(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】規制領域管理システム、移動体管理システム、規制領域管理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/223 20240101AFI20241022BHJP
G05D 1/224 20240101ALI20241022BHJP
G05D 1/246 20240101ALI20241022BHJP
G05D 1/617 20240101ALI20241022BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G05D1/223
G05D1/224
G05D1/246
G05D1/617
G08G1/09 F
(21)【出願番号】P 2022041970
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】城 崇平
(72)【発明者】
【氏名】森 健光
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0191409(US,A1)
【文献】特開2019-191676(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2270246(KR,B1)
【文献】特開2021-89588(JP,A)
【文献】特開2019-53425(JP,A)
【文献】特開2020-9405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00- 1/87
G08G 1/00-99/00
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得し、
前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定し、
前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信し、
前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する
規制領域管理システム。
【請求項2】
前記手書き入力画像から座標情報及び色情報を抽出し、
前記環境地図と、前記座標情報とに基づいて、前記規制領域を推定し、
前記色情報に基づいて、規制の種別を推定し、
前記規制領域を示す情報と、前記規制の種別を示す情報とを、前記規制領域情報として生成する
請求項1に記載の規制領域管理システム。
【請求項3】
前記手書き入力画像とともに移動体の識別情報を取得した場合、前記規制領域情報を、前記識別情報を有する移動体に送信し、
前記識別情報を有する移動体が遠隔操縦されている場合、前記規制領域情報を、前記識別情報を有する移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する
請求項1又は2に記載の規制領域管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の規制領域管理システムと、
少なくとも1つの移動体と、
を備える
移動体管理システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの移動体のうち、自律移動中の移動体は、前記規制領域情報を受信したことに応じて、前記環境地図及び前記規制領域情報に基づいて、移動計画を生成する
請求項4に記載の移動体管理システム。
【請求項6】
各移動体は、その移動体の進行方向の移動とは異なる作用を及ぼす可動部を備え、
前記自律移動中の移動体は、
前記規制領域情報及び前記移動計画に基づいて、その移動体の可動範囲を推定し、
前記可動範囲に基づいて、その移動体の可動部の動作計画を生成する
請求項5に記載の移動体管理システム。
【請求項7】
各移動体に対応付けられた操縦端末をさらに備え、
前記操縦端末は、前記規制領域情報を受信したことに応じて、規制領域を表示し、
操縦者から操縦指令を受け付けた場合、前記操縦指令を、対応する移動体に送信する
請求項4から6のいずれか1項に記載の移動体管理システム。
【請求項8】
遠隔操縦されている移動体は、対応する操縦端末から受けた操縦指令に従って移動すると、前記規制領域情報が示す規制領域に侵入することが予測される場合、前記規制領域を回避するための移動計画を生成する、又は移動を停止する
請求項7に記載の移動体管理システム。
【請求項9】
環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得し、
前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定し、
前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信し、
前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する
規制領域管理方法。
【請求項10】
環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得する処理と、
前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定する処理と、
前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信する処理と、
前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規制領域管理システム、移動体管理システム、規制領域管理方法、プログラムに関し、特に自律移動可能な移動体の規制領域を管理するための規制領域管理システム、移動体管理システム、規制領域管理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律移動するロボットが侵入できない領域である侵入規制領域を、ロボットのセンシング情報等に基づいて更新するシステムが知られている。しかし人やモノを含み、それらの位置が変化する複雑な環境下で、各ロボットが環境変化に合わせて侵入規制領域を更新するのでは手間がかかる。そこで近年、侵入規制領域の情報として地図情報をサーバが更新し、サーバからロボットに地図情報を都度提供することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、管理者がロボットの侵入規制領域を地図上で直感的に指定したいというニーズがある。しかし上述の特許文献1には、管理者がロボットの侵入規制領域を指定する方法については開示されていない。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題に鑑み、自律移動可能な移動体の侵入規制領域を、管理者が直感的な操作で指定できる規制領域管理システム、移動体管理システム、規制領域管理方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる規制領域管理システムは、環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得し、前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定し、前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信し、前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する。これにより管理者は直感的な操作で規制領域を入力できる。また人の意思を含んだ規制領域を、移動計画を立てる主体に即座に知らせることができる。これにより人の意思をリアルタイムに介入させることができる。また環境地図をリアルタイムに作成し直す手間を省くことができる。
