(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】天板付家具
(51)【国際特許分類】
A47B 7/00 20060101AFI20241022BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A47B7/00 Z
A47B13/00 B
A47B13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020173642
(22)【出願日】2020-10-15
【審査請求日】2023-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】森本 祐介
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 駿
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第29612845(DE,U1)
【文献】特開2002-136347(JP,A)
【文献】特開2019-072374(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0345723(US,A1)
【文献】実開昭63-118848(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第00642751(EP,A1)
【文献】実開昭57-012039(JP,U)
【文献】特開昭52-009559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 7/00
A47B 13/00
A47B 13/02
A47B 91/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、この天板の左右方向及び前後方向中央部に配設され前記天板を支持し得る支持体とを備えてなる天板付家具であって、
前記支持体が、複数の脚フレーム体と、隣り合う前記脚フレーム体同士を繋ぐ複数の連結パネル体とを備えたものであり、
前記脚フレーム体が、上下方向に延びてなる脚支柱と、この脚支柱の上端部から前記天板の外方に向かって延設され上面が前記天板の下面に接続し得る天板受フレームと備えたものであり、
前記連結パネル体の上端部が前記天板の下面に取り付けられたものである天板付家具。
【請求項2】
前記複数の脚フレーム体が、左前部に位置する左前脚フレーム体、右前部に位置する右前脚フレーム体、左後部に位置する左後脚フレーム体、及び、右後部に位置する右後脚フレーム体であって、
前記連結パネル体が、前記左前脚フレーム体と前記右前脚フレーム体の間、前記左前脚フレーム体と前記左後脚フレーム体の間、前記右前脚フレーム体と前記右後脚フレーム体の間、及び、前記左後脚フレーム体と前記右後脚フレーム体の間の内、何れか三つの間に配設されたものであるとともに、残りの一つの間には上端部が前記天板の下面に取り付けられた上の横架材及び当該上の横架材よりも下に位置する下の横架材が配設されたものである請求項1記載の天板付家具。
【請求項3】
前記残りの一つの間を閉塞し得る化粧パネル体を備えたものであり、
この化粧パネル体が、前記上下の横架材に対して着脱自在に取り付けられたものである請求項2記載の天板付家具。
【請求項4】
前記脚支柱が、矩形パイプ材により構成された脚支柱本体を有しており、この脚支柱本体の内側面に前記連結パネル体の内面側に突設された連結板部が止着されている請求項1、2又は3記載の天板付家具。
【請求項5】
前記連結パネル体における側端部に、前記脚支柱本体の外角部をカバーし得るカバー部が形成されている請求項4記載の天板付家具。
【請求項6】
前記天板の中央部に上下方向に貫通した配線連通孔が設けられている請求項1、2、3、4又は5記載の天板付家具。
【請求項7】
前記天板の中央部に、観葉植物を保持した植栽を載置し得る植栽載置部が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の天板付家具。
【請求項8】
前記天板の中央部に、上下方向及び水平方向に延びてなる複数のフレーム材により構成され物品を掛け止めし得るやぐら構造体が設けられている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の天板付家具。
