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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】個人認証装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20241022BHJP
   A61B 5/117 20160101ALI20241022BHJP
【FI】
G06F21/32
A61B5/117 200
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023009260
(22)【出願日】2023-01-25
(62)【分割の表示】P 2021101129の分割
【原出願日】2017-09-11
(65)【公開番号】P2023052612
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】P 2016181897
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】越仲 孝文
(72)【発明者】
【氏名】西光 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】荒川 隆行
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0314530(US,A1)
【文献】特開2008-033144(JP,A)
【文献】特開2010-086328(JP,A)
【文献】特開2005-032056(JP,A)
【文献】特開2007-114992(JP,A)
【文献】米国特許第09277334(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
A61B 5/117
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンから音声を送出するための第1の音声信号を前記イヤホンに出力する出力手段と、
ユーザの耳内で前記音声が反響する反響音に基づく第2の音声信号を前記イヤホンから受信する受信手段と、
前記第2の音声信号に基づき前記ユーザに関する第1の特徴量を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出する第1の特徴量と、記憶手段に登録された第2の特徴量とを照合する照合手段とを備え、
前記照合手段の照合結果に基づいて、前記出力手段は所定時間が経過するのを待ち前記第1の音声信号を出力し、
前記照合結果に基づいて、前記イヤホンの状態を変化させる制御手段をさらに備えた個人認証装置であって、
前記照合結果が一致した場合、前記ユーザを前記個人認証装置の使用を許可されたユーザとして識別し、
前記使用の許可は、前記ユーザにサービスの使用を許可することであり、
前記サービスは、前記イヤホンを用いる音声ガイダンスサービス、または、映画または音楽の鑑賞サービスであり、
前記制御手段は、前記サービスが時間外である場合は、前記イヤホンの状態を変化させる、
個人認証装置。
【請求項2】
前記照合結果に基づいて、前記イヤホンに搭載されたランプの色を制御する、請求項に記載の個人認証装置。
【請求項3】
前記サービスは前記個人認証装置によって提供される、請求項に記載の個人認証装置。
【請求項4】
前記照合結果が一致した場合、前記ユーザを前記個人認証装置及び前記イヤホンの使用を許可されたユーザとして識別する、請求項1に記載の個人認証装置。
【請求項5】
前記反響音に基づく前記第1の特徴量はインパルス応答を含んでいる、請求項1からのいずれか1項に記載の個人認証装置。
【請求項6】
前記音声を送出するための第4の音声信号を出力し、前記ユーザの耳内で音声が反響する反響音に基づく第5の音声信号を受信し、前記第5の音声信号に基づく前記第2の特徴量を前記記憶手段に登録する、請求項1からのいずれか1項に記載の個人認証装置。
【請求項7】
イヤホンから音声を送出するための第1の音声信号を前記イヤホンに出力する出力手段と、
ユーザの耳内で前記音声が反響する反響音に基づく第2の音声信号を前記イヤホンから受信する受信手段と、
前記第2の音声信号に基づき前記ユーザに関する第1の特徴量を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出する第1の特徴量と、記憶手段に登録された第2の特徴量とを照合する照合手段と、
前記照合手段の照合結果に基づき前記イヤホンの許可ユーザとして前記ユーザを識別する識別手段と、
前記識別手段の識別結果に基づいて、前記イヤホンを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記照合結果に基づいて、前記イヤホンの状態を変化させる個人認証装置であって、
前記照合結果が一致した場合、前記ユーザを前記個人認証装置の使用を許可されたユーザとして識別し、
前記使用の許可は、前記ユーザにサービスの使用を許可することであり、
前記サービスは、前記イヤホンを用いる音声ガイダンスサービス、または、映画または音楽の鑑賞サービスであり、
前記制御手段は、前記サービスが時間外である場合は、前記イヤホンの状態を変化させる、
個人認証装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人を認証するための個人認証装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
