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特許7574855リハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】リハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/30 20180101AFI20241022BHJP
【FI】
G16H20/30
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022553293
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2020037116
(87)【国際公開番号】W WO2022070297
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】大野 友嗣
(72)【発明者】
【氏名】安川 洵
(72)【発明者】
【氏名】小阪 勇気
(72)【発明者】
【氏名】久保 雅洋
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-018570(JP,A)
【文献】特開2006-320424(JP,A)
【文献】特開2007-307107(JP,A)
【文献】特開2020-057082(JP,A)
【文献】特開2015-130977(JP,A)
【文献】特開2013-085626(JP,A)
【文献】特開2005-352686(JP,A)
【文献】特開2015-219881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得する取得手段と、
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出する算出手段と、
前記疲労度と所定の閾値とに基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成する生成手段と、
前記フィードバック情報を出力する出力手段と
を備え
前記所定の閾値は、前記対象者が行う前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定されるリハビリテーション支援装置。
【請求項2】
前記フィードバック情報は、前記対象者が適切な負荷の前記運動を行うように前記対象者を支援する情報である第1フィードバック情報を含む
請求項1に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項3】
前記第1フィードバック情報は、前記対象者に提示する前記運動のメニューに関する運動メニュー情報、前記対象者に対する休憩の提案に関する休憩情報、前記運動を行う前記対象者のモチベーションを高めるモチベーション向上情報、及び、前記対象者に対するアドバイスに関するアドバイス情報のうちの少なくとも一つを含む
請求項2に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記疲労度が第1閾値を上回る場合に、前記対象者に現在提示している前記運動の負荷よりも低い負荷の運動のメニューを示す運動メニュー情報を、前記フィードバック情報として生成し、
前記第1閾値は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
請求項1から3のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記疲労度が第2閾値を下回る場合に、前記対象者に現在提示している前記運動の負荷よりも高い負荷の運動のメニューを示す運動メニュー情報を、前記フィードバック情報として生成し、
前記第2閾値は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
請求項1から4のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項6】
前記生成手段は、前記疲労度が第3閾値を上回る場合に、前記対象者に休憩を提案する前記休憩情報を生成し、
前記第3閾値は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
請求項3に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項7】
前記フィードバック情報は、前記リハビリテーションを支援する支援者が前記対象者に適切な負荷の前記運動を行わせることができるように前記支援者を支援する情報である第2フィードバック情報を含む
請求項1から6のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項8】
前記第2フィードバック情報は、前記対象者の前記疲労度が所定条件を満たすか否かを示す特定対象者情報を含み、
前記所定条件は、前記疲労度が第4閾値を上回るという条件及び前記疲労度が第5閾値を下回るという条件のうちの少なくとも一つを含む
請求項7に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項9】
前記第4及び第5閾値の夫々は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
請求項8に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項10】
前記取得手段は、複数の前記対象者を夫々示す複数の前記画像を取得し、
前記生成手段は、前記画像に基づいて、前記複数の対象者の画像情報を前記第2フィードバック情報として生成する
請求項7から9のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項11】
前記取得手段は、複数の前記対象者を夫々示す複数の前記画像を取得し、
前記生成手段は、前記画像に基づいて、前記疲労度が所定条件を満たすか否かに応じた前記対象者の画像情報を、前記第2フィードバック情報として生成する
請求項7から10のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項12】
前記生成手段は、前記第2フィードバック情報として、前記疲労度が所定条件を満たす前記対象者の画像情報と、前記疲労度が所定条件を満たす対象者の画像情報と異なる出力態様で出力される、前記疲労度が前記所定条件を満たさない前記対象者の画像情報とを生成する
請求項7から11のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項13】
前記生成手段は、前記支援者が前記対象者に対するアドバイスを入力するためのアドバイス入力画面情報を、前記第2フィードバック情報として生成する
請求項7から12のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項14】
前記アドバイス入力画面情報は、複数の異なるアドバイスの候補に関する情報を含む
請求項13に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項15】
前記生成手段は、前記支援者からの入力に応じて、前記対象者に対するアドバイス情報を前記フィードバック情報として生成する
請求項13又は14に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項16】
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて前記対象者が異常状態にあると判定された場合に、前記対象者が前記異常状態にあることを所定の通知先に通知する通知手段を更に備える
請求項1から15のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項17】
前記出力手段は、前記フィードバック情報に加えて、前記対象者のプライバシーが保護される出力態様の画像情報を出力する
請求項1から16のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
【請求項18】
リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得し、
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出し、
前記疲労度と所定の閾値とに基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成し、
前記フィードバック情報を出力し、
前記所定の閾値は、前記対象者が行う前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定され
コンピュータが行うリハビリテーション支援方法。
【請求項19】
リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得することと、
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出することと、
前記疲労度と所定の閾値とに基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成することと、
前記フィードバック情報を出力することと
をコンピュータに実行させ
前記所定の閾値は、前記対象者が行う前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定されるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リハビリテーションを支援可能なリハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーションを支援するためのリハビリテーション支援装置の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1には、深度センサを用いることで、リハビリテーションのための運動を行っている対象者の姿勢を推定し、うまく稼働できない関節を駆動できる筋肉群のうちで対象者が容易に張力を発揮できる筋肉を提示するインタフェースを提供するリハビリテーション支援装置が記載されている。
【0003】
その他、本開示に関連する先行技術文献として、特許文献2から6があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-035651号公報
【文献】米国特許出願第2019/0295436号明細書
【文献】特開2015-219881号公報
【文献】特開2020-057082号公報
【文献】特開2018-033621号公報
【文献】特開2016-185317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
対象者がリハビリテーションのための運動を行う場合には、対象者は、適切な負荷の運動を行うことが好ましい。しかしながら、特許文献1等には、リハビリテーション支援装置が、対象者が行う運動の負荷が適切な負荷であるか否かを判定することについて記載はない。このため、特許文献1等に記載されたリハビリテーション支援装置は、対象者が行う運動の負荷(つまり、対象者にかけられている負荷)と、対象者の安全性との両立を図るようにリハビリテーションを支援することが難しいという技術的問題を有している。
【0006】
本開示は、上述した技術的問題を解決可能なリハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体を提供することを課題とする。一例として、本開示は、リハビリテーションのために対象者が行う運動の負荷と対象者の安全性との両立を図るようにリハビリテーションを支援することが可能なリハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のリハビリテーション支援装置の一態様は、リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得する取得手段と、前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出する算出手段と、前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成する生成手段と、前記フィードバック情報を出力する出力手段とを備える。
【0008】
本開示のリハビリテーション支援システムの一態様は、リハビリテーションのための運動を行っている対象者が利用可能な対象者端末と、前記リハビリテーションを支援する支援者が利用可能な支援者端末と、リハビリテーション支援装置とを備え、前記リハビリテーション支援装置は、前記対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得する取得手段と、前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出する算出手段と、前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成する生成手段と、前記フィードバック情報を、前記対象者端末及び前記支援者端末の少なくとも一方に出力する出力手段とを備える。
【0009】
本開示のリハビリテーション支援方法の一態様は、リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得し、前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出し、前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成し、前記フィードバック情報を出力する。
【0010】
本開示の記録媒体の一態様は、リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得し、前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出し、前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成し、前記フィードバック情報を出力するリハビリテーション支援方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
上述したリハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体によれば、リハビリテーションのために対象者が行う運動の負荷と対象者の安全性との両立を図るようにリハビリテーションを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態のリハビリテーション支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態の患者端末の構成を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態のリハビリテーション支援サーバの構成を示すブロック図である。
図4図4は、本実施形態の支援者端末の構成を示すブロック図である。
図5図5は、支援者端末の出力装置による患者の画像の出力例(表示例)を示す平面図である。
図6図6は、リハビリテーション支援システムが行うリハビリテーション支援動作の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、運動メニュー情報を含む患者FB情報の出力装置による出力例(表示例)を示す平面図である。
図8図8は、休憩情報を含む患者FB情報の出力装置による出力例(表示例)を示す平面図である。
図9図9は、応援情報を含む患者FB情報の出力装置による出力例(表示例)を示す平面図である。
図10図10は、特定患者情報を含む支援者FB情報の出力装置による出力例(表示例)を示す平面図である。
図11図11は、支援者がアドバイスを入力するためのユーザインタフェースを示す平面図である。
図12図12は、支援者がアドバイスを入力するためのユーザインタフェースを示す平面図である。
図13図13は、支援者が運動のメニューを指定するためのユーザインタフェースを示す平面図である。
図14図14は、第1変形例におけるリハビリテーション支援サーバの構成を示すブロック図である。
図15図15は、スコア情報を含む患者FB情報の出力装置による出力例(表示例)を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、リハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体の実施形態について説明する。以下では、リハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及び記録媒体の実施形態が適用されたリハビリテーション支援システムSYSについて説明する。このようなリハビリテーション支援システムSYSは、例えば、リハビリテーションのための運動を行っている対象者に対してリハビリテーションに関するサービスを提供する機関(以降、“リハビリテーション機関”と称する)において採用されてもよい。リハビリテーション機関の一例として、医療機関があげられる。尚、本実施形態における医療機関は、いわゆる医療行為が行われる機関(例えば、病院及び診療所の少なくとも一つ)のみならず、医療行為は行われないもののリハビリテーションに関する医療サービスを提供する任意の機関(例えば、介護老人保健施設、高齢者福祉施設及び訪問型リハビリテーション事業所の少なくとも一つ)を含んでいてもよい。
