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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241022BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241022BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241022BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20241022BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241022BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20241022BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241022BHJP
   G16Y 20/30 20200101ALI20241022BHJP
   B60L 15/20 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J13/00 301A
B60L50/60
B60L53/12
B60L53/14
B60L58/10
G16Y10/40
G16Y20/30
B60L15/20 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021190164
(22)【出願日】2021-11-24
(65)【公開番号】P2023077049
(43)【公開日】2023-06-05
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真輝
(72)【発明者】
【氏名】楠本 光優
(72)【発明者】
【氏名】平野 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】山下 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】田島 大輝
(72)【発明者】
【氏名】小林 勝也
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊洋
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129901(JP,A)
【文献】特開2013-179723(JP,A)
【文献】特開2019-165541(JP,A)
【文献】特開2016-102668(JP,A)
【文献】特開2019-28564(JP,A)
【文献】特開2020-52072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-13/00
15/00-58/40
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Y 10/00-40/60
G16Z 99/00
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置が搭載された車両のユーザに第1充電設備または第2充電設備を提案するための情報処理装置であって、
前記第1充電設備は、充電ケーブルを用いた接触充電方式により前記蓄電装置を充電するように構成されており、
前記第2充電設備は、前記接触充電方式とは異なる非接触充電方式により前記蓄電装置を充電するように構成されており、
前記情報処理装置は、
前記非接触充電方式を前記ユーザに推奨する程度を表す非接触充電推奨度を前記ユーザの特徴に基づいて決定する決定部と、
前記第1充電設備および前記第2充電設備のうち前記ユーザに提案される充電設備である提案設備を設定する設定部とを備え、
前記設定部は、前記非接触充電推奨度が高い場合に、前記非接触充電推奨度が低い場合よりも前記提案設備に前記第2充電設備を設定する、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザのプロフィール情報の入力を受ける入力部をさらに備え、
前記非接触充電推奨度は、前記プロフィール情報に従って決定される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロフィール情報は、前記ユーザの年齢であるユーザ年齢を含み、
前記ユーザの前記特徴は、前記入力部を通じて入力された前記ユーザ年齢を含み、
前記決定部は、前記ユーザ年齢が高い場合に、前記ユーザ年齢が低い場合よりも前記非接触充電推奨度が高くなるように前記非接触充電推奨度を決定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロフィール情報は、前記ユーザが前記接触充電方式よりも前記非接触充電方式を好む程度を示す好み度を含み、
前記ユーザの前記特徴は、前記入力部を通じて入力された前記好み度を含み、
前記決定部は、前記好み度が高い場合に、前記好み度が低い場合よりも前記非接触充電推奨度が高くなるように前記非接触充電推奨度を決定する、請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザを撮影する撮影装置により生成されたユーザ画像を取得する取得部と、
前記ユーザの年齢であるユーザ年齢を前記ユーザ画像に従って推定する推定部とをさらに備え、
前記ユーザの前記特徴は、前記推定部により推定された前記ユーザ年齢を含み、
前記決定部は、前記ユーザ年齢が高い場合に、前記ユーザ年齢が低い場合よりも前記非接触充電推奨度が高くなるように前記非接触充電推奨度を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1充電設備および前記第2充電設備の各々について、当該充電設備が前記ユーザに推奨される程度を示すトータル推奨度を算出する算出部と、
前記車両が前記第2充電設備に到着するまでに要する時間の推定値である推定到着時間の短さの程度を表す時間的推奨度を決定する時間的推奨度決定部とをさらに備え、
前記時間的推奨度決定部は、前記推定到着時間が短いほど前記時間的推奨度が高くなるように前記時間的推奨度を決定し、
前記第2充電設備の前記トータル推奨度は、前記非接触充電推奨度と前記時間的推奨度とを含み、
前記設定部は、前記第1充電設備および前記第2充電設備のうち、より高い前記トータル推奨度を有する充電設備を前記提案設備に設定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
蓄電装置が搭載された車両のユーザに第1充電設備または第2充電設備を提案するための情報処理システムであって、
前記第1充電設備は、充電ケーブルを用いた接触充電方式により前記蓄電装置を充電するように構成されており、
前記第2充電設備は、前記接触充電方式とは異なる非接触充電方式により前記蓄電装置を充電するように構成されており、
前記情報処理システムは、
前記非接触充電方式を前記ユーザに推奨する程度を表す非接触充電推奨度を前記ユーザの特徴に基づいて決定する決定部と、
前記第1充電設備および前記第2充電設備のうち前記ユーザに提案される充電設備である提案設備を設定する設定部と、
前記提案設備を前記ユーザに報知する報知部とを備え、
前記設定部は、前記非接触充電推奨度が高い場合に、前記非接触充電推奨度が低い場合よりも前記提案設備に前記第2充電設備を設定する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013-26953号公報(特許文献1)は、蓄電装置が搭載された車両と、充電スタンドとを開示する。充電スタンドは、電源ケーブル(充電ケーブル)を通じて車両の蓄電装置を充電するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-26953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の蓄電装置を充電するための充電設備を車両のユーザに提案するための技術が知られている。上記のように充電設備が充電ケーブルを通じて車両の蓄電装置を充電する場合、ユーザは、充電ケーブルを手作業で車両に接続することを要する。しかしながら、ユーザによっては、例えば、このような作業を行うことが困難であったり、このような作業を好まなかったりする場合がある。このような場合、上記のような充電設備をユーザに提案することは好ましくない。
