得光ファイバ413の第2の端に接続され、第1の利得光ファイバ413から出力された1回目の電力増幅後のパルスレーザ光を反射して第1の利得光ファイバ413に戻せ、第1の利得光ファイバ413が1回目の電力増幅後の信号に2回目の電力増幅を行うようにするために用いられる。
【0043】
別の実施形態では、第1の増幅モジュール41は、サーキュレーター415をさらに含む。
サーキュレーター415は、第1のポートが第1の増幅モジュール41の入力端となり、第2のポートが第1の結合モジュール412の第1の端に接続され、第3のポートが第1の増幅モジュール41の出力端となる。
【0044】
図10に示すように、さらなる実施形態では、第1の増幅モジュール41は、第1のポンプ光源411を冷却するための第1の放熱ユニット416をさらに含む。
【0045】
図11に示すように、N≠1であれば、レーザ100は、さらに分離濾波モジュール50を備える。分離濾波モジュール50は二つの増幅モジュール40の間に設けられ、信号の逆流を防止することやノイズをフィルタリングすることに用いられる。
【0046】
分離濾波モジュール50の数はP個であり、Pは正の整数であり且つPの値の範囲は、P∈[1,N-1]の関係によって制約される。
【0047】
図12に示すように、いくつかの実施形態では、分離濾波モジュール50は、アイソレータ51及びフィルタ52を含む。
【0048】
第1~第4の実施形態では、アイソレータ51の入力端は分離濾波モジュール50の入力端となる。アイソレータ51の出力端はフィルタ52の入力端に接続されている。フィルタ52の出力端は、分離濾波モジュール50の出力端となる。
【0049】
図7及び図18に示すように、第5の実施形態では、第Mの増幅モジュール4Mと第(M+1)の増幅モジュール4(M+1)との間に設けられた分離濾波モジュール50は、図12に示す接続関係と異なる接続関係にある。
【0050】
具体的に、フィルタ52の入力端は、分離濾波モジュール50の入力端となる。前記第Mの増幅モジュール4Mの出力端は、前記フィルタ52の入力端に接続されている。フィルタ52の出力端は、第1の波長分割多重化モジュール30の第1の入力端に接続されている。可視光光源20の出力端は、前記第1の波長分割多重化モジュール30の第2の入力端に接続されている。第1の波長分割多重化モジュール30の出力端は、アイソレータ51の入力端に接続されている。アイソレータ51の出力端は、分離濾波モジュール50の出力端となる。前記アイソレータ51の出力端は、第(M+1)の増幅モジュール4(M+1)の入力端に接続されている。
【0051】
他の2つの増幅モジュール40の間に設けられた分離濾波モジュール50について、図12に示したものと同様でよい。
【0052】
図13に示すように、いくつかの実施形態では、N≠1であれば、第Qの増幅モジュール4QをN個の増幅モジュール40のうち第1の増幅モジュール41を除くいずれかの増幅モジュール40と定義する。Qは正の整数であり、かつQの値の範囲は、Q∈[2,N]の関係によって制約される。
【0053】
第Qの増幅モジュール4Qは、第Qのポンプ光源4Q1と、第Qの利得光ファイバ4Q2と、第Qのコンバイナ4Q3とを含む。
【0054】
第Qのポンプ光源4Q1は、第Qのポンプ光を出射するために用いられる。
第Qの利得光ファイバ4Q2の入力端は第Qの増幅モジュール4Qの入力端となる。第Qの利得光ファイバ4Q2の出力端は第Qのコンバイナ4Q3の第1の入力端に接続されている。
第Qのコンバイナ4Q3は、第2の入力端が第Qのポンプ光源4Q1の出力端に接続され、出力端が第Qの増幅モジュール4Qの出力端となる。
【0055】
ここで、第Qのポンプ光と第Qの利得光ファイバ4Q2から出力された信号とは、第Qのコンバイナ4Q3に入射する方向が逆である。
【0056】
図14に示すように、いくつかの実施形態では、第Qの増幅モジュール4Qは、第Qのポンプ光源4Q1を冷却するための第Qの放熱ユニット4Q4をさらに含む。
【0057】
図15に示すように、他の実施形態では、N>2であれば、第Qの増幅モジュール4QをN個の増幅モジュール40のうち第1の増幅モジュール41を除くいずれかの増幅モジュール40と定義する。Qは正の整数であり、かつQの値の範囲は、Q∈[2,N]の関係によって制約される。
