(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電極組立体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20241022BHJP
H01M 10/0583 20100101ALI20241022BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20241022BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
H01M10/0585
(21)【出願番号】P 2023541891
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 KR2022010001
(87)【国際公開番号】W WO2023282715
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2023-07-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090592
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090600
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090601
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン、セ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ベオムス
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ナム
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒーヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ドン ヒュク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン ミュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ジェ ハン
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0023853(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0023854(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0034944(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0094325(KR,A)
【文献】特開2012-033275(JP,A)
【文献】特表2015-531989(JP,A)
【文献】特表2022-546692(JP,A)
【文献】米国特許第5916515(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 10/058-10/0585
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層軸に沿って積層された複数の電極とそれぞれの電極との間に位置した個別の分離膜部を含む電極積層物を組み立てる段階;
前記電極積層物を組み立てた後、前記電極積層物に対して前記電極積層物を加熱および加圧する段階を含む第1次ヒートプレス(Heat Press)動作を行う段階;
前記第1次ヒートプレス動作後、前記電極積層物にプレヒーティング動作を行う段階;および
前記プレヒーティング動作後、前記電極積層物に対して前記電極積層物を加熱および加圧する段階を含む第2次ヒートプレス(Heat Press)動作を行う段階;を含み、
前記プレヒーティング動作を行う段階は、0.5MPa~2MPaの圧力条件、50℃~85℃の温度条件で10秒~40秒間加熱および加圧することを含み、
前記プレヒーティング動作に適用される圧力条件は、第1次および第2次ヒートプレス動作において適用される圧力よりも低い圧力を適用する、電極組立体の製造方法。
【請求項2】
前記第1次ヒートプレス動作は、前記電極積層物の位置を固定するために前記電極積層物をグリッパーと結合させる段階および前記グリッパーが前記電極積層物と結合した状態で前記電極積層物を加熱および加圧する、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項3】
前記プレヒーティング動作を行う前に、前記電極積層物から前記グリッパーを分離する段階を含む、請求項2に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項4】
前記分離膜部は長い分離膜シートの部分であり、前記電極積層物を組み立てる段階は、長い分離膜シート上に前記電極のうち第1電極および第2電極を交互に積層する段階を含み、前記長い分離膜シートは、前記第1電極および前記第2電極のうち、後続の電極が積層される前に、予め積層された前記第1電極および前記第2電極上に順次フォールディング(folding)される、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項5】
電極積層物を組み立てる段階は、
(1)前記長い分離膜シートをスタックテーブルに位置させる段階;
(2)前記長い分離膜シートの上面に前記第1電極のうち一つを積層する段階;
(3)前記第1電極のうち一つの上面を前記長い分離膜シートで覆いながら前記スタックテーブルを回転させる段階;および
(4)前記第1電極のうち一つの上面を覆う分離膜シートの延長された部分に前記第2電極のうち一つを積層する段階;を含み、
前記(1)~(4)の段階を1回以上繰り返す、請求項4に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項6】
カメラを用いて前記第1電極および前記第2電極の積層状態を検査する段階をさらに含む、請求項4に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項7】
前記第1次ヒートプレス動作は、45℃~75℃の温度条件および1Mpa~2.5Mpaの圧力条件下で5秒~20秒間前記電極積層物を加熱および加圧する段階を含む、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項8】
前記第2ヒートプレス動作は、50℃~85℃の温度条件および1Mpa~2.5Mpaの圧力条件下で5秒~10秒間、前記電極積層物を加熱および加圧する段階を含む、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項9】
前記第1次ヒートプレス動作および前記第2次ヒートプレス動作は、いずれも積層軸に沿って加圧ブロックを前進させて電極積層物と噛み合わせる段階を含む、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項10】
前記加圧ブロックを加熱して前記電極積層物に熱を伝達する、請求項9に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項11】
前記電極積層物を組み立てる段階は、前記電極積層物の外周に長い分離シートを巻き取る段階を含む、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項12】
前記電極積層物を組み立てる段階の前に、前記電極および前記分離膜部のうち少なくとも一つを加熱する段階をさらに含む、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年07月09日付にて出願された韓国特許出願第10-2021-0090600号、2021年7月9日付にて出願された韓国特許出願第10-2021-0090592号、2021年7月9日付にて出願された韓国特許出願第10-2021-0090601号の優先権を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は、電極組立体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、一次電池とは異なり、再充電が可能であり、また小型および大容量化の可能性のため、近年多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するにつれて、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、ポーチ型電池に分類される。二次電池において電池ケースの内部に取り付けられる電極組立体は、電極および分離膜の積層構造からなる充放電が可能な発電素子である。
【0005】
前記電極組立体は、一般に、ゼリーロール(Jelly-roll)型、スタック型、およびスタックアンドフォールディング型に分類することができる。ゼリーロール型は、それぞれ活物質が塗布されたシート状の陽極と陰極との間に分離膜を介在して全体の配列が巻き取られている。スタック型は、多数の陽極と陰極が分離膜を挟んで順次積層される。スタックアンドフォールディング型は、積層された単位セルが長い長さの分離フィルムで巻き取られている。
【0006】
スタックアンドフォールディング型の電極組立体は、分離膜がジグザグにフォールディングされ、その間に電極が位置する形態で電極の位置が歪むという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国特許出願公開第10-2013-0132230号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
