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特許7574837情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241022BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20241022BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q30/0207 346
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022145189
(22)【出願日】2022-09-13
(65)【公開番号】P2024040684
(43)【公開日】2024-03-26
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅志
(72)【発明者】
【氏名】中 将之
(72)【発明者】
【氏名】関 康伸
(72)【発明者】
【氏名】粟野 宏基
(72)【発明者】
【氏名】金子 剛
(72)【発明者】
【氏名】米川 紘輔
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-050918(JP,A)
【文献】特開2019-102104(JP,A)
【文献】特開2002-095865(JP,A)
【文献】米国特許第08170911(US,B1)
【文献】特開2017-029424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リユース品の運転状況に関する情報であるリユース情報を取得する情報取得手段と、
前記リユース品と、製品がリユース品としてリユースされる前の該製品の所有者の端末の情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された紐付け情報に基づいて、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報を、該リユース品に紐付けられた端末に送信する送信処理手段と、
を備え、
前記リユース情報は、前記リユース品の位置情報を含み、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品の位置情報に基づいて、該リユース品の使用位置が変化したと判定した場合に、前記記憶手段の紐付け情報に基づいて、該リユース品に紐付けられた端末に対し、該リユース品のリユース情報を送信し
前記情報取得手段は、前記リユース品のリユース情報と共に該リユース品の識別情報を取得し、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得された各リユース品の識別情報に基づいて、関連する複数のリユース品のリユース情報を、1つのグループに纏め、該グループのリユース情報を、該グループの各リユース品の識別情報に基づいて、該グループのリユース品に紐付けられた端末に送信する
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理システムであって、
前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、該リユース品に紐付けられた端末に対してインセンティブを付与するインセンティブ付与手段を更に備える、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理システムであって、
前記インセンティブ付与手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報が基準値以上であると判定した場合に、該リユース品に紐付けられた端末に対してインセンティブを付与する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項2又は3記載の情報処理システムであって、
前記インセンティブ付与手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、該リユース品のリユース回数が増加するに従って、該リユース品に紐付けられた端末に対してより、多くのインセンティブを付与する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の情報処理システムであって、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、所定演算処理を行い、演算値を算出し、該算出した演算値を、前記リユース情報として、該リユース品に紐付けられた端末に送信する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項記載の情報処理システムであって、
前記演算値は、製品の性能のランキング、偏差値、基準値と前記リユース情報とを比較した比較値、前記リユース情報を一定期間累積した累積値、又は、一定期間における前記リユース情報の平均値、である、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1又は2記載の情報処理システムであって、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に応じて、所定のキャラクタを成長させる、あるいは、所定の物語を進め、該成長させた所定のゲームのキャラクタの情報、あるいは、該進めた所定の物語の情報を前記リユース情報として、前記リユース品に紐付けられた端末に送信する、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項1又は2記載の情報処理システムであって、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報を所定の定型文に当てはめて文を生成し、該生成した文を、前記リユース情報として前記リユース品に紐付けられた端末に送信する、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項1又は2記載の情報処理システムであって、
