(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 19/00 20110101AFI20241022BHJP
H04N 7/15 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G06T19/00 A
H04N7/15 170
(21)【出願番号】P 2022015238
(22)【出願日】2022-02-02
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】加来 航
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0400234(US,A1)
【文献】国際公開第2020/185315(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 19/00
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記第1のユーザ端末は第1の表示部を含み、前記第1の表示部は第1のユーザによって目視され、
前記第2のユーザ端末は第2の表示部を含み、前記第2の表示部は第2のユーザによって目視され、
第1の仮想空間内に設置された第1の仮想カメラによって撮像された第1のユーザに対応する第1のオブジェクト画像を生成することとと、
第2の仮想空間内に設置された第2の仮想カメラによって撮像された第2のユーザに対応する第2のオブジェクト画像を生成することと、
前記第1のオブジェクト画像を前記第2のユーザ端末に送信することと、
前記第2のオブジェクト画像を前記第1のユーザ端末に送信することと、
を含み、
前記第2の仮想空間において、前記第2のユーザは、前記第2の仮想カメラから、実空間での前記第1のユーザから前記第1の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第2の仮想カメラによりレンダリングされ、
前記第1の仮想空間において、前記第1のユーザは、前記第1の仮想カメラから、実空間での前記第2のユーザから前記第2の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第1の仮想カメラによりレンダリングされる、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記第1の表示部及び前記第2の表示部のそれぞれはライトフィールドディスプレイを含む、情報処理方法。
【請求項3】
第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部を含み、
前記第1のユーザ端末は第1の表示部を含み、前記第1の表示部は第1のユーザによって目視され、
前記第2のユーザ端末は第2の表示部を含み、前記第2の表示部は第2のユーザによって目視され、
前記制御部は、
第1の仮想空間内に設置された第1の仮想カメラによって撮像された第1のユーザに対応する第1のオブジェクト画像を生成することとと、
第2の仮想空間内に設置された第2の仮想カメラによって撮像された第2のユーザに対応する第2のオブジェクト画像を生成することと、
前記第1のオブジェクト画像を前記第2のユーザ端末に送信することと、
前記第2のオブジェクト画像を前記第1のユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行し、
前記第2の仮想空間において、前記第2のユーザは、前記第2の仮想カメラから、実空間での前記第1のユーザから前記第1の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第2の仮想カメラによりレンダリングされ、
前記第1の仮想空間において、前記第1のユーザは、前記第1の仮想カメラから、実空間での前記第2のユーザから前記第2の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第1の仮想カメラによりレンダリングされる、
情報処理装置。
【請求項4】
第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータであって、
前記第1のユーザ端末は第1の表示部を含み、前記第1の表示部は第1のユーザによって目視され、
前記第2のユーザ端末は第2の表示部を含み、前記第2の表示部は第2のユーザによって目視される、
コンピュータに、
第1の仮想空間内に設置された第1の仮想カメラによって撮像された第1のユーザに対応する第1のオブジェクト画像を生成することとと、
第2の仮想空間内に設置された第2の仮想カメラによって撮像された第2のユーザに対応する第2のオブジェクト画像を生成することと、
前記第1のオブジェクト画像を前記第2のユーザ端末に送信することと、
前記第2のオブジェクト画像を前記第1のユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させ、
前記第2の仮想空間において、前記第2のユーザは、前記第2の仮想カメラから、実空間での前記第1のユーザから前記第1の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第2の仮想カメラによりレンダリングされ、