まず、本発明は、電極および分離膜を積層して作製される電極組立体の製造過程において、セル損傷および機械部品の変形を防止する電極組立体の製造方法および装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、製造過程で電極が歪むのを防止することができる電極組立体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態は、電極組立体の製造方法を提供する。本発明の一実施形態による方法は、電極積層物を組み立てる段階;前記電極積層物に対して第1次ヒートプレス(Heat Press)動作を行う段階;前記電極積層物に対してプレヒーティング(Pre Heating)動作を行う段階;および前記電極積層物に対して第2次ヒートプレス動作を行う段階を含む。前記組立工程において組み立てられた電極積層物は、積層軸に沿って積層された複数の電極を含み、それぞれの電極の間に位置する個別分離膜部を含むことが好ましい。前記第1次および第2次ヒートプレス動作において、それぞれ前記電極積層物に熱および圧力が加えられてもよい。プレヒーティング(Pre Heating)動作は、0.5Mpa~2Mpaの圧力条件および50℃~85℃の温度条件下で10秒~40秒間電極積層物に熱および圧力を加える段階を含んでもよい。さらに、プレヒーティング動作に適用される圧力条件は、第1次および第2次ヒートプレス動作で適用される圧力よりも低い圧力を適用することを含んでもよい。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、第1ヒートプレス動作は、電極積層物の位置を確保するために電極積層物をグリッパーと結合させることを含んでもよく、前記グリッパーが前記電極積層物に結合される間に、前記第1次ヒートプレス動作の一部として、前記電極積層物に熱および圧力が加えられてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、プレヒーティング動作を行う前に前記電極積層物から前記グリッパーを分離する段階を含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記分離膜部は、細長形分離膜シートの一部であってもよい。本発明のこのような側面において、前記電極積層物を組み立てる段階は、前記電極のうち第1電極と前記電極のうち第2電極とを前記細長形分離膜シート上に交互に積層する段階を含んでもよい。また、前記細長形分離膜シートは、前記第1電極および前記第2電極のうち後続の電極のうち一つが積層される前に、予め積層された第1電極および第2電極のうち一つに順次フォールディングされてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プレス部で積層物全体を加熱および加圧することにより、電極および分離膜を加熱および積層する電極組立体のそれぞれの段階で個別に加熱および/または加圧(即ち、工程の各段階でそれぞれの電極と分離膜対を加熱および/または加圧)する必要なく、電極を分離膜に結合させることができる。その結果、積層物内の下部分離膜に熱および/または圧力が有害に蓄積することを防止することができ、それによって電極組立体の構成要素の損傷および変形の可能性を低減することができる。
【0015】
本発明によれば、積層物の加熱および加圧は、好ましくは、工程段階の少なくとも1つの段階において、低温および低圧条件下で行われる。したがって、本発明の方法は、電極と分離膜との接着力、分離膜の通気度、および製造された電極組立体の厚みなどのばらつきを有利に減少させることができ、均一性を増加させる利点がある。
【0016】
プレス部で積層された積層物全体を加圧することによって、本発明はまた、好ましくは、電極積層物内の電極の位置の歪みまたは移動を減少させる。有利には、それによって製造された電極組立体のエネルギー密度の向上はもちろん、製造時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による電極組立体の製造方法が模式的に示されている。
【
図2】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置の一例を示す上面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置を概念的に示した正面立面図を示す。
【
図4】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置によって製造された電極組立体を示した断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置において、プレス部を示す斜視図が図示されている。
【
図6】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置において、プレス部が積層物を加圧した状態の例を示す斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置において、スタックテーブルを示す斜視図が図示されている。
【
図8】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置において、第1電極取り付けテーブルを示す斜視図が図示されている。
【
図9】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置において、第2電極取り付けテーブルを示す斜視図が図示されている。
【
図10】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置において、第1吸込ヘッドを示す斜視図が図示されている。
【
図11】本発明の一実施形態による
図10の第1吸込ヘッドを示す底面図である。
【
図12】本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置において、ホールディング機構およびスタックテーブルを示す上面図が図示されている。
【
図13】本発明の他の実施形態による電極組立体の製造装置を概念的に示す正面立面図である。
【
図14】本発明の一実施形態による分離膜供給部の分離膜加熱部の斜視図が示されている。
【
図15】
図15のAは、本発明の一実施形態による第1プレス部を示す斜視図であり、
図15のBは、本発明の一実施形態による第2プレス部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、具体的な利点、および新しい特徴は、添付の図面および実施形態と併せて以下の詳細な説明からより明らかになる。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付加する際に、同一の構成要素が異なる図面に表示されても同一の番号を付与することに留意されたい。さらに、本発明はいくつかの異なる形態で具現されてもよく、本明細書に説明の実施形態に限定されない。なお、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不要に曖昧にし得る関連公知技術に対する詳細な説明は省略する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、電極組立体の製造方法が提供される。前記方法は、スタックテーブルに第1電極を供給する段階;前記スタックテーブルに第2電極を供給する段階;前記スタックテーブルに分離膜を供給する段階;前記分離膜上に前記第1電極と前記第2電極とを交互に積層してスタックテーブルに積層物を組み立てる段階を含んでもよい。積層物を組み立てた後、前記方法は、前記積層物をグリッパーで把持した後に加熱および加圧する段階を含む第1次ヒートプレス動作を行う段階を含んでもよい。前記第1次ヒートプレス動作を行った後、前記方法はグリッパーを除去した後、0.5Mpa~2Mpaの圧力条件および50℃~85℃の温度条件下で10秒~40秒間電極積層物に熱および圧力を加える段階を含むプレヒーティング動作を行う段階をさらに含んでもよい。
【0020】
本発明において「プレヒーティング」とは、第1次ヒートプレス動作と第2次ヒートプレス動作との間において一定の圧力で積層物を特定時間加熱する過程を意味する。
【0021】
本発明における「第1次ヒートプレス」は、積層物をプレヒーティングする動作の前に積層物を加熱および加圧する動作として定義することができる。
【0022】
本発明において、「第2次ヒートプレス」は、プレヒーティングされた積層物を加熱および加圧する動作として定義することができる。
【0023】
本明細書において、
図1は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造方法を概略的に示す図である。すなわち、
図1を参照すると、前記方法は、まず、第1電極と第2電極とを分離膜上に交互に積層してスタックテーブル上に積層物(スタックセル)を組み立てるスタック工程を含んでもよく、ここで分離膜は、第1電極と第2電極のうち、後続の電極より先に、予め積層された第1電極と第2電極のうち一つに順次フォールディングされる。前記スタック工程の後、前記積層物は前記スタックテーブルから離れてもよい。このような時間の間に分離膜を引っ張られ、所定の長さだけ分離膜が引っ張られた後、前記分離膜が切断される。その後、前記分離膜の切断端部の所定長さがスタックセルに巻き付けられる。前記スタックテーブルから離れる積層物の移動はグリッパーによって行われることができ、前記グリッパーは、好ましくは前記スタックテーブル上の積層物を把持(grip)した後、ヒートプレス作業が行われるプレス部に移動させることができる、移動可能な構成要素である。次いで、巻き取られたスタックセルをグリッパーで把持した状態で、第1次ヒートプレス動作を行う。前記第1次ヒートプレス動作が完了した後は、グリッパーによるスタックセルの把持が解除され、前記グリッパーが除去された後には、第2次ヒートプレス動作を行う。前記第2次ヒートプレス動作が完了すると、完成した電極組立体が完成されることができる。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記第1次ヒートプレス動作は、前記スタックテーブルおよび/または一対の加圧ブロックを加熱する段階;前記加熱された一対の加圧ブロックの間、または前記加圧ブロックと前記スタックテーブルとの間で積層物を加圧することを含んでもよい(両方のうち一方または両方加熱されてもよい)。前記第1次ヒートプレス動作は、前記グリッパーで前記積層物の上面を加圧して前記積層物を固定する段階をさらに含んでもよい。前記積層物を固定する段階は、前記スタックテーブルおよび/または一対の加圧ブロックを加熱する段階の前またはそれと同時に発生してもよい。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記第1次ヒートプレス動作は、45℃~75℃の温度条件および1Mpa~2.5Mpaの圧力条件下で5秒~20秒間積層物を加熱および加圧する段階を含んでもよい。好ましくは、前記第1次ヒートプレス動作は、45℃~65℃の温度条件および1Mpa~2Mpaの圧力条件下で10秒~20秒間積層物を加熱および加圧する段階を含んでもよい。より好ましくは、前記第1次ヒートプレス動作は、45℃~60℃の温度条件および1Mpa~1.5Mpaの圧力条件下で10秒~20秒間積層物を加熱および加圧する段階を含んでもよい。
【0026】
