(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20241022BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20241022BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241022BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20241022BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/45
A63F13/58
A63F13/822
(21)【出願番号】P 2022120190
(22)【出願日】2022-07-28
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 佑弥
(72)【発明者】
【氏名】石原 晋
(72)【発明者】
【氏名】柴田 雄介
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-200350(JP,A)
【文献】特開2019-048002(JP,A)
【文献】特開2003-210846(JP,A)
【文献】特開2022-017687(JP,A)
【文献】特開2016-041312(JP,A)
【文献】ファイアーエムブレム 覚醒,週刊ファミ通,株式会社エンターブレイン,2012年04月19日,第27巻第18号,139-149頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作キャラクタを用いたゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記コンピュータを、
ユーザが選択した任意のアイテムを第1の所持アイテムとして前記操作キャラクタに所持させる第1所持アイテム設定手段、
前記操作キャラクタに対し、前記ゲームにおける当該操作キャラクタの状態を第1状態から第2状態に変化させるための状態変化アイテムを関連付けるとともに、当該状態変化アイテムに予め対応付けられた少なくとも1つの第2の所持アイテムを当該操作キャラクタに所持させる第2所持アイテム設定手段、
前記ゲームにおいて前記操作キャラクタが状態変化条件を満たす場合、前記第1状態から前記第2状態に当該操作キャラクタの状態を変化させる状態変化手段、
前記ゲーム中のゲームイベントにおいて、
前記操作キャラクタが前記第1状態である場合、前記第1の所持アイテムのうち、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に属する
適性アイテムを含み、前記第2の所持アイテムを含まない使用アイテム候補のうち、前記ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させ、
当該操作キャラクタが第2状態である場合、前記
適性アイテムを含み、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に関わらず前記第2の所持アイテムを更に含む使用アイテム候補のうち、当該ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させる、ゲームイベント進行手段、
として機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記情報処理プログラムは、前記ゲームの進行に基づいて、前記操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた前記状態変化アイテムとの組み合わせに対して設定されるパラメータを更新するパラメータ更新手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記第2所持アイテム設定手段は、前記パラメータに応じて決定される前記第2の所持アイテムを前記操作キャラクタに所持させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記ゲームイベントは前記操作キャラクタと敵キャラクタとの戦闘イベントであり、
前記ゲームイベント進行手段は、前記操作キャラクタに使用される前記ユーザに指定された前記アイテムのアイテム種別と、前記敵キャラクタに使用されるアイテムのアイテム種別との相性に応じて前記ゲームイベントを進行させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記状態変化アイテムには特殊キャラクタが対応付けられ、
前記ゲームイベントは、
前記操作キャラクタが前記第1状態の場合、当該操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた前記特殊キャラクタとを用いた演出を含み、
前記操作キャラクタが前記第2状態の場合、当該特殊キャラクタに基づいて外観が変化した当該操作キャラクタを用いた演出を含む、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記第2所持アイテム設定手段は、複数の前記操作キャラクタのうち、前記ユーザによって指定された操作キャラクタに対し、複数の前記状態変化アイテムから当該ユーザによって指定された状態変化アイテムを関連付ける、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記情報処理プログラムは、前記第2状態に変化させた前記操作キャラクタが、変化解除条件を満たす場合、当該操作キャラクタの状態を前記第1状態に変化させる、変化解除手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記情報処理プログラムは、前記コンピュータを、
使用可能なアイテム種別がそれぞれ対応付けられる複数の役割のうち指定可能な役割を、複数の適性情報のうち前記操作キャラクタに設定された適性情報に基づいて提示し、プレイヤに指定された役割を当該操作キャラクタに割り当てる役割割り当て手段、
前記ゲームの進行に基づいて、前記操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた前記状態変化アイテムとの組み合わせに対して設定されるパラメータを更新するパラメータ更新手段、
前記操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた前記状態変化アイテムに関連する前記パラメータが適性情報付加条件を満たす場合、当該状態変化アイテムに対応付けられる前記適性情報を、当該操作キャラクタに対して付加する、適性情報付加手段、
として更に機能させる、請求項1記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記状態変化アイテムに対応付けられる前記適性情報は、当該状態変化アイテムに対応付けられた前記第2の所持アイテムを使用可能である前記役割との関連性を有する、請求項7記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記役割には、前記使用可能なアイテム種別に加え、当該アイテム種別に属するアイテムのうち使用可能なアイテムを特定するためのアイテム特定情報が対応付けられ、
前記ゲームイベント進行手段は、前記操作キャラクタに割り当てられる役割に対応付けられる前記使用可能なアイテム種別に属し、かつ、前記アイテム特定情報に基づいて使用可能とされる前記適性アイテムから、前記ユーザに指定されたアイテムを当該操作キャラクタに使用させて前記ゲームイベントを進行させる、請求項7記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記操作キャラクタには、前記複数の適性情報のうち、少なくとも1つの
適性情報が初期適性情報として予め設定される、請求項9記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記情報処理プログラムは、前記操作キャラクタに割り当てられる前記役割が当該操作キャラクタの前記初期適性情報に対応する場合、当該役割が当該初期適性情報に対応しない場合よりも使用可能なアイテムが多くなるように、当該役割に対応付けられる前記アイテム特定情報を補正する補正手段として前記コンピュータを更に機能させる、請求項10記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記複数の役割のそれぞれには、前記ゲームまたは前記ゲームイベントに効果を与えるスキルが設定されている、請求項7記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記状態変化アイテムには特殊キャラクタが対応付けられ、
前記情報処理プログラムは、前記操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた前記特殊キャラクタに関連する前記パラメータ
が所定の条件を満たす場合、当該操作キャラクタと当該特殊キャラクタとが登場する会話イベントを実行する会話イベント実行手段、として前記コンピュータを更に機能させる、請求項7記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記ゲームはターンベースストラテジーゲームである、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
操作キャラクタを用いたゲームを実行可能な情報処理装置であって、
ユーザが選択した任意のアイテムを第1の所持アイテムとして前記操作キャラクタに所持させる第1所持アイテム設定手段と、
前記操作キャラクタに対し、前記ゲームにおける当該操作キャラクタの状態を第1状態から第2状態に変化させるための状態変化アイテムを関連付けるとともに、当該状態変化アイテムに予め対応付けられた少なくとも1つの第2の所持アイテムを当該操作キャラクタに所持させる第2所持アイテム設定手段と、
前記ゲームにおいて前記操作キャラクタが状態変化条件を満たす場合、前記第1状態から前記第2状態に当該操作キャラクタの状態を変化させる状態変化手段と、
前記ゲーム中のゲームイベントにおいて、
前記操作キャラクタが前記第1状態である場合、前記第1の所持アイテムのうち、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に属する
適性アイテムを含み、前記第2の所持アイテムを含まない使用アイテム候補のうち、前記ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させ、
当該操作キャラクタが第2状態である場合、前記
適性アイテムを含み、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に関わらず前記第2の所持アイテムを更に含む使用アイテム候補のうち、当該ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させる、ゲームイベント進行手段と、
を備える、情報処理装置。
【請求項16】
操作キャラクタを用いたゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
ユーザが選択した任意のアイテムを第1の所持アイテムとして前記操作キャラクタに所持させ、
前記操作キャラクタに対し、前記ゲームにおける当該操作キャラクタの状態を第1状態から第2状態に変化させるための状態変化アイテムを関連付けるとともに、当該状態変化アイテムに予め対応付けられた少なくとも1つの第2の所持アイテムを当該操作キャラクタに所持させ、
前記ゲームにおいて前記操作キャラクタが状態変化条件を満たす場合、前記第1状態から前記第2状態に当該操作キャラクタの状態を変化させ、
前記ゲーム中のゲームイベントにおいて、
前記操作キャラクタが前記第1状態である場合、前記第1の所持アイテムのうち、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に属する
適性アイテムを含み、前記第2の所持アイテムを含まない使用アイテム候補のうち、前記ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させ、
当該操作キャラクタが第2状態である場合、前記
適性アイテムを含み、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に関わらず前記第2の所持アイテムを更に含む使用アイテム候補のうち、当該ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させる、情報処理方法。
【請求項17】
操作キャラクタを用いたゲームを実行可能な情報処理システムであって、
ユーザが選択した任意のアイテムを第1の所持アイテムとして前記操作キャラクタに所持させる第1所持アイテム設定手段と、