【0007】
上述の規制管理システムは、規制領域を示す情報と、規制の種別を示す情報とを、前記規制領域情報として生成してよい。このとき規制管理システムは、前記手書き入力画像から座標情報及び色情報を抽出し、前記環境地図と前記座標情報とに基づいて前記規制領域を推定し、前記色情報に基づいて規制の種別を推定してよい。これにより、管理者は、より詳細に規制領域を入力することが可能となる。
【0008】
また上述の規制管理システムは、前記手書き入力画像とともに移動体の識別情報を取得した場合、前記規制領域情報を、前記識別情報を有する移動体に送信してよい。そして上述の規制管理システムは、前記識別情報を有する移動体が遠隔操縦されている場合、前記規制領域情報を、前記識別情報を有する移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信してよい。これにより、ロボット10の種別毎又はロボット10毎に、規制領域を異ならせることで、規制を柔軟に適用できる。
【0009】
本発明の一態様にかかる移動体管理システムは、上述の規制管理システムと、少なくとも1つの移動体とを備える。前記少なくとも1つの移動体のうち、自律移動中の移動体は、前記規制領域情報を受信したことに応じて、前記環境地図及び前記規制領域情報に基づいて、移動計画を生成してよい。これにより、移動体は規制領域を回避して自律移動することができる。
【0010】
また上述の移動体管理システムにおいて、各移動体は、その移動体の進行方向の移動とは異なる作用を及ぼす可動部を備えてよい。そして前記自律移動中の移動体は、前記規制領域情報及び前記移動計画に基づいて、その移動体の可動範囲を推定し、前記可動範囲に基づいて、その移動体の可動部の動作計画を生成してよい。規制領域情報を自律移動時の全身の動作計画に反映させることで、自律移動を好適に支援できる。
【0011】
また上述の移動体管理システムは、各移動体に対応付けられた操縦端末をさらに備えてよい。そして前記操縦端末は、前記規制領域情報を受信したことに応じて、規制領域を表示し、前記操縦者から操縦指令を受け付けた場合、前記操縦指令を、対応する移動体に送信してよい。これにより、移動体は規制領域を回避するように遠隔操縦されることができる。
【0012】
また上述の移動体管理システムにおいて、遠隔操縦されている移動体は、対応する操縦端末から受けた操縦指令に従って移動すると、前記規制領域情報が示す規制領域に侵入することが予測される場合、前記規制領域を回避するための移動計画を生成する、又は移動を停止してよい。これにより、操縦者の負担を軽減し、人とロボット10との共生を容易にすることができる。
【0013】
本発明の一態様にかかる規制領域管理方法は、環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得し、前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定し、前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信し、前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する。これにより管理者は直感的な操作で規制領域を入力できる。また人の意思を含んだ規制領域を、移動計画を立てる主体に即座に知らせることができる。これにより人の意思をリアルタイムに介入させることができる。また環境地図をリアルタイムに作成し直す手間を省くことができる。
【0014】
本発明の一態様にかかるプログラムは、環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得する処理と、前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定する処理と、前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信する処理と、前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する処理とをコンピュータに実行させる。これにより管理者は直感的な操作で規制領域を入力できる。また人の意思を含んだ規制領域を、移動計画を立てる主体に即座に知らせることができる。これにより人の意思をリアルタイムに介入させることができる。また環境地図をリアルタイムに作成し直す手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、自律移動可能な移動体の侵入規制領域を、管理者が直感的な操作で指定できる規制領域管理システム、移動体管理システム、規制領域管理方法、プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1にかかる移動体管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1にかかるロボットの外観構成例を示す外観斜視図である。
【
図3】実施形態1にかかるロボットの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態1にかかるロボットの周辺図である。
【
図5】実施形態1にかかるロボットの周辺図である。
【
図6】実施形態1にかかる管理端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】実施形態1にかかる手書き入力画像の一例を示す図である。
【
図8】実施形態1にかかるサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】実施形態1にかかるサーバによる規制領域管理方法の流れを示すフローチャートである。
【
図10】実施形態1にかかる操縦端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図11】実施形態1にかかる操縦端末の表示の一例を示す図である。
【
図12】実施形態1にかかる移動体管理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図13】実施形態1にかかる移動体管理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図14】実施形態2にかかる手書き入力画像の一例を示す図である。
【
図15】実施形態2にかかる手書き入力画像の一例を示す図である。
【
図16】実施形態3にかかる遠隔操縦されているロボットの自律制御を説明するための図である。
【
図17】実施形態3にかかるロボットの移動方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態の課題>
ここで本実施形態の課題の1つを詳細に説明する。
一般的にロボットは、周辺の領域が通行可能か不可能かを、環境地図と、その他の侵入規制領域の情報とに基づいて判定し、移動計画を立てている。
環境地図は、ロボットが保持し、静的な侵入規制領域の情報を含んでいる。静的な侵入規制領域は、壁、柱、又はその他の固定配置された静的な障害物が存在する領域である。ロボットは、環境地図に基づいて静的な侵入規制領域と判定される領域については通行不可能として、当該領域を回避して移動する。一般的に環境地図は、ロボットに搭載されているセンサのセンシング結果に基づいて事前に生成される。
【0018】
その他の侵入規制領域は、動的な侵入規制領域や、環境地図にまだ反映されていない静的な侵入規制領域を含んでいる。動的な侵入規制領域は、動的な障害物が存在する領域である。このような侵入規制領域は、ロボットに搭載されているセンサによって検知される。ロボットは、侵入規制領域が検知されたことに応じて、当該領域を通行不可能と判定し、当該領域を回避して移動する。
