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特許7574881無線アクセスネットワークノード、無線端末、並びにこれらのための方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】無線アクセスネットワークノード、無線端末、並びにこれらのための方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/24 20090101AFI20241022BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20241022BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20241022BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20241022BHJP
【FI】
H04W36/24
H04W16/32
H04W72/0457 110
H04W92/20 110
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023095659
(22)【出願日】2023-06-09
(62)【分割の表示】P 2022114757の分割
【原出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2023105248
(43)【公開日】2023-07-28
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2019003563
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】二木 尚
(72)【発明者】
【氏名】林 貞福
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】3GPP TS 37.340 V15.3.0,2018年09月25日,pages.23-30,39
【文献】NEC,Reuse of conditional handover for SCG change in NR-DC[online],3GPP TSG RAN WG2 #105bis R2-1904069,2019年03月29日,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105bis/Docs/R2-1904069.zip>
【文献】vivo,Text proposal for conditional PSCell addition and change[online],3GPP TSG RAN WG2 #107bis R2-1912343,2019年10月04日,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107bis/Docs/R2-1912344.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作する無線アクセスネットワークノードであって、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control (RRC) Reconfigurationメッセージを含むMODIFICATION REQUIREDメッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードに送信し、
前記実行条件が成立した場合に前記無線端末から送られるRRC Reconfiguration Completeメッセージを、前記マスターノードから受信する、
よう構成される、
無線アクセスネットワークノード。
【請求項2】
前記RRC Reconfiguration Completeメッセージを受信したことによって、前記条件付きプライマリセル変更の開始を検出するよう構成される、
請求項1に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項3】
前記RRC Reconfiguration Completeメッセージを受信したことに応答して、前記セカンダリセルグループのサービングセルにおける前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう構成される、
請求項1又は2に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項4】
前記無線アクセスネットワークノードは、基地局の中央ユニットであり、
前記RRC Reconfiguration Completeメッセージを受信した場合、前記第1のセルを提供する第1の分散ユニットを介する前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう構成される、
請求項1~3のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項5】
前記RRC Reconfiguration Completeメッセージの受信よりも前に、前記無線端末へ送信されていないダウンリンクデータを示す制御メッセージを前記第1の分散ユニットから受信した場合、前記第1の分散ユニットを介する前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう構成される、
請求項4に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項6】
前記制御メッセージは、DOWNLINK DATA DELIVERY STATUSフレームである、
請求項5に記載の無線アクセスネットワークノード。
【請求項7】
無線端末であって、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグループのデュアルコネクティビティを行い、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control (RRC) Reconfigurationメッセージを含む、前記マスターノードのRadio Access Technology(RAT)の第1のRRCメッセージを、前記RRC Reconfigurationメッセージを受信した前記マスターノードから受信し、
前記実行条件が成立した場合、前記セカンダリノードに転送されるRRC Reconfiguration Completeメッセージを含む、前記マスターノードのRATの第2のRRCメッセージを、前記マスターノードに送信する、
よう構成される、
無線端末。
【請求項8】
前記RRC Reconfiguration Completeメッセージは、前記セカンダリセルグループのサービングセルにおける前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう前記セカンダリノードをトリガーする、
請求項7に記載の無線端末。
【請求項9】
無線アクセスネットワークノードのための方法であって、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control (RRC) Reconfigurationメッセージを含むMODIFICATION REQUIREDメッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードに送信すること、及び
前記実行条件が成立した場合前記無線端末から送られるRRC Reconfiguration Completeメッセージを、前記マスターノードから受信すること、
を備える、方法。
【請求項10】
無線端末のための方法であって、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグループのデュアルコネクティビティを行うこと、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control (RRC) Reconfigurationメッセージを含む、前記マスターノードのRadio Access Technology(RAT)の第1のRRCメッセージを、前記RRC Reconfigurationメッセージを受信した前記マスターノードから受信すること、及び
前記実行条件が成立した場合、前記セカンダリノードに転送されるRRC Reconfiguration Completeメッセージを含む、前記マスターノードのRATの第2のRRCメッセージを、前記マスターノードに送信すること、
を備える、方法。
【請求項11】
無線アクセスネットワークノードのための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control (RRC) Reconfigurationメッセージを含むMODIFICATION REQUIREDメッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードに送信すること、及び
前記実行条件が成立した場合に前記無線端末から送られるRRC Reconfiguration Completeメッセージを、前記マスターノードから受信すること、
を備える、
プログラム。
【請求項12】
無線端末のための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグループのデュアルコネクティビティを行うこと、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control (RRC) Reconfigurationメッセージを含む、前記マスターノードのRadio Access Technology(RAT)の第1のRRCメッセージを、前記RRC Reconfigurationメッセージを受信した前記マスターノードから受信すること、及び
前記実行条件が成立した場合、前記セカンダリノードに転送されるRRC Reconfiguration Completeメッセージを含む、前記マスターノードのRATの第2のRRCメッセージを、前記マスターノードに送信すること、
を備える、
プログラム。
【請求項13】
無線アクセスネットワークノードのための方法であって、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのマスターノードとして動作すること、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control (RRC) Reconfigurationメッセージを含むMODIFICATION REQUIREDメッセージを、前記デュアルコネクティビティのセカンダリノードから受信すること、
前記RRC Reconfigurationメッセージを含む前記マスターノードのRadio Access Technology(RAT)の第1のRRCメッセージを、前記無線端末に送信すること、
前記実行条件が成立した場合に、前記無線端末からRRC Reconfiguration Completeメッセージを含む前記マスターノードのRATの第2のRRCメッセージを受信すること、及び
前記RRC Reconfiguration Completeメッセージを前記セカンダリノードに転送すること、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムに関し、特に無線端末のモビリティに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1及び2は、3GPP(登録商標)で議論されている条件付きハンドオーバ(conditional handover(CHO))について開示している。CHOのための幾つかの実装では、ソース無線アクセスネットワーク(radio access network(RAN))ノード(e.g., eNodeB(eNB))がハンドオーバ実行の条件(e.g., 閾値)を含むハンドオーバコマンドを無線端末(e.g., User Equipment(UE))に送信する。無線端末は、ハンドオーバコマンドの受信後もソースRANノードとのコネクションを維持し、ハンドオーバコマンドにより設定された条件(configured condition)が成立するとすぐにターゲットRANノードへのアクセスを開始する。すなわち、条件付きハンドオーバ(CHO)は、無線端末が、ハンドオーバコマンドの受信に応答してではなく、ハンドオーバコマンドにより設定された条件の成立に応答してターゲットセルへのアクセスを開始する点で、既存のハンドオーバと異なる。
【0003】
CHOは、早いイベント・トリガリング(つまり、無線端末による測定報告をトリガーする閾値を下げること)によって、UEへのハンドオーバコマンドのデリバリーの信頼性(reliability)を高めることができる。これにより、CHOは、ハンドオーバ失敗率(handover failure rate)を低減できる。