前記第1の仮想空間において、前記第1のユーザは、前記第1の仮想カメラから、実空間での前記第2のユーザから前記第2の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第1の仮想カメラによりレンダリングされる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像を表示する表示装置の表示面を正面から見ている被写体の第1の映像を、表示装置側から可視光映像カメラにより撮影し、被写体までの距離を示す距離映像を距離カメラにより撮影し、可視光映像カメラで撮影した第1の映像から、距離カメラで撮影した距離映像を用いて、可視光映像カメラの位置と異なる位置から撮影した第2の映像を生成する遠隔対面コミュニケーション装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術のようなビデオ会議では、センサの視認性によって対話相手との距離が大きくなることがある。この場合、アイコンタクトを取って会話をすることができない。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、アイコンタクトを取りながらの対話が可能なビデオ通話を提供することができる情報処理方法、情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、
第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末と通信可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
前記第1のユーザ端末は第1の表示部を含み、前記第1の表示部は第1のユーザによって目視され、
前記第2のユーザ端末は第2の表示部を含み、前記第2の表示部は第2のユーザによって目視され、
第1の仮想空間内に設置された第1の仮想カメラによって撮像された第1のユーザに対応する第1のオブジェクト画像を生成することとと、
第2の仮想空間内に設置された第2の仮想カメラによって撮像された第2のユーザに対応する第2のオブジェクト画像を生成することと、
前記第1のオブジェクト画像を前記第2のユーザ端末に送信することと、
前記第2のオブジェクト画像を前記第1のユーザ端末に送信することと、
を含み、
前記第2の仮想空間において、前記第2のユーザは、前記第2の仮想カメラから、実空間での前記第1のユーザから前記第1の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第2の仮想カメラによりレンダリングされ、
前記第1の仮想空間において、前記第1のユーザは、前記第1の仮想カメラから、実空間での前記第2のユーザから前記第2の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第1の仮想カメラによりレンダリングされる。
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末と通信可能な情報処理装置であって、制御部を含み、
前記第1のユーザ端末は第1の表示部を含み、前記第1の表示部は第1のユーザによって目視され、
前記第2のユーザ端末は第2の表示部を含み、前記第2の表示部は第2のユーザによって目視され、
前記制御部は、
第1の仮想空間内に設置された第1の仮想カメラによって撮像された第1のユーザに対応する第1のオブジェクト画像を生成することとと、
第2の仮想空間内に設置された第2の仮想カメラによって撮像された第2のユーザに対応する第2のオブジェクト画像を生成することと、
前記第1のオブジェクト画像を前記第2のユーザ端末に送信することと、
前記第2のオブジェクト画像を前記第1のユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行し、
前記第2の仮想空間において、前記第2のユーザは、前記第2の仮想カメラから、実空間での前記第1のユーザから前記第1の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第2の仮想カメラによりレンダリングされ、
前記第1の仮想空間において、前記第1のユーザは、前記第1の仮想カメラから、実空間での前記第2のユーザから前記第2の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第1の仮想カメラによりレンダリングされる。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
第1のユーザ端末及び第2のユーザ端末と通信可能な情報処理装置としてのコンピュータであって、
前記第1のユーザ端末は第1の表示部を含み、前記第1の表示部は第1のユーザによって目視され、
前記第2のユーザ端末は第2の表示部を含み、前記第2の表示部は第2のユーザによって目視される、
コンピュータに、
第1の仮想空間内に設置された第1の仮想カメラによって撮像された第1のユーザに対応する第1のオブジェクト画像を生成することとと、
第2の仮想空間内に設置された第2の仮想カメラによって撮像された第2のユーザに対応する第2のオブジェクト画像を生成することと、
前記第1のオブジェクト画像を前記第2のユーザ端末に送信することと、
前記第2のオブジェクト画像を前記第1のユーザ端末に送信することと、
を含む動作を実行させ、
前記第2の仮想空間において、前記第2のユーザは、前記第2の仮想カメラから、実空間での前記第1のユーザから前記第1の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第2の仮想カメラによりレンダリングされ、
前記第1の仮想空間において、前記第1のユーザは、前記第1の仮想カメラから、実空間での前記第2のユーザから前記第2の表示部までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、前記第1の仮想カメラによりレンダリングされる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態による情報処理方法、情報処理装置及びプログラムによれば、アイコンタクトを取りながらの対話が可能なビデオ通話を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1のユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図4】第2のユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【