【0019】
しかし、レイアウト変更や新しく物が配置されるたびに、環境地図を作成しなおす必要があり、手間がかかっている。また環境地図の更新が環境変化に間に合わない場合がある。
【0020】
またロボットが全ての障害物をセンサで検知するには限界がある。例えば細い線状の物体、小さな段差、小さな穴、水たまり、又は床にこぼれた液体等は、センサによる検知が難しい。システムに複数台のロボットが存在する場合は、全ての障害物を検知するために多数のセンサを全台に搭載する必要がありコストがかかる。
【0021】
またセンサで検知可能な障害物でも、搭載されているセンサでは近づかないと検知できない。例えば、曲がり角を曲がった先に障害物があるために行き止まりとなる場合、ロボットは一度近づいて通れないことを確認してから、移動計画をし直して、一回通った経路を戻る必要がある。したがって移動に時間を要する。
【0022】
また障害物はなく物理的にロボットの通行は可能であるものの、人の都合上、ロボットの通行が適切でない場所がある。ロボットの通行が適切でない場所とは、例えば、人の導線となっている場所や、人の作業場所、又は細い通路である。しかし、このような場所をロボットに回避して移動させる手段がなかった。
【0023】
このように人やモノの位置が変化する複雑な環境下での侵入規制領域の更新は、手間がかかる、更新が環境変化に間に合わない場合がある、高価なセンサを用いる場合はコスト面で大きな背反がある、人の都合上適切でない場所を反映できないといった問題があった。
【0024】
このような課題の少なくとも1つを解決するために、環境地図に反映されていない侵入規制領域の更新は、管理者により手動で行うことが望ましい。例えばロボットの自律移動を基本としつつも、ボトルネックとなる侵入規制領域の更新は、管理者により手動で行うことが挙げられる。侵入規制領域の手動更新においては、管理者が侵入規制領域を、地図上で直感的に指定したいというニーズがある。
【0025】
以下の実施形態では、管理者が侵入規制領域を直感的に指定するものである。
【0026】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0027】
<実施形態1>
まず本発明の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1にかかる移動体管理システム1の構成を示すブロック図である。移動体管理システム1は、移動体を管理するためのコンピュータシステムである。
【0028】
移動体管理システム1は、1又は複数のロボット10と、管理端末20と、サーバ30と、操縦端末40とを備え、これらがネットワークNを介して通信可能に構成される。
【0029】
ネットワークNは、有線又は無線のネットワークである。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット及びその他の回線の少なくとも1つ、又はこれらの組み合わせであってよい。
【0030】
ロボット10は、自律移動可能な移動体の一例である。ロボット10は、環境地図と、規制領域情報とを保持している。環境地図は、ロボット10の周辺環境の地図情報であり、静的な障害物の位置情報を含んでいる。規制領域情報は、移動体の侵入が規制される規制領域に関する情報である。規制領域情報が示す規制領域は、環境地図に反映されていない規制領域であり、静的な規制領域と、動的な規制領域とを含んでよい。本実施形態1では、規制領域情報は、規制領域の位置情報を示している。規制領域情報は、サーバ30から受信される。
【0031】
自律移動中のロボット10は、環境地図及び規制領域情報に基づいて、移動計画を生成し、移動計画に従って自律移動する。
【0032】
本実施形態1では、ロボット10は、操縦端末40の操縦者により遠隔操縦されることもできる。遠隔操縦中のロボット10は、操縦端末40から受信した操縦指令に従って移動する。
【0033】
管理端末20は、規制領域を管理する端末装置である。例えば管理端末20はタブレット端末である。しかし管理端末20はこれに限らず、スマートフォン又はパーソナルコンピュータであってもよい。管理端末20は、管理端末20のユーザである管理者から、環境地図に対する手書き入力画像の入力を受け付け、受け付けた手書き入力画像をサーバ30に送信する。手書き入力画像は、管理者がタッチパネルやマウス等の入力装置を用いて入力することで環境地図上に描画された画像情報である。
【0034】
サーバ30は、規制領域管理システムの一例のサーバ・コンピュータである。サーバ30は、環境地図に対して入力された手書き入力画像を受信したことに応じて、規制領域情報を生成する。そしてサーバ30は、規制領域情報を1又は複数のロボット10に送信する。またサーバ30は、遠隔操縦中のロボット10については、ロボット10に加えて、そのロボット10を操縦する操縦端末40に規制領域情報を送信する。
【0035】
操縦端末40は、ロボット10を遠隔操縦するための操縦指令を発する端末装置である。操縦端末40は、各々が遠隔操縦中の各ロボット10に対応付けられている。操縦者は、操縦端末40に表示された環境地図及び規制領域情報に基づいて、操縦指令を入力する。入力を受け付けた操縦端末40は、操縦指令をロボット10に送信する。
【0036】
このようにしてロボット10は、環境地図及び規制領域情報に基づいて、自律移動又は遠隔操縦により移動する。
【0037】
図2は、実施形態1にかかるロボット10の外観構成例を示す外観斜視図である。
図2では、ロボット10の一例として、把持機能を有するエンドエフェクタを備えるロボット10の外観構成を示している。ロボット10は、大きく分けて、台車部110と本体部120とによって構成される。台車部110は、ロボット10の進行方向の移動に寄与する可動部である。台車部110は、円筒形状の筐体内に、それぞれが走行面に接地する2つの駆動輪111と1つのキャスター112とを支持している。2つの駆動輪111は、互いに回転軸芯が一致するように配設されている。それぞれの駆動輪111は、不図示のモータによって独立して回転駆動される。キャスター112は、従動輪であり、台車部110から鉛直方向に延びる旋回軸が車輪の回転軸から離れて車輪を軸支するように設けられており、台車部110の移動方向に倣うように追従する。
【0038】
台車部110は、上面の周縁部にレーザスキャナ133を備える。レーザスキャナ133は、水平面内の一定の範囲をステップ角ごとにスキャンして、それぞれの方向に障害物が存在するか否かを出力する。さらに、レーザスキャナ133は、障害物が存在する場合には、その障害物までの距離を出力する。
【0039】
本体部120は、ロボット10の進行方向の移動とは異なる作用を及ぼす可動部を備える。具体的には、本体部120は、主に、台車部110の上面に搭載された胴部121、胴部121の上面に載置された頭部122、胴部121の側面に支持されたアーム123、及びアーム123の先端部に設置されたハンド124を備える。アーム123とハンド124は、不図示のモータを介して駆動され、把持対象物を把持する。胴部121は、不図示のモータの駆動力により、台車部110に対して鉛直軸周りに回転することができる。
【0040】
頭部122は、主に、ステレオカメラ131及び表示部141を備える。ステレオカメラ131は、同じ画角を有する2つのカメラユニットが互いに離間して配置された構成を有し、それぞれのカメラユニットで撮像された撮像信号を出力する。
【0041】
表示部141は、例えば液晶パネルであり、設定されたキャラクターの顔をアニメーションで表示したり、ロボット10に関する情報をテキストやアイコンで表示したりする。
