(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】電子部品取付装置、電子装置の製造方法及びストラップの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20241022BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H01L21/60 311S
H05K13/04 B
(21)【出願番号】P 2021520785
(86)(22)【出願日】2020-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2020019679
(87)【国際公開番号】W WO2020235535
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2019095593
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】302031502
【氏名又は名称】株式会社 ハリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】青山 博司
(72)【発明者】
【氏名】林田 徹
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-036196(JP,A)
【文献】国際公開第2010/032427(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/125245(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H05K 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定箇所に載置された複数の電子部品を異なる間隔で被着物に取り付ける電子部品取付装置であって、
上記所定箇所に載置された上記複数の電子部品から一部の複数の上記電子部品を
一列に並んだ状態で取り出す取り出し機構と、
上記取り出し機構が取り出した上記電子部品を搬送し、上記被着物に到達する前に上記複数の電子部品が上記被着物へ取り付ける上記異なる間隔となるよう各上記電子部品を移動させ、上記電子部品を上記被着物まで搬送する搬送機構と、
上記搬送機構が搬送した電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送機構と、
を備えた電子部品取付装置。
【請求項2】
上記搬送機構は、
上記取り出し機構と上記取付移送機構との間で、上記電子部品がそれぞれ上記異なる間隔を有する複数の列状に配置される整列部と、
上記取り出し機構が取り出した上記電子部品を保持するとともに、これらの上記電子部品を上記整列部に移動させる第一移送機構と、
上記整列部に移動された上記電子部品を上記取付移送機構まで移送する第二移送機構と、を有する、
請求項1に記載の電子部品取付装置。
【請求項3】
上記第一移送機構は、上記整列部に上記電子部品が列間に上記異なる間隔を有する状態で複数列並べて移動させて載置し、
上記第二移送機構は、上記整列部から同一行複数個の電子部品を、各上記電子部品の間が上記異なる間隔となった状態を保持して搬送し、
上記取付移送機構は、各上記電子部品の間が上記異なる間隔となった状態で上記被着物上に取り付ける
請求項2に記載の電子部品取付装置。
【請求項4】
上記第二移送機構が、
上記整列部から同一行複数個の電子部品を同時に吸着することで取り出す取出手段と、
上記取出手段が取り出した同一行複数個の電子部品が受け渡される仮置部と、有し、
上記取付移送機構が、上記仮置部に受け渡された同一行複数個の上記電子部品を吸着すると共に上記被着物に取り付ける請求項2又は請求項3に記載の電子部品取付装置。
【請求項5】
上記第二移送機構が、上記取出手段から同一行複数個の上記電子部品が載置されると共に、載置された電子部品を反転して上記仮置部に受け渡す反転手段をさらに有する請求項4に記載の電子部品取付装置。
【請求項6】
上記仮置部が、載置された上記電子部品の位置を修正する修正手段を備える請求項4又は請求項5に記載の電子部品取付装置。
【請求項7】
上記第二移送機構が、上記整列部から複数行の電子部品を同時に吸着する請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項8】
上記第二移送機構が、複数行の上記電子部品を同時に被着物に載置する請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項9】
上記整列部が、配置された上記電子部品を、上記第一移送機構と電子部品を受け渡す第一受渡位置と、上記第二移送機構と電子部品を受け渡す第二受渡し位置との間を移動する請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項10】
上記第一移送機構が、吸着する電子部品の個数を変更可能な吸着保持装置を備えている請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項11】
上記第二移送機構によって保持された複数の上記電子部品の並ぶ方向は、取り付けられる複数の上記被着物が並ぶ方向と平行である請求項2から請求項10のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項12】
上記搬送機構は、複数の上記整列部を有しており、それぞれ載置ポジションと取り出しポジションに位置可能である請求項2から請求項11のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項13】
上記第二移送機構は、各上記電子部品間の間隔が上記異なる間隔となる状態で搬送する請求項2から請求項12のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項14】
上記第二移送機構は、一度の搬送作業に際して複数行の電子部品を搬送し、複数行の電子部品の間隔のパターンが異なる請求項2から請求項13のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項15】
上記電子部品は、RFID装置に用いられるICチップ又はICチップが搭載されたストラップである請求項1から請求項
14のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項16】
複数の上記電子部品は、上記
所定箇所に密接して載置される請求項1から請求項
15のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項17】
上記取り出し機構は、上記電子部品を吸着保持する請求項1から請求項
16のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項18】
上記取付移送機構は複数の上記電子部品を同じ高さ位置で上記被着物に取り付ける請求項1から請求項
17のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項19】
上記電子部品が取り付けられる前において上記被着物の被着位置を確認する被着物位置確認部材をさらに備える請求項1から請求項
18のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項20】
上記被着位置が行方向に異なる間隔の繰り返しパターンを有する請求項
19に記載の電子部品取付装置。
【請求項21】
上記異なる間隔のパターンが行方向に繰り返されている請求項1から請求項
19のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項22】
上記異なる間隔のパターンが行方向に繰り返されていない請求項1から請求項
19のいずれか1項に記載の電子部品取付装置。
【請求項23】
所定箇所に載置された複数の電子部品を異なる間隔で被着物に取り付ける電子装置の製造方法であって、
上記所定箇所に載置された上記複数の電子部品から一部の複数の上記電子部品を
一列に並んだ状態で取り出す取り出し工程と、
上記取り出し工程で取り出された上記電子部品を搬送し、上記被着物に到達する前に上記複数の電子部品が上記被着物へ取り付ける上記異なる間隔となるよう各上記電子部品を移動させ、上記電子部品を上記被着物まで搬送する搬送工程と、
上記搬送工程にて搬送された電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送工程と、
を備えた電子装置の製造方法。
【請求項24】
上記搬送工程が、上記電子部品を第一の間隔パターンで取り付けるステップと、上記電子部品を第一の間隔パターンと異なる第二の間隔パターンで取り付けるステップとを有する請求項
23に記載の電子部品の製造方法。
【請求項25】
複数の電子部品を異なる間隔で被着物に同時に取り付ける電子装置の製造方法であって、
所定箇所から複数の電子部品を
一列に並んだ状態で取り出し保持する取り出し工程と、
上記取り出し工程で取り出された複数の上記電子部品を整列部まで搬送し、整列部に上記電子部品を載置する第一搬送工程と、
上記整列部に載置された上記電子部品を保持しつつ上記被着物まで搬送する第二搬送工程と、
上記第二搬送工程で搬送された上記電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送工程と、
を備えた電子装置の製造方法。
【請求項26】
上記第一搬送工程では、上記整列部上に上記第二搬送工程で複数の上記電子部品を列状に並べて搬送できるように上記電子部品を載置する請求項
25に記載の電子装置の製造方法。
【請求項27】
複数の電子部品を異なる間隔で被着物に同時に取り付ける電子装置の製造方法であって、
所定箇所から複数の電子部品を