【請求項9】
前記天板受フレームが、前記天板の対角線に沿うように延設されたものである請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の天板付家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、天板を、上下方向に延びてなる複数本の脚部材を有した支持体によって支持するようにした天板付家具が知られている。この種の天板付家具には、天板における全ての周縁部が使用者によって執務可能な使用端縁に設定されているものも多く存在する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
支持体には、天板から伝達される鉛直方向の荷重だけでなく水平方向の荷重に対しても耐え得る強度が求められる。従来におけるこの種の支持体は、上下方向に延びた脚部材を主体にしたものが多く、天板の下面に複数本の補強ビーム材やブラケット部材を設ける等の比較的大掛かりな補強対策を採らざるを得ないものとなっていた。
【0004】
換言すれば、従来の天板付家具は、天板を支持体により安定支持させるための構造が複雑化し易いものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、天板を安定的に支持し得る好適な構成を備えた天板付家具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0008】
請求項1に記載の発明は、天板と、この天板の左右方向及び前後方向中央部に配設され前記天板を支持し得る支持体とを備えてなる天板付家具であって、前記支持体が、複数の脚フレーム体と、隣り合う前記脚フレーム体同士を繋ぐ複数の連結パネル体とを備えたものであり、前記脚フレーム体が、上下方向に延びてなる脚支柱と、この脚支柱の上端部から前記天板の外方に向かって延設され上面が前記天板の下面に接続し得る天板受フレームと備えたものであり、前記連結パネル体の上端部が前記天板の下面に取り付けられたものである天板付家具である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記複数の脚フレーム体が、左前部に位置する左前脚フレーム体、右前部に位置する右前脚フレーム体、左後部に位置する左後脚フレーム体、及び、右後部に位置する右後脚フレーム体であって、前記連結パネル体が、前記左前脚フレーム体と前記右前脚フレーム体の間、前記左前脚フレーム体と前記左後脚フレーム体の間、前記右前脚フレーム体と前記右後脚フレーム体の間、及び、前記左後脚フレーム体と前記右後脚フレーム体の間の内、何れか三つの間に配設されたものであるとともに、残りの一つの間には上端部が前記天板の下面に取り付けられた上の横架材及び当該上の横架材よりも下に位置する下の横架材が配設されたものである請求項1記載の天板付家具である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記残りの一つの間を閉塞し得る化粧パネル体を備えたものであり、この化粧パネル体が、前記上下の横架材に対して着脱自在に取り付けられたものである請求項2記載の天板付家具である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記脚支柱が、矩形パイプ材により構成された脚支柱本体を有しており、この脚支柱本体の内側面に前記連結パネル体の内面側に突設された連結板部が止着されている請求項1、2又は3記載の天板付家具である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、前記連結パネル体における側端部に、前記脚支柱本体の外角部をカバーし得るカバー部が形成されている請求項4記載の天板付家具である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記天板の中央部に上下方向に貫通した配線連通孔が設けられている請求項1、2、3、4又は5記載の天板付家具である。
【0014】
請求項7に記載の発明は、前記天板の中央部に、観葉植物を保持した植栽を載置し得る植栽載置部が設けられている請求項1、2、3、4、5又は6記載の天板付家具である。
【0015】