【0058】
前記レーザ100はさらにポンプ光源60とビームスプリッタ70とを備える。ポンプ光源60とビームスプリッタ70とは1対1対応で接続されている。
ポンプ光源60とビームスプリッタ70の数はO個であり、Oは正の整数であり、かつOの値の範囲は、O∈[1,N-2]の関係によって制約される。
【0059】
ポンプ光源60はビーム分割比に従って同時に第1の増幅モジュール41を除くR個の増幅モジュール40にエネルギを供給し、O個のポンプ光源60によって第1の増幅モジュール41を除くN-1個の増幅モジュール40へのエネルギ供給がなされる。ここで、Rを正の整数として定義し、かつRの値の範囲は、R∈[2,N-1]の関係によって制約される。
【0060】
第Qの増幅モジュール4Qは第Qの利得光ファイバ4Q2と第Qのコンバイナ4Q3を含む。
第Qの利得光ファイバ4Q2の入力端は第Qの増幅モジュール4Qの入力端となる。第Qの利得光ファイバ4Q2の出力端は第Qのコンバイナ4Q3の第1の入力端に接続されている。
第Qのコンバイナ4Q3は、第2の入力端がビームスプリッタ70の出力端に接続され、出力端が第Qの増幅モジュール4Qの出力端となる。
ここで、ビームスプリッタ70から出力された信号と第Qの利得光ファイバ4Q2から出力された信号とは、第Qのコンバイナ4Q3に入射する方向が逆である。
【0061】
いくつかの実施形態では、N=3であれば、ポンプ光源60のビーム分割比の範囲は、3:17~7:13である。
【0062】
本発明はまた、コリメーティングレンズ201と、上記実施形態のいずれか一つに記載のレーザ100とを備えるレーザレーダ200であって、レーザ100は、同軸に可視光と非可視光とを出力する特性を有し、レーザ100から出射された光がコリメーティングレンズ201に投射されるレーザレーダ200を提供する。
【0063】
前記レーザレーダ200が採用したレーザ100では、第1の波長分割多重化モジュール30が可視光と不可視光に波長分割多重化処理を行うことにより、レーザ100の出力端が同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を備えるようにし、このようにして、可視光を観測することにより、レーザレーダ200における不可視光を調節することができ、レーザレーダ200の調節をやすくし、比較的安価な通常のカメラによっても調節作業を行うことができ、調節のコストを低減し、企業による生産操作及び生産コストの低減に有利である。
【0064】
本発明はまた、上記したレーザレーダ200を備える自動車を提供する。
本発明はまた、上記したレーザレーダ200を備えるロボットを提供する。
【0065】
具体的には、以下の特定の実施形態を参照されたい。
【0066】
特定の実施形態1
図16を参照すると、本発明の特定の実施形態1は、レーザレーダ200を提供する。レーザレーダ200は、同軸に可視光と不可視光のレーザ光を出力することができる。
【0067】
前記レーザレーダ200は、シード光源10と、可視光光源20と、第1の波長分割多重化モジュール30と、第1の増幅モジュール41と、分離濾波モジュール50と、第2の増幅モジュール42と、コリメーティングレンズ201とを備える。
【0068】
本特定の実施形態では、レーザ100の接続方式は第4の実施形態と同様である。
前記シード光源10と、可視光光源20と、第1の波長分割多重化モジュール30と、第1の増幅モジュール41と、分離濾波モジュール50と、第2の増幅モジュール42と、コリメーティングレンズ201とは、光ファイバによって接続されている。
前記シード光源10は、波長1550nm、1064nm、2000nmまたは1310nmの赤外レーザ光源のいずれかである。シード光源10は、約10mWのピークパワーを有するパルス光を回路変調によって出射する。
【0069】
前記可視光光源20は、波長650nmまたは532nmの可視光ピグテールである。可視光光源20は、平均出力が5~10mWの光を回路変調により出射する。
【0070】
前記第1の波長分割多重化モジュール30は、波長分割多重化器を採用している。