【0004】
なお、CHOでは、複数の候補ターゲットセルの設定が無線端末に送られてもよい。候補ターゲットセルは、潜在的(potential)ターゲットセルと呼ばれてもよい。例えば、無線端末は、複数の候補ターゲットセルの設定とCHO実行閾値とを含むハンドオーバコマンドをソースRANノード(e.g., eNB)から受信する。そして、無線端末は、設定された複数の候補ターゲットセルの測定を行い、いずれかの候補ターゲットセルでの測定がCHO実行閾値を満たす場合に当該候補セルへのアクセスを開始する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Intel Corporation, “Discussion of conditional handover”, R2-1816691, 3GPP TSG RAN WG2 Meeting #104, Spokane, WA, USA, November 12-16, 2018
【文献】MediaTek Inc., “Conditional Handover Procedures”, R2-1816959, 3GPP TSG RAN WG2 Meeting #104, Spokane, WA, USA, November 12-16, 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者等は、条件付きハンドオーバと類似した条件付きモビリティ動作をデュアルコネクティビティ(Dual Connectivity(DC))のセカンダリセルグープ(Secondary Cell Group(SCG))のプライマリセル(Primary SCG Cell(PSCell))のセル変更(PSCell change)に適用することを検討し、様々な課題を見出した。
【0007】
PSCellは、言い換えると、SCGのSpecial Cell(SpCell)である。UEは、ハンドオーバ手順(又はReconfiguration with Sync手順)を行うときに、PSCellにランダムアクセスを行う。SCGは、DCのセカンダリノード(Secondary Node(SN))に関連付けられたサービングセル(serving cells)のグループであり、SpCell(i.e., PSCell)及び必要に応じて(optionally)1又はそれ以上のセカンダリセル(Secondary Cells(SCells))を含む。
【0008】
PSCell Change手順は、Reconfiguration with sync手順を伴う手順の一例である。このことから、条件付きPSCell Changeは、条件付きReconfiguration with sync(for PSCell change)と呼ぶこともできる。
【0009】
一例として、SNがPSCell changeのためにSN initiated SN Modification with MN involvement手順を使用するケースを考える。このケースでは、条件付きモビリティ(i.e., 条件付きPSCell change)のためのSNとUEとの間のRRCシグナリングは、マスターセルグループ(Master Cell Group(MCG))のシグナリング無線ベアラ(Signalling Radio Bearer(SRB))(e.g., SRB1)を介して送信される。MCGは、DCのマスターノード(Master Node(MN))によって提供されるサービングセル(serving cells)のグループである。このケースでは、条件付きPSCell changeの実行条件の成立(又は条件付きモビリティの開始)をSNがどのようにして知るのかが明確でない。
【0010】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、条件付きPSCell変更の実行条件の成立(又は条件付きPSCell変更の開始)を知ることをSNに可能にすることに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様では、無線アクセスネットワークノードは、少なくとも1つのメモリ及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信するよう構成される。さらに、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して受信するよう構成される。
【0012】
第2の態様では、無線端末は、少なくとも1つのメモリ及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信するよう構成される。さらに、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記実行条件の成立に応答して、第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して前記セカンダリノードに送信するよう構成される。
【0013】
第3の態様では、無線アクセスネットワークノードのための方法は、
(a)無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
(b)第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信すること、及び
(c)前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して受信すること、
を含む。
【0014】
第4の態様では、無線端末のための方法は、
(a)マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うこと、
(b)第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信すること、及び
(c)前記実行条件の成立に応答して、第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して前記セカンダリノードに送信すること、
を含む。
【0015】
第5の態様では、無線アクセスネットワークノードは、少なくとも1つのメモリ及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作するよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信するよう構成される。さらに、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセカンダリセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記無線端末から直接的に受信するよう構成される。
【0016】
第6の態様では、無線端末は、少なくとも1つのメモリ及び前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む。前記少なくとも1つのプロセッサは、マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うよう構成される。前記少なくとも1つのプロセッサは、第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信するよう構成される。さらに、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記実行条件の成立に応答して、前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記セカンダリノードに直接的に送信するよう構成される。
【0017】
第7の態様では、無線アクセスネットワークノードのための方法は、
(a)無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
(b)第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信すること、及び
(c)前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記無線端末から直接的に受信すること、
を含む。
【0018】
第8の態様では、無線端末のための方法は、
(a)マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うこと、
(b)第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信すること、及び
(c)前記実行条件の成立に応答して、前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記セカンダリノードに直接的に送信すること、
を含む。
【0019】
第9の態様では、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述の第3、第4、第7、又は第8の態様に係る方法をコンピュータに行わせるための命令群(ソフトウェアコード)を含む。
【発明の効果】
【0020】
上述の態様によれば、条件付きPSCell変更の実行条件の成立(又は条件付きPSCell変更の開始)を知ることをSNに可能にすることに寄与する装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るシグナリングの一例を示すシーケンス図である。
図3】第1の実施形態に係るセカンダリノードによって行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る無線端末によって行われる処理の一例を示すフローチャートである。
図5】第2の実施形態に係るセカンダリノードの構成例を示す図である。
図6】第2の実施形態に係るシグナリングの一例を示すシーケンス図である。
図7】第3の実施形態に係るシグナリングの一例を示すシーケンス図である。
図8】幾つかの実施形態に係るセカンダリノードの構成例を示すブロック図である。
図9】幾つかの実施形態に係る無線端末の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0023】
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
【0024】
以下に示される複数の実施形態は、3GPP Long Term Evolution (LTE)システム及び第5世代移動通信システム(5G system)を主な対象として説明される。しかしながら、これらの実施形態は、デュアルコネクティビティをサポートする他の無線通信システムに適用されてもよい。なお、本明細書で使用されるLTEとの用語は、特に断らない限り、5G Systemとのインターワーキングを可能とするためのLTE及びLTE-Advancedの改良・発展を含む。さらに、5G Systemは、NR (New Radio)に加えて、LTE eNodeB (eNB)が5Gコアネットワーク(5GC)と接続するネットワーク構成を含む。このときのLTE eNBは、Next generation (ng)-eNBとも呼ばれる。ng-eNBは、5GCと接続しているeNBということでeNB/5GCとも呼ばれる。
【0025】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例を示している。本実施形態に係る無線通信ネットワークは、マスターノード(MN)1及びセカンダリノード(SN)2を含む。MN1及びSN2は、ノード間インタフェース103を介して互いに通信する。UE3は、エアインタフェース101及び102を介してMN1及びSN2と通信し、マスターセルグループ(MCG)及びセカンダリセルグループ(SCG)のデュアルコネクティビティを行う。MCGは、MN1に関連付けられた(又は提供される)サービングセルのグループであり、SpCell(i.e., プライマリセル(Primary Cell(PCell)))及び必要に応じて(optionally)1又はそれ以上のセカンダリセル(Secondary Cells(SCells))を含む。一方、SCGは、SN2に関連付けられた(又は提供される)サービングセルのグループであり、SCGのプライマリセル(つまりプライマリSCGセル(Primary SCG Cell (PSCell)))及び必要に応じて(optionally)1又はそれ以上のセカンダリセル(Secondary Cells(SCells))を含む。PSCellは、SCGのSpecial Cell(SpCell)である。
【0026】
