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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241022BHJP
   H05K 1/16 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H05K1/02 J
H05K1/02 C
H05K1/16 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022568228
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 JP2021044203
(87)【国際公開番号】W WO2022124179
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2020202486
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西尾 恒亮
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-186969(JP,A)
【文献】特開2002-368346(JP,A)
【文献】特開平09-321176(JP,A)
【文献】特開2010-068313(JP,A)
【文献】特開2013-140655(JP,A)
【文献】特開2013-084842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の絶縁体層を含んでおり、かつ、上下方向に延びる法線を有する上主面及び下主面を有している基板本体と、
前記基板本体に設けられている複数の導体層と、
を備えており、
前記複数の導体層は、前記1以上の絶縁体層のうちの第1絶縁体層に設けられている第1導体層及び第2導体層の1以上の組を含んでおり、
前記第1導体層及び前記第2導体層の1以上の組それぞれは、前記第1導体層及び前記第2導体層が前記第1導体層の延伸方向と直交する直交方向に並ぶ第1近接区間を有しており、
前記第1導体層及び前記第2導体層は、前記第1絶縁体層の上主面に設けられており、
前記第1導体層は、前記直交方向に並ぶ第1側面及び第2側面を有しており、
前記第2導体層は、前記直交方向に並ぶ第3側面及び第4側面を有しており、
前記第1側面と前記第3側面とは向かい合っており、
前記第1側面と前記第1絶縁体層の上主面とが形成する第1鋭角の大きさは、前記第2側面と前記第1絶縁体層の上主面とが形成する第2鋭角の大きさより大きい、
回路基板。
【請求項2】
前記第1導体層及び前記第2導体層は、前記第1絶縁体層の上主面に設けられており、
上下方向に見て、前記第1絶縁体層において前記第1近接区間における前記第1導体層と前記第2導体層との間に位置する領域の少なくとも一部には、前記第1絶縁体層の上主面に第1溝が設けられている、
請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記第1側面と前記第1溝の内周面との間には前記第1絶縁体層の上主面が存在せず、
前記第3側面と前記第1溝の内周面との間には前記第1絶縁体層の上主面が存在しない、
請求項2に記載の回路基板。
【請求項4】
前記第1近接区間における前記第1導体層と前記第2導体層との近接距離を第1近接導体間距離と定義し、
前記第1溝の前記直交方向の幅の最大値は、前記第1近接導体間距離以上である、
請求項2に記載の回路基板。
【請求項5】
前記近接距離が最も小さくなる前記第1導体層及び前記第2導体層の組を最近接第1導体層及び最近接第2導体層の組と定義し、
前記最近接第1導体層及び前記最近接第2導体層は、前記第1絶縁体層の上主面に設けられている、
請求項4に記載の回路基板。
【請求項6】
前記第1溝の下端は、前記第1絶縁体層の下主面より上に位置している、
請求項2に記載の回路基板。
【請求項7】
前記第1導体層及び前記第2導体層は、接着層を介して前記第1絶縁体層の上主面に固定されており、
前記第1溝は、前記接着層を上下方向に貫通している、
請求項2に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第1溝には、前記第1絶縁体層より低い誘電率を有する絶縁材料が充填されている、
請求項2に記載の回路基板。
【請求項9】
前記1以上の絶縁体層は、前記第1絶縁体層の上に位置する第2絶縁体層を更に含んでおり、
前記第2絶縁体層は、第2接着層を介して前記第1絶縁体層に固定されており、
前記第2接着層の誘電率は、前記第1絶縁体層の誘電率より低く、
前記第2接着層の一部は、前記第1溝内に位置している、
請求項2ないし請求項8のいずれかに記載の回路基板。
【請求項10】
前記第1導体層は、上下方向に見て、線形状を有する、
請求項1ないし請求項のいずれかに記載の回路基板。
【請求項11】
前記第1導体層は、第1高周波信号を伝送する信号線である、
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の回路基板。
【請求項12】
前記第2導体層は、第2高周波信号を伝送する信号線である、
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の回路基板。
【請求項13】
前記第1導体層及び前記第2導体層の組は、前記第1導体層及び前記第2導体層が前記直交方向に並ぶ最近接区間及び第2近接区間を有しており、
前記第1近接区間における近接第1導体層と近接第2導体層との最近接距離を第1最近接導体間距離と定義し、
前記第2近接区間における前記第1導体層と前記第2導体層との距離は、前記第1最近接導体間距離より大きく、
上下方向に見て、前記第1絶縁体層において前記第2近接区間における前記第1導体層と前記第2導体層との間に位置する領域には、前記第1絶縁体層の上主面に溝が設けられていない、
請求項5に記載の回路基板。
【請求項14】
前記基板本体に設けられており、前記第1導体層に電気的に接続されている第1外部電極と、
前記基板本体に設けられており、前記第2導体層に電気的に接続されている第2外部電極と、
を更に備えている、
請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の回路基板。
【請求項15】
前記第1絶縁体層の上主面に設けられている最近接第3導体層を、
更に備えており、
前記第1導体層及び前記第2導体層の組は、前記第1導体層及び前記第2導体層が前記直交方向に並ぶ近接区間を有しており、
前記第1導体層は、前記近接区間において、前記直交方向において前記第2導体層と前記最近接第3導体層との間に設けられており、
前記第2導体層及び前記最近接第3導体層は、グランド電位に接続され、
上下方向に見て、前記第1絶縁体層において前記近接区間における前記第1導体層と前記最近接第3導体層との間に位置する領域には、前記第1絶縁体層の上主面に第2溝が設けられている、
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の回路基板。
【請求項16】
前記第1絶縁体層の上主面に設けられ、かつ、前記第2側面及び前記第4側面を覆い、かつ、前記第1側面及び前記第3側面を覆わない保護層を、
更に備えている、
請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の回路基板。
【請求項17】
1以上の絶縁体層を含んでおり、かつ、上下方向に延びる法線を有する上主面及び下主面を有している基板本体と、
前記基板本体に設けられている、それぞれ二つの側面を有する複数の導体層と、
を備えており、
前記複数の導体層は、前記1以上の絶縁体層のうちの、ある絶縁体層に並列されており、