【0042】
頭部122は、不図示のモータの駆動力により、胴部121に対して鉛直軸周りに回転することができる。そのため、ステレオカメラ131は、任意の方向を撮像することができ、また、表示部141は、任意の方向へ向けて表示内容を呈示することができる。
【0043】
図3は、実施形態1にかかるロボット10の機能構成を示すブロック図である。ロボット10は、制御部150、台車駆動部145、上体駆動部146、表示部141、ステレオカメラ131、レーザスキャナ133、メモリ180、ハンドカメラ135及び通信部190を備える。尚、上体駆動部146、表示部141、ステレオカメラ131、レーザスキャナ133及びハンドカメラ135は省略されてもよい。
【0044】
制御部150は、CPU等のプロセッサであり、例えば胴部121に備えられたコントロールユニットに格納されている。制御部150は、メモリ180から読み出した制御プログラムを実行することによりロボット10全体の制御と様々な演算処理とを実行する。
【0045】
制御部150は、通信部190が規制領域情報Rをサーバ30から受信したことに応じて、メモリ180に規制領域情報Rを格納する。そして制御部150は、メモリ180に格納される環境地
図M及び規制領域情報Rに基づいて、移動計画Pを生成する。制御部150は、生成した移動計画Pをメモリ180に格納してよい。尚、制御部150は、後述するレーザスキャナ133により障害物を検出した場合は、障害物を回避するように移動計画Pを生成し直してよい。このとき制御部150は、障害物の位置を規制領域情報Rに追加してもよい。
【0046】
制御部150は、自律移動モードである場合、メモリ180に格納された最新の移動計画Pに従って、台車駆動部145へ駆動信号を送ることにより、駆動輪の回転制御を実行する。また、制御部150は、台車駆動部145からエンコーダ等のフィードバック信号を受け取って、台車部110の移動方向や移動速度を把握する。
【0047】
台車駆動部145は、駆動輪111と、駆動輪111を駆動するための駆動回路やモータと、を含む。
【0048】
上体駆動部146は、アーム123及びハンド124と、胴部121及び頭部122と、これらを駆動するための駆動回路やモータと、を含む。制御部150は、上体駆動部146へ駆動信号を送ることにより、延伸動作、把持動作やジェスチャーを実現する。また、制御部150は、上体駆動部146からエンコーダ等のフィードバック信号を受け取って、アーム123及びハンド124の位置や移動速度、胴部121及び頭部122の向きや回転速度を把握する。
【0049】
表示部141は、制御部150が生成した画像信号を受信して表示する。
【0050】
ステレオカメラ131は、制御部150からの要求に従って、ロボット10が存在する周辺環境を撮像し、撮像信号を制御部150へ引き渡す。制御部150は、撮像信号を用いて画像処理を実行したり、予め定められたフォーマットに従って撮像信号を撮像画像に変換したりする。レーザスキャナ133は、制御部150からの要求に従って移動方向に障害物が存在するか否かを検出し、その検出結果である検出信号を制御部150へ引き渡す。
【0051】
ハンドカメラ135は、例えば距離画像センサであり、把持対象物の距離、形状、方向等を認識するために用いられる。ハンドカメラ135は、対象空間から入射する光学像を光電変換するピクセルが二次元状に配列された撮像素子を含み、ピクセルごとに被写体までの距離を制御部150へ出力する。具体的には、ハンドカメラ135は、パターン光を対象空間に照射する照射ユニットを含み、その反射光を撮像素子で受光して、画像におけるパターンの歪みや大きさから各ピクセルが捉えた被写体までの距離を出力する。なお、制御部150は、より広い周辺環境の様子をステレオカメラ131で把握し、把持対象物近傍の様子をハンドカメラ135で把握する。
【0052】
メモリ180は、不揮発性の記憶媒体であり、例えばソリッドステートドライブが用いられる。メモリ180は、ロボット10を制御するための制御プログラムの他にも、制御や演算に用いられる様々なパラメータ値、関数、ルックアップテーブル等を記憶している。特に、メモリ180は、環境地
図Mと、規制領域情報Rと、移動計画Pとを記憶している。
【0053】
通信部190は、ネットワークNとの通信インタフェースであり、例えば無線LANユニットである。通信部190は、サーバ30から送信される規制領域情報Rを受信して、制御部150に引き渡す。尚、通信部190は、制御部150の制御に従って、ステレオカメラ131で撮像された撮像画像をサーバ30へ送信してもよい。
【0054】
図4~
図5は、実施形態1にかかるロボット10の周辺図である。
図4~
図5の濃色で示す領域は、障害物が存在する領域であり、通常の規制領域である。ロボット10は、部屋の隅近傍の障害物に囲まれた空間を走行している。ロボット10が部屋の中心に向かって移動する場合の最短経路には障害物501と障害物502との間の空間を通る移動経路600が含まれるものとする。したがってロボット10は、通常、移動経路600を移動計画に含め、移動計画に従って移動経路600を移動するようになっている。
【0055】
ここで、例えば障害物501と障害物502との間の空間にケーブルを置く場合など、通常の規制領域に加えて、障害物501と障害物502との間の空間が規制領域となった場合を考える。この場合、
図5に示すように、ロボット10は、通常の規制領域に、障害物501と障害物502との間に位置する追加規制領域503が加わった規制領域情報Rを、サーバ30から受信する。したがってロボット10は、新しい規制領域情報Rに基づいて、通常の規制領域に加え、追加規制領域503を回避するように、移動計画を立て直す。立て直された移動計画は、規制領域を回避し、かつ目的地まで最短経路で到達できる移動経路601を含む。
【0056】
このようにロボット10は、最新の規制領域情報Rに基づいて移動することが可能となる。
【0057】
図6は、実施形態1にかかる管理端末20の機能構成を示すブロック図である。管理端末20は、メモリ200と、通信部210と、入力部220と、表示部230と、制御部240とを備える。
【0058】
メモリ200は、不揮発性の記憶媒体であり、例えばソリッドステートドライブが用いられる。メモリ200は、管理端末20を制御するための制御プログラムの他にも、制御や演算に用いられる様々なパラメータ値、関数、ルックアップテーブル等を記憶している。
【0059】
通信部210は、ネットワークNとの通信インタフェースである。通信部210は、サーバ30から送信される環境地図を受信して制御部240へ引き渡す。また、通信部210は、制御部240と協働して、手書き入力画像を環境地図に対応付けてサーバ30へ送信する。
【0060】
入力部220は、表示部230に重畳して配置されたタッチパネルや、表示部230の周縁部に設けられた押しボタン等を含む。入力部220は、管理者がタッチパネルへのタッチによって規制領域を指定するために入力した手書き入力画像を受け付けて、制御部240へ引き渡す。
【0061】
表示部230は、例えば液晶パネルであり、例えばサーバ30から送信された環境地図を表示する。また表示部230は、入力された手書き入力画像を、環境地図に重畳表示する。
【0062】
制御部240は、CPU等のプロセッサであり、メモリ200から読み出した制御プログラムを実行することにより管理端末20全体の制御と様々な演算処理とを実行する。
【0063】
図7は、実施形態1にかかる手書き入力画像の一例を示す図である。管理端末20の表示部230は、ロボット10の現在位置を基準とする所定範囲内の環境地図を表示している。管理者は、表示された環境地図上に手書き入力画像700を入力する。
【0064】