請求項8に記載の発明は、前記天板の中央部に、上下方向及び水平方向に延びてなる複数のフレーム材により構成され物品を掛け止めし得るやぐら構造体が設けられている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の天板付家具である。
【0016】
請求項9に記載の発明は、前記天板受フレームが、前記天板の対角線に沿うように延設されたものである請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の天板付家具である。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、天板を安定的に支持し得る好適な構成を備えた天板付家具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~15を参照して説明する。
【0020】
天板付家具は、外周縁が略矩形状をなした天板Aと、天板Aの左右方向及び前後方向中央部に配設され天板Aを支持し得る支持体Bと、天板Aの上における前後方向及び左右方向中央部に設けられ観葉植物p1を保持した植栽Pを載置し得る植栽載置部Cと、天板Aの上における前後方向及び左右方向の中央部に立設され上下方向及び水平方向に延びてなる複数のフレーム材により構成され種々の物品E(例えば、
図3に示された物品Eは照明装置である。)を掛け止めし得るやぐら構造体Dを備えたものである。
【0021】
以下、天板付家具の各構成について詳述する。
【0022】
<<天板A>>
天板Aは、全体として略正方形状をなしたものである。天板Aの中央部には隅角部が丸く形成された略四角形状をなす上下方向に貫通した配線連通孔ahが設けられている。天板付家具は、天板Aに形成された配線連通孔ahを通じて床面F側から給電用又は情報用の配線類を天板Aの上側に導くことができるようになっている。
【0023】
天板Aは、周端縁の全てが使用者によって執務可能な使用端縁に設定されたものとなっている。つまり、天板Aにおける全周縁部の下には、使用者の下肢や椅子の座部等が進入可能な下肢空間が形成されている。
【0024】
この実施形態の天板Aは、一方すなわち前の天板形成部材af及び他方すなわち後の天板形成部材arを複数の連結プレートapを用いて連結させたものとなっている。
【0025】
<<支持体B>>
支持体Bは、四つの脚フレーム体、すなわち、天板Aの下面における左前部、右前部、左後部、右後部に位置する左前脚フレーム体1、右前脚フレーム体2、左後脚フレーム体3、右後脚フレーム体4を備えている。
【0026】
支持体Bは、隣り合う脚フレーム体1、2、3、4の間、すなわち、左前脚フレーム体1と右前脚フレーム体2との間、左前脚フレーム体1と左後脚フレーム体3との間、及び、右前脚フレーム体2と右後脚フレーム体4との間を繋ぐ三枚の連結パネル体である第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3を備えている。
【0027】
支持体Bは、左後脚フレーム体3の上部と右後脚フレーム体4の上部との間に架設され上端部たる上鍔部8が天板Aの下面に取り付けられた上の横架材Iと、左後脚フレーム体3の下部と右後脚フレーム体4の下部との間に架設され上の横架材Iよりも下に位置する下の横架材Rと、左後脚フレーム体3と右後脚フレーム体4との間を閉塞し得るものであり上下の横架材I、Rに対して着脱自在に取り付けられた化粧パネル体Kを備えたものである。
【0028】
<脚フレーム体1、2、3、4>
四つの脚フレーム体、すなわち、左前脚フレーム体1、右前脚フレーム体2、左後脚フレーム体3、右後脚フレーム体4は、それぞれ、上下方向に延びてなる脚支柱Mと、脚支柱Mの上端部から天板Aの対角線に沿うように外方に向かって略水平に延設され上面が天板Aの下面に接続し得る天板受フレームNと備えている。
【0029】
各脚フレーム1、2、3、4は、略同一形状をなしている。各脚フレーム1、2、3、4は、脚支柱Mと天板受フレームNとによって略L字状の形態をなしたものである。
【0030】
脚支柱Mは、矩形パイプ材により構成された上下方向に延びてなる脚支柱本体m1と、脚支柱本体m1の下端部に設けられたアジャスタm2とを備えたものである。
【0031】