本発明の一実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作は、前記スタックテーブルおよび/または一対の加圧ブロックの加熱を中止する段階;前記積層物の加圧を中止する段階;前記グリッパーを前記積層物から離れるように移動させる段階;前記スタックテーブルおよび/または一対の加圧ブロックを加熱して積層物に熱を伝達する段階;および前記一対の加圧ブロックの間で積層物を加圧したり、前記加圧ブロックと前記スタックテーブルとの間に前記積層物を加圧したりする段階を含む(両方のうち一方または両方加熱されてもよい)。
【0027】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作の温度条件は、50℃以上、好ましくは55℃以上であってもよい。
【0028】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作の温度条件は85℃以下であってもよい。
【0029】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス作業の温度条件は50℃~85℃、好ましくは55℃~85℃であってもよい。
【0030】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作の圧力条件は1Mpa以下であり、好ましくは1.5Mpa以下であってもよい。
【0031】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作の圧力条件は2.5Mpa以下であり、好ましくは2Mpa以下であってもよい。
【0032】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作の圧力条件は、1Mpa~2.5Mpaであり、好ましくは1.5Mpa~2.5Mpaであり、より好ましくは1.5Mpa~2Mpaであってもよい。
【0033】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作における加熱および加圧は5秒以上行われてもよい。
【0034】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作における加熱および加圧は、10秒以下、好ましくは9秒以下、さらに好ましくは8秒以下の間行われてもよい。
【0035】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作における加熱および加圧は、5秒~10秒、好ましくは5秒~9秒、さらに好ましくは5秒~8秒間行われてもよい。
【0036】
本発明の実施形態において、前記第2次ヒートプレス動作は、50℃~85℃の温度条件および1Mpa~2.5Mpaの圧力条件下で5秒~10秒、好ましくは55℃~85℃の温度条件、および1.5Mp~2.5Mpの圧力条件下で5~10秒間前記積層物を加熱および加圧することを含んでもよい。より好ましくは、前記第2次ヒートプレス動作は、50℃~85℃の温度条件および1.5Mpa~2Mpaの圧力条件で5秒~10秒間積層物を加熱および加圧する段階を含んでもよい。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、プレヒーティングは、第1次ヒートプレス動作および第2次ヒートプレス動作の間で行われてもよい。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、積層物のプレヒーティング段階で加えられる圧力は、第1次ヒートプレス段階および第2次ヒートプレス段階で加えられる圧力よりも低くてもよい。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、前記プレヒーティングは、前記一対の加圧ブロックを加熱する段階および前記一対の加圧ブロックで前記積層物を加圧する段階を含んでもよい。
【0040】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1次ヒートプレス動作、プレヒーティング動作および第2次ヒートプレス動作は、同一または異なる一対の加圧ブロックを用いてもよく、前記一対の加圧ブロックは、それぞれ前記一対の加圧ブロックを加熱するためのプレスヒータをさらに含んでもよい。本発明の一部の実施形態において、前記スタックテーブルはまた、前記スタックテーブル本体を加熱して前記積層物に熱を伝達するためのスタックテーブルヒータを含んでもよい。
【0041】
本発明の例示的な実施形態によれば、第1次ヒートプレス動作、プレヒーティング動作および第2次ヒートプレス動作は、同じ一対の加圧ブロックを使用してもよい。
【0042】
他の実施形態によれば、ヒートプレス動作(すなわち、一次ヒートプレス動作、プレヒーティング動作および第二次ヒートプレス動作)のうち1つ以上はスタックテーブル上で発生してもよい。この場合、スタックテーブルに対して積層物の上段を押し下げるために、加圧ブロックのうち1つのみを使用することができる。この場合、グリッパーは、スタックテーブルに対する積層物の位置を固定することによって、積層物を安定させることができるスタックテーブルのホールディング機構であってもよい。さらに、ホールディング機構は、少なくとも第1次ヒートプレス動作中にそのような方式で積層物を固定するように構成されてもよい。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、プレヒーティング動作の圧力条件は、2.5Mpa以下、好ましくは1.5Mpa以下であってもよい。
【0044】
本発明の例示的な実施形態によれば、プレヒーティング動作の圧力条件は、0.5MPa~2MPa、好ましくは0.5MPa~1.5MPaであってもよい。
【0045】
本発明の例示的な実施形態によれば、プレヒーティング動作の温度条件は、50℃~85℃、好ましくは55℃~85℃であってもよい。
【0046】
本発明の例示的な実施形態によれば、プレヒーティング動作は、前記積層物を10秒以上加熱および加圧することを含んでもよい。
【0047】
本発明の例示的な実施形態によれば、プレヒーティング動作は、積層物を40秒以下、より好ましくは35秒以下間、加熱および加圧することを含んでもよい。
【0048】
本発明の例示的な実施形態によれば、プレヒーティング動作は、10秒~40秒、好ましくは10秒~35秒間、積層物を加熱および加圧することを含んでもよい。
【0049】
本発明の例示的な実施形態によれば、プレヒーティング動作は、0.5MPa~2MPaの圧力条件および50℃~85℃の温度条件で10秒~40秒間、好ましくは0.5MPa~1.5MPaの圧力条件および55℃~85℃の温度条件下で10秒~35秒間、積層物を加熱および加圧する動作であってもよい。
【0050】
ここで、圧力条件とは、前記一対の加圧ブロック(または前記スタックテーブルに対する加圧ブロック)により加えられる圧力を意味し、温度条件は、スタックテーブルの胴体または一対の加圧ブロックによって加えられる熱の温度を意味する。
【0051】
ヒートプレス動作のうち少なくとも1つがスタックテーブル上で発生する代替の実施形態は、上記で論じたように、第1次ヒートプレス動作はスタックテーブルに取り付けた積層物に圧力を加える1つの加圧ブロックを含んでもよく、ここで積層物は、スタックテーブルおよび/または加圧ブロック内のヒータのうち一つまたは両方によって加熱される。このような第1次ヒートプレス動作中に積層物は、スタックテーブルのホールディング機構の形態のグリッパーによってスタックテーブルに固定されることができる。第1次ヒートプレス動作の後、グリッパーは積層物から解除されてもよく、その後、プレヒーティング動作、および次いで第2次ヒートプレス動作は、グリッパーが積層物から分離された状態で行われてもよい。このようなプレヒーティング動作および第2次ヒートプレス動作は、同じ加圧ブロックまたは異なる加圧ブロックによってスタックテーブルに加圧することであってもよい。あるいは、積層物は1つ以上の個別プレス部に移動されてもよく、プレヒーティング動作および第2次ヒートプレス動作は、プレス部の1つ以上の一対の加圧ブロックによって積層物に加熱および加圧することによって行われてもよい。
【0052】
本明細書に記載の温度、圧力、および時間の条件を満たさない場合、電極組立体の構成要素が適切に密着しないため、電極組立体が破断したり、電極組立体内部の構成要素の位置がずれたりすることがあり、特に電極組立体がバッテリケースに挿入される前に移動する恐れがある。また、分離膜の通気性が高すぎる問題も発生する可能性がある。
【0053】
一方、本明細書に開示されたヒートプレス動作(それぞれの圧力、温度および時間の条件を満たすことを含む)を行う場合、構成要素を一緒に結合するために電極組立体のそれぞれの段階で個別に加熱および/または加圧(すなわち、それぞれの電極を加熱および/または加圧して分離)することなく、電極組立体を製造することができる。既に積層された層は、適用される熱および/または圧力を後でそれぞれ経験するため、このようなそれぞれの段階で個別の加熱および加圧することは、熱および/または圧力の影響を積層物内の下部分離膜に蓄積させて有害にする可能性がある。これは、例えば空隙率(および通気性)を減少させることによって分離膜のこのような部分に否定的な影響を及ぼす可能性がある。これに対して、本発明は、電極組立体の全体を同時に接合することができ、何よりも均一性を向上させる。したがって、単位電極への損傷を最小化しながら、電極間の適切なレベルの接着力と適切な通気性を有する分離膜を同時に達成することができる。
【0054】
本発明の一実施形態において、前記第1電極、分離膜、および第2電極をスタックテーブル上に積層して積層物を製造する段階は、前記スタックテーブル上に分離膜を積層する段階(S1);前記分離膜の上面に第1電極を積層する段階(S2);前記第1電極の上面を覆うように前記スタックテーブルを回転させながら前記分離膜を供給する段階(S3);および前記第1電極の上面を覆う分離膜部分に前記第2電極を積層する段階(S4)であって、前記S1~S4の動作を1回以上繰り返すことができる。前述の動作を1回以上繰り返すことにより、第1電極と第2電極との間に分離膜が位置するようにジグザグフォールディングが可能である。
【0055】
本発明の一実施形態において、前記分離膜と前記第1電極および第2電極それぞれの少なくとも1つを含む積層物は、前記ホールディング機構でホールディングされて前記スタックテーブルに固定されてもよい。前記ホールディング機構は、グリッパーとも呼ばれることがある。
【0056】
本発明の一実施形態において、前記ホールディング機構を用いて前記第1電極または前記第2電極をホールディングし、前記第1電極または第2電極がスタックテーブルに積層されるとき、前記第1電極または第2電極をスタックテーブルに固定する段階をさらに含んでもよい。このようにすることにより、電極組立体から電極の位置がずれることを防止することができる。
