(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241022BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241022BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241022BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 C
G03G21/00 388
G03G21/00 386
B41J29/42 F
B41J29/38 203
B41J29/38 801
(21)【出願番号】P 2020180627
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿出川 智通
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-145590(JP,A)
【文献】特開2010-016487(JP,A)
【文献】特開2009-296175(JP,A)
【文献】特開2016-174418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/42
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、
前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、
前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、
前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可と
し、かつ前記機器の管理者に対して、当該登録情報に関する履歴を送信する処理を行う情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、
前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、
前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、
前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とする処理を行い、
前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶せず、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶する処理を行う情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記機器の設定を利用者毎に設定し、認証されている利用者に設定された前記機器の登録情報を取得する請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、自装置の管理者であっても前記機器に登録された登録情報
の閲覧を不可とする請求項1
又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
自装置の管理者であっても前記機器に登録された登録情報を利用した場合の当該登録情報に関する履歴の閲覧を不可とする請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記機器
に登録された登録情報を利用した場合、前記機器の管理者に対して、当該登録情報に関する履歴を送信する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理
の実行状況を表す実行画面への利用した登録情報の表示を非表示とし、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は
前記実行画面に利用した登録情報を表示する請求項1~
6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶せず、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶する処理を行う請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記閲覧を不可とする場合であっても、前記機器に登録された登録情報のうちの予め定めた部分の閲覧を可能とする請求項
4又は請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記予め定めた部分は、利用者によって予め設定した部分である請求項
9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記履歴として記憶する内容を設定する処理を更に行う請求項
1又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記処理を実行する際に、取得した登録情報が、自装置に登録された登録情報であるか、前記機器に登録された登録情報であるかを識別可能に表示する処理を更に行う請求項1~11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
自装置に登録された登録情報と、前記機器に登録された登録情報とは異なる表示形態で表示する請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記機器から取得した登録情報を、ログアウト時に削除、または連携先毎に一時保持して予め定めた時間経過後に削除する請求項1~13の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
請求項1~14の何れか1項に記載の情報処理装置を複数含み、
複数の前記情報処理装置の間で前記連携対象の機器の設定が可能とされた情報処理システム。
【請求項16】
コンピュータに、
自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、
前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、
前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、
前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とし、かつ前記機器の管理者に対して、当該登録情報に関する履歴を送信する処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、
前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、
前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、
前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とする処理を行い、