一列に並んだ状態で取り出す取り出し工程と、
上記取り出し工程で取り出された複数の上記電子部品を、上記複数の電子部品が上記被着物へ取り付ける上記異なる間隔で搬送機構に並べて保持させる保持工程と、
上記搬送機構に上記電子部品を保持させた状態で上記被着物まで搬送する搬送工程と、
上記搬送工程で搬送された上記電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送工程と、
を備えた電子装置の製造方法。
【請求項28】
RFID装置に用いられるストラップを製造する方法であって、
長手方向に沿って所定の隙間をあけて一対の電極が形成された電極シートを所定位置に搬送する工程と、
半導体ウエハを切断して形成した複数のICチップを一列に並んだ状態で取り出す取り出し工程と、
取り出した上記複数のICチップが間隔をあけて複数列で並べられる工程と、
整列させた上記複数のICチップを行単位で上記所定位置まで搬送し、上記一対の電極に接触し且つ上記一対の電極の上記隙間に上記複数のICチップを載置する工程と、
を備えたストラップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品取付装置、電子装置の製造方法及びストラップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定箇所に密接に載置された多数の電子部品のうちの1または複数を被着物に取り付けて電子装置を製造する工程を含む電子装置の製造方法が知られている。例えば、ICチップを電子装置に取り付ける際にもこのような製造方法が用いられる場合がある。
【0003】
ICチップを製造する際には、レーザー等を用いて半導体ウエハを切断して多数のチップを個片化する。半導体ウエハが多数のICチップに切り分けられた状態では、多数のICチップが隙間なく複数列かつ複数行に整列されている。
【0004】
このような半導体ウエハのICチップを被着物に取り付けるために、半導体ウエハからICチップを個別に取り出し、取り出したICチップを被着物に個別に取り付ける方法が知られている。
【0005】
また、特開2006-173190号公報では、複数のICチップを伸縮性のあるシートに載置して、シートを伸ばすことで各ICチップの間隔を調整し、複数のアンテナなどが所定の間隔で形成されたアンテナシート(被着物)の各アンテナに取り付ける方法が提案されている。
【0006】
さらに、電子部品の種類によっては、電子部品がそれぞれ嵌まり込む複数の凹部が形成されたプレートを用いる方法も公知である。この方法は、被着物における複数の被着位置に対応する位置にプレートの凹部を形成しておき、このプレート上に多数の電子部品を載置し、プレートを振動させたり傾けたりして、プレートの凹部に電子部品を嵌め込んで、この凹部の電子部品を被着物に取り付けるものである。
【0007】
しかし、上記従来のいずれの方法も以下のような不都合があった。
【0008】
つまり、個別にICチップを取り出し取り付ける方法にあっては、一つずつ電子部品を取り出し、被着物に取り付けることを要するので、効率が悪く、生産性の向上を図ることができない。
【0009】
また、伸縮性のあるシートを用いる方法にあっては、ダイシング上でのICチップの位置、シート上でのICチップの位置、シートの均一な伸縮性等が極めて高い精度でなければ、アンテナに適切にICチップを取り付けることができないという不都合がある。しかも、被着物であるアンテナシートの種類が変更されると、隣り合うICチップ同士の間隔が変わるため、このような変更のたびにシートの種類や伸縮性についての検討が必要となり、多品種に対応するとコスト高となるおそれがある。
【0010】
さらに、凹部の形成されたプレートを用いる方法にあっては、被着物の種類によって電子部品を取り付ける位置が異なるため、被着物の種類に応じたプレートが必要となり、プレートの準備や取り替えに時間がかかり、他品種に対応するとコスト高となるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、精度良く効率的に電子部品を被着物に取り付けることができ、しかも被着物の種類の変更に際しても容易に対応することのできる電子部品取付装置及び電子装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するためになされた発明は、
所定箇所に載置された複数の電子部品を異なる間隔で被着物に取り付ける電子部品取付装置であって、
上記所定箇所に載置された上記複数の電子部品から一部の複数の上記電子部品を取り出す取り出し機構と、
上記取り出し機構が取り出した上記電子部品を搬送し、上記被着物に到達する前に上記複数の電子部品が上記被着物へ取り付ける上記異なる間隔となるよう各上記電子部品を移動させ、上記電子部品を上記被着物まで搬送する搬送機構と、
上記搬送機構が搬送した電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送機構と、
を備える。
【0014】
当該電子部品取付装置にあっては、取り出し機構が、複数の上記電子部品を取り出し、搬送機構が、この取り出された上記電子部品を搬送し、上記被着物に到達する前に上記複数の電子部品が上記被着物へ取り付ける上記異なる間隔となるよう各上記電子部品を移動させ、上記電子部品を上記被着物まで搬送し、取付移送機構が、上記搬送機構が搬送した電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける。このように当該電子部品取付装置は、複数の上記電子部品を同時に被着物に載置することができるため、電子部品の取付を効率的に行うことができる。また、当該電子部品取付装置にあっては、被着物の種類の変更などによって被着物の被着位置の間隔が変更された場合にあっても、搬送機構が電子部品の間隔を変更するだけで対応することができる。さらに、従来の伸縮性を有するシートを用いるものに比べて精度良く電子部品の取付を行うことができる。
【0015】
当該電子部品取付装置にあっては、上記電子部品がそれぞれ上記異なる間隔を有する複数の列状に配置される整列部と、上記取り出し機構が取り出した上記電子部品を保持するとともに、これらの上記電子部品を上記整列部に移動させる第一移送機構と、上記整列部に移動された上記電子部品を上記取付移送機構まで移送する第二移送機構と、を有することが好ましい。当該電子部品取付装置にあっては、取り出し機構と取付移送機構との間で整列部に電子部品を上記異なる間隔を有する複数の列状に仮置きすることができるので、例えば、電子部品の検査を行ったとしても、取付動作への影響を低減させることができる。また、第一移送機構が、整列部に電子部品を被着物に取り付けやすい配置に仮置きすることができるため、取り付け効率を向上させることができる。
【0016】
当該電子部品取付装置にあっては、上記第一移送機構は、上記整列部に上記電子部品が列間に上記異なる間隔を有する状態で複数列並べて移動させて載置し、上記第二移送機構は、上記整列部から同一行複数個の電子部品を、各上記電子部品の間が上記異なる間隔となった状態を保持して搬送し、上記取付移送機構は、各上記電子部品の間が上記異なる間隔となった状態で上記被着物上に取り付けることが好ましい。当該電子部品取付装置にあっては、第一移送機構は、載置台から複数個の電子部品を同時に吸着して取り出し、この電子部品を整列部に移動させて載置する。この第一移送機構による整列部への載置が複数回繰り返され、電子部品が列間に上記異なる間隔を有する状態で複数列並べられる。そして、第二移送機構は、整列部から、列間に上記異なる間隔を有する状態の同一行複数個の電子部品を同時に吸着して取り出し、この同一行複数個の電子部品を被着物に同時に載置する。このように当該電子部品取付装置は、複数の電子部品を同時に被着物に載置することができるため、電子部品の取付を効率的に行うことができる。また、当該電子部品取付装置にあっては、被着物の種類の変更などによって被着物の被着位置の間隔が変更された場合にあっても、整列部に載置する電子部品の列間の間隔を変更するだけで対応することができる。さらに、従来の伸縮性を有するシートを用いるものに比べて精度良く電子部品の取付を行うことができる。ここで、第二移送機構は同一行複数個の電子部品を保持する際に、必ずしも同一行に配置されたすべての電子部品を保持、移送しなくともよい。例えば、第二移送機構は、同一行に配置された電子部品を奇数行と偶数行というように、所定行間隔をあけて保持、移送するようにしても良い。
【0017】
上記第二移送機構は、上記整列部から同一行複数個の電子部品を同時に吸着することで取り出す取出手段と、上記取出手段が取り出した同一行複数個の電子部品が受け渡される仮置部と、有し、上記取付移送機構が、上記仮置部に受け渡された同一行複数個の上記電子部品を吸着すると共に上記被着物に取り付けることが好ましい。このように第二移送機構が仮置部を有することで、取出手段によって整列部から電子部品を受け取るタイミングと、取出手段によって仮置部への受け渡すタイミングと、取付移送手段によって仮置部から電子部品を受け取るタイミングと、取付移送手段によって被着物に電子部品を際するタイミングとを調整することができ、これによって電子部品の取付作業の効率化をより図ることができる。
【0018】
上記第二移送機構は、上記第二移送機構が、上記取出手段から同一行複数個の上記電子部品が載置されると共に、載置された電子部品を反転して上記仮置部に受け渡す反転手段をさらに有することが好ましい。電子部品によっては表裏の区別がなされている場合があり(例えば一方の面のみに回路が形成されている場合があり)、このような場合にあっても第二移送機構手段が上記反転手段を有することで、電子部品の所望の面を被着物に載置することができる。
【0019】
上記仮置部が、載置された上記電子部品の位置を修正する修正手段を備えることが好ましい。これにより、仮置部で整列部に載置されている状態よりもさらに正確な位置で電子部品を被着物に載置することができる。
