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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】データ取得装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20241022BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20241022BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20241022BHJP
   H04N 21/8547 20110101ALI20241022BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20241022BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H04L7/00 410
H04N5/92 010
H04N5/765
H04N21/8547
H04N23/60 300
A63B69/00 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023075953
(22)【出願日】2023-05-02
(62)【分割の表示】P 2019026391の分割
【原出願日】2019-02-18
(65)【公開番号】P2023101525
(43)【公開日】2023-07-21
【審査請求日】2023-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【弁理士】
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】山田 卓也
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-120308(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0131844(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0330760(US,A1)
【文献】特開平10-304299(JP,A)
【文献】米国特許第09526079(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
H04N 5/92
H04N 5/765
H04N 21/8547
H04N 23/60
A63B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像により動画データを取得する複数の撮像機器と、
前記複数の撮像機器の各々に個別の通信経路を介して接続され、前記複数の撮像機器の制御を行う制御機器と、
を備え、
前記制御機器は、
前記複数の撮像機器ごとに当該撮像機器に対応した前記通信経路を介して所定の送信信号を送信するとともに前記送信信号に対する応答信号を受信することにより、前記通信経路を介して前記複数の撮像機器の各々との間で通信を行う際に生じる信号遅延時間を前記撮像に先立って算出し、
前記複数の撮像機器の各々により取得された前記動画データの各々を同期して再生出力させる際に共通する基準時刻を設定するための設定情報を前記信号遅延時間に基づいて生成して前記複数の撮像機器の各々に送信し、
前記複数の撮像機器は、
前記制御機器が送信した前記設定情報を受信し、
前記撮像により前記動画データを取得した場合には、この取得した動画データに前記設定情報を関連付けて保存する、
ことを特徴とするデータ取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフやテニス、マラソン等のスポーツの分野では、スイングやランニング時のフォームを撮影したり身体の動きに関連する運動データを取得したりして、その後に映像や運動データを見直して分析することにより、適正なフォームの習得やスキルの向上を図ることが行われている。
【0003】
このような運動中の各種のデータを取得するシステムとしては、例えば撮像機器(デジタルカメラやアクションカメラ等)を被写体の周囲に配置したり各種のセンサ機器(モーションセンサや心拍計、GPS受信機等)を身体に装着したりして、ホスト機器(パーソナルコンピュータやスマートフォン等)からの指示によりこれらの機器の動作を制御するものが知られている。
【0004】
ここで、運動中の各種のデータを取得する際には、それぞれの機器における内部時計を同期させて、取得したデータ相互を時間的に関連付けることにより、例えばフォームの映像と運動データの変化とを同期させて再生出力することができる。複数の機器において内部時計を同期させる手法については、例えば特許文献1に、サーバと複数のクライアントとを備えた通信システムにおいて、各クライアントがサーバから送信される時刻通知情報とサーバとの通信により算出した通信経路における誤差時間とに基づいて、それぞれの内部時計を補正してサーバの時刻に同期させる手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-163330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1には、各クライアントに演算手段を備え、サーバとの通信経路における誤差時間を算出して時刻補正を行う手法について記載されている。このような通信システムを上述したような運動中の各種のデータを取得するシステムに適用した場合には、クライアントである撮像機器やセンサ機器のそれぞれに時刻補正用の演算手段を備える必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、各種のデータを複数の機器により取得する際に、簡易な手法でデータ相互を時間的に関連付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るデータ取得装置は、撮像により動画データを取得する複数の撮像機器と、前記複数の撮像機器の各々に個別の通信経路を介して接続され、前記複数の撮像機器の制御を行う制御機器と、を備え、前記制御機器は、前記複数の撮像機器ごとに当該撮像機器に対応した前記通信経路を介して所定の送信信号を送信するとともに前記送信信号に対する応答信号を受信することにより、前記通信経路を介して前記複数の撮像機器の各々との間で通信を行う際に生じる信号遅延時間を前記撮像に先立って算出し、前記複数の撮像機器の各々により取得された前記動画データの各々を同期して再生出力させる際に共通する基準時刻を設定するための設定情報を前記信号遅延時間に基づいて生成して前記複数の撮像機器の各々に送信し、前記複数の撮像機器は、前記制御機器が送信した前記設定情報を受信し、前記撮像により前記動画データを取得した場合には、この取得した動画データに前記設定情報を関連付けて保存する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各種のデータを複数の機器により取得する際に、簡易な手法でデータ相互を時間的に関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るデータ取得装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図2】一実施形態に係るデータ取得装置に適用される撮像機器の一例を示す機能ブロック図である。
図3】一実施形態に係るデータ取得装置に適用されるホスト機器の一例を示す機能ブロック図である。
図4】一実施形態に係るデータ取得装置における動画像の撮影方法の一例を示す概略図である。
図5】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(デバイス同期処理、動画データ取得処理)の一例を示すフローチャートである。
図6】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(デバイス同期処理、動画データ取得処理)の一例を示すタイムチャートである。
図7】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(動画データの同期再生処理)の第1の例を示すフローチャートである。
図8】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の第1の例を示すタイムチャートである。
図9】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(動画データの同期再生処理)の第2の例を示すフローチャートである。
図10】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の第2の例を示すタイムチャートである。
図11】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の第3の例を示すタイムチャートである。
図12】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(動画データ取得処理)の変形例を示すタイムチャートである。
図13】一実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の変形例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るデータ取得装置、その制御方法及び制御プログラム、並びに制御機器、データ取得機器について、実施形態を示して詳しく説明する。なお、以下の実施形態においては、説明を簡明にするために、ゴルフスイングを行うユーザを複数の異なる方向からデジタルカメラで動画撮影を行う場合について説明する。
【0012】
<データ取得装置>
図1は、本発明に係るデータ取得装置の一実施形態を示す概略構成図である。図2は、本実施形態に係るデータ取得装置に適用される撮像機器の一例を示す機能ブロック図であり、図3は、本実施形態に係るデータ取得装置に適用されるホスト機器の一例を示す機能ブロック図である。
【0013】
本発明に係るデータ取得装置の一実施形態は、例えば図1に示すように、複数の撮像機器(データ取得機器)120A、120B、120C、・・・を備えたデバイス群100と、デバイス群100の各撮像機器120A、120B、120C、・・・に無線通信により接続し、各撮像機器120A、120B、120C、・・・の動作を制御するホスト機器(制御機器)200と、を有している。以下、複数の撮像機器120A、120B、120C、・・・を、「撮像機器120」と総称する。
【0014】
(撮像機器120)