MN1及びSN2の各々は、Evolved Universal Mobile Telecommunications System (UMTS) Terrestrial Radio Access Network(EUTRAN)ノード又はNG-RAN(Next generation Radio Access Network)ノードであってもよい。EUTRANノードは、eNB又はen-gNBであってもよい。NG-RANノードは、gNB又はng-eNBであってもよい。MN1のRadio Access Technology(RAT)は、SN2のそれと異なっていてもよい。
【0027】
DCは、Multi-Radio Dual Connectivity (MR-DC)であってもよい。MR-DCは、Evolved Universal Mobile Telecommunications System (UMTS) Terrestrial Radio Access (E-UTRA)-NR Dual Connectivity (EN-DC)、NR-E-UTRA DC(NE-DC)、NG-RAN EN-DC(NGEN-DC)、及びNR-NR DC(NR DC)を含む。
【0028】
図2は、セカンダリセルグループのプライマリセル(i.e., PSCell)の条件付きプライマリセル変更(つまり、条件付きPSCell Change)のためのシグナリングの一例を示している。既に述べたように、条件付きPSCell Changeは、条件付きReconfiguration with sync(for PSCell change)と呼ぶこともできる。図2は、MR-DCでのPSCell ChangeにMN1(e.g., Master eNB(MeNB))が関与(involve)するケースを示している。すなわち、図2の例では、PSCell ChangeのためにSN2(e.g., Secondary gNB(SgNB))とUE3との間で送信されるRRCシグナリングは、MN1によって提供されるMCG内のSRB(e.g., SRB1)を使用する。
【0029】
図2の手順よりも前に、SN2は、条件付きPSCell Changeのための報告設定(e.g., ReportConfig)を包含する測定設定(e.g., MeasConfig)を含むRRCメッセージ(e.g., RRCReconfigurationメッセージ)を生成し、これをMN1により提供されるMCG SRB経由でUE3へ送信してもよい。条件付きPSCell Changeのための測定設定は、条件付きPSCell Change判定のために早いイベント・トリガリング(つまり、UE3による測定報告をトリガーする閾値を下げること)を可能にする。さらに、UE3は、測定報告(Measurement Report)をMN1を介してSN2に送ってもよい。SN2は、受信した測定報告に基づいて、UE3のPSCellを現在のセルから他のSCGセル又はSN2の他のセルに変更するための条件付きPSCell Changeを決定してもよい。
【0030】
ステップ201では、SN2は、SN2によって生成されたSN RAT(e.g., NR)のRRCメッセージ(e.g., RRC Reconfigurationメッセージ)を含むSN MODIFICATION REQUIREDメッセージをMN1に送る。当該RRCメッセージは、条件付きPSCell change(又は条件付きReconfiguration with sync for PSCell change)の開始(又は実行)条件を含む。条件付きPSCell changeの開始(又は実行)条件は、例えば、閾値及び対応するtime-to-trigger(TTT)を含む。これに代えて、条件付きPSCell changeの開始(又は実行)条件は、ネットワークからの明示的な実行指示(e.g., 所定のシグナリング)の受信であってもよい。この場合、当該実行指示の受信に使用される設定(e.g., 無線パラメータ)のUE3による受信は、条件付きPSCell changeの開始(又は実行)条件が当該実行指示の受信であることを、UE3に暗示的に示してもよい。言い換えると、UE3は当該設定(e.g., 無線パラメータ)を受信した場合、それに関連付けられた条件付きPSCell changeの開始(又は実行)条件が当該実行指示(e.g., 所定のシグナリング)の受信であると判定(又は理解)してもよい。
【0031】
さらに、当該RRCメッセージは、UE3が条件付きPSCell changeを離れる(exit)条件(e.g., offset)、及び有効(validity)タイマの値を含んでもよい。有効タイマの値は、候補ターゲットセル(つまり変更後のPSCellの候補となるセル)のリソースがいつまで有効であるかを示してもよい。あるいは、有効タイマの値は、候補ターゲットセルへのアクセスが許可される期間(時間)、又は条件付きPSCell changeのための設定が有効な期間(時間)を示してもよい。
【0032】
もしデータフォワーディング若しくはSNセキュリティキーの変更又は両方が適用される必要があるなら、MN1は、MN initiated SN Modification手順を行い、フォワーディングアドレス若しくは新たなSNセキュリティキー情報又は両方をSN Modification Requestメッセージを用いてSN2に適用してもよい。SN2は、それに応答して再びRRCメッセージ(e.g., RRC Reconfigurationメッセージ)を生成し、これをSN Modification Request Acknowledgeメッセージを用いてMN1に送信してもよい。
【0033】
ステップ202では、MN1は、MCG SRBを介したMN RAT(e.g., LTE)のRRC再設定手順(e.g., LTE RRC Connection Reconfiguration手順)を行い、SN2から受信したSN RATのRRCメッセージをUE3にフォワードする。MN1は、SN2から受信したSN RATのRRCメッセージを運ぶMN RATのRRCメッセージ(e.g., LTE RRC Connection Reconfigurationメッセージ)をMCG SRBを介してUE3に送信してもよい。
【0034】
UE3は、SN RATのRRCメッセージ(ステップ202)の受信後も現在(つまり変更前)のPSCellの設定を維持し、当該PSCellを使用する。UE3は、SN RATのRRCメッセージ(ステップ202)により設定された条件付きPSCell change(i.e., 条件付きReconfiguration with sync)の実行条件が成立したことに応じて(ステップ203)、SN2宛てのSN RATのRRC応答メッセージ(e.g., NR RRC Reconfiguration Completeメッセージ)を包含するMN RATのRRC応答メッセージ(e.g., LTE RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージ)をMN1に送る(ステップ204)。そして、UE3は、新たなPSCell設定を適用し、ターゲットPSCellへのアクセス(i.e., ランダムアクセス手順)を開始する。
【0035】
ステップ205では、MN1は、SN MODIFICATION CONFIRMメッセージによりSN2に応答する。当該SN MODIFICATION CONFIRMメッセージは、UE3から受信したSN RATのRRC応答メッセージ(e.g., RRC Reconfiguration Completeメッセージ)を包含する。
【0036】
図2の手順では、UE3は、条件付きPSCell changeの実行条件が成立したことに応じて、SN2宛てのRRC応答メッセージ(e.g., RRC Reconfiguration Completeメッセージ)をMN1を介してSN2に送るよう動作する。これにより、当該RRC応答メッセージは、条件付きPSCell changeの開始(実行)をSN2に報告する用途を兼ねることができる。SN2は、当該RRC応答メッセージを受信したことによって、条件付きPSCell changeの開始を検出することができる。
【0037】
SN2は、UE3からのRRC応答メッセージの受信に応答して、変更前のPSCellを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止してもよい。言い換えると、UE3からのRRC応答メッセージは、変更前のPSCellを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止するようSN2をトリガーしてもよい。これにより、SN2は、条件付きPSCell changeの開始(又は実行)の直前まで現在(つまり、変更前)のPSCell(及び現在のSCGの他のサービングセル(i.e. SCG SCell(s)))においてUE3のためのデータ伝送(ダウンリンク、又はアップリンク、又は両方)を継続できる。
【0038】
図2の手順では、UE3は、複数の候補ターゲットセル(つまり変更後のPSCellの候補となるセル)から選択された1つのセルにPSCellを変更してもよい。例えば、図2のステップ203では、UE3は、条件付きPSCell changeの実行条件が複数のターゲットセルのうちいずれか1つについて成立したことを判定してもよい。そして、UE3は、選択された候補ターゲットセル(つまり、条件付きPSCell Changeがトリガーされたセル)を明示的又は暗示的に示す情報を、SN2宛てのSN RATのRRC応答メッセージ(ステップ204)に含めてもよい。
【0039】
図3は、SN2の動作の一例を示すフローチャートである。ステップ301では、SN2は、条件付きPSCell changeの実行条件を示すRRCメッセージをMN1を介してUE3に送る。ステップ302では、SN2は、条件付きPSCell changeの実行条件の成立に応答してUE3から送られるRRC応答メッセージを、UE3からMN1を介して受信する。
【0040】
ステップ302の後に、SN2は、UE3からのRRC応答メッセージの受信に応答して、変更前のPSCellを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止してもよい。
【0041】
図4は、UE3の動作の一例を示すフローチャートである。ステップ401では、UE3は、条件付きPSCell changeの実行条件を示すRRCメッセージをMN1を介してSN2から受信する。ステップ402では、UE3は、条件付きPSCell changeの実行条件の成立に応答して、RRC応答メッセージをMN1を介してSN2に送る。当該RRC応答メッセージは、選択された候補ターゲットセル(つまり、条件付きPSCell Changeがトリガーされたセル)を明示的又は暗示的に示す情報を含んでもよい。
【0042】
本実施形態で説明されたMN1、SN2、及びUE3の動作によれば、SN2とUE3との間のRRCシグナリングがMN1を介して行われる条件付きPSCell変更の実行条件の成立(又は条件付きPSCell変更の開始)を知ることをSN2に可能にできる。
【0043】
本実施形態では、UE3は、さらに以下のように動作してもよい。UE3は、条件付きPSCell changeを離れる(exit)条件(e.g., offset)が成立したなら又は前述の有効(validity)タイマが満了したなら、これに起因して条件付きPSCell changeが行われなかったこと(不実行)又は失敗したことを示す終了情報をMN1を介してSN2へ送信してもよい。例えば、UE3は、図2のステップ204の動作に代えて、以下のように動作してもよい。UE3は、前述の条件付きPSCell changeを離れる(exit)条件(e.g., offset)が成立したなら又は前述の有効(validity)タイマが満了したなら、これに応じてSN RATのRRCメッセージ(e.g., NR RRC Reconfiguration Complete)を包含するMN RATのRRCメッセージ(e.g., LTE RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージ)をMN1(e.g. MeNB)へ送信してもよい。この場合、MN RATのRRCメッセージ又はこれに包含されるSN RATのRRCメッセージは、条件付きPSCell changeの不実行又は失敗を示す終了情報を含んでもよい。MN1は、UE3から受信したSN RATのRRCメッセージをSN2(e.g. SgNB)へ送ってもよい。SN2は、このSN RATのRRCメッセージをMN1から受信すると(それに応答して)、準備していた候補ターゲットセルの設定およびリソースを解放してもよい。
【0044】
当該終了情報は、さらに、条件付きPSCell changeの不実行又は失敗がexit条件の成立と有効タイマの満了どちらに起因するかを区別するための情報(例えば、要因(cause))を含んでもよい。
【0045】
