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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241022BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G03G21/16 171
G03G21/16 120
G03G15/00 680
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020156540
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022050123
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 未都
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-138900(JP,A)
【文献】特開2010-122465(JP,A)
【文献】特開2015-118140(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0133188(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/18
G03G 15/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
前記本体筐体内の内側位置と前記本体筐体外の外側位置との間で第1方向に移動可能なドロワと、
前記ドロワに対して着脱可能なカートリッジであって、前記第1方向と交差する第2方向に延びるドラム軸について回転可能な感光ドラムを有するカートリッジと、を備え、
前記ドロワは、
前記ドロワを前記本体筐体に対してロックするロック位置と、前記本体筐体に対する前記ドロワのロックを解除する解除位置と、の間を前記第2方向に移動可能なロック部材を備え、
前記カートリッジは、前記ドロワに装着された状態において、第1位置と、第2位置と、の間を前記ドラム軸を中心に回動可能であり、
前記カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記ロック部材は、前記ロック位置に位置し、
前記カートリッジが前記第2位置に位置する場合、前記ロック部材は、前記解除位置に位置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カートリッジは、電気接点を有するメモリを備え、
前記本体筐体は、前記電気接点と接触する本体接点を備え、
前記カートリッジが前記第1位置から前記第2位置に回動するときに、前記カートリッジは、前記電気接点が前記本体接点から離れるように回動することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電気接点は、下を向き、
前記本体接点は、上を向いていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記電気接点が前記本体接点と接触し、
前記カートリッジが前記第2位置に位置する場合、前記電気接点が前記本体接点から離間することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カートリッジは、
前記感光ドラムに駆動力を伝達するドラムカップリングであって、前記ドラム軸を中心に回転可能なドラムカップリングを備え、
前記ドラムカップリングを中心に前記第1位置と前記第2位置との間で回動可能であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カートリッジは、ユーザが把持可能なハンドルを有し、
前記本体筐体は、前記ドロワが通過可能な開口を有し、
前記カートリッジが装着された前記ドロワが前記内側位置に位置する状態で、前記ハンドルは、前記開口から露出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カートリッジが装着された前記ドロワが前記内側位置に位置する状態で、前記ハンドルは、前記カートリッジから前記開口の外に向けて前記第1方向に突出することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記本体筐体は、
前記第2方向における前記本体筐体の内表面に位置する凹部を有し、
前記ロック部材が前記ロック位置に位置する場合に、前記ロック部材の少なくとも一部は、前記凹部に入り、
前記ロック部材が前記解除位置に位置する場合に、前記ロック部材の少なくとも一部は、前記第2方向において前記凹部から離れて位置することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記カートリッジは、
前記ロック部材に接触して、前記ロック部材を前記ロック位置から前記解除位置に移動させる第1突起を有し、
前記ロック部材は、
前記第2方向における前記ドロワの側壁から突出する先端部であって、前記本体筐体と接触して、前記内側位置に位置する前記ドロワが前記外側位置へ移動するのを規制する先端部と、
前記第1突起と接触する第1カム面であって、前記先端部に近づくにつれて前記第1突起から離れるように傾斜する第1カム面を有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ドロワは、前記ロック部材を前記解除位置から前記ロック位置に向けて前記第2方向に付勢するバネをさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記本体筐体は、
前記ロック部材の前記先端部が入る凹部と、
前記ドロワが前記外側位置から前記内側位置に移動する過程において、前記ロック位置に位置する前記ロック部材の前記先端部と接触可能な本体接触部と、を有し、
