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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】発光ダイオード装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20241022BHJP
   H01L 33/42 20100101ALI20241022BHJP
【FI】
H01L33/38
H01L33/42
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023526222
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2021051172
(87)【国際公開番号】W WO2022093431
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】63/107,916
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/193,053
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ディマリア,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,エリック ウィリアム
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-004546(JP,A)
【文献】米国特許第08143636(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0260203(US,A1)
【文献】米国特許第06797987(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0270514(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0284935(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)装置であって、当該LED装置は、
半導体層を含むメサ(mesa)であって、前記半導体層はN型層、活性層、及びP型層まれる、メサと、
該メサの上面にあるパターン化した透明導電性酸化物層であって、(i)該パターン化した透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有する第1の部分と、第2の厚さを有する第2の部分とを有しており、前記第2の厚さは前記第1の厚さよりも小さく且つゼロではない、又は(ii)前記パターン化した透明導電性酸化物層は、前記第1の厚さを有する前記第1の部分と、前記透明導電性酸化物層を貫通する孔形状の第2の部分とを有する、パターン化した透明導電性酸化物層と、
該パターン化した透明導電性酸化物層の上面にある誘電体層であって、該誘電体層は少なくとも1つのビア開口部を含み、該少なくとも1つのビア開口部は、前記パターン化した透明導電性酸化物の前記第1の部分の上面を露出させる底部及び側壁を有する、誘電体層と、
該誘電体層にあり、且つ前記パターン化した透明導電性酸化物層の前記第1の部分と電気的に連通する接点と、を含み、
前記ビア開口部に隣接する前記誘電体層が前記2の部分に重なって位置しており、該隣接する誘電体層の厚さが、該誘電体層の両端よりも前記第2の部分において厚くなる、
LED装置。
【請求項2】
前記第1の厚さは、1nm(ナノメートル)~500nmの範囲にある、請求項1に記載のLED装置。
【請求項3】
前記第1の厚さよりも小さく且つゼロではない前記第2の厚さは、0nmより大きく500nm以下の範囲にある、請求項1に記載のLED装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのビア開口部は、1μm(マイクロメートル)~30μmの範囲の幅を有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項5】
前記第2の部分は、1μm~30μmの範囲の幅を有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項6】
前記誘電体層は、300nmより大きい厚さを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項7】
前記パターン化した透明導電性酸化物層は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項8】
前記接点は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、及び白金(Pt)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項9】
前記誘電体層は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(AlO)、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化タンタル(TaO)のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項10】
発光ダイオード(LED)装置を製造する製造方法であって、当該製造方法は、
半導体表面に透明導電性酸化物層を堆積するステップと、
(i)該透明導電性酸化物層をパターニングして、第1の厚さを有する第1の部分と第2の厚さを有する第2の部分とを有するパターン化した透明導電性酸化物層を形成するステップであって、前記第2の厚さは前記第1の厚さよりも小さく且つゼロではない、ステップ、又は(ii)前記透明導電性酸化物層をパターニングして、前記第1の厚さを有する前記第1の部分と、前記透明導電性酸化物層を貫通する孔形状の第2の部分とを有するパターン化した透明導電性酸化物層を形成するステップと、
該パターン化した透明導電性酸化物層上に誘電体層を堆積するステップと、
該誘電体層にビア開口部を形成するステップと、
前記誘電体層上及び前記ビア開口部内に接点を形成するステップであって、該接点は前記パターン化した透明導電性酸化物層と電気的に連通する、ステップと、を含み、
前記ビア開口部に隣接する前記誘電体層が前記2の部分に重なって位置しており、該隣接する誘電体層の厚さが、該誘電体層の両端よりも前記第2の部分において厚くなる、
製造方法。
【請求項11】
前記第1の厚さは1nm~500nmの範囲にあり、前記第1の厚さよりも小さく且つゼロではない前記第2の厚さは0nmより大きく~500nm以下の範囲にある、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記ビア開口部には少なくとも1つの側壁及び底面があり、前記底面には前記パターン化した透明導電性酸化物層の前記第1の部分の上面が含まれる、請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第2の部分は、2μm~30μmの範囲の幅を有する、請求項10に記載の製造方法。
【請求項14】
前記パターン化した透明導電性酸化物層をドライエッチング処理及び化学処理のうちの1つ又は複数で処理するステップをさらに含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項15】
前記化学処理は、酸素(O)、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、窒素(N)、アルゴン(Ar)、塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、緩衝酸化物エッチング剤、アンモニア(NH)、過酸化水素(H)、及びフォトレジスト剥離用化学物質のうちの1つ又は複数による処理を含む、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記誘電体層の堆積の前に、前記パターン化した透明導電性酸化物層上にフィルムを堆積するステップをさらに含み、該フィルムは、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、窒化ガリウム(GaN)、酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数を含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項17】
前記パターン化した透明導電性酸化物層をアニールするステップをさらに含む、請求項15に記載の製造方法。
【請求項18】