【0014】
(1)リハビリテーション支援システムSYSの構成
はじめに、本実施形態のリハビリテーション支援システムSYSの構成について説明する。
【0015】
(1-1)リハビリテーション支援システムSYSの全体構成
【0016】
はじめに、図1を参照しながら、本実施形態のリハビリテーション支援システムSYSの全体構成について説明する。図1は、本実施形態のリハビリテーション支援システムSYSの全体構成を示すブロック図である。
【0017】
リハビリテーション支援システムSYSは、対象者が行うリハビリテーションを支援するためのリハビリテーション支援動作を行う。例えば、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーション支援動作を行うことで、リハビリテーションのための運動を行う対象者を支援してもよい。例えば、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーション支援動作を行うことで、リハビリテーションのための運動を行う対象者を支援する(つまり、リハビリテーションを支援する)人物である支援者を支援してもよい。
【0018】
本実施形態では、リハビリテーション支援システムSYSは、支援者の目が届かない場所(つまり、支援者が十分な注意を払うことができない場所)で対象者が運動している場合に、リハビリテーションを支援する。支援者の目の届かない場所は、リハビリテーション機関の施設とは異なる場所(例えば、患者の自宅等)を含んでいてもよい。支援者の目の届かない場所は、リハビリテーション機関の施設内において支援者がいない場所(例えば、対象者の個室等)を含んでいてもよい。但し、リハビリテーション支援システムSYSは、支援者の目が届く場所で対象者が運動を行っている場合に、リハビリテーションを支援してもよい。
【0019】
上述したように、リハビリテーション支援システムSYSが採用されているリハビリテーション機関の一例として、医療機関があげられる。この場合、リハビリテーションのための運動を行う対象者の一例として、医療機関の患者があげられる。尚、本実施形態における患者は、医療機関においてリハビリテーションという医療サービスを受けている人物を意味していてもよい。以下の説明では、リハビリテーションのための運動を行う対象者が患者である例について説明する。但し、リハビリテーションのための運動を行う対象者が、医療機関の患者に限定されることはない。
【0020】
支援者は、患者(対象者)のリハビリテーションに携わる医療従事者である。本実施形態では、医療従事者は、典型的には、理学療法士である。但し、医療従事者は、作業療法士及び言語聴覚士の少なくとも一方を含んでいてもよい。医療従事者は病気の治療、病気の予防、健康の維持、健康の回復及び健康の増進の少なくとも一つを目的とした活動である医療に従事する人物全般を含んでいてもよい。具体的には、例えば、医療従事者は、医師、コメディカル、及び、その他の医療に従事する人物の少なくとも一人を含んでいてもよい。一人の支援者は、一人の患者を支援してもよい。或いは、一人の支援者は、複数の患者を支援してもよい。
【0021】
リハビリテーションを支援するために、リハビリテーション支援システムSYSは、患者が運動を行っている期間の少なくとも一部において、患者の状態を監視する。更に、リハビリテーション支援システムSYSは、監視した患者の状態に基づいて、リハビリテーションに関するフィードバック情報(以降、“FB(FeedBack)情報”と称する)を患者に対して提示する(つまり、出力する)。或いは、リハビリテーション支援システムSYSは、患者に加えて又は代えて、支援者に対してFB情報を提示(つまり、出力)してもよい。尚、FB情報は、患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい(つまり、伝えることが好ましい)任意の情報を意味していてもよい。例えば、FB情報は、リハビリテーションの効果を高めるために患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい任意の情報を含んでいてもよい。例えば、FB情報は、運動を行う患者の安全を維持するために患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい任意の情報を含んでいてもよい。例えば、FB情報は、リハビリテーションの効果を高めるために患者及び支援者の少なくとも一方が必要とする任意の情報を含んでいてもよい。例えば、FB情報は、運動を行う患者の安全を維持するために患者及び支援者の少なくとも一方が必要とする任意の情報を含んでいてもよい。後に詳述するように、リハビリテーションの効果を高める及び/又は運動を行う患者の安全を維持するためには、患者が行う運動の負荷(つまり、運動によって患者にかけられる負荷)は、リハビリテーションの効果を適切に享受可能な適切な負荷になっていることが好ましい。このため、例えば、FB情報は、適切な負荷の運動を行うように患者を支援する任意の情報を含んでいてもよい。例えば、FB情報は、支援者が患者に適切な負荷の運動を行わせることができるように支援者を支援する任意の情報を含んでいてもよい。尚、以下では、患者に提示されるFB情報(つまり、患者を対象とするFB情報)及び支援者に提示されるFB情報(つまり、支援者を対象とするFB情報)を、夫々、患者FB情報及び支援者FB情報と称することで、両者を区別する。
【0022】
リハビリテーション支援動作を行うために、図1に示すように、リハビリテーション支援システムSYSは、少なくとも一つの患者端末1と、「リハビリテーション支援装置」の一具体例であるリハビリテーション支援サーバ2と、少なくとも一つの支援者端末3とを備えている。図1に示す例では、リハビリテーション支援システムSYSは、複数の患者端末1と、単一の支援者端末3とを備えている。但し、リハビリテーション支援システムSYSは、単一の患者端末1を備えていてもよい。リハビリテーション支援システムSYSは、複数の支援者端末3を備えていてもよい。患者端末1とリハビリテーション支援サーバ2と支援者端末3とは、通信ネットワーク4を介して通信可能である。通信ネットワーク4は、有線の通信ネットワークを含んでいてもよいし、無線の通信ネットワークを含んでいてもよい。
【0023】
患者端末1は、患者が利用可能な情報処理装置である。リハビリテーション支援システムSYSが複数の患者端末1を備えている場合には、複数の患者端末1は、複数の異なる患者が夫々利用可能な複数の情報処理装置であってもよい。患者端末1として、リハビリテーション機関が患者に対して貸し出す情報処理装置(例えば、パソコン、タブレット端末及びスマートフォンの少なくとも一つ)が用いられてもよい。患者端末1として、患者が保有する情報処理装置(例えば、パソコン、タブレット端末及びスマートフォンの少なくとも一つ)が用いられてもよい。患者端末1として、複数の情報処理装置の組み合わせ(例えば、スマートフォンと、後述する生体センサ13を備えるスマートウォッチとの組み合わせ)が用いられてもよい。患者端末1は、患者の状態を監視可能である。更に、患者端末1は、監視した患者の状態を示す患者状態情報を、通信ネットワーク4を介してリハビリテーション支援サーバ2に送信可能である。更に、患者端末1は、通信ネットワーク4を介してリハビリテーション支援サーバ2が患者端末1に送信する患者FB情報を受信可能である。更に、患者端末1は、受信した患者FB情報を患者に提示可能である。その結果、患者は、患者FB情報を認識することができる。
【0024】
リハビリテーション支援サーバ2は、通信ネットワーク4を介して患者端末1がリハビリテーション支援サーバ2に送信する患者状態情報を受信可能である。リハビリテーション支援サーバ2は、患者状態情報に基づいて、患者FB情報及び支援者FB情報の少なくとも一つを生成可能である。リハビリテーション支援サーバ2は、生成した患者FB情報を、通信ネットワーク4を介して患者端末1に送信可能である。リハビリテーション支援サーバ2は、生成した支援者FB情報を、通信ネットワーク4を介して支援者端末3に送信可能である。
【0025】
リハビリテーション支援サーバ2は、例えば、リハビリテーション機関を含む医療機関が保有する情報処理装置(例えば、パソコン)であってもよい。リハビリテーション支援サーバ2は、例えば、医療機関の施設内に設置された情報処理装置であってもよい。リハビリテーション支援サーバ2は、例えば、医療機関の施設外に設置された情報処理装置であってもよい。リハビリテーション支援サーバ2は、例えば、クラウド環境下に設置された仮想的な情報処理装置であってもよい。
【0026】
支援者端末3は、支援者が利用可能な情報処理装置である。リハビリテーション支援システムSYSが複数の支援者端末3を備えている場合には、複数の支援者端末3は、複数の異なる支援者が夫々利用可能な複数の情報処理装置であってもよい。支援者端末3として、リハビリテーション機関に設置される情報処理装置(例えば、パソコン、タブレット端末及びスマートフォンの少なくとも一つ)が用いられてもよい。支援者端末3として、リハビリテーション機関が支援者に対して貸し出す情報処理装置(例えば、パソコン、タブレット端末及びスマートフォンの少なくとも一つ)が用いられてもよい。支援者端末3として、支援者が保有する情報処理装置(例えば、パソコン、タブレット端末及びスマートフォンの少なくとも一つ)が用いられてもよい。支援者端末3は、通信ネットワーク4を介してリハビリテーション支援サーバ2が支援者端末3に送信する支援者FB情報を受信可能である。更に、支援者端末3は、受信した支援者FB情報を支援者に提示可能である。その結果、支援者は、支援者FB情報を認識することができる。
【0027】
(1-2)患者端末1の構成
続いて、図2を参照しながら、患者端末1の構成について説明する。図2は、患者端末1の構成を示すブロック図である。
【0028】
図2に示すように、患者端末1は、カメラ11と、マイク12と、生体センサ13と、演算装置14と、記憶装置15と、通信装置16と、入力装置17と、出力装置18とを備えている。但し、患者端末1は、カメラ11、マイク12及び生体センサ13のすべてを備えていてもよいし、カメラ11、マイク12及び生体センサ13うち少なくとも一つを備えていてもよい。患者端末1は、入力装置17を備えていなくてもよい。カメラ11と、マイク12と、生体センサ13と、演算装置14と、記憶装置15と、通信装置16と、入力装置17と、出力装置18とは、データバス19を介して接続されていてもよい。
【0029】
患者端末1として複数の情報処理装置の組み合わせが用いられてもよいことは上述したとおりである。この場合、カメラ11、マイク12、生体センサ13、演算装置14、記憶装置15、通信装置16、入力装置17及び出力装置18のうちの一部を備える第1の情報処理装置と、カメラ11、マイク12、生体センサ13、演算装置14、記憶装置15、通信装置16、入力装置17及び出力装置18のうちの他の一部を備える第2の情報処理装置との組み合わせによって、患者端末1が実現されてもよい。例えば、カメラ11及びマイク12を備える情報処理装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパソコン)と、生体センサ13を備える情報処理装置(例えば、スマートウォッチ等のウェアラブルデバイス)と、演算装置14、記憶装置15、通信装置16、入力装置17及び出力装置18を備える情報処理装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパソコン)との組み合わせによって、患者端末1が実現されてもよい。
【0030】
カメラ11は、患者を撮像可能な撮像装置である。カメラ11は、患者を撮像することで、患者が写り込んだ画像を生成する。生成された画像を示す患者画像情報は、患者状態情報の少なくとも一部として、患者端末1からリハビリテーション支援サーバ2に送信される。尚、本実施形態では、画像は、静止画を含んでいてもよい。或いは、画像は、静止画に加えて又は代えて、動画(つまり、連続する異なる複数の時刻に夫々患者を撮像することで生成される複数の静止画を含む時系列データ)を含んでいてもよい。
【0031】
マイク12は、患者の音声を録音可能な録音装置である。マイク12が録音した患者の音声を示す患者音声情報は、患者状態情報の少なくとも一部として、患者端末1からリハビリテーション支援サーバ2に送信される。
【0032】
生体センサ13は、患者の生体情報(以降、“患者生体情報”と称する)を検出可能な検出装置である。例えば、生体センサ13は、患者生体情報の一例である心拍に関する情報を検出可能な心拍センサを含んでいてもよい。例えば、生体センサ13は、患者生体情報の一例である呼吸に関する情報を検出可能な呼吸センサを含んでいてもよい。例えば、生体センサ13は、患者生体情報の一例である血圧に関する情報を検出可能な血圧センサを含んでいてもよい。例えば、生体センサ13は、患者生体情報の一例である患者の発汗に関する情報を検出可能な発汗センサを含んでいてもよい。例えば、生体センサ13は、患者生体情報の一例である患者の動きに関する情報を検出可能なモーションセンサ(典型的には、加速度センサ及び角速度センサの少なくとも一方)を含んでいてもよい。生体センサ13が検出した患者生体情報は、患者状態情報の少なくとも一部として、患者端末1からリハビリテーション支援サーバ2に送信される。
【0033】
尚、患者生体情報は、患者画像情報が示す画像を解析することで生成可能である。例えば、患者画像情報が示す画像を解析することで、心拍に関する情報を生成可能である。この場合、患者画像情報が患者生体情報として用いられてもよい。患者画像情報が患者生体情報として用いられる場合には、患者端末1は、生体センサ13を備えていなくてもよい。
【0034】
演算装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。演算装置14は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置14は、記憶装置15が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置14は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。演算装置14は、通信装置16を介して、患者端末1の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置14は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置14内には、患者端末1が行うべき動作(例えば、リハビリテーション支援動作の少なくとも一部)を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置14は、患者端末1が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0035】
図2には、リハビリテーション支援動作の少なくとも一部を行うために演算装置14内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。図2に示すように、演算装置14内には、情報取得部141と、出力制御部142とが実現される。情報取得部141は、カメラ11、マイク12及び生体センサ13の少なくとも一つから、夫々、患者画像情報、患者音声情報及び患者生体情報の少なくとも一つを取得する。情報取得部141は、通信装置16を用いて、取得した患者画像情報、患者音声情報及び患者生体情報の少なくとも一つを含む患者状態情報を、リハビリテーション支援サーバ2に送信する。出力制御部142は、通信装置16を用いて、リハビリテーション支援サーバ2から患者FB情報を取得する(つまり、受信する)。出力制御部142は、取得した患者FB情報を患者に対して提示する(つまり、出力する)ように、出力装置18を制御する。
【0036】
尚、情報取得部141及び出力制御部142の少なくとも一方は、患者端末1にソフトウェアとしてインストールされているアプリケーション及びブラウザの少なくとも一つによって実現されてもよい。この場合、情報取得部141は、アプリケーション及びブラウザの少なくとも一方を介して、患者画像情報、患者音声情報及び患者生体情報の少なくとも一つを取得してもよい。出力制御部142は、アプリケーション及びブラウザの少なくとも一方を介して、患者FB情報を患者に対して提示するように、出力装置18を制御してもよい。
【0037】
