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特許7574952情報処理システムおよび情報処理システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
B66B5/00 G
B66B5/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024027618
(22)【出願日】2024-02-27
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】北川 新也
(72)【発明者】
【氏名】福冨 諒
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-099371(JP,A)
【文献】特開2021-084773(JP,A)
【文献】特開2019-182610(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0339399(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-5/28;
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業員が使用する端末装置が備える提示部に、前記端末装置に対して所定操作を行うように前記作業員に指示する第1指示を提示させる第1提示制御部と、
前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合、自律走行可能なロボットがエレベータを利用するときに前記エレベータを制御するエレベータ制御装置によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、前記エレベータ制御装置に送信する依頼情報送信部と、
前記依頼情報と対応付けられた前記制御が完了したことを示す制御完了情報を、前記依頼情報送信部により前記依頼情報が送信されてから所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得した場合、当該制御完了情報を前記提示部に提示させる第2提示制御部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記依頼情報は、エレベータ利用登録依頼、出発階登録依頼、乗車時の戸開保持依頼、行先階登録依頼、降車時の戸開保持依頼、および利用解除依頼のうちの少なくともいずれかである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記依頼情報送信部が前記エレベータ制御装置に送信する前記依頼情報の送信順序は、前記ロボットから前記エレベータ制御装置に送信される前記依頼情報の送信順序と同じである、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1提示制御部は、
前記第1指示に加え、エレベータ乗場の所定位置への移動、前記エレベータのかご内への乗車、前記エレベータのかご内からの降車、のうちの少なくともいずれかを含む動作を行うように前記作業員に指示する第2指示を前記提示部に提示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1提示制御部は、
前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合に前記エレベータ制御装置に送信される前記依頼情報について説明する説明情報を前記提示部に提示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第2提示制御部は、
前記制御完了情報を前記所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得しない場合、所定のメッセージを前記提示部に提示させる、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
作業員が使用する端末装置が備える提示部に、前記端末装置に対して所定操作を行うように前記作業員に指示する第1指示を提示させる第1提示制御ステップと、
前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合、自律走行可能なロボットがエレベータを利用するときに前記エレベータを制御するエレベータ制御装置によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、前記エレベータ制御装置に送信する依頼情報送信ステップと、
前記依頼情報と対応付けられた前記制御が完了したことを示す制御完了情報を、前記依頼情報送信ステップにおいて前記依頼情報が送信されてから所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得した場合、当該制御完了情報を前記提示部に提示させる第2提示制御ステップと、
を含む情報処理システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレベータ制御装置によって行われる制御が適切に行われることを確認するための情報処理システムおよび情報処理システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行可能なロボットがエレベータを円滑に利用するためには、ロボットからエレベータを制御するエレベータ制御装置に対して様々な依頼情報を適時に適切な場所から送信することが必要である。一方、エレベータ制御装置は、ロボットから受信した様々な依頼情報に応じて適時に適切な制御を実行する必要がある。ロボットからエレベータ制御装置に送信される依頼情報には、例えば、利用登録依頼、エレベータ呼び出し(出発階登録)依頼、乗車時の戸開保持依頼、乗車完了報告、行先階登録依頼、降車時の戸開保持依頼、降車完了(利用解除)報告などが挙げられる。このように、ロボットにエレベータを利用させる場合、ロボットとエレベータ制御部との連携に問題が無いことが重要である。
【0003】
仮に、エレベータの動作に異常が生じている場合、ロボットにエレベータを利用させることはできない。例えば、特許文献1には、エレベータの異常状態に応じて、ロボットに対して動作モードの切り替えの制御指令を送信して、円滑なロボットの業務遂行、およびエレベータの異常状態からの復旧作業を実施可能なシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2023-129845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、自律走行可能なロボットにエレベータを利用させる場合、エレベータを設置するための施工完了時、およびエレベータの定期メンテナンス時などにおいて、ロボットがエレベータを利用して円滑に移動できることを確認する必要がある。
【0006】
従来、ロボットとエレベータ制御装置との間の通信状態、およびロボットとエレベータ制御装置との連携状態を検査するためには、ロボットの製造会社の立ち合いのもとで実際にロボットにエレベータを利用させる必要がある。それゆえ、エレベータの施工および定期メンテナンス等を行う業者だけで、ロボットとエレベータ制御装置との間の通信状態、およびロボットとエレベータ制御装置との連携状態を事前に検査することができなかった。
【0007】
本発明の一態様は、ロボットがエレベータを利用するときにエレベータ制御装置によって行われる制御が適切に行われることを、実際のロボットを用いることなく確認できる情報処理システムおよび情報処理方法等の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、作業員が使用する端末装置が備える提示部に、前記端末装置に対して所定操作を行うように前記作業員に指示する第1指示を提示させる第1提示制御部と、前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合、自律走行可能なロボットがエレベータを利用するときに前記エレベータを制御するエレベータ制御装置によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、前記エレベータ制御装置に送信する依頼情報送信部と、前記依頼情報と対応付けられた前記制御が完了したことを示す制御完了情報を、前記依頼情報送信部により前記依頼情報が送信されてから所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得した場合、当該制御完了情報を前記提示部に提示させる第2提示制御部と、を備える。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムの制御方法は、作業員が使用する端末装置が備える提示部に、前記端末装置に対して所定操作を行うように前記作業員に指示する第1指示を提示させる第1提示制御ステップと、前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合、自律走行可能なロボットがエレベータを利用するときに前記エレベータを制御するエレベータ制御装置によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、前記エレベータ制御装置に送信する依頼情報送信ステップと、前記依頼情報と対応付けられた前記制御が完了したことを示す制御完了情報を、前記依頼情報送信ステップにおいて前記依頼情報が送信されてから所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得した場合、当該制御完了情報を前記提示部に提示させる第2提示制御ステップと、を含む。
【0010】
本発明の各態様に係る情報処理システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記情報処理システムが備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記情報処理システムをコンピュータにて実現させる情報処理システムの制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、ロボットがエレベータを利用するときにエレベータ制御装置によって行われる制御が適切に行われることを、実際のロボットを用いることなく確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図2】入力画面の一例を示す図である。
図3】開始画面を含む画面の一例を示す図である。
図4】利用登録画面を含む画面の一例を示す図である。
図5】呼び出し画面を含む画面の一例を示す図である。
図6】戸開保持画面を含む画面の一例を示す図である。
図7】行先階登録画面を含む画面の一例を示す図である。
図8】乗車完了画面を含む画面の一例を示す図である。
図9】利用解除画面を含む画面の一例を示す図である。
図10】エレベータ情報の一例を示す図である。
図11】乗場呼び情報の一例を示す図である。
図12】かご呼び情報の一例を示す図である。
図13】ロボット呼び情報の一例を示す図である。
図14】情報処理システムにおいて行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図15】情報処理システムにおいて行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態2に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施形態1〕
<情報処理システム100の概要>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る情報処理システム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム100は、第2サーバ3、第3サーバ4、端末装置5、エレベータ制御装置6、およびエレベータ7を備える。
【0014】
