(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】計量装置及び計量ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
G01G 23/01 20060101AFI20241022BHJP
G01G 23/42 20060101ALI20241022BHJP
G01G 11/00 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
G01G23/01 Z
G01G23/42 D
G01G11/00 Z
(21)【出願番号】P 2020173207
(22)【出願日】2020-10-14
【審査請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】結城 剛
(72)【発明者】
【氏名】細谷 暢
(72)【発明者】
【氏名】新野 翼
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-296201(JP,A)
【文献】特開2011-112437(JP,A)
【文献】特開2002-179040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 23/01
G01G 23/42
G01G 11/00 - 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアと、
前記コンベア上を搬送中の物品の重量を計測する計量部と、
前記計量部で計測して得られた計測値に基づいて各種情報を表示する表示部
と、
前記コンベアの速度を制御する制御部と、
を備え、
物品の重量を計測する際に得られる安定した計測値に基づいて各種情報を表示する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成され、
前記制御部は、前記検定用モードで制御される場合に、前記コンベアの速度を予め定められた速度となるよう制御する
ことを特徴とする計量装置。
【請求項2】
前記表示部は、さらに検定用の瞬時値を連続して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記表示部は、検定に関する情報事項を表示可能とされている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の
計量装置。
【請求項4】
コンベア
と、
前記コンベア上を搬送中の物品の重量を計測する計量部と、
前記計量部で計測して得られた計測値に基づいて該物品のラベルを貼付するとともに、各種情報を表示する表示部
と、
前記コンベアの速度を制御する制御部と、
を備える計量ラベル貼付装置であって、
コンベア上で搬送中の物品の重量を前記計量部で計測する際に得られる安定した計測値に基づいて該物品のラベルを該物品に貼付する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成され、
前記制御部は、前記検定用モードで制御される場合に、前記コンベアの速度を予め定められた速度となるよう制御する
ことを特徴とする計量ラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置及び計量ラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を計量する計量装置が知られている。
また、搬送中の商品を計量し、商品の重量値や値段等をラベルに印字し、そのラベルを商品に貼付する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、簡単な構造で、通常モードと検定用モードを切り替えて制御でき、検定に適した表示を行うことができる計量装置や計量ラベル貼付装置は知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る計量装置は、少なくとも以下の構成を具備する。
コンベアと、前記コンベア上を搬送中の物品の重量を計測する計量部と、前記計量部で計測して得られた計測値に基づいて各種情報を表示する表示部と、前記コンベアの速度を制御する制御部と、を備え、物品の重量を計測する際に得られる安定した計測値に基づいて各種情報を表示する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成され、前記制御部は、前記検定用モードで制御される場合に、前記コンベアの速度を予め定められた速度となるよう制御することを特徴とする。
【0006】
本発明の計量ラベル装置は、コンベアと、前記コンベア上を搬送中の物品の重量を計測する計量部と、前記計量部で計測して得られた計測値に基づいて該物品のラベルを貼付するとともに、各種情報を表示する表示部と、前記コンベアの速度を制御する制御部と、を備える。この計量ラベル貼付装置は、コンベア上で搬送中の物品の重量を前記計量部で計測する際に得られる安定した計測値に基づいて該物品のラベルを該物品に貼付する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成され、前記制御部は、前記検定用モードで制御される場合に、前記コンベアの速度を予め定められた速度となるよう制御することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る計量ラベル貼付装置(計量装置)の一例を示す全体概念図である。