【0071】
第1の増幅モジュール41は、通過する光をフォーワードポンピングによって一段増幅する。前記第1の増幅モジュール41は、第1のポンプ光源411と、第1の結合モジュール412と、第1の利得光ファイバ413と、リフレクタ414と、サーキュレーター415とを含む。
【0072】
前記第1のポンプ光源411は976nmのシングルモードポンプである。
前記第1の利得光ファイバ413は、エルビウム添加光ファイバである。
前記リフレクタ414は、反射鏡または高反射格子である。
前記サーキュレーター415は、3ポートのサーキュレーターである。
第1の増幅モジュール41で2回増幅された光は、サーキュレーター415の第3のポートから約10mWレベルの出力で出力される。
【0073】
分離濾波モジュール50は、保護や一段増幅によるASE(増幅自然放出)光をフィルタリングするために使用される。分離濾波モジュール50は、アイソレータ51とフィルタ52とを含む。アイソレータ51は、戻り光からシード光源10を保護することができる。
【0074】
前記第2の増幅モジュール42は、通過する光をバックワードポンピングによって二段増幅する。第2の増幅モジュール42は、第2のポンプ光源421と、第2の利得光ファイバ422と、第2のコンバイナ423とを含む。
【0075】
前記第2のポンプ光源421は、940nmのマルチモードポンプである。
前記第2の利得光ファイバ422は、エルビウム・イッテルビウム共添加光ファイバである。
前記第2の増幅モジュール42によって増幅された光は、1~2Wのパワーを達成することができる。
【0076】
具体的には、シード光源10の出力端は、第1の波長分割多重化モジュール30の第1の入力端に接続されている。可視光光源20の出力端は、第1の波長分割多重化モジュール30の第2の入力端に接続されている。第1の波長分割多重化モジュール30の出力端は、サーキュレーター415の第1のポートに接続されている。
【0077】
サーキュレーター415の第2のポートは、第1の結合モジュール412の第1の端に接続されている。第1の結合モジュール412の第2の端は、第1のポンプ光源411の出力端に接続され、第1の結合モジュール412の第3の端は、第1の利得光ファイバ413の第1の端に接続されている。第1の利得光ファイバ413の第2の端は、リフレクタ414に接続されている。サーキュレーター415の第3のポートは、第1の増幅モジュール41の出力端となる。
【0078】
サーキュレーター415の第3のポートは、アイソレータ51の入力端に接続されている。アイソレータ51の出力端はフィルタ52の入力端に接続されている。フィルタ52の出力端は、分離濾波モジュール50の出力端となる。
【0079】
フィルタ52の出力端は、第2の利得光ファイバ422の入力端に接続されている。第2の利得光ファイバ422の出力端は、第2のコンバイナ423の第1の入力端に接続されている。第2のコンバイナ423の第2の入力端は、第2のポンプ光源421の出力端に接続されている。第2のコンバイナ423の出力端は、第2の増幅モジュール42の出力端としてコリメーティングレンズ201に接続されている。
【0080】
特定の実施形態2
図17を参照すると、本特定の実施形態2はレーザレーダ200を提供する。本特定の実施形態の、上記した特定の実施形態1と異なるところは、
レーザ100の接続方式が第3の実施形態における接続方式を採用していることである。
【0081】
特定の実施形態3
図18を参照すると、本特定の実施形態3は、レーザレーダ200を提供する。本特定の実施形態の、上記した特定の実施形態1及び特定の実施形態2と異なるところは、
レーザ100の接続方式が第5の実施形態における接続方式を採用していることである。
【0082】
また、本実施形態では、分離濾波モジュール50のアイソレータ51およびフィルタ52の配置位置が他の実施形態と異なる。
【0083】
具体的に、本特定の実施形態では、フィルタ52が、第1の増幅モジュール41と第1の波長分割多重化モジュール30との間に設けられている。アイソレータ51は、第1の波長分割多重化モジュール30と第2の増幅モジュール42との間に設けられている。