前記複数の導体層の並列方向と直交する直交方向に並ぶ第1近接区間を有しており、
前記複数の導体層は、前記1以上の絶縁体層のうちの第1絶縁体層の上主面に並列されており、
前記複数の導体層のうち、隣接する導体層のうち互いに向かい合う側面と前記第1絶縁体層の上主面とが形成する鋭角の大きさは、前記並列された複数の導体層のうち外方にある、隣接する導体層の無い、導体層の側面と前記第1絶縁体層の上主面とが形成する第2鋭角の大きさより大きい、
回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上の絶縁体層を含む回路基板本体を備える回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回路基板に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の複合伝送線路が知られている。この複合伝送線路は、積層絶縁体と複数の導体パターンとを備えている。積層絶縁体は、複数の絶縁体層が積層された構造を有している。複数の導体パターンは、複数の絶縁体層に設けられている。複数の導体パターンは、電気回路を形成している。複数の導体パターンは、例えば、複数の絶縁体層に設けられた金属箔がフォトリソグラフィ工程により加工されることにより形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6048633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の複合伝送線路では、同じ絶縁体層に設けられた複数の導体パターン同士が近接する場合がある。このような場合、複数の導体パターンを精度よく形成する必要がある。しかしながら、フォトリソグラフィ工程による複数の導体パターンの形成では、複数の導体パターンの形成の精度に限界がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、互いに近接する第1導体と第2導体とを精度よく形成できる構造を有する回路基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る回路基板は、
1以上の絶縁体層を含んでおり、かつ、上下方向に延びる法線を有する上主面及び下主面を有している基板本体と、
前記基板本体に設けられている複数の導体層と、
を備えており、
前記複数の導体層は、前記1以上の絶縁体層のうちの第1絶縁体層に設けられている第1導体層及び第2導体層の1以上の組を含んでおり、
前記第1導体層及び前記第2導体層の1以上の組それぞれは、前記第1導体層及び前記第2導体層が前記第1導体層の延伸方向と直交する直交方向に並ぶ第1近接区間を有しており、
記第1導体層及び前記第2導体層は、前記第1絶縁体層の上主面に設けられており、
前記第1導体層は、前記直交方向に並ぶ第1側面及び第2側面を有しており、
前記第2導体層は、前記直交方向に並ぶ第3側面及び第4側面を有しており、
前記第1側面と前記第3側面とは向かい合っており、
前記第1側面と前記第1絶縁体層の上主面とが形成する第1鋭角の大きさは、前記第2側面と前記第1絶縁体層の上主面とが形成する第2鋭角の大きさより大きい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る回路基板及び電子機器によれば、互いに近接する第1導体と第2導体とを精度よく形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、回路基板10の分解斜視図である。
図2図2は、図1のA-Aにおける回路基板10の断面図である。
図3図3は、比較例の回路基板300の断面図である。
図4図4は、回路基板10aの上面図である。
図5図5は、回路基板10aのB-Bにおける断面図である。
図6図6は、回路基板10aの製造時の上面図である。
図7図7は、回路基板10aの製造時の断面図である。
図8図8は、回路基板10aの製造時の上面図である。
図9図9は、回路基板10aの製造時の断面図である。
図10図10は、回路基板10aの製造時の上面図である。
図11図11は、回路基板10aの製造時の断面図である。
図12図12は、回路基板10bの上面図である。
図13図13は、回路基板10bのB-Bにおける断面図である。
図14図14は、回路基板10cの上面図である。
図15図15は、回路基板10cのにおける断面図である。
図16図16は、回路基板10dの分解斜視図である。
図17図17は、回路基板10dのC-Cにおける断面図である。
図18図18は、回路基板10eの断面図である。
図19図19は、回路基板10fの分解斜視図である。
図20図20は、回路基板10fのC-Cにおける断面図である。
図21図21は、回路基板10gの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
[回路基板10の構造]
以下に、本発明の実施形態に係る回路基板10の構造について図面を参照しながら説明する。図1は、回路基板10の分解斜視図である。
【0013】
回路基板10は、例えば、第1高周波信号ないし第4高周波信号を伝送する伝送線路である。回路基板10において、第1高周波信号ないし第4高周波信号の伝送方向を左右方向と定義する。換言すれば、導体層18a~18dの延伸方向を左右方向と定義する。また、回路基板10の基板本体12の上主面及び下主面の法線方向を上下方向と定義する。上下方向と左右方向とは、直交している。上下方向及び左右方向に直交する直交方向を前後方向と定義する。なお、回路基板10の上下方向、左右方向及び前後方向は、回路基板10の使用時の上下方向、左右方向及び前後方向と一致していなくてもよい。
【0014】
以下では、Xは、回路基板10の部品又は部材である。本明細書において、特に断りのない場合には、Xの各部について以下のように定義する。Xの前部とは、Xの前半分を意味する。Xの後部とは、Xの後半分を意味する。Xの左部とは、Xの左半分を意味する。Xの右部とは、Xの右半分を意味する。Xの上部とは、Xの上半分を意味する。Xの下部とは、Xの下半分を意味する。Xの前端とは、Xの前方向の端を意味する。Xの後端とは、Xの後方向の端を意味する。Xの左端とは、Xの左方向の端を意味する。Xの右端とは、Xの右方向の端を意味する。Xの上端とは、Xの上方向の端を意味する。Xの下端とは、Xの下方向の端を意味する。Xの前端部とは、Xの前端及びその近傍を意味する。Xの後端部とは、Xの後端及びその近傍を意味する。Xの左端部とは、Xの左端及びその近傍を意味する。Xの右端部とは、Xの右端及びその近傍を意味する。Xの上端部とは、Xの上端及びその近傍を意味する。Xの下端部とは、Xの下端及びその近傍を意味する。
【0015】
回路基板10は、基板本体12、複数の導体層18a~18d及び保護層20a,20bを備えている。基板本体12は、板形状を有している。従って、基板本体12は、上主面及び下主面を有している。基板本体12の上主面及び下主面の法線方向は、上下方向に延びている。基板本体12は、左右方向に延びている。基板本体12は、可撓性を有している。そのため、基板本体12は、折り曲げて使用される。
【0016】
また、基板本体12は、1以上の絶縁体層16a,16bを含んでいる。基板本体12は、絶縁体層16a,16bが上から下へとこの順に積層された構造を有している。絶縁体層16a,16bは、上下方向に見て、基板本体12と同じ形状を有している。絶縁体層16a,16bの材料は、例えば、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂は、例えば、液晶ポリマーやポリイミド等である。これにより、絶縁体層16a,16bは、可撓性を有している。
【0017】