【
図2】計量ラベル貼付装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る計量ラベル貼付装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】計量ラベル貼付装置の通常モード時の動作を説明するための図である。(a)は通常モード時の操作画面の一例を示す図である。(b)は物品(商品)に貼付されるラベルの一例を示す図である。
【
図5】計量ラベル貼付装置の動作の一例を示す図である。(a)は計量ラベル貼付装置の管理者の認証画面の一例を示す図である。(b)は検定モード時の各種検定の設定画面の一例を示す図である。
【
図6】検定モードの器差の表示画面の一例を示す図である。
【
図7】計量ラベル貼付装置の計量部による計量値の表示例を示す図である。(a)~(c)は通常モード時に表示する計量値(目量)の一例を示す図である。(d)~(e)は検定モード時に表示する計量値の一例を示す図である。
【
図8】計量ラベル貼付装置の動作の一例を示すための図である。(a)は計量ラベル貼付装置の検定モードの偏置の操作表示画面の一例を示す図である。(b)は検定モードの偏差検定の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る計量装置は、物品の重量を計量部で計測して得られた計測値に基づいて各種情報を表示する表示部を有する。この計量装置は、物品の重量を計測する際に得られる安定した計測値に基づいて各種情報を表示する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる計量部の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成され、検定用モードで制御される場合には、検定用疑似材料の重量を計量する際に得られる検定用疑似材料毎の履歴表示を行う。
検定項目の試験回数分だけ正確な重量の検定用疑似材料(サンプル)を用意して検定を行うことが望ましい。なお、サンプルの持ち運びやサンプルそれぞれの重量管理等を考慮して、複数(10個程度)のサンプルを用意し、そのサンプルを繰り返し使用して検定を行ってもよい。通常の検定項目では、10単位で検定を行うので、10個サンプルを準備することが好ましい。検定用疑似材料毎の履歴表示とは、検定項目の試験を規定単位(例えば10単位)で複数回、合計所定回数(60回)行う場合、10個のサンプルを順次計量して示される規定単位分の計量結果の一覧表示であって、規定回数(10回分)の検定用の計量値の履歴(ログ)を表示することで示されるものである。
また、検定用疑似材料(サンプル)を所定個数、例えば60個準備し、その60個の検定用疑似材料を用いて検定を行ってもよいし、それよりも少ない10個程度の検定用疑似材料を準備し、その検定用疑似材料を順次繰り返し用いて検定を行ってもよいし、1個の検定用疑似材料を準備し、その1個の検定用疑似材料を順次繰り返し用いて検定を行ってもよい。
また、計量装置は、例えば商品などの物品を搬送するコンベアにはかり(計量部)を備えて、コンベア上を搬送中の物品の重量(質量)を計測してもよいし、あるいはコンベアを備えずに、はかりで物品の重量(質量)を計量してもよい。
【0009】
また、本発明の実施形態に係る計量ラベル貼付装置は、コンベア上で搬送中の物品の重量を計量部で計測して得られた計測値に基づいて該物品のラベルを貼付するとともに、各種情報を表示する表示部を有する。この計量ラベル貼付装置は、コンベア上で搬送中の物品の重量を前記計量部で計測する際に得られる安定した計測値に基づいて該物品のラベルを該物品に貼付する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成され、検定用モードで制御される場合には、検定用疑似材料の重量を計量する際に得られる前記検定用疑似材料毎の履歴表示を行う。
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
以下、本発明に係る計量装置を採用した計量ラベル貼付装置の一例を説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る計量ラベル貼付装置100は、搬送中の物品の重量(質量)をコンベア上で計測して得られた計測値に基づいて該物品のラベルを貼付する装置である。
詳細には、計量ラベル貼付装置100は、搬送台、制御装置10、計量部9、ラベル印字貼付部160などを有する。
【0012】
搬送台は、物品(商品等)を搬送するコンベア等の搬送機構を有する。
搬送台には、コンベア2、計量部9を備えたコンベア3(計量コンベア)、ラベル印字貼付部160を備えたコンベア4が、搬送方向上流側から下流側に順に配設されている。
【0013】