【0005】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザの特徴に応じた適切な充電設備をユーザに提案するための情報処理装置および情報処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の情報処理装置は、蓄電装置が搭載された車両のユーザに第1充電設備または第2充電設備を提案するための情報処理装置である。第1充電設備は、充電ケーブルを用いた接触充電方式により蓄電装置を充電するように構成される。第2充電設備は、接触充電方式とは異なる非接触充電方式により蓄電装置を充電するように構成される。情報処理装置は、決定部と、設定部とを備える。決定部は、非接触充電方式をユーザに推奨する程度を表す非接触充電推奨度をユーザの特徴に基づいて決定する。設定部は、第1充電設備および第2充電設備のうちユーザに提案される充電設備である提案設備を設定する。設定部は、非接触充電推奨度が高い場合に、非接触充電推奨度が低い場合よりも提案設備に第2充電設備を設定する。
【0007】
上記の構成によれば、非接触充電推奨度は、ユーザの特徴に基づいて決定される。非接触充電推奨度が高くなるほど、すなわち、非接触充電方式が推奨される特徴をユーザが有しているほど、第2充電設備がユーザに提案される。よって、ユーザの特徴に応じた適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0008】
情報処理装置は、ユーザのプロフィール情報の入力を受ける入力部をさらに備えていてもよい。非接触充電推奨度は、プロフィール情報に従って決定される。
【0009】
上記の構成によれば、ユーザのプロフィール情報が非接触充電推奨度に反映される。その結果、ユーザのプロフィール情報を反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0010】
プロフィール情報は、ユーザの年齢であるユーザ年齢を含んでいてもよい。ユーザの特徴は、入力部を通じて入力されたユーザ年齢を含んでいてもよい。決定部は、ユーザ年齢が高い場合に、ユーザ年齢が低い場合よりも非接触充電推奨度が高くなるように非接触充電推奨度を決定してもよい。
【0011】
典型的に、ユーザ年齢が高くなるほど、ユーザが充電ケーブルを手作業で車両に接続することが困難になると考えられる。上記の構成によれば、ユーザ年齢が高いほど第2充電設備がユーザに提案される。その結果、ユーザ年齢を反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0012】
プロフィール情報は、ユーザが接触充電方式よりも非接触充電方式を好む程度を示す好み度を含んでいてもよい。ユーザの特徴は、入力部を通じて入力された好み度を含んでいてもよい。決定部は、好み度が高い場合に、好み度が低い場合よりも非接触充電推奨度が高くなるように非接触充電推奨度を決定してもよい。
【0013】
上記の構成によれば、非接触充電方式に対するユーザの好み度が高いほど第2充電設備がユーザに提案される。その結果、ユーザの好み度を反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0014】
情報処理装置は、取得部と、推定部とをさらに備えていてもよい。取得部は、ユーザを撮影する撮影装置により生成されたユーザ画像を取得する。推定部は、ユーザの年齢であるユーザ年齢をユーザ画像に従って推定する。ユーザの特徴は、推定部により推定されたユーザ年齢を含んでいてもよい。決定部は、ユーザ年齢が高い場合に、ユーザ年齢が低い場合よりも非接触充電推奨度が高くなるように非接触充電推奨度を決定してもよい。
【0015】
典型的に、年齢が高くなるほど、充電ケーブルを手作業で車両に接続することが困難になると考えられる。上記の構成によれば、ユーザが非接触充電推奨度を決定するための操作を要することなく非接触充電推奨度が適切に決定される。その結果、ユーザの利便性を向上させつつ、ユーザ年齢を反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0016】
情報処理装置は、算出部と、時間的推奨度決定部とをさらに備えていてもよい。算出部は、第1充電設備および第2充電設備の各々について、当該充電設備がユーザに推奨される程度を示すトータル推奨度を算出する。時間的推奨度決定部は、車両が第2充電設備に到着するまでに要する時間の推定値である推定到着時間の短さの程度を表す時間的推奨度を決定する。時間的推奨度決定部は、推定到着時間が短いほど時間的推奨度が高くなるように時間的推奨度を決定する。第2充電設備のトータル推奨度は、非接触充電推奨度と時間的推奨度とを含む。設定部は、第1充電設備および第2充電設備のうち、より高いトータル推奨度を有する充電設備を提案設備に設定してもよい。
【0017】
上記の構成によれば、非接触充電推奨度に加えて上記の推定到着時間が提案設備の設定に反映される。その結果、より適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0018】
本開示の情報処理システムは、蓄電装置が搭載された車両のユーザに第1充電設備または第2充電設備を提案するための情報処理システムである。第1充電設備は、充電ケーブルを用いた接触充電方式により蓄電装置を充電するように構成される。第2充電設備は、接触充電方式とは異なる非接触充電方式により蓄電装置を充電するように構成される。情報処理システムは、決定部と、設定部と、報知部とを備える。決定部は、非接触充電方式をユーザに推奨する程度を表す非接触充電推奨度をユーザの特徴に基づいて決定する。設定部は、第1充電設備および第2充電設備のうちユーザに提案される充電設備である提案設備を設定する。報知部は、提案設備をユーザに報知する。設定部は、非接触充電推奨度が高い場合に、非接触充電推奨度が低い場合よりも提案設備に第2充電設備を設定する。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、ユーザの特徴に応じた適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態1に従う情報処理装置としてのサーバを備える情報処理システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2】車両、充電スタンドおよびユーザ端末の構成を詳細に示す図である。
図3】車両のECUおよびその関連機器、並びにサーバの構成を詳細に示す図である。
図4】充電設備情報DBの一例を詳細に示す図である。
図5】ユーザ端末のHMI装置に表示される画面の一例を示す図である。
図6】実施の形態1に従うサーバの機能、およびユーザ端末の動作を説明するためのブロック図である。
図7】非接触充電推奨度および時間的推奨度の決定、ならびにトータル推奨度の算出のために用いられるデータの一例を説明するための図である。
図8】比較例においてユーザ端末のHMI装置に表示されるナビ画面の一例を示す図である。
図9】実施の形態1においてユーザ端末のHMI装置に表示されるナビ画面の一例を示す図である。
図10】実施の形態1においてユーザへの提案設備の報知に伴って実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図11】実施の形態2に従うサーバの機能、およびユーザ端末の動作を説明するためのブロック図である。
図12】カメラにより生成されたユーザ画像の一例を示す図である。
図13】実施の形態2においてユーザへの提案設備の報知に伴って実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図14】実施の形態3において非接触充電推奨度の決定のために用いられるデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明を繰り返さない。