複数の候補ターゲットセルがある場合、且つexit条件または有効タイマの値の少なくとも一方がセル毎に設定される場合には、UE3は、全ての候補ターゲットセルについてexit条件を満たしたこと(又は有効タイマが満了したこと)に応答して終了情報を包含するSN RAT RRCメッセージを送信してもよい。これに代えて、UE3は、いずれかの候補ターゲットセルについてexit条件を満たしたこと(又は有効タイマが満了したこと)に応答して終了情報を包含するSN RAT RRCメッセージを送信してもよい。後者の場合、UE3は、exit条件を満たした(又は有効タイマが満了した)候補ターゲットセル(最初の1つ、または同時若しくはほぼ(実質的に)同時に条件を満たした複数のセル)を示す情報を、SN RAT RRCメッセージに含めてもよい。
【0046】
<第2の実施形態>
本実施形態は、第1の実施形態で説明された条件付きPSCell changeの具体例を提供する。本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例は、図1に示された例と同様であってもよい。ただし、本実施形態では、cloud RAN(C-RAN)配置(deployment)がSN2に適用される。C-RANでは、RANノード(e.g., eNB、又はNR gNodeB(gNB))は、Central Unit(CU)と1又はそれ以上のDistributed Units(DUs)から構成される。C-RAN は、Centralized RANと呼ばれることもあるし、CU-DU split architectureと呼ばれることもある。
【0047】
図5は、本実施形態に係るSN2の構成例を示している。図5のSN2は、CU21、及び1又はそれ以上のDUs22を含む。CU21及び各DU22の間はインタフェース501によって接続される。UE3は、少なくとも1つのエアインタフェース502を介して、少なくとも1つのDU22に接続される。
【0048】
CU21は、gNBのRadio Resource Control(RRC)、Service Data Adaptation Protocol(SDAP)、及びPacket Data Convergence Protocol(PDCP)protocols(又はgNBのRRC及びPDCP protocols)をホストする論理ノードであってもよい。DU22は、gNBのRadio Link Control(RLC)、Medium Access Control(MAC)、及びPhysical(PHY)layersをホストする論理ノードであってもよい。CU21がgNB-CUでありDUs22がgNB-DUsであるなら、インタフェース501はF1インタフェースであってもよい。
【0049】
CU21は、Control Plane (CP)Unit(e.g., gNB-CU-CP)及び1又はそれ以上のUser Plane(UP)Unit(e.g., gNB-CU-UP)を含んでもよい。
【0050】
図6は、intra-CU inter-DU 条件付きPSCell Change手順の一例を示している。既に述べたように、条件付きPSCell Changeは、条件付きReconfiguration with sync(for PSCell change)と呼ぶこともできる。図6は、MR-DCでのPSCell ChangeにMN1(e.g., Master eNB(MeNB))が関与(involve)するケースを示している。図6の例では、UE3のためのPSCellがソースDU22AのセルからターゲットDU22Bのセルに変更される。PSCell ChangeのためにSN2(i.e., CU21)とUE3との間で送信されるRRCシグナリングは、MN1によって提供されるMCG内のSRBを使用する。
【0051】
図6の手順よりも前に、SN2(i.e., CU21)は、条件付きPSCell Changeのための報告設定(e.g., ReportConfig)を包含する測定設定(e.g., MeasConfig)を含むRRCメッセージ(e.g., RRCReconfigurationメッセージ)を生成し、これをMN1により提供されるMCG SRB経由でUE3へ送信してもよい。条件付きPSCell Changeのための測定設定は、条件付きPSCell Change判定のために早いイベント・トリガリング(つまり、UE3による測定報告をトリガーする閾値を下げること)を可能にする。さらに、UE3は、測定報告(Measurement Report)をMN1を介してSN2(i.e., CU21)に送ってもよい。SN2(i.e., CU21)は、受信した測定報告に基づいて、UE3のPSCellを現在のSN配下のセルから他のSN配下のセルに変更するための条件付きPSCell Changeを決定してもよい。
【0052】
ステップ601では、CU21は、UEコンテキストを作成し且つ1又はそれ以上のベアラをセットアップするために、UE CONTEXT SETUP REQUESTメッセージをターゲットDU22Bに送る。UE CONTEXT SETUP REQUESTメッセージは、PSCellの無線リソースの設定(e.g., CellGroupConfig)をターゲットDU22Bに要求してもよい。条件付きPSCell changeの要求であることを示すために、UE CONTEXT SETUP REQUESTメッセージ内の“CU to DU RRC Information”情報要素に包含されている“CG-ConfigInfo”情報要素が使用されてもよい。これに代えて、条件付きモビリティ要求であることを示すために、UE CONTEXT SETUP REQUESTメッセージ内に新たな情報要素が定義されてもよい。
【0053】
ステップ602では、ターゲットDU22Bは、UE CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージによりCU21に応答する。ターゲットDU22Bは、条件付きPSCell Change要求の受信に応答して、条件付きPSCell Changeを受け入れ可能であるか否かを判定してもよい。ターゲットDU22Bは、条件付きPSCell Changeを受け入れ可能であるか否かを示す情報要素をUE CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージ(ステップ602)に含めてもよい。
【0054】
ステップ603では、CU21は、CU21によって生成されたRRCメッセージ(e.g., RRC Reconfigurationメッセージ)を含むSN MODIFICATION REQUIREDメッセージをMN1に送る。当該RRCメッセージは、条件付きPSCell change(又は条件付きReconfiguration with sync for PSCell change)の開始(又は実行)条件(e.g., 閾値及びTTT)を含む。さらに、当該RRCメッセージは、UE3が条件付きPSCell changeを離れる(exit)条件(e.g., offset)、及び有効(validity)タイマの値を含んでもよい。有効タイマの値は、候補ターゲットセル(つまり変更後のPSCellの候補となるセル)のリソースがいつまで有効であるかを示してもよい。あるいは、有効タイマの値は、候補ターゲットセルへのアクセスが許可される期間(時間)、又は条件付きPSCell changeのための設定が有効な期間(時間)を示してもよい。
【0055】
より具体的には、CU21は、条件付きPSCell changeの開始条件を決定し、これをUE CONTEXT SETUP REQUESTメッセージ(ステップ601)に包含されるCG-ConfigInfo情報要素又は新規な情報要素に含めてもよい。そして、ターゲットDU22Bは、条件付きPSCell changeの開始条件を包含する無線リソースの設定(e.g., CellGroupConfig)を生成し、これをUE CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージ(ステップ602)に含めてもよい。さらに、CU21は、受信した無線リソースの設定(e.g., CellGroupConfig)を包含するRRCメッセージ(e.g., NR RRCReconfigurationメッセージ)を生成し、これをSN MODIFICATION REQUIREDメッセージ(ステップ603)に含めてもよい。CU21は、ステップ601で、条件付きPSCell changeの開始条件とともに、UE3が条件付きPSCell changeを離れる条件及び有効タイマの値のいずれか一方又は両方をDU22Bに送信してもよい。そして、DU22Bは、それらを条件付きPSCell changeの開始条件を包含する無線リソースの設定(e.g., CellGroupConfig)に含め、これをCU21へ送信してもよい。
【0056】
これに代えて、CU21は、条件付きPSCell changeの開始条件を決定し、これをSN MODIFICATION REQUIREDメッセージ(ステップ603)内の新規情報要素に含めてもよい。CU21は、UE3が条件付きPSCell changeを離れる条件及び有効タイマの値のいずれか一方又は両方をさらに当該メッセージに含めてもよい。
【0057】
さらにこれに代えて、ターゲットDU22Bが条件付きPSCell changeの開始条件を決定してもよい。この場合、ターゲットDU22Bは、条件付きPSCell change要求(ステップ601)に応答して条件付きPSCell changeの開始条件を決定し、決定した開始条件をUE CONTEXT SETUP RESPONSEメッセージ(ステップ602)内のCellGroupConfig情報要素又は新規情報要素に含めてもよい。そして、CU21は、条件付きPSCell changeの開始条件を含むCellGroupConfig情報要素又は新規情報要を包含するRRCメッセージを生成し、これをSN MODIFICATION REQUIREDメッセージ(ステップ603)に含めてもよい。DU22は、UE3が条件付きPSCell changeを離れる条件及び有効タイマの値のいずれか一方又は両方をさらに決定し、これらをCU21へのRRCメッセージに含めてもよい。
【0058】
もしデータフォワーディング若しくはSNセキュリティキーの変更又は両方が適用される必要があるなら、MN1は、MN initiated SN Modification手順を行い、フォワーディングアドレス若しくは新たなSNセキュリティキー情報又は両方をSN Modification Requestメッセージを用いてSN2(i.e., CU21)に適用してもよい。
【0059】
ステップ604では、CU21は、UE CONTEXT MODIFICATION REQUESTメッセージをソースDU22Aに送る。当該メッセージは、条件付きPSCell changeの表示を含む。
【0060】
ステップ605では、ソースDU22Aは、UE CONTEXT MODIFICATION RESPONSEメッセージによりCU21に応答する。
【0061】
ステップ606では、MN1は、MCG SRBを介したRRC (Connection) Reconfiguration手順を行い、CU21から受信したRRCメッセージをUE3にフォワードする。MN1は、CU21から受信したRRCメッセージを運ぶRRC (Connection) ReconfigurationメッセージをMCG SRBを介してUE3に送信してもよい。
【0062】
UE3は、RRCメッセージ(ステップ606)の受信後も変更前のPSCellの設定を維持し、ソースDU22Aにより提供される変更前のPSCellを使用する。UE3は、RRCメッセージ(ステップ606)により設定された条件付きPSCell change(i.e., 条件付きReconfiguration with sync)の実行条件が成立したことに応じて(ステップ607)、新たなPSCell設定を適用し、SN2(i.e., CU21)宛てのRRC応答メッセージを包含するRRC (Connection) Reconfiguration CompleteメッセージをMN1に送る(ステップ608)。そして、UE3は、変更後のPSCell(i.e., ターゲットDU22Bにより提供されるセル)へのアクセス(i.e., ランダムアクセス手順)を開始する(ステップ610)。
【0063】
ステップ609では、MN1は、SN MODIFICATION CONFIRMメッセージによりSN2(i.e., CU21)に応答する。当該SN MODIFICATION CONFIRMメッセージは、UE3から受信したRRC応答メッセージメッセージを包含する。
【0064】
図6の手順では、UE3は、条件付きPSCell changeの実行条件が成立したことに応じて、SN2(i.e., CU21)宛てのRRC応答メッセージをMN1を介してSN2(i.e., CU21)に送るよう動作する。これにより、当該RRC応答メッセージは、条件付きPSCell changeの開始(実行)をSN2(i.e., CU21)に報告する用途を兼ねることができる。SN2(i.e., CU21)は、当該RRC応答メッセージを受信したことによって、条件付きPSCell changeの開始を検出することができる。