コンベア2は、搬送路の搬送方向に所定距離だけ離れて配置された一対のローラーR21,R22と、その一対のローラーR21,R22に張設された無端状ベルトB2等を有する。コンベア3は、所定距離だけ離れて配置された一対のローラーR31,R32と、その一対のローラーR31,R32に張設された無端状ベルトB3等を有する。コンベア4は、所定距離だけ離れて配置された一対のローラーR41,R42と、その一対のローラーR41,R42に張設された無端状ベルトB4等を有する。
【0014】
また、コンベア2、3、4は、それぞれ駆動モーターM2、M3、M4(コンベア駆動部)を有し、各コンベアのローラー、無端状ベルトが回転可能に構成されている。
【0015】
搬送路の中間位置に配置されたコンベア3には、このコンベア3の無端状ベルトB3上に載置されている物品(商品)やサンプル(検定用疑似材料)の重量(質量)を計量する計量部9が設けられている。
制御装置10は、制御部1、表示操作部120等を有し、コンベア3の近傍に設けられている。
【0016】
コンベア4の搬送機構の上方には、ラベル印字貼付部160が配置されている。
ラベル印字貼付部160は、コンベア3の計量部9により計測して得られた物品の重量(計量値)や重量に応じた値段、物品に関する物品情報(商品情報)等を、ラベルに印字してラベルを発行するラベル発行部161と、計量部9により計量されコンベア4により搬送されている物品に、ラベル発行部161で発行されたラベルを貼付するラベル貼付部162等を有する。
【0017】
また、コンベア2、3、4が設けられている搬送台には、物品やサンプルS(検定用模擬材料)等の被搬送物の位置を検出する検出センサ、たとえば、透過型や反射型の光電センサ等が複数設けられている。
図1に示す例では、第1の検出センサ71は、コンベア2の下流側端部付近に配置されている。第2の検出センサ72は、コンベア3の上流側端部付近に配置されている。第3の検出センサ73は、コンベア3の下流側端部付近に配置されている。第4の検出センサ74は、コンベア4の上流側端部付近に配置されている。第5の検出センサ75は、コンベア4の中間部、具体的にはラベル印字貼付部160の上流側近傍に配置されている。なお、各検出センサは、適宜必要に応じて所定位置に設けられている。
物品(商品)がコンベア2,3,4により搬送された場合、制御部は、検出センサ71~75からの検出信号や各コンベアの搬送速度に基づいて物品(商品)の位置を特定し、例えばコンベア3の計量部9による物品の計量、ラベル印字貼付部160による物品へのラベル貼付等の処理を行う。
【0018】
図2は本発明の実施形態に係る計量ラベル貼付装置100の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
計量ラベル貼付装置100は、制御部1、記憶部12、表示操作部120、インタフェース20(IF)、計量部9、駆動モーターM2(コンベア駆動部)、駆動モーターM3(コンベア駆動部)、駆動モーターM4(コンベア駆動部)、ラベル印字貼付部160等を有する。
制御部1には、記憶部12、表示操作部120、インタフェース20(IF)等が、通信線1B(バス等)を介して通信可能に接続されている。
計量部9、検出センサ71~75、コンベア駆動部としての駆動モーター(M2、M3、M4)、ラベル印字貼付部160は、インタフェース20(IF)及び通信線1Bを介して制御部1に通信可能に接続されている。
ラベル印字貼付部160は、ラベル発行部161、ラベル貼付部162を有する。
表示操作部120は、表示部121、操作部122を有する。
図2に示す例では、制御装置10は、制御部1、記憶部12、表示操作部120、インタフェース20(IF)等を有する。
【0019】
制御部1は、計量ラベル貼付装置100の各構成要素を統括的に制御する。また、制御部1は、制御プログラムを実行することにより、計量ラベル貼付装置としてのコンピュータに、本発明に係る機能を実現する。
【0020】
詳細には、制御部1は、搬送中の物品の重量をコンベア3上で計測する際に得られる安定した計測値に基づいて該物品のラベルを該物品に貼付する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記コンベアの性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能である。
【0021】
また、制御部1は、検定用モードで制御する場合、コンベア3で搬送される検定用疑似材料(サンプル)の重量をコンベア3上で計量する際に得られる検定用の瞬時値を表示部121に連続して表示する処理を行う。
また、制御部1は、コンベア3の無端状ベルトを停止した状態で、検定用モードで制御する場合、検定用疑似材料(サンプル)の重量をコンベア3上で計量する際に得られる検定用の瞬時値を表示部121に連続して表示する処理を行ってもよい。
【0022】
また、制御部1は、検定用モードで制御する場合、検定の項目に応じてコンベアの搬送速度を変更する処理を行う。
【0023】
また、制御部1は、コンベアの搬送回転の制御を行うことができる。詳細には、コンベアの無端状ベルトを正方向に回転させて、物品等を上流から下流に搬送する正の搬送方法と、コンベアの無端状ベルトを逆方向に回転させて、下流から上流に物品等を搬送する逆の搬送方法とを、制御部1は切り替える制御を行うことが可能である。
