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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/26 20060101AFI20241022BHJP
   B65G 47/30 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
B65G47/26
B65G47/30 G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021021322
(22)【出願日】2021-02-12
(65)【公開番号】P2022123786
(43)【公開日】2022-08-24
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 勝成
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-151426(JP,U)
【文献】特開2020-125201(JP,A)
【文献】実公昭47-6938(JP,Y1)
【文献】特開平7-98242(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110239918(CN,A)
【文献】特開昭58-2112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00-47/32
B65G 47/64
B65G 47/68-47/78
B65G 11/00-11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板面上の螺旋状の部品を該板面の一端から他端に向かう一方向に移動させる移動部と、
該一方向に延びて該板面から突出し、該部品の長手方向が該一方向に沿うように該部品を整列させる複数の凸部と、
複数の該凸部に跨って設けられ、該凸部間で絡まる複数の該部品の該一方向への移動を規制する門部と、
該門部に設けられ、該凸部間の該一端側の斜め下方に向けて間欠的に気体を噴射する噴射部と、
を有する供給装置。
【請求項2】
該板面には、該板面の一端から立ち上がる壁が形成されており、
該噴射部は、噴射した該気体により飛ばされる該部品が該壁に当たる流量で該気体を噴射する請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
該壁の上端には、該板面と対向する他の板が取り付けられている請求項2に記載の供給装置。
【請求項4】
該一方向と交差する方向の該凸部の幅は、該部品の長手方向の長さよりも長い請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項5】
前記移動部は、前記板面の振動により前記部品を前記板面の一端から他端に向かう一方向に移動させる構成とされている請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項6】
前記板面の一端側には、複数の前記凸部に跨って前記板面の高さ以下の第1面が設けられている請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項7】
複数の前記凸部が配置された位置に対して前記一方向と交差する方向の端部に、
前記一方向で前記第1面と隣り合う位置に設けられ、前記板面の一端側から前記板面の他端側に向かって上り勾配となるように傾斜する傾斜面と、
前記板面の他端側であって、前記傾斜面と前記一方向で隣り合う位置に設けられた第2面と、
を有する請求項6に記載の供給装置。
【請求項8】
前記第1面の高さは、前記傾斜面の一端側の最低部位の高さ以上とされている請求項7に記載の供給装置。
【請求項9】
前記第2面の高さは、前記凸部の上面の高さ以上とされている請求項7又は請求項8に記載の供給装置。
【請求項10】
前記噴射部の噴射口は、前記門部における前記板面の一端側に設けられている請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項11】
前記板面の他端の外側に設けられ、複数の前記凸部間を前記一方向に移動した前記部品がそれぞれ搬送される複数の搬送路と、
複数の前記搬送路における前記部品の搬送方向下流側に設けられ、複数の前記搬送路が連結される1本の連結路と、
前記板面の他端と複数の前記搬送路との間に設けられ、前記凸部間で順番に前記部品を前記搬送路に送り出す送出部と、
を備えている請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の供給装置。
【請求項12】
複数の前記搬送路及び前記連結路は、前記門部の側から下り勾配となる傾斜により前記部品を搬送する構成とされている請求項11に記載の供給装置。
【請求項13】
前記送出部が複数の前記凸部間で順番に前記部品を前記搬送路に送り出す1巡の動作を行った後、前記噴射部が前記気体を噴射し、前記送出部の前記部品の送り出しを再開する構成とされている請求項11又は請求項12に記載の供給装置。
【請求項14】
前記部品は、圧縮コイルばねである請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、振動発生部が付いた平面状の基板上(すなわち、滑面)に、複数の仕切り部を設けることにより、部品を整列させる整列路を複数形成した供給装置が開示されている。この供給装置には、整列路内で整列した部品が重なって供給されないようにするため、整列路の途中に門部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-082046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、螺旋状の部品を複数の整列路に整列させる場合、複数の整列路の途中に門部を備えた構成では、門部に螺旋状の部品が引っ掛かり、門部を塞ぐことが懸念される。
【0005】
本開示は、凸部間で気体を噴射しない場合と比較して、門部での螺旋状の部品の詰まりが抑制される供給装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る供給装置は、板面上の螺旋状の部品を該板面の一端から他端に向かう一方向に移動させる移動部と、該一方向に延びて該板面から突出し、該部品の長手方向が該一方向に沿うように該部品を整列させる複数の凸部と、複数の該凸部に跨って設けられ、該凸部間で絡まる複数の該部品の該一方向への移動を規制する門部と、該門部に設けられ、該凸部間の該一端側の斜め下方に向けて間欠的に気体を噴射する噴射部と、を有する。
【0007】
第2態様に係る供給装置は、第1態様に記載の供給装置において、該板面には、該板面の一端から立ち上がる壁が形成されており、該噴射部は、噴射した該気体により飛ばされる該部品が該壁に当たる流量で該気体を噴射する。