前記操作キャラクタに対し、前記ゲームにおける当該操作キャラクタの状態を第1状態から第2状態に変化させるための状態変化アイテムを関連付けるとともに、当該状態変化アイテムに予め対応付けられた少なくとも1つの第2の所持アイテムを当該操作キャラクタに所持させる第2所持アイテム設定手段と、
前記ゲームにおいて前記操作キャラクタが状態変化条件を満たす場合、前記第1状態から前記第2状態に当該操作キャラクタの状態を変化させる状態変化手段と、
前記ゲーム中のゲームイベントにおいて、
前記操作キャラクタが前記第1状態である場合、前記第1の所持アイテムのうち、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に属する
適性アイテムを含み、前記第2の所持アイテムを含まない使用アイテム候補のうち、前記ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させ、
当該操作キャラクタが第2状態である場合、前記
適性アイテムを含み、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に関わらず前記第2の所持アイテムを更に含む使用アイテム候補のうち、当該ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させる、ゲームイベント進行手段と、
を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作キャラクタを用いたゲーム処理を実行する情報処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャラクタを駒として用いるシミュレーションゲームが知られている。このようなゲームでは、味方キャラクタに武器を装備させ、当該装備させた武器を用いて戦闘を行っている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなシミュレーションゲームにおいては、味方キャラクタ毎に、使用可能な武器が決まっているものもある。このように使用可能な武器を限定することで、味方キャラクタの個性付けができ、また、ゲームの戦略性を高め、ゲームの興趣性を向上できるという側面がある。
【0005】
その一方、上記のような使用可能な武器の限定は、味方キャラクタが取り得る行動(戦略や戦術)の幅を狭めるという側面もあった。例えば、ある武器種での攻撃のみが有効な特定の敵がいる場合、この特定の敵への攻撃を行う味方キャラクタが、ある程度固定的なメンバーとなってしまうという側面もあった。この点について、味方キャラクタが使用可能な武器の制限を外すことで、ユーザが取り得る戦術・戦略を増やしてゲームの興趣性を高めるというアプローチも考えられる。しかし、単純に利用可能な武器を増やすだけでは、ゲームの興趣性が低下する虞もあった。例えば、どの味方キャラクタも全ての武器を利用可能なようにすると、味方キャラクタの個性も失われ、ゲームの興趣性が低下する虞もある。
【0006】
上記を踏まえ、上記のような使用可能な武器やアイテムが予め決められているゲームにおいて、味方キャラクタの個性を損なうことなく戦略性を向上させるという観点で、更なる改良の余地があった。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、キャラクタ毎に使用可能な武器やアイテムが予め決められているゲームにおいて、ユーザが取り得る戦略を増やすことで興趣性を向上できる情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理システム、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0009】
(構成1)
構成1は、操作キャラクタを用いたゲームを実行可能な情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、コンピュータを、第1所持アイテム設定手段、第2所持アイテム設定手段、状態変化手段、ゲームイベント進行手段として機能させる。第1所持アイテム設定手段は、ユーザが選択した任意のアイテムを操作キャラクタが所持する第1の所持アイテムとする。第2所持アイテム設定手段は、操作キャラクタに対し、ゲームにおける当該操作キャラクタの状態を第1状態から第2状態に変化させるための状態変化アイテムを関連付けるとともに、当該状態変化アイテムに予め対応付けられた少なくとも1つの第2の所持アイテムを当該操作キャラクタに所持させる。状態変化手段は、ゲームにおいて操作キャラクタが状態変化条件を満たす場合、第1状態から第2状態に当該操作キャラクタの状態を変化させる。ゲームイベント進行手段は、ゲーム中のゲームイベントにおいて、(1)操作キャラクタが第1状態である場合、第1の所持アイテムのうち、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に属する適正アイテムを含み、第2の所持アイテムを含まない使用アイテム候補のうち、ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させ、(2)当該操作キャラクタが第2状態である場合、適正アイテムを含み、当該操作キャラクタが使用可能なアイテム種別に関わらず第2の所持アイテムを更に含む使用アイテム候補のうち、当該ユーザに指定されたアイテムを用いて当該ゲームイベントを進行させる。
【0010】
上記構成例によれば、第2所持アイテムを所持している場合、第1状態では適性アイテムが使用候補として提示され、第2状態では、適性アイテムに加えて、第2の所持アイテムも使用候補として提示される。この際、第2の所持アイテムが、第1状態のときは使用可能なアイテム種別として判定されないアイテムであっても、使用可能なアイテムとして扱われる。そのため、第1状態のときよりも第2状態のときのほうが、使用候補の選択肢が多い状態とすることができる。また、第2状態となるには状態変化条件を満たすことを要求するため、通常は第1状態で、一時的に第2状態となる、というゲームギミックを提供可能となる。これらの構成によって、ゲームイベントを進行させる際に、使用アイテムの選択肢を一時的に増やせるという要素を提供できる。これにより、例えば、どのタイミングで第2状態に変化させるのが有効であるか等をユーザに考えさせることができ、ゲームの戦略性を向上できる。
【0011】
(構成2)
構成2は、上記構成1において、情報処理プログラムは、ゲームの進行に基づいて、操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた状態変化アイテムとの組み合わせに対して設定されるパラメータを更新するパラメータ更新手段としてコンピュータを更に機能させてもよい。そして、第2所持アイテム設定手段は、パラメータに応じて決定される第2の所持アイテムを操作キャラクタに所持させてもよい。
【0012】
上記構成例によれば、例えば、操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた状態変化アイテムとの組み合わせに対して設定されるパラメータが上がっていくことで、使用できる第2の所持アイテムを段階的に増やしていくことができる。そのため、操作キャラクタと状態変化アイテムとを組み合わせた状態を長く継続させることで、ゲーム展開を有利にできるという選択肢をユーザに提供できる。これにより、操作キャラクタと状態変化アイテムとを組み合わせた状態を長く継続させることの動機付けをユーザに提供しつつ、使用できる第2の所持アイテムが増えていくことにより、ゲームの戦略性の向上を図ることができる。
【0013】
(構成3)
構成3は、上記構成1または2において、ゲームイベントは操作キャラクタと敵キャラクタとの戦闘イベントであってもよい。そして、ゲームイベント進行手段は、操作キャラクタに使用されるユーザに指定されたアイテムのアイテム種別と、敵キャラクタに使用されるアイテムのアイテム種別との相性に応じてゲームイベントを進行させてもよい。
【0014】
上記構成例によれば、敵キャラクタとの戦闘において、第1状態では相性的に不利な場合であっても、第2状態となれば相性的に有利な状態になる、というような状況をユーザに提供できる。これにより、戦闘相手に応じて第1の状態と第2の状態を使い分けたり、第2状態に変化するタイミングを考えさせたりすることができる。その結果、ゲームイベントで取り得る戦術の幅を広げ、興趣性を向上できる。
【0015】
(構成4)
構成4は、上記構成1~3のいずれかにおいて、状態変化アイテムには特殊キャラクタが対応付けられていてもよい。そして、上記ゲームイベントは、操作キャラクタが第1状態の場合、当該操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた特殊キャラクタとを用いた演出を含み、操作キャラクタが第2状態の場合、当該特殊キャラクタに基づいて外観が変化した当該操作キャラクタを用いた演出を含んでいてもよい。
【0016】
上記構成例によれば、特殊キャラクタを用いた演出を行うことができる。また、第1状態のときと第2状態のときとで異なる演出をユーザに提示できる。また、演出内容も、操作キャラクタと、当該操作キャラクタに関連付けられた状態変化アイテム(特殊キャラクタ)との組み合わせによって変化し得る。そのため、操作キャラクタと状態変化アイテムとの様々な組み合わせを試すことの動機付けをユーザに提供し、ゲームの興趣性を向上できる。
【0017】
(構成5)
構成5は、上記構成1~4のいずれかにおいて、第2所持アイテム設定手段は、複数の操作キャラクタのうち、ユーザによって指定された操作キャラクタに対し、複数の状態変化アイテムから当該ユーザによって指定された状態変化アイテムを関連付けてもよい。
【0018】
上記構成例によれば、複数の操作キャラクタと、複数の状態変化アイテムとが存在するため、両者の組み合わせの選択肢を増やすことができる。また、これに伴い、様々な組み合わせ方によって、ゲームの戦略性を向上することもできる。
【0019】
(構成6)
構成6は、上記構成1~5のいずれかにおいて、情報処理プログラムは、第2状態に変化させた前記操作キャラクタが変化解除条件を満たす場合、当該操作キャラクタの状態を第1状態に変化させる変化解除手段としてコンピュータをさらに機能させてもよい。
【0020】
上記構成例によれば、第2状態に変化した後、第1状態に戻ることを可能としている。これにより、第1状態と第2状態とを使い分けるというゲーム性をユーザに提供できる。また、すっと第2状態のままゲームを進行させないようにもできるため、ゲームバランスを崩さずに適度なバランスとすることもできる。
【0021】
(構成7)
構成7は、上記構成1において、情報処理プログラムは、コンピュータを、使用可能なアイテム種別がそれぞれ対応付けられる複数の役割のうち指定可能な役割を、複数の適性情報のうち操作キャラクタに設定された適性情報に基づいて提示し、プレイヤに指定された役割を当該操作キャラクタに割り当てる役割割り当て手段と、ゲームの進行に基づいて、操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた状態変化アイテムとの組み合わせに対して設定されるパラメータを更新するパラメータ更新手段と、操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた状態変化アイテムに関連するパラメータが適性情報付加条件を満たす場合、当該状態変化アイテムに対応付けられる適性情報を、当該操作キャラクタに対して付加する適性情報付加手段として更に機能させてもよい。
【0022】
上記構成例によれば、操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた状態変化アイテムとの組み合わせに対して設定されるパラメータが適性情報付加条件を満たせば、当該操作キャラクタに設定される適性情報を増加させることができる。これにより、操作キャラクタに割り当て可能な役割を増やすことができ、ゲームの戦略性を向上できる。また、操作キャラクタと状態変化アイテムとの様々な組み合わせをユーザに楽しませつつ、どのような適正情報を付加させるかを考えさせる等で、操作キャラクタの育成に係る興趣性も向上できる。
【0023】
(構成8)
構成8は、上記構成7において、状態変化アイテムに対応付けられる適性情報は、当該状態変化アイテムに対応付けられた第2の所持アイテムを使用可能である役割との関連性を有していてもよい。
【0024】
上記構成例によれば、状態変化アイテムの適正情報と第2の所持アイテムを使用可能な役割との関連性があるため、ユーザに違和感を与えずに適正情報を付加できる。
【0025】
(構成9)
構成9は、上記構成7において、上記役割には、使用可能なアイテム種別に加え、当該アイテム種別に属するアイテムのうち使用可能なアイテムを特定するためのアイテム特定情報が対応付けられていてもよい。そして、ゲームイベント進行手段は、操作キャラクタに割り当てられる役割に対応付けられる使用可能なアイテム種別に属し、かつ、アイテム特定情報に基づいて使用可能とされる適性アイテムから、ユーザに指定されたアイテムを当該操作キャラクタに使用させてゲームイベントを進行させてもよい。
【0026】