記憶装置15は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置15は、演算装置14が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置15は、演算装置14がコンピュータプログラムを実行している際に演算装置14が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置15は、患者端末1が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置15は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置15は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0038】
通信装置16は、通信ネットワーク4を介して、リハビリテーション支援サーバ2に情報を送信可能である。本実施形態では、上述したように、通信装置16は、情報取得部141の制御下で、患者画像情報、患者音声情報及び患者生体情報の少なくとも一つを含む患者状態情報をリハビリテーション支援サーバ2に送信可能である。更に、通信装置16は、通信ネットワーク4を介して、リハビリテーション支援サーバ2が送信した情報を受信可能である。本実施形態では、上述したように、通信装置16は、出力制御部142の制御下で、リハビリテーション支援サーバ2が送信した患者FB情報を受信可能である。
【0039】
入力装置17は、患者端末1の外部からの患者端末1に対する情報の入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置17は、患者が操作可能な操作装置(例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つ)を含んでいてもよい。例えば、入力装置17は、患者の音声を入力として受け付ける音声入力装置(例えば、マイク)を含んでいてもよい。この場合、患者の音声は、患者の操作内容を指定する音声入力として用いられてもよい。尚、マイク12が入力装置17として用いられてもよい。例えば、入力装置17は、患者端末1に対して外付け可能な記録媒体にデータとして記録されている情報を読み取り可能な読取装置を含んでいてもよい。
【0040】
出力装置18は、患者端末1の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置18は、情報を画像として出力してもよい。つまり、出力装置18は、出力したい情報を示す画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置18は、患者FB情報を画像として表示する(つまり、出力する)ことで、患者FB情報を患者に対して提示してもよい。その結果、患者は、視覚を用いて患者FB情報を認識することができる。例えば、出力装置18は、情報を音声として出力してもよい。つまり、出力装置18は、音声を出力可能な音声出力装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置18は、患者FB情報を音声として出力することで、患者FB情報を患者に対して提示してもよい。その結果、患者は、聴覚を用いて患者FB情報を認識することができる。例えば、出力装置18は、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置18は、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置18は、患者FB情報を紙面に印刷する(つまり、出力する)ことで、患者FB情報を患者に対して提示してもよい。その結果、患者は、視覚を用いて患者FB情報を認識することができる。尚、以下の説明では、説明の簡略化のために、出力装置18が表示装置である例について説明する。
【0041】
(1-3)リハビリテーション支援サーバ2の構成
【0042】
続いて、図3を参照しながら、リハビリテーション支援サーバ2の構成について説明する。図3は、リハビリテーション支援サーバ2の構成を示すブロック図である。
【0043】
図3に示すように、リハビリテーション支援サーバ2は、演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23とを備えている。更に、リハビリテーション支援サーバ2は、入力装置24と、出力装置25とを備えていてもよい。但し、リハビリテーション支援サーバ2は、入力装置24及び出力装置25の少なくとも一つを備えていなくてもよい。演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、入力装置24と、出力装置25とは、データバス26を介して接続されていてもよい。
【0044】
演算装置21は、例えば、CPUを含む。演算装置21は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置21は、記憶装置22が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置21は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。演算装置21は、通信装置23を介して、リハビリテーション支援サーバ2の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置21は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置21内には、リハビリテーション支援サーバ2が行うべき動作(例えば、リハビリテーション支援動作の少なくとも一部)を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置21は、リハビリテーション支援サーバ2が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0045】
図3には、リハビリテーション支援動作の少なくとも一部を実行するために演算装置21内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。図3に示すように、演算装置21内には、「取得手段」の一具体例である情報取得部211と、「算出手段」の一具体例である疲労度算出部212と、「生成手段」の一具体例であるFB情報生成部213とが実現される。情報取得部211は、通信装置23を用いて、患者端末1から患者状態情報を取得する(つまり、受信する)。疲労度算出部212は、患者状態情報に基づいて、患者の疲労度を算出する。尚、疲労度については、後に詳述する。FB情報生成部213は、疲労度算出部212が算出した疲労度に基づいて、FB情報(つまり、患者FB情報及び支援者FB情報の少なくとも一つ)を生成する。FB情報生成部213は、通信装置23を用いて、生成した患者FB情報を患者端末1に送信する(つまり、出力する)。FB情報生成部213は、通信装置23を用いて、生成した支援者FB情報を支援者端末3に送信する(つまり、出力する)。
【0046】
記憶装置22は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置22は、演算装置21が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置22は、演算装置21がコンピュータプログラムを実行している際に演算装置21が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置22は、リハビリテーション支援サーバ2が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置22は、RAM、ROM、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置22は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0047】
通信装置23は、通信ネットワーク4を介して、患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一つに情報を送信可能である。本実施形態では、上述したように、通信装置23は、FB情報生成部213の制御下で、患者FB情報及び支援者FB情報の少なくとも一つを、夫々、患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一つに送信可能(つまり、出力可能)である。この場合、通信装置23は、出力装置と称されてもよい。更に、通信装置23は、通信ネットワーク4を介して、患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一つが送信した情報を受信可能である。本実施形態では、上述したように、通信装置23は、情報取得部211の制御下で、患者端末1が送信した患者状態情報を受信可能である。
【0048】
入力装置24は、リハビリテーション支援サーバ2の外部からのリハビリテーション支援サーバ2に対する情報の入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置24は、リハビリテーション支援サーバ2のユーザが操作可能な操作装置(例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つ)を含んでいてもよい。例えば、入力装置24は、リハビリテーション支援サーバ2に対して外付け可能な記録媒体にデータとして記録されている情報を読み取り可能な読取装置を含んでいてもよい。
【0049】
尚、患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一方が、リハビリテーション支援サーバ2の入力装置24として用いられてもよい。例えば、患者端末1の入力装置17が、リハビリテーション支援サーバ2の入力装置24として用いられてもよい。例えば、支援者端末3の入力装置34(後述の図4参照)が、リハビリテーション支援サーバ2の入力装置24として用いられてもよい。
【0050】
出力装置25は、リハビリテーション支援サーバ2の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置25は、情報を画像として出力してもよい。つまり、出力装置25は、出力したい情報を示す画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、情報を音声として出力してもよい。つまり、出力装置25は、音声を出力可能な音声出力装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置25は、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。
【0051】
尚、患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一方が、リハビリテーション支援サーバ2の出力装置35として用いられてもよい。例えば、患者端末1の出力装置18が、リハビリテーション支援サーバ2の出力装置25として用いられてもよい。例えば、支援者端末3の出力装置35(後述の図4参照)が、リハビリテーション支援サーバ2の出力装置35として用いられてもよい。
【0052】
(1-4)支援者端末3の構成
続いて、図4を参照しながら、支援者端末3の構成について説明する。図4は、支援者端末3の構成を示すブロック図である。
【0053】
図4に示すように、支援者端末3は、演算装置31と、記憶装置32と、通信装置33とを備えている。更に、支援者端末3は、入力装置34と、「出力手段」の一具体例である出力装置35とを備えていてもよい。但し、支援者端末3は、入力装置34及び出力装置35の少なくとも一つを備えていなくてもよい。演算装置31と、記憶装置32と、通信装置33と、入力装置34と、出力装置35とは、データバス36を介して接続されていてもよい。
【0054】
演算装置31は、例えば、CPUを含む。演算装置31は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置31は、記憶装置32が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置31は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。演算装置31は、通信装置33を介して、支援者端末3の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置31は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置31内には、支援者端末3が行うべき動作(例えば、リハビリテーション支援動作の少なくとも一部)を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置31は、支援者端末3が行うべき動作を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0055】
図4には、リハビリテーション支援動作の少なくとも一部を実行するために演算装置31内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。図4に示すように、演算装置31内には、出力制御部311が実現される。出力制御部311は、通信装置33を用いて、リハビリテーション支援サーバ2から支援者FB情報を取得する(つまり、受信する)。出力制御部311は、取得した支援者FB情報を支援者に対して提示する(つまり、出力する)ように、出力装置35を制御する。
【0056】
尚、出力制御部311は、支援者端末3にソフトウェアとしてインストールされているアプリケーション及びブラウザの少なくとも一つによって実現されてもよい。この場合、出力制御部311は、アプリケーション及びブラウザの少なくとも一方を介して、支援者FB情報を支援者に対して提示するように、出力装置35を制御してもよい。
【0057】
記憶装置32は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置32は、演算装置31が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置32は、演算装置31がコンピュータプログラムを実行している際に演算装置31が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置32は、支援者端末3が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置32は、RAM、ROM、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置32は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0058】
通信装置33は、通信ネットワーク4を介して、リハビリテーション支援サーバ2に情報を送信可能である。更に、通信装置33は、通信ネットワーク4を介して、リハビリテーション支援サーバ2が送信した情報を受信可能である。本実施形態では、上述したように、通信装置33は、出力制御部311の制御下で、リハビリテーション支援サーバ2が送信した支援者FB情報を受信可能である。
【0059】
入力装置34は、支援者端末3の外部からの支援者端末3に対する情報の入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置34は、支援者が操作可能な操作装置(例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つ)を含んでいてもよい。例えば、入力装置34は、支援者の音声を入力として受け付ける音声入力装置(例えば、マイク)を含んでいてもよい。この場合、支援者の音声は、支援者の操作内容を指定する音声入力として用いられてもよい。例えば、入力装置34は、支援者端末3に対して外付け可能な記録媒体にデータとして記録されている情報を読み取り可能な読取装置を含んでいてもよい。
【0060】
出力装置35は、支援者端末3の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置35は、情報を画像として出力してもよい。つまり、出力装置35は、出力したい情報を示す画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置35は、支援者FB情報を画像として表示する(つまり、出力する)ことで、支援者FB情報を支援者に対して提示してもよい。その結果、支援者は、視覚を用いて支援者FB情報を認識することができる。例えば、出力装置35は、情報を音声として出力してもよい。つまり、出力装置35は、音声を出力可能な音声出力装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置35は、支援者FB情報を音声として出力することで、支援者FB情報を支援者に対して提示してもよい。その結果、支援者は、聴覚を用いて支援者FB情報を認識することができる。例えば、出力装置35は、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置35は、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。この場合、出力装置35は、支援者FB情報を紙面に印刷する(つまり、出力する)ことで、支援者FB情報を支援者に対して提示してもよい。その結果、支援者は、視覚を用いて支援者FB情報を認識することができる。尚、以下の説明では、説明の簡略化のために、出力装置35が表示装置である例について説明する。
