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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20241022BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241022BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241022BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G06F3/0482
B41J29/38 801
B41J29/42 F
H04N1/00 350
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021007200
(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公開番号】P2022111638
(43)【公開日】2022-08-01
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
(72)【発明者】
【氏名】小窪 大道賀
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-055340(JP,A)
【文献】特開2019-066446(JP,A)
【文献】特開2007-049368(JP,A)
【文献】特開2009-271827(JP,A)
【文献】特開2019-144651(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101154082(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
B41J 29/00 - 29/70
H01N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
記憶装置に記憶された複数のデータの使用履歴を、当該記憶装置から取得し
前記複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、前記使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を、当該画面の予め定められた位置に表示するように制御し、
前記使用履歴は、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であり、
前記予め定められた条件は、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が前記基準回数以上となった期間の数が前記基準期間数を超えた場合に、当該繰り返し現れる期間のうちの特定の期間において、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記特定の期間における前記使用回数が前記基準回数以上となった場合に、当該特定の期間において、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御する状態を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記特定の期間が終了した場合に、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御する状態を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記特定の期間における前記使用回数が前記基準回数以上とならなかった場合に、前記繰り返し現れる期間のうちの当該特定の期間の次の期間において、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御しないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
記憶装置に記憶された複数のデータの種別ごとの使用履歴を、当該記憶装置から取得し、
前記複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、前記使用履歴が予め定められた条件を満たす特定の種別のデータに関する情報を、当該画面の予め定められた位置に表示するように制御し、
前記使用履歴は、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であり、
前記予め定められた条件は、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が前記基準回数以上となった期間の数が前記基準期間数を超えた場合に、当該繰り返し現れる期間のうちの特定の期間において、前記特定の種別のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
記憶装置に記憶された複数のデータの使用履歴を、当該記憶装置から取得する機能と、
前記複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、前記使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を、当該画面の予め定められた位置に表示するように制御する機能と
を実現させ
前記使用履歴は、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であり、
前記予め定められた条件は、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザによって選択された項目をピン留めし、関連するピン留めされていない項目と区別され、および関連するピン留めされていない項目より高い優先順位とするようにピン留めされた項目を表示する方法が記載されている。
【0003】
特許文献2には、ユーザがよく設定履歴から呼び出して使う設定履歴についてピン留めを設定することで、設定履歴が統合履歴に表示されなくなってしまうことを防ぐことができ、また、ピン留めが設定された設定履歴を他の設定履歴よりも上に表示することで、設定履歴を統合履歴から探しやすくすることができる画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-222541号公報
【文献】特開2018-125686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
記憶装置に記憶された複数のデータに関する情報を画面に表示する際に、例えば、データを格納した順、データの名称の順に表示したのでは、複数のデータに関する情報の中から、使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を見つけ難くなる。
【0006】
