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  • 特許-ピーラー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ピーラー
(51)【国際特許分類】
   A47J 17/02 20060101AFI20241022BHJP
   B26B 3/00 20060101ALI20241022BHJP
   B26B 3/04 20060101ALI20241022BHJP
   B26D 3/24 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A47J17/02
B26B3/00 A
B26B3/04
B26D3/24 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024075768
(22)【出願日】2024-05-08
【審査請求日】2024-05-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000111867
【氏名又は名称】パール金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】高波 久雄
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-057248(JP,A)
【文献】特開2016-096910(JP,A)
【文献】特開2019-176906(JP,A)
【文献】特開2007-111261(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/269352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 17/02
B26B 3/00
B26B 3/04
B26D 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、当該把持部から前方に向かって左右二股に分岐した第1、第2の保持部を有してなる本体部と、
前記第1の保持部と前記第2の保持部に跨がるように、且つ、当該保持部の前後方向の異なる位置に独立して架設された第1の刃及び第2の刃を備え、
当該第1の刃及び第2の刃は、前記保持部の前後方向をX方向及び前記保持部が二股に分岐する左右方向をY方向としたとき、これらX方向及びY方向のいずれにも直交する方向の位置も異なるように設置されている
ことを特徴とするピーラー。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の刃及び第2の刃のうち、前記把持部に近い後方側に配置される第2の刃は、刃を下に向けて且つ前記X方向及びY方向を水平に配置したとき、前記第1の刃よりもより下方に設置されている
ことを特徴とするピーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はピーラーに関し、特に2枚の刃を備えたピーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、野菜の皮剥きや千切りなどを行う目的で、手で把持して使用するタイプのピーラーは広く利用されている。
【0003】
例えば特許文献1においては、把持部から前方に向かって二股に分岐した保持部に独立した2枚の刃が並列に保持されている構造のピーラーである。
【0004】
また、特許文献2においては、2枚刃という点は共通するが、2枚の刃が独立して配置されておらず、単一の刃構造の中に2枚の刃部が備わっているタイプのピーラーである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-57248号公報
【文献】特開2019-176906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のピーラーは、例えばキャベツの千切りを行うような場合に、独立した2枚の刃の両方をキャベツに当てにくく(前方側(先端側)の刃しかキャベツに当たらない)、せっかくの2枚刃を生かせない場面が多かった。両方の刃を当てるには、把持部を握る手の角度を無理に曲げる必要があり、操作性に問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に記載のピーラーにおいては上記のような「2枚刃を生かせない」といった問題は生じ無いものの、皮剥きだけをしたいような場合においても2枚の刃が構造上不可避的に当たってしまうため、皮だけを綺麗に剥きたいという用途に使い難い場面があった。
【0008】
そこで本発明は、こういった問題点を解決するべくなされたものであって、千切りを行う際は2枚の刃を野菜などに当て易く、且つ、皮剥きの際には前方側の刃だけを使って容易に皮剥きできる2枚刃ピーラーを提供する事をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するべく、本願発明は、把持部と、当該把持部から前方に向かって二股に分岐した第1、第2の保持部を有してなる本体部と、前記第1の保持部と前記第2の保持部に跨がるように、且つ、前後方向の異なる位置に独立して架設された2枚の刃(第1の刃、第2の刃)を備え、当該2枚の刃は、高さ方向の位置も異なるように設置されていることを特徴とする。
【0010】
このように構成したことによって、千切りを行う際に2枚の刃を野菜などに当て易くなる。より具体的には、前記2枚の刃のうち、把持部に近い後方側に配置される第2の刃は、第1の刃よりも低い位置に設置されていることを特徴とする。
【0011】
また、側面視すると、前記保持部の延在方向(前後方向)を基準としたとき、当該基準に対して前記把持部は所定の角度を有して後方に延在しており、且つ、前記所定の角度は、前記2枚の刃のそれぞれの支持軸を繋ぐ仮想線と前記基準とで形成される角度よりも小さくなるように構成される。
【0012】
このように構成したことによって、2枚の刃が野菜などに当たっている状態でも保持部が野菜などに対して立つように位置するため(野菜に沿わない)、操作し易いと共に、テーブル上などに置いた場合でも把持部の先端側が載置面から浮く構造となっており把持し易い。
【発明の効果】
【0013】
本発明を適用することで、千切りを行う際は2枚の刃を野菜などに当て易く、且つ、皮剥きの際には前方側の刃だけを使って容易に皮剥きできる2枚刃ピーラーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態の一例であるピーラーの平面図である。
