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特許7574874情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
H04N1/00 350
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023053221
(22)【出願日】2023-03-29
(62)【分割の表示】P 2019062955の分割
【原出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2023073401
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】浦川 豊
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-274149(JP,A)
【文献】特開2016-010059(JP,A)
【文献】特開2003-069689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部と、
記憶部と、
タッチパネルと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記記憶部に記憶されている設定情報に基づき、処理を実行することが可能であり、
媒体の識別情報と、前記設定情報と、が関連付けられて、前記記憶部に記憶されている状態で、前記タッチパネルに入力された文字情報及び前記読取部により前記媒体から読み取られた前記識別情報に基づき、前記記憶部に記憶されている前記設定情報を検索する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記検索により複数の設定情報が検索された場合、前記検索された前記複数の設定情報を前記タッチパネルに一覧表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記検索により1つの設定情報のみが検索された場合、前記検索された前記設定情報で前記処理の実行を開始するための実行開始画面を前記タッチパネルに表示する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記検索された前記1つの設定情報で前記処理を実行する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置はさらに、
原稿から画像を読み取る読取エンジン
を備え、
前記設定情報は、前記読取エンジンの読取りに係る設定値を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記読取エンジンの読取りに係る前記設定値は、前記原稿のサイズ及び画質のうち、少なくとも一方に係る設定値を含む、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記読取部は、無線通信により前記媒体から前記識別情報を読み取る、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置の記憶部に記憶されている設定情報に基づき、処理を実行する情報処理方法であって、
媒体の識別情報と、前記設定情報と、が関連付けられて、前記記憶部に記憶されている状態で、前記情報処理装置のタッチパネルに入力された文字情報及び前記情報処理装置の読取部により前記媒体から読み取られた前記識別情報に基づき、前記記憶部に記憶されている前記設定情報を検索する、
情報処理方法。
【請求項9】
読取部と、
記憶部と、
タッチパネルと、を備え、前記記憶部に記憶されている設定情報に基づき、処理を実行することが可能である情報処理装置に、
媒体の識別情報と、前記設定情報と、が関連付けられて、前記記憶部に記憶されている状態で、前記タッチパネルに入力された文字情報及び前記読取部により前記媒体から読み取られた前記識別情報に基づき、前記記憶部に記憶されている前記設定情報を検索する検索処理
を実行させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、設定情報を検索する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スキャン処理を実行する際に必要な設定情報と、カードの製造番号とを関連付けて記憶しておき、カードリーダによってカードの製造番号が読み取られた場合に、読み取られた製造番号と関連付けて記憶されている設定情報に従ってスキャン処理を実行するようにした画像処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-10059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像処理装置では、複数の設定情報の中からいずれか1つの設定情報を検索することは、考慮していない。
【0005】