前記本体接触部および前記先端部の少なくとも一方は、
前記ドロワの装着方向下流に向かうにつれて前記カートリッジに近づくように傾斜する第2カム面を有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記カートリッジは、
第2突起を有し、
前記ドロワに対して、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に着脱可能であり、
前記ドロワは、
前記第2位置に位置する前記カートリッジが前記ドロワから離脱するのを規制する規制部を有し、
前記カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記第3方向に投影した前記第2突起が前記規制部に重ならず、
前記カートリッジが前記第2位置に位置する場合、前記第3方向に投影した前記第2突起が前記規制部に重なることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カートリッジが着脱可能なドロワを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体筐体と、本体筐体内の内側位置と本体筐体外の外側位置との間で移動可能なドロワと、ドロワに着脱可能なカートリッジとを備えた画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2020/0142348号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のような構造において、ドロワを本体筐体にロックさせたり、ドロワのロックを解除させたりすることが可能な構造を採用することが考えられる。具体的には、例えば、ドロワが、ユーザによって把持されるハンドルと、ドロワを本体筐体に対してロックするためのロック部材とを備えることが考えられる。この場合、例えば、ハンドルは、ドロワの側壁に対して回動可能とすることが考えられる。また、例えば、ロック部材は、ハンドルの回動に連動して動くように構成されることが考えられる。このように構成した場合、ユーザは、ドロワを内側位置から外側位置に移動させる際、ハンドルを回動させることでロック部材によるロックを解除させることが可能となる。
【0005】
しかしながら、このような構造では、ハンドルを回動可能とするために、ハンドルが設けられるドロワの側壁の厚さをある程度大きくしなければならないので、ドロワの移動方向において画像形成装置が大型化するおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は、ドロワの移動方向において画像形成装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本開示に係る画像形成装置は、本体筐体と、前記本体筐体内の内側位置と前記本体筐体外の外側位置との間で第1方向に移動可能なドロワと、前記ドロワに対して着脱可能なカートリッジであって、前記第1方向と交差する第2方向に延びるドラム軸について回転可能な感光ドラムを有するカートリッジと、を備える。
前記ドロワは、前記ドロワを前記本体筐体に対してロックするロック位置と、前記本体筐体に対する前記ドロワのロックを解除する解除位置と、の間を前記第2方向に移動可能なロック部材を備える。
前記カートリッジは、前記ドロワに装着された状態において、第1位置と、第2位置と、の間を前記ドラム軸を中心に回動可能である。
前記カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記ロック部材は、前記ロック位置に位置し、前記カートリッジが前記第2位置に位置する場合、前記ロック部材は、前記解除位置に位置する。
【0008】
この構成によれば、カートリッジを第1位置から第2位置に回動させることで本体筐体に対するドロワのロックを解除することができるので、ドロワのロックを解除するためのハンドルをドロワに設ける必要がなくなる。そのため、ドロワの移動方向である第1方向において、画像形成装置を小型化することができる。
【0009】
また、前記カートリッジは、電気接点を有するメモリを備え、前記本体筐体は、前記電気接点と接触する本体接点を備え、前記カートリッジが前記第1位置から前記第2位置に回動するときに、前記カートリッジは、前記電気接点が前記本体接点から離れるように回動してもよい。
【0010】
この構成によれば、カートリッジが第1位置から第2位置に回動するときに、電気接点が本体接点から離れるので、カートリッジの第1位置から第2位置への回動が本体接点で邪魔されるのを抑えることができる。
【0011】
また、前記電気接点は、下を向き、前記本体接点は、上を向いていてもよい。
【0012】
また、前記カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記電気接点が前記本体接点と接触し、前記カートリッジが前記第2位置に位置する場合、前記電気接点が前記本体接点から離間してもよい。
【0013】
また、前記カートリッジは、前記感光ドラムに駆動力を伝達するドラムカップリングであって、前記ドラム軸を中心に回転可能なドラムカップリングを備え、前記ドラムカップリングを中心に前記第1位置と前記第2位置との間で回動可能であってもよい。
【0014】
また、前記カートリッジは、ユーザが把持可能なハンドルを有し、前記本体筐体は、前記ドロワが通過可能な開口を有し、前記カートリッジが装着された前記ドロワが前記内側位置に位置する状態で、前記ハンドルは、前記開口から露出してもよい。
【0015】
この構成によれば、カートリッジのハンドルが開口から露出するので、ユーザが、カートリッジのハンドルを容易に掴むことができる。
【0016】
また、前記カートリッジが装着された前記ドロワが前記内側位置に位置する状態で、前記ハンドルは、前記カートリッジから前記開口の外に向けて前記第1方向に突出してもよい。
【0017】