撮像機器120は、図1に示すように、例えばデジタルカメラやアクションカメラ等の動画像の撮影機能を有する機器であって、本実施形態においては、ホスト機器200からの指示に基づいて、被写体(対象物)であるユーザの運動中の身体の動きを複数の異なる方向から継続的に撮影して動画データとして取得する。撮像機器120は、具体的には、例えば図2に示すように、撮影部(データ取得手段)122と、操作部124と、表示部126と、通信機能部(受信手段)128と、演算回路130と、メモリ部(保存手段)132と、動作電源134と、を備えている。
【0015】
撮影部122は、被写体の1画面(フレーム)ずつの画像データを所定の周期で繰り返し取得することにより動画データを生成する。生成された動画データは後述するメモリ部132の所定の記憶領域(データメモリ)に保存される。操作部124は、デジタルカメラ等に付設する撮影ボタンやメニュースイッチ、電源スイッチ等の入力手段である。操作部124は、ユーザの操作を受け付けることにより、撮影部122における動画像の撮影開始、撮影終了や、撮影モード等の各種メニューの選択設定、撮像機器120の電源のオン、オフ等を制御する。なお、操作部124は、上記の各種の操作ボタンに加えて、又は、各種の操作ボタンに替えて、表示部126にタッチパネルを設けたものであってもよい。
【0016】
表示部126は、液晶表示パネル等を有し、撮影時における被写体のライブビュー画像や、メモリ部132に保存されている動画データ、操作部124を操作した際のメニュー画面や撮像機器120の動作状態等を表示する。なお、表示部126は、撮像機器120本体に備えられているものに限らず、撮像機器120の外部に設けられているものであってもよい。
【0017】
通信機能部128は、ホスト機器200との間で、動画撮影時の基準時刻の同期に関連する信号(同期設定信号)を送受信する際や、撮像機器120の動作に関連する各種の制御信号を受信したり、メモリ部に保存されている動画データを撮像機器120の外部に出力したりする際のインターフェースとして機能する。ここで、通信機能部128を介してホスト機器200との間で、同期設定信号や制御信号、動画データ等を送受信する手法としては、ワイファイ(WiFi(登録商標);wireless fidelity)通信やブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))通信等の無線通信方式が適用される。
【0018】
演算回路130は、CPUやMPU等の演算処理装置であって、内部時計(又は、計時回路)により生成される動作クロックに基づいて、所定の制御プログラムを実行することにより、撮影部122における撮影動作や、メモリ部132における動画データ等の保存、読出し動作、通信機能部128におけるホスト機器200との各種制御信号の送受信動作や動画データの再生出力動作等を制御する。演算回路130において実行される動作制御については、ホスト機器200の動作と関連付けて詳しく後述する。なお、演算回路130において実行される制御プログラムは、予め演算回路130の内部に組み込まれているものであってもよいし、後述するメモリ部132に保存されているものであってもよい。
【0019】
メモリ部132は、大別して、データメモリと、プログラムメモリと、作業用メモリと、を有している。データメモリは、上述した撮影部122により撮影された動画データを、時間データに関連付けて保存する。プログラムメモリは、撮影部122における撮影動作や、メモリ部132における動画データ等の保存、読出し動作、通信機能部128におけるホスト機器200との各種制御信号の送受信動作や動画データの出力動作等を実行するための制御プログラムを保存する。作業用メモリは、制御プログラムを実行する際に使用するデータや、生成されるデータを一時的に保存する。なお、データメモリは、その一部または全部がメモリカード等のリムーバブル記憶媒体としての形態を有し、撮像機器120に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。
【0020】
動作電源134は、操作部124の電源スイッチが操作されることにより、撮像機器120内部の各構成に駆動用電力を供給する。なお、撮像機器120は、動作電源134から駆動用電力が供給(電源オン)されることにより、撮影部122が撮影スタンバイ状態に移行するものであってもよいし、或いは、電源のオン、オフ状態に連動して、即座に撮影を開始、終了するものであってもよい。また、撮像機器120は、動作電源134から駆動用電力が供給(電源オン)されることにより、通信機能部128がホスト機器200との間で実行される同期処理のスタンバイ状態に自動的に移行するものであってもよいし、或いは、即座に同期処理を実行するものであってもよい。
【0021】
(ホスト機器200)
ホスト機器200は、図1に示すように、例えばスマートフォン220Aやパーソナルコンピュータ220B、タブレット端末(図示を省略)等の汎用又は専用の情報通信機器であって、本実施形態においては、無線通信によりデバイス群100の各撮像機器120A、120B、120C、・・・を個別に制御して、ユーザの運動中の身体の動きを撮影した複数の動画データを取得させ、動画データ相互を同期した状態で再生出力させる。ホスト機器200は、具体的には、例えば図3に示すように、操作部224と、表示部226と、通信機能部(送信手段)228と、演算回路(算出手段、生成手段)230と、メモリ部232と、動作電源234と、を備えている。ここで、上述した撮像機器120と同等の構成については、その説明を簡略化する。
【0022】
操作部224は、スマートフォン220Aやパーソナルコンピュータ220B等に付設するタッチパネルやキーボード、マウス等の入力手段である。操作部224は、表示部226に表示される任意のアイコンやメニューを選択したり、画面表示中の任意の位置を指示したりすることにより、アイコンやメニュー、表示位置に対応する機能が実行される。表示部226は、液晶表示パネル等を有し、少なくとも上述した撮像機器120により取得された複数の動画データを、相互に同期した状態で再生出力する。
【0023】
通信機能部228は、上述した無線通信方式により複数の撮像機器120との間で、動画撮影時の基準時刻の同期に関連する信号(同期設定信号)を送受信する際や、撮像機器120の動作に関連する各種の制御信号を送信したり、撮像機器120が取得した動画データを受信したりする際のインターフェースとして機能する。
【0024】
演算回路230は、CPUやMPU等の演算処理装置であって、内部時計(又は、計時回路)により生成される動作クロックに基づいて、所定の制御プログラムを実行することにより、複数の撮像機器120との同期処理や、撮像機器120における撮影動作や再生出力動作を指示するための制御信号の生成、表示部226における表示動作、通信機能部228における撮像機器120との各種制御信号の送受信動作等を制御する。演算回路230において実行される動作制御については、ホスト機器200の動作と関連付けて詳しく後述する。なお、演算回路230において実行される制御プログラムは、予め演算回路230の内部に組み込まれているものであってもよいし、後述するメモリ部232に保存されているものであってもよい。
【0025】
メモリ部232は、上述した撮像機器120と同様に、データメモリと、プログラムメモリと、作業用メモリと、を有している。データメモリは、上述した撮像機器120から出力された動画データ等の表示部226に表示するデータを保存する。プログラムメモリは、撮像機器120との同期処理や、表示部226における表示動作、通信機能部228における撮像機器120との各種制御信号の送受信動作等を実行するための制御プログラムを保存する。なお、データメモリは、その一部または全部がメモリカード等のリムーバブル記憶媒体としての形態を有し、ホスト機器200に対して着脱可能に構成されているものであってもよい。
【0026】
動作電源234は、電源スイッチ(図示を省略)が操作されることにより、ホスト機器200内部の各構成に駆動用電力を供給する。なお、ホスト機器200は、動作電源234から駆動用電力が供給(電源オン)されることにより、通信機能部228が複数の撮像機器120との間で実行される同期処理のスタンバイ状態に自動的に移行するものであってもよいし、或いは、即座に同期処理を実行するものであってもよい。
【0027】
<データ取得装置の制御方法>
次に、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法について、図面を参照して説明する。ここでは、本実施形態に係るデータ取得装置におけるデバイス同期処理から、撮像機器120による動画データ取得処理、ホスト機器200による動画データの同期再生処理に至るまでの一連の動作制御について説明する。
【0028】
図4は、本実施形態に係るデータ取得装置における動画像の撮影方法の一例を示す概略図である。図5は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(デバイス同期処理、動画データ取得処理)の一例を示すフローチャートであり、図6は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(デバイス同期処理、動画データ取得処理)の一例を示すタイムチャートである。
【0029】
(デバイス同期処理)
まず、本実施形態に係るデータ取得装置における動画像の撮影方法について簡単に説明する。
本実施形態においては、例えば図4に示すように、ユーザUSがゴルフスイングを行う場合には、ユーザUSのスイングを複数の異なる方向から撮影することができる位置、例えばユーザUSの前面側(腹側)や背面側(背中側)、左右の側方側、上方側(頭上側)や下方側(足下側)等に、それぞれ撮像機器120を配置して、スイング時のフォームを動画像として撮影する。これにより、ユーザUSのスイングを複数の異なる方向から撮影した動画データが取得され、これらの動画データに後述する同期再生を規定する時間データ(同期再生設定情報)が関連付けられて保存される。
【0030】
本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法においては、まず、図5に示すフローチャートのように、ホスト機器200により各撮像機器120における基準時刻を同期させるデバイス同期処理と、各撮像機器120によりユーザUSを撮影して動画データを取得する動画データ取得処理と、が実行される。ここで、デバイス同期処理及び動画データ取得処理は、ホスト機器200の演算回路230及び各撮像機器120の演算回路130において所定の制御プログラムを実行することにより実現される。
【0031】