第2の透明導電性酸化物層を堆積するステップと、該第2の透明導電性酸化物層をパターニングするステップとをさらに含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項19】
前記パターン化した透明導電性酸化物層は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項20】
発光ダイオード(LED)装置であって、当該LED装置は、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層はN型層、活性層、及びP型層まれる、メサと、
該メサの上面にあるパターン化した透明導電性酸化物層であって、(i)該パターン化した透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有する第1の部分と第2の厚さを有する第2の部分とを有しており、前記第2の厚さは前記第1の厚さよりも小さく且つゼロではない、又は(ii)前記パターン化した透明導電性酸化物層は、前記第1の厚さを有する前記第1の部分と、前記透明導電性酸化物層を貫通する孔形状の第2の部分とを有しており、前記パターン化した透明導電性酸化物層は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含み、前記第1の厚さは1nm~100nmの範囲であり、前記第1の厚さよりも小さく且つゼロではない前記第2の厚さは0nmより大きく50nm以下の範囲である、パターン化した透明導電性酸化物層と、
該パターン化した透明導電性酸化物層の上面にある誘電体層であって、該誘電体層は少なくとも1つのビア開口部を含み、該ビア開口部は、前記パターン化した透明導電性酸化物層の前記第1の部分の上面を露出させる底部及び側壁を有する、誘電体層と、
該誘電体層にあり、且つ前記パターン化した透明導電性酸化物層の前記第1の部分と電気的に連通する接点と、を含み、
前記ビア開口部に隣接する前記誘電体層が前記2の部分に重なって位置しており、該隣接する誘電体層の厚さが、該誘電体層の両端よりも前記第2の部分において厚くなる、
LED装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、発光ダイオード(LED)装置及びその製造方法に関する。より具体的には、実施形態は、パターン化した透明導電性酸化物層を含む発光ダイオード装置を対象とする。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流が流れると可視光を発する半導体光源である。LEDは、P型半導体とN型半導体を組み合わせたものである。LEDには、通常、III-V族化合物半導体が使用される。III-V族化合物半導体は、他の半導体を使用した装置に比べて高温でも安定して動作する。III-V族化合物は、典型的に、サファイア・アルミニウム酸化物(Al)又は炭化ケイ素(SiC)で形成した基板に形成される。
【0003】
ウェアラブル装置、ヘッドマウントディスプレイ、及び大面積ディスプレイを含む様々な新たに出現するディスプレイ用途は、横寸法が100μm(マイクロメートル)×100μm未満までの高密度のマイクロLED(μLED又はuLED)のアレイで構成される小型チップを必要とする。マイクロLED(uLED)は、典型的に、直径又は幅が約50μm以下の寸法を有しており、赤、青、及び緑の波長を含むマイクロLEDを近接して並べてカラーディスプレイの製造に使用される。
【0004】
より効率的な半導体光電子装置の開発への取組みは、低損失の光学材料及びアーキテクチャの採用によって促進されてきた。典型的に、これらの装置では、電気的接触に関連する光学的性能パラメータと電気的性能パラメータとの間にトレードオフが存在しており、通常、電気的特性が向上すると光損失が増大し、その逆も同様である。透明導電性酸化物は、金属接点に対して光損失を比較的少なくしながら、十分な電流拡散及び電気注入を提供できるため、透明導電性酸化物(TCO)は、半導体発光装置の効率を向上させるために研究されている材料の一種である。これらのTCOの開発には、典型的に、所与の用途に必要な光学的及び電気的特性が得られるように、フィルム厚さ及び材料パラメータの最適化が含まれるが、光学的特性と電気的特性との間のトレードオフは依然としてなくならない。従って、光電子特性を向上させたLED装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、LED装置及びその製造方法を対象とする。第1の態様は、発光ダイオード(LED)装置に関する。このLED装置は、半導体層を含むメサ(mesa)であって、半導体層はN型層、活性層、及びP型層を含む、メサと;メサの上面にあるパターン化した透明導電性酸化物層であって、パターン化した透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有する第1の部分と、第2の厚さを有する第2の部分とを有しており、第2の厚さは第1の厚さよりも小さい、パターン化した透明導電性酸化物層と;パターン化した透明導電性酸化物層の上面にある誘電体層であって、誘電体層は少なくとも1つのビア開口部を含み、少なくとも1つのビア開口部は、パターン化した透明導電性酸化物の第1の部分の上面を露出させる底部及び側壁を有する、誘電体層と;誘電体層にあり、且つパターン化した透明導電性酸化物層の第1の部分と電気的に連通する接点と;を含む。
【0006】
本開示の別の態様は、発光ダイオード(LED)装置を製造する製造方法に関する。この製造方法は、半導体表面に透明導電性酸化物層を堆積するステップと;透明導電性酸化物層をパターニングして、第1の厚さを有する第1の部分と第2の厚さを有する第2の部分とを有するパターン化した透明導電性酸化物層を形成するステップと;パターン化した透明導電性酸化物層上に誘電体層を堆積するステップと;誘電体層にビア開口部を形成するステップと;誘電体層上及びビア開口部内に接点を形成するステップであって、接点はパターン化した透明導電性酸化物層と電気的に連通する、ステップと;を含む。
【0007】
本開示の別の態様は、発光ダイオード(LED)装置に関する。このLED装置は、半導体層を含むメサであって、半導体層はN型層、活性層、及びP型層を含む、メサと;メサの上面にあるパターン化した透明導電性酸化物層であって、パターン化した透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有する第1の部分と第2の厚さを有する第2の部分とを有しており、第2の厚さは第1の厚さよりも小さく、パターン化した透明導電性酸化物層は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含み、第1の厚さは約1nm~約100nmの範囲であり、第2の厚さは約0nm~約50nmの範囲である、パターン化した透明導電性酸化物層と;パターン化した透明導電性酸化物層の上面にある誘電体層であって、誘電体層は少なくとも1つのビア開口部を含み、少なくとも1つのビア開口部は、パターン化した透明導電性酸化物の第1の部分の上面を露出させる底部及び側壁を有する、誘電体層と;誘電体層にあり、且つパターン化した透明導電性酸化物層の第1の部分と電気的に連通する接点と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、そのうちのいくつかが添付図面に示される。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示しており、従って本開示は他の同様に効果的な実施形態を許容し得るため、本開示の範囲を限定するとみなされるものではないことに留意されたい。本明細書に記載の実施形態は、添付図面の図において限定ではなく例として示しており、同様の参照符号は同様の要素を示している。
図1】従来技術によるLED装置の断面図である。
図2】1つ又は複数の実施形態によるLED装置の断面図である。
図3】1つ又は複数の実施形態によるLED装置の断面図である。
図4A】1つ又は複数の実施形態による電流マップを示す図である。
図4B】1つ又は複数の実施形態による電流マップを示す図である。
図4C】1つ又は複数の実施形態による電流マップを示す図である。
図4D】1つ又は複数の実施形態による電流マップを示す図である。
図4E】1つ又は複数の実施形態による電流マップを示す図である。
図4F】1つ又は複数の実施形態による電流マップを示す図である。
図5】1つ又は複数の実施形態による方法のプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、可能であれば、各図に共通する同一の要素を示すために同一の参照符号を使用している。図は一定の縮尺で描いていない。例えば、メサの高さ及び幅は、一定の縮尺で描いていない。