生体の個人差に基づいた個人認証(Biometrics-based authentication)は、パスワード等に比べ漏えいや盗難の危険性が低い為、個人を特定し権利を確認する目的や、セキュリティ保護の目的で導入される例が増えている。生体の個人差に基づいた個人認証技術としては、指紋(Fingerprint)、静脈(Vein)、顔(Face)、虹彩(Iris)、音声(Voice)などを用いるものが知られている。この中でも音の情報を使った方式は、特殊なデバイスを用意することなく、電話機やマイクロホンといった汎用的に使用されている安価なデバイスで個人認証を行う事が可能である。
【0003】
特許文献1は、指紋、顔、マウス動作等の組合せを基とするバイオメトリクス認証方式を用いて、ログイン中に、常にユーザを監視する手法について開示する。
【0004】
特許文献2は、聴覚器官に対し受発信する音の情報を信号処理して音響特性として記憶装置に格納し、当該記憶装置に格納された音響特性と新たに入力された音響特性とを照合することにより、被認証者が認証対象者か否かを判断する手法について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-013831号公報
【文献】特開2002-143130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されるような、所定の場所または時刻等において行う生体認証には以下のような問題がある。
【0007】
先ず、所定の場所または時刻等において、生体情報を取得して行う個人認証の場合、ユーザに認証を行うための動作を強いるという問題がある。例えば、指紋や静脈を用いた個人認証の場合、専用のスキャナに指を載せるといったユーザの動作が必要である。また、顔や虹彩を用いた個人認証の場合、カメラに顔を向ける等のユーザの動作が必要である。また、音声や骨伝導音を用いた個人認証の場合、パスワードを発声する等のユーザの動作が必要である。このため、ユーザは、認証の都度、心理的および肉体的負担を負う。更に、所定の場所または時刻等において、生体情報を取得して行う個人認証の場合、ユーザ(照合対象者)を常時認証し続けることは困難である。よって、一旦認証した後に、ユーザが、故意に、別の人物にすり替わった場合は、検知ができず、セキュリティ性能が低い。
【0008】
特許文献2に開示されるような聴覚器官を用いた個人認証手法であると、個人情報を識別するための音響特性を堅牢性の高い記憶装置に予め格納しておく必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑み、認証対象となるユーザの心理的および肉体的負担が少なく、簡単にセキュリティを担保できる個人認証装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る個人認証装置は、
ユーザの頭部の一部に第1の音響信号を送出する送出手段と、
第1の音響信号がユーザの頭部の一部を伝播した後の音響信号である第2の音響信号を観測する観測手段と、
第1の音響信号および第2の音響信号から音響特性を算出する算出手段と、
音響特性からユーザに関する特徴量を抽出する抽出手段と、
特徴量を第1の特徴量として記憶手段に登録する記憶制御手段と、
記憶手段に登録される第1の特徴量と、第1の特徴量の登録後に抽出される第2の特徴量とを照合して、ユーザを識別する識別手段
とを備え、
識別手段がユーザを同一と識別する場合、所定間隔毎に、送出手段は第1の音響信号を送出する。
【0011】
本発明の第2の観点に係る個人認証方法は、
ユーザの頭部の一部に第1の音響信号を送出し、
第1の音響信号がユーザの頭部の一部を伝播した後の音響信号である第2の音響信号を観測し、
第1の音響信号および第2の音響信号から音響特性を算出し、
音響特性からユーザに関する特徴量を抽出し、
特徴量を第1の特徴量として記憶手段に登録し、
記憶手段に登録される第1の特徴量と、第1の特徴量の登録後に抽出される第2の特徴量とを照合して、ユーザを識別する
ことを備え、
ユーザが同一と識別される場合、所定間隔毎に、第1の音響信号は送出される。
【0012】
本発明の第3の観点に係る個人認証プログラムは、
ユーザの頭部の一部に第1の音響信号を送出し、
第1の音響信号がユーザの頭部の一部を伝播した後の音響信号である第2の音響信号を観測し、
第1の音響信号および第2の音響信号から音響特性を算出し、
音響特性からユーザに関する特徴量を抽出し、
特徴量を第1の特徴量として記憶手段に登録し、
記憶手段に登録される第1の特徴量と、第1の特徴量の登録後に抽出される第2の特徴量とを照合して、ユーザを識別する
ことを備え、
ユーザが同一と識別される場合、所定間隔毎に、第1の音響信号は送出される
ことをコンピュータに実行させる。
【0013】
尚、個人認証プログラムは非一時的な記憶媒体に格納されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、認証対象となるユーザの心理的および肉体的負担が少なく、簡単にセキュリティを担保できる個人認証装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態にかかる個人認証装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態の個人認証装置の具体的なハードウェア構成例を示す構成図である。
図3】本発明の第1の実施形態の個人認証装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4A】送出音響信号の例を示すグラフである。
図4B】観測音響信号の例を示すグラフである。
図5】音響特性としてのインパルス応答の例を示すグラフである。
