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特許7574846無人航空機遠隔操作装置、無人航空機遠隔操作システム、無人航空機遠隔操作方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】無人航空機遠隔操作装置、無人航空機遠隔操作システム、無人航空機遠隔操作方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241022BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20241022BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20241022BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241022BHJP
   G05D 1/00 20240101ALI20241022BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20241022BHJP
【FI】
G06F3/01 570
B64C39/02
B64C13/20 Z
H04Q9/00 331A
G05D1/00
G06T7/20 300A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022517020
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2021015756
(87)【国際公開番号】W WO2021215366
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2020077542
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】高橋 正光
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004395(JP,A)
【文献】特許第5709228(JP,B2)
【文献】特開2018-160228(JP,A)
【文献】特開2019-142290(JP,A)
【文献】特開2016-041555(JP,A)
【文献】特開2002-259989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
B64B 1/00 - 1/70
B64C 1/00 -99/00
B64D 1/00 -47/08
B64F 1/00 - 5/60
B64G 1/00 -99/00
G05D 1/00 - 1/87
G06T 7/00 - 7/90
G06V 10/00 -20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
H03J 9/00 - 9/06
H04Q 9/00 - 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識手段と、
前記ジェスチャー認識手段により認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定手段と、
前記制御コマンド特定手段により特定された制御コマンドを複数機の無人航空機に送信する通信手段と、を備
前記複数機の無人航空機に、前記制御コマンドに対応する同じ動きをさせる無人航空機遠隔操作装置。
【請求項2】
カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像を取得する画像取得手段と、
手指のジェスチャーと制御コマンドとが対応づけて記憶された記憶手段と、をさらに備え、
前記ジェスチャー認識手段は、前記画像取得手段により取得された画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識し、
前記制御コマンド特定手段は、前記記憶手段に記憶された前記制御コマンドのうち、前記ジェスチャー認識手段により認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する請求項1に記載の無人航空機遠隔操作装置。
【請求項3】
前記カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像は、距離画像であり、
前記ジェスチャー認識手段は、前記カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指の三次元的なジェスチャーを認識する請求項1又は2に記載の無人航空機遠隔操作装置。
【請求項4】
前記カメラは、前記無人航空機以外に設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の無人航空機遠隔操作装置。
【請求項5】
前記複数機の無人航空機に、離陸時の相対距離を保った状態で前記制御コマンドに対応する同じ動きをさせる請求項1に記載の無人航空機遠隔操作装置。
【請求項6】
前記ジェスチャー認識手段により認識される手指のジェスチャーは、サークル操作、ピンチ操作及びポインティング操作の少なくとも一つを含む請求項1から5のいずれか1項に記載の無人航空機遠隔操作装置。