手書き入力画像の入力方法としては、タッチパネル上で、ユーザの指やタッチペン等を用いて、該当部分をタッチすることにより直接入力することが挙げられる。しかし手書き入力画像の入力方法はこれには限定されない。例えば手書き入力画像は、マウス等を用いて所定の図形を選択し、位置及び大きさを指定することで入力されてもよい。手書き入力画像は2次元の線又は図形で入力されてもよいし、3次元のオブジェクトとして入力されてもよい。
【0065】
図8は、実施形態1にかかるサーバ30の機能構成を示すブロック図である。サーバ30は、メモリ310と、通信部320と、制御部330とを備える。
【0066】
メモリ310は、不揮発性の記憶媒体であり、例えばソリッドステートドライブが用いられる。メモリ310は、サーバ30を制御するための制御プログラムの他にも、制御や演算に用いられる様々なパラメータ値、関数、ルックアップテーブル等を記憶している。特にメモリ310は、環境地
図Mと、変換情報Tとを記憶している。
【0067】
メモリ310に記憶される環境地
図Mは、ロボット10が保持する環境地
図Mと同じ地図情報である。
【0068】
変換情報Tは、手書き入力画像から規制領域の位置、形状、及び大きさ等の属性情報に変換するための情報である。例えば変換情報Tは、テンプレートマッチングのためのテンプレート及び各種パラメータを含んでよい。また変換情報Tは、手書き入力画像を入力として属性情報を出力する学習済モデルを含んでもよい。学習済モデルは、ニューラルネットワークを含んでよい。
【0069】
通信部320は、ネットワークNとの通信インタフェースである。通信部320は、管理端末20から送信された、環境地図に対応付けられた手書き入力画像を受信して制御部330へ引き渡す。また、通信部320は、制御部330と協働して、規制領域情報Rをロボット10に送信する。
【0070】
制御部330は、CPU等のプロセッサであり、メモリ310から読み出した制御プログラムを実行することによりサーバ30全体の制御と様々な演算処理とを実行する。具体的な処理の流れについて、
図9を用いて説明する。
【0071】
図9は、実施形態1にかかるサーバ30による規制領域管理方法の流れを示すフローチャートである。
【0072】
まずサーバ30の通信部320が、環境地
図Mに対応付けられた手書き入力画像を管理端末20から受信した場合(S10)、制御部330は、環境地
図M及び手書き入力画像に基づいて、規制領域の位置及び範囲を推定する(S11)。例えば制御部330は、メモリ310に記憶されている変換情報Tを読み出し、変換情報Tを用いて手書き入力画像から、環境地図上における規制領域の基準点の位置と、規制領域の形状及び大きさを推定してよい。基準点とは、一例として重心である。
【0073】
次に制御部330は、推定した規制領域の位置及び範囲を示す規制領域情報Rを生成する(S12)。
【0074】
そして制御部330は、通信部320を介して、全てのロボット10に規制領域情報Rを送信し、遠隔操縦中のロボット10については、そのロボット10を遠隔で操縦する操縦端末にも規制領域情報Rを送信する。具体的には、制御部330は、各ロボット10についてS13~S16に示す処理を繰り返す。
【0075】
まずS13において、制御部330は、ロボット10が遠隔操縦中であるか否かを判定する。ロボット10が遠隔操縦中である場合(S13でYes)、制御部330は、ロボット10と、そのロボット10を操縦している操縦端末40とに対して、規制領域情報Rを送信する(S14)。
【0076】
一方、ロボット10が遠隔操縦中ではなく自律移動中である場合(S13でNo、S15でYes)、制御部330はロボット10に規制領域情報Rを送信する(S16)。このとき制御部330は、そのロボット10に対応する操縦端末40があった場合、規制領域情報Rを送信しなくてよいが、送信してもよい。
【0077】
尚、ロボット10が、起動していない等、遠隔操縦中でも自律移動中でもない場合(S13でNo、S15でNo)、制御部330はロボット10に規制領域情報Rを送信しなくてよいが、送信してもよい。
【0078】
ロボット10が遠隔操作中であるか自律移動中であるか起動していないか等の情報は、各ロボット10からサーバ30に予め送信されてよい。
【0079】
図10は、実施形態1にかかる操縦端末40の機能構成を示すブロック図である。操縦端末40は、メモリ400と、通信部410と、操縦部420と、表示部430と、制御部440とを備える。
【0080】
メモリ400は、不揮発性の記憶媒体であり、例えばソリッドステートドライブが用いられる。メモリ400は、操縦端末40を制御するための制御プログラムの他にも、制御や演算に用いられる様々なパラメータ値、関数、ルックアップテーブル等を記憶している。
【0081】
通信部410は、ネットワークNとの通信インタフェースである。通信部410は、制御部440と協働して、入力されたコマンドである操縦指令をロボット10に送信する。通信部410は、サーバ30から、対応するロボット10の周辺環境を示す情報を受信し、制御部440へ引き渡す。対応するロボット10の周辺環境を示す情報は、環境地
図Mであってもよいし、対応するロボット10のステレオカメラ131が周辺を撮影した撮影画像であってもよい。また通信部410は、サーバ30から受信した規制領域情報Rを、制御部440へ引き渡す。
【0082】
操縦部420は、操縦者から操縦指令の入力を受け付ける入力装置である。操縦指令の入力方法は、例えばコマンド入力である。
【0083】
表示部430は、例えば液晶パネルであり、各種情報を表示する。例えば表示部430は、ロボット10の周辺環境を示す情報を表示する。
【0084】
制御部440は、CPU等のプロセッサであり、メモリ400から読み出した制御プログラムを実行することにより操縦端末40全体の制御と様々な演算処理とを実行する。
【0085】
図11は、実施形態1にかかる操縦端末40の表示の一例を示す図である。例えば操縦端末40の表示部430は、対応するロボット10のステレオカメラ131が撮像した撮影画像を表示している。そして表示部430は、制御部440からの制御を受けて、撮像画像上の、規制領域情報Rに基づいて決定される位置に、規制領域を示すオブジェクトOBを重畳表示する。これにより操縦者は、ロボット10の周辺環境とともに規制領域の位置及び範囲を、ロボット10の視野で直感的に把握できる。したがって操縦者が直近で適切な移動計画を立てやすくなる。
【0086】
尚、周辺環境を示す情報として環境地
図Mを受信した場合、表示部430は、制御部440からの制御を受けて、環境地
図Mのうち、対応するロボット10を基準とする所定領域上に、規制領域を示すオブジェクトを重畳表示してよい。これにより操縦者は、ロボット10の周辺環境とともに規制領域の位置及び範囲を、広い視野で客観的に把握できる。したがって操縦者が、全体にわたって適切な移動計画を立てやすくなる。
【0087】
尚、操縦端末40は、手書き入力画像を3次元のオブジェクトとして入力された場合は、規制領域を示すオブジェクトOBを3次元で表示してよい。2次元の場合も同様である。しかし操縦端末40は、対応するロボット10の周辺環境を示す情報の表示態様に合わせて、オブジェクトOBの表示態様を3次元から2次元に、又は2次元から3次元に変換してもよい。
【0088】
図12~
図13は、実施形態1にかかる移動体管理システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。本図では便宜上、ロボット10の数を1としたが、これに限らない。
【0089】