図6】本発明の第2の実施形態にかかる個人認証装置の構成例を示すブロック図である。
図7】本発明の第2の実施形態にかかるイヤホンおよびその周辺機器の構成例を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態の個人認証装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明の第3の実施形態にかかる個人認証装置の構成例を示すブロック図である。
図10】本発明にかかる各実施形態を実施するための情報処理装置の構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
(個人認証装置)
本発明の第1の実施形態に係る個人認証装置100について図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態にかかる個人認証装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示す個人認証装置100は、送出部11、観測部12、算出部13、抽出部14、記憶制御部15、識別部16、記憶部17およびサービス制御部18を備える。
【0017】
送出部11は、ユーザの頭部の一部に音響信号を送出する。ここで、音響信号が送出される頭部の一部は、より具体的には、頭部において空洞が形成されている領域であって、装飾品や音響効果を発現させる機器を装着できるまたは近づけることのできる領域の少なくとも一部であってもよい。
【0018】
観測部12は、送出部11から送出された音響信号がユーザの頭部の一部を伝搬した後の音響信号を観測する。また、音響信号の伝搬路とされる頭部の一部は、より具体的には、頭部を構成する頭蓋骨、脳、感覚器およびその間の空洞の少なくとも一部であってもよい。
【0019】
算出部13は、送出部11から送出された音響信号と、観測部12で観測された音響信号とに基づいて、ユーザの頭部の一部を伝搬する音響信号の音響特性を算出する。
【0020】
抽出部14は、算出された音響特性から、認証対象のユーザ(認証対象ユーザ)に関する特徴量を抽出する。特徴量の抽出は、所定の算術演算によって行われてもよい。
【0021】
記憶制御部15は、サービス開始毎に行われる認証対象ユーザの登録(以下、これを初回登録と記載することがある)の際に、抽出部14により得られた特徴量を記憶部17に格納する。更に、各サービスの停止時に、記憶制御部15は、認証対象ユーザの特徴量を記憶部17から削除する。即ち、パスワードとなる特徴量は、サービス毎に、たとえ同一ユーザであっても、記憶および削除される。このように短期間でパスワードを変更する、いわゆるワンタイムパスワード方式が採用される。従って、予め特徴量を記憶部17に格納する必要が無い。更に、サービスの提供毎に特徴量が記憶部17に記憶されるので、高いセキュリティを担保できる。
【0022】
記憶部17は、認証対象ユーザの初回登録時に、当該ユーザに対応する特徴量を記憶する。以下、記憶部17に特徴量が記憶されているユーザを、登録済みユーザと称呼する場合がある。
【0023】
識別部16は、抽出部14により得られた特徴量と、初回登録時に記憶部17に格納された特徴量とを照合し、これらの特徴量が一致するか(同一ユーザであるか)否かを判定する。
【0024】
サービス制御部18は、サービス提供の制御を行う。例えば、サービス制御部18は、識別部16による判定結果が同一ユーザであればサービスを提供するよう制御し、当該判定結果が同一ユーザでなければサービスの提供を停止するよう制御する。尚、サービスを提供するとは、例えば、サービスを提供するためのアプリケーションソフトウェアを起動する、もしくは起動状態を維持することを指し、サービスの提供を停止するとは、当該アプリケーションソフトウェアを終了することを指す。
【0025】
サービス制御部18は、更に、初回登録時に記憶部17に特徴量を記憶する前後において、当該ユーザがサービスの提供を受けられる正当なユーザであることの許可を、サービスの管理者等から受け付けることが好ましい。ユーザを受付ける許可の一例としては、サービスの管理者が、初回登録を許可する指示を後述する情報処理装置1において入力した後、後述するイヤホン4等をユーザに手渡し、当該ユーザに初回登録を促すようにすることである。尚、サービス管理者の行為をソフトウェアプログラムとしてサービス制御部18に実装させてもよい。例えば、安全性は高いが常時の(連続的な)認証を実現するにはユーザに負担の大きい、別種の個人認証(指紋認証等)のソフトウェアプログラムを用いてもよい。この際、管理者は、情報処理装置1に備えられた又は接続されたタッチパネル等の入力装置を介して、ユーザに入力を促す。サービスの管理者による初回登録を許可するための入力は、後述するイヤホン4に物理スイッチを搭載させ、当該スイッチを媒介して行ってもよい。
【0026】
ここで、本実施形態におけるサービスとは、ユーザの個人情報(氏名等)を特定する必要は無いが、他人への利用を禁止すべきサービス、または、ユーザの不存在を検知したいサービスである。例えば、デパート、博物館、通訳付会議等の特定の場所に居るイヤホン4を付けている特定の人に向けて提供すべき音声ガイダンスサービスがこれにあたる。この他、新幹線や飛行機の固定座席で提供する映画または音楽の鑑賞サービス、スマートフォンを介して個人向けに配信する映画または音楽の鑑賞サービスもこのサービスに含まれる。尚、ユーザ個人が特定可能となるように設計を変更することも可能である。
【0027】