【0020】
上記第二移送機構が、上記整列部から複数行の電子部品を同時に吸着することが好ましい。これにより、第二移送機構による整列部からの電子部品の取出作業の効率化が図られる。
【0021】
上記第二移送機構が、複数行の上記電子部品を同時に被着物に載置することが好ましい。これにより、第二移送機構による電子部品の取付作業の効率化が図られる。
【0022】
上記整列部が、載置された上記電子部品を、上記第一移送機構と電子部品を受け渡す第一受渡位置と、上記第二移送機構と電子部品を受け渡す第二受渡し位置との間を移動することが好ましい。これにより、第一移送機構の構成要素と第二移送機構の構成要素との配設箇所の自由度が向上する。
【0023】
上記第一移送機構が、吸着する電子部品の個数を変更可能な吸着保持装置を備えていることが好ましい。これにより、載置台から第一移送機構が吸着する電子部品の個数を変更することができる。
【0024】
上記第二移送機構によって保持された複数の上記電子部品の並ぶ方向は、取り付けられる複数の上記被着物が並ぶ方向と平行であるとよい。これにより、第二移送機構によって整列部に載置された電子部品を取付移送機構まで移送し、この電子部品を取付移送機構によって上記被着物の所定位置に容易かつ確実に取り付けることができる。
【0025】
上記搬送機構は、複数の上記整列部を有しており、それぞれ載置ポジションと取り出しポジションに位置可能であるとよい。搬送機構が載置ポジションと取り出しポジションにそれぞれ位置可能なので、両方の位置には常にいずれかの整理台を位置させることが可能である。このため、常に電子部品載置および取り出し作業を行え、効率的である。しかも載置と取り出しを効率的に分けることができるため、1つの取り出しポジションと2つの載置などにすると、常に取り出し作業を行うこともでき、効率的である。
【0026】
第二移送機構は、各上記電子部品間の間隔が上記異なる間隔になる状態で搬送するとよい。これにより、第二移送機構によって容易かつ確実に電子部品を搬送することができる。
【0027】
上記第二移送機構は、一度の搬送作業に際して複数行の電子部品を搬送し、複数行の電子部品の間隔のパターンが異なるとよい。これにより、一度の搬送作業により異なる間隔パターンの複数行の電子部品を搬送できる。
【0028】
上記取り出し機構は、上記複数の電子部品を一列に並んだ状態で取り出すことが好ましい。
【0029】
上記電子部品は、RFID装置に用いられるICチップ又はICチップが搭載されたストラップであるとよい。これにより、当該電子部品取付装置によりRFID装置を容易かつ確実に製造することができる。
【0030】
複数の上記電子部品は、上記載置台に密接して載置されるとよい。これにより、載置台に多数の電子部品を載置することができる。なお、ここで、密接とは、隙間の無いほどぴったりとくっついていることを意味する。
【0031】
上記取り出し機構は、上記電子部品を吸着保持するとよい。これにより、取り出し機構によって容易かつ確実に複数の電子部品を取り出すことができる。
【0032】
上記取付移送機構は複数の上記電子部品を同じ高さ位置で上記被着物に取り付けるとよい。これにより、取付移送機構によって容易かつ確実に複数の電子部品を被着物に取り付けることができる。
【0033】
当該電子部品取付装置にあっては、上記電子部品が取り付けられる前において上記被着物の被着位置を確認する被着物位置確認部材をさらに備えるとよい。これにより、当該電子部品取付装置は、被着物位置確認部材により確認された被着物の被着位置に基づいて被着位置同士の間隔を算出し、この算出した間隔に基づいて電子部品を取り付けることができる。
【0034】
上記被着位置が行方向に異なる間隔の繰り返しパターンを有することも可能である。被着位置が行方向に異なる間隔の繰り返しパターンを有する被着物に対しても、当該電子部品取付装置は、好適に用いることが可能である。
【0035】
上記異なる間隔のパターンが行方向に繰り返されていないことも可能である。上記異なる間隔のパターンが繰り返されていない被着物に対しても、当該電子部品取付装置は、好適に用いることが可能である。
【0036】
上記課題を解決するためになされた発明は、
所定箇所に載置された複数の電子部品を異なる間隔で被着物に取り付ける電子装置の製造方法であって、
上記所定箇所に載置された上記複数の電子部品から一部の複数の上記電子部品を取り出す取り出し工程と、
上記取り出し工程で取り出された上記電子部品を搬送し、上記被着物に到達する前に上記複数の電子部品が上記被着物へ取り付ける上記異なる間隔となるよう各上記電子部品を移動させ、上記電子部品を上記被着物まで搬送する搬送工程と、
上記搬送工程にて搬送された電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送工程と、
を備える。
【0037】
当該電子装置の製造方法にあっては、所定箇所に載置された複数の電子部品から一部の複数の上記電子部品を取り出す取り出し、取り出した上記電子部品を搬送し、被着物に到達する前に隣り合う電子部品の間隔が上記異なる間隔となるよう各電子部品を移動させ、電子部品を上記被着物まで搬送し、搬送した電子部品を上記被着物の所定位置に取り付けることで、容易かつ確実に電子装置を製造することができる。
【0038】
当該電子装置の製造方法にあっては、上記搬送工程が、上記電子部品を第一の間隔パターンで取り付けるステップと、上記電子部品を第一の間隔パターンと異なる第二の間隔パターンで取り付けるステップとを有するとよい。上記電子部品を第一の間隔パターンで取り付けるステップと、上記電子部品を第一の間隔パターンと異なる第二の間隔パターンで取り付けるステップとによって、複数の電子部品を被着物の所定位置に効率的に取り付けることで、より容易かつ確実に電子装置を製造することができる。
【0039】
上記課題を解決するためになされた発明は、
複数の電子部品を異なる間隔で被着物に同時に取り付ける電子装置の製造方法であって、
所定箇所から複数の電子部品を取り出し保持する取り出し工程と、
上記取り出し工程で取り出された複数の上記電子部品を整列部まで搬送し、整列部に上記電子部品を載置する第一搬送工程と、
上記整列部に載置された上記電子部品を保持しつつ上記被着物まで搬送する第二搬送工程と、
上記第二搬送工程で搬送された上記電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送工程と、
を備える。
【0040】
当該電子装置の製造方法にあっては、所定箇所から複数の電子部品を取り出し保持し、この取り出した複数の上記電子部品を整列部まで搬送し、整列部に上記電子部品を載置し、上記整列部に載置された上記電子部品を保持しつつ被着物まで搬送し、このように搬送した上記電子部品を上記被着物の所定位置に取り付けることで、容易かつ確実に電子装置を製造することができる。
【0041】
当該電子装置の製造方法にあっては、上記第一搬送工程では、上記整列部上に上記第二搬送工程で複数の上記電子部品を列状に並べて搬送できるように上記電子部品を載置するとよい。これにより、容易かつ確実に第二搬送工程で複数の電子部品を搬送することができる。
【0042】
上記課題を解決するためになされた発明は、
複数の電子部品を異なる間隔で被着物に同時に取り付ける電子装置の製造方法であって、
所定箇所から複数の電子部品を取り出す取り出し工程と、
上記取り出し工程で取り出された複数の上記電子部品を、上記複数の電子部品が上記被着物へ取り付ける上記異なる間隔で搬送機構に並べて保持させる保持工程と、
上記搬送機構に上記電子部品を保持させた状態で上記被着物まで搬送する搬送工程と、
上記搬送工程で搬送された上記電子部品を上記被着物の所定位置に取り付ける取付移送工程と、
を備える。
【0043】
当該電子装置の製造方法にあっては、所定箇所から複数の電子部品を取り出す取り出し、この取り出した複数の上記電子部品を、所定間隔で搬送機構に並べて保持させ、上記搬送機構に上記電子部品を保持させた状態で上記被着物まで搬送し、搬送した上記電子部品を上記被着物の所定位置に取り付けることで、容易かつ確実に電子装置を製造することができる。
【0044】
上記課題を解決するためになされた発明は、
RFID装置に用いられるストラップを製造する方法であって、
長手方向に沿って所定の隙間をあけて一対の電極が形成された電極シートを所定位置に搬送する工程と、
複数のICチップが間隔をあけて複数列で並べられる工程と、
上記複数のICチップを列状態で保持しながら上記所定位置まで搬送し、上記一対の電極に接触し且つ上記一対の電極の上記隙間に上記複数のICチップを載置する工程と、
を備える。
【0045】
当該ストラップの製造方法にあっては、搬送工程によって所定位置に搬送された電極シートに、載置工程によって複数のICチップを載置することで、ICチップが一対の電極に接触し且つ一対の電極の隙間に配置された電子装置を容易かつ確実に製造することができる。
【発明の効果】
【0046】
以上説明したように、本発明の電子部品取付装置、電子装置の製造方法及びストラップの製造方法は、精度良く効率的に電子部品を被着物に取り付けることができ、しかも被着物の種類の変更に際しても容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電子部品取付装置の構成を説明するための模式的平面図である。
【
図3】電子部品取付装置に用いられる吸着保持装置の模式的側面図である。
【
図5】吸着保持装置に用いられるコレット部の底面図である。
【
図6】吸着保持装置に用いられる変位体の側面図である。
【
図7】電子部品取付装置において電子部品が取り出された状態の載置台の状態を順次模式的に説明するための模式的要部拡大平面図である。
【
図8】電子部品取付装置において電子部品が取り出された状態の載置台の状態を順次模式的に説明するための模式的要部拡大平面図である。
【