情報処理システム100において、エレベータ制御装置6は、第1サーバ1を介して、エレベータ7を利用して階床間を移動可能であり自律走行可能なロボット2の呼び登録を受け付け、当該呼び登録に基づきエレベータ7を制御する装置である。情報処理システム100は、このようなエレベータ制御装置6においてロボット2がエレベータ7を利用するときに行われる制御が適切に行われているかを、実際のロボット2を用いることなく確認するためのシステムである。
【0015】
情報処理システム100は、作業員が使用する端末装置5が備える提示部54に、端末装置5に対して所定操作を行うように作業員に指示する第1指示を提示させる。また、情報処理システム100は、端末装置5にて所定操作を受け付けた場合、自律走行可能なロボット2がエレベータ7を利用するときにエレベータ制御装置6によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、該エレベータ制御装置6に送信する。さらに、情報処理システム100は、依頼情報と対応付けられた制御が完了したことを示す制御完了情報を、依頼情報が送信されてから所定時間以内にエレベータ制御装置6から取得した場合、当該制御完了情報を提示部54に提示させる。
【0016】
これにより、端末装置5を利用する作業員は、エレベータ制御装置6とロボット2との間において、通信による情報の授受が適切に行われているか、エレベータ制御装置6とロボット2とが正常に連携できているか、等を確認することができる。したがって、情報処理システム100によれば、エレベータ制御装置6においてロボット2との通信に基づく制御が適切に行われているかを、実際のロボット2を用いずに確認することができる。以下では、エレベータ制御装置6とロボット2との間における通信および制御が適切に行われているかを確認するための、端末装置5を用いた確認作業のことを「接続テスト」と称する。
【0017】
なお、本明細書において、エレベータ制御装置6と他の装置とが通信を行う、または連携する、とは、エレベータ制御装置6と他の装置とが直接情報の授受を行う構成に限られない。例えば、エレベータ制御装置6と他の装置とが、少なくとも1つのサーバを介して情報を授受する構成も、エレベータ制御装置6と他の装置とが通信を行っている、またはエレベータ制御装置6と他の装置とが連携していると表現される。
【0018】
(第1サーバ1)
第1サーバ1は、情報の授受を中継するクラウドサーバ等のサーバである。図1に示すように、第1サーバ1はロボット2および第2サーバ3と通信可能に接続されており、第2サーバ3と共に、ロボット2とエレベータ制御装置6との間において行われる情報の授受を中継する。例えば、第1サーバ1は、ロボット2を管理する管理会社に所属するサーバであってもよい。以下では、説明の簡略化のため、ロボット2が第1サーバ1および第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6と情報を送受信することについての説明では、第1サーバ1および第2サーバ3に関する記載を省略する場合がある。
【0019】
(ロボット2)
ロボット2は、エレベータ7を利用して階床間を移動可能な情報処理装置である。また、ロボット2は、自律走行可能であり、第1サーバ1と通信可能に接続されている。ロボット2は、エレベータ制御装置6と連携し、第1サーバ1および第2サーバ3を介して情報の授受を行う。
【0020】
図1に示すように、ロボット2は、制御部21および動作部22を備える。動作部22は、例えば車輪等の部材であり、制御部21の制御に基づき動作し、所望の位置へロボット2を移動させる。
【0021】
制御部21は、依頼情報を送信する。依頼情報とは、ロボット2がエレベータ7を利用するときにエレベータ制御装置6によって行われる制御を依頼するための情報であり、複数の依頼情報のそれぞれは、複数のエレベータ制御装置6による制御のそれぞれに対応付けられている。
【0022】
例えば、依頼情報には、利用登録依頼(エレベータ利用登録依頼)と、出発階登録依頼と、行先階登録依頼と、乗車時および降車時の戸開保持依頼(戸開延長指令とも呼称され得る)と、利用解除依頼と、が含まれる。ロボット2から依頼情報が送信されると、エレベータ制御装置6において、依頼情報に対応付けられた制御が行われる。
【0023】
利用登録依頼とは、ロボット2がエレベータ7の利用を開始することをエレベータ制御装置6に対して依頼する情報である。ロボット2からエレベータ制御装置6に対して利用登録依頼が送信されると、エレベータ制御装置6はエレベータ7の運転モードをロボット専用運転モード(後述)に切り替える。これにより、ロボット2がエレベータ7を利用可能となる。
【0024】
出発階登録とは、ロボット2の出発階にエレベータ7のかご71を呼び出すことを依頼する情報である。ロボット2からエレベータ制御装置6に対して出発階登録が送信されると、エレベータ制御装置6の制御によりかご71がロボット2の出発階で停止し戸開する。
【0025】
行先階登録依頼とは、ロボット2の行先階の登録を依頼する情報である。ロボット2からエレベータ制御装置6に対して行先階登録依頼が送信されると、エレベータ制御装置6において、ロボット2の行先階が登録される。
【0026】
乗車時および降車時の戸開保持依頼とは、ロボット2の乗降時におけるエレベータ7の扉72の戸開状態の保持を依頼する情報である。ロボット2からエレベータ制御装置6に対して戸開保持依頼が送信されると、エレベータ制御装置6の制御により扉72の戸開状態が保持される。なお、戸開状態が保持される、とは、戸開時間が延長される、とも言い換えられる。
【0027】
利用解除依頼とは、ロボット2がエレベータ7を利用している状態を解除し、エレベータ7の利用を終了することをエレベータ制御装置6に対して依頼する情報である。ロボット2からエレベータ制御装置6に対して利用解除依頼が送信されると、エレベータ制御装置6はエレベータ7の運転モードを通常運転モード(後述)に切り替える。これにより、ロボット2によるエレベータ7の利用が終了する。
【0028】
一例として、ロボット2の制御部21は、利用登録依頼、出発階登録、乗車時の戸開保持依頼、行先階登録依頼、降車時の戸開保持依頼、および利用解除登録依頼の順で依頼情報を送信する。これにより、エレベータ制御装置6において、依頼情報に対応付けられた制御が行われる。なお、乗車時および降車時の戸開保持依頼の送信は省略されてもよい。
【0029】
また、制御部21は、かご71への乗車が完了したとき、かご71への乗車が完了したことを示す乗車完了信号をエレベータ制御装置6に送信し、かご71からの降車が完了したとき、かご71からの降車が完了したことを示す降車完了信号をエレベータ制御装置6に送信する。
【0030】
また、制御部21は、動作部22を制御し、所望の位置へロボット2を移動させる。
【0031】
<情報処理システム100の詳細>
以下、本発明に係る情報処理システム100の詳細について説明する。
【0032】
<第2サーバ3>
第2サーバ3は、第1サーバ1、第3サーバ4、およびエレベータ制御装置6と通信可能に接続されたサーバである。第2サーバ3は、例えばクラウドサーバであり、第1サーバ1または第3サーバ4とエレベータ制御装置6との間において行われる情報の授受を中継する。第2サーバ3は、エレベータ7を管理する管理会社に属するサーバであってもよい。
【0033】
第2サーバ3は、第1サーバ1または第3サーバ4から情報を受信すると、当該情報をエレベータ制御装置6に送信する。また、第2サーバ3は、エレベータ制御装置6から情報を受信すると、当該情報を第1サーバ1または第3サーバ4に送信する。
【0034】
受信した情報にロボット2の識別情報が含まれる場合、第2サーバ3は受信した情報を第1サーバ1に送信する。受信した情報に端末装置5の識別情報、または接続テストの工番を示す情報が含まれる場合、第2サーバ3は受信した情報を第3サーバ4に送信する。
【0035】
<端末装置5>
端末装置5は、接続テストを行う作業員によって使用される装置であり、第3サーバ4と通信可能に接続されている。端末装置5は作業員による入力操作を受け付け、入力操作に基づく情報を第3サーバ4に送信する。また、端末装置5は第3サーバ4から受信した信号に基づき、作業員に所定の作業を指示する画面、およびエレベータ制御装置6において所定の制御が完了したことを示す画面等を提示する。
【0036】
図1に示すように、端末装置5は通信部51、制御部52、入力部53および提示部54を備える。通信部51は、端末装置5と第3サーバ4との間において通信を行うための通信モジュールである。入力部53は、接続テストを実施する作業員による入力操作を受け付け、受け付けた入力操作に対応する信号を制御部52に出力する。また、提示部54は、ディスプレイ等の表示装置であり、制御部52の制御に基づき情報を提示する。なお、提示部54は入力部53の機能を兼ねたタッチパネルであってもよい。
【0037】
制御部52は、端末装置5において行われる各種処理を実行する。例えば、制御部52は、入力部53に対する入力操作に基づく情報を第3サーバ4に送信する。また、制御部52は、第3サーバ4から所定の情報の提示を指示する信号を受信すると、提示を指示された情報を提示部54に提示させる。第3サーバ4からの信号に基づき提示部54に提示させる情報には、端末装置5に対して所定操作を行うように作業員に指示する第1指示、およびエレベータ制御装置6において依頼情報と対応付けられた制御が完了したことを示す制御完了情報が含まれ得る。
【0038】
なお、制御部52は、接続テストを実行している期間中、入力部53への接続テストの中断を指示する入力を受け付けてもよい。例えば、エレベータ制御装置6において依頼情報に対応する制御が適切に行われない場合、作業員は入力部53に対して接続テストを中断する旨の入力を行う。接続テストの中断を指示する入力を受け付けた場合、制御部52は、接続テストの中断を指示する信号を第3サーバ4に送信する。これにより、第3サーバ4とエレベータ制御装置6との間における連携が解除され、接続テストが中断される。なお、作業員は、問題を解決するための処置を行った後、初めから接続テストを開始してもよい。
【0039】
(入力画面)
図2は、提示部54において提示される入力画面の一例を示す図である。図2に示すように、制御部52は、工番および作業員の識別情報の入力を促す画面である入力画面を提示部54に提示させる。制御部52は、図2に示す入力画面が提示されている状態において工番および作業員の識別情報が入力されると、入力された工番および識別情報を第3サーバ4に送信する。
【0040】
(開始画面)
制御部52は、第3サーバ4から開始画面を提示することを指示する信号を受信すると、開始画面を提示部54に提示させる。図3は、提示部54において提示される開始画面を含む画面の一例を示す図である。図3に示すように、開始画面には、接続テスト開始前に作業員が行うべき確認作業を指示する情報(図3の符号301)と、接続テスト開始のための入力操作を行うように指示する、第1指示を示す情報(図3の符号302)とが含まれる。なお、図3の符号301に示すような作業員が行うべき動作の指示を、第2指示とも称する。入力部53に対して接続テスト開始のための入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作を示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0041】
(利用登録画面)
制御部52は、第3サーバ4から利用登録画面を提示することを指示する信号を受信すると、利用登録画面を提示部54に提示させる。図4は、提示部54において提示される利用登録画面を含む画面の一例を示す図である。図4に示すように、利用登録画面には、エレベータ7への利用登録依頼のための入力操作を指示する、第1指示を示す情報(図4の符号401)が含まれる。利用登録とは、エレベータ7の運行モードを通常運転モードからロボット専用運転モードに切り替えることを示す。入力部53に対してエレベータ7の利用登録依頼のための入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作が行われたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0042】