ホスト機器200により各撮像機器120における基準時刻を同期させるデバイス同期処理においては、まず、ユーザUSがホスト機器200、及び、ユーザUSの周囲に配置された撮像機器120の電源をオン操作して、各機器を起動させる。各機器の起動後、ユーザUSがホスト機器200の操作部224及び撮像機器120の操作部124を操作してデバイス同期処理の開始を指示することにより、或いは、電源オンにより各機器が起動することにより、ホスト機器200と各撮像機器120との間で同期設定信号が送受信されて、各撮像機器120における基準時刻が同期される。ここで、ホスト機器200と各撮像機器120との間は、例えばワイファイ通信やブルートゥース(登録商標)通信等の無線通信方式を用いて接続される。また、同期設定信号の送受信においては、NTP(Network Time Protocol)やSNTP(Simple Network Time Protocol)等の通信プロトコルにしたがってパケット通信を行うことにより、ホスト機器200と複数の撮像機器120との間(すなわち、1対複数のデータ取得機器間の通信システム)で基準時刻の同期処理が行われる。
【0032】
具体的には、図5のフローチャート、及び、図6に示すタイムチャートのように、ホスト機器200の演算回路230は、上記の無線通信により接続された複数の撮像機器120のうちの1つの撮像機器(例えば、撮像機器120B)に対して、通信機能部228により無線通信により形成される通信経路を介して、時間計測用のパケット信号(時間計測パケット信号)を送信する(ステップS102)。撮像機器120Bの演算回路130は、ホスト機器200から送信された時間計測パケット信号を受信すると、通信機能部128により上記の通信経路を介して応答信号をホスト機器200に送信する(ステップS122)。
【0033】
ホスト機器200の演算回路230は、撮像機器120Bから送信された応答信号を受信すると(ステップS104)、撮像機器120Bとの間で行った同期設定信号(時間計測パケット信号及び応答信号)の送受信に要した通信時間に基づいて、ホスト機器200と撮像機器120Bとの間で時刻合わせを行う(ステップS106)。例えば図6に示すタイムチャートのように、ホスト機器200における時間計測パケット信号の送信時刻をTH1、撮像機器120Bにおける時間計測パケット信号の受信及び応答信号の送信時刻をTB1、ホスト機器200における応答信号の受信時刻をTH2とした場合、次の(11)式によりホスト機器200と撮像機器120Bとの間で時刻合わせ(TH3 =TB1)が行われる(図6中の(1))。ここで、ホスト機器200と撮像機器120Bとは同一の通信経路を介して同期設定信号の送受信を行っているので、送信に要した時間と受信に要した時間とは概ね同等であると考えることができる。
H3 =TH1 (TH2-TH1)/2
=TB1 ・・・(11)
【0034】
ホスト機器200の演算回路230は、上記の時刻合わせにより規定された時刻を、撮像機器120Bにおける仮の基準時刻TB1として記憶するとともに、撮像機器120Bに時刻設定通知として送信する(ステップS108;図6中の(3))。撮像機器120Bの演算回路130は、ホスト機器200から送信された時刻を受信すると(ステップS124)、仮の基準時刻TB1(=TH3)として内部時計に設定する(ステップS126)。
【0035】
次いで、ホスト機器200の演算回路230は、上記の時刻合わせを行った撮像機器120B以外の、他の撮像機器120(例えば、撮像機器120A、C、・・・)について、時刻合わせが終了したか否かを判定する(ステップS110)。演算回路230は、全ての撮像機器120について時刻合わせが終了するまで、上記の一連の処理(ステップS102~S108、及び、ステップS122~S126)を、各撮像機器120に対して順次、繰り返し実行する(ステップS110のNo)。
【0036】
これにより、ホスト機器200と他の撮像機器120(撮像機器120A、C、・・・)との間でも時刻合わせが行われる。例えば図6に示すタイムチャートのように、撮像機器120Aに対する時刻合わせにおいては、ホスト機器200における時間計測パケット信号の送信時刻をTH4、撮像機器120Aにおける時間計測パケット信号の受信及び応答信号の送信時刻をTA1、ホスト機器200における応答信号の受信時刻をTH5とした場合、上記の(11)式と同様に、次の(12)式により時刻合わせ(TH6 =TA1)が行われる(図6中の(2))。
H6 =TH4(TH5-TH4)/2
=TA1 ・・・(12)
【0037】
ホスト機器200の演算回路230は、上記の時刻合わせにより規定された時刻を、撮像機器120Aにおける仮の基準時刻TA1として記憶するとともに、撮像機器120Aに時刻設定通知として送信し、撮像機器120Aの演算回路130は、受信した時刻を仮の基準時刻TA1(=TH6)として内部時計に設定する。
【0038】
そして、ホスト機器200の演算回路230は、ステップS110において全ての撮像機器120について、時刻合わせが終了したと判定した場合(ステップS110のYes)には、複数の撮像機器120のそれぞれについて記憶した仮の基準時刻について、次のように差分を算出して基準時刻の補正を行う。
【0039】
具体的には、演算回路230は、ホスト機器200と各撮像機器120との間で行った時刻合わせのうち、最も早く実行された時刻合わせにより規定された仮の基準時刻(例えば、撮像機器120Bとの時刻合わせにより規定された仮の基準時刻TB1(=TH3))を基準として、他の撮像機器120(撮像機器120A、C、・・・)の仮の基準時刻との差分を個別に算出する。
【0040】
次いで、演算回路230は、算出された仮の基準時刻の差分を、他の撮像機器120に補正時間(差分時間)tとして個別に送信する(ステップS112)。例えば図6に示すタイムチャートのように、最も早く時刻合わせが行われた撮像機器120が撮像機器120Bである場合には、撮像機器120Bの仮の基準時刻TB1(=TH3))を基準として、撮像機器120Aの仮の基準時刻TA1(=TH6)との差分が、次の(13)式のように算出されて、撮像機器120Aに補正時間tとして送信される(図6中の(3))。
t=TA1-TB1
=TH6-TH3 ・・・(13)
【0041】
このような基準時刻の差分計算、及び、補正時間の送信は、撮像機器120B以外の、他の撮像機器120についても実行される。ここで、基準時刻の差分計算は、撮像機器120Bの仮の基準時刻TB1(=TH3 )を基準にして算出されるので、ホスト機器200から撮像機器120Bには補正時間tは送信されない(或いは、t=0に設定された補正時間が送信される)。
【0042】
基準となる仮の基準時刻が規定された撮像機器120B以外の、他の撮像機器120(撮像機器120A、C、・・・)の演算回路130は、ホスト機器200から送信された上記の補正時間(差分時間)tを受信すると、他の撮像機器120のそれぞれの内部時計に設定されていた仮の基準時刻を、補正時間tに基づいて補正する処理を実行する(ステップS128)。
【0043】
具体的には、他の撮像機器120の演算回路130は、ステップS126において設定した仮の基準時刻を、受信した補正時間tだけ遡る(早める)ように補正を行う。例えば図6に示すタイムチャートのように、撮像機器120Aの仮の基準時刻がTA1(=TH6)の場合、次の(14)式のように仮の基準時刻TA1から補正時間tを差し引く処理が行われて、補正された新たな基準時刻TA2が内部時計に設定される(図6中の(4))。これにより、最も早く時刻合わせが行われた撮像機器120Bの仮の基準時刻TB1(=TH3 )に、他の全ての撮像機器120の仮の基準時刻が一致するように補正が行われる。すなわち、本実施形態においては、最も早く時刻合わせが行われた撮像機器120の仮の基準時刻を正規の基準時刻とするように、全ての撮像機器120の基準時刻が補正されて、ホスト機器200と複数の撮像機器120との間で基準時刻の同期が実行される。
A2 =TA1-t ・・・(14)
【0044】
なお、本実施形態においては、ホスト機器200と複数の撮像機器120との間で、最も早く時刻合わせが行われた撮像機器120Bの仮の基準時刻TB1(=TH3 )を正規の基準時刻とする場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、複数の撮像機器120のそれぞれについて記憶した仮の基準時刻のいずれかを基準(正規の基準時刻)にして、上述した差分計算により算出される仮の基準時刻の差分を、各撮像機器120に補正時間(差分時間)tとして送信し、他の撮像機器120の内部時計に設定された仮の基準時刻を、受信した補正時間tだけ遡る(早める)、或いは、繰り下げる(遅らせる)ように補正を行って、基準時刻を同期するものであってもよい。
【0045】
(動画データ取得処理)
次に、各撮像機器120によりユーザUSを撮影して動画データを取得する動画データ取得処理においては、図5に示すフローチャートのように、ユーザUSがゴルフスイングに先立って、ホスト機器200の操作部224を操作して、各撮像機器120における撮影の開始を指示することにより、ホスト機器200から各撮像機器120のそれぞれに対して撮影開始を指示する制御信号(撮影開始指示)が同時に送信される(ステップS114)。
【0046】
各撮像機器120の演算回路130は、ホスト機器200から送信された撮影開始指示を受信すると、撮影部122によりユーザUSを被写体とする動画像の撮影を開始する(ステップS130)。ここでは、便宜的に、図6に示すタイムチャートのように、複数の撮像機器120のうち、デバイス同期処理において、ホスト機器200と撮像機器120Aとの時刻合わせの際に取得した通信時間が最も短い(すなわち、信号遅延が最も小さい)ものとし、また、ホスト機器200と撮像機器120Bとの時刻合わせの際に取得した通信時間が最も長い(すなわち、信号遅延が最も大きい)ものとする。これにより、複数の撮像機器120のうち、撮像機器120Aにおいて動画像の撮影が最も早く開始され(撮影開始時刻TA3)、一方、撮像機器120Bにおいて動画像の撮影が最も遅く開始される(撮影開始時刻TB2)。
【0047】
複数の撮像機器120の撮影部122により取得されたユーザUSの動画データは、それぞれメモリ部132のデータメモリに順次保存される。このとき、各撮像機器120の演算回路130は、撮影の開始に伴って、上述したデバイス同期処理において各撮像機器120に設定された補正後の基準時刻(正規の基準時刻)から撮影が開始された時刻までの経過時間を取得する(ステップS132)。例えば図6に示すタイムチャートのように、撮像機器120Aにおいては、基準時刻TA2(=TH3)と撮影開始時刻TA3との差分(TA3-TA2)が経過時間として取得され、また、撮像機器120Bにおいては、基準時刻TB1(=TH3)と撮影開始時刻TB2との差分(TB2-TB1)が経過時間として取得される(図6中の(5))。