図9】本発明の他実施形態の吸着保持装置の筐体の内部構造を説明するための模式的平面図である。
【
図10】本発明の他実施形態の吸着保持装置の模式的側面図である。
【
図11】他の実施形態の吸着保持装置に用いられる回転体の模式的正面図である。
【
図12】本発明の他実施形態の回転体の模式的斜視図である。
【
図13】本発明の他実施形態の吸着保持装置の模式的正面図である。
【
図14】本発明の他実施形態の移送機構の模式的正面図であり、(a)は吸引筒同士の間隔が拡がっている状態を示し、(b)は吸引筒同士の間隔が狭まっている状態を示す。
【
図15】本発明の他実施形態の載置台の状態を模式的に説明するための模式的要部拡大平面図である。
【
図16】本発明の他実施形態の載置台の状態を模式的に説明するための模式的要部拡大平面図である。
【
図17A】本発明の他実施形態のストラップの製造方法においてICチップを電極シートに載置する前の状態を説明するための模式的説明図である。
【
図17B】本発明の他実施形態のストラップの製造方法においてICチップを電極シートに載置した状態を説明するための模式的説明図である。
【
図17C】本発明の他実施形態のストラップの製造方法においてICチップを載置した電極シートを切断する状態を説明するための模式的説明図である。
【
図17D】本発明の他実施形態のストラップの製造方法により製造されたストラップを説明するための模式的説明図である。
【
図18】本発明の他実施形態のストラップの製造方法においてICチップを電極シートに載置した状態を説明するための模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳説するが、以下の実施形態の構成に本発明は限定されるものではない。
【0049】
[電子部品取付装置]
図1から
図6に本発明の一実施形態に係る電子部品取付装置100の全体又は一部を示す。電子部品取付装置100は、所定箇所に載置された複数の電子部品を異なる間隔で被着物に取り付ける電子部品取付装置である。電子部品取付装置100は、複数列かつ複数行に整列された状態で多数の電子部品Cが密接して配置された状態において、電子部品を取り出し、その電子部品(ここではICチップC)を被着物(本実施形態においてはRFIDタグA)に取り付ける装置である。ここで、「行」と「列」は、それぞれ
図1におけるX方向への配列とY方向への配列を意味する。以下、電子部品の一例としてICチップを例にとり説明する。ICチップCは、例えば多数の回路パターンが形成された薄板円盤状の半導体ウエハWが格子状に切断されて形成されている。電子部品取付装置100は、隙間なく複数列かつ複数行に整列された多数のICチップCから複数のICチップCを列状で取り出し、それらのICチップCのそれぞれをRFIDタグAに取り付ける装置である。なお、各図は模式的図面であり、各部材のサイズ、個数等を模式的に示すものである。
【0050】
<全体構成>
当該電子部品取付装置100は、半導体ウエハWが載置される載置台1と、被着物であるRFIDタグAのシートを搬送するシート搬送機構2と、載置台1からシート搬送機構2まで電子部品であるICチップCを搬送する部品搬送機構3と、部品搬送機構3によって搬送されたICチップCをRFIDタグAに取り付け移送する取付移送機構80とを有している。また、電子部品取付装置100は、各部材の動作を制御する制御部100Aを有している。
【0051】
<載置台>
載置台1は、上述のように半導体ウエハWがレーザー等で切断され、隙間なく複数列かつ複数行に整列されたICチップCに個片化された状態で載置される。また、載置台1は、載置されたICチップCの整列方向を調整する調整手段を有している。具体的には、載置台1は、載置された半導体ウエハWを撮像する撮像部(図示省略)と、電子部品Cの整列方向が正しくない場合(
図1のXY方向に合致していない場合)に、載置台1の中心を通り
図1の紙面に直交する方向に伸びる回転軸を中心として半導体ウエハWを回転する回転部(図示省略)とを有している。
【0052】
<部品搬送機構>
部品搬送機構3は、複数のICチップCをピックアップして取り出す取り出し機構としての吸着保持装置33と、吸着保持装置33が取り出したICチップCを搬送し、RFIDタグAに到達する前に隣り合うICチップCの間隔が上記異なる間隔(複数のICチップCがRFIDタグAへ取り付けられる間隔)となるよう各ICチップCを移動させ、ICチップCをRFIDタグAまで搬送する部品搬送機構3とを備えている。具体的には、部品搬送機構3は、載置台1及びシート搬送機構2の間でICチップCが仮置きされる整列部としての載置テーブル10と、載置台1から載置テーブル10までICチップCを移送する第一移送機構30と、載置テーブル10からRFIDタグAまでICチップCを移送する第二移送機構50とを有する。部品搬送機構3は、載置台1上のICチップCを、まず載置テーブル10まで第一移送機構30によって移動させて載置テーブル10に仮置きし、この載置テーブル10上のICチップCを第二移送機構50によってRFIDタグAのアンテナまで搬送する。本実施形態においては、第一移送機構30は第一方向(
図1のX方向)にICチップCを移送し、第二移送機構50は第一方向に直交する第二方向(
図1のY方向)にICチップCを移送する。
【0053】
第一移送機構30は、載置台1から載置テーブル10へICチップCを、載置テーブル10においてICチップCの列間が上記異なる間隔D1,D2となるように移動させる。第一移送機構30は、載置台1から複数個(本実施形態では8つ)のICチップCを同時に吸着する。そして、第一移送機構30は、吸着したICチップCを、載置テーブル10においてICチップCの列間が間隔D1,D2,D1,D2,D1のように、間隔D1と間隔D2とが交互になるように、載置テーブル10に受け渡す。この間隔D1,D2,D1,D2,D1のパターンを以下では、異なる間隔D1,D2パターンと表現する。この吸着及び載置の動作を繰り返すことによって、載置テーブル10には、ICチップCの列間が異なる間隔D1,D2パターン状態でICチップCが複数列並べられる。第二移送機構50は、このように列間が異なる間隔D1,D2パターン状態でICチップCが並べられた載置テーブル10から、同一行複数個(本実施形態では6個)のICチップCを同時に吸着すると共に、同一行複数個のICチップCをRFIDタグAのアンテナまで搬送する機構である。
【0054】
つまり、本実施形態の部品搬送機構3にあっては、載置台1から載置テーブル10へのICチップCの複数回の移送作業によって、載置テーブル10上に複数の列のICチップCの列間が上記異なる間隔D1,D2をあけた状態でICチップCが所定列数(図示例では6列)並べられる。所定列数は、RFIDタグAに同時に載置されるICチップCの個数と同一である。このようにICチップCが異なる間隔D1,D2パターンで整列された載置テーブル10から、第二移送機構50によって同一行複数個(図示例では、1行6個(6列))のICチップCを取り出し、このICチップCをRFIDタグAのアンテナまで移送してRFIDタグAに載置する。
【0055】
(載置テーブル)
載置テーブル10は、上述のように第一移送機構30からICチップCを受け取り、第二移送機構50によってICチップCが受け取られる。この載置テーブル10は、第二移送機構50に接近及び離反するようスライド移動する。つまり、載置テーブル10は、第二移送機構50から離反して第一移送機構30とICチップCを受け渡す第一受渡位置P1と、第二移送機構50に接近して第二移送機構50とICチップCを受け渡す第二受渡位置P2とを移動する。なお、載置テーブル10は、第一受渡位置P1と第二受渡位置P2との間に配された図示省略のレールにスライド可能に支持されている。
【0056】
(第一移送機構)
第一移送機構30は、1列に並んだ8個のICチップCを同時に載置台1から取り出し、載置テーブル10に
移動する。第一移送機構30は、水平方向(
図1及び
図2のX方向及びY方向)並びに上下方向(
図1の紙面に直交する方向)に移動可能な吸着保持装置33を有している(
図2参照)。また、第一移送機構30は、
図2に示すように、柱部30aと、走行体31と、上下動体32とを有している。柱部30aは、第一移送機構30の移送方向に沿ってレールが配される。走行体31は、柱部30aに沿って走行する。上下動体32は、走行体31に上下動可能に支持されると共に吸着保持装置33を第一移送機構30の搬送方向に対する垂直方向(
図1及び
図2のY方向)に移動可能に支持する。
【0057】
{吸着保持装置}
吸着保持装置33は、上述のように載置台1から1列に並んだ複数個のICチップCを吸着保持することができる。吸着保持装置33は、吸着するICチップCの個数を変更可能である。この吸着保持装置33は、
図3~
図6に示すように、脱気口36(
図4参照)が形成された吸引具34と、この吸引具34に対して相対的に変位(回転)する変位体42とを備えている。脱気口36に連通することで吸着口38(
図4及び
図5参照)は吸引力を発揮する。変位体42は、吸引具34との相対位置によって複数の吸着口38と脱気口36との連通状態を選択的に変更可能に設けられている。
【0058】
吸引具34が、脱気口36の吸引によって負圧となる負圧室35(
図3及び
図4参照)を有している。吸着口38が負圧室35に連通可能に形成されている。変位体42は、負圧室35内に配され、吸着口38に対する変位体42の相対的な回転位置によって複数の吸着口38と負圧室35との連通状態を選択的に変更可能に設けられている。変位体42は、負圧室35の内壁に周壁が接しつつ回転可能な筒体である。筒体の周壁に、筒体の回転軸とそれぞれ平行で且つ長さの異なる複数の長孔43(
図6参照)が貫通して形成されている。
【0059】
より具体的に説明すると、吸引具34は、
図3及び