前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶せず、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶する処理実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、他の機器が記憶するユーザ情報のうち、ソートキーが指定する属性の属性値を要求するソート用属性値要求手段と、他の機器から取得した属性値をマージしソートして第一のキャッシュを作成する第一のキャッシュ作成手段と、画面遷移情報及び画面毎に表示されるユーザ情報が指定する情報が登録された画面構成情報と、画面から遷移しうる画面と該画面で表示されるユーザ情報を、第一のキャッシュにおける属性値の順番と画面構成情報に基づき特定するユーザ情報特定手段と、ユーザ情報を他の機器に要求するユーザ情報要求手段と、ユーザ情報を第一のキャッシュと同様に並び替えて第二のキャッシュを作成する第二キャッシュ作成手段と、を有する画像形成装置が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、他の通信装置から宛先情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された宛先情報を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを示す情報と関連づけて記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている宛先情報に対応する項目を、当該宛先情報が文書の送信先として設定されている状態であるか否かを識別できる表示形態で表示する表示手段と、を有することを特徴とする通信装置が提案されている。
【0004】
また、特許文献3には、データを複数の装置に送信可能であるとともに、該複数の装置に関する各宛先情報にインデックスを付して宛先情報テーブルに保管するデータ送信装置において、送信ジョブ内で少なくとも1つのインデックスが指定されたとき、該指定された少なくとも1つのインデックスに対応する宛先情報をインデックスとともに前記宛先情報テーブルから抽出して指定インデックス対応宛先情報テーブルを作成する作成手段と、前記複数の装置に関する各宛先情報のいずれかを変更したいという要求があったとき、変更要求された宛先情報に対応するインデックスが前記指定インデックス対応宛先情報テーブルに存在するか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって前記インデックスが存在すると判別されたとき、前記指定インデックス対応宛先情報テーブルにおいて前記インデックスに対応する宛先情報を、前記変更要求にしたがって変更する変更手段と、前記変更手段によって変更された後の前記指定インデックス対応宛先情報テーブルを参照して前記送信ジョブを実行する実行手段とを有することを特徴とするデータ送信装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5609437号公報
【文献】特許第6016352号公報
【文献】特許第4439699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
共有スペース等に設置された機器から連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用することを想定した場合、利用した登録情報が、異なる所属の人間に見られる可能性があり、セキュリティ上好ましくない。そこで、本発明は、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用した場合に、異なる所属の人間に対するセキュリティの確保が可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とし、かつ前記機器の管理者に対して、当該登録情報に関する履歴を送信する処理を行う。
また、第2態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とする処理を行い、前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶せず、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶する処理を行う。
【0008】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記機器の設定を利用者毎に設定し、認証されている利用者に設定された前記機器の登録情報を取得する。
【0009】
また、第4形態に係る情報処理装置は、第1態様又は第3態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、自装置の管理者であっても前記機器に登録された登録情報の閲覧を不可とする。
【0010】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、自装置の管理者であっても前記機器に登録された登録情報を利用した場合の当該登録情報に関する履歴の閲覧を不可とする。
【0011】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記機器に登録された登録情報を利用した場合、前記機器の管理者に対して、当該登録情報に関する履歴を送信する。
【0012】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第1態様~第6態様の何れか1の態様に係る情報処理において、前記プロセッサは、前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の実行状況を表す実行画面への利用した登録情報の表示を非表示とし、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記実行画面に利用した登録情報を表示する。
【0013】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶せず、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶する処理を行う。
【0014】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第4態様又は第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記閲覧を不可とする場合であっても、前記機器に登録された登録情報のうちの予め定めた部分の閲覧を可能とする。
【0015】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第9態様に係る情報処理装置において、前記予め定めた部分は、利用者によって予め設定した部分である。
【0016】