【0010】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の説明に記載した構造又は処理ステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実施することができる。
【0011】
1つ又は複数の実施形態に従って本明細書で使用する「基板」という用語は、プロセスが作用する表面又は表面の一部を有する、中間又は最終の構造を指す。さらに、いくつかの実施形態における基板への言及は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、基板の一部のみを指すこともある。さらに、いくつかの実施形態による基板上への堆積の言及には、裸の基板上、或いは1つ又は複数のフィルム、特徴もしくは材料がその上に堆積又は形成された基板上への堆積が含まれる。
【0012】
1つ又は複数の実施形態において、「基板」は、製造プロセス中にフィルム処理が実行される任意の基板又は基板上に形成された材料表面を意味する。例示的な実施形態では、処理が実行される基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、歪みシリコン、アモルファスシリコン、ドープシリコン、炭素ドープ酸化ケイ素、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア等の材料、及び金属、金属窒化物、III族窒化物(例えば、GaN、AlN、InN及び合金)、金属合金、及び他の導電性材料等の他の任意の適切な材料が含まれる。基板には、発光ダイオード(LED)装置が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施形態における基板は、基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、水酸化、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化及び/又はベーキングするための前処理プロセスに曝される。基板自体の表面上での直接的なフィルム処理に加えて、いくつかの実施形態では、開示するフィルム処理ステップのいずれも、基板に形成された下層でも実行され、「基板表面」という用語は、文脈が示すように、下層等を含むことを意図する。こうして、例えば、フィルム/層又は部分的なフィルム/層が基板表面上に堆積されている場合に、新たに堆積したフィルム/層の露出表面が基板表面となる。
【0013】
用語「ウェハ」及び「基板」は、本開示では交換可能に使用される。こうして、本明細書で使用する場合に、ウェハは、本明細書で説明するLED装置を形成するための基板として機能する。
【0014】
本明細書に記載する実施形態は、LED装置及びLED装置を形成するための方法について説明する。特に、本開示は、LEDにおける発光の効率を高めるための透明導電性酸化物(TCO)層の横方向のパターニングについて説明する。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層を薄くすると、露出領域の抵抗率が増大し、材料を通る光路の減少により発光装置における光吸収が減少する。1つ又は複数の実施形態では、この効果を利用して、効率が低電流密度に関連した非放射再結合によって支配される装置の領域のキャリア密度を増大させ、効率が高電流密度に関連した非放射再結合によって支配される装置の領域のキャリア密度を減少させることができ、エッチング損傷が発生した側壁領域等、非放射再結合が支配的であると知られている領域からキャリアを遠ざける(screen away from)。多くの場合に、透明導電性酸化物(TCO)層の減少によって生じる順方向電圧の上昇は、内部量子効率(IQE)及び光効率の増大によって相殺される。
【0015】
1つ又は複数の実施形態の透明導電性酸化物層には、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、亜鉛ドープ酸化スズが含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
透明導電性酸化物層の横方向のパターニングは、いくつかの実施形態をとることができる。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層は、特定の領域に部分的又は完全に存在しなくてもよい。1つ又は複数の実施形態の改質領域(modified regions)は、周期的な間隔、又はeVia間隔と同様の間隔で配置することができる。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層の改質領域は、電流密度の高い領域から電流密度の低い領域に電流を強制的に流すために不均一に配置する、例えば金属エッジ接点(存在する場合)又は金属の通電ビア(ホール注入又は電気注入)から離れた透明導電性酸化物層の領域に電流を強制的に流すために、ダイのエッジ又はnViaの近くに配置することもできる。
【0017】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層は、物理蒸着プロセス(電子ビーム、イオンアシスト電子ビーム、熱蒸着、及びDC及びRFスパッタリング等)、化学気相成長プロセス(PECVD)、原子層堆積(ALD)プロセス、又はエピタキシャル成長(MOCVD、MBE)を使用してn型又はp型半導体表面に堆積することができる。1つ又は複数の実施形態では、堆積は、サンプル表面のパターニングの前又は後に起こり、所望のパターンを達成するためにエッチング処理又はリフトオフ処理を受けることになる。1つ又は複数の実施形態では、エッチング処理が含まれる場合に、透明導電性酸化物層は、反応性イオン、誘導結合プラズマ、及びイオンビームエッチング等の標準的なドライエッチング処理を使用してエッチングすることができる。エッチングガスとしては、アルゴン(Ar)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、窒素(N)、塩素(Cl)、及び三塩化ホウ素(BCl)等、及びそれらの組合せが挙げられる。1つ又は複数の実施形態では、エッチングマスクには、フォトリソグラフィポリマー、並びに金属及び誘電体のハードマスクが含まれる。
【0018】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層は、反応性又は非反応性エッチング方法(ICP、及びRIE等)、及び様々な反応性ガス(酸素(O)、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、窒素(N))、及び/又は非反応性ガス(アルゴン(Ar))の任意の組合せを含む化学物質を利用できるドライエッチング処理、様々な化学物質(塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、BOE、アンモニウム:過酸化水素(NH:H)、塩酸:過酸化水素(HCl:H)、及び他のフォトレジスト剥離化学物質)の任意の組合せを含むウェット化学処理を含むが、これに限定されない表面処理によって改質することができる。
【0019】
1つ又は複数の実施形態では、処理は、透明導電性酸化物(TCO)層の表面を不動態化する又はその表面の電気的又は光学的特性を改良するための表面処理の後に、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、窒化ガリウム(GaN)、及び/又は酸化亜鉛(ZnO)フィルムの堆積を含むこともできる。透明導電性酸化物(TCO)層は、薄フィルム堆積後に熱アニールしてもしなくてもよい。1つ又は複数の実施形態では、堆積した薄フィルムを、ドライ又はウェットエッチング処理で部分的又は完全に除去して、透明導電性酸化物(TCO)層の表面を再露出させることができる。
【0020】
1つ又は複数の実施形態では、2つ以上の追加の透明導電性酸化物(TCO)層を積み重ねることができ、これらの層を後で部分的又は全体的にパターン化することもできる。パターニングは、追加の層を堆積する前又は後に行ってもよい。
【0021】
図1は、従来技術によるLED装置の断面図である。図1は、従来技術のLED内部の電流拡散及び光生成分布を示す。図1を参照すると、半導体層102が基板(図示せず)上に成長される。透明導電性酸化物層106が、半導体層102の上面にある。誘電体層108が、透明導電性酸化物層106上にある。誘電体層は、少なくとも1つの開口部114を有する。開口部114は、eViaと呼ばれ得る。接点金属110は、誘電体層108の上面にあり、開口部114を充填する。従来技術によれば、電流は、開口部114を通って透明導電性酸化物層106に流れ、そこで横方向に広がる。次に、光は、半導体層102の生成領域104内で生成され、透明導電性酸化物層106の吸収領域112で吸収され得る。
【0022】