図4に示すように内部に負圧室35が形成されると共に脱気口36が形成される筐体37と、この筐体37の下部に付設され吸着口38が形成されるコレット部39とを有している。コレット部39の複数の吸着口38は、
図4の紙面に直交する方向に並べて複数の吸着口38が一列で並んでいる。より詳細には、コレット部39の先端側を表した
図5に示すように、コレット部39の先端には平面状に形成されており、この平面状の部分に複数の吸着口38が並べて配置されている。このコレット部39は
図4に示すように下端につれて幅が狭くなるよう形成されている。また、コレット部39は筐体37の下部に着脱可能に付設されており、このため吸着したい対象の変更等に伴い吸着口38の配置の異なる新たなコレット部39を付設することができる。コレット部39の吸着口38は、負圧室35の底面に形成された孔と連通している。
【0060】
吸引具34には
図3に示すように吸引ホース40が付設され、この吸引ホース40は脱気口36に接続されている。なお、吸引ホース40は真空ポンプ、ブロア等の減圧手段に接続されている。
【0061】
変位体42は、円筒状であり、
図3及び
図4に示すように筐体37内でコレット部39の内壁(上面)と周壁(円筒の側面)が接しつつ回転可能に設けられている。このため、コレット部39の吸着口38が筒体の周壁と接している場合、筒体によって吸着口38と負圧室35との連通状態が阻害される。したがって、この状態では、吸着口38は吸着することができない。また、筒体の周壁に複数の長孔43が形成されている(
図6参照)。複数の長孔43は、筒体を貫通して設けられているため、長孔43がコレット部39の吸着口38に相当する部位に位置する場合には吸着口38と負圧室35とが長孔43を介して連通する。
【0062】
複数の長孔43は、筒体の回転軸とそれぞれ平行で且つ長さが異なるので、筐体37に対する筒体の相対角度によってコレット部39の吸着口38に相当する部位に位置する長孔43が変更されることで、負圧室35に連通する吸着口38の数を選択的に変更できる。
【0063】
(第二移送機構)
第二移送機構50は、
図2に示すように、取出機構60と、仮置部70とを有する。
図1及び
図2を参照して、取付機構60は、整列部10から同一行6個のICチップCを同時に吸着して取り出す。仮置部70は、同一行6個のICチップCが受け渡される。つまり、第二移送機構50は、整列部10上から同一行6個のICチップCを取出手段60によって取り出して、この取り出されたICチップCを一度仮置部70に仮置きし、そして、この仮置部70上のICチップCを、アンテナシートSまで搬送するものである。
【0064】
また、第二移送機構50は、取出機構60から同一行複数個のICチップCが載置されると共に、載置されたICチップCを反転して仮置部70に受け渡す反転機構90をさらに有している。つまり、第二移送機構50にあっては、取出機構60と仮置部70との間に反転機構90が設けられ、取出機構60からまず反転機構90にICチップCが受け渡され、反転機構90がICチップCを表裏反転させて仮置部70に受け渡している。仮置部70にICチップCが受け渡される位置を、以下第三受渡位置P3ということがある。なお、
図1においては反転機構90の図示を省略している。
【0065】
取出機構60は、第二受渡位置P2の整列部10から同一行6個のICチップCを同時に取り出す。この取出機構60は、第二受渡位置P2と第三受渡位置P3との間を移動可能に設けられ、上述のように第二受渡位置P2でICチップCを受け取った後に第三受渡位置P3まで移動することでICチップCを移送し、第三受渡位置P3においてICチップCを受け渡す。
【0066】
取出機構60は、整列部10(第二受渡位置P2の整列部10)と仮置部70との上に移動可能かつ上下動可能な吸着部61と、この吸着部61を上下動可能に支持すると共に水平方向(
図1及び
図2のY方向)に移動可能な支持部62を有している。第二移送機構50は、
図2に示すようにICチップCの列形成方向(Y方向)に沿って配されたレール51を有し、このレール51に沿って支持部62が水平方向に移動可能に支持されている。
【0067】
反転機構90は、第三受渡位置P3において取出機構60からICチップCが受け渡される。この反転機構90は、受け渡されたICチップCを吸着可能に設けられている。また、反転機構90は、吸着するICチップCを反転可能に設けられると共に上下動可能に設けられている。これにより、反転機構90は、受け渡され吸着したICチップCを反転させ、仮置部70に近接するよう上下動して、仮置部70にICチップCを受け渡す。また、反転機構90は、第三受渡位置P3から離反するよう水平移動可能(Y方向又はX方向に移動可能)に設けられている。具体的には、仮置部70から取付移送機構80がICチップCを受け取る際に反転機構90は第三受渡位置P3から離反する。
【0068】
仮置部70は、載置されたICチップCの位置を修正する修正機構71を備えている。ここで、修正機構71は特に限定されないが、修正機構71として図示例では凹部が上面に形成されている。つまり、反転機構90から受け渡されたICチップCが凹部に嵌まり込むことによって、ICチップCの位置(隣り合うICチップC間の間隔)及びICチップCの角度が修正される。なお、この修正機構としては、例えば仮置部70に載置されたICチップCに接近離反可能に設けられ、接近することでICチップCを挟持するよう当接する一対の板状部材であってもよい。本実施形態において、仮置部70は第二移送機構50のICチップCの移送方向(Y方向)に移動しない。なお、仮置部70が第二受渡位置P2と第三受渡位置P3との間を移動するように設け、取出機構60がY方向に移動しないように設けることも可能である。
【0069】
受取搬送機構75は、第三受渡位置P3で受け取ったICチップCをアンテナシートSまで搬送する。受取搬送機構75は、第三受渡位置P3において仮置部70から同一行複数個のICチップCを同時に受け取る。この受取搬送機構75は、第三受渡位置P3とICチップCの取付対象であるRFIDタグAとの間を移動可能に設けられている。本実施形態においては、受取搬送機構75は、仮置部70に載置されている全てのICチップCを受け取るよう構成されている。なお、受取搬送機構75が、仮置部70に載置されている一部かつ複数のICチップCを受け取るよう構成することも可能である。具体的には、例えば仮置部70に1列8個のICチップCが載置されている状態から、受取搬送機構75が1列4個のICチップCを受け取るよう構成することも可能であり、この場合、6個のICチップCを受け取るよう、二つの受取搬送機構75を設けることも可能である。但し、仮置部70に、取出機構60によって同時に受け渡された同一行複数個のICチップCの全てを受取搬送機構75が同時に受け取るよう構成することが好ましく、これにより装置全体の複雑化を避けることができると共に取付作業の効率化が図られる。
【0070】
<取付移送機構>
取付移送機構80は、RFIDタグA上を上下動可能な保有部81と、この保有部81を上下動可能に支持する移動部材82とを有している。取付移送機構80は、部品搬送機構3によってRFIDタグAが形成されたアンテナシートSまで搬送されたICチップCをRFIDタグAの所定位置に取り付ける。この移動部材82は、レール51に沿って水平方向(
図1及び
図2のY方向)に移動可能に支持されている。取付移送機構80は、実装位置P4においてICチップCをRFIDタグAに取り付ける。
【0071】
<シート搬送機構>
図1を参照して、シート搬送機構2は、上述のようにICチップCを取り付けるRFIDタグAが形成されたアンテナシートSを搬送する機構である。本実施形態においては、シート搬送機構2は、多数のRFIDタグAが形成されたアンテナシートSを搬送している。シート搬送機構2は、取付移送機構80が吸着保持する複数のICチップCの整列方向(整列部10における行形成方向(
図1のX方向))に沿ってアンテナシートSを搬送する。
【0072】
本実施形態において、アンテナシートSには、シートの長手方向及び幅方向(
図1のX方向及びY方向)に並べて複数のRFIDタグAが異なる間隔D1,D2パターンに対応する間隔、すなわち間隔D1,D2,D1,D2,D1で形成されている。アンテナシートSは、この複数のRFIDタグAに取付移送機構80によって同時に1行複数個(本実施形態においては6個)のICチップCが載置される。
【0073】
シート搬送機構2は、アンテナシートSの原反からアンテナシートSを巻出す供給装置95と、ICチップCが取り付けられたアンテナシートSを回収する回収装置96とを備えている。この供給装置95と回収装置96との間においてアンテナシートSのRFIDタグAに対して部品搬送機構3によってICチップCが搬送される。そして、取付移送装置80によってRFIDタグAにICチップCを取り付ける。なお、回収装置96は、アンテナシートSを巻き取る巻取装置とすること、及びアンテナシートSをカットするカット装置等とすることが可能である。また、シート搬送機構2は、上述のようにICチップCが載置されたアンテナシートSをキュアリングするキュアリング装置97を備えている。さらに、シート搬送機構2は、ICチップCをRFIDタグAのアンテナに固定するための接着剤やメタルボンド等の固定部材を塗布する装置をさらに備えることも可能である。
【0074】
<被着物位置確認部材>
電子部品取付装置100は、ICチップCを取り付けられる前においてアンテナシートS(複数のRFIDタグA)の位置を確認する被着物位置確認部材100Bを備える。被着物位置確認部材100Bは、カメラから構成されている。被着物位置確認部材100Bは、シート搬送機構2によって搬送されるアンテナシートSを実装位置P4よりも上流側で撮像する。被着物位置確認部材100Bは、制御部100Aに接続され、電子部品取付装置100は、被着物位置確認部材100Bにより確認されたRFIDタグAの位置に基づいてRFIDタグA同士の間隔を算出し、この算出した間隔に基づいてICチップCを取り付けることができる。
