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  • 特許-ロータ及びそれを備える減速装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ロータ及びそれを備える減速装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/278 20220101AFI20241022BHJP
【FI】
H02K1/278
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021018629
(22)【出願日】2021-02-08
(65)【公開番号】P2022121332
(43)【公開日】2022-08-19
【審査請求日】2024-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 智哉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 利幸
(72)【発明者】
【氏名】胡 亞波
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-103759(JP,A)
【文献】特開2012-095401(JP,A)
【文献】特開2013-021826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0239749(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0313480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸に沿って延びるシャフトと、
前記シャフトを囲む筒状のロータコアと、
前記ロータコアの径方向外側に配置され、周方向に配列された複数のマグネットと、
を備え、
前記ロータコアは、径方向内面上に径方向外側に凹む複数の第1凹部が、周方向に配列され、
各前記第1凹部は、各前記マグネットとそれぞれ径方向に重なり、
前記ロータコアの径方向内側に配置され、前記ロータコアと前記シャフトとを連結する連結部材をさらに備え、
前記ロータコアの径方向内面から径方向内側に突出する雄部と、前記連結部材の径方向外面から径方向内側に凹み、前記雄部を収容する雌部と、を有し、
前記雄部は、前記ロータコアの径方向内面における、周方向に隣接する一対の前記第1凹部の周方向中心部分に形成された凸状の部分に設けられている、ロータ。
【請求項2】
2つの前記雄部を備え、
2つの前記雄部は、径方向に対向して設けられている、請求項1に記載のロータ
【請求項3】
各前記第1凹部の周方向の中心は、各前記マグネットの周方向の中心とそれぞれ径方向に重なる、請求項1又は請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1凹部は、径方向外側に湾曲して凹み、周方向に線対称に形成される、請求項1~請求項3のいずれかに記載のロータ。
【請求項5】
前記第1凹部の径方向の深さは、前記ロータコアの径方向外面と前記第1凹部の径方向外端との径方向における距離よりも大きい、請求項1~請求項のいずれかに記載のロータ。
【請求項6】
前記第1凹部の径方向の深さは、前記マグネットの径方向における厚みの最大値よりも小さい、請求項1~請求項のいずれかに記載のロータ。
【請求項7】
前記ロータコアは、径方向外面上に径方向内側に凹む複数の第2凹部が、周方向に配列され、
各前記第2凹部は、各前記マグネットとそれぞれ径方向に重なる、請求項1~請求項のいずれかに記載のロータ。
【請求項8】
前記第2凹部の周方向の長さは、前記マグネットの周方向の長さの半分以下である、請求項に記載のロータ。
【請求項9】
前記第2凹部の径方向の深さは、前記第1凹部の径方向の深さよりも小さい、請求項又は請求項に記載のロータ。
【請求項10】
前記第2凹部に収容される接着剤を有し、
前記接着剤は、前記マグネットと前記ロータコアとを接着する、請求項~請求項のいずれかに記載のロータ。
【請求項11】
記連結部材は、径方向外面から径方向外側に突出して周方向に配列された複数の凸部を有し、
各前記凸部は、各前記第1凹部に嵌め合う、請求項1~請求項10のいずれかに記載のロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ及びそれを備える減速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のロータは、シャフトと、ロータコアと、マグネットと、を備える。ロータコアは、シャフトを囲み筒状に形成される。マグネットは、ロータコアの径方向外側に配置され、周方向に複数配列される。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-37954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のロータでは、ロータコアの重量が大きく、ロータの回転効率が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は、回転効率を向上できるロータ及びそれを備える減速装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なロータは、シャフトと、筒状のロータコアと、複数のマグネットと、を備える。シャフトは、中心軸に沿って延びる。ロータコアは、シャフトを囲む。複数のマグネットは、ロータコアの径方向外側に配置され、周方向に配列される。ロータコアは、径方向内面上に径方向外側に凹む複数の第1凹部が、周方向に配列される。各第1凹部は、各マグネットとそれぞれ径方向に重なる。