図2は、図1に示す本実施形態の個人認証装置100を実現する具体的ハードウェア構成例を示す構成図である。個人認証装置100は、例えば、情報処理装置1、サウンドプロセッサ2、マイクロホンアンプ3、イヤホン4およびマイクロホン5を備えている。情報処理装置1は、具体的に、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータである。なお、符号6は、認識対象とされるユーザを示す。
【0028】
情報処理装置1から伝達される音は、サウンドプロセッサ2でD/A(デジタル/アナログ)変換され、イヤホン4に届けられる。イヤホン4はマイクロホン5を備えている。イヤホン4はユーザの耳に装着または挿入され、マイクロホン5が発する音は耳内で反響し、イヤホン4はその反響音を集音する。集音された反響音は、マイクロホンアンプ3にて増幅された後、サウンドプロセッサ2にてA/D(アナログ/デジタル)変換され、情報処理装置1に伝達される。
【0029】
図2に示すハードウェア構成例において、イヤホン4は送出部11の一例である。また、マイクロホン5、サウンドプロセッサ2およびマイクロホンアンプ3は、観測部12の一例である。図2に示すようにマイクロホン5とイヤホン4は、相対的な位置関係が変化しないよう一体型であることが望ましい。ただし、両者の相対的な位置関係が大きく変わらない場合にはその限りではない。また、ここではイヤホン4とマイクロホン5の例として、外耳道入口の中に挿入する、マイクロホン一体型のイヤホンを挙げているが、両者の実現例としては、耳介を覆うタイプのヘッドホンにマイクロホンを設定したものであってもよい。また、両者を実現する他の例としては、電話機の受話器部分にマイクロホンを設置したものであってもよい。その他、左の外耳道入口に設置したイヤホンで送出した音響信号を、右耳の外耳道入口に設置したマイクロホンで観測する、またはこの反対を行ってもよい。
【0030】
尚、特徴量の抽出は、両耳から行っても良いし、右または左の片耳のみから行っても良い。本実施形態においては、個人認証を必要とする所定動作を行う間、ユーザはイヤホン4の常時装着を要求される。よって、長時間に亘る所定動作である場合、ユーザが耳に痛みや違和感を覚えることも想定される。この場合には、ユーザはイヤホン4を装着する耳をもう片方の耳に適宜変更しても良い。尚、認証する耳の変更時には、後述する初回登録の動作が再度必要となる。
【0031】
また、算出部13、抽出部14、識別部16およびサービス制御部18はそれぞれ情報処理装置1中の、プログラムに従って動作するCPU(Central Processing Unit)及びメモリにより実現される。また、記憶部17は、情報処理装置1中のハードディスク等の記憶媒体により実現される。尚、小型化された情報処理装置1をイヤホン4に搭載することで同様の機能を実現しても良い。
【0032】
(個人認証装置の動作)
次に、本実施形態における個人認証装置100の動作の一例について図3に示すフローチャートを参照して説明する。まず、サービス管理者が、ユーザと対面して初回の登録を許可するキーワードを情報処理装置1のスイッチ、キーボードから入力し、ユーザに初回登録を促す。ユーザの操作に基づいて、次のように初回登録が実行され、それに引き続き、個人認証装置100は、以下のように本人認証動作を実行する。
【0033】
すなわち、ステップS110において、ユーザがイヤホン4を耳に装着すると、送出部11は、認証対象となるユーザの頭部の一部に向けて音響信号を送出する。例えば、ステップS110において、イヤホン4が外耳道入口から外耳道に向けて音響信号を送出する。音響信号としては、インパルス応答(Impulse Response)を計測する目的で広く用いられているM系列信号(maximal length sequence)や、TSP(Time Stretched Pulse)信号等を使う方法が考えられる。
【0034】
図4Aは、送出部11が送出する音響信号の例を示すグラフである。図4Aのグラフにおいて、横軸は時刻tを示し、縦軸は時刻tにおける送出された音響信号の信号値x(t)を示す。以下、送出部11が送出した音響信号を、送出音響信号という場合がある。
【0035】
ステップS120において、観測部12は、ステップS110で送出部11から送出された音響信号がユーザの頭部の一部を伝搬した後の音響信号を観測する。例えば、ステップS120において、イヤホン4から伝播された音響信号をマイクロホン5が検出する。検出された音響信号は、マイクロホンアンプ3にて増幅され、サウンドプロセッサ2にてA/D変換され、情報処理装置1に伝送される。
【0036】
図4Bは、観測部12で観測された音響信号の例を示すグラフである。図4Bのグラフにおいて、横軸は時刻tを示し、縦軸は時刻tにおける観測された音響信号の信号値y(t)を示す。以下、観測部12で観測された音響信号を、観測音響信号という場合がある。
【0037】
ステップS130において、算出部13は、送出音響信号と観測音響信号との変化からユーザの頭部の一部の音響特性を算出する。音響特性としては、インパルス応答(Impulse Response)およびインパルス応答をフーリエ変換またはラプラス変換することによって得られる伝達関数(Transfer Function)等が考えられる。音響特性は、例えば、音響信号が生体内でどのように反射および/または減衰するかの情報を含む。例えば、外耳道口にイヤホン4及びマイクロホン5が設置され、外耳道中を反射する音響特性が算出部13によって算出される場合、音響特性として、外耳道インパルス応答(Ear Canal Impulse Response)や外耳道伝達関数(Ear Canal Transfer Function)が用いられてもよい。
【0038】
図5は、算出部13により算出された音響特性としてのインパルス応答の例を示すグラフである。図5に示すグラフにおいて、横軸が時刻tを示し、縦軸が時刻tにおける観測された音響信号のインパルス応答の値g(t)を示す。
