(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】紫外線照射装置
(51)【国際特許分類】
G01V 8/12 20060101AFI20241022BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20241022BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G01V8/12 J
A61L9/20
A61L2/10
(21)【出願番号】P 2021053593
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
(72)【発明者】
【氏名】大武 寛和
(72)【発明者】
【氏名】高橋 寿明
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 朋和
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-036302(JP,A)
【文献】特開平10-248759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 8/12
A61L 9/20
A61L 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線光源と;
赤外線を受光する受光部
と、赤外線を発光する発光部とを有するセンサ部と;
前記受光部が端末装置からの赤外線信号を受信した場合には、受信した前記赤外線信号に応じた制御を受け付ける受付部と;
を具備
し、
前記センサ部は、前記発光部から発光された赤外線の反射光を前記受光部が受光した場合には、前記紫外線光源から照射対象までの距離を測定する距離センサを含み、
前記受付部は、前記距離センサが測定した前記距離に応じて前記紫外線光源の点灯パターンの設定を受け付ける
紫外線照射装置。
【請求項2】
前記受付部は、前記紫外線光源が点灯を開始する時刻の設定を受け付ける
請求項1に記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記紫外線光源が消灯する時刻の設定を受け付ける
請求項2に記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記紫外線光源が点灯を継続する時間の設定を受け付ける
請求項2に記載の紫外線照射装置。
【請求項5】
前記受付部は、現在時刻の設定を受け付ける
請求項2~4のいずれか1つに記載の紫外線照射装置。
【請求項6】
前記照射対象までの距離が閾値以下の場合に、前記紫外線光源を消灯させる
請求項
1~5のいずれか1つに記載の紫外線照射装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記紫外線光源の消灯時に前記受光部が受信した前記赤外線信号に応じた制御を受け付ける
請求項1~
6のいずれか1つに記載の紫外線照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紫外線照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人感センサその他のセンサによる検出結果に応じて負荷をオンオフするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、紫外線を照射して物体表面および空間中のウイルスや細菌を除菌する紫外線照射装置が知られている。人体が1日に受ける紫外線量には上限が規定されており、例えば、上記した紫外線照射装置を有人環境で使用する場合、所定時間経過後に光源を強制的に消灯させたり、照射対象との距離に応じて照射条件を変更したりといった条件設定が必要となる場合がある。このため、従来技術においては、ユーザの利便性向上が望まれている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの利便性を向上させることができる紫外線照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る紫外線照射装置は、紫外線光源と、センサ部と、受付部とを具備する。センサ部は、赤外線を受光する受光部と、赤外線を発光する発光部とを有する。受付部は、受光部が端末装置からの赤外線信号を受信した場合には、受信した赤外線信号に応じた制御を受け付ける。センサ部は、発光部から発光された赤外線の反射光を受光部が受光した場合には、紫外線光源から照射対象までの距離を測定する距離センサを含む。