本発明の目的は、記憶装置に記憶された複数のデータに関する情報を画面に表示する際に、例えば、データを格納した順、データの名称の順に表示するよう構成された場合に比較して、複数のデータに関する情報の中から、使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を見つけ易くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、記憶装置に記憶された複数のデータの使用履歴を、当該記憶装置から取得し前記複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、前記使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を、当該画面の予め定められた位置に表示するように制御し、前記使用履歴は、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であり、前記予め定められた条件は、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であることを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記プロセッサは、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が前記基準回数以上となった期間の数が前記基準期間数を超えた場合に、当該繰り返し現れる期間のうちの特定の期間において、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定の期間における前記使用回数が前記基準回数以上となった場合に、当該特定の期間において、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御する状態を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定の期間が終了した場合に、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御する状態を解除することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記プロセッサは、前記特定の期間における前記使用回数が前記基準回数以上とならなかった場合に、前記繰り返し現れる期間のうちの当該特定の期間の次の期間において、前記特定のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御しないことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、記憶装置に記憶された複数のデータの種別ごとの使用履歴を、当該記憶装置から取得し、前記複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、前記使用履歴が予め定められた条件を満たす特定の種別のデータに関する情報を、当該画面の予め定められた位置に表示するように制御し、前記使用履歴は、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であり、前記予め定められた条件は、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であることを特徴とする情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が前記基準回数以上となった期間の数が前記基準期間数を超えた場合に、当該繰り返し現れる期間のうちの特定の期間において、前記特定の種別のデータに関する情報を前記予め定められた位置に表示するように制御することを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、記憶装置に記憶された複数のデータの使用履歴を、当該記憶装置から取得する機能と、前記複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、前記使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を、当該画面の予め定められた位置に表示するように制御する機能とを実現させ、前記使用履歴は、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であり、前記予め定められた条件は、前記繰り返し現れる期間のうちの前記使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であるプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、複数のデータに関する情報の中から、繰り返し現れる期間のうちの使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えた特定のデータに関する情報を見つけ易くなる。
請求項2の発明によれば、繰り返し現れる期間のうちの特定の期間以外においても特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示することによる煩わしさを軽減することができる。
請求項3の発明によれば、特定の期間における使用回数が基準回数以上となった場合にも特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示し続けることによる煩わしさを軽減することができる。
請求項4の発明によれば、特定の期間が終了した場合にも特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示し続けることによる煩わしさを軽減することができる。
請求項5の発明によれば、特定の期間における使用回数が基準回数以上とならなかったにも関わらず特定の期間の次の期間においても特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示することによる煩わしさを軽減することができる。
請求項6の発明によれば、複数のデータに関する情報の中から、繰り返し現れる期間のうちの使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えた特定の種別のデータに関する情報を見つけ易くなる。
請求項7の発明によれば、繰り返し現れる期間のうちの特定の期間以外においても特定の種別のデータに関する情報を予め定められた位置に表示することによる煩わしさを軽減することができる。
請求項8の発明によれば、複数のデータに関する情報の中から、繰り返し現れる期間のうちの使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えた特定のデータに関する情報を見つけ易くなる
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態における画像処理装置のハードウェア構成例を示した図である。
図2】本発明の実施の形態における情報処理装置の機能構成例を示したブロック図である。
図3】本発明の実施の形態における情報処理装置の第1乃至第3の動作でファイルを選択する操作を行うためのファイル選択画面の例を示した図である。
図4】本発明の実施の形態における情報処理装置の第1の動作で更新された後の使用履歴の一例を示した図である。
図5】本発明の実施の形態における情報処理装置の第1の動作で更新された後のピン留め情報の一例を示した図である。
図6】本発明の実施の形態における情報処理装置の第1又は第2の動作でファイルのリストを表示するファイルリスト画面の例を示した図である。
図7】本発明の実施の形態における情報処理装置の第2の動作で更新された後の使用履歴の一例を示した図である。
図8】本発明の実施の形態における情報処理装置の第2の動作で更新された後のピン留め情報の一例を示した図である。
図9】本発明の実施の形態における情報処理装置の第2の動作でのピン留め決定部の動作例を示したフローチャートである。