これによれば、ハンドルが開口の外に向けて第1方向に突出するので、ユーザが、カートリッジのハンドルを容易に掴むことができる。
【0018】
また、前記本体筐体は、前記第2方向における前記本体筐体の内表面に位置する凹部を有し、前記ロック部材が前記ロック位置に位置する場合に、前記ロック部材の少なくとも一部は、前記凹部に入り、前記ロック部材が前記解除位置に位置する場合に、前記ロック部材の少なくとも一部は、前記第2方向において前記凹部から離れて位置していてもよい。
【0019】
また、前記カートリッジは、前記ロック部材に接触して、前記ロック部材を前記ロック位置から前記解除位置に移動させる第1突起を有し、前記ロック部材は、前記第2方向における前記ドロワの側壁から突出する先端部であって、前記本体筐体と接触して、前記内側位置に位置する前記ドロワが前記外側位置へ移動するのを規制する先端部と、前記第1突起と接触する第1カム面であって、前記先端部に近づくにつれて前記第1突起から離れるように傾斜する第1カム面を有していてもよい。
【0020】
この構成によれば、第1突起が第1カム面と接触することで、ロック部材がロック位置から解除位置に移動するので、ドロワのロックを解除する構造を簡易に構成することができる。
【0021】
また、前記ドロワは、前記ロック部材を前記解除位置から前記ロック位置に向けて前記第2方向に付勢するバネをさらに備えていてもよい。
【0022】
この構成によれば、バネがロック部材を解除位置からロック位置に向けて付勢するので、カートリッジを第2位置から第1位置に回動させると、バネによってロック部材を解除位置からロック位置に移動させることができる。
【0023】
また、前記本体筐体は、前記ロック部材の前記先端部が入る凹部と、前記ドロワが前記外側位置から前記内側位置に移動する過程において、前記ロック位置に位置する前記ロック部材の前記先端部と接触可能な本体接触部と、を有し、前記本体接触部および前記先端部の少なくとも一方は、前記ドロワの装着方向下流に向かうにつれて前記カートリッジに近づくように傾斜する第2カム面を有していてもよい。
【0024】
この構成によれば、本体接触部および先端部の少なくとも一方が第2カム面を有するので、ドロワを外側位置から内側位置に移動させる際に、ユーザがカートリッジを回動させなくても、第2カム面の作用によって、ロック部材をロック位置から解除位置に向けて移動させることができる。そのため、ドロワを外側位置から内側位置に移動させる際に、ロック位置に位置するロック部材の先端部が本体接触部に引っかかるのを抑えることができる。
【0025】
また、前記カートリッジは、第2突起を有し、前記ドロワに対して、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に着脱可能であり、前記ドロワは、前記第2位置に位置する前記カートリッジが前記ドロワから離脱するのを規制する規制部を有し、前記カートリッジが前記第1位置に位置する場合、前記第3方向に投影した前記第2突起が前記規制部に重ならず、前記カートリッジが前記第2位置に位置する場合、前記第3方向に投影した前記第2突起が前記規制部に重なっていてもよい。
【0026】
この構成によれば、カートリッジが第2位置に位置する場合に、第3方向に投影した第2突起が規制部に重なるので、第2位置に位置するカートリッジがドロワから外れるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、ドロワの移動方向において画像形成装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態に係るカラープリンタを示す断面図である。
図2】ドロワを本体筐体外に引き出した状態を示す断面図である。
図3】第1カートリッジを示す斜視図(a)と、第2ボス内のドラムカップリングを示す図(b)と、第1カートリッジ周りのドロワの構成を示す斜視図(c)である。
図4】ロック部材と本体筐体の凹部との関係を示す図(a)と、ドロワを外側位置から内側位置に移動させるときのロック部材の動きを示す図(b)である。
図5】第1カートリッジが第1位置または第2位置に位置するときの、第2凸部と位置決め凹部の関係を示す図(a),(b)である。
図6】第1カートリッジが第1位置または第2位置に位置するときの、第1突起と第1カム面の関係を示す図(a),(b)である。
図7】第1カートリッジが第1位置または第2位置に位置するときの、第1凸部と位置決め凹部の関係を示す図(a),(b)である。
図8】第1カートリッジが第1位置または第2位置に位置するときの、電気接点と本体接点の関係を示す図(a),(b)である。
図9】本体筐体の開口からハンドルが露出している状態を示す図(a)と、開口の切り欠きを示す図(b)である。
図10】ハンドルの第1変形例を示す図(a)と、ハンドルの第2変形例を示す図(b)である。
図11】規制部および第2突起の位置を変更した形態を示す図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本開示の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、本体筐体2と、シート供給部3と、画像形成部4と、排出部5と、を備える。シート供給部3は、画像形成部4にシートSを供給する。画像形成部4は、シートSに画像を形成する。排出部5は、本体筐体2の外にシートSを排出する。
【0030】
本体筐体2は、開口2Aと、フロントカバー21とを有している。開口2Aは、後述するドロワ40が通過可能な開口である。フロントカバー21は、開口2Aを開ける開位置(図2参照)と、開口2Aを閉じる閉位置との間で回動可能となっている。
【0031】
シート供給部3は、本体筐体2内の下部に位置する。シート供給部3は、供給トレイ31と、供給機構32と、を備える。供給トレイ31は、本体筐体2に着脱可能である。供給機構32は、シートSを供給トレイ31から画像形成部4に搬送する。
【0032】