【0065】
SN2(i.e., CU21)は、UE3からのRRC応答メッセージの受信に応答して、ソースDU22Aを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止してもよい。言い換えると、UE3からのRRC応答メッセージは、変更前のPSCellを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止するようSN2(i.e., CU21)をトリガーしてもよい。これにより、SN2(i.e., CU21)は、条件付きPSCell changeの開始(又は実行)の直前まで変更前のPSCell(及び現在のSCGの他のサービングセル(i.e. SCG SCell(s)))においてUE3のためのデータ伝送(ダウンリンク、又はアップリンク、又は両方)を継続できる。
【0066】
なお、SN2(i.e., CU21)は、UE3からのRRC応答メッセージの受信よりも前に、UE3へ送信されていないダウンリンクデータを示す制御メッセージをソースDU22Aから受信したことに応答して、ソースDU22Aを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止してもよい。当該制御データは、UE3へ送信されていないダウンリンクデータを示すためにCU21に送信されるメッセージ(又はフレーム、又はProtocol Data Unit(PDU))であってもよい。より具体的には、当該制御メッセージは、DOWNLINK DATA DELIVERY STATUS(DDDS)フレームであってもよい。DDDSフレームは、GTP-U(又はF1-U)PDUであってもよい。
【0067】
本実施形態で説明されたMN1、SN2(CU21、ソースDU22A、及びターゲットDU22B)、及びUE3の動作によれば、SN2とUE3との間のRRCシグナリングがMN1を介して行われる条件付きPSCell変更の実行条件の成立(又は条件付きPSCell変更の開始)を知ることをSN2に可能にできる。なお、本実施形態は、intra-CU inter-DU 条件付きPSCell Change手順を例に説明されたが、intra-CU intra-DU 条件付きPSCell Change手順にも適用または再利用することができる。
【0068】
本実施形態では、第1の実施形態で述べたのと同様に、UE3は、条件付きPSCell changeを離れる(exit)条件(e.g., offset)が成立したなら又は前述の有効(validity)タイマが満了したなら、これに起因して条件付きPSCell changeが行われなかったこと(不実行)又は失敗したことを示す終了情報をMN1を介してSN2(i.e., CU21)へ送信してもよい。例えば、UE3は、図6のステップ608動作に代えて、以下のように動作してもよい。UE3は、前述の条件付きPSCell changeを離れる(exit)条件(e.g., offset)が成立したなら又は前述の有効(validity)タイマが満了したなら、これに応じてSN2(i.e., CU21)宛てのRRC応答メッセージを包含するRRC (Connection) Reconfiguration CompleteメッセージをMN1へ送信してもよい。この場合、RRC (Connection) Reconfiguration Complete又はこれに包含されるSN2(i.e., CU21)宛てのRRC応答メッセージは、条件付きPSCell changeの不実行又は失敗を示す終了情報を含んでもよい。さらに、CU21は、ターゲットDU22Bのセルへの条件付きPSCell changeが行われなかったこと(又は失敗したこと)を示す情報をターゲットDU22Bに送ってもよい。CU21は、当該情報を、CU To DU RRC Information IEまたはF1AP新規IEで送ってもよい。これに応答して、ターゲットDU22Bは、準備していた候補ターゲットセルの設定およびリソースを解放してもよい。
【0069】
<第3の実施形態>
本実施形態は、条件付きPSCell Changeのためのシグナリングの他の例を提供する。本実施形態に係る無線通信ネットワークの構成例は、図1に示された例と同様であってもよい。
【0070】
本実施形態では、SN2は、条件付きPSCell changeの実行条件を示すRRCメッセージをMN1を介してUE3に送る。一方、SN2は、条件付きPSCell changeの実行条件の成立に応答してUE3から送られる条件付きPSCell changeの実行(又は開始)の表示を、現在(つまり、変更前)のPSCell(又はSCG SCell)においてUE3から直接的に受信する。
【0071】
本実施形態は、UE3は、条件付きPSCell changeの実行条件を示すRRCメッセージをMN1を介してSN2から受信する。一方、UE3は、条件付きPSCell changeの実行条件の成立に応答して、条件付きPSCell changeの実行(又は開始)の表示を現在(つまり、変更前)のPSCell(又はSCG SCell)においてSN2に直接的に送信する。
【0072】
本実施形態で説明されたMN1、SN2、及びUE3の動作によれば、SN2とUE3との間のRRCシグナリングがMN1を介して行われる条件付きPSCell変更の実行条件の成立(又は条件付きPSCell変更の開始)を知ることをSN2に可能にできる。
【0073】
さらに、本実施形態では、条件付きPSCell changeの実行(又は開始)の表示が、UE3からSN2へMN1を経由せずに直接的に送信される。このことは、MN1を経由することに起因する遅延を回避でき、したがって当該表示をUE3からSN2に送る際の遅延を低減できる。
【0074】
条件付きPSCell changeの実行(又は開始)の表示は、RRCレイヤよりも下位のレイヤのシグナリングを用いて送信されてもよい。より具体的には、当該表示は、MACレイヤ又は物理レイヤのシグナリングを用いて送信されてもよい。当該表示は、Physical Uplink Control Channel(PUCCH)で送信されるアップリンク制御情報(Uplink Control Information(UCI))であってもよい。これに代えて、当該表示は、MAC Control Element(CE)であってもよい。
【0075】
RRCレイヤよりも下位のレイヤ(e.g., MACレイヤ、物理レイヤ)のシグナリングを用いた条件付きモビリティの実行(又は開始)の表示の送信は、条件付きPSCell Change のためにSN initiated SN Modification with MN involvement手順が使用されるケースにおいて特に有効である。SN initiated SN Modification with MN involvementでは、条件付きモビリティ(e.g., 条件付きPSCell change)のためのRRCシグナリングが
MCG SRBを介して送信される。したがって、UE3からSN2へのRRCシグナリングの送信は、MN1を経由することに起因する遅延が生じる。これとは対照的に、UE3からSN2へのMACレイヤ又は物理レイヤのシグナリングは、SN2によって提供されるセルの物理チャネルを介してSN2に直接的に送信できる。したがって、UE3は、RRCレイヤよりも下位のレイヤ(e.g., MACレイヤ、物理レイヤ)のシグナリングを用いて条件付きモビリティ実行の表示を送信することによって、当該表示をUE3からSN2に送る際の遅延を低減できる。
【0076】
SN2は、条件付きPSCell changeの実行(又は開始)の表示に用いられる無線リソースの設定を予め決定し、これをUE3に通知してもよい。当該通知は、MN1を介して行われるRRCレイヤシグナリングで送信されてもよい。
【0077】
複数の候補ターゲットセルがある場合、条件付きPSCell changeの実行(又は開始)の表示は、選択された候補ターゲットセル(つまり、PSCell Changeがトリガーされた候補ターゲットセル)を明示的又は暗示的に示す情報を含んでもよい。
【0078】
本実施形態のシグナリングは、これには限定されないが例えば図7に従って行われてもよい。図7は、条件付きPSCell Changeのためのシグナリングの一例を示している。図7の例では、は、MR-DCでのPSCell ChangeにMN1(e.g., Master eNB(MeNB))が関与(involve)する。すなわち、図2の例では、PSCell ChangeのためにSN2(e.g., Secondary gNB(SgNB))とUE3との間で送信されるRRCシグナリングは、MN1によって提供されるMCG内のSRB(e.g., SRB1)を使用する。
【0079】
図7のステップ701及び702の処理は、図2のステップ201及び202のそれと同様である。
【0080】
ステップ703では、UE3は、SN2宛てのSN RATのRRC応答メッセージ(e.g., NR RRC Reconfiguration Completeメッセージ)を包含するMN RATのRRCメッセージ(e.g., LTE RRC Connection Reconfiguration Completeメッセージ)をMN1に送信する。
【0081】
ステップ704では、MN1は、SN MODIFICATION CONFIRMメッセージによりSN2に応答する。当該SN MODIFICATION CONFIRMメッセージは、UE3から受信したSN RATのRRC応答メッセージ(e.g., RRC Reconfiguration Completeメッセージ)を包含する。
【0082】
UE3は、RRCメッセージ(ステップ702)の受信後も現在(つまり変更前)のPSCellの設定を維持し、当該PSCellを使用する。UE3は、SN RATのRRCメッセージ(ステップ702)により設定された条件付きPSCell change(i.e., 条件付きReconfiguration with sync)の実行条件が成立したことに応じて(ステップ705)、条件付きモビリティ(i.e., 条件付きPSCell Change)の実行又は開始を示す表示(又は報告)を現在のPSCell(又はSCG SCell)においてSN2に直接的に送信する。上述のように、当該表示(又は報告)の送信は、RRCレイヤよりも下位のレイヤ(e.g., MACレイヤ、物理レイヤ)のシグナリングを使用してもよい。そして、UE3は、新たなPSCell設定を適用し、ターゲットPSCellへのアクセス(i.e., ランダムアクセス手順)を開始する。
【0083】
SN2は、表示(又は報告)(ステップ706)の受信に応答して、変更前のPSCellを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止してもよい。言い換えると、UE3からの表示(又は報告)(ステップ706)は、変更前のPSCellを介するUE3へのダウンリンクデータ転送を停止するようSN2をトリガーしてもよい。これにより、SN2は、条件付きPSCell changeの開始(又は実行)の直前まで現在(つまり、変更前)のPSCell(及びSCG SCell(s))においてUE3のためのデータ伝送(ダウンリンク、又はアップリンク、又は両方)を継続できる。
【0084】
幾つかの実装では、SN2(e.g., gNB)にC-RAN配置が適用され、SN2(e.g., gNB)は、CU(e.g., gNB-CU)及び1又はそれ以上のDU(e.g., gNB-DU)を含んでもよい。本実施形態における条件付きPSCell changeは、SN2の異なるDU間のPSCell change(e.g., intra-gNB-CU inter-gNB-DU PSCell change)に適用されてもよい。この場合、UE3はSN RATのRRCメッセージにより設定された条件付きPSCell change(i.e., 条件付きReconfiguration with sync)の実行条件が成立したことに応じて、条件付きモビリティ(i.e., 条件付きPSCell Change)の実行又は開始を示す表示(又は報告)を現在のPSCellにて、ソースDU(e.g., gNB-DU)に直接的に送信してもよい。ソースDU(e.g., gNB-DU)は、当該表示(又は報告)の受信に応答して、CU(e.g., gNB-CU)に、UEにおいて条件付きモビリティが実行されたこと又は開始されたことを通知してもよい。ソースDU(e.g., gNB-DU)は、当該通知を、F1メッセージのIEで行ってもよいし、CUからDUへのRRCコンテナ(e.g., DU To CU RRC Information)に包含されるRRC 情報(e.g., IE, message)で行ってもよい。
【0085】