図5】対話DB(database)のデータ構造を示す図である。
【
図8】
図6に示される対話において第1のユーザが移動したときの対話を示す図である。
【
図9】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態の情報処理システムSの概略図である。情報処理システムSは、ネットワークNWを介して互いに通信可能な情報処理装置1と第1のユーザ端末2と第2のユーザ端末3とを含む。ネットワークNWは、例えば移動体通信網又はインターネットを含む。
【0012】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置1と第1のユーザ端末2と第2のユーザ端末3とは1つずつ図示される。しかし、情報処理装置1と第1のユーザ端末2と第2のユーザ端末3との数はこれに限られない。例えば、本実施形態の情報処理装置1が実行する処理は、分散配置された複数の情報処理装置1によって実行されてよい。
【0013】
情報処理装置1は、データセンタなどの施設に設置される。情報処理装置1は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバなどのコンピュータである。
【0014】
図2を参照して情報処理装置1の内部構成が詳細に説明される。
【0015】
情報処理装置1は、制御部11と通信部12と記憶部13とを含む。情報処理装置1の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0016】
制御部11は例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)を含む1つ以上の汎用プロセッサを含む。制御部11は、特定の処理に特化した1つ以上の専用プロセッサを含んでよい。制御部11は、プロセッサを含む代わりに、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってよい。制御部11は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部11は通信部12を介して、任意の情報を送信及び受信する。
【0017】
通信部12は、ネットワークNWに接続するための、1つ以上の有線又は無線LAN(Local Area Network)規格に対応する通信モジュールを含む。通信部12は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、又は5G(5th Generation)を含む1つ以上の移動体通信規格に対応するモジュールを含んでよい。通信部12は、Bluetooth(登録商標)、AirDrop(登録商標)、IrDA、ZigBee(登録商標)、Felica(登録商標)、又はRFIDを含む1つ以上の近距離通信の規格又は仕様に対応する通信モジュール等を含んでよい。通信部12は、ネットワークNWを介して任意の情報を送信及び受信する。
【0018】
記憶部13は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれるが、これらに限られない。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部13は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部13は、制御部11によって分析又は処理された結果の情報を記憶してよい。記憶部13は、情報処理装置1の動作又は制御に関する各種情報等を記憶してよい。記憶部13は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してよい。記憶部13は情報処理装置1の外部に設けられて、情報処理装置1からアクセスされてよい。記憶部13は後述される対話DBを含む。
【0019】
第1のユーザ端末2は、ユーザによって操作される端末である。第1のユーザ端末2は、例えば、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、personal computerの略語である。代替例として第1のユーザ端末2は、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器であってよい。
【0020】
図3を参照して第1のユーザ端末2の内部構成が詳細に説明される。
【0021】
第1のユーザ端末2は、制御部21と通信部22と記憶部23と入力部24と出力部25と表示部26と撮像部27とを含む。第1のユーザ端末2の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0022】
第1のユーザ端末2の制御部21と通信部22と記憶部23とのハードウェア構成は、情報処理装置1の制御部11と通信部12と記憶部13とのハードウェア構成と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0023】
入力部24は例えば、マイク、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、又は、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーンである。入力部24は、第1のユーザ端末2の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部24は、第1のユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の入力機器として第1のユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0024】