【0008】
第3態様に係る供給装置は、第2態様に記載の供給装置において、該壁の上端には、該板面と対向する他の板が取り付けられている。
【0009】
第4態様に係る供給装置は、第1態様から第3態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、該一方向と交差する方向の該凸部の幅は、該部品の長手方向の長さよりも長い。
【0010】
第5態様に係る供給装置は、第1態様から第4態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記移動部は、前記板面の振動により前記部品を前記板面の一端から他端に向かう一方向に移動させる構成とされている。
【0011】
第6態様に係る供給装置は、第1態様から第5態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記板面の一端側には、複数の前記凸部に跨って前記板面の高さ以下の第1面が設けられている。
【0012】
第7態様に係る供給装置は、第6態様に記載の供給装置において、複数の前記凸部が配置された位置に対して前記一方向と交差する方向の端部に、前記一方向で前記第1面と隣り合う位置に設けられ、前記板面の一端側から前記板面の他端側に向かって上り勾配となるように傾斜する傾斜面と、前記板面の他端側であって、前記傾斜面と前記一方向で隣り合う位置に設けられた第2面と、を有する。
【0013】
第8態様に係る供給装置は、第7態様に記載の供給装置において、前記第1面の高さは、前記傾斜面の一端側の最低部位の高さ以上とされている。
【0014】
第9態様に係る供給装置は、第7態様又は第8態様に記載の供給装置において、前記第2面の高さは、前記凸部の上面の高さ以上とされている。
【0015】
第10態様に係る供給装置は、第1態様から第9態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記噴射部の噴射口は、前記門部における前記板面の一端側に設けられている。
【0016】
第11態様に係る供給装置は、第1態様から第10態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記板面の他端の外側に設けられ、複数の前記凸部間を前記一方向に移動した前記部品がそれぞれ搬送される複数の搬送路と、複数の前記搬送路における前記部品の搬送方向下流側に設けられ、複数の前記搬送路が連結される1本の連結路と、前記板面の他端と複数の前記搬送路との間に設けられ、前記凸部間で順番に前記部品を前記搬送路に送り出す送出部と、を備えている。
【0017】
第12態様に係る供給装置は、第11態様に記載の供給装置において、複数の前記搬送路及び前記連結路は、前記門部の側から下り勾配となる傾斜により前記部品を搬送する構成とされている。
【0018】
第13態様に係る供給装置は、第11態様又は第12態様に記載の供給装置において、前記送出部が複数の前記凸部間で順番に前記部品を前記搬送路に送り出す1巡の動作を行った後、前記噴射部が前記気体を噴射し、前記送出部の前記部品の送り出しを再開する構成とされている。
【0019】
第14態様に係る供給装置は、第1態様から第13態様までのいずれか1つの態様に記載の供給装置において、前記部品は、圧縮コイルばねである。
【発明の効果】
【0020】
第1態様に係る供給装置によれば、凸部間で気体を噴射しない場合と比較して、門部での螺旋状の部品の詰まりが抑制される。
【0021】
第2態様に係る供給装置によれば、板面の一端側が平面状である場合と比較して、絡まった部品が壁に当たったときに、部品の絡みをほぐすことができる。
【0022】
第3態様に係る供給装置によれば、壁の上端が開放されている場合と比較して、壁から跳ね返った部品が板面上から落下することが抑制される。
【0023】
第4態様に係る供給装置によれば、凸部の幅が部品の長手方向の長さ以下である場合と比較して、部品の絡みが抑制される。
【0024】
第5態様に係る供給装置によれば、板面の傾斜により部品を一端から他端に向かって移動させる場合と比較して、部品の絡みが抑制される。
【0025】
第6態様に係る供給装置によれば、凸部間の板面の高さが板面の一端側の面の高さより低い場合と比較して、噴射部からの気体により部品が凸部間の板面から第1面に向けて排出されやすくなる。
【0026】
第7態様に係る供給装置によれば、複数の凸部が配置された位置に対して一方向に交差する方向の端部が凸部と同等の高さの場合と比較して、部品が第1面から傾斜面に昇りやすくなり、部品が傾斜面から第2面に移動しやすくなる。
【0027】
第8態様に係る供給装置によれば、第1面の高さが傾斜面の一端側の最低部位の高さより低い場合と比較して、部品が第1面から傾斜面に移動しやすい。
【0028】
第9態様に係る供給装置によれば、第2面の高さが凸部の上面の高さよりも低い場合と比較して、第2面に移動した部品が凸部の上面に移動しやすい。
【0029】
第10態様に係る供給装置によれば、噴射部の噴射口が門部における板面の他端側に設けられている場合と比較して、門部での部品の詰まりが抑制される。
【0030】
第11態様に係る供給装置によれば、複数の凸部間で部品をランダムに搬送路をランダムに送り出す場合と比較して、連結路で複数の部品を整列供給しやすい。
【0031】
第12態様に係る供給装置によれば、複数の搬送路及び連結路の振動により部品を搬送する場合と比較して、複数の搬送路及び連結路を部品が移動しやすい。
【0032】
第13態様に係る供給装置によれば、送出部の動作と関係なく噴射部が気体を噴射する場合と比較して、連結路に部品が整列されやすい。
【0033】
第14態様に係る供給装置によれば、部品が圧縮コイルばねである場合においても、凸部間で気体を噴射しない場合と比較して、門部での圧縮コイルばねの詰まりが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施形態に係る供給装置を示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る供給装置を示す正面図である。
図3】第1実施形態に係る供給装置を示す平面図である。
図4】第1実施形態に係る供給装置に用いられる移動装置を示す斜視図である。
図5】第1実施形態に係る供給装置に用いられる移動装置を示す平面図である。
図6】第1実施形態に係る供給装置に用いられる移動装置のゲート部付近を示す断面図である。
図7】第1実施形態に係る供給装置に用いられる移動装置のゲート部付近を示す斜視図である。
図8】第1実施形態に係る供給装置に用いられる移動装置の移動部を示す断面図である。
図9】第1実施形態に係る供給装置に用いられる搬送装置を示す側面図である。