また、第11態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第3態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記履歴として記憶する内容を設定する処理を更に行う。
【0017】
また、第12態様に係る情報処理装置は、第1態様~第11態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記処理を実行する際に、取得した登録情報が、自装置に登録された登録情報であるか、前記機器に登録された登録情報であるかを識別可能に表示する処理を更に行う。
【0018】
また、第13態様に係る情報処理装置は、第12態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、自装置に登録された登録情報と、前記機器に登録された登録情報とは異なる表示形態で表示する。
【0019】
また、第14態様に係る情報処理装置は、第1態様~第13態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記機器から取得した登録情報を、ログアウト時に削除、または連携先毎に一時保持して予め定めた時間経過後に削除する。
【0020】
また、第15態様に係る情報処理システムは、請求項1~14の何れか1項に記載の情報処理装置を複数含み、複数の前記情報処理装置の間で前記連携対象の機器の設定が可能とされる。
【0021】
また、第16態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とし、かつ前記機器の管理者に対して、当該登録情報に関する履歴を送信する処理を実行させる。
また、第17態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、前記登録情報を用いた予め定めた処理を実行し、前記処理を実行する際に、前記自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とし、前記機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とする処理を行い、前記機器の登録情報としての宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶せず、自装置の宛先情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合は前記処理の履歴を記憶する処理実行させる。
【発明の効果】
【0022】
第1態様によれば、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用した場合に、異なる所属の人間に対するセキュリティの確保が可能な情報処理装置を提供でき、かつ連携対象の機器に登録された登録情報を利用した場合は、連携対象の機器の管理者が履歴を閲覧することができる。
第2態様によれば、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用した場合に、異なる所属の人間に対するセキュリティの確保が可能な情報処理装置を提供でき、かつ連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合に、異なる所属の人間に対する履歴におけるセキュリティの確保が可能となる。
【0023】
第3態様によれば、他の人に登録情報を利用されることがなくなる。
【0024】
第4態様によれば、自装置の管理者を含めて異なる所属の人間に対するセキュリティの確保が可能となる。
【0025】
第5態様によれば、自装置の管理者を含めて異なる所属の人間に対する履歴におけるセキュリティの確保が可能となる。
【0026】
第6態様によれば、連携対象の機器に登録された登録情報を利用した場合は、連携対象の機器の管理者が履歴を閲覧することができる。
【0027】
第7態様によれば、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用して原稿画像を読みって送信した場合に、異なる所属の人間に対する実行画面におけるセキュリティの確保が可能となる。
【0028】
第8態様によれば、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合に、異なる所属の人間に対する履歴におけるセキュリティの確保が可能となる。
【0029】
第9態様によれば、利用者以外へのセキュリティを確保しつつ、利用者が利用する登録情報の適否を判断することが可能となる。
【0030】
第10態様によれば、利用する登録情報の適否の判断がし易い部分によって利用する登録情報の適否を判断することが可能となる。
【0031】
第11態様によれば、利用者にとって必要な履歴のみを記憶することが可能となる。
【0032】
第12態様によれば、処理を実行する際に、自装置に登録された登録情報と、連携対象の機器に登録された登録情報とを区別して確認することができる。
【0033】
第13態様によれば、処理を実行する際に、表示形態を確認することで自装置に登録された登録情報であるか、連携対象の機器に登録された登録情報であるかを確認できる。
【0034】
第14態様によれば、連携対象の機器から取得した登録情報に対するセキュリティを確保することが可能となる。
【0035】
第15態様によれば、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用した場合に、異なる所属の人間に対するセキュリティの確保が可能な情報処理システムを提供できる。
【0036】
第16態様によれば、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用した場合に、異なる所属の人間に対するセキュリティの確保が可能な情報処理プログラムを提供でき、かつ連携対象の機器に登録された登録情報を利用した場合は、連携対象の機器の管理者が履歴を閲覧することができる。
第17態様によれば、連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用した場合に、異なる所属の人間に対するセキュリティの確保が可能な情報処理プログラムを提供でき、かつ連携対象の他の場所に設置された機器に登録された登録情報を利用して原稿画像を読み取って送信した場合に、異なる所属の人間に対する履歴におけるセキュリティの確保が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理システムにおける画像形成装置のコントロール・ユニットの機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、宛先情報等の情報を共有する連携対象の画像形成装置を登録する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、連携対象の画像形成装置を利用する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、宛先を指定して画像形成装置で読み取った情報等を宛先に送信する処理を実行する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】自装置に登録された宛先情報を利用して処理を実行する場合の実行画面の一例を示す図である。