受付部は、距離センサが測定した距離に応じて紫外線光源の点灯パターンの設定を受け付ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させることができる紫外線照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る紫外線照射システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る紫外線照射システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る紫外線照射装置における照射制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の変形例に係る紫外線照射装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係る紫外線照射装置の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第2の実施形態に係る紫外線照射装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る紫外線照射装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下で説明する紫外線照射装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。
【0010】
以下に説明する実施形態に係る紫外線照射装置1は、紫外線光源2と、センサ部10と、受付部21とを具備する。センサ部10は、赤外線を受光する受光部5を有する。受付部21は、受光部5が端末装置50からの赤外線信号を受信した場合には、受信した赤外線信号に応じた制御を受け付ける。
【0011】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2が点灯を開始する時刻の設定を受け付ける。
【0012】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2が消灯する時刻の設定を受け付ける。
【0013】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2が点灯を継続する時間の設定を受け付ける。
【0014】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、現在時刻の設定を受け付ける。
【0015】
以下に説明する実施形態に係るセンサ部10は、紫外線光源2から照射対象までの距離を測定する距離センサ(第3センサ3A)を含む。受付部21は、距離センサが測定した距離に応じて紫外線光源2の点灯パターンの設定を受け付ける。
【0016】
以下に説明する実施形態に係る紫外線照射装置1Bは、照射対象までの距離が閾値以下の場合に、紫外線光源2を消灯させる。
【0017】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2の消灯時に受光部5が受信した赤外線信号に応じた制御を受け付ける。
【0018】
[第1の実施形態]
(紫外線照射システムの構成)
図1は、第1の実施形態に係る紫外線照射システムの一例を示す図である。
図1に示すように、紫外線照射システム100は、紫外線照射装置1と端末装置50とを有する。紫外線照射システム100は、例えば、無人または有人の屋内環境において、構造物を含む物体および空間の除菌およびウイルス抑制を実現するシステムである。
図1では、1つの紫外線照射装置1を有する紫外線照射システム100について示しているが、目的とする領域の広さに応じて複数の紫外線照射装置1を有していてもよい。
【0019】
紫外線照射装置1は、紫外線光源2と、第1センサ3と、第2センサ6と、報知部7とを有する。紫外線照射装置1は、例えば、天井や壁面に固定して使用される。
【0020】
紫外線光源2は、例えば、1または複数のエキシマランプを有しており、紫外線を照射する。紫外線光源2は、例えば、200~230nmの波長を含む紫外線を照射する。紫外線光源2は、例えばLED(Light Emitting Diode)など、エキシマランプ以外の光源であってもよい。また、特定の波長以外の光を遮断するフィルタを設け、紫外線光源2から照射される光を、フィルタを介して出力させてもよい。なお、紫外線光源2は、調光可能な発光素子を有してもよい。
【0021】
第1センサ3は、発光部4と受光部5とを有する。発光部4は、赤外線を発する発光素子を有する。受光部5は、発光部4から発光される赤外光の反射光を受光する。第1センサ3は、例えば、紫外線光源2に人が接近したことを検知する近接センサである。第1センサ3は、紫外線光源2から所定の範囲、例えば、1m以内に人が接近したことを検知する。また、第1センサ3が所定の範囲に人が接近したことを検知すると、紫外線照射装置1は、紫外線光源2の点灯を中止または中断し、紫外線光源2を消灯させる。