図10】(A)は、第1実施形態に係る供給装置に用いられる搬送装置の送出部が下方に移動した状態を示す断面図であり、(B)は、搬送装置の送出部が上方に移動した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本開示の技術を実施するための形態について説明する。以下の説明では、図面において適宜示される矢印Xで示す方向(矢印X方向)を装置幅方向(水平方向)、矢印Yで示す方向(矢印Y方向)を装置高さ方向(鉛直方向)、矢印Zで示す方向(矢印Z方向)を装置奥行き方向(水平方向)とする。なお、「装置幅方向」は、主に「矢印X方向と、矢印X方向と逆方向(矢印X方向とは逆の方向)の両方向」という意味で用いる。また、「装置高さ方向」は、主に「矢印Y方向と、矢印Y方向と逆方向(矢印Y方向とは逆の方向)の両方向」という意味で用いる。さらに、「装置奥行き方向」は、主に「矢印Z方向と、矢印Z方向と逆方向(矢印Z方向とは逆の方向)の両方向」という意味で用いる。これら、装置幅方向、装置高さ方向、装置奥行き方向は、互いに交差する方向(具体的には、直交する方向)である。
【0036】
〔第1実施形態〕
<供給装置の全体構成>
図1には、第1実施形態に係る供給装置10が斜視図にて示されている。図2には、供給装置10が正面図にて示されており、図3には、供給装置10が平面図にて示されている。
【0037】
図1図3に示されるように、供給装置10は、板面22上の複数のばねSを一方向に移動させる移動装置12と、移動装置12によって移動したばねSを順番に搬送することによって1列に整列させる搬送装置14と、を備えている。搬送装置14によって、1列に整列されたばねSは、図示しない他の製造機器などに供給される。ここで、ばねSは、螺旋状の部品の一例である。ばねSは、例えば、圧縮コイルばねである。本実施形態では、移動装置12は、複数のばねSを矢印X方向と逆方向に配置された搬送装置14の側に搬送する。図1及び図3では、供給装置10の構成を分かりやすくするため、複数のばねSは実際の本数よりも少ない本数で示している。
【0038】
<移動装置の構成>
移動装置12は、基台100上に設置された支持部102に支持されている(図1及び図2参照)。移動装置12は、上部に板面22が設けられた板状体18と、板面22上のばねSを板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう(矢印X方向と逆方向の)一方向(装置幅方向)に移動させる移動部20と、を備えている(図1及び図3参照)。ここで、一端部22Aは、板面22の一端の一例であり、他端部22Bは、板面22の他端の一例である。なお、板面22は、水平に配置されている。
【0039】
また、移動装置12は、装置幅方向(一方向)に延びて板面22から矢印Y方向に突出する複数の凸部24と、複数の凸部24に跨って設けられたゲート部26と、を備えている(図1及び図3参照)。また、移動装置12は、ゲート部26に設けられると共に複数の凸部24間に気体を噴射する噴射部28を備えている。ここで、ゲート部26は、門部の一例である。気体は、一例として空気が用いられているが、窒素などでもよい。
【0040】
また、移動装置12は、板面22の一端部22Aから立ち上がる壁30と、壁30の上端に設けられた上板34と、を備えている(図1及び図3参照)。さらに、移動装置12は、板面22の一端部22A側に配置された第1面40と、板面22の装置奥行き方向(一方向と交差する方向)の端部に配置された傾斜面42及び第2面44と、を備えている。
【0041】
(移動部)
図4にも示されるように、移動部20は、平面視にて略矩形状とされた板状体18を備えている。ここで、平面視とは、対象を鉛直方向の上方側(矢印Y方向とは逆の方向)から見た場合をいう。また、板状体18は、水平方向に沿うように配置された状態で、支持部102に支持されている(図1及び図2参照)。移動部20は、板状体18を振動させるアクチュエータ36(図2参照)を備えている。移動部20は、アクチュエータ36により板状体18を振動させることで、板状体18の上部に設けられた板面22上のばねSを板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう一方向に移動させる構成とされている。
【0042】
(複数の凸部)
図4に示されるように、複数の凸部24は、板状体18の上部に設けられている。複数の凸部24は、平面視にて装置幅方向(一方向)に延びたブロック状の部材とされており、装置奥行き方向に間隔をおいて配置されている。一例として、複数の凸部24は、装置奥行き方向に等間隔で5つ設けられている。これにより、隣り合う凸部24間の板面22は、装置幅方向(一方向)に沿って配置され、かつ装置奥行き方向に4つ設けられている。なお、複数の凸部24は、板状体18に対して接合剤を用いて固定されていても良く、板状体18と一体に形成されていても良い。
【0043】
装置奥行き方向(一方向と交差する方向)の凸部24の幅は、ばねSの長手方向の長さよりも長い。本実施形態では、装置奥行き方向の凸部24の幅は、ばねSの長手方向の長さよりも長い。すなわち、凸部24の幅は、装置奥行き方向に配置されたばねSが凸部24上に収まる長さとされている。
【0044】
例えば、隣り合う凸部24間の板面22の幅(装置奥行き方向の幅)は、ばねSの直径よりも僅かに大きい。また、複数の凸部24の上面の板面22からの高さは、ばねSの直径よりも僅かに大きい。これにより、移動部20では、隣り合う凸部24間の板面22上で、ばねSの長手方向が装置幅方向(一方向)に沿うようにばねSを整列させるようになっている。すなわち、移動部20では、隣り合う凸部24間の板面22は、ばねSを長手方向に沿って整列させる整列路として機能している。これらの整列路は、平行に配置されている。
【0045】
(第1面)
図4に示されるように、第1面40は、板状体18の上部に設けられている。第1面40は、板面22の一端部22A側に、複数の凸部24に跨って配置されている。言い換えると、第1面40は、複数の凸部24の矢印X方向の端面に対して板面22の一端部22A側に配置されている。第1面40は、板面22の一部を構成しており、装置奥行き方向に延びている。第1面40は、平面状であり、第1面40の高さは、複数の凸部24間の板面22の高さ以下とされている。本実施形態では、第1面40は、水平に配置されており、複数の凸部24間の板面22の高さと同等とされている。
【0046】
(壁)
図4に示されるように、壁30は、板面22の一端部22Aの縁部から立ち上がっている。一例として、壁30は、装置高さ方向(上下方向)に沿って配置された縦壁とされている。本実施形態では、第1面40は、板面22の一部を構成しており、壁30は、第1面40の矢印X方向の縁部から立ち上がっている。また、移動装置12には、板面22の装置奥行き方向の両側に一対の縦壁32が設けられている。一対の縦壁32は、装置幅方向の一端において壁30と繋がっている。つまり、壁30及び一対の縦壁32は、板面22の他端部22B側以外の縁部を囲む構成とされている。また、壁30及び一対の縦壁32は、装置幅方向及び装置奥行き方向において、複数の凸部24から離間している。板面22からの壁30及び一対の縦壁32の高さは、ばねSの長手方向の長さよりも高い。