脚支柱本体m1には、上部、中部、下部の三箇所にナット部n1が設けられている。脚支柱Mのナット部n1には、各連結パネル体J1、J2、J3の連結板部7に設けられたねじ挿通孔h1に挿通されたねじv1が螺着されるようになっている。
【0032】
天板受フレームNは、脚支柱Mに対して略直交する方向すなわち水平方向に延びてなるものである。天板受フレームNは、略水平の上面を有した矩形パイプ材により構成されたものである。天板受フレームNの基端部は、脚支柱Mの上端部に溶接により剛結されている。
【0033】
天板受フレームNは、天板Aにおける対角線に略合致する裏面に取り付けられている。この実施形態では、天板受フレームNは、平面視又は底面視において隣接する連結パネル体J1、J2、J3の長手方向に対して45°傾いた姿勢をなしている。
【0034】
天板受フレームNには、上下方向に貫通するねじ挿通孔h2が設けられており、ねじ挿通孔h2に挿通されたねじv2を天板Aの下面に設けられた図示しないナット部に螺着することにより、各脚フレーム1、2、3、4が天板Aに対して取り付けられるようになっている。
【0035】
<第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3>
三枚の連結パネル体、すなわち、第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3は、全体として略矩形板状をなした板金製のものである。各連結パネル体J1、J2、J3は、略同一形状をなしている。各連結パネル体J1、J2、J3は、水平方向の両側部が隣り合う一対の脚支柱本体m1における対向する各内側面に取り付けられるとともに上端部たる上鍔部8が天板Aの下面に取り付けられるものである。
【0036】
各連結パネル体J1、J2、J3は、略矩形板状をなし上部の両角部に天板受フレームNとの干渉を避けるための切欠部51が形成されたパネル本体5と、パネル本体5の両側端部に一体に設けられ脚支柱本体m1の外角部m11をカバーし得るカバー部6と、パネル本体5の内面側に内方に向かって突設され脚支柱本体m1の内側面に止着される連結板部7と、パネル本体5の上端縁から内方に向かって一体に突設され天板Aの下面に取り付けられる上端部たる上鍔部8とを備えたものである。
【0037】
パネル本体5は、起立姿勢をなす板状のものであり、隣り合う脚支柱本体m1間を閉塞し得る主要部を構成するものである。
【0038】
カバー部6は、隣接する他の連結パネル体J1、J2、J3のカバー部6、又は、化粧パネル体Kのカバー部k2と協働して脚支柱本体m1の外角部m11を見栄えよく覆い得るものである。
【0039】
カバー部6は、パネル本体5の両側端から当該パネル本体5に対して約45°屈曲して延びる第一の延出部61と、第一の延出部61における延出端から当該第一の延出部61に対して対して略直交する内方に延びてなる第二の延出部62とを備えている。
【0040】
第二の延出部62は、隣接する他の連結パネル体J1、J2、J3における第二の延出部62又は化粧パネル体Kにおける第二の延出部62と平行をなすように近接するようになっており、その間に目地である隙間skが形成されるようになっている。
【0041】
連結板部7は、パネル本体5に対して直交する方向に突設された板状のものである。連結板部7は、L字状の鋼材をパネル本体5に溶接することにより設けられている。
【0042】
連結板部7には、上部、中部、下部の三箇所にねじ挿通孔h1が設けられている。連結板部7のねじ挿通孔h1に挿通されたねじv1を脚支柱本体m1に設けられたナット部n1に螺着することにより、各連結パネル体J1、J2、J3が各脚フレーム体1、2、3、4の脚支柱本体m1に対して取り付けられるようになっている。
【0043】
上鍔部8はパネル本体5の上端縁から内方に向かって突設されたものである。上鍔部8には、上下方向に貫通する複数のねじ挿通孔h3が設けられている。上鍔部8のねじ挿通孔h3に挿通されたねじv3を天板Aの下面に設けた図示しないナット部に螺着することにより、各連結パネル体J1、J2、J3が天板Aに対して取り付けられるようになっている。
【0044】
以上に述べた矩形状をなす第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3は、隣り合う脚フレーム体1、2、3、4の間を塞ぐ役割を果たすだけでなく、脚フレーム体1、2、3、4と協働して天板受けとしての役割も果たすものとなっている。