図1を参照すると、電気接点の役割は、金属110であれ、透明導電性酸化物層106であれ、光及び非放射再結合損失を最小限に抑えながら、発光装置の半導体層102の活性領域に電流を効率的に注入することである。有限の接触面積、及び接点と半導体と間のキャリア移動度間の大きな不一致等の装置固有の詳細により、半導体全体に広がる横方向電流が不均一になる可能性がある。不均一なキャリア注入は、半導体発光装置の機能にとって有利ではない可能性がある。
【0023】
従って、1つ又は複数の実施形態は、透明導電性酸化物(TCO)層を薄化又は局所的に除去したLED装置を有利に提供する。他の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層の電気的特性は、化学処理によって有利に変更される。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層を局所的に除去又は薄くすることによって、或いは透明導電性酸化物(TCO)層の電気的特性を化学的に変更することによって、所与の用途のための装置性能を最適化するために所望の電気的及び光学的特性を得ることができる。
【0024】
1つ又は複数の実施形態の透明導電性酸化物(TCO)層は、発光ダイオード及びダイオードレーザの電気効率及び光学効率を高めるために使用することができる。いくつかの実施形態では、標準的なLEDダイの場合のように、高い電流動作及び高い内部量子効率を必要とするアプリケーションは、1つ又は複数の実施形態の透明導電性酸化物(TCO)層に特に適している。これらの場合に、発光領域全体を完全に利用することが有利であるが、接点の導電性、1つ又は複数の実施形態の透明導電性酸化物(TCO)層、及び半導体の間のトレードオフにより、発光領域の面積が十分に利用されない場合があり、それによって、それらは、内部量子効率(IQE)のピーク以下で動作するようになる。1つ又は複数の実施形態によれば、透明導電性酸化物(TCO)層の横方向パターニングは、ピーク内部量子効率近くでは動作しないキャリア密度の高い装置領域へのキャリア注入を低減し、電流密度が低い十分に利用されていない領域にキャリアを強制的に押し込むことができ、全体的なIQEが向上する効果がある。全体的な透明導電性酸化物(TCO)層の抵抗の増大によって順方向電圧が高くなる可能性があるが、これは、透明導電性酸化物(TCO)層の厚さ又は面積の減少による光損失の低下によって相殺することができる。1つ又は複数の実施形態では、パターニングは、低い電圧周波数(Vf)を維持しながら光損失を低減するような方法で行うことができる。
【0025】
他の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層は、低電流動作及び高い内部量子効率を必要とする用途に使用することができる。このような用途では、注入される電流が電源によって制限される場合や、装置が装置の寿命を長くするために低電力動作が必要になる場合がある。後者の場合に、そのような装置からの熱の抽出は、サイズ又はパッケージングの制約により制限される可能性がある。このような場合に、LEDは、ショックレー・リード・ホール(Shockley Read Hall)再結合等の非放射再結合プロセスが支配的な低電流領域で動作している可能性がある。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層及び/又は金属接点の横方向パターニングは、所与の注入電流に対する電流密度を増大させて、そのような装置の内部量子効率を高めることができ、それによってトラップ状態の再結合が放射再結合によって起こり、装置はピークIQEに近い値で動作する。
【0026】
いくつかの実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層は、高い内部量子効率を必要とするが、非放射再結合が多い既知の領域を有する用途に使用することができる。一例として、側壁にエッチング損傷があり、ダイオードの横面積に比べて側壁面積が大きいマイクロLED(μLED)の場合が挙げられる。これらの側壁での非放射再結合は、LEDの中心よりも多くなり、内部量子効率に悪影響を及ぼす。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層/接点がこれらの領域から除去されるか、又はその抵抗率がこれらの領域で増大するようにパターニングすることによって、これらの低効率領域へのキャリア注入(及びキャリア相互作用)を低減又は排除することによって、内部量子効率を改善することができる。
【0027】
図2は、1つ又は複数の実施形態によるLED装置の断面図である。図2を参照すると、半導体層202が基板(図示せず)上に成長される。半導体層202は、エピタキシャル層、III族窒化物層、又はエピタキシャルIII族窒化物層を含んでもよい。1つ又は複数の実施形態では、半導体層は、少なくとも1μmの厚さを有するエピタキシャル半導体層である。
【0028】
基板は、当業者に既知の任意の基板であってよい。1つ又は複数の実施形態では、基板は、サファイア、炭化ケイ素、シリコン(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、及びスピネル等のうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の実施形態では、基板は、エピ層の成長前にパターン化されない。こうして、いくつかの実施形態では、基板は、パターン化されておらず、平坦又は実質的に平坦であると見なすことができる。他の実施形態では、基板は、パターン化され、例えばパターン化したサファイア基板(PSS)である。
【0029】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層202は、III族窒化物材料を含み、特定の実施形態では、エピタキシャルIII族窒化物材料を含む。いくつかの実施形態では、III族窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、及びインジウム(In)のうちの1つ又は複数を含む。こうして、いくつかの実施形態では、半導体層202は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、及び窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)等のうちの1つ又は複数を含む。1つ又は複数の特定の実施形態では、半導体層102は、P型層、活性領域、及びN型層を含む。特定の実施形態では、LEDのN型層及びP型層は、nドープ及びpドープのGaNを含む。
【0030】
1つ又は複数の実施形態では、LEDを形成するIII族窒化物材料の層は、スパッタ堆積、原子層堆積(ALD)、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)、及びプラズマ強化化学気相成長(PECVD)のうちの1つ又は複数によって堆積される。他の実施形態では、基板は、LED装置層をエピタキシして半導体層202を成長させるための有機金属気相エピタキシ(MOVPE)反応器内に配置される。
【0031】
本明細書で使用する「スパッタ堆積」は、スパッタリングによる薄フィルム堆積の物理蒸着(PVD)方法を指す。スパッタ堆積では、材料、例えばIII族窒化物は、ソースであるターゲットから基板上に放出される。この技術は、ソース材料であるターゲットへのイオン衝撃に基づいている。イオン衝撃では、純粋に物理的なプロセス、つまりターゲット材料のスパッタリングにより蒸気が発生する。
【0032】
本明細書の一部の実施形態に従って使用する場合に、「原子層堆積」(ALD)又は「周期堆積」は、基板表面上に薄フィルムを堆積するために使用される気相技術を指す。ALDのプロセスでは、基板の表面又は基板の一部を交互の前駆体、つまり2つ以上の反応性化合物に曝露して、基板表面に材料の層を堆積する。基板が交互の前駆体に曝露されるときに、前駆体は順次又は同時に導入される。前駆体は処理チャンバの反応ゾーンに導入され、基板又は基板の一部が前駆体に別々に曝露される。
【0033】
いくつかの実施形態に従って本明細書で使用する場合に、「化学蒸着」は、基板表面上の化学物質の分解によって材料のフィルムが気相から蒸着されるプロセスを指す。CVDでは、基板表面は、前駆体及び/又は共試薬に同時又は実質的に同時に暴露される。本明細書で使用する場合に、「実質的に同時に」とは、共流、又は前駆体の露光の大部分が重複する場合のいずれかを指す。
【0034】