【0047】
(上板)
図4に示されるように、上板34は、壁30の上端に取り付けられており、板面22の一端部22A側の第1面40と対向している。ここで、上板34は、他の板の一例である。本実施形態では、上板34は、壁30の上面及び一対の縦壁32の一部の上面に取り付けられている。第1面40と上板34との間は、空間とされており、第1面40から上板34の下面までの高さは、ばねSの長手方向の長さよりも高い。これにより、噴射部28から噴射された気体によりばねSが板面22の一端部22A側に飛ばされたときに、ばねSが第1面40と上板34との間に入り込みやすくなる。
【0048】
一例として、上板34は、透明な板とされている。例えば、上板34は、アクリル樹脂で形成されている。上板34が透明な板とされていることで、上板34の下側に入り込んだ第1面40上のばねSを視認(目視により確認)しやすくなる。
【0049】
(傾斜面)
傾斜面42は、板状体18の上部に設けられている。図4及び図5に示されるように、傾斜面42は、複数の凸部24が配置された位置に対して装置奥行き方向(一方向と交差する方向)の端部に設けられており、装置幅方向(一方向)で第1面40と隣り合う位置に配置されている。本実施形態では、傾斜面42は、複数の凸部24が配置された位置に対して装置奥行き方向の両側に一対となるように配置されている。一対の傾斜面42は、装置奥行き方向において左右対称とされている。傾斜面42は、板状体18と一体に形成されていても良い。
【0050】
図8に示されるように、傾斜面42は、板面22の一端部22A側から板面22の他端部22B側に向かって上り勾配となるように傾斜している。本実施形態では、傾斜面42と第1面40との間に、第1面40の高さよりも高さが低い平面部42Aが設けられている。なお、傾斜面42と第1面40との間に平面部42Aを設けない構成でもよい。
【0051】
第1面40の高さは、傾斜面42の一端部22A側の最低部位の高さ以上とされている。本実施形態では、第1面40の高さは、傾斜面42の一端部22A側の最低部位の高さよりも高い。
【0052】
(第2面)
第2面44は、板状体18の上部に設けられている(図4参照)。図4及び図5に示されるように、第2面44は、複数の凸部24が配置された位置に対して装置奥行き方向(一方向と交差する方向)の端部に設けられており、傾斜面42に対して板面22の他端部22B側に配置されている。第2面44は、傾斜面42と装置幅方向(一方向)で隣り合う位置に配置されている。本実施形態では、第2面44は、複数の凸部24が配置された位置に対して装置奥行き方向の両側に一対となるように配置されている。一対の第2面44は、装置奥行き方向において左右対称とされている。
【0053】
図8に示されるように、第2面44は、平面状であり、第2面44の高さは、凸部24の上面の高さ以上とされている。本実施形態では、第2面44の高さは、凸部24の上面の高さよりも高い。また、一例として、第2面44は、水平に配置されている。
【0054】
(ゲート部)
図4図5及び図7に示されるように、ゲート部26は、装置奥行き方向に沿って配置されており、複数の凸部24の上部側に複数の凸部24を横切るように配置されている。図6に示されるように、ゲート部26は、矩形状のブロック部材を板面22に対して斜め方向に配置している。言い換えると、ゲート部26は、板面22とブロック部材の下面がなす角度が鋭角となる状態で、移動装置12に配置(固定)されている。また、ゲート部26は、この状態で最下端に位置する角部(稜線部)が切り欠かれており、ブロック部材の角部を切り欠くことで、板面22と対向する位置に下面26Aが形成されている。ゲート部26の下面26Aと、複数の凸部24間の板面22との間は、複数の空間とされている。ゲート部26の下面26Aは、板面22と平行となるように配置されている。具体的には、ゲート部26の下面26Aは、その一部が複数の凸部24の上面と接触するように配置されている。
【0055】
ゲート部26の下面26Aと板面22との間隔は、ばねSの直径よりも僅かに大きい寸法とされており、ゲート部26の下面26Aと板面22との間に形成される各空間は、1本のばねSが通過可能な構成とされている。ゲート部26は、凸部24間で絡まる複数のばねSの一方向(装置幅方向)、正確には装置幅方向に沿う矢印A方向の移動を規制している。より具体的には、複数のばねSが絡まることで、凸部24間からはみ出したばねSは、ゲート部26の一端部22A側の壁部26Bに当たる。これにより、凸部24間からはみ出したばねSがゲート部26を通過することが阻止され、凸部24間の板面22上に挿入された正常な姿勢のばねS、すなわち凸部24間の板面22上を移動する1本のばねSがゲート部26を通過するようになっている。ここで、正常な姿勢のばねSとは、ばねSの長手方向が装置幅方向(一方向)に沿って配置され、凸部24間の板面22上に挿入されたばねSであって、他のばねSが絡まっていないばねSである。
【0056】
図4及び図5に示されるように、装置奥行き方向におけるゲート部26の両側には、ゲート部26の一端部22A側に、第2面44上のばねSをゲート部26側に誘導する(誘い込む)一対の誘導部50が設けられている。一対の誘導部50は、一方向に交差するゲート部26の幅方向両側に設けられている。一対の誘導部50は、第2面44及び第2面44と隣り合う凸部24に跨って配置されている。
【0057】
一対の誘導部50は、縦壁32からゲート部26の側に向かって斜め方向に配置された縦壁部50Aを備えている。平面視にて、一対の縦壁部50Aの間の間隔は、板面22の一端部22A側から他端部22B側に向かって徐々に狭まるように配置されている。一対の縦壁部50Aは、装置奥行き方向において左右対称に配置されている。これにより、第2面44上のばねSが誘導部50の縦壁部50Aに当たることで、第2面44上のばねSがゲート部26側に導かれる(誘い込まれる)ようになっている。ゲート部26側に導かれたばねSは、凸部24間の板面22上に挿入されやすくなる。
【0058】
(噴射部)
図5及び図6に示されるように、噴射部28は、ゲート部26に設けられており、隣り合う凸部24間の板面22と対応する位置に配置されている。本実施形態では、隣り合う凸部24間の板面22は、4つ設けられているため、噴射部28は、4つ設けられている。噴射部28は、凸部24間の一端部22A側の斜め下方に位置する板面22に向けて間欠的に気体を噴射する構成とされている。
【0059】
噴射部28は、ゲート部26に斜め方向に配置されると共に気体が流れる流路54と、流路54の先端に設けられた噴射口52と、流路54に気体を供給する供給管56と、を備えている。図示を省略するが、供給管56の供給方向上流側には、供給管56に気体を供給するブロア(気体圧縮機)が設けられている。一例として、ブロアは、1つ設けられており、1つのブロアから4つの供給管56に気体が供給される。