【0061】
出力装置35が表示装置を含む場合には、出力装置35は、支援者が支援している患者の画像(つまり、患者を撮像したカメラ11が生成した画像)を表示してもよい。患者の画像の表示例が図5に示されている。図5は、支援者が複数の(図5に示す例では、六人の)患者を支援している場合における患者の画像の表示例を示している。この場合、通信装置33は、通信ネットワーク4を介して、患者端末1及びリハビリテーション支援サーバ2の少なくとも一つから、患者画像情報を取得してもよい。その後、出力制御部311は、患者画像情報が示す画像を表示するように、出力装置35を制御してもよい。
【0062】
出力装置35が表示装置を含む場合には、図5に示すように、出力装置35は、患者の画像に加えて、支援者の画像を表示してもよい。例えば、支援者を撮像可能なカメラを支援者端末3が備えていてもよく、出力装置35は、支援者を撮像したカメラが生成した画像を表示してもよい。
【0063】
出力装置35が音声出力装置(スピーカ)を含む場合には、出力装置35は、支援者が支援している患者の音声(つまり、マイク12が録音した患者の音声)を出力してもよい。この場合、通信装置33は、通信ネットワーク4を介して、患者端末1及びリハビリテーション支援サーバ2の少なくとも一つから、患者音声情報を取得してもよい。その後、出力制御部311は、患者音声情報が示す音声を出力するように、出力装置35を制御してもよい。
【0064】
出力装置35が音声出力装置を含む場合には、出力装置35は、患者の音声に加えて、支援者の音声を出力してもよい。例えば、支援者の音声を録音可能なマイクを支援者端末3が備えていてもよく、出力装置35は、マイクが録音した支援者の音声を出力してもよい。
【0065】
尚、説明の便宜上、詳細な説明は省略するが、患者端末1の出力装置18もまた、出力装置35と同様に、患者の画像(但し、患者端末1を使用する患者の画像)及び支援者の画像を表示してもよい。患者端末1の出力装置18もまた、出力装置35と同様に、患者の音声(但し、患者端末1を使用する患者の音声)及び支援者の音声を出力してもよい。
【0066】
(2)リハビリテーション支援システムSYSが行うリハビリテーション支援動作
【0067】
続いて、図6を参照しながら、リハビリテーション支援システムSYSが行うリハビリテーション支援動作について説明する。図6は、リハビリテーション支援システムSYSが行うリハビリテーション支援動作の流れを示すフローチャートである。
【0068】
図6に示すように、まず、患者端末1は、患者状態情報を取得する(ステップS11)。具体的には、患者端末1の情報取得部141は、カメラ11から患者画像情報を取得してもよい。情報取得部141は、マイク12から患者音声情報を取得してもよい。情報取得部141は、生体センサ13から患者生体情報を取得してもよい。尚、患者端末1は、典型的には、患者が運動を行っている期間の少なくとも一部において、患者状態情報を取得する。
【0069】
その後、患者端末1の情報取得部141は、通信装置16を用いて、ステップS11で取得した患者画像情報、患者音声情報及び患者生体情報の少なくとも一つを含む患者状態情報を、通信ネットワーク4を介してリハビリテーション支援サーバ2に送信する(ステップS12)。その結果、リハビリテーション支援サーバ2の情報取得部211は、通信装置23を用いて、通信ネットワーク4を介して患者端末1から送信された患者状態情報を受信する(ステップS21)。上述したようにリハビリテーション支援システムSYSが複数の異なる患者に夫々対応する複数の患者端末1を備えている場合には、情報取得部211は、複数の患者端末1から夫々送信された複数の患者状態情報を受信してもよい。
【0070】
その後、リハビリテーション支援サーバ2は、ステップS21で受信した患者状態情報に基づいて、FB情報を生成し且つ生成したFB情報を患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一つに送信する(ステップS22からS24)。尚、リハビリテーション支援サーバ2は、患者が運動を行っている期間の少なくとも一部において、FB情報を生成し且つ生成したFB情報を患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一つに送信してもよい。或いは、リハビリテーション支援サーバ2は、患者が運動を行っている期間の少なくとも一部に加えて又は代えて、患者が運動を行っている期間とは異なる期間の少なくとも一部において、FB情報を生成し且つ生成したFB情報を患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一つに送信してもよい。例えば、リハビリテーション支援サーバ2は、患者が運動を行っていない期間の少なくとも一部において(例えば、患者が運動を終えた後に)FB情報を生成し且つ生成したFB情報を患者端末1及び支援者端末3の少なくとも一つに送信してもよい。
【0071】
FB情報を生成し且つ送信するために、まず、リハビリテーション支援サーバ2の疲労度算出部212は、患者状態情報に基づいて、患者の疲労度を算出する(ステップS22)。具体的には、疲労度算出部212は、ある一人の患者の状態を示す患者状態情報に基づいて、同じ一人の患者の疲労度を算出する。情報取得部211が複数の患者の夫々に対応する複数の患者状態情報を取得した場合には、疲労度算出部212は、複数の患者状態情報に基づいて、複数の患者状態情報に夫々対応する複数の患者の疲労度を算出してもよい。
【0072】
疲労度は、患者の肉体的な疲れの度合いを表す指標値である。具体的には、リハビリテーションのための運動を行う患者には、運動に起因した肉体的な疲労が蓄積される。このため、疲労度は、リハビリテーションのための運動に起因した患者の肉体的な疲れの度合いを表す指標値であってもよい。本実施形態では、疲労度が、患者の疲れが大きいほど大きくなる指標値である例について説明する。或いは、場合によっては、リハビリテーションのための運動を行う患者には、運動に起因した精神的な疲労が蓄積される可能性がある。このため、疲労度は、患者の肉体的な疲れの度合いと患者の精神的な疲れの度合いとを総合的に表す指標値であってもよい。
【0073】
疲労度算出部212は、患者状態情報に基づいて患者の状態に関する特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて疲労度を算出してもよい。具体的には、疲労度算出部212は、患者の状態に関する特徴量に基づいて、患者が疲れていることを示すサイン(以降、“疲労サイン”と称する)が患者の状態に現れているか否かを判定してもよい。疲労サインが患者の状態に現れていると判定された場合には、疲労度算出部212は、疲労サインに応じた疲労度を算出してもよい。
【0074】
一例として、疲労度算出部212は、患者画像情報及び患者生体情報(特に、患者の動きに関する情報)の少なくとも一つに基づいて、患者の動きに関する特徴量を算出してもよい。その後、疲労度算出部212は、患者の動きに関する特徴量に基づいて、疲労サインが患者の動きに現れているか否かを判定してもよい。患者の動きに現れる疲労サインの一例として、患者の動きが本来想定される動き(つまり、理想的な動き)よりも遅くなるというサイン、患者の動きが本来想定される動きからずれているというサイン、患者の動きのバランスが崩れているというサイン、患者がふらついているというサイン、患者の動きが過去(当日の過去の時間もしくは過去の日付)の患者の動きよりも遅くなるというサイン、及び、患者の動きのバランスが過去の患者の動きのバランスと比較して崩れているというサインの少なくとも一つがあげられる。この場合、疲労度算出部212は、患者の動きが本来想定される動き又は患者の過去の動きよりも遅くなっている場合の疲労度が、患者の動きが本来想定される動き又は患者の過去の動きよりも遅くなっていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者の動きが本来想定される動き又は患者の過去の動きよりも遅くなるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者の動きが本来想定される動き又は患者の過去の動きからずれている場合の疲労度が、患者の動きが本来想定される動き又は患者の過去の動きからずれていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者の動きが本来想定される動き又は患者の過去の動きから大きくずれるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者の動きのバランスが崩れている場合の疲労度が、患者の動きのバランスが崩れていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者の動きのバランスが大きく崩れるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者がふらついている場合の疲労度が、患者がふらついていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者が大きくふらつくほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。
【0075】
他の一例として、疲労度算出部212は、患者画像情報に基づいて、患者の顔の表情に関する特徴量を算出してもよい。その後、疲労度算出部212は、患者の顔の表情に関する特徴量に基づいて、疲労サインが患者の顔の表情に現れているか否かを判定してもよい。顔の表情に現れる疲労サインの一例として、患者がうつろな表情をしているというサイン、患者が苦しそうな表情をしているというサイン、患者がぼんやりとしているというサイン、及び、患者の視点が定まらないというサインの少なくとも一つがあげられる。この場合、疲労度算出部212は、患者がうつろな表情をしている場合の疲労度が、患者がうつろな表情をしていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者が苦しそうな表情をしている場合の疲労度が、患者が苦しそうな表情をしていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者がぼんやりしている場合の疲労度が、患者がぼんやりしていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、患者の視点が定まらない場合の疲労度が、患者の視点が定まっている場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。
【0076】
他の一例として、疲労度算出部212は、患者生体情報(特に、心拍に関する情報)に基づいて、心拍に関する特徴量を算出してもよい。心拍に関する特徴量は、心拍数(つまり、単位時間当たりの心拍の数)及び心拍の乱れの少なくとも一つを含んでいてもよい。その後、疲労度算出部212は、心拍に関する特徴量に基づいて、疲労サインが心拍に現れているか否かを判定してもよい。心拍に現れる疲労サインの一例として、心拍数が許容心拍数を上回るというサイン、心拍数の単位時間当たりの変化量(例えば、増加量)が許容心拍変化量を上回るというサイン、心拍変動解析(心拍間隔の周波数解析)から得られる任意のサイン、及び、不整脈に相当するサインの少なくとも一つがあげられる。この場合、疲労度算出部212は、心拍数が許容心拍数を上回る場合の疲労度が、心拍数が許容心拍数を上回っていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、心拍数が高くなるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、心拍数の変化量が許容心拍変化量を上回る場合の疲労度が、心拍数の変化量が許容心拍変化量を上回っていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、心拍数の変化量と許容心拍変化量との差分が大きくなるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、心拍変動解析から、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、不整脈が現れている場合の疲労度が、不整脈が現れていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。
【0077】
他の一例として、疲労度算出部212は、患者画像情報、患者音声情報及び患者生体情報(特に、呼吸に関する情報)の少なくとも一つに基づいて、呼吸に関する特徴量を算出してもよい。呼吸に関する特徴量は、呼吸数(つまり、単位時間当たりの呼吸の回数)及び呼吸の乱れの少なくとも一つを含んでいてもよい。その後、疲労度算出部212は、呼吸に関する特徴量に基づいて、疲労サインが呼吸に現れているか否かを判定してもよい。呼吸に現れる疲労サインの一例として、呼吸数が許容呼吸数を上回るというサイン、呼吸数の単位時間当たりの変化量(例えば、増加量)が許容呼吸変化量を上回るというサイン、及び、呼吸が乱れているというサインの少なくとも一つがあげられる。この場合、疲労度算出部212は、呼吸数が許容呼吸数を上回る場合の疲労度が、呼吸数が許容呼吸数を上回っていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、呼吸数が多くなるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、呼吸数の変化量が許容呼吸変化量を上回る場合の疲労度が、呼吸数の変化量が許容呼吸変化量を上回っていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、呼吸数の変化量と許容呼吸変化量との差分が大きくなるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、呼吸が乱れている場合の疲労度が、呼吸が乱れていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、呼吸が大きく乱れるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。
【0078】
他の一例として、疲労度算出部212は、患者画像情報及び患者生体情報(特に、発汗に関する情報)の少なくとも一つに基づいて、発汗に関する特徴量を算出してもよい。発汗に関する特徴量は、発汗量を含んでいてもよい。その後、疲労度算出部212は、発汗に関する特徴量に基づいて、疲労サインが発汗に現れているか否かを判定してもよい。発汗に現れる疲労サインの一例として、発汗量が許容発汗量を上回るというサインがあげられる。この場合、疲労度算出部212は、発汗量が許容発汗量を上回る場合の疲労度が、発汗量が許容発汗量を上回っていない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、発汗量が多くなるほど疲労度が高くなるように、疲労度を算出してもよい。
【0079】
他の一例として、疲労度算出部212は、患者音声情報に基づいて、患者の音声に関する特徴量を算出してもよい。その後、疲労度算出部212は、患者の音声に関する特徴量に基づいて、疲労サインが患者の音声に現れているか否かを判定してもよい。音声に現れる疲労サインの一例として、疲れを表現する単語(例えば、「疲れた」という単語、「苦しい」という単語及び「もうできない」という単語の少なくとも一つ)を患者が発しているというサインがあげられる。この場合、疲労度算出部212は、疲れを表現する単語を患者が発している場合の疲労度が、疲れを表現する単語を患者が発していない場合の疲労度よりも高くなるように、疲労度を算出してもよい。
【0080】
疲労度算出部212は、上述した複数種類の特徴量のうちのいずれか一つに基づいて、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、上述した複数種類の特徴量のうちの少なくとも二つの組み合わせに基づいて、疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、上述した複数種類の疲労サインのうちのいずれか一つが患者の状態に現れているか否かを判定し、その判定結果に基づいて疲労度を算出してもよい。疲労度算出部212は、上述した複数種類の疲労サインのうちの少なくとも二つの組み合わせが患者の状態に現れているか否かを判定し、その判定結果に基づいて疲労度を算出してもよい。
【0081】