導体層18a~18dは、基板本体12に設けられている。より詳細には、導体層18a及び導体層18bは、絶縁体層16aの上主面に設けられている。従って、導体層18a~18dは、同じ絶縁体層16a(第1絶縁体層)に設けられている導体層18a(第1導体層)及び導体層18b(第2導体層)の組P1を含んでいる。導体層18a及び導体層18bは、上下方向に見て、左右方向に延びる線形状を有している。そのため、導体層18a(第1導体層)及び導体層18b(第2導体層)の組P1は、導体層18a(第1導体層)及び導体層18b(第2導体層)が前後方向(第1導体層の延伸方向と直交する直交方向)に並ぶ第1近接区間A1を有している。本実施形態では、導体層18bは、導体層18aの前に位置している。以下では、第1近接区間A1における導体層18a(第1導体層)と導体層18b(第2導体層)との距離を近接距離D1と定義する。本明細書において、近接距離とは、近接区間における2つの導体層の距離の平均値である。導体層18aは、第1高周波信号を伝送する信号線である。導体層18bは、第2高周波信号を伝送する信号線である。そのため、導体層18a(第1導体層)と導体層18b(第2導体層)とは電気的に接続されていない。本明細書において、高周波信号とは、例えば、数GHz以上の周波数を有する信号である。
【0018】
導体層18c及び導体層18dは、絶縁体層16bの下主面に設けられている。導体層18a~18dは、同じ絶縁体層16bに設けられている導体層18c(第1導体層)及び導体層18d(第2導体層)の組P2を含んでいる。導体層18c及び導体層18dは、上下方向に見て、左右方向に延びる線形状を有している。導体層18c(第1導体層)及び導体層18d(第2導体層)の組P2は、導体層18c(第1導体層)及び導体層18d(第2導体層)が前後方向(第1導体層の延伸方向と直交する直交方向)に並ぶ第1近接区間A2を有している。本実施形態では、導体層18dは、導体層18cの前に位置している。以下では、第1近接区間A2における導体層18c(第1導体層)と導体層18d(第2導体層)との距離を近接距離D2と定義する。導体層18cは、第3高周波信号を伝送する信号線である。導体層18dは、第4高周波信号を伝送する信号線である。導体層18c(第1導体層)と導体層18d(第2導体層)とは電気的に接続されていない。
【0019】
近接距離D1は、近接距離D2より小さい。そこで、近接距離が最も小さくなる導体層18a(第1導体層)及び導体層18b(第2導体層)の組P1を最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの組P11と定義する。最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの組P11は、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bが前後方向(直交方向)に並ぶ最近接区間A11を有している。また、最近接区間A11(第1近接区間A1)における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの近接距離D1を第1最近接導体間距離D11と定義する。
【0020】
また、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bが設けられている絶縁体層16aを第1絶縁体層116aと定義する。最近接第1導体層118a(第1導体層)及び最近接第2導体層118b(第2導体層)は、第1絶縁体層116aの上主面に設けられている。このように、絶縁体層16a,16bは、第1絶縁体層116aを含んでいる。
【0021】
次に、回路基板10の断面構造について図2を参照しながら説明する。図2は、図1のA-Aにおける回路基板10の断面図である。最近接第1導体層118aは、前後方向(直交方向)に並ぶ第1側面S1及び第2側面S2を有している。第1側面S1は、最近接第1導体層118aの前面である。第2側面S2は、最近接第1導体層118aの後面である。最近接第2導体層118bは、前後方向(直交方向)に並ぶ第3側面S3及び第4側面S4を有している。第3側面S3は、最近接第2導体層118bの後面である。第4側面S4は、最近接第2導体層118bの前面である。従って、第1側面S1と第3側面S3とは向かい合っている。
【0022】
第1側面S1と第1絶縁体層116aの上主面とが形成する第1鋭角θ1は、第2側面S2と第1絶縁体層116aの上主面とが形成する第2鋭角θ2より大きい。また、第3側面S3と第1絶縁体層116aの上主面とが形成する第3鋭角θ3は、第4側面S4と第1絶縁体層116aの上主面とが形成する第4鋭角θ4より大きい。
【0023】
導体層18cは、前後方向(直交方向)に並ぶ第5側面S5及び第6側面S6を有している。第5側面S5は、導体層18cの前面である。第6側面S6は、導体層18cの後面である。導体層18dは、前後方向(直交方向)に並ぶ第7側面S7及び第8側面S8を有している。第7側面S7は、導体層18dの後面である。第8側面S8は、導体層18dの前面である。従って、第側面Sと第側面Sとは向かい合っている。
【0024】
第5側面S5と絶縁体層16bの下主面とが形成する第5鋭角θ5は、第6側面S6と絶縁体層16bの下主面とが形成する第6鋭角θ6と等しい。また、第7側面S7と絶縁体層16bの下主面とが形成する第7鋭角θ7は、第8側面S8と絶縁体層16bの下主面とが形成する第8鋭角θ8と等しい。
【0025】
また、図2に示すように、上下方向に見て、導体層18a(第1導体層)と導体層18b(第2導体層)との間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。より詳細には、上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて最近接区間A11(第1近接区間A1)における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。第1溝H1は、上下方向に見て、最近接区間A11の全長にわたって最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bに沿って延びている。従って、第1溝H1は、上下方向に見て、左右方向に延びる溝である。
【0026】
第1溝H1は、左右方向に見て、第1溝H1の底面から上方向に離れるにしたがって、前後方向の幅が大きくなるテーパ形状を有している。ただし、第1溝H1は、例えば、基板本体12の熱圧着時に第1絶縁体層116aが上下方向に波打つことにより形成される窪みとは異なる。そこで、第1溝H1は、以下に説明する構造を有する。
【0027】
上下方向に見て、第1溝H1の外縁は、最近接第1導体層118aの外縁の一部分である第1重複部分O1、及び、最近接第2導体層118bの外縁の一部分である第2重複部分O2と重なっている。第1溝H1の外縁は、上下方向に見て、第1溝H1の後辺及び前辺である。第1溝H1の外縁は、第1溝H1の内周面s0の一部分である。第1重複部分O1は、上下方向に見て、最近接第1導体層118aの前辺である。第2重複部分O2は、上下方向に見て、最近接第2導体層118bの後辺である。第1溝H1の内周面s0は、第1重複部分O1及び第2重複部分O2より下に位置している。内周面s0は、内周面s1,s2を含んでいる。内周面s1は、第1溝H1の内周面s0の後部である。内周面s2は、第1溝H1の内周面s0の前部である。第1溝H1の内周面s1の傾きは、第1重複部分O1において、第1絶縁体層116aにおける最近接第1導体層118aが接している面s11の傾きに対して不連続に下方向に変化している。そのため、内周面s1は、第1重複部分O1において折れ曲がっている。そして、第1溝H1の内周面s1は、第1重複部分O1から下方向に延びている。また、第1溝H1の内周面s2の傾きは、第2重複部分O2において、第1絶縁体層116aにおける最近接第2導体層118bが接している面s12の傾きに対して不連続に下方向に変化している。そのため、内周面s2は、第2重複部分O2において折れ曲がっている。そして、第1溝H1の内周面s2は、第2重複部分O2から下方向に延びている。なお、面の傾きとは、上下方向に対してなす角度である。