上記構成例によれば、例えば、適正情報の増加によって役割選択の自由度を高めることで、より強力なアイテムを使用可能な役割をユーザが選択できる状態を作り出すことができる。これにより、ユーザが採り得る戦術の幅を増やすことができ、ゲームの興趣性を向上できる。
【0027】
(構成10)
構成10は、上記構成9において、操作キャラクタには、複数の適性情報のうち、少なくとも1つの適正情報が初期適性情報として予め設定されていてもよい。
【0028】
上記構成例によれば、複数の操作キャラクタのそれぞれについて、キャラクタの個性付けができる。
【0029】
(構成11)
構成11は、上記構成10において、情報処理プログラムは、操作キャラクタに割り当てられる役割が当該操作キャラクタの初期適性情報に対応する場合、当該役割が当該初期適性情報に対応しない場合よりも使用可能なアイテムが多くなるように、当該役割に対応付けられるアイテム特定情報を補正する補正手段としてコンピュータを更に機能させてもよい。
【0030】
上記構成例によれば、初期適性情報を考慮した役割の割り当てについてユーザに考えさせることができ、操作キャラクタの育成における興趣性を向上できる。
【0031】
(構成12)
構成12は、上記構成7において、複数の役割のそれぞれには、ゲームまたはゲームイベントに効果を与えるスキルが設定されていてもよい。
【0032】
上記構成例によれば、ゲームを有利に進めるためのより多くの選択肢をユーザに提供できる。また、同じ操作キャラクタでも、役割を変更することで、スキルを変更できるため、ゲーム場面に応じたスキルを有する役割を割り当てる等で、ゲームにおける戦術性を高めることができる。また、ある操作キャラクタにあるスキルを持たせたいという場合に、当該スキルが設定されている役割を割り当て可能とするための上記適性情報を付加するために、様々なキャラクタの組み合わせを試すことへの動機付けを提供できる。
【0033】
(構成13)
構成13は、上記構成7において、情報処理プログラムは、操作キャラクタと当該操作キャラクタに関連付けられた特殊キャラクタに関連するパラメータが所定の条件を満たす場合、当該操作キャラクタと当該特殊キャラクタとが登場する会話イベントを実行する会話イベント実行手段としてコンピュータを機能させてもよい。
【0034】
上記構成例によれば、操作キャラクタと特殊キャラクタとの様々な組み合わせによる会話を提供して、ユーザを楽しませることができる。更に、このような会話に上記適性情報を付加することを示唆等する内容を含めることで、違和感のない適性情報の付加を行うことができる。
【0035】
(構成14)
構成14は、上記構成1~13のいずれかにおいて、上記ゲームはターンベースストラテジーゲームであってもよい。
【0036】
上記構成例によれば、ターンベースストラテジーゲームにおける戦略性をより向上し、興趣性を高めることができる。
【発明の効果】
【0037】
本実施形態によれば、ゲームイベントを進行させる際に、使用アイテムの選択肢を一時的に増やせるという要素を提供し、ゲームの戦略性、興趣性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】ゲーム装置2のハードウェア構成を示すブロック図
【
図9】指輪、特殊武器、および一体化について説明するための図
【
図10】指輪、特殊武器、および一体化について説明するための図
【
図11】指輪、特殊武器、および一体化について説明するための図
【
図21】
ゲーム装置2の
記憶部22に記憶されるデータの一例
【
図22】自軍キャラクタマスタデータ502のデータ構成の一例
【
図23】指輪マスタデータ505のデータ構成の一例
【
図24】所有キャラクタデータ510のデータ構成の一例
【
図26】本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を示すフローチャート
【
図29】クラスチェンジ処理の詳細を示すフローチャート
【
図30】戦闘マップ処理の詳細を示すフローチャート
【
図31】自軍ターン処理の詳細を示すフローチャート
【
図32】自軍ターン処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、一実施形態について説明する。
【0040】
[情報処理装置のハードウェア構成]
まず、本実施形態にかかる情報処理を実行するための情報処理装置について説明する。当該情報処理装置は、例えばスマートフォン、据置型または携帯型のゲーム装置、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末等である。また、本実施形態にかかる情報処理は、上記のようなゲーム装置等と、所定のサーバとから構成されるゲームシステムにも適用可能である。本実施形態では、据置型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と呼ぶ)を情報処理装置の一例として説明する。
【0041】
図1は、本実施形態に係るゲーム装置2の内部構成の一例を示すブロック図である。ゲーム装置2は、プロセッサ21を備える。プロセッサ21は、ゲーム装置2において実行される各種の情報処理を実行する情報処理部であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)のみから構成されてもよいし、CPU機能、GPU(Graphics Processing Unit)機能等の複数の機能を含むSoC(System-on-a-chip)から構成されてもよい。プロセッサ21は、記憶部22に記憶される情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)を実行することによって、各種の情報処理を実行する。なお、記憶部22は、例えば、フラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の内部記憶媒体であってもよいし、図示しないスロットに装着される外部記憶媒体等を利用する構成でもよい。
【0042】
また、ゲーム装置2は、ゲーム装置2が他のゲーム装置2や所定のサーバ装置と無線通信を行うための無線通信部23を備える。当該無線通信としては、例えば、インターネット通信や近距離無線通信が用いられる。
【0043】
また、ゲーム装置2は、ゲーム装置2がコントローラ4と有線または無線通信を行うためのコントローラ通信部24を備える。
【0044】
また、ゲーム装置2には、画像音声出力部25を介して表示部5(例えば、テレビ等)が接続される。プロセッサ21は、(例えば、上記の情報処理の実行によって)生成した画像や音声を、画像音声出力部25を介して表示部5に出力する。
【0045】
次に、コントローラ4について説明する。図示は省略するが、本実施形態のコントローラ4は、縦長の形状のハウジングを有しており、縦長となる向きで把持されることが可能である。当該ハウジングは、縦長となる向きで把持される場合に片手で把持可能な形状および大きさをしている。
【0046】
コントローラ4は、方向入力デバイスの一例であるアナログスティック42を少なくとも1つ備える。当該アナログスティック42は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック42を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(および、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。また、コントローラ4は、各種操作ボタンを含むボタン部43を備える。例えば、コントローラ4は、上記ハウジングの主面上に複数個の操作ボタンを備えていてもよい。
【0047】
また、コントローラ4は、慣性センサー44を備える。具体的には、コントローラ4は、慣性センサー44として、加速度センサー、角速度センサーを備えている。本実施形態においては、加速度センサーは、所定の3軸方向に沿った加速度の大きさを検出する。また、角速度センサーは、所定の3軸回りの角速度を検出する。
【0048】
また、コントローラ4は、上記コントローラ通信部24と有線または無線通信を行うための通信部41も備える。上記アナログスティック42に対する方向入力内容、ボタン部43の押下状態を示す情報、および、慣性センサー44による各種の検出結果は、適宜のタイミングで繰り返し通信部41へ出力され、ゲーム装置2に送信される。
【0049】
[本実施形態で想定するゲームについて]
次に、本実施形態で実行されるゲーム処理について説明するが、その前提として、本実施形態で想定するゲームの概要を説明する。本実施形態で想定するゲームは、ターン制ストラテジータイプのシミュレーションゲーム(以下、TBSGと呼ぶ)である。また、本実施形態では、自軍と敵軍とが1つずつの、合計2つの軍で戦闘が行われるTBSGを想定する。本TBSGでは、シミュレーションゲームにおける駒のことを「キャラクタ」と呼ぶ。更に、自軍のキャラクタについては「自軍キャラクタ」、敵軍となるキャラクタは「敵軍キャラクタ」と呼ぶ。
【0050】
また、本ゲームは、ストーリーパートと戦闘パートに分かれている。ストーリーパートでは、所定のストーリーがユーザに提示される。また、様々なキャラクタを仲間とすることができるイベント等も発生する。つまり、ユーザは、ストーリーパートにおいてストーリーを進めていくことで、様々なキャラクタを仲間として、自軍キャラクタの数を増やしていくことができる。なお、本ゲームでは、同じ(重複する)自軍キャラクタは存在しないものとする。
【0051】
一方、戦闘パートでは、所定のマップ(以下、戦闘マップ)を用いて、TBSG形式のゲーム処理が実行される。以下、本実施形態で想定する戦闘パートのゲーム進行の大まかな流れを画面例を用いて簡単に説明する。戦闘パートの処理は、大きく分けて、「準備画面処理」、「TBSG形式のゲーム処理(以下、戦闘マップ処理)」に分かれている。戦闘パートが始まると、まず、
図2に示すような準備メニューが表示される。当該準備メニューでは、「部隊編成」、「所持アイテム管理」、「クラスチェンジ」、「絆レベル確認」、「出撃」という5つの項目(選択肢)が示されている。以下、各項目について簡単に説明する。
【0052】
ユーザが「部隊編成」を選択すると、部隊編成画面(図示は省略)に遷移する。ユーザは、当該画面で戦闘マップに出撃させる自軍キャラクタを選択し、部隊を編成できる。なお、出撃最大数は戦闘マップによって異なり得る。
【0053】
また、上記準備メニューからユーザが「所持アイテム管理」を選択すると、各自軍キャラクタの所持品を管理できる。
図3に、所持アイテム管理画面の一例を示す。当該画面は、各自軍キャラクタのステータス画面も兼ねている。
図3に示すように、左ペイン201に表示される自軍キャラクタ一覧からユーザが選択したいずれかの自軍キャラクタのステータスや所持品状況が、右ペイン202に表示される。右ペイン202には、ステータス表示部203、所持品表示部204、スキル表示部205が含まれる、また、その背景には、選択中の自軍キャラクタの画像も表示される。ステータス表示部203には、自軍キャラクタの名称やステータス情報が示される。所持品表示部204には、その自軍キャラクタが現在所持しているアイテムが表示される。なお、本実施形態でいう「アイテム」は、いわゆる回復薬や宝箱の鍵等の消耗品的な道具類、武器および防具のような装備品類、金塊等のゲーム内通貨に変換可能なもの、を総称した概念であるとする。スキル表示部205には、その自軍キャラクタが使用可能なスキルが表示される。スキルとは、ゲーム中の所定の場面で用いることで、ユーザに有利な効果を発生させることができるものである。例えば、敵軍キャラクタを攻撃する際に使うことで、より大きなダメージを与えることができる。
【0054】
ここで、上記所持品表示部204においては、8つの枠が表示されているが、このうち上の5つの枠が、現在所持している所持品を示す枠(以下、通常枠)である。下の3つの枠は、後述する「特殊武器」を示す枠(以下、特殊武器枠と呼ぶ)である。以下の説明では、上記通常枠に表示され得るアイテムを「通常アイテム」とよび、後述する特殊武器および指輪と区別する。また、通常枠が5つであることで示されるように、本実施形態では、各自軍キャラクタが所持可能な通常アイテム数は5つまでであるとする。
【0055】
また、スキル表示部205で表示される枠については、上の5つの枠は、現在その自軍キャラクタが所持している通常スキルを示し、下の3つの枠は、後述の特殊武器に固有のスキルである特殊スキルを示す。また、本実施形態では、通常スキルは後述するクラス毎に応じて設定される。
【0056】
ユーザは、上記所持アイテム管理画面において所定の操作を行うことで、自軍キャラクタに所持させる通常アイテムを設定できる。すなわち、ユーザが選択した任意の通常アイテムを、所定の自軍キャラクタの所持品として設定することができる(特殊武器の所持については後述する)。
【0057】
図2に戻り、上記準備メニューから、ユーザが「クラスチェンジ」を選択すると、
図4に示すようなクラスチェンジを行うための画面に遷移し、自軍キャラクタをクラスチェンジさせることができる。また、準備メニューから、ユーザが「絆レベル確認」を選択すると、