疲労度算出部212は、2値を取り得る疲労度を算出してもよい。例えば、疲労度算出部212は、患者が疲れている場合に、疲労度が第1の値(例えば、1という値)になり、患者が疲れていない場合に、疲労度が第1の値とは異なる第2の値(例えば、0という値)になるように、疲労度を算出してもよい。具体的には、疲労度算出部212は、所定の数よりも多くの疲労サインが患者の状態に現れている場合に、患者が疲れていると判定し、第1の値となる疲労度を算出してもよい。一方で、疲労度算出部212は、所定サイン数よりも多くの疲労サインが患者の状態に現れていない場合に、患者が疲れていないと判定し、第2の値となる疲労度を算出してもよい。
【0082】
或いは、疲労度算出部212は、多値又は連続値を取り得る疲労度を算出してもよい。例えば、疲労度算出部212は、患者が疲れているほど疲労度が大きな値になるように、疲労度を算出してもよい。具体的には、例えば、疲労度算出部212は、患者の状態に現れている疲労サインの数、種類及び程度の少なくとも一つに応じて変化する疲労度を算出してもよい。
【0083】
疲労度算出部212は、患者の状態に関する複数種類の特徴量のうちの少なくとも一つが入力されると患者の疲労度を出力する疲労度算出エンジンを用いて、疲労度を算出してもよい。或いは、疲労度算出部212は、患者状態情報が入力されると患者の疲労度を出力する疲労度算出エンジンを用いて、疲労度を算出してもよい。疲労度算出エンジンは、ルールベースの疲労度算出エンジンを含んでいてもよい。疲労度算出エンジンは、学習可能な疲労度算出エンジンを含んでいてもよい。学習可能な疲労度算出エンジンの一例として、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン及びベイジアンネットワーク等の少なくとも一つを用いる機械学習モデルを含むエンジンがあげられる。これらの機械学習モデルは、例えば、正解ラベルを含む教師あり学習の手法を用いて学習されてもよいし、クラスタリングの手法を用いて学習されてもよいし、強化学習を用いて学習されてもよい。このような疲労度算出エンジンは、リハビリテーション支援システムSYSがリハビリテーション支援動作を開始する前に、予め生成されていることが好ましい。例えば、ルールベースの疲労度算出エンジンは、実際に運動をしている患者の状態を測定し、患者の自己申告又は支援者の判断に基づく患者の疲労度を特定し、測定された患者の状態と特定した疲労度との間の関係を算出する(つまり、測定された患者の状態と特定した疲労度とに基づいて、患者の状態から疲労度を算出するためのルールを生成する)ことで生成されてもよい。例えば、ルールベースの疲労度算出エンジンは、理論的に導かれる又はシミュレーションから想定される患者の状態と疲労度との間の関係に基づいて生成されてもよい。例えば、学習可能な疲労度算出エンジンは、実際に運動をしているときの患者の状態を測定し、患者の自己申告又は支援者の判断に基づく患者の疲労度を特定し、測定された患者の状態を疲労度算出エンジンに入力したときの疲労度算出エンジンの出力と特定した疲労度(つまり、正解ラベル)との間の誤差が小さくなる(好ましくは、最小になる)ように疲労度算出エンジンのパラメータを更新することで生成されてもよい。
【0084】
その後、FB情報生成部213は、ステップS22で算出された疲労度に基づいて、FB情報を生成する(ステップS22)。
【0085】
ここで、通常、リハビリテーションのための運動を行っている患者の実際の疲労度は、理想的には、運動の負荷に応じた理想的な疲労度になっていることが好ましい。つまり、患者の実際の疲労度が理想的な疲労度になっている場合には、患者が行っている運動の負荷(つまり、運動によって患者にかけられている負荷)は、リハビリテーションの効果を適切に享受可能な適切な負荷になっていると想定される。一方で、患者の実際の疲労度が理想的な疲労度よりも大きい場合には、患者が行っている運動の負荷は、適切な負荷よりも高いと想定される。この場合、患者の負担が増え、患者が安全に運動を行うことができなくなる可能性がある。つまり、患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立が図られていないと想定される。他方で、患者の実際の疲労度が理想的な疲労度よりも小さい場合には、患者が行っている運動の負荷は、適切な負荷よりも低いと想定される。この場合、運動を行う患者の安全性が過度に優先されていると想定され、その結果、患者がリハビリテーションの効果を十分に享受することができなくなる可能性がある。つまり、患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立が図られていないと想定される。
【0086】
このように、患者の疲労度と理想的な疲労度との大小関係は、患者が行っている運動の負荷が適切であるか否かを評価するために利用可能である。つまり、患者の疲労度と理想的な疲労度との大小関係は、患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立が図られているか否かを評価するために利用可能である。そこで、FB情報生成部213は、ステップS22で算出された疲労度(つまり、実際の疲労度)と、理想的な疲労度に一致する又は理想的な疲労度に基づいて定まる所定の疲労閾値との間の大小関係に基づいて、FB情報を生成してもよい。
【0087】
例えば、疲労度が疲労閾値と同じである場合には、運動の負荷が適切である(つまり、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られている)と想定される。このため、この場合には、FB情報生成部213は、運動の負荷が適切である(つまり、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られている)状況下で患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい情報を含むFB情報を生成してもよい。或いは、運動の負荷が適切である場合には、リハビリテーションに特段の問題が生じていないとも想定される。このため、FB情報生成部213は、運動の負荷が適切である場合には、FB情報を生成しなくてもよい。
【0088】
例えば、疲労度が疲労閾値を上回る場合には、運動の負荷が適切でない(つまり、運動の負荷が適切な負荷よりも高く、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られていない)と想定される。このため、この場合には、FB情報生成部213は、運動の負荷が適切な負荷よりも高い(つまり、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られていない)状況下で患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい情報を含むFB情報を生成してもよい。
【0089】
例えば、疲労度が疲労閾値を下回る場合には、運動の負荷が適切でない(つまり、運動の負荷が適切な負荷よりも低く、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られていない)と想定される。このため、この場合には、FB情報生成部213は、運動の負荷が適切な負荷よりも低い(つまり、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られていない)状況下で患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい情報を含むFB情報を生成してもよい。
【0090】
疲労閾値は、患者が現在行っている運動(つまり、患者が行うべき運動として患者に提示されている運動)の負荷と、患者の疲労度とに基づいて設定されていてもよい。患者が現在行っている運動の負荷は、患者が行っている運動のメニューに応じて決まる。このため、疲労閾値は、患者が現在行っている運動のメニューと、患者の疲労度とに基づいて設定されていてもよい。例えば、患者が現在行っている運動の負荷が適切である場合には、患者の疲労度が理想的な疲労度に一致する。このため、患者が現在行っている運動の負荷が適切であると仮定した場合に想定される患者の疲労度が、疲労閾値に設定されてもよい。
【0091】
尚、上述した理想的な疲労度は、必ずしも一つの値になるとは限らず、下限値から上限値の間の一定の範囲に収まる値であってもよい。このため、FB情報生成部213は、疲労度と、理想的な疲労度の上限値に一致する又は理想的な疲労度の上限値に基づいて定まる所定の上限疲労閾値との間の大小関係、及び、疲労度と、理想的な疲労度の下限値に一致する又は理想的な疲労度の下限値に基づいて定まる所定の下限疲労閾値との間の大小関係に基づいて、FB情報を生成してもよい。例えば、疲労度が上限疲労閾値よりも小さく且つ下限疲労閾値よりも大きい場合には、運動の負荷が適切であると想定される。このため、この場合には、FB情報生成部213は、運動の負荷が適切である況下で患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい情報を含むFB情報を生成してもよい。例えば、疲労度が上限疲労閾値を上回る場合には、運動の負荷が適切な負荷よりも高いと想定される。このため、この場合には、FB情報生成部213は、運動の負荷が適切な負荷よりも高い状況下で患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい情報を含むFB情報を生成してもよい。例えば、疲労度が下限疲労閾値を下回る場合には、運動の負荷が適切な負荷よりも低いと想定される。このため、この場合には、FB情報生成部213は、運動の負荷が適切な負荷よりも低い状況下で患者及び支援者の少なくとも一方に提示することが好ましい情報を含むFB情報を生成してもよい。尚、下限疲労閾値は、典型的には、上限疲労閾値よりも小さくなる。但し、上限疲労閾値及び下限疲労閾値のいずれか一方は、上限疲労閾値及び下限疲労閾値のいずれか他方とは無関係に設定される閾値であってもよい。上限疲労閾値及び下限疲労閾値の夫々もまた、疲労閾値と同様に、患者が現在行っている運動(つまり、患者が行うべき運動として患者に提示されている運動)の負荷と、患者の疲労度とに基づいて設定されていてもよい。例えば、患者が現在行っている運動の負荷が適切である場合には、患者の疲労度が理想的な疲労度として想定される一定の範囲を超えるほどに大きくなる可能性は低い。このため、患者が現在行っている運動の負荷が適切であると仮定した場合に想定される患者の疲労度の範囲の上限値が、上限疲労閾値に設定されてもよい。例えば、患者が現在行っている運動の負荷が適切である場合には、患者の疲労度が理想的な疲労度として想定される一定の範囲を下回るほどに小さくなる可能性は低い。このため、患者が現在行っている運動の負荷が適切であると仮定した場合に想定される患者の疲労度の範囲の下限値が、下限疲労閾値に設定されてもよい。
【0092】
FB情報が、患者に対して提示される患者FB情報を含んでいてもよいことは、上述したとおりである。この場合、疲労度算出部212は、ある一人の患者の疲労度に基づいて、同じ一人の患者に対して提示する患者FB情報を生成してもよい。
【0093】
FB情報が、支援者に対して提示される支援者FB情報を含んでいてもよいことは、上述したとおりである。この場合、疲労度算出部212は、ある一人の支援者が支援している少なくとも一人の患者の疲労度に基づいて、同じ一人の支援者に対して提示する支援者FB情報を生成してもよい。例えば、ある一人の支援者が一人の患者を支援している場合には、疲労度算出部212は、一人の患者の疲労度に基づいて、支援者に対して提示する支援者FB情報を生成してもよい。例えば、ある一人の支援者が複数の患者を支援している場合には、疲労度算出部212は、複数の患者の疲労度に基づいて、支援者に対して提示する支援者FB情報を生成してもよい。
【0094】
ステップS22において患者FB情報が生成された場合には、FB情報生成部213は、通信装置23を用いて、ステップS23で生成された患者FB情報を、患者FB情報を提示するべき一の患者が利用する患者端末1に送信する(ステップS24)。つまり、FB情報生成部213は、患者FB情報を患者端末1に出力する。その結果、患者端末1の出力制御部142は、通信装置16を用いて、リハビリテーション支援サーバ2から患者FB情報を受信する(ステップS13)。その後、出力制御部142は、ステップS13で受信された患者FB情報を患者に対して提示する(つまり、出力する)ように、出力装置18を制御する(ステップS14)。その結果、患者は、患者FB情報を認識することができる。
【0095】
患者FB情報は、患者が行うべき運動のメニューに関する運動メニュー情報を含んでいてもよい。この場合、FB情報生成部213は、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られるように、運動メニュー情報を含む患者FB情報を生成してもよい。例えば、疲労度が第1の疲労閾値又は第1の上限疲労閾値を上回る場合には、患者が行っている運動の負荷が、適切な負荷よりも高いと想定される。この場合、患者の安全性を維持するために、患者が行うべき運動の負荷は、患者が現在行っている運動の負荷よりも低くなることが好ましい。そこで、疲労度が第1の疲労閾値又は第1の上限疲労閾値を上回る場合には、FB情報生成部213は、患者が現在行っている運動の負荷よりも低い負荷の運動のメニューを示す運動メニュー情報を含む患者FB情報を生成してもよい。一方で、例えば、疲労度が第1の疲労閾値又は第1の下限疲労閾値を下回る場合には、患者が行っている運動の負荷が、適切な負荷よりも低いと想定される。この場合、リハビリテーションの効果を高めるために、患者が行うべき運動の負荷は、患者が現在行っている運動の負荷よりも高くなることが好ましい。そこで、疲労度が第1の疲労閾値又は第1の下限疲労閾値を下回る場合には、FB情報生成部213は、患者が現在行っている運動の負荷よりも高い負荷の運動のメニューを示す運動メニュー情報を含む患者FB情報を生成してもよい。
【0096】
このような運動メニュー情報を含む患者FB情報の出力装置18による出力例(表示例)が図7に示されている。図7は、患者が行うべき運動のメニュー(つまり、運動メニュー情報であり、実質的には、患者に新たに提案されている運動のメニュー)が、患者が現在行っている運動のメニューと共に出力装置18によって表示されている例を示している。図7に示す例では、運動メニュー情報が示す運動のメニューは、患者が現在行っている運動のメニューと比較して、スクワットを含んでおらず且つプランク、足上げ及び足踏みの回数が少なくなっているという点で異なる。つまり、図7に示す例では、運動メニュー情報が示す運動の負荷が、患者が現在行っている運動の負荷よりも低くなっている。このため、図7は、疲労度が第1の疲労閾値又は第1の上限疲労閾値を上回ると判定された場合に生成された運動メニュー情報の一例を示している。このような運動メニュー情報が患者に提示されることで、患者は、適切な負荷の運動を行うことができる。その結果、患者は、リハビリテーションの効果を適切に享受しつつも、転倒等の事故が発生しないように安全に運動を行うことができる。つまり、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、運動を行うことができる。
【0097】
FB情報生成部213は、複数の異なる運動のメニューを示す運動メニュー情報を生成してもよい。この場合、患者には、複数の異なる運動のメニューが提示される。患者は、入力装置17を用いて、複数の異なる運動のメニューのうちの一のメニューを、患者が行うべき運動のメニューとして選択してもよい。この場合、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、患者が好きな運動を行うことができる。
【0098】
出力装置18は、FB情報生成部213の制御下で、患者が運動を行っている途中で、運動メニュー情報を患者に提示してもよい。この場合、患者が行う運動のメニューは、患者の運動と並行してリアルタイムに変更されてもよい。或いは、患者は、リハビリテーションのための運動を複数回に渡って行うことがある。この場合、出力装置18は、FB情報生成部213の制御下で、N(尚、Nは1以上の整数)回目の運動を行った患者の疲労度に基づいて生成された運動メニュー情報を、患者がN+1回目の運動を開始する際に患者に提示してもよい。
【0099】
患者が行う運動のデフォルトの(つまり、初期の)メニューは、支援者によって予め決定されていてもよい。或いは、患者が行う運動のデフォルトのメニューは、患者の属性及び患者の病状等が入力されると、患者が行うべき運動のメニューを出力する運動メニュー決定エンジンによって予め決定されていてもよい。運動メニュー決定エンジンは、例えば、学習可能な運動メニュー決定エンジン(例えば、ニューラルネットワーク等の機械学習モデルを含むエンジン)を含んでいてもよい。この場合、運動メニュー決定エンジンは、患者の属性及び患者の病状を運動メニュー決定エンジンに入力したときの運動メニュー決定エンジンの出力と、当該患者に対して支援者が実際に提案した運動のメニュー(つまり、正解ラベル)との間の誤差が小さくなる(好ましくは、最小になる)ように運動メニュー決定エンジンのパラメータを更新することで生成されてもよい。
【0100】