【0022】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に従う情報処理装置としてのサーバを備える情報処理システムの全体構成を概略的に示す図である。
【0023】
情報処理システム10は、車両100と、サーバ200と、ユーザ端末400とを備える。車両100、サーバ200、およびユーザ端末400は、インターネット等の通信ネットワークNWに接続される。
【0024】
車両100は、走行用の蓄電装置が搭載された電動車両であって、たとえば電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)である。車両100は、車両100の外部に設けられる充電スタンド300などの充電設備を用いて蓄電装置を充電する外部充電を実行可能に構成される。
【0025】
サーバ200は、通信ネットワークNWを通じて車両100と通信するように構成される。
【0026】
ユーザ端末400は、車両100のユーザにより操作される携帯端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはウェアラブル端末である。ユーザは、ユーザ端末400を操作することによって、車両100の目的地を入力することができる。
【0027】
図2は、車両100、充電スタンド300およびユーザ端末400の構成を詳細に示す図である。
【0028】
図2を参照して、車両100は、蓄電装置110と、センサユニット112と、SMR(System Main Relay)115と、PCU(Power Control Unit)120と、MG(Motor Generator)130と、駆動輪140とを備える。車両100は、インレット150と、充電リレーRY1,RY2と、通信装置(Data Communication Module)170と、受電装置155と、HMI(Human Machine Interface)装置145とをさらに備える。車両100は、GPS(Global Positioning System)受信器172と、カメラ180と、生体センサ185と、ECU(Electronic Control Unit)160とをさらに備える。
【0029】
蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池などの二次電池である。蓄電装置110の蓄電量は、SOC(State of Charge)により表される。
【0030】
センサユニット112は、蓄電装置110の電圧、電流および温度をそれぞれ検出する電圧センサ、電流センサおよび温度センサを含む。
【0031】
SMR115は、蓄電装置110に接続される電力線PL1およびNL1と、PCU120との間に設けられる。SMR115は、車両100の走行中にオン状態に制御される。
【0032】
PCU120は、コンバータおよびインバータなどの電力変換装置を含む(いずれも図示せず)。PCU120は、蓄電装置110から受ける直流電力を交流電力に変換する。
【0033】
MG130は、PCU120により変換された交流電力を受けて回転駆動力を発生する。MG130により発生された駆動力は、駆動輪140に伝達される。これにより、車両100が走行する。
【0034】
インレット150は、系統電源310から充電スタンド300を通じて供給される電力を受けるように構成される。以下、充電スタンド300からインレット150に供給される電力を用いて実行される車両100の外部充電を「接触充電」とも称する。
【0035】
充電リレーRY1は、電力線PL1およびNL1に接続される。充電リレーRY1は、接触充電の実行中、閉状態に制御される。
【0036】
通信装置170は、通信ネットワークNWを通じて、車両100とサーバ200との間、および、車両100とユーザ端末400との間で双方向のデータ通信を実行可能に構成される。通信装置170は、非接触充電設備304(後述)との間で近距離通信をさらに実行可能に構成される。
【0037】
受電装置155は、受電コイル156と、電力変換装置157とを含む。受電コイル156は、系統電源310から非接触充電設備304を通じて非接触で交流電力を受ける。電力変換装置157は、受電コイル156により非接触で受電された交流電力を、蓄電装置110の電圧レベルの直流電力に変換する。以下、非接触充電設備304から受電装置155に供給される電力を用いて実行される車両100の外部充電を「非接触充電」とも称する。非接触充電設備304が走行レーン(充電レーン)またはその側壁に設けられている場合、車両100は、走行中に非接触充電を実行することができる(走行中充電)。
【0038】
充電リレーRY2は、蓄電装置110と受電装置155との間に設けられる。充電リレーRY2は、非接触充電の実行中、閉状態に制御される。
【0039】
HMI装置145は、車両100のユーザ195に様々な情報を提供したり、ユーザ195による入力操作を受け付けたりするタッチスクリーンである。HMI装置145は、表示部147と、入力部148と、メモリ149と、CPU(Central Processing Unit)146とを含む。表示部147は、車両100のユーザ195に様々な情報を表示する。
【0040】
入力部148は、ユーザ195による操作の入力を受ける。例えば、入力部148は、ユーザ195のプロフィール情報の入力、または車両100の目的地の入力を受ける。
【0041】
メモリ149は、HMI装置145に各種機能を達成させるためのプログラムおよびデータを格納する。CPU146は、メモリ149に格納されたプログラムおよびデータを実行する。これにより、HMI装置145は、例えば、カーナビゲーション装置として機能することができる。この場合、ユーザ195が入力部148を用いて車両100の目的地を設定すると、目的地を示す情報は、ECU170に伝達された後、通信装置170を通じてサーバ200に送信される。その後、車両100の現在地から目的地までの走行経路がサーバ200により設定される。この走行経路を示す情報は、サーバ200から車両100に送信される。表示部147は、車両100の走行経路を表示する。
【0042】
GPS受信器172は、車両100の現在位置を示す位置情報を、人工衛星からの電波に基づいて取得する。この位置情報は、ECU170に伝達された後、HMI装置145により用いられたり、通信装置170を通じてサーバ200へ送信されたりする。
【0043】
カメラ180は、乗車中のユーザ195を撮影することによってユーザ画像を生成する撮影装置である。カメラ180は、ユーザ画像をECU100に出力する。
【0044】
生体センサ185は、乗車中のユーザ195の体温、心拍数、脈拍、血圧などの生体情報を、例えば非接触で検出し、その検出値をECU100に出力する。生体情報は、ユーザ195の体温、心拍数、脈拍または血圧とは異なる情報であってもよい。
【0045】
ECU160は、各センサ信号、並びにメモリに記憶されたプログラム、データおよびマップに従って車両100の各機器を制御する。ECU160は、例えば、SMR115、PCU120、充電リレーRY1,RY2、HMI装置145、受電装置155、通信装置170を制御する。
【0046】
ECU160は、センサユニット112の検出値に従って、公知の手法を用いて蓄電装置110のSOCを算出する。
【0047】
ECU160は、充電スタンド300または非接触充電設備304などの充電設備を用いて蓄電装置110を充電する外部充電制御を実行するように構成される。以下、充電スタンド300からインレット150に供給される電力を用いた外部充電制御を「接触充電制御」とも称する。非接触充電設備304から受電装置155に供給される電力を用いた外部充電制御を「非接触充電制御」とも称する。
【0048】
ECU160は、例えば、接触充電制御を実行する場合、充電スタンド300からインレット150へ電力が供給されるように充電スタンド300へ充電開始要求および充電電流指令値をCAN(Controller Area Network)通信により送信する。これにより、接触充電が実行される。
【0049】