図5に示すような画面が表示され、各自軍キャラクタの絆レベルを確認することができる。当該クラスチェンジおよび絆レベルについては、詳細は後述する。
【0058】
また、上記準備メニューから、ユーザが「出撃」を選択した場合は、準備画面処理は終了し、処理が戦闘マップ処理に移行する。
【0059】
図6に、戦闘マップ処理におけるゲーム画面の一例を示す。本実施形態では、戦闘マップは、四角形(正方形)の領域である「マス」の集合で構成されている。マスは格子状に配置されており、1マスが、各キャラクタの最小移動単位である。また、
図6の画面例では、4体の自軍キャラクタと、2体の敵軍キャラクタが表示されている状態である。また、画面下部には、情報バーも表示されている。当該情報バーは、現在操作対象として選択されている(カーソルが合わせられている)自軍キャラクタに関する情報を示すものである。当該情報バーにおける表示要素については後述する。
【0060】
次に、戦闘マップにおける戦闘システムに関して説明する。本ゲームでは、自軍キャラクタを移動させ、所持している武器毎に設定されている射程範囲内の敵キャラクタに攻撃することができる。攻撃に際しては、ユーザは、操作対象の自軍キャラクタが所持している武器の中から、攻撃に使用する武器を1つ、攻撃の都度選択する必要がある。例えば、「鉄の剣」、「鋼の剣」、「鉄の弓」という3つの武器を自軍キャラクタが所持している場合を想定する。この場合、
図7に示すようなコマンド一覧からユーザが「攻撃」を選択すると、
図8に示すような、使用武器選択ウィンドウが表示される。当該ウィンドウには、自軍キャラクタが所持している武器が一覧表示されている。当該ウィンドウから、ユーザは、いずれかの武器を選択することで、その武器を使った敵キャラクタへの攻撃を自軍キャラクタに行わせることができる。なお、
図8では、「鉄の弓」については、グレーアウト表示され、この武器が選択できないことが示されているが、この点は後述する。
【0061】
[武器について]
ここで、本ゲームにおける「武器」に関して説明する。本ゲームでは、各武器には、その武器の性能や攻撃力の高さの目安を示す「ランク」というパラメータが設けられている。本ゲームでは、ランクが高い順に、S、A、B、C、Dの5つのランクに分けられているとする。例えば、上記の例で言うと「鉄の剣」がDランクであり、「鋼の剣」がCランクであるとする。この場合、「鋼の剣」のほうが攻撃力が高い武器である。
【0062】
[武器種について]
また、本ゲームでは、武器には、複数の種類(武器種)が設けられている。具体的には、剣、斧、槍、弓、短剣、魔道書、杖、拳の8種類に分類されている。また、後述する「クラス」に応じて、攻撃に使える武器種と使えない武器種とが設定されている。自軍キャラクタは、攻撃に使えない武器種であっても所持自体は可能である。但し、上記戦闘マップにおける攻撃の際に示される使用武器選択ウィンドウでは、例えばグレーアウト表示される等して、ユーザが選択できない状態で表示される。換言すれば、自軍キャラクタは、所持している武器のうち、自身のクラスに適合する武器種を使って攻撃を行うことが可能である。上記
図8の例では、「鉄の弓」については、グレーアウト表示され、所持はしているが、攻撃には使用できないことが示されている。なお、以下の説明では、武器種単位での武器の総称として、「剣武器」や「斧武器」のように呼ぶこともある。
【0063】
[クラスについて]
次に、上記で言及した「クラス」に関して説明する。クラスとは、いわば兵種や職業等の、そのキャラクタの戦闘時における役割を示す概念である。本ゲームでは、クラスは複数あり、クラス毎に、使える武器種が1つ設定されている。クラスの一例としては、例えば、剣士(剣)、戦士(斧)、ランサー(槍)、アーチャー(弓)、魔道士(魔道書)、僧侶(杖)、盗賊(短剣)、格闘家(拳)がある(いずれも、括弧内が使える武器種を示す)。
【0064】
また、同じ武器種について、複数のクラスが用意されている。例えば、武器種が剣に設定されているクラスとして、剣士、ソードファイター、ソードマスター等、複数のクラスがある。また、各クラスは、初級クラス、中級クラス、上級クラスのいずれかに分類される。自軍キャラクタのレベルが低いうちは初級クラスしか選べず、自軍キャラクタのレベルを上げていくことで、中級クラス、上級クラスと、段階的に解放される。以下の説明では、各武器種に対応するクラスを総称して、「剣クラス」、「斧クラス」のように呼ぶこともある。
【0065】
また各クラスについて、「武器レベル」というパラメータも設定されている。武器レベルとは、そのクラスで利用可能な武器のランクを示すパラメータである。例えば、「武器レベルD」であれば、武器ランクD以下の武器が使用できることを示す。また、「武器レベルA」であれば、武器ランクA以下の武器が使用できることを示す。「武器ランクS」であれば、全てのランクの武器が使えることを示す。より具体的な例を示すと、剣士とソードマスターという2つの剣クラスがあるとする。この場合、剣士の武器レベルがD、ソードマスターがAであれば、剣士は、Dランク以下の剣武器のみが使用可能であるが、ソードマスターはAランク以下の剣武器は全て使用可能ということになる。
【0066】
また、本ゲームでは、一部の武器種(に対応するクラス)については、有利武器種、不利武器種の設定がされている。例えば、剣は斧に対して有利であり、斧や槍に対して有利で、槍は剣に対して有利になるような補正が行われる。より具体的な例を挙げると、槍武器による攻撃(槍クラス)は、剣クラスに対して有利であり、斧武器の攻撃は槍クラスに対して有利である。また、逆の関係でみると、剣武器は槍クラスに対して不利となる。例えば、槍クラスに対して剣武器で攻撃した場合、与ダメージが通常より少なくなるような補正が行われる。そのため、攻撃する敵キャラクタの武器種(クラス)に対して有利な武器種で攻撃することで、ゲーム展開を有利なものとすることも可能である。
【0067】
[クラスチェンジについて]
次に、本ゲームにおけるクラスチェンジに関して説明する。本ゲームでは、各自軍キャラクタには、初期クラスとして、後述の初期適性に応じた所定のクラスが設定されている。そして、ゲームを進めていくことで、自軍キャラクタのクラスを他のクラスに変更することができる。但し、最初から全てのクラスにクラスチェンジできるわけではない。本ゲームでは、各クラスには、「必要適性」というものが設定されている。必要適性とは、そのクラスになるために必要とされる武器適性を示す。本ゲームでは、上記の各クラスに設定されている使用可能な武器種が、必要適性である。つまり、自軍キャラクタは、各自が有する武器適性に応じて、クラスチェンジ可能なクラスが決まる。
【0068】
ここで、上記武器適性について説明する。武器適性とは、各自軍キャラクタが使用可能な武器種を示すパラメータである。本ゲームでは、各自軍キャラクタには、「初期適性」としていずれか1つの武器種が割り当てられている。例えば、自軍キャラクタAは、初期適性として「剣適性」を有しており、自軍キャラクタBは、初期適性として「斧適性」を有している場合を想定する。この場合は、必要適性として「剣適性」が設定されている剣クラスである「ソードファイター」には、自軍キャラクタAのみがクラスチェンジでき、自軍キャラクタBはクラスチェンジできないことになる。
【0069】
また、本ゲームでは、クラス毎に上記通常スキルが設定されている。例えば、「剣士」であれば「剣スキルA」、「アーチャー」であれば「弓スキルA」、「ソードファイター」であれば「剣スキルA」および「剣スキルB」等のように、クラス毎に通常スキルが設定されている。そのため、クラスチェンジでクラスを変更することで、自軍キャラクタが有する通常スキルも変更され得る。
【0070】
[本実施形態におけるゲーム処理制御の概要]
次に、上記のようなゲームを例として、本実施形態に係るゲーム処理制御の概要について説明する。本実施形態で説明する制御は、主に、戦闘中に使用可能な武器に関する制御と、上記自軍キャラクタが有する武器適性に関する制御である。
【0071】
まず、使用可能な武器に関する制御について、その概要を説明する。本ゲームでは、「指輪」という装飾品アイテムがある。当該指輪は、上記通常アイテムとしては扱われないが(上記所持品表示部204には表示されない)、上記所持アイテム管理画面において、自軍キャラクタに「装着」させることができるアイテムである。また、上記所持アイテム管理画面において、ユーザの操作に基づき自軍キャラクタ間で交換することも可能である。
【0072】
上記指輪には様々な種類があり、ストーリーパートのイベントや戦闘マップ報酬等で入手することができる。そのため、上記自軍キャラクタの場合と同様に、ゲームが進行するに連れて、その所持数を増やしていくことができる。また、本ゲームでは、各指輪に固定的に関連付けられている、特殊キャラクタおよび特殊武器という概念がある。例えば、指輪Aには1体の特殊キャラクタAが関連付けられ、特殊武器A1、A2、A3という3つの特殊武器が関連付けられている。また、本ゲームでは、1つの指輪に対応づけられるこれら複数の特殊武器の武器種は同じであるとする。なお、上記特殊キャラクタは、その指輪に宿っているキャラクタであり、特殊武器は、特殊キャラクタが所持する武器、という位置づけである。また、当該特殊キャラクタは、直接的には、上記戦闘マップにおける「駒」として用いることはできないキャラクタである。また、このように本ゲームの指輪にはキャラクタ性を持たせているため、同じ種類の指輪は存在しないものとする。換言すれば、(自軍キャラクタ同様に)同じ特殊キャラクタは存在しないものとする。また、特殊武器についても、指輪毎に異なる特殊武器が設定されており、同じ特殊武器は存在しないものとする。この点、他の実施形態では、特殊武器に関しては、複数の指輪間で一部重複する武器(例えば名称が同じ武器)があってもよい。
【0073】
本ゲームでは、各自軍キャラクタに装着できる指輪の数は1つだけであるとする。また、自軍キャラクタ間で指輪の交換が可能なため、自軍キャラクタと指輪(特殊キャラクタ)の組み合わせについては変更可能である。つまり、指輪自体はどの自軍キャラクタにも関連付けることは可能であるが、同時に関連付けできるのは1つまでとなっている。
【0074】
指輪を装着した自軍キャラクタは、その指輪に関連付けられている特殊武器を所持する状態となる。図9および図10は、指輪装着前後にかかる特殊武器の所持状況を示す模式図である。いずれの図も、左側に指輪Aを概念的に示し、右側に自軍キャラクタAを概念的に示している。図9は、自軍キャラクタAは指輪Aを装着していない状態を示す。この状態では、自軍キャラクタAの所持品は、剣武器Aと剣武器Bの2つだけという状態である。一方、自軍キャラクタAが指輪Aを装着すると、図10に示すように、指輪Aに関連付けている特殊武器A1~A3を自軍キャラクタAが所持している状態に変化する。換言すれば、指輪を装着するということは、関連付けられた特殊武器を所持するということになる。また、例えば自軍キャラクタAが装着している指輪Aを外して自軍キャラクタBに付け替えるということは、関連する特殊武器を自軍キャラクタAから自軍キャラクタBに渡すということになる。
【0075】
上記のように、自軍キャラクタAが指輪Aを装着している状態で、戦闘マップにおいて、所定条件を満たすと、指輪Aに基づいて自軍キャラクタAの状態を変化させることができる。当該変化は、指輪Aに関連付けられている特殊キャラクタAに基づいた変化となる。例えば、特殊キャラクタAが自軍キャラクタAに憑依したり、両者が融合するようにして、その外観が変化する。また、HPや攻撃力等の各種パラメータが一時的に増加する。本例では、この変化のことを「一体化」と呼ぶ。戦闘マップにおいて、所定条件を満たすことで、ユーザは、自軍キャラクタAに関して、一体化を指示する操作(一体化操作)が可能となる(換言すれば、所定条件を満たさない限り、一体化操作はできない)。当該所定条件は、本例では、「一体化ポイント」が最大値まで溜まることであるとする。当該一体化ポイントは、戦闘マップ中の行動によって増加する。なお、本ゲームでは、戦闘マップ開始時は、一体化ポイントは最大値の状態である。すなわち、開始直後から一体化可能な状態で戦闘マップが開始することになる。そして、ユーザが一体化操作を行うと、自軍キャラクタAと特殊キャラクタAとが一体化する演出が表示される。当該演出は、例えばカットインアニメ等で表示される。そして、当該一体化演出の後、自軍キャラクタAの外観が変化する。具体的は、ステータス画面におけるキャラクタの画像や、戦闘マップ上における「駒」としてのキャラクタ画像が、一体化したキャラクタ(以下、一体化キャラと呼ぶ)に対応した画像に変化する。当該画像は、例えば、自軍キャラクタの画像をベースに、特殊キャラクタのデザインの一部を取り込んだような画像であってもよい。
【0076】
また、本ゲームでは、一体化してから3ターン経過すると、一体化が解除されるものとする。一体化が解除されると、上記一体化ポイントは最小値の状態となる(初期化される)。
【0077】
ところで、本ゲームでは、上記
図10で示したように、指輪を装着すると特殊武器を所持した状態となるが、戦闘マップにおいては、一体化しない限り、これを使用することはできない。すなわち、一体化中は、上記特殊武器を一時的に利用可能になる。上記