【0045】
<上の横架材I>
上の横架材Iは、左後脚フレーム体3における脚支柱本体m1の上部と右後脚フレーム体4における脚支柱本体m1の上部との間を繋ぐものであるとともに上端部たる上鍔部i3が天板Aの下面に止着されたものである。
【0046】
上の横架材Iは、起立姿勢の横長矩形板状をなす上横架材本体i1と、上横架材本体i1における左右の側端部からそれぞれ当該上横架材本体i1に対して略直交する内方に突設され左後脚フレーム体3における脚支柱本体m1の上部、及び、右後脚フレーム体4における脚支柱本体m1の上部に取り付けられる左右の取付板i2と、上横架材本体i1の上端から外方に向かって一体に突設され天板Aの下面に取り付けられる上端部たる上鍔部i3とを備えたものである。
【0047】
上横架材本体i1は、その上部の外面側における両側端部に、脱着機構たるキャッチを構成するキャッチ構成突起t1が設けられている。キャッチ構成突起t1は、化粧パネル体Kの内面側に設けられたキャッチ構成凹部t2に対して着脱可能に構成されている。
【0048】
左右の取付板i2には左右方向に貫通したねじ挿通孔h4が設けられている。そして、左右の取付板i2におけるねじ挿通孔h4に挿通されたねじv4を脚支柱本体m1に設けられたナット部n4に螺着することにより、上の横架材Iが左後脚フレーム体3における脚支柱本体m1の上部と右後脚フレーム体4における脚支柱本体m1の上部に対して取り付けられるようになっている。
【0049】
上鍔部i3には、上下方向に貫通する複数のねじ挿通孔h5が設けられている。上鍔部i3のねじ挿通孔h5に挿通されたねじv5を天板Aの下面に設けた図示しないナット部に螺着することにより、上の横架材Iが天板Aに対して取り付けられるようになっている。
【0050】
以上に述べた上の横架材Iは、隣り合う左後及び右後脚フレーム体3、4の間を塞ぐ役割を果たすだけでなく、これら各脚フレーム体3、4と協働して天板受けとしての役割も果たすものとなっている。
【0051】
<下の横架材R>
下の横架材Rは、左後脚フレーム体3における脚支柱本体m1の下部と右後脚フレーム体4における脚支柱本体m1の下部との間を繋ぐものである。
【0052】
下の横架材Rは、水平姿勢をなす横長矩形板状の下横架材本体r1と、下横架材本体r1における左右の側端部から上方に向かって延設され左後脚フレーム体3及び右後脚フレーム体4における脚支柱本体m1の下部に取り付けられる左右の取付板r2と、下横架材本体r1の内側端から立設された補強鍔r3と、下横架材本体r1における外側端側の左右両端部に突設され化粧パネル体Kの下端部に形成された係合孔k41に挿入される左右一対の係合突起r4とを備えたものである。
【0053】
左右の取付板r2には左右方向に貫通したねじ挿通孔h6が設けられている。そして、左右の取付板r2におけるねじ挿通孔h6に挿通されたねじv6を脚支柱本体m1に設けられたナット部n6に螺着することにより、下の横架材Rが左後脚フレーム体3における脚支柱本体m1の下部と右後脚フレーム体4における脚支柱本体m1の下部に対して取り付けられるようになっている。
【0054】
<化粧パネル体K>
化粧パネル体Kは、左後脚フレーム体3と右後脚フレーム体4との間を閉塞し得るものであり上下の横架材I、Rに対して着脱自在に取り付けられたものである。化粧パネル体Kは、全体として略矩形板状をなした板金製のものである。
【0055】
化粧パネル体Kは、略矩形板状をなし上部の両角部に天板受フレームNとの干渉を避けるための切欠部k11が形成された化粧パネル本体k1と、化粧パネル本体k1の両側端部に一体に設けられ脚支柱本体m1の外角部m11をカバーし得るカバー部k2と、化粧パネル本体k1の上端部から内方に向かって一体に突設され左右の両端部に脱着機構たるキャッチを構成するキャッチ構成凹部t2を設けた上鍔部k3と、化粧パネル本体k1の下端部から内方に向かって一体に突設され左右両端部に上下方向に貫通する係合孔k41が設けられた下鍔部k4とを備えたものである。
【0056】
化粧パネル本体k1は、起立姿勢をなす板状のものであり、隣り合う左後脚フレーム体3の脚支柱本体m1と右後脚フレーム体4の脚支柱本体m1との間を閉塞し得る主要部を構成するものである。切欠部k11は、天板受フレームNとの干渉を避けるだけでなく、化粧パネル体Kを着脱する際の指掛かりとしても機能し得るものとなっている。