ここでロボット10は、移動中、所定の時間間隔で、ステレオカメラ131で撮影した周辺の撮影画像と、遠隔操縦中であるか自律移動中であるかを示す情報とをサーバ30に送信してよい。撮影画像を受信したサーバ30は、撮影画像に基づいてロボット10の位置情報を把握してよい。尚、ロボット10の位置情報の把握手段はこれに限らず、ロボット10がGPS(Global Positioning System)情報を利用してもよい。またサーバ30は、遠隔操縦中である場合、所定の時間間隔で、ロボット10が撮影した撮影画像を操縦端末40に送信して、撮影画像を表示部430に表示させてよい。
【0090】
図12は、ロボット10が自律移動中である場合の流れを示している。
【0091】
サーバ30は、管理端末20から環境地図の取得要求があった場合(S100)、メモリ310に記憶されている環境地
図Mを管理端末20に送信する(S101)。
【0092】
管理端末20は、受信した環境地
図Mを表示する(S102)。そして管理端末20は、管理者から手書き入力画像の入力を受け付ける(S103)。管理端末20は、手書き入力画像を、環境地
図Mに対応付けてサーバ30に送信する(S104)。
【0093】
サーバ30は、手書き入力画像及び環境地
図Mに基づいて、変換情報Tを用いて規制領域を推定する(S105)。そしてサーバ30は、規制領域情報Rを生成する。そしてサーバ30は、ロボット10の稼働状態を判定する(S106)。つまりサーバ30は、ロボット10が遠隔操縦中であるか自律移動中であるかを判定する。
図12においてロボット10は自律移動中であるため、サーバ30は規制領域情報Rをロボット10に送信し(S107)、操縦端末40には送信されない。
【0094】
規制領域情報Rを受信したロボット10は、規制領域情報Rと、自己が保持する環境地
図Mとに基づいて、移動計画を変更する(S108)。そしてロボット10は、変更後の移動計画に従って自律移動する(S109)。
【0095】
図13は、ロボット10が遠隔操縦されている場合の流れを示している。
移動体管理システム1は、S100~S105と同様の処理を実行する。そしてサーバ30は、ロボット10の稼働状態を判定する(S120)。
図13においてロボット10は遠隔操縦されているため、サーバ30は規制領域情報Rをロボット10及び操縦端末40の双方に送信する(S121、S122)。
【0096】
規制領域情報Rを受信した操縦端末40は、ロボット10が撮影した撮影画像に規制領域を示すオブジェクトを重畳表示させる(S123)。操縦端末40は、規制領域を把握した管理者から、操縦指令の入力を受け付け(S124)、操縦指令をロボット10に送信する(S125)。
【0097】
操縦指令を受信したロボット10は、操縦指令に従って移動する(S126)。
【0098】
このように実施形態1によれば、管理者は手書きという直感的な操作で規制領域を指定できる。管理者から指定された規制領域は、変更又は追加された静的な障害物の領域であってもよいし、人の意思によりロボット10に侵入してほしくない領域であってもよい。そしてサーバ30は、このように指定された規制領域を、移動計画を立てる主体に即座に知らせることができる。これによりロボット10の移動範囲にリアルタイムに人の意思を含ませることができる。そしてレイアウトの一部変更や、新しく物が配置される度に環境地図をリアルタイムに作成し直す手間を省くことができる。
【0099】
またセンサで検知しづらい障害物に対しても、管理者が規制領域として指定すればよいため、ロボット10に専用のセンサを追加で搭載させる必要がない。したがってロボット10の導入コストを抑えられる。特にロボット10の台数が増えるほど、顕著な効果を奏する。
【0100】
また曲がり角を曲がった先に障害物があるために行き止まりとなるような複雑な通路に対して、管理者が事前に広域に規制領域を指定することで、ロボット10の移動時間を短縮できる。
【0101】
このように移動体管理システム1は、人とロボット10との共生を容易にすることができる。
【0102】
尚、実施形態1は以下のような変形を加えることが可能である。
例えばサーバ30は、規制領域情報Rを全てのロボット10に一斉に配信するとしたが、指定された一部のロボット10に送信してもよい。この場合、管理端末20は、管理者から、手書き入力画像とともに、規制の適用対象となるロボット10の識別情報の入力を受け付ける。ロボット10の識別情報は、ロボット10の使用用途や種別を識別する情報であってよい。またロボット10の識別情報は、ロボット10の型番であってもよいし、ロボット10のシリアルナンバーであってもよい。サーバ30は、手書き入力画像とともに、ロボット10の識別情報を取得した場合、規制領域情報Rを、その識別情報を有するロボット10に送信する。尚、該当するロボット10が遠隔操縦されている場合は、サーバ30は、規制領域情報Rを、そのロボット10を遠隔で操縦する操縦端末40にも送信する。このときサーバ30は、その他のロボット10、及びその他のロボット10を遠隔で操縦する操縦端末40には、規制領域情報Rを送信しなくてよい。
【0103】
このようにロボット10の種別毎又はロボット10毎に、規制領域を異ならせることで、規制を柔軟に適用できる。
【0104】
また例えば、規制領域情報Rは台車部110の移動計画に影響を与えるとしたが、これに加えて本体部120の動作計画にも影響を与えてよい。動作計画は、その部位の将来の動作方向及び動作量や、その部位が伸縮する場合は将来の伸縮方向及び伸縮量を決定するものである。一例として、ロボット10は、規制領域を回避するようにアーム123の動作計画を生成してよい。具体的には、ロボット10は、規制領域情報R及び移動計画に基づいて、そのロボット10の可動範囲を推定し、推定した可動範囲に基づいて、そのロボット10のアーム123の動作計画を生成する。
【0105】
このように規制領域情報Rを全身の動作計画に反映させることで、ロボット10による自律移動を好適に支援できる。
【0106】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2では、管理者が、手書き入力画像を通じて、規制領域の位置及び範囲だけでなく、規制領域に関連する追加情報が指定できる。
【0107】
例えば、管理者は、文字を指やタッチペンで手書き入力することにより、規制の種別を指定できてよい。規制の種別は、一例として、高さ制限、幅制限、速度制限、又は侵入禁止である。この場合、規制領域情報Rは、規制領域の位置及び範囲を示す情報と、規制の種別を示す情報とを含んでいる。
【0108】
図14は、実施形態2にかかる手書き入力画像の一例を示す図である。表示部230には、手書き入力画像700,710が表示されている。手書き入力画像700は、平面視における規制領域の位置及び範囲を示している。手書き入力画像710は、規制の種別を表す文字を示している。本例では、手書き入力画像710は「しずかに」という文字を示し、規制の種別が速度制限であることを示してよい。
【0109】
このような手書き入力画像を受信したサーバ30は、手書き入力画像から、図形を示す画像領域(手書き入力画像700)と、文字を示す画像領域(手書き入力画像710)とを抽出する。次にサーバ30は、環境地
図Mと、図形を示す画像領域とに基づいて、規制領域の位置及び範囲を推定する。またサーバ30は、光学的文字認識(OCR)等の公知技術を用いて、文字を示す画像領域から規制の種別を推定する。そしてサーバ30は、規制領域を示す情報と、規制の種別を示す情報とを、規制領域情報Rとして生成する。
【0110】
尚、管理者は、手書き入力画像の色を指定することにより、規制の種別を指定してもよい。この場合、色に対応して規制の種別が予め定められている。例えば緑色は速度制限を示し、青色は高さ制限を示してよい。
【0111】
色が付された図形を含む手書き入力画像を受信したサーバ30は、手書き入力画像から座標情報及び色情報を抽出する。そしてサーバ30は、環境地