本願の実施形態の一例は、設定情報の検索を簡易に行うことが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願の実施形態の一例の情報処理装置は、媒体から識別情報を読み取る読取部と、文字情報を含む設定情報と識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、文字情報を入力するための入力部と、識別情報に関連付けられた設定情報に基づき処理を実行する制御部と、を備え、制御部は、入力部に入力された文字情報及び読取部により媒体から読み取られた識別情報に基づき、記憶部において設定情報を検索する。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、設定情報の検索を簡易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の一実施の形態に係る情報処理装置を適用した複合機の制御構成を示すブロック図である。
図2図1の複合機に含まれるNVRAMに記憶されるデータベースの一例を示す図である。
図3図1の複合機に含まれるパネル上に表示される表示画面の遷移の一例を示す図である。
図4図3の表示画面の遷移に続く表示画面の遷移の一例を示す図である。
図5図1の複合機、特にCPUが実行するメインルーチンの手順を示すフローチャートである。
図6図5のメインルーチンに含まれるショートカット処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
図7図6のショートカット処理に含まれるショートカット呼び出し処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
図8図7のショートカット呼び出し処理の続きの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本願の一実施の形態に係る情報処理装置を適用した複合機100の制御構成を示すブロック図である。複合機100は、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、及びFax機能等を備えた装置である。以下、複合機100をMFP100という。なおMFPは、Multifunction Peripheral の略語である。
【0011】
図1に示すように、MFP100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103及びNVRAM(Non-Volatile RAM)104を備えている。
【0012】
CPU101は、MFP100全体の制御を司るものであるが、本実施形態では、設定情報に従って、エンジンIF(Interface)110を介して印刷エンジン111及び読取エンジン112をそれぞれ制御する。なお、エンジンIF110、印刷エンジン111及び読取エンジン112については、後述する。
【0013】
ROM102は、CPU101が実行する制御プログラムを記憶するメモリである。CPU101は、ROM102に記憶された制御プログラムを読み出して各種処理を実行する。
【0014】
RAM103は、画像データなどを一時的に記憶するメモリである。またRAM103は、CPU101が制御プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記憶する記憶領域、あるいはデータ処理の作業領域としても使用される。
【0015】
NVRAM104は、設定情報等を記憶する不揮発性メモリである。
【0016】
またMFP100は、パネル105及びキー106を備えている。
【0017】
パネル105は、本実施形態ではタッチパネルであり、パネル105には、MFP100の状態に応じて、様々な画面が表示される。ユーザは、画面上の入力ボタンやアイコン、ソフトウェアキーボード(後述する図3等参照)などを押下することで、入力操作をすることができる。
【0018】
キー106は、ハードキー、つまりハードウェアにより形成されるキーである。その典型例としては、電源スイッチやリセットスイッチ(ともに図示せず)などを挙げることができる。
【0019】
さらにMFP100は、読取部107及び通信IF108を備えている。
【0020】
読取部107は、本実施形態では、カード200からカード番号を読み取るカードリーダである。カード200として、本実施形態ではIC(Integrated Circuit)チップを内蔵するICカードを採用している。読取部107は、カード200の接近や接触に応じて、近接無線通信(NFC:Near Field Communication)によりICチップ内のカード番号を読み取る。このためカード番号は、ICチップ内に記憶されている。なお、カード200を特定できるものであれば、カード番号に限らず、所有者のIDやシリアル番号、製造番号等、どのようなものでもよい。
【0021】
通信IF108は、MFP100を通信ネットワーク(図示せず)に接続するものである。通信ネットワークは、本実施形態では有線又は無線LAN(Local Area Network)を想定しているので、通信IF108は、LAN IF(Local Area Network Interface)又はWLAN IF(Wireless LAN Interface)である。もちろん、有線LANと無線LANが同時に存在する場合もあり、この場合には、通信IF108は、LAN IF及びWLAN IFの両方を含んでいる。
【0022】
通信IF108はさらに、ファックス送受信を行うためにMFP100を電話回線(インターネットファックスの場合にはインターネット)に接続するFAXIF(Interface)も含んでいる。
【0023】
