(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】汚染流体から固体を抽出するための装置、及び手段
(51)【国際特許分類】
C02F 1/06 20230101AFI20241022BHJP
C02F 1/04 20230101ALI20241022BHJP
【FI】
C02F1/06
C02F1/04 A
C02F1/04 C
C02F1/04 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021092682
(22)【出願日】2021-06-02
【審査請求日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521239646
【氏名又は名称】ウォーター チャレンジ,エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】WATER CHALLENGE,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヴェラ アラルコン,セバスチャン
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/210581(WO,A1)
【文献】特表2014-511264(JP,A)
【文献】特開2015-013268(JP,A)
【文献】特開2011-240241(JP,A)
【文献】米国特許第03395084(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/02-1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経済安定策のためのいかなるタイプの廃棄もせず、汚染流体から結晶化された固体を得ることと、全てを連続的な断熱/音速処理で、蒸気/結晶化及び低エネルギー消費によって、1つの工程で浄水を得ることと、を基本目標とした汚染流体から固体を抽出するための装置であって、前記装置は、完全に相互接続された少なくとも3つの回路を単体の装置として構成され、第1の回路は、
処理される汚染流体(1)の入口ダクトと、
プレフィルタ(2)と、
微粒子(3)のためのフィルタと、
2つ入口及び2つの出口を伴う熱交換器(4)と、
前記熱交換器(4)で加熱された、予熱された汚染流体(5)と、
流
体フィードバックポンプ
(6)と、
前記予熱された汚染流体(5)を導入する注入器(7)及び排出器(8)で形成されたノズルと、
そこから出た蒸気が導入される蒸発チャンバー(9)と、
前記蒸発チャンバー(9)から出た蒸気を圧力の増加により過熱する機構(26)と、
飽和蒸気排出器(32)と、
飽和蒸気の導入先の前記熱交換器(4)と、
飽和蒸気(22)からの浄水としての出口(13)と
によって構成され、
第2の回路は、
前記蒸発チャンバー内の固体沈
殿領域
(14)、
結晶化区画(15)、
固体の排出のためのデバイス(16)、
エンドレスベルトまたは連続スクリュー、
結晶化された固
体の集積容器
(18)、
固体分類器(19)、
非分類固体の容器(20)と、
によって構成され、
フィードバック回路である第3の回路は、
前記蒸発チャンバー(9)からのフィードバックダクト(10)、
フィードバックポンプ(11)、
入口(12)を介した前記第1の回路への組み込みと
によって構成され、
制御要素として、
中央データ処理ユニット(PLC)と、
ユーザのためのHMIディスプレイ及び/またはスマートフォン端末とがあることを特徴とする、汚染流体から固体を抽出するための装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置の使用方法であって、
第1の回路では、処理される汚染流体(1)が入口に位置し、次に20mmまでの大きい粒子のためのプレフィルタ(2)を通過し、その後ろに2mmまでの微粒子のためのフィルタが続き、次に前記流体は、2つの入口及び2つの出口を伴う円筒形である熱交換器(4)に入り、前記熱交換器(4)の1つの入口は汚染流体のためにあり、その反対側に高温の汚染流体の出口を持ち、その後、別の上部入口を通って飽和蒸気(22)が達し、ここで前記飽和蒸気(22)は部分的に液化されて入り、それは処理される汚染流体(1)を加熱し、次に、交換した熱の損失後に、浄水の形態で前記出口(13)を出て、