【0057】
カバー部k2は、隣接する第二、第三の連結パネル体J2、J3のカバー部6と協働して左後脚フレーム体3及び右後脚フレーム体4の脚支柱本体m1の外角部m11を見栄えよく覆い得るものである。
【0058】
カバー部k2は、化粧パネル本体k1の外側端部から当該化粧パネル本体k1に対して約45°屈曲して延びる第一の延出部k21と、第一の延出部k21における延出端から当該第一の延出部k21に対して略直交する内方に延びてなる第二の延出部k22とを備えている。
【0059】
第二の延出部k22は、隣接する第二、第三の連結パネル体J2、J3におけるカバー部6の第二の延出部62と平行をなすように近接するようになっており、その間に目地である隙間skが形成されるようになっている。
【0060】
<<植栽載置部C>>
植栽載置部Cは、天板Aに形成された配線連通孔ahの周縁部を囲うように天板Aに対して立設された矩形枠状をなす枠体c1と、枠体c1の内側に配設された植栽載置板c2とを備えたものである。植栽載置板c2の上には、植栽Pが載せ置かれるようになっている。
【0061】
枠体c1は、L字状をなす一対の枠構成部材c1a、c1bにより構成されている。枠体c1は、天板Aに対して立設された前後及び左右の周壁部c11と、各周壁部c11の下端縁から内方に延設された取付鍔c12とを備えたものである。
【0062】
各周壁部c11の横幅方向中央部には、プラグ差込孔g1を有した給電装置Gが取り付けられている。給電装置Gの配線は、天板Aの配線連通孔ahを通じて床面F側に至るようになっている。
【0063】
枠体c1の取付鍔c12には、上下方向に貫通したねじ挿通孔h7が設けられており、やぐら構造体Dにおけるねじ挿通孔h7aを有した取付板dpとともにねじv7により共締めされて天板Aに対して取り付けられている。
【0064】
植栽載置板c2は、水平板状をなし中央部に上下方向に貫通する貫通孔caが形成された植栽載置板本体c21と、植栽載置板本体c21の周縁部から下方に延設された垂下壁c22とを備えている。植栽載置板本体c21の四つの角部は切り欠かれており、やぐら構造体Dの下端部が上下方向に連通し得るようになっている。垂下壁c22の下端縁は、枠体c1における取付鍔c12の上に係わり合うようになっている。
【0065】
植栽載置板c2に支持される植栽Pは、ブロック状の保持部材p2に観葉植物p1を保持させたものである。なお、観葉植物p1は、生きているものだけでなく模造されたもの(人工のもの)が含まれる。この実施形態の保持部材p2は、例えば、スポンジや発泡スチロール製のものであり、人工の観葉植物p1の下端部を挿し入れることができるようにしたブロック状のものである。
【0066】
<<やぐら構造体D>>
やぐら構造体Dは、上下方向に延びてなり下端部に天板Aに取り付けるための取付板dpが一体に設けられた四本の起立フレーム、すなわち、左前起立フレームd1、右前起立フレームd2、左後起立フレームd3、及び、右後起立フレームd4と、左前起立フレームd1の上端部と左後起立フレームd3の上端部との間を繋ぐ左の水平連結フレームd5と、右前起立フレームd2の上端部と右後起立フレームd4の上端部との間を繋ぐ右の水平連結フレームd6と、左前起立フレームd1の上端部と右前起立フレームd2の上端部との間を繋ぐ前の水平連結フレームd7と、左後起立フレームd3の上端部と右後起立フレームd4の上端部との間を繋ぐ後の水平連結フレームd8と、右前起立フレームd2の上端部と左後起立フレームd3の上端部間を繋ぐ斜め水平連結フレームd9とを備えたものである。
【0067】
各起立フレームd1、d2、d3、d4の下端部に設けられた取付板dpには上下方向に貫通したねじ挿通孔h7aが設けられている。
【0068】
取付板dpのねじ挿通孔h7aに挿通されたねじv7は、更に、植栽載置部Cの枠体c1に設けられたねじ挿通孔h7を通過した後に、天板Aに配されたナット部n7に螺着されるようになっている。換言すれば、やぐら構造体Dの取付板dpは、植栽載置部Cの枠体c1とともに天板Aに対して共締めされている。
【0069】