ECU170は、非接触充電制御を実行する場合、非接触充電設備304から受電装置155へ電力が供給されるように、通信装置170を通じて近距離通信により非接触充電設備304に給電要求を出力する。これにより、非接触充電設備304の送電装置305から受電装置155へ電力が供給される。その結果、非接触充電が開始される。
【0050】
充電スタンド300は、充電装置302を含む。充電装置302は、接触充電中に、系統電源310からの交流電力を直流電力に変換する。変換後の電力は、充電スタンド300の充電ケーブル190およびコネクタ194を通じてインレット150へ供給される。典型的に、充電スタンド300の充電速度は、非接触充電設備304の充電速度よりも速い。
【0051】
ユーザ端末400は、HMI装置420と、通信装置430と、記憶装置435と、GPS受信器440と、処理装置410とを含む。
【0052】
HMI装置420は、タッチスクリーンであって、入力部422と、表示部425とを含む。入力部422は、ユーザ195による入力(例えば、プロフィール情報の入力、および目的地の入力)を受ける。表示部147は、車両100のユーザ195に様々な情報を表示する。
【0053】
HMI装置420は、HMI装置145と同様にカーナビゲーション装置として機能することができる。HMI装置420は、充電スタンド300および非接触充電設備304のような充電設備を報知によってユーザ195に提案するために用いられる。
【0054】
通信装置430は、車両100およびサーバ200と無線で通信するためのインターフェースである。
【0055】
記憶装置435は、処理装置410またはHMI装置420により用いられるプログラムおよびデータを格納する。GPS受信器440は、ユーザ端末400の現在位置を示す位置情報を人口衛星から取得する。
【0056】
処理装置410は、記憶装置435に記憶されたプログラムおよびデータ、ならびにHMI装置420に入力された情報に従って、ユーザ端末400の各機器を制御するための処理を実行する。例えば、ユーザ195がプロフィール情報および車両100の目的地をHMI装置420に入力した場合、処理装置410は、そのプロフィール情報および目的地を示す情報を、通信装置430を通じてサーバ200に送信する。
【0057】
図3は、車両100のECU160およびその関連機器、並びにサーバ200の構成を詳細に示す図である。
【0058】
図3を参照して、車両100のECU160は、処理部161と、入出力インターフェース165とを含む。処理部161は、CPU162と、メモリ163とを含む。メモリ163は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを含む(いずれも図示せず)。
【0059】
ECU160、通信装置170、GPS受信器172、カメラ180および生体センサ185は、車載ネットワーク(バス)191に接続されている。
【0060】
ECU160は、通信装置170を通じて、サーバ200、ユーザ端末400および非接触充電設備304と各種情報をやり取りする。ECU160は、例えば、車両100の各種情報を含む車両情報を、通信装置170を通じてサーバ200に送信する。車両情報は、車両100の現在地と、車両100の目的地と、蓄電装置110の現在のSOCとを含む。
【0061】
サーバ200は、通信装置210と、記憶装置220と、処理装置230とを備える。
通信装置210は、車両100およびユーザ端末400と通信可能に構成される。通信装置210は、例えば、車両100から上記の車両情報を取得(受信)する。ユーザ195が車両100に乗車している場合には、ユーザ端末400の位置と車両100の位置とが等しいため、通信装置210は、ユーザ端末400から、その位置情報および車両100の目的地情報を取得してもよい。通信装置210は、処理装置230により設定された車両100の走行経路を、車両100またはユーザ端末400に送信する。
【0062】
記憶装置220は、地図情報データベース(DB)222と、交通情報データベース(DB)224と、車両情報データベース(DB)226と、充電設備情報データベース(DB)221とを含む。
【0063】
地図情報DB222は、道路地図データを含む地図情報を格納する。交通情報DB224は、車両100を含む多数の車両から送信される情報(各車両の位置、車速など)に従って、地図情報DB222における道路の交通量を示す情報のリアルタイムデータおよび履歴を格納している。車両情報DB226は、車両100のIDおよび電費を示す情報を含む。充電設備情報DB221は、多数の充電設備の情報を格納する。
【0064】
図4は、充電設備情報DB221の一例を詳細に示す図である。図4を参照して、充電設備情報DB221は、充電設備のID、充電方式、および位置を充電設備ごとに示す。
【0065】
図2を再び参照して、充電スタンド300を用いて車両100の接触充電が実行される場合、ユーザ195は、インレット150に手作業で充電ケーブル190を接続することを要する。しかしながら、ユーザ195は、例えば高齢者または身体が不自由である場合、このような作業を行うことが困難である。あるいは、そのような場合であるか否かに拘らず、ユーザ195によっては、このような作業を好まないことがある。そのため、蓄電装置110の充電を要する場合に、接触充電方式の充電スタンド300をユーザ195に提案することは好ましくないことがある。
【0066】
実施の形態1に従うサーバ200は、上記の問題に対処するための構成を備える。具体的には、サーバ200は、非接触充電方式をユーザ195に推奨する程度を表す非接触充電推奨度をユーザの特徴に基づいて決定する。サーバ200は、充電スタンド300および非接触充電設備304のうちユーザ195に提案される充電設備である提案設備を設定する。サーバ200は、非接触充電推奨度が高い場合に、非接触充電推奨度が低い場合よりも非接触充電設備304を提案設備に設定する。
【0067】
上記の構成によれば、非接触充電好適度は、ユーザ195の特徴に基づいて決定される。非接触充電推奨度が高くなるほど、すなわち、非接触充電方式が推奨される特徴をユーザ195が有しているほど、非接触充電設備304が充電スタンド300に優先してユーザ195に提案されやすくなる。よって、ユーザ195の特徴に応じた適切な充電設備をユーザ195に提案することができる。
【0068】
実施の形態1では、非接触充電推奨度は、ユーザ195のプロフィール情報に従って決定される。これにより、ユーザ195のプロフィール情報が非接触充電推奨度Xに反映される。その結果、ユーザ195のプロフィール情報を反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。以下、図5図9を用いて、詳しく説明する。
【0069】
図5は、ユーザ端末400のHMI装置420に表示される画面の一例を示す図である。図5を参照して、画面500は、例えば、ユーザ195が車両100を購入したときにユーザ195のプロフィール情報の入力を受けるために表示される。画面500が表示されると、プロフィール情報がHMI装置420の入力部422を通じてユーザ端末400に入力される。
【0070】
画面500は、メッセージ505~509と、ボタン510~565とを含む。
メッセージ505は、ユーザ195の年齢であるユーザ年齢をユーザ195に問い合わせる。メッセージ506は、ユーザ195が身体的に不自由であるか否かをユーザ195に問い合わせる。メッセージ507は、ユーザ195が接触充電方式よりも非接触充電方式を好むか否かをユーザ195に問い合わせる。メッセージ509は、非接触充電方式の好み度をユーザ195に問い合わせる。好み度は、ユーザ195が接触充電方式よりも非接触充電方式を好む程度を示す。
【0071】
ボタン510~565のいずれかが操作されると、操作されたボタンに対応する問い合わせへの答えが、HMI装置420の入力部422を通じてユーザ端末400に入力される。例えば、ボタン510が操作されると、ユーザ195の年齢が30代以下であることを示す情報がユーザ端末400に入力される。
【0072】