大気圧かつ100℃未満の温度で、前記熱交換器(4)で既に予熱された、処理される汚染流体(1)は、流体フィードバックポンプ(6)によって、注入器(7)及び排出器(8)で形成されたノズルまで押しやられ、ここで前記流体は、前記注入器(7)を通過することで圧縮され、搬送して前記排出器(8)を通すことによって圧力を増加させて、水分子の圧力増加及びそれによる粒子の速度を増加させて膨張させ、このとき熱交換ではなく運動で、液体/蒸気の2相の変換が音速で行なわれ、噴霧化/微粒子化を生じさせ、それは水分子中の水素結合を弱くすることを可能にし、沸点に到達するのをより早く、かつエネルギーの観点でコストをより少なくし、
一旦流体が微粒子化されると、それは蒸発チャンバー(9)に導入され、それは、沸騰させるために最適な温度である65~120℃を維持し、流体を液体状態から蒸気に急激に変換し、そのため、第1に、流体は液相で導入されず、第2に、流体の表面張力を壊すために大きいエネルギーを消費させる必要がなく、これはシステムを、エネルギーの観点で非常に効率的にし、
加圧された前記飽和蒸気は、前記蒸発チャンバー(9)の中間部から出口(24)を介して出て、圧力が増加し、それによって過熱され、更に特定のエネルギー消費を生じさせてエネルギーを低下させる機構(26)を通過し、ダクト(27)を介して前記蒸発チャンバー(9)の中に再導入され、そこで、熱搬送流体として作用するこの蒸気は、前記蒸発チャンバー内の屈曲した回路を通り抜け、最終的に飽和蒸気排出器(32)によって抽出され、飽和蒸気(22)として前記熱交換器(4)に押しやられて、浄水として出口(13)から出て、
前記蒸発チャンバー(9)内で沈殿した固体は、固体沈殿領域(14)と呼ばれる下部領域に落下し、そこから前記固体は、防水かつ覆われた結晶化区画(15)に進み、そこで残留熱の適用を介して、溶解した固体の全ては結晶化され、固体排出デバイス(16)によってそれらは搬送デバイスに進み、それは結晶化された固体の集積容器(18)まで運び、次に固体分類器(19)に進めて、残留分を非分類固体の容器(20)に進み、
第3の回路と呼ばれる、フィードバック回路は、前記蒸発チャンバー(9)からフィードバックポンプ(11)までの塩水供給ダクト(10)によって構成され、前記流体フィードバックポンプ(6
)と前記ノズル
をつなぐダクトの途中に位置
する入口(12)を介して、前記第1の回路に組み込
まれ、
全体の処理は自動化され、中央データ処理ユニット(PLC)において、温度、圧力、流量、レベル、伝導率、及びpHの変化が調整され、処理データ及び処理に関する変化の取得、表示、及び取り扱いの対象が、リモート4G及び5G制御信号を介して、安全、効率的、容易に、HMI表示及び/またはスマートフォン端末を通して将来のユーザによって扱われる、汚染流体から固体を抽出する
ことを含む、使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書のタイトルで表示したように、汚染流体から固体を抽出するための装置、及び手段に言及する。その基本的目的は、経済安定策のためのいかなるタイプの廃棄もせず、汚染流体から結晶化された固体を得て、全てを連続的な断熱/音速処理で、蒸発/結晶化及び低エネルギー消費によって、1つの工程で浄水を得ることである。
【0002】
したがって、本発明の目標は、汚染流体から結晶化された固体を得て、それらを評価し、さらに同じ手段を使用して浄水を得ることである。
【0003】
参考目的で限定しないが、汚染流体とは、浸出物、汚染処理プラント(WWTP)、採鉱処理、繊維処理、製薬産業の処理による流体、汽水井戸、定置網の残留水、スラリー、処理プラントからの海水及び塩水、さらには原子力発電所の放射能汚染水からの流体であり得る。
【0004】
処理流体を処理した結果、ある量の回収可能な結晶化された廃棄物、及び浄水が得られる。それが連続操作を伴う処理であることを考慮に入れると、循環型経済の産物としての再生可能エネルギーの役割りを伴い、廃棄することなく手段が成されるという重要な特徴を伴う。すなわちそれは、ゼロ液体排出(ZLD)手段である。
【0005】
本発明は、汚染流体及び水を、浄化及び消毒する産業、及び流体浄化のための産業機械の製造における補助産業に分類されるが、これらの分野に限定されず、任意の他の分野に利用することができる。
【背景技術】
【0006】