【請求項7】
カメラと、
制御コマンドを受信し、当該受信した制御コマンドに基づいて制御される複数機の無人航空機と、
前記カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識手段と、
前記ジェスチャー認識手段により認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定手段と、
前記制御コマンド特定手段により特定された制御コマンドを前記複数機の無人航空機に送信する通信手段と、を備え、
前記複数機の無人航空機に、前記制御コマンドに対応する同じ動きをさせる無人航空機遠隔操作システム。
【請求項8】
カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識ステップと、
前記ジェスチャー認識ステップにより認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定ステップと、
前記制御コマンド特定ステップにより特定された制御コマンドを複数機の無人航空機に送信する通信ステップと、を備え、
前記複数機の無人航空機に、前記制御コマンドに対応する同じ動きをさせる無人航空機遠隔操作方法。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識処理と、
前記ジェスチャー認識処理により認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定処理と、
前記制御コマンド特定処理により特定された制御コマンドを複数機の無人航空機に送信する通信処理と、を実行させ
前記複数機の無人航空機に、前記制御コマンドに対応する同じ動きをさせるためのプログラム。
【請求項10】
前記制御コマンドは、前記無人航空機に、離着陸、旋回、あるいは、宙返りを実行させるコマンドである請求項1に記載の無人航空機遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機遠隔操作装置、無人航空機遠隔操作システム、無人航空機遠隔操作方法及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
操作者が把持して操作する操作ワンドと操作ワンドの移動をガイドするガイド機構とを備えた、無人航空機(ドローン)を遠隔操作する遠隔操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。操作ワンドには、赤外線カメラにより撮影されるマーカが取り付けられている。この遠隔操作装置によれば、赤外線カメラにより撮影された画像に基づいてマーカの動きを三角測量の原理で計測して操作ワンドの三次元時系列位置情報を生成し、その生成された三次元時系列位置情報に基づいて無人航空機を操作するための指令を生成し、その生成された指令を無人航空機に送信することで無人航空機を遠隔操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-142290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、無人航空機を遠隔操作するために、操作ワンド及びそのガイド機構を用いなければならず、その準備及び運用にコストを要するという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、操作ワンド及びそのガイド機構を用いることなく、無人航空機を遠隔操作することができる無人航空機遠隔操作装置、無人航空機遠隔操作システム、無人航空機遠隔操作方法及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無人航空機遠隔操作装置は、カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識手段と、前記ジェスチャー認識手段により認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定手段と、前記制御コマンド特定手段により特定された制御コマンドを無人航空機に送信する通信手段と、を備える。
【0007】
本発明の無人航空機遠隔操作システムは、カメラと、制御コマンドを受信し、当該受信した制御コマンドに基づいて制御される無人航空機と、前記カメラにより撮影された画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識部と、前記ジェスチャー認識部により認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定部と、前記制御コマンド特定部により特定された制御コマンドを前記無人航空機に送信する通信部と、を備える。
【0008】
本発明の無人航空機遠隔操作方法は、カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識ステップと、前記ジェスチャー認識ステップにより認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定ステップと、前記制御コマンド特定ステップにより特定された制御コマンドを無人航空機に送信する通信ステップと、を備える。
【0009】