【0039】
なお、送出音響信号の信号値x(t)と、観測音響信号の信号値y(t)と、インパルス応答の値g(t)との間には以下の式(1)に示す関係性がある。
【0040】

[数1]
【0041】
また、x(t),y(t),g(t)をそれぞれフーリエ変換することによって得られた値X(f),Y(f),G(f)間では、以下の式(2)に示す関係性がある。ここで、fは周波数帯域である。また、G(f)は伝達関数である。
【0042】

Y(f)=G(f)X(f) ・・・(2)
【0043】
ステップS140において、抽出部14は、算出部13により算出された音響特性から特徴量を抽出する。特徴量には、インパルス応答や伝達関数をそのまま使ってもよい。すなわち、抽出部14は、音響特性としてのインパルス応答の各時刻の値や伝達関数の各周波数の値を特徴量とする。また、音響特性としてのインパルス応答や伝達関数に対し、主成分分析を行い次元圧縮することで得られる特徴量、あるいは、非特許文献1に記載されているmfcc(mel-frequency cepstrum coefficients)を特徴量に用いることが考えられる。
【0044】
ステップS150において、識別部16は、今回の特徴量の抽出が当該ユーザにとって初めての抽出であるかを判断する。具体例として、識別部16は抽出回数をカウントするためのカウンタメモリを備えたり、記憶部17に特徴量のデータが存在するかを検索したりすることにより、当該判断を行う。初めての抽出、即ち、初回登録であると判断されると、処理はステップS160へ進められ、初回登録ではない(2回目以上)と判断されると、処理はステップS180へ進められる。
【0045】
初回登録の場合、ステップS160において記憶制御部15は、抽出部14で抽出された特徴量を記憶部17に格納する。ステップS170において、サービス制御部18は、記憶部17内に特徴量があることを検出すると、サービスを提供するためのアプリケーションプログラム等を起動させる。
【0046】
初回登録でない場合、ステップS180において識別部16は、抽出部14により得られた特徴量と、記憶部17に格納されている登録済みユーザの特徴量とを照合する。
【0047】
ステップS190において、照合の結果が一致し、認証対象とされたユーザが登録済みユーザに該当すると判定されると、処理はステップS200へ進められる。照合の結果が一致せず、認証対象とされたユーザが登録済みユーザに該当しないと判定されると、処理はステップS210へ進められる。この判定は1対1認証となる。
【0048】
1対1認証では、認証対象となるユーザと、登録済みユーザとの特徴量を1対1で照合する。この場合、予めユーザID(IDentification)などでどの登録済みユーザとの照合を行うかを与えてもよい。照合方法としては、例えば、識別部16は、特徴量同士の距離を計算し、距離が閾値よりも小さい場合に同一人であると判定し、距離が閾値よりも大きい場合に異なる人間であると判定してもよい。距離尺度としてはユークリッド距離(Euclid distance)、コサイン距離(cosine distance)等の距離尺度が考えられるが、他の距離を用いてもよい。
【0049】
また、上記では、記憶部17に、予め格納されている特徴量が保存されている例について説明したが、記憶部17は、特徴量の代わりに統計モデルを保存してもよい。統計モデルとしては、1名に対し複数回特徴量を取得して得られる、その平均値と分散値またはそれらを用いて算出された関係式であってもよい。あるいは特許文献1に示されているような、GMM(Gaussian Mixture Model)や、SVM(Support Vector Machine)、ニューラルネットワークを使ったモデル等が考えられる。
【0050】
ステップS200において、識別部16は、所定時間(例えば1秒)が経過するのを待ち、処理をステップS110へ戻す。
【0051】
ステップS210において、サービス制御部18は、登録済みユーザではないユーザに対してサービスの提供を行わないように、例えば、サービスを提供しているアプリケーションプログラム等を終了させる。この際、記憶制御部15に、登録済みユーザではない、不正なユーザの特徴量を記憶部17に格納させてもよい。
【0052】
この他、サービス制御部18は、登録済みユーザからの要求により、サービス用のアプリケーションプログラムを終了させてもよい。または、サービス制御部18は、登録済みユーザがイヤホン4を耳から外したこと等により、抽出部14によって特徴量(反響音)が全くまたは殆ど取得できなかったことを契機に、サービス用のアプリケーションプログラムを終了させてもよい。この場合、識別部16は直ちに照合結果をサービス制御部18に通知するのではなく、数回の照合の後に、何らかの理由で特徴量が取得できていないとして、サービス制御部18にサービス停止を通知してもよい。
【0053】
サービス終了時、サービス制御部18は、記憶部17内の登録済ユーザの特徴量のデータを消去するよう、記憶制御部15に指示する。記憶制御部15は、アプリケーションプログラム終了の度、登録済ユーザの特徴量のデータを消去する。
【0054】
以上で第1の実施形態にかかる個人認証装置100の動作を終了する。
【0055】