各起立フレームd1、d2、d3、d4及び水平連結フレームd5、d6、d7、d8、d9には、配線や飾り物や執務に使用される小物類等の物品Eを掛け止めすることができるようになっている。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係る天板付家具は、外周縁が略矩形状をなした天板Aと、天板Aの左右方向及び前後方向中央部に配設され天板Aを支持し得る支持体Bとを備えてなるものである。
【0071】
そして、支持体Bが、複数の脚フレーム体である左前脚フレーム体1、右前脚フレーム体2、左後脚フレーム体3、右後脚フレーム体4と、隣り合う脚フレーム体同士を繋ぐ複数の連結パネル体である第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3とを備えたものである。
【0072】
各脚フレーム体1、2、3、4は、上下方向に延びてなる脚支柱Mと、脚支柱Mの上端部から天板Aの外方に向かって、すなわち、天板Aの対角線に沿うように延設され上面が天板Aの下面に接続し得る天板受フレームNと備えたものであり、第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3の上端部たる上鍔部8が天板Aの下面に取り付けられたものである。
【0073】
このため、本実施形態に示される天板付家具であれば、天板Aに対する上下方向の荷重だけでなく水平方向の荷重に対しても耐え得る剛性を発揮し易く、天板Aを安定的に支持し得る好適な構成を提供することができるものとなる。
【0074】
すなわち、隣り合う脚フレーム体、すなわち、左前脚フレーム体1と右前脚フレーム体2を第一の連結パネル体J1により繋ぎ、左前脚フレーム体1と右後脚フレーム体4を第二の連結パネル体J2により繋ぎ、右前脚フレーム体2と右後脚フレーム体4を第三の連結パネル体J3により繋ぎ、且つ、第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3の上端部たる上鍔部8が天板Aの下面に取り付けられたものとなっている。
【0075】
このため、各脚フレーム体1、2、3、4及び各連結パネル体J1、J2、J3が協働して、天板Aから受ける上下方向の荷重のみならず天板Aから受ける水平方向の荷重に対しても好適に耐久し得る構成を好適に実現できるものとなっている。つまり、矩形状をなす各連結パネルJ1、J2、J3は、各脚フレーム体1、2、3、4と接続し当該各脚フレーム体1、2、3、4を起立姿勢に好適に保持し得るものとなっている。
【0076】
さらに、各脚フレーム体1、2、3、4の天板受フレームNが天板Aの対角線に沿うように延設され上面が天板Aの下面に接続し得るものとなっているため、天板Aの下面をバランスよく支持し得るだけでなく使用者の下肢空間を邪魔し難いものとなっている。
【0077】
第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3が介設されていない左後脚フレーム体3と右後脚フレーム体4との間には、上端部たる上鍔部i3が天板Aの下面に取り付けられた上の横架材I、及び、上の横架材Iよりも下に位置する下の横架材Rが配設されたものである。
【0078】
このため、支持体Bは、第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3だけでなく、上の横架材Iを利用して天板Aの下面を好適に支持することができるとともに、上下の横架材I、Rにより、左後脚フレーム体3と右後脚フレーム体4とを好適に繋ぎ得るものとなっている。
【0079】
第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3が介設されていない左後脚フレーム体3と右後脚フレーム体4との間を閉塞し得る化粧パネル体Kを備えたものである。
【0080】
そして、化粧パネル体Kが、左後脚フレーム体3と右後脚フレーム体4との間に介設された上下の横架材I、Rに対して着脱自在に取り付けられたものとなっている。
【0081】
このため、上下の横架材I、Rによって左後脚フレーム体3と右後脚フレーム体4との間の連結強度は保持しつつ、第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3、及び、化粧パネル体Kの協働により、支持体Bの外観を全体として角柱状に見える好適なものとすることができるものとなる。
【0082】