いくつかの実施形態に従って本明細書で使用する場合に、「プラズマ強化原子層堆積(PEALD)」は、基板上に薄フィルムを堆積するための技術を指す。熱ALD処理と比較したPEALD処理のいくつかの例では、材料は、同じ化学前駆体から形成されるが、より高い堆積速度及びより低い温度で形成され得る。PEALD処理では、一般に、反応ガス及び反応プラズマが、チャンバ内に基板がある処理チャンバに順次導入される。第1の反応ガスは、処理チャンバ内でパルス的に送られ、基板表面に吸着される。その後、反応プラズマは、処理チャンバ内にパルス的に送られ、第1の反応ガスと反応して堆積材料、例えば基板上の薄フィルムを形成する。熱ALD処理と同様に、各反応物の供給の間にパージステップを実行してもよい。
【0035】
1つ又は複数の実施形態に従って本明細書で使用する場合に、「プラズマ化学蒸着(PECVD)」は、基板上に薄フィルムを堆積するための技術を指す。PECVD処理では、キャリアガスに同伴された気相III族窒化物材料又は液相III族窒化物材料の蒸気等、気相又は液相のソース材料が、PECVDチャンバ内に導入される。プラズマ開始ガスもチャンバ内に導入される。チャンバ内でプラズマが生成されると、励起されたラジカルが生成される。励起されたラジカルは、チャンバ内に位置付けされた基板の表面に化学的に結合し、その上に所望のフィルムを形成する。
【0036】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層202は、未ドープのIII族窒化物材料とドープ済みIII族窒化物材料とのスタックを含む。III族窒化物材料は、P型又はN型のIII族窒化物材料が必要かどうかに応じて、シリコン(Si)、酸素(O)、ホウ素(B)、リン(P)、ゲルマニウム(Ge)、マンガン(Mn)、又はマグネシウム(Mg)のうちの1つ又は複数をドープすることができる。特定の実施形態では、半導体層202は、N型層、活性層、及びP型層を含む。
【0037】
1つ又は複数の実施形態では、半導体層202は、約1μm~約10μの範囲の結合厚さを含み、この範囲は、約1μm~約9μm、1μm~約8μm、1μm~約7μm、1μm~約6μm、1μm~約5μm、1μm~約4μm、1μm~約3μm、2μm~約10μmの範囲を含み、約2μm~約9μm、2μm~約8μm、2μm~約7μm、2μm~約6μm、2μm~約5μm、2μm~約4μm、2μm~約3μm、3μm~約10μm、3μm~約9μm、3μm~約8μm、3μm~約7μm、3μm~約6μm、3μm~約5μm、3μm~約4μm、4μm~約10μm、4μm~約9μm、4μm~約8μm、4μm~約7μm、4μm~約6μm、4μm~約5μm、5μm~約10μm、5μm~約9μm、5μm~約8μm、5μm~約7μm、5μm~約6μm、6μm~約10μm、6μm~約9μm、6μm~約8μm、6μm~約7μm、7μm~約10μm、7μm~約9μm、又は7μm~約8μmの範囲を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、図示していないが、半導体層202をエッチングして、メサが形成される。メサは、上面と少なくとも1つの側壁とを有することができる。少なくとも1つの側壁は、底面を有するトレンチを規定することができる。1つ又は複数の実施形態では、トレンチは、メサを形成する半導体層202の上面から約0.5μm~約2μmの範囲の深さを有する。
【0039】
図2を参照すると、透明導電性酸化物層206は、半導体層202の上面にある。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層206はメサの上面にあり、メサは半導体層202を含む。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層206はパターン化される。本明細書で使用する場合に、「パターン化した」という用語は、表面の特徴密度を高めることを指す。
【0040】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層206は、ある領域で薄化又は除去される。いくつかの実施形態では、透明導電性酸化物層206は、低電流密度領域でより薄化されるか、又は部分的に除去され、こうして、薄化した領域での光損失が低減される。他の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層206の電気的特性は、化学処理によって変更される。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層206は、第1の厚さtを有する第1の部分216と、第2の厚さtを有する第2の部分212とを有する。1つ又は複数の実施形態では、第2の厚さtは第1の厚さtより小さい。
【0041】
1つ又は複数の実施形態では、第1の厚さtは、約1nm~約500nmの範囲であり、この範囲は、約5nm~約500nmの範囲、約10nm~約500nmの範囲、約10nm~約400nmの範囲、約100nm~約500nmの範囲の範囲を含む。
【0042】
1つ又は複数の実施形態では、第2の厚さtは、約0nm~約500nmの範囲であり、この範囲は、約0nm~約400nmの範囲、約0nm~約300nmの範囲、約0nm~約200nmの範囲、約0nm~約100nmの範囲、及び約0nm~約50nmの範囲を含む。いくつかの実施形態では、第2の部分212は、約1μm~約30μmの範囲、又は約1μm~約25μmの範囲、又は約1μm~20μmの範囲の幅を有する。いくつかの実施形態では、第2の部分212の幅は、開口部214の幅(すなわち、eViaの幅)に等しい。
【0043】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層206は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含む。
【0044】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層206は、化学的又は物理的に改質することができる。いくつかの実施形態では、そのような化学的及び物理的改質技術には、反応性又は非反応性エッチング方法(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)、及び反応性イオンエッチング(RIE)等)及び(様々な活性酸素(O)、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、窒素(N)及び/又は非反応性(アルゴン(Ar))ガスの任意の組合せを含む)化学物質を利用できるドライエッチング処理等、様々な化学物質(塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、BOE、アンモニウム:過酸化水素(NH:H)、塩酸:過酸化水素(HCl:H)、及び他のフォトレジスト剥離化学物質)の任意の組合せを含むウェット化学処理等の処理が含まれる。
【0045】
1つ又は複数の実施形態では、処理は、透明導電性酸化物(TCO)表面を不動態化する又はその表面の電気的又は光学的特性を改良するための表面処理の後に、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、窒化ガリウム(GaN)、及び酸化亜鉛(ZnO)フィルムの堆積を含むこともできる。透明導電性酸化物(TCO)は、薄フィルム堆積後に熱アニールしてもしなくてもよい。薄フィルムの堆積を、ドライ又はウェットエッチング処理で部分的又は完全に除去して、透明導電性酸化物(TCO)表面を再露出させることができる。
【0046】
1つ又は複数の実施形態では、誘電体層208が透明導電性酸化物層206上にある。誘電体層208は少なくとも1つの開口部214を有する。いくつかの実施形態では、開口部214はeViaと呼ばれ得る。1つ又は複数の実施形態では、開口部214は、約1μm~約30μmの範囲、又は約1μm~約25μmの範囲、又は約1μm~約20μmの範囲の幅を有する。
【0047】
1つ又は複数の実施形態では、誘電体層は、約300nmより大きい、又は約500nmより大きい、又は約1000nmより大きい厚さを有する。本明細書で使用する場合に、「誘電体」という用語は、印加した電場によって分極され得る電気絶縁体材料を指す。1つ又は複数の実施形態では、誘電性材料は、当業者に既知の任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘電性材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiO)、及びハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO)のうちの1つ又は複数を含む。「酸化ケイ素」という用語は誘電体層208を説明するために使用することがあるが、当業者であれば、本開示が特定の化学量論に限定されないことを認識するだろう。例えば、「酸化ケイ素」及び「二酸化ケイ素」という用語は両方とも、任意の適切な化学量論比でケイ素原子及び酸素原子を有する材料を記述するために使用され得る。