図Mと、座標情報とに基づいて、規制領域の位置及び範囲を推定する。またサーバ30は、色情報に基づいて規制の種別を推定する。サーバ30は、規制領域を示す情報と、規制の種別とを示す情報を規制領域情報Rとして生成する。
【0112】
また管理者は、規制の種別を、平面視における規制領域の位置及び範囲を示す図形とは異なる図形で表現してもよい。
【0113】
図15は、実施形態2にかかる手書き入力画像の一例を示す図である。
例えば床から所定高さ以上の場所に障害物が存在する場合や天井が低い場合、規制の種別は、高さ制限を示す。このとき、例えば管理者は、環境地
図M上に、平面視における障害物の位置及び範囲を示す図形(手書き入力画像700)、並びに障害物が所定高さ以上の位置に存在していることを示す図形(手書き入力画像720)の2種類の図形を入力する。尚、管理者は、手書き入力画像740に示すように、障害物が存在する高さの具体的な値を、手書き文字で手書き入力画像720に対応付けて入力してよい。
【0114】
このような手書き入力画像を受信したサーバ30は、手書き入力画像から、図形を示す画像領域(手書き入力画像700,720)と、文字を示す画像領域(手書き入力画像740)とを抽出する。
【0115】
サーバ30は、図形を示す画像領域から、平面視における障害物の位置及び範囲(第1の図形とも呼ばれる)を示す画像領域と、障害物が所定高さ以上の場所に存在していることを示す図形(第2の図形とも呼ばれる)を示す画像領域とを抽出する。そしてサーバ30は、第1の図形に基づいて、平面視における規制領域の位置及び範囲を推定し、第2の図形に基づいて、規制領域が所定高さ以上の場所に存在していることを認識する。またサーバ30は、文字を示す画像領域については、上述したOCR等を用いて、高さの具体的な内容を認識する。
【0116】
このように実施形態2によれば、管理者が、より詳細かつ直感的に規制領域を指定することが可能となる。
【0117】
尚、自律移動中のロボット10は、規制の種別を示す情報を含む規制領域情報Rを受信した場合、以下のように移動計画を生成してよい。
まずロボット10は、環境地
図Mと、規制領域の位置及び範囲と、規制の種別とに基づいて、移動経路を生成する。そしてロボット10は、規制の種別に基づいて規制領域における移動態様を推定する。
【0118】
一例として、規制の種別が侵入禁止である場合は、ロボット10は、当該規制領域を回避するように移動経路を生成する。また一例として、規制の種別が速度制限である場合は、当該規制領域を含めて移動経路を生成する。但しロボット10は、規制領域における速度を、制限された速度範囲内に収まるように設定する。また一例として、規制の種別が幅制限や高さ制限である場合は、ロボット10の寸法を考慮して、規制領域に侵入可能かを判定する。ロボット10は、侵入可能であれば当該規制領域を含めて移動経路を生成してよいし、侵入不可能であれば当該規制領域を回避するように移動経路を生成してよい。侵入不可能であってもアーム123等の伸縮可能な可動部を上下又は左右に縮めさせれば侵入可能である場合は、ロボット10は、当該規制領域を含めて移動経路を生成し、かつ規制領域通過時に可動部を縮めさせるように可動部の動作計画を生成する。
【0119】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態3では、遠隔操縦されているロボット10は、操縦端末40からの操縦指令に従って移動すると規制領域に侵入してしまうと予測される場合、操縦指令に反して規制領域を回避するように自律制御する。
【0120】
図16は、実施形態3にかかる遠隔操縦されているロボット10の自律制御を説明するための図である。移動経路620は、操縦指令に従った場合のロボット10の移動経路を示している。移動経路620上には、規制領域として指定された水たまり504がある。したがってロボット10は、このまま操縦指令に従うと水たまり504にはまることが予測される。そこでロボット10は、移動経路を、水たまり504を回避しつつ操縦指令の方向に進む移動経路621に自律的に変更する。
【0121】
図17は、実施形態3にかかるロボット10の移動方法の流れを示すフローチャートである。まずロボット10は、規制領域情報Rをサーバ30から受信する(S20)。ロボット10が遠隔操縦されずに自律移動している場合は(S21でNo)、環境地
図M及び規制領域情報Rに基づいて移動計画を生成する(S22)。そしてロボット10は、移動計画に基づいて自律移動する(S23)。
【0122】
一方、ロボット10が遠隔操縦されている場合は(S21でYes)、操縦端末40による操縦指令を受信する(S24)。次にロボット10は、操縦指令に基づいて移動経路を予測する(S25)。ここでロボット10は、予測された移動経路が規制領域を通過するか否かを判定する(S26)。予測された移動経路が規制領域を通過しない場合は(S26でNo)、ロボット10は操縦指令に基づいて移動する(S27)。一方、通過する場合は(S26でYes)、ロボット10は、規制領域を回避できるか否かを判定する(S28)。具体的にはロボット10は、操縦指令方向に進みながらも規制領域を回避する移動計画が生成できるかを判定する。規制領域を回避可能であれば(S28でYes)、ロボット10は、新たに生成した移動計画に基づいて、規制領域を回避しながら操縦指令方向に移動する(S29)。一方、規制領域を回避できない場合(S28でNo)、ロボット10は強制的に移動を停止する(S30)。
【0123】
このように実施形態3によれば、ロボット10は、遠隔操縦されつつも、緊急時には自律制御する。したがって移動体管理システム1は、操縦者の負担を軽減し、人とロボット10との共生を容易にすることができる。
【0124】
<適用例>
次に本実施形態1~4にかかる移動体管理システム1の適用例を説明する。
(工事現場ロボット管理)
移動体管理システム1は、工事現場ロボットを管理するために用いることができる。例えば天井や高所での作業が予定される場合、管理者は、地上を移動するロボット10の規制領域として、作業場所の下の領域を指定する。地上を移動するロボット10は、高所である作業場所を検知することが困難である。しかし移動体管理システム1によれば、管理者により規制領域を指定できるため、ロボット10が危険な場所に立ち入らないようにすることができる。
【0125】
(商業施設ロボット管理)
移動体管理システム1は、商業施設ロボットを管理するために用いることができる。例えば特設イベント会場が設置された場合、管理者は管理端末20を用いて、そのイベント会場の壁又は物の配置をロボット10に容易に教えることができる。これによりロボット10は、その会場内の導線を把握できる。
【0126】
(倉庫内搬送ロボット管理)
移動体管理システム1は、倉庫内搬送ロボットを管理するために用いることができる。例えば通路の床に物が仮置きされており、通路の幅が一時的に狭くなった場合、管理者は管理端末20を用いて、通路を遮断するように規制領域を指定する。このとき管理者は、規制の種別を進入禁止と指定するか、通り抜け禁止と指定してよい。これによりロボット10は、狭くなった通路を迂回するように移動できる。
【0127】
(屋外ロボット管理)
移動体管理システム1は、屋外ロボットを管理するために用いることができる。例えば屋外に水たまりがある場合、管理者は管理端末20を用いて、水たまりを囲むように規制領域を設定する。これによりロボット10は、水たまりを迂回するように移動するため、浸水による故障を防ぐことができる。
【0128】
なお、本発明は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上述の実施形態では、サーバ30は、規制領域が更新される度に規制領域情報Rをロボット10や操縦端末40に送信するとしたが、更新された情報だけを送信してもよい。
【0129】