患者FB情報は、患者に対する休憩の提案に関する休憩情報を含んでいてもよい。この場合、FB情報生成部213は、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られるように、休憩情報を含む患者FB情報を生成してもよい。例えば、疲労度が第2の疲労閾値又は第2の上限疲労閾値を上回る場合には、患者が行っている運動の負荷が、適切な負荷よりも高いと想定される。この場合、患者の安全性を維持するために、FB情報生成部213は、患者に休憩を提案する休憩情報を含む患者FB情報を生成してもよい。尚、休憩情報を生成するために用いる第2の疲労閾値は、運動メニュー情報を生成するために用いる上述の第1の疲労閾値と同一であってもよいし、異なっていてもよい。同様に、休憩情報を生成するために用いる第2の上限疲労閾値は、運動メニュー情報を生成するために用いる上述の第1の上限疲労閾値と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0101】
このような休憩情報を含む患者FB情報の出力装置18による出力例(表示例)が図8に示されている。図8に示すように、休憩情報は、患者に休憩を促すテキストメッセージを含んでいてもよい。但し、休憩情報は、患者に休憩を提案する任意の情報を含んでいてもよい。このような休憩情報が患者に提示されることで、患者は、過度な疲労に起因した転倒等の事故が発生しないように、安全に運動を行うことができる。つまり、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、運動を行うことができる。
【0102】
患者FB情報は、運動を行う患者のモチベーションを高めるモチベーション向上情報を含んでいてもよい。つまり、患者FB情報は、運動を行う患者モチベーションを高めるための任意の情報を含むモチベーション向上情報を含んでいてもよい。この場合、FB情報生成部213は、運動の負荷と患者の安全性との両立が図られるように、モチベーション向上情報を含む患者FB情報を生成してもよい。例えば、疲労度が第3の疲労閾値又は第3の下限疲労閾値を下回っているにも関わらず、患者画像情報から特定される患者の動きが本来想定される動きから遅れている場合には、患者に余力があるにも関わらず患者が運動を適切に行っていないと想定される。この場合、FB情報生成部213は、患者が適切な運動を行うことでリハビリテーションの効果を最大限発揮できるように、モチベーション向上情報を含む患者FB情報を生成してもよい。尚、モチベーション向上情報を生成するために用いる第3の疲労閾値は、運動メニュー情報を生成するために用いる上述の第1の疲労閾値及び休憩情報を生成するために用いる上述の第2の疲労閾値の少なくとも一つと同一であってもよいし、異なっていてもよい。同様に、モチベーション向上情報を生成するために用いる第3の下限疲労閾値は、運動メニュー情報を生成するために用いる上述の第1の下限疲労閾値と同一であってもよいし、異なっていてもよい。尚、モチベーション向上情報は、運動を行う患者の応援に関する応援情報を含んでいてもよい。つまり、モチベーション向上情報は、運動を行う患者を応援するための任意の応援情報を含んでいてもよい。
【0103】
このようなモチベーション向上情報を含む患者FB情報の出力装置18による出力例(表示例)が図9に示されている。図9に示すように、モチベーション向上情報は、患者のモチベーションを高めるテキストメッセージを含んでいてもよい。但し、モチベーション向上情報は、患者のモチベーションを高める任意の情報を含んでいてもよい。例えば、モチベーション向上情報は、患者が好きなキャラクター又は人物が患者を応援する画像を含んでいてもよい。このようなモチベーション向上情報が患者に提示されることで、患者は、リハビリテーションの効果を適切に享受するように、運動を行うことができる。つまり、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、運動を行うことができる。
【0104】
再び図6において、ステップS22において支援者FB情報が生成された場合には、FB情報生成部213は、通信装置23を用いて、ステップS23で生成された支援者FB情報を、支援者FB情報を提示するべき一の支援者が利用する支援者端末3に送信する(ステップS24)。つまり、FB情報生成部213は、支援者FB情報を支援者端末3に出力する。その結果、支援者端末3の出力制御部311は、通信装置33を用いて、リハビリテーション支援サーバ2から支援者FB情報を受信する(ステップS31)。その後、出力制御部311は、ステップS31で受信された支援者FB情報を支援者に対して提示する(つまり、出力する)ように、出力装置35を制御する(ステップS32)。その結果、支援者は、支援者FB情報を認識することができる。
【0105】
支援者FB情報は、疲労度が所定条件を満たす患者に関する特定患者情報を含んでいてもよい。つまり、支援者FB情報は、患者の疲労度が所定条件を満たすか否かを示す特定患者情報を含んでいてもよい。所定条件は、疲労度が第4の疲労閾値又は第4の上限疲労閾値を上回るという条件を含んでいてもよい。この場合、特定患者情報は、疲労度が高い患者(つまり、疲れている患者)に関する情報に相当する。或いは、所定条件は、疲労度が第4の疲労閾値又は第4の下限疲労閾値を下回るという条件を含んでいてもよい。この場合、特定患者情報は、疲労度が低い患者(つまり、それほど疲れていない患者)に関する情報に相当する。
【0106】
尚、特定患者情報を生成するために用いる第4の疲労閾値は、患者FB情報を生成するために用いる上述の第1から第3の疲労閾値のうちの少なくとも一つと同一であってもよいし、異なっていてもよい。特定患者情報を生成するために用いる第4の上限疲労閾値は、患者FB情報を生成するために用いる上述の第1及び第2の上限疲労閾値のうちの少なくとも一つと同一であってもよいし、異なっていてもよい。特定患者情報を生成するために用いる第4の下限疲労閾値は、患者FB情報を生成するために用いる上述の第1及び第3の下限疲労閾値のうちの少なくとも一つと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0107】
このような特定患者情報を含む支援者FB情報の出力装置35による出力例(表示例)が図10に示されている。図10は、疲労度が所定条件を満たす患者(以降、“特定患者”と称し、図10に示す例では、患者#3)の画像の出力態様と、疲労度が所定条件を満たさない患者(以降、“非特定患者”と称し、図10に示す例では、患者#1から#2及び#4から#6)の画像の出力態様とが異なるものとなるように、患者を示す画像が出力装置35によって表示されている例を示している。典型的には、出力制御部311は、特定患者の画像が非特定患者の画像よりも目立つように、支援者FB情報を出力してもよい。尚、画像の出力態様は、画像の大きさ、画像の外枠の太さ及び画像の外枠の色の少なくとも一つを含んでいてもよい。図10は、特定患者の画像の大きさが、非特定患者の画像の大きさとは異なる例を示している。
【0108】
図10に示すように、特定患者情報を含む支援者FB情報を出力(表示)することは、疲労度が所定条件を満たすか否かに応じた患者の画像情報を出力(表示)することと等価であるとみなしてもよい。この場合、FB情報生成部213は、特定患者情報として、疲労度が所定条件を満たすか否かに応じた患者の画像を示す画像情報を生成してもよい。例えば、特定患者の画像の出力態様と非特定患者の画像の出力態様とが異なるものとなるように患者を示す画像が表示される場合には、FB情報生成部213は、特定患者情報として、特定患者の画像を示す画像情報と、特定患者の画像情報と異なる出力態様で出力される特定患者の画像を示す画像情報とを生成してもよい。
【0109】
尚、図10は、出力装置35が複数の患者の画像を表示する例(つまり、支援者が複数の患者を支援している例)を示している。一方で、支援者が一人の患者を支援している場合においても、出力装置35は、特定患者の画像の出力態様と、非特定患者の画像の出力態様とが異なるものとなるように、患者の画像を表示してもよい。つまり、出力装置35は、患者が特定患者となっている場合の患者の画像の出力態様と、患者が特定患者でない(つまり、非特定患者である)場合の患者の画像の出力態様とが異なるものとなるように、患者の画像を表示してもよい。
【0110】
この場合、出力制御部311は、特定患者情報に基づいて、特定患者の画像を選択し、選択された画像の出力態様と選択されなかった画像の出力態様とが異なるものとなるように、出力装置35を制御してもよい。つまり、出力制御部311は、特定患者情報が示す特定患者の画像の出力態様と、特定患者情報が示していない非特定患者の画像の出力態様とが異なるものとなるように、出力装置35を制御してもよい。尚、この場合には、FB情報生成部213は、特定患者情報を用いて、特定患者の画像の出力態様と非特定患者の画像の出力態様とが異なるものとなるように、出力装置35を制御しているとみなしてもよい。或いは、上述したように特定患者情報が患者の画像情報を含んでいる場合には、出力制御部311は、特定患者情報に含まれる画像情報が示す画像を表示するように、出力装置35を制御してもよい。
【0111】
特定患者の画像の出力態様と非特定患者の画像の出力態様とが異なる場合には、支援者は、画像の出力態様に基づいて、特定患者を特定することができる。従って、本実施形態では、特定患者の画像の出力態様と非特定患者の画像の出力態様とが異なるものとなるように複数の患者の画像を表示する動作は、実質的には、特定患者を示す特定患者情報を支援者に提示する(この場合、知らせる)動作と等価であるとみなしてもよい。このように特定患者情報が支援者に提示されることで、支援者は、支援者が支援している患者の中に特定患者が含まれるか否かを判定することができる。その結果、支援者は、特定患者に注目でき、非特定患者よりも特定患者を優先的に支援することができる。従って、支援者が複数の患者を支援している場合であっても、支援者は、複数の患者のうちの注目すべき患者(つまり、支援を必要としていると推定される患者)を見落とすことなく、当該患者を適切に支援することができる。尚、支援者が一人の患者を支援している場合であっても、支援者は、当該一人の患者が支援を必要としているか否かを容易に判定することができ、結果、患者を適切に支援することができる。
【0112】
一例として、疲労度が高い患者(つまり、疲れている患者)に関する特定患者情報が支援者に提示された場合には、支援者は、疲労度が高い患者に注目できる。この場合、支援者は、疲労度が高い患者に対して、疲労度が高いという事実に合わせたアドバイスを提供してもよい。例えば、支援者は、疲労度が高い患者に対して、休憩を促すアドバイスを提供してもよい。つまり、支援者は、運動の負荷と患者の安全性との両立を図ることを目的としたアドバイスを提供してもよい。その結果、患者は、過度な疲労に起因した転倒等の事故が発生しないように、安全に運動を行うことができる。つまり、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、運動を行うことができる。
【0113】
他の一例として、疲労度が低い患者(つまり、それほど疲れていない患者)に関する特定患者情報が支援者に提示された場合には、支援者は、疲労度が低い患者に注目できる。この場合、支援者は、疲労度が低い患者に対して、疲労度が低いという事実に合わせたアドバイスを提供してもよい。例えば、支援者は、疲労度が低い患者に対して、患者が適切な運動を行うことでリハビリテーションの効果を最大限発揮できるように、患者の運動を促す(つまり、患者を応援する)アドバイスを提供してもよい。つまり、支援者は、運動の負荷と患者の安全性との両立を図ることを目的としたアドバイスを提供してもよい。その結果、患者は、リハビリテーションの効果を適切に享受するように、運動を行うことができる。つまり、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、運動を行うことができる。
【0114】
尚、出力制御部311は、特定患者及び非特定患者を含む複数の患者を夫々示す複数の画像をそのまま表示するように、出力装置35を制御してもよい。例えば、出力制御部311は、特定患者の画像の出力態様と非特定患者の画像の出力態様とが同一となるように、出力装置35を制御してもよい。但し、この場合には、出力制御部311は、疲労度に基づいて複数の患者の画像の出力装置35の表示画面上での表示順序が変わるように、出力装置35を制御してもよい。例えば、出力制御部311は、出力装置35の表示画面内の第1部分(例えば、左上部分)から第2部分(例えば、右下部分)に沿って疲労度が高い順に複数の患者の画像が表示されるように、出力装置35を制御してもよい。
【0115】
出力制御部311は、支援者から患者へのアドバイスを入力するためのユーザインタフェース351を出力する(この場合、表示する)ように、出力装置35を制御してもよい。ユーザインタフェース351の一例が、図11に示されている。支援者は、入力装置34を用いて、ユーザインタフェース351上で、患者へのアドバイスを入力してもよい。例えば、入力装置34がキーボード等の操作装置を含む場合には、支援者は、操作装置を操作することで、患者へのアドバイスを入力してもよい。例えば、入力装置34がマイク等の音声入力装置を含む場合には、支援者は、音声入力装置に対して、患者へのアドバイスを含む音声を入力してもよい。ユーザインタフェース351を介して支援者が入力したアドバイスに関するアドバイス情報は、患者に提示することが好ましい患者FB情報の少なくとも一部として、患者に提示されてもよい。具体的には、支援者端末3の通信装置33は、通信ネットワーク4を介して、アドバイス情報をリハビリテーション支援サーバ2に送信してもよい。リハビリテーション支援サーバ2の通信装置23は、アドバイス情報を受信してもよい。FB情報生成部213は、受信したアドバイス情報を含む患者FB情報を生成してもよい。患者端末1の出力制御部142は、FB情報生成部213が生成したアドバイス情報を出力する(例えば、アドバイス情報を示すテキストメッセージを表示する又はアドバイス情報を示す音声を出力する)ように、出力装置18を制御してもよい。その結果、アドバイス情報が患者に提示される。つまり、支援者は、ユーザインタフェース351を介して、比較的容易に患者に対してアドバイスを提供することができる。
【0116】
出力装置35がユーザインタフェース351を出力(表示)する場合、FB情報生成部213は、ユーザインタフェース351(つまり、支援者が患者に対するアドバイスを入力するための入力画面)を示すアドバイス入力画面情報を、支援者FB情報として生成してもよい。この場合、出力制御部311は、アドバイス入力画面情報に基づいて、ユーザインタフェース351を表示するように、出力装置35を制御してもよい。
【0117】
ユーザインタフェース351は、図12に示すように、複数の異なるアドバイスの候補を含んでいてもよい。支援者は、入力装置34を用いて、複数の異なるアドバイスの候補のうちの少なくとも一つを選択してもよい。ユーザが選択した少なくとも一つのアドバイスに関するアドバイス情報は、支援者が入力したアドバイスに関するアドバイス情報と同様に、患者に提示されてもよい。その結果、支援者によるアドバイスの入力の手間が軽減される。
【0118】
出力制御部311は、特定患者情報に基づいて、支援者が支援している患者の中に特定患者が含まれる場合に、ユーザインタフェース351を自動的に表示するように出力装置35を制御してもよい。或いは、出力制御部311は、所望のタイミングで、ユーザインタフェース351を表示するように出力装置35を制御してもよい。例えば、出力制御部311は、支援者が入力装置34を用いてユーザインタフェース351の表示を要求した場合に、ユーザインタフェース351を表示するように出力装置35を制御してもよい。
【0119】
出力制御部311は、患者に提示する運動のメニューを支援者が指定するためのユーザインタフェース352を出力する(この場合、表示する)ように、出力装置35を制御してもよい。ユーザインタフェース352の一例が、図13に示されている。支援者は、入力装置34を用いて、ユーザインタフェース352上で、患者に提示する運動のメニューを指定してもよい。例えば、入力装置34がキーボード等の操作装置を含む場合には、支援者は、操作装置を操作することで、患者に提示する運動のメニューを指定してもよい。例えば、入力装置34がマイク等の音声入力装置を含む場合には、支援者は、音声入力装置に対して、患者に提示する運動のメニューを指定する音声を入力してもよい。ユーザインタフェース352を介して支援者が指定した運動のメニューは、上述した運動メニュー情報として、患者に提示されてもよい。具体的には、支援者端末3の通信装置33は、通信ネットワーク4を介して、運動メニュー情報をリハビリテーション支援サーバ2に送信してもよい。リハビリテーション支援サーバ2の通信装置23は、運動メニュー情報を受信してもよい。FB情報生成部213は、受信した運動メニュー情報を含む患者FB情報を生成してもよい。その結果、運動メニュー情報が患者に提示される。つまり、支援者は、ユーザインタフェース352を介して、患者が行うことが好ましい運動のメニューを比較的容易に患者に提示することができる。
【0120】