【0060】
流路54は、ゲート部26の内部に形成され、板面22の他端部22B側から一端部22A側に向かって下り勾配となるように配置されている。流路54は、噴射口52の内径が噴射口52と反対側の内径よりも小さい構成とされている。噴射口52は、ゲート部26における板面22の一端部22A側に設けられている。本実施形態では、ゲート部26には、下面26Aの一端部22A側から上り勾配となる壁部26Bが設けられており、壁部26Bに噴射口52が形成されている。これにより、噴射口52から気体が凸部24間の一端部22A側の斜め下方に向けて噴射される。言い換えると、噴射口52は、ばねSの一方向への移動方向とは逆方向(矢印X方向)に気体を噴射すると共に、凸部24間の板面22に向けて気体を噴射する。
【0061】
噴射部28では、噴射口52から気体を凸部24間の一端部22A側の斜め下方に向けて噴射することで、凸部24間で絡まった複数のばねSが一端部22A側(すなわち、ばねSの移動方向上流側)に向けて飛ばされるようになっている。
【0062】
噴射部28は、噴射口52から噴射した気体により飛ばされるばねSが壁30に当たる流量で気体を噴射する構成とされている。本実施形態では、ブロア(図示省略)の送風量により4つの噴射口52から噴射される気体の流量を調整することで、ばねSが壁30に当たるようにしている。噴射口52から噴射される気体の流量は、ばねSが壁30に届かないような弱い流量ではなく、また、ばねSが壁30を飛び越えるような強い流量とならないように調整されている。噴射口52から噴射される気体の流量は、ゲート部26から壁30までの距離及びばねSの重さに応じて適切に調整される。また、噴射口52から噴射される気体により、ばねSが1つの場合も、ばねSが2つ以上絡んでいる場合も飛ばされることがある。
【0063】
<搬送装置の構成>
図1及び図2に示されるように、搬送装置14は、板面22の他端部22Bの外側に板面22と反対側に向かって下り勾配となるように配置された傾斜板60を備えている。傾斜板60は、基台100上に設置された取付具104により傾斜した状態で取り付けられている。図1図3及び図9に示されるように、搬送装置14は、板面22の他端部22Bの外側に設けられた複数の搬送路62と、複数の搬送路62におけるばねSの搬送方向下流側に配置された1本の連結路64と、を備えている。さらに、搬送装置14は、板面22の他端部22Bと複数の搬送路62との間に設けられたばねSの送出部66を備えている。
【0064】
(搬送路)
図1及び図9に示されるように、複数の搬送路62は、傾斜板60の上面に形成された凹溝であり、ばねSが挿入可能とされている。複数の搬送路62は、複数の凸部24間の板面22と対応する位置に配置されており、供給装置10の平面視で装置幅方向に沿って直線状に延びている。複数の搬送路62は、複数の凸部24間の板面22上を装置幅方向(一方向)に移動したばねSが、送出部66を介して搬送路62にそれぞれ搬送される構成とされている。本実施形態では、複数の凸部24間の板面22が4つ設けられているため、搬送路62も4つ設けられている。
【0065】
搬送路62の幅(装置奥行き方向の幅)は、ばねSの直径よりも僅かに大きい。言い換えると、搬送路62の幅は、隣り合う凸部24間の板面22の幅(装置奥行き方向の幅)と同様とされている。これにより、ばねSの長手方向が搬送路62の長手方向に沿うようにばねSが搬送路62に挿入される。複数の搬送路62は、傾斜板60に形成されていることにより、ゲート部26の側からゲート部26の反対側に向かって下り勾配となるように配置されている。傾斜板60は、振動しない状態で取付具104に固定されている。このため、複数の搬送路62は、ゲート部26の側から下り勾配となる傾斜によりばねSを重力により搬送するようになっている。
【0066】
一例として、複数の搬送路62の長手方向の長さは、それぞれ異なる長さとされている。本実施形態では、複数の搬送路62は、矢印Z方向(装置奥行き方向の手前側)に向かうにしたがって、長手方向の長さが短くなるように形成されている。
【0067】
(連結路)
連結路64は、複数の搬送路62を搬送されるばねSの搬送方向下流側に配置されており、複数の搬送路62がそれぞれ連結されている。連結路64は、長さの異なる複数の搬送路62の搬送方向下流側の端部を結ぶ直線状の形状とされており、供給装置10の平面視で装置幅方向に対して交差する方向に配置されている。
【0068】
連結路64は、傾斜板60の上面に形成された凹溝であり、ばねSが挿入可能とされている。連結路64の幅(装置奥行き方向の幅)は、ばねSの直径よりも僅かに大きい。言い換えると、連結路64の幅は、隣り合う凸部24間の板面22の幅(装置奥行き方向の幅)と同様とされている。これにより、ばねSの長手方向が連結路64の長手方向に沿うようにばねSが連結路64に挿入される。連結路64は、複数の搬送路62の側から下り勾配となるように配置されている。連結路64は、下り勾配となる傾斜によりばねSを重力により搬送するようになっている。
【0069】
連結路64の搬送方向下流側端部には、搬送方向下流側に向かって下り勾配となるように延びた延設路68が設けられている。延設路68は、供給装置10の平面視で装置幅方向に沿って直線状に延びており、下り勾配となる傾斜によりばねSを重力により搬送するようになっている。
【0070】
(送出部)
送出部66は、凸部24間の板面22上を搬送されるばねSを順番に搬送路62に送り出す機能を有している。図7及び図10に示されるように、送出部66は、凸部24間の板面22上のばねSがそれぞれ導入される複数の導入路72を備えている。さらに、送出部66は、複数の導入路72の搬送方向下流側にそれぞれ配置された支持部74と、支持部74をそれぞれ上下方向(搬送路62におけるばねSの搬送方向とは直交する方向)に移動させるシリンダ76と、を備えている。本実施形態では、凸部24間の板面22が4つ設けられているため、導入路72、支持部74及びシリンダ76も4つ設けられている。各々の導入路72、支持部74及びシリンダ76は、同様の構成とされている。
【0071】
送出部66は、板面22の外側に下り勾配となるように配置された傾斜板70を備えている。導入路72は、傾斜板70の上面70Aに形成された凹溝である。導入路72の幅(装置奥行き方向の幅)は、ばねSの直径よりも僅かに大きい。言い換えると、導入路72の幅は、隣り合う凸部24間の板面22の幅(装置奥行き方向の幅)と同様とされている。また、導入路72の長手方向の長さは、ばねSの長手方向の長さよりも長い。これにより、凸部24間の板面22上からばねSは導入路72に導入される。導入路72は、供給装置10の平面視で装置幅方向に沿って直線状に延びており、下り勾配となる傾斜によりばねSを重力により搬送するようになっている(図7参照)。
【0072】