図10は、指輪は装着しているが、一体化していない状態を示している、そのため、特殊武器を所持した状態ではあるが、攻撃の際に使用することはできない状態である。一方、
図11は、自軍キャラクタAと特殊キャラクタAとが一体化した状態を概念的に示した図である。
図11では、特殊武器A1、A2、A3について、一体化によって使用可能になったことを示している。この際、当該特殊武器の武器種が、そのときの自軍キャラクタAのクラスでは本来使えない武器種であっても、利用可能な状態となる。つまり、一体化している間は、クラスと武器種の組み合わせにかかわらず、上記特殊武器が使用可能になる。例えば、自軍キャラクタAに指輪Aを装着させている場合を想定する。また、指輪Aには特殊キャラAと、特殊武器A1、特殊武器A2、特殊武器A3が関連付けられている。自軍キャラクタAのクラスは剣士であり、剣武器が使えるとする。また、特殊武器は全て斧武器とする。この場合、一体化キャラAのクラスは剣士のままであり、本来使用できる武器は剣武器のみではあるが、一体化キャラである間は、斧武器である特殊武器A1、特殊武器A2、特殊武器A3も利用可能となる。特に、本ゲームでは、上記のような有利武器種/不利武器種武器の関係があるところ、剣クラスの自軍キャラクタで槍クラスの敵キャラクタを攻撃する場合、一体化していない場合は、槍クラスに対して不利な剣武器を用いて攻撃せざるを得ない。しかし、特殊武器が斧武器である特殊キャラクタと一体化した状態であれば、槍クラスに対して有利な斧武器を用いて攻撃することができる。そのため、ユーザは、一体化を利用することで、(一時的に)使用可能な武器種を拡張でき、戦略の幅を広げることができる。
【0078】
ここで、自軍キャラクタが指輪を装着していない場合と、装着している場合と、一体化している状態の場合とにおける、画面表示上の差異について説明する。まず、上記
図3で示したような所持品管理画面(ステータス画面)に関して説明する。当該画面では、左ペイン201の自軍キャラクタ一覧において、指輪を装着している自軍キャラクタの名前の横に指輪アイコンが表示される。
図3は、指輪Aを装着している自軍キャラクタAが選択されている状態である。指輪を装着している場合は、所持品表示部204の特殊枠に、特殊武器の名称が表示されている。
【0079】
なお、本ゲームでは、特殊武器に固有の特殊スキルも設定されている。当該特殊スキルも、特殊武器同様、一体化中にのみ利用可能なスキルである。そして、指輪を装着している場合は、特殊スキルはスキル表示部205に表示される。
【0080】
次に、
図12に、自軍キャラクタAが指輪を装着していない場合の所持品管理画面の一例を示す。
図12では、特殊武器枠は全て空欄となっている。スキル表示部205についても、特殊スキルについては表示されずに空欄となっている。
【0081】
また、指輪装着中は、自軍キャラクタの名称も変化する。上記の例では、指輪を装着している図
3の場合は、ステータス表示部203の上端付近で示されるように、「自軍キャラA&特殊キャラA」のような、2人のキャラクタ名を併記したような表示となる。一方、指輪未装着の
図12の場合は、自軍キャラクタAの名称のみが表示されることになる。なお、本ゲームでは、このステータス画面で背景に表示されているキャラクタ画像については、指輪装着前後で変化しないものとする。但し、他の実施形態では、指輪装着時は、特殊キャラクタの画像も一緒に表示するようにしてもよい。
【0082】
次に、戦闘マップにおける画面表示上の差異について説明する。まず、戦闘マップ上で「駒」として表示されるキャラクタ画像については、上記のように、一体化している場合は、一体化キャラの画像に差し替えられる。なお、一体化せずに指輪を装着しているだけの場合と、指輪未装着の場合については同じ画像が用いられる。
【0083】
また、上記
図6で示した戦闘マップの画面において、画面下部には情報バーが表示されている。当該情報バーでは、略左半分において、所持品に関する情報が示され、略右半分において、簡易ステータス情報が示されている。より具体的は、所持品に関する情報として、合計8つの枠が表示されており、一番左側の枠は、現在使用中(装備中)の武器を示す。
図6の例では武器名を文字で表示しているが、この他、武器アイコンのような画像で表示してもよい。また、左から2つめ~5つ目の枠では、特殊武器以外の所持品(通常アイテム)の所持状況が示される。枠が空欄であれば、アイテムを所持していないことを示す。また、右端側の3つの枠は、所持中の特殊武器を示す。
図6の例では、指輪を装着している自軍キャラクタに係る情報バーであるため、特殊武器名が表示されているが、指輪を装着していない場合は、これら3つの枠は空欄となる。また、
図6の情報バーにおいては、使用できない武器については、網掛け表示で示している。実際の画面では、例えばグレーアウト表示等で、使用できない武器であることが示される。このように、情報バーにおいて、特殊武器も含めて現在の所持品の状況を表示されるため、ユーザは、戦闘マップ上の各自軍キャラクタの戦闘能力や武器種について(例えば詳細画面を開くことなく)速やかに把握することができる。
【0084】
また、上記
図7で示したコマンド一覧については、一体化が可能な状態となると、
図13に示すような、一体化コマンドを含む表示内容に変化する。また、一体化している間は、上記使用武器選択ウィンドウについては、
図14に示すように、特殊武器が含まれるような表示内容に変化する。
【0085】
また、本ゲームでは、自軍キャラクタが敵キャラクタに攻撃する際に、(戦闘場面の演出として)戦闘アニメーションが表示される。このアニメーションとしては、例えば、上述のように選択された武器を手に持って敵に斬りかかるようなアニメーションが表示され得る。この際、一体化していれば、上記一体化キャラが敵に斬りかかるようアニメーションとなる。一方、一体化していない場合は、指輪を装着していれば、自軍キャラクタと特殊キャラクタの2体のキャラクタが含まれるようなアニメーションが表示される。例えば、2人で一緒に攻撃するアニメーションや、攻撃するのは自軍キャラクタだけで、特殊キャラクタは後ろで応援しているようなアニメーションが表示される。また、指輪を装着していない場合は、当然ながら特殊キャラクタが含まれないアニメーションが表示されることになる。このように、戦闘アニメーションにおいては、指輪未装着、指輪装着中、一体化状態とでそれぞれ異なるアニメーションが表示され得るものとなっている。
【0086】
ところで、本ゲームでは、上記3つの特殊武器については、一体化したからといって、最初から全ての特殊武器が使えるわけではない。本ゲームでは、自軍キャラクタと特殊キャラクタとのそれぞれ(の組み合わせ)について、「絆レベル」というパラメータが設けられている。当該絆レベルは、自軍キャラクタと特殊キャラクタとの関係性の大きさを示す指標である。なお、本実施形態では「絆」という呼び方をするが、他の実施形態では、例えば「好感度」「信頼度」等の呼び方であってもよい。そして、上記特殊武器は、絆レベルが上がることで段階的に使用可能となっていく。例えば、絆レベル1では、特殊武器Aのみ使用できる状態であり、絆レベル5になれば特殊武器Bが使用可能となり、絆レベル10で特殊武器Cも使用可能となる。また、別の例としては、初期状態(絆レベル1)では、いずれの特殊武器も使用できない状態であってもよい。この場合は、例えば、絆レベル3で特殊武器Aが、絆レベル5で特殊武器Bが、絆レベル10で特殊武器Cが使用可能としてもよい。その他、例えば、初期状態(絆レベル1)では、いずれの特殊武器も使用できない状態であり、絆レベル10になれば、特殊武器A~Cの全てが使用可能になるようにしてもよい。
【0087】
次に、上記絆レベルの上げ方について説明する。本ゲームでは、戦闘マップにおいて所定の条件(以下、絆上昇条件)を満たすことで、「絆経験値」が増えていき、これが一定値まで溜まると絆レベルを上げることができる。絆上昇条件の一例としては、例えば、指輪を装着している状態で戦闘を行うことが挙げられる。また、絆経験値については、同じ行動であっても、一体化しているときのほうが、一体化していない場合よりも多くの絆経験値を入手可能である。例えば、特殊キャラクタAが関連付けられている指輪Aを装着した自軍キャラクタAを想定する。この場合、特殊キャラクタAと自軍キャラクタAとの組み合わせについて「絆レベル」が設けられることになる。そして、一体化せずに戦闘した場合は、当該組み合わせに係る絆経験値として”1”が加算される。一方、一体化した状態で戦闘を行うと、絆経験値として”2”が加算される。また、別の例として、例えば「移動」を行った場合、一体化していない場合は絆経験値は加算されないが、一体化していれば”1”が加算される。そのため、一体化した状態で行動したほうが絆レベルを上げやすくなっている。これにより、ユーザが積極的に一体化を利用することを促進できる。
【0088】
このように、本実施形態では、指輪を用いて一体化を行うことで、特殊武器を使用可能としている。この際、特殊武器が、そのときのクラスでは本来使えない武器種であっても、使用可能としている。これにより、戦闘における戦略性を高め、ゲームの興趣性を向上している。
【0089】
上記のように、本実施形態では絆レベルを用いて特殊武器が段階的に使用可能になるような構成としているが、当該絆レベルは、この他、上記自軍キャラクタが有する武器適性に関する制御についても用いられる。以下、当該武器適性に関する制御の概要について説明する。
【0090】
本ゲームでは、上記武器適性に関する制御に関して、「適性継承」というギミックを設けている。これは、特殊キャラクタとの絆レベルを上げることで、その特殊キャラクタが有する武器適性を継承できるというギミックである。
【0091】
本ゲームでは、各特殊キャラクタには、武器適性が1つ設定されている。この武器適性は、当該特殊キャラクタ(指輪)に関連付けられている上記特殊武器の武器種に対応するものである(上記のように、ある指輪および特殊キャラクタに関連付けられている特殊武器の武器種は全て同じである)。そして、ある自軍キャラクタとある特殊キャラクタとの絆レベルが所定レベルまで上がると、その特殊キャラクタの武器適性を当該自軍キャラクタに継承できる。
図15~
図18に、当該適性継承の一例を概念的に示す。まず、初期適性が「斧武器」である自軍キャラクタBを想定する。当該自軍キャラクタBが、剣適性を有する特殊キャラクタAと関連付けられた指輪Aを(初めて)装着した場合、最初は、
図15に示すように、絆レベル1である。この後、自軍キャラクタBが絆上昇条件を満たす行動を行うことで、絆レベルを上げていき、例えば
図16に示すように、絆レベルが5に上がったとする。当該絆レベルが5になったことによって、特殊キャラクタAの剣適性を自軍キャラクタBに継承させることができる。
【0092】
更に、自軍キャラクタBが上記剣適性を継承した後、指輪Aを外し、
図17に示すように、弓適性を有する特殊キャラクタBと関連付けられた指輪Bを(初めて)装着した場合を想定する。この場合、自軍キャラクタBと特殊キャラクタBとの間の絆レベルは1である。また、特殊キャラクタBについては、武器適性継承に必要な条件が「絆レベル8」であるとする。
【0093】
この後、自軍キャラクタBが絆上昇条件を満たす行動を行うことで、特殊キャラクタBとの絆レベルを上げていき、
図18に示すように、絆レベルを8まで上げることで、特殊キャラクタBの弓適性を自軍キャラクタBに継承させることができる。これにより、自軍キャラクタBは、弓適性と剣適性の2つの武器適性を継承したことになる。なお、以下では、継承で得た武器適性のことを「継承適性」と呼ぶ。
【0094】
上記のような継承の結果、自軍キャラクタBは、初期適性として「斧」、継承適性として「剣」と「弓」を有することになる。つまり、3つの武器種について武器適性を有する状態となる。このように3つの武器適性を有することで、自軍キャラクタBがクラスチェンジ可能なクラスが増えることになる。すなわち、斧クラスに加えて、剣クラス、弓クラスにもクラスチェンジができるようになる。
【0095】
ここで、上記
図4で示したクラスチェンジ画面について補足する。上記
図4で示した画面例では、左ペイン201に自軍キャラクタ一覧が表示され、右ペイン202では、選択中の自軍キャラクタが所有する武器適性の情報、および、クラスチェンジが可能なクラスの一覧が表示されている。また、
図4は、初期適性が剣武器である自軍キャラクタAについてのクラスチェンジ画面である。
図4では、自軍キャラクタAは武器適性継承をしておらず、剣以外の武器適性を所有していないことが示される。また、クラスチェンジ先についても、初級の剣クラスである「
剣士」と、中級の剣クラスである「ソードファイター」の2つの選択肢しか提示されていない状態である。
【0096】
次に、上記自軍キャラクタAが、上記武器適性継承によって、「斧」と「弓」の武器適性を継承した場合を想定する。この場合は、
図19に示すようなクラスチェンジ画面が表示され得る。すなわち、右ペイン202には、所有武器適性として「剣」、「斧」、「弓」の3つを所有していることが示されている。そして、上記剣クラスの他、斧クラスである「戦士」「ウォーリア」と、弓クラスである「アーチャー」「スナイパー」もクラスチェンジ可能なクラスとして提示されている。
