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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電力分配のための分岐ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/08 20060101AFI20241022BHJP
   H04B 10/27 20130101ALI20241022BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H02G15/08
H04B10/27
H01B7/00 310
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020048462
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2020174517
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】16/382,761
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520096002
【氏名又は名称】サブコン、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ララ デニス ガレット
(72)【発明者】
【氏名】ブルース ナイマン
(72)【発明者】
【氏名】スタンレイ ウィスニースキー、ザ・セカンド
(72)【発明者】
【氏名】フランシス シー.ベカンピス
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-504832(JP,A)
【文献】特開平11-186959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/00-15/196
H04B 10/00-10/90
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光ケーブル内に配設された第1の電力導体を接続するための第1のポートと、
第2の光ケーブル内に配設された第2の電力導体を接続するための第2のポートと、
ともに分岐ケーブル内に配設された、第3の電力導体と第4の電力導体とを接続するための第3のポートと、
電力接続回路と、を備え、
前記第3のポートは、第1のサブポート及び第2のサブポートを含み、かつ、
前記第1のサブポートは、前記分岐ケーブルの前記第3の電力導体を接続するように構成され、かつ、前記第2のサブポートは、前記分岐ケーブルの前記第4の電力導体を接続するように構成され、
前記第1のポートと、前記第2のポートと、前記第3のポートの前記第1のサブポートと、前記第3のポートの前記第2のサブポートとは、前記第1の電力導体と、前記第2の電力導体と、前記第3の電力導体と、前記第4の電力導体との複数の接続状態を実現するようにそれぞれ構成され
前記電力接続回路は、前記複数の接続状態のなかから選択される1つの接続状態を実現する構成状態を有し、
前記第1のポートと、前記第2のポートと、前記第3のポートの前記第1のサブポートと、前記第3のポートの前記第2のサブポートと、のうち少なくとも二つは、前記構成状態に従って相互に接続され、
前記構成状態は、
ともに接地に接続された前記第1のポート及び前記第1のサブポートと、
互いに接続された前記第2のポート及び前記第2のサブポートと、又は
互いに接続された前記第1のポート及び前記第1のサブポートと、
ともに接地に接続された前記第2のポート及び前記第2のサブポートと、
を含む、分岐ユニット。
【請求項2】
前記構成状態は、
互いに接続された前記第1のポート及び前記第2のポートと、
ともに接地に接続された前記第1のサブポート及び前記第2のサブポートと、を含む、請求項に記載の分岐ユニット。
【請求項3】
前記構成状態は、
互いに接続された前記第1のポート及び前記第1のサブポートと、
互いに接続された前記第2のポート及び前記第2のサブポートと、を含む、請求項またはに記載の分岐ユニット。
【請求項4】
前記構成状態は、それぞれ接地に接続される前記第1のポートと、前記第2のポートと、前記第1のサブポートと、前記第2のサブポートと、のうち少なくとも二つを含む、請求項からのいずれか一項に記載の分岐ユニット。
【請求項5】
前記分岐ケーブルは二重導体ケーブルである、請求項1からのいずれか一項に記載の分岐ユニット。
【請求項6】
第1の光ケーブル内に配設された第1の電力導体を接続するための第1のポートと、
第2の光ケーブル内に配設された第2の電力導体を接続するための第2のポートと、
第1の分岐ケーブル内に配設された第3の電力導体を接続するための第3のポートと、
第2の分岐ケーブル内に配設された第4の電力導体を接続するための第4のポートと、
電力接続回路を備え、前記第1のポートと、前記第2のポートと、前記第3のポートと、前記第4のポートとは、別個のポートであり、前記第1の電力導体と、前記第2の電力導体と、前記第3の電力導体と、前記第4の電力導体との複数の接続状態を実現するようにそれぞれ構成され