本発明の第1の実施形態によると、認証対象となるユーザの心理的および肉体的負担が少なく、簡単にセキュリティを担保できる個人認証装置を提供することができる。本実施形態では、ユーザの頭部の一部を伝搬する音響信号の音響特性が個人毎に異なるという特徴を用いて、個人認証を行っている。ユーザの頭部の一部を伝搬する音響特性は、顔や指紋等の外部から観測可能な特徴とは異なり生体内部の特徴であるため、漏洩する危険性が低く、盗難が困難である。また、音響特性を知るためには、送出音響信号と、観測音響信号の2つが必要なため、盗聴などにより取得され偽造される危険が少ない。また、認証対象のユーザが行う動作は、マイクロホンが埋め込まれたヘッドホンやイヤホンを装着する、もしくは、受話部分にマイクロホンが埋め込まれた携帯電話等を耳にかざすだけであり、ユーザの心理的、肉体的な負担が少ない。また、本実施形態の個人認証方法を音楽配信や、トランシーバ、通話といった音声を伝達する情報配信用デバイスと組み合わせて用いることで、ユーザに対し、追加の肉体的・精神的負担無しに個人認証を提供できる。
【0056】
また、音響特性の取得は1秒程度の短い時間で行うことが可能であり、サービス提供の間、ユーザを常時認証することができる。このため、認証を最初の一度または何らかのサービスを受ける直前のみ行う場合と比べて、認証後に他人に成り替わる(なりすまし)等の不正があった場合にそれを検知できる。
【0057】
更に、サービス開始毎に記憶部17内にユーザの特徴量データを登録し、当該サービス終了毎に、記憶部17内の登録された特徴量データを消去する。これにより、IDまたはパスワードとして使用される特徴量データが短時間(一回のサービス使用時間のみ)しか照合対象とならないため、簡単に高いセキュリティを担保できる。更に、片耳認証をしていたユーザが、長時間のサービス利用等により認証に使用していた耳に違和感をもち、もう片方の耳に認証対象を切り替えたい場合でも、容易に認証対象とする耳を切り替えることができる。尚、この場合、セキュリティ担保のため、認証の切り替え処理(サービス管理者による初回登録の許可)を行うことが好ましい。
【0058】
<第2の実施形態>
本発明の第1の実施形態においては、個人認証装置100はユーザの要求に応じ常時使用を可能としていたが、提供するサービスの内容によっては、同じユーザであっても使用可能な時間(例えば2時間まで)や時間帯(例えば12時から17時までの間)が特定されている場合がある。本発明の第2の実施形態においては、使用可能な時間が特定されている場合においてユーザを常時認証する個人認証装置200について説明する。
【0059】
本発明の第2の実施形態に係る個人認証装置200について図面を参照して説明する。図6は、第2の実施形態にかかる個人認証装置200の構成例を示すブロック図である。個人認証装置200は、送出部11、観測部12、算出部13、抽出部14、記憶制御部15、識別部16、記憶部17、タイマ制御部21、ランプ制御部22およびサービス制御部28を備える。
【0060】
タイマ制御部21は、サービス管理者が予め設定したタイマを制御する。具体的に、タイマ制御部21は、サービス管理者が予め設定した時間または時間帯を過ぎると、ランプ色を変更するようランプ制御部22に通知する。この際、タイマ制御部21は、サービスを停止するようサービス制御部28に通知してもよい。
【0061】
ランプ制御部22は、タイマ制御部21からの通知に従い、ランプの色、点滅等を制御する。図7に示すように、ランプ7は外部から見えやすい位置、例えばイヤホン4の表面に搭載される。ランプ制御部22は、ランプ7の色を、サービスの提供状態やユーザ認証状態によって変化させる。例えば、初回登録前が黄色、初回登録後および正常運用時が緑色、登録済みユーザの時間外使用(タイムオーバ)の場合は赤色、登録済みユーザによる使用ではないと判定された際は赤色点滅する等である。
【0062】
第2の実施形態に係る個人認証装置200の動作について図8のフローチャートを参照して説明する。
【0063】
ステップS110~S180においては、第1の実施形態の動作(図3参照)と同様である。
【0064】
ステップS190において、照合の結果、認証対象とされたユーザが登録済みユーザに該当すると判定されると、処理はステップS191へ進められる。認証対象とされたユーザが登録済みユーザに該当しないと判定されると、処理はステップS193へ進められる。ステップS193においては、ランプ制御部22が、現在表示中のランプ7の色を変更(例えば赤色点滅)する。
【0065】
ステップS191において、タイマ制御部21は、現在の時刻が、サービス管理者が予め設定した時間(サービス時間)を過ぎているかを判断する。サービス時間内である場合処理はステップS200に進められ、サービス時間外である場合処理はステップS192に進められる。ステップS192において、ランプ制御部22は、現在表示中のランプ7の色を変更(例えば赤色点滅)する。
ランプ色を変更するようランプ制御部22に通知する。この際、タイマ制御部21は、サービスを停止するようサービス制御部28に通知してもよい。
【0066】
ステップS200およびS210は第1の実施形態の動作(図3参照)と同様である。
【0067】
以上で第2の実施形態にかかる個人認証装置200の動作を終了する。
【0068】
本発明の第2の実施形態によると、認証対象となるユーザの心理的および肉体的負担が少なく、セキュリティ性能が高い個人認証装置を提供することができる。更に、第1の実施形態の効果に追加して、ユーザが所定時間以上使用している場合、または、指定された時間以外に使用している場合にランプの色を変更させる。これにより、サービスの管理者に、ユーザによる指定時間外のサービスの利用を視覚的に認知させることができる。または個人認証装置200はユーザが所定時間以上使用している場合等には、サービスの提供を停止してもよい。これによりサービスの管理者は、個人認証装置200をより正確に管理することができる。
【0069】