4つの導入路72は、4つの搬送路62と支持部74を挟んで対応する位置に配置されている。導入路72の底面の長手方向の延長線は、搬送路62の底面よりも低い位置に配置されており、一例として、搬送路62の底面と平行とされている(図10参照)。
【0073】
支持部74は、矩形状のブロック状部材で構成されており、上面74Aが傾斜板70に沿って下り勾配となるように配置されている。支持部74の上面74Aには、ばねSが長手方向に沿って挿入される凹溝74Bが形成されている。凹溝74Bの幅(装置奥行き方向の幅)は、ばねSの直径よりも僅かに大きい。言い換えると、凹溝74Bの幅は、隣り合う凸部24間の板面22の幅(装置奥行き方向の幅)と同様とされている。また、凹溝74Bの長手方向の長さは、ばねSの長手方向の長さよりも短い(図10参照)。ただし、支持部74の上昇時に、凹溝74B内でばねSの姿勢を安定させるため、凹溝74Bの長手方向の長さは、ばねSの長手方向の長さの6割以上の長さとされている。
【0074】
シリンダ76は、傾斜板60から延びた(傾斜板60に取り付けられた)取付部80に取り付けられている。シリンダ76は、支持部74を上下方向(搬送路62におけるばねSの搬送方向とは直交する方向)に移動されることで、凹溝74Bを導入路72の延長線上に配置される位置(引込位置)と搬送路62の延長線上に配置される位置(突出位置)とに移動させる。
【0075】
図10(A)に示されるように、支持部74がシリンダ76により下側の引込位置に位置しているときは、凹溝74Bは、導入路72の延長線上に配置されている。これにより、導入路72のばねSが重力により凹溝74Bに導入される。
【0076】
図10(B)に示されるように、支持部74がシリンダ76により上側の突出位置に位置しているときは、凹溝74Bは、搬送路62の延長線上に配置されている。これにより、凹溝74B内のばねSが重力により搬送路62に送出される。
【0077】
一例として、送出部66は、通常状態では支持部74を下側の引込位置に配置しており、シリンダ76の動作により4つの搬送路62に対応する支持部74を定められた順番で上側の突出位置に移動させる。これにより、4つの支持部74から順番にばねSが搬送路62に送り出される。すなわち、送出部66では、4つの搬送路62に対応する位置で、2つ以上の支持部74が同時に上下方向上側に移動していることがなく、4つの搬送路62に同時にばねSが送り出されることがないようにしている。このため、例えば、4つの支持部74の凹溝74BのすべてにばねSが挿入されていても、シリンダ76により支持部74を定められた順番で上側の突出位置に移動させることにより、4つの搬送路62に順番にばねSが送り出される。
【0078】
本実施形態では、送出部66は、4つの搬送路62の長手方向の長さが長い側から短い側に向かう順番で搬送路62にばねSが送り出される。言い換えると、4つの支持部74は、図7における矢印Z方向(装置奥行き方向の手前側)に向かう順番で搬送路62にばねSが送り出される。これにより、4つの搬送路62の長手方向の長さが短い側から長い側に向かう順番で搬送路62にばねSが送り出される場合と比較して、4つの搬送路62からばねSが連結路64に合流する際に、ばねSが衝突することが抑制される。
【0079】
また、4つの支持部74の動作時間(引込位置から突出位置に移動し、さらに突出位置から引込位置に戻るまでの時間)は、全て同じとされており、搬送路62及び連結路64をばねSが通過する最大時間よりも長い時間に設定されている。具体的には、ばねSが搬送路62及び連結路64を通過する時間を図7における矢印Z方向(装置奥行き方向の手前側)に向かう順番で測定した結果(実測値)が、例えば、1.0秒、1.2秒、1.1秒、1.3秒だったとすると、支持部74の動作時間は、例えば、1.5秒に設定される。言い換えると、送出部66は、4つの搬送路62の長手方向の長さが長い側から短い側に向かう順番で予め定められた時間(例えば、1.5秒)毎に搬送路62にばねSを送り出す。これにより、動作時間が予め定められていない場合と比較して、4つの搬送路62からばねSが連結路64に合流する際に、ばねSが衝突することが抑制される。
【0080】
一例として、供給装置10では、送出部66が複数の凸部24間で順番にばねSを搬送路62に送り出す1巡の動作を行った後、噴射部28が気体を噴射し、送出部66のばねSの送り出しを再開する構成とされている。すなわち、送出部66が4つの搬送路62に対応する支持部74を定められた順番で上下方向上側に移動させる1巡の動作を行った後、噴射部28は、4つの凸部24間の板面22に同時に気体を噴射する。気体は、予め設定された時間で噴射される。これにより、噴射部28から気体が間欠的に噴射される。
【0081】
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0082】
供給装置10では、移動部20が振動することにより、板面22上のばねSが板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう一方向に移動する。供給装置10では、一方向に延びて板面22から突出する複数の凸部24が設けられており、凸部24上のばねSは、凸部24間の板面22に落ち込やすい。これにより、凸部24間の板面22上で、ばねSの長手方向が一方向に沿うようにばねSが整列される。
【0083】
供給装置10では、複数の凸部24に跨ってゲート部26が設けられており、凸部24間で複数のばねSが絡まった場合は、絡まった複数のばねSは、ゲート部26の壁部26Bに当たる。これにより、凸部24間で絡まった複数のばねSの一方向への移動がゲート部26によって規制される。このため、凸部24間の板面22上を一方向に移動する正常な姿勢の1本のばねSがゲート部26を通過する。
【0084】
ゲート部26には、凸部24間の一端部22A側の斜め下方に向けて間欠的に気体を噴射する噴射部28が設けられている。噴射部28から凸部24間の一端部22A側の斜め下方に向けて気体が噴射されることで、凸部24間で絡まった複数のばねSは、気体によって一端部22A側に飛ばされる(吹き飛ばされる)。吹き飛ばされた複数のばねSは、板面22の一端部22A側に落下する。このため、凸部24間で絡まるばねSがゲート部26付近にたまることが抑制される。
【0085】
このため、供給装置10では、凸部24間で気体を噴射しない場合と比較して、ゲート部26でのばねSの詰まりが抑制される。
【0086】
また、供給装置10では、板面22には、板面22の一端部22Aから立ち上がる壁30が形成されており、噴射部28は、噴射した気体により飛ばされるばねSが壁30に当たる流量で気体を噴射する。これにより、凸部24間で絡まる複数のばねSは、気体によって一端部22A側に飛ばされ、複数のばねSが壁30に当たることで、壁30から跳ね返される。複数のばねSが壁30に当たったときの衝撃、又は跳ね返されたばねSが第1面40に落下したときの衝撃により、複数のばねSの絡みがほぐされやすくなる。