【0097】
ところで、本ゲームでは、上記武器適性とクラスチェンジに関して、以下のような制御も行っている。本ゲームでは、クラスチェンジ先の必要武器種と、クラスチェンジする自軍キャラクタの初期適性とが一致する場合、武器レベルを補正してクラスチェンジさせる。例えば、剣クラスであって、武器レベルがDのソードファイターというクラスにクラスチェンジさせる場合を想定する。この場合、初期適性が斧武器、継承適性が剣武器である自軍キャラクタBがクラスチェンジした場合は、武器レベルはDのままソードファイターのクラスチェンジが完了する。一方、初期適性が剣武器の自軍キャラクタAがクラスチェンジした場合は、武器レベルがDからCに補正されたうえで、ソードファイターへのクラスチェンジが完了する。このように、本ゲームでは、初期適性と一致する武器適性のクラスにクラスチェンジする場合、そのクラスの武器レベルが補正されたうえでクラスチェンジが行われる。
【0098】
なお、本ゲームでは、上記のような武器適性の継承は、上述した「絆レベル確認」画面においてユーザの操作に基づいて行うことができる。継承に係る操作の一例を示すと、まず、上記
図5で示した画面は、自軍キャラクタ一覧を表示している画面である。そして、所定の特殊キャラクタとの絆レベルが上がった自軍キャラクタについては、星印アイコンを付している。この画面から、例えばユーザが自軍キャラクタAを選択すると、絆レベルが上がった特殊キャラクタとの間で絆レベルに応じた会話が行われる「会話イベント」が表示される。そして、絆レベルが武器適性の継承に必要なレベルに達していれば、武器適性の継承も行われ、そのことを示す演出も表示される。絆レベルが武器適性の継承に必要なレベルに達していない場合は、「会話イベント」だけ表示されることになる。その後、
図20に示すような、選択した自軍キャラクタと各特殊キャラクタとの現在の絆レベルを示す確認画面が表示される。なお、絆レベルが上がった(かつ、「会話イベント」を見ていない)特殊キャラクタが複数いた場合は、それぞれの「会話イベント」が続けて表示される。
【0099】
なお、本実施形態では、当該会話イベントは、絆レベルが1つ上がる毎に発生するものとするが、他の実施形態では、1レベル毎ではなく、所定のレベルに達したときに会話イベントを発生させるようにしてもよい。例えば、絆レベルが、3、5、10になったときだけ会話イベントを発生させるようにしてもよい。
【0100】
このように、本実施形態では、特殊キャラクタとの絆レベルを上げることで、武器適性を継承でき、クラスチェンジ先を増やすことを可能としている。これにより、ゲーム内で特殊キャラクタとの絆レベルを上げることへの動機付けをユーザに提供できる。
【0101】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図21~
図32を参照して、本実施形態におけるゲーム処理についてより詳細に説明する。
【0102】
[使用データについて]
まず、本実施形態で用いられる各種データに関して説明する。
図21は、ゲーム装置2の記憶部22に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。ゲーム装置2の記憶部22には、ゲームプログラム501、自軍キャラクタマスタデータ502、マップマスタデータ503、クラスマスタデータ504、指輪マスタデータ505、絆経験値テーブル506、絆上昇条件定義データ507、一体化キャラデータ508、所有指輪データ509、所有キャラクタデータ510、戦闘マップ管理用データ511、操作データ512等が記憶されている。
【0103】
ゲームプログラム501は、本実施形態に係るゲーム処理を実行するためのプログラムである。具体的には、後述する
図26のフローチャートにかかる処理を実行するためのプログラムである。
【0104】
自軍キャラクタマスタデータ502は、本ゲームに登場する全ての自軍キャラクタについて定義したデータベースである。
図22に、自軍キャラクタマスタデータ502のデータ構成の一例を示す。自軍キャラクタマスタデータ502は、
図22に示すように、自軍キャラクタID521、自軍キャラクタ名522、初期適性情報523、初期クラス情報524、外観データ525の項目を少なくとも含むレコードの集合で構成されるデータベースである。自軍キャラクタID521は、自軍キャラクタをそれぞれ識別するためのIDである。自軍キャラクタ名522は、各自軍キャラクタの名称である。初期適性情報523は、各自軍キャラクタの、上記初期適性を示す情報である。初期クラス情報524は、各自軍キャラクタの初期値として設定されるクラスを示す情報である。外観データ525は、各自軍キャラクタの外観を構成する各種の画像データである。その他、図示は省略するが、各自軍キャラクタの基礎ステータスを示す情報等も上記レコードに含まれる。
【0105】
図21に戻り、次に、マップマスタデータ503は、上記戦闘マップの構成を定義したデータである。具体的には、各戦闘マップの大きさ(マスの数)、各マスの地形を示す情報やその外観、地形効果等、戦闘マップを構築するための各種情報が含まれている。その他、マップマスタデータ503には、その戦闘マップにおける勝利条件や敗北条件を定義した情報等も含まれている。
【0106】
クラスマスタデータ504は、上述したクラスについて定義したデータである。具体的には、クラス毎に、上記必要適性、武器レベル、スキル、基本性能等を定義したデータである。
【0107】
指輪マスタデータ505は、本ゲームに登場する全ての上記指輪について定義したデータベースである。
図23に、当該指輪マスタデータ505のデータ構成の一例を示す。指輪マスタデータ505は、
図23に示すように、指輪ID551、特殊キャラクタ名552、第1特殊武器情報553、第2特殊武器情報554、第3特殊武器情報555、絆報酬情報556、指輪外観データ557、特殊キャラクタ外観データ558、継承用適性情報559、の項目を少なくとも含むレコードの集合で構成されるデータベースである。
【0108】
指輪ID551は、各指輪を一意に識別するためのIDである。特殊キャラクタ名552は、その指輪に関連付けられている特殊キャラクタの名称を示す情報である。第1特殊武器情報553、第2特殊武器情報554、第3特殊武器情報555はそれぞれ、上述した特殊武器を示す情報である。本ゲームでは最大3つまで特殊武器が設定される。
【0109】
絆報酬情報556は、上述した絆レベルが上がることで自軍キャラクタに付与され得る効果等を定義した情報である。また、絆報酬情報556には、上記のような武器適性の継承が可能になる絆レベルの情報等が含まれる。例えば、絆レベル2で「力+1」、絆レベル3で「HP+2」、絆レベル4で「速さ+1」、絆レベル5で「武器適性継承」・・・、のように、絆レベルに応じて付与される効果等が定義されている。
【0110】
指輪外観データ557は、その指輪の外観を示す画像データである。また、特殊キャラクタ外観データ558は、その指輪に関連付けられている特殊キャラクタの外観を示す画像データである。
【0111】
継承用適性情報559は、上記自軍キャラクタに継承可能な武器適性を定義した情報である。換言すれば、その指輪に対応づけられている(特殊キャラクタの)武器適性を示す情報である。本ゲームでは、1つの指輪に対応づけられる特殊武器は全て同じ武器種であるため、いずれか1つの武器適性を示す情報が継承用適性情報559に設定される。
【0112】
その他、図示は省略するが、指輪マスタデータ505には、各指輪についての上記特殊スキルを示す情報等も含まれる。
【0113】
図21に戻り、次に、絆経験値テーブル506は、絆レベルと、各レベルに必要な絆経験値の量を定義したテーブルである。本例では、絆経験値が十分に溜まっていても、自動的にはレベルアップせず、上記絆レベル確認画面における操作を行わないと絆レベルが上がらない。そのため、絆レベルのレベルアップが可能か否かを判定するために、当該テーブルは用いられる。
【0114】
絆上昇条件定義データ507は、上述したような絆上昇条件の内容を定義したデータである。例えば、移動や攻撃等の各種の行動について、一体化しているときと、一体化していないときとで分類されて、それぞれの加算値が定義されている。
【0115】
一体化キャラデータ508は、上述した一体化キャラについて定義したデータである。一体化キャラデータ508は、各自軍キャラクタと各特殊キャラクタとの組み合わせの分だけ用意される。一体化キャラデータ508には、一体化キャラクタの外観を示す画像データや、(一体化によってパラメータ変化も伴う場合は)HP、攻撃力等のパラメータを定義したデータが含まれる。また、戦闘マップにおいて、一体化中は、当該一体化キャラデータ508に基づくキャラクタ画像が表示されることになる。
【0116】
所有指輪データ509は、ユーザが所有する上記指輪を示すデータである。
【0117】
所有キャラクタデータ510は、ユーザが所有している(仲間にしている)自軍キャラクタを示すデータである。
図24に、所有キャラクタデータ510のデータ構成の一例を示す。所有キャラクタデータ510は、
図24に示すように、所有キャラクタID5101、装着指輪ID5102、継承適性情報5103、絆データ5104、現在クラス5105、現在Lv5106、ステータス情報5107、通常所持品情報5108の項目を少なくとも含むレコードの集合で構成されるデータベースである。
【0118】
所有キャラクタID5101は、ユーザが所有している自軍キャラクタの自軍キャラクタID521である。装着指輪ID5102は、その自軍キャラクタに装着させている指輪を示す上記指輪ID551が設定されたものである。また、指輪を装着させていない場合は、そのことを示す情報が設定される。継承適性情報5103は、所有している自軍キャラクタのそれぞれについての、上述したような継承適性を示す情報である。
【0119】
絆データ5104は、所有している自軍キャラクタそれぞれの絆レベルに関するデータである。つまり、自軍キャラクタと特殊キャラクタとの組み合わせ毎に絆レベルを管理するためのデータである。
図25に、当該絆データ5104の構成の一例を示す。絆データ5104は、特殊キャラID5109、獲得経験値5110、絆レベル情報5111の項目を含むレコードの集合で構成される。特殊キャラID5109には、各特殊キャラクタに対応する上記指輪ID551が設定される。獲得経験値5110は、各特殊キャラクタに対して現在までに獲得した絆経験値を示す情報である、絆レベル情報5111は、現在の絆レベルを示す情報である。
【0120】
図24に戻り、現在クラス5105は、その自軍キャラクタの現在のクラスを示す情報である。現在Lv5106は、その自軍キャラクタの現在のレベルを示す情報である。ステータス情報5107は、その自軍キャラクタの現在のステータスを示す情報である。
【0121】
通常所持品情報5108は、上記通常アイテムの所持状態を示す情報である。
【0122】
なお、特殊武器の所持状態に関しては、装着指輪ID5102に基づき、指輪マスタデータ505から、装着中の指輪に対応する特殊武器情報を参照することで把握可能である。また、一体化している際に、各特殊武器が使用可能か否かは、絆データ5104の絆レベル情報5111に基づいて把握することが可能である。
【0123】
図21に戻り、戦闘マップ管理用データ511は、戦闘マップ処理においてゲームの進行等を管理するためのデータである。具体的には、戦闘マップに出撃している自軍および敵軍のキャラクタの状態(HPや敗走したか否か等)や位置情報等を含むデータである。また、自軍キャラクタについては、上記一体化ポイントの溜まり具合や、一体化している状態か否かを示す情報等も含まれる。
【0124】
操作データ512は、プレイヤがコントローラ4に対して行った操作内容を示すデータである。所定の時間間隔でコントローラ4からプロセッサ21に送信されるデータであり、各種ボタンの押下状態を示す情報やアナログスティック42に対する入力内容を示す情報等が含まれている。
【0125】
その他、図示は省略するが、上記ストーリーパートに関するデータやBGMデータ等、ゲーム処理に必要な各種データも記憶部22に記憶される。
【0126】
次に、本実施形態におけるゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは主に、上記戦闘パートの処理(その中でも特に、上記一体化および武器適性の継承に関する制御)について説明し、その他の各種ゲーム処理については、詳細な説明は省略する。本実施形態では、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された上記プログラムを読み込んで実行することにより、以下に示すフローチャートが実現される。なお、当該フローチャートは、処理過程の単なる一例にすぎない。そのため、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。また、変数の値や、判定ステップで利用される閾値も、単なる一例であり、必要に応じて他の値を採用してもよい。