この他、ランプを点灯する代わりに、音声ブザーを使用してもよい。更に、正当に認証されているユーザであっても指定された場所以外での使用を禁止したい場合、屋内であればビーコンシステムを、屋外であればGPS(Global Positioning System)システムを用いて、使用場所を管理(監視)することも可能である。尚、使用人物、使用時間および使用場所の管理は、いずれの組み合わせにより実現されてもよい。
【0070】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態にかかる個人認証装置300は、図9に示すように、送出部31、観測部32、算出部33、抽出部34、記憶制御部35、識別部36および記憶部37を備える。
【0071】
送出部31は、ユーザの頭部の一部に第1の音響信号を送出する。観測部32は、第1の音響信号がユーザの頭部の一部を伝播した後の音響信号である第2の音響信号を観測する。算出部33は、第1の音響信号および第2の音響信号から音響特性を算出する。抽出部34は、音響特性からユーザに関する特徴量を抽出する。記憶制御部35は、特徴量を第1の特徴量として記憶部に登録する。識別部36は、記憶部から取得する第1の特徴量と、抽出部から第1の特徴量の抽出よりも後に取得する第2の特徴量とを照合して、ユーザを識別する。記憶部37は、第1の特徴量を記憶する。尚、識別部36が前記ユーザを同一と識別する場合、所定間隔毎に、送出部31は第1の音響信号を送出する。
【0072】
本発明の第3の実施形態によると、認証対象のユーザの心理的および/または肉体的な負担が少なく、セキュリティ性能が高い個人認証を提供することができる。この理由は、識別部36が、記憶部に初回登録される第1の特徴量とその後に取得される第2の特徴量とを照合してユーザを識別し、ユーザを同一と識別する場合、所定間隔毎に、送出部31が第1の音響信号を送出するからである。これによりユーザはイヤホン等を装着するのみで、セキュリティ性能が高い常時の個人認証が可能となる。
(情報処理装置の構成)
上述した本発明の各実施形態において、図1図6および図9に示す各個人認証装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している個人認証装置の各構成要素の一部又は全部は、例えば図10に示すような情報処理装置1とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現される。情報処理装置1は、一例として、以下のような構成を含む。
【0073】
・CPU(Central Processing Unit)501
・ROM(Read Only Memory)502
・RAM(Random Access Memory)503
・RAM503にロードされるプログラム504
・プログラム504を格納する記憶装置505
・記録媒体506の読み書きを行うドライブ装置507
・通信ネットワーク509と接続する通信インターフェース508
・データの入出力を行う入出力インターフェース510
・各構成要素を接続するバス511
本願の各実施形態における個人認証装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム504をCPU501が取得して実行することで実現される。個人認証装置の各構成要素の機能を実現するプログラム504は、例えば、予め記憶装置505やRAM503に格納されており、必要に応じてCPU501が読み出す。なお、プログラム504は、通信ネットワーク509を介してCPU501に供給されてもよいし、予め記録媒体506に格納されており、ドライブ装置507が当該プログラムを読み出してCPU501に供給してもよい。
【0074】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、個人認証装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、個人認証装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置1とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0075】
また、個人認証装置の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
【0076】
個人認証装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0077】
個人認証装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0078】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
ユーザの頭部の一部に第1の音響信号を送出する送出手段と、
前記第1の音響信号が前記ユーザの頭部の一部を伝播した後の音響信号である第2の音響信号を観測する観測手段と、
前記第1の音響信号および前記第2の音響信号から音響特性を算出する算出手段と、
前記音響特性からユーザに関する特徴量を抽出する抽出手段と、
前記特徴量を第1の特徴量として記憶手段に登録する記憶制御手段と、
前記記憶手段に登録される前記第1の特徴量と、前記第1の特徴量の登録後に抽出される第2の特徴量とを照合して、ユーザを識別する識別手段
とを備え、
前記識別手段が前記ユーザを同一と識別する場合、所定間隔毎に、前記送出手段は前記第1の音響信号を送出する
個人認証装置。
[付記2]
前記識別手段が前記ユーザを同一と識別する場合、前記ユーザにサービスを提供するサービス制御手段を更に備える
付記1に記載の個人認証装置。
[付記3]