【0048】
ここで、経過時間は、上述したデバイス同期処理により規定された正規の基準時刻TH3を共通の基準とし、ホスト機器200から同時に撮影開始指示が送信された場合の各撮像機器120における撮影開始時刻を用いて算出されるので、各経過時間にはホスト機器200と各撮像機器120との通信経路に起因する信号遅延の成分が含まれていることになる。また、ホスト機器200と各撮像機器120との間の信号遅延の時間は、上述したデバイス同期処理において、ホスト機器200と各撮像機器120との時刻合わせの際に取得した通信時間(信号の送受信に要した時間)の概ね1/2として算出することができる。
【0049】
次いで、ユーザUSがゴルフスイングを終えた後、ホスト機器200の操作部224を操作して各撮像機器120における撮影の終了を指示することにより、ホスト機器200から各撮像機器120に対して撮影終了を指示する制御信号(撮影終了指示)が同時に送信される(ステップS116)。各撮像機器120の演算回路130は、ホスト機器200から送信された撮影終了指示を受信すると、撮影部122における動画像の撮影を終了する(ステップS134)。
【0050】
このとき、各撮像機器120の演算回路130は、撮影の終了に伴って、上記の信号遅延の成分を含む経過時間を同期再生設定情報として、取得した動画データに関連付けてメモリ部132のデータメモリに保存する(ステップS136;図6中の(6))。ここで、動画データに関連付けられる経過時間は、動画データの一部(例えばヘッダー情報)として組み込まれた状態で保存されるものであってもよいし、紐付け等により関連付けした状態で動画データとは異なる記憶領域に保存されるものであってもよい。
【0051】
なお、本実施形態においては、ユーザUSがホスト機器200の操作部224を操作することにより、ホスト機器200から各撮像機器120に撮影の開始、終了を指示する制御信号を送信して動画データの取得処理を制御する場合について説明した。本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各撮像機器120がモーション検知機能を有し、上述したデバイス同期処理が行なわれた後に、各撮像機器120がユーザUSの特定の動作を検出することにより動画データの取得処理を実行するものであったり、デバイス同期処理が行なわれた後、所定時間後に各撮像機器120が自動的に動画データの取得処理を実行するものであったりしてもよい。
【0052】
(同期再生処理)
次に、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法において実行される動画データの同期再生処理について説明する。上述したデバイス同期処理及び動画データ取得処理により、各撮像機器120が取得した動画データは、次のような各種の制御方法により同期再生される。
【0053】
(1)第1の同期再生例
図7は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(動画データの同期再生処理)の第1の例を示すフローチャートであり、図8は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の第1の例を示すタイムチャートである。
【0054】
本実施形態に係る動画データの同期再生処理の第1の例は、上述した動画データ取得処理により各撮像機器120が取得した動画データを、単一の再生機器に移動させて収集し、再生機器において各動画データの同期再生を行う。ここで、再生機器は、例えば本実施形態においてホスト機器200として示したスマートフォン220Aやパーソナルコンピュータ220B、タブレット端末等であってもよいし、汎用又は専用の動画再生機器であってもよい。本実施例においては、再生機器として、上述したデバイス同期処理及び動画データ取得処理を実行する際に用いたホスト機器200を適用する場合について説明する。この場合、ホスト機器200に収集された各動画データの同期再生は、例えばホスト機器200の表示部126に、各動画データに対応する表示領域を個別に設定して分割表示することにより実現される。
【0055】
動画データの同期再生処理は、図7に示すフローチャートのように、まず、上述した動画データ取得処理において各撮像機器120により取得されてメモリ部132に保存された動画データを複製又は転送して、ホスト機器200に移動させて収集する(ステップS152)。ここで、各動画データに関連付けて保存された経過時間(同期再生設定情報)も動画データとともにホスト機器200に移動させる。各撮像機器120から収集した動画データ及び経過時間は、ホスト機器200のメモリ部232のデータメモリに保存される。
【0056】
次いで、ユーザUSがホスト機器200の操作部224を操作して、収集した動画データの再生の開始を指示することにより(ステップS154)、演算回路230は、各動画データに関連付けられた経過時間を取得する(ステップS156)。演算回路230は、取得した経過時間のうち、最も長い経過時間を有する動画データ(すなわち、信号遅延が最も大きく、撮影開始時刻が最も遅い動画データ)の撮影開始時刻を再生開始基準時刻に設定する(ステップS158)。
【0057】
次いで、演算回路230は、上記の再生開始基準時刻を規定した動画データ以外の各動画データについて、経過時間により規定される撮影開始時刻(すなわち、先頭フレーム)から再生開始基準時刻までのデータを早送り、或いは、再生をスキップ(又は、空送り)して再生出力を除外する(ステップS160)。ここで、撮影開始時刻から再生開始基準時刻までの再生出力を除外する期間を、「再生除外時間」と記す。そして、演算回路230は、再生開始基準時刻のフレームから各動画データの再生出力を同時に開始することにより、表示部126に予め分割して設定された表示領域にそれぞれの動画データが同時に表示(同期再生)される(ステップS162)。
【0058】
その後、ユーザUSがホスト機器200の操作部224を操作して、収集した動画データの再生の終了を指示することにより(ステップS164)、或いは、各動画データが最終フレームまで再生されることにより、演算回路230は、表示部226への動画データの再生出力を終了する(ステップS166)。
【0059】
なお、本実施例に係る動画データの同期再生処理において、ホスト機器200の演算回路230により、収集した各動画データから経過時間を取得して再生開始基準時刻を設定する処理(ステップS156、S158)は、ユーザUSによる動画データの再生開始操作(ステップS154)をトリガーとして実行するものに限定されない。例えば、各撮像機器120の動画データをホスト機器200に移動させて収集する処理(ステップS152)の終了後に、自動的に実行するものであってもよい。
【0060】
また、再生開始基準時刻を設定する処理(ステップS158)は、上述したデバイス同期処理において、演算回路230がホスト機器200と各撮像機器120との時刻合わせの際に取得した通信時間に基づいて信号遅延時間を算出して、信号遅延が最も大きい撮像機器120における動画データの撮影開始時刻を再生開始基準時刻として設定するものであってもよい。加えて、各動画データの再生出力を除外する処理(ステップS160)は、上述したデバイス同期処理において、演算回路230が各撮像機器120における信号遅延時間と最も長い信号遅延時間との差分を算出して、それぞれの信号遅延時間の差分を再生除外時間として設定するものであってもよい。これらの再生開始基準時刻や再生除外時間(又は、これらを規定する信号遅延時間及びその差分)は、ホスト機器200から各撮像機器120に送信されて、各撮像機器120により取得された動画データに、同期再生設定情報として関連付けて保存される。
【0061】
以下、ホスト機器200において算出された各撮像機器120における信号遅延時間に基づいて再生開始基準時刻及び再生除外時間を設定する場合の制御方法について、図8のタイムチャートを参照して具体的に説明する。
【0062】
本実施例に係る動画データの同期再生処理を有するデータ取得装置の制御方法においては、図8に示すように、まず、上述したデバイス同期処理において、ホスト機器200と各撮像機器120A、120B、120C、・・・との間の時刻合わせの際に取得した通信時間に基づいて算出される信号遅延時間を、それぞれTH-A、TH-B、TH-C、・・・とする。ここで、複数の撮像機器120のうちの、撮像機器120Aにおける信号遅延時間TH-Aが最も短く、撮像機器120Bにおける信号遅延時間TH-Bが最も長いものとする。
【0063】
デバイス同期処理において、ホスト機器200の演算回路230は、算出した各撮像機器120における信号遅延時間のうちの最長の信号遅延時間TH-Bを抽出する。ここで、動画データ取得処理において、最長の信号遅延時間TH-Bを有する撮像機器120Bにより取得された動画データは、その撮影開始時刻TB2が、各撮像機器120により取得された動画データのうちで最も遅い撮影開始時刻となる。演算回路230は、この最も遅い撮影開始時刻TB2を再生開始基準時刻Tmaxとして設定する。
【0064】
また、演算回路230は、動画データ取得処理における各撮像機器120A、120B、120C、・・・の撮影開始時刻TA3、TB2、TC1、・・・と上記の最も遅い撮影開始時刻TB2により規定される再生開始基準時刻Tmaxとの差分(Tmax-TA3、Tmax-TB2、Tmax-TC1、・・・)を算出して、各動画データの再生時に適用される再生除外時間Tskpとして設定する。
【0065】
ここで、再生開始基準時刻Tmax及び再生除外時間Tskpは、それぞれの動画データの撮影開始時刻(又は、共通の基準時刻から撮影開始時刻までの経過時間)や、撮影開始時刻の時間差を用いて算出されるので、上述したように、各撮像機器120A、120B、120C、・・・における信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・を用いて算出することができる。
【0066】
具体的には、図8に示すタイムチャートのように、各動画データに共通する再生開始基準時刻Tmaxは、各撮像機器120における信号遅延時間のうちの、最長の信号遅延時間TH-Bを有する撮像機器120Bにおける動画データの撮影開始時刻TB2により規定される。また、撮像機器120Aにより取得された動画データにおける再生除外時間Tskpは、最長の信号遅延時間である撮像機器120Bにおける信号遅延時間TH-Bにより規定される再生開始基準時刻Tmaxと撮像機器120Aにおける信号遅延時間TH-Aとの差分(Tmax-TH-A)により算出される。また、撮像機器120Cにより取得された動画データにおける再生除外時間Tskpは、再生開始基準時刻Tmaxと撮像機器120Cにおける信号遅延時間TH-Cとの差分(Tmax-TH-C)により算出される。また、各動画データにおける再生除外時間Tskpは、撮像機器120Bにおける信号遅延時間TH-Bを基準にして算出されるので、撮像機器120Bにより取得された動画データにおける再生除外時間Tskpは0(=Tmax-TH-B)に設定される。個別に算出された各動画データにおける再生除外時間Tskpは、上記の再生開始基準時刻Tmaxとともに、ホスト機器200から各撮像機器120に送信されて、動画データ取得処理において取得された各動画データに同期再生設定情報として関連付けられて保存される。