工業、採鉱、農業からの汚染水の存在、及び処理手段、ならびに50%以上の塩水の戻りを伴う海水淡水化は、地球規模の問題である。それらは、汚染流体の全排出領域、それらを運ぶ川、隣接した帯水層、及び最後に海を汚染することになるため、絶えず続く環境の悪化に大きく影響を与える。
【0007】
少なくとも4つの重要な問題を示す。
a.公害
b.搬送された固体の形態での資源損失
c.飲料水など希少資源の大きい代価
d.重要なエネルギーコスト
【0008】
現在、流体の浄化技術は、逆浸透(RO)、ならびに(70~80kWh/m3のエネルギー消費を伴う)蒸発後のMSF、MED、及びMVC蒸発システム、などの機械的手段及びフィルタによるものであり、ゼロ廃棄を達成するためには結晶化させなければならず、それはエネルギー(200~250kWh/m3)の観点から非常にコストが高い。
【0009】
本発明のエネルギー消費は、100%の浄化水を生成する処理流体で、50kWh/m3未満である。
【0010】
逆浸透の事例において、流体の浄化率は50%であり、他の50%は汚染塩水となる。
【0011】
ゼロ流体排出(ZLD)と呼ばれる確実なゼロ排出によって、汚染流体の浄化を実現するために、まず、逆浸透によって濃縮しなければならず、次に生成された塩水を蒸発させ、乾燥固体を得るため、最終的に結晶化する必要がある。それは3つの技術に関わり、異なる装置及び3つの段階を伴い、連続した処理ではない。
【0012】
現在までのところ、汚染流体を用いて開始し、1つの連続した工程で、30kWh/m3未満のエネルギー消費によって、本発明で得られるような効果的かつ明確な結果である、「ゼロ液体排出」(ZLD)の浄化水を生成する処理は存在しない。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目標は、流体を汚染する固体を抽出する手段及び装置である。これらの乾燥固体を全て抽出するので、得られる水は浄化される。1つの連続した工程で行なう処理に対処している。
【0014】
多くの事例において、乾燥固体は、実質的に経済安定策の影響を受けやすい。
【0015】
熱交換器によって予熱され、断熱チャンバーにおいて蒸発の最後のフラッシュ蒸気から来る汚染流体は、ポンプによって押しやられ、ポンプは流体をノズル(注入器/排出器)に入れる。
【0016】
この流体を注入器に通過させる際に、流体は圧縮を受け、圧力を増加させて、排出器に進めることによって膨張が生じる。このとき液体/蒸気の2相の変換が、熱ではなく運動(音速)によって起こる。それは噴霧化/微粒子化であり、それによって水分子中の水素結合を弱くすることを可能にし、沸点に達するまで、より早く、かつエネルギーの観点でコストをより少なくする。
【0017】
注入器に入る水分子の圧力の増加は、これら分子の速度、及びその結果搬送する粒子の速度を増加させる。
【0018】
一旦流体が微粒子化されると、それは特別に設計された蒸発チャンバーに導入される。この蒸発チャンバーは、沸騰させるために最適な温度(65~120℃)を維持し、流体を液体状態から蒸気に急激に変換する。そのため、従来の蒸発システムとは異なり、本発明において、流体は液体状態で導入されない。次に、流体の表面張力を壊すために、大きいエネルギーを消費させる必要がない。これは、システムを非常に優れたエネルギー効率にする。
【0019】
チャンバー内で生成された蒸気は、排出器によって抽出され、頭文字が「CLES」である閉ループ電磁サーボ機構(Closed-Loop Electromagnetic Servomechanism)(本出願者自身の発明及び設計)に導入される。
【0020】
超過圧力、したがって過熱された蒸気に達すると、この蒸気は、熱搬送流体としてチャンバー内に再導入される。
【0021】
最終的に生成された蒸気は、チャンバーから抽出され、熱交換器に導入される。そこで蒸気は部分的に液化されて入り、入ってくる流体と熱を交換する。蒸気フラッシュは液化され、浄水を生成する。
【0022】
蒸発チャンバー内において、流体中で分解された固体は重力によって沈殿し、防水かつ覆われた区画に再び割り当てられる。そこで、残留熱からのフィードバックを伴い結晶化され、それによってそれらは完全に乾燥されて、分類、分離、及び/または評価のために準備される。
【0023】
本発明は、大気及び環境の両方に対してゼロ流体排出(ZLD)で、汚染流体からの固体の抽出における、使用及び最終使用の全ての可能な組み合わせを含む。
【0024】