【0022】
また、受光部5は、端末装置50から発信される赤外線信号を受信することができる。第1センサ3は、受光部5が受光した赤外線が赤外線信号であるか否かを判定する。受光部5が端末装置50からの赤外線信号を受信したと判定された場合には、紫外線照射装置1は、受信した赤外線信号に応じた制御を実行する。なお、赤外線信号であるか否かは、例えば、コード信号の有無により判定することができる。例えば、受光部5がコード信号を含む赤外線を受光した場合、受光した赤外線が赤外線信号であると判定する。受光部5がコード信号を含まない赤外線を受光した場合、受光した赤外線が赤外線信号でないと判定する。なお、第1センサ3がコード信号の種別を確認し、受光部5が受光した赤外線が赤外線信号であると判定してもよい。
【0023】
第2センサ6は、例えば、紫外線光源2からの照射領域における人や動物の存否を検知する人感センサである。第2センサ6は、例えば、赤外線センサや、超音波センサ、可視光センサ等を用いることができる。
【0024】
報知部7は、紫外線照射装置1の運転状態や異常の有無等に関する情報を報知する。報知部7は、第1ランプ8と第2ランプ9とを有する。第1ランプ8は、1または複数の発光素子を有しており、紫外線光源2の点灯状況を報知する。第1ランプ8は、例えば、点灯により紫外線光源2が点灯していることを報知する。また、第1ランプ8は、例えば、消灯により紫外線光源2が消灯していることを報知する。
【0025】
第2ランプ9は、1または複数の発光素子を有しており、紫外線照射装置1の稼働状況を報知する。第2ランプ9は、例えば、点灯により紫外線照射装置1が運転中であることを報知する。また、第2ランプ9は、例えば、点滅により紫外線照射装置1の異常を報知する。第2ランプ9は、例えば、発光色の相違により紫外線光源2の交換を促す報知をしてもよい。
【0026】
なお、報知部7が報知する情報は、上記したものに限られない。報知部7は、例えば、第2センサ6による検知の状況を報知してもよい。また、報知部7は、後述する紫外線光源2の点灯モードを、第1ランプ8および/または第2ランプ9の照明態様を異ならせて報知してもよい。第1ランプ8および/または第2ランプ9の照明態様には、例えば、点灯色およびその組み合わせ、点滅間隔などが含まれてもよい。さらに、報知部7は、例えば音声等により上記したような各種情報を報知してもよい。
【0027】
端末装置50は、例えば、紫外線照射装置1の管理者や、紫外線照射装置1が設置された施設等を利用する利用者等が所有する端末装置である。端末装置50は、ユーザの操作に対応する操作情報を赤外線信号として送信する。また、端末装置50として、例えば紫外線照射装置1のオンオフ等を制御する可搬性のリモートコントローラを採用可能である。また、端末装置50は、スマートフォンや、タブレット端末、ノートパソコン等の可搬性の端末装置であってもよく、施設内に固定されるリモートコントローラであってもよい。
【0028】
(実施形態に係る各装置の機能構成)
上記した紫外線照射装置1が実行する処理について、
図2を用いて、実施形態に係る紫外線照射システム100が有する各装置の構成の説明とともに、詳細に説明する。
図2は、第1の実施形態に係る紫外線照射システムの構成の一例を示すブロック図である。なお、
図1で説明した内容については、適宜説明を省略または簡略化する。
【0029】
まず、紫外線照射装置1の構成について説明する。本実施形態に係る紫外線照射装置1は、
図1を用いて説明した紫外線光源2および報知部7と、センサ部10と、制御部20と、記憶部30と、タイマ40とを有する。
【0030】
センサ部10は、
図1を用いて説明した第1センサ3および第2センサ6を有する。センサ部10は、近接センサとしての第1センサ3で得られた検知結果を、制御部20へ出力する。また、センサ部10は、第1センサ3の受光部5(
図1参照)が端末装置50からの赤外線信号を受信した場合には、受信した赤外線信号を制御部20へ出力する。また、センサ部10は、人感センサとしての第2センサ6で得られた検知結果を、制御部20へ出力する。
【0031】
制御部20は、受付部21と、センサ制御部22と、点灯制御部23と、報知制御部24とを有する。
【0032】