【0075】
[電子装置の製造方法]
次に、本発明の一実施形態に係る電子装置の製造方法について説明する。この電子装置の製造方法は、上記構成からなる電子部品取付装置100を用い、ICチップCを取り付ける。
【0076】
このICチップCの取付方法は、載置台1から第一移送機構30によってICチップCが載置テーブル10に移送され載置される第一搬送工程と、載置テーブル10から第二移送機構50によってICチップCがRFIDタグAまで移送されRFIDタグAに載置される第二移送工程とを有する。
【0077】
<第一搬送工程>
第一搬送工程では、載置台1から8個のICチップCが同時に吸着され、吸着されたICチップCが載置テーブル10に移送され、載置テーブル10に受け渡される。この第一搬送工程が繰り返し行われることで、載置テーブル10には列間が上記異なる間隔D1,D2を有する状態で複数のICチップCの列が並べられる。
【0078】
第一搬送工程において、通常、吸着保持装置33は、1列所定個数(本実施形態では8個とするが、ICチップのサイズや電子部品によって20個や100個、5個等適切な数を選択する)のICチップCを吸着する。しかし、第一搬送工程が繰り返されて載置台1のICチップCの数が少なくなり、載置台1のICチップCの1列におけるICチップCの個数が所定個数未満となった場合、所定個数未満のICチップCを吸着保持装置33は吸着する。
【0079】
より具体的に
図7及び
図8を参照しつつ説明する。
図7(A)~(F)及び
図8(A)~(F)は、ICチップCが取り出された状態の載置台1の状態を順次模式的に説明するための図面である。
図7及び
図8は、円板状の半導体ウエハWをレーザー等で切断して多数のICチップCに個片化した状態における一部(
図1おけるG)の部分拡大図である。なお、
図7及び
図8では、ICチップとして使用不可能な形状のチップが取り除かれている。
図7及び
図8において、ハッチングされた箇所Hは次に取り出されるICチップCを示し、破線で示された箇所Fは既にICチップCが取り出された箇所を示し、所定個数(通常時(1列に所定個数以上の十分な数のICチップが存在する状態)の1度の取出個数)として8個で記載している。なお、
図7は、一つの半導体ウエハWにおいて第一搬送工程によるICチップCの取り出しが開始された直後の図面であり、
図8は、一つの半導体ウエハWにおいて第一搬送工程によるICチップCの取り出しが終了する直前の図面である。
【0080】
図7(A)の段階では、図示中の最も右列の手前(図面上下側)の8個のICチップCが取り出される。その後、
図7(B)に示すように隣の列の8個のICチップCが順次取り出される。ここで、半導体ウエハWは薄板円盤状に形成されているため、全列において行数が一致していない。このため、
図7(C)のように前回取り出された列と異なる行からICチップCを取り出す必要が生じる。そして、
図7(D)~(F)に示すように、順次上記第一搬送工程によるICチップCの取り出しがなされる。なお、
図7(A)~(F)において、取り出されるICチップCの個数は同一である。
【0081】
そして、
図8(A)及び(B)においては、取り出される列にICチップCが所定個数(8個)以上あるため、取り出されるICチップCの個数は8個である。しかし、
図8(C)~(F)においては、取り出される列にICチップCが8個以上なく、このため列に残存する個数(所定個数未満)のICチップCが取り出される(例えば
図8(C)においては7個)。
【0082】
このように所定個数未満(本実施形態では8個未満)のICチップCを吸着する際に、8個のICチップCを吸着する時と同様の方法で吸着すると、ICチップCを吸着しない吸着口38から気体が負圧室35に流入し、十分な負圧が発生せず、ICチップCの吸着口38の吸引力が低下してICチップCを保持できないおそれがある。このため、
図8(C)~(F)の段階においては、吸着保持装置33の変位体42を吸引具34に対して相対的に移動させることで吸着を行う吸着口38のみを負圧室35と連通させることで、十分な吸着力を確保することができる。
【0083】
<第二搬送工程>
第二搬送工程は、整列部10から1行複数個(本実施形態では6個)のICチップCを取出機構60が取出す工程と、この取出機構60が取り出したICチップCを反転機構90が反転する工程と、反転機構90が反転したICチップCを仮置部70に載置する工程と、仮置部70に載置された1行8個のICチップCを受取搬送機構75及び取付移送機構80がRFIDタグAまで移送しRFIDタグAに載置する工程とを有する。
【0084】
図1で示す例にあっては、また、アンテナシートSにはシート短手方向(
図1におけるY方向)にも4つのRFIDタグAが形成されているため、ICチップCを取付移送機構80がRFIDタグAのアンテナに載置する工程が4回なされた後に、シート搬送機構2はアンテナシートSを搬送する。つまり、シート搬送機構2は間欠的にRFIDタグAを搬送する。
【0085】
[利点]
電子部品取付装置100にあっては、第一移送機構30は、載置台1から複数個(本実施形態では8個)のICチップCを同時に吸着することで取り出し、第二移送機構50は、載置テーブル10から、列間に間隔を有する状態の同一行複数個(本実施形態では6個)のICチップCを同時に吸着することで取り出し、この同一行6個のICチップCをRFIDタグAに同時に載置する。このように電子部品取付装置100は、複数のICチップCを同時にRFIDタグAに載置することができるため、ICチップCの取付を効率的に行うことができる。
【0086】
また、電子部品取付装置100にあっては、電子部品(ICチップC)を被着物に直接取り付けるのではなく、被着物(RFIDタグA)に取り付ける前に載置テーブル10に電子部品(ICチップC)を載置する。このとき、ICチップCの載置位置、配列等を考慮して、同時に複数のICチップCをRFIDタグAに取り付け可能なように載置テーブル10にICチップCを載置することで、効率よくICチップCをRFIDタグAに載置できる。本実施形態では、被着位置の間隔と同じ間隔をあけてICチップCの列を載置することで、ピックアンドプレースを用いてRFIDタグAにICチップCを取り付ける場合よりも効率的にICチップCを取り付けることができる。ここで、効率よくとは、一定時間あたりに取り付ける電子部品の量が多いことを意味している。本発明では、電子部材を少なくとも行方向又は列方向に並べるが、並べられた電子部品は必ずしも、密接して載置される必要はない。
【0087】
本実施形態では、電子部品取り付け装置10は、被着物の種類の変更などによって被着物の被着位置の間隔が変更された場合にあっても、載置テーブル10に載置する電子部品の列間の間隔(
図1の間隔D1,D2に相当)を変更するだけで対応することができる。しかも、仮置部70は、載置された電子部品の位置を修正する修正手段を備えているので、仮置部70で載置テーブル10に載置されている状態よりもさらに正確な位置で電子部品を被着物に取り付けることができる。
【0088】
また、第二移送機構50が、載置テーブル10とRFIDタグAとの間に仮置部70を有しているため、取出機構60によって載置テーブル10からICチップCを受け取るタイミングと、取出機構60によって仮置部70への受け渡すタイミングと、取付移送機構80によって仮置部70からICチップCを受け取るタイミングと、取付移送機構80によってRFIDタグAにICチップCを載置するタイミングとを調整することができ、これによってICチップCの取付作業の効率化をより図ることができる。
【0089】
載置テーブル10は、第一移送機構30との間でICチップCを受け渡す第一受渡位置P1と、第二移送機構50との間でICチップCを受け渡す第二受渡位置P2との間を移動するため、第一移送機構30の構成要素と第二移送機構50の構成要素との配設箇所の設計自由度が向上する。
【0090】
さらに、吸着保持装置33が、吸着するICチップCの個数を変更可能に設けられているため、載置台1から第一移送機構30が吸着するICチップCの個数を変更することができる。このため、載置台1に残存するICチップCの個数が減った場合であっても、的確に残りのICチップCを吸着できる。
【0091】
特に、変位体42の吸引具34に対する角度位置(姿勢)によって複数の吸着口38と脱気口36とが連通状態になる数が変更され、複数の吸着口38のうち脱気口36と連通した吸着口38は吸引力を発揮することができると同時に、複数の吸着口38のうちその他の吸着口38は脱気口36と連通されない。このため、変位体42の吸引具34に対する角度位置(姿勢)を変更することで所望の吸着口38のみによって物品を吸着し、その他の吸着口38から流入する気体による負圧の減少を回避することができる。これにより所望の吸着口38によって好適に物品を吸着できる。このように変位体42の回転移動のみによって使用する吸着口38の選択が可能であるため、吸着口38ごとに開閉機構を設ける構成に比べて、部品点数が少なく、小型化が図られる。
【0092】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
【0093】
つまり、上記実施形態においては、載置テーブル10が第一受渡位置P1と第二受渡位置P2との間を移動するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、載置テーブル10が水平移動しないものであってもよい。
【0094】
また、載置テーブル10が第一受渡位置P1と第二受渡位置P2との間を移動するよう設けられる場合であっても、上記実施形態のように載置テーブル10がスライド移動するものに限定されず、載置テーブル10が回転移動するものであってもよい。具体的には、載置テーブルの一部が第一受渡位置P1に位置し、他の部分が第二受渡位置P2に位置する大きさであり、第一受渡位置P1と第二受渡位置P2と中間位置かつ鉛直方向(