本発明の記録媒体は、少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識処理と、前記ジェスチャー認識処理により認識された前記操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定処理と、前記制御コマンド特定処理により特定された制御コマンドを無人航空機に送信する通信処理と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、操作ワンド及びそのガイド機構を用いることなく、無人航空機を遠隔操作することができる無人航空機遠隔操作装置、無人航空機遠隔操作システム、無人航空機遠隔操作方法及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】無人航空機遠隔操作装置10の概略構成図である。
図2】無人航空機遠隔操作装置10の動作(無人航空機遠隔操作処理)の一例のフローチャートである。
図3】実施形態2にかかるドローン遠隔操作システム1の構成を示すブロック図である。
図4】ジェスチャー認識部12bにより認識される手指のジェスチャーの一例である。
図5】ドローン遠隔操作装置10の動作(ドローン遠隔操作処理)の一例のフローチャートである。
図6】ドローン遠隔操作システム1の動作を表すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
まず、図1を用いて、実施形態1の無人航空機遠隔操作システムを構成する無人航空機遠隔操作装置10の構成例について説明する。
【0013】
図1は、無人航空機遠隔操作装置10の概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、無人航空機遠隔操作装置10は、カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、前記操作者の手指のジェスチャーを認識するジェスチャー認識部12bと、ジェスチャー認識部12bにより認識された操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する制御コマンド特定部12cと、制御コマンド特定部12cにより特定された制御コマンドを無人航空機に送信する通信部14と、を備えている。
【0015】
次に、上記構成の無人航空機遠隔操作装置10の動作の一例について説明する。
【0016】
図2は、無人航空機遠隔操作装置10の動作(無人航空機遠隔操作処理)の一例のフローチャートである。
【0017】
まず、ジェスチャー認識部12bが、カメラにより撮影された操作者の手指を含む画像に基づいて、操作者の手指のジェスチャーを認識する(ステップS1)。
【0018】
次に、制御コマンド特定部12cが、ステップS1で認識された操作者の手指のジェスチャーが対応づけられた制御コマンドを特定する(ステップS2)。
【0019】
次に、通信部14が、ステップS2で特定された制御コマンドを無人航空機に送信する(ステップS3)。
【0020】
以上説明したように、実施形態1によれば、操作ワンド及びそのガイド機構を用いることなく、操作者の手指のジェスチャーにより無人航空機を遠隔操作することができる。
【0021】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2として、無人航空機遠隔操作システムについて詳細に説明する。以下、無人航空機遠隔操作システムとしてドローン遠隔操作システムを用いる。以下、ドローン遠隔操作システム1と記載する。また、制御コマンド特定部12cとしてドローン制御コマンド特定部を用いる。以下、ドローン制御コマンド特定部12cと記載する。
【0022】
図3は、実施形態2にかかるドローン遠隔操作システム1の構成を示すブロック図である。
【0023】
ドローン遠隔操作システム1は、操作者の手指のジェスチャーによりドローンを遠隔操作するシステムである。ドローン遠隔操作システム1は、ドローン遠隔操作装置10、カメラ20、ドローン30を備えている。
【0024】
まず、ドローン遠隔操作装置10の構成例について説明する。
【0025】
図3に示すように、ドローン遠隔操作装置10は、記憶部11と、制御部12と、メモリ13と、通信部14と、を備えている。
【0026】
記憶部11は、例えば、ハードディスク装置やROM等の不揮発性の記憶部である。記憶部11には、プログラム11a、変換テーブル11bが記憶されている。
【0027】
プログラム11aは、制御部12(プロセッサ)により実行されるプログラムである。変換テーブル11bには、手指のジェスチャー(複数)とドローン制御コマンドとが対応付けて記憶(登録)されている。
【0028】
制御部12は、図示しないが、プロセッサを備えている。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。プロセッサは、記憶部11からメモリ13(例えば、RAM)に読み込まれたプログラム11aを実行することで、画像取得部12a、ジェスチャー認識部12b、ドローン制御コマンド特定部12c、ドローン制御部12dとして機能する。これらの一部又は全部は、ハードウェアで実現してもよい。
【0029】
画像取得部12aは、カメラ20から当該カメラ20により撮影された操作者の手指を含む画像(距離画像)を取得する。
【0030】