制御部20は、各種の処理手順等を規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部20は、マイクロコンピュータ等により実装される。マイクロコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ、およびROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶デバイスを搭載する。ROMには、紫外線照射装置1の各部を制御するためのプログラムや各種処理を実行するためのアプリケーションが格納されている。CPU等のプロセッサが、ROMに格納されたプログラムやアプリケーションを実行することで、マイクロコンピュータによる紫外線照射装置1の制御や各種機能が実現される。RAMは、CPU等のプロセッサによる演算の実行等に必要なメモリ領域として使用される。なお、制御部20は、記憶部30に格納されているプログラム等を読み込んで、読み込んだプログラムを実行することにより、紫外線照射装置1の制御や各種機能を実現してもよい。
【0033】
受付部21は、受光部5が受信した赤外線信号に応じた制御を受け付ける。受付部21は、受光部5が端末装置50から出力された赤外線信号を受信した場合には、赤外線信号に応じた制御を受け付ける。
【0034】
受付部21は、例えば、紫外線光源2が点灯を開始する時刻の設定を受け付ける。受付部21は、例えば、紫外線光源2が点灯を継続する時間の設定を受け付ける。受付部21は、点灯開始時刻や点灯時間の設定に関する制御を受け付けると、受付部21が受け付けた制御に基づく設定処理を実行し、設定情報32として記憶部30に記憶する。また、受付部21は、紫外線光源2が消灯する時刻の設定を受け付けてもよい。
【0035】
受付部21は、現在時刻の設定を受け付けてもよい。受付部21は、受光部5が端末装置50から出力された赤外線信号に現在時刻に関する情報が含まれている場合には、受付部21は、現在時刻の設定を受け付けることができる。受付部21が現在時刻の設定を受け付けると、受付部21は、受け付けた現在時刻に基づいてタイマ40を設定させる。タイマ40は、例えば、紫外線照射装置1が有する内部タイマであり、所定時間(例えば、24時間)計時可能である。
【0036】
また、受付部21は、紫外線光源2を点灯/消灯させる指示を受け付けてもよい。受付部21は、さらに、紫外線照射装置1をオンオフさせる指示を受け付けてもよい。
【0037】
また、受付部21は、紫外線光源2の消灯時に受光部5が受信した赤外線信号に応じた制御を受け付けてもよい。これにより、例えば、赤外線信号の誤検知による紫外線照射装置1の誤作動を低減できる。
【0038】
センサ制御部22は、センサ部10が有する第1センサ3および第2センサ6の動作を制御する。センサ制御部22は、第1センサ3および第2センサ6のオンオフを制御する。また、センサ制御部22は、必要に応じて第1センサ3および/または第2センサ6の検知感度を変更させてもよい。
【0039】
点灯制御部23は、紫外線光源2の点灯を制御する。点灯制御部23は、例えば、記憶部30に記憶されている設定情報32を参照し、所定の点灯パターンで紫外線光源2を点灯させてもよい。点灯パターンは、例えば、点灯中の紫外線光源2を一時的に消灯させ、間欠的に点灯させる点灯制御である。点灯パターンは、例えば、規則的に繰り返される点灯時間(例えば、15秒間)と消灯時間(例えば、200秒間)の組み合わせで表される。点灯制御部23は、記憶部30に予め記憶されている設定情報32を参照し、条件に応じた所定の点灯パターンで紫外線光源2を点灯させる。
【0040】
また、点灯制御部23は、例えば、記憶部30に記憶されている設定情報32およびタイマ40を参照し、予め設定された点灯開始時刻に紫外線光源2を点灯させてもよい。また、点灯制御部23は、予め設定された点灯終了時刻に紫外線光源2を消灯させてもよい。さらに、点灯制御部23は、記憶部30に予め記憶されている設定情報32を参照し、所定時間経過後に紫外線光源2を消灯させてもよい。
【0041】
さらに、点灯制御部23は、受付部21が紫外線光源2を点灯/消灯させる制御を受け付けた場合には、受け付けた制御内容に応じて紫外線光源2をオンオフさせる。また、紫外線光源2が調光可能な場合には、点灯制御部23は、受付部21が受け付けた制御内容に応じて紫外線光源2の調光率を制御してもよい。
【0042】
報知制御部24は、報知部7による報知を制御する。報知制御部24は、報知部7が有する第1ランプ8と第2ランプ9を制御する。報知制御部24は、記憶部30に予め記憶されている報知情報33を参照し、紫外線照射装置1の運転状態や異常の有無等に関する情報に応じた態様で報知部7を動作させる。
【0043】
記憶部30は、紫外線照射装置1の各種制御を実現するためのプログラムを記憶する。記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部30には、例えば、パターン情報31、設定情報32および報知情報33が記憶される。
【0044】
パターン情報31は、予め設定されている1または複数の点灯パターンである。紫外線照射装置1は、複数の点灯パターンのうち、用途および設置位置等を点灯パターンと対応付けて設定情報32に登録できる。