【0048】
1つ又は複数の実施形態では、接点金属210が、誘電体層206の上面にあり、開口部214を充填する。1つ又は複数の実施形態では、接点金属210は、当業者に既知の任意の適切な材料を含むことができる。1つ又は複数の実施形態では、接点金属210は、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及びパラジウム(Pd)のうちの1つ又は複数から選択されるp接点材料を含む。いくつかの実施形態では、追加の金属を接着促進剤としてp接点に少量添加することができる。このような接着促進剤には、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)のうちの1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、限定するものではないが、酸化インジウムスズ(ITO)及び酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物(TCO)をp接点材料として使用することができる。他の実施形態では、接点金属210は、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)のうちの1つ又は複数から選択されるn接点材料を含む。1つ又は複数の実施形態では、接触金属210は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、及び白金(Pt)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む。
【0049】
1つ又は複数の実施形態では、電流が、開口部214を通って流れ、第2の部分212が薄いため、吸収されることなく透明導電性酸化物層206を通過する。1つ又は複数の実施形態では、次に、光が、半導体層202の生成領域204で生成される。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層206の第2の部分212において光損失が低減される。
【0050】
図3を参照すると、透明導電性酸化物層306は、半導体層302の上面にある。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層306はメサの上面にあり、メサは半導体層302を含む。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層306は、パターン化される。
【0051】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層306は、ある領域で除去される。いくつかの実施形態では、透明導電性酸化物層306は、低電流密度領域から完全に除去され、こうして、除去した領域における光損失がなくなる。他の実施形態では、透明導電性酸化物(TCO)層306の電気的特性は、化学処理によって変更される。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層306は、厚さtを有する第1の部分316と、第2の部分312とを有する。1つ又は複数の実施形態では、第2の部分312は、透明導電性層酸化物(TCO)層306が存在しないギャップ又は領域を含む。従って、いくつかの実施形態では、誘電体層308は、半導体層302の上面と接触している。
【0052】
1つ又は複数の実施形態では、厚さtは、約1nm~約500nmの範囲であり、この範囲は、約5nm~約500nmの範囲、約10nm~約500nm、約10nm~約400nmの範囲、約100nm~約500nmの範囲の範囲を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、第2の部分312(すなわちギャップ)は、約1μm~約30μmの範囲、又は約1μm~約25μmの範囲、又は約1μm~約20μmの範囲の幅を有する。いくつかの実施形態では、第2の部分212の幅は、開口部314の幅(すなわち、eViaの幅)に等しい。
【0054】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層306は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含む。
【0055】
1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層306は、化学的又は物理的に改質することができる。いくつかの実施形態では、そのような化学的及び物理的改質技術には、反応性又は非反応性エッチング方法(例えば、誘導結合プラズマ(ICP)、及び反応性イオンエッチング(RIE)等)及び(様々な活性酸素(O)、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、窒素(N)及び/又は非反応性(アルゴン(Ar)ガスの任意の組合せを含む)化学物質を利用できるドライエッチング処理等、様々な化学物質(塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、BOE、アンモニウム:過酸化水素(NH:H)、塩酸:過酸化水素(HCl:H)、及び他のフォトレジスト化学物質)の組合せを含むウェット化学処理等の処理が含まれる。
【0056】
1つ又は複数の実施形態では、処理は、透明導電性酸化物(TCO)表面を不動態化する又はその表面の電気的又は光学的特性を改良するための表面処理の後に、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、窒化ガリウム(GaN)、及び酸化亜鉛(ZnO)フィルムの堆積を含むこともできる。透明導電性酸化物(TCO)は、薄フィルム堆積後に熱アニールしてもしなくてもよい。薄フィルムの堆積を、ドライ又はウェットエッチング処理で部分的又は完全に除去して、透明導電性酸化物(TCO)表面を再露出させることができる。
【0057】
1つ又は複数の実施形態では、誘電体層308は、透明導電性酸化物層306上にある。誘電体層308は、少なくとも1つの開口部314を有する。いくつかの実施形態では、開口部314はeViaと呼ばれ得る。1つ又は複数の実施形態では、開口部314は、約1μm~約30μmの範囲、又は約1μm~約25μmの範囲、又は約1μm~約20μmの範囲の幅を有する。
【0058】
1つ又は複数の実施形態では、誘電体層308は、約300nmより大きい、又は約500nmより大きい、又は約1000nmより大きい厚さを有する。1つ又は複数の実施形態では、誘電体層308は、当業者に既知の任意の適切な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘電体層308は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaO)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ケイ素(SiO)、ハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO)のうちの1つ又は複数を含む。
【0059】
1つ又は複数の実施形態では、接点金属310が、誘電体層308の上面にあり、開口部314を充填する。1つ又は複数の実施形態では、接点金属310は、当業者に既知の任意の適切な材料を含むことができる。1つ又は複数の実施形態では、接点金属310は、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、及びパラジウム(Pd)のうちの1つ又は複数から選択されるp接点材料を含む。いくつかの実施形態では、追加の金属を接着促進剤としてp接点に少量添加することができる。このような接着促進剤には、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)のうちの1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、限定するものではないが、酸化インジウムスズ(ITO)及び酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物(TCO)をp接点材料として使用することができる。他の実施形態では、接点金属310は、銅(Cu)及びアルミニウム(Al)のうちの1つ又は複数から選択されるn接点材料を含む。1つ又は複数の実施形態では、接触金属310は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、及び白金(Pt)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む。