【
図9】連携対象の画像形成装置に登録された宛先情報を利用して処理を実行する場合の実行画面の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、宛先を指定して画像形成装置で読み取った情報等を宛先に送信する処理等を実行後に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る情報処理システムの画像形成装置において、宛先を指定して画像形成装置で読み取った情報等を宛先に送信する処理等を実行後に、履歴を確認する際に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施形態では、複数の画像形成装置がネットワーク等の通信回線を介して各々接続された情報処理システムを一例として説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概略構成を示す図である。
【0039】
本実施形態に係る情報処理システム10は、
図1に示すように、情報処理装置としての画像形成装置12a、12bを複数(
図1では2つ)含んで構成されている。なお、画像形成装置12a、12bを区別して説明する必要がない場合は、符号末尾のアルファベットを省略して記載することがある。また、本実施形態では、複数の画像形成装置12a、12bを備える例を説明するが、画像形成装置12以外に、情報処理端末やクラウドサーバ等を含む形態としてもよい。また、本実施形態では、画像形成装置12を情報処理装置の一例とした場合を説明するが、画像形成装置12に限定されるものではなく、パーソナルコンピュータ等の他の情報処理装置を適用してもよい。
【0040】
各画像形成装置12は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、イントラネット等の通信回線18を介して各々接続されている。そして、各画像形成装置12は、通信回線18に接続された機器と通信回線18を介して各種データの送受信を相互に行うことが可能とされている。
【0041】
本実施形態では、情報処理システム10における各画像形成装置12をシェアオフィスに配置する場合を一例として説明する。
【0042】
シェアオフィスは、近年の働き方改革により重要視され、多様な働き方に伴って広まってきている。シェアオフィスを利用する目的の一つとして人脈形成があり、セミナーやイベントを頻繁に開催する運営会社も存在する。商品やアイデアを見てもらうことで、フィードバックを得るといったことも利点である。
【0043】
シェアオフィスでは、
図1に示すように、他の利用者が出入りしないプライベートオフィスと呼ばれるエリアと、不特定多数の利用者が出入りする共有スペースと呼ばれるエリアが存在する。画像形成装置12はプライベートオフィス及び共有スペースのそれぞれに設置され、共有スペースに設置された画像形成装置12aではセキュリティの懸念があり機密度の高い資料は利用されていない。例えば、共有スペースにて他社の入居者と商品やアイデアを見てもらうために打ち合わせを実施し、フィードバックを共有スペースに設置された画像形成装置12aから自社にメールで送信するといったユースケースが考えられる。この場合、共有スペースからプライベートオフィスまで移動しなければならず、不便である。
【0044】
そこで、本実施形態に係る情報処理システム10では、共有スペースに設置された画像形成装置12aとシェアオフィス内のプライベートオフィスなどの他の場所に設置された画像形成装置とを連携する。そして、共有スペースに設置された画像形成装置12aから、他の場所に設置された連携対象の画像形成装置12bの登録情報としての宛先情報を共有して利用することが可能とされている。なお、以下では、自装置以外の他の場所に設置された画像形成装置12を単に連携対象の画像形成装置12と称する場合がある。
【0045】
しかしながら、他の場所に設置された画像形成装置12bの宛先表を利用して実行した処理の実行画面及び履歴に表示される情報が他の入居者に見られてしまう可能性があるため、セキュリティ上好ましくない。
【0046】
そこで、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12では、自装置及び予め登録された連携対象の機器の各々に予め登録された登録情報を取得し、取得した登録情報を用いた予め定めた処理を実行する際に、自装置に予め登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴の閲覧を可能とする。一方、連携対象の機器に登録された登録情報を利用した場合は、当該登録情報に関する履歴のうち少なくとも一部の閲覧を不可とする処理を行う。
【0047】
また、画像形成装置12は、実行画面を表示する際には、連携対象の機器の登録情報を利用して処理を実行した場合には、登録された情報の少なくとも一部の情報を非表示とする処理を行う。
【0048】
なお、以下では、登録情報の一例として宛先情報を連携対象の情報処理装置としての画像形成装置12から取得して利用する例を説明するが、登録情報は宛先情報に限るものではない。例えば、画像情報や文書情報等を適用してもよい。
【0049】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0050】
本実施形態に係る画像形成装置12は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0051】
一方、本実施形態に係る画像形成装置12は、利用者情報、設定パラメータ、及び画像形成装置12間の連携に関する各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)等のストレージ26を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、ストレージ26、表示制御部28、および操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、ストレージ26としては、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を適用してもよい。