例えば、検定用モード時に、正の搬送方法で検定用疑似材料を一度上流から下流に搬送した後、制御部1が逆の搬送方法に切り替えてコンベアを制御することで、上述した下流に搬送された検定用疑似材料を下流から上流側へ搬送することができる。
つまり、検定用疑似材料がコンベアで下流に搬送された後、管理者(検定員等)がコンベアの下流側に移動してその検定用疑似材料を手に取り、コンベアの上流まで移動するという、検定用疑似材料をコンベアの上流に移動させるための、管理者(検定員等)自身の移動を行う必要がない。
【0024】
記憶部12は、制御プログラム、物品(商品)に関する情報である商品情報(例えば商品名等)、検定時の計量値、検定結果、各種検定項目の手順を示す手順情報(手順画像等)などを記憶する。記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD、装置本体部に対して着脱自在な携帯型記憶装置等である。
【0025】
表示操作部120は、表示部121、操作部122を有する。表示部121は液晶表示装置などの表示装置であり、操作部122は操作ボタン、操作キー、スイッチ、タッチパネル等である。また、表示操作部120は、タッチパネル式表示装置であってもよい。
【0026】
計量部9は、コンベア3(計量コンベア)に設けられており、コンベア3により搬送される物品(商品)やサンプル(検定用模擬材料)の重量(質量)を計量し、計量結果を制御部1に出力する。通常の使用状態では、コンベア3に荷重が滑り込んでくる状態、すなわち、非安定平衡に基づいた計量となっているため、計量部9の計量による値が安定するのに一定程度の時間を有し、初期ドリフトとなる。
【0027】
次に、本発明の実施形態に係る計量ラベル貼付装置100の動作の一例を説明する。
図3に示すように、ステップST1において、制御部は、検定用モードを選択したか否かを判別する。詳細には、制御部1は、操作入力部から検定用モードが選択された場合に、ステップST7の処理に進み、それ以外の場合にステップST2の処理に進む。
【0028】
ステップST2において、制御部1は、計量ラベル貼付装置を通常モードでステップST3~ST6等の制御を行う。
【0029】
通常モードの場合、表示操作部120(タッチパネル式表示部)の設定画面は、例えば
図4(a)に示すように、商品名表示部D1、100g当りの値段表示部D2、計量値表示部D3、消費期限表示部D4、加工日時表示部D5、コード情報表示部D6、値段表示部D7等を有する。
【0030】
商品名表示部D1には、商品名が表示され、操作により商品名を変更可能である。
【0031】
100g当りの値段表示部D2(単位量当りの値段表示部)には、100g等の単位量当りの値段が表示され、操作により変更可能である。
【0032】
計量値表示部D3には、計量部による計量結果である計量値が表示される。計量値は、例えば商品の重量(質量)やサンプル(検定用疑似材料)の重量(質量)などである。
消費期限表示部D4には、商品の消費期限が表示され、操作により変更可能である。
加工日時表示部D5(製造日時表示部)には、商品の加工日時(製造日時)が表示され、操作により変更可能である。
コード情報表示部D6には、商品の商品コード(JANコード等)が表示される。この商品コードに基づいてバーコード等が印刷される。
値段表示部D7は、計量値、及び100当りの値段に基づいて算出された商品の値段が表示される。なお、値段表示部D7は税込みの値段を表示してもよい。
制御部1は、設定画面により設定された設定情報を記憶部に記憶する。
【0033】
ステップST3において、制御部1は、物品(商品)をコンベアにより搬送する処理を行う。詳細には、操作者は、コンベア2上に物品(商品)を載置する。コンベア2は物品(商品)を搬送方向に搬送し、コンベア3へ搬送する。
【0034】
ステップST4において、制御部1は、コンベア3により搬送されているコンベア3上の商品を計量する処理を行う。そして、コンベア3は、商品を搬送方向下流側のコンベア4に移動させる。
【0035】
ステップST5において、制御部1は、ラベル印字貼付部160によりラベルの発行処理を行う。詳細には、制御部1は、記憶部に記憶されている商品情報や、計量部9による商品の重量(質量)を計量した結果に基づいて、ラベル発行部161により、商品情報や重量(質量)を印字したラベルを発行する。
ラベルには、物品(商品)に関する情報、例えば
図4(b)に示すように、商品名(例えば豚バラうす切り等)、100g当りの値段、コンベア3(計量コンベア)の計量部9で計量された物品(商品)の重量(質量)、バーコードや2次元コード等のコード情報、消費期限、製造日、加工者名(製造者名)、住所等が印字される。
【0036】
ステップST6において、制御部1の制御によりラベル貼付部162が、ラベル発行部161により発行されたラベルを、コンベア4により搬送されている物品(商品)に貼付する。
制御部1は、ラベル貼付後、コンベア4により搬送方向下流側に物品(商品)を搬送する。
【0037】
次に、検定用モードが選択されたときの計量ラベル貼付装置の動作の一例を説明する。
ステップST7において、制御部1は、管理者認証処理を行う。本実施形態では、計量ラベル貼付装置は、管理者等の登録されている管理者権限を有する者のみが装置の検定用モードを実行させることができる。