図10】本発明の実施の形態における情報処理装置の第3の動作で更新された後の使用履歴の一例を示した図である。
図11】本発明の実施の形態における情報処理装置の第3の動作で更新された後のピン留め情報の一例を示した図である。
図12】本発明の実施の形態における情報処理装置の第3の動作でファイルのリストを表示するファイルリスト画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
[本実施の形態の概要]
本実施の形態は、記憶装置に記憶された複数のデータの使用履歴を把握し、複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を、画面の予め定められた位置に表示する情報処理装置を提供する。
【0012】
情報処理装置の第1の態様では、使用履歴は、予め定められた期間における使用回数であってよく、予め定められた条件は、予め定められた期間における使用回数が基準回数を超えたという条件であってよい。以下、情報処理装置の第1の態様の動作を「第1の動作」と呼ぶことにする。
【0013】
情報処理装置の第2の態様では、使用履歴は、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であってよく、予め定められた条件は、繰り返し現れる期間のうちの使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であってよい。以下、情報処理装置の第2の態様の動作を「第2の動作」と呼ぶことにする。
【0014】
情報処理装置の第3の態様は、記憶装置に記憶された複数のデータの種別ごとの使用履歴を把握し、複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、使用履歴が予め定められた条件を満たす特定の種別のデータに関する情報を、画面の予め定められた位置に表示する、というものであってよい。
【0015】
また、情報処理装置の第3の態様では、情報処理装置の第1の態様のように、使用履歴が、予め定められた期間における使用回数であり、予め定められた条件が、予め定められた期間における使用回数が基準回数を超えたという条件であってもよい。或いは、情報処理装置の第2の態様のように、使用履歴が、繰り返し現れる期間のそれぞれにおける使用回数であり、予め定められた条件が、繰り返し現れる期間のうちの使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えたという条件であってもよい。但し、以下では、後者を例にとって説明する。また、以下、情報処理装置の第3の態様の動作を「第3の動作」と呼ぶことにする。
【0016】
ここで、情報処理装置は、画像処理装置、パーソナルコンピュータ等、如何なる装置に適用したものでもよいが、以下では、画像処理装置に適用した場合を例にとって説明する。
【0017】
また、データは、ファイル形式にまとめられたものでも、ファイル形式にまとめられていないものでもよい。以下では、データとしてファイルを例にとって説明する。
【0018】
更に、データに関する情報とは、データに関係する情報であれば、如何なる情報でもよい。例えば、データに関する情報には、データの名称、サイズ、作成日時等の情報がある。
【0019】
更にまた、特定のデータに関する情報が表示される予め定められた位置とは、複数のデータに関する情報を画面に最初に表示した際の予め定められた位置のことをいう。従って、予め定められた位置は、その後のユーザ操作によって画面がスクロールすることで移動してもよいものとする。予め定められた位置は、ファイルのリストの上部、ファイルのリストの下部、ファイルのリストの左右等、何れの位置であってもよいが、以下では、ファイルのリストの上部の位置を例にとって説明する。また、以下では、ファイルのリストの上部に表示することを「ピン留めする」と称することとする。
【0020】
[画像処理装置のハードウェア構成]
図1は、本実施の形態における画像処理装置10のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、画像処理装置10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、画像読取部16と、画像形成部17と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」と表記する)18とを備える。
【0021】
プロセッサ11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
【0022】
RAM12は、プロセッサ11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。ROM13は、プロセッサ11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
【0023】
HDD14は、画像読取部16が読み取った画像データや画像形成部17における画像形成にて用いる画像データ等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。本実施の形態では、HDD14を特にファイルを記憶する親展ボックス等のボックスとして用いることを想定している。ここで、ファイルは、ソフトウェアで作成された文書ファイル、画像読取部16で読み取られたり通信I/F18で受信したりした画像ファイル、この画像ファイルを文書化した文書ファイル等であってよい。
【0024】
操作パネル15は、各種情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。ここで、操作パネル15は、各種情報が表示されるディスプレイと、指やスタイラスペン等の指示手段で指示された位置を検出する位置検出シートとからなる。或いは、タッチパネルに代えて、ディスプレイ及びキーボードを用いてもよい。
【0025】
画像読取部16は、紙等の記録媒体に記録された画像を読み取る。ここで、画像読取部16は、例えばスキャナであり、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のものを用いるとよい。
【0026】
画像形成部17は、紙等の記録媒体に画像を形成する。ここで、画像形成部17は、例えばプリンタであり、感光体に付着させたトナーを記録媒体に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録媒体上に吐出して像を形成するインクジェット方式のものを用いるとよい。
【0027】
通信I/F18は、通信回線を介して他の装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0028】
[情報処理装置の機能構成]
図2は、本実施の形態における情報処理装置20の機能構成例を示したブロック図である。ここで、情報処理装置20は、画像処理装置10のプロセッサ11(図1参照)が、後述する各機能部を実現するプログラムを例えばROM13(図1参照)からRAM12(図1参照)に読み込んで実行することにより、実現される装置として捉えられる。情報処理装置20は、図示するように、操作受付部21と、ファイル取り出し部22と、使用履歴記憶部23と、使用履歴取得部24と、設定情報記憶部25と、ピン留め決定部26と、ピン留め情報記憶部27と、表示制御部28と、ファイル削除部29とを備える。