【0057】
この場合、ホールディング機構は、スタックテーブル上に積層されるときの積層物の上面(すなわち、積層物の最上部に積層された第1電極または第2電極の上面または分離膜)を押して固定することができる。
【0058】
本発明の一実施形態において、前記スタックテーブルに前記分離膜を供給する段階は、前記分離膜が前記分離膜供給部の通路を通過する間に前記分離膜を連続的に供給(解されて)する段階を含んでもよい。
【0059】
本発明の一実施形態において、前記方法は、前記第1電極または前記第2電極を積層する前にカメラ撮影によって取得された画像情報を用いて前記第1電極または前記第2電極の積層品質を検査する段階をさらに含んでもよい。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、上述した製造方法によって製造された電極組立体を提供することができる。前記電極組立体は、組立体の全ての層にわたって均一な接着力と通気性を有し、各電極の厚さが均一である。すなわち、電極組立体の全体にわたって電極の接着力、通気性、電極厚さのばらつきが最小化される。
【0061】
本発明における分離膜の接着力を測定する方法は特に限定されない。本明細書においてさらに使用および論議される方法において、電極組立体の積層方向に沿って電極組立体の下部、中間および上部を分離し、陽極タブ部、中間部および陰極タブ部の幅方向にそれぞれサンプル(Sample)を作製した。前記サンプルの幅は55mm、長さは20mmであり、それぞれのサンプルは陽極および分離膜または陰極および分離膜を含んでもよい。サンプルはスライドガラスに接着され、電極はスライドガラスの接着面に位置した。
【0062】
より詳細には、試料が付着したスライドガラスを接着力測定装置に装着し、ASTM-D6862に記載の標準試験方法に従って電極から分離膜を剥離したときの試料幅当たりの力値(g/mm)を測定した。具体的には、分離膜の縁を100mm/minの速度でスライドガラスに対して90°上方に引っ張り、試料の幅方向に沿って電極から分離膜を剥離(すなわち、0mm~55mm剥離)した。
【0063】
本発明において、分離膜の通気度測定方法は特に限定されない。本明細書においてさらに活用および議論される方法では、当業界で通常使用される方法、すなわち東洋精機が製造したガーレー型密度計(No.158)を用いた日本工業規格のJISガーレー(JIS Gurley)測定方法に従って、通気度を測定した。すなわち、常温で0.05MPaの圧力下で100ml(または100cc)の空気が1平方インチの分離膜を通過するのにかかる時間を測定して分離膜の通気度を求めた。
【0064】
図2には、本発明の一実施形態に係る電極組立体の製造装置の一例を示す上面図が示されており、
図3には、本発明の一実施形態に係る電極組立体の製造装置の一例を概念的に示した正面立面図が示されている。ここで、
図2では便宜上
図3に示された分離膜供給部120を省略し、
図3では、
図2に示されたホールディング機構170を省略し、上面図において後面に位置するプレス部180を点線で示した。
【0065】
図2および
図3を参照すると、本発明の一実施形態による電極組立体を製造する装置100は、スタックテーブル110;分離膜14を供給する分離膜供給部120;第1電極11を供給する第1電極供給部130;第2電極12を供給する第2電極供給部140;第1電極11をスタックテーブル110上に積層する第1電極スタック部150;第2電極12をスタックテーブル110上に積層する第2電極スタック部160および第1電極11、分離膜14および第2電極12を互いに接合するプレス部180を含む。前記プレス部180は、上述した第1次ヒートプレス動作、プレヒーティング動作および第2次ヒートプレス動作のいずれにも使用することができる。
【0066】
また、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置100は、第1電極11および第2電極12がスタックテーブル110上に積層されるとき、第1電極11および第2電極12をスタックテーブル110に固定するホールディング機構170をさらに含んでもよい。また、前記ホールディング機構170は、第1電極11、分離膜14および第2電極12の積層物を固定することができる。
【0067】
以下、
図2~
図12を参照して、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置をより詳細に説明する。
【0068】
図4は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置によって製造された電極組立体を示す断面図である。
【0069】
図2~
図4を参照すると、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置100は、第1電極11と分離膜14および第2電極12を積層して電極組立体10を製造する装置である。
【0070】
電極組立体10は充放電可能な発電要素であり、第1電極11と分離膜14および第2電極12が交互に積層されて結集された形態で形成されてもよい。
【0071】
ここで、電極組立体10は、例えば、分離膜14がジグザグ状にフォールディングされてもよく、フォールディングされる分離膜14の間に第1電極11と第2電極12が交互に配置されてもよい。このとき電極組立体10は、例えば、
図4に示すように最外郭が分離膜14によって囲まれた形態、組み立てられた電極組立体10に分離膜を取り囲む形態で提供され得る。
【0072】
図5には、本発明の一実施形態に係る電極組立体の製造装置において、プレス部を示す斜視図が示されており、
図6には、電極組立体の製造装置においてプレス部が積層物を加圧した状態の例を示す斜視図が示されている。より具体的には、
図6には、上述した第2次ヒートプレス動作が示されている。
【0073】
図4~
図6を参照すると、プレス部180は加熱されて積層された第1電極11、分離膜14および第2電極12を加圧して第1電極11、分離膜14および第2電極12を互いに接合する。
【0074】
また、プレス部180は一対の加圧ブロック181、182を含み、一対の加圧ブロック181、182は互いを向かって移動して積層された第1電極11と分離膜14および第2電極12を含む積層物Sの加圧に影響を与える。
【0075】
このとき、分離膜14が積層物Sの外面を取り囲む場合、積層物Sの側面に沿って位置する分離膜14の外側部分と第1電極、第2電極11、12の一部分と外側部分とに対向する分離膜14の折り畳まれた部分の間の空間が接合されてもよい。これにより、第1電極、第2電極11、12と分離膜14の位置がずれたり、スタックの構成要素が互いに分離されることを、より効果的に防止することができる。
【0076】
また、プレス部180は、一対の加圧ブロック181、182を加熱するためのプレスヒータ183、184をさらに含み、一対の加圧ブロック181、182は積層物Sを加熱および加圧することができる。これにより、プレス部180により積層物Sを加圧する際に、第1電極11、分離膜14および第2電極12との熱融着がより良好に行われるため、より強い接着が可能になる。
【0077】
前記一対の加圧ブロック181、182は平坦な加圧面を有し、前記加圧面の幅および長さ寸法は、積層物Sの対向する幅および長さ寸法よりも長くてもよい。
【0078】
また、一対の加圧ブロック181、182は、第1加圧ブロック181および第2加圧ブロック182を含み、前記第1加圧ブロック181および前記第2加圧ブロック182は、それぞれ直六面体状の四角ブロックとして定義する。
【0079】
図7には、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置におけるスタックテーブルを示す斜視図が図示されている。
【0080】
図3および
図7を参照すると、スタックテーブル110は、第1電極11、分離膜14および第2電極12が積層されたテーブル胴体111およびテーブル胴体111を加熱して積層された積層物Sに熱を伝達するスタックテーブルヒータ112を含んでもよい。
【0081】
第1電極11は陽極で、第2電極12は陰極で構成されてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第1電極11は陰極で、第2電極12は陽極で構成されてもよい。
【0082】
図3を参照すると、分離膜供給部120は、分離膜14をスタックテーブル110に供給することができる。特に、分離膜供給部120は、分離膜14がスタックテーブル110に向かって通過する通路を定義する分離膜加熱部121を含んでもよい。
図14に示すように、分離膜加熱部121は、一対の胴体121aを含み、胴体121aはそれぞれ四角形のブロック状に構成されてもよく、胴体121aは分離膜14が通過する通路の寸法のうち1つを規定する距離だけ離隔されてもよい。前記胴体121aの少なくとも一つまたは両方は、それぞれの胴体121aを加熱することによって、前記分離膜14に熱を伝達する分離膜ヒータ121bをさらに含んでもよい。
【0083】
分離膜供給部120は、分離膜14がスタックテーブル110に向かって通過する通路を有してもよい。分離膜供給部120は、分離膜14が巻き取られた分離膜ロール122をさらに含んでもよい。したがって、分離膜ロール122に巻かれた分離膜14が徐々に解されて形成された通路を通過してスタックテーブル110に供給されることができる。
【0084】
図8は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置における第1電極取り付けテーブルを示す斜視図である。
【0085】
図3および
図8を参照すると、第1電極供給部130は、第1電極11を第1電極スタック部150に供給することができる。また、第1電極供給部130は、第1電極11が第1電極スタック部150によってスタックテーブル110に積層される前に取り付けられる第1電極取り付けテーブル131を含んでもよい。
【0086】
第1電極供給部130は、第1電極11がシート(Sheet)状に巻き取られる第1電極ロール133と、第1電極ロール133に巻き取られたシート状の第1電極11とが解されて供給されるとき、一定の間隔で切断して所定サイズの第1電極11を形成させる第1カッター(cutter)134と、第1カッター134に切断された第1電極11を移動させる第1コンベヤベルト(conveyer belt)135と、第1コンベヤベルト135によって搬送される第1電極11をピックアップ(例えば真空吸着)して第1電極取り付けテーブル131に取り付ける第1電極供給ヘッド136をさらに含んでもよい。ここで、第1カッター134は、シート状の第1電極11を切断する際の端部に第1電極タブ11aが突出形成されるようにカットすることができる。