前記電力接続回路は、前記複数の接続状態のなかから選択される1つの接続状態を実現する構成状態を有し、
前記第1のポートと、前記第2のポートと、前記第3のポートと、前記第4のポートと、のうち少なくとも二つは、前記構成状態に従って相互に接続されるように構成され、
前記構成状態は、
(i)ともに接地に接続された前記第1のポート及び前記第3のポートと、
(ii)互いに接続された前記第2のポート及び前記第4のポートと、又は
(i)互いに接続された前記第1のポート及び前記第3のポートと、
(ii)接地に接続された前記第2のポート及び前記第4のポートと、
を含む、分岐ユニット。
【請求項7】
前記構成状態は、
(i)互いに接続された前記第1のポート及び前記第2のポートと、
(ii)ともに接地に接続された前記第3のポート及び前記第4のポートと、又は
(i)互いに接続された前記第1のポート及び前記第3のポートと、
(ii)互いに接続された前記第2のポート及び前記第4のポートと、
を含む、請求項に記載の分岐ユニット。
【請求項8】
前記構成状態は、それぞれ接地に接続された前記第1のポートと、前記第2のポートと、前記第3のポートと、前記第4のポートと、のうち少なくとも二つを含む、請求項6又は7に記載の分岐ユニット。
【請求項9】
前記第1の分岐ケーブルと前記第2の分岐ケーブルとは物理的に分離されている、請求項からのいずれか一項に記載の分岐ユニット。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載の分岐ユニットを介して電力を分配するための方法であって、
前記分岐ユニットを介して、分岐端子の第1の電力供給装置から電力を前記第3の電力導体を通して受信することと、
前記分岐ユニットを介して、前記分岐端子の第2の電力供給装置から電力を前記第4の電力導体を通して受信することと、
前記分岐ユニットを介して、前記第1の電力供給装置からの前記受信された電力を、幹線ケーブルの第1のアウトバウンド方向に前記第1の電力導体を通して分配することと、
前記分岐ユニットを介して、前記第2の電力供給装置からの前記受信された電力を、前記幹線ケーブルの第2のアウトバウンド方向に前記第2の電力導体を通して分配することと、を備え、
前記第1のアウトバウンド方向に分配された前記電力は、第1の電力供給セグメント又は第1の電力供給ゾーンを提供し、かつ、
前記第2のアウトバウンド方向に分配された前記電力は、第2の電力セグメント又は第2の電力供給ゾーンを提供する、方法。
【請求項11】
前記分岐ユニットは、
二重導体ケーブルを連結するように構成された分岐ケーブルポートを有する3ポート分岐ユニット、又は
2つの別個の分岐ケーブルポートを有する4ポート分岐ユニットである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
二重導体分岐ユニットであって、
第1の光ケーブル内に配設された第1の電力導体を接続するための第1のポートと、
第2の光ケーブル内に配設された第2の電力導体を接続するための第2のポートと、
ともに第1の分岐ケーブル内に配設された第3の電力導体及び第4の電力導体をともに接続するための第3のポートと、を有し、
前記第3のポートは、第1のサブポート及び第2のサブポートを含み、
前記第1のサブポートは、前記第1の分岐ケーブルの前記第3の電力導体を接続するように構成され、かつ前記第2のサブポートは、前記第1の分岐ケーブルの前記第4の電力導体を接続するように構成された、二重導体分岐ユニットと、
第1の分岐ユニットであって、
第3の光ケーブル内に配設された第5の電力導体を接続するための第4のポートと、
前記第1の光ケーブル内に配設された前記第1の電力導体を接続するための第5のポートと、
第2の分岐ケーブルに配設された第6の電力導体を接続するための第6のポートと、
を有する第1の分岐ユニットと、
第2の分岐ユニットであって、
前記第2の光ケーブル内に配設された前記第2の電力導体を接続するための第7のポートと、
第4の光ケーブル内に配設された第7の電力導体を接続するための第8のポートと、
第3の分岐ケーブルに配置された第8の電力導体を接続するための第9のポートと、
を有する第2の分岐ユニットと、
を備えるシステム。
【請求項13】
ともに前記第1の分岐ユニットの、前記第4のポートと前記第6のポートとは互いに接続され、
前記第1の分岐ユニットの前記第5のポートは接地に接続され、かつ
ともに前記二重導体分岐ユニットの、前記第1のポートと前記第3のポートの前記第1のサブポートとは、互いに接続されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の分岐ユニットの前記第4のポート及び前記第5のポートは互いに接続され、
前記第1の分岐ユニットの前記第6のポートは接地に接続され、
前記第2の分岐ユニットの前記第7のポート及び前記第8のポートは互いに接続され、
前記第2の分岐ユニットの前記第9のポートは接地に接続され、
ともに前記二重導体分岐ユニットの、前記第1のポートと前記第3のポートの前記第1のサブポートとは互いに接続され、
