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  • 特許-携帯端末用保護ケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】携帯端末用保護ケース
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/11 20060101AFI20241022BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241022BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H04M1/11 Z
H05K5/02 C
H05K5/02 P
H05K5/03 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020207792
(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公開番号】P2022094733
(43)【公開日】2022-06-27
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】510138051
【氏名又は名称】ディーフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】荒木 徹
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-217864(JP,A)
【文献】特開2015-220485(JP,A)
【文献】特開平9-321847(JP,A)
【文献】特開平8-279840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02
H05K 5/02
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の外周側面に装着される携帯端末用保護ケースにおいて、
結合部を介して互いに結合及び分離が可能な第1部材と第2部材とを備え、
前記結合部は、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の部材の両端部にそれぞれ形成される係合凸部と、
前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の部材の両端部にそれぞれ形成され、前記各係合凸部が挿入可能な係合凹部と、を備え、
前記係合凸部には、前記一方の部材の両端部から前記携帯端末の側面に沿って延出する延出部と、該延出部の先端に向かうに従って徐々に外側に隆起する凸曲面部と、が設けられ、
前記係合凹部の内面には、前記他方の部材の両端部から奥側に向かうように前記携帯端末の側面に沿って形成される溝部と、該溝部に形成されて該溝部より深い深さを有する凹曲面部と、が設けられ、
前記各係合凸部を前記各係合凹部に挿入すると、前記溝部と前記凹曲面部との間に形成された境界突部が前記凸曲面部に当接して該凸曲面部に対して先端方向に力が作用することで、前記第1部材と前記第2部材との結合状態が保持されることを特徴とする携帯端末用保護ケース。
【請求項2】
前記第1部材は前記携帯端末の下側面と左右側面とを覆うように形成され、前記第2部材は前記携帯端末の上側面を覆うように形成され、前記結合部は前記携帯端末の上側左右角部に近接した位置において前記第1部材及び前記第2部材に形成されている請求項1に記載の携帯端末用保護ケース。
【請求項3】
前記第1部材と前記第2部材の外面には、前記携帯端末の表面の周縁部に向かって傾斜する表側傾斜部と、前記携帯端末の裏面の周縁部に向かって傾斜する裏側傾斜部と、が設けられ、前記表側傾斜部の周端部には、前記携帯端末の表面の周縁部より突出して該周縁部に当接するように形成される表側折り返し部が形成され、前記裏側傾斜部の周端部には、前記携帯端末の裏面の周縁部より突出して該周縁部に当接するように形成される裏側折り返し部が形成されている請求項1又は2に記載の携帯端末用保護ケース。
【請求項4】
前記裏側傾斜部は前記表側傾斜部より表面積が大きくなるように形成されている請求項3に記載の携帯端末用保護ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を保護するための携帯端末用保護ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯端末の普及に伴い、落下時等の衝撃から携帯端末を保護することを主な目的として、手帳型、ケース型、バンパー型等の様々なタイプの携帯端末用保護ケースが販売されている。
【0003】
このような従来の携帯端末用保護ケースのうち、携帯端末の外周側面を覆う金属製のバンパー型の保護ケースは、スリムでスタイリッシュな印象を与え、携帯端末の美しいデザインを損なわないため、デザイン性に優れているという特長がある。また、携帯端末の背面を覆っていないため、充電効率を高め易いといった特長や、携帯端末に熱が籠り難く、バッテリーの耐久性を向上させることができるといった特長もある(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Luphie社の製品(http://www.xqic.com/LUPHIE)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した非特許文献1のような金属製のバンパー型の保護ケースでは、携帯端末に保護ケースを装着する際に、保護ケースの部品をネジで留めて組み立てる必要があるため、その作業に手間が掛かるという問題がある。
【0006】