ジェスチャー認識部12bは、画像取得部12aにより取得された画像に基づいて、操作者の手指のジェスチャー(例えば、三次元的なジェスチャー)を認識する手指ジェスチャー認識処理を実行する。手指ジェスチャー認識処理については、例えば、特許第5709228号公報に記載のものを用いることができるため、説明を省略する。
【0031】
図4は、ジェスチャー認識部12bにより認識される手指のジェスチャーの一例である。
【0032】
図4に示すように、手指のジェスチャーには、例えば、サークル操作(右回り)、サークル操作(左回り)、ピンチ操作、ポインティング操作がある。サークル操作(右回り)は、操作者の手指により右回りに円を描くジェスチャーである。サークル操作(左回り)は、操作者の手指により左回りに円を描くジェスチャーである。ピンチ操作は、操作者の親指と人差し指で摘まむジェスチャーである。ポインティング操作は、操作者の人差し指を特定の方向に向けるジェスチャーである。
【0033】
ドローン制御コマンド特定部12cは、ジェスチャー認識部12bにより認識された操作者の手指のジェスチャーをドローン制御コマンドに変換する。具体的には、ドローン制御コマンド特定部12cは、記憶部11(変換テーブル11b)に記憶されたドローン制御コマンドのうち、ジェスチャー認識部12bにより認識された操作者の手指のジェスチャーが対応づけられたドローン制御コマンドを特定する。
【0034】
ドローン制御部12dは、制御コマンド特定部12cにより特定されたドローン制御コマンドを、通信部14を介してドローン30に送信する。
【0035】
通信部14は、ドローン30との間で無線通信(例えば、WiFi(登録商標)による無線通信)する通信装置である。
【0036】
カメラ20は、操作者の手指を含む画像(映像)を撮影する。カメラ20は、例えば、TOF(Time-of-Flight)方式の距離画像カメラである。TOF方式の距離画像カメラを用いる場合、カメラ20は一台でよい。カメラ20は、有線又は無線でドローン遠隔操作装置10に接続される。カメラ20は、ドローン30以外に設けられている。カメラ20は、ドローン遠隔操作装置10とは別体であってもよいし、ドローン遠隔操作装置10に内蔵されていてもよい。
【0037】
ドローン30は、遠隔操作により飛行させることができる無人航空機(回転翼航空機)である。ドローン30は、マルチコプターとも呼ばれる。ドローン30は、ドローン遠隔操作装置10との間で無線通信(例えば、WiFiによる無線通信)する通信部(図示せず)及び空撮用のカメラ(図示せず)を備えている。ドローン30は、ドローン遠隔操作装置10から送信されるドローン制御コマンドを受信すると、その受信したドローン制御コマンドに対応する動作(離着陸、前進後退、上昇下降、旋回、宙返り等)を実行する。
【0038】
次に、ドローン遠隔操作装置10の動作(ドローン遠隔操作処理)の一例について説明する。
【0039】
図5は、ドローン遠隔操作装置10の動作(ドローン遠隔操作処理)の一例のフローチャートである。
【0040】
まず、ドローン遠隔操作装置10(画像取得部12a)は、カメラ20から当該カメラ20により撮影された操作者の手指を含む画像(距離画像)を取得する(ステップS10)。ここでは、異なる時間に撮影され複数の画像(複数フレームの画像)が取得される。
【0041】
次に、ドローン遠隔操作装置10(ジェスチャー認識部12b)は、画像取得部12aにより取得された画像に基づいて、操作者の手指のジェスチャーを認識する手指ジェスチャー認識処理を実行する(ステップS11)。
【0042】
ステップS11の結果、ドローン遠隔操作装置10は、手指のジェスチャーを認識できなかった場合(ステップS12:NO)、ステップS10~S12の処理を繰り返し実行する。
【0043】
一方、ステップS11の結果、手指のジェスチャーを認識できた場合(ステップS12:YES)、ドローン遠隔操作装置10(ドローン制御コマンド特定部12c)は、記憶部11(変換テーブル11b)に記憶されたドローン制御コマンドのうち、ジェスチャー認識部12bにより認識された操作者の手指のジェスチャーが対応づけられたドローン制御コマンドを特定する(ステップS13)。
【0044】
次に、ドローン遠隔操作装置10(ドローン制御部12d)は、ステップS13で特定されたドローン制御コマンドを、通信部14を介してドローン30に無線送信する(ステップS14)。
【0045】
次に、上記構成のドローン遠隔操作システム1の動作の一例について説明する。
【0046】
図6は、ドローン遠隔操作システム1の動作を表すシーケンス図である。
【0047】
図6に示すように、まず、ドローン遠隔操作装置10(通信部14)は、ドローン30との間でWiFiでの通信を確立する(ステップS20)。
【0048】
次に、ドローン遠隔操作装置10(ドローン制御部12d)は、ドローン30を初期化するためのドローン初期化指示を、通信部14を介してドローン30に無線送信する(ステップS21、S22)。
【0049】
ドローン30は、ドローン遠隔操作装置10から送信されるドローン初期化指示を受信すると、初期化を実行し、初期化が完了したことを表す初期化応答を、ドローン遠隔操作装置10に無線送信する(ステップS23)。
【0050】
次に、ドローン遠隔操作装置10は(ドローン制御部12d)は、ドローン30から送信される初期化応答を、通信部14を介して受信する(ステップS23、S24)。