例えば
図5(a)に示すように、検定モード(検定用モード)に切り替えるための認証画面には、管理者のID(管理者識別情報)を入力可能なID表示入力部D11、PW(パスワード)等を入力するPW入力部D12、入力ボタンD13等を有する。
制御部1は、ID、パスワードが入力され、入力ボタンD13が操作された場合に、ステップST8の処理に進む。
【0038】
ステップST8において、制御部1は、管理者のID、パスワードに基づいて管理者の認証を行い、認証できた場合にステップST9の処理に進み、認証できない場合にステップST1の処理に進む。
詳細には、例えば記憶部は、管理者のID、パスワード、氏名、生体認証情報、権限情報等の管理者情報を記憶しており、制御部1は、表示操作部120により入力されたID、パスワードと記憶部に記憶されている管理者情報が一致しているか否かで認証処理を行う。
【0039】
なお、管理者情報は、計量ラベル貼付装置の記憶部に記憶されていてもよいし、通信ネットワーク(通信路等)を介して通信可能に接続された管理サーバ(管理用コンピューター)の記憶部に記憶されていてもよい。
【0040】
なお、管理者認証処理としては、例えば、虹彩認証、顔認証、指紋認証、静脈パターン認証等の生体認証を行ってもよい。また、管理者認証処理としては、管理者の所有する携帯装置(例えば管理者ICカード(磁気カード)、ワンタイムコードを生成するハードウェアトークンやスマートフォンの認証アプリ等)や、セキュリティキー等を用いた認証を行ってもよい。また、管理者認証処理として、それらの各種認証を組み合わせた多要素認証を行ってもよい。
【0041】
ステップST9において、制御部1は、検定用モードに遷移し、検定用モードに関する処理を行う。詳細には、制御部1はステップST10~ST14等の処理を行う。
【0042】
ステップST10において、制御部1は、検定用モードの場合、選択された検定の項目に応じた操作手順を、表示部121に表示する処理を行う。つまり、管理者(操作者)は、表示部121に表示される検定の項目に応じた手順を見て、手順通りに計量ラベル貼付装置を操作することで、各種検定を行うことができる。
【0043】
例えば、
図5(b)に示すように、表示操作部120に、コンベア3の検定の項目を選択可能に一覧表示する。詳細には、
図5(b)に示す検定画面は、器差、偏置、風袋、代替動作速度、動補正、平衡安定性などを選択可能な操作ボタンD15等を有する。
各検定項目の操作ボタンD15の近傍には、検定状況表示枠D16(検定状況表示部)が近設されている。この検定状況表示枠D16は、検定の枠が済んでいる場合には「済」、まだ検定が行っていない場合には「未」を表示する。検定状況表示枠D16は、各検定項目毎に検定の合否の結果を示す「合」又は「不合格」等を表示してもよい。
また、制御部1は、検査項目の操作ボタン(D15)を、検査の状況を色で判別できるように表示させることができる。詳細には、制御部1は、例えば、検査項目の操作ボタンD15を検定合格後は青色で表示、不合格は赤色、検定が済んでいないときは黄色など、操作者(検査員等)が操作ボタンD15を見て検定の進捗状況が容易に把握可能に表示してもよい。
【0044】
器差は、サンプル(検定用疑似材料)をコンベア3(計量コンベア)で搬送しながら、計量部9により計量を行い、計量部9(測定器)が示す値から、示すべき真の値を減算した値が検定範囲内にあるか否かを確認する検定である。器差とは真の値と偽の値との差から測定器の個体精度を表す指標として利用できる。
【0045】
偏置荷重は、被計量物としてのサンプル(検定用疑似材料)を、コンベア3(計量部を有する)の任意の位置(計量可能領域内)に載置し、計量した値の偏りがないか確認する検定である(コンベア運転中)。
【0046】
風袋は、コンベア3(計量コンベア)の無端状ベルトの回転を停止させた状態で、サンプル(検定用疑似材料)をコンベア3(計量コンベア)に載置して、風袋引き設定動作後、表示部121に表示される、計量部9で計量された計量値を確認する。
【0047】
代替動作速度は、コンベア3(計量コンベア)において、例えば使用最大搬送速度の1/2となるように搬送速度を動作範囲の中間値に設定し、サンプル(検定用疑似材料)をコンベア3(計量コンベア)で搬送しながら、計量部9で計量された計量値に基づいて検定を行う(コンベア運転中)。
【0048】
動補正の範囲(コンベア運転中)は、コンベア3(計量コンベア)において、サンプル(検定用疑似材料)を最大搬送速度(使用最大搬送速度)に設定し、最大搬送速度で搬送しながら、コンベア3の計量部9で計量し、限定された動補正の範囲内で動補正が働いているのかを確認する。
計量ラベル貼付装置において、コンベア3停止時にサンプル(検定用疑似材料)を計量部9で計量して得られる静的計量値と、コンベア3によりサンプル(検定用疑似材料)を搬送しながら計量部9で計量して得られる動的計量値とでは差が生じるので、動的計量値に動補正処理を施している。
【0049】
平衡安定性(コンベア停止中)は、コンベア3(計量コンベア)において、計量部9に対して、秤量又は使用計量範囲の上限荷重の50%まで負荷し、平衝状態となった1回の動作(計量部を手で押す等)で釣り合いを崩し、その後、手を離して5秒間で計量部による計量値に変動がないかを表示部で確認する。