出力部25は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部25に含まれる出力インタフェースは、情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られない。
【0025】
表示部26は例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。表示部26は、第1のユーザ端末2に備えられる代わりに、外部の出力機器として第1のユーザ端末2に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。表示部26は例えばライトフィールドディスプレイ(LFD:Light Field Display)を含んでよい。
【0026】
撮像部27はカメラを含み、画像を撮像する。例えば撮像部27は、3Dホログラム用の2台のカメラと、目の位置のトラッキング用の1台のカメラとを含んでよい。画像は静止画又は動画のいずれであってもよい。撮像部27は、画像を生成し、生成した画像を記憶部13に記録してよい。
【0027】
第2のユーザ端末3は、ユーザによって操作される端末である。第2のユーザ端末3は、例えば、PCなどの汎用機器、又は専用機器であってよい。「PC」は、personal computerの略語である。代替例として第2のユーザ端末3は、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器であってよい。
【0028】
図4を参照して第2のユーザ端末3の内部構成が詳細に説明される。
【0029】
第2のユーザ端末3は、制御部31と通信部32と記憶部33と入力部34と出力部35と表示部36と撮像部37とを含む。第2のユーザ端末3の各構成要素は、例えば専用線を介して互いに通信可能に接続される。
【0030】
第2のユーザ端末3の制御部31と通信部32と記憶部33と入力部34と出力部35と表示部36と撮像部37とのハードウェア構成についての説明は、第1のユーザ端末2の制御部21と通信部22と記憶部23と入力部24と出力部25と表示部26と撮像部27との説明と同一であってよい。ここでの説明は省略される。
【0031】
以下、本実施形態の情報処理システムSで実行される処理が説明される。ここでは、第1のユーザ端末2を操作する第1のユーザと、第2のユーザ端末3を操作する第2のユーザとが、ビデオ通話を行う。第1のユーザは第1のユーザ端末2の表示部26(第1の表示部とも称される)を目視する。第2のユーザは第2のユーザ端末3の表示部36(第2の表示部とも称される)を目視する。第1のユーザ端末2の制御部21は、撮像部27を用いて第1のユーザを撮像し、入力部24のマイクを用いて第1のユーザの音声を取得する。制御部21は、第1のユーザについての画像と音声とを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1の制御部11は、取得した画像から、第1のオブジェクト画像を生成する。生成処理の詳細は後述される。制御部11は、第1のオブジェクト画像及び音声を第2のユーザ端末3に送信する。第2のユーザ端末3は、取得した第1のオブジェクト画像を表示部36に表示すると共に、取得した音声を出力部35のスピーカから出力する。
【0032】
第2のユーザは、第1のユーザについての第1のオブジェクト画像及び音声を視聴して、第1のユーザに対して返答する。第2のユーザ端末3の制御部31は、撮像部37を用いて第2のユーザを撮像し、入力部34のマイクを用いて第2のユーザの音声を取得する。制御部31は、第2のユーザについての画像と音声とを情報処理装置1に送信する。情報処理装置1の制御部11は、第2のユーザについての画像から、第2のオブジェクト画像を生成する。第2のユーザについての画像及び音声に対して情報処理装置1の制御部11が実行する処理は、第1のユーザについての画像及び音声に対して情報処理装置1の制御部11が実行する処理と同一でよい。ここでの説明は省略される。
【0033】
図5に示されるように、制御部11は、対話IDに関連付けて、第1のオブジェクト画像M01と第2のオブジェクト画像M02とを記憶部13に記憶する。
【0034】
第1のオブジェクト画像及び第2のオブジェクト画像の生成処理が詳細に説明される。
【0035】
制御部11は、第1のオブジェクト画像及び第2のオブジェクト画像を、例えば3次元コンピュータグラフィックスの技術を用いて生成してよい。第1のオブジェクト画像及び第2のオブジェクト画像は、3次元空間内の仮想的な立体物を2次元である平面上の情報に変換することで生成された、奥行き感(立体感)のある画像である。生成過程で行われるモデリング、シーンレイアウト設定、レンダリング及びレタッチの少なくとも1つには、任意の手法を適用可能である。
【0036】
図6に示されるように、実空間RSにおいて、第1のユーザP01は第1のユーザ端末2の表示部26及び撮像部27に向かって発話する。第1のユーザP01から表示部26までの物理距離をD1とする。表示部26には、第2の仮想空間V2が表示される。第2の仮想空間V2には第2の仮想カメラVC2が設置される。第2の仮想空間V2には、第2のユーザP02についての第2のオブジェクト画像が表示される。
【0037】
情報処理装置1の制御部11は、第2のオブジェクト画像の生成において、第2のユーザP02が第2の仮想カメラVC2目線であるように、第2のオブジェクト画像を生成する。第2の仮想空間V2において、第2のユーザP02は、第2の仮想カメラVC2から、実空間RSでの第1のユーザP01から表示部26までの物理距離D1と同じ距離だけ離して配置され、第2の仮想カメラVC2によりレンダリングされる。第1のユーザP01は、表示部26を介して、第2のユーザP02とアイコンタクトを取りながら対話することができる。
【0038】
類似的に、