また、制御部52は、利用登録依頼の結果、エレベータ制御装置6において利用登録が完了したことを示す情報(制御完了情報)の提示を指示する信号を第3サーバ4から受信すると、当該情報を提示部54に提示させる(図4の符号402)。制御部52は、利用登録が完了したことを示す情報を、利用登録画面と同じ画面に提示してもよいし、利用登録画面から遷移させた画面に提示させてもよい。
【0043】
また、制御部52は、利用登録が成功した場合に作業員が行う動作を指示する、第1指示を示す情報(図4の符号403)と利用登録が失敗した場合に作業員が行う動作を指示する情報(図4の符号404)とを提示部54に提示させる。図4に示すように、利用登録が成功した場合に作業員が行う動作とは、接続テストの次の段階に進むことを指示するための入力操作であってもよい。入力部53に対して利用登録に成功した場合の入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作を示す情報を第3サーバ4に送信する。また、図4に示すように、利用登録が失敗した場合に作業員が行う動作とは、異常箇所の点検、または点検を行うためのマニュアルの確認であってもよい。
【0044】
また、制御部52は、利用登録依頼後、所定時間の間に利用登録が完了したことを示す情報を受信しなかった場合、または利用登録に失敗したことを示す情報を第3サーバ4から受信した場合、利用登録に失敗したことを示す情報を提示部54に提示させてもよい。
【0045】
(呼び出し画面)
制御部52は、第3サーバ4から呼び出し画面を提示することを指示する信号を受信すると、呼び出し画面を提示部54に提示させる。図5は、提示部54において提示される呼び出し画面を含む画面の一例を示す図である。図5に示すように、呼び出し画面には、エレベータ7の呼び出し依頼、すなわち出発階登録依頼を行うための入力操作を指示する、第1指示を示す情報(図5の符号501)が含まれる。入力部53に対してエレベータ7の呼び出し依頼のための入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作が行われたことを示す情報と、端末装置5および作業員が現在いる階床を示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0046】
また、制御部52は、出発階登録の結果エレベータ制御装置6においてエレベータ7呼び出しのための制御が完了したことを示す情報(制御完了情報)の提示を指示する信号を第3サーバ4から受信すると、当該情報を提示部54に提示させる(図5の符号502)。制御部52は、エレベータ7呼び出しのための制御が完了したことを示す情報を、呼び出し画面と同じ画面に提示してもよいし、呼び出し画面から遷移させた画面に提示させてもよい。
【0047】
また、制御部52は、エレベータ7の呼び出しが成功した場合に作業員が行う動作を指示する、第1指示を示す情報(図5の符号503)とエレベータ7の呼び出しが失敗した場合に作業員が行う動作を指示する情報(図5の符号504)とを提示部54に提示させる。図5に示すように、エレベータ7の呼び出しが成功した場合に作業員が行う動作とは、接続テストの次の段階に進むことを指示するための入力操作であってもよい。作業員は、エレベータ7が作業員のいる階床に到着し、戸開することを目視で確認することで、エレベータ7の呼び出しが成功したことを確認する。入力部53に対してエレベータ7の呼び出しが成功した場合の入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作を示す情報を第3サーバ4に送信する。また、図5に示すように、エレベータ7の呼び出しが失敗した場合に作業員が行う動作とは、異常箇所の点検、または点検を行うためのマニュアルの確認であってもよい。
【0048】
また、制御部52は、出発階登録依頼後、所定時間内にエレベータ7呼び出しのための制御に成功したことを示す情報を受信しない場合、またはエレベータ7の呼び出しに失敗したことを示す情報を受信した場合、当該情報を提示部54に提示させてもよい。
【0049】
(戸開保持画面)
制御部52は、第3サーバ4から戸開保持画面を提示することを指示する信号を受信すると、戸開保持画面を提示部54に提示させる。図6は、提示部54において提示される戸開保持画面を含む画面の一例を示す図である。図6に示すように、戸開保持画面には、戸開状態の保持を依頼するための入力操作を指示する、第1指示を示す情報(図6の符号601)が含まれる。入力部53に対して戸開状態の保持を依頼するための入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作が行われたことを示す情報と、端末装置5および作業員が現在いる階床を示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0050】
また、制御部52は、戸開状態の保持を依頼した結果エレベータ制御装置6において戸開保持のための制御が完了したことを示す情報(制御完了情報)の提示を指示する信号を第3サーバ4から受信すると、当該情報を提示部54に提示させる(図6の符号602)。制御部52は、戸開保持のための制御が完了したことを示す情報を、戸開保持画面と同じ画面に提示してもよいし、戸開保持画面から遷移させた画面に提示させてもよい。
【0051】
制御部52は、戸開状態の保持が成功した場合に作業員が行う動作を指示する、第1指示を示す情報(図6の符号603)と戸開状態の保持が失敗した場合に作業員が行う動作を指示する情報(図6の符号604)とを提示部54に提示させる。図6に示すように、戸開状態の保持が成功した場合に作業員が行う動作とは、接続テストの次の段階に進むことを指示するための入力操作であってもよい。作業員は、戸開時間が所定時間以上継続することを目視で確認することで、戸開状態の保持が成功したことを確認する。入力部53に対して戸開状態の保持に成功した場合の入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作を示す情報を第3サーバ4に送信する。また、図6に示すように、戸開状態の保持が失敗した場合に作業員が行う動作とは、異常箇所の点検、または点検を行うためのマニュアルの確認であってもよい。
【0052】
また、図6の符号605に示すように、戸開保持画面には、エレベータ制御装置6に送信される依頼情報について説明する説明情報が含まれていてもよい。
【0053】
また、制御部52は、戸開保持依頼後、所定時間内に戸開状態保持のための制御に成功したことを示す情報を受信しない場合、または戸開状態の保持に失敗したことを示す情報を受信した場合、当該情報を提示部54に提示させてもよい。
【0054】
(行先階登録画面)
制御部52は、第3サーバ4から行先階登録画面を提示することを指示する信号を受信すると、行先階登録画面を提示部54に提示させる。図7は、提示部54において提示される行先階登録画面を含む画面の一例を示す図である。図7に示すように、行先階登録画面には、行先階(目的階)の登録を依頼するための入力操作を指示する、第1指示を示す情報(図7の符号701)が含まれる。入力部53に対して行先階の登録を依頼するための入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作が行われたことを示す情報と、行先階として指定された階床を示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0055】
また、制御部52は、行先階登録依頼の結果エレベータ制御装置6において行先階登録のための制御が完了したことを示す情報(制御完了情報)の提示を指示する信号を第3サーバ4から受信すると、当該情報を提示部54に提示させる(図7の符号702)。制御部52は、行先階登録のための制御が完了したことを示す情報を、行先階登録画面と同じ画面に提示してもよいし、行先階登録画面から遷移させた画面に提示させてもよい。
【0056】
制御部52は、行先階登録が成功した場合に作業員が行う動作を指示する、第1指示を示す情報(図7の符号703)と行先階登録が失敗した場合に作業員が行う動作を指示する情報(図7の符号704)とを提示部54に提示させる。図7に示すように、行先階登録が成功した場合に作業員が行う動作とは、接続テストの次の段階に進むことを指示するための入力操作であってもよい。入力部53に対して行先階登録に成功した場合の入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作を示す情報を第3サーバ4に送信する。また、図7に示すように、行先階登録が失敗した場合に作業員が行う動作とは、異常箇所の点検、または点検を行うためのマニュアルの確認であってもよい。
【0057】
また、制御部52は、行先階登録依頼後、所定時間内に行先階登録のための制御に成功したことを示す情報を受信しない場合、または行先階登録に失敗したことを示す情報を受信した場合、当該情報を提示部54に提示させてもよい。
【0058】
(乗車完了画面)
制御部52は、第3サーバ4から乗車完了画面を提示することを指示する信号を受信すると、乗車完了画面を提示部54に提示させる。図8は、提示部54において提示される乗車完了画面を含む画面の一例を示す図である。図8に示すように、乗車完了画面には、かご71への乗車の完了の報告(乗車完了報告)を行うための入力操作を指示する、第1指示を示す情報(図8の符号801)が含まれる。例えば、作業員は、かご71に乗車した後に乗車完了報告のための入力操作を行う。入力部53に対して乗車完了報告のための入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作が行われたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0059】
また、制御部52は、乗車完了報告の結果、エレベータ制御装置6において乗車完了を確認する制御が完了したことを示す情報(制御完了情報)の提示を指示する信号を第3サーバ4から受信すると、当該情報を提示部54に提示させる(図8の符号802)。制御部52は、乗車完了を確認する制御が完了したことを示す情報を、乗車完了画面と同じ画面に提示してもよいし、乗車完了画面から遷移させた画面に提示させてもよい。
【0060】
制御部52は、乗車完了報告が成功した場合に作業員が行う動作を指示する、第1指示を示す情報(図8の符号803)と乗車完了報告が失敗した場合に作業員が行う動作を指示する情報(図8の符号804)とを提示部54に提示させる。図8に示すように、乗車完了報告が成功した場合に作業員が行う動作とは、接続テストの次の段階に進むことを指示するための入力操作であってもよい。入力部53に対して乗車完了報告に成功した場合の入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作を示す情報を第3サーバ4に送信する。また、図8に示すように、乗車完了報告が失敗した場合に作業員が行う動作とは、異常箇所の点検、または点検を行うためのマニュアルの確認であってもよい。
【0061】
また、制御部52は、乗車完了報告後、所定時間内に乗車完了報告の受け付けに失敗したことを示す情報を受信した場合、当該情報を提示部54に提示させてもよい。
【0062】
なお、乗車完了画面には、第2指示として、作業員に対する動作を指示する情報が含まれていてもよい。具体的には、図8の符号805に示すように、作業員に対してかご71への乗車を含む動作を行うことを指示する情報が乗車完了画面に含まれていてもよい。
【0063】
乗車完了報告が成功した後、エレベータ7はエレベータ制御装置6の制御に基づき戸閉し、行先階登録依頼によって登録された行先階へ移動する。
【0064】
(利用解除画面)