【0050】
図6は検定用モード(検定モード)の器差時の表示画面の一例を示す図である。
図6に示す表示画面は、手順表示部D21、計量値表示部D22、履歴表示部D23、合否表示部D24、残数表示部D25、平均値表示部D26等を有する。
【0051】
手順表示部D21は、例えば「器差 手順1 サンプル(検定用疑似材料)を流してください」等と手順を表示する。
計量値表示部D22は、計量部9により得られた計量値を表示する。検定用モード時、計量値表示部D22には、検定用モードの計量値が表示される。検定用モードの計量値は例えば目量の1/5以下、好ましくは目量の1/10の単位で表示される。具体的には、1gの目量に対して0.1g単位で検定用モードの計量値が表示される。
なお、計量値表示部D22に連続して表示される計量値(瞬時値)は、計量部9の計量による安定した結果の数値を表示しているのではなく、計量部9から一定間隔で現在の計量値(重量)が制御部1に送信されており、制御部1がその現在の計量値を表示部の計量値表示部D22にリアルタイムに表示したものであり、つまり、端数処理をしていない検定用の瞬時値(計量値)である。
【0052】
履歴表示部D23は、本実施形態では、検定用モード時に、サンプル(検定用疑似材料)を計量部9にて計量し、計量部9の計量により得られた計量値(検定用モードの計量値)の履歴(ログ)を一覧表示する。詳細には、履歴表示部D23は、例えば、所定回数(60回分等)の計量値(検定用モードの計量値)の履歴の全部又は一部分(規定単位毎又は複数の規定単位)を表示可能である。
詳細には、履歴表示部D23は、計量部9の計量によるサンプル(検定用疑似材料)毎の計測値の安定値の履歴を表示する。
また、検定の計量値(検定用モードの計量値)に上限又は下限を設けて、該当する計量値が得られた場合には、色を反転させるなどの表示態様を変えてもよい。さらに、計量部による計量結果を示す計量値が明らかに適切でない場合、制御部は、その都度、計量値が正しいか否かを判断して、検定処理工程の途中で、検定自体を中止する制御を行ってもよい。
また、履歴表示部D23は、
図6に示した例では、履歴表示として、回数、計量値(通常モード用計量値)、検定用モードの計量値、検定項目によって必要な数値などを表示する。
履歴表示部D23の回数とは、検定の回数(試験の回数)である。
履歴表示部D23の計量値とは、通常モードで計量される数値(通常モード用計量値)であり、通常モードの時に、表示部の画面に表示される数値(例えば
図4に示す計量値表示部D3に表示される数値)である。
履歴表示部D23の検定用モードの計量値は、計量部9の計量によるサンプル(検定用疑似材料)毎の計測値の安定値である。
検定によって必要な数値は、検定の項目に対応して表示される数値であり、
図6に示す例では、器差の検定時の数値であり、通常時の計量値と検定用モード時の計量値との差(例えば検定用モードの計量値を基準とする)を表示する。なお、検定の項目毎に、この「検定によって必要な数値」の表示形態は異なる。
【0053】
制御部1は、サンプル(検定用疑似材料)を所定回数(例えば60回)、計量部により計量した計量値(検定用モードの計量値)の平均値に基づいて、器差の検定の合否を判定する。制御部1は、平均値が検定公差内であれば、検定の結果が合格である旨を合否表示部D24に表示し、それ以外の場合に検定結果が否である旨を表示する処理を行う。
【0054】
残数表示部D25は、サンプル(検定用疑似材料)を用いた検定の回数(例えば60回)と、残数(例えば30回)を表示し、残数をカウントダウン表示可能である。
【0055】
平均値表示部D26は、それまで行った検定の計量値の平均値や、それまでの検定の途中経過を表示することができる。
【0056】
図7は目量及び検定用モードの計量値を説明するための図である。
詳細には、計量部により物品やサンプル(検定用疑似材料)を計量した結果、通常モード時、例えば
図7(a)、
図7(b)、
図7(c)に示すような目量表示(取引・証明に使える桁表示)となり、検定用モード時では、
図7(d)、
図7(e)、
図7(f)に示すような、目量の1/10の単位で検定用モードの計量値表示が行われる。
詳細には、商業上の取引に用いられる物品ラベルに印字される重量については、計量部の初期ドリフト後の安定した計測値が当然ながら求められる。一方、検定に際しては計量コンベアの初期ドリフト自体も監視対象となるため、表示部121には検定用の瞬時値が表示され続けることになる。
本実施例において、検定用の瞬時値は検定用モードの計量値で表示される。例えば、500g程度の検定用疑似材料が搬送されてくる場合、表示部121には、コンベアを通過する毎に、初期ドリフト後に約500gの値が表示され、値が0となり、また、初期ドリフト後に約500gの値が表示される。
実際には、管理者(操作者)が目視できないような完全な計測値の連続変化ではなく、所定期間毎のサンプリングされた離散値での計測値変化を管理者(操作者)は監視することになる。
【0057】
図8は検定用モード(検定モード)の偏置時の画面の一例を示す図である。
詳細には、
図8(a)に示す表示画面は、手順表示部D31、手順画像表示部D32、スタートボタンD33等を有する。
手順表示部D31は、偏置時の手順等を表示する。詳細には、