【0060】
1つ又は複数の実施形態では、電流が、開口部314を通って流れ、第2の部分312がないため、吸収されることなく透明導電性酸化物層306を通過する。1つ又は複数の実施形態では、次に、光が、半導体層302の複数の生成領域304a、304bで生成される。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物層306が第2の部分312において除去され/存在しないため、透明導電性酸化物層306の第2の部分312において光損失がなくなる。
【0061】
図4A図4Fは、1つ又は複数の実施形態による電流マップを示す。図4Aを参照すると、装置400は、1つ又は複数のN型接点402及び1つ又は複数のP型接点404、並びに最適でない低電流領域406及び最適でない高電流領域408を有する。本明細書で使用する場合に、「最適でない」という用語は、最大値に近くない値を有するローカル(local)IQEを指す。IQE値は、下にある発光領域に注入される局所的電流密度に依存し、これはTCO電流密度と強く相関する。最大IQEは、典型的に、ある中程度の電流密度で発生し、電流密度が低くなるほど、また高くなると減少する。1つ又は複数の実施形態のパターン化した透明導電性酸化物(TCO)層を使用する場合に、高電流領域及び低電流領域が、IQEが最大化される中程度の電流領域になるように電流領域を変調することができる。
【0062】
例えば、図4Bを参照すると、最適な中程度の電流領域410と透明導電性酸化物改質領域412とが存在し得る。透明導電性酸化物改質領域412は、還元されるか、除去されるか、又は化学的改質によってより低い導電率及びより低い光吸収を有する透明導電性酸化物層を有し得る。これは、発光領域の同じ電気特性及びIQE特性を維持しながら、除去又は改質したTCOの量に関連する光損失を低減する効果があり、それにより装置効率が向上する。
【0063】
図4Cを参照すると、最適な中程度の電流領域414と最適でない低電流領域416とが存在し得る。1つ又は複数の実施形態のパターン化した透明導電性酸化物(TCO)層を使用するときに、図4Dを参照すると、最適な電流密度の透明導電性酸化物(TCO)領域418とパターン化した透明領域420とが存在する。この例では、TCO層を主に改質して、装置の電気的性能への影響又は発光領域のIQEへの影響を最小限に抑えながら、改質したTCOに関連する光損失を低減する。
【0064】
図4E及び図4Fを参照すると、界面420におけるキャリア相互作用により量子効率が低下しており、領域422は低効率領域である。1つ又は複数の実施形態のパターン化した透明導電性酸化物(TCO)層を使用するときに、図4Fを参照すると、キャリア相互作用が生じないパターン化した透明導電性酸化物(TCO)領域424が存在する。これは、キャリアがこの領域と相互作用するのを防ぐことにより装置全体の効率を向上させ、TCOの除去量に関連する光損失を低減する効果がある。
【0065】
図5は、1つ又は複数の実施形態によるLED装置を製造する製造方法のプロセスフロー図を示す。1つ又は複数の実施形態では、発光ダイオード(LED)装置を製造する製造方法は、半導体層を基板に堆積又は成長させる動作502で始まる。動作504では、上面及び少なくとも1つの側壁を有する少なくとも1つのメサを形成するために半導体層がエッチングされる。いくつかの実施形態では、側壁は、深さ及び底面を有するトレンチを規定することができる。動作506では、透明導電性酸化物層が半導体表面に堆積される。1つ又は複数の実施形態では、動作508では、透明導電性酸化物層をパターン化して、第1の厚さを有する第1の部分と第2の厚さを有する第2の部分とを有するパターン化した透明導電性層を形成する。1つ又は複数の実施形態では、第1の厚さは約1nm~約500nmの範囲にあり、第2の厚さは約0nm~約500nmの範囲にある。
【0066】
動作510では、パターン化した透明導電層に誘電体層が堆積される。動作512では、誘電体層にビア開口部が形成される。1つ又は複数の実施形態では、ビア開口部には少なくとも1つの側壁及び底面があり、底面は、パターン化した透明導電層の第1の部分の上面を含む。1つ又は複数の実施形態では、透明導電性酸化物の第2の部分は、約2μm~約30μmの範囲の幅を有する。
【0067】
動作514では、接点が、誘電体層上及びビア開口部内に形成される。1つ又は複数の実施形態では、接点は、パターン化した透明導電性酸化物層と電気的に連通している。
【0068】
いくつかの実施形態では、方法500は、パターン化した透明導電性酸化物層をドライエッチング処理及び化学処理のうちの1つ又は複数で処理するステップをさらに含む。1つ又は複数の実施形態では、化学処理は、酸素(O)、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、窒素(N)、アルゴン(Ar)、塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、緩衝酸化物エッチング剤、アンモニア(NH)、過酸化水素
(H)、及びフォトレジスト剥離用化学物質のうちの1つ又は複数を用いた処理を含む。
【0069】
1つ又は複数の実施形態では、方法500は、誘電体層の堆積前に、パターン化した透明導電性酸化物層上にフィルムを堆積するステップをさらに含み、フィルムは、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、窒化ガリウム(GaN)、及び酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、パターン化した透明導電性酸化物層をアニールしてもよい。他の実施形態では、第2の透明導電性酸化物層が透明導電性酸化物層上に堆積され、第2の透明導電性酸化物層がパターン化される。
【0070】
本開示の別の態様は、電子システムに関する。1つ又は複数の実施形態では、電子システムは、本明細書に記載のLED装置及びアレイと、1つ又は複数のp接点層に独立した電圧を供給するように構成されたドライバ回路とを含む。1つ又は複数の実施形態では、電子システムは、LEDベースの照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、及びマイクロLEDディスプレイから構成されるグループから選択される。
【0071】
実施形態
様々な実施形態を以下に列挙する。以下に列挙する実施形態は、本発明の範囲に従って全ての態様及び他の実施形態と組み合わせることができることが理解されよう。
【0072】
実施形態(a)
発光ダイオード(LED)装置であって、このLED装置は、半導体層を含むメサであって、半導体層はN型層、活性層、及びP型層を含む、メサと;メサの上面にあるパターン化した透明導電性酸化物層であって、パターン化した透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有する第1の部分と、第2の厚さを有する第2の部分とを有しており、第2の厚さは第1の厚さよりも小さい、パターン化した透明導電性酸化物層と;パターン化した透明導電性酸化物層の上面にある誘電体層であって、誘電体層は少なくとも1つのビア開口部を含み、少なくとも1つのビア開口部は、パターン化した透明導電性酸化物の第1の部分の上面を露出させる底部及び側壁を有する、誘電体層と;誘電体層にあり、パターン化した透明導電性酸化物層の第1の部分と電気的に連通する接点と;を含む。
【0073】
実施形態(b)
第1の厚さは、約1nm~約500nmの範囲にある、実施形態(a)のLED装置。
【0074】
実施形態(c)
第2の厚さは、約0nm~約500nmの範囲にある、実施形態(a)~(b)のLED装置。
【0075】
実施形態(d)
少なくとも1つのビア開口部は、約1μm~約30μmの範囲の幅を有する、実施形態(a)~(c)のLED装置。
【0076】
実施形態(e)
第2の部分は、約1μm~約30μmの範囲の幅を有する、実施形態(a)~(d)のLED装置。
【0077】
実施形態(f)
誘電体層は、約300nmより大きい厚さを有する、実施形態(a)~(e)のLED装置。
【0078】
実施形態(g)
パターン化した透明導電性酸化物層は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含む、実施形態(a)~(f)のLED装置。
【0079】
実施形態(g)
接点は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、及びプラチナ(Pt)のうちの1つ又は複数から選択される材料を含む、実施形態(a)~(f)のLED装置。
【0080】
実施形態(h)