【0067】
そして、動画データの同期再生処理において、演算回路230は、各撮像機器120から収集した動画データに同期再生設定情報として関連付けられた再生開始基準時刻Tmax及び再生除外時間Tskpを取得する。演算回路230は、これらの同期再生設定情報に基づいて、各動画データの先頭フレームからそれぞれに設定された再生除外時間Tskpのデータの再生出力を除外(早送り又はスキップ)して、再生開始基準時刻Tmaxのフレームから各動画データの再生出力を同時に開始する。
【0068】
具体的には、図8に示すタイムチャートのように、撮像機器120Aにより取得された動画データにおいては、例えば先頭フレームから第4フレーム(図8中、丸数字の「4」)までのデータの再生出力が除外されて、再生開始基準時刻Tmaxの第5フレーム(図8中、丸数字の「5」)から再生出力が開始される。また、撮像機器120Cにより取得された動画データにおいては、例えば先頭フレームから第2フレーム(図8中、丸数字の「2」)までのデータの再生出力が除外されて、再生開始基準時刻Tmaxの第3フレーム(図8中、丸数字の「3」)から再生出力が開始される。また、撮像機器120Bにより取得された動画データにおいては、データの再生出力の除外は行われず、再生開始基準時刻Tmaxの先頭フレーム(図8中、丸数字の「1」)から再生出力が開始される。
【0069】
本実施形態においては、無線通信により接続された複数の撮像機器(データ取得機器)により被写体(対象物)の動きを動画データとして取得するデータ取得装置において、動画データの取得処理に先立って予めホスト機器と撮像機器との間で時刻合わせを行うことにより、各撮像機器に共通の基準時刻を設定するデバイス同期処理を実行する。次いで、動画データの取得処理の際に、基準時刻から撮影開始までの経過時間に基づいて、又は、各撮像機器における動画データの撮影開始時刻及び信号遅延時間に基づいて算出される再生開始基準時刻及び再生除外時間を含む同期再生設定情報を、取得した各動画データに関連付けて保存する。そして、各動画データの再生出力の際に、動画データに関連付けられた同期再生設定情報に基づいて、各動画データにおける先頭フレームからそれぞれの再生除外時間の再生出力を除外した後に、共通する再生開始基準時刻のフレームから各動画データが同期して再生出力される。
【0070】
このように、本実施形態によれば、複数の撮像機器により取得された動画データを再生出力する際の共通する再生開始基準時刻、及び、各動画データにおける再生除外時間を含む同期再生設定情報を、各動画データの取得時に関連付けて保存することにより、同期再生設定情報に基づいて各動画データを同期して再生出力することができる。これにより、簡易な手法により撮像機器(データ取得機器)ごとに異なる信号遅延の影響をなくして、複数の動画データを良好に同期再生することができる。すなわち、複数の撮像機器において、撮影した動画像の再生時のタイミング(再生開始基準時刻)を一致させることができるので、実質的に複数の撮像機器で同期した動画像の撮影が可能となり、また、この場合の再生出力時の遅延時間を特定の撮像機器の動画データに一致させることができるので、この遅延時間に相当する撮影時のシャッタータイムラグを、1台の撮像機器により撮影した場合と同じにすることができる。
【0071】
また、デバイス同期処理において、ホスト機器と複数の撮像機器との時刻合わせの際に取得した通信時間に基づいて、簡易な手法により各撮像機器に共通の基準時刻を設定して、同期再生設定情報を生成することができるので、動画データの取得処理に先立って事前に実行されるデバイス同期処理を比較的短時間で完了させることができる。
【0072】
また、本実施例に示した動画データの同期再生処理においては、複数の撮像機器により取得した動画データを、単一の再生機器であるホスト機器に移動させて収集し、ホスト機器(再生機器)において各動画データの同期再生処理を実行するように制御を行っているので、再生指示に対して各撮像機器が有する信号遅延の影響を受けることがなく、複数の動画データを簡易な手法で再生指示後に迅速かつ良好に同期再生することができる。
【0073】
(2)第2の同期再生例
図9は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(動画データの同期再生処理)の第2の例を示すフローチャートであり、図10は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の第2の例を示すタイムチャートである。ここで、上述した第1の同期再生例と同等の制御方法についてはその説明を簡略化する。
【0074】
本実施形態に係る動画データの同期再生処理の第2の例は、上述した動画データ取得処理により各撮像機器120が取得した動画データを、ホスト機器200からの指示により各撮像機器120に接続された表示手段に出力させて各動画データの同期再生を行う。ここで、表示手段は、例えば各撮像機器120に個別に接続された複数の表示装置であってもよいし、各撮像機器120に対応した複数の入力ポートを有する単一の表示装置であってもよい。後者の場合には、単一の表示装置において、個別の入力ポートを介して各撮像機器120から入力される動画データに対応する表示領域を個別に設定して分割表示することにより、各動画データの同期再生が実現される。
【0075】
動画データの同期再生処理は、図9に示すフローチャートのように、ユーザUSがホスト機器200の操作部224を操作して、各撮像機器120が取得した動画データの再生の開始を指示することにより、ホスト機器200から各撮像機器120に対して再生開始を指示する制御信号(再生開始指示)が同時に送信される(ステップS202)。
【0076】
各撮像機器120の演算回路130は、ホスト機器200から送信された再生開始指示を受信すると(ステップS222)、各動画データに関連付けられた同期再生設定情報を取得する(ステップS224)。ここで、ホスト機器200から送信された再生開始指示は、上述したデバイス同期処理において、ホスト機器200が各撮像機器120との時刻合わせの際に取得した通信時間に基づいて算出される信号遅延時間の経過後に、それぞれの撮像機器120により受信される。また、同期再生設定情報には、上述した第1の同期再生例に示したように、各撮像機器120における基準時刻から撮影が開始された時刻までの経過時間の他に、デバイス同期処理において信号遅延時間に基づいて設定され、ホスト機器200から各撮像機器120に送信された再生開始基準時刻や再生除外時間が含まれている。各撮像機器120の演算回路130は、取得した同期再生設定情報に基づいて、各動画データにおける再生開始基準時刻及び再生除外時間を設定する(ステップS226)。
【0077】
なお、各動画データに関連付けられた同期再生設定情報に基づいて、各撮像機器120における動画データの再生開始基準時刻及び再生除外時間を設定する処理(ステップS224、S226)は、ホスト機器200からの再生開始指示の受信(ステップS222)をトリガーとして実行するものに限らず、各撮像機器120における動画データ取得処理の終了後に、自動的に実行するものであってもよい。
【0078】
次いで、演算回路130は、各動画データの先頭フレームから再生開始基準時刻までのデータの再生出力を除外した後(ステップS228)、再生開始基準時刻のフレームから各動画データの再生出力を同時に開始することにより(ステップS230)、各撮像機器120に接続された表示手段にそれぞれの動画データが同時に表示(同期再生)される(ステップS232)。
【0079】
その後、ユーザUSがホスト機器200の操作部224を操作して、各撮像機器120における動画データの再生の終了を指示することにより、ホスト機器200から各撮像機器120に対して再生終了を指示する制御信号(再生終了指示)が同時に送信される(ステップS204)。各撮像機器120の演算回路130は、ホスト機器200から送信された再生終了指示を受信すると(ステップS234)、或いは、各撮像機器120において動画データが最終フレームまで再生されることにより、表示手段への動画データの再生出力を終了する(ステップS236)。
【0080】
以下、本実施例の具体例について、図10のタイムチャートを参照して説明する。
本実施例に係る動画データの同期再生処理を有するデータ取得装置の制御方法においては、図10に示すように、まず、上述した第1の同期再生例と同様に、デバイス同期処理において、ホスト機器200の演算回路230は、各撮像機器120との時刻合わせの際に取得した通信時間に基づいて算出される各撮像機器120A、120B、120C、・・・における信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・のうちの最長の信号遅延時間TH-Bを抽出する。そして、演算回路230は、この信号遅延時間TH-Bを有する撮像機器120Bにおける動画データの撮影開始時刻TB2を再生開始基準時刻Tmaxとして設定する。また、演算回路230は、各動画データの撮影開始時刻TA3、TB2、TC1、・・・と再生開始基準時刻Tmaxとの差分(Tmax-TA3、Tmax-TB2、Tmax-TC1、・・・)を算出して、各動画データの再生時に適用される再生除外時間Tskpとして設定する。
【0081】
ここで、上述したように、再生開始基準時刻Tmaxは、最長の信号遅延時間TH-Bにより規定され、各動画データにおける再生除外時間Tskpは、再生開始基準時刻Tmaxを規定する最長の信号遅延時間TH-Bと各撮像機器120における信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・との差分によりそれぞれ算出される。算出された各動画データにおける再生除外時間Tskpは、上記の再生開始基準時刻Tmaxとともに、ホスト機器200から各撮像機器120に送信されて、動画データ取得処理において取得された各動画データに同期再生設定情報として関連付けられて保存される。
【0082】