【0029】
操作受付部21は、操作パネル15上でのユーザ操作を受け付ける。ユーザ操作には、HDD14のボックスに格納されているファイルを取り出す操作、HDD14のボックスに格納されているファイルのリストの表示を要求する操作、HDD14のボックスに格納されているファイルを削除する操作等がある。
【0030】
ファイル取り出し部22は、HDD14のボックスからファイルを選択して取り出すユーザ操作を操作受付部21が受け付けると、選択されたファイルをHDD14から取り出す。ファイル取り出し部22は、例えば、印刷や、他の装置への送信のためにファイルを取り出すことが想定されるが、如何なる処理のためにファイルを取り出してもよい。また、ファイル取り出し部22は、ファイルの取り出しの履歴、つまり、ファイルが使用された履歴である使用履歴を使用履歴記憶部23に記憶する。
【0031】
使用履歴記憶部23は、情報処理装置20が第1の動作又は第2の動作を行う場合、複数のファイルの各ファイルの使用履歴を記憶する。ここで、使用履歴は、各ファイルの使用回数であってもよいし、各ファイルの使用日であってもよい。この場合の使用履歴の詳細については後述する。
【0032】
使用履歴記憶部23は、情報処理装置20が第3の動作を行う場合、複数のファイル種別の各ファイル種別のファイルの使用履歴を記憶する。ここで、使用履歴は、各ファイル種別のファイルの使用回数であってもよいし、各ファイル種別のファイルの使用日であってもよい。この場合の使用履歴の詳細についても後述する。
【0033】
使用履歴取得部24は、情報処理装置20が第1の動作又は第2の動作を行う場合、使用履歴記憶部23から複数のファイルの各ファイルの使用履歴を取得する。本実施の形態では、記憶装置に記憶された複数のデータの使用履歴を把握することの一例として、使用履歴取得部24のこの処理を行っている。
【0034】
使用履歴取得部24は、情報処理装置20が第3の動作を行う場合、使用履歴記憶部23から複数のファイル種別の各ファイル種別のファイルの使用履歴を取得する。本実施の形態では、記憶装置に記憶された複数のデータの種別ごとの使用履歴を把握することの一例として、使用履歴取得部24のこの処理を行っている。
【0035】
設定情報記憶部25は、ピン留め決定部26が各ファイルをピン留めするかどうかを決定する際に参照する設定情報を記憶する。
【0036】
設定情報は、情報処理装置20が第1の動作を行う場合、基準回数を含む。この場合、基準回数とは、ファイルをピン留めするために必要な予め定められた期間内のそのファイルの使用回数である。
【0037】
設定情報は、情報処理装置20が第2の動作又は第3の動作を行う場合、ピン留め期間と、基準回数と、基準期間数とを含む。ピン留め期間とは、ファイルをピン留めする期間である。ピン留め期間は、例えば毎月の決まった日や毎週の決まった曜日のように、繰り返し現れることを想定する。基準回数とは、情報処理装置20が第2の動作を行う場合、ファイルをピン留めするために必要なピン留め期間内のそのファイルの使用回数であり、情報処理装置20が第3の動作を行う場合、ファイルをピン留めするために必要なピン留め期間内のそのファイルのファイル種別の使用回数である。基準期間数とは、情報処理装置20が第2の動作を行う場合、ファイルをピン留めするために必要な、ピン留め期間内のそのファイルの使用回数が基準回数以上となったピン留め期間の数であり、情報処理装置20が第3の動作を行う場合、ファイルをピン留めするために必要な、ピン留め期間内のそのファイルのファイル種別の使用回数が基準回数以上となったピン留め期間の数である。
【0038】
また、設定情報記憶部25は、ファイル又はファイル種別に関係なく一律のピン留め期間、基準回数、基準期間数を記憶してもよいが、ファイル又はファイル種別ごとに異なるピン留め期間、基準回数、基準期間数を記憶してもよい。
【0039】
更に、設定情報は、ピン留めすべきファイルをHDD14に格納した処理の種類、ピン留めすべきファイルの識別情報、ピン留めすべき日時、ピン留めすべきファイルの使用目的等を含んでもよい。
【0040】
ピン留め決定部26は、情報処理装置20が第1の動作又は第2の動作を行う場合、使用履歴取得部24が取得したファイルの使用履歴が予め定められた条件を満たすファイルをピン留めすると判定し、そのファイルをリストの上部に固定表示させるための情報をピン留め情報記憶部27に記憶する。本実施の形態では、複数のデータに関する情報の一例として、ファイルのリストを用いており、使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータの一例として、使用履歴が予め定められた条件を満たすファイルを用いている。また、本実施の形態では、複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、特定のデータに関する情報を、画面の予め定められた位置に表示するように制御することの一例として、ピン留め決定部26のこの処理を行っている。
【0041】
具体的には、ピン留め決定部26は、情報処理装置20が第1の動作を行う場合、ファイルの予め定められた期間内の使用回数が基準回数を超えれば、そのファイルをピン留めすると判定する。ここで、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めした後に、ピン留め期間内に限り、そのファイルをピン留めして表示することとしてもよい。
【0042】
また、ピン留め決定部26は、情報処理装置20が第2の動作を行う場合、ファイルの使用回数が基準回数以上となったピン留め期間の数が基準期間数を超えれば、そのファイルをピン留めすると判定する。ここで、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めした後に、ピン留め期間内に限り、そのファイルをピン留めして表示することとしてもよい。本実施の形態では、繰り返し現れる期間のうちの特定の期間の一例として、ピン留めが行われた後のピン留め期間を用いている。また、本実施の形態では、繰り返し現れる期間のうちの使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えた場合に、特定の期間において、特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示するように制御することの一例として、ピン留め決定部26のこの処理を行っている。
【0043】
ピン留め決定部26は、情報処理装置20が第3の動作を行う場合、使用履歴取得部24が取得したファイル種別の使用履歴が予め定められた条件を満たすファイル種別のファイルをピン留めすると判定し、そのファイルをリストの上部に固定表示させるための情報をピン留め情報記憶部27に記憶する。本実施の形態では、複数のデータに関する情報の一例として、ファイルのリストを用いており、使用履歴が予め定められた条件を満たす特定の種別のデータの一例として、使用履歴が予め定められた条件を満たすファイル種別のファイルを用いている。また、本実施の形態では、複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、特定の種別のデータに関する情報を、画面の予め定められた位置に表示するように制御することの一例として、ピン留め決定部26のこの処理を行っている。
【0044】