前記識別手段が前記ユーザを同一と識別できない場合、前記サービス制御手段は前記サービスの提供を中止し、前記記憶制御手段は、前記記憶手段に登録された前記第1の特徴量を削除する
付記1または付記2に記載の個人認証装置。
[付記4]
前記識別手段が前記ユーザを同一と識別できない場合、前記同一と識別する場合とは異なる色にて発光する発光手段
をさらに備える付記1乃至付記3のいずれかに記載の個人認証装置。
[付記5]
指定された時間の外か内かを検知するタイマ手段をさらに備え、
前記識別手段が前記ユーザを同一と識別し、かつ、前記タイマ手段が前記指定された時間の外と検知した場合、前記サービス制御手段は前記ユーザに対する前記サービスの提供を停止する
付記1乃至付記4のいずれかに記載の個人認証装置。
[付記6]
前記タイマ手段が前記指定された時間の外と検知した場合、前記発光手段は前記指定された時間の内とは異なる色にて発光する
付記1乃至付記5のいずれかに記載の個人認証装置。
[付記7]
ユーザの頭部の一部に第1の音響信号を送出し、
前記第1の音響信号が前記ユーザの頭部の一部を伝播した後の音響信号である第2の音響信号を観測し、
前記第1の音響信号および前記第2の音響信号から音響特性を算出し、
前記音響特性からユーザに関する特徴量を抽出し、
前記特徴量を第1の特徴量として記憶手段に登録し、
前記記憶手段に登録される前記第1の特徴量と、前記第1の特徴量の登録後に抽出される第2の特徴量とを照合して、ユーザを識別する
ことを備え、
前記ユーザが同一と識別される場合、所定間隔毎に、前記第1の音響信号は送出される
個人認証方法。
[付記8]
前記ユーザが同一と識別される場合、前記ユーザにサービスを提供することを更に備える
付記7に記載の個人認証方法。
[付記9]
前記ユーザが同一と識別されない場合、前記サービスの提供を中止し、前記記憶手段に登録された前記第1の特徴量を削除する
付記7または付記8に記載の個人認証方法。
[付記10]
前記ユーザを同一と識別できない場合、前記同一と識別する場合とは異なる色にて発光手段が発光すること
をさらに備える付記7乃至付記9のいずれかに記載の個人認証方法。
[付記11]
指定された時間の外か内かを検知することをさらに備え、
前記ユーザを同一と識別し、かつ、前記指定された時間の外と検知した場合、前記ユーザに対する前記サービスの提供を停止する
付記7乃至付記10のいずれかに記載の個人認証方法。
[付記12]
前記指定された時間の外と検知した場合、前記発光手段は前記指定された時間の内とは異なる色にて発光する
付記7乃至付記11のいずれかに記載の個人認証方法。
[付記13]
ユーザの頭部の一部に第1の音響信号を送出し、
前記第1の音響信号が前記ユーザの頭部の一部を伝播した後の音響信号である第2の音響信号を観測し、
前記第1の音響信号および前記第2の音響信号から音響特性を算出し、
前記音響特性からユーザに関する特徴量を抽出し、
前記特徴量を第1の特徴量として記憶手段に登録し、
前記記憶手段に登録される前記第1の特徴量と、前記第1の特徴量の登録後に抽出される第2の特徴量とを照合して、ユーザを識別する
ことを備え、
前記ユーザが同一と識別される場合、所定間隔毎に、前記第1の音響信号は送出される
ことをコンピュータに実行させるための個人認証プログラム。
[付記14]
前記ユーザが同一と識別される場合、前記ユーザにサービスを提供することを更に備える
付記13に記載の個人認証プログラム。
[付記15]
前記ユーザが同一と識別されない場合、前記サービスの提供を中止し、前記記憶手段に登録された前記第1の特徴量を削除する
付記13または付記14に記載の個人認証プログラム。
[付記16]
前記ユーザを同一と識別できない場合、前記同一と識別する場合とは異なる色にて発光手段が発光すること
をさらに備える付記13乃至付記15のいずれかに記載の個人認証プログラム。
[付記17]
指定された時間の外か内かを検知することをさらに備え、
前記ユーザを同一と識別し、かつ、前記指定された時間の外と検知した場合、前記ユーザに対する前記サービスの提供を停止する
付記13乃至付記16のいずれかに記載の個人認証プログラム。
[付記18]
前記指定された時間の外と検知した場合、前記発光手段は前記指定された時間の内とは異なる色にて発光する
付記13乃至付記17のいずれかに記載の個人認証プログラム。
【0079】
以上、本実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0080】
この出願は2016年9月16日に出願された日本出願特願2016-181897を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0081】
1 :情報処理装置
2 :サウンドプロセッサ
3 :マイクロホンアンプ
4 :イヤホン
5 :マイクロホン
6 :ユーザ
7 :ランプ
11 :送出部
12 :観測部
13 :算出部
14 :抽出部
15 :記憶制御部
16 :識別部
17 :記憶部
18 :サービス制御部
21 :タイマ制御部
22 :ランプ制御部
28 :サービス制御部
31 :送出部
32 :観測部
33 :算出部
34 :抽出部
35 :記憶制御部
36 :識別部
37 :記憶部
100 :個人認証装置
200 :個人認証装置
300 :個人認証装置
500 :情報処理装置
501 :CPU
503 :RAM
504 :プログラム
505 :記憶装置
506 :記録媒体
507 :ドライブ装置
508 :通信インターフェース
509 :通信ネットワーク
510 :入出力インターフェース
511 :バス
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10