またMFP100は、エンジンIF110を備えている。エンジンIF110には、印刷エンジン111及び読取エンジン112が接続されている。
【0024】
印刷エンジン111は、シートに画像を印刷するためのエンジンであり、電子写真方式、インクジェット方式、サーマル方式等が採用される。
【0025】
読取エンジン112は、原稿から画像を読み取るためのエンジンであり、CCD(Charge Coupled Devices)及びCIS(Contact Image Sensor)等を有する。
【0026】
エンジンIF110は、印刷エンジン111及び読取エンジン112を制御するための制御回路であり、CPU101はエンジンIF110を介して印刷エンジン111及び読取エンジン112を制御する。
【0027】
エンジンIF110は、印刷エンジン111を制御するための第1エンジンIF(図示せず)と、読取エンジン112を制御するための第2エンジンIF(図示せず)と、を有している。第1エンジンIFは、CPU101からの指令に基づき、印刷エンジン111への制御信号の出力及び印刷エンジン111への画像データの出力等を実行する。第2エンジンIFは、CPU101からの指令に基づき、読取エンジン112への制御信号の出力及び読取エンジン112からの画像データの入力等を実行する。
【0028】
さらにMFP100は、画像処理回路120を備えている。
【0029】
画像処理回路120は、第1画像処理回路(図示せず)と、第2画像処理回路(図示せず)とを有する。第1画像処理回路は、印刷ジョブに係る画像データをラスタライズ処理する。ラスタライズ処理された画像データは、RAM103へ一時記憶され、印刷エンジン111へ出力される。第2画像処理回路は、読取エンジン112が原稿から読み取った画像データをデジタルデータへ加工する。デジタルデータへ加工された画像データは、通信IF108を介して外部へ送信されたり、印刷エンジン111へ供給されシートへ出力されたりする。読取エンジン112が原稿から読み取った画像データは、一時RAM103に記憶され、第2画像処理回路へ出力される。ここで、本実施形態において、「読み取る」を「スキャン」と記載する場合もある。
【0030】
CPU101、ROM102、RAM103、NVRAM104、パネル105、キー106、読取部107、通信IF108、エンジンIF110及び画像処理回路120は、バス130により相互に接続されている。
【0031】
図2は、NVRAM104内に作成されるデータベース(以下「DB」と略す)の一例を示している。そして、図2(a)は、ショートカットDBの一例を示し、図2(b)は、アドレス帳DBの一例を示している。アドレス帳DBは、ショートカットDBの関連DBである。
【0032】
ショートカットは、本実施形態では、MFP100の機能及び機能における各種設定を対応付けるアイコンである。ショートカットはパネル105上に表示され、ユーザがショートカットを押下すると、CPU101は、押下したショートカットに対応付けられたMFP100の機能及び各種設定を、一連の機能の選択操作及び各種設定の設定操作を省略して実行する。なお本実施形態の説明では、MFP100の機能のうち、Fax機能を例に挙げて説明するので、各ショートカットは、Fax機能及びFax機能における各種設定に対応付けられている。
【0033】
ショートカットDBは、図2(a)に示すように、各レコードがショートカット表示名、登録番号、機能、機能詳細、設定、ワンタッチ(OneTouch)のオン/オフ及びカード番号という属性により構成されている。本実施形態では、ショートカットDBの各レコードをショートカットデータという。なお、ショートカットとは、ショートカットデータをパネル105上に表示したときのアイコンを意味するとするが、両者を厳密に分けて使用していない場合もある。
【0034】
ショートカット表示名は、ショートカットデータをパネル105上に表示するときに表示される名称である。
【0035】
登録番号は、ショートカットデータをショートカットDBに登録した順に付与される番号である。
【0036】
機能は、MFP100の機能である。機能詳細は、機能が複数の詳細機能に分かれている場合の詳細機能のことである。
【0037】
設定は、機能における各種設定である。各種設定としては、送信先(Destination)、画質(Resolution)及び読取り原稿サイズ(ScanSize)が例示されている。
【0038】
画質とは、正確には、解像度を指す。Resolution:Fineとは高解像度(例えば400dpi)を指定する設定値であり、Resolution:SuperFineとは、最高解像度(例えば600dpi)を指定する設定値であり、Resolution:Standardとは、標準解像度(例えば300dpi)を指定する設定値である。CPU101は、指定された画質(解像度)に従って、読取エンジン112等を制御して、原稿から画像を取得する。
【0039】
原稿サイズとは、読取対象の原稿のサイズを指定する設定値であり、ScanSize:A4とは、A4サイズの原稿から画像を読み取ることを指定する設定値である。CPU101は、指定された原稿サイズに従って、読取エンジン112を制御して、原稿から画像を取得する。
【0040】
図2の機能詳細欄の通常Fax,InternetFaxは、読取りにより取得した画像データを外部へ送信する手段を指定する設定値である。通常Faxが指定されている場合、CPU101は、読取エンジン112により読取った画像に係る画像データを、電話回線を介して外部へ送信する。