具体的には、ピン留め決定部26は、この場合、ファイルの使用回数が基準回数以上となったピン留め期間の数が基準期間数を超えれば、そのファイルをピン留めすると判定する。ここで、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めした後に、ピン留め期間内に限り、そのファイルをピン留めして表示することとしてもよい。本実施の形態では、繰り返し現れる期間のうちの特定の期間の一例として、ピン留めが行われた後のピン留め期間を用いている。また、本実施の形態では、繰り返し現れる期間のうちの使用回数が基準回数以上となった期間の数が基準期間数を超えた場合に、特定の期間において、特定の種別のデータに関する情報を予め定められた位置に表示するように制御することの一例として、ピン留め決定部26のこの処理を行っている。
【0045】
また、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めした後に、そのファイルをピン留めして表示する状態を解除するようにしてもよい。この解除するための条件としては、次の3つが考えられる。
【0046】
第一に、ユーザが指示したという条件である。この場合、ピン留め決定部26は、ユーザにより指示されたらピン留めして表示する状態を解除する。
【0047】
第二に、ファイルをピン留めした後、次回以降のピン留め期間にそのファイルが予め定められた回数使用されたという条件である。ファイルがピン留め期間内に予め定められた回数使用されることによりピン留めされたとする。例えば、ファイルが、月末に1回使用されることにより又は月末に2回使用されることにより、ピン留めされた、といった場合である。この場合、ピン留め決定部26は、次回以降のピン留め期間にそのファイルがその回数使用されれば、ピン留めして表示する状態を解除するとよい。これは、特定の期間における使用回数が基準回数以上となった場合に、特定の期間において、特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示するように制御する状態を解除することの一例である。
【0048】
第三に、ファイルをピン留めした後、ピン留め期間が終了したという条件である。ファイルがピン留め期間内に予め定められた回数使用されることによりピン留めされたとする。例えば、ファイルが、月末に1回使用されることにより又は月末に2回使用されることにより、ピン留めされた、といった場合である。この場合、ピン留め決定部26は、ピン留め期間が終了すれば、ピン留めして表示する状態を解除するとよい。これは、特定の期間が終了した場合に、特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示するように制御する状態を解除することの一例である。
【0049】
更に、ピン留め決定部26は、ファイルがピン留め期間内に予め定められた回数使用されることによりピン留めされた場合に、ファイルがその期間内に使用されなかったら次からはピン留めしないようにしてもよい。例えば、数か月間、月末に1回ファイルが使用されていたので、月末にそのファイルがピン留めされていたが、ある時点で、ピン留めしたファイルが使用されなくなったので、次の月末からはそのファイルがピン留めされない、といった場合である。これは、特定の期間における使用回数が基準回数以上とならなかった場合に、繰り返し現れる期間のうちの特定の期間の次の期間において、特定のデータに関する情報を予め定められた位置に表示するように制御しないことの一例である。
【0050】
また、ピン留め決定部26は、重要なファイルはHDD14に格納された際にピン留めするようにしてもよい。重要なファイルとしては、例えば、ピン留め決定部26は、ファクス親展受信で送られてきたファイルはHDD14に格納された際にピン留めしてもよい。
【0051】
また、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めするかどうかの判断を、そのファイルが格納されたボックスを所有するユーザによって異なるようにしてもよいし、全てのユーザについて同じにしてもよい。
【0052】
また、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めするかどうかの判断を、そのファイルが如何なる処理のために取り出されたかによって変えてもよい。例えば、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めするかどうかの判断を、そのファイルが印刷のために取り出された場合と、そのファイルが他の装置への送信のために取り出された場合とで、異なるようにしてもよい。
【0053】
また、ピン留め決定部26は、ファイルが格納されたHDD14のボックスを個人が所有する場合にのみ、そのファイルをピン留めするようにしてもよい。つまり、ファイルが格納されたHDD14のボックスを複数のユーザが共有する場合には、ユーザの指示がない限り、そのファイルをピン留めしないようにしてもよい。
【0054】
また、ピン留め決定部26は、ファイルをピン留めするかどうかを、ファイルの属性、画像処理装置10の種類等を組み合わせて判断してもよい。例えば、他の画像処理装置とボックスを共有している場合に、よく印刷するファイルが高画質でページが多いものであり、かつ、画像処理装置10がハイクラスの装置であれば、ファイルをピン留めこととしてもよい。
【0055】
ピン留め情報記憶部27は、ファイルをピン留めするかどうか、つまり、ファイルをリストの上部に固定表示するかどうかを示すピン留め情報を記憶する。このピン留め情報の詳細については後述する。
【0056】
表示制御部28は、HDD14のボックスに格納されているファイルのリストの表示を要求するユーザ操作を操作受付部21が受け付けた場合に、ファイルのリストを操作パネル15に表示するように制御する。その際、表示制御部28は、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報でピン留めすることが指定されているファイルについては、ピン留めした状態で、つまり、リストの上部に固定した状態で表示するように制御する。
【0057】
また、表示制御部28は、ファイルの使用履歴が予め定められた条件を満たすことによりファイルをピン留めしたことが分かるメッセージ、アイコン等を、リスト上のピン留めしたファイルに関連付けて表示するように制御してもよい。例えば、表示制御部28は、ファイルの使用履歴が予め定められた条件を満たすことによりピン留めしたファイルに対して表示するアイコンを、ユーザの指示によりピン留めしたファイルに対して表示するアイコンとは異なるものとしてよい。
【0058】
更に、表示制御部28は、ファイルをピン留めするかどうかの判断に複数の条件を使用する場合、それらの条件に優先度を設定し、優先度別に表示するように制御してもよい。例えば、表示制御部28は、ファイルの使用履歴がある条件を満たすことによりピン留めしたファイルに対して表示するアイコンを、ファイルの使用履歴がその条件とは優先度が異なる別の条件を満たすことによりピン留めしたファイルに対して表示するアイコンとは異なるものとしてよい。
【0059】
更にまた、表示制御部28は、リスト上のピン留めしたファイルに関連付けて、そのファイルの使用目的が分かる文字列を表示するように制御してもよい。
【0060】