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、回転効率を向上できるロータ及びそれを備える減速装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る減速装置の斜視図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係るモータの縦断面斜視図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係るモータの横断面斜視図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係るロータの一部を拡大して示す模式的な縦断面図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態に係るロータの一部を拡大して示す模式的な横断面図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係るロータの一部を拡大して示す模式的な横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書では、減速装置100において、シャフト11の回転軸を「中心軸C」と呼び、中心軸Cと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。また、シャフト11の中心軸Cに直交する方向を「径方向」、シャフト11の中心軸Cを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ呼ぶ。また、本願では、軸方向を上下方向とし、各部の形状や位置関係を説明する。なお、上下方向は単に説明のために用いられる呼称であり減速装置100における実際の位置関係及び方向を限定しない。
【0010】
<第1実施形態>
<1.減速装置の全体構成>
本発明の例示的な実施形態の減速装置について以下説明する。図1は、本実施形態にかかる減速装置100の斜視図である。なお、図1中において、減速装置100の外殻であるハウジングは図示しない。
【0011】
減速装置100は、第1回転数の回転運動を第1回転数よりも低い第2回転数の回転運動に変換する。減速装置100は、例えば、電動アシスト自転車の駆動機構に、組み込まれて使用される。ただし、本発明の減速装置100は、他の用途に使用されるものであってもよい。
【0012】
減速装置100は、後述するロータ10と、シャフト11に連結された入力ギヤ(ギヤ)101と、を有する。具体的には、ロータ10を備えるモータ1と、入力ギヤ(ギヤ)101、中間ギヤ102、103、104、105と、出力ギヤ106と、ハウジング(不図示)と、を有する。ハウジングは、内部にモータ1と、入力ギヤ101と、中間ギヤ102、103、104、105と、出力ギヤ106と、を収容する。入力ギヤ101は、後述するモータ1のシャフト11に接続され、シャフト11とともに中心軸Cを中心に回転する。
【0013】
出力ギヤ106は、出力軸Jを中心に回転する。入力ギヤ101と出力ギヤ106とは、中間ギヤ102、103、104、105を介して接続される。
【0014】
モータ1から出力されるトルクは、入力ギヤ101、中間ギヤ102、103、104、105、出力ギヤ106をこの順に介して伝達される。各ギヤのギヤ比及びギヤの個数等は、必要とされる減速比に応じて種々変更可能である。例えば、電動アシスト自転車の駆動機構に組み込まれて使用される減速装置100において、出力ギヤ106は、出力軸Jを中心に回転するクランクシャフト107の周囲に配置される。クランクシャフト107にはスプロケット(不図示)が連結され、スプロケットに接続されたチェーン(不図示)を回すことにより、車輪が回転する。クランクシャフトは、ペダルに連結され、出力ギヤ106の回転により、ペダルの踏力を補助できる。
【0015】
<2.モータの構成>
図2図3は、モータ1の縦断面斜視図及び横断面斜視図である。図4は、ロータ10の一部を拡大して示す模式的な縦断面図である。モータ1は、ロータ10と、ステータ20と、を備える。
【0016】
<2-1.ロータの構成>
ロータ10は、上下方向に延びる中心軸C周りに回転可能である。ロータ10は、シャフト11と、ロータコア12と、連結部材13と、複数のマグネット14と、カバー部材15と、を有する。
【0017】
<2-1-1.シャフトの構成>
シャフト11は、中心軸Cに沿って延びる柱状の金属部材である。シャフト11は、環状部111を有する。環状部111は、シャフト11の径方向外面上に突出して設けられる。環状部111は、軸方向に貫通するネジ孔111aを有する。ネジ孔111aは、周方向に略等間隔で複数配列される。
【0018】
シャフト11は、ベアリング(不図示)を介して回転可能に支持される。ベアリングは、例えば、ボールベアリングが用いられる。なお、ボールベアリングに代えて、例えば、すべり軸受や流体動圧軸受等が、使用されてもよい。
【0019】
<2-1-2.ロータコアの構成>
ロータコア12は、環状の電磁鋼板を軸方向に複数積層して筒状に形成され、中央に軸方向に延びる貫通孔12aを有する。貫通孔12aの内部に連結部材13及びシャフト11が、配置され、ロータコア12は、連結部材13及びシャフト11を囲む。
【0020】
ロータコア12は、突起部121と、雄部123と、を有する。突起部121は、ロータコア12の径方向外面から径方向外側に突出し、軸方向に延びる。突起部121は、周方向に略等間隔で複数配列される(図3参照)。
【0021】
また、ロータコア12は、径方向内面上に径方向外側に凹む複数の第1凹部122が、周方向に略等間隔で配列される。第1凹部122を設けることにより、ロータコア12を軽量化し、ロータ10の回転効率を向上できる。なお、第1凹部122の詳しい形状については後で詳細に説明する。