【0087】
図9は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置における第2電極取り付けテーブルを示す斜視図である。
【0088】
図3および
図9を参照すると、第2電極供給部140は、第2電極12を第2電極スタック部160に供給することができる。また、第2電極供給部140は、第2電極12が第2電極スタック部160によってスタックテーブル110に積層される前に取り付けられる第2電極取り付けテーブル141を含んでもよい。
【0089】
第2電極供給部140は、第2電極12がシート(Sheet)状に巻き取られる第2電極ロール143と、第2電極ロール143に巻き取られたシート状の第2電極12が解されて供給されるとき、一定間隔で切断して所定サイズの第2電極12を形成する第2カッター144と、第2カッター144に切断された第2電極12を移動させる第2コンベヤベルト145と、第2コンベヤベルト145によって搬送される第2電極12をピックアップ(例えば真空吸着)して第2電極取り付けテーブル141に取り付ける第2電極供給ヘッド146をさらに含んでもよい。ここで、第2カッター144は、シート状の第2電極12を切断する際に、端部に第2電極タブ12aが突出形成されるようにカットすることができる。
【0090】
図10は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置における第1サクションヘッドを示す斜視図であり、
図11は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置における第1サクションヘッドを示す底面図である。
【0091】
図3、
図10および
図11を参照すると、第1電極スタック部150は、第1電極11をスタックテーブル110上に積層することができる。第1電極スタック部150は、第1サクションヘッド151と、第1移動部153を含んでもよい。第1サクションヘッド151は、真空吸込を通じて第1電極取り付けテーブル131に取り付けられた第1電極11をピックアップ(pick up)することができる。このとき、第1サクションヘッド151は、底面151bに真空吸込口151aが形成され、真空吸込口151aを介して第1電極11を吸込して第1電極11を第1サクションヘッド151の底面151bに固定することができる。ここで、第1サクションヘッド151は、真空吸込口151aと真空吸込装置(図示せず)を連結する通路が内部に形成されてもよい。
【0092】
第1移動部153は、第1サクションヘッド151が第1電極11をスタックテーブル110に積層させることができるように、第1サクションヘッド151をスタックテーブル110に移動させることができる。
【0093】
一方、
図3を参照すると、第2電極スタック部160は、第2電極12をスタックテーブル110上に積層することができる。ここで、第2電極スタック部160は、上述した第1電極スタック部150と同じ構造からなってもよい。このとき、第2電極スタック部160は、第2サクションヘッド161と、第2移動部163を含んでもよい。第2サクションヘッド161は、真空吸込を通じて第2電極取り付けテーブル141に取り付けられた第2電極12をピックアップすることができる。次いで、第2移動部163は、第2サクションヘッド161が第2電極12をスタックテーブル110に積層させることができるように、第2サクションヘッド161をスタックテーブル110に移動させることができる。
【0094】
図12は、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置におけるホールディング機構およびスタックテーブルを示す平面図である。
【0095】
図2および
図12を参照すると、第1電極11または第2電極12がスタックテーブル110に積層されるとき、ホールディング機構170は第1電極11または第2電極12を把持し、第1電極11または第2電極12をスタックテーブル110に固定することができる。このとき、ホールディング機構170は、積層物Sの上面(すなわち、積層物Sの最上段に積層された第1電極11、第2電極12、または分離膜14)に圧力を加えることができる。すなわち、積層物S内の第1電極11および第2電極12が分離膜14の層間に位置するとき、ホールディング機構170は、積層物をスタックテーブル110側に加圧して積層物の最上面を固定し、スタックテーブル110に対する積層物Sの移動を防止することができる。ホールディング機構170は、例えば、第1電極11または第2電極12の両側を固定するための第1ホルダー171および第2ホルダー172を含んでもよい。ホルダー171、172は、それぞれ1つ以上のクランプまたは他のクランプ機構の形態であってもよい。
【0096】
スタックテーブル110が回転するとき、ホールディング機構170が第1電極11または第2電極12を把持した状態で、分離膜14はスタックテーブル110の回転量に比例して分離膜ロール122から解された状態でスタックテーブル110に供給されてもよい。ホールディング機構170とスタックテーブル110は、スタックテーブル110の回転に影響を与える回転装置(図示せず)と連結または結合されてもよい。このような回転装置は、例えば、巻芯(mandrel)または他の形態の回転またはピボット軸を含んでもよい。したがって、ホールディング機構170が第1電極11または第2電極12を把持するとき、回転装置はスタックテーブル110と共にホールディング機構170を回転させることができる。
【0097】
以下、本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置100の作動について説明する。
【0098】
図2~
図4を参照すると、分離膜ロール122に巻き取られた分離膜14は、スタックテーブル110上に分離膜が積層されるように形成された通路を通過しながら供給される。
【0099】
また、第1電極供給部130から第1電極スタック部150に第1電極11が供給されると、第1電極スタック部150は、第1電極11をスタックテーブル110に積層された分離膜14の上面に積層する。
【0100】
その後、ホールディング機構170は、第1電極11の上面を加圧してスタックテーブル110上の第1電極11の位置を確保する。
【0101】
その後、スタックテーブル110が第2電極スタック部160方向に回転すると、分離膜14が第1電極11の上面を覆うように連続して供給される。
【0102】
続いて、第2電極供給部140から供給された第2電極12は、分離膜14の上面を覆う部分に第2電極スタック部160によって積層される。その後、ホールディング機構170は、第1電極11の上面の把持を解除した後、第2電極12の上面を加圧してスタックテーブル110に対して構築される積層物Sの位置を確保する。
【0103】
その後、第1電極11と第2電極12を積層する工程を繰り返すことにより、分離膜14がジグザグに折り畳まれて連続的な第1電極および第2電極11、12の間に位置する積層物Sを形成することができる。
【0104】
次いで、積層物Sをプレス部180に移動させ、プレス部180が積層物Sを加熱および加圧することによって積層物の構成要素(すなわち、加熱された第1電極11、分離膜14および第2電極12)を熱融着して電極組立体10を製造する。
【0105】
積層物Sは、スタックテーブル110上の積層物を把持した後、ヒートプレス作業が行われるプレス部180に積層物を移動するように構成されたグリッパー51によってプレス部に移動されることができる。また、前記プレス部180は、第1プレス部50と第2プレス部60とに分けられ、ここで、第1プレス部50は、第1次ヒートプレス動作(またはプレヒーティング動作)に、第2プレス部60は、第2次ヒートプレス動作(またはプレヒーティング動作)に用いられてもよい。
【0106】
図15のAおよび
図15のBを参照すると、第1プレス部50は、積層物Sを固定した状態で一次的に加熱および加圧することができる。第1プレス部50は、一対の第1加圧ブロック50a、50bを含み、積層物Sを固定するために構成されたグリッパー51をさらに含んでもよい。グリッパー51は、積層物Sを固定する際に、積層方向(y軸に沿って)に沿って積層物Sの上面と下面を加圧して積層物Sを把持して第1電極11、第2電極12および分離膜14の相対位置を固定することができる。図示の例のように、グリッパー51は、このような相対位置を維持するために積層物Sの上面および下面を加圧することができる。
【0107】
前記一対の第1プレス部50の第1加圧ブロック50a、50bは、互いを向かう方向から離れる方向に移動することができる。一対の第1加圧ブロック50a、50bは、互いを向かって移動しながら積層物Sとグリッパー51のいずれか一方または両方を圧縮することができる。
【0108】
このように、第1プレス部50は、積層物Sを加熱および圧縮して積層物Sに含まれる第1電極11と分離膜14および第2電極12の間の空間を縮小または除去して、積層物Sのこのような構成要素を結合させることができる。
【0109】
図示されたように、積層物Sの接触および圧縮のために構成された一対の第1加圧ブロック50a、50bの各加圧面は平面として定義することができる。前記一対の第1加圧ブロック50a、50bのうち少なくとも1つは、本明細書に記載のグリッパー51の固定部51bに対応する形状のグリッパー溝52を含んでもよい。
図15のAに示す例において、一対の第1加圧ブロック50a、50bは、それぞれ4つのグリッパー溝52を含み、4つの固定部51bに対応する。しかしながら、グリッパー溝52はより多くても少なくてもよい。好ましくは、前記グリッパー溝52の数は、使用される固定部の数と一致しなければならない。
【0110】
グリッパー51は、本体51aと複数の固定部51bを含んでもよい。図示の配置のように、本体51aは、x軸に沿った長さおよびy軸に沿った高さを有することができ、それぞれの軸は、積層物Sの長さおよび高さと同じまたはほぼ同じ長さおよび高さを有することができる。いくつかの他の配列において、本体は、x軸において積層物Sの長さよりも長く、y軸において積層物Sの高さよりも大きい高さを有することができる。前記固定部51bは、好ましくは、積層物Sの幅方向(z軸)に沿って延びるロッド、カラム、プレートの形態であってもよい。ここで、x軸における積層物Sの長さは、積層物Sの一側端部から他側端部までの距離が最も長い部分を意味し、y軸における高さは積層物Sの積層方向の距離を意味し、z軸における幅は、前記x軸とy軸の両側に垂直な方向の距離を意味し得る。
【0111】