制御部52は、第3サーバ4から利用解除画面を提示することを指示する信号を受信すると、利用解除画面を提示部54に提示させる。図9は、提示部54において提示される利用解除画面を含む画面の一例を示す図である。図9に示すように、利用解除画面には、利用解除依頼のための入力操作を指示する、第1指示を示す情報(図9の符号901)が含まれる。利用解除とは、エレベータ7がロボット専用運転モードで運転している状態を解除し、通常運転モードに切り替えることを示す。入力部53に対して利用解除依頼のための入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作が行われたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。なお、利用解除画面には、第2指示として、作業員に対してかご71からの降車を行うよう指示する情報が含まれていてもよい。
【0065】
また、制御部52は、利用解除依頼の結果、エレベータ制御装置6において利用解除のための制御が完了したことを示す情報(制御完了情報)の提示を指示する信号を第3サーバ4から受信すると、当該情報を提示部54に提示させる(図9の符号902)。制御部52は、利用解除のための制御が完了したことを示す情報を、利用解除画面と同じ画面に提示してもよいし、利用解除画面から遷移させた画面に提示させてもよい。
【0066】
制御部52は、利用解除が成功した場合に作業員が行う動作を指示する、第1指示を示す情報(図9の符号903)と利用解除が失敗した場合に作業員が行う動作を指示する情報(図9の符号904)とを提示部54に提示させる。図9に示すように、利用解除が成功した場合に作業員が行う動作とは、接続テストの完了を指示するための入力操作であってもよい。入力部53に対して利用解除に成功した場合の入力操作が行われると、制御部52は、当該入力操作を示す情報を第3サーバ4に送信する。また、図9に示すように、利用解除が失敗した場合に作業員が行う動作とは、異常箇所の点検、または点検を行うためのマニュアルの確認であってもよい。
【0067】
また、制御部52は、利用解除依頼後、所定時間内に利用解除のための制御に成功したことを示す情報を受信しない場合、または第3サーバ4から利用解除に失敗したことを示す情報を受信した場合、利用解除に失敗したことを示す情報を提示部54に提示させてもよい。
【0068】
利用解除画面が提示されている状態において、入力部53に対して接続テストの完了を指示するための入力操作が行われると、制御部52は接続テストに関する処理を終了する。
【0069】
<第3サーバ4>
第3サーバ4は、第2サーバ3および端末装置5と通信可能に接続されたサーバである。図1に示すように、第3サーバ4は第1提示制御部411、依頼情報送信部412および第2提示制御部413を含む制御部41を備える。第3サーバ4は、作業員による端末装置5への入力操作に基づき、ロボット2と同様の情報をエレベータ制御装置6へ送信することができる。
【0070】
作業員が接続テストを行う場合、第3サーバ4は、作業員が行うべき動作を指示する情報の提示を端末装置5に対して指示する。また、第3サーバ4は、端末装置5から受信した情報に基づき、エレベータ7の利用に関する制御を依頼するための情報を、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。さらに、第3サーバ4は、エレベータ制御装置6から、エレベータ7の制御に関する情報を受信し、端末装置5に対して受信した情報の提示を指示する。
【0071】
(第1提示制御部411)
第1提示制御部411は、作業員が使用する端末装置5が備える提示部54に、該端末装置5に対して所定操作を行うように作業員に指示する第1指示を提示させる。
【0072】
また、第1提示制御部411は、第1指示に加え、エレベータ7の乗場の所定位置への移動、エレベータ7のかご71内への乗車、エレベータ7のかご71内からの降車、のうちの少なくともいずれかを含む動作を行うように作業員に指示する第2指示を提示部54に提示させてもよい。
【0073】
例えば、第1提示制御部411は、端末装置5から工番および作業員の識別情報を受信すると、開始画面を提示することを指示する信号を該端末装置5に送信する。開始画面には、第1指示として、接続テスト開始のための入力操作を行うことを指示する情報(図3の符号302)が含まれる。また、開始画面には、第2指示として、エレベータ7の乗場の所定位置への移動を含む動作を行うように指示する情報(図3の符号301)が含まれる。
【0074】
第1提示制御部411は、端末装置5から接続テスト開始のための入力操作が行われたことを示す情報を取得すると、利用登録画面を提示することを指示する信号を端末装置5に送信する。図4に示すように、利用登録画面には、第1指示として、エレベータ7への利用登録依頼のための入力操作の指示(図4の符号401)、および利用登録が成功した場合に作業員が行う入力操作の指示(図4の符号402)を示す情報が含まれる。
【0075】
第1提示制御部411は、利用登録が成功した場合の入力操作が行われたことを示す情報を端末装置5から受信すると、呼び出し画面を提示することを指示する信号を該端末装置5に送信する。図5に示すように、呼び出し画面には、第1指示として、出発階登録依頼を行うための入力操作の指示(図5の符号501)、およびエレベータ7の呼び出しが成功した場合に作業員が行う入力の指示(図5の符号503)が含まれる。
【0076】
第1提示制御部411は、エレベータ7の呼び出しに成功した場合の入力操作が行われたことを示す情報を端末装置5から受信すると、戸開保持画面を提示することを指示する信号を該端末装置5に送信する。図6に示すように、戸開保持画面には、第1指示として、戸開状態の保持を依頼するための入力操作の指示(図6の符号601)、およびエレベータ7の戸開状態の保持に成功した場合に作業員が行う入力の指示(図6の符号603)が含まれる。
【0077】
第1提示制御部411は、戸開状態の保持に成功した場合の入力操作が行われたことを示す情報を端末装置5から受信すると、行先階登録画面を提示することを指示する信号を該端末装置5に送信する。図7に示すように、行先階登録画面には、第1指示として、行先階の登録を依頼するための入力操作の指示(図7の符号701)、および行先階登録に成功した場合に作業員が行う入力の指示(図7の符号703)が含まれる。
【0078】
第1提示制御部411は、行先階登録に成功した場合の入力操作が行われたことを示す情報を端末装置5から受信すると、乗車完了画面を提示することを指示する信号を該端末装置5に送信する。図8に示すように、乗車完了画面には、第1指示として、乗車完了報告を行うための入力操作の指示(図8の符号801)、および乗車完了報告に成功した場合に作業員が行う入力操作の指示(図8の符号803)が含まれる。また、乗車完了画面には、第2指示として、作業員に対するエレベータ7のかご71内への乗車動作の指示(図8の符号805)が含まれる。
【0079】
第1提示制御部411は、乗車完了報告に成功した場合の入力操作が行われたことを示す情報を端末装置5から受信すると、利用解除画面を提示することを指示する信号を該端末装置5に送信する。図9に示すように、利用解除画面には、第1指示として、利用解除依頼を行うための入力操作の指示(図9の符号901)、および利用解除に成功した場合に作業員が行う入力の指示(図9の符号903)が含まれる。また、利用解除画面には、第2指示として、エレベータ7のかご71内からの降車を行うことを作業員に指示する情報がふくまれていてもよい。
【0080】
(依頼情報送信部412)
依頼情報送信部412は、端末装置5にて所定操作を受け付けた場合、ロボット2がエレベータ7を利用するときにエレベータ制御装置6によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、該エレベータ制御装置6に送信する。
【0081】
例えば、依頼情報送信部412は、端末装置5から利用登録依頼のための入力操作が行われたことを示す情報を受信すると、依頼情報として利用登録依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。利用登録依頼には、ロボット2によるエレベータ7の利用開始を依頼することを示す情報が含まれる。なお、第3サーバ4からエレベータ制御装置6に送信される情報には、端末装置5を識別するための識別情報が含まれる。
【0082】
依頼情報送信部412は、端末装置5から出発階登録依頼のための入力操作が行われたことを示す情報を受信すると、依頼情報として出発階登録依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。出発階登録依頼には、エレベータ7の呼び出しを依頼する情報と、エレベータ7が移動すべき階床、すなわち作業員の現在階を示す情報が含まれる。
【0083】
依頼情報送信部412は、端末装置5から戸開状態の保持を依頼するための入力操作が行われたことを示す情報を受信すると、依頼情報として戸開保持依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。戸開保持依頼には、エレベータ7の扉72の戸開状態の保持を依頼する情報が含まれる。
【0084】
依頼情報送信部412は、端末装置5から行先階の登録を依頼するための入力操作が行われたことを示す情報、および入力された行先階を示す情報を受信すると、依頼情報として行先階登録依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。行先階登録依頼には、行先階の登録を依頼する情報と、行先階を示す情報と、が含まれる。
【0085】
依頼情報送信部412は、端末装置5から乗車完了報告を依頼するための入力操作が行われたことを示す情報を受信すると、依頼情報として乗車完了信号を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。エレベータ制御装置6において乗車完了信号が受信されると、エレベータ7は戸閉し、行先階登録において登録された行先階までかご71が移動した後、戸開する。
【0086】
依頼情報送信部412は、端末装置5から利用解除を依頼するための入力操作が行われたことを示す情報を受信すると、依頼情報として利用解除依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。利用解除依頼には、エレベータ7のロボット専用運転の解除を依頼する情報が含まれる。
【0087】
依頼情報送信部412がエレベータ制御装置6に送信する依頼情報の送信順序は、ロボット2からエレベータ制御装置6に送信される依頼情報の送信順序と同じである。具体的には、依頼情報送信部412は、上述した依頼情報を、利用登録依頼、出発階登録依頼、乗車時の戸開保持依頼、行先階登録依頼、降車時の戸開保持依頼、利用解除依頼の順に送信する。なお、乗車時および降車時の戸開保持依頼の少なくとも一方の送信は省略されてもよい。
【0088】
また、依頼情報送信部412は、端末装置5から接続テストの中断を指示する信号を受信すると、接続テストの中断を依頼する中断依頼をエレベータ制御装置6に送信し、エレベータ制御装置6との連携を解除する。これにより、エレベータ制御装置6において、端末装置5の呼びに関する情報を削除する処理およびロボット専用運転モードを終了する処理が行われ、接続テストが中断される。
【0089】
(第2提示制御部413)
第2提示制御部413は、依頼情報送信部412により依頼情報が送信されてから所定時間以内に該依頼情報と対応付けられた制御が完了したことを示す制御完了情報をエレベータ制御装置6から受信した場合、該制御完了情報を提示部54に提示させる。
【0090】
第2提示制御部413は、利用登録のための制御に成功したことを示す制御完了情報を、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6から受信すると、利用登録依頼に対応する当該制御完了情報を提示することを指示する信号を端末装置5に送信する。
【0091】
第2提示制御部413は、エレベータ7呼び出しのための制御に成功したことを示す制御完了情報を、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6から受信すると、出発階登録依頼に対応する当該制御完了情報を提示することを指示する信号を端末装置5に送信する。
【0092】