【0127】
[プロセッサ21が実行する処理の詳細]
図26は、上記戦闘パートに係るゲーム処理を示すフローチャートである。当該処理は、戦闘パートの開始が指示されたことに応じて実行される。まず、ステップS1で、プロセッサ21は、準備画面処理を実行する。
【0128】
図27は、上記ステップS1にかかる準備画面処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS11で、プロセッサ21は、上記
図2で示したような準備メニューを表示する。次に、ステップS12で、プロセッサ21は、操作データ512を取得する。
【0129】
[部隊編成の処理について]
次に、ステップS13で、プロセッサ21は、操作データ512に基づき、準備メニューから部隊編成の指示が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、部隊編成指示が行われた場合は(ステップS13でYES)、ステップS14で、プロセッサ21は、部隊編成用の画面に遷移し、操作内容に基づいて部隊を編成する処理を実行する。その後、部隊編成が終われば、上記ステップS11に処理が戻される。
【0130】
[所持アイテムの管理処理について]
一方、部隊編成指示が行われていない場合は(ステップS13でNO)、ステップS15で、プロセッサ21は、操作データ512に基づき、準備メニューから所持アイテム管理の指示が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、所持アイテム管理の指示が行われた場合は(ステップS15でYES)、ステップS16で、プロセッサ21は、所持アイテム管理画面に遷移し、ユーザの操作内容に基づいて、自軍キャラクタの所持アイテムを設定する処理を行う。具体的には、プロセッサ21は、所持アイテム管理画面におけるユーザの操作に基づき、当該ユーザが選択した通常アイテムを所持した状態となるように、通常所持品情報5108の内容を設定する。また、プロセッサ21は、ユーザの操作に基づき、装着指輪ID5102の内容を設定する処理も行う。すなわち、上記指輪を所定の自軍キャラクタに装着させる処理も行う。これにより、指輪を装着した自軍キャラクタは上記特殊武器を所持した状態となる。また、所持アイテム管理画面を終了する操作が行われれば、上記ステップS11に処理が戻される。
【0131】
[絆レベル確認処理について]
一方、ステップS15の判定の結果、所持アイテム管理の指示が行われていない場合は(ステップS15でNO)、ステップS17で、プロセッサ21は、操作データ512に基づき、準備メニューから絆レベル確認の指示が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、絆レベル確認の指示が行われた場合は(ステップS17でYES)、ステップS18で、プロセッサ21は、絆確認処理を実行する。絆確認処理が終われば、上記ステップS11に戻り、処理が繰り返される。
【0132】
[絆確認画面の処理]
図28は、当該絆確認処理の詳細を示すフローチャートである。
図28において、まず、ステップS31で、プロセッサ21は、上記
図5で示したような自軍キャラクタの一覧画面を表示する。この際、プロセッサ21は、各自軍キャラクタの絆データ5104と上記絆経験値テーブル506とを参照し、絆レベルのレベルアップが可能な自軍キャラクタについて、上記
図5で示したような星印アイコンを付して一覧画面を表示する。
【0133】
次に、ステップS32で、プロセッサ21は、操作データ512を取得する。続くステップS33で、プロセッサ21は、操作データ512に基づき、絆レベル確認画面の終了指示が行われたか否かを判定する。行われていれば(ステップS33でYES)、プロセッサ21は、当該絆確認処理を終了する。行われていない場合は(ステップS33でNO)、ステップS34で、プロセッサ21は、操作データ512に基づき、絆レベルを上げることが可能な自軍キャラクタが選択されたか否かを判定する。絆レベルが上がらない自軍キャラクタが選択された場合は(ステップS34でNO)、後述のステップS39に処理が進められる。一方、絆レベルを上げることが可能な自軍キャラクタが選択された場合は(ステップS34でYES)、ステップS35で、プロセッサ21は、選択された自軍キャラクタに係る絆レベル情報5111を更新する(すなわち、絆レベルを上げる)。次に、ステップS36で、プロセッサ21は、更新後の絆レベルが、特殊キャラクタの武器適性の継承が可能なレベルに達したか否かを、上記絆報酬情報556に基づき判定する。当該判定の結果、武器適性の継承が可能なレベルであれば(ステップS36でYES)、ステップS37で、プロセッサ21は、絆レベルが上がった特殊キャラクタに対応する武器適性を継承させる。具体的には、プロセッサ21は、当該特殊キャラクタ(指輪)の継承用適性情報559で指定されている武器適性が追加されるように、上記継承適性情報5103を更新する。但し、既に同じ武器適性を他の特殊キャラクタから継承済みであれば、当該更新(追加)は行われない。
【0134】
一方、上記ステップS36の判定の結果、武器適性の継承が可能なレベルでは無い場合は(ステップS36でNO)、上記ステップS37の処理はスキップされる。なお、この際、絆報酬情報556に絆レベルに応じた他の効果が設定されていれば、その効果を自軍キャラクタに適用する処理が行われる。
【0135】
次に、ステップS38で、プロセッサ21は、絆レベルに応じた上記「会話イベント」を表示する。この処理は、絆レベルが1つ上がる度に行われることになる。また、プロセッサ21は、上記ステップS37で武器適性の継承が行われていた場合は、武器適性が継承されたことを示す所定の演出も表示する。
【0136】
次に、ステップS39で、プロセッサ21は、上記
図20で示したような、現在の絆レベルの確認画面を表示する。次に、ステップS40で、プロセッサ21は、自軍キャラクタの一覧画面に戻る指示が行われたか否かを操作データ512に基づき判定する。その結果、当該指示がない場合は(ステップS40でNO)、上記ステップS39に戻る。当該指示が有れば(ステップS40でYES)、上記ステップS31に戻り、処理が繰り返される。
【0137】
以上で、絆確認処理の説明は終了する。
【0138】
図27に戻り、上記ステップS17の判定の結果、絆レベル確認の指示が行われていない場合は(ステップS17でNO)、ステップS19で、プロセッサ21は、操作データ512に基づき、準備メニューからクラスチェンジの指示が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、クラスチェンジの指示が行われた場合は(ステップS19でYES)、ステップS20で、プロセッサ21は、クラスチェンジ処理を実行する。クラスチェンジ処理が終われば、上記ステップS
11に戻り、処理が繰り返される。
【0139】
[クラスチェンジの処理]
図29は、上記クラスチェンジ処理の詳細を示すフローチャートである。
図29において、まず、ステップS51で、プロセッサ21は、操作データ512を取得し、これに基づいて、クラスチェンジの処理対象とする自軍キャラクタ(以下、処理対象キャラ)を特定する。なお、当該処理の開始直後の状態では、デフォルトの処理対象キャラとして所定の自軍キャラクタが設定される。
【0140】
次に、ステップS52で、プロセッサ21は、処理対象キャラの武器適性(初期適性および継承適性)に基づいて、クラスチェンジ可能なクラスを決定する。更に、プロセッサ21は、上記
図4や
図19で示したような、クラスチェンジ可能なクラスが右ペイン202内に表示されたクラスチェンジ画面を生成して、表示する。そして、プロセッサ21は、ユーザの操作を待ち受ける。
【0141】
次に、ステップS53で、プロセッサ21は、操作データ512を取得し、これに基づいて、クラスチェンジの指示が行われたか否かを判定する。すなわち、プロセッサ21は、クラスチェンジ先として、右ペイン内に表示されるいずれかのクラスを決定する操作が行われたか否かを判定する。クラスチェンジの指示が行われた場合は(ステップS53でYES)、ステップS54で、プロセッサ21は、クラスチェンジ先のクラスの必要適性と、処理対象キャラクタの初期適性が一致するか否かを判定する。当該判定の結果、一致した場合は(ステップS54でYES)、ステップS55で、プロセッサ21は、武器レベルを1ランク上げたうえで、クラスチェンジを完了させる。一方、一致しない場合は(ステップS54でNO)、ステップS56で、プロセッサ21は、武器レベルは補正せずに、クラスチェンジを完了させる。その後、上記ステップS51に戻り、処理が繰り返される。
【0142】
一方、上記ステップS53の判定の結果、クラスチェンジの指示が行われていない場合は(ステップS53でNO)、ステップS57で、プロセッサ21は、クラスチェンジ画面の終了指示が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、行われていない場合は(ステップS57でNO)、操作内容に応じた処理(例えば画面スクロール)が適宜実行され、上記ステップS51に戻り、処理が繰り返される。一方、終了指示が行われた場合は(ステップS57でYES)、プロセッサ21は、クラスチェンジ処理を終了する。
【0143】
図27に戻り、上記ステップS19の判定の結果、クラスチェンジの指示が行われていない場合は(ステップS19でNO)、ステップS21で、プロセッサ21は、準備メニューから出撃指示が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、出撃指示が行われていない場合は(ステップS21でNO)、上記ステップS
11に戻り、処理が繰り返される。出撃指示が行われた場合は(ステップS21でYES)、ステップS22で、プロセッサ21は、マップマスタデータ503から今回用いる戦闘マップのデータを読み込む。そして、プロセッサ21は、仮想空間内に戦闘マップを構築し、自軍キャラクタ、敵軍キャラクタを適宜配置して、戦闘マップ処理を開始できる状態とする。その後、プロセッサ21は、準備画面処理を終了する。
【0144】
[戦闘マップの処理]
図26に戻り、準備画面処理が終われば、ステップS2で、プロセッサ21は、戦闘マップ処理を実行する。
図30は、当該戦闘マップ処理の詳細を示すフローチャートである。
図30において、まず、ステップS71で、プロセッサ21は、自軍ターン処理を実行する。
【0145】
図31は、上記自軍ターン処理の詳細を示すフローチャートである。
図31において、まず、ステップS81で、プロセッサ21は、戦闘マップ上に、一体化解除条件を満たした自軍キャラクタが存在するか否かを判定する。すなわち、一体化してから3ターンが経過した自軍キャラクタ存在しているか否かを判定する。当該判定の結果、存在する場合は(ステップS81でYES)、ステップS82で、プロセッサ21は、該当する自軍キャラクタ(一体化キャラ)の一体化を解除するように、戦闘マップ管理用データ511を更新する。一方、存在していなければ(ステップS81でNO)、上記ステップS82の処理はスキップされる。
【0146】
次に、ステップS83で、プロセッサ21は、操作データ512を取得する。次に、ステップS84で、プロセッサ21は、戦闘マップ上のいずれかの自軍キャラクタを操作対象キャラクタとして指定する操作が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、指定されていない場合は(ステップS84でNO)、ステップS85で、プロセッサ21は、自軍キャラクタの動作制御以外の各種の処理を実行する。例えば、操作データ512に基づき、カーソルを移動させたり、部隊一覧を表示する処理等を適宜実行する。その後、当該各種の処理が反映されたゲーム画像を表示し、上記ステップS83の処理に戻る。
【0147】
一方、操作対象キャラクタが指定された場合は(ステップS84でYES)、次に、ステップS86で、プロセッサ21は、指定された自軍キャラクタを操作対象キャラクタとして設定する。これに伴い、プロセッサ21は、上記コマンド一覧を表示する。この際、操作対象キャラクタが一体化可能な状態であれば(一体化ポイントが溜まっている状態)、当該コマンド一覧に「一体化」のコマンドが含まれるようにして表示する(上記
図13参照)。ユーザはこの中から所定のコマンドを選択することで、操作対象キャラクタに、一体化や攻撃等を行わせることができる。
【0148】
次に、ステップS87で、プロセッサ21は、操作データ512を取得する。次に、
図32のステップS88で、プロセッサ21は、一体化の指示が行われたか否かを操作データ512に基づき判定する。当該判定の結果、一体化の指示が行われていた場合は(ステップS88でYES)、ステップS89で、プロセッサ21は、操作対象キャラクタが、装着している指輪に応じた一体化キャラに変身する演出を表示する。また、プロセッサ21は、一体化キャラデータ508に基づき、当該操作対象キャラクタの外観画像が当該一体化キャラの画像となるように設定する。その後、当該画像設定変更後のゲーム画像(戦闘マップ画面)を表示し、上記ステップS87に戻る。