固定部51bは、一列が加圧ブロック50aの加圧面に隣接し、他の列が加圧ブロック50bの加圧面に隣接する2つの列に設けられてもよい。それぞれの固定部51bの位置は、本体51aの高さ方向に調節することができる。このように、それぞれの固定部51bは、積層物Sの上部面と下部面に接するように、好ましくはその幅に沿って、積層物S内の第1電極11および第2電極12の相対位置と積層物Sの位置を固定できるように配置されてもよい。
【0112】
一部の配置において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって予め加熱および圧縮された積層物Sを加熱および圧縮して、既に一次圧縮された積層物Sを二次圧縮してもよい。
【0113】
図15のBに示すように、第2プレス部60は、一対の第2加圧ブロック60a、60bを含む。前記一対の加圧ブロック60a、60bは、互いを向かう方向から離れる方向に移動されてもよい。前記一対の加圧ブロック60a、60bは、互いに移動する際において積層物Sの上下面を加圧して積層物を圧縮することができる。
【0114】
図示されたように、積層物Sの接触および圧縮のために構成された一対の第2加圧ブロック60a、60bの各加圧面は平面として定義することができる。図示のように、一部の配置では、固定部51bのための溝が第2加圧ブロック60a、60bから除外されてもよい。他のいくつかの配列において、一対の第2加圧ブロック60a、60bのうち少なくとも1つは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状の溝を1つ以上含んでもよい。
【0115】
一部の配置では、第1プレス部50の一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状のグリッパー溝52を含み、第2プレス部60の一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれは、グリッパー溝のない平坦なプレス面を有する。
【0116】
一部の配置では、第2プレス部60は、第1プレス部50によって加熱および加圧されないグリッパーが位置する(または以前に)積層物Sの一部のみを加熱および加圧することができる。一部の他の配置において、第2プレス部60は、積層物の上面および下面の全体を加熱および加圧することができる。
【0117】
一部の配置において、第1プレス部50は、積層物Sに含まれた第1電極11、分離膜14および第2電極12の間の空間を縮小または除去してグリッパー51が位置しない積層物Sの領域において積層物Sの構成要素を一緒に結合するために、グリッパー51に固定された積層物Sの上面および下面が固定された状態で、最初に加熱された積層物Sを加圧することができる。
【0118】
このような一部の構成において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって予め接合されており、グリッパー51が除去された積層物Sを圧縮および加熱することができる。これにより、第2プレス部60は、積層物Sに含まれる第1電極11、分離膜14、および第2電極12の間の空間を縮小または除去して、グリッパー51が以前に第1プレス部50による初期加圧動作中に積層物Sを加圧した領域において積層物Sのこのような構成要素を互いに結合させることができる。このような一部の配置において、前記一対の第2加圧ブロック60a、60bは、それぞれ直六面体状の四角ブロックであってもよい。このような配列において、前記一対の第2加圧ブロック60a、60bは、前述の平坦な加圧面を有してもよい。
【0119】
一部の配置において、第1プレス部50の一対の第1加圧ブロック50a、50bは、それぞれ平坦な加圧面を有してもよい。このような配置において、第2プレス部60の一対の第2プレスブロック60a、60bのそれぞれは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状の溝を有してもよい。
【0120】
一部の配置において、前記固定部51bは、アルミニウムおよび鉄からなる群から選択される熱伝導性金属材料などの熱伝導性材料を含んでもよい。積層物Sに熱を伝導することにより、第1プレス部50がグリッパー51によって固定された積層物Sを圧縮する際、電極11、12、および分離膜14は、それらの間の空間が縮小または除去されて互いに接合することができる。
【0121】
一部の配置において、第2プレス部60は、グリッパー51が以前に位置していた積層物Sの領域を圧縮せず、代わりにグリッパー51が以前に位置せず、第1プレス部50が初期加圧する間に、加圧していない積層物Sの領域のみを圧縮することができる。
【0122】
また、前記一対の第1加圧ブロック50a、50bは、それぞれ直六面体状の四角ブロックであってもよい。このような配列において、前記一対の第1加圧ブロック50a、50bは、上述した平坦な加圧面を有することができる。
【0123】
前記第1および第2プレス部50、60のいずれか一つまたは両方とも、好ましくは一対の第1および第2加圧ブロック50a、50b、60a、60bを加熱して前記ブロックが積層物を加圧する時に積層物Sを加熱するように構成されたプレスヒータ(図示せず)を含む。このように、第1および第2プレス部50,60で積層物Sを加圧すると、第1電極11と分離膜14と第2電極12の熱融着がよりうまく行われ、これらの層の間に、より強い結合が形成されることができる。
【0124】
前記一対の第1および第2加圧ブロック50a、50b、60a、60bのいずれか1つ以上において、それぞれの加圧面の長さおよび幅は、いずれも積層物Sの対応する長さおよび幅(それぞれxおよびz軸)より大きくてもよい。
【0125】
前記のように構成された本発明の一実施形態による電極組立体の製造装置100は、積層物Sの構成要素が互いに熱融着することにより、積層物Sが崩れたり、積層物Sの構成要素が状態内で位置がずれることを好ましく防止することができる。
【0126】
以下、本発明の他の実施形態による電極組立体を製造する装置について説明する。
【0127】
図13は、本発明の他の実施形態による電極組立体の製造装置を概念的に示した正面図である。
図13には便宜上ホールディング機構が省略されており、平面図において後方に位置するプレス部180が点線で示されている。
【0128】
図13を参照すると、本発明の他の実施形態による電極組立体の製造装置200は、スタックテーブル110;分離膜14を供給する分離膜供給部120;第1電極11を供給する第1電極供給部130;第2電極12を供給する第2電極供給部140;スタックテーブル110上に第1電極11を積層する第1電極スタック部150;スタックテーブル110上に第2電極12を積層する第2電極スタック部160;第1電極11、分離膜14および第2電極12を互いに接合するプレス部180;およびスタックテーブル110上の積層物Sの位置を固定するためのホールディング機構170を含む(
図12参照)。
【0129】
本発明の他の実施形態による装置200は、スタックテーブル110を回転させる回転部Rと、第1および第2電極11,12を検査するビジョン装置290をさらに含んでもよい。
【0130】
したがって、本実施形態では、以前の実施形態と重複する内容を簡単に説明し、以前の実施形態との相違点を中心として説明する。
【0131】
より詳細には、装置200のビジョン装置290は、第1カメラ291および第2カメラ292を含んでもよい。第1カメラ291は、第1電極供給部130において第1電極取り付けテーブル131に取り付けられた第1電極11を撮影し、第2カメラ292は、第2電極供給部140において第2電極取り付けテーブル141に取り付けられた第2電極12を撮影することができる。第1カメラ291および第2カメラ292によって得られた画像情報を介して、第1電極11および第2電極12の積層品質を検査することができる。例えば、第1電極11および第2電極12の取り付け位置、大きさおよび積層状態を検査することができる。
【0132】
回転部Rは、スタックテーブル110を一方向r1および他方向r2に回転させることができる。回転部Rの一側には第1電極スタック部150が設けられ、回転部Rの他側には第2電極スタック部160が設けられてもよい。回転部Rは、第1電極11が積層されるときに、第1サクションヘッド151に対向するようにスタックテーブル110を一側に回転させ、第2電極12が積層されるとき、第2サクションヘッド161に対向するようにスタックテーブル110を他側に回転させることができる。スタックテーブル110を第1電極スタック部150と第2電極スタック部160に対向する方向との間で交互に回転させることにより、
図4に示すように、第1電極11および第2電極12のうちそれぞれの連続した電極の間の分離膜14のジグザグフォールディングを達成することができる。
【0133】
本実施形態の装置200およびその全てのサブ構成要素は、別途に言及されている場合を除いて、前述の実施形態の装置100と同様に動作する。例えば、第1電極供給部130の第1電極取り付けテーブル131に第1電極11が供給されて取り付けられると、ビジョン装置290を介して第1電極11の積層品質を検査することができる。同様に、第2電極12が第2電極供給部140の第2電極取り付けテーブル141に供給されて取り付けられると、ビジョン装置290を介して第2電極12の積層品質を検査することができる。
【0134】
また、本発明の一実施形態において、前記陽極は、例えば、陽極集電体上に陽極活物質、導電材およびバインダーの混合物を塗布した後、乾燥して製造され、必要に応じて、前記混合物に充填剤をさらに添加することもある。このとき使用される物質は、当該分野で通常使用される材料が使用され得る。
【0135】
具体的には、前記陽極活物質は、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li1+xMn2-xO4(ここで、xは0~0.33である)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、LiFe3O4、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-xMxO2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、x=0.01~0.3である)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-xMxO2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01~0.1である)またはLi2Mn3MO8(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn2O4;ジスルフィド化合物;Fe2(MoO4)3などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0136】