そして、動画データの同期再生処理において、ホスト機器200から同時に送信された再生開始指示を、各撮像機器120A、120B、120C、・・・において、それぞれの信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・の経過後に受信すると、各撮像機器120の演算回路130は、各動画データに同期再生設定情報として関連付けられた再生開始基準時刻Tmax及び再生除外時間Tskpを取得する。
【0083】
これにより、各撮像機器120の演算回路130は、図10に示すタイムチャートのように、ホスト機器200からの再生開始指示を受信した時点を各動画データにおける撮影開始時刻(すなわち、先頭フレーム)として、上述した第1の同期再生例と同様に、先頭フレームからそれぞれに設定された再生除外時間Tskpのデータの再生出力を除外(早送り又はスキップ)して、再生開始基準時刻Tmaxのフレームから各動画データの再生出力を同時に開始する。すなわち、ホスト機器200による再生開始指示の送信から最長の信号遅延時間TH-Bが経過した時点(それぞれの撮像機器120における信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・及び再生除外時間Tskpの合計時間が経過した時点に相当する)を、各動画データにおける共通の再生開始基準時刻Tmaxとして、再生開始基準時刻Tmaxのフレームから再生出力が開始される。
【0084】
このように、本実施例においても、上述した第1の同期再生例と同様に、動画データを再生出力する際の再生開始基準時刻及び再生除外時間を含む同期再生設定情報を生成して、動画データ取得処理において取得された各動画データに関連付けて保存することにより、同期再生設定情報に基づいて、各撮像機器に保存された動画データを再生開始基準時刻のフレームから同時に再生出力することができる。したがって、簡易な手法により撮像機器(データ取得機器)ごとに異なる信号遅延の影響を抑制して複数の動画データを良好に同期再生することができる。
【0085】
また、本実施例においては、ホスト機器により複数の撮像機器における動画データ取得処理、同期再生処理を制御する際に、各撮像機器120が有する信号遅延時間を加味して制御されるので、ホスト機器を操作して各種の指示を同時に送信するだけの簡易な手法により、各撮像機器における信号遅延の影響をなくして、各撮像機器に保存された動画データを良好に同期再生することができる。
【0086】
(3)第3の同期再生例
図11は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の第3の例を示すタイムチャートである。ここで、上述した第2の同期再生例と同等の制御方法についてはその説明を簡略化する。
【0087】
本実施形態に係る動画データの同期再生処理の第3の例は、データ取得用のホスト機器からの指示により動画データ取得処理を実行して、各撮像機器120が取得した動画データを、再生用の別のホスト機器からの指示により各撮像機器120に接続された表示手段に出力させて各動画データの同期再生を行う。ここで、表示手段は、上述した第2の同期再生例と同等の構成を有している。
【0088】
本実施例に係る動画データの同期再生処理を有するデータ取得装置の制御方法においては、図11に示すタイムチャートのように、例えばスマートフォン220A等のデータ取得用のホスト機器(便宜的に「ホスト機器200A」と記す)の演算回路(便宜的に「演算回路230A」と記す)が、上述した第2の同期再生例の場合と同様に、デバイス同期処理を実行する。これにより、演算回路230Aは、各撮像機器120との時刻合わせの際に取得した通信時間に基づいて、ホスト機器200Aと各撮像機器120A、120B、120C、・・・との間の信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・を算出する。
【0089】
次いで、演算回路230Aは、これらの信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・のうちの、最長の信号遅延時間TH-Bを有する撮像機器120Bにおける動画データの撮影開始時刻TB2を、各撮像機器120により取得される動画データに共通の再生開始基準時刻Tmaxとして設定する。また、演算回路230Aは、再生開始基準時刻Tmaxを規定する信号遅延時間TH-Bと各撮像機器120A、120B、120C、・・・における信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・との差分Tmax-TH-A、Tmax-TH-B、Tmax-TH-C、・・・を算出して、各動画データの再生時に適用される第1の再生除外時間TskpAとして設定する。再生開始基準時刻Tmax及び第1の再生除外時間TskpAは、ホスト機器200Aから各撮像機器120に送信されて、動画データ取得処理において取得された各動画データに同期再生設定情報として関連付けられて保存される。
【0090】
次いで、各撮像機器120により取得された動画データは、動画データ同期再生処理において、上記のデータ取得用のホスト機器200Aとは異なる、例えばパーソナルコンピュータ220B等の再生用のホスト機器(便宜的に「ホスト機器200B」と記す)からの指示により、次のような制御方法により同期再生される。
【0091】
ユーザUSがホスト機器200Bを操作して、各撮像機器120が取得した動画データの再生の開始を指示すると、ホスト機器200Bの演算回路(便宜的に「演算回路230B」と記す)は、まず、上述したホスト機器200Aにおけるデバイス同期処理と同様に、ホスト機器200Bと各撮像機器120とを無線通信により接続して、各撮像機器120との間で時刻合わせを行う。そして、演算回路230Bは、その際に取得した通信時間に基づいて、ホスト機器200Bと各撮像機器120A、120B、120C、・・・との間の信号遅延時間TP-A、TP-B、TP-C、・・・を算出する。
【0092】
次いで、演算回路230Bは、これらの信号遅延時間TP-A、TP-B、TP-C、・・・のうちの最長の信号遅延時間TP-C(=Tmaxp)を抽出し、各撮像機器120A、120B、120C、・・・における信号遅延時間TP-A、TP-B、TP-C、・・・との差分Tmaxp-TP-A、Tmaxp-TP-B、Tmaxp-TP-C、・・・を算出して、各動画データの再生時に適用される第2の再生除外時間TskpBとして設定する。第2の再生除外時間TskpBは、ホスト機器200Bから各撮像機器120に送信されて、動画データ取得処理において取得された各動画データに、上述した再生開始基準時刻Tmax及び第1の再生除外時間TskpAとともに、同期再生設定情報として関連付けられて保存される。
【0093】
次いで、図11に示すタイムチャートのように、演算回路230Bが、ホスト機器200Bから各撮像機器120に対して再生開始指示を同時に送信し、各撮像機器120A、120B、120C、・・・が、それぞれの信号遅延時間TP-A、TP-B、TP-C、・・・の経過後に再生開始指示を受信すると、各撮像機器120の演算回路130は、各動画データに同期再生設定情報として関連付けられた再生開始基準時刻Tmax及び第2の再生除外時間TskpBを取得する。
【0094】
これにより、各撮像機器120の演算回路130は、上述した第2の同期再生例と同様に、ホスト機器200Bからの再生開始指示を受信した時点を各動画データにおける撮影開始時刻(すなわち、先頭フレーム)として、先頭フレームからそれぞれに設定された再生除外時間TskpBのデータの再生出力を除外(早送り又はスキップ)して、再生開始基準時刻Tmaxのフレームから各動画データの再生出力を同時に開始する。すなわち、ホスト機器200Bによる再生開始指示の送信から最長の信号遅延時間TP-Cが経過した時点(それぞれの撮像機器120における信号遅延時間TP-A、TP-B、TP-C、・・・及び再生除外時間TskpBの合計時間が経過した時点に相当する)を、各動画データにおける共通の再生開始基準時刻Tmaxとして、再生開始基準時刻Tmaxのフレームから再生出力が開始される。
【0095】
このように、本実施例においても、上述した第2の同期再生例と同様に、各撮像機器120により取得された動画データに関連付けて保存された同期再生設定情報に基づいて、各撮像機器の動画データを再生開始基準時刻のフレームから同時に再生出力することができるので、任意のホスト機器を動画データの再生用に使用した場合であっても、簡易な手法により撮像機器(データ取得機器)ごとに異なる信号遅延の影響を抑制して複数の動画データを良好に同期再生することができる。
【0096】
また、本実施例においては、ホスト機器により複数の撮像機器における動画データ取得処理、同期再生処理を制御する際に、各撮像機器120が有する信号遅延時間を加味して制御されるので、任意のホスト機器を使用した場合であっても、各種の指示を同時に送信するだけの簡易な手法により、各撮像機器における信号遅延の影響をなくして、各撮像機器に保存された動画データを良好に同期再生することができる。
【0097】
なお、本実施例においては、デバイス同期処理及び動画データ取得処理において、データ取得用のホスト機器200Aと各撮像機器120との間の信号遅延時間に基づく同期再生設定情報(再生開始基準時刻Tmax、第1の再生除外時間TskpA)を算出し、各撮像機器120により取得された動画データに関連付けて保存する。その後、同期再生処理において、再生用のホスト機器200Bと各撮像機器120との間の信号遅延時間に基づく同期再生設定情報(第2の再生除外時間TskpB)を算出し、上記の各動画データにさらに関連付けて保存し、これらの同期再生設定情報に基づいて各動画データを同期再生する場合について説明した。本発明は、これに限定されるものではなく、例えば予めデータ取得用と再生用の各ホスト機器が特定されている場合には、デバイス同期処理及び動画データ取得処理において、データ取得用と再生用の両方のホスト機器200A、200Bと各撮像機器120との間の信号遅延時間に基づく同期再生設定情報(再生開始基準時刻Tmax、第1の再生除外時間TskpA、第2の再生除外時間TskpB)を算出し、各撮像機器120により取得された動画データに関連付けて保存する。その後、再生用のホスト機器200Bを使用した同期再生処理において、これらの同期再生設定情報に基づいて各動画データを同期再生するものであってもよい。
【0098】
(変形例)
次に、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の変形例について説明する。
図12は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法(動画データ取得処理)の変形例を示すタイムチャートであり、図13は、本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の変形例を示すタイムチャートである。ここで、本変形例においては、複数の撮像機器のうちの、1又は複数の撮像機器(撮像機器120A)が上述したようなモーション検知機能を有している場合について説明する。また、上述した各実施例を含む実施形態と同等の制御方法についてはその説明を簡略化する。