画像形成部4は、ドラムユニットDUと、スキャナユニットSUと、ベルトユニットBUと、定着ユニットFUとを備えている。
【0033】
ドラムユニットDUは、ドロワ40と、4つのカートリッジ50とを備えている。ドロワ40は、4つのカートリッジ50を装着可能である。図1および図2に示すように、ドロワ40は、本体筐体2に対して第1方向に移動可能となっている。詳しくは、ドロワ40は、本体筐体2の開口2Aを通過して、本体筐体2内の内側位置と本体筐体2外の外側位置との間で移動可能となっている。
【0034】
内側位置は、シートSに画像を形成するときのドロワ40の位置である。外側位置は、ドロワ40に対してカートリッジ50を着脱するときのドロワ40の位置である。なお、本実施形態において、第1方向は、後述する第2方向と、上下方向である第3方向とに直交している。
【0035】
4つのカートリッジ50は、それぞれ色の異なるトナーを収容している。4つのカートリッジ50は、第1方向に並んでいる。各カートリッジ50は、ドロワ40に対して第3方向に着脱可能である。各カートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、を備えている。なお、図示は省略するが、各カートリッジ50は、感光ドラム51を帯電させる帯電ローラなども備えている。
【0036】
感光ドラム51は、第1方向と交差する第2方向に延びるドラム軸X1について回転可能となっている。なお、本実施形態では、第2方向は、第1方向および第3方向に直交している。
【0037】
現像ローラ52は、感光ドラム51にトナーを供給するローラである。現像ローラ52は、ドラム軸X1と平行な回転軸について回転可能となっている。
【0038】
スキャナユニットSUは、ドラムユニットDUの上に位置する。スキャナユニットSUは、レーザ光を各感光ドラム51に出射する。
【0039】
ベルトユニットBUは、ドラムユニットDUの下に位置する。ベルトユニットBUは、駆動ローラ61と、従動ローラ62と、中間転写ベルト63と、4つの1次転写ローラ64と、2次転写ローラ65と、を備える。
【0040】
中間転写ベルト63は、無端状のベルトである。駆動ローラ61および従動ローラ62は、中間転写ベルト63を回転させるローラである。
【0041】
駆動ローラ61、従動ローラ62および1次転写ローラ64は、中間転写ベルト63の内側に位置する。1次転写ローラ64と感光ドラム51は、中間転写ベルト63を挟む。
【0042】
2次転写ローラ65は、中間転写ベルト63の外側に位置する。2次転写ローラ65と駆動ローラ61は、中間転写ベルト63を挟む。
【0043】
定着ユニットFUは、中間転写ベルト63よりも上に位置する。定着ユニットFUは、加熱ローラ71と、加圧ローラ72と、を備える。加圧ローラ72は、加熱ローラ71に押圧される。
【0044】
排出部5は、本体筐体2の上部に位置する。排出部5は、排出ローラ9と、排出トレイ22と、を備える。排出ローラ9は、シートSを排出トレイ22に向けて搬送する。
【0045】
カラープリンタ1では、まず帯電ローラが、感光ドラム51の表面を帯電させる。その後、スキャナユニットSUが、感光ドラム51の表面を露光する。これにより、感光ドラム51上に静電潜像が形成される。
【0046】
次いで、現像ローラ52が、感光ドラム51上の静電潜像にトナーを供給する。これにより、感光ドラム51上にトナー像が形成される。そして、感光ドラム51上のトナー像は、中間転写ベルト63上に転写される。
【0047】
シートSが中間転写ベルト63と2次転写ローラ65の間を通過するときに、中間転写ベルト63上のトナー像は、シートS上に転写される。その後、シートS上のトナー像は、定着ユニットFUで定着される。次いで、シートSは、排出ローラ9によって排出トレイ22に排出される。
【0048】
次に、カートリッジ50とドロワ40の構造について詳細に説明する。なお、以下の説明では、ドロワ40の装着方向において最も上流に位置するカートリッジ50を、「第1カートリッジ50A」とも称する。また、その他のカートリッジ50を、「第2カートリッジ50B」とも称する。
【0049】
図3(a)に示すように、第1カートリッジ50Aは、ドラムカートリッジC1と、現像カートリッジC2とを有する。ドラムカートリッジC1は、前述した感光ドラム51を備えている。現像カートリッジC2は、前述した現像ローラ52を備えている。現像カートリッジC2は、ドラムカートリッジC1に分離不能に取り付けられている。
【0050】
ドラムカートリッジC1は、第1側面C11と、第2側面C12と、第3側面C13と、第4側面C14と、上面C15と、下面C16とを有している。第1側面C11は、ドラムカートリッジC1の第1方向における一端に位置している。詳しくは、第1側面C11は、ドロワ40の装着方向において、ドラムカートリッジC1の上流側の一端に位置している。
【0051】
第2側面C12は、ドラムカートリッジC1の第1方向における他端に位置している。詳しくは、第2側面C12は、ドロワ40の装着方向において、ドラムカートリッジC1の下流側の一端に位置している。
【0052】
第3側面C13は、ドラムカートリッジC1の第2方向における一端に位置している。第4側面C14は、ドラムカートリッジC1の第2方向における他端に位置している。
【0053】
上面C15は、ドラムカートリッジC1の上端に位置している。下面C16は、ドラムカートリッジC1の下端に位置している。
【0054】
ドラムカートリッジC1は、上面C15に、ハンドルHと、凹部Dとを有している。ハンドルHは、ユーザが把持可能な部位である。ハンドルHは、U字形状である。ハンドルHは、上面C15から突出している。
【0055】
凹部Dは、ハンドルHの下に位置している。これにより、ハンドルHと凹部Dの底面との間には、ユーザの指が挿入可能な空間が形成されている。
【0056】