【0028】
ここで、本明細書における不連続の判定について説明する。まず、100倍の倍率で図2の断面を観察する。このとき、第1絶縁体層116aにおける最近接第1導体層118aが接している面s11を延長した面と、内周面s1を延長した面とが形成する角度を測定する。そして、この角度が30度以下であれば、面s11の傾きと内周面s1の傾きとが連続に変化している。この角度が30度より大きければ、面s11の傾きと内周面s1の傾きとが不連続に変化している。
【0029】
また、第1溝H1の内周面s1の表面粗さは、第1絶縁体層116aにおける最近接第1導体層118a(導体層18a)が接している面s11の表面粗さと異なっている。同様に、第1溝H1の内周面s2の表面粗さは、第1絶縁体層116aにおける最近接第2導体層118b(導体層18b)が接している面s12の表面粗さと異なっている。表面粗さの測定は、JIS B 0601:1994に記載の通りである。そして、表面粗さは、最大高さRyである。基準長さの下限は、10μmである。本明細書において、第1面の表面粗さが第2面の表面粗さと異なるとは以下の通りである。第1面の最大表面粗さをRy1とする。第2面の最大表面粗さRy2とする。Ry1<Ry2である。このとき、Ry1×0.1≦Ry2―Ry1が成立していれば、第1面の表面粗さが第2面の表面粗さと異なる。
【0030】
第1溝H1の前後方向(直交方向)の幅の最大値D100は、第1最近接導体間距離D11以上である。第1溝H1の前後方向(直交方向)の幅は、第1溝H1の上端において最大値D100を取る。本実施形態では、第1溝H1の前後方向の幅の最大値D100は、第1最近接導体間距離D11と等しい。従って、第1側面S1と第1溝H1の内周面とは連続して繋がっている。第3側面S3と第1溝H1の内周面s0とは連続して繋がっている。すなわち、第1側面S1と第1溝H1の内周面s0との間には第1絶縁体層116aの上主面が存在しない。第3側面S3と第1溝H1の内周面s0との間には第1絶縁体層116aの上主面が存在しない。
【0031】
第1溝H1の下端は、第1絶縁体層116aの下主面より上に位置している。従って、第1溝H1の深さは、第1絶縁体層116aの厚さよりも小さい。
【0032】
ところで、保護層20aは、基板本体12の上主面を覆っている。本実施形態では、保護層20aは、第1絶縁体層116aの上主面を覆っている。保護層20aは、例えば、レジスト層又はカバーレイ層である。保護層20aの誘電率は、第1絶縁体層116aの誘電率より低い。これにより、第1溝H1には、第1絶縁体層116aより低い誘電率を有する絶縁材料が充填されている。
【0033】
保護層20bは、基板本体12の下主面を覆っている。本実施形態では、保護層20bは、絶縁体層16bの下主面を覆っている。保護層20bは、例えば、レジスト層又はカバーレイ層である。
【0034】
以上のような導体層18a~18dは、絶縁体層16aの上主面又は絶縁体層16bの下主面に貼り付けられた金属箔にパターニングが施されることにより形成されている。金属箔は、例えば、銅箔である。パターニングは、フォトリソグラフィ工程とレーザービーム照射工程との組み合わせである。具体的には、第2側面S2、第4側面S4、第5側面S5、第6側面S6、第7側面S7及び第8側面S8は、フォトリソグラフィ工程により形成される。第1側面S1及び第3側面S3は、レーザービーム照射工程により形成される。レーザービームの照射により、第1絶縁体層116a(絶縁体層16a)の上主面には、第1溝H1が形成されている。更に、レーザービームの照射により、第1鋭角θ1及び第3鋭角θ3は、第2鋭角θ2、第4鋭角θ4、第5鋭角θ5、第6鋭角θ6、第7鋭角θ7及び第8鋭角θ8より大きい。
【0035】
[効果]
回路基板10によれば、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)とを精度よく形成できる。より詳細には、上下方向に見て、導体層18aと導体層18bとの間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。すなわち、上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて最近接区間A11(第1近接区間A1)における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。よって、回路基板10では、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとを分離するために、レーザービーム照射工程が行われている。これにより、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとを近接させた状態で、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとを分離することが可能となる。以上より、回路基板10によれば、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)とを精度よく形成できる。
【0036】
なお、第1溝H1がレーザービーム照射により形成されていることは、例えば、第1溝H1の内周面s0の表面粗さが、第1絶縁体層116aにおける最近接第1導体層118aが接している面s11の表面粗さと異なっていることにより確認することができる。
【0037】
回路基板10によれば、導体層18a~18dの形成を短い時間で行うことができる。例えば、導体層18a~18dの形成において、フォトリソグラフィ工程を行わずに、レーザービーム照射工程を行うことが考えられる。しかしながら、この場合、導体層18a~18dの全ての側面をレーザービームの照射により形成する必要がある。そのため、導体層18a~18dの形成に必要な時間が長くなる。そこで、回路基板10では、第1鋭角θ1及び第3鋭角θ3は、第2鋭角θ2、第4鋭角θ4、第5鋭角θ5、第6鋭角θ6、第7鋭角θ7及び第8鋭角θ8より大きい。すなわち、第2側面S2、第4側面S4、第5側面S5、第6側面S6、第7側面S7及び第8側面S8をフォトリソグラフィ工程により形成している。第1側面S1及び第3側面S3をレーザービーム照射工程により形成している。フォトリソグラフィ工程では、第2側面S2、第4側面S4、第5側面S5、第6側面S6、第7側面S7及び第8側面S8を短時間で同時に形成できる。従って、レーザービーム照射工程とフォトリソグラフィ工程とを組み合わせることにより、導体層18a~18dの形成を短い時間で行うことができる。
【0038】
回路基板10によれば、絶縁体層16a,16bの強度の低下が抑制される。より詳細には、例えば、導体層18a~18dの形成において、フォトリソグラフィ工程を行わずに、レーザービーム照射工程を行うことが考えられる。しかしながら、この場合、導体層18a~18dの全ての側面をレーザービームの照射により形成する必要がある。そのため、絶縁体層16aの上主面及び絶縁体層16bの下主面の導体層18a~18dの近傍に溝が形成される。このような溝が形成されると絶縁体層16a,16bの強度の低下につながる。そこで、回路基板10では、第1鋭角θ1及び第3鋭角θ3は、第2鋭角θ2、第4鋭角θ4、第5鋭角θ5、第6鋭角θ6、第7鋭角θ7及び第8鋭角θ8より大きい。すなわち、第2側面S2、第4側面S4、第5側面S5、第6側面S6、第7側面S7及び第8側面S8をフォトリソグラフィ工程により形成している。第1側面S1及び第3側面S3をレーザービーム照射工程により形成している。フォトリソグラフィ工程では、絶縁体層16aの上主面及び絶縁体層16bの下主面に溝が形成されない。従って、レーザービーム照射工程とフォトリソグラフィ工程とを組み合わせることにより、絶縁体層16a,16bの強度の低下が抑制される。