具体的には、前記陽極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発することなく高い導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられ得るが、詳細にはアルミニウムであってもよい。集電体は、その表面に微細な凹凸を形成して陽極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など様々な形態が可能である。また、前記陽極集電体は一般に3μm~500μmの厚さであってもよい。
【0137】
前記導電材は、通常、陽極活物質を含む混合物の全重量を基準に1~50重量%で添加することができる。このような導電材は、当該電池に化学的変化を誘発することなく導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが用いられ得る。
【0138】
前記バインダーは、活物質と導電材などの結合と集電体への結合に助力する成分であり、通常、陽極活物質を含む混合物全重量を基準にして1~50重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。
【0139】
前記充填剤は、陽極の膨張を抑制する成分として選択的に用いられ、当該電池に化学的変化を引き起こすことなく、繊維状材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオリフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
【0140】
また、本発明の一実施形態において、前記陰極は、陰極集電体上に前記陰極活物質を塗布、乾燥およびプレスして製造され、必要に応じて前記と同様の導電材、バインダー、充填剤などが選択的にさらに含まれてもよい。この場合も、当該分野で通常使用される物質が使用されてもよい。具体的には、前記陰極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LixFe2O3(0≦x≦1)、LixWO2(0≦x≦1),SnxMe1-xMe'yOz(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;錫系合金;SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、GeO、GeO2、Bi2O3、Bi2O4、およびBi2O5などの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを用いることができる。
【0141】
このような陰極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せず、導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが用いられ得る。また、陽極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して陰極活物質の結合力を強化することもでき、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など様々な形態で用いられてもよい。さらに、前記陰極集電体は一般に3μm~500μmの厚さであってもよい。
【0142】
本発明の一実施形態において、前記分離膜は、有/無機複合多孔性のSRS(Safety-Reinforcing Separators)分離膜であってもよい。前記SRS分離膜は、ポリオレフィン系分離膜基材上に無機物粒子とバインダー高分子とを含むコーティング層成分が塗布された構造であってもよい。
【0143】
このようなSRS分離膜は、無機物粒子の耐熱性によって高温熱収縮が発生しないため、針状導体によって電極組立体が貫通されても、安全分離膜の延伸率を維持することができる。
【0144】
このような、SRS分離膜は、分離膜基材自体に含まれた気孔構造とともに、コーティング層成分である無機物粒子間の空き空間(interstitial volume)によって形成された均一な気孔構造を有することができ、前記気孔は、電極組立体に加えられる外部の衝撃をかなり緩和することができるだけでなく、気孔を通してリチウムイオンの円滑な移動が行われ、多量の電解液が満たされて高い含浸率を示すことができるので、電池の性能向上を共に図ることができる。
【0145】
一部の配列において、分離膜は、分離膜の部分が隣接した陽極および陰極の対応する縁(以下「余剰部分」)を超えて両側から外側に延びるように分離膜の幅寸法(分離膜が広がる長手方向の寸法に直交する)の寸法を有してもよい。また、このような分離膜の外側に延びる部分は、分離膜の収縮を防止するために、分離膜の一面または両面に形成された分離膜の厚さより厚いコーティング層を含む構造を有してもよい。分離膜の外側に延びた余剰部分の厚いコーティング層の詳細は、全内容がここに参照として含まれる韓国公開特許第10-2016-0054219号を参照することができる。一部の配列において、それぞれの分離膜余剰部分は、分離膜の幅の5%~12%の大きさを有することができる。さらに、一部の配列において、コーティング層は、各分離膜の余剰部分の幅の50%~90%の幅にわたって分離膜の両面にコーティングされてもよい。また、コーティング層の幅は、分離膜の各面において同一または異なってもよい。一部の配列において、コーティング層は成分として無機粒子およびバインダー高分子を含んでもよい。
【0146】
本発明の一実施形態において、前記ポリオレフィン系分離膜成分の例としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンまたはそれらの誘導体などがある。
【0147】
本発明の一実施形態において、前記コーティング層の厚さは、前記第1電極または第2電極の厚さよりも小さいサイズであってもよい。具体的な例において、前記コーティング層の厚さは、第1電極または第2電極の厚さの30%~99%の大きさであってもよい。
【0148】
本発明の一実施形態において、前記コーティング層は湿式コーティングまたは乾式コーティングによって形成されてもよい。
【0149】
本発明の一実施形態において、前記基材とコーティング層は、ポリオレフィン系分離膜基材表面の気孔とコーティング層とが相互に絡み合う形態(anchoring)で存在し、分離膜基材と活性層とが物理的に堅固に結合することができる。
【0150】
このとき、前記基材と活性層は、物理的結合力と分離膜上に存在する気孔の構造を考慮して、9:1~1:9の厚さ比を有してもよく、詳細には5:5の厚さ比を有してもよい。
【0151】
本発明の一実施形態において、前記無機物粒子は、当業界で通常使用される無機物粒子が使用されてもよい。前記無機物粒子は、無機物粒子間の空き空間の形成を可能とし、微気孔を形成する役割と物理的形態を維持することのできる一種のスペーサ(spacer)の役割を兼ねることになる。また、前記無機物粒子は、一般に200℃以上の高温になっても物理特性が変わらない特性を有するため、形成された有/無機複合多孔性フィルムが優れた耐熱性を有することになる。
【0152】
また、前記無機物粒子は、電気化学的に安定であれば特に制限されない。すなわち、本発明において使用できる無機物粒子は、適用される電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+基準で0~5V)で酸化および/または還元反応が起こらないものであれば特に限定されない。特に、イオン伝達能力のある無機物粒子を用いる場合、電気化学素子内のイオン伝導度を高めて性能向上を図ることができるため、できるだけイオン伝導度が高いことが好ましい。また、前記無機物粒子が高い密度を有する場合、コーティングの時に分散させることが困難であるだけでなく、電池製造時の重量の増加の問題もあるため、できるだけ密度が小さいことが好ましい。また、誘電率が高い無機物の場合、液体電解質内の電解質塩、例えばリチウム塩の解離度の増加に寄与し、電解液のイオン伝導度を向上させることができる。
【0153】
前記の理由から、前記無機物粒子は、圧電性(piezoelectricity)を有する無機物粒子およびリチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子で構成された群から選択された少なくとも1種であってもよい。
【0154】
前記圧電性(piezoelectricity)無機物粒子は、常圧では不導体であるが、一定圧力が印加された場合、内部構造の変化により電気が通じる物性を有する物質を意味するものであり、誘電率定数が100以上の高誘電率特性を示すだけでなく、一定圧力を印加して引張または圧縮される場合、電荷が発生して一面は正に、反対側は負にそれぞれ帯電することにより、両面の間に電位差が発生する機能を有する物質である。
【0155】
前記のような特徴を有する無機物粒子をコーティング層成分として用いる場合、針状導体のような外部衝撃により両電極の内部短絡が発生する場合、分離膜にコーティングされた無機物粒子により陽極と陰極とが直接接触しないだけでなく、無機物粒子の圧電性により粒子内の電位差が発生し、これにより両電極間の電子移動、すなわち微細な電流の流れが行われることにより、緩やかな電池の電圧減少およびこれによる安全性の向上を図ることができる。
【0156】
前記圧電性を有する無機物粒子の例としては、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)およびハフニア(HfO2)からなる群から選択される1種以上であってもよいが、これに限定されない。
【0157】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、リチウム元素を含有するが、リチウムを貯蔵せず、リチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を指すものであり、リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、粒子構造の内部に存在する一種の欠陥(defect)によりリチウムイオンを伝達および移動させることができるため、電池内のリチウムイオン伝導度が向上し、これにより電池性能向上を図ることができる。