また操縦端末40は、操縦指令を、ネットワークNを介してロボット10に送信するとしたが、近距離無線通信等で直接ロボット10に送信してもよいし、サーバ30を介してロボット10に送信してもよい。
【0130】
また規制領域情報Rの生成はサーバ30が行うとしたが、管理端末20が行ってもよい。この場合、管理端末20がサーバ30を介さずに、規制領域情報Rをロボット10に送信してもよい。
【0131】
また規制領域が規制対象となる期間が定められている場合には、管理端末20は、手書き入力画像とともに有効期限の入力を受け付け、手書き入力画像とともに有効期限の情報をサーバ30に送信してよい。この場合、サーバ30は、規制領域毎に、有効期限を管理してよい。そしてサーバ30は、規制領域の有効期限が過ぎた場合には、当該規制領域を削除するように規制領域情報Rを更新してよい。サーバ30は、規制領域情報Rを更新したことに応じて、更新された規制領域情報Rを、ロボット10や操縦端末40に展開してよい。
【0132】
また移動体の一例としてロボット10を挙げたが、これに限らず、車両又は無人航空機(ドローン)等であってもよい。移動体は遠隔操作で移動することを基本としてもよく、この場合、自律移動機能は省略されてもよい。
【0133】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得し、
前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定し、
前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信し、
前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する
規制領域管理システム。
(付記2)
前記手書き入力画像から座標情報及び色情報を抽出し、
前記環境地図と、前記座標情報とに基づいて、前記規制領域を推定し、
前記色情報に基づいて、規制の種別を推定し、
前記規制領域を示す情報と、前記規制の種別を示す情報とを、前記規制領域情報として生成する
付記1に記載の規制領域管理システム。
(付記3)
前記手書き入力画像から、図形を示す画像領域と、文字を示す画像領域とを抽出し、
前記環境地図と、前記図形を示す画像領域とに基づいて、前記規制領域を推定し、
前記文字を示す画像領域に基づいて、前記規制の種別を推定し、
前記規制領域を示す情報と、前記規制の種別を示す情報とを、前記規制領域情報として生成する
付記1に記載の規制領域管理システム。
(付記4)
前記手書き入力画像から、第1の図形を示す画像領域と、第2の図形を示す画像領域とを抽出し、
前記第1の図形に基づいて、平面視における前記規制領域の位置及び範囲を推定し、
前記第2の図形に基づいて、前記規制領域が存在する高さを推定する
付記1から3のいずれか1項に記載の規制領域管理システム。
(付記5)
前記手書き入力画像とともに移動体の識別情報を取得した場合、前記規制領域情報を、前記識別情報を有する移動体に送信し、
前記識別情報を有する移動体が遠隔操縦されている場合、前記規制領域情報を、前記識別情報を有する移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する
付記1から4のいずれか1項に記載の規制領域管理システム。
(付記6)
付記1~5のいずれか1項に記載の規制領域管理システムと、
少なくとも1つの移動体と、
を備える
移動体管理システム。
(付記7)
前記少なくとも1つの移動体のうち、自律移動中の移動体は、前記規制領域情報を受信したことに応じて、前記環境地図及び前記規制領域情報に基づいて、移動計画を生成する
付記6に記載の移動体管理システム。
(付記8)
前記規制領域情報は、規制領域を示す情報と、規制の種別を示す情報とを含み、
前記自律移動中の移動体は、
前記規制領域に少なくとも基づいて移動経路を生成し、
前記規制の種別に少なくとも基づいて前記規制領域における移動態様を推定する
付記7に記載の移動体管理システム。
(付記9)
各移動体は、その移動体の進行方向の移動とは異なる作用を及ぼす可動部を備え、
前記自律移動中の移動体は、
前記規制領域情報及び前記移動計画に基づいて、その移動体の可動範囲を推定し、
前記可動範囲に基づいて、その移動体の可動部の動作計画を生成する
付記7又は8に記載の移動体管理システム。
(付記10)
各移動体に対応付けられた操縦端末をさらに備え、
前記操縦端末は、前記規制領域情報を受信したことに応じて、規制領域を表示し、
操縦者から操縦指令を受け付けた場合、前記操縦指令を、対応する移動体に送信する
付記6から9のいずれか1項に記載の移動体管理システム。
(付記11)
前記操縦端末は、前記環境地図のうち、対応する移動体を基準とする領域上に、規制領域を示すオブジェクトを重畳表示する
付記10に記載の移動体管理システム。
(付記12)
前記操縦端末は、対応する移動体の撮像部が撮像した環境の撮像画像を取得し、
前記撮像画像上の、前記規制領域情報に基づいて決定される位置に、規制領域を示すオブジェクトを重畳表示する
付記10に記載の移動体管理システム。
(付記13)
遠隔操縦されている移動体は、対応する操縦端末から受けた操縦指令に従って移動すると、前記規制領域情報が示す規制領域に侵入することが予測される場合、前記規制領域を回避するための移動計画を生成する、又は移動を停止する
付記10から12のいずれか1項に記載の移動体管理システム。
(付記14)
環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得し、
前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定し、
前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信し、
前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する
規制領域管理方法。
(付記15)
環境地図に対して入力された手書き入力画像を取得する処理と、
前記環境地図と、手書き入力画像とに基づいて、移動体の侵入が規制される規制領域を推定する処理と、
前記規制領域を示す規制領域情報を、少なくとも1つの移動体に送信する処理と、
前記少なくとも1つの移動体のうち、遠隔操縦されている移動体がある場合、前記規制領域情報を、その移動体を遠隔で操縦する操縦端末に送信する処理と
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0134】
1 移動体管理システム
10 ロボット(移動体)
20 管理端末
30 サーバ(規制領域管理システム)
40 操縦端末
110 台車部
111 駆動輪
112 キャスター
120 本体部
121 胴部
122 頭部
123 アーム
124 ハンド
131 ステレオカメラ
133 レーザスキャナ
135 ハンドカメラ
141 表示部
145 台車駆動部
146 上体駆動部
150制御部
180 メモリ
190 通信部
200 メモリ
210 通信部
220 入力部
230 表示部
240 制御部
310 メモリ
320 通信部
330 制御部
400 メモリ
410 通信部
420 操縦部
430 表示部
440 制御部
501,502 障害物
503 追加規制領域
504 水たまり
600,601,620,621 移動経路
700,710,720,740,760 手書き入力画像
1000 コンピュータ
1010 プロセッサ
1020 記憶部
1030 ROM
1040 RAM
1050 通信インタフェース(IF)
1060 ユーザインタフェース(IF)
N ネットワーク
M 環境地図
R 規制領域情報
P 移動計画
T 変換情報
OB オブジェクト