ファイル削除部29は、HDD14のボックスに格納されているファイルを削除するユーザ操作を操作受付部21が受け付けた場合に、そのファイルを削除する。或いは、ファイル削除部29は、HDD14のボックスを削除するユーザ操作を操作受付部21が受け付けた場合に、そのボックスを削除する。その際、ファイル削除部29は、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報を参照して、ピン留めすることが指定されているファイルやそのようなファイルが格納されたボックスについては、削除に制限をかけるようにしてもよい。例えば、ファイル削除部29は、ファイルやボックスを削除する際に、ピン留めされている旨を知らせてこのまま削除してよいかを問い合わせる警告画面を表示するとよい。また、ファイル削除部29は、画像処理装置10の管理者が削除対象のボックスを所有している場合には、削除できない旨を表示して削除しないようにしてもよい。更に、ファイル削除部29は、ユーザごとにピン留めするかどうかを判断する場合において、ピン留めすると判断したユーザのみ、又はそのユーザと画像処理装置10の管理者のみが削除できるようにしてもよい。本実施の形態では、特定のデータの削除が要求された場合に、削除を禁止又は制限することの一例として、ファイル削除部29の処理を行っている。
【0061】
[情報処理装置の第1の動作]
第1の動作では、設定情報記憶部25が、基準回数を含む設定情報を記憶する。上述したように、基準回数とは、ファイルをピン留めするために必要な予め定められた期間内のそのファイルの使用回数である。ここでは、基準回数を「9」とする。
【0062】
まず、ユーザがHDD14のボックスからファイルを選択する操作を行うと、操作受付部21が、この操作を受け付ける。
【0063】
図3は、ファイルを選択する操作を行うためのファイル選択画面310の例を示した図である。ここでは、太枠で囲んで示すように、行311のファイル「請求書A」が選択されている。
【0064】
これにより、ファイル取り出し部22が、選択されたファイルをHDD14のボックスから取り出す。そして、ファイル取り出し部22は、HDD14のボックスからファイルを取り出したことにより、使用履歴記憶部23に記憶された使用履歴410を更新する。
【0065】
図4は、このように更新された後の使用履歴410の一例を示した図である。図示するように、使用履歴410は、ファイルID、ファイル名、使用回数等を対応付けたものである。ファイルIDは対応するファイルの識別情報であり、ファイル名は対応するファイルの名前であり、使用回数は対応するファイルが予め定められた期間内に取り出された回数である。ここでは、図3でファイル「請求書A」が取り出される前、その使用回数が「9」であったとする。これに、ファイル「請求書A」が取り出されることによって「1」が加算され、使用回数は「10」となっている。
【0066】
次に、使用履歴取得部24が、各ファイルの使用履歴を取得する。そして、使用履歴取得部24は、各ファイルの使用履歴をピン留め決定部26に受け渡す。
【0067】
これにより、ピン留め決定部26は、各ファイルについて、使用履歴取得部24から受け取った使用履歴における使用回数と、設定情報記憶部25に記憶された基準回数とを比較する。ピン留め決定部26は、この比較結果に基づいて、各ファイルをピン留めするかどうかを決定し、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報510を更新する。
【0068】
図5は、このように更新された後のピン留め情報510の一例を示した図である。図示するように、ピン留め情報510は、ファイルID、ファイル名、ピン留めフラグ等を対応付けたものである。上述した通り、ファイルIDは対応するファイルの識別情報であり、ファイル名は対応するファイルの名前である。ピン留めフラグは、対応するファイルをピン留めすることを示すフラグであり、ピン留めすることを「ON」で表し、ピン留めしないことを「OFF」で表す。ここでは、ファイル「請求書A」に対応する使用回数が「10」となっており、基準回数「9」を超えているので、ファイル「請求書A」に対応するピン留めフラグが「ON」になっている。
【0069】
次いで、ユーザがHDD14のボックスに格納されたファイルのリストの表示を要求する操作を行うと、操作受付部21が、この操作を受け付ける。
【0070】
これにより、表示制御部28は、HDD14のボックスに格納されたファイルのリストを操作パネル15に表示するように制御する。その際、表示制御部28は、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報を参照して、ピン留めフラグが「ON」になっているファイルをピン留めする。つまり、表示制御部28は、ピン留めフラグが「ON」になっているファイルをリストの上部に移動して固定表示し、ピン留めしたことを示すアイコンを表示するように制御する。
【0071】
図6は、ファイルのリストを表示するファイルリスト画面610の例を示した図である。ここでは、太枠で囲んで示すように、行611のファイル「請求書A」がリストの上部に表示され、ピン留めしたことを示すアイコン612が表示されている。
【0072】
[情報処理装置の第2の動作]
第2の動作では、設定情報記憶部25が、ピン留め期間と、基準回数と、基準期間数とを含む設定情報を記憶する。上述したように、ピン留め期間とは、ファイルをピン留めする期間である。基準回数とは、ファイルをピン留めするために必要なピン留め期間内のそのファイルの使用回数である。基準期間数とは、ファイルをピン留めするために必要な、ピン留め期間内のそのファイルの使用回数が基準回数以上となったピン留め期間の数である。ここでは、ピン留め期間を毎月25日~31日とし、基準回数を「1」とし、基準期間数を「3」とする。
【0073】
まず、ユーザがHDD14のボックスからファイルを選択する操作を行うと、操作受付部21が、この操作を受け付ける。尚、ファイルを選択する操作を行うためのファイル選択画面は、図3に示したものと同じなので、説明を省略する。
【0074】
これにより、ファイル取り出し部22が、選択されたファイルをHDD14のボックスから取り出す。そして、ファイル取り出し部22は、HDD14のボックスからファイルを取り出したことにより、使用履歴記憶部23に記憶された使用履歴420を更新する。
【0075】
図7は、このように更新された後の使用履歴420の一例を示した図である。図示するように、使用履歴420は、使用日、ファイルID、ファイル名等を対応付けたものである。使用日は対応するファイルが取り出された日付であり、ファイルIDは対応するファイルの識別情報であり、ファイル名は対応するファイルの名前である。ここでは、図3で取り出されたファイル「請求書A」の使用履歴のみを示している。つまり、ファイル「請求書A」の使用履歴の間には、ファイル「申請書B」、「請求書B」、「メモ」、「申請書A」の使用履歴が存在する可能性があるが、これらの使用履歴はピン留めするための条件を満たさないものとして、図示を省略している。
【0076】
次に、使用履歴取得部24が、各ファイルの使用履歴を取得する。そして、使用履歴取得部24は、各ファイルの使用履歴をピン留め決定部26に受け渡す。
【0077】
これにより、ピン留め決定部26は、各ファイルについて、設定情報記憶部25に記憶されたピン留め期間のうち、使用履歴取得部24から受け取った使用日がピン留め期間内の使用履歴を含むピン留め期間の数と、設定情報記憶部25に記憶された基準期間数とを比較する。ピン留め決定部26は、この比較結果に基づいて、各ファイルをピン留めするかどうかを決定し、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報520を更新する。
【0078】