前記リユース情報は、前記リユース品の位置情報、使用時間情報、回転情報、温度情報、電圧情報、容量情報、抵抗情報、用途情報、及びリユース回数のうちの少なくとも1つを含む、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項1又は2記載の情報処理システムであって、
前記リユース品は、モータである、
情報処理システム。
【請求項11】
情報取得手段が、リユース品の運転状況に関する情報であるリユース情報を取得するステップと、
記憶手段が、前記リユース品と、製品がリユース品としてリユースされる前の該製品の所有者の端末の情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶するステップと、
送信処理手段が、前記記憶された紐付け情報に基づいて、前記取得されたリユース品のリユース情報を、該リユース品に紐付けられた端末に送信するステップと、
を含み、
前記リユース情報は、前記リユース品の位置情報を含み、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品の位置情報に基づいて、該リユース品の使用位置が変化したと判定した場合に、前記記憶手段の紐付け情報に基づいて、該リユース品に紐付けられた端末に対し、該リユース品のリユース情報を送信し
前記情報取得手段は、前記リユース品のリユース情報と共に該リユース品の識別情報を取得し、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得された各リユース品の識別情報に基づいて、関連する複数のリユース品のリユース情報を、1つのグループに纏め、該グループのリユース情報を、該グループの各リユース品の識別情報に基づいて、該グループのリユース品に紐付けられた端末に送信する
情報処理方法。
【請求項12】
リユース品の運転状況に関する情報であるリユース情報を取得する処理と、
前記リユース品と、製品がリユース品としてリユースされる前の該製品の所有者の端末の情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶する処理と、
前記記憶された紐付け情報に基づいて、前記取得されたリユース品のリユース情報を、該リユース品に紐付けられた端末に送信する処理と、
をコンピュータに実行さ
前記リユース情報は、前記リユース品の位置情報を含み、
前記取得されたリユース品の位置情報に基づいて、該リユース品の使用位置が変化したと判定した場合に、前記紐付け情報に基づいて、該リユース品に紐付けられた端末に対し、該リユース品のリユース情報を送信し
前記リユース品のリユース情報と共に該リユース品の識別情報を取得し、
前記取得された各リユース品の識別情報に基づいて、関連する複数のリユース品のリユース情報を、1つのグループに纏め、該グループのリユース情報を、該グループの各リユース品の識別情報に基づいて、該グループのリユース品に紐付けられた端末に送信する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リユース品に関する情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池のリユース品の状況をユーザに通知するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-158565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高め、環境意識を向上させたい。
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高め、環境意識を向上させることができる情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本開示の一態様は、
リユース品の運転状況に関する情報であるリユース情報を取得する情報取得手段と、
前記リユース品と、製品がリユース品としてリユースされる前の該製品の所有者の端末の情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された紐付け情報に基づいて、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報を、該リユース品に紐付けられた端末に送信する送信処理手段と、
を備える、
情報処理システム
である。
この一態様において、
前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、該リユース品に紐付けられた端末に対してインセンティブを付与するインセンティブ付与手段を更に備えていてもよい。
この一態様において、
前記インセンティブ付与手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報が基準値以上であると判定した場合に、該リユース品に紐付けられた端末に対してインセンティブを付与してもよい。
この一態様において、
前記インセンティブ付与手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、該リユース品のリユース回数が増加するに従って、該リユース品に紐付けられた端末に対してより、多くのインセンティブを付与してもよい。
この一態様において、
前記リユース情報は、前記リユース品の位置情報を含み、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品の位置情報に基づいて、該リユース品の使用位置が変化したと判定した場合に、前記記憶手段の紐付け情報に基づいて、該リユース品に紐付けられた端末に対し、該リユース品のリユース情報を送信してもよい。
この一態様において、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、所定演算処理を行い、演算値を算出し、該算出した演算値を、前記リユース情報として、該リユース品に紐付けられた端末に送信してもよい。