第2提示制御部413は、戸開状態保持のための制御に成功したことを示す制御完了情報を、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6から受信すると、戸開保持依頼に対応する当該制御完了情報を提示することを指示する信号を端末装置5に送信する。
【0093】
第2提示制御部413は、行先階登録のための制御に成功したことを示す制御完了情報を、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6から受信すると、行先階登録依頼に対応する当該制御完了情報を提示することを指示する信号を端末装置5に送信する。
【0094】
第2提示制御部413は、乗車完了報告のための制御に成功したことを示す制御完了情報を、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6から受信すると、乗車完了報告に対応する当該制御完了情報を提示することを指示する信号を端末装置5に送信する。
【0095】
第2提示制御部413は、利用解除のための制御に成功したことを示す制御完了情報を、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6から受信すると、利用解除依頼に対応する当該制御完了情報を提示することを指示する信号を端末装置5に送信する。
【0096】
なお、第2提示制御部413は、依頼情報が送信された後、所定時間内に該依頼情報に対応する制御完了情報を受信しない場合、所定のメッセージ、例えば依頼情報に対応する制御に失敗したことを示すメッセージを提示する指示を端末装置5に送信し、提示部54に提示させる。例えば、第2提示制御部413は、依頼情報送信部412が行先階登録依頼を送信した後、所定時間内に行先階登録のための制御が完了したことを示す制御完了情報を受信しない場合、行先階登録のための制御に失敗したことを示す情報を端末装置5に送信する。端末装置5の制御部52は、当該情報を受信すると、提示部54に提示させる。
【0097】
これにより、作業員は、ロボット2がエレベータ7を利用するときにエレベータ制御装置6において行われる制御が適切に行われていないことを、実際のロボット2を用いずに把握することができる。また、作業員は、エレベータ制御装置6において行われる制御のうち、どの段階の制御が適切に行われていないかを把握することもできる。
【0098】
<エレベータ7>
図1に示すように、エレベータ7は、かご71および扉72を備える。また、エレベータ7は、例えば各階床の乗場に、利用者が乗場呼びを登録するための操作盤(不図示)を備える。また、エレベータ7は、かご71内に、利用者がかご呼びを登録するための操作盤(不図示)を備える。
【0099】
かご71は、エレベータ制御装置6のかご制御部612の制御に基づき動作し、階床間を移動する。扉72は、エレベータ制御装置6の扉制御部613の制御に従って開閉する。なお、かご71の扉72の開閉に連動して、乗場の扉も開閉する。
【0100】
<エレベータ制御装置6>
エレベータ制御装置6は、呼び登録を受け付け、受け付けた呼び登録に基づき、エレベータ7の動作を制御する。例えば、エレベータ制御装置6は、人間である利用者による乗場呼びまたはかご呼びに基づき、エレベータ7の動作を制御する。
【0101】
また、エレベータ制御装置6は、第2サーバ3と通信可能に接続されている。ロボット2による呼び登録、または接続テストを行う作業員による端末装置5への入力操作に基づく呼び登録が行われた場合、エレベータ制御装置6は、エレベータ7をロボット専用運転モードで運行させ、受け付けた呼び登録に基づきエレベータ7を制御する。なお、ロボット2による呼び登録は、第1サーバ1を介して行われ、作業員による呼び登録は、第3サーバ4を介して行われる。
【0102】
エレベータ制御装置6は、第2サーバ3を介して第1サーバ1または第3サーバ4から依頼情報を受信すると、当該依頼情報に対応付けられた制御を行う。依頼情報には、ロボット2によるエレベータ7の利用に関する制御を依頼する情報が含まれる。エレベータ制御装置6は、依頼情報と対応付けられた制御が完了すると、第2サーバ3を介して、依頼情報と対応付けられた制御が完了したことを示す制御完了情報を依頼情報の送信元である第1サーバ1または第3サーバ4に送信する。
【0103】
図1に示すように、エレベータ制御装置6は、制御部61、記憶部62および通信部63を備える。通信部63は、エレベータ制御装置6が第1サーバ1または第3サーバ4と通信を行うための通信モジュールである。
【0104】
(記憶部62)
記憶部62は、エレベータ制御装置6が利用する各種情報を記憶している。図1に示すように、記憶部62は、エレベータ情報621および呼び登録情報622を記憶している。
【0105】
図10は、エレベータ情報621の一例を示す図である。エレベータ情報621は、エレベータ7の状態に関する情報である。図10に示すように、エレベータ情報621には、かご71の現在の位置を示す現在階、かご71の現在の移動方向、およびエレベータ7の現在の運転モードを示す情報が含まれる。図10に示す例では、かご71の移動方向が上方階床への移動方向であることを上向き矢印「↑」で示している。
【0106】
エレベータ7の運転モードには、通常運転モードとロボット専用運転モードとが存在する。通常運転モードは、利用者からの乗場呼びおよびかご呼びと、ロボット2からの呼びを受け付け可能な状態でエレベータ7を運行させる運転モードである。ロボット専用運転モードは、ロボット2からの呼びが登録された場合における運転モードであり、利用者からの乗場呼びおよびかご呼びを受け付けず、ロボット2のみがエレベータ7を利用可能な状態でエレベータ7を運行させる。
【0107】
また、エレベータ制御装置6は、作業員による端末装置5への入力に基づき第3サーバ4から送信された呼びが登録された場合も、エレベータ7をロボット専用運転モードで運行させる。以下では、接続テストを行うために、端末装置5への入力に基づき第3サーバ4から送信される呼びを、「端末装置5の呼び」と称する。
【0108】
呼び登録情報622は、利用者、ロボット2および端末装置5による呼びに関する情報である。呼び登録情報622には、乗場呼び情報623、かご呼び情報624、およびロボット呼び情報625が含まれる。
【0109】
図11は、乗場呼び情報623の一例を示す図である。乗場呼び情報623は、利用者による乗場呼びに関する情報である。図11に示すように、乗場呼び情報623には、乗場呼びが行われた階床(乗場呼び階)、すなわち利用者の出発階、および乗場呼びによって指定された移動方向を示す情報が含まれる。図12は、かご呼び情報624の一例を示す図である。かご呼び情報624は、利用者によるかご呼びに関する情報である。図12に示すように、かご呼び情報624には、利用者の行先階(かご呼び階)を示す情報が含まれる。
【0110】
図13は、ロボット呼び情報625の一例を示す図である。ロボット呼び情報625は、ロボット2または端末装置5による呼びに関する情報である。図13に示すように、ロボット呼び情報625には、ロボット2の出発階および行先階、または端末装置5の呼びに基づく出発階および行先階を示す情報が含まれる。
【0111】
(制御部61)
制御部61は、エレベータ制御装置6において行われる各処理を実行する。図1に示すように、制御部61は、受付部611、扉制御部613、かご制御部612、および切替部614を備える。
【0112】
(受付部611)
受付部611は、エレベータ7の利用に関する依頼を受け付ける。例えば、受付部611は、利用者の乗場呼び依頼およびかご呼び依頼を受け付ける。なお、利用者からの呼び依頼は、エレベータ7の乗場またはかご71内に設けられている操作盤(不図示)を用いて行われ得る。
【0113】
利用者からの呼び登録依頼を受け付けた場合、受付部611は、記憶部62の呼び登録情報622に利用者の出発階および移動方向、または利用者の行先階を記憶し、利用者の乗場呼びまたはかご呼びを登録する。
【0114】
また、受付部611は、ロボット2からのエレベータ7の利用に関する依頼情報を、第2サーバ3を介して受け付ける。さらに、受付部611は、端末装置5への入力操作に基づき第3サーバ4から送信された依頼情報を、ロボット2のエレベータ7利用に関する情報と同様に受け付ける。受付部611は、制御部61の各部において依頼情報に対応付けられた制御が完了すると、当該制御が完了したことを示す制御完了情報を、第2サーバ3を介して依頼情報の送信元であるロボット2または第3サーバ4に送信する。
【0115】
例えば、受付部611は、ロボット2または第3サーバ4から、依頼情報として、利用登録依頼を受け付ける。受付部611は、利用登録依頼を受け付けると、ロボット専用運転の開始を指示する信号を切替部614に出力する。切替部614によってエレベータ7の運転モードが通常運転モードからロボット専用運転モードに切り替えられると、受付部611は、利用登録に成功したことを示す情報を、制御完了情報として、利用登録依頼の送信元であるロボット2または第3サーバ4に送信する。
【0116】
また、受付部611は、ロボット2または端末装置5からの出発階登録依頼を受け付ける。具体的には、受付部611は、出発階登録依頼を受信すると、当該出発階登録依頼と共に受信したロボット2または端末装置5を利用する作業員の出発階を示す情報を記憶部62に記憶する。受付部611は、出発階登録依頼を受け付けると、出発階登録依頼の受け付けに成功したことを示す情報を制御完了情報として、出発階登録依頼の送信元であるロボット2または第3サーバ4に送信する。
【0117】
また、受付部611は、ロボット2または端末装置5からの行先階登録依頼を受け付ける。具体的には、受付部611は、行先階登録依頼を受信すると、当該行先階登録依頼と共に受信したロボット2または端末装置5を利用する作業員の出発階を示す情報を記憶部62に記憶する。受付部611は、行先階登録を受け付けると、行先階登録に成功したことを示す情報を制御完了情報として、行先階登録依頼の送信元であるロボット2または第3サーバ4に送信する。
【0118】
また、受付部611は、ロボット2または端末装置5からの戸開保持依頼を受け付ける。具体的には、受付部611は、戸開保持依頼を受信すると、戸開状態を保持することを指示する信号である戸開保持信号を扉制御部613に出力する。これにより、扉制御部613は戸開状態を保持するよう扉72を制御する。扉制御部613において戸開状態を保持する制御が行われると、受付部611は、戸開状態の保持に成功したことを示す情報を制御完了情報として、戸開保持依頼の送信元であるロボット2または第3サーバ4に送信する。
【0119】
また、受付部611は、ロボット2または端末装置5からの乗車完了信号を受け付ける。受付部611は、乗車完了信号を受信すると、受付部611は、ロボット2または端末装置5による乗車完了報告に成功したことを示す情報を制御完了情報として、乗車完了信号の送信元であるロボット2または第3サーバ4に送信する。また、受付部611は、乗車完了信号を受信したことを示す情報を扉制御部613に出力する。これにより、扉制御部613は扉72に対して戸閉を指示する制御を行い、その後かご制御部612の制御によりかご71が行先階登録に基づく行先階に移動する。
【0120】
また、受付部611は、ロボット2または第3サーバ4から、依頼情報として、利用解除依頼を受け付ける。受付部611は、利用解除依頼を受け付けると、ロボット専用運転の終了を指示する信号を切替部614に出力する。切替部614によってエレベータ7の運転モードがロボット専用運転モードから通常運転モードに切り替えられると、受付部611は、利用解除に成功したことを示す情報を、制御完了情報として、利用解除依頼の送信元であるロボット2または第3サーバ4に送信する。
【0121】
また、受付部611は、依頼情報送信部412から、接続テストの中断を依頼する中断依頼を受信すると、接続テストを中断する。具体的には、受付部611は、中断依頼を受信したとき、ロボット呼び情報625として作業員の出発階および行先階の少なくとも一方を示す情報が記憶されている場合、当該情報を削除する。また、受付部611は、中断依頼を受信したとき、エレベータ7の運転モードがロボット専用運転モードである場合、ロボット専用運転の終了を指示する信号を切替部614に出力する。