図7に示されるように、実空間RSにおいて、第2のユーザP02は第2のユーザ端末3の表示部36及び撮像部37に向かって発話する。第2のユーザP02から表示部36までの物理距離をD2とする。表示部36には、第1の仮想空間V1が表示される。第1の仮想空間V1には、第1のユーザP01についての第1のオブジェクト画像が表示される。
【0039】
情報処理装置1の制御部11は、第1のオブジェクト画像の生成において、第1のユーザP01が第1の仮想カメラVC1目線であるように、第1のオブジェクト画像を生成する。第1の仮想空間V1において、第1のユーザP01は、第1の仮想カメラVC1から、実空間RSでの第2のユーザP02から表示部36までの物理距離D2と同じ距離だけ離して配置され、第1の仮想カメラVC1によりレンダリングされる。第2のユーザP02は、表示部36を介して、第1のユーザP01とアイコンタクトを取りながら対話することができる。
【0040】
図6において対話中の第1のユーザP01は、表示部26に近づく又は遠ざかる場合がある。あるいは第1のユーザP01は、左右にずれる場合がある。ここでは一例として第1のユーザP01が表示部26に近づいた場合に行われる処理が説明される。
図6において説明された生成方法と重複する説明は省略される。
【0041】
図8に示されるように、第1のユーザP01は表示部26に近づく。このときの第1のユーザP01から表示部26までの距離はD3である。情報処理装置1の制御部11は、第2の仮想カメラVC2から第2のユーザP02までの距離がD3となるように、第2のオブジェクト画像を生成する。第1のユーザP01は、表示部26を介して、第2のユーザP02とアイコンタクトを取りながら対話することができる。
【0042】
図9を参照して、情報処理装置1の制御部11による情報処理方法が説明される。情報処理は、第1のユーザ端末2と第2のユーザ端末3との間の円滑な対話を可能にするために必要な頻度で実行される。
【0043】
ステップS1にて制御部11は、第1のユーザ端末2から撮像画像を取得すると、第1のオブジェクト画像を生成する。
【0044】
ステップS2にて制御部11は、第2のユーザ端末3から撮像画像を取得すると、第2のオブジェクト画像を生成する。
【0045】
ステップS3にて制御部11は、第1のオブジェクト画像を第2のユーザ端末3に送信する。ステップS3は、ステップS1より後の任意のタイミングで実行されてよい。第1のオブジェクト画像は第2のユーザ端末3に表示される。
【0046】
ステップS4にて制御部11は、第2のオブジェクト画像を第1のユーザ端末2に送信する。ステップS4は、ステップS2より後の任意のタイミングで実行されてよい。第2のオブジェクト画像は第1のユーザ端末2に表示される。
【0047】
ステップS5にて制御部11は、第1のユーザ端末2と第2のユーザ端末3との間の対話が終了したか否かを判定する。
【0048】
ステップS5にてYesのとき制御部11は、フローを終了する。
【0049】
ステップS5にてNoのとき制御部11は、ステップS1に戻る。
【0050】
以上述べたように本実施形態によれば、第2の仮想空間V2において、第2のユーザP02は、第2の仮想カメラVC2から、実空間での第1のユーザP01から表示部26までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、第2の仮想カメラVC2によりレンダリングされる。第1の仮想空間V1において、第1のユーザP01は、第1の仮想カメラVC1から、実空間での第2のユーザP02から表示部36までの物理距離と同じ距離だけ離して配置され、第1の仮想カメラVC1によりレンダリングされる。この構成により第1のユーザP01及び第2のユーザP02は、ビデオ対話でアイコンタクトを取って会話をすることができる。第1のユーザP01又は第2のユーザP02が対話中に表示部に近づき又は表示部から遠ざかっても、同様である。
【0051】
また本実施形態によれば、表示部26及び表示部36のそれぞれはライトフィールドディスプレイを含む。ライトフィールドディスプレイは横方向にしか作画できないため、ディスプレイ面(接面)でオブジェクトを切断したときの切り口に相当する部分(輪郭)しか再現性が良くないという問題がある。本実施形態をライトフィールドディスプレイに適用することで、上記切り口以外でもオブジェクトの再現性が良くなる。
【0052】
例えば、上記の実施形態において、情報処理装置1の機能又は処理の全部又は一部を実行するプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読取可能な媒体を含み、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。またプログラムの流通は、プログラムを任意のサーバのストレージに格納しておき、任意のサーバから他のコンピュータにプログラムを送信することにより行ってもよい。またプログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。本開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0053】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0054】
S 情報処理システム
NW ネットワーク
1 情報処理装置
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
2 第1のユーザ端末
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
24 入力部
25 出力部
26 表示部
27 撮像部
3 第2のユーザ端末
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 入力部
35 出力部
36 表示部
37 撮像部