【0099】
本実施形態に係るデータ取得装置の制御方法の変形例は、動画データ取得処理において、複数の撮像機器120のうちの1乃至複数が、ホスト機器200から送信される撮影開始指示を受信する時点よりも以前から動画像の撮影を開始して、その際に取得した動画データ(便宜的に、「撮り溜めデータ」と記す)を撮影開始指示の受信後に取得した動画データとともに、同期再生設定情報に関連付けて保存する。そして、同期再生処理において、撮り溜めデータを用いることにより、各撮像機器における撮影開始指示の受信時刻よりも遡って、共通する再生開始基準時刻から各動画データを同時に表示手段に出力させて同期再生を行う。
【0100】
本変形例に係る動画データの同期再生処理を有するデータ取得装置の制御方法においては、図13に示すタイムチャートのように、まず、上述したデバイス同期処理において、ホスト機器200の演算回路230は、各撮像機器120における基準時刻を同期させるとともに、ホスト機器200と各撮像機器120A、120B、120C、・・・との間の信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・を算出する。演算回路230は、これらの基準時刻や信号遅延時間に基づいて、動画データ取得処理においてホスト機器200からの指示により最も早く動画像の撮影が開始される撮像機器120Aの撮影開始時刻TA11を再生開始基準時刻Tminとして設定する。ここで、再生開始基準時刻Tminは、各撮像機器120A、120B、120C、・・・における信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・のうちの最短の信号遅延時間TH-Aによっても規定される。また、演算回路230は、各撮像機器120A、120B、120C、・・・における信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・と再生開始基準時刻Tminを規定する最短の信号遅延時間TH-Aとの差分(TH-A-Tmin、TH-B-Tmin、TH-C-Tmin、・・・)を算出して、各動画データの再生時に適用される再生追加時間Taddとして設定する。これらの再生開始基準時刻Tminや再生追加時間Tadd(又は、これらを規定する信号遅延時間及びその差分)は、ホスト機器200から各撮像機器120に送信されて保存される。
【0101】
次いで、動画データ取得処理において、図12に示すタイムチャートのように、例えばユーザUSがホスト機器200を操作して各撮像機器120における撮影の開始を指示することにより、各撮像機器120に撮影待機を指示する制御信号(撮影待機指示)が同時に送信されて、各撮像機器120は、撮影待機状態に設定される。
【0102】
この撮影待機状態において、モーション検知機能を有する撮像機器120Aは、ユーザUSの特定の動作をイベントとして検出すると、ホスト機器200に対してイベント通知を送信するとともに、撮影待機状態を解除して所定の時間の経過を計測した後に撮影を開始する。このとき、撮像機器120Aは、イベント検出時点TA10から撮影開始時刻TA11までのタイムラグを含めた、基準時刻から撮影開始時刻TA11までの経過時間を取得し、デバイス同期処理において算出された信号遅延時間に基づいて、撮影開始時刻TA11を再生開始基準時刻Tminに設定して同期再生設定情報として取得された動画データに関連付けて保存する。ここで、イベント検出時点TA10から撮影開始時刻TA11までのタイムラグは、ホスト機器200から撮影開始指示を送信した時点から撮像機器120Aにおいて撮影が開始されるまでの時間(すなわち、撮像機器120Aにおける信号遅延時間TH-A)と同程度に設定されている。
【0103】
一方、撮像機器120Aからイベント通知を受信したホスト機器200は、撮像機器120Aを除く各撮像機器120に対して撮影開始指示を同時に送信する。撮像機器120Aを除く各撮像機器120は、図12に示すように、それぞれの信号遅延時間の経過後に撮影開始指示を受信すると、本来の動画像の撮影を開始するとともに、基準時刻から撮影開始時刻(撮像機器120Bにおいては時刻TB12)までの経過時間を取得する。各撮像機器120は、撮影開始時刻及び信号遅延時間に基づいて算出される再生開始基準時刻Tmin及び再生追加時間Taddを同期再生設定情報として各動画データに関連付けて保存する。
【0104】
また、ホスト機器200からの撮影開始指示を受信する撮像機器120のうち、撮像機器120B、120Cは、図13に示すように、撮影開始時刻TB12、TC12よりも前の時刻TB11、TC11から仮の動画像の撮影を開始して、取得した動画データを撮り溜めデータ(一時保存データ)として一時保存する。この撮り溜めデータは、ホスト機器200からの撮影開始指示に基づいて撮影開始時刻TB12、TC12後に取得した本来の動画データとともに、上記の同期再生設定情報が関連付けられて保存される。ここで、撮像機器120B、120Cにおいて、ホスト機器200からの撮影開始指示に先立って実行される撮り溜めデータの撮影開始時刻TB11、TC11は、図12図13に示すように、例えば各撮像機器120が撮影待機状態に設定された時点を基準にして、撮影待機状態に設定された直後、或いは、所定の時間経過後に設定される。また、撮り溜めデータの撮影開始時刻TB11、TC11は、撮像機器120Aにおいてイベント検出に伴って規定される撮影開始時刻TA11(すなわち、再生開始基準時刻Tmin)と同じ時点(同時刻)、もしくは、撮影開始時刻TA11よりも前の時点(早い時刻)になるように設定されていることが望ましい。また、撮り溜めデータの保存容量の上限(すなわち、撮り溜めデータとして保存される時間)は、撮像機器120ごとに予め規定されている。そのため、撮像機器120B、120Cは、例えばホスト機器200からの撮影開始指示を受信するまでの数秒~十数秒間について、取得した撮り溜めデータをフレーム単位で順次保存するとともに、保存容量の上限に達すると古いフレームから順次消去するエンドレス録画の機能を有している。これにより、撮り溜めデータとして取得した動画データは、上述したように、本来の動画データとともに保存されるまでは消去可能な状態で一時保存されているのみで、同期再生設定情報が関連付けられているものではない。
【0105】
次いで、動画データの同期再生処理においては、図13に示すタイムチャートのように、各撮像機器120A、120B、120C、・・・は、ホスト機器200から送信された再生開始指示をそれぞれの信号遅延時間TH-A、TH-B、TH-C、・・・の経過後に受信すると、各撮像機器120の動画データに同期再生設定情報として関連付けられた再生開始基準時刻Tmin及び再生追加時間Taddを取得する。
【0106】
これにより、モーション検知機能を有し、複数の撮像機器120のうちの最も早く動画像の撮影が開始される(すなわち、最短の信号遅延時間を有する)撮像機器120Aは、再生開始指示を受信した時点を、動画データ取得処理において設定された再生開始基準時刻Tminを規定する動画データの撮影開始時刻として、本来の動画データに設定された再生開始基準時刻Tminの先頭フレームから再生出力を開始する。
【0107】
一方、撮像機器120Aを除く各撮像機器120は、再生開始指示を受信した時点を、動画データ取得処理における撮影開始指示の受信時刻(すなわち、本来の動画データの先頭フレーム)とし、その時点からそれぞれに設定された再生追加時間Tadd(すなわち、各撮像機器120における信号遅延時間と再生開始基準時刻Tminを規定する最短の信号遅延時間TH-Aとの差分)を遡った時点を再生開始時刻として、各撮り溜めデータの再生開始基準時刻Tminにおけるフレームから再生出力を同時に開始する。すなわち、ホスト機器200による再生開始指示の送信から最短の信号遅延時間TH-Aが経過した時点に設定された、各動画データに共通の再生開始基準時刻Tminにおいて、撮像機器120Aにおいては、動画データ取得処理において取得された本来の動画データの先頭フレームから再生が開始される。また、撮像機器120Aを除く各撮像機器120においては、動画データ取得処理において取得される本来の動画データに先立って取得された撮り溜めデータのうちの、本来の動画データの先頭フレームから再生追加時間Tadd分だけ遡った時点の再生開始基準時刻Tminにおけるフレームから再生が開始される。
【0108】
このように、本変形例においては、ホスト機器200との信号遅延時間が最短の撮像機器120Aにおいて取得される動画データの撮影開始時刻以前から、他の撮像機器120において撮り溜めデータを取得しておくことにより、ホスト機器200からの再生開始指示の送信時点から最短の信号遅延時間の経過後(再生開始基準時刻)に、各撮像機器120において取得した動画データと撮り溜めデータを同時に再生出力することができる。したがって、簡易な手法により撮像機器(データ取得機器)ごとに異なる信号遅延の影響を抑制して、最短の信号遅延時間で複数の動画データを迅速かつ良好に同期再生することができる。
【0109】
また、本変形例においては、各撮像機器120において取得される撮り溜めデータを、所定の保存容量を上限としてエンドレス録画により一時保存することができるので、撮像機器120のメモリ部132の記憶容量を圧迫することがなく、複数の動画データを同期再生することができる。
【0110】
なお、本変形例においては、最短の信号遅延時間を有する撮像機器120Aを除く各撮像機器120が、ホスト機器200からの撮影開始指示を受信する時点よりも前から撮り溜めデータを取得する処理を実行する場合について説明したが、撮像機器120Aを除く全ての撮像機器120が撮り溜めデータを取得する機能を有していなくてもよいし、撮り溜めデータを取得する処理を実行しなくてもよい。この場合、再生開始基準時刻よりも以前に取得した撮り溜めデータが存在しない撮像機器120については、動画データが存在する時点まで再生出力が行われず、再生開始基準時刻後の本来の動画データの撮影開始時刻(すなわち、先頭フレーム)から再生出力が開始される。
【0111】
なお、上述した各実施形態においては、動画データ取得処理において取得した動画データに関連付けられる同期再生設定情報として、時間データある経過時間や再生開始基準時刻、再生除外時間、再生追加時間を設定した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、時間データに替えて、例えば動画データのフレーム数やフレーム位置により経過時間や再生開始基準時刻、再生除外時間、再生追加時間を示したものを適用するものであってもよい。