成された説明を補足するため、及び本発明の特徴のより良好な理解をもたらすために、本明細書は、その一部として計画シートも含む。そこにおいて、同一の参照番号は同一の要素を表わし、限定ではなく例示として以下が表わされる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】流体浄化の全ての要素、及びそれらの相対的位置の、概要設計を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
この図において、同一要素は同一の番号によって識別される。
【0027】
本発明は、本明細書のタイトルで表示したように、汚染流体から固体を抽出するための装置、及び手段に言及する。その基本的目的は、経済安定策のためのいかなるタイプの廃棄もなく、汚染流体から結晶化された固体を得て、全てを連続的な断熱/音速処理で、蒸発/結晶化及び低エネルギー消費によって、1つの工程で浄水を得ることである。
【0028】
本発明の好ましい実現において、処理装置は、単体の装置における少なくとも3つの完全に相互接続された回路によって、基本的に構成される。
【0029】
主回路である第1の回路は、プレフィルタ(2)の隣に設置された、処理する流体の入口ダクト(1)、その後ろの微粒子フィルタ(3)、2つの入口及び2つの出口を伴う複合円筒形デバイスである熱交換器(4)が続く。熱交換器(4)の1つの入口ダクトは汚染流体のためにあり、その反対側に高温の汚染流体の出口を持つ。その後、別の上部入口を通して飽和蒸気(22)が達し、熱を汚染流体に解放し、浄水の形態で出口(13)を介して出る。ここで、熱交換器(4)で予熱された流体(5)は、流体のフィードバックポンプ(6)によって、注入器(7)及び排出器(8)から形成されたノズルに押しやられ、ここから流体は蒸発チャンバー(9)に進み、ここから加圧された飽和蒸気は、出口(24)を介して出て、閉ループの電磁サーボ機構(26)を通り、蒸発チャンバー(9)の入口に運ばれ、屈曲した回路の端部において、飽和蒸気排出器(32)によって抽出され、熱交換器(4)に運ばれて、浄水として出口(13)を介して離れる。
【0030】
第2の回路は、蒸発チャンバー内の、固体沈殿のための領域(14)によって構成される。ここから、前述の固体は結晶化区画(15)に進む。ここでそれらは、残留熱の助けによって結晶化され、固体排出デバイス(16)によって、それらは従来の搬送デバイスに移る。この搬送デバイスは、エンドレスベルトまたは連続スクリューにすることができ、結晶化されたものを、結晶化された固体の集積容器(18)に搬送し、固体分類器(19)に通し、残留分を非分類固体の容器(19)に進める。
【0031】
当初の塩水のフィードバックである第3の回路は、蒸発チャンバー(9)からフィードバックポンプ(11)までの供給ダクト(10)によって構成され、ノズルから短い距離に位置された入口(12)を介して、主回路に組み込まれる。
【0032】
処理の自動化は、中央データ処理ユニット(PLC)、ならびにHMIディスプレイ及び/またはユーザのスマートフォン端末によって成される。
【0033】
本発明が主張する、汚染流体から固体を抽出する処理は、主回路である第1の回路で開始する。そこに、処理される流体の入口(1)は位置し、20mmまでの大きい粒子のためにプレフィルタ(2)が設置され、その後ろに2mmまでの薄い粒子のためのフィルタが続き、次に2つの入口及び2つの出口を伴う複合デバイスである流体は熱交換器(4)に入る。熱交換器(4)の1つの入口ダクトは汚染流体のためにあり、その反対側に高温の汚染流体の出口を伴う。その後、別の上部入口を通して飽和蒸気(22)が達し、ここで飽和蒸気(22)は部分的に液化されて入り、それは汚染流体を加熱し、同時に交換した熱の損失後に、浄水の形態で出口(13)を介して出る。
【0034】
大気圧かつ100℃未満の温度で、熱交換器(4)で予熱された汚染流体(5)は、流体のフィードバックポンプ(6)によって、注入器(7)及び排出器(8)で形成されたノズルまで押しやられ、ここでこの流体は、注入器(7)を介して通過することによって圧力を受け、圧力を増加させ、注入器(7)に入るこれらの水分子の圧力を増加させて、搬送して排出器(8)に進めることによって、これらの分子の速度、及びその結果粒子の速度を増加させて膨張を生じさせる。このとき、熱交換ではなく運動で、液体/蒸気の2相の変換が音速で行なわれ、噴霧化/微粒子化を生じさせ、それは水分子中の水素結合を弱くすることを可能にし、沸点に達するまで、より早く、かつエネルギーの観点でコストをより少なくする。