また、携帯端末を使用している間に、留めたネジが緩んで保護ケースがガタついたり、携帯端末から脱落したりするといった問題も生じている。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、携帯端末に容易に装着することができ、装着後にガタついたり、携帯端末から脱落したりすることのない携帯端末用保護ケースを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、本発明は、携帯端末の外周側面に装着される携帯端末用保護ケースにおいて、結合部を介して互いに結合及び分離が可能な第1部材と第2部材とを備え、前記結合部は、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の部材の両端部にそれぞれ形成される係合凸部と、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の部材の両端部にそれぞれ形成され、前記各係合凸部が挿入可能な係合凹部と、を備え、前記係合凸部には、前記一方の部材の両端部から前記携帯端末の側面に沿って延出する延出部と、該延出部の先端に向かうに従って徐々に外側に隆起する凸曲面部と、が設けられ、前記係合凹部の内面には、前記他方の部材の両端部から奥側に向かうように前記携帯端末の側面に沿って形成される溝部と、該溝部に形成されて該溝部より深い深さを有する凹曲面部と、が設けられ、前記各係合凸部を前記各係合凹部に挿入すると、前記溝部と前記凹曲面部との間に形成された境界突部が前記凸曲面部に当接して該凸曲面部に対して先端方向に力が作用することで、前記第1部材と前記第2部材との結合状態が保持されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る携帯端末用保護ケースにおいて、前記第1部材は前記携帯端末の下側面と左右側面とを覆うように形成され、前記第2部材は前記携帯端末の上側面を覆うように形成され、前記結合部は前記携帯端末の上側左右角部に近接した位置において前記第1部材及び前記第2部材に形成されていても良い。
【0010】
本発明に係る携帯端末用保護ケースにおいて、前記第1部材と前記第2部材の外面には、前記携帯端末の表面の周縁部に向かって傾斜する表側傾斜部と、前記携帯端末の裏面の周縁部に向かって傾斜する裏側傾斜部と、が設けられ、前記表側傾斜部の周端部には、前記携帯端末の表面の周縁部より突出して該周縁部に当接するように形成される表側折り返し部が形成され、前記裏側傾斜部の周端部には、前記携帯端末の裏面の周縁部より突出して該周縁部に当接するように形成される裏側折り返し部が形成されていても良い。
【0011】
本発明に係る携帯端末用保護ケースにおいて、前記裏側傾斜部は前記表側傾斜部より表面積が大きくなるように形成されていても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯端末用保護ケースを携帯端末に容易に装着することができると共に、携帯端末用保護ケースが装着後にガタついたり、携帯端末から脱落したりすることを防止することができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの分離状態を示す正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの分離状態を示す左側面図である。
図4】(a)は本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの右側の結合部の分離状態を示す断面図、(b)は本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの右側の結合部の結合状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースについて説明する。なお、以下の説明では、本発明の携帯端末用保護ケースを、iPhone(登録商標)の保護ケースとして使用した場合について例示して説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースを示す斜視図、図2は本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの分離状態を示す正面図、図3は本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの分離状態を示す左側面図、図4(a)は本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの右側の結合部の分離状態を示す断面図、図4(b)は本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケースの右側の結合部の結合状態を示す断面図である。
【0016】
本発明の一実施形態に係る携帯端末用保護ケース10は、携帯端末(図示省略)の外周側面に装着され、該側面を覆うように縦長ロの字状に形成された、所謂バンパー型の保護ケースである。携帯端末用保護ケース10は、第1部材11と第2部材12とにより構成され、第1部材11と第2部材12は結合部13を介して結合及び分離が可能となっている。携帯端末用保護ケース10は、所定の弾性を有する金属製であり、例えば、アルミニウム製である。
【0017】
第1部材11は、正面視でU字状に形成され、前記携帯端末の下側面を覆うように形成される下側面部11aと、前記携帯端末の左右側面を覆うように形成される左右側面部11b,11cと、を備えている。第1部材11には、前記携帯端子の各種ボタン、スイッチ、及びコネクター端子等のための開口14が形成されている。
【0018】
第2部材12は、前記携帯端末の上側面を覆うように形成される上側面部12aと、上側面部12aの左右端部から下方にそれぞれ屈曲した左右上側面部12b,12cと、を備えている。
【0019】
第1部材11と第2部材12の外面には、前記携帯端末の外周側面に沿って平行に形成される中央帯状部15と、中央帯状部15から前記携帯端末の表面の周縁部に向かって傾斜する表側傾斜部16と、中央帯状部15から前記携帯端末の裏面の周縁部に向かって傾斜する裏側傾斜部17と、が形成されている。また、第1部材11と第2部材12の内面には、前記携帯端末の外周側面に密着可能なように平面部18が形成されている。