【0022】
雄部123は、ロータコア12の径方向内面から径方向内側に突出し、径方向に対向して2箇所設けられる。
【0023】
<2-1-3.連結部材の構成>
連結部材13は、ロータコア12の径方向内側に配置され、ロータコア12とシャフト11とを連結する。連結部材13は、胴部131と、フランジ部132と、固定部133と、を有する。胴部131は、シャフト11を囲み、筒状に形成される。胴部131は、雌部131aを有する(図3参照)。雌部131aは、径方向外面から径方向内側に凹み、径方向に対向して2箇所設けられる。胴部131は、ロータコア12の貫通孔12aに圧入固定される。このとき、雌部131a内に雄部123が圧入される。すなわち、雌部131aは、雄部123を収容する。これにより、連結部材13とロータコア12とが周方向に強固に固定される。
【0024】
固定部133は、胴部131の径方向内面から径方向内側に延び、環状に形成される。固定部133は、軸方向に凹む固定ネジ孔(不図示)を有する。固定ネジ孔は、周方向に略等間隔で複数配列される。固定部133は、シャフト11の環状部111と軸方向に重ねられる。このとき、ネジ孔111aと固定ネジ孔とが、軸方向に重なり、ネジ(不図示)を介してネジ止めされる。これにより、シャフト11と連結部材13とが、固定される。
【0025】
フランジ部132は、胴部131の軸方向の一端(本実施形態では下端)から径方向外側に延びる。フランジ部132の径方向外端は、マグネット14の径方向外端よりも径方向外側に位置する。これにより、フランジ部132は、マグネット14及びロータコア12と軸方向に対向し、マグネット14及びロータコア12を軸方向に支持する。
【0026】
<2-1-4.マグネットの構成>
マグネット14は、ロータコア12の径方向外側に配置され、周方向に複数配列される。マグネット14は、略直方体状であり、磁性部材から成る。マグネット14は、ロータコア12の径方向外面に接着剤(不図示)を介して固定される。このとき、周方向に隣り合うマグネット14は、ロータコア12の突起部121を挟んで配置される。突起部121を設けることにより、マグネット14のロータコア12に対する位置決めを容易に行うことができる。
【0027】
マグネット14は、径方向に対向してS極及びN極を有し、隣り合うマグネット14は、径方向外面の磁極が異なる。すなわち、径方向外面にS極の磁極面を有するマグネット14と、径方向外面にN極の磁極面を有するマグネット14と、が周方向に交互に配列される。
【0028】
<2-1-5.カバー部材の構成>
カバー部材15は、マグネット14の径方向外側に配置される。カバー部材15は、マグネット14を保持する。カバー部材15は、鉄等の磁性体から成り、例えば、プレス加工等により形成される。カバー部材15は、周面部151と、庇部152と、を有する。周面部151は、筒状に形成され、マグネット14と径方向に対向する。
【0029】
庇部152は、周面部151の軸方向の他端(本実施形態では上端)から径方向内側に延びる。庇部152の径方向内端は、マグネット14の径方向内端よりも径方向内側に位置し、庇部152の少なくとも一部が、軸方向においてロータコア12と重なる。これにより、庇部152は、マグネット14及びロータコア12と軸方向に対向し、接触する。庇部152は、例えば接着剤を介してロータコア12に固定される。従って、マグネット14が、ロータ10の回転時に軸方向上側に外れることを防止できる。このとき、カバー部材15が、磁性体から成るため、カバー部材15は、磁力によってマグネット14に固定される。従って、マグネット14が、ロータ10の回転時に軸方向上側に外れることをより防止できる。
【0030】
<2-2.ステータの構成>
ステータ20は、ロータ10の径方向外側に対向して配置され、ステータコア21と、複数のコイル22と、インシュレータ23と、を有する。
【0031】
ステータコア21は、環状の電磁鋼板を軸方向に複数積層して形成される。ステータコア21は、円環状のコアバック部211と、コアバック部211から径方向内側へ向けて突出した複数のティース部212とを有する。複数のティース部212は、周方向に略等間隔に配列される。
【0032】
インシュレータ23は、絶縁性の樹脂成形品から成り、ステータコア21の少なくとも一部を覆う。
【0033】
コイル22は、ティース部212の周囲にインシュレータ23を介して導線221を巻き回して形成される。インシュレータ23により、ステータコア21と導線221とは絶縁される。
【0034】
コイル22に駆動電流を与えると、複数のティース部212に磁束が生じる。ティース部212とマグネット14との間の磁気的な吸引力及び反発力によって、周方向のトルクが発生する。その結果、ステータ20に対してロータ10が、中心軸Cを中心として回転する。
【0035】
<3.ロータコアの詳細な構成>
図5は、ロータ10の一部を拡大して示す模式的な横断面図である。隣り合うマグネット14は、径方向内面の磁極が異なり、マグネット14の径方向内面から発生する磁束は、周方向の両側に分岐し、ロータコア12を通って両側に隣り合うマグネット14の径方向内面にそれぞれ向かう。このため、隣り合うマグネット14の境界部と径方向に対向するロータコア12の第1領域S1における磁束密度が、マグネット14の周方向の中心P2と径方向に対向するロータコア12の第2領域S2における磁束密度よりも大きくなる。
【0036】
第1凹部122における磁気抵抗は、ロータコア12の電磁鋼板上における磁気抵抗よりも大きい。しかし、各第1凹部122は、各マグネット14とそれぞれ径方向に重なる。より詳細には、第1凹部122の周方向の中心P1は、マグネット14の周方向の中心P2とそれぞれ径方向に重なる。これにより、第1凹部122が、磁束密度が小さい領域に配置され、ロータコア12全体における磁気損失を低減しながら、ロータコア12を軽量化できる。