図8(a)に示す例では、手順表示部D31は、「偏置 手順1 サンプルを進行方向上流側に置いてください」等と表示する。
【0058】
手順画像表示部D32は、偏置時の手順を画像で表示する。
詳細には、
図8(a)に示す例では、コンベア3の無端状ベルトB3によるサンプルSの搬送方向が右から左方向に示されており、コンベア3の幅方向(
図8(a)に示す上下方向)が搬送方向に対して直交するように示されている。
例えばサンプルSを10個~60個準備する。サンプルSの幅は、無端状ベルトB3の幅wの1/2である。
また、手順画像表示部D32は、サンプルSの載置位置を示しており、詳細には、最初のサンプルSを、コンベアの無端状ベルトB3の搬送方向右寄りの位置(載置位置)に、次のサンプルSを左寄りの位置(載置位置)に載置することを示している。また、3番目以降、サンプルSの載置位置は右寄り、左寄り、右寄り、左寄り、・・・、である。
【0059】
スタートボタンD33が操作された場合、制御部1は、偏置を開始し、コンベア3によりサンプルSを搬送しながら計量部9で検定用の計量を行う。
【0060】
偏置時、
図8(b)に示すように、計量値表示部D35には、計量部による検定モード用の計量値が表示される。また、履歴表示部D36には、計量部により得られた所定回数(60回分等)の計量値(検定用の計量値)の履歴の全部又は一部分が表示される。
合否表示部D37には、検定結果の合否が表示される。
【0061】
ステップST11において、制御部1は、検定の項目に応じたコンベア制御を行う。例えば、器差の場合にコンベアを稼動し、平衡安定性の場合にコンベアを停止する処理を行う。
【0062】
ステップST12において、制御部1は、検定の項目に応じた計量処理を行う。
詳細には、制御部1は、コンベアを駆動した状態で、器差、偏置荷重、代替動作速度、動補正等それぞれに応じた処理を行う。
また、制御部1は、コンベアを停止した状態で、風袋、平衡等それぞれに応じた処理を行う。
【0063】
ステップST13において、制御部1は、計量部9による計量値として瞬時値や安定した計量値などを表示部121に表示する処理を行う。また、制御部1は、計量値を表示部に一覧表示する。
【0064】
ステップST14において、制御部1は、例えば「検定終了」ボタン(不図示)や「次の検定」ボタン(不図示)等を操作可能に表示部に表示し、「次の検定」ボタンが操作された場合にステップST9の処理に進み、「検定終了」ボタンが操作された場合に検定処理を終了する。
【0065】
なお、計量部9の検定の途中で不合格となった場合に、制御部1は、検定を中止してもよい。また、検定を中止した場合に、制御部1は、その旨を示すアラートを表示部121にしてもよい。
【0066】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、計量装置及び計量ラベル貼付装置に関する。
[背景技術]
商品を計量する計量装置が知られている。
また、搬送中の商品を計量し、商品の重量値や値段等をラベルに印字し、そのラベルを商品に貼付する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開平7-267232号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、簡単な構造で、通常モードと検定用モードを切り替えて制御でき、検定に適した表示を行うことができる計量装置や計量ラベル貼付装置は知られていない。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、物品の重量を計量部9で計測して得られた計測値に基づいて各種情報を表示する表示部121を有する計量装置であって、物品の重量を計測する際に得られる安定した計測値に基づいて各種情報を表示する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部9の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成され、前記検定用モードで制御される場合には、検定用疑似材料の重量を計量する際に得られる前記検定用疑似材料毎の履歴表示を行う。
詳細には、計量装置は、物品の重量を計測する際に得られる安定した計測値に基づいて各種情報を表示する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部9の性能検定を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能な制御部1を有する。この制御部1は、前記検定用モードで制御する場合に、表示部121により、検定用疑似材料の重量を計量する際に得られる前記検定用疑似材料毎の履歴表示を行う。
すなわち、通常モードと検定用モードを切り替え可能に構成され、検定に適した表示を行うことができる計量装置を提供することができる。
【0067】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の計量装置であって、前記表示部121は、さらに検定用の瞬時値を連続して表示する。
すなわち、検定用モードで制御される場合に高精度に計量部の検定を行うことができる計量装置を提供することができる。