メッセージ505~509への答えが入力されると、これらの答えを示す情報(具体的には、ユーザ年齢、ユーザ195が身体的に不自由であるか否か、および好み度)は、プロフィール情報として、ユーザ端末400の記憶装置435に格納される。この情報は、ユーザ端末400からサーバ200に送信されて、サーバ200の記憶装置220に格納されてもよい。
【0073】
図6は、実施の形態1に従うサーバ200の機能、およびユーザ端末400の動作を説明するためのブロック図である。この例では、ユーザ195は、ユーザ端末400を携帯した状態で車両100に乗車しており、充電設備の提案を希望することを示すユーザ操作を入力したものとする。
【0074】
図6を参照して、処理装置410は、上記のユーザ操作の入力に応答して、GPS受信器440からユーザ端末400の位置情報(この例では、車両100の位置情報に等しい)を取得する。さらに、処理装置410は、記憶装置435からユーザ195のプロフィール情報436を読み込む。次いで、処理装置410は、前述の提案設備を設定するように、通信装置430を通じてサーバ200に要求を出力する(提案設備設定要求PESR)。この要求は、読み込まれたプロフィール情報436と、ユーザ端末400の位置情報とを含む。
【0075】
サーバ200の通信装置210は、ユーザ端末400から提案設備設定要求PESRを受信する。受信された提案設備設定要求PESRは、処理装置230に伝達される。
【0076】
処理装置230は、その機能的な構成として、抽出部705と、決定部710と、候補設備選択部712と、時間的推奨度決定部715と、算出部720と、設定部725とを備える。
【0077】
抽出部705は、通信装置210により受信された提案設備設定要求PESRに含まれるプロフィール情報から、ユーザ特徴値UCVを抽出する。ユーザ特徴値UCVは、ユーザ195の特徴を表し、例えば、ユーザ年齢、および非接触充電方式の好み度のうち少なくとも1つを含む。ユーザ特徴値UCVは、ユーザ195が身体的に不自由であるか否かを示す情報をさらに含んでいてもよい。ユーザ特徴値UCVは、決定部710に出力される。
【0078】
決定部710は、ユーザ特徴値UCVに基づいて非接触充電推奨度Xを決定する。決定部710は、ユーザ特徴値UCVが高い場合に、ユーザ特徴値UCVが低い場合よりも非接触充電推奨度Xが高くなるように非接触充電推奨度Xを決定する。この例では、ユーザ年齢、および非接触充電方式の好み度のユーザ特徴値の少なくとも1つが高い場合に、当該少なくとも1つの当該ユーザ特徴値が低い場合よりも非接触充電推奨度Xが高くなるように非接触充電推奨度Xを決定する。非接触充電推奨度Xは、算出部720に出力される。非接触充電推奨度Xの具体的な決定方法については、後述する。
【0079】
候補設備選択部712は、充電設備情報DB221(図4)に格納されているIDを有する複数の充電設備の中から、提案設備の候補である複数の候補設備を選択する。候補設備は、車両100の現在位置から所定距離の範囲内に位置する充電設備の中から選択される。候補設備は、車両100が目的地に到着するまでに走行する走行経路沿いに位置する設備の中から選択されてもよい。候補設備選択部712は、提案設備設定要求PESRに含まれるユーザ端末400の位置情報PI(車両100の現在位置)と、充電設備情報DB221(図4)における各充電設備の位置とに従って候補設備を選択する。候補設備を示す候補設備情報CEI(例えば、候補設備のID)は、時間的推奨度決定部715に出力される。
【0080】
時間的推奨度決定部715は、候補設備情報CEIに従って時間的推奨度Yを候補設備ごとに算出する。時間的推奨度Yは、車両100が充電スタンド300または非接触充電設備304などの充電設備に到着するまでに要する時間の推定値である推定到着時間の短さの程度を表す。時間的推奨度決定部715は、地図情報DB222および交通情報DB224に従って候補設備ごとに推定到着時間を算出することによって、候補設備ごとに時間的推奨度Yを算出する。充電設備への推定到着時間が短いほど、ユーザ195がその充電設備を利用することが推奨されるとも考えられる。そのため、時間的推奨度決定部715は、この推定到着時間が短いほど時間的推奨度Yが高くなるように時間的推奨度Yを決定する。時間的推奨度Yと推定到着時間との関係は、例えば、所定の演算式により表される。時間的推奨度Yは、算出部720に出力される。時間的推奨度Yの具体的な決定方法については、後述する。
【0081】
算出部720は、充電スタンド300および非接触充電設備304の各々について、当該充電設備がユーザ195に推奨される程度を示すトータル推奨度Zを算出する。言い換えれば、算出部720は、候補設備ごとにトータル推奨度Zを算出する。算出部720は、充電スタンド300および非接触充電設備304を含む3つ以上の充電設備(候補設備)の各々についてトータル推奨度Zを算出してもよい。この例では、充電スタンド300のトータル推奨度Z(トータル推奨度Z1)は、時間的推奨度Yに等しいものとする。非接触充電設備304のトータル推奨度Z(トータル推奨度Z2)は、非接触充電推奨度Xと時間的推奨度Yとを含み、この例では、これらの推奨度の合計である。トータル推奨度Zの具体的な算出方法については、後述する。トータル推奨度Z1,Z2は、設定部725に出力される。
【0082】
設定部725は、充電スタンド300および非接触充電設備304のうち、より高いトータル推奨度Zを有する充電設備を提案設備に設定する。例えば、1つの充電スタンド300と1つの非接触充電設備304とが候補設備として選択されており、かつ、その非接触充電設備304のトータル推奨度Z2がその充電スタンド300のトータル推奨度Z1よりも高い場合、設定部725は、非接触充電設備304を提案設備に設定する。このようにトータル推奨度Zに従って提案設備が設定されると、非接触充電推奨度Xに加えて上記の推定到着時間が提案設備の設定に反映される。その結果、より適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0083】
充電スタンド300および非接触充電設備304を含む3つ以上の充電設備(候補設備)の各々についてトータル推奨度Zが算出されている場合、設定部725は、当該3つ以上の充電設備のうち、最も高いトータル推奨度Zを有する充電設備を提案設備に設定してもよい。提案設備の数は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。少なくとも1つの提案設備を示す提案設備情報PEI(例えば、提案設備のID)は、通信装置210に出力される。
【0084】
その後、提案設備情報PEIは、通信装置210からユーザ端末400に送信される。ユーザ端末400の処理装置410は、通信装置430を通じて提案設備情報PEIを受信すると、提案設備を示す情報(例えば、提案設備の位置)を表す画面を表示部425に表示する。これにより、提案設備がユーザ195に報知される。HMI装置420がマイクを含む場合、処理装置410は、マイクから出力される音声により、提案設備をユーザ195に報知してもよい。HMI装置420は、本開示の「報知部」の一例を形成する。
【0085】
図7は、非接触充電推奨度Xおよび時間的推奨度Yの決定、ならびにトータル推奨度Zの算出のために用いられるデータの一例を説明するための図である。以下の説明において、図5を適宜参照する。
【0086】
図7を参照して、トータル推奨度算出用データ600は、処理装置230のメモリ232に格納される。トータル推奨度算出用データ600は、非接触充電推奨度決定用データ602と、時間的推奨度決定用データ620とを含む。
【0087】
非接触充電推奨度決定用データ602は、非接触充電推奨度Xの決定のために用いられる。非接触充電推奨度決定用データ602は、データ605~615を含む。
【0088】
データ605は、非接触充電推奨度Xを決定するための年齢ポイントAPの決定のために用いられる。決定部710は、図5のボタン510,512,515,520のいずれが操作されたかの結果と、データ605とに従って年齢ポイントAPを決定する。
【0089】
例えば、ボタン510が操作された場合、ユーザ年齢が30代以下であるため、ユーザ195は、インレット150に手作業で容易に充電ケーブル190を接続することができるとも考えられる。この例では、非接触充電設備304よりも典型的に充電速度が速い充電スタンド300がユーザ195に推奨されやすくなるように、年齢ポイントAPは低くなるように決定される(-5P)。