【0039】
図3は、比較例の回路基板300の断面図である。回路基板300は、第1鋭角θ1及び第3鋭角θ3は、第2鋭角θ2、第4鋭角θ4、第5鋭角θ5、第6鋭角θ6、第7鋭角θ7及び第8鋭角θ8と等しい点、及び、第1溝H1が設けられていない点において、回路基板10と相違する。回路基板10における第1鋭角θ1及び第3鋭角θ3は、回路基板300における第1鋭角θ1及び第3鋭角θ3より大きい。そのため、回路基板10では、導体層18aと導体層18bとの間隔をより狭くすることができる。また、第1溝H1が空洞になっている場合や、第1溝H1が低誘電率材で満たされている場合には、導体層18aと導体層18bとの間隔が狭くしたことによる容量値の上昇を抑制することができる。
【0040】
回路基板10では、第1溝H1には、第1絶縁体層116aより低い誘電率を有する絶縁材料が充填されている。これにより、導体層18aと導体層18bとの間に形成される容量を低減できる。
【0041】
(第1変形例)
[回路基板10aの構造]
以下に、第1変形例に係る回路基板10aの構造について説明する。図4は、回路基板10aの上面図である。図5は、回路基板10aのB-Bにおける断面図である。また、図4では、保護層20aを省略した。
【0042】
回路基板10aは、以下の点において、回路基板10と相違する。
【0043】
・回路基板10aが絶縁体層16b、導体層18c,18d及び保護層20bを備えていない。
・保護層20aが導体層18a,18bの全体を覆っていない。
【0044】
より詳細には、基板本体12は、1つの絶縁体層16aを含んでいる。基板本体12は、例えば、液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂の積層基板である。また、基板本体12は、ガラスクロスをエポキシ樹脂で固めたガラスエポキシ樹脂の積層基板であってもよい。また、複数の導体層18a,18bは、同じ絶縁体層16aの上主面に設けられている導体層18a(第1導体層)及び導体層18b(第2導体層)の組P1を含んでいる。回路基板10aには、同じ絶縁体層に設けられている第1導体層及び第2導体層の組が1組しか存在しない。従って、近接距離が最も小さくなる第1導体層及び第2導体層の組は、導体層18a(第1導体層)及び導体層18b(第2導体層)の組P1である。そこで、導体層18a(第1導体層)及び導体層18b(第2導体層)の組P1を最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの組P11と定義する。
【0045】
最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bは、絶縁体層16aの上主面に設けられている。そこで、絶縁体層16aを第1絶縁体層116aと定義する。上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて第1近接区間A1における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとは物理的に接続されていない。
【0046】
また、保護層20aは、第1絶縁体層116aの上主面に設けられている。保護層20aは、第2側面S2及び第4側面S4を覆い、かつ、第1側面S1及び第3側面S3を覆っていない。これにより、第1溝H1には、絶縁材料が充填されていない。すなわち、第1溝H1内は空隙である。回路基板10aのその他の構造は、回路基板10と同じであるので説明を省略する。
【0047】
[回路基板10aの製造方法]
次に、回路基板10aの製造方法について図面を参照しながら説明する。図6図8及び図10は、回路基板10aの製造時の上面図である。図7図9及び図11は、回路基板10aの製造時の断面図である。なお、回路基板10aの実際の製造方法では、大判の第1絶縁体層116aをカットすることにより複数の回路基板10aを同時にして作製する。ただし、以下では、1個の回路基板10aの製造方法について説明する。
【0048】
図6及び図7に示すように、上下方向に並ぶ上主面及び下主面を有する第1絶縁体層116aの上主面に金属箔117が設けられた金属箔付き絶縁体層を準備する(準備工程)。金属箔117は、例えば、銅箔である。金属箔117は、第1絶縁体層116aの上主面の全面を覆っている。
【0049】
準備工程後に、図8及び図9に示すように、金属箔117に対してフォトリソグラフィ工程を行うことにより、導体層119を形成する(パターン形成工程)。パターン形成工程では、第2側面S2及び第4側面S4に沿った外形を有するマスクを金属箔117に形成する。そして、マスクを介して金属箔117にエッチングを施す。エッチング液は、例えば、塩化鉄水溶液である。これにより、第2側面S2及び第4側面S4が形成される。ただし、パターン形成工程では、第1側面S1及び第3側面S3は形成されない。従って、導体層119は、導体層18aと導体層18bとが一つに繋がった形状を有している。
【0050】
パターン形成工程後に、図10及び図11に示すように、導体層119に対してレーザービームを上下方向に見て線状に照射することにより、レーザービームの照射領域を挟む導体層18a(第1導体層)と導体層18b(第2導体層)とに導体層119を分離する(ビーム照射工程)。レーザービームは、例えば、UVレーザービームである。ビーム照射工程では、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が形成される。第1溝H1の下端は、第1絶縁体層116aの下主面に到達していない。第1溝H1の下端は、第1絶縁体層116aの下主面より上に位置している。
【0051】
ビーム照射工程後に、図4及び図5に示すように、保護層20aを第1絶縁体層116aの上主面に形成する。以上の工程を経て、回路基板10aが完成する。
【0052】
[効果]
回路基板10aによれば、回路基板10と同じ理由により、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)とを精度よく形成できる。回路基板10aによれば、回路基板10と同じ理由により、導体層18a,18bの形成を短い時間で行うことができる。回路基板10aによれば、回路基板10と同じ理由により、絶縁体層16aの強度の低下が抑制される。回路基板10aによれば、回路基板10と同じ理由により、導体層18aと導体層18bとの間に形成される容量を低減できる。
【0053】
また、回路基板10aでは、保護層20aは、第2側面S2及び第4側面S4を覆い、かつ、第1側面S1及び第3側面S3を覆っていない。これにより、第1溝H1には、絶縁材料が充填されていない。第1溝H1内は空隙である。従って、第1溝H1内の誘電率の上昇が抑制される。これにより、導体層18aと導体層18bとの間に形成される容量を低減できる。
【0054】
回路基板10aの製造方法によれば、ビーム照射工程では、第1絶縁体層116aに第1溝H1が形成される。第1溝H1の下端は、第1絶縁体層116aの下主面に到達していない。これにより、導体層18aと導体層18bとの位置関係にずれが生じることが抑制される。
【0055】
(第2変形例)
以下に、第2変形例に係る回路基板10bの構造について説明する。図12は、回路基板10bの上面図である。図13は、回路基板10bのB-Bにおける断面図である。図12では、保護層20aを省略した。
【0056】