ともに前記二重導体分岐ユニットの、前記第2のポートと前記第3のポートの前記第2のサブポートとは互いに接続される、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の分岐ケーブルは二重導体ケーブルである、請求項12から14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、光通信システムの分野に関する。より具体的には、本開示は、光通信システム内に電力を分配するための分岐ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
海底光ファイバ伝送システムでは、分岐ユニットは、2つ以上の目的地にサービスを提供するために、光ケーブルを「分枝部」に分割することができる器材のうちの一機器である。例えば、分岐ユニットの一方の分枝部は、ケーブルの陸揚げ地点(例えば、ケーブルが上陸する場所)に向けられてもよく、もう一方の分枝部は、海底を引き続き進んでもよい。例えば、分岐ユニットは、従来の3ポート式電気分岐機能を組み込んだものでもよい。そのような従来の3ポート式電気分岐機能では、3つのケーブル(例えば、「東」幹線ケーブル、「西」幹線ケーブル、及び分岐ケーブル)の電力導体どうしや、それらと接地コネクタとを相互に接続し、かつそれらの間の接続を管理することができる。
【0003】
従来の3ポート電気分岐構成では、分岐ユニットは、東幹線ケーブルの電力導体が西幹線ケーブルの電力導体に接続され、その一方で、分岐ケーブルの電力導体が、その場所の海の接地コネクタに接続されるように構成されてもよい。また例えば、別の従来の3ポート電気分岐構成では、分岐ユニットは、東幹線ケーブル(又は代替的構成では西幹線ケーブル)の電力導体が、分岐ケーブルの電力導体に接続され、その一方で、西幹線ケーブル(又は代替的構成では東幹線ケーブル)の電力導体が、その場所の海の接地コネクタに接続されるように構成されていてもよい。
【0004】
しかしながら、上記の従来の3ポート電気分岐構成では、シャント故障がケーブルで発生する場合には、多数の問題が生じる。シャント故障とは、ケーブルの絶縁が損傷し、ケーブルの電力導体から海水への短絡が存在した場合に発生する種類の故障であり得る。典型的には、故障からの修復中、仮想接地点(通常、ケーブルに沿ってほぼ中間の位置に存在するであろう)の位置は、通信システムがケーブルによってトラフィックを搬送し続けることができるように、シャント故障の発生した場所に移動されてもよい。
【0005】
したがって、上述の構成でシャント故障が発生すると、3本のケーブルのうちの1本の電力導体が常に、その場所の海の接地コネクタに物理的に接続されているため、伝送ケーブルの仮想接地点は、ケーブルに沿った任意の場所に移動することができない。別の問題は、シャント故障から最も遠い電力供給装置(PFE)が、ケーブルの電力導体を通る動作電流を維持するために必要な、追加の電力を発生させることができなければならないということである。結果として、システムのトラフィック容量は、分岐ユニットのこのシャント故障回復条件によって本質的に制約又は制限され、全体的な通信容量及び効率性を大幅に低減することになってしまう。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、電力を分配するための、これまでに存在しなかった斬新な分岐ユニットを対象とする。一実施形態では、その分岐ユニットは、第1の光ケーブルに配設された第1の電力導体を接続するための第1のポートと、第2の光ケーブル内に配設された第2の電力導体を接続するための第2のポートと、ともに分岐ケーブル内に配設された第3の電力導体及び第4の電力導体をともに接続するための第3のポートと、を含み得る。第3のポートは、第1のサブポート及び第2のサブポートを含み得る。第1のサブポートは、分岐ケーブルの第3の電力導体を接続するように構成され得る。第2のサブポートは、分岐ケーブルの第4の電力導体を接続するように構成され得る。
【0007】
別の実施形態では、分岐ユニットは、第1の光ケーブル内に配設された第1の電力導体を接続するための第1のポートと、第2の光ケーブル内に配設された第2の電力導体を接続するための第2のポートと、第1の分岐ケーブル内に配設された第3の電力導体を接続するための第3のポートと、第2の分岐ケーブル内に配設された第4の電力導体を接続するための第4のポートと、を備え得る。
【0008】
別の実施形態では、システムは、二重導体分岐ユニット、第1の分岐ユニット、及び第2の分岐ユニットを含み得る。その二重導体分岐ユニットは、第1の光ケーブルに配設された第1の電力導体を接続するための第1のポートと、第2の光ケーブル内に配設された第2の電力導体を接続するための第2のポートと、ともに第1の分岐ケーブル内に配設された第3の電力導体及び第4の電力導体をともに接続するための第3のポートと、を含み得る。第3のポートは、第1のサブポート及び第2のサブポートを含み得る。第1のサブポートは、第1の分岐ケーブルの第3の電力導体を接続するように構成されてもよく、かつ第2のサブポートは、第1の分岐ケーブルの第4の電力導体を接続するように構成されてもよい。また、第1の分岐ユニットは、第3の光ケーブル内に配設された第5の電力導体を接続するための第4のポートと、第1の光ケーブル内に配設された第1の電力導体を接続するための第5のポートと、第2の分岐ケーブル内に配設された第6の電力導体を接続するための第6のポートと、を含み得る。第2の分岐ユニットは、第2の光ケーブル内に配設された第2の電力導体を接続するための第7のポートと、第4の光ケーブル内に配設された第7の電力導体を接続するための第8のポートと、第3の分岐ケーブル内に配設された第8の電力導体を接続するための第9のポートと、を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な光通信システムを示す。