【0052】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、原稿読取部44による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。また、画像形成装置12は、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続された他の外部装置と通信データの送受信を行う通信回線I/F(インタフェース)部36と、を備えている。また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリI/F(インタフェース)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線I/F部36、及びファクシミリI/F部38がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0053】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部44及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線I/F部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリI/F部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40による通信回線I/F部36を介したデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。
【0054】
続いて、各画像形成装置12においてコントロール・ユニット20のCPU20AがROM20Bに記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理システム10における画像形成装置12のコントロール・ユニット20の機能構成を示す機能ブロック図である。
【0055】
コントロール・ユニット20は、認証部50、連携機器登録部52、自装置宛先検索部54、他装置宛先検索指示部56、他装置宛先情報取得部58、宛先リスト作成部60、処理実行部62、実行画面表示判断部64、及び処理履歴記憶有無判断部66の機能を有する。
【0056】
認証部50は、利用者が予め登録された利用者であるかを判定することにより利用者の認証を行う。認証方法としては、種々の周知技術が適用される。例えば、カードを利用した認証でもよいし、暗証番号を利用した認証でもよいし、生体情報を利用した生体認証でもよい。
【0057】
連携機器登録部52は、宛先リストなどの情報を共有する連携対象の画像形成装置12などの機器の登録を行う。また、連携対象の画像形成装置12等の機器の登録は、利用者毎に行う。これにより、登録された機器の宛先情報などの情報を利用した処理が行われる。
【0058】
自装置宛先検索部54は、検索条件やソート条件等の宛先を検索する条件を利用者がユーザインタフェース22を操作して指定することにより、自装置に予め登録した宛先リストの中から対応する宛先を検索する。
【0059】
他装置宛先検索指示部56は、検索条件やソート条件等の宛先を検索する条件を利用者がユーザインタフェース22を操作して指定することにより、連携機器登録部52によって登録された他装置に対して、指定された条件に対応する宛先を検索する指示を行う。
【0060】
他装置宛先情報取得部58は、他装置宛先検索指示部56によって指示した連携対象の他装置から宛先情報を取得する。
【0061】
宛先リスト作成部60は、自装置宛先検索部54の検索結果に基づいて宛先リストを作成する。また、他装置宛先情報取得部58によって連携対象の他装置から宛先情報を取得した場合は、取得した宛先情報を作成した宛先リストに追加した宛先リストを作成する。
【0062】
処理実行部62は、ユーザインタフェース22を利用者が操作することによって指示された処理を実行する。本実施形態では、例えば、原稿読取部44によって読み取った原稿画像を指定された宛先に送信する処理を行う。送信する処理の一例としては、電子メールで送信してもよいし、ファクシミリで送信してもよい。
【0063】
実行画面表示判断部64は、処理実行部62によって処理を実行する際に表示する実行画面内の情報を判断する。本実施形態では、自装置に登録された宛先情報を利用して処理を実行する場合は、利用した宛先情報を含めて実行画面に表示すると判断する。一方、連携対象の他装置から宛先情報を取得して当該宛先情報を利用して処理を実行する場合は、宛先情報の少なくとも一部の実行画面への表示を非表示にすると判断する。なお、非表示にする部分としては、宛先情報全体を非表示にしてもよいし、他の人が宛先情報を見ても判別できない程度に一部を非表示にしてもよい。例えば、宛先情報が電子メールのメールアドレスの場合は、メールアドレスのローカル部の最初の1文字と他の数文字等の一部のみを表示して他はアスタリスク等のメールアドレスに関係ない記号を用いて非表示にしたり、メールアドレスのドメインのみを表示してローカル部は非表示にしたりする。或いは、送信者と送信日時のみを表示し、宛先は非表示にしてもよい。また、非表示にする部分については、ユーザインタフェース22を操作して予め設定可能な構成としてもよい。
【0064】
処理履歴記憶有無判断部66は、処理実行部62によって実行した処理の履歴を記憶するか否かを判断する。本実施形態では、自装置に登録された宛先情報を利用して実行した処理の場合は、利用した宛先情報を含めて処理の履歴を記憶すると判断する。一方、連携対象の他装置から宛先情報を取得して実行した処理の場合は、処理の実行の履歴を記憶しない、或いは、処理の実行の履歴のうち宛先情報の少なくとも一部を記憶しないと判断する。
【0065】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る情報処理システム10の各画像形成装置12で行われる具体的な処理について説明する。
【0066】
まず、宛先情報等の登録情報を共有する連携対象の画像形成装置12を登録する際の処理を説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、宛先情報等の情報を共有する連携対象の画像形成装置12を登録する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図4の処理は、例えば、ユーザインタフェース22を介して予め定めたログインの操作が行われた場合に開始する。
【0067】
ステップ100では、CPU20Aが、利用者を認証するログイン処理を行ってステップ102へ移行する。すなわち、認証部50が、予め登録された利用者であるかの認証を行う。例えば、カードの情報を取得して利用者を認証してもよいし、暗証番号を入力させて利用者を認証してもよいし、指紋等の生体情報により利用者を認証してもよい。
【0068】
ステップ102では、CPU20Aが、予め定めたメニュー画面をユーザインタフェース22のディスプレイに表示してステップ104へ移行する。
【0069】
ステップ104では、CPU20Aが、連携機器登録を選択したか否かを判定する。該判定は、連携機器の登録を指示する操作がユーザインタフェース22を介して行われたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ106へ移行し、否定された場合は一連の処理を終了して他の処理を行う。
【0070】
ステップ106では、CPU20Aが、予め定めた連携機器登録画面をユーザインタフェース22のディスプレイに表示してステップ108へ移行する。予め定めた連携機器登録画面は、連携対象の機器を登録するために、連携対象の機器に関する情報の設定を行うための画面である。例えば、連携対象の画像形成装置の指定や、IPアドレス等の設定を行うための情報を当該画面に表示して利用者に設定を促す。