図2】同、側面図である。
図3図1A-A線に沿う断面図であって、刃が第1の状態にある場合を示した図であする。
図4図1A-A線に沿う断面図であって、刃が第2の状態にある場合を示した図であする。
図5】キャベツの千切りに使用している状態を示した図である。
図6】人参の皮剥きに使用している状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例であるピーラー100について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する(別途指定した場合はそれに従う)。
【0016】
〈ピーラーの構成〉
図1及び図2に記載の通り、本発明の実施形態の一例として示すピーラー100は、前方が二股に分岐した本体部の前方に2枚の刃が独立して取り付けられて構成される。本体部は、操作する際に手で握るための把持部101と、当該把持部101から前方に向かって二股に分岐した第1の保持部103及び第2の保持部104を有してなる。
【0017】
2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)は、第1の保持部103と第2の保持部104に跨がるように、且つ、前後方向(図面のX方向)の異なる位置に独立して架設されている。更に、これら2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)は、高さ方向(図面のZ方向)の位置も異なるように設置されている。なお、2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)はいずれも、支持軸105a、106aを中心に、保持部103、104に対して一定範囲で回動可能に構成されている。より具体的には、図3及び図4に示した範囲で回動が許容されている。図3は、2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)が最も反時計回りに回転した状態を示している。同様に、図4は、2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)が最も時計回りに回転した状態を示している。この範囲で2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)は自由に回動することができる。
【0018】
なお、符号102はフックなどを引っ掛けるための穴であり、符号107は必要に応じて刃を押し付けたい場合に指を当てる押圧部である。
【0019】
また、側面視すると、保持部103、104の延在方向(前後方向、X方向)を基準としたとき、当該基準に対して把持部101は所定の角度θ1を有して後方に延在している。また、この所定の角度θ1は、前記2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)のそれぞれの支持軸105a、106bを繋ぐ仮想線VLと前記基準とで形成される角度θよりも小さくなるように構成される。
【0020】
〈ピーラーの作用・機能〉
ピーラー100の使い方は極めて単純であり、把持部101を握って2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)を野菜などに押し付けながら手前に引く操作を行うことで、キャベツ10の千切りや(図5)、人参20の皮剥き(図6)を行う。
【0021】
上記構成で説明した通り、本願発明に係るピーラー100は、把持部101と、当該把持部101から前方に向かって二股に分岐した第1、第2の保持部103、104を有してなる本体部と、第1の保持部103と第2の保持部104に跨がるように、且つ、前後方向(図面のX方向)の異なる位置に独立して架設された2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)を備え、当該2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)は、高さ方向(図面のZ方向)の位置も異なるように設置されていた。
【0022】
このように構成したことによって、千切りを行う際に2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)の両方を野菜などに当て易くなる。より具体的には、2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)のうち、把持部101に近い後方側に配置される第2の刃106は、第1の刃105よりも低い位置に設置されている。
【0023】
また、図2のように側面視すると、保持部103、104の延在方向(前後方向、図面のX方向)を基準としたとき、当該基準に対して把持部101は所定の角度θ1を有して後方に延在しており、且つ、この所定の角度θ1は、2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)のそれぞれの支持軸105a、106aを繋ぐ仮想線VLと前記基準とで形成される角度θ2よりも小さくなるように構成されていた。
【0024】
このように構成したことによって、2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)の両方が野菜などに当たっている状態でも保持部103、104が野菜などに対して立つように位置するため(野菜に沿わない)、操作し易いと共に、テーブル上などに置いた場合でも把持部101の先端側が載置面から浮く構造となっており把持し易くなっている。
【符号の説明】
【0025】
100・・・ピーラー
101・・・把持部
102・・・穴
103・・・第1保持部
104・・・第2保持部
105・・・第1の刃
105a・・・(第1の刃の)支持軸
106・・・第2の刃
106a・・・(第2の刃の)支持軸
107・・・押圧部
VL・・・仮想線
X・・・前後方向
Y・・・左右方向
Z・・・高さ方向
【要約】
【課題】
千切りを行う際は2枚の刃を野菜などに当て易く、且つ、皮剥きの際には前方側の刃だけを使って容易に皮剥きできる2枚刃ピーラーを提供する。
【解決手段】
把持部101と、当該把持部101から前方に向かって二股に分岐した第1、第2の保持部103、104を有してなる本体部と、前記第1の保持部103と前記第2の保持部104に跨がるように、且つ、前後方向の異なる位置に独立して架設された2枚の刃(第1の刃105、第2の刃106)を備え、当該2枚の刃は、高さ方向の位置も異なるように設置する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6