図2】例示的な分岐ユニットを示す。
図3】分岐ユニットの例示的な構成状態を示す。
図4】分岐ユニットの代替例を示す。
図5】例示的な電力供給アーキテクチャを示す。
図6】電力供給セクションへのケーブルの分割例を示す。
図7】シャント故障の管理例を示す。
図8】二重シャント故障の管理例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、分岐端子からの電力を、幹線経路の各アウトバウンド方向(例えば、東、西)に分配するように構成されている分岐ユニットを対象とする。例示的な一実施形態では、分岐ユニットの分岐ケーブルは、二重導体ケーブル(「DCC」)であってもよく、2つの別々の電力導体を含み、分枝ユニットから出る東幹線ケーブル及び西幹線ケーブルの両方に電力を供給するようになっている。代替的な実施形態では、別々の単一導体分岐ケーブルを2本使用して、4ポート電力分配分岐ユニットを提供してもよい。一部の実施例では、2本の単導体分岐ケーブルのうちの1本は、電力のみを提供するように構成されてもよく、一方、他の単一導体分岐ケーブルは、完全な光学的及び電気的機能を提供するように構成されてもよい。
【0011】
上述のように、従来の3ポート電気分岐構成に固有の制限は、シャント故障損傷などの故障事象中に生じる多数の問題を引き起こし得る。これまでに存在しなかった斬新なタイプの配電分岐ユニットは対象とした、本明細書に開示される1つ以上の実施形態、実施例、及び/又は態様は、多くの点で、上に説明した従来の構成を改善し、またそれよりも有利なものとなっている。例えば、配電分岐ユニットに関連する光ケーブル(例えば、東幹線ケーブル、西幹線ケーブル、及び分岐ケーブル)のいずれも、直接接地に電力供給される必要はなく、それにより全ての経路上でのシャント故障回復を可能にする。別の利点としては、1本のケーブルが2つの「シャント故障回復ゾーン」に分割され、そのうちの1つのゾーンは、例えば、東端子のPFEと分枝端子の第1のPFEとの間で電力供給され、他方のゾーンは、西端子のPFEと分枝端子における第2のPFEとの間で電力供給され得ることがある。したがって、各端子のPFE電圧要件は、電力流の長さの減少に比例して低減され得る。あるいは、経路全体のトラフィック容量を増加させるために、フルPFE電圧を使用してもよい。
【0012】
ここで、本発明の好ましい実施形態が示される添付図面を参照しながら、本発明をより完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全になるように、かつ、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供される。図面においては、全ての図をとおして、同じ数字は、同じ要素を指す。
【0013】
図面を参照すると、図1は、実施形態に係る例示的な光通信システム100を示す。図示されているように、光通信システム100(これは、長距離システムであり得る)は、幹線経路112に連結され得る幹線端子110及び120を含む。本明細書で使用するとき、用語「連結された(る)」は、任意の接続、接続すること、連結すること、リンクすること、リンクなどを指してもよいが、連結された構成要素どうしが、互いに直接接続されていることを必ずしも意味しない。したがって、連結された構成要素間の接続は間接的であってもよい。用語「連結された」及び「接続する(される)」は、本明細書において互換的に使用され得る。幹線端子110が位置する側を西側と称し、その反対側である、幹線端子120が位置する側を東側と称してもよいことが理解され得るであろう。
【0014】
幹線経路112は、光信号を搬送するための複数の光ケーブルセグメント、例えば、ケーブルセグメント113、134、及び142を含んでもよい。各ケーブルセグメントは、幹線端子110と幹線端子120との間の光信号の双方向通信のための伝送路を提供するために、光ファイバ対及び1つ以上のリピータ170を含む、光ファイバケーブルの1つ以上のセクションを含み得る。
【0015】
1つ以上の分岐ユニット、例えば、分岐ユニット(BU)130及び140が、幹線端子110と幹線端子120との間の幹線経路に連結されてもよい。分岐ユニット130及び分岐ユニット140のそれぞれは、例えば、1つ以上のリピータ170及び連結光ケーブルを介して、分岐端子、例えば、分岐端子150及び160に、それぞれ関連する分岐経路152及び162を通じて連結されてもよい。したがって、光通信システム100は、同じ幹線ファイバ対を使用して、端子110、120、150及び/又は160どうしの間の光信号の双方向通信を提供するように構成され得るが、複数のファイバ対が、分岐ユニット130及び140のそれぞれによって使用及び支持されてもよいことが理解され得るであろう。説明を容易にするために、本明細書の説明は、1つの端子から別の端子への送信を参照して行われる場合がある。しかしながら、システム100は、端子110、120、150及び/又は160のいずれかどうしの間の双方向通信又は一方向通信のために構成され得ることが理解され得るであろう。