【0071】
ステップ108では、CPU20Aが、連携機器の登録がキャンセルされたか否かを判定する。該判定は、ユーザインタフェース22が操作されて連携機器登録のキャンセルが指示されたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ110へ移行し、肯定された場合には一連の処理を終了して他の処理を行う。
【0072】
ステップ110では、CPU20Aが、登録内容が入力されたか否かを判定する。該判定は、予め定めた連携機器登録画面に対して、連携対象の機器に関する情報がユーザインタフェース22を介して利用者によって入力されたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ108に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ112へ移行する。
【0073】
ステップ112では、CPU20Aが、連携機器登録画面に入力された連携対象の機器に関する情報を登録して一連の処理を終了する。すなわち、連携機器登録部52が、利用者毎に、入力された情報を元に、宛先リストなどの情報を共有する画像形成装置12などの機器の登録を行う。これにより、利用者毎に登録された機器の宛先情報などの登録情報を利用した処理が行われる。
【0074】
次に、連携対象の機器の登録が完了してから画像形成装置12で行われる連携対象の機器を利用する場合の処理の具体例を説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、連携対象の画像形成装置12を利用する場合の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図5の処理は、例えば、利用者のログインが行われて利用者が認証されている状態で、メニュー画面の表示等の指示がユーザインタフェース22を介して行われた場合に開始する。一例として、
図4の処理を行った後に続けて実行してもよい。
【0075】
ステップ200では、CPU20Aが、ユーザインタフェース22のディスプレイに予め定めたメニュー画面を表示してステップ202へ移行する。
【0076】
ステップ202では、CPU20Aが、宛先表が選択されたか否かを判定する。該判定は、例えば、画像を読み取って宛先に送信する処理等がメニュー画面から選択されて、宛先表を表示する指示がユーザインタフェース22を介して行われたか否かを判定する。該判定が、肯定された場合はステップ204へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了して他の処理を行う。
【0077】
ステップ204では、CPU20Aが、ユーザインタフェース22のディスプレイに予め定めた宛先検索画面を表示してステップ206へ移行する。
【0078】
ステップ206では、CPU20Aが、宛先の検索がキャンセルされたか否かを判定する。該判定は、宛先の検索をキャンセルする操作がユーザインタフェース22を介して行われたか否かを判定する。該判定が、肯定された場合はステップ208へ移行し、肯定された場合には一連の処理を終了し他の処理を行う。
【0079】
ステップ208では、CPU20Aが、宛先の検索条件及びソート条件が入力されたか否かを判定する。該判定は、ユーザインタフェース22を介して検索条件及びソート条件が利用者によって入力されたか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ206に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ210へ移行する。
【0080】
ステップ210では、CPU20Aが、入力された検索条件及びソート条件に従って自装置の宛先の検索を実行してステップ212へ移行する。すなわち、自装置宛先検索部54が、ユーザインタフェース22を介して入力された検索条件及びソート条件に対応する宛先を、自装置に予め登録した宛先リストの中から検索する。なお、自装置の登録された宛先リストは、利用者毎に登録された宛先リストの中から検索してもよいし、自装置に登録された全ての利用者の宛先リストの中から検索してもよい。
【0081】
ステップ212では、CPU20Aが、検索条件及びソート条件の連携先の検索結果を取得してステップ214へ移行する。すなわち、他装置宛先検索指示部56が、検索条件及びソート条件を利用者がユーザインタフェース22を操作して指定して、連携機器登録部52によって利用者毎に登録された連係対象の画像形成装置12に対して、指定された条件に対応する宛先を検索する指示を行う。そして、他装置宛先情報取得部58が、他装置宛先検索指示部56によって指示した連携対象の画像形成装置12から条件に対応する宛先情報を取得する。なお、他装置宛先検索指示部56によって、連携対象の画像形成装置12に対して、指定された条件に対応する宛先を検索する指示が行われると、連係対象の画像形成装置12では、自装置宛先検索部54によって、指示された条件に対応する宛先が予め登録した宛先リストの中から検索される。
【0082】
ステップ214では、CPU20Aが、自装置の検索結果に連携対象機器の検索結果を追加してステップ216へ移行する。すなわち、宛先リスト作成部60が、自装置宛先検索部54の検索結果に基づいて宛先リストを作成し、他装置宛先情報取得部58によって連携対象の他装置から取得した宛先情報を作成した宛先リストに追加した宛先リストを作成する。なお、ここでは、連携対象の他装置からは検索結果として、以降のステップ216においてソートを実行する際に必要な情報を取得する。例えば、名前でソートする場合、
図6の上側のハッチングで示すように、名前のみの宛先情報を取得してメールアドレスまでは取得せずに、連携先のIPアドレスを取得して宛先リストを作成する。これにより、画像形成装置12の記憶容量が節約される。また、メールアドレスでソートする場合には、メールアドレスの宛先情報を少なくとも取得する。
【0083】
ステップ216では、CPU20Aが、宛先リストをソート条件に従ってソートを実行してステップ218へ移行する。すなわち、宛先リスト作成部60が、ソート条件に従って、作成した宛先リストの並べ替え行う。
【0084】
ステップ218では、CPU20Aが、1画面表示に必要な宛先情報を抽出してステップ220へ移行する。例えば、
図6の下側に示すように、1画面に3つ宛先を表示する場合には、
図6の上側のように作成した宛先リストから3つ分の宛先情報を抽出する。なお、
図6の例では、ハッチングで示す「Bさん」、「Dさん」の宛先情報が連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報を示し、他の「Aさん」、「Cさん」の宛先情報は自装置から検索した宛先情報を示す。
【0085】
ステップ220では、CPU20Aが、抽出した宛先情報のうち連携対象の宛先情報を取得してステップ222へ移行する。例えば、
図6の例では、Bさんのメールアドレスを連携対象の画像形成装置12から取得する。
【0086】