回路基板10bは、コプレナー構造を有している点において回路基板10aと相違する。より詳細には、回路基板10bは、最近接第3導体層118c(導体層18c)を更に備えている。最近接第3導体層118cは、第1絶縁体層116aの上主面に設けられている。最近接第3導体層118cは、左右方向に延びる線形状を有している。
【0057】
最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの組P11は、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bが前後方向(直交方向)に並ぶ最近接区間A11を有している。最近接第1導体層118aは、最近接区間A11において、前後方向(直交方向)において最近接第2導体層118bと最近接第3導体層118cとの間に設けられている。すなわち、最近接第2導体層118bは、最近接第1導体層118aの前に位置している。最近接第3導体層118cは、最近接第1導体層118aの後に位置している。
【0058】
最近接第2導体層118b及び最近接第3導体層118cは、グランド電位に接続される。すなわち、最近接第2導体層118b及び最近接第3導体層118cは、グランド導体層である。
【0059】
上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて最近接区間A11における最近接第1導体層118aと最近接第3導体層118cとの間に位置する領域には、第1絶縁体層116aの上主面に第2溝H2が設けられている。第2溝H2の形状は、第1溝H1の形状と同じであるので説明を省略する。
【0060】
また、保護層20aは、第1絶縁体層116aの上主面に設けられている。保護層20aは、第4側面S4及び第6側面S6を覆い、かつ、第1側面S1、第2側面S2、第3側面S3及び第5側面S5を覆っていない。これにより、第1溝H1及び第2溝H2には、絶縁材料が充填されていない。すなわち、第1溝H1内及び第2溝H2内は空隙である。回路基板10bのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0061】
回路基板10bによれば、回路基板10aと同じ理由により、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)と最近接第3導体層118c(導体層18c)とを精度よく形成できる。回路基板10bによれば、回路基板10aと同じ理由により、最近接第1導体層118a、最近接第2導体層118b及び最近接第3導体層118cの形成を短い時間で行うことができる。回路基板10bによれば、回路基板10aと同じ理由により、絶縁体層16aの強度の低下が抑制される。回路基板10bによれば、回路基板10aと同じ理由により、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間及び最近接第1導体層118aと最近接第3導体層118cとの間に形成される容量を低減できる。
【0062】
(第3変形例)
以下に、第3変形例に係る回路基板10cの構造について説明する。図14は、回路基板10cの上面図である。図15は、回路基板10cのE-Eにおける断面図である。図14では、保護層20aを省略した。
【0063】
回路基板10cは、導体層18a~18dがコイルCを形成する点において、回路基板10aと相違する。より詳細には、回路基板10cは、導体層18a~18dを備えている。導体層18a~18dは、第1絶縁体層116aの上主面に設けられている。導体層18a~18dは、前後方向に延びる線形状を有している。導体層18d、導体層18b、導体層18a及び導体層18cは、左から右へとこの順に一列に並んでいる。導体層18a~18dは電気的に接続されている。具体的には、導体層18d、導体層18b、導体層18a及び導体層18cは、この順に電気的に直列接続されることにより、上下方向に見て、スパイラル形状を有するコイルCを形成している。
【0064】
ここで、導体層18aは、最近接第1導体層118aである。導体層18bは、最近接第2導体層118bである。導体層18cは、最近接第3導体層118cである。導体層18dは、最近接第4導体層118dである。そして、上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて第1近接区間A1における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて第1近接区間A2における最近接第1導体層118aと最近接第3導体層118cとの間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて第1近接区間A3における最近接第2導体層118bと最近接第4導体層118dとの間に位置する領域の少なくとも一部には、第1絶縁体層116aの上主面に第1溝H1が設けられている。更に、3本の前後方向に延びる第1溝H1は、左右方向に延びる2本の第1溝H1により接続されている。これにより、第1溝H1は、上下方向に見て、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bと最近接第3導体層118cと最近接第4導体層118dに沿ってスパイラル形状を有している。このように、回路基板10cでは、スパイラル形状の第1溝H1が長方形状の導体層に形成されることにより、スパイラル形状のコイルCが形成されている。回路基板10cのその他の構造は、回路基板10aと同じであるので説明を省略する。
【0065】
回路基板10cによれば、回路基板10aと同じ理由により、互いに近接する最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bと最近接第3導体層118cと最近接第4導体層118dとを精度よく形成できる。回路基板10cによれば、回路基板10aと同じ理由により、最近接第1導体層118a、最近接第2導体層118b、最近接第3導体層118c及び最近接第4導体層118dの形成を短い時間で行うことができる。回路基板10cによれば、回路基板10aと同じ理由により、絶縁体層16aの強度の低下が抑制される。回路基板10cによれば、回路基板10aと同じ理由により、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間、最近接第1導体層118aと最近接第3導体層118cとの間及び最近接第2導体層118bと最近接第4導体層118dとの間に形成される容量を低減できる。更に、回路基板10cによれば、多いターン数を有するコイルCを小さなスペースに形成することができる。これにより、高いQ値を有するコイルCを得ることができる。
【0066】
(第4変形例)
以下に、第4変形例に係る回路基板10dの構造について説明する。図16は、回路基板10dの分解斜視図である。図17は、回路基板10dのC-Cにおける断面図である。
【0067】
回路基板10dは、マイクロストリップライン構造を有している点において、回路基板10と相違する。より詳細には、回路基板10dは、導体層18c,18dの代わりにグランド導体層50を備えている。グランド導体層50は、絶縁体層16bの下主面の略全面を覆っている。これにより、上下方向に見て、導体層18a,18bは、グランド導体層50と重なっている。すなわち、導体層18a,18b及びグランド導体層50は、マイクロストリップライン構造を形成している。
【0068】