続いて以下では、上述の複数の実施形態に係るMN1、SN2、SN2及びUE3の構成例について説明する。図8は、上述の実施形態に係るSN2の構成例を示すブロック図である。MN1の構成も、図8に示された構成と同様であってもよい。図8を参照すると、SN2は、Radio Frequencyトランシーバ801、ネットワークインターフェース803、プロセッサ804、及びメモリ805を含む。RFトランシーバ801は、UE3を含むUEsと通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ801は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ801は、アンテナアレイ802及びプロセッサ804と結合される。RFトランシーバ801は、変調シンボルデータをプロセッサ804から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナアレイ802に供給する。また、RFトランシーバ801は、アンテナアレイ802によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをプロセッサ804に供給する。RFトランシーバ801は、ビームフォーミングのためのアナログビームフォーマ回路を含んでもよい。アナログビームフォーマ回路は、例えば複数の移相器及び複数の電力増幅器を含む。
【0086】
ネットワークインターフェース803は、ネットワークノード(e.g., MN1、並びにコアネットワークの制御ノード及び転送ノード)と通信するために使用される。ネットワークインターフェース803は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0087】
プロセッサ804は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。プロセッサ804は、複数のプロセッサを含んでもよい。例えば、プロセッサ804は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., Digital Signal Processor(DSP))とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., Central Processing Unit(CPU)又はMicro Processing Unit(MPU))を含んでもよい。プロセッサ804は、ビームフォーミングのためのデジタルビームフォーマ・モジュールを含んでもよい。デジタルビームフォーマ・モジュールは、Multiple Input Multiple Output(MIMO)エンコーダ及びプリコーダを含んでもよい。
【0088】
メモリ805は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。揮発性メモリは、例えば、Static Random Access Memory(SRAM)若しくはDynamic RAM(DRAM)又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、マスクRead Only Memory(MROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。メモリ805は、プロセッサ804から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ804は、ネットワークインターフェース803又は図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ805にアクセスしてもよい。
【0089】
メモリ805は、上述の複数の実施形態で説明されたSN2による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)806を格納してもよい。いくつかの実装において、プロセッサ804は、当該ソフトウェアモジュール806をメモリ805から読み出して実行することで、上述の実施形態で説明されたSN2の処理を行うよう構成されてもよい。
【0090】
なお、SN2がCU(e.g., eNB-CU又はgNB-CU)である場合、SN2は、RFトランシーバ801(及びアンテナアレイ802)を含まなくてもよい。
【0091】
図9は、UE3の構成例を示すブロック図である。Radio Frequency(RF)トランシーバ901は、MN1及びSN2と通信するためにアナログRF信号処理を行う。RFトランシーバ901は、複数のトランシーバを含んでもよい。RFトランシーバ901により行われるアナログRF信号処理は、周波数アップコンバージョン、周波数ダウンコンバージョン、及び増幅を含む。RFトランシーバ901は、アンテナアレイ902及びベースバンドプロセッサ903と結合される。RFトランシーバ901は、変調シンボルデータ(又はOFDMシンボルデータ)をベースバンドプロセッサ903から受信し、送信RF信号を生成し、送信RF信号をアンテナアレイ902に供給する。また、RFトランシーバ901は、アンテナアレイ902によって受信された受信RF信号に基づいてベースバンド受信信号を生成し、これをベースバンドプロセッサ903に供給する。RFトランシーバ901は、ビームフォーミングのためのアナログビームフォーマ回路を含んでもよい。アナログビームフォーマ回路は、例えば複数の移相器及び複数の電力増幅器を含む。
【0092】
ベースバンドプロセッサ903は、無線通信のためのデジタルベースバンド信号処理(データプレーン処理)とコントロールプレーン処理を行う。デジタルベースバンド信号処理は、(a) データ圧縮/復元、(b) データのセグメンテーション/コンカテネーション、(c) 伝送フォーマット(伝送フレーム)の生成/分解、(d) 伝送路符号化/復号化、(e) 変調(シンボルマッピング)/復調、及び(f) Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)によるOFDMシンボルデータ(ベースバンドOFDM信号)の生成などを含む。一方、コントロールプレーン処理は、レイヤ1(e.g., 送信電力制御)、レイヤ2(e.g., 無線リソース管理、及びhybrid automatic repeat request(HARQ)処理)、及びレイヤ3(e.g., アタッチ、モビリティ、及び通話管理に関するシグナリング)の通信管理を含む。
【0093】
例えば、ベースバンドプロセッサ903によるデジタルベースバンド信号処理は、Service Data Adaptation Protocol(SDAP)レイヤ、Packet Data Convergence Protocol(PDCP)レイヤ、Radio Link Control(RLC)レイヤ、MACレイヤ、およびPHYレイヤの信号処理を含んでもよい。また、ベースバンドプロセッサ903によるコントロールプレーン処理は、Non-Access Stratum(NAS)プロトコル、RRCプロトコル、及びMAC CEの処理を含んでもよい。
【0094】
ベースバンドプロセッサ903は、ビームフォーミングのためのMIMOエンコーディング及びプリコーディングを行ってもよい。
【0095】
ベースバンドプロセッサ903は、デジタルベースバンド信号処理を行うモデム・プロセッサ(e.g., DSP)とコントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサ(e.g., CPU又はMPU)を含んでもよい。この場合、コントロールプレーン処理を行うプロトコルスタック・プロセッサは、後述するアプリケーションプロセッサ904と共通化されてもよい。
【0096】
アプリケーションプロセッサ904は、CPU、MPU、マイクロプロセッサ、又はプロセッサコアとも呼ばれる。アプリケーションプロセッサ904は、複数のプロセッサ(複数のプロセッサコア)を含んでもよい。アプリケーションプロセッサ904は、メモリ906又は図示されていないメモリから読み出されたシステムソフトウェアプログラム(Operating System(OS))及び様々なアプリケーションプログラム(例えば、通話アプリケーション、WEBブラウザ、メーラ、カメラ操作アプリケーション、音楽再生アプリケーション)を実行することによって、UE3の各種機能を実現する。
【0097】
幾つかの実装において、図9に破線(905)で示されているように、ベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904は、1つのチップ上に集積されてもよい。言い換えると、ベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904は、1つのSystem on Chip(SoC)デバイス905として実装されてもよい。SoCデバイスは、システムLarge Scale Integration(LSI)またはチップセットと呼ばれることもある。
【0098】
メモリ906は、揮発性メモリ若しくは不揮発性メモリ又はこれらの組合せである。メモリ906は、物理的に独立した複数のメモリデバイスを含んでもよい。揮発性メモリは、例えば、SRAM若しくはDRAM又はこれらの組み合わせである。不揮発性メモリは、MROM、EEPROM、フラッシュメモリ、若しくはハードディスクドライブ、又はこれらの任意の組合せである。例えば、メモリ906は、ベースバンドプロセッサ903、アプリケーションプロセッサ904、及びSoC905からアクセス可能な外部メモリデバイスを含んでもよい。メモリ906は、ベースバンドプロセッサ903内、アプリケーションプロセッサ904内、又はSoC905内に集積された内蔵メモリデバイスを含んでもよい。さらに、メモリ906は、Universal Integrated Circuit Card(UICC)内のメモリを含んでもよい。
【0099】
メモリ906は、上述の複数の実施形態で説明されたUE3による処理を行うための命令群およびデータを含む1又はそれ以上のソフトウェアモジュール(コンピュータプログラム)907を格納してもよい。幾つかの実装において、ベースバンドプロセッサ903又はアプリケーションプロセッサ904は、当該ソフトウェアモジュール907をメモリ906から読み出して実行することで、上述の実施形態で図面を用いて説明されたUE3の処理を行うよう構成されてもよい。
【0100】
なお、上述の実施形態で説明されたUE3によって行われるコントロールプレーン処理及び動作は、RFトランシーバ901及びアンテナアレイ902を除く他の要素、すなわちベースバンドプロセッサ903及びアプリケーションプロセッサ904の少なくとも一方とソフトウェアモジュール907を格納したメモリ906とによって実現されることができる。
【0101】
図8及び図9を用いて説明したように、上述の実施形態に係るMN1、SN2、及びUE3が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0102】
<その他の実施形態>
上述の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、実施形態全体又はその一部が適宜組み合わせて実施されてもよい。例えば、第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態と独立に実施されることができ、第1及び第2の実施形態とは異なる目的又は課題を解決することに寄与し、第1及び第2の実施形態とは異なる効果を奏することに寄与する。
【0103】
上述の実施形態で条件付き(Conditional)PSCell changeとして説明された機能は、事前条件設定(pre-conditioned)PSCell change、事前準備(prepared)PSCell change、又は遅延型(delayed)PSCell changeなどと呼ばれてもよい。
【0104】
上述の実施形態において、UE3は、MN RAT(e.g., LTE)のRRCメッセージ(e.g., LTE RRCConnectionReconfiguration)で受信したSN RAT(e.g., NR)のRRCメッセージ(e.g., NR RRCReconfiguration)に対する応答のRRCメッセージ(e.g., RRCReconfigurationComplete)の生成及び送信を、次のように実行してもよい。UE3のMN RATのRRCレイヤは、MN RATのRRCメッセージの中にSN RATのRRCメッセージが包含されていることを検出すると、それをSN RATのRRCレイヤへ渡す。UE3のSN RATのRRCレイヤは、当該SN RATのRRCメッセージを復号し、条件付きPSCell changeであることを検出すると、当該条件付きPSCell changeのための実行条件が満たされるか否かを判定する。SN RATのRRCレイヤは、条件付きPSCell changeのための実行条件が満たされた場合、SN RATの応答RRCメッセージ(e.g., RRCReconfigurationComplete)を生成し、これをMN RATのRRCレイヤへ渡す。MN RATのRRCレイヤは、SN RATのRRCレイヤから渡された応答RRCメッセージを包含するMN RATのRRCメッセージ(e.g., RRCConnectionReconfigurationComplete)を生成し、これをMN1へ送信する。そして、MN1はSN RATの応答RRCメッセージをSN2へ転送する。