図9(a)に示すように、第1カートリッジ50AのハンドルHは、第1カートリッジ50Aが装着されたドロワ40が内側位置に位置する状態において、ドロワ40で覆われず、開口2Aから露出している。詳しくは、ハンドルHは、ドロワ40の後述する第1壁41の上端よりも上に位置している。図9(b)に示すように、開口2Aの上端A1は、切り欠きA2を有している。切り欠きA2は、凹形状である。切り欠きA2の底面は、上端A1よりもハンドルHから離れている。これにより、ハンドルHと切り欠きA2の底面との間には、ユーザの指が挿入可能な空間が形成されている。
【0057】
図5(a),(b)に示すように、第1カートリッジ50Aは、ドロワ40に装着された状態において、ドラム軸X1を中心に回動可能となっている。詳しくは、第1カートリッジ50Aは、図5(a)に示す第1位置と、図5(b)に示す第2位置との間を回動可能となっている。
【0058】
第1位置は、シートSに画像を形成するときの第1カートリッジ50Aの位置である。第2位置は、第1位置よりもハンドルHが下がった位置である。
【0059】
図3(a)に示すように、ドラムカートリッジC1は、第1側面C11に、第1突起P1と、2つの第2突起P2とを有している。第1突起P1および第2突起P2は、第1側面C11から突出している。
【0060】
第1突起P1は、第2方向において、ハンドルHと第3側面C13の間に位置している。第1突起P1は、第2方向において、2つの第2突起P2の間に位置している。
【0061】
2つのうち一方の第2突起P2は、第2方向において、第1突起P1と第3側面C13の間に位置している。他方の第2突起P2は、第2方向において、ハンドルHと第4側面C14の間に位置している。
【0062】
ドラムカートリッジC1は、第3側面C13に、第1ボスB1と、第3突起P3とを有している。第1ボスB1および第3突起P3は、第3側面C13から突出している。
【0063】
第1ボスB1は、ドラム軸X1を中心とした円筒状の外周面を有している。ドラムカートリッジC1は、第3突起P3の下にメモリMを有している。
【0064】
メモリMは、第1カートリッジ50Aに関するカートリッジ情報を記憶する。メモリMは、例えば、ICチップである。なお、メモリMは、カートリッジ情報を記憶する媒体であればICチップに限られない。カートリッジ情報は、シリアルナンバーなどの識別情報と、カートリッジの寿命に関する寿命情報と、の少なくともいずれかである。
【0065】
図7(a)に示すように、メモリMは、図示せぬ記憶素子と、電気接点ECとを有する。電気接点ECは、下を向いている。図8(a),(b)に示すように、本体筐体2は、電気接点ECと接触する本体接点23を備えている。本体接点23は、上を向いている。
【0066】
電気接点ECは、第1カートリッジ50Aが装着されたドロワ40が本体筐体2に装着された場合に、本体接点23と接触する。なお、メモリMの記憶素子は、電気接点ECと接触していてもよく、離れて位置していてもよい。
【0067】
第1カートリッジ50Aが図8(a)に示す第1位置から図8(b)に示す第2位置に回動するときに、第1カートリッジ50Aは、電気接点ECが本体接点23から離れるように回動する。第1カートリッジ50Aが第1位置に位置する場合、電気接点ECが本体接点23と接触する。第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合、電気接点ECが本体接点23から離間する。
【0068】
第1方向において、ドラム軸X1は、第1側面C11と電気接点ECの間に位置する。これにより、第1突起P1および第2突起P2が下に回動すると、電気接点ECが上に回動する。また、第1突起P1および第2突起P2が上に回動すると、電気接点ECが下に回動する。
【0069】
図3(a)に示すように、ドラムカートリッジC1は、第4側面C14に、第2ボスB2を有している。第2ボスB2は、第4側面C14から突出している。第2ボスB2は、ドラム軸X1を中心とした円筒状の部位である。
【0070】
図3(b)に示すように、ドラムカートリッジC1は、第2ボスB2内に、ドラムカップリングCPを有している。ドラムカップリングCPは、感光ドラム51に駆動力を伝達する部材である。ドラムカップリングCPは、ドラム軸X1を中心に回転可能となっている。第1カートリッジ50Aは、ドラムカップリングCPを中心に第1位置と第2位置との間で回動可能となっている。
【0071】
図3(c)に示すように、ドロワ40は、第1壁41と、第2壁42と、第3壁43と、複数の第4壁44と、ロック部材45と、バネ46とを備えている。第1壁41は、第1カートリッジ50Aの上流に位置する。
【0072】
複数の第4壁44は、ドロワ40の装着方向において、各カートリッジ50の下流に位置する壁である(図2参照)。第2壁42は、第1壁41および各第4壁44の第2方向における各一端を連結している。第3壁43は、第1壁41および各第4壁44の第2方向における各他端を連結している。
【0073】
ドロワ40は、第2壁42に、第1軸支部42Aと、第1凸部42Bとを有している。また、ドロワ40は、第3壁43に、第2軸支部43Aと、第2凸部43Bとを有している。
【0074】
第1軸支部42Aおよび第2軸支部43Aは、断面視円弧状の凹部である。第1軸支部42Aは、第2壁42の上端に位置する。第2軸支部43Aは、第3壁43の上端に位置する。
【0075】
図3(a),(c)に示すように、第1カートリッジ50Aの第1ボスB1は、第1軸支部42A内に入る。第1ボスB1は、第1軸支部42A内において、回動可能となっている。第1カートリッジ50Aの第2ボスB2は、第2軸支部43A内に入る。第2ボスB2は、第2軸支部43A内において、回動可能となっている。
【0076】
第1凸部42Bは、第2壁42から第3壁43に向けて突出する。第2凸部43Bは、第3壁43から第2壁42に向けて突出する。第1カートリッジ50Aは、下面C16に、位置決め凹部C161を有する。位置決め凹部C161は、下面C16の第2方向における一端と他端に1つずつ設けられている。