【0090】
ボタン512が操作された場合、ユーザ年齢が40代であるため、ユーザ195は、充電ケーブル190の接続作業を問題なく行うことができるとも考えられる。この例では、非接触充電設備304と充電スタンド300とが同程度にユーザ195に推奨されやすくなるように、年齢ポイントAPは変動しないように決定される(0P)。
【0091】
ボタン515が操作された場合、ユーザ年齢が50代以下であるため、ユーザ195は、充電ケーブル190の接続作業においてやや体力を消耗するとも考えられる。この例では、充電スタンド300よりも非接触充電設備304がユーザ195にやや推奨されやすくなるように、年齢ポイントAPはやや高くなるように決定される(+5P)。
【0092】
ボタン520が操作された場合、ユーザ年齢が60代以上であるため、ユーザ195は、充電ケーブル190の接続作業において体力を消耗するとも考えられる。この例では、充電スタンド300よりも非接触充電設備304がユーザ195に推奨されやすくなるように、年齢ポイントAPは高くなるように決定される(+10P)。
【0093】
データ610は、非接触充電推奨度Xを決定するための不自由ポイントDPの決定のために用いられる。決定部710は、ボタン530,535のいずれが操作されたかの結果と、データ610とに従って不自由ポイントDPを決定する。
【0094】
例えば、ボタン530が操作された場合、ユーザ195は、身体的に不自由でない。この例では、非接触充電設備304と充電スタンド300とが同程度にユーザ195に推奨されやすくなるように、不自由ポイントDPは変動しないように決定される(0P)。
【0095】
ボタン535が操作された場合、ユーザ195は、身体的に不自由であるため、ユーザ195は、充電ケーブル190の接続作業を行うことが困難であるとも考えられる。この例では、充電スタンド300よりも非接触充電設備304がユーザ195に推奨されやすくなるように、不自由ポイントDPは高くなるように決定される(+10P)。
【0096】
データ615は、非接触充電推奨度Xを決定するための好みポイントPPの決定のために用いられる。好みポイントPPは、非接触充電方式の好み度の一態様に相当する。決定部710は、図5のボタン545,550,555のいずれが操作されたか(ボタン545が操作された場合にはその後ボタン560,565のいずれがさらに操作されたか)の結果と、データ615とに従って年齢ポイントAPを決定する。
【0097】
例えば、ボタン545が操作された場合、ユーザ195が非接触充電方式よりも接触充電方式を好むため、好みポイントPPは低くなるように決定される(-5P)。
【0098】
ボタン555が操作された場合、ユーザ195が接触充電方式と同程度に非接触充電方式を好むため、好みポイントPPは変動しないように決定される(0P)。
【0099】
ボタン545,560が操作された場合、ユーザ195が接触充電方式よりも非接触充電方式をやや好むため、好みポイントPPはやや高くなるように決定される(5P)。
【0100】
ボタン545,565が操作された場合、ユーザ195が接触充電方式よりも非接触充電方式を大変好むため、好みポイントPPは高くなるように決定される(10P)。
【0101】
決定部710は、年齢ポイントAPと、不自由ポイントDPと、好みポイントPPとに従って、非接触充電推奨度Xを決定する。この例では、非接触充電推奨度Xは、これらのポイントの合計である。なお、上記のポイント(-5P,0P,+5P,+10P)は、一例であって、限定されない。
【0102】
典型的に、ユーザ195の年齢が高くなるほど、ユーザ195が充電ケーブル190を手作業でインレット150に接続することが困難になると考えられる。上記のように非接触充電推奨度Xが決定されると、ユーザ年齢が高いほど年齢ポイントAPが高くなるため、非接触充電設備304が提案設備として決定されやすい。その結果、ユーザ年齢を反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0103】
さらに、非接触充電方式に対するユーザ195の好み度(好みポイントPP)が高いほど、非接触充電設備304がユーザ195に提案されやすい。その結果、ユーザ195の好みを反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0104】
時間的推奨度決定用データ620は、時間的推奨度Yの決定のために用いられる。時間的推奨度決定部715は、車両100(ユーザ端末400)から充電設備(候補設備)までの距離LVEと、時間的推奨度決定用データ620とに従って時間的推奨度Yを決定する。
【0105】
例えば、距離LVEが距離L1未満である場合、距離LVEが距離L1以上である場合よりも充電設備への推定到着時間が短いと考えられるため、時間的推奨度Yは高くなるように決定される(+10P)。
【0106】
距離LVEが距離L1以上かつ距離L2(>L1)未満である場合、距離LVEが距離L2以上である場合よりも推定到着時間が短い一方で、距離LVEが距離L1未満である場合よりも推定到着時間が長いと考えられる。この例では、時間的推奨度Yは変動しないように決定される(0P)。
【0107】
距離LVEが距離L2以上である場合、距離LVEが距離L2未満である場合よりも推定到着時間が長いと考えられるため、時間的推奨度Yは低くなるように決定される(-10P)。距離L1~L2は、適宜予め定められる。
【0108】
図8は、比較例においてユーザ端末400のHMI装置420に表示されるナビ画面の一例を示す図である。
【0109】
図8を参照して、比較例のナビ画面800は、車両100の現在地PNから所定距離の範囲内の地図を示す。さらに、ナビ画面800は、車両100の周辺の充電スタンド300A~300Cおよび非接触充電設備304A~304Cのうち、車両100の走行経路RT(ハッチング部分)沿いに位置し、かつ車両100の現在地PNに最も近い充電設備である充電スタンド300Aを表示する。充電スタンド300A~300Cの各々は、充電スタンド300と同じである。非接触充電設備304A~304Cの各々は、非接触充電設備304と同じであり、車両100の走行中充電のために道路の側壁に設けられる。この例では、充電スタンド300A以外の充電設備(充電スタンド300B,300Cおよび非接触充電設備304A~304C)は、実際には車両100の現在地PNの周辺に位置するが、ナビ画面800には表示されていないものとする。
【0110】
比較例では、ユーザ195が充電ケーブル190をインレット150に接続することが困難であったりこのような作業を好まなかったりする場合であっても、充電スタンド300Aがユーザ195に提案される。その結果、ユーザ195に対して不適切な充電設備が提案される可能性がある。
【0111】
図9は、実施の形態1においてユーザ端末400のHMI装置420に表示されるナビ画面の一例を示す図である。
【0112】
図9を参照して、実施の形態1では、候補設備としての非接触充電設備304A~304Cおよび充電スタンド300A~300Cの各々についてトータル推奨度Zがサーバ200により算出される。この例では、これらの候補設備のうち非接触充電設備304Aのトータル推奨度Zが最も高いものとする。よって、非接触充電設備304Aが提案設備として設定され、その設定結果を示す提案設備情報PEIがサーバ200からユーザ端末400に送信される。
【0113】
ユーザ端末400は、提案設備情報PEIを受信すると、ナビ画面805をHMI装置420の表示部425に表示する。ナビ画面805は、比較例のナビ画面800とは異なり、非接触充電設備304Aを表示する。非接触充電設備304B,304Cのトータル推奨度Z2のいずれもが充電スタンド300A~300Cのトータル推奨度Z1のいずれよりも高い場合、ナビ画面805は、非接触充電設備304B,304Cをさらに表示してもよい。
【0114】
実施の形態1では、ユーザ195が充電ケーブル190をインレット150に接続することが困難であったりこのような作業を好まなかったりする場合に、接触充電方式の充電スタンド300に代えて非接触充電設備304がユーザ195に提案され得る。その結果、ユーザ195に対して適切な充電設備を提案することができる。