支援者FB情報は、疲労度算出部212が算出した疲労度に関する疲労度情報を含んでいてもよい。この場合、出力制御部311は、疲労度情報に基づいて、患者の画像と疲労度とが関連付けられた出力態様(つまり、表示態様)で、患者の画像を表示してもよい。その結果、支援者は、患者の疲労度を認識することができる。或いは、出力制御部311は、疲労度情報に基づいて、患者の画像の出力態様を、疲労度情報が示す疲労度に応じて定まる出力態様に設定してもよい。例えば、出力制御部311は、患者の画像の外枠の色を、疲労度に応じて定まる色に設定してもよい。具体的には、出力制御部311は、疲労度が第1の数値範囲に収まる患者の画像の外枠の色を第1の色(例えば、青色)に設定し、疲労度が第1の数値範囲よりも大きい第2の数値範囲に収まる患者の画像の外枠の色を第2の色(例えば、黄色)に設定し、疲労度が第2の数値範囲よりも大きい第3の数値範囲に収まる患者の画像の外枠の色を第3の色(例えば、赤色)に設定してもよい。この場合、支援者は、患者の疲労度を認識することができる。
【0121】
(3)リハビリテーション支援システムSYSの技術的効果
【0122】
以上説明したように、リハビリテーション支援サーバ2は、患者の疲労度を算出し、疲労度に基づいてFB情報(つまり、患者FB情報及び支援者FB情報の少なくとも一つ)を生成する。このため、患者FB情報により、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、運動を行うことができる。また、支援者FB情報により、支援者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら患者が運動を行うことができるように、患者を支援することができる。このように、リハビリテーション支援サーバ2は疲労度に基づいてFB情報を生成することで、リハビリテーションのために患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立を図るようにリハビリテーションを支援することができる。
【0123】
特に、本実施形態では、支援者の目が届かない場所(つまり、支援者が十分な注意を払うことができない場所)で対象者が運動している場合であっても、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーションのために患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立を図るように、リハビリテーションを支援することができる。なぜならば、上述したように患者FB情報が患者に提示され及び/又は支援者FB情報が支援者に提示されるからである。具体的には、例えば、支援者が患者のリハビリテーションを対面で支援することができない場合(例えば、支援者が遠隔で患者のリハビリテーションを支援する場合)であっても、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーションのために患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立を図るように、リハビリテーションを支援することができる。例えば、支援者が一のリハビリテーション機関におり且つ患者が患者の自宅又は他のリハビリテーション機関にいる場合であっても、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーションのために患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立を図るように、リハビリテーションを支援することができる。
【0124】
このように支援者の目が届かない場所で対象者が運動できる場合には、支援者(或いは、リハビリテーション機関)は、患者のリハビリテーションを効率的に支援することができるという効果を享受できる。特に、一人の支援者が複数の患者を支援する場合において、支援者(或いは、リハビリテーション機関)は、複数の患者のリハビリテーションを効率的に支援することができるという効果を享受できる。患者もまた、通院することが困難なリハビリテーション機関(例えば、患者の自宅から遠く離れた地域にあるリハビリテーション機関)の支援を受けることができるという効果を享受できる。更には、患者は、リハビリテーションに通院する手間を省くことができるという効果を享受できる。
【0125】
一方で、本実施形態では、支援者の目が届く場所(つまり、支援者が十分な注意を払うことができる場所)で対象者が運動している場合であっても、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーションのために患者が行う運動の負荷と患者の安全性との両立を図るように、リハビリテーションを支援することができる。なぜならば、上述したように患者FB情報が患者に提示され及び/又は支援者FB情報が支援者に提示されることに変わりはないからである。更には、一人の支援者が複数の患者を支援する場合において、支援者が複数の患者のリハビリテーションを支援する負担が軽減されるという効果を享受できる。なぜならば、上述したように、一人の支援者が複数の患者を支援することを想定して生成される支援者FB情報が支援者に提示されるからである。
【0126】
(4)変形例
(4-1)第1変形例
【0127】
続いて、図14を参照しながら、第1変形例におけるリハビリテーション支援サーバ2aについて説明する。図14は、第1変形例におけるリハビリテーション支援サーバ2aの構成を示すブロック図である。
【0128】
図14に示すように、第1変形例におけるリハビリテーション支援サーバ2aは、上述したリハビリテーション支援サーバ2と比較して、演算装置21が、「通知手段」の一具体例である通知部214aを備えているという点で異なる。リハビリテーション支援サーバ2aのその他の構成は、リハビリテーション支援サーバ2のその他の構成と同一であってもよい。
【0129】
通知部214aは、患者状態情報に基づいて、患者が異常状態にあるか否かを判定する。異常状態は、リハビリテーションのための運動を行っている患者の通常の状態とは異なる状態を含んでいてもよい。異常状態は、事故が発生した状態(一例として、患者が転倒した状態)及び事故が発生する可能性がある状態(一例として、患者が転倒する可能性がある状態)の少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0130】
更に、通知部214aは、患者が異常状態にあると判定された場合に、患者が異常状態にあることを所定の通知先に通知する。所定の通知先は、患者が異常状態にあることを通知することが好ましい機関及び人物の少なくとも一つを含んでいてもよい。所定の通知先は、患者が異常状態にあることを通知することが好ましい機関及び人物の少なくとも一つが利用可能な情報処理装置を含んでいてもよい。例えば、所定の通知先は、救急車を手配可能な消防署を含んでいてもよい。例えば、所定の通知先は、患者が通院している医療機関又はリハビリテーション機関を含んでいてもよい。例えば、所定の通知先は、患者を診療している医療従事者(例えば、医師)を含んでいてもよい。例えば、所定の通知先は、支援者を含んでいてもよい。
【0131】
このような第1変形例では、患者が異常状態にある場合には、その旨が所定の通知先に通知される。このため、支援者の目の届かない場所でリハビリテーションのための運動を行っている患者が異常状態になったとしても、所定の通知先は、異常状態にある患者を支援するための対策を迅速に行うことができる。このため、支援者の目の届かない場所でリハビリテーションのための運動を行っている患者の安全性がより適切に維持される。
【0132】
(4-2)第2変形例
【0133】
支援者端末3の出力装置35が患者の画像を表示してもよいことは、上述したとおりである。第2変形例では、出力装置35は、リハビリテーション支援サーバ2の制御下で、患者のプライバシーが保護される出力態様(この場合、表示態様)で患者の画像を表示(出力)してもよい。例えば、出力装置35は、患者の顔が支援者から判別できなくなる出力態様で、患者の画像を表示してもよい。一例として、出力装置35は、患者の顔にモザイクがかかる出力態様で、患者の画像を表示してもよい。例えば、出力装置35は、患者の体形が支援者から判別できなくなる出力態様で、患者の画像を表示してもよい。一例として、出力装置35は、どのような患者の画像が表示される場合であっても患者の体形が同じになる出力態様で、患者の画像を表示してもよい。例えば、出力装置35は、患者の体をワイヤモデル(いわゆる、患者の骨格を模したモデル)で表現する出力態様で、患者の画像を表示してもよい。例えば、出力装置35は、患者の背景(例えば、患者の自宅の部屋等)が支援者から判別できなくなる出力態様で、患者の画像を表示してもよい。一例として、出力装置35は、患者の波形にモザイクがかかる又は患者の背景が所定の背景で上書きされる出力態様で、患者の画像を表示してもよい。なお、出力装置35は、支援者が患者の状態を把握することが可能な程度の、患者のプライバシーが保護される出力態様をとってもよい。
【0134】
このような第2変形例では、支援者端末3に画像が表示される患者のプライバシーが適切に保護される。このため、仮に患者が知らない支援者(或いは、患者を通常時に支援している支援者とは異なる支援者、以下同じ)が支援者端末3を用いて患者を支援している場合であっても、患者は、患者が知らない支援者に患者の個人情報が洩れる心配をしなくてもよくなる。つまり、患者は、患者を通常時に支援している支援者が支援者端末3を用いて患者を支援している場合のみならず、患者が知らない支援者が支援者端末3を用いて患者を支援している場合であっても、リハビリテーションのための運動を行うことができる。このため、患者が運動を行う機会が相対的に多く確保可能となる。更に、患者を通常時に支援している支援者が患者を支援することができない場合であっても、患者が知らない支援者が、患者のプライバシーを保護しつつ患者を支援することができる。このため、患者を支援する支援者の選択の自由度が増える。
【0135】
(4-3)第3変形例
【0136】
上述した説明では、FB情報生成部213は、患者の疲労度に基づいて、FB情報を生成している。しかしながら、第3変形例では、FB情報生成部213は、患者の疲労度とは異なる情報に基づいて、FB情報を生成してもよい。
【0137】
例えば、FB情報生成部213は、患者が行った運動のスコアに関するスコア情報を含む患者FB情報を生成してもよい。スコア情報を生成するために、FB情報生成部213は、患者画像情報及び患者生体情報(特に、患者の動きに関する情報)の少なくとも一つに基づいて、患者の動きに関する特徴量を算出してもよい。その後、FB情報生成部213は、患者の動きに関する特徴量に基づいて、患者の動きと本来想定される動きとのずれが大きくなるほどスコアが小さくなるように、スコア情報を生成してもよい。このようなスコア情報を含む患者FB情報の出力装置18による出力例(表示例)が図15に示されている。図15に示すように、スコア情報は、スコアを定量的に示す数値を含んでいてもよい。但し、スコア情報は、スコアを示す任意の情報を含んでいてもよい。このようなスコア情報が患者に提示されることで、患者は、患者が行った運動の質を客観的に把握することができる。その結果、患者は、スコアが大きくなるように(つまり、リハビリテーションの効果を適切に享受する)ように、運動を行うことができる。つまり、患者は、運動の負荷と安全性との両立を図りながら、運動を行うことができる。
【0138】
例えば、FB情報生成部213は、患者の要望に対する応答を示す応答情報を含む患者FB情報を生成してもよい。応答情報を生成するために、FB情報生成部213は、患者状態情報に基づいて、患者の要望を特定してもよい。例えば、FB情報生成部213は、患者音声情報に基づいて、患者の要望を特定してもよい。その後、FB情報生成部213は、患者の要望を叶える応答を示す応答情報を生成してもよい。一例として、「休憩したい」又は「もう疲れた」という音声を患者が発した場合には、FB情報生成部213は、患者音声情報に基づいて、患者の要望が、休憩したいという要望であると特定してもよい。この場合、FB情報生成部213は、患者が休憩できるように、上述した休憩情報に相当する応答情報を生成してもよい。他の一例として、「今回の運動は、苦しかったな」という音声を患者が発した場合には、FB情報生成部213は、患者音声情報に基づいて、患者の要望が、運動の負荷を低くしたいという要望であると特定してもよい。この場合、FB情報生成部213は、負荷を低くした新たな運動のメニューを患者に提案するために、上述した運動メニュー情報に相当する応答情報を生成してもよい。
【0139】
例えば、FB情報生成部213は、患者の要望に関する患者要望情報を含む支援者FB情報を生成してもよい。患者要望情報を生成するために、FB情報生成部213は、応答情報を生成する場合と同様に、患者状態情報に基づいて、患者の要望を特定してもよい。この際、FB情報生成部213は、マイク12及び入力装置17の少なくとも一つを介して患者の要望を患者が入力できるように、出力装置18を用いて、患者に要望を入力するように促してもよい。例えば、出力装置18が表示装置を含む場合には、FB情報生成部213は、「要望を入力して下さい」というテキストメッセージを表示するように、出力装置18を制御してもよい。例えば、出力装置18が音声出力装置(スピーカ)を含む場合には、FB情報生成部213は、「要望を入力して下さい」という音声を出力するように、出力装置18を制御してもよい。その結果、FB情報生成部213は、患者要望情報を生成できる。このような患者要望情報が支援者に提示される場合には、支援者は、患者の要望を認識することができる。その結果、支援者は、患者の要望に応じて患者を適切に支援することができる。
【0140】
例えば、FB情報生成部213は、患者の要望を含む患者の意見(例えば、感想)に関する患者意見情報を含む支援者FB情報を生成してもよい。患者意見情報を生成するために、FB情報生成部213は、応答情報又は患者要望情報を生成する場合と同様に、患者状態情報に基づいて、患者の意見を特定してもよい。この際、FB情報生成部213は、マイク12及び入力装置17の少なくとも一つを介して患者の意見を患者が入力できるように、出力装置18を用いて、患者に意見を入力するように促してもよい。例えば、出力装置18が表示装置を含む場合には、FB情報生成部213は、「本日の運動に対する感想を入力して下さい」というテキストメッセージを表示するように、出力装置18を制御してもよい。例えば、出力装置18が音声出力装置(スピーカ)を含む場合には、FB情報生成部213は、「本日の運動に対する感想を入力して下さい」という音声を出力するように、出力装置18を制御してもよい。その結果、FB情報生成部213は、患者意見情報を生成できる。このような患者要望情報が支援者に提示される場合には、支援者は、患者の要望を認識することができる。その結果、支援者は、患者の要望に応じて患者を適切に支援することができる。
【0141】
例えば、上述した説明では、疲労度が所定条件を満たす患者が特定患者と称されているが、疲労度に関わらずに所定の状態にある患者が特定患者と称されてもよい。この場合、FB情報生成部213は、所定の状態にある患者に関する特定患者情報を含む支援者FB情報を生成してもよい。特定患者情報を生成するために、FB情報生成部213は、患者状態情報に基づいて、所定の状態にある患者を抽出してもよい。例えば、FB情報生成部213は、患者画像情報に基づいて、所定の動きをしている患者を、特定患者として抽出してもよい。例えば、FB情報生成部213は、患者画像情報に基づいて、所定の音声を発している患者を、特定患者として抽出してもよい。例えば、FB情報生成部213は、患者生体情報に基づいて、患者生体情報が示すバイタルサインが所定値となっている患者を、特定患者として抽出してもよい。この場合、リハビリテーション支援サーバ2は、疲労度に限らず様々な要因から支援者が注目すべき患者を、支援者に提示する(つまり、知らせる)ことができる。
【0142】
患者端末1の出力制御部142は、患者FB情報に加えて、以下に示す情報を出力するように出力装置18を制御してもよい。例えば、既に説明したように、出力制御部142は、患者及び支援者の少なくとも一方の画像を表示するように、出力装置18を制御してもよい。一人の支援者が複数の患者を支援している場合、複数の患者のうちの一の患者が用いる患者端末1の出力制御部142は、支援者が一の患者に対して何らかのアクションをとっている(例えば、アドバイスを提供している)期間中に支援者の画像及び音声の少なくとも一方を出力するように、出力装置18を制御してもよい。一方で、一の患者が用いる患者端末1の出力制御部142は、支援者が一の患者に対して何らかのアクションをとっていいない期間中に支援者の画像及び音声の少なくとも一方を出力しないように、出力装置18を制御してもよい。出力制御部142は、患者に提示されている運動の内容を示す画像(典型的には、運動の見本を示す動画)を表示するように、出力装置18を制御してもよい。出力制御部142は、患者の音声(例えば、「つらい」という音声、「疲れた」という音声又は「まだまだ」という音声)を出力するように、出力装置18を制御してもよい。
【0143】