ステップ222では、CPU20Aが、取得した宛先情報を宛先リストに反映して宛先画面を表示して一連の処理を終了する。宛先情報を表示する際には、自装置に登録された宛先情報であるか、連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報であるかを識別可能に表示してもよい。例えば、自装置に登録された宛先情報と、連携対象の画像形成装置12に登録された登録情報とで異なる表示形態で表示してもよい。或いは、自装置に登録された登録情報と、連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報のそれぞれを識別するためのアイコン等のマークを表示してもよい。具体的には、
図6の下側に示すような宛先画面を表示する。
図6の例では、「Aさん」、「Bさん」、「Cさん」の宛先情報が検索結果として表示した例を示す。
図6の例のように、連携対象の画像形成装置12から取得した宛先情報と自装置に登録された宛先情報とを異なる表示形態で表示してもよい。表示形態としては、ハッチングの有無でもよいし、色を変えてもよいし、点滅の有無でもよい。なお、
図6の例では、メニューボタンを操作することでメニュー画面を表示し、キャンセルボタンを操作することで宛先リストの表示を終了し、何れかの宛先情報を選択して実行ボタンを操作することで処理を実行するため画面等へ移行する。
【0087】
図5の処理により、自装置の登録情報としての宛先情報に加えて、利用者毎に登録された連携対象の機器に登録された宛先情報が宛先画面に表示される。ここで、自装置の管理者であっても利用者毎に登録された連携対象の機器の宛先情報の閲覧は不可とされる。また、自装置の管理者の場合、宛先情報以外の情報は閲覧可能として削除のみ可能としてもよい。
【0088】
なお、
図5の処理では、連携対象の宛先情報を取得する際に、名前とIPアドレス等のように宛先情報の一部を取得してから、1画面表示に必要な数の宛先情報について、残りのメールアドレス等の宛先情報を取得するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置12の記憶容量や処理能力によっては、連携対象の宛先情報を取得する際に、全ての宛先情報を取得する形態としてもよい。
【0089】
続いて、上述の
図5の処理によって検索した宛先を指定して処理を実行する際に、画像形成装置12で具体的に行われる処理について説明する。
図7は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、宛先を指定して画像形成装置12で読み取った情報等を宛先に送信する処理を実行する際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図7の処理は、例えば、画像を読み取って宛先に送信する処理が選択された後に、
図5の処理により表示された宛先リストから宛先を選択して選択された処理を実行する場合に開始する。
【0090】
ステップ300では、CPU20Aが、宛先情報を選択して実行が指示されたか否かを判定する。該判定は、例えば、
図6の下側に示す宛先リストの中から宛先情報が選択されて実行ボタンが操作されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ302へ移行する。一方、
図6のキャンセルボタンが操作された場合には判定が否定されて一連の処理を終了して他の処理を行う。
【0091】
ステップ302では、CPU20Aが、予め選択された処理の実行を開始してステップ304へ移行する。例えば、処理実行部62が、画像を読み取って宛先に送信する処理の実行を開始する。
【0092】
ステップ304では、CPU20Aが、宛先情報が自装置に予め登録された宛先であるか否かを判定する。該判定は、実行画面表示判断部64が、処理実行部62によって処理を実行する際に表示する実行画面内の情報を判断するために、宛先情報が自装置に登録された宛先情報であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ306へ移行し、否定された場合にはステップ308へ移行する。
【0093】
ステップ306では、CPU20Aが、予め定めた実行画面に宛先情報を表示してステップ310へ移行する。例えば、
図8に示す実行画面を表示する。
図8の実行画面例では、宛先情報に対応する送信先が、「富士 太郎」、「abcdxyz@fuji.ne.jp」として宛先情報を閲覧可能に表示し、70%の送信状態である例を示す。
【0094】
一方、ステップ308では、予め定めた実行画面に宛先情報の一部を表示、または宛先情報を未表示としてステップ310へ移行する。例えば、
図9に示す実行画面のように宛先情報の一部を非表示として表示する。これにより、連携対象の画像形成装置12に登録された宛先を利用した場合にセキュリティが保持される。なお、
図9の実行画面では、宛先情報に対応する送信先が、「佐* 次*}、「a******@F**i.ne.jp」として一部をアスタリスクで表示することにより宛先情報の一部を非表示とし、アスタリスクで表示された部分の宛先情報の閲覧を不可とし、アスタリスク以外の宛先情報の閲覧を可能とし、70%の送信状態である例を示す。
【0095】
ステップ310では、CPU20Aが、処理の実行が終了したか否かを判定する。例えば、選択された画像を読み取って宛先に送信する処理を終了したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ312へ移行する。
【0096】
ステップ312では、CPU20Aが、実行画面の表示を終了してステップ314へ移行する。
【0097】
ステップ314では、CPU20Aが、予め定めた削除条件が成立したか否かを判定する。該判定は、連携先毎に連携対象の画像形成装置12から宛先情報を取得してから予め定めた時間が経過したか否かを判定したり、ログアウトしたか否かを判定したりする。該判定が肯定されるまで待機してステップ316へ移行する。
【0098】
ステップ316では、CPU20Aが、連携対象の画像形成装置12から取得した宛先情報を削除して一連の処理を終了する。
【0099】
続いて、上述の
図5の処理によって検索した宛先を利用した処理を実行後に、画像形成装置12で行われる具体的な処理について説明する。
図10は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、宛先を指定して画像形成装置12で読み取った情報等を宛先に送信する処理等を実行後に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図10の処理は、例えば、
図7のステップ312の処理後の宛先情報が削除される前に行われるものとする。
【0100】
ステップ400では、CPU20Aが、自装置に予め登録された宛先情報を利用したか否かを判定する。該判定は、処理履歴記憶有無判断部66が、処理実行部62によって実行した処理の履歴を記憶するか否かを判断するために、利用した宛先情報が自装置に登録された宛先情報を利用したか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ402へ移行し、否定された場合にはステップ404へ移行する。