誘電体層は、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(AlO)、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(NbO)、酸化タンタル(TaO)のうちの1つ又は複数を含む、実施形態(a)~(g)のLED装置。
【0081】
実施形態(i)
発光ダイオード(LED)装置を製造する製造方法であって、この製造方法は、半導体表面に透明導電性酸化物層を堆積するステップと;透明導電性酸化物層をパターニングして、第1の厚さを有する第1の部分と第2の厚さを有する第2の部分とを有するパターン化した透明導電性酸化物層を形成するステップと;パターン化した透明導電性酸化物層上に誘電体層を堆積するステップと;誘電体層にビア開口部を形成するステップと;誘電体層上及びビア開口部内に接点を形成するステップであって、この接点はパターン化した透明導電性酸化物層と電気的に連通する、ステップと;を含む。
【0082】
実施形態(j)
第1の厚さは約1nm~約500nmの範囲にあり、第2の厚さは約0nm~約500nmの範囲にある、実施形態(i)の製造方法。
【0083】
実施形態(k)
ビア開口部には少なくとも1つの側壁及び底面があり、底面にはパターン化した透明導電性酸化物層の第1の部分の上面が含まれる、実施形態(i)~(j)の製造方法。
【0084】
実施形態(l)
第2の部分は、約2μm~約30μmの範囲の幅を有する、実施形態(i)~(k)に記載の製造方法。
【0085】
実施形態(m)
パターン化した透明導電性酸化物層をドライエッチング処理及び化学処理のうちの1つ又は複数で処理するステップをさらに含む、実施形態(i)~(l)に記載の製造方法。
【0086】
実施形態(n)
化学処理は、酸素(O)、塩素(Cl)、三塩化ホウ素(BCl)、六フッ化硫黄(SF)、フルオロホルム(CHF)、窒素(N)、アルゴン(Ar)、塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、緩衝酸化物エッチング剤、アンモニア(NH)、過酸化水素(H)、及びフォトレジスト剥離用化学物質のうちの1つ又は複数による処理を含む、実施形態(i)~(m)に記載の製造方法。
【0087】
実施形態(o)
誘電体層の堆積の前に、パターン化した透明導電性酸化物層上にフィルムを堆積するステップをさらに含み、フィルムは、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)、窒化ガリウム(GaN)、酸化亜鉛(ZnO)のうちの1つ又は複数を含む、実施形態(i)~(n)に記載の製造方法。
【0088】
実施形態(p)
パターン化した透明導電性酸化物層をアニールするステップをさらに含む、実施形態(i)~(o)に記載の製造方法。
【0089】
実施形態(q)
第2の透明導電性酸化物層を堆積するステップと、第2の透明導電性酸化物層をパターニングするステップとをさらに含む、実施形態(i)~(p)に記載の製造方法。
【0090】
実施形態(r)
パターン化した透明導電性酸化物層は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含む、実施形態(i)~(q)に記載の製造方法。
【0091】
実施形態(s)
発光ダイオード(LED)装置であって、このLED装置は、半導体層を含むメサであって、半導体層はN型層、活性層、及びP型層を含む、メサと;メサの上面にあるパターン化した透明導電性酸化物層であって、パターン化した透明導電性酸化物層は、第1の厚さを有する第1の部分と第2の厚さを有する第2の部分とを有しており、第2の厚さは第1の厚さよりも小さく、パターン化した透明導電性酸化物層は、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化銅アルミニウム、酸化ストロンチウム銅、ガドリニウムドープ酸化亜鉛、及び亜鉛ドープ酸化スズのうちの1つ又は複数を含み、第1の厚さは約1nm~約100nmの範囲であり、第2の厚さは約0nm~約50nmの範囲である、パターン化した透明導電性酸化物層と;パターン化した透明導電性酸化物層の上面にある誘電体層であって、誘電体層は少なくとも1つのビア開口部を含み、ビア開口部は、パターン化した透明導電性酸化物層の第1の部分の上面を露出させる底部及び側壁を有する、誘電体層と;誘電体層にあり、且つパターン化した透明導電性酸化物層の第1の部分と電気的に連通する接点と;を含む。
【0092】
本明細書で議論する材料及び方法を説明する文脈(特に、特許請求の範囲の文脈)における用語「1つの、ある(a,an)」及び「その(the)」及び同様の指示語の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形との両方を包含すると解釈すべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の記載がない限り、その範囲内にあるそれぞれの個別の値を個別に参照する簡略的な方法として機能することを単に意図しており、個別の各値は、あたかも本明細書に個別に記載されているかのように明細書に組み込まれる。本明細書で説明した全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供するあらゆる例、又は例示的な表現(例えば、「等」)の使用は、単に材料及び方法をよりよく理解することを目的としており、別段の請求がない限り、範囲に制限を課すものではない。本明細書のいかなる文言も、開示した材料及び方法の実施に必須であるとして請求していない要素を示すものとして解釈すべきではない。
【0093】
本明細書全体を通じて、第1、第2、第3等の用語への言及は、本明細書では様々な要素を説明するために使用することができ、これらの要素はこれらの用語によって限定すべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するために使用され得る。
【0094】
本明細書を通じて、層、領域、又は基板が別の要素「上に」ある、又は別の要素「上に」延びていると言及することは、その層、領域、又は基板が他の要素上に直接存在するか、又はその上に直接延び得るか、又は介在要素も存在し得ることを意味する。要素が別の要素の「直接上に」ある、又は別の要素に「直接」延びていると言及する場合に、介在する要素が存在しないことがある。さらに、ある要素が別の要素に「接続される」又は「結合される」と言及する場合に、その要素は、他の要素に直接接続又は結合してもよく、及び/又は1つ又は複数の介在要素を介して他の要素に接続又は結合してもよい。ある要素が別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されると言及する場合に、その要素と他の要素との間に介在要素が存在しないことを意味する。これらの用語は、図に示された任意の向きに加えて、要素の異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0095】
「~の下」、「~の上」、「上」、「下」、「水平」又は「垂直」等の相対的な用語は、本明細書では、図に示されるように、ある要素、層、又は領域と別の要素、層、又は領域との関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図に示した向きに加えて、装置の異なる向きを包含することを意図していることが理解されよう。
【0096】
本明細書全体を通じて、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ又は複数の実施形態」、又は「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。こうして、本明細書全体の様々な場所に現れる「1つ又は複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、又は「実施形態では」等の語句は、必ずしも本開示の同じ実施形態を指しているわけではない。1つ又は複数の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な方法で組み合わされる。
【0097】
本開示は特定の実施形態を参照して説明しているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途を単に例示するものであることを理解されたい。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び機器に対して様々な修正及び変形を行うことができることは、当業者には明らかだろう。こうして、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある修正及び変形を含むことを意図している。

図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5