【0037】
また、第1凹部122は、径方向外側に湾曲して凹み、周方向に線対称に形成される。これにより、第1凹部122における磁気損失が、周方向に線対称になる。これにより、マグネット14の径方向内面から発生し、周方向の両側に分岐した磁束密度が、周方向において異なることを低減できる。
【0038】
また、第1凹部122の径方向の深さW1は、マグネット14の径方向における厚みの最大値W3よりも小さい。これにより、第1凹部122を径方向に小さく形成して、第1凹部122における磁気損失を低減することができる。なお、深さW1は、ロータコア12の径方向外面と第1凹部122の径方向外端との径方向における距離W2よりも大きく形成してもよい。これにより、ロータコア12全体における磁気損失を低減しながら、ロータコア12をより軽量化できる。
【0039】
また、ロータコア12は、さらに径方向外面上に径方向内側に凹む第2凹部125が、周方向に配列される。第2凹部125は、軸方向に延び、周方向に略等間隔で複数配列される。第2凹部125おける磁気抵抗は、第1凹部122と同様に、ロータコア12の電磁鋼板上における磁気抵抗よりも大きい。しかし、各第2凹部125は、各マグネット14とそれぞれ径方向に重なる。これにより、第2凹部125が、磁束密度が小さい領域に配置され、ロータコア12全体における磁気損失を低減しながら、ロータコア12をより軽量化できる。
【0040】
また、第2凹部125の周方向の長さW4は、マグネット14の周方向の長さW5の半分以下である。また、第2凹部125の径方向の深さW6は、第1凹部122の径方向の深さW1よりも小さい。第1凹部122よりもマグネット14の近くに配置される第2凹部125を第1凹部122よりも径方向に小さく形成し、第2凹部125における磁気損失を低減することができる。これにより、ロータコア12全体における磁気損失を低減することができる。
【0041】
また、ロータコア12とマグネット14とを固定する接着剤(不図示)は、第2凹部125に塗布される。すなわち、ロータ10は、第2凹部125に収容される接着剤を有し、接着剤は、マグネット14とロータコア12とを接着する。第2凹部125を設けることにより、接着剤の位置決めが容易になる。また、接着剤の厚みにより、ロータコア12とマグネット14との間に隙間が形成されることを低減できる。
【0042】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係るロータ10の一部を拡大して示す縦断面図である。説明の便宜上、前述の図1図5に示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。第2実施形態では、連結部材13の形状が、第1実施形態とは異なる。その他の部分は第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0043】
連結部材13は、凸部131bを有する。凸部131bは、胴部131の径方向外面から径方向外側に突出して軸方向に延びる。また、凸部131bは、周方向に複数配列され、各凸部131bは、各第1凹部122に嵌め合う。すなわち、連結部材13は、径方向外面から径方向外側に突出して周方向に配列された複数の凸部131bを有し、各凸部131bは、各第1凹部122に嵌め合う。これにより、連結部材13とロータコア12とが、周方向により強固に固定される。
【0044】
(4.その他)
上記実施形態は、本発明の例示にすぎない。実施形態の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、実施形態は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0045】
例えば、本実施形態では、連結部材13に雌部131aを設け、ロータコア12に雄部123を設けたが、連結部材13に雄部を設け、ロータコア12に雌部を設けてもよい。このとき、雄部は、連結部材13の径方向外面から径方向外側に突出し、雌部は、ロータコア12の径方向内面から径方向外側に凹む。すなわち、連結部材13の径方向外面又はロータコア12の径方向内面の一方から径方向に突出する雄部と、連結部材13の径方向外面又はロータコア12の径方向内面の他方から径方向に凹み、雄部を収容する雌部と、を有する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、例えば、ロボット、工作機、電動アシスト自転車、電動車椅子などの駆動機構に、組み込まれて利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 モータ
2 ハウジング
10 ロータ
11 シャフト
12 ロータコア
12a 貫通孔
13 連結部材
14 マグネット
15 カバー部材
20 ステータ
21 ステータコア
22 コイル
23 インシュレータ
100 減速装置
101 入力ギヤ
102、103、104、105 中間ギヤ
106 出力ギヤ
107 クランクシャフト
111 環状部
111a ネジ孔
121 突起部
122 第1凹部
123 雄部
125 第2凹部
131 胴部
131a 雌部
131b 凸部
132 フランジ部
133 固定部
151 周面部
152 庇部
211 コアバック部
212 ティース部
221 導線
C 中心軸
J 出力軸
P1 中心
P2 中心
S1 第1領域
S2 第2領域
W1 深さ
W2 距離
W3 最大値
W4 長さ
W5 長さ
W6 深さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6