この一態様において、
前記演算値は、製品の性能のランキング、偏差値、基準値と前記リユース情報とを比較した比較値、前記リユース情報を一定期間累積した累積値、又は、一定期間における前記リユース情報の平均値、であってもよい。
この一態様において、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報に応じて、所定のキャラクタを成長させる、あるいは、所定の物語を進め、該成長させた所定のゲームのキャラクタの情報、あるいは、該進めた所定の物語の情報を前記リユース情報として、前記リユース品に紐付けられた端末に送信してもよい。
この一態様において、
前記情報取得手段は、前記リユース品のリユース情報と共に該リユース品の識別情報を取得し、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得された各リユース品の識別情報に基づいて、関連する複数のリユース品のリユース情報を、1つのグループに纏め、該グループのリユース情報を、該グループの各リユース品の識別情報に基づいて、該グループのリユース品に紐付けられた端末に送信してもよい。
この一態様において、
前記送信処理手段は、前記情報取得手段により取得されたリユース品のリユース情報を所定の定型文に当てはめて文を生成し、該生成した文を、前記リユース情報として前記リユース品に紐付けられた端末に送信してもよい。
この一態様において、
前記リユース情報は、前記リユース品の位置情報、使用時間情報、回転情報、温度情報、電圧情報、容量情報、抵抗情報、用途情報、及びリユース回数のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
この一態様において、
前記リユース品は、モータであってもよい。
上記目的を達成するための本開示の一態様は、
リユース品の運転状況に関する情報であるリユース情報を取得するステップと、
前記リユース品と、製品がリユース品としてリユースされる前の該製品の所有者の端末の情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶するステップと、
前記記憶された紐付け情報に基づいて、前記取得されたリユース品のリユース情報を、該リユース品に紐付けられた端末に送信するステップと、
を含む、
情報処理方法
であってもよい。
上記目的を達成するための本開示の一態様は、
リユース品の運転状況に関する情報であるリユース情報を取得する処理と、
前記リユース品と、製品がリユース品としてリユースされる前の該製品の所有者の端末の情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶する処理と、
前記記憶された紐付け情報に基づいて、前記取得されたリユース品のリユース情報を、該リユース品に紐付けられた端末に送信する処理と、
をコンピュータに実行させる、
プログラム
であってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高め、環境意識を向上させることができる情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る情報処理方法のフローを示すフローチャートである。
図4】サーバを備えない情報処理システムの構成を示す図である。
図5】本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。
近年、カーボンニュートラル、サステナビリティ、資源保護などの観点から製品のリユース(再利用)が求められており、そのリユースを促進するためのシステムが要望されている。
【0009】
これに対し、本実施形態に係る情報処理システムは、リユース品の運転状況を以前の所有者に通知することで、そのリユースを促進するものである。すなわち、本実施形態に係る情報処理システムは、リユース品の現在に関わる現在の所有者や、小売店(ディーラー)ではなく、以前の所有者に対して、かつて所有していた製品のリユース品としての活躍状況を知らせることで、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高め、環境意識を向上させることができるものである。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理システム1は、各リユース品の情報を検出する複数のセンサ2と、各種の情報処理を行うサーバ3と、複数の端末4と、を備えている。なお、センサ2の数及び端末4の数は、単数であってもよく、任意でよい。
【0011】
センサ2、サーバ3、及び端末4は、例えば、インターネットなどの通信ネットワーク5を介して、相互に情報の送受信を行ってもよい。センサ2、サーバ3、及び端末4は、夫々、無線LAN(Local Area Network)やWiFi(Wireless Fidelity)などの無線通信などを行って通信ネットワークに通信接続してもよい。
【0012】
センサ2は、リユース品の運転状況に関する情報(以下、リユース情報と称す)を検出する。リユース品とは、ユーザにより再利用される部品などであり、例えば、車両などに組み込まれるモータ、電池(2次電池、燃料電池、キャパシタなど)、コンバータ、インバータ、冷却ポンプ、内燃機関などを含む。
【0013】
センサ2は、例えば、リユース品に取り付けられており、そのリユース品のリユース情報を検出する。センサ2は、例えば、予め製品に組み込まれた、回転センサ、温度センサ、電圧センサ、GPS(Global Positioning System)センサなどを含む。なお、センサ2は、製品のリユース時に製品に特別に取り付けられてもよい。センサ2は、リユース品が組み込まれる部品などに予め組み込まれたセンサであってもよい。
【0014】