【0149】
一方、ステップS88の判定の結果、一体化の指示が行われていない場合は(ステップS88でNO)、ステップS90で、プロセッサ21は、操作内容(コマンド一覧から選択された内容)に基づき、操作対象キャラクタの動作制御を行う。例えば、「移動」コマンドが指示された場合は、操作内容に基づき、戦闘マップ上の所定の位置に操作対象キャラクタを移動させる制御を行う。また、「攻撃」コマンドが指示された場合は、プロセッサ21は、更に上記使用武器選択ウィンドウを表示し、攻撃に使用する武器をユーザに選択させる。この際、操作対象キャラクタが一体化していない状態の場合は、上記使用武器選択ウィンドウからは、そのときのクラスに応じた(通常アイテムに属する)武器しか選択できない(上記
図8参照)。一方、一体化している状態であれば、上記特殊武器も選択可能なように使用武器選択ウィンドウが表示される(上記
図14参照)。そして、プロセッサ21は、ユーザが選択した武器に基づいて(また、必要に応じて、上記通常スキルまたは特殊スキルを用いて)、攻撃に係る各種パラメータ(与ダメージ量等)を決定し、ユーザに指定された敵キャラクタを攻撃するよう動作制御が行われる。この際、上記のような戦闘アニメーションも表示される。上記のように、一体化している状態としていない状態とで、当該戦闘アニメーションは異なるものとなる。また、攻撃の結果、敵軍キャラクタを撃破した場合は、当該撃破に伴う各種の処理も実行される(戦闘に係る経験値やアイテムの入手等)。
【0150】
次に、ステップS91で、プロセッサ21は、上記絆上昇条件定義データ507を参照し、上記絆上昇条件を満たす行動が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、このような行動が行われていれば(ステップS91でYES)、ステップS92で、プロセッサ21は、絆上昇条件定義データ507に基づき、行動内容に応じた絆経験値を加算する。具体的には、プロセッサ21は、操作対象キャラクタの上記絆データ5104における、装着中の指輪に対応した特殊キャラクタに係る獲得経験値5110に当該絆経験値を加算する。なお、上述したように、同じ行動であっても一体化している場合のほうが、より多くの経験値が加算される。
【0151】
一方、絆上昇条件を満たす行動が行われていない場合は(ステップS91でNO)、上記ステップS92の処理はスキップされる。
【0152】
次に、ステップS93で、プロセッサ21は、操作対象キャラクタの行動が終了したか否かを判定する。本ゲームでは、上記コマンド一覧から「待機」が選ばれた場合は、行動終了と判定される。また、「攻撃」が選ばれた場合は、その後の使用武器の選択を経て、敵軍キャラクタへの攻撃行動が終了したときも、行動終了と判定される。換言すれば、「攻撃」および「待機」以外のコマンドに基づいて動作しても、行動終了とは判定されない。当該判定の結果、行動終了と判定されない場合は(ステップS93でNO)、上記ステップS87に戻り、処理が繰り返される。一方、行動終了と判定された場合は(ステップS93でYES)、次に、ステップ94で、プロセッサ21は、自軍ターンが終了したか否かを判定する。本例では、自軍キャラクタ全てが行動済みとなった場合、あるいは、ユーザが明示的なターン終了操作を行った場合に、自軍ターン終了と判定される。当該判定の結果、自軍ターンがまだ終了していない場合は(ステップS94でNO)、上記ステップS83に戻り、処理が繰り返される。自軍ターンが終了した場合は(ステップS94でYES)、プロセッサ21は自軍ターン処理を終了する。
【0153】
図30に戻り、次に、ステップS72で、プロセッサ21は、敵軍ターン処理を実行する。この処理では、AI制御によって、敵軍キャラクタの動作を制御する処理が行われる。
【0154】
次に、ステップS73で、プロセッサ21は、現在プレイ中の戦闘マップで設定されている勝利条件が満たされたか否かを判定する。当該判定の結果、満たされていれば(ステップS73でYES)、ステップS74で、プロセッサ21は、勝利演出を表示する勝利演出処理を実行する。その後、プロセッサ21は、戦闘マップ処理を終了する。一方、勝利条件が満たされていない場合は(ステップS73でNO)、ステップS75で、プロセッサ21は、敗北条件が満たされたか否かを判定する。敗北条件が満たされていなければ(ステップS75でNO)、上記ステップS71に戻り、処理が繰り返される。一方、敗北条件が満たされていれば(ステップS75でYES)、ステップS76で、プロセッサ21は、敗北演出を表示する敗北演出処理を実行する。その後、プロセッサ21は、戦闘マップ処理を終了する。
【0155】
図26に戻り、戦闘マップ処理が終われば、プロセッサ21は、上記戦闘パートに係る処理を終了する
【0156】
以上で、本実施形態のゲーム処理の詳細説明を終了する。
【0157】
上記のように、本実施形態では、クラス毎に使用可能な武器種を制限しつつ、上記のような一体化によって、一時的に、武器種の制限に関わらず特殊武器を使用可能としている。換言すれば、特殊武器に関しては、一体化によって、武器種による制限を一時的に無くしている。これにより、自軍キャラクタやクラス毎に個性や特色を与え、基本的には限られた武器を用いてゲームを進めるという戦略性を提供ししつつ、一時的に、本来は使用できない武器が使用可能とすることで、ゲームの戦略性をより一層向上することができる。
【0158】
また、上記一体化に伴い、自軍キャラクタの外観画像も変化させるため、上記特殊武器を用いた戦略が可能な状態であることをユーザに認識させることができる。
【0159】
また、上記実施形態では、特殊キャラクタとの絆レベルを上げていくことで、その特殊キャラクタから武器適性を継承させることを可能としている。そして、様々な武器適性を継承させることで、上記のようなクラスチェンジ可能なクラスを増やすことができる。そのため、ゲーム内において、様々な特殊キャラクタ(指輪)との絆を深めることで、その特殊キャラクタから武器適性を継承するという流れを作ることができる。これにより、絆を高めたために武器継承ができた、というような、自軍キャラクタの武器適性を増やすことについてのユーザの納得感を高めることができる。また、特殊キャラクタと一緒に戦い、親密になっていくと共に、クラスチェンジ先が増えていき、戦略性が向上すると共にユーザキャラクタがより強くなっていくという実感を与えるようなゲーム体験を提供できる。これにより、キャラクタ育成についての興趣性をより高めることもできる。また、絆レベルが上がることで「会話イベント」も発生させることで、ゲーム内において、特殊キャラクタと自軍キャラクタとの様々な組み合わせを楽しませることの動機付けも提供できる。
【0160】
[変形例]
なお、上記実施形態では、一体化の解除条件として、一体化してから3ターン経過するという例を挙げた。つまり、1ターン経過毎に、カウントダウン(3から始める場合)またはカウントアップ(0から始める場合)するような例を挙げた。他の実施形態では、例えば、ターン毎ではなく、1戦闘毎にカウントしてもよいし、1行動毎にカウントしてもよい。その他、各種のゲーム内イベントに応じて、一体化解除へのカウントを取るようにしてもよい。
【0161】
また、上記適性継承について、上記実施形態では、「絆レベル確認画面」から手動操作で行う例を挙げた。この他、他の実施形態では、例えば、戦闘マップ処理の終了時に、絆レベルがレベルアップする条件を満たしていれば、自動的に上記会話イベントを提示し、また、自動的に適性継承を行うようにしてもよい。
【0162】
また、上記実施形態では、指輪(特殊武器)については、どの自軍キャラクタも装着(所持)は可能である例を挙げた。この点、他の実施形態では、特定の指輪については、特定の自軍キャラクタしか装着ができないようにしてもよい。このような場合でも、指輪を装着しただけでは特殊武器は使えず、上記のような一体化する必要があるようにすればよい。
【0163】
また、上記実施形態では、攻撃に用いる「武器」を例として、一体化していないと使えないアイテム(特殊武器)を例示した。他の実施形態では、武器に限らず、他の各種アイテムを上記特殊武器に相当するものとして、上述したような処理を適用してもよい。
【0164】
また、絆経験値について、上記の例では加算する場合を例に挙げたが、他の実施形態では、上記適性継承が可能な条件を満たすような変化となるものであれば、上記絆経験値に相当するパラメータを減少させたり減算させたりするようにしてもよい。
【0165】
また、絆経験値、絆レベルに関して、上記の例では、戦闘マップにおいて、絆上昇条件を満たす行動を取ることで上昇させる例を挙げた。この他、上記準備画面において、所定の特殊条件を満たすことで、特定の自軍キャラクタと特殊キャラクタとの組み合わせに係る絆レベルを(戦闘マップの開始前に)上昇可能な構成としてもよい。具体的には、上記準備画面において、例えば「修行」という項目を用意する。ユーザがこれを選択すれば、「修行」用の画面に遷移し、ユーザが指定した自軍キャラクタを、同じくユーザが指定した特殊キャラクタと戦闘させるイベントを実行してもよい。そして、自軍キャラクタの勝敗に応じた値、あるいは、勝敗関係無く一律の値を、絆経験値に加算するように構成してもよい。これにより、戦闘マップ中の行動以外で絆レベルを上昇可能な手段を提供でき、ユーザの利便性を向上できる。また、戦闘マップの開始前に絆レベルを上昇させることも可能となる。そのため、例えばこれからプレイする戦闘マップの特性等によって、クラスチェンジの必要性が急に発生したような場合に、クラスチェンジが可能な余地を与えるという、ユーザにとっての救済措置的な機能を提供することができる。
【0166】
また、上記実施形態では、指輪(特殊キャラクタ)と自軍キャラクタとが「多対多」の関係である例を挙げた。他の実施形態では、指輪と自軍キャラクタとの関係が「1対多」、「多対1」、「1対1」の関係であってもよい。
【0167】
また、特殊武器に関して、上記実施形態では、ある指輪に関連付けられた特殊武器の武器種は全て同じ武器種である場合を例示した。他の実施形態では、1つの指輪に対して、異なる武器種となる特殊武器が関連付けられてもよい。上記の例で言うと、指輪Aに関連付けられる特殊武器について、剣武器である特殊武器A1およびA2と、弓武器である特殊武器A3が関連付けられてもよい。また、この場合の継承対象となる武器適性については、特殊武器の一部に対応する武器適性であってもよい。この例では、剣適性または弓適性を、自軍キャラクタに継承させる武器適性とすればよい。あるいは、複数の武器適性を継承対象の武器適性としてもよい。すなわち、剣適性および弓適性を継承させる武器適性としてもよい。この場合は、異なる上記絆レベルに達したときに1つずつ継承させてもよい。例えば、絆レベル3で剣適性を継承させ、絆レベル8で弓適性を継承させるようにしてもよい。あるいは、1度にまとめて継承させてもよい。
【0168】
また、上記実施形態では、指輪と特殊キャラクタ(および特殊武器)と関係として、指輪に宿っているキャラクタ、というような例を挙げた。そして、自分キャラクタが指輪を装着するという要素を用いる例を挙げた。この点、他の実施形態では、上記指輪の要素を省き、指輪を介さずに自軍キャラクタと特殊キャラクタとを組み合わせ可能な構成としてもよい。
【0169】
また、上記実施形態では、一体化によって、クラスに応じた使用武器種の制限にかかわらず特殊武器が使用可能なものとしていた。他の実施形態では、そのときに所持している特殊武器と同じ武器種であれば、一体化によって、通常アイテムに属する武器も使用可能としてもよい。例えば、「鉄の剣」「鉄の弓」を所持している剣士が、弓武器である特殊武器と関連付けられている指輪を装着し、一体化した場合、当該特殊武器だけでなく、「鉄の弓」も一体化中は使用可能としてもよい。
【0170】
また、上記実施形態ではTBSGを例に説明したが、これ以外のジャンルのゲームについても上記処理は適用可能である。例えば、上記クラスに該当する概念のあるアクションゲームにおいて、上記指輪や特殊キャラクタを複数登場させてもよい。
【0171】
また、上記実施形態においては、一連のゲーム処理を単一のゲーム装置2で実行される場合を説明した。他の実施形態においては、上記一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理がサーバ側装置によって実行されてもよい。更には、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該端末側装置では一部の処理が実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。また、いわゆるクラウドゲーミングの構成としてもよい。例えば、ゲーム装置2は、ユーザの操作を示す操作データを所定のサーバに送り、当該サーバにおいて各種ゲーム処理が実行され、その実行結果が動画・音声としてゲーム装置2にストリーミング配信されるような構成としてもよい。
【符号の説明】
【0172】
2 ゲーム装置
4 コントローラ
5 表示部
21 プロセッサ
22 記憶部
23 無線通信部
24 コントローラ通信部
25 画像音声出力部