図1の紙面に直交する方向)の軸を中心に回転する構成を採用し、第一受渡位置P1で電子部品を載置して整列させた後に、載置テーブルを回転させて電子部品が第二受渡位置P2に位置させるものであってもよい。さらには、整列部10がテーブルでなくとも、コンベアベルトであってもよい。詳細には、少なくとも第一受渡位置P1から第二受渡位置P2まで延びており、第一受渡位置P1で電子部 品をベルトコンベア上に載置させると、ベルトコンベアが循環駆動し、第二受渡位置P2に電子部品を搬送する。このとき、第一受渡位置P1にはベルトの電子部品が載置されていない箇所が位置しており、第二受渡位置P2に配置された電子部品の次に取り付けが行われる電子部品が載置される。そして、第二受渡位置P2の電子部品の被着物への取り付けが終了すると、再度ベルトコンベアが循環駆動して第一受渡位置P1に位置していた電子部品が第二受渡位置P2に移動する。このような動作が繰り返されて、電子部品が被着物
に取り付けられる。このように複数の載置テーブルが設けられた構成では、一方の載置テーブルの電子部品の整列パターンと他方の載置テーブルの電子部品の整列パターンとが異なっていても良い。
【0095】
上記実施形態では、載置テーブル10の上に一時的にICチップCが載置される構成について説明したが、本発明はこれに限らず、ICチップCを列単位で移動させることができるガイドや台、レール等(以下ガイド等)の上に複数のICチップCを列状に整列させ、ガイド等を被着物の取り付け位置の間隔に対応するように移動させることで、電子部品の列を載置テーブル10の上に並べるのと同様の状態を形成しても良い。本発明では、高密度に電子部品が配置されている状態から、電子部品の列が被着物の取り付け位置の間隔に対応する間隔で配置された状態にし、その後特定の行を電子部品どうしの間隔を変えないで電子部品の取り付けを行うのが好ましい。
【0096】
さらに、第二移送機構50が、取出機構60、仮置部70、反転機構90及び取付移送機構80を有するものに限定されるものではない。また、第二移送機構50が、取出機構60、仮置部70及び取付移送機構80を有する場合であっても、第二移送機構50が反転機構90を有するものに限定されない。但し、ICチップCによっては表裏の区別がなされている場合があり(例えば一方の面のみに回路が形成されている場合があり)、このような場合にあっても第二移送機構50が反転機構90を有することで、ICチップCの所望の面をアンテナAに載置することができる。
【0097】
上記実施形態の電子部品取付装置100の移送機構は、整列部10、第一移送機構30及び第二移送機構50を備えた構成であるが、本発明はこれに限られない。移送機構は、例えば載置部の電子部品を多数同時に保持し、被着物まで移動する間に、各電子部品どうしの間隔を調整移動して各被着物の間隔と各電子部品の間隔とを合わせた後に、各電子部品を各被着物に取り付ける構成であってもよい。詳細には、
図14を参照して、移送機構110は、複数の吸着装置101と、複数の吸着装置101を同時に移動させる移動機構102と、各吸着装置の間隔が所定の距離になるように各吸着装置101を移動させる間隔調整機構103と、複数の吸着装置101を同時に上下動させる上下動機構(不図示)とを備えている。なお、
図14において下方向は紙面の右側であり、上方向は紙面の左側である。
【0098】
上記の実施形態では、載置テーブル10にRFIDタグAの取り付け位置の上記異なる間隔D1,D2をあけて複数のICチップCの列が並べられる構成を採用したが、本発明はこれに限らず、ピックアンドプレースで取り付ける場合よりも効率的に取り付けられるように載置テーブル10にICチップCを載置すればよい。必ずしもICチップCを列状にして載置する必要はなく、被着物又は被着位置の間隔の変更に容易に対応可能であり、効率よく電子部品が取り付けることができれば、どのような載置の仕方をしても良い。高密度に配置された電子部品から、取り出し前の状態よりも低密度となるよう、少なくとも行又は列方向の間隔をあけて、整列部に載置し、複数の電子部品を同時に保持、搬送して、複数の被着物に電子部品を取り付けることで電子装置を製造する構成であれば良い。上記の実施形態では、同じ行に並ぶ電子部品を同時に被着物に取り付けたが、列ごとに取り出し、列方向に複数の被着物に取り付ける構成であってもよい。
【0099】
また、第1移送機構30と第2移送機構50の一方又は両方は、複数の電子部品の間隔を変えないで搬送するのが望ましい。電子部品を保持した状態で、電子部品間隔を変える構成は、配線又は吸着用のチューブが複雑に配置された状態となるため、スペース及び構成の面で制限が大きい。整列部10に電子部品(ICチップC)を載置する際に、第2移送機構50が電子部品の間隔を変更せずに複数の被着物に同時に複数の電子部品を取り付けることができるように、第1移送機構30が載置するようにする構成を採用することで、第1移送機構30及び第2移送機構50が電子部品移送中に電子部品の間隔を変える必要がないため構成がシンプルになり、配線や吸着のためのチューブが不要となるため、コストが低減できる。
【0100】
吸着装置101は、一端(本実施形態では下端)で電子部品等、対象物(ICチップC)を吸着保持可能な吸引筒101aを有している。この吸引筒101aの他端(本実施形態では上端)はガイド101bに支持されている。各吸着装置101の下端はそれぞれ同じ高さ位置に位置している。吸着装置101は下部に不図示の吸引チューブに接続されており、下端で被着物を吸引可能となっている。移動機構102は、複数の吸着装置101を同時に移動させる。移動機構102は、
図14の紙面に直交する方向にすべての吸着装置101を同時に移動させる。
【0101】
間隔調整機構103は、各吸着装置101の間隔を調整する。間隔調整機構103は、吸着装置101が並べられた方向における両端に位置する吸着装置101を互いに離反するように移動させる離反機構103aと、各吸着装置に設けられたピン103cと、各吸着装置の相対移動範囲を規制する規制プレート103bとを備えている。離反機構103aは、吸着装置101が並べられた方向における両端に位置する吸着装置101を互いに離反する方向及び互いに近接する方向に移動させる。規制プレート103bは、ピン103cによって吸着装置101に固定されている。また、規制プレート103bには長孔が設けられており、規制プレート103bがピン103cによって固定された吸着装置101と隣りに位置する吸着装置101のピン103cがこの長孔の内側に配置されている。吸着装置101はこの長孔によって隣りに位置する吸着装置101に対する相対移動範囲が決められる。間隔調整機構103はこれに限らず、被着物の取り付け位置の間隔と各電子部品同士の間隔とが一致するように電子部品の間隔を調整して移動させる構成であればよい。
【0102】
上下動機構は、間隔調整機構103によって隣り合う吸着装置101との間隔が所定の間隔に調整された後、電子部品を被着物に取り付けるためにすべての吸着装置101を上下方向に移動させる。
【0103】
本実施形態の構成はこれに限られず、他の構成が追加されていてもよい。例えば、電子部品の位置を被着物の取り付け位置に精度良く合わせるための位置決め機構等が設けられていてもよい。
【0104】
電子部品の電子装置への取り付けの際には、複数の吸着装置101が電子部品を載置台から複数個同時に吸着保持して取り出し(
図14(B)の状態で取り出す)、間隔調整機構103によって隣り合う電子部品との間隔が対応する被着物の取り付け位置の間隔に適合するように調整される(
図14(A)の状態)。そして、吸着装置101が被着物の上まで移動すると、上下動機構によって各吸着装置101が下降して被着物の取り付け位置に電子部品を載置する。
【0105】
この構成では、上記の実施形態に比べて、整列部等を配置する必要がないため、構成がシンプルになりコストを低減させることができる。
【0106】
上記実施形態にあっては、第二移送機構50が載置テーブル10から1行分のICチップCを同時に吸着するものについて説明したが、第二移送機構が載置テーブルから複数行のICチップCを同時に吸着するものであってもよい。これにより、第二移送機構による整列部から電子部品を取り出す作業の効率化が図られる。例えば、取出機構が整列部から2行複数個(例えば上記実施形態のように1行に8個並べた構成であれば、8個が2行で16個)の電子部品を同時に吸着し、この2行複数個の電子部品を反転機構又は仮置部に受け渡すものであってもよい。
【0107】
また、上記実施形態にあっては、第二移送機構50及び取付移送機構80により1行分のICチップCを同時にRFIDタグAに載置するものについて説明したが、第二移送機構は、複数行のICチップC等の電子部品を同時にRFIDタグA等の被着物に載置する構成であってもよい。これにより、第二移送機構による電子部品の取付作業の効率化がさらに図られる。例えば、取付移送機構が仮受部から2行複数個(例えば上記実施形態のように1行に8個並べた構成であれば、8個が2行で16個)の電子部品を同時に受け取り、この2行複数個の電子部品を被着物に載置するものであってもよい。
【0108】
吸着保持装置が吸着する電子部品の個数を変更可能に設けられていることは本発明の必須の構成要件ではなく、また、吸着保持装置が吸着する電子部品の個数を変更可能に設けられている場合であっても上記実施形態の構成に限定されるものではない。
【0109】
具体的には、上記実施形態においては変位体が筒体であるものについて説明したが、変位体が負圧室の内壁と接しつつスライド移動するプレートであってもよい。例えば、
図9に示すように、階段状の外形を有するプレート142から変位体を構成した構成であってもよい。この構成では、吸着保持装置は、上記実施形態における変位体42は備えておらず、上記実施形態の吸引具と同様の構成の吸引具と吸引具の底面に配置されたプレート142を含んでいる。