【0016】
図1に更に示すように、幹線端子110及び120並びに分岐端末150及び160は、電力を、光通信システム100のリピータ170などのような様々な電子部品に、例えば幹線経路112の光ケーブルセグメント及び分枝路152及び162に配設された電力導体(図示せず)を介して供給又は提供するように構成された1つ以上の電力供給装置(PFE)、例えば、PFE182、184、186、及び188を含んでもよい。
【0017】
更に、幹線及び分枝路の構成要素は、それらの意図される機能を達成するための既知の構成を含んでもよい。例えば、リピータ170は、伝送路上の信号減衰を補償する、任意の既知の光増幅器/リピータ構成を含んでもよい。例えば、リピータ170のうちの1つ以上は、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)、ラマン増幅器、又はハイブリッド(例えば、ラマン/EDFA)増幅器などの光増幅器として構成されてもよい。更に、リピータ170のうちの1つ以上は、既知の光学-電気-光学的構成で提供されてもよく、その構成は、光信号を電気信号に変換し、電気信号を処理し、次いで光信号を再送信することによって、光信号を再生成するものである。
【0018】
以下で更に説明するように、分岐ユニット130及び分岐ユニット140のそれぞれの分岐ケーブルは、それぞれ、分岐端子150及び分岐端子160においてPFEによって提供される電力を、分岐ユニットのアウトバウンド方向、例えば、西方及び東方の両方に分配するように構成されてもよい。したがって、例えば、PFE184によって提供される電力は、幹線経路112の西側、例えば、幹線端子110と分岐ユニット130との間の全ての光ケーブルセグメントに分配されてもよく、かつ幹線経路112の東側、例えば、幹線端子120と分岐ユニット130との間の全ての光ケーブルセグメントに分配されてもよい。更に、PFE186によって提供される電力は、分岐ユニット140によって上記と同様の方法で分配されてもよい。
【0019】
図2は、実施形態に係る例示的な分岐ユニット200を示す。図示されているように、分岐ユニット200は、その各々が、その中に配設された光ケーブル及び電力導体の接続を実現するようにそれぞれ構成された3つの別個のポート、例えば、西幹線ケーブルポート202、東幹線ケーブルポート204、分岐ケーブルポート206を含んでもよい。例えば、単一導体の西幹線ケーブル208は、西幹線ケーブルポート202に接続されてもよい。分岐ユニット200の、上記と反対側には、単一導体の東幹線ケーブル209が、東幹線用ケーブルポート204に接続されてもよい。また、分岐ケーブルポート206には、二重導体分岐ケーブル210が接続されてもよい。用語「ポート」は、広く理解されてもよく、ケーブル(内部に配設された電力導体を含む)を分岐ユニットに接続して、別のケーブル(内部に配設された電力導体を含む)に接続することを可能にする、任意のインターフェース又は任意の好適な構成要素を含む。
【0020】
例示的な実施形態によれば、2つの別個の電力導体212及び電力導体214が、二重導体分岐ケーブル210内に配設されていてもよい。電力導体212及び電力導体214の接続を実現するように、分岐ケーブルポート206は、それぞれ対応する2つの別個のサブポート216及びサブポート218を含み得る。用語「サブポート」は、広く理解されてもよく、二重導体分岐ケーブル内に配設された2つの電力導体のうちの1つが別個の方法で分岐ケーブルポートに接続することを可能にし、しかも別個のハウジング等を有することを必要としない、任意のインターフェース、構成要素、及び/又は技術を含むことができる。
【0021】
電力接続機能部220は、回路(例えば、電力接続回路)、論理、任意の好適なハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得るが、その電力接続機能部220は、西幹線ケーブルポート202と、東幹線ケーブルポート204と、分岐ケーブルポート206の2つのサブポート216及び218と、及び接地222との間の接続を容易にし得る。例えば、電力接続機能部220は、西幹線ケーブルポート202とサブポート216との接続を介して、西幹線ケーブル208と二重導体分岐ケーブル210の電力導体212とを接続し得る。同様に、東幹線ケーブル209と電力導体214とは、東幹線ケーブルポート204とサブポート214との間の接続を介して接続され得る。以下で更に説明するように、他の多数の接続が可能であることが理解され得るであろう。
【0022】