【0158】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の例としては、リチウムホスフェート(Li3PO4)、リチウムチタニウムホスフェート(LixTiy(PO4)3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタニウムホスフェート(LixAlyTiz(PO4)3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、(LiAlTiP)xOy系列glass(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LixLayTiO3、0<x<2、0<y<3)、リチウムゲルマニウムチオホスフェート(LixGeyPzSw、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、リチウムナイトライド(LixNy、0<x<4、0<y<2)、SiS2(LixSiySz、0<x<3、0<y<2、0<z<4)系列glassおよびP2S5(LixPySz、0<x<3、0<y<3、0<z<7)系列glassからなる群から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0159】
前記コーティング層成分である無機物粒子およびバインダー高分子の組成比は大きい制約はないが、10:90~99:1重量%の範囲内で調節可能であり、80:20~99:1重量%の範囲が好ましい。10:90重量%比の未満の場合、高分子の含量が過度に多くなり、無機物粒子の間に形成された空き空間の減少による気孔サイズおよび気孔度が減少し、最終電池性能の低下を招き、逆に99:1重量%比を超えると、高分子含量が少なすぎるため、無機物間の接着力が弱くなり、最終の有/無機複合多孔性分離膜の機械的物性が低下することがある。
【0160】
本発明の一実施形態において、前記バインダー高分子は、当業界で通常使用されるバインダー高分子が使用されてもよい。
【0161】
前記有/無機複合多孔性分離膜のうち、コーティング層は、上述の無機物粒子およびバインダー高分子の他に、通常知られている他の添加剤をさらに含んでもよい。
【0162】
本発明の一実施形態において、前記コーティング層は、活性層と呼ぶこともできる。
【0163】
以上、本発明を具体的な実施形態を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明による電極組立体の製造装置はこれに限定されない。本発明の技術的思想内で、当該分野の通常の知識を有する者によって様々な実施が可能であると言える。
【0164】
1)実施例1
【0165】
陽極供給部、陰極供給部および分離膜供給部からそれぞれ陽極シート19枚、陰極シート20枚および長い分離膜をスタックテーブルに供給した。
【0166】
より具体的には、陽極および陰極はそれぞれ陽極シートおよび陰極シートからカット(cutting)された形態で供給され、長い分離膜は分離膜シートの形態で供給された。その後、上述したように前記スタックテーブルを回転させながら陽極と陰極を積層しながら供給される分離膜をフォールディング(folding)させた。このとき、ホールディング機構を用いてスタックテーブルの積層物を押して安定化して電極39枚を含む積層物を製造した。
【0167】
前記積層物を製造した後、前記積層物をグリッパーで把持し、50℃の温度条件および1.46MPaの圧力条件で前記積層物を加熱しながら15秒間加圧して第1次ヒートプレス段階を進行した。
【0168】
第1次ヒートプレス段階の後、グリッパーを積層物から分離し、プレス部の加圧ブロックの温度を60℃温度条件に保持し、プレス部の加圧ブロックで前記積層物に1MPaの圧力(圧力条件)を15秒(プレス時間)間加えるプレヒーティング動作を行った。
【0169】
前記プレヒーティング動作後、加圧ブロックの温度を60℃温度条件になるように保持し、プレス部の加圧ブロックで前記積層物に1.8MPaの圧力(圧力条件)を7秒(プレス時間)間加える第2次ヒートプレス動作を行った。
【0170】
2)実施例2~5および比較例1~17
【0171】
下記表1に示す温度条件、圧力条件およびプレス時間下で行ったことを除いては、実施例1の電極組立体の製造方法と同様の方法で実施例2~5の電極組立体を製造した。
【0172】
下記表2および表3に記載の温度条件、圧力条件およびプレス時間下で行ったことを除いては、実施例1の電極組立体の製造方法と同様の方法で第1次および第2次ヒートプレス動作を行い、比較例1~17の電極組立体を作製した。すなわち、比較例1~比較例12の場合には、プレヒーティング動作は行われていない。
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
3)実験例1-耐電圧評価
【0177】
実施例1~実施例5の電極組立体および比較例1~比較例12の電極組立体の耐電圧を測定した。特に、実施例1~5および比較例1~12の電極組立体に印加される電圧を0Vから4000Vに増加させ、リーク電流が0.6mA以上になる時点の電圧値を測定して耐電圧値と決定した。
【0178】
その結果を下記表4に示す。
【0179】
【0180】
一般に、電極組立体の損傷を引き起こす主な要因は圧力条件である。
【0181】
表4の結果から、実施例1~5(本発明の電極組立体の製造方法を使用)と比較例1~12(プレヒーティング動作省略)を比較した結果、第2次ヒートプレス動作の圧力条件が同一であり、全工程において加熱および加圧する総時間(総プレス時間)が同じであっても、本発明による電極組立体の製造方法により製造された電極組立体は、より良好な耐電圧を有することが確認できた。
【0182】
また、実施例1および実施例3から、全工程において加熱および加圧の総時間(総プレス時間)を減少させながら、優れた耐電圧特性を有する電極組立体が製造できることを確認した。これは、このような例は、全体工程の効率の向上およびコストの削減をもたらすことを示している。
【0183】
4)実験例1-接着力評価
【0184】
実施例1~6および比較例4、8、11~17の電極組立体(以前の試験で60秒前には電極と分離膜との分離が観察されなかった)を分解(すなわち、層分離)した後、分離された層を分析して積層物Sの上段、下段、中間の表面間の接着力を測定した。具体的には、積層物の最下段に位置する陰極と分離膜との接着力を測定した。さらに、積層物の最上段に位置する陰極と分離膜との間の接着力を測定した。最後に、積層物の積層方向に沿って中間位置に位置する陰極と分離膜との間の接着力を測定した。
【0185】
分離された電極組立体のそれぞれにおいて、捕集された陰極および分離膜は、幅55mmおよび長さ20mmを有する。サンプリングされたサンプルは、電極がスライドガラスの接着面上に位置された状態で、スライドガラスに取り付けられた。その後、試料が付着したスライドガラスを接着力測定装置に装着し、上述したようにASTM-D6862に記載の試験方法に従って100mm/minの速度で90°剥離試験を実施して試験した。最初の有意な変動を割引した後、セパレータが電極から剥がされる間にサンプル幅(g/mm)当たりに加えられた力に対する値を測定した。
【0186】
その結果を下記表5に示す。
【0187】
【0188】
表5の結果から、プレヒーティングせずに3MPa(2.5MPa以上の圧力条件)で第2次ヒートプレス作業を行った比較例4、8、11および12における電極組立体の相違する位置のうち少なくとも1つの接着力値が35gf(0.34N)/20mmを超えることを確認した。
【0189】
また、比較例12~17により、プレヒーティングを行ったときにも、第2次ヒートプレス作業を3MPa(2.5MPa以上の圧力条件)で行ったときにも、電極組立体の相違する位置のうち少なくとも1つの接着力値が35gf(0.34N)/20mmを超えることを確認した。
【0190】
特に、本発明の電極組立体のプレヒーティング圧力および温度条件を満足しながら、プレヒーティング時間が30秒を超えた比較例14および16と、プレヒーティング動作を行ったが、本発明の電極組立体のプレヒーティング圧力、温度および時間条件を全て満たさなかった比較例17の場合、電極組立体の相違する位置のうち接着力値の1つは35gf(0.34N)/20mmを大きく超えていることを確認した。
【0191】
電極組立体の接着力が35gf(0.34N)/20mmを超える場合、洗浄および工程処理が容易ではなく(したがって工程コストが増加することがある)、通気性が不良(したがって均一な電解液濡れ性を有する電極組立体を製造しにくい)という欠点がある。
【0192】
一方、本発明の電極組立体の製造方法で電極組立体を製造する場合、洗浄および工程の取り扱いが容易であり、電極組立体の均一な性能を確認することができた。
【0193】
また、実施例1~4の場合、接着力のばらつきが小さいため、このような電極組立体がより均一な性能を有することが確認できた。
【符号の説明】
【0194】
10 ・・・電極組立体
11 ・・・第1電極
11a ・・・第1電極タブ
12 ・・・第2電極
12a ・・・第2電極タブ
14 ・・・分離膜
50 ・・・第1プレス部
50a、50b ・・・第1加圧ブロック
51 ・・・グリッパー
51a ・・・本体
51b ・・・固定部
52 ・・・グリッパー溝
60 ・・・第2プレス部
60a、60b ・・・第2加圧ブロック
100、200 ・・・電極組立体の製造装置
110 ・・・スタックテーブル
111 ・・・テーブル胴体
112 ・・・スタックテーブルヒータ
120 ・・・分離膜供給部
121 ・・・分離膜加熱部
121a ・・・胴体
121b ・・・分離膜ヒータ
122 ・・・分離膜ロール
130 ・・・第1電極供給部
131 ・・・第1電極取り付けテーブル
132 ・・・第1電極ヒータ
133 ・・・第1電極ロール
134 ・・・第1カッター
135 ・・・第1コンベヤベルト
136 ・・・第1電極供給ヘッド
140 ・・・第2電極供給部
141 ・・・第2電極取り付けテーブル
142 ・・・第2電極ヒータ
143 ・・・第2電極ロール
144 ・・・第2カッター
145 ・・・第2コンベヤベルト
146 ・・・第2電極供給ヘッド
150 ・・・第1電極スタック部
151 ・・・第1サクションヘッド
151a ・・・真空吸込口
151b ・・・底面
152 ・・・第1ヘッドヒータ
153 ・・・第1移動部
160 ・・・第2電極スタック部
161 ・・・第2サクションヘッド
162 ・・・第2ヘッドヒータ
163 ・・・第2移動部
170 ・・・ホールディング機構
171 ・・・第1ホルダー(holder)
172 ・・・第2ホルダー
180 ・・・プレス部
181、182 ・・・加圧ブロック
183,184 ・・・プレスヒータ
290 ・・・ビジョン装置
291 ・・・第1カメラ
292 ・・・第2カメラ
R ・・・回転部
S ・・・積層物