【0077】
図7(a)に示すように、第1カートリッジ50Aが第1位置に位置する場合、第1凸部42Bは、位置決め凹部C161に嵌合する。図7(b)に示すように、第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合、位置決め凹部C161は、第1凸部42Bから離れる。
【0078】
図5(a)に示すように、第1カートリッジ50Aが第1位置に位置する場合、第2凸部43Bは、位置決め凹部C161に嵌合する。図5(b)に示すように、第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合、位置決め凹部C161は、第2凸部43Bから離れる。
【0079】
第1凸部42Bおよび第2凸部43Bは、各位置決め凹部C161と接触することで、第1カートリッジ50Aが第1位置から第2位置とは反対側に回動することを規制している。これにより、第1凸部42Bおよび第2凸部43Bによって、第1カートリッジ50Aが第1位置に維持される。
【0080】
また、第1凸部42Bおよび第2凸部43Bは、各位置決め凹部C161と嵌合することで、第1カートリッジ50Aが前後方向に移動することも規制している。これにより、第1凸部42Bおよび第2凸部43Bおよび各位置決め凹部C161によって、第1カートリッジ50Aが前後方向に位置決めされる。
【0081】
また、第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合、第1カートリッジ50Aは、ドロワ40の第4壁44と接触する。第4壁44は、第1カートリッジ50Aが第2位置から第1位置とは反対側に回動することを規制している。これにより、第4壁44によって、第1カートリッジ50Aが第2位置に維持される。
【0082】
図3(c)に示すように、ドロワ40は、第1壁41に、2つの規制部410と、ガイド部420とを有している。各規制部410およびガイド部420は、第1壁41から第4壁44に向けて突出している。
【0083】
規制部410は、第2位置に位置する第1カートリッジ50Aがドロワ40から離脱するのを規制する部位である。規制部410は、第2方向において、第1カートリッジ50Aの各第2突起P2に対応した位置に位置している。
【0084】
図7(a)に示すように、第1カートリッジ50Aが第1位置に位置する場合、第3方向に投影した第2突起P2は、規制部410に重ならない。図7(b)に示すように、第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合、第3方向に投影した第2突起P2は、規制部410に重なる。詳しくは、第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合、第2突起P2は、規制部410の下に位置する。これにより、第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合には、第1カートリッジ50Aを上に引き抜くことが規制されている。
【0085】
図3(c)に示すように、ガイド部420は、ロック部材45を第2方向に移動可能にガイドする部位である。ガイド部420は、第1部位421と、第2部位422と、2つの第3部位423と、2つの第4部位424とを有する。第1部位421は、ロック部材45の下面に接触する。第1部位421は、第2壁42から第3壁43に向けて延びている。
【0086】
第2部位422は、第1部位421の第3壁43側の端に位置する。第2部位422は、第1部位421から上に突出する。
【0087】
2つのうち一方の第3部位423は、第2壁42から上に延びている。他方の第3部位423は、第1部位421から上に延びている。各第3部位423は、第1壁41との間でロック部材45を挟んでいる。これにより、ロック部材45が第1方向に移動することが規制されている。
【0088】
第4部位424は、各第3部位423から第1壁41に向けて延びて第1壁41に接続される。2つのうち一方の第4部位424は、第2壁42との間でロック部材45を挟んでいる。他方の第4部位424は、第1部位421との間でロック部材45を挟んでいる。これにより、ロック部材45が第3方向に移動することが規制されている。
【0089】
ロック部材45は、ベース部451と、突出部452とを有している。ベース部451は、第2方向に延びている。ベース部451は、第1方向において、第1壁41と各第3部位423の間に位置する。ベース部451は、第3方向において、一方の第4部位424と第2壁42の間と、他方の第4部位424と第1部位421の間に位置する。
【0090】
ベース部451は、先端部451Aを有する。先端部451Aは、ドロワ40の側面から突出している。詳しくは、先端部451Aは、第2壁42から第3壁43とは反対側に突出している。
【0091】
突出部452は、ベース部451から上に突出している。突出部452は、第2方向において、2つの第4部位424の間に位置する。
【0092】
図4(a)に示すように、ロック部材45は、図に実線で示すロック位置と、図に破線で示す解除位置との間を移動可能となっている。ロック位置は、ドロワ40を本体筐体2に対してロックする位置である。解除位置は、本体筐体2に対するドロワ40のロックを解除する位置である。
【0093】
バネ46は、ロック部材45を、解除位置からロック位置に向けて付勢するバネである。バネ46は、圧縮コイルバネである。バネ46は、第2方向において、第2部位422とロック部材45の間に位置する。
【0094】
本体筐体2は、凹部24と、本体接触部25とを有している。凹部24は、ドロワ40が内側位置に位置し、かつ、ロック部材45がロック位置に位置するときに、ロック部材45の先端部451Aが入る部位である。凹部24は、第2方向における本体筐体2の内表面2Fに位置する。
【0095】