図3は、実施形態に係る分岐ユニットの電力接続機能部の、例示的構成状態300を示す。説明を容易にするため、分岐ユニット200の電力接続機能部220は、構成状態300を説明するために使用される。例えば、電力接続機能部220は、特定の方法、例えば、構成状態で接続するように分岐ユニット200のポートを構成してもよく、その結果、それらのポートと関連付けられたケーブルは、その特定の方法に従って接続されることになる。以下で明らかになるように、構成状態300は、少なくとも、二重導体分岐ケーブル210の2つの電力導体212及び電力導体214によって実現可能である。
【0023】
例えば、構成状態302では、西幹線ケーブルポート202と東幹線ケーブルポート204とは、単一導体の西幹線ケーブル208と単一導体の東幹線ケーブル209とが接続されるように接続され得る。二重導体分岐ケーブル210の電力導体212及び電力導体214が両方とも接地に接続されるように、サブポート216及びサブポート218が接地222に接続され得る。このように、電力接続機能部220によるポート(及びサブポート)の接続の構成は、それらのポート(及びサブポート)に接続されたケーブル内に配設された電力導体の接続を制御することになっている。
【0024】
構成状態304では、単一導体の西幹線ケーブル208が電力導体212に接続され、単一導体の東幹線ケーブル209が電力導体214に接続されるように、西幹線ケーブルポート202及び東幹線ケーブルポート204が、それぞれサブポート216及びサブポート218に接続され得る。別の例では、構成状態306は、分岐ユニット200の全てのポート、例えば、西幹線ケーブルポート202及び東幹線ケーブルポート204並びにサブポート216及びサブポート218が、接地222に接続されるように構成してもよい。
【0025】
図3に更に示すように、構成状態300はまた、例えば修復構成状態308、310、及び312などの、修復に関連する様々な構成状態を含み得る。例えば、電力接続機能部220は、分岐ユニット220のポートどうしを、例えばシャント故障などの光通信システムの故障の検出と、どこでその故障が検出されたかとに基づいて、特定の構成で接続し得る。
【0026】
修復構成状態308では、西幹線ケーブル208に修理が実施されているが、その修復構成状態308では、西幹線ケーブルポート202とサブポート216との両方が接地222に接続されている一方で、サブポート218が東幹線ケーブルポート204に接続され得る。また、東幹線ケーブル209に修理が実施されている場合、修理構成状態310では、サブポート216が西幹線ケーブルポート202に接続され得る。東幹線ケーブルポート204及びサブポート218は、接地222に接続され得る。更に別の例では、修復構成状態312で、二重導体分岐ケーブル210に修理が実施されている場合に、西幹線ケーブルポート202及び東幹線ケーブルポート204が互いに接続され得る。サブポート216及びサブポート218は、接地222に接続され得る。図3に示す様々な構成状態300は単なる例であり、これに限定されるものではないことが理解され得るであろう。他の多くの構成状態が想到され得るであろう。
【0027】
図4は、代替的な実施形態に係る例示的な分岐ユニット400を示す。例えば、分岐ユニット400は、少なくとも4つの別個のポート、例えば、西幹線ケーブルポート402、東幹線ケーブルポート404、分岐ケーブルポート406、及び分岐ケーブルポート406とは別個の、異なる分岐ケーブルポート408、を含み得る。図示されているように、単一導体の西幹線ケーブル410及び単一導体の東幹線ケーブル412は、それぞれ、西幹線ケーブルポート402及び東幹線ケーブルポート404に接続され得る。更に、分岐ユニット400は、様々なポート及び接地416間の接続を容易にするために、電力接続機能部220と同様であり得る電力接続機能部414を含み得る。分岐ユニット400の電力接続機能部414によって構成可能な構成状態は、上述の構成状態300と同様であり得るということが理解され得るであろう。
【0028】
上述したように、分岐ユニット400の分岐ケーブルポート406及び分岐ケーブルポート408は、2つの物理的に別個の、異なるポートとして構成又は配置され得る。2本の別個の、単一導体の分岐ケーブル418及び単一導体の分岐ケーブル420(1本のDCCの代わりとなるものである)が、それぞれ分岐ケーブルポート406及び分岐ケーブルポート408に接続され得る。したがって、分岐ユニット400は、「4ポート」分岐ユニットと称され得るということが理解され得るであろう。2本の別個の、単一導体分岐ケーブルを使用することは、例えば、分岐ユニット400の機能的なカスタマイズ能力に関して有利であり得る。一例としては、単一の導体分岐ケーブル418を、電力及び/又は光学機能のために使用することができ、その一方で、単一の導体分岐ケーブル420を、完全な光及び電気的機能を提供するように構成することができる。
【0029】