【0045】
設定情報32は、紫外線光源2の点灯制御に関する情報である。設定情報32には、例えば、紫外線光源2の点灯開始時刻、点灯終了時刻または点灯継続時間、点灯モードなどが含まれてよい。
【0046】
報知情報33は、報知部7の報知制御に関する情報である。報知情報33には、例えば、紫外線照射装置1の運転状態や異常の有無等に関する情報が、報知部7による報知態様と対応付けて登録される。
【0047】
次に、端末装置50の構成について説明する。端末装置50は、操作部51と、計時部52と、発信部53と、記憶部54とを有する。
【0048】
操作部51は、紫外線照射システム100が有する紫外線照射装置1に対する制御指示をユーザから受け付ける。例えば、操作部51は、紫外線照射装置1が有する紫外線光源2の点灯、消灯、点灯開始時刻、点灯継続時間または点灯終了時刻の設定/変更等をユーザから受け付けると、受け付けた点灯、消灯、点灯開始時刻、点灯継続時間または点灯終了時刻の設定/変更等を示す制御指示を、発信部53を介して紫外線照射装置1に出力する。
【0049】
計時部52は、現在時刻を計時する。発信部53は、操作部51が受け付けた制御指示を、現在時刻と対応付けた赤外線信号を発信する。記憶部54は、端末装置50の各種制御を実現するためのプログラムを記憶する。
【0050】
このように紫外線照射装置1は、赤外線を受光する受光部5が端末装置50からの赤外線信号を受信した場合には、受信した赤外線信号に応じた制御を受け付ける受付部21を具備する。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0051】
なお、端末装置50は、例えば、操作部51による操作内容を表示する不図示の表示部を有してもよい。また、端末装置50は、例えば、操作部51および表示部が一体化されたタッチパネルなどの操作制御部を有してもよい。
【0052】
次に、
図3を用いて、第1の実施形態に係る紫外線照射装置1が実行する処理手順について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る紫外線照射装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0053】
紫外線照射装置1の受光部5は、赤外線を受光する(ステップS11)。第1センサ3は、受光部5が端末装置50からの赤外線信号を受信したか否かを判定する(ステップS12)。受光部5が赤外線信号を受信した場合(ステップS12,Yes)、受付部21は、受信した赤外線信号に応じた制御を受け付け(ステップS13)、ステップS12以降の処理を繰り返す。
【0054】
受光部5が赤外線信号を受信しない場合(ステップS12,No)、受光部5は、引き続き近接センサである第1センサ3としてセンサ検知を行い(ステップS14)、第1センサ3は、近接を検知したか否かを判定する(ステップS15)。第1センサ3が近接を検知した場合(ステップS15,Yes)、受付部21は、点灯制御部23を介して紫外線光源2の点灯を終了させる(ステップS16)。そして、第1センサ3が近接を検知しない場合(ステップS15,No)、紫外線照射装置1はステップS12に戻り、以降の処理を繰り返し実行する。
【0055】
(第1の実施形態に係る紫外線照射装置の変形例)
図4は、第1の実施形態の変形例に係る紫外線照射装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、本変形例に係る紫外線照射装置1Aは、タイマ40に代えてクロック40aを有する点で第1の実施形態に係る紫外線照射装置1と相違する。
【0056】
クロック40aは、例えば、リアルタイムクロックである。紫外線照射装置1Aがクロック40aを有することにより、例えば、端末装置50からの現在時刻の取得が不要となり、利便性が向上する。
【0057】
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係る紫外線照射装置の一例を示す図である。
図6は、第2の実施形態に係る紫外線照射装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図5、
図6に示すように、第2の実施形態に係る紫外線照射装置1Bは、近接センサとしての第1センサ3に代えて第3センサ3Aを有している点で第1の実施形態に係る紫外線照射装置1と相違する。第3センサ3Aは、距離センサであり、紫外線光源2から照射対象までの距離を測定する。第3センサ3Aは、例えば、発光部4Aから照射された赤外線が照射対象で反射された反射光を受光部5Aが受光することで距離を計測することができる。
【0059】