【0051】
次に、図5に示すドローン遠隔操作処理が実行された場合、ドローン遠隔操作装置10(ドローン制御部12d)は、ステップS13で特定されたドローン制御コマンドを、通信部14を介してドローン30に無線送信する(ステップS25、S26)。
【0052】
ドローン30は、ドローン遠隔操作装置10から送信されるドローン制御コマンドを受信すると、その受信したドローン制御コマンドに対応する動作(離着陸、前進後退、上昇下降、旋回、宙返り等)を実行し、実行結果を表す実行結果応答を、ドローン遠隔操作装置10に無線送信する(ステップS27)。
【0053】
次に、ドローン遠隔操作装置10は(ドローン制御部12d)は、ドローン30から送信される実行結果応答を、通信部14を介して受信する(ステップS27、S28)。
【0054】
以後、ドローン遠隔操作システム1は、図5に示すドローン操作処理が実行されるごとに、上記ステップS25~S28の処理を繰り返し実行する。
【0055】
以上説明したように、実施形態2によれば、操作ワンド及びそのガイド機構を用いることなく、また、プロポやスマホ・タブレット等の操作機器を使ったり触れることなく、操作者の手指のジェスチャーによりドローン30を遠隔操作することができる。
【0056】
また、実施形態2によれば、操作機器(例えば、背景技術の操作ワンド)に触れる必要が無いため、手が汚れている、または手袋をしている等の制約がある状況でもドローン30の遠隔操作が可能となる。
【0057】
また、実施形態2によれば、ドローン30とは別に独立して設けられたカメラ20によって手指のジェスチャーを認識するため、ドローン30に設けられたカメラ(図示せず)がジェスチャー認識処理に占有されることがない。これにより、ドローン30に設けられたカメラを空撮による監視や点検に専念させることが可能となる。
【0058】
また、実施形態2によれば、片手の手指の指し示す方向や指先の動きでドローン30を遠隔操作することが可能となるため、もう一方の手で別のことをすることが可能となる。例えば、自動車を運転しながら、追従しているドローン30を簡単な手指のジェスチャーにより遠隔操作することができる。これにより、運転している自動車の周囲の安全確認や危険予測を行うことができる。あるいは、渋滞状況や空いた駐車スペースの確認をしたり、景色の撮影やドライブ記録をすること等が可能となる。
【0059】
また、実施形態2によれば、カメラ20としてTOF(Time-of-Flight)方式の距離画像カメラを用いていているため、手指の三次元的なジェスチャーによりドローン30を遠隔操作することができる。例えば、操作者の人差し指を特定の方向に向けるポインティング操作によりドローン30を指さした方向に旋回させることができる。
【0060】
次に、変形例について説明する。
【0061】
実施形態2では、操作者がドローン30を目視しながらジェスチャーで当該ドローン30を遠隔制御する例について説明したが、これに限らず、目視することなくジェスチャーでドローン30を遠隔制御してもよい。例えば、カメラが搭載されたドローン30から送信される当該カメラにより撮影された映像(映像情報)を受信して表示部(例えば、操作者の手元に配置されている液晶ディスプレイ等の表示装置)に表示することで、操作者は、その表示部に表示される映像を見ながらジェスチャーでドローン30を遠隔制御することができる。
【0062】
また、実施形態2では、ジェスチャーにより遠隔制御されるドローン30が一機である場合を例にして説明したが、これに限らない。例えば、ジェスチャーにより遠隔制御されるドローン30は、複数機であってもよい。例えば、ステップS14(図5参照)において、複数機のドローン30それぞれに同一のドローン制御コマンドを送信(同報)することで、一つのジェスチャーにより複数機のドローン30に同じ動き(ドローン制御コマンドに対応する動作)をさせることができる。例えば、離陸時の相対距離を保った状態で同じ動きをさせることができる。これにより、例えば、複数機のドローン30による群体飛行のデモンストレーションを行うことができる。
【0063】
上記実施形態1、2において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0064】
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0065】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【0066】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0067】
この出願は、2020年4月24日に出願された日本出願特願2020-077542を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0068】
1 ドローン遠隔操作システム
10 ドローン遠隔操作装置(無人航空機遠隔操作装置)
11 記憶部
11a プログラム
11b 変換テーブル
12 制御部
12a 画像取得部
12b ジェスチャー認識部
12c ドローン制御コマンド特定部(制御コマンド特定部)
12d ドローン制御部(無人航空機制御部)
13 メモリ
14 通信部
20 カメラ
30 ドローン
図1
図2
図3
図4
図5
図6