図5は、実施形態に係る、1つ以上の分岐ユニットを使用した光通信システム500の、例示的な電力供給アーキテクチャを示す。説明を容易にするため、様々な電力関連構成要素を有する光通信システム500の少なくとも一部分が示されている。システム500は、一連の少なくとも5つの幹線ケーブルセグメントを含み、これらはそれぞれ長さが異なり、しかも第1の場所502(例えば、第1の陸地)と第2の場所504(例えば、第2の陸地)との間で、4つの異なる分岐ユニット(BU)506、508、510、及び512により相互に接続されている。例えば、一連の幹線ケーブルのうちの第1の幹線ケーブルは、電力供給装置(PFE)522と分岐ユニット506との間に接続され得る。第2の幹線ケーブルは、分岐ユニット506と分岐ユニット508との間に接続され得る。第3の幹線ケーブルは、分岐ユニット508と分岐ユニット510との間に接続され得る。第4の幹線ケーブルは、分岐ユニット510と分岐ユニット512との間に接続され得る。第5の幹線ケーブルは、分岐ユニット512とPFE524との間に接続され得る。
【0030】
システム500では、分岐ユニット506、508、510、及び512のそれぞれは、例えば、分岐ケーブルポートに接続された分岐ケーブルは、二重導体ケーブル(DCC)であってもよく、かつ2つの別個に接続可能な電力導体を含んでもよいという点で、分岐ユニット200と同様に構成され得る。例えば、分枝ユニット506を介して、DCC542の2つの別個の電力導体はそれぞれ、2つの接続された幹線ケーブル、例えば第1の幹線ケーブル及び第2の幹線ケーブルの、分枝ユニット506からのアウトバウンド方向に、それぞれ、PFE526及びPFE528から電力を供給又は分配し得る。更に、DCC544の2つの電力導体はそれぞれ、PFE530及びPFE532から、第2の幹線ケーブル及び第3の幹線ケーブルに電力を供給又は分配し得る。DCC546は、PFE534及びPFE536から、それぞれ、第3の幹線ケーブル及び第4の幹線ケーブルに電力を供給し得る。また、DCC548は、PFE538及びPFE540から、それぞれ、第4の幹線ケーブル及び第5の幹線ケーブルに電力を供給し得る。
【0031】
システム500内の各DCCが、2つの別個の電源から、それぞれの分岐ユニットの両方のアウトバウンド方向に電力を供給しているので、図5に示される電力アーキテクチャでは、全てのケーブル接続を、DCCのセグメントを共有する他のケーブルの電力供給を乱すことなく、シャント故障からの回復のために調整することが可能になっている。図示されるように、分岐ユニット506、508、510、及び512は、シャント故障経路(SFP)552、554、556、558、及び560を生成するように配置され得る。したがって、シャント故障が、ある特定のシャント故障経路上で発生しているという場合に、その経路上にある互いに対向するPFEどうしのうちのいずれか(又は両方)におけるPFE電圧設定は、全ての海中機器がその経路に沿って電力供給され得るように、有効な接地接続を、シャント故障による損傷が発生した場所に移動させるために調整され得る。例えば、経路552上でシャント故障が発生しているという場合には、2つのPFE522及びPFE526は、経路552上で、有効接地接続を移動させるように調整され得る。同様に、経路556上でシャント故障が発生している場合には、2つのPFE532及びPFE534が調整され得る。
【0032】
光通信システム500の電力供給アーキテクチャは、少なくとも、他のケーブルに影響を及ぼすことなく、特定のケーブル又は特定の複数のケーブルに対して、故障からの回復のための活動を実施し得る(そのことは、より長いケーブル間に短いコネクタケーブルが存在し得る、例えばシステム500などのネットワークにとって、効果的であり得る)ため、有利である。
【0033】
図6は、実施形態に係る、1本のケーブルをより短い電力供給セクションに分割する一例を示す。図示されているように、光通信システム600の少なくとも一部分は、2つの標準的な分岐ユニット602及び分岐ユニット604と、二重導体分岐ユニット606とを含み得るが、二重導体分岐ユニット606は、西幹線ケーブル608の一端と東幹線ケーブル610の一端とを接続している。図示されているように、西幹線ケーブル608の他端は、西端子614でPFE612に接続し得る。また、同様に、東幹線ケーブル610の他端は、東端子618でPFE616に接続し得る。分岐ユニット602及び分岐ユニット604は、それぞれ、西幹線ケーブル608及び東幹線ケーブル610に連結され得るが、そのうちの分岐ユニット602は、二重導体分岐ユニット606とPFE612との接続の間に配置され、かつ分岐ユニット604は、二重導体分岐ユニット606とPFE616との接続の間に配置される。
【0034】
更に図示されるように、単一導体の分岐ケーブルが、分岐端子622のPFE620を、分岐ユニット602の接地624に接続し得る。更に、単一導体の分岐ケーブルが、分岐端子628のPFE626を、分岐ユニット604の接地630に接続し得る。二重導体分岐ユニット606の分岐ケーブルは、2つの電力導体が二重導体ケーブル(DCC)632を介して、その内部に配設されているという点で異なる。したがって、上述したように、分岐端子の2つの別個のPFE634及びPFE636は、二重導体分岐ユニット606の両方のアウトバウンド側、例えば、西幹線ケーブル608及び東幹線ケーブル610の両方に、電力を供給又は供給し得る。ネットワーク600に示されるこの構成は、長いケーブル(例えば、東西方向幹線ケーブル)を、2つのより短い電力供給ゾーンに分割するために有効に使用され得るが、この場合、電力が、例えば、DCC632及び二重導体分岐ユニット606を使用して、分岐端子638において「再生成」される。