また、導体層18aは、最近接第1導体層118aである。導体層18bは、最近接第2導体層118bである。最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの組P11は、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bが前後方向(直交方向)に並ぶ最近接区間A11及び第2近接区間A20を有している。第2近接区間A20は、最近接区間A11の左に位置している。第2近接区間A20における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの距離D200は、第1最近接導体間距離D11より大きい。
【0069】
上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて第2近接区間A20における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に位置する領域には、第1絶縁体層116aの上主面に溝が設けられていない。
【0070】
また、回路基板10dは、導体層30a,30bを備えている。導体層30a,30bは、第1絶縁体層116aの上主面に設けられている。より詳細には、導体層30aは、最近接区間A11において最近接第1導体層118aの後に位置している。導体層30bは、最近接区間A11において最近接第2導体層118bの前に位置している。
【0071】
また、回路基板10dは、第1外部電極60a及び第2外部電極60bを更に備えている。第1外部電極60a及び第2外部電極60bは、基板本体12に設けられている。本変形例では、第1外部電極60a及び第2外部電極60bは、第1絶縁体層116aの上主面に設けられている。第1外部電極60aは、最近接第1導体層118aに電気的に接続されている。第1外部電極60aは、最近接第1導体層118aの左端に接続されている。第2外部電極60bは、最近接第2導体層118bに電気的に接続されている。第2外部電極60bは、最近接第2導体層118bの左端に接続されている。
【0072】
保護層20aには、開口h1,h2が設けられている。第1外部電極60a及び第2外部電極60bはそれぞれ、開口h1,h2から回路基板10dの外部に露出している。これにより、コネクタや電子部品を第1外部電極60a及び第2外部電極60bに実装することができる。回路基板10dのその他の構造は、回路基板10と同じであるので説明を省略する。
【0073】
回路基板10dによれば、回路基板10と同じ理由により、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)とを精度よく形成できる。回路基板10dによれば、回路基板10と同じ理由により、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの形成を短い時間で行うことができる。回路基板10dによれば、回路基板10と同じ理由により、絶縁体層16aの強度の低下が抑制される。回路基板10dによれば、回路基板10と同じ理由により、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に形成される容量を低減できる。
【0074】
回路基板10dのように、導体層30a,30bが存在すると、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの距離を小さくする必要がある。回路基板10dでは、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの距離を小さくしても、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に形成される容量を低減できる。更に、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの距離を小さくしても、第1溝H1により最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとが電界結合することが抑制される。その結果、回路基板10dの特性インピーダンスが所望の特性インピーダンス(例えば、50Ω)から変化しにくい。なお、上下方向に見て、第1絶縁体層116aにおいて第2近接区間A20における最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に位置する領域には、第1絶縁体層116aの上主面に溝が設けられていてもよい。なお、導体層30a,30bの代わりに電子部品が設けられていてもよい。
【0075】
(第5変形例)
以下に、第5変形例に係る回路基板10eの構造について説明する。図18は、回路基板10eの断面図である。
【0076】
回路基板10eは、接着層90を更に備えている点において、回路基板10dと相違する。最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bは、接着層90を介して第1絶縁体層116aの上主面に固定されている。第1溝H1は、接着層90を上下方向に貫通している。接着層90の誘電率は、第1絶縁体層116aの誘電率より低い。これにより、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に形成される容量を低減できる。
【0077】
また、接着層90の上に最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bが設けられ、接着層90の下に第1絶縁体層116aが設けられている。第1絶縁体層116aの誘電率は、接着層90の誘電率より高い。これにより、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bが発生した電界が回路基板10eの周囲に広がることが抑制される。回路基板10eのその他の構造は、回路基板10dと同じであるので説明を省略する。
【0078】
回路基板10eの製造方法では、ビーム照射工程において、第1絶縁体層116a及び接着層90に第1溝H1が形成される。第1溝H1の下端は、第1絶縁体層116aの下主面に到達していない。ビーム照射工程後に、第1絶縁体層116aに絶縁体層16bが積層される。これにより、導体層18aと導体層18bとの位置関係にずれが生じることが抑制される。
【0079】
回路基板10eによれば、回路基板10dと同じ理由により、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)とを精度よく形成できる。回路基板10eによれば、回路基板10dと同じ理由により、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの形成を短い時間で行うことができる。回路基板10eによれば、回路基板10dと同じ理由により、絶縁体層16aの強度の低下が抑制される。回路基板10eによれば、回路基板10dと同じ理由により、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に形成される容量を低減できる。
【0080】
(第6変形例)
以下に、第6変形例に係る回路基板10fの構造について説明する。図19は、回路基板10fの分解斜視図である。図20は、回路基板10fのC-Cにおける断面図である。
【0081】
回路基板10fは、ストリップライン構造を有している点において、回路基板10と相違する。基板本体12は、第2絶縁体層116bを更に含んでいる。第2絶縁体層116bは、第1絶縁体層116aの上に位置している。第2絶縁体層116bは、第1絶縁体層116aの上に積層されている。第1絶縁体層116aの材料は、第2絶縁体層116bの材料と同じである。第2絶縁体層116bの一部は、第1絶縁体層116aに形成されている第1溝H1内に位置している。ただし、第1溝H1は、レーザービーム照射工程により形成される。従って、第1溝H1の内周面の分子構造は、加熱により僅かに変化している。従って、SEM等の電子顕微鏡により第1溝H1の内周面を確認することが可能である。
【0082】