【0122】
(かご制御部612)
かご制御部612は、登録済みの乗場呼び、かご呼び、およびロボット2または端末装置5による呼びに基づき、かご71を移動させる。かご71がいずれかの階床に到着すると、かご制御部612は、かご71が停止したことを示す情報を扉制御部613に出力する。また、かご71がロボット2または作業員の出発階に到着すると、かご制御部612は、かご71の停止階を示す情報を扉制御部613に出力する。
【0123】
かご制御部612は、呼び登録情報622に記録されている利用者、ロボット2、および作業員の出発階および行先階、並びにエレベータ7の運転モードに基づき、かご71の行先階を決定する。
【0124】
例えば、エレベータ7の運転モードが通常運転モードである場合、かご制御部612は、乗場呼び情報623およびかご呼び情報624を参照してかご71の行先階を決定し、決定した階床に移動することを指示する信号をかご71に送信する。これにより、エレベータ7のかご71は、利用者の乗場呼びおよびかご呼びに基づく行先階に移動する。
【0125】
また、エレベータ7の運転モードがロボット専用運転モードである場合、かご制御部612は、ロボット呼び情報625を参照してかご71の行先階を決定し、決定した階床に移動することを指示する信号をかご71に送信する。これにより、エレベータ7のかご71は、ロボット2または端末装置5の乗場行先階呼びに基づく出発階および行先階に移動する。
【0126】
なお、ロボット専用運転を開始した場合、かご制御部612は、エレベータ7を登録済みのかご呼びに応答させてから、ロボット2の出発階への移動を指示してもよい。これにより、ロボット2を乗車させる前に、ロボット専用運転が開始したときにかご71に乗車していた利用者を降車させることができる。また、ロボット専用運転が開始した場合、かご制御部612は、登録済みの乗場呼びを削除してもよいし、ロボット専用運転が終了した後に登録済みの乗場呼びにエレベータ7を応答させてもよい。
【0127】
(扉制御部613)
扉制御部613は、かご71の扉72の開閉を制御する。かご71がいずれかの階床に到着すると、扉制御部613は、かご制御部612からかご71が停止したことを示す情報を取得する。当該情報を取得すると、扉制御部613は、戸開を指示する信号をエレベータ7の扉72に送信する。これにより、かご71の扉72が開き、かご71の扉72に連動して乗場の扉も開く。また、扉制御部613は、戸開から所定時間後(例えば、戸開が完了してから20秒後)に、戸閉を指示する信号を扉72に送信する。これにより、かご71の扉72および乗場の扉が閉じる。
【0128】
また、扉制御部613は、エレベータ7がロボット専用運転モードで運行している場合において、扉72が開いている期間中に、受付部611から戸開保持信号を受信すると、扉72の戸開状態を保持する。
【0129】
扉制御部613は、受付部611から戸開保持信号を受信した後、所定時間以内に乗車完了信号を受信した場合、戸閉を指示する信号を扉72に送信する。扉制御部613が受付部611から戸開保持信号を受信した後、所定時間以内に乗車完了信号を受信した場合、ロボット2または作業員はかご71への乗車を完了した状態である。したがって、扉制御部613は、乗車完了信号を受信した後に戸閉を指示することで、ロボット2または作業員がかご71への乗車を完了した後、速やかに扉72を閉鎖させることができる。また、扉制御部613は、受付部611から戸開保持信号を受信した後、乗車完了信号を受信しないまま所定時間が経過した場合、戸閉を指示する信号を扉72に送信する。
【0130】
戸閉完了後、扉制御部613は、戸閉したことを示す情報をかご制御部612に出力する。受付部611から戸開保持信号または乗車完了信号を受信した場合、エレベータ7はロボット専用運転モードで運行しているため、かご71はロボット2または作業員の行先階に移動する。
【0131】
なお、扉制御部613は、エレベータ7が通常運転モードで運行しているときの戸開時間よりも、エレベータ7がロボット専用運転モードで運行している場合の戸開時間を長く、たとえば3分程度としてもよい。
【0132】
(切替部614)
切替部614は、エレベータ7の運転モードを切り替える。例えば、切替部614は、受付部611からロボット専用運転の開始を指示する信号を受信すると、エレベータ情報621に記憶されているエレベータ7の運転モードを通常運転モードからロボット専用運転モードに切り替える。これにより、エレベータ7のロボット専用運転が開始される。
【0133】
また、切替部614は、受付部611からロボット専用運転の終了を指示する信号を受信すると、エレベータ情報621に記憶されているエレベータ7の運転モードをロボット専用運転モードから通常運転モードに切り替える。これにより、エレベータ7のロボット専用運転が終了する。
【0134】
以上のように、情報処理システム100は、端末装置5の提示部54に第1指示を提示させる第1提示制御部411、依頼情報を送信する依頼情報送信部412、および提示部54に制御完了情報を提示させる第2提示制御部413を備える。これにより、情報処理システム100は、作業員が使用する端末装置5を用いて、ロボット2がエレベータ7を利用するときにエレベータ制御装置6によって行われる制御と対応付けられた依頼情報を、実際のロボット2を用いることなくエレベータ制御装置6に送信することができる。また、情報処理システム100は、依頼情報と対応付けられた制御が完了したことを示す制御完了情報を提示部54に提示させることができる。したがって、情報処理システム100を用いることで、ロボット2がエレベータ7を利用するときにエレベータ制御装置6によって行われる制御が適切に行われることを、実際のロボット2を用いることなく確認することができる。
【0135】
<情報処理システム100において行われる処理の流れの一例>
以下、図14および図15を用いて情報処理システム100において、端末装置5および第3サーバ4を用いて接続テストを実施するときに行われる処理の流れについて説明する。図14および図15は、情報処理システム100において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0136】
図14に示す処理が開始する時点において、端末装置5の提示部54は入力画面を提示している。まず、接続テストを行う作業員は、接続テストの工番および作業員の識別情報を端末装置5の入力部53に対して入力する。端末装置5の制御部52は、入力部53に対して行われた工番および識別情報の入力操作を受け付けると(S1)、受け付けた工番および識別情報を第3サーバ4に送信する。
【0137】
第3サーバ4の第1提示制御部411は、工番を示す情報を受信すると、開始画面の提示を指示する情報を端末装置5に対して送信する。端末装置5の制御部52は、当該情報を受信すると、開始画面を提示部54に提示させる。
【0138】
開始画面には、接続テスト開始前に行う動作を指示する第2指示が含まれる。具体的には、図3に示すように、開始画面には、第2指示としてエレベータ7の乗場の所定位置への移動を指示する情報等が含まれる。作業員は、開始画面において指示されている動作を行うと、進行指示入力を行う。例えば、作業員は、進行指示入力として、図3に示す開始画面の「次へ」と記載されたボタンを押下する入力操作を行う。制御部52は入力部53に対する進行指示入力を受け付けると、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0139】
第3サーバ4の第1提示制御部411は、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を取得すると、端末装置5に対して第1指示の提示を指示する。具体的には、第1提示制御部411は、利用登録依頼のための入力操作を行うように指示する第1指示を含む利用登録画面の提示を端末装置5に対して指示する(S21:第1提示制御ステップ)。端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、提示部54に利用登録画面を提示させる(S2)。
【0140】
利用登録画面が提示されると、作業員は、端末装置5の入力部53に対して、利用登録依頼のための入力操作を行う。例えば、作業員は、図4に示す利用登録画面が提示されている状態において、入力部53である「利用登録」と記載されたボタンを押下する入力操作を行う。端末装置5の制御部52は、利用登録依頼のための入力操作を受け付けると、当該入力操作を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。第3サーバ4の依頼情報送信部412は、当該情報を受け付けると、利用登録依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する(S22:依頼情報送信ステップ)。
【0141】
エレベータ制御装置6の受付部611は、利用登録依頼を受け付けると(S41)、利用登録のための制御を行う。具体的には、受付部611は、利用登録依頼を受け付けると、ロボット専用運転の開始を指示する信号を切替部614に出力する。切替部614は、当該信号に基づき、エレベータ7の運転モードを通常運転モードからロボット専用運転モードに切り替える。これにより、エレベータ制御装置6においてロボット専用運転が開始される(S42)。
【0142】
エレベータ7の運転モードが通常運転モードからロボット専用運転モードに切り替えられると、受付部611は、利用登録のための制御を完了したことを示す情報を、制御完了情報として、第3サーバ4に送信する。
【0143】
第3サーバ4の第2提示制御部413は、利用登録のための制御を完了したことを示す制御完了情報を、エレベータ制御装置6から第2サーバ3を介して受信すると、端末装置5に対して制御完了情報の提示を指示する(S23:第2提示制御ステップ)。
【0144】
端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、利用登録が完了したことを示す制御完了情報を提示部54に提示させる(S3)。作業員は、提示部54の制御完了情報を確認することで、利用登録のための制御に成功したことを把握する。端末装置5の制御部52は、利用登録のための制御に成功したことを把握した作業員によって入力部53に対して行われる進行指示入力を受け付ける(S4)。制御部52は、進行指示入力を受け付けると、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0145】
第3サーバ4の第1提示制御部411は、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を取得すると、端末装置5に対して第1指示の提示を指示する。具体的には、第1提示制御部411は、出発階登録依頼のための入力操作を行うように指示する第1指示を含む呼び出し画面の提示を端末装置5に対して指示する(S24:第1提示制御ステップ)。端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、提示部54に呼び出し画面を提示させる(S5)。
【0146】
呼び出し画面が提示されると、作業員は、端末装置5の入力部53に対して、出発階登録依頼のための入力操作を行う。例えば、作業員は、図5に示す呼び出し画面が提示されている状態において、入力部53である「エレベータ呼び出し」と記載されたボタンを押下する入力操作を行う。端末装置5の制御部52は、出発階登録依頼のための入力操作を受け付けると、当該入力操作を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。第3サーバ4の依頼情報送信部412は、当該情報を受け付けると、出発階登録依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する(S25:依頼情報送信ステップ)。
【0147】