【0105】
一方、UE3のSN RATのRRCレイヤは、条件付きPSCell changeを離れる(exit)条件が満たされた場合、又は有効(validity)タイマが満了した場合、条件付きPSCell changeが成功裏に終わらなかったことを示す情報を含む応答RRCメッセージ(e.g., RRCReconfigurationComplete)を生成し、それをMN RATのRRCレイヤへ渡してもよい。MN RATのRRCレイヤは、SN RATのRRCレイヤから渡された応答RRCメッセージを包含するMN RATのRRCメッセージ(e.g., RRCConnectionReconfigurationComplete)を生成し、これをMN1へ送信する。そして、MN1はSN RATの応答RRCメッセージをSN2へ転送する。なお、複数の候補ターゲットセルがある場合(つまりターゲットPSCellの候補が複数ある場合)、SN RATのRRCレイヤは、いずれか1つの候補ターゲットセルに対する条件付きPSCell changeを離れる条件が満たされた場合又は有効タイマが満了した時点でこの動作を行ってもよい。これに代えて、SN RATのRRCレイヤは、すべての候補ターゲットセルに対する条件付きPSCell changeを離れる条件が満たされた場合又は有効タイマが満了した時点でこの動作を実行してもよい。
【0106】
上述した実施形態における条件付きPSCell changeにおいて、UE3は条件付きPSCell changeに関するタイマT30xを次のように取り扱ってもよい。通常のPSCell changeにおいて、UE3はPSCell changeの指示のRRCメッセージ(e.g., RRC Reconfiguration including reconfigurationWithSync)を受信すると、タイマT304をスタートする。これに代えて、条件付きPSCell changeにおいて、UE3は条件付きPSCell changeの指示のRRCメッセージ(e.g., RRC Reconfiguration including reconfigurationWithSync for Conditional PSCell change)を受信しても、すぐにタイマT30xをスタートしなくてよい。UE3は、ある候補ターゲットセルに対する条件付きPSCell changeの条件が満たされると、当該候補ターゲットセルに対応するタイマT30xをスタートする。そして、UE3は、当該候補ターゲットセル(e.g., SpCell)におけるランダムアクセスが成功するとタイマT30xをストップする。なお、従来のT304が当該T30xとして使用されもよいし、新たなタイマがT30xとして規定されてもよい。
【0107】
本明細書における無線端末(User Equipment(UE))は、無線インターフェースを介して、ネットワークに接続されるエンティティである。本明細書の無線端末(UE)は、専用の通信装置に限定されるものではなく、本明細書中に記載された無線端末(UE)の通信機能を有する次のような任意の機器であってもよい。
【0108】
「(3GPPで使われる単語としての)ユーザー端末(User Equipment(UE))」、「移動局(mobile station)」、「移動端末(mobile terminal)」、「モバイルデバイス(mobile device)」、及び「無線端末(wireless device)」との用語は、一般的に互いに同義であることが意図されている。UEは、ターミナル、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラIoT端末、IoTデバイス、などのスタンドアローン移動局であってもよい。「UE」及び「無線端末」との用語は、長期間にわたって静止している装置も包含する。
【0109】
UEは、例えば、生産設備・製造設備および/またはエネルギー関連機械(一例として、ボイラー、機関、タービン、ソーラーパネル、風力発電機、水力発電機、火力発電機、原子力発電機、蓄電池、原子力システム、原子力関連機器、重電機器、真空ポンプなどを含むポンプ、圧縮機、ファン、送風機、油圧機器、空気圧機器、金属加工機械、マニピュレータ、ロボット、ロボット応用システム、搬送装置、昇降装置、貨物取扱装置、繊維機械、縫製機械、印刷機、印刷関連機械、紙工機械、化学機械、鉱山機械、鉱山関連機械、建設機械、建設関連機械、農業用機械および/または器具、林業用機械および/または器具、漁業用機械および/または器具、安全および/または環境保全器具、トラクター、動力伝動装置、および/または上記で述べた任意の機器又は機械のアプリケーションシステムなど)であってもよい。
【0110】
UEは、例えば、輸送用装置(一例として、車両、自動車、二輪自動車、自転車、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶(ship and other watercraft)、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン、気球など)であってもよい。
【0111】
UEは、例えば、情報通信用装置(一例として、電子計算機及び関連装置、通信装置及び関連装置、電子部品など)であってもよい。
【0112】
UEは、例えば、商業およびサービス用機器、自動販売機、自動サービス機、事務用機械及び装置、民生用電気・電子機械器具(一例として音声機器、スピーカー、ラジオ、映像機器、テレビなど)であってもよい。
【0113】
UEは、例えば、電子応用システムまたは電子応用装置(一例として、X線装置、粒子加速装置、放射性物質応用装置、音波応用装置、電磁応用装置、電力応用装置など)であってもよい。
【0114】
UEは、例えば、電球、照明、計量機、分析機器、試験機及び計測機械(一例として、煙報知器、対人警報センサ、動きセンサ、無線タグなど)、時計(watchまたはclock)、理化学機械、光学機械、医療用機器および/または医療用システム、武器、利器工匠具、または手道具であってもよい。
【0115】
UEは、例えば、無線通信機能を備えたパーソナルデジタルアシスタントまたは装置(一例として、無線カードや無線モジュールなどを取り付けられる、もしくは挿入するよう構成された電子装置(例えば、パーソナルコンピュータや電子計測器など))であってもよい。
【0116】
UEは、例えば、有線や無線通信技術を使用した「あらゆるモノのインターネット(IoT:Internet of Things)」において、以下のアプリケーション、サービス、ソリューションを提供する装置またはその一部であってもよい。IoTデバイス(もしくはモノ)は、デバイスが互いに、および他の通信デバイスとの間で、データ収集およびデータ交換することを可能にする適切な電子機器、ソフトウェア、センサー、ネットワーク接続、などを備える。IoTデバイスは、内部メモリの格納されたソフトウェア指令に従う自動化された機器であってもよい。IoTデバイスは、人間による監督または対応を必要とすることなく動作してもよい。IoTデバイスは、長期間にわたって備え付けられている装置および/または、長期間に渡って非活性状態(inactive)状態のままであってもよい。IoTデバイスは、据え置き型な装置の一部として実装され得る。IoTデバイスは、非据え置き型の装置(例えば車両など)に埋め込まれ得る、または監視される/追跡される動物や人に取り付けられ得る。IoT技術は、人間の入力による制御またはメモリに格納されるソフトウェア命令に関係なくデータを送受信する通信ネットワークに接続されることができる任意の通信デバイス上に実装されることができる。IoTデバイスは、機械型通信(Machine Type Communication、MTC)デバイス、またはマシンツーマシン(Machine to Machine、M2M)通信デバイス、Narrow Band-IoT (NB-IoT) UEと呼ばれることもある。
【0117】
UEは、1つまたは複数のIoTまたはMTCアプリケーションをサポートしてもよい。
【0118】
MTCアプリケーションのいくつかの例は、3GPP TS22.368 V13.2.0(2017-01-13) Annex B(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に示されたリストに列挙されている。このリストは、網羅的ではなく、一例としてのMTCアプリケーションを示すものである。このリストでは、MTCアプリケーションのサービス範囲 (Service Area)は、セキュリティ (Security)、追跡及びトレース (Tracking & Tracing)、支払い (Payment)、健康 (Health)、リモートメンテナンス/制御 (Remote Maintenance/Control)、計量 (Metering)、及び民生機器 (Consumer Devices)を含む。
【0119】
セキュリティに関するMTCアプリケーションの例は、監視システム (Surveillance systems)、固定電話のバックアップ (Backup for landline)、物理アクセスの制御(例えば建物へのアクセス) (Control of physical access (e.g. to buildings))、及び車/運転手のセキュリティ (Car/driver security)を含む。
【0120】
追跡及びトレースに関するMTCアプリケーションの例は、フリート管理 (Fleet Management)、注文管理 (Order Management)、テレマティクス保険:走行に応じた課金 (Pay as you drive (PAYD))、資産追跡 (Asset Tracking)、ナビゲーション (Navigation)、交通情報 (Traffic information)、道路料金徴収 (Road tolling)、及び道路通行最適化/誘導 (Road traffic optimisation/steering)を含む。
【0121】
支払いに関するMTCアプリケーションの例は、販売時点情報管理 (Point of sales (POS))、自動販売機 (Vending machines)、及び遊戯機 (Gaming machines)を含む。
【0122】
健康に関するMTCアプリケーションの例は、生命徴候の監視 (Monitoring vital signs)、高齢者又は障害者支援 (Supporting the aged or handicapped)、ウェブアクセス遠隔医療 (Web Access Telemedicine points)、及びリモート診断 (Remote diagnostics)を含む。
【0123】
リモートメンテナンス/制御に関するMTCアプリケーションの例は、センサー (Sensors)、明かり (Lighting)、ポンプ (Pumps)、バルブ (Valves)、エレベータ制御 (Elevator control)、自動販売機制御 (Vending machine control)、及び車両診断 (Vehicle diagnostics)を含む。
【0124】
計量に関するMTCアプリケーションの例は、パワー (Power)、ガス (Gas)
水 (Water)、暖房 (Heating)、グリッド制御 (Grid control)、及び産業用メータリング (Industrial metering)を含む。
【0125】
民生機器に関するMTCアプリケーションの例は、デジタルフォトフレーム、デジタルカメラ、及び電子ブック (ebook)を含む。
【0126】