【0041】
InternetFaxが指定されている場合、CPU101は、読取エンジン112により読取った画像に係る画像データを、インターネット回線を介して外部へ送信する。
【0042】
ワンタッチ(OneTouch)は、ユーザがショートカットを押下すると直ちに、CPU101がショートカットに対応付けられた機能を各種設定に基づいて実行する機能である。OneTouch:ONが、ワンタッチ機能を有効化することを意味し、OneTouch:OFFが、ワンタッチ機能を無効化することを意味する。
【0043】
カード番号は、上述のようにカード200のICチップ内に記憶される情報である。カード番号は、カード200を特定し、識別する。カード番号により、ショートカットデータとカード200とが関連付けられる。
【0044】
アドレス帳DBは、図2(b)に示すように、各レコードがアドレス帳番号、送信先表示名及び送信先アドレスという属性により構成されている。アドレス帳DBの各レコードを送信先データという。
【0045】
アドレス帳番号は、送信先データをアドレス帳DBに登録した順に付与される番号である。このアドレス帳番号が、ショートカットDBに登録されている各ショートカットデータに含まれる設定のうち、送信先(Destination)に設定される。つまり、アドレス帳DBの各送信先データは、アドレス帳番号を介して、ショートカットDBの各ショートカットデータと関連付けられている。このため上述のように、アドレス帳DBは、ショートカットDBの関連DBとなっている。
【0046】
送信先表示名は、送信先データをパネル105上に表示するときに表示される名称である。
【0047】
送信先アドレスは、通常は電話番号であるが、メールアドレスを登録する場合(インターネットファックスの場合)があるので、属性名を「送信先アドレス」としている。
【0048】
図3及び図4は、パネル105上の表示画面の遷移を示している。図3及び図4に示す表示画面の遷移については、後述する。
【0049】
次に、MFP100、特にCPU101が実行する制御処理を図3図8を参照して詳細に説明する。以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0050】
図5は、CPU101が実行するメインルーチンの手順を示している。ユーザが、上記キー106に含まれる電源スイッチ又はリセットスイッチを押下すると、CPU101は、ブート後、メインルーチンを開始する。
【0051】
図5において、まずCPU101は、読取部107によりカード200のカード番号を読み取ったか否かを判断する(S1)。なお図示を省略しているものの、S1の判断の前にCPU101は、パネル105上に初期画面を表示させる。図3(a)は、初期画面(以下「HOME画面」という)150の一例を示している。
【0052】
S1の判断において、カード200のカード番号を読み取ったと判断される場合(S1:YES)、CPU101は、読み取ったカード番号をRAM103に記憶させる(S2)。
【0053】
次にCPU101は、ショートカット処理を実行した(S3)後、処理を上記S1に戻す。ショートカット処理の詳細は、図6を用いて後述する。
【0054】
一方、S1の判断において、カード200のカード番号を読み取らなかったと判断される場合(S1:NO)、CPU101は、画面上のボタン押下を検出したか否かを判断する(S4)。ここで「画面」とは、例えば図3(a)のHOME画面150であり、「ボタン」とは、ボタン150a~150dとアイコン150e~150jである。なお、HOME画面150は、“Basic1”ボタン150aが押下された状態の画面である。
【0055】
S4の判断において、画面上のボタン押下を検出したと判断される場合(S4:YES)、CPU101は、ボタン押下が“Custom”ボタンの押下であるか否かを判断する(S5)。“Custom”ボタンは、HOME画面150上の“Custom1”ボタン150c又は“Custom2”ボタン 150dである。
【0056】
S5の判断において、ボタン押下が“Custom”ボタンの押下であると判断される場合(S5:YES)、CPU101は、ショートカットDBに登録されているショートカットデータの一覧画面を作成して、パネル105上に表示した(S6)後、処理を上記S1に戻す。
【0057】
一方、S5の判断において、ボタン押下が“Custom”ボタンの押下でないと判断される場合(S5:NO)、CPU101は、押下したボタンに応じた画面に画面更新した(S7)後、処理を上記S1に戻す。ユーザが、例えばFaxアイコン150eを押下すると、パネル105上の画面は、HOME画面150から図3(b)に示すファックスモード(FaxMode)画面152に遷移する。同様に、ユーザがCopyアイコン150f又はScanアイコン150gを押下すると、それぞれコピーモード(CopyMode)画面又はスキャンモード(ScanMode)画面(いずれの画面も図示せず)に遷移する。
【0058】
一方、上記S4の判断において、画面上のボタン押下を検出しなかったと判断される場合(S4:NO)、CPU101は、処理を上記S1に戻す。
【0059】
図6は、上記S3のショートカット処理の詳細な手順を示している。
【0060】
図6において、まずCPU101は、パネル105上にいずれの画面が表示されているかを判断する(S11,S13,S15,S17)。