エレベータ制御装置6の受付部611は、出発階登録依頼を受け付けると(S43)、エレベータ7呼び出しのための制御を行う。具体的には、受付部611は、出発階登録依頼を受け付けると、出発階登録依頼と共に受信した作業員の出発階を示す情報を、ロボット呼び情報625として記憶部62に記憶する。
【0148】
出発階登録依頼が受け付けられると、受付部611は、エレベータ7の呼び出しのための制御を完了したことを示す情報を、制御完了情報として、第3サーバ4に送信する。
【0149】
第3サーバ4の第2提示制御部413は、エレベータ7の呼び出しのための制御を完了したことを示す制御完了情報をエレベータ制御装置6から第2サーバ3を介して受信すると、端末装置5に対して制御完了情報の提示を指示する(S26:第2提示制御ステップ)。
【0150】
端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、エレベータ7の呼び出しのための制御が完了したことを示す制御完了情報を提示部54に提示させる(S6)。作業員は、提示部54の制御完了情報を確認することで、エレベータ7の呼び出しのための制御に成功したことを把握する。
【0151】
ステップS43の処理の後、かご制御部612は記憶部62のロボット呼び情報625を参照し、かご71を作業員の出発階へ移動させる。かご71が出発階に到着し停止すると、かご制御部612は、かご71が停止したことを示す情報を扉制御部613に出力する。扉制御部613は、当該情報を取得すると、扉72に対して戸開を指示する(S44)。これにより、かご71の扉72および乗場の扉が戸開する。
【0152】
作業員は、エレベータ7が出発階に停止し戸開したことを確認すると、端末装置5の入力部53に対して進行指示入力を行う。端末装置5の制御部52は、進行指示入力を受け付けると(S7)、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0153】
第3サーバ4の第1提示制御部411は、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を取得すると、端末装置5に対して第1指示の提示を指示する。具体的には、第1提示制御部411は、戸開保持依頼のための入力操作を行うように指示する第1指示を含む戸開保持画面の提示を端末装置5に対して指示する(S27:第1提示制御ステップ)。端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、提示部54に戸開保持画面を提示させる(S8)。なお、戸開保持画面には、戸開保持依頼のための入力操作が行われた場合に戸開保持依頼が送信されることを説明する説明情報も含まれる。
【0154】
戸開保持画面が提示されると、作業員は、端末装置5の入力部53に対して、戸開保持依頼のための入力操作を行う。例えば、作業員は、図6に示す戸開保持画面が提示されている状態においで、入力部53である「戸開保持」と記載されたボタンを押下する入力操作を行う。端末装置5の制御部52は、戸開保持依頼のための入力操作を受け付けると、当該入力操作を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。第3サーバ4の依頼情報送信部412は、当該情報を受け付けると、戸開保持依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する(S28:依頼情報送信ステップ)。
【0155】
エレベータ制御装置6の受付部611は、戸開保持依頼を受け付けると(S45でYES)、戸開状態を保持するための制御を行う。具体的には、受付部611は、戸開保持依頼を受け付けると、戸開保持信号を扉制御部613に出力する。扉制御部613は、戸開保持信号を取得すると、扉72の戸開状態を保持する(S46)。扉制御部613において戸開状態を保持する制御が行われると、受付部611は、戸開保持のための制御を完了したことを示す情報を、制御完了情報として、第3サーバ4に送信する。
【0156】
第3サーバ4の第2提示制御部413は、戸開保持のための制御を完了したことを示す制御完了情報をエレベータ制御装置6から第2サーバ3を介して受信すると、端末装置5に対して制御完了情報の提示を指示する(S29:第2提示制御ステップ)。
【0157】
端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、戸開保持のための制御が完了したことを示す制御完了情報を提示部54に提示させる(S9)。作業員は、提示部54の制御完了情報を確認することで、戸開保持のための制御が完了したことを把握する。また、作業員は、目視により、実際に戸開状態が保持されていることを確認することができる。
【0158】
端末装置5の制御部52は、戸開状態が保持されたことを確認した作業員によって入力部53に対して行われる進行指示入力を受け付ける(S10)。制御部52は、進行指示入力を受け付けると、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0159】
なお、端末装置5の制御部52は、戸開保持依頼を行うための入力操作を受け付けていない状態で進行指示入力を受け付けてもよい。この場合、ステップS9、S28およびS29の処理が省略される。また、この場合、エレベータ制御装置6の受付部611は、所定時間以内に戸開保持依頼を受信しない(S45でNO)。ステップS45でNOの場合、エレベータ制御装置6は、ステップS46の処理を省略して、すなわち、戸開状態を保持せずに、次の処理に進む。
【0160】
第3サーバ4の第1提示制御部411は、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を取得すると、端末装置5に対して第1指示の提示を指示する。具体的には、第1提示制御部411は、行先階登録依頼のための入力操作を行うように指示する第1指示を含む行先階登録画面の提示を端末装置5に対して指示する(S30:第1提示制御ステップ)。端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、提示部54に行先階登録画面を提示させる(S11)。
【0161】
行先階登録画面が提示されると、作業員は、端末装置5の入力部53に対して、行先階登録依頼のための入力操作を行う。例えば、作業員は、図7に示す行先階登録画面が提示されている状態において、入力部53に対して目的階として行先階の階床を示す数値を入力し、入力部53である「目的階呼び登録」と記載されたボタンを押下する入力操作を行う。端末装置5の制御部52は、行先階登録依頼のための入力操作を受け付けると、当該入力操作を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。第3サーバ4の依頼情報送信部412は、当該情報を受け付けると、行先階登録依頼を生成し(S31)、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する。
【0162】
エレベータ制御装置6の受付部611は、行先階登録依頼を受信するまで(S47でYESになるまで)処理を待機する。受付部611は、行先階登録依頼を受信すると(S47でYES)、行先階登録依頼と共に受信した作業員の行先階を示す情報を、ロボット呼び情報625として記憶部62に記憶する。これにより、エレベータ制御装置6において行先階が登録される(S48)。行先階登録が受け付けられると、受付部611は、行先階登録のための制御を完了したことを示す情報を、制御完了情報として、第3サーバ4に送信する。
【0163】
第3サーバ4の第2提示制御部413は、行先階登録のための制御を完了したことを示す制御完了情報をエレベータ制御装置6から第2サーバ3を介して受信すると、端末装置5に対して制御完了情報の提示を指示する(S32:第2提示制御ステップ)。
【0164】
端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、行先階登録のための制御が完了したことを示す制御完了情報を提示部54に提示させる(S12)。作業員は、提示部54の制御完了情報を確認することで、行先階登録のための制御に成功したことを把握する。端末装置5の制御部52は、行先階登録のための制御に成功したことを把握した作業員によって入力部53に対して行われる進行指示入力を受け付ける(S13)。制御部52は、進行指示入力を受け付けると、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0165】
第3サーバ4の第1提示制御部411は、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を取得すると、端末装置5に対して第1指示の提示を指示する。具体的には、第1提示制御部411は、乗車完了報告のための入力操作を行うように指示する第1指示を含む乗車完了画面の提示を端末装置5に対して指示する(S33:第1提示制御ステップ)。端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、提示部54に乗車完了画面を提示させる(S14)。
【0166】
作業員は、提示部54に乗車完了画面が提示された状態で、かご71に乗車する。作業員は、かご71への乗車を完了すると、端末装置5の入力部53に対して、乗車完了報告のための入力操作を行う。例えば、作業員は、図8に示す乗車完了画面が提示されている状態において、入力部53である「乗り込み完了」と記載されたボタンを押下する入力操作を行う。端末装置5の制御部52は、乗車完了報告のための入力操作を受け付けると、当該入力操作を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。第3サーバ4の依頼情報送信部412は、当該情報を受け付けると、乗車完了信号を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する(S34:依頼情報送信ステップ)。
【0167】
エレベータ制御装置6の受付部611は、乗車完了信号を受信するまで(S49でYESになるまで)処理を待機する。受付部611は、乗車完了信号を受信すると(S49でYES)、当該乗車完了報告を受け付けたことを示す情報を、制御完了情報として第3サーバ4に送信する。
【0168】
第3サーバ4の第2提示制御部413は、乗車完了報告を受け付けたことを示す制御完了情報をエレベータ制御装置6から第2サーバ3を介して受信すると、端末装置5に対して制御完了情報の提示を指示する(S35:第2提示制御ステップ)。
【0169】
端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、乗車完了報告を受け付けたことを示す制御完了情報を提示部54に提示させる(S15)。作業員は、提示部54の制御完了情報を確認することで、乗車完了報告に成功したことを把握する。
【0170】
作業員は、乗車完了報告に成功したことを把握すると、端末装置5の入力部53に対して進行指示入力を行う。端末装置5の制御部52は、進行指示入力を受け付けると(S16)、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。
【0171】
第3サーバ4の第1提示制御部411は、進行指示入力を受け付けたことを示す情報を取得すると、端末装置5に対して第1指示の提示を指示する。具体的には、第1提示制御部411は、利用解除依頼のための入力操作を行うように指示する第1指示を含む利用解除画面の提示を端末装置5に対して指示する(S36:第1提示制御ステップ)。端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、提示部54に利用解除画面を提示させる(S17)。
【0172】
ステップS49の処理の後、扉制御部613は、扉72に対して戸閉を指示する(S50)。扉72が戸閉した後、かご制御部612は、記憶部62のロボット呼び情報625を参照し、かご71を作業員の行先階へ移動させる。かご71が行先階に到着し停止すると、かご制御部612は、かご71が停止したことを示す情報を扉制御部613に出力する。扉制御部613は、当該情報を取得すると、扉72に対して戸開を指示する(S51)。これにより、作業員の行先階でかご71の扉72および乗場の扉が戸開する。