【0020】
第1部材11の左右側面部11b,11cの裏側傾斜部17は、第1部材11の左右側面部11b,11cの表側傾斜部16より表面積が大きくなるように形成されている。これにより、携帯端末用保護ケース10を装着した前記携帯端末を把持し易くなる効果を得ることができる。また、第1部材11と第2部材12の表面は、特殊技術で削り出し加工されているため、デザイン性を高めつつ、所定の強度を保持することができる。
【0021】
表側傾斜部16の周端部には、表側折り返し部19が前記携帯端末の表面の周縁部より突出して該周縁部に当接するように形成されている。また、裏側傾斜部17の周端部には、裏側折り返し部20が前記携帯端末の裏面の周縁部より突出して該周縁部に当接するように形成されている。これにより、携帯端末用保護ケース10に装着された前記携帯端末が脱落するのを防止することができる。また、前記携帯端末の表面側の表示画面を保護することができる。さらに、裏側折り返し部20の前記携帯端末の裏面の周縁部からの突出長を前記携帯端末の裏面に設けられるカメラ等の部品の突出長より長くすることにより、前記携帯端末の裏面側の部品を保護することもできる。
【0022】
結合部13は、前記携帯端末の上側左右角部に近接した位置において第1部材11及び第2部材12に形成されている。結合部13は、第1部材11の左右側面部11b,11cの各上端部に形成される係合凸部21と、第2部材12の左右上側面部12b,12cの各下端部に形成される係合凹部22と、により構成されており、係合凸部21はそれぞれ係合凹部22に挿入可能となっている。
【0023】
係合凸部21には、第1部材11の左右側面部11b,11cの各上端部から前記携帯端末の側面に沿って延出する延出部23と、延出部23の先端に向かうに従って徐々に外側に隆起する凸曲面部24と、が設けられている。
【0024】
係合凹部22の内面には、第2部材12の左右上側面部12b,12cの各下端部から上方奥側に向かうように前記携帯端末の側面に沿って形成される溝部25と、溝部25に形成されて該溝部25より深い深さを有する凹曲面部26と、が設けられている。
【0025】
次に、上記した構成を備えた携帯端末用保護ケース10を前記携帯端末に装着する際の保護ケース10の作用について説明する。
【0026】
まず、前記携帯端末の下側面及び左右側面を覆うように第1部材11の下側面部11a及び左右側面部11b,11cを該携帯端末に装着させる。この時、第1部材11は、所定の弾性を有しており、左右側面部11b,11cが前記携帯端末を左右から挟むように密着すると共に、表側折り返し部19及び裏側折り返し部20が前記携帯端末の表面及び裏面の各周縁部に掛かるため、前記携帯端末から脱落する虞はない。
【0027】
次に、図4(a)中の白抜き矢印で示すように、前記携帯端末の上側面を覆うように第2部材12を該携帯端末に装着すると共に、第1部材11の左右の係合凸部21に第2部材12の左右の係合凹部22をそれぞれ挿入させ、図4(b)に示すように、携帯端末用保護ケース10を前記携帯端末に装着させる。
【0028】
図4(b)に示すように、携帯端末用保護ケース10を前記携帯端末に装着させた状態では、係合凸部21の凸曲面部24が係合凹部22の凹曲面部26にピッタリと篏合する手前で、第2部材12の左右上側面部12b,12c(図4では右上側面部のみ図示)の各下端部が第1部材11の左右側面部11b,11c(図4では右側面部のみ図示)の各上端部に当接するため、溝部25と凹曲面部26との間に形成された境界突部27が凸曲面部24に当接した状態となる。
【0029】
これにより、係合凸部21の凸曲面部24に対して、内側に向かう方向(図4(b)中の左向き矢印参照)に力が作用すると共に上方先端方向(図4(b)中の上向き矢印参照)に力が作用するため、第2部材12の左右上側面部12b,12c(図4では右上側面部のみ図示)の各下端部と第1部材11の左右側面部11b,11c(図4では右側面部のみ図示)の各上端部との間に隙間が生じたり、ガタついたりすることなく、第1部材11と第2部材12との結合状態が確実に保持される。
【0030】
一方、携帯端末用保護ケース10を前記携帯端末から取り外す際には、第2部材12を上方に引っ張ると、結合部13(係合凸部21、係合凹部22)の弾性により、係合凸部21と係合凹部22との結合状態が解除されることで、第2部材12を第1部材11から分離させることができる。
【0031】
上記したように、本発明の実施形態によれば、携帯端末用保護ケース10を前記携帯端末に容易に装着することができると共に、携帯端末用保護ケース10が装着後にガタついたり、前記携帯端末から脱落したりすることを防止することができる。
【0032】
なお、上記した実施形態では、第1部材11に係合凸部21を設け、第2部材12に係合凹部22を設けた場合について、例示して説明したが、反対に、第1部材11に係合凹部22を設け、第2部材12に係合凸部21を設けても良い。
【0033】
また、上記した実施形態では、本発明を、iPhone(登録商標)に適用した場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明は、iPhone(登録商標)の他に、Android(登録商標)、iPad(登録商標)、iPod(登録商標)等、スマートフォンや薄型コンピュータ等、他のタイプの携帯端末にも適用可能であることは言う迄もない。
【0034】
さらに、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る携帯端末用保護ケース10における好適な実施形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
10 携帯端末用保護ケース
11 第1部材
12 第2部材
13 結合部
16 表側傾斜部
17 裏側傾斜部
19 表側折り返し部
20 裏側折り返し部
21 係合凸部
22 係合凹部
23 延出部
24 凸曲面部
25 溝部
26 凹曲面部
27 境界突部
図1
図2
図3
図4