回路基板10fは、グランド導体層52及び複数のビアホール導体v1,v2を更に備えている。グランド導体層52は、第2絶縁体層116bの上主面の略全面を覆っている。これにより、グランド導体層52は、上下方向に見て、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bと重なっている。
【0083】
グランド導体層50は、第1絶縁体層116aの下主面の略全面を覆っている。これにより、グランド導体層50は、上下方向に見て、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bと重なっている。よって、最近接第1導体層118a、最近接第2導体層118b及びグランド導体層50,52は、ストリップライン構造を形成している。
【0084】
複数のビアホール導体v1,v2は、グランド導体層50とグランド導体層52とを電気的に接続している。複数のビアホール導体v1,v2は、第1絶縁体層116a及び第2絶縁体層116bを上下方向に貫通している。複数のビアホール導体v1は、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの後において左右方向に一列に並んでいる。複数のビアホール導体v2は、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの前において左右方向に一列に並んでいる。
【0085】
第1外部電極60a及び第2外部電極60bは、第絶縁体層116の上主面に設けられている。第1外部電極60aは、上下方向に見て、最近接第1導体層118aの左端部と重なっている。第2外部電極60bは、上下方向に見て、最近接第2導体層118bの左端部と重なっている。
【0086】
回路基板10fは、ビアホール導体v3,v4を更に備えている。ビアホール導体v3は、第1外部電極60aと最近接第1導体層118aの左端部とを電気的に接続している。ビアホール導体v4は、第2外部電極60bと最近接第2導体層118bの左端部とを電気的に接続している。ビアホール導体v3,v4は、第2絶縁体層116bを上下方向に貫通している。
【0087】
保護層20aには、開口h1~h4が設けられている。第1外部電極60a及び第2外部電極60bはそれぞれ、開口h1,h2から回路基板10fの外部に露出している。また、グランド導体層52の一部は、開口h3,h4から回路基板10fの外部に露出している。これにより、コネクタや電子部品を第1外部電極60a、第2外部電極60b及びグランド導体層52に実装することができる。回路基板10fのその他の構造は、回路基板10dと同じであるので説明を省略する。
【0088】
回路基板10fによれば、回路基板10dと同じ理由により、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)とを精度よく形成できる。回路基板10fによれば、回路基板10dと同じ理由により、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの形成を短い時間で行うことができる。回路基板10fによれば、回路基板10dと同じ理由により、絶縁体層16aの強度の低下が抑制される。回路基板10fによれば、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に形成される容量を低減できる。
【0089】
(第7変形例)
以下に、第7変形例に係る回路基板10gの構造について説明する。図21は、回路基板10gの断面図である。
【0090】
回路基板10gは、第2接着層92を更に備えている点において、回路基板10fと相違する。第2絶縁体層116bは、第2接着層92を介して第1絶縁体層116aに固定されている。第2接着層92の誘電率は、第1絶縁体層116aの誘電率より低い。第2接着層92の一部は、第1溝H1内に位置している。ただし、第2接着層92の一部は、第1溝H1内に位置していなくてもよい。回路基板10gのその他の構造は、回路基板10fと同じであるので説明を省略する。なお、第1溝H1は、第2接着層92により完全に満たされていなくてもよい。
【0091】
回路基板10gによれば、回路基板10fと同じ理由により、互いに近接する最近接第1導体層118a(導体層18a)と最近接第2導体層118b(導体層18b)とを精度よく形成できる。回路基板10gによれば、回路基板10fと同じ理由により、最近接第1導体層118a及び最近接第2導体層118bの形成を短い時間で行うことができる。回路基板10gによれば、回路基板10fと同じ理由により、絶縁体層16aの強度の低下が抑制される。回路基板10gによれば、回路基板10fと同じ理由により、最近接第1導体層118aと最近接第2導体層118bとの間に形成される容量を低減できる。
【0092】
(その他の実施形態)
本発明に係る回路基板は、回路基板10,10a~10gに限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。また、回路基板10,10a~10gの構造を任意に組み合わせてもよい。
【0093】
回路基板10,10a~10gにおいて、最近接第2導体層118bは、信号線でなくてもよい。最近接第2導体層118bは、例えば、グランド導体層や電源線等であってもよい。
【0094】
回路基板10,10a~10gにおいて、保護層20a,20bは、必須ではない。
【0095】
回路基板10,10a~10gにおいて、第1溝H1の前後方向(直交方向)の幅の最大値D100は、第1最近接導体間距離D11より短くてもよい。この場合、第1側面S1と第1溝H1の内周面との間には第1絶縁体層116aの上主面が存在する。第3側面S3と第1溝H1の内周面との間には第1絶縁体層116aの上主面が存在する。
【0096】
回路基板10,10a~10gにおいて、レーザービーム照射工程により第1溝H1が形成される際に、第1溝H1の内周面が大きく消失する場合がある。この場合、第1溝H1は、最近接第1導体層118aの下及び最近接第2導体層118bの下にも位置していてもよい。
【0097】
回路基板10,10d~10fにおいて、第1溝H1の下端は、第1絶縁体層116aの下主面よりに位置していてもよい。この場合、第1絶縁体層116aと絶縁体層16bの積層後に、レーザービーム照射工程を行う。
【0098】
なお、第1溝H1は、第1絶縁体層116aの下端に到達していてもよい。
【0099】
なお、第1溝H1の内周面s0の表面粗さは、第1絶縁体層116aにおける最近接第1導体層118aが接している面s11の表面粗さより大きくてもよいし、小さくてもよい。
【符号の説明】
【0100】
10,10a~10g:回路基板
12:基板本体
16a,16b:絶縁体層
18a~18d,30a,30b:導体層
20a,20b:保護層
50,52:グランド導体層
60a:第1外部電極
60b:第2外部電極
90:接着層
92:第2接着層
116a:第1絶縁体層
116b:第2絶縁体層
117:金属箔
118a:最近接第1導体層
118b:最近接第2導体層
118c:最近接第3導体層
118d:最近接第4導体層
119:導体層
300:回路基板
A1~A3:第1近接区間
A11:最近接区間
A20:第2近接区間
C:コイル
H1:第1溝
H2:第2溝
P1,P2,P11:組
S1:第1側面
S2:第2側面
S3:第3側面
S4:第4側面
S5:第5側面
S6:第6側面
S7:第7側面
S8:第8側面
h1~h4:開口
v1~v4:ビアホール導体
θ1:第1鋭角
θ2:第2鋭角
θ3:第3鋭角
θ4:第4鋭角
θ5:第5鋭角
θ6:第6鋭角
θ7:第7鋭角
θ8:第8鋭角
図1
図2
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