【0173】
作業員は、該作業員の行先階でかご71の扉72および乗場の扉が戸開することを確認すると、端末装置5の入力部53に対して、利用解除依頼のための入力操作を行う。例えば、作業員は、図9に示す利用解除画面が提示されている状態において、入力部53である「利用解除」と記載されたボタンを押下する入力操作を行う。端末装置5の制御部52は、利用解除依頼のための入力操作を受け付けると、当該入力操作を受け付けたことを示す情報を第3サーバ4に送信する。第3サーバ4の依頼情報送信部412は、当該情報を受け付けると、利用解除依頼を生成し、第2サーバ3を介してエレベータ制御装置6に送信する(S37:依頼情報送信ステップ)。
【0174】
エレベータ制御装置6の受付部611は、利用解除依頼を受信するまで(S52でYESになるまで)処理を待機する。受付部611は、利用解除依頼を受信すると(S52でYES)、利用解除のための制御を行う。具体的には、受付部611は、利用解除依頼を受け付けると、ロボット専用運転の終了を指示する信号を切替部614に出力する。切替部614は、当該信号に基づき、エレベータ7の運転モードをロボット専用運転モードから通常運転モードに切り替える。これにより、エレベータ制御装置6においてロボット専用運転が終了する(S53)。ロボット専用運転の終了後、または戸開してから所定時間経過後、扉制御部613は扉72に対して戸閉を指示する(S54)。
【0175】
エレベータ7の運転モードがロボット専用運転モードから通常運転モードに切り替えられると、受付部611は、利用解除のための制御を完了したことを示す情報を、制御完了情報として、第3サーバ4に送信する。
【0176】
第3サーバ4の第2提示制御部413は、利用解除のための制御を完了したことを示す制御完了情報をエレベータ制御装置6から第2サーバ3を介して受信すると、端末装置5に対して制御完了情報の提示を指示する(S38:第2提示制御ステップ)。
【0177】
端末装置5の制御部52は、当該指示を受信すると、利用解除のための制御を完了したことを示す制御完了情報を提示部54に提示させる(S18)。作業員は、提示部54の制御完了情報を確認することで、利用解除のための制御が完了したことを把握する。また、作業員は、エレベータ7のインジケータ等から、実際に利用解除の制御が行われ、エレベータ7の運転モードが通常運転モードとなっているかを確認する。
【0178】
なお、上述した処理において、第2提示制御部413は、依頼情報送信部412が依頼情報を送信した後(ステップS22、S25、S28、S31、S34およびS37の処理の後)の経過時間を計測する。第2提示制御部413は、依頼情報送信部412が依頼情報を送信した後、所定時間以内に制御完了情報を受信できなかった場合、依頼情報に対応する制御に失敗したことを示す情報を端末装置5に送信する。端末装置5の制御部52は、当該情報を提示部54に提示させる。これにより、作業員はエレベータ制御装置6において行われるべき制御のうちどの制御に失敗したかを把握することができる。
【0179】
以上のようにして、情報処理システム100において、実際のロボット2を用いずにロボット2がエレベータ7を利用するときにエレベータ制御装置6において行われる制御が正常に行われているかを確認する接続テストが実施される。
【0180】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0181】
図16は、本発明の実施形態2に係る情報処理システム100Aの構成を示すブロック図である。図16に示すように、情報処理システム100Aは、第2サーバ3に代えて第2サーバ3Aを備え、端末装置5に代えて端末装置5Aを備える。また、情報処理システム100Aは、第3サーバ4を備えない。
【0182】
図16に示すように、端末装置5Aは、通信部51A、制御部52A、入力部53、および提示部54を備える。通信部51Aは、第2サーバ3Aと通信を行う。制御部52Aは、第1提示制御部521、依頼情報送信部522、および第2提示制御部523を備える。また、第2サーバ3Aは、第3サーバ4ではなく端末装置5Aと通信可能に接続されている。第1提示制御部521、依頼情報送信部522、および第2提示制御部523は、それぞれ実施形態1において説明した第1提示制御部411、依頼情報送信部412、および第2提示制御部413と同様の処理を行う。
【0183】
端末装置5Aは、実施形態1に係る端末装置5および第3サーバ4の機能を兼ねている。情報処理システム100Aでは、端末装置5Aの第1提示制御部521が第1指示の提示を制御し、依頼情報送信部522が第2サーバ3Aへの依頼情報の送信を制御し、第2提示制御部523が第2サーバ3Aからの制御完了信号の受信および制御完了信号の提示を制御する。
【0184】
以上のように、情報処理システム100Aでは、端末装置5Aを用いることで、実施形態1に係る情報処理システム100において実施される接続テストと同様の接続テストを実施することができる。
【0185】
〔変形例〕
上述した実施形態では、端末装置5を用いる作業員がエレベータ7を実際に利用することで接続テストが実施される構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、情報処理システム100は、エレベータ7の現在階および戸開状態を確認するためのカメラ等の装置を備え、作業員が当該カメラによって撮像された画像を遠隔で確認することで接続テストが実施されてもよい。この場合、エレベータ7の状態をカメラの画像および端末装置5の提示部54に提示される制御完了情報によって確認した作業員によって端末装置5に対して各種入力が行われることで、接続テストが進行する。
【0186】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理システム100、100A(以下、「システム」と呼ぶ)の機能は、当該システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該システムの各制御ブロック(特に制御部61、52、52Aに含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0187】
この場合、上記システムは、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0188】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0189】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0190】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0191】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0192】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報処理システムは、作業員が使用する端末装置が備える提示部に、前記端末装置に対して所定操作を行うように前記作業員に指示する第1指示を提示させる第1提示制御部と、前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合、自律走行可能なロボットがエレベータを利用するときに前記エレベータを制御するエレベータ制御装置によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、前記エレベータ制御装置に送信する依頼情報送信部と、前記依頼情報と対応付けられた前記制御が完了したことを示す制御完了情報を、前記依頼情報送信部により前記依頼情報が送信されてから所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得した場合、当該制御完了情報を前記提示部に提示させる第2提示制御部と、を備える。
【0193】
本発明の態様2に係る情報処理システムは、上記態様1において、前記依頼情報は、エレベータ利用登録依頼、出発階登録依頼、乗車時の戸開保持依頼、行先階登録依頼、降車時の戸開保持依頼、および利用解除依頼のうちの少なくともいずれかであってもよい。
【0194】
本発明の態様3に係る情報処理システムは、上記態様1または2において、前記依頼情報送信部が前記エレベータ制御装置に送信する前記依頼情報の送信順序は、前記ロボットから前記エレベータ制御装置に送信される前記依頼情報の送信順序と同じであってもよい。
【0195】
本発明の態様4に係る情報処理システムは、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記第1提示制御部は、前記第1指示に加え、エレベータ乗場の所定位置への移動、前記エレベータのかご内への乗車、前記エレベータのかご内からの降車、のうちの少なくともいずれかを含む動作を行うように前記作業員に指示する第2指示を前記提示部に提示させてもよい。
【0196】
本発明の態様5に係る情報処理システムは、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記第1提示制御部は、前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合に前記エレベータ制御装置に送信される前記依頼情報について説明する説明情報を前記提示部に提示させてもよい。
【0197】
本発明の態様6に係る情報処理システムは、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記第2提示制御部は、前記制御完了情報を前記所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得しない場合、所定のメッセージを前記提示部に提示させてもよい。
【0198】
本発明の態様7に係る情報処理システムの制御方法は、作業員が使用する端末装置が備える提示部に、前記端末装置に対して所定操作を行うように前記作業員に指示する第1指示を提示させる第1提示制御ステップと、前記端末装置にて前記所定操作を受け付けた場合、自律走行可能なロボットがエレベータを利用するときに前記エレベータを制御するエレベータ制御装置によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを、前記エレベータ制御装置に送信する依頼情報送信ステップと、前記依頼情報と対応付けられた前記制御が完了したことを示す制御完了情報を、前記依頼情報送信ステップにおいて前記依頼情報が送信されてから所定時間以内に前記エレベータ制御装置から取得した場合、当該制御完了情報を前記提示部に提示させる第2提示制御ステップと、を含む。
【符号の説明】
【0199】
2 ロボット
5、5A 端末装置
6 エレベータ制御装置
7 エレベータ
54 提示部
100、100A 情報処理システム
411、521 第1提示制御部
412、522 依頼情報送信部
413、523 第2提示制御部
S21、S24、S27、S30、S33、S36 第1提示制御ステップ
S22、S25、S28、S34、S37 依頼情報送信ステップ
S23、S26、S29、S32、S35、S38 第2提示制御ステップ
【要約】
【課題】ロボットがエレベータを利用するときにエレベータ制御装置によって行われる制御が適切に行われることを、実際のロボットを用いることなく確認する。
【解決手段】情報処理システム(100)は、端末装置(5)の提示部(54)に、所定操作を行うように作業員に指示する第1指示を提示させる第1提示制御部(411)と、ロボット(2)がエレベータ(7)を利用するときにエレベータ制御装置(6)によって行われる制御と対応付けられた依頼情報の少なくとも1つを送信する依頼情報送信部(412)と、依頼情報と対応付けられた制御が完了したことを示す制御完了情報を提示部に提示させる第2提示制御部(413)と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図15
図16