第3センサ3Aによって計測された照射対象までの距離は、例えば、紫外線光源2の点灯パターンの設定または変更に利用することができる。
図6に示すように、紫外線照射装置1Bの記憶部30には、距離情報34が記憶されている。
【0060】
図7は、距離情報の一例を示す図である。
図7に示すように、距離情報34は、「照射対象までの距離」、「点灯パターン」が対応付けられている。「照射対象までの距離」は、第3センサ3Aによって計測された照射対象までの距離である。「点灯パターン」は、パターン情報31に記憶されている複数の点灯パターンのいずれかを特定するパターンIDを示す。
【0061】
例えば、第3センサ3Aによって計測された照射対象までの距離が閾値α以下である場合、受付部21は、距離情報34を参照し、点灯制御部23を通じて紫外線光源2を消灯させる。第3センサ3Aによって計測された照射対象までの距離が閾値β以上である場合、受付部21は、距離情報34を参照し、点灯制御部23を通じて紫外線光源2の点灯パターンを「0002」に設定または変更する。
【0062】
第3センサ3Aによる距離測定の対象である照射対象は、例えば、対象物または人であってもよい。照射対象が対象物である場合、第3センサ3Aは、例えば紫外線照射装置1Bの設置時における点灯パターンの初期設定に利用することができる。一方、照射対象が人である場合、第3センサ3Aは、例えば設置後の紫外線照射装置1Bにおける有人環境下での紫外線暴露量の安定管理に利用することができる。
【0063】
[その他の変形例]
上記した各実施形態では、紫外線光源2は点灯開始後、点灯継続時間経過後または点灯終了時刻に消灯するとして説明したが、紫外線光源2は点灯を継続してもよい。かかる場合、紫外線照射装置は、センサ部10の第2センサ6が人を検知した場合に紫外線光源2を消灯させる無人点灯モードで動作させることができる。
【0064】
また、上記した各実施形態では、センサ部10は2つのセンサを有していたが、3以上のセンサを有してもよい。例えば、センサ部10が第1センサ3、第2センサ6および第3センサ3Aを有してもよい。
【0065】
このように、実施形態に係る紫外線照射装置1は、紫外線光源2と、センサ部10と、受付部21とを具備する。センサ部10は、赤外線を受光する受光部5を有する。受付部21は、受光部5が端末装置50からの赤外線信号を受信した場合には、受信した赤外線信号に応じた制御を受け付ける。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0066】
また、実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2が点灯を開始する時刻の設定を受け付ける。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0067】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2が消灯する時刻の設定を受け付ける。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2が点灯を継続する時間の設定を受け付ける。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、現在時刻の設定を受け付ける。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0070】
以下に説明する実施形態に係るセンサ部10は、紫外線光源2から照射対象までの距離を測定する距離センサ(第3センサ3A)を含む。受付部21は、距離センサが測定した距離に応じて紫外線光源2の点灯パターンの設定を受け付ける。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0071】
以下に説明する実施形態に係る紫外線照射装置1Bは、照射対象までの距離が閾値以下の場合に、紫外線光源2を消灯させる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0072】
以下に説明する実施形態に係る受付部21は、紫外線光源2の消灯時に受光部5が受信した赤外線信号に応じた制御を受け付ける。これにより、赤外線信号の誤検知による紫外線照射装置1の誤作動を低減できることから、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0074】
1 紫外線照射装置
2 紫外線光源
3 第1センサ
4 発光部
5 受光部
6 第2センサ
7 報知部
10 センサ部
20 制御部
21 受付部
22 センサ制御部
23 点灯制御部
24 報知制御部
30 記憶部
31 パターン情報
32 設定情報
33 報知情報
34 距離情報
50 端末装置
100 紫外線照射システム