【0084】
アイソレータ51は戻り光を防止するためのものであり、フィルタ52は一部の迷光を発生させるため、フィルタ52によって発生した迷光がアイソレータ51の前端に流れないように、アイソレータ51をフィルタ52の前に配置するのが一般的である。
【0085】
しかしながら、本特定の実施形態では、フィルタ52をアイソレータ51の前に配置することにより、可視光と結合する不可視光は、一段増幅されてからフィルタ52を通過した後に純度が向上され(信号対雑音比がより高くなり)、可視光との結合がより良くなり、結合後の信号の品質を向上させる。
【0086】
本明細書の説明において、用語「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「具体的例」、または「いくつかの例」などを参照しながら行う説明は、当該実施形態または例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料、または特点が本発明の少なくとも1つの実施形態または例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な記載は、必ずしも同じ実施形態または例を対象とするものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料、または特点は、任意の1つ以上の実施形態または例において適切な形態で結合することができる。なお、当業者は、互いに矛盾しない限り、本明細書に説明された異なる実施形態または例、ならびに異なる実施形態または例の特徴を結合することや組み合わせることができる。
【0087】
以上、本発明の実施形態を示して説明したが、上記の実施形態は例示的であり、本発明を制限するものとして理解してはならなく、当業者であれば、本発明の範囲内において、上記の実施形態に対して変更、修正、置換や変形を行うことができることは理解される。
【符号の説明】
【0088】
100、レーザ;
10、シード光源;
20、可視光光源;
30、第1の波長分割多重化モジュール;
40、増幅モジュール;
41、第1の増幅モジュール;
411、第1のポンプ光源;
412、第1の結合モジュール;
413、第1の利得光ファイバ;
414、リフレクタ;
415、サーキュレーター;
416、第1の放熱ユニット;
4M、第Mの増幅モジュール;
4(M+1)、第(M+1)の増幅モジュール;
4Q、第Qの増幅モジュール;
4Q1、第Qのポンプ光源;
4Q2、第Qの利得光ファイバ;
4Q3、第Qのコンバイナ;
4Q4、第Qの放熱ユニット;
422、第2の利得光ファイバ;
423、第2のコンバイナ;
4N、第Nの増幅モジュール;
50、分離濾波モジュール;
51、アイソレータ;
52、フィルタ;
60、ポンプ光源;
70、ビームスプリッタ;
200、レーザレーダ;
201、コリメーティングレンズ;
301、コリメータ;
302、ターゲット面。
【要約】
本発明はレーザレーダの調節方法、レーザ、レーザレーダ及びその応用を開示し、レーザ器具の技術分野に属し、レーザは、同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有し、不可視光を出力するシード光源と、可視光を出力する可視光光源と、第1の波長分割多重化モジュールと、増幅モジュールとを備え、シード光源は増幅モジュールにパルスレーザ光を出力するものであり、増幅モジュールは通過する信号に電力増幅を行って、電力増幅された信号を得るために用いられ、第1の波長分割多重化モジュールは、レーザの出力端が同軸に可視光と不可視光とを出力する特性を有することを確保するように、可視光と不可視光に波長分割多重化処理を行うために用いられ、このようにして、可視光を観測することによりレーザレーダにおける不可視光を調節することができ、レーザレーダの調節をやすくし、比較的安価な通常のカメラによっても調節作業を行うことができ、調節のコストを低減し、企業による生産操作及び生産コストの低減に有利である。
【選択図】図2
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