センサ2は、リユース情報として、例えば、リユース品の位置情報、使用時間情報、リユース品(モータなど)の回転情報や温度情報、リユース品(電池など)の電圧情報、容量情報、抵抗情報、などを検出する。また、センサ2は、製品のリユース時(リユース品の販売時など)において、リユース品の用途情報、リユース回数、修理回数などがリユース情報として入力される入力装置を含んでいてもよい。
【0015】
各リユース品を認識するための部品ID情報を含む識別情報が、予めセンサ2に設定されていてもよい。センサ2は、上記検出したリユース情報と、そのリユース品の識別情報と、をサーバ3に対し、例えば、所定周期で送信する。
【0016】
サーバ3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサ3aと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの内部メモリ3bと、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージデバイス3cと、ディスプレイなどの周辺機器を接続するための入出力I/F3dと、装置外部の機器と通信を行う通信I/F3eと、を備えた通常のコンピュータのハードウェア構成を有する。
【0017】
図2は、本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。 サーバ3は、リユース品のリユース情報及び識別情報を取得する情報取得部31と、リユース品の紐付け情報を記憶する記憶部32と、データ送信を含む各種の演算処理などを行う送信処理部33と、を有している。
【0018】
情報取得部31及び上述のセンサ2は、情報取得手段の一具体例である。情報取得部31は、リユース品のセンサ2から送信されるリユース情報及び識別情報を取得する。
【0019】
記憶部32は、記憶手段の一具体例である。記憶部32は、例えば、上記ストレージデバイスなどで構成されている。記憶部32は、リユース品の識別情報と、製品がリユース品としてリユースされる前におけるその製品の所有者の端末4の情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶する。
【0020】
上記製品がリユース品としてリユースされる前におけるその製品の所有者(以下、以前の所有者と称す)は、現在のリユース品の使用やメンテナンスに関与しない、例えば、その製品の最初の所有者であるのが好ましい。これは、最初の所有者が最もその製品に愛着があり、その製品の使用状況に興味を持つからである。なお、製品が1次、2次、3次というように複数回リユースされる場合、上記以前の所有者とは、少なくとも1つ前の所有者であってもよい。
【0021】
端末4は、スマートフォンなど携帯端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどの情報端末を含む。以前の所有者の端末4の情報(以下、端末情報と称す)とは、例えば、以前の所有者のメールアドレス、電話番号、SNS(Social Network Service)上の識別情報などである。
【0022】
端末情報は、例えは、その製品が販売店などで購入された時にサーバ3に登録されてもよい。記憶部32は、その製品の識別情報と端末情報とを紐付けて紐付け情報として記憶する。この紐付け情報を用いて、リユース品の以前の所有者を特定し、後述の如く、リユース品のリユース情報をその以前の所有者に送信することができる。
【0023】
送信処理部33は、送信処理手段の一具体例である。送信処理部33は、記憶部32に記憶された紐付け情報に基づいて、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報を、リユース品に紐付けられた端末4に送信する。
【0024】
送信処理部33は、記憶部32に記憶された紐付け情報における識別情報の中から、情報取得部31により取得されたリユース品の識別情報を検索し、その検索した識別情報に対応する端末情報を特定する。そして、送信処理部33は、特定した端末情報の端末4に対して、識別情報に対応するリユース情報を送信する。
【0025】
続いて、本実施形態に係る情報処理方法について、詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理方法のフローを示すフローチャートである。
【0026】
センサ2は、リユース品のリユース情報を検出し、検出したリユース情報と、そのリユース品の識別情報と、をサーバ3に対し送信する(ステップS101)。
【0027】
サーバ3の情報取得部31は、センサ2から送信されるリユース品のリユース情報及び識別情報を取得する(ステップS102)。
【0028】
送信処理部33は、記憶部32に記憶された紐付け情報における識別情報の中から、情報取得部31により取得されたリユース品の識別情報を検索し(ステップS103)、その検索した識別情報に対応する端末情報を特定する(ステップS104)。送信処理部33は、特定した端末情報に基づいて、識別情報に対応するリユース情報を端末4に送信する(ステップS105)。
【0029】
なお、上記実施形態に係る情報処理システム1は、センサ2と、サーバ3と、端末4と、を備える構成であるが、これに限定されない。情報処理システム1は、センサ2と、端末4と、を備え、サーバ3を備えない構成であってもよい。この場合、図4に示す如く、センサ20が上記サーバ3の情報取得部31、記憶部32及び送信処理部33の機能を有している。あるいは、端末4が上記サーバ3の情報取得部31、記憶部32及び送信処理部33の機能を有していてもよい。
【0030】
以上、本実施形態に係る情報処理システム1は、リユース品のリユース情報を取得する情報取得部31と、リユース品と、リユース品の以前の所有者の端末情報と、を紐付けた紐付け情報を記憶する記憶部32と、記憶部32に記憶された紐付け情報に基づいて、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報を、該リユース品に紐付けられた端末4に送信する送信処理部33と、を備えている。以前の所有者は、端末4上で、かつて所有していたリユース品の運転状況を知ることで、そのユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができ、環境意識を向上させることができる。