【0115】
図10は、実施の形態1においてユーザ195への提案設備の報知に伴って実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、例えば、ユーザ195が充電設備の提案を希望することを示すユーザ操作をユーザ端末400へ入力すると開始される。
【0116】
図10を参照して、ユーザ端末400は、記憶装置435からユーザ195のプロフィール情報436を読み込む(ステップS205)。
【0117】
次いで、ユーザ端末400は、GPS受信器440を用いて、ユーザ端末400の位置情報を取得する(ステップS210)。この例では、ユーザ端末400の位置は、車両100の位置に等しいものとする。
【0118】
次いで、ユーザ端末400は、提案設備設定要求PESRをサーバ200に送信する(ステップS215)。この要求は、読み込まれたプロフィール情報436と、ユーザ端末400の位置情報(車両100の位置情報)とを含む。
【0119】
サーバ200は、提案設備設定要求PESRを受信したか否かを判定する(ステップS120)。サーバ200は、この要求を受信していない場合(ステップS120においてNO)、この要求を受信するまで当該判定処理を実行する。他方、サーバ200は、この要求を受信した場合(ステップS120においてYES)、ステップS125に処理を進める。
【0120】
次いで、サーバ200は、受信した提案設備設定要求PESRに含まれるプロフィール情報からユーザ特徴値UCV(例えば、ユーザ年齢、または非接触充電方式の好み度の少なくとも1つ)を抽出する(ステップS125)。サーバ200は、ユーザ特徴値UCVと非接触充電推奨度決定用データ602(図7)とに基づいて非接触充電推奨度Xを決定する(ステップS130)。
【0121】
次いで、サーバ200は、充電設備情報DB221(図4および図6)に基づいて、提案設備の候補である複数の候補設備を選択する(ステップS133)。サーバ200は、車両100が充電設備(候補設備)に到着するまでに要する時間の推定値である推定到着時間ETを候補設備ごとに算出し(ステップS135)、候補設備ごとに時間的推奨度Yを決定する(ステップS140)。
【0122】
次いで、サーバ200は、候補設備ごとにトータル推奨度Zを算出する。具体的には、サーバ200は、候補設備に含まれる充電スタンド300のトータル推奨度Z1を充電スタンド300ごとに算出し、候補設備に含まれる非接触充電設備304のトータル推奨度Z2を非接触充電設備304ごとに算出する(ステップS145)。この例では、トータル推奨度Z2は、非接触充電推奨度Xと時間的推奨度Yとの合計である。
【0123】
次いで、サーバ200は、充電スタンド300および非接触充電設備304を含む複数の候補設備のうち、最も高いトータル推奨度Zを有する充電設備を提案設備に設定する(ステップS150)。
【0124】
次いで、サーバ200は、通信装置210を通じて提案設備情報PEIをユーザ端末400に送信する(ステップS155)。ステップS155の後、サーバ200の処理は終了する。
【0125】
ユーザ端末400は、通信装置430を通じて提案設備情報PEIを受信したか否かを判定する(ステップS260)。ユーザ端末400は、提案設備情報PEIを受信していない場合(ステップS260においてNO)、この情報を受信するまで当該判定処理を実行する。他方、ユーザ端末400は、この情報を受信した場合(ステップS260においてYES)、ステップS265に処理を進める。
【0126】
次いで、ユーザ端末400は、提案設備情報PEIに従って、提案設備をユーザ195に報知する(ステップS265)。具体的には、ユーザ端末400は、画面805(図9)を表示部425に表示したり、提案設備を示す情報を音声によりユーザ195に通知したりする。ステップS265の後、ユーザ端末400の処理が終了する。
【0127】
[実施の形態2]
実施の形態2では、非接触充電推奨度Xは、カメラ180により生成されたユーザ画像を用いて決定される。具体的には、非接触充電推奨度Xは、ユーザ画像を用いて推定されたユーザ年齢に従って決定される。
【0128】
この実施の形態2における情報処理システム10のハードウェア構成は、実施の形態1における情報処理システム10(図1図3)と同様である。
【0129】
図11は、実施の形態2に従うサーバ200の機能、およびユーザ端末400の動作を説明するためのブロック図である。
【0130】
図11を参照して、このブロック図は、カメラ180を搭載する車両100が示されている点、および、サーバ200がその機能的な構成として抽出部705に代えて推定部707を備える点において図6とは異なる。その他の点において、図11のブロック図は、図6のブロック図と基本的に同様である。
【0131】
処理装置410は、ユーザ操作の入力に応答して、提案設備設定要求PESRをサーバ200に送信するとともに通信装置430を通じて車両100にユーザ画像送信要求UITRを出力する。ユーザ画像送信要求UITRは、乗車中のユーザ195を示すユーザ画像UIを車両100にサーバ200へ送信させるために出力される。
【0132】
車両100の通信装置170がユーザ画像送信要求UITRを受信すると、ECU160は、カメラ180により生成されたユーザ画像UIを、通信装置170を通じてサーバ200に送信する。
【0133】
サーバ200の通信装置210は、ユーザ端末400からの提案設備設定要求PESRと、車両100からのユーザ画像UIとを取得(受信)する。ユーザ画像UIは、推定部707に出力される。
【0134】
推定部707は、ユーザ画像UIに従ってユーザ年齢を推定する。具体的には、推定部707は、ユーザ画像UIと、公知の画像認識技術とを用いてユーザ年齢を推定する。推定部707は、例えば、ユーザ画像UIにおける、ユーザ195の顔の輪郭、目、鼻および口の位置関係ならびに肌の色を判別することによってユーザ年齢を推定する。
【0135】
図12は、カメラ180により生成されたユーザ画像UIの一例を示す図である。図12を参照して、ユーザ画像UIが画像182である場合(ケースA)、推定部707は、画像182から、ユーザ195の顔を表す部分画像183を抽出する。推定部707は、部分画像183に公知の画像認識技術(年齢推定技術)を適用することによって、ユーザ195の年齢が40代以下であると推定する。
【0136】
他方、ユーザ画像UIが画像184である場合(ケースB)、推定部707は、画像184から、ユーザ195の顔を表す部分画像186を抽出する。推定部707は、部分画像186に公知の画像認識技術を適用することによって、ユーザ195の年齢が60代以上であると推定する。
【0137】
図11を再び参照して、上記のように推定されたユーザ年齢は、ユーザ特徴値UCVとして決定部710に出力される。決定部710は、推定されたユーザ年齢が高い場合に、このユーザ年齢が低い場合よりも非接触充電推奨度Xが高くなるように非接触充電推奨度Xを決定する。
【0138】
このように、実施の形態2では、ユーザ195が非接触充電推奨度Xを決定するための年齢入力操作(図5のボタン510~520への操作)を要することなく非接触充電推奨度Xが自動的に適切に決定される。その結果、ユーザ195の利便性を向上させつつ、ユーザ年齢を反映した適切な充電設備をユーザに提案することができる。
【0139】
図13は、実施の形態2においてユーザ195への提案設備の報知に伴って実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0140】
図13を参照して、このフローチャートは、ステップS216の処理が追加されている点と、ステップS121,S126の処理がステップS120,S125の処理に代えてそれぞれ実行される点とにおいて、図10のフローチャートとは異なる。その他の点について、図13のフローチャートは、図10のフローチャートと基本的に同様である。
【0141】
ユーザ端末400は、提案設備設定要求PESRをサーバ200に送信するとともに(ステップS215)車両100にユーザ画像送信要求UITRを出力する(ステップS216)。これにより、車両100からサーバ200にユーザ画像UIが送信される。