先端部451Aが凹部24に入った状態で、ドロワ40が内側位置から外側位置へ移動しようとすると、先端部451Aが凹部24の内面に接触する。そのため、凹部24と先端部451Aとの接触によって、内側位置に位置するドロワ40が外側位置へ移動することが規制されている。
【0096】
図4(b)に示すように、本体接触部25は、ドロワ40が外側位置から内側位置に移動する過程において、ロック位置に位置するロック部材45の先端部451Aと接触可能な部位である。本体接触部25は、ドロワ40の装着方向において、凹部24の上流に位置する。
【0097】
本体接触部25および先端部451Aは、それぞれ第2カム面F2を有する。各第2カム面F2は、第1方向に対して傾斜している。詳しくは、各第2カム面F2は、ドロワ40の装着方向下流に向かうにつれて、第2方向において第1カートリッジ50Aに近づくように傾斜している。これにより、ドロワ40を外側位置から内側位置へ移動させる過程において、各第2カム面F2が接触することで、ロック部材45がバネ46の付勢力に抗してロック位置から解除位置に向けて移動するようになっている。
【0098】
図6(a),(b)に示すように、ロック部材45の突出部452は、第1カム面F1と、接触面F3とを有している。第1カム面F1は、第1カートリッジ50Aの第1突起P1と接触する面である。第1カム面F1は、第3方向に対して傾斜している。詳しくは、第1カム面F1は、第2方向において先端部451Aに近づくにつれて、第3方向において第1突起P1から離れるように傾斜している。
【0099】
第1突起P1は、第1カートリッジ50Aが図6(a)に示す第1位置に位置する場合に、第1カム面F1から離れている。第1突起P1は、第1カートリッジ50Aが第1位置から図6(b)に示す第2位置に回動する際に、第1カム面F1と接触し、第1カム面F1をバネ46の付勢力に抗して押圧する。これにより、第1突起P1は、ロック部材45を、図6(a)に示すロック位置から、図6(b)に示す解除位置に移動させることが可能となっている。
【0100】
接触面F3は、第1カートリッジ50Aが図6(a)に示す第1位置に位置する場合に、第2方向において第1突起P1と接触する面である。接触面F3が第1突起P1と接触することで、ロック部材45がロック位置に維持される。
【0101】
以上のように第1カートリッジ50Aおよびロック部材45が構成されることで、図6(a)に示すように、第1カートリッジ50Aが第1位置に位置する場合、ロック部材45は、ロック位置に位置する。また、図6(b)に示すように、第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合、ロック部材45は、解除位置に位置する。
【0102】
第2カートリッジ50Bは、第1突起P1および第2突起P2を有さない点で第1カートリッジ50Aとは異なるが、その他の構造は、第1カートリッジ50Aと略同様である。また、第2カートリッジ50Bは、ドロワ40に対して回動しないように構成されている。なお、第2カートリッジ50Bがドロワ40に対して回動しない構造としては、どのような構造でもよい。例えば、第2カートリッジ50Bを挟む2つの第4壁44が、第2カートリッジ50Bを第3方向に案内するガイドを有していてもよい。
【0103】
次に、カートリッジ50の交換作業について説明する。
使用済みのカートリッジ50を本体筐体2から取り外す場合には、図9(a)に示すように、ユーザは、まず、フロントカバー21を開ける。その後、ユーザは、第1カートリッジ50AのハンドルHを掴む。この際、図9(b)に示すように、開口2Aに切り欠きA2が形成されていることで、ユーザは、切り欠きA2内に指を通して、容易にハンドルHを掴むことができる。
【0104】
その後、ユーザは、図5(a),(b)に示すように、第1カートリッジ50Aを第1位置から第2位置に回動させる。これにより、第1カートリッジ50Aの第1突起P1が、ロック部材45の第1カム面F1を押して、図6(a),(b)に示すように、ロック部材45がロック位置からロック解除位置に移動する。
【0105】
ロック部材45がロック解除位置に位置すると、図4(a)に破線で示すように、ロック部材45の先端部451Aが凹部24から外れて、本体筐体2に対するドロワ40のロックが解除される。そのため、ユーザは、第1カートリッジ50Aを第2位置に維持させたままハンドルHを手前に引っ張ることで、ドロワ40を内側位置から外側位置に移動させることができる。
【0106】
その後、第1カートリッジ50Aをドロワ40から外す場合には、ユーザは、第1カートリッジ50Aを第2位置から第1位置に回動させた後、第1カートリッジ50Aを上に引き抜く。また、第2カートリッジ50Bをドロワ40から外す場合には、ユーザは、単に第2カートリッジ50Bを上に引き抜く。以上により、使用済みのカートリッジ50を本体筐体2から取り外すことができる。
【0107】
なお、第1カートリッジ50Aを第2位置から第1位置に回動させる作業は、バネ46の付勢力によって異なる。例えば、バネ46の付勢力が第1カートリッジ50Aを回動させることができない大きさである場合には、ユーザは、第1カートリッジ50AのハンドルHを掴んで第1カートリッジ50Aを第2位置から第1位置に回動させる。これに対し、バネ46の付勢力が第1カートリッジ50Aを回動させることが可能な大きさである場合には、ユーザは、ハンドルHから手を離すだけでよい。つまり、ユーザがハンドルHから手を離すと、バネ46の付勢力でロック部材45がロック位置に向けて移動して、第1カム面F1が第1カートリッジ50Aの第1突起P1を上に押して、第1カートリッジ50Aが第2位置から第1位置に回動する。
【0108】
新品のカートリッジ50を本体筐体2に装着する場合には、ユーザは、まず、外側位置に位置するドロワ40に対して新品のカートリッジ50を装着する。その後、ユーザは、例えばドロワ40の第1壁41を内側位置に向けて押すことで、ドロワ40を外側位置から内側位置に向けて移動させる。