アプリケーション、サービス、及びソリューションは、一例として、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)サービス/システム、防災無線サービス/システム、構内無線電話(PBX(Private Branch eXchange:構内交換機))サービス/システム、PHS/デジタルコードレス電話サービス/システム、Point of sales(POS)システム、広告発信サービス/システム、マルチキャスト(Multimedia Broadcast and Multicast Service(MBMS))サービス/システム、V2X(Vehicle to Everything:車車間通信および路車間・歩車間通信)サービス/システム、列車内移動無線サービス/システム、位置情報関連サービス/システム、災害/緊急時無線通信サービス/システム、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス/システム、コミュニティーサービス/システム、映像配信サービス/システム、Femtoセル応用サービス/システム、VoLTE(Voice over LTE)サービス/システム、無線タグ・サービス/システム、課金サービス/システム、ラジオオンデマンドサービス/システム、ローミングサービス/システム、ユーザー行動監視サービス/システム、通信キャリア/通信NW選択サービス/システム、機能制限サービス/システム、PoC(Proof of Concept)サービス/システム、端末向け個人情報管理サービス/システム、端末向け表示・映像サービス/システム、端末向け非通信サービス/システム、アドホックNW/DTN(Delay Tolerant Networking)サービス/システムなどであってもよい。
【0127】
上述したUEのカテゴリは、本明細書に記載された技術思想及び実施形態の応用例に過ぎない。本明細書のUEは、これらの例に限定されるものではなく、当業者は種々の変更をこれに行うことができる。
【0128】
さらに、上述した実施形態は本件発明者により得られた技術思想の適用に関する例に過ぎない。すなわち、当該技術思想は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは勿論である。
【0129】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0130】
(付記1)
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作し、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信し、
前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して受信する、
よう構成される、
無線アクセスネットワークノード。
【0131】
(付記2)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のRRCメッセージを受信したことによって、前記条件付きプライマリセル変更の開始を検出するよう構成される、
付記1に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0132】
(付記3)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のRRCメッセージを受信したことに応答して、前記セカンダリセルグループのサービングセルにおける前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう構成される、
付記1又は2に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0133】
(付記4)
前記無線アクセスネットワークノードは、基地局の中央ユニットであり、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のRRCメッセージの受信に応答して、前記第1のセルを提供する第1の分散ユニットを介する前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう構成される、
付記1~3のいずれか1項に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0134】
(付記5)
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記第2のRRCメッセージの受信よりも前に、前記無線端末へ送信されていないダウンリンクデータを示す制御メッセージを前記第1の分散ユニットから受信したことに応答して、前記第1の分散ユニットを介する前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう構成される、
付記4に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0135】
(付記6)
前記制御メッセージは、DOWNLINK DATA DELIVERY STATUSフレームである、
付記5に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0136】
(付記7)
無線端末であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行い、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信し、
前記実行条件の成立に応答して、第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して前記セカンダリノードに送信する、
よう構成される、
無線端末。
【0137】
(付記8)
前記第2のRRCメッセージは、前記セカンダリセルグループのサービングセルにおける前記無線端末へのダウンリンクデータ転送を停止するよう前記セカンダリノードをトリガーする、
付記7に記載の無線端末。
【0138】
(付記9)
無線アクセスネットワークノードのための方法であって、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して受信すること、
を備える、方法。
【0139】
(付記10)
無線端末のための方法であって、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うこと、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して、第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して前記セカンダリノードに送信すること、
を備える、方法。
【0140】
(付記11)
無線アクセスネットワークノードのための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して受信すること、
を備える、
プログラム。
【0141】
(付記12)
無線端末のための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うこと、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示す第1のRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して、第2のRRCメッセージを前記無線端末から前記マスターノードを介して前記セカンダリノードに送信すること、
を備える、
プログラム。
【0142】
(付記13)
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作し、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信し、
前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記無線端末から直接的に受信する、
よう構成される、
無線アクセスネットワークノード。
【0143】
(付記14)
前記表示は、RRCレイヤよりも下位のレイヤのシグナリングを用いて送信される、
付記13に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0144】
(付記15)
前記シグナリングは、Medium Access Control(MAC)レイヤ又は物理レイヤのシグナリングである、
付記14に記載の無線アクセスネットワークノード。
【0145】
(付記16)
無線端末であって、
少なくとも1つのメモリと、
前記少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサと、
を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行い、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信し、
前記実行条件の成立に応答して、前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記セカンダリノードに直接的に送信する、
よう構成される、
無線端末。
【0146】
(付記17)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記表示を、RRCレイヤよりも下位のレイヤのシグナリングを用いて送信するよう構成される、
付記16に記載の無線端末。
【0147】
(付記18)
前記シグナリングは、Medium Access Control(MAC)レイヤ又は物理レイヤのシグナリングである、
付記17に記載の無線端末。
【0148】
(付記19)
前記セカンダリノードは、中央ユニット及び1又はそれ以上の分散ユニットを含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記RRCメッセージを前記中央ユニットから前記マスターノードを介して受信するよう構成され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記表示を前記第1のセルにおいて前記1又はそれ以上の分散ユニットのうちの1つに送信するよう構成される、
付記16~18のいずれか1項に記載の無線端末。
【0149】
(付記20)
無線アクセスネットワークノードのための方法であって、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記無線端末から直接的に受信すること、
を備える、方法。
【0150】
(付記21)
無線端末のための方法であって、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うこと、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して、前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記セカンダリノードに直接的に送信すること、
を備える、方法。
【0151】
(付記22)
無線アクセスネットワークノードのための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
無線端末のためのデュアルコネクティビティのセカンダリノードとして動作すること、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記デュアルコネクティビティのマスターノードを介して前記無線端末に送信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して前記無線端末から送られる前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記無線端末から直接的に受信すること、
を備える、
プログラム。
【0152】
(付記23)
無線端末のための方法をコンピュータに行わせるためのプログラムであって、
前記方法は、
マスターノードに関連付けられたマスターセルグループ及びセカンダリノードに関連付けられたセカンダリセルグープのデュアルコネクティビティを行うこと、
第1のセルから第2のセルへのセカンダリセルグループのプライマリセルの条件付きプライマリセル変更の実行条件を示すRadio Resource Control(RRC)メッセージを、前記マスターノードを介して前記セカンダリノードから受信すること、及び
前記実行条件の成立に応答して、前記条件付きプライマリセル変更の実行又は開始の表示を、前記第1のセル又は前記セカンダリセルグループのいずれかのセカンダリセルにおいて前記セカンダリノードに直接的に送信すること、
を備える、
プログラム。
【0153】
この出願は、2019年1月11日に出願された日本出願特願2019-003563を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0154】
1 マスターノード(Master Node(MN))
2 セカンダリノード(Secondary Node(SN))
3 User Equipment(UE)
21 中央ユニット(Central Unit(CU))
22 分散ユニット(Distributed Unit(DU))
804 プロセッサ
805 メモリ
806 モジュール(modules)
903 ベースバンドプロセッサ
904 アプリケーションプロセッサ
906 メモリ
907 モジュール(modules)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9