【0031】
実施形態2
本実施形態において、送信処理部33は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、所定演算処理を行い、演算値を算出してもよい。演算値は、例えば、製品の性能のランキング(順位)、偏差値、などの相対的な演算値、基準値とリユース情報とを比較した比較値、リユース情報を一定期間累積した累積値、一定期間におけるリユース情報の平均値、などを含む。より具体的には、演算値は、特定の地域内にあるリユース品のリユース情報を比較することで算出されたランキングであってもよい。
【0032】
送信処理部33は、上記算出した演算値を、リユース情報として、リユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。これにより、以前の所有者は、かつて所有していた製品の状況を客観的に知ることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができる。
【0033】
また、送信処理部33は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に応じて、例えば、所定のゲームのキャラクタを成長させる、あるいは、所定の物語を進めてもよい。より具体的には、リユース品をモータ、リユース情報をモータの回転数として、送信処理部33は、モータの回転数が増加するに従って、所定のゲームのキャラクタを大きく成長させる、あるいは、所定の物語を大きく前に進める。なお、所定のゲームのキャラクタの情報、あるいは、所定の物語の情報は、予め送信処理部33に設定されていてもよい。
【0034】
送信処理部33は、成長させた所定のゲームのキャラクタの情報、あるいは、進めた所定の物語の情報をリユース情報として、リユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。以前の所有者は、端末4上で、このキャラクタあるいは物語を見ることで、かつて所有していた製品の状況をより興味を持って知ることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができる。
【0035】
送信処理部33は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に対して、加工処理を行ってもよい。そして、送信処理部33は、加工したリユース情報を、リユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。
【0036】
例えば、リユース品のリユース情報が位置情報である場合、現在のリユース品の所有者の個人情報について一定の配慮を行う必要がある。これに対し、送信処理部33は、情報取得部31により取得されたリユース品の位置情報の範囲を広げる加工処理を行う。具体的には、送信処理部33は、情報取得部31により取得されたリユース品の住所の位置情報(**市**丁目**番地)に対して、加工処理を行い、国や市町村単位の位置情報(**市)に変換する。
【0037】
送信処理部33は、各センサ2から送信される各リユース品の識別情報に基づいて、関連する複数のリユース品のリユース情報を、1つのグループに纏めてもよい。送信処理部33は、そのグループのリユース情報を、グループの各リユース品の識別情報に基づいて、グループのリユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。上記センサ2によりリユース情報と共に送信される識別情報は、例えば、部品ID情報と共に、各リユース品が属するグループを認識するためのグループID情報を含む。
【0038】
送信処理部33は、各リユース品のグループID情報に基づいて、例えば、同一の車両に組み込まれ関連したモータ、電池、コンバータなどの、グループID情報が同一となる複数のリユース品を1つのグループに纏め、グループのリユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。
【0039】
これにより、以前の所有者は、端末4上で、1つに纏められたリユース品のリユース情報を集中的に見ることで、かつて所有していた製品の状況をより関心を持って知ることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができる。
【0040】
送信処理部33は、リユース品のリユース情報を所定の定型文に当てはめて文を生成し、生成した文を、リユース情報としてリユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。送信処理部33は、リユース情報として、例えば、リユース品の位置情報及び用途情報を所定の定型文に当てはめて文を生成し、生成した文を、リユース情報としてリユース品に紐付けられた端末4に送信する。
【0041】
より具体的には、送信処理部33は、リユース品の位置情報「北欧」、用途情報「風力発電用モータ」及び回転情報「***rpm」に基づいて、「(北欧)の(風力発電用モータ)として、平均回転数(***rpm)で貢献しています。」という文のリユース情報を端末4に送信してもよい。また、送信処理部33は、例えば、リユース品の使用時間情報「**年」に基づいて、「高負荷にも関わらず、平均的な使用年数よりも「**年」も長く活躍しています。」という文のリユース情報をリユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。
【0042】
これにより、リユース情報を単なる数値で通知するよりも、所定の定型文に当てはめ文で通知する方が、以前の所有者に対しリユース情報をより分かり易く、かつ印象的に伝えることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができる。
【0043】