【0101】
ステップ402では、CPU20Aが、宛先情報を含めて履歴を記憶して一連の処理を終了する。すなわち、利用した宛先情報が自装置に登録された宛先情報の場合は、宛先情報を含めて履歴がストレージ26等に記憶される。
【0102】
一方、ステップ404では、CPU20Aが、宛先情報の一部を履歴として記憶、または履歴を記憶せずに一連の処理を終了する。すなわち、利用した宛先情報が連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報の場合には、宛先情報の一部のみをストレージ26等に履歴として記憶、または履歴を記憶しないことで、連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報を利用した場合にセキュリティが保持される。例えば、自装置の管理者であっても連携対象の画像形成装置12の宛先情報の履歴の閲覧を不可とする。この場合は、例えば、連携対象の画像形成装置12の宛先情報を利用した処理実行後に、連携対象の画像形成装置12の管理者の情報処理端末または連携対象の画像形成装置12に対して、連携対象の画像形成装置12の宛先情報を利用した処理の履歴を送信してもよい。なお、宛先情報の一部のみを履歴として記憶する場合は、例えば、電子メールの場合はメールアドレスのドメインのみを記憶してもよいし、ローカル部の一部を記憶してもよい。或いは、送信者と送信日時のみを記憶してもよい。
【0103】
なお、
図10の処理では、利用した宛先情報が自装置に登録された宛先情報であるか、連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報であるかに応じて、履歴を記憶する例を説明したが、これに限るものではない。例えば、履歴自体は通常通り記憶して、履歴を表示する際に、利用した宛先情報が自装置に登録された宛先情報であるか、連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報であるかに応じて表示方法を変える形態としてもよい。例えば、
図11に示す処理を行う。
図11は、本実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12において、宛先を指定して画像形成装置12で読み取った情報等を宛先に送信する処理等を実行後に、履歴を確認する際に行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図11の処理は、例えば、
図7のステップ312の処理後に、宛先情報を含めて処理の履歴を記憶する処理を行って、
図7の処理終了後に、メニュー画面等が操作された場合に開始する。
【0104】
ステップ500では、CPU20Aが、実行履歴を表示する指示が行われたか否かを判定する。該判定は、例えば、ユーザインタフェース22を操作して、実行履歴の表示が指示されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ502へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了して指定された他の処理を行う。
【0105】
ステップ502では、CPU20Aが、実行履歴なしであるか否かを判定する。該判定は、実行履歴がないか否かを判定する。該判定が否定された場合には一連の処理を終了し、肯定された場合にはステップ504へ移行する。
【0106】
ステップ504では、CPU20Aが、履歴が連携対象の宛先情報を利用した処理であるか否かを判定する。該判定が否定された場合、すなわち、自装置に登録された宛先を利用した処理である場合にはステップ506へ移行し、肯定された場合にはステップ508へ移行する。
【0107】
ステップ506では、CPU20Aが、ユーザインタフェース22のディスプレイに宛先情報を含めて履歴情報を表示してステップ510へ移行する。
【0108】
一方、ステップ508では、CPU20Aが、ユーザインタフェース22のディスプレイに宛先情報の少なくとも一部を閲覧不可として履歴を表示してステップ510へ移行する。これにより、連携対象の画像形成装置12に登録された宛先情報のセキュリティが保持される。例えば、管理者であっても連携対象の宛先情報については宛先情報の少なくとも一部を非表示としてもよい。この場合は、処理実行後に、連携対象の画像形成装置12の管理者の情報処理端末または連携対象の画像形成装置12に対して履歴情報を送信してもよい。なお、宛先情報の一部を履歴として表示する場合は、例えば、電子メールの場合はメールアドレスのドメインのみを表示してもよいし、ローカル部の一部を表示してもよい。或いは、送信者と送信日時のみを表示してもよい。
【0109】
ステップ510では、CPU20Aが、実行履歴の表示の終了が指示されたか否かを判定する。該判定は、例えば、ユーザインタフェース22を操作して、実行履歴の表示の終了が指示されたか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ512へ移行する。
【0110】
ステップ512では、CPU20Aが、ユーザインタフェース22のディスプレイに表示した履歴の表示を終了して一連の処理を終了する。
【0111】
なお、上記の実施形態では、情報処理装置として画像形成装置12を一例として説明したが、画像形成装置12に限るものではない。例えば、パーソナルコンピュータや画像処理装置等の他の機器を適用してもよい。また、連携対象の機器として画像形成装置12を適用したが、連携対象の機器についても画像形成装置12に限るものでなく、同様に、パーソナルコンピュータや画像処理装置等の他の機器を適用してもよい。
【0112】
また、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0113】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0114】
また、上記の実施形態に係る情報処理システム10の画像形成装置12で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成装置12の各部で行われる処理は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体にプログラムとして記憶して流通させるようにしてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードする形態としてもよい。
【0115】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0116】
10 情報処理システム
12 画像形成装置
20 コントロール・ユニット
20A CPU
52 連携機器登録部
54 自装置宛先検索部
56 他装置宛先検索指示部
58 他装置宛先情報取得部
60 宛先リスト作成部
62 処理実行部
64 実行画面表示判断部
66 処理履歴記憶有無判断部