支援者端末3の出力制御部311は、支援者FB情報に加えて、以下に示す情報を出力するように出力装置35を制御してもよい。例えば、既に説明したように、出力制御部311は、患者及び支援者の少なくとも一方の画像を表示するように、出力装置35を制御してもよい。出力制御部311は、支援者から患者へのアドバイスに関するアドバイス情報を出力する(例えば、アドバイス情報を示すテキストメッセージを表示する又はアドバイス情報を示す音声を出力する)ように、出力装置35を制御してもよい。一人の支援者が複数の患者を支援している場合、出力制御部311は、支援者が何らかのアクションをとっている(例えば、アドバイスを提供している)一の患者の画像及び音声の少なくとも一方を出力するように、出力装置35を制御してもよい。一方で、出力制御部311は、支援者が何らかのアクションをとっていない一の患者の画像及び音声の少なくとも一方を出力しないように、出力装置35を制御してもよい。出力制御部311は、患者に提示されている運動の内容を示す画像(典型的には、運動の見本を示す動画)を表示するように、出力装置35を制御してもよい。出力制御部311は、患者の音声(例えば、「つらい」という音声、「疲れた」という音声又は「まだまだ」という音声)を出力するように、出力装置35を制御してもよい。
【0144】
(4-4)その他の変形例
【0145】
上述した説明では、リハビリテーション支援サーバ2は、支援者端末3とは異なる装置である。しかしながら、リハビリテーション支援サーバ2の演算装置21が備える論理的な処理ブロックの少なくとも一部が、支援者端末3に組み込まれていてもよい。具体的には、情報取得部211、疲労度算出部212及びFB情報生成部213の少なくとも一つが、支援者端末3の演算装置31内に実現されていてもよい。或いは、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーション支援サーバ2と支援者端末3とを別個に備えることに代えて、リハビリテーション支援サーバ2と支援者端末3とが一体化された装置を備えていてもよい。
【0146】
上述した説明では、リハビリテーション支援サーバ2は、患者端末1とは異なる装置である。しかしながら、リハビリテーション支援サーバ2の演算装置21が備える論理的な処理ブロックの少なくとも一部が、患者端末1に組み込まれていてもよい。具体的には、情報取得部211、疲労度算出部212及びFB情報生成部213の少なくとも一つが、患者端末1の演算装置14内に実現されていてもよい。或いは、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーション支援サーバ2と患者端末1とを別個に備えることに代えて、リハビリテーション支援サーバ2と患者端末1とが一体化された装置を備えていてもよい。
【0147】
カメラ11が生成した患者の画像は、記憶装置15に記憶されていてもよい。この場合、記憶装置15に記憶されている患者の画像は、患者がどのようにリハビリテーションのための運動を行っていたかを示す証拠として利用されてもよい。また、記憶装置15に記憶されている患者の画像は、支援者がどのように患者を支援していたかを示す証拠として利用されてもよい。但し、患者のプライバシーを保護するために、記憶装置15に記憶されている患者の画像は、所定のタイミングで破棄されてもよい。例えば、記憶装置15に記憶されている患者の画像は、患者の画像が生成されてから一定時間(例えば、1日又は1週間)が経過したタイミングで破棄されてもよい。例えば、記憶装置15に記憶されている患者の画像は、当該画像に基づく疲労度の算出(或いは、疲労度を算出するための特徴量の算出)が完了したタイミングで破棄されてもよい。
【0148】
マイク12が生成した患者の音声は、記憶装置15に記憶されていてもよい。この場合、記憶装置15に記憶されている患者の音声は、患者がどのようにリハビリテーションのための運動を行っていたかを示す証拠として利用されてもよい。また、記憶装置15に記憶されている患者の音声は、支援者がどのように患者を支援していたかを示す証拠として利用されてもよい。但し、患者のプライバシーを保護するために、記憶装置15に記憶されている患者の音声は、所定のタイミングで破棄されてもよい。尚、患者の音声が破棄されるタイミングは、患者の画像が破棄されるタイミングと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0149】
生体センサ13が生成した患者生体情報は、記憶装置15に記憶されていてもよい。この場合、記憶装置15に記憶されている患者の患者生体情報は、患者がどのようにリハビリテーションのための運動を行っていたかを示す証拠として利用されてもよい。また、記憶装置15に記憶されている患者の患者生体情報は、支援者がどのように患者を支援していたかを示す証拠として利用されてもよい。但し、患者のプライバシーを保護するために、記憶装置15に記憶されている患者の患者生体情報は、所定のタイミングで破棄されてもよい。尚、患者の患者生体情報が破棄されるタイミングは、患者の画像及び音声の少なくとも一つが破棄されるタイミングと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0150】
上述した説明では、リハビリテーションのための運動を行う患者を支援者が支援する場合に、患者FB情報が患者に提示され及び/又は支援者FB情報が支援者に提示される例について説明されている。しかしながら、任意の動作を行う対象者を支援者が支援する場合に、任意の動作を支援するためのFB情報が対象者及び支援者の少なくとも一方に提示されてもよい。つまり、リハビリテーション支援システムSYSは、リハビリテーションとは異なる任意の動作を行う対象者を支援者が支援する場面に適用されるように適宜改変されてもよい。例えば、教育を受けている生徒(対象者)を、教育サービスを提供する教職者(支援者)が支援する場合に、生徒の教育を支援するためのFB情報が生徒及び教職者の少なくとも一方に提示されてもよい。つまり、リハビリテーション支援システムSYSは、生徒の教育を支援するためのFB情報が生徒及び教職者の少なくとも一方に提示可能な教育支援システムに改変されてもよい。例えば、熟練度が低い非熟練工(対象者)が行う作業を、熟練度が高い熟練工(支援者)が支援する場合に、非熟練工の作業を支援するためのFB情報が非熟練工及び熟練工の少なくとも一方に提示されてもよい。つまり、リハビリテーション支援システムSYSは、非熟練工の作業を支援するためのFB情報が非熟練工及び熟練工の少なくとも一方に提示可能な教育支援システムに改変されてもよい。
【0151】
(5)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得する取得手段と、
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出する算出手段と、
前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成する生成手段と、
前記フィードバック情報を出力する出力手段と
を備えるリハビリテーション支援装置。
[付記2]
前記フィードバック情報は、前記対象者に対する第1フィードバック情報を含む
付記1に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記3]
前記第1フィードバック情報は、前記対象者が適切な負荷の前記運動を行うように前記対象者を支援する情報を含む
付記2に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記4]
前記第1フィードバック情報は、前記対象者に提示する前記運動のメニューに関する運動メニュー情報、前記対象者に対する休憩の提案に関する休憩情報、前記運動を行う前記対象者のモチベーションを高めるモチベーション向上情報、及び、前記対象者に対するアドバイスに関するアドバイス情報のうちの少なくとも一つを含む
付記2又は3に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記5]
前記生成手段は、前記疲労度が第1閾値を上回る場合に、前記対象者に現在提示している前記運動の負荷よりも低い負荷の運動のメニューを示す運動メニュー情報を、前記フィードバック情報として生成する
付記1から4のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記6]
前記第1閾値は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
付記5に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記7]
前記生成手段は、前記疲労度が第2閾値を下回る場合に、前記対象者に現在提示している前記運動の負荷よりも高い負荷の運動のメニューを示す運動メニュー情報を、前記フィードバック情報として生成する
付記1から6のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記8]
前記第2閾値は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
付記7に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記9]
前記生成手段は、前記疲労度が第3閾値を上回る場合に、前記対象者に休憩を提案する前記休憩情報を生成する
付記4から8のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記10]
前記第3閾値は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
付記9に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記11]
前記フィードバック情報は、前記リハビリテーションを支援する支援者に対する第2フィードバック情報を含む
付記1から10のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記12]
前記第2フィードバック情報は、前記支援者が前記対象者に適切な負荷の前記運動を行わせることができるように前記支援者を支援する情報を含む
付記11に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記13]
前記第2フィードバック情報は、前記対象者の前記疲労度が所定条件を満たすか否かを示す特定対象者情報を含む
付記11又は12に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記14]
前記所定条件は、前記疲労度が第4閾値を上回るという条件及び前記疲労度が第5閾値を下回るという条件のうちの少なくとも一つを含む
付記13に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記15]
前記第4及び第5閾値の夫々は、前記対象者に提示している前記運動のメニューと、前記疲労度とに基づいて設定される
付記14に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記16]
前記取得手段は、複数の前記対象者を夫々示す複数の前記画像を取得し、
前記生成手段は、前記画像に基づいて、前記複数の対象者の画像情報を前記第2フィードバック情報として生成する
付記11から15のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記17]
前記取得手段は、複数の前記対象者を夫々示す複数の前記画像を取得し、
前記生成手段は、前記画像に基づいて、前記疲労度が所定条件を満たすか否かに応じた前記対象者の画像情報を、前記第2フィードバック情報として生成する
付記11から16のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記18]
前記生成手段は、前記第2フィードバック情報として、前記疲労度が所定条件を満たす前記対象者の画像情報と、前記疲労度が所定条件を満たす対象者の画像情報と異なる出力態様で出力される、前記疲労度が前記所定条件を満たさない前記対象者の画像情報とを生成する
付記11から17のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記19]
前記出力態様は、前記画像情報が示す画像の大きさを含む
付記18に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記20]
前記生成手段は、前記支援者が前記対象者に対するアドバイスを入力するためのアドバイス入力画面情報を、前記第2フィードバック情報として生成する
付記11から19のいずれか一項からに記載のリハビリテーション支援装置。
[付記21]
前記アドバイス入力画面情報は、複数の異なるアドバイスの候補に関する情報を含む
付記20に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記22]
前記生成手段は、前記支援者からの入力に応じて、前記対象者に対するアドバイス情報を前記フィードバック情報として生成する
付記20又は21に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記23]
前記生成手段は、前記疲労度に関する情報を、前記フィードバック情報として生成し、
前記出力手段は、前記疲労度に関する情報を出力する
付記1から22のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記24]
前記疲労度は、前記運動に起因した前記患者の肉体的な疲れの度合いを表す指標値である
付記1から23のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記25]
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて前記対象者が前記異常状態にあると判定された場合に、前記対象者が前記異常状態にあることを所定の通知先に通知する通知手段を更に備える
付記1から24のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記26]
前記出力手段は、前記フィードバック情報に加えて、前記対象者のプライバシーが保護される出力態様の画像情報を出力する
付記1から25のいずれか一項に記載のリハビリテーション支援装置。
[付記27]
リハビリテーションのための運動を行っている対象者が利用可能な対象者端末と、
前記リハビリテーションを支援する支援者が利用可能な支援者端末と、
リハビリテーション支援装置と
を備え、
前記リハビリテーション支援装置は、
前記対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得する取得手段と、
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出する算出手段と、
前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成する生成手段と、
前記フィードバック情報を、前記対象者端末及び前記支援者端末の少なくとも一方に出力する出力手段と
を備えるリハビリテーション支援システム。
[付記28]
リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得し、
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出し、
前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成し、
前記フィードバック情報を出力する
リハビリテーション支援方法。
[付記29]
リハビリテーションのための運動を行っている対象者の画像と、前記対象者の音声と、前記対象者の生体情報との少なくとも一つを取得することと、
前記画像と前記音声と前記生体情報との少なくとも一つに基づいて、前記対象者の疲労度を算出することと、
前記疲労度に基づいて、前記リハビリテーションに関するフィードバック情報を生成することと、
前記フィードバック情報を出力することと
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体。
【0152】
本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うリハビリテーション支援装置、リハビリテーション支援システム、リハビリテーション支援方法及びコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0153】
SYS リハビリテーション支援システム
1 患者端末
11 カメラ
12 マイク
13 生体センサ
14 演算装置
16 通信装置
18 出力装置
2 リハビリテーション支援サーバ
21 演算装置
211 情報取得部
212 疲労度算出部
213 FB情報生成部
23 通信装置
3 支援者端末
31 演算装置
33 通信装置
35 出力装置
図1
図2
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