【0112】
また、上述した各実施形態においては、ホスト機器200と撮像機器120とが別個の機能を有するものとして説明したが、複数の撮像機器のうちの特定の撮像機器がホスト機器としての機能を有しているものであってもよい。この場合、ホスト機器の機能を有する撮像機器により他の撮像機器との同期処理や動作制御が行われるとともに、ホスト機器の機能を有する撮像機器により取得された動画データについても、上述した実施形態と同様に、他の撮像機器により取得された動画データとともに同期再生することができる。また、この場合には、データ取得装置を構成する機器の数を削減して簡易な構成とすることができる。
【0113】
また、本発明は、対象物の動きを動画として撮影する場合に限定されるものではなく、データ取得機器として上述した撮像機器120に加えて、或いは、撮像機器120に替えて、各種のセンサ機器を適用するものであってもよい。本発明においては、例えば加速度や角速度、傾き等を検出するモーションセンサや、心拍や体温、筋電位等を検出する生体センサ、地理的な位置や移動速度等を検出するGPS受信機等の、対象物の動きや状態に関連するパラメータを数値データ(センサデータや位置データ等)として取得することができるセンサ機器を適用することができる。この場合、センサ機器を対象物に取り付けた状態(例えば、ユーザUSが腰部や四肢、頭部、胸部等に直接装着した状態、或いは、ウェアや靴、ゴルフクラブ、テニスラケット等のスポーツ用品に取り付けた状態)で、上述した実施形態と同等の処理を実行することにより、複数の種類の数値データや、上述した撮像機器120により取得した動画データと数値データとを同期再生可能な状態で取得することができる。これにより、複数の種類の数値データを、或いは、動画と数値データとを相互に連携させて表示手段や分析機器等に再生出力することができるので、運動中の身体の動きや状態を的確に把握、分析して適正なフォームの習得やスキルの向上に役立てることができる。
【0114】
また、上述した各実施形態においては、被写体(対象物)であるユーザUSが行うゴルフスイングを動画撮影する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばテニスや野球のスイング、ランニングフォーム等の、他の被写体の動きを撮影するものであってもよい。
【0115】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0116】
(付記)
[1]
データを取得する複数のデータ取得機器と、
前記複数のデータ取得機器の各々に個別の通信経路を介して接続され、前記複数のデータ取得機器の制御を行う制御機器と、
を備え、
前記制御機器は、前記通信経路を介して前記複数のデータ取得機器の各々との間で通信を行う際に生じる信号遅延時間を算出し、前記信号遅延時間に基づいて前記複数のデータ取得機器により取得された前記データの各々を同期して再生出力させる際に共通する基準時刻を含む設定情報を生成して前記複数のデータ取得機器の各々に送信し、
前記複数のデータ取得機器は、前記制御機器が送信した前記設定情報を受信し、前記データを取得して、取得した前記データに前記設定情報を関連付けて保存する、
ことを特徴とするデータ取得装置。
【0117】
[2]
前記複数のデータ取得機器により取得された前記データは、前記設定情報に含まれる前記共通する基準時刻のデータ位置から、それぞれ再生出力が開始されることを特徴とする[1]に記載のデータ取得装置。
【0118】
[3]
前記複数のデータ取得機器により取得された前記データは、前記データの先頭位置から前記基準時刻のデータ位置までの再生出力が除外されることを特徴とする[2]に記載のデータ取得装置。
【0119】
[4]
前記基準時刻は、前記複数のデータ取得機器のうちの、前記信号遅延時間が最も長い前記データ取得機器により取得された前記データの先頭位置に設定されていることを特徴とする[3]に記載のデータ取得装置。
【0120】
[5]
前記複数のデータ取得機器の少なくとも一つは、前記制御機器からの前記データ取得指示に先立って、前記データ取得指示に基づいて取得した前記データより前に一時保存データを取得し、前記一時保存データを含む前記データは、前記取得した前記データの先頭位置よりも前に取得された前記一時保存データにおける前記基準時刻のデータ位置から再生出力が開始されることを特徴とする[2]に記載のデータ取得装置。
【0121】
[6]
前記基準時刻は、前記複数のデータ取得機器のうちの、前記信号遅延時間が最も短い前記データ取得機器により取得された前記データの先頭位置に設定されていることを特徴とする[5]に記載のデータ取得装置。
【0122】
[7]
前記制御機器は、前記複数のデータ取得機器により取得された前記データを収集し、再生出力指示に基づいて、前記収集された前記データの各々を前記基準時刻のデータ位置から同期して再生出力させることを特徴とする[2]乃至[6]のいずれかに記載のデータ取得装置。
【0123】
[8]
前記制御機器は、前記複数のデータ取得機器に再生出力指示を送信し、
前記複数のデータ取得機器は、前記再生出力指示に基づいて、前記取得された前記データの各々を前記基準時刻のデータ位置から同期して再生出力させることを特徴とする[2]乃至[6]のいずれかに記載のデータ取得装置。
【0124】
[9]
前記複数のデータ取得機器のうちの特定のデータ取得機器が、前記制御機器としての機能を有していることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれかに記載のデータ取得装置。
【0125】
[10]
前記制御機器は、前記複数のデータ取得機器により前記データを取得させる制御を行うデータ取得用の制御機器と、前記複数のデータ取得機器により取得された前記データの各々を再生出力させる再生用の制御機器とを有し、
前記再生用の制御機器は、
前記再生用の制御機器により生成された前記設定情報に含まれる前記信号遅延時間に基づく所定の時間、前記複数のデータ取得機器により取得された前記データの再生出力を除外し、
前記データ取得用の制御機器により生成された前記設定情報に含まれる前記基準時刻のデータ位置から、前記データのそれぞれの再生出力を開始することを特徴とする[1]に記載のデータ取得装置。
【0126】
[11]
前記複数のデータ取得機器は、対象物の動きを継続的に撮影する撮像機器、又は、前記対象物の動きや状態に関連するパラメータを継続的に取得するセンサ機器のうちの、少なくともいずれか一方を有していることを特徴とする[1]乃至[10]のいずれかに記載のデータ取得装置。
【0127】
[12]
データを取得する複数のデータ取得機器と、前記複数のデータ取得機器の各々に個別の通信経路を介して接続され、前記複数のデータ取得機器の制御を行う制御機器と、を備えたデータ取得装置の制御方法であって、
前記制御機器において、
前記通信経路を介して前記複数のデータ取得機器の各々との間で通信を行う際に生じる信号遅延時間を算出し、
前記信号遅延時間に基づいて前記複数のデータ取得機器により取得された前記データの各々を同期して再生出力させる際に共通する基準時刻を含む設定情報を生成して前記複数のデータ取得機器の各々に送信し、
前記複数のデータ取得機器において、
前記制御機器が送信した前記設定情報を受信し、前記データを取得して、取得した前記データに前記設定情報を関連付けて保存する、
ことを特徴とするデータ取得装置の制御方法。
【0128】
[13]
前記複数のデータ取得機器により取得された前記データは、前記設定情報に含まれる前記共通する基準時刻のデータ位置から、それぞれ再生出力が開始されることを特徴とする[12]に記載のデータ取得装置の制御方法。
【0129】
[14]
データを取得する複数のデータ取得機器と、前記複数のデータ取得機器の各々に個別の通信経路を介して接続され、前記複数のデータ取得機器の制御を行う制御機器と、を備えたデータ取得装置の制御プログラムであって、
前記制御機器のコンピュータに、
前記通信経路を介して前記複数のデータ取得機器の各々との間で通信を行う際に生じる信号遅延時間を算出させ、
前記信号遅延時間に基づいて前記複数のデータ取得機器により取得された前記データの各々を同期して再生出力させる際に共通する基準時刻を含む設定情報を生成して前記複数のデータ取得機器の各々に送信させ、
前記複数のデータ取得機器のコンピュータに、
前記制御機器が送信した前記設定情報を受信し、前記データを取得して、取得した前記データに前記設定情報を関連付けて保存させる、
ことを特徴とするデータ取得装置の制御プログラム。
【0130】
[15]
前記複数のデータ取得機器により取得された前記データは、前記設定情報に含まれる前記共通する基準時刻のデータ位置から、それぞれ再生出力が開始されることを特徴とする[14]に記載のデータ取得装置の制御プログラム。
【0131】
[16]
複数のデータ取得機器の各々に個別の通信経路を介して接続され、前記複数のデータ取得機器の制御を行う制御機器であって、
前記通信経路を介して前記複数のデータ取得機器の各々との間で通信を行う際に生じる信号遅延時間を算出する算出手段と、
前記信号遅延時間に基づいて前記複数のデータ取得機器により取得された前記データの各々を同期して再生出力させる際に共通する基準時刻を含む設定情報を生成する生成手段と、
前記設定情報を前記複数のデータ取得機器の各々に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする制御機器。
【0132】
[17]
制御機器に通信経路を介して接続され、データを取得するデータ取得機器であって、
前記制御機器は、前記通信経路を介して当該データ取得機器を含む複数のデータ取得機器の各々との間で通信を行う際に生じる信号遅延時間を算出し、前記信号遅延時間に基づいて前記複数のデータ取得機器により取得された前記データの各々を同期して再生出力させる際に共通する基準時刻を含む設定情報を生成して前記複数のデータ取得機器の各々に送信し、
当該データ取得機器は、
前記制御機器が送信した前記設定情報を受信する受信手段と、
前記データを取得するデータ取得手段と、
取得した前記データに前記設定情報を関連付けて保存する保存手段と、
を備えたことを特徴とするデータ取得機器。
【符号の説明】
【0133】
100 デバイス群
120 撮像機器(データ取得機器)
120A、120B、120C 撮像機器
122 撮影部(データ取得手段)
128 通信機能部(受信手段)
130 演算回路
132 メモリ部(保存手段)
200 ホスト機器(制御機器)
226 表示部
228 通信機能部(送信手段)
230 演算回路(算出手段、生成手段)
US ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13