図8は、このように更新された後のピン留め情報520の一例を示した図である。図示するように、ピン留め情報520は、ファイルID、ファイル名、ピン留めフラグ、ピン留め日、一時解除フラグ等を対応付けたものである。上述した通り、ファイルIDは対応するファイルの識別情報であり、ファイル名は対応するファイルの名前である。ピン留めフラグは、対応するファイルをピン留めすることを示すフラグであり、ピン留めすることを「ON」で表し、ピン留めしないことを「OFF」で表す。ピン留め日は、ピン留めフラグが「ON」になっている場合における「ON」になった日付である。一時解除フラグは、対応するファイルをピン留めすることになっているがピン留めが一時的に解除されていることを示すフラグであり、一時的に解除されていることを「ON」で表し、一時的に解除されていないことを「OFF」で表す。ここでは、毎月25日~31日の期間のうち、ファイル「請求書A」が1回以上取り出された期間の数が「4」となっており、基準期間数「3」を超えているので、ファイル「請求書A」に対応するピン留めフラグが「ON」になっている。
【0079】
ここで、使用履歴取得部24から1つのファイルの使用履歴を受け渡されることにより、このファイルについてピン留めするかどうかを決定する際のピン留め決定部26の動作について説明する。
【0080】
図9は、このときのピン留め決定部26の動作例を示したフローチャートである。尚、この動作は、使用履歴取得部24から定期的にファイルの使用履歴を受け渡されることにより実行されるものとする。また、以下では、使用履歴取得部24から使用履歴を受け渡されたファイルを「対象ファイル」と呼ぶことにする。
【0081】
図示するように、ピン留め決定部26は、まず、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報を参照して、対象ファイルに対応するピン留めフラグが「ON」になっているかどうかを判定する(ステップ201)。
【0082】
まず、ステップ201で対象ファイルに対応するピン留めフラグが「ON」になっていると判定されなかった場合、つまり、「OFF」になっていると判定された場合について説明する。
【0083】
この場合、ピン留め決定部26は、現在日付が、設定情報記憶部25に記憶されたピン留め期間内であるかどうかを判定する(ステップ202)。
【0084】
ステップ202で現在日時がピン留め期間内であると判定すれば、ピン留め決定部26は、対象ファイルの使用回数が基準回数以上となったピン留め期間の数をカウントする(ステップ203)。ここで、対象ファイルの使用回数は、使用履歴取得部24から受け渡された対象ファイルの使用履歴から取得するとよい。また、ピン留め期間は、設定情報記憶部25に記憶された設定情報から取得するとよい。そして、ピン留め決定部26は、ステップ203でカウントされたピン留め期間の数が、設定情報記憶部25に記憶された基準期間数を超えているかどうかを判定する(ステップ204)。
【0085】
ステップ204でピン留め期間の数が基準期間数を超えていると判定すれば、ピン留め決定部26は、ピン留め情報記憶部27に記憶された対象ファイルのピン留め情報において、ピン留めフラグを「ON」にし(ステップ205)、一時解除フラグを「OFF」にし(ステップ206)、処理を終了する。
【0086】
一方、ステップ202で現在日時がピン留め期間内であると判定しなかった場合や、ステップ204でピン留め期間の数が基準期間数を超えていると判定しなかった場合、ピン留め決定部26は、対象ファイルに対応するピン留めフラグを「ON」にすることなく、処理を終了する。
【0087】
次に、ステップ201で対象ファイルに対応するピン留めフラグが「ON」になっていると判定された場合について説明する。
【0088】
この場合、ピン留め決定部26は、現在日付が、設定情報記憶部25に記憶されたピン留め期間内であるかどうかを判定する(ステップ207)。
【0089】
ステップ207で現在日時がピン留め期間内であると判定すれば、ピン留め決定部26は、そのピン留め期間が、ピン留め日を含むかどうかを判定する(ステップ208)。ここで、ピン留め日は、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報から取得するとよい。
【0090】
ステップ208でそのピン留め期間がピン留め日を含むと判定すれば、ピン留め決定部26は、処理を終了する。ピン留めが行われたピン留め期間においては、そのピン留め期間が終了するまでピン留めをしておくのが好ましいからである。
【0091】
ステップ208でそのピン留め期間がピン留め日を含むと判定しなければ、ピン留め決定部26は、そのピン留め期間内の対象ファイルの使用回数をカウントする(ステップ209)。ここで、対象ファイルの使用回数は、使用履歴取得部24から受け渡された対象ファイルの使用履歴から取得するとよい。そして、ピン留め決定部26は、ステップ209でカウントされた対象ファイルの使用回数が、設定情報記憶部25に記憶された基準回数以上であるかどうかを判定する(ステップ210)。
【0092】
ステップ210で対象ファイルの使用回数が基準回数以上であると判定すれば、ピン留め決定部26は、ピン留め情報記憶部27に記憶された対象ファイルのピン留め情報において、一時解除フラグを「ON」にし(ステップ211)、処理を終了する。
【0093】
ステップ210で対象ファイルの使用回数が基準回数以上であると判定しなければ、ピン留め決定部26は、一時解除フラグを「ON」にすることなく、処理を終了する。
【0094】
一方、ステップ207で現在日時がピン留め期間内であると判定しなければ、ピン留め決定部26は、ピン留め情報記憶部27に記憶された対象ファイルのピン留め情報において、一時解除フラグを「ON」にする(ステップ212)。また、ピン留め決定部26は、前回のピン留め期間内の対象ファイルの使用回数をカウントする(ステップ213)。ここで、前回の対象ファイルの使用回数は、使用履歴取得部24から受け渡された対象ファイルの使用履歴から取得するとよい。そして、ピン留め決定部26は、ステップ213でカウントされた対象ファイルの使用回数が、設定情報記憶部25に記憶された基準回数以上であるかどうかを判定する(ステップ214)。
【0095】
ステップ214で対象ファイルの使用回数が基準回数以上であると判定しなければ、ピン留め決定部26は、ピン留め情報記憶部27に記憶された対象ファイルのピン留め情報において、ピン留めフラグを「OFF」とし(ステップ215)、処理を終了する。
【0096】
ステップ214で対象ファイルの使用回数が基準回数以上であると判定すれば、ピン留め決定部26は、ピン留めフラグを「OFF」にすることなく、処理を終了する。
【0097】
その後、ユーザがHDD14のボックスに格納されたファイルのリストの表示を要求する操作を行うと、操作受付部21が、この操作を受け付ける。
【0098】
これにより、表示制御部28が、HDD14のボックスに格納されたファイルのリストを操作パネル15に表示するように制御する。その際、表示制御部28は、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報を参照して、ピン留めフラグが「ON」になっているファイルをピン留めする。つまり、表示制御部28は、ピン留めフラグが「ON」になっているファイルをリストの上部に移動して固定表示し、ピン留めしたことを示すアイコンを表示するように制御する。尚、ファイルのリストを表示するファイルリスト画面は、図6に示したものと同じなので、説明を省略する。