しかも、化粧パネル体Kが上下の横架材I、Rに対して着脱自在なものとなっているため、第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3、及び、化粧パネル体Kによって四方が囲まれてなる囲繞空間spを、化粧パネル体Kの着脱操作により自由に開放及び閉塞し得るものとなっている。これにより、天板付家具は、組立時の作業性や組み立て後のメンテナンス性が極めて優れたものとなっている。
【0083】
脚支柱Mが、矩形パイプ材により構成された脚支柱本体m1を有しており、脚支柱本体m1の内側面に第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3の内面側に突設された連結板部7が止着されたものである。
【0084】
このため、第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3の外観を損ねることなく当該各連結パネル体J1、J2、J3を所定の脚支柱本体m1に対して好適に止着することができるものとなっている。
【0085】
第一、第二、第三の連結パネル体J1、J2、J3における各水平方向両側端部に、脚支柱本体m1の外角部m11をカバーし得るカバー部6が形成されている。
【0086】
このため、脚支柱本体m1の外角部m11が露出し難い好適な外観をなすようにすることができるようになっている。
【0087】
天板Aの中央部に上下方向に貫通した配線連通孔ahが設けられている。
【0088】
このため、床面F側の配線を、天板Aに形成された配線連通孔ahを通じて天板Aの上面側に好適に導くことができるようになっている。
【0089】
天板Aの中央部に、観葉植物p1を保持した植栽Pを載置し得る植栽載置部Cが設けられている。
【0090】
このため、周縁部全周を使用端縁に設定された天板Aにおいて執務に支障を与え難い位置に、植栽Pを設けることができるようになっている。植栽載置部Cに植栽Pを載置することにより、観葉植物p1の存在に基づいた快適な執務空間の形成に資するものとなっている。
【0091】
天板Aの中央部に、上下方向及び水平方向に延びてなる複数のフレーム材d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9により構成され物品Eを掛け止めし得るやぐら構造体Dが設けられている。
【0092】
このため、照明装置や植栽や配線類等の種々の物品Eを自由に掛け止めさせることによって、執務の利便性を向上させるとともに快適な執務空間の形成に資するものとなっている。
【0093】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0094】
天板付家具は、植栽載置部ややぐら構造体を設けていない構成のものであってもよいのはもちろんのことである。
【0095】
天板の形状は矩形状のものには限られるものではなく、例えば、円形、楕円(長円)やそれ以外の異形のものであっても構わない。
【0096】
連結パネル体が配設される箇所、及び、化粧パネル体が配設される箇所は、適宜の箇所に設定されるものであり、上述した実施形態に示されたものに限られるものではない。
【0097】
すなわち、三枚の連結パネル体は、左前脚フレーム体と右前脚フレーム体の間、右前脚フレーム体と右後脚フレーム体の間、右後脚フレーム体と左後脚フレーム体の間、及び、左後脚フレーム体と左前脚フレーム体の間の内、何れか三つの間に配設されたものであればよく、その場所はどの場所であっても構わない。
【0098】
すなわち、一枚の化粧パネル体は、左前脚フレーム体と右前脚フレーム体の間、右前脚フレーム体と右後脚フレーム体の間、右後脚フレーム体と左後脚フレーム体の間、及び、左後脚フレーム体と左前脚フレーム体の間の内、何れか一つの間に配設されたものであればよく、その場所はどの場所であっても構わない。
【0099】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0100】
A…天板
B…支持体
C…植栽載置部
D…やぐら構造体
1…左前脚フレーム体(脚フレーム体)
2…右前脚フレーム体(脚フレーム体)
3…左後脚フレーム体(脚フレーム体)
4…右後脚フレーム体(脚フレーム体)
J1…第一の連結パネル体(連結パネル体)
J2…第二の連結パネル体(連結パネル体)
J3…第三の連結パネル体(連結パネル体)
I…上の横架材
R…下の横架材
K…化粧パネル体