【0061】
パネル105上に、上記コピーモード(CopyMode)画面が表示されていると判断される場合(S11:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“Copy”に設定する(S12)。「呼び出し機能」は、RAM103内に確保した領域である。後述のようにCPU101は、ショートカットデータを呼び出す際に、表示画面のモードに対応する機能のショートカットデータを呼び出す。この処理に表示画面のモードが必要であるので、CPU101は、「呼び出し機能」領域を設け、表示画面のモードを記憶させるようにしている。
【0062】
またパネル105上に、上記スキャンモード(ScanMode)画面が表示されていると判断される場合(S13:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“Scan”に設定する(S14)。
【0063】
またパネル105上に、上記ファックスモード(FaxMode)画面152が表示されていると判断される場合(S15:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“Fax”に設定する(S16)。
【0064】
またパネル105上に、上記HOME画面150が表示されていると判断される場合(S17:YES)、CPU101は、呼び出し機能を“ALL”に設定する(S18)。
【0065】
次にCPU101は、処理をS19に進める。S19では、CPU101は、パネル105上に入力フィールドが表示されているか否かを判断する。図3(c)は、入力フィールド154aを含む送信先入力画面154の一例を示している。図3(c)の送信先入力画面154は、図3(b)のファックスモード(FaxMode)画面152に含まれる入力フィールド152aをユーザが押下したときに、ファックスモード(FaxMode)画面152から遷移する。
【0066】
送信先入力画面154には、ソフトウェアキーボード154bも表示される。ユーザは、ソフトウェアキーボード154bを押下することにより、文字情報を入力することができる。S19の判断において、パネル105上に入力フィールドが表示されていると判断される場合に(S19:YES)、ユーザが文字情報を含む何らかの情報を入力すると、CPU101は、その入力した情報、つまり入力値をRAM103に記憶する(S20)。そしてCPU101は、入力フラグをONに設定した(S21)後、処理をS22に進める。入力フラグは、入力フィールド(入力フィールド154aに限らず、他の画面の入力フィールドであってもよい)に文字情報を含む何らかの入力値が入力されたときに、CPU101がONに設定するフラグである。
【0067】
一方、S19の判断において、パネル105上に入力フィールドが表示されていないと判断される場合(S19:NO)、CPU101は、処理をS22に進める。
【0068】
S22では、CPU101は、ショートカット呼び出し処理を実行する。続くS23では、CPU101は、入力フラグをOFFに設定する。その後CPU101は、ショートカット処理を終了する。
【0069】
図7及び図8は、ショートカット呼び出し処理の詳細な手順を示している。
【0070】
図7において、まずCPU101は、入力フラグはONであるか否かを判断する(S31)。この判断において、入力フラグはONであると判断される場合(S31:YES)、CPU101は、処理をS32に進める。入力フラグがONである場合は、入力フィールドに入力値が入力された場合である。
【0071】
図4(a)は、図3(c)の送信先入力画面154において、入力フィールド154a内に“AL”という文字情報が入力されたときの送信先入力画面154′を示している。以下の処理の説明では、この場合、つまり入力フィールド154a内に“AL”という文字情報が入力された場合を例に挙げる。
【0072】
S32では、CPU101は、カード番号及び呼び出し機能が一致するショートカットデータと関係のある関連DBから入力値が一致する項目を検索する。このとき、カード番号が“1001”であり、呼び出し機能が“Fax”であるとする。ショートカットDBに登録されたショートカットデータのうち、カード番号及び呼び出し機能が一致するショートカットデータは、登録番号が1~4であるものである。そして関連DBは、本実施形態では上述のように、図2(b)のアドレス帳DBである。入力値は“AL”であるので、CPU101は、アドレス帳DBから“AL”と一致する項目を検索する。アドレス帳DBの項目である送信先表示名に“AL”を含むものがあるので、CPU101は、“ALEX”と“ALLY”を検索する。なお「一致」には、部分一致も含まれる。
【0073】
この場合、続くS33の判断において、一致する項目はあると判断される(S32:YES)ので、CPU101は、一致した項目と関連付いたショートカットデータをRAM103に記憶させる(S34)。RAM103に記憶させたショートカットデータを“A”とする。ショートカットデータとアドレス帳DBの送信先データとは、上述のように、ショートカットデータに含まれる設定のうち、送信先(Destination)を介して関連付けられる。したがってこの場合、“A”は、表示名“TO_ALEX”のショートカットデータと、表示名“TO_ALLY”のショートカットデータとを含んでいる。