【0099】
[情報処理装置の第3の動作]
第2の動作では、ピン留めするかどうかをファイルごとに判断したが、第3の動作では、ピン留めするかどうかをファイルの種別ごとに判断する。ファイルの種別は、画像読取装置等でフォームの内容を読み取って判断するとよい。第3の動作でも、設定情報記憶部25が、ピン留め期間と、基準回数と、基準期間数とを含む設定情報を記憶する。ピン留め期間は、第2の動作と同じである。一方で、基準回数及び基準期間数は、第2の動作と異なる。基準回数は、ファイルをピン留めするために必要なピン留め期間内のそのファイルのファイル種別の使用回数である。基準期間数は、ファイルをピン留めするために必要な、ピン留め期間内のそのファイルのファイル種別の使用回数が基準回数以上となったピン留め期間の数である。ここでは、ピン留め期間を毎月25日~31日とし、基準回数を「2」とし、基準期間数を「3」とする。
【0100】
まず、ユーザがHDD14のボックスからファイルを選択する操作を行うと、操作受付部21が、この操作を受け付ける。尚、ファイルを選択する操作を行うためのファイル選択画面は、図3に示したものと同じなので、説明を省略する。
【0101】
これにより、ファイル取り出し部22が、選択されたファイルをHDD14のボックスから取り出す。そして、ファイル取り出し部22は、HDD14のボックスからファイルを取り出したことにより、使用履歴記憶部23に記憶された使用履歴430を更新する。
【0102】
図10は、このように更新された後の使用履歴430の一例を示した図である。図示するように、使用履歴430は、使用日、ファイルID、ファイル名、ファイル種別ID等を対応付けたものである。使用日は対応するファイルが取り出された日付であり、ファイルIDは対応するファイルの識別情報であり、ファイル名は対応するファイルの名前であり、ファイル種別IDは対応するファイルの種別の識別情報である。ここでは、図3で取り出されたファイル「請求書A」、及び、同じ請求書であるファイル「請求書B」の使用履歴のみを示している。つまり、ファイル「請求書A」、「請求書B」の使用履歴の間には、ファイル「申請書B」、「メモ」、「申請書A」の使用履歴が存在する可能性があるが、これらの使用履歴はピン留めするための条件を満たさないものとして、図示を省略している。
【0103】
次に、使用履歴取得部24が、各ファイル種別の使用履歴を取得する。そして、使用履歴取得部24は、各ファイル種別の使用履歴をピン留め決定部26に受け渡す。
【0104】
これにより、ピン留め決定部26は、各ファイル種別について、設定情報記憶部25に記憶されたピン留め期間のうち、使用履歴取得部24から受け取った使用日がピン留め期間内の使用履歴を2つ以上含むピン留め期間の数と、設定情報記憶部25に記憶された基準期間数とを比較する。ピン留め決定部26は、この比較結果に基づいて、各ファイル種別のファイルをピン留めするかどうかを決定し、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報530を更新する。
【0105】
図11は、このように更新された後のピン留め情報530の一例を示した図である。図示するように、ピン留め情報530は、ファイルID、ファイル名、ファイル種別ID、ピン留めフラグ、ピン留め日、一時解除フラグ等を対応付けたものである。上述した通り、ファイルIDは対応するファイルの識別情報であり、ファイル名は対応するファイルの名前であり、ファイル種別IDは対応するファイルの種別の識別情報である。ピン留めフラグは、対応するファイルをピン留めすることを示すフラグであり、ピン留めすることを「ON」で表し、ピン留めしないことを「OFF」で表す。ピン留め日は、ピン留めフラグが「ON」になっている場合における「ON」になった日付である。一時解除フラグは、対応するファイルをピン留めすることになっているがピン留めが一時的に解除されていることを示すフラグであり、一時的に解除されていることを「ON」で表し、一時的に解除されていないことを「OFF」で表す。ここでは、毎月25日~31日の期間のうち、ファイル種別が請求書のファイルが2回以上取り出された期間の数が「4」となっており、基準期間数「3」を超えているので、ファイル種別が請求書のファイルに対応するピン留めフラグが「ON」になっている。
【0106】
ここで、使用履歴取得部24から1つのファイル種別の使用履歴を受け渡されることにより、このファイル種別のファイルについてピン留めするかどうかを決定する際のピン留め決定部26の動作は、図9に示したフローチャートの動作と基本的には同じである。即ち、第2の動作では、1つのファイルに対して図9のフローチャートの動作を行ったが、第3の動作例では、1つのファイル種別の複数のファイルのそれぞれに対して図9のフローチャートの動作を行えばよい。
【0107】
その後、ユーザがHDD14のボックスに格納されたファイルのリストの表示を要求する操作を行うと、操作受付部21が、この操作を受け付ける。
【0108】
これにより、表示制御部28が、HDD14のボックスに格納されたファイルのリストを操作パネル15に表示するように制御する。その際、表示制御部28は、ピン留め情報記憶部27に記憶されたピン留め情報を参照して、ピン留めフラグが「ON」になっているファイルをピン留めする。つまり、表示制御部28は、ピン留めフラグが「ON」になっているファイルをリストの上部に移動して固定表示し、ピン留めしたことを示すアイコンを表示するように制御する。
【0109】
図12は、ファイルのリストを表示するファイルリスト画面630の例を示した図である。ここでは、太枠で囲んで示すように、行631のファイル「請求書B」及び行633のファイル「請求書A」がリストの上部に表示され、ピン留めしたことを示すアイコン632,634が表示されている。尚、このファイルリスト画面630は、ユーザがピン留め期間内にログインした際に表示するようにしてもよい。
【0110】
[プロセッサ]
本実施の形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0111】
また、本実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施の形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0112】
[プログラム]
本実施の形態における情報処理装置20が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。
【0113】
即ち、本実施の形態を実現するプログラムは、コンピュータに、記憶装置に記憶された複数のデータの使用履歴を把握する機能と、複数のデータに関する情報を画面に初期表示する際に、使用履歴が予め定められた条件を満たす特定のデータに関する情報を、画面の予め定められた位置に表示するように制御する機能とを実現させるためのプログラムとして捉えられる。
【0114】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0115】
10…画像処理装置、20…情報処理装置、21…操作受付部、22…ファイル取り出し部、23…使用履歴記憶部、24…使用履歴取得部、25…設定情報記憶部、26…ピン留め決定部、27…ピン留め情報記憶部、28…表示制御部、29…ファイル削除部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12