【0035】
PFE634からPFE612への電力供給経路及びPFE636からPFE616への電力供給経路はそれぞれ、それらの経路におけるシャント故障による損傷からの回復能力を提供し得る。したがって、ネットワーク600の構成の利点の一例としては、別個の電力供給セクション(かつ、その結果としての別個のシャント故障からの回復ゾーン)によって、シャント故障からの回復及び修理が簡略化され、より効率的となり、より費用対効果が高くなることがある。PFE装置の最大利用可能性に基づくシングルエンド給電制限が、2つの電力供給セクションに対して別々に適用されるということが理解され得るであろう。また、所与のシステムの電力供給セクション又はゾーン(二重導体分岐ユニットの数及び/又は位置を含む)は、システム固有であってもよく、システムの全長と、顧客又はユーザーによる費用対電力供給性能のトレードオフの考慮とに基づいていてもよいということも理解され得るであろう。
【0036】
図7は、実施形態に係る幹線ケーブル上で発生するシャント故障の例示的管理700を示す。説明を容易にするため、光通信システム600、並びにその構成要素及び機能が、図7に示されるシャント故障の管理700を説明するために使用される。
【0037】
図示されているように、シャント故障702が、例えば、分岐ユニット602の左側に、西幹線ケーブル608上で発生し得る。上述したように、シャント故障は、ケーブル内に配設された電力導体と塩水との間に短絡を生成する、ケーブル上の任意の種類の損傷であり得る。一例では、シャント故障702を管理又は修復するために、西幹線ケーブル608内の電力導体が、シャント故障702に電力がPFE612及びPFE634から提供されように、二重導体分岐ユニット606の左分岐ケーブル内の電力導体に接続され得る。また、別の例では、シャント故障702が分岐ユニット602と分岐端子622との間に位置する。シャント故障702が管理又は修理され得るようにするために、西幹線ケーブル608内の電力導体が、分岐端子622の分岐ケーブル内の電力導体に接続されて、PFE612及びPFE620からシャント障害702に電力が提供され、その一方で、分岐ユニット602と二重導体分岐ユニット606との間の電力導体セグメントに給電されないように、分岐ユニット602に接地接続が設けられている。他の好適な管理又は修復例が想定され得る。
【0038】
有利なことに、シャント故障702は、例えば、(上述のように)左シャント故障回復ゾーンにおいて隔離された状態で、光通信システム600の右側電力セクションの電力又は性能に影響を及ぼすことなく、管理又は処理され得る。東幹線ケーブル610(東端子618に近い)に発生しているシャント故障が、同様の方法で管理又は処理され得ることが理解され得るであろう。
【0039】
図8は、実施形態に係る、二重導体ケーブル上で発生するデュアルシャント故障の例示的な管理800を示す。説明を容易にするため、光通信システム600、並びにその構成要素及び機能が、図8に示されるデュアルシャント故障の管理800を説明するために使用される。
【0040】
図8の下側の概略図に示されるように、DCC632を接地802及び接地804に接続した結果、接地接続802と接地接続804との間に無電力ゾーン及び障害位置が生じ得る(例えば、2つの別個のシャント故障がDCC632の電力導体のそれぞれに発生すると仮定する)。図8の上側の概略図に示されるPFE612、634、616、及び636は、仮想接地を障害位置に(例えば、DCC632の各電力導体上に)シフトさせるように調節し得る。例えば、シャント故障が、下側の概略図におけるDCC632の電力導体のそれぞれで発生している場合、上側の概略図に示される構成は、上述のように、それぞれPFE612、634、616及び636からシャント故障に電力を供給することによって、シャント故障を管理又は修理し得る。有利なことに、分岐ユニットの再構成は必要でない。したがって、シャント故障が光通信システム600内のどこで発生しているかにかかわらず、これらの故障の管理又は修理は、システム全体の電力供給環境を妨害することなく行われ得る。
【0041】
本明細書では、より高い電力効率性及びシステム監視機能を有する、効率的な光信号増幅のための新規かつ進歩的な装置及び技術が開示されている。本開示は、本明細書に記載される特定の実施形態によって、その範囲が限定されるものではない。実際に、本明細書に記載されるものに加えて、本開示の他の様々な実施形態及び本開示への様々な修正が、これまでの説明及び添付の図面から当業者には明らかとなるであろう。
【0042】
したがって、そのような他の実施形態及び修正は、本開示の範囲内に含まれるということが意図される。更に、本開示は、特定の目的のための特定の環境における特定の実装の文脈で本明細書に記載されているが、当業者であれば、その有用性はこれに限定されず、本開示は任意の数の目的のために任意の数の環境で有益に実装され得ることを認識するであろう。したがって、以下に記載される特許請求の範囲は、本明細書に記載される本開示の最大の範囲及び趣旨を考慮して解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8