【0109】
ドロワ40が外側位置から内側位置に移動する過程において、図9(b)に示すように、ロック位置に位置するロック部材45の第2カム面F2が、本体接触部25の第2カム面F2と接触する。これにより、本体接触部25の第2カム面F2から反力を受けたロック部材45がバネ46の付勢力に抗してロック位置から解除位置に向けて移動する。
【0110】
その後、ロック部材45の先端部451Aが本体筐体2の凹部24に到達すると、バネ46の付勢力によってロック部材45がロック位置に移動して凹部24内に入る。これにより、ドロワ40が本体筐体2にロックされる。以上により、新品のカートリッジ50を本体筐体2に装着することができる。
【0111】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
第1カートリッジ50Aを回動させることで本体筐体2に対するドロワ40のロックを解除することができるので、ドロワのロックを解除するためのハンドルをドロワに設ける必要がなくなる。そのため、ドロワ40の移動方向である第1方向において、カラープリンタ1を小型化することができる。
【0112】
第1カートリッジ50Aが第1位置から第2位置に回動するときに、電気接点ECが本体接点23から離れるので、第1カートリッジ50Aの第1位置から第2位置への回動が本体接点23で邪魔されるのを抑えることができる。
【0113】
第1カートリッジ50AのハンドルHが、開口2Aから露出するので、ユーザが、第1カートリッジ50AのハンドルHを容易に掴むことができる。
【0114】
第1突起P1が第1カム面F1と接触することで、ロック部材45がロック位置から解除位置に移動するので、ドロワ40のロックを解除する構造を簡易に構成することができる。
【0115】
バネ46がロック部材45を解除位置からロック位置に向けて付勢するので、第1カートリッジ50Aを第2位置から第1位置に回動させると、バネ46によってロック部材45を解除位置からロック位置に移動させることができる。
【0116】
本体接触部25および先端部451Aがそれぞれ第2カム面F2を有するので、ドロワ40を外側位置から内側位置に移動させる際に、ユーザが第1カートリッジ50Aを回動させなくても、第2カム面F2の作用によって、ロック部材45をロック位置から解除位置に向けて移動させることができる。そのため、ドロワ40を外側位置から内側位置に移動させる際に、ロック位置に位置するロック部材45の先端部451Aが本体接触部25に引っかかるのを抑えることができる。
【0117】
第1カートリッジ50Aが第2位置に位置する場合に、第3方向に投影した第2突起P2が規制部410に重なるので、第2位置に位置する第1カートリッジ50Aがドロワ40から外れるのを抑制することができる。
【0118】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0119】
ハンドルの構成は、前記実施形態に限定されない。例えば、図10(a)に示すように、ハンドルHを、ドラムカートリッジC1の上面C15よりも下に位置させてもよい。この構成では、ハンドルHからドラムカートリッジC1の上面C15までの間に、指を挿入可能な空間を形成することができる。なお、この構成では、開口2Aの上端に切り欠きを形成する必要はない。
【0120】
また、図10(a)に示すように、第1カートリッジ50Aが装着されたドロワ40が内側位置に位置する状態で、ハンドルHは、第1カートリッジ50Aから開口2Aの外に向けて第1方向に突出していてもよい。この形態において、フロントカバー21は、ハンドルHが入る凹部21Aを有していてもよい。なお、この形態では、ハンドルHは、開口2Aよりも外に突出しているが、ハンドルを開口2Aよりも内側に位置させてもよい。
【0121】
規制部410および第2突起P2の位置は、前記実施形態に限らない。例えば、図11(a),(b)に示すように、規制部410および第2突起P2を、ドロワ40の装着方向において、第1カートリッジ50Aの下流側に位置させてもよい。具体的には、ドロワ40の第4壁44に規制部410を設け、第1カートリッジ50Aの第2側面C12に第2突起P2を設けてもよい。
【0122】
前記実施形態では、第2カム面F2を本体接触部25と先端部451Aの両方に設けたが、第2カム面は、本体接触部および先端部の少なくとも一方に設ければよい。
【0123】
バネは、前記実施形態のバネ46に限らず、その他のバネ、例えば板バネ、線バネなどであってもよい。
【0124】
前記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ1を例示したが、本開示はこれに限定されず、画像形成装置は、例えばモノクロのプリンタ、複写機、複合機などであってもよい。
【0125】
カートリッジは、前記実施形態のようなドラムカートリッジC1と現像カートリッジC2とを有する第1カートリッジ50Aでなくてもよい。例えば、ドロワに感光ドラムが着脱不能に設けられ、現像カートリッジがドロワに対して着脱可能である場合には、カートリッジは、現像カートリッジであってもよい。
【0126】
前記実施形態では、ロック部材45の一部である先端部451Aが、凹部24に入ったり、凹部24から第2方向に離れて位置したりするように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ロック部材の全体が、凹部に入ったり、凹部から第2方向に離れて位置したりするように構成してもよい。
【0127】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 カラープリンタ
2 本体筐体
40 ドロワ
45 ロック部材
50 カートリッジ
50A 第1カートリッジ
X1 ドラム軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11