【0074】
次にCPU101は、カード番号、呼び出し機能及び入力値が一致するショートカットデータをショートカットDBから検索する(S35)。上記S32の処理は、検索対象のDBが関連DBであるのに対して、S35の処理は、検索対象のDBがショートカットDBである点が異なっている。ショートカットDBにも、カード番号“1001”、呼び出し機能“Fax”、及び入力値“AL”と一致するショートカットデータが登録されている。つまり、ショートカット表示名“TO_ALEX”と“TO_ALLY”は、“AL”を含んでいるからである。
【0075】
次にCPU101は、一致するショートカットデータがあるか否かを判断し(S37)、一致するショートカットデータがあれば、CPU101は、上記S34と同様にして、ショートカットデータをRAM103に記憶させた(S38)後、処理を図8のS39に進める。なおS38では、RAM103に記憶させたショートカットデータを“B”とする。したがってこの場合、“B”も、表示名“TO_ALEX”のショートカットデータと、表示名“TO_ALLY”のショートカットデータとを含むことになる。
【0076】
一方、S37の判断において、一致するショートカットデータがなければ、CPU101は、S38をスキップして、図8のS39に進める。
【0077】
一方、上記S31の判断において、入力フラグはOFFであると判断される場合(S32:NO)、CPU101は、カード番号及び呼び出し機能が一致するショートカットデータをショートカットDBから検索した(S36)後、処理を上記S37に進める。S37の処理は、上述したので、その説明は省略する。したがってこの場合、“B”は、ショートカットDBに登録されている登録番号1~5のショートカットデータを含むことになる。
【0078】
図8のS39では、CPU101は、対象のショートカットデータがあるか否かを判断する。この判断は、上記“A”と上記“B”との和集合(A+B)内にショートカットデータが含まれているか否かに基づいて行う。つまり、和集合(A+B)内にショートカットデータが含まれていれば(S39:YES)、CPU101は、その含まれているショートカットデータの個数が1つか否かを判断する(S40)。
【0079】
S40の判断において、ショートカットデータが1つのみであると判断される場合(S:YES)、CPU101は、ショートカットデータに含まれるワンタッチ機能、つまりワンタッチ呼び出しがONに設定されているか否かを判断する(S41)。この判断において、ワンタッチ呼び出しがONに設定されていると判断される場合(S41:YES)、CPU101は、ショートカットデータの機能を実行した(S42)後、ショートカット呼び出し処理を終了する。例えば、ユーザが図4(a)の送信先入力画面154′の入力フィールド154aにさらに“L”を追加して、“ALL”を入力したとする。この場合、CPU101は、表示名“TO_ALLY”のショートカットデータを1つだけ検索する。そして、表示名“TO_ALLY”のショートカットデータには、OneTouch:ONが設定されているので、CPU101は、表示名“TO_ALLY”のショートカットデータの機能を直ちに実行する。
【0080】
一方、S41の判断において、ワンタッチ呼び出しがOFFに設定されていると判断される場合(S41:NO)、CPU101は、ショートカットデータの機能の開始画面をパネル105上に表示した(S43)後、ショートカット呼び出し処理を終了する。例えば、ユーザが図4(a)の送信先入力画面154′の入力フィールド154aにさらに“E”を追加して、“ALE”を入力したとする。この場合、CPU101は、表示名“TO_ALEX”のショートカットデータを1つだけ検索する。そして、表示名“TO_ALEX”のショートカットデータには、OneTouch:OFFが設定されているので、CPU101は、表示名“TO_ALEX”のショートカットデータの機能の開始画面をパネル105上に表示する。図4(c)は、Fax機能の開始画面158の一例を示している。この開始画面158において、ユーザが“FaxStart”ボタン158aを押下すると、CPU101は、表示名“TO_ALEX”のショートカットデータの機能を実行する。これにより、送信先電話番号“052456123×”にファックス送信することができる。
【0081】
一方、上記S40の判断において、ショートカットデータの数が複数であると判断される場合(S40:NO)、CPU101は、複数あるショートカットデータの一覧画面を作成してパネル105上に表示した(S44)後、ショートカット呼び出し処理を終了する。S39の判断において対象のショートカットデータが、表示名“TO_ALEX”のショートカットデータと、表示名“TO_ALLY”のショートカットデータの2つである場合、CPU101は、これら2つのショートカットデータの一覧画面を作成してパネル105上に表示する。図4(b)は、ショートカットデータの一覧画面156の一例を示している。
【0082】
一方、上記S39の判断において、和集合(A+B)内にショートカットデータが含まれていないと判断される場合(S39:NO)、CPU101は、ショートカット呼び出し処理を終了する。
【0083】
以上説明したように、本実施形態のMFP100は、カード200からカード番号を読み取る読取部107と、文字情報を含むショートカットデータとカード番号とを関連付けて記憶するNVRAM104と、文字情報を入力するためのパネル105と、カード番号に関連付けられたショートカットデータに基づき処理を実行するCPU101と、を備えている。