送信処理部33は、例えば、予め設定された所定の周期で情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報を端末4に対して送信する。これにより、以前の所有者は、端末4上で、かつて所有したリユース品の状況を所定の周期で定期的に知ることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができる。
【0044】
送信処理部33は、リユース品の位置情報に基づいて、リユース品の使用位置が変化したと判定した場合に、リユース品のリユース情報を端末4に対し送信してもよい。なお、送信処理部33は、リユース品の位置情報に基づいて、リユース品が一定時間以上一定位置或いは一定範囲内に留まる場合に、その位置或いはその範囲をリユース品の使用位置として推定する。これにより、以前の所有者は、リユース品が国などを跨いで、広い範囲で活躍していることを知ることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高め、環境意識を向上させることができる。
【0045】
例えば、送信処理部33は、リユース品の位置情報に基づいて、そのリユース品の使用位置が日本からアフリカに変化したと判定した場合に、その位置情報をリユース情報として端末4に対して送信する。
【0046】
送信処理部33は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、リユース情報を一定期間累積した累積値を算出し、その累積値が基準値以上になったと判定したときに、その累積値をリユース情報として、リユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。
【0047】
これにより、以前の所有者は、端末4上で、累積されたリユース情報を見ることで、かつて所有していた製品の状況をより客観的に知ることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができる。
【0048】
送信処理部33は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、リユース情報を定期的に集約し、纏めてレポートとして、リユース品に紐付けられた端末4に送信してもよい。これにより、以前の所有者は、端末4上で、リユース情報を纏めてレポートとして見ることで、かつて所有していた製品の状況をより客観的に知ることができるため、ユーザのリユース品利用に関する意識をより高めることができる。
【0049】
実施形態3
図5は、本実施形態に係るサーバの概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態に係るサーバ30は、リユース品に紐付けられた端末4に対してインセンティブを付与するインセンティブ付与部34を更に備えている。
【0050】
インセンティブ付与部34は、インセンティブ付与手段の一具体例である。インセンティブ付与部34は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、リユース品に紐付けられた端末4に対してインセンティブを付与する。
【0051】
インセンティブ付与部34は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報が基準値以上であると判定した場合に、リユース品に紐付けられた端末4に対してインセンティブを付与してもよい。
【0052】
例えば、インセンティブ付与部34は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース回数が基準値以上であると判定した場合に、リユース品に紐付けられた端末4に対してインセンティブを付与してもよい。例えば、実験的に求めた最適値が上記基準値として設定される。基準値は予めインセンティブ付与部34に設定されていてもよい。
【0053】
また、インセンティブ付与部34は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、リユース品のリユース回数が増加するに従って、リユース品に紐付けられた端末4に対して、より多くのインセンティブを付与してもよい。
【0054】
このインセンティブにより、以前の所有者を刺激することができ、リユース品利用に関する意識をより高め、環境意識を向上させることができる。
【0055】
インセンティブは、例えば、ショッピングサイトやサービスなどで使用可能なポイント、割引券(クーポン券)などである。例えば、インセンティブ付与部34は、情報取得部31により取得されたリユース品のリユース情報に基づいて、リユース品のリユース回数が増加するに従って、リユース品に紐付けられた端末4に対してより、多くのポイントあるいは、割引券を付与してもよい。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0057】
本開示は、例えば、図3に示す処理を、プロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0058】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0059】
プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0060】
上述した各実施形態に係るサーバ3を構成する各部は、プログラムにより実現するだけでなく、その一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアにより実現することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1 情報処理システム、2 センサ、3 サーバ、3a プロセッサ、3b 内部メモリ、3c ストレージデバイス、4 端末、5 通信ネットワーク、30 サーバ、31 情報取得部、32 記憶部、33 送信処理部、34 インセンティブ付与部
図1
図2
図3
図4
図5