【0087】
このため、供給装置10では、板面22の一端側が平面状である場合と比較して、絡まったばねSが壁に当たったときに、ばねSの絡みをほぐすことができる。
【0088】
また、供給装置10では、壁30の上端には、板面22と対向する上板34が取り付けられている。これにより、気体によって一端部22A側に飛ばされた複数のばねSが壁30に当たったときに、ばねSが上方側に跳ね返っても、ばねSが上板34に当たる。
【0089】
このため、供給装置10では、壁30の上端が開放されている場合と比較して、壁30から跳ね返ったばねSが板面22上から落下する(すなわち、移動部20の外側に落下する)ことが抑制される。
【0090】
また、供給装置10では、一方向と交差する方向の凸部24の幅は、ばねSの長手方向の長さよりも長い。これにより、凸部24上で複数のばねSが接触しにくくなり、複数のばねSが新たに絡まりにくい。
【0091】
これに対して、一方向と交差する方向の凸部の幅がばねSの長手方向の長さ以下の場合は、凸部24上で複数のばねSが接触しやすく、複数のばねSが絡まりやすくなる。
【0092】
このため、供給装置10では、凸部24の幅が部品(ばねS)の長手方向の長さ以下である場合と比較して、ばねSの絡みが抑制される。
【0093】
供給装置10では、移動部20は、板面22の振動によりばねSを板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう一方向に移動させる構成とされている。板面22を振動させることで、複数のばねSが常に振動し、複数のばねSが同じ位置で接触しにくくなる。
【0094】
このため、供給装置10では、板面の傾斜により部品を一端から他端に向かって移動させる場合と比較して、ばねSの絡みが抑制される。
【0095】
供給装置10では、板面22の一端側には、複数の凸部24に跨って板面22の高さ以下の第1面40が設けられている。すなわち、第1面40の高さは、隣り合う凸部24間の板面22の高さ以下とされているので、噴射部28からの気体の噴射により、板面22から第1面40にばねSが移動しやすく、第1面40から板面22にばねSが移動しにくい。
【0096】
このため、供給装置10では、凸部24間の板面22の高さが板面22の一端側の面(第1面40)の高さより低い場合と比較して、噴射部28からの気体の噴射によりばねSが凸部24間の板面22から第1面40に向けて排出されやすくなる。言い換えると、噴射部28からの気体の噴射により、凸部24間の板面22と、第1面40との境界部分でのばねSの詰まりが抑制される。さらに言い換えると、噴射部28からの気体の噴射により、凸部24間の板面22から第1面40に向けて、矢印X方向のばねSの滑らかな流れが形成される。
【0097】
供給装置10では、複数の凸部24が配置された位置に対して一方向と交差する方向の端部に、一方向で第1面40と隣り合う位置に設けられた傾斜面42と、傾斜面42と一方向で隣り合う位置に設けられた第2面44とが設けられている。傾斜面42は、板面22の一端部22A側から板面の他端部22B側に向かって上り勾配となるように傾斜している。また、第2面44は、傾斜面42に対して、板面22の他端部22B側に設けられている。
【0098】
第1面40には、例えば、噴射部28から噴射された気体により、板面22の一端部22A側に飛ばされた複数のばねSが散らばっており、又は図示しない供給装置により、新たに移動部20に供給された複数のばねSが存在している。供給装置10では、上記構成により、第1面40の複数のばねSは、移動部20の振動により、第1面40から傾斜面42に移動し、傾斜面42の上り勾配を昇る。そして、移動部20の振動により、傾斜面42を昇った複数のばねSは、第2面44に移動する。さらに、第2面44の複数のばねSは、移動部20の振動により、第2面44から凸部24に移動し、複数のばねSが凸部24上を移動するうちに、一部のばねSが凸部24間の板面22上に挿入される。
【0099】
このため、供給装置10では、複数の凸部24が配置された位置に対して一方向に交差する方向の端部が凸部24と同等の高さの場合と比較して、ばねSが第1面40から傾斜面42に昇りやすくなり、ばねSが傾斜面42から第2面44に移動しやすくなる。
【0100】
また、供給装置10では、第1面40の高さは、傾斜面42の一端部22A側の最低部位の高さ以上とされている。これにより、第1面40の複数のばねSの一部は、移動部20の振動により、第1面40の高さ以下の、傾斜面42の一端部22A側の最低部位の側に移動する。
【0101】
このため、供給装置10では、第1面40の高さが傾斜面42の一端側の最低部位の高さより低い場合と比較して、ばねSが第1面40から傾斜面42に移動しやすい。言い換えると、供給装置10では、第1面40の高さが傾斜面42の一端側の最低部位の高さより低い場合と比較して、第1面40と傾斜面42の境界部位におけるばねSの引っ掛かり(詰まり)の発生を抑制できる。
【0102】
また、供給装置10では、第2面44の高さは、凸部24の上面の高さ以上とされている。これにより、第2面44の複数のばねSの一部は、移動部20の振動により、第2面44の高さ以下の凸部24の上面に移動する。
【0103】
このため、供給装置10では、第2面44の高さが凸部24の上面の高さよりも低い場合と比較して、第2面44に移動したばねSが凸部24の上面に移動しやすい。言い換えると、供給装置10では、第2面44の高さが凸部24の上面の高さよりも低い場合と比較して、第2面44と凸部24の境界部位におけるばねSの引っ掛かり(詰まり)の発生を抑制できる。
【0104】
また、供給装置10では、噴射部28の噴射口52は、ゲート部26における板面22の一端部22A側に設けられている。そして、噴射部28の噴射口52から凸部24間の一端部22A側の斜め下方に向けて気体が噴射されることで、ゲート部26の搬送方向上流側付近の凸部24間で絡まる複数のばねSは、気体によって板面22の一端部22A側に飛ばされる。例えば、噴射部28の噴射口52が門部(ゲート部26)における板面22の他端側に設けられている場合には、凸部24間で絡まる複数のばねSに気体が当たりにくくなる。
【0105】
このため、供給装置10では、噴射部28の噴射口52が門部(ゲート部26)における板面22の他端側に設けられている場合と比較して、ゲート部26でのばねSの詰まりが抑制される。
【0106】