【0084】
そしてCPU101は、パネル105に入力された文字情報及び読取部107によりカード200から読み取られたカード番号に基づき、NVRAM104においてショートカットデータを検索する(S32,S35)。
【0085】
このように、本実施形態のMFP100では、ショートカットデータの検索を簡易に行うことが可能となる。
【0086】
ちなみに、本実施形態において、MFP100は、「情報処理装置」の一例である。カード200は、「媒体」の一例である。カード番号は、「識別情報」の一例である。ショートカットデータは、「設定情報」の一例である。NVRAM104は、「記憶部」の一例である。パネル105は、「入力部」の一例である。CPU101は、「制御部」の一例である。
【0087】
またCPU101は、パネル105に文字情報が入力された状態で、読取部107によりカード200からカード番号が読み取られると、入力された文字情報及び読み取られたカード番号に対応するショートカットデータを検索する(S32,S35)。
【0088】
また、ショートカットデータに含まれる文字情報は、設定値である。
【0089】
また設定値は、ショートカットデータの表示名称を含む。
【0090】
また設定値は、宛先情報を含む。
【0091】
またMFP100はさらに、パネル105を備え、CPU101は、検索により複数のショートカットデータが検索された場合、検索された複数のショートカットデータをパネル105に一覧表示する(S44)。
【0092】
これにより、検索結果が目に見えるので、ユーザは目的のショートカットデータを見つけ易くなる。
【0093】
ちなみに、パネル105は、「表示部」の一例である。
【0094】
またCPU101は、検索により1つのショートカットデータのみが検索された場合、検索されたショートカットデータで処理の実行を開始するための実行開始画面158をパネル105に表示する(S43)。
【0095】
これにより、ユーザは、実行開始画面に表示されている実行ボタンを押下するだけで、検索されたショートカットデータで処理の実行を開始できるので、便利である。
【0096】
またCPU101は、検索された1つのショートカットデータで処理を実行する(S42)。
【0097】
これにより、ユーザは何の操作も行わずに、検索されたショートカットデータで処理の実行が開始されるので、便利である。
【0098】
またMFP100はさらに、原稿から画像を読み取る読取エンジン112を備え、ショートカットデータは、読取エンジン112の読取りに係る設定値を含む。
【0099】
また設定値は、原稿のサイズ及び画質のうち、少なくとも一方に係る設定値を含む。
【0100】
また、読取部107は、無線通信によりカード200からカード番号を読み取る。
【0101】
これにより、ユーザはカード200を直接MFP100に接続させなくても、MFP100に近づけるだけでよいので、便利である。
【0102】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0103】
(1)上記実施形態では、カード200からカード番号を読み取ってから、入力フィールド154aに文字情報を入力し、入力した文字情報を含むショートカットデータを検索するようにしたが、これに限らず、入力フィールド154aに文字情報を入力してから、カード200からカード番号を読み取った後、ショートカットデータの検索を開始してもよい。
【0104】
(2)上記実施形態では、情報処理装置の一例として、MFP100を例に挙げて説明したが、MFP100に限らず、情報処理装置は、単体のプリンタやスキャナ、コピー機であってもよい。
【0105】
(3)上記実施形態では、上記実施形態では、制御部の一例として、CPU101を挙げて説明したが、制御部は、CPUと専用回路とを有していてもよい。専用回路としては、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field Programmable Gate Array)などが挙げられる。
【0106】
(4)上記実施形態では、読取部の一例として、NFCによりカード200内のIDを読み取るカードリーダを挙げたが、これに限らず、通信インタフェースとして、Bluetooth(登録商標)インタフェース等を採用してもよい。また、通信インタフェースとして、SDIO(Secure Digital Input/Output)を採用してもよい。これらの場合、外部記憶装置は、採用される通信インタフェースに対応したインタフェースを有する装置となる。さらに読取部として、2次元コードリーダを採用してもよい。2次元コードには、バーコード及びQRコード(登録商標)等が含まれる。この場合、媒体は、2次元コードが表面に印刷等されたカードやシート等となる。
【符号の説明】
【0107】
100 MFP
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 NVRAM
105 パネル
107 読取部
110 エンジンIF
111 印刷エンジン
112 読取エンジン
120 画像処理回路
200 カード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8