【0035】
微粒子化は、材料の粒子を10ミクロン未満に減少できる物理的処理であり、それは、粒子が受ける衝撃によって生成される。粒子はチャンバーの内側で高速で循環し、そのとき粒子は、チャンバーに導入される粒子と衝突する。チャンバーの内側で循環する粒子の速度が速いほど、衝撃は大きくなり、それによって得られた粒子はより細かくなる。
【0036】
微粒子化は、粒子サイズを減少させるために使用される任意の他の技術によって得られたものに加え、より細かい粒子サイズ、及び粒子サイズのより均等な配分(PSD)など、多くの利益を産む。
【0037】
一旦流体が微粒子化されると、それは特別な台形設計のボリュームによって構成された蒸発チャンバー(9)に導入される。蒸発チャンバー(9)は、沸騰させるために最適な温度(65~120℃)を維持し、流体を液体状態から蒸気に急激に変換する。そのため、従来の蒸発システムとは異なり、本発明において、第1に、流体は液相で導入されず、第2に、流体の表面張力を壊すために大きいエネルギーを消費させる必要がない。これはシステムを、エネルギーの点で非常に効率的にする。
【0038】
加圧された飽和蒸気は、蒸発チャンバー(9)の中間部から出口(24)を介して出て、生成された蒸気を再生する閉ループ電磁サーボ機構(26)を通過し、圧力を増加させ、それによって過熱させて、特定のエネルギー消費を生じさせてエネルギーを低下させる。加圧された飽和蒸気は、ダクト(27)を介して蒸発チャンバー(9)の中に再導入され、そこで、熱搬送流体として作用するこの蒸気は、このチャンバー内の屈曲した回路を通り抜け、最終的に飽和蒸気排出器(32)によって抽出され、飽和蒸気(22)として熱交換器(4)に押しやられて、浄水として出口(13)を出る。
【0039】
蒸発チャンバー(9)内で沈殿した固体は、固体沈殿領域(14)と呼ばれる下部領域に落下し、そこからこの固体は、防水かつ覆われた結晶化区画(15)に進み、そこで残留熱の適用を介して、溶解した固体の全ては結晶化され、固体排出デバイス(16)によってそれらは従来の搬送デバイスに進む。この搬送デバイスは、エンドレスベルトまたは連続スクリューにすることができ、結晶化された固体の集積容器(18)まで運び、次に固体分類器(19)に進めて、残留分を非分類固体の容器(19)に進める。
【0040】
第3の回路と呼ばれる、当初の塩水のフィードバック回路は、蒸発チャンバー(9)からフィードバックポンプ(11)までの塩水供給ダクト(10)によって構成され、ノズルから短い距離に位置された入口(12)を介して、第3の回路を主回路に組み込む。
【0041】
全体の処理は自動化され、特定の設計の中央データ処理ユニット(PLC)によって管理かつ制御される。中央データ処理ユニット(PLC)において、温度、圧力、流量、レベル、伝導率、及びpHの変化が調整され、一連の閉じられた制御フィールドアクチュエータ及び基本検査回路にリンクされ、論理及びデジタル配線を伴い、処理データ及び処理に関する変化の取得、表示、及び取り扱いの対象に特別の考慮を伴い、リモート4G及び5G制御信号を介して、この全てを安全で、効率的形態で、容易に、HMI表示及び/またはスマートフォン端末を通して将来のユーザによって扱われる。
【0042】
本発明の本質ならびに実現する方法を、十分に説明した。上記で示し添付の図で表わしたデバイスは、前述の段落で確立され、以下の特許請求の範囲の要約された基本原則を変えることなく、詳細な変更を受けることを理解されたい。
【符号の説明】
【0043】
1 処理される流体の入口
2 プレフィルタ
3 フィルタ
4 熱交換器
5 予熱された流体
6 流体のフィードバックポンプ
7 注入器
8 排出器
9 蒸発チャンバー
10 当初の塩水の出口ダクト
11 フィードバックポンプ
12 主回路への当初の塩水の入口
13 浄化水の出口
14 固体の沈殿領域
15 結晶化区画
16 固体排出デバイス
17 結晶化された固体の出口管
18 結晶化された固体の集積容器
19 固体分類器
20 非分類固体の容器
21 固体を伴う蒸気の容器
22 飽和蒸気
23 飽和蒸気のダクト
24 加圧された飽和蒸気の出口
25 加圧された飽和蒸気
26 閉ループ電磁機構
27 蒸気チャンバーへの蒸気のダクト
28 蒸気チャンバーへの蒸気の入口
29 変更された流体入口
30 中央データ処理ユニット(PLC)
31 HMIディスプレイ及び/またはスマートフォン端末
32 飽和蒸気の出口排出器