前記したように、供給装置10は、移動部20が振動することにより、板面22上のばねSが板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう一方向に移動する。そして、凸部24間の板面22上を一方向に移動する正常な姿勢の1本のばねSがゲート部26を通過する。一方、凸部24間で絡まった複数のばねSは、ゲート部26によって板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう一方向への移動が規制され、噴射部28からの気体の噴射により、凸部24間の板面22から第1面40に向けて排出される。装置奥行き方向に延びる第1面40に排出されたばねSは、その多くが移動部20の振動により、装置奥行き方向の両側にある傾斜面42及び第2面44上を板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう一方向へ移動して、凸部24の上面に移動する。そして、凸部24の上面に移動したばねSは、移動部20の振動により凸部24間の板面22に落ち込む、又はゲート部26によって板面22の一端部22Aから他端部22Bに向かう一方向への移動が規制される。このように、供給装置10は、正常な姿勢のばねSについては振動によりゲート部26を通過させ、正常な姿勢にならなかったばねSについては振動と気体の噴射により絡まりをほぐすと共に、凸部24間の板面22に落とし込むばねSの流れを形成している。
【0107】
また、供給装置10では、板面22の他端部22Bの外側に設けられた複数の搬送路62と、複数の搬送路62におけるばねSの搬送方向下流側に設けられた1本の連結路64と、板面22の他端部22Bと複数の搬送路62との間に設けられた送出部66とが設けられている。送出部66では、複数の凸部24間を一方向に移動したばねSが順番に複数の搬送路62に送り出される。送り出されたばねSは、複数の搬送路62をそれぞれ搬送される。複数の搬送路62を搬送されたばねSは、1本の連結路64を搬送される。
【0108】
送出部66により、凸部24間で順番にばねSが複数の搬送路62に送り出されるため、複数の搬送路62を搬送されるばねSが連結路64に合流される際に、連結路64を搬送される他のばねSにばねSが衝突することが抑制される。これにより、連結路64において複数のばねSが詰まることが抑制され、連結路64で複数のばねSを1列に整列させて搬送することができる。
【0109】
このため、供給装置10では、複数の凸部24間で部品(ばねS)をランダムに搬送路62に送り出す場合と比較して、連結路64で複数のばねSを整列供給しやすい。
【0110】
また、供給装置10では、複数の搬送路62及び連結路64は、ゲート部26の側から下り勾配となる傾斜によりばねSを搬送する構成とされている。すなわち、複数の搬送路62及び連結路64は、振動しない構成とされており、下り勾配となる傾斜によりばねSを重力により搬送する。
【0111】
このため、供給装置10では、複数の搬送路62及び連結路64の振動により部品(ばねS)を搬送する場合と比較して、複数の搬送路62及び連結路64ばねSが移動しやすい。
【0112】
また、供給装置10では、送出部66が複数の凸部24間で順番にばねSを搬送路62に送り出す1巡の動作を行った後、噴射部28が気体を噴射し、送出部66のばねSの送り出しを再開する構成とされている。言い換えると、供給装置10は、噴射部28が気体の噴射を停止している状態で、送出部66が複数の凸部24間で順番にばねSを搬送路62に送り出す1巡の動作を行った後、噴射部28が気体を予め定められた時間噴射し、その後、気体の噴射を停止して、送出部66のばねSの送り出しを再開する構成とされている。さらに言い換えると、供給装置10は、噴射部28の動作(気体の噴射)と、送出部66の動作(ばねSの送り出し)を交互に実施している。これにより、複数の凸部24間で順番にばねSを搬送路62に送り出した後、噴射部28から気体を噴射することにより、ゲート部26の搬送方向上流側に絡まった複数のはねSが板面22の一端部22A側に飛ばされる。その後、送出部66のばねSの送り出しを再開することにより、送出部66が複数の凸部24間で順番にばねSを搬送路62に送り出す。これにより、複数の搬送路62に順番に送り出されたばねSは、搬送路62を搬送され、連結路64に供給される。
【0113】
このため、供給装置10では、送出部66の動作と関係なく噴射部28が気体を噴射する場合と比較して、連結路64にばねSが整列されやすい。言い換えると、供給装置10では、連結路64にばねSが整列される確度が上がる。また、供給装置10は、噴射部28と送出部66を交互に動作させればよいので、制御を簡素化できる。
【0114】
また、供給装置10では、供給されるばねSは、圧縮コイルばねである。圧縮コイルばねが移動時に他の圧縮コイルばねに接触すると、圧縮コイルばね同士が絡みやすい。
【0115】
このため、供給装置10では、供給されるばねSが圧縮コイルばねである場合においても、凸部24間で気体を噴射しない場合と比較して、ゲート部26での圧縮コイルばねの詰まりが抑制される。
【0116】
〔補足説明〕
上記第1実施形態の供給装置10では、供給される螺旋状の部品は、ばねSであったが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、螺旋状の部品は、コイルオーガ、アジテータ、又はねじなどであってもよい。
【0117】
第1実施形態の供給装置10では、噴射部28の噴射口52は、ゲート部26における板面22の一端部22A側に設けられていたが、噴射口52は、板面22の一端部22A側を向いていれば、ゲート部26における他の位置に設けてもよい。また、噴射口52は、ゲート部26とは異なる独立した他の部品で構成し、板面22の一端部22A側を向くように当該他の部品をゲート部26の近傍の位置に設けてもよい。
【0118】
第1実施形態の供給装置10において、凸部24の数は、変更可能であり、凸部24間の板面22上に形成される整列路の数も変更可能である。凸部24間の板面22上に形成される整列路の数は、1つでもよいし、2つ以上に変更してもよい。また、凸部24の装置奥行き方向の幅は、ばねSの長手方向の長さよりも短くてもよい。
【0119】
第1実施形態の供給装置10において、第1面40、傾斜面42、第2面44の大きさ及び高さは、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0120】
第1実施形態の供給装置10において、複数の搬送路62及び連結路64の形状及び水平面に対する傾斜角度は、変更可能である。凸部24間の板面22上に形成される整列路の数に応じて、搬送路62の数も変更可能である。
【0121】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0122】
10 供給装置
20 移動部
22 板面
22A 一端(一端部の一例)
22B 他端(他端部の一例)
24 凸部
26 ゲート部(門部の一例)
28 噴射部
30 壁
32 縦壁
34 上板(他の板の一例)
40 第1面
42 傾斜面
42A 平面部
44 第2面
52 噴射口
62 搬送路
64 連結路
66 送出部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10