【0142】
サーバ200は、提案設備設定要求PESRおよびユーザ画像UIを受信したか否かを判定する(ステップS121)。サーバ200は、これらを受信していない場合(ステップS121においてNO)、これらを受信するまで当該判定処理を実行する。他方、サーバ200は、これらを受信した場合(ステップS121においてYES)、ステップS126に処理を進める。
【0143】
次いで、サーバ200は、ユーザ画像UIに従ってユーザ年齢を推定する(ステップS126)。推定されたユーザ年齢は、ステップS126の後の処理において、ユーザ特徴値UCVとして、非接触充電推奨度Xの決定のために用いられる。
【0144】
[実施の形態3]
実施の形態3では、ユーザ195の不健康の程度を示す不健康度が、非接触充電推奨度Xの決定のためのユーザ特徴値UCVとして用いられる。
【0145】
不健康度の決定のために、ユーザ195の生体情報(図1の生体センサ185による検出値)が、車両100からサーバ200に逐次送信される。サーバ200は、ユーザ195の生体情報に従ってユーザ195の不健康度を推定する。サーバ200は、不健康度が高くなるほど非接触充電推奨度Xが高くなるように非接触充電推奨度Xを決定する。以下、非接触充電推奨度Xの具体的な決定方法を説明する。
【0146】
なお、この実施の形態3における情報処理システム10のハードウェア構成は、実施の形態1における情報処理システム10(図1図3)と同様である。
【0147】
図14は、実施の形態3において非接触充電推奨度Xの決定のために用いられるデータの一例を示す図である。
【0148】
図14を参照して、非接触充電推奨度決定用データ650は、処理装置230のメモリ232に格納される。非接触充電推奨度決定用データ650は、不健康度決定用データ652を含む。不健康度決定用データ652は、データ655,660を含む。
【0149】
データ655は、不健康度UNDを決定するための体温ポイントBTPの決定のために用いられる。決定部710は、生体センサ185による検出値と、データ655とに従って体温ポイントBTPを決定する。
【0150】
例えば、ユーザ195の体温が37℃未満である場合、ユーザ195は風邪を引いている可能性が低い。この例では、非接触充電設備304と充電スタンド300とが同程度にユーザ195に推奨されやすくなるように、体温ポイントBTPは変動しないように決定される(0P)。
【0151】
他方、ユーザ195の体温が37℃以上である場合、ユーザ195は風邪を引いている可能性が高い。そのため、ユーザ195が利用時に充電ケーブル190の接続作業を行わなくてよい非接触充電設備304が提案されるように、体温ポイントBTPは高くなるように決定される(+5P)。
【0152】
データ660は、不健康度UNDを決定するための脈拍ポイントPLPの決定のために用いられる。決定部710は、生体センサ185による検出値と、データ660とに従って脈拍ポイントPLPを決定する。
【0153】
例えば、ユーザ195の脈拍が正常範囲内である場合、脈拍の観点からはユーザ195の体調に問題がないと考えられる。この例では、非接触充電設備304と充電スタンド300とが同程度にユーザ195に推奨されやすくなるように、脈拍ポイントPLPは低くなるように決定される(0P)。脈拍の正常範囲は、医学的な試験により適宜予め定められる。
【0154】
他方、ユーザ195の脈拍が正常範囲外である場合、ユーザ195の体調に問題がある可能性がある。そのため、ユーザ195が利用時に充電ケーブル190の接続作業を行わなくてよい非接触充電設備304が提案されるように、脈拍ポイントPLPは高くなるように決定される(+5P)。
【0155】
決定部710は、体温ポイントBTPと、脈拍ポイントPLPとに従って不健康度UNDを決定する。この例では、不健康度UNDは、体温ポイントBTPおよび脈拍ポイントPLPの合計であるものとするが、これらのポイントの合計に限定されない。
【0156】
例えば、決定部710は、生体センサ185から出力されるユーザ195の心拍数および血圧の検出値についても評価ポイントをさらに決定し、これらのポイントが体温ポイントBTPおよび脈拍ポイントPLPに加えて不健康度UNDに反映されるように不健康度UNDを決定してもよい。
【0157】
決定部710は、不健康度UNDを決定することによって非接触充電推奨度Xを決定する。この例では、非接触充電推奨度Xは、不健康度UNDに等しい。非接触充電推奨度Xは、前述の年齢ポイントAP、不自由ポイントDPおよび好みポイントPP(図7)の少なくとも1つと、不健康度UNDとに従って決定されてもよい。例えば、非接触充電推奨度Xは、これらのポイントの少なくとも1つと不健康度UNDとの合計であってもよい。
【0158】
生体センサ185は、ユーザ195による咳(例えば、「ゲホゲホ」という声)を検出するように構成されていてもよい。この検出結果は、不健康度UNDに反映されてもよい。例えば、サーバ200は、ユーザ195による咳が検出された場合に、ユーザ195による咳が検出されていない場合よりも不健康度UNDが高くなるように不健康度UNDを決定してもよい。
【0159】
[その他の変形例]
図10のフローチャートにおいてユーザ端末400によって実行される一連の処理(ステップS205~S265の処理)は、車両100のECU160、HMI装置145および通信装置170により実行されてもよい。この場合、この一連の処理は、車両100の走行中に蓄電装置110のSOCがしきい値未満に低下すると自動的に開始されてもよい。プロフィール情報436は、車両100のHMI装置145のメモリ149に格納される。車両100のHMI装置145は、本開示の「報知部」の一例を形成する。
【0160】
図10または図13のフローチャートにおいてサーバ200によって実行される一連の処理(ステップS120~S155の処理)は、車両100のECU160により実行されてもよい。この場合、ECU160が本開示の「情報処理装置」の一例を形成する。
【0161】
具体的には、抽出部705、推定部707、決定部710、候補設備選択部712、時間的推奨度決定部715、算出部720および設定部725の機能(図6図11)は、ECU160の処理部161によって達成される。この場合、提案設備設定要求PESRは、ユーザ端末400から車両100に送信される。入出力インターフェース165は、カメラ180により生成されたユーザ画像UIと、提案設備設定要求PESRとを取得する取得部として機能する。トータル推奨度算出用データ600および非接触充電推奨度決定用データ650は、ECU160のメモリ163に格納される。
【0162】
実施の形態1,2では、候補設備のうちトータル推奨度Zが最も高い充電設備が提案設備に設定されるものとした。これに対して、非接触充電推奨度Xが所定のしきい推奨度よりも高い場合に、その非接触充電推奨度Xを有する非接触充電設備304が提案設備に設定されてもよい。
【0163】
実施の形態1,2では、車両100の現在位置を表す情報として、ユーザ端末400の位置情報が用いられるものとしたが、車両100のGPS172により取得された位置情報が用いられてもよい。
【0164】
実施の形態1,2では、ユーザ画像UIは、車両100に搭載されるカメラ180により生成されるものとした。これに対して、ユーザ端末400がカメラを搭載している場合には、そのカメラがユーザ画像UIを生成してもよい。この場合、ユーザ画像UIは、ユーザ端末400からサーバ200または車両100に送信される。
【符号の説明】
【0165】
10 情報処理システム、100 車両、145,420 HMI装置、200 サーバ、300,300A,300B,300C 充電スタンド、304,304A,304B,304C 非接触充電設備、400 ユーザ端末、710 決定部、715 時間的推奨度決定部、720 算出部、725 設定部、UCV ユーザ特徴値、X 非接触充電推奨度、Y 時間的推奨度、Z,Z1,Z2 トータル推奨度。
図1
図2
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図14