【0068】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の計量装置であって、表示部121は、例えば
図5(b)、
図6、
図8に示すように、さらに検定に関する情報事項を表示可能である。
すなわち、管理者(操作者等)は、検定に関する情報事項、例えば、検定手順を見て、検定手順に従って容易に検定を進めることができ、また、計量部による計量結果の計量値を見ることができる。
【0069】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれかに記載の計量装置であって、さらに、コンベア(コンベア3等)を備え、前記計量部9は、コンベア(コンベア3)上を搬送中の物品の重量を計測し、前記表示部121は、得られた計測値に基づいて各種情報を表示する。また、計量装置は、コンベア(コンベア3等)の速度を制御する制御部1を有し、前記制御部1は、検定の項目に応じてコンベア(コンベア3等)の搬送速度を変更可能とされている。
すなわち、管理者(操作者)が検定の項目毎にコンベア3等の速度を手動で調整する等の煩雑な操作を行うことなく、制御部1が検定の項目に応じてコンベア(コンベア3や必要に応じてコンベア2,4等)の搬送速度を変更することができ、検定の項目に応じてコンベアの搬送速度を最適に制御して、高精度に各検定の項目を行うことができる。
【0070】
(5)本実施形態の一態様は、(4)に記載の計量装置において、前記制御部1は、検定の項目に応じて検定対象となる前記計量部9のコンベア3と検定対象ではないコンベア(コンベア2やコンベア4等)とで搬送速度を異ならせることが可能とされている。
すなわち、例えば、複数の検定用疑似材料(サンプル)を所定の間隔で、コンベア2(例えばインフィードコンベア)、コンベア3(計量コンベア)、コンベア4(例えばラベル印字貼付部160が設けられているコンベア)等に順に搬送して、コンベア3の検定を行うとき、コンベア3(計量コンベア)の搬送速度よりも、コンベア2、4の搬送速度を遅くなるように制御することで、複数の検定用疑似材料(サンプル)が比較的少ない場合であっても容易に各種検定を行うことが可能な、計量装置を提供することができる。
【0071】
(6)本実施形態の一態様は、コンベア3上で搬送中の物品の重量を計量部9で計測して得られた計測値に基づいて該物品のラベルを貼付するとともに、各種情報を表示する表示部121を有する計量ラベル貼付装置100であって、コンベア3上で搬送中の物品の重量を前記計量部9で計測する際に得られる安定した計測値に基づいて該物品のラベルを該物品に貼付する通常モードと、管理者の操作により検定対象となる前記計量部9の性能検定(計量性能検定)を行う検定用モードと、に切り替えて制御可能となるように構成されている。つまり、計量ラベル貼付装置100は、通常モードと検定用モードとに切り替えて制御可能な制御部1を有する。制御部1は、前記検定用モードで制御する場合には、検定用疑似材料の重量を計量する際に得られる前記検定用疑似材料毎の履歴表示を行う。
すなわち、通常モードと検定用モードを切り替え可能に構成され、検定用モードで制御される場合に高精度に検定を行うことができる計量ラベル貼付装置100を提供することができる。
【0072】
なお、操作入力部からの操作信号により、検定に用いる検定用疑似材料(サンプル)の個数が設定された場合に、制御部1は、検定用疑似材料(サンプル)の個数に応じてコンベアの搬送速度を制御してもよい。
例えば10個のサンプルを用いて、60回の検定用の計量を行うとき、サンプルの個数が10個と設定され、制御部1は、10個のサンプルを順に第1の搬送速度で搬送してコンベアの検定を行った後、コンベアを低速(第2の搬送速度)に変更する制御を行う。下流側に移動した10個のサンプルを上流側に移動してそのサンプルを再度用いて、検定の続きを開始する場合に、制御部1は、コンベアを第1の搬送速度に変更して、コンベアの検定を続ける。そして、検定用の計量が規定回数(60回)終了したときに、制御部1は、コンベアの駆動を停止する。
サンプルの個数、検定用の計量の回数は、上述した実施例に限られるものではない。
【0073】
また、検定時のコンベアの制御は、上述した実施例に限られるものではなく、表示操作部に、コンベアの速度を低速、通常速度、高速等に調整するためのボタン(GUIや物理ボタン等)を操作可能に設け、制御部は、ボタン操作に応じて、コンベアの搬送速度を制御してもよい。
【0074】
また、記憶部は、検定の項目毎にコンベアの制御のパターンを関連付けて記憶し、制御部は、検定用モード時に、記憶部から検定の項目に応じたコンベアの制御のパターンを読み出してその制御パターンに応じてコンベアの搬送速度、停止等を制御してもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0076】
1…制御部
2…コンベア
3…コンベア(計量コンベア)
4…コンベア
9…計量部
10…制御装置
12…記憶部
100…計量ラベル貼付装置
120…表示操作部
121…表示部
122…操作部
160…ラベル印字貼付部
161…ラベル発行部
162…ラベル貼付部
M2、M3、M4…駆動モーター(コンベア駆動部)