図9は吸引具の負圧室内部から底面側を見た図である。このプレート142が負圧室の内壁(底面)と接しつつスライド移動することで、負圧室の底面に設けられた所望の吸着口138を負圧室と連通させ、その他の吸着口138をプレート142によって閉塞させることで負圧室と連通不能とすることも可能である。
【0110】
また、上記実施形態においては負圧室を設ける構成について説明したが、移動体に複数の連通路を形成し、移動体の相対位置によって所定の連通路が脱気口に連通されることで脱気口と所望の吸着口とが連通される構成を採用することも可能である。具体的には、
図10及び
図11に示すような構成を採用可能である。
図10及び
図11の吸着保持装置233は、複数の吸着口(図示省略)が形成されたコレット部239を含む吸引具234を有している。複数の吸着口は、コレット部239を上下方向(
図10の上下方向)に貫通して設けられている。そして、吸引具234との相対位置によって吸着口と脱気口236との連通状態を選択的に変更するための変位体は、コレット部239に対して回転可能な回転体242から構成されている。この回転体242は、所定回転角度で脱気口236に連通可能で回転軸方向に沿って形成された複数の連通孔235、及び外面からそれぞれ連通孔235まで形成され、回転軸とそれぞれ平行で且つ長さの異なる複数の長孔243とを有している。
【0111】
さらに詳述すると、この吸着保持装置233は、吸引具234が、
図10に示すように、円柱状の回転体242を回転可能に両側から支持する一対の支持部234aと、この一対の支持部234aを連結する連結部234bとを有し、この連結部234bにコレット部239が付設されている。また、一方の支持部234aに脱気口236が形成され、この脱気口236が吸引ホース240に接続されている。このため、回転体243が相対的に回転することによって脱気口236に連通する連通孔235が変更され、脱気口236と連通する連通孔235に連通する長孔243が負圧となり、コレット部239の複数の吸気口のうち上記負圧となった長孔243と連通する吸気口によって吸引を行うことができる。
【0112】
さらに、回転体から移動体を構成する場合であっても、形状は円筒状又は円柱状のものに限定されるものではなく、例えば、
図12に示すように断面多角形の柱状であってもよい。
図12に示す移動体である回転体342は多角柱状に設けられ、回転体342には、所定回転角度で脱気口336に連通可能で回転軸方向に沿って形成された複数の連通孔335が形成されている。また、回転体342の各側面342aに1又は複数の吸着口338が形成され、同一の側面342aの吸着口338はそれぞれ同一の連通孔335に連通している。ここで、各側面342aの吸着口338の数が異なっており、これによって吸着する電子物品の個数の変化に対応できる。なお、図面は理解を容易にするために、大きさを誇張して表示している。連通孔335の大きさは電子部品によって異なるが、ICチップを保持する場合には、非常に小さい孔が好ましい。また、
図12は、各側面342aの幅も誇張して表現している。
【0113】
さらに、上記実施形態においては、吸着保持装置33が1列のみ電子部品を吸着するものについて説明したが、吸着保持装置が複数列の電子部品を吸着できるものであってもよい。また、上記実施形態においては、載置台1から電子部品が整列部10に移送され載置される1回の第一搬送工程において吸着保持装置33が1列のみの電子部品Cを吸着するものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、1回の第一搬送工程において複数列の電子部品を吸着して搬送することも可能である。この場合、整列部に電子部品を載置する際に列間に間隔を有するよう1列ずつ並べるとよい。
【0114】
具体的には、
図13に示すように吸着保持装置433が複数の回転体442及び複数のコレット部439を有する構成を採用することも可能である。回転体442及びコレット部439は上記実施形態の移動体42及びコレット部439と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
図13は模式的に示しているが、筐体437内の負圧室(図示省略)に3つの回転体442が内蔵され、筐体437の3つの側面に複数の吸着口(図示省略)が形成されたコレット部439が付設されている。また、筐体437は、
図13の紙面に直交する方向に伸びる回転軸を中心に回転可能である。筐体437の回転によって選択された各コレット部439の吸着口のみによって電子物品を吸着できる。吸着する電子部品の数は回転体442の回転によって変更される。整列部に物品を受け渡す際、各側面が下方に向くように筐体437が回転することで各コレット部439が吸着している電子部品を整列部に受け渡すことができる。
【0115】
上記実施形態では、電子部品を取り出す取り出し機構として、電子部品を負圧により吸着することでピックアップして取り出す吸着保持機構33を採用したが、本発明はこれに限らず、複数の電子部品からなる電子部品群が載置される載置台から電子部品群に含まれる複数の電子部品が載置台上の電子部品群から離して取り出す構成であればどのような構成であってもよい。例えば、複数行及び複数列に並べられた電子部品群から1列ずつ、コンベア等で取り出す構成や、ブレード等を用いて移動させて取り出す構成等を採用してもよい。
【0116】
上記実施形態では、第一移送機構30の移送方向と第二移送機構50の移送方向とは略直交する方向となっているが、本発明はこれに限らず、装置設置環境等に応じて、両移送方向が同じ方向であっても良く、略直交方向ではない状態で交差していてもよい。
【0117】
また、上記実施形態においては、一つの整列部10、一つの第一移送機構30及び一つの第二移送機構50を設けたものについて説明したが、整列部、第一移送機構及び第二移送機構の数はこれに限定されない。つまり、一つの整列部に対して、複数の載置台又は複数の第一移送機構を有するものであってもよく、また一つの載置台に対して複数の整列部を有するものであってもよい。
【0118】
さらに、上記実施形態において電子部品としてICチップを被着物としてのRFIDタグのアンテナに取り付けるものを例に挙げて説明したが、その他、ICチップと拡大電極を有するRFIDストラップにICチップを取り付けるものや、RFIDストラップをRFIDタグに取り付けるもの、IoT基板への電子部品の取り付けや、センサ基板への電子部品の取り付け、LEDを電子装置に取り付けるために用いる等、本発明の電子部品取付装置は種々の電子部品の取付、組み立てに用いることができる。
【0119】
上記実施形態においては、ICチップCの不良について考慮していないが、本発明では電子部品が不良品であるものが含まれている場合に不良品を検出、除去する構成を追加することも考えられる。
【0120】
より具体的には、次のような動作で行われる。電子部品を載置台から仮置きのための載置テーブルに搬送する間に、電子部品について良品か否かの検査が行われる。例えば、電子部品がICチップや、LED基板、IoT基板等のプリンテッドエレクトロニクス製品の場合、カメラで撮像した画像に基づいて、外観上の欠陥が無いかを判断するとともに通電させることで機能面での欠陥が無いかを判断する。
【0121】
このように電子部品の不良品を検出すると、不良品は載置テーブルに載置しないように、良品だけを並べる。良品だけが載置テーブルに並べられるので、製品に電子部品を取り付けた後に不良品を取り除く場合に比べて、電子部品の被取り付け部材を廃棄しないで済むためロスが小さくなる。
【0122】
なお、不良品の検出及び不良品の除去は、どのタイミングで行ってもよいが、上流工程であれば他の部品のロスが少なくなるため、特に好ましい。
【0123】
上記実施形態では、半導体ウエハを切断し、ICチップに個片化したものからRFIDタグに取り付ける構成について説明したが、半導体ウエハを切断した後に、不良品の検査を行い、良品のみを載置した場所からRFIDタグに取り付ける構成であってもよい。
【0124】
ここで、電子部品は、ICチップの他、LED基板やIoT基板等のプリンテッドエレクトロニクス製品等であってもよい。
【0125】
さらに、上記実施形態では、載置台にICチップが密接に行および列に並べられた状態に載置された場合について説明したが、本発明はこれに限られない。載置台に整列されずに複数の電子部品が載置されていてもよく、複数の列状にバラバラに載置されていてもよい。
【0126】
上記実施形態では、載置台1と整列部10を別の台としたが、これらが一体となっていてもよい。
【0127】
また、上記実施形態においては載置台に電子部品が隙間なく密接して整列されたものについて説明したが、載置台に電子部品が隙間をもった状態で整列されているものについても本発明の電子部品取付装置は有効に用いることができる。つまり、本発明は、載置台に密接に整列された電子部品を、第一移送機構によって、列間に間隔を有する状態となるよう整列部において並べることで、その後に同一行複数個の電子部品を同時に被着物に取り付けることができるものであり、載置台に整列された電子部品の間隔が被着物における複数の電子部品の被着位置の間隔と同一でないものであれば効果的に適用できる。
【0128】
上記実施形態では、被着位置の間隔が異なる二つの間隔D1,D2を行方向に繰り返した被着物に適用するものについて説明したが、
図15に記載のように、被着位置の間隔が異なる三つの間隔D3,D4,D5を行方向に繰り返した被着物にも適用可能であり、また、異なる間隔が行方向に繰り返されない被着物(被着位置の間隔が不規則パターンの被着物、例えばすべての被着物の間隔が異なる場合)にも適用可能である。
【0129】
上記実施形態では、全ての行において同一パターンの被着位置が配されるものについて説明したが、行ごとに間隔パターンが異なる被着物についても適用可能である。
【0130】
上記実施形態では、被着物としてRFIDタグの形成されたアンテナシートを例にとり説明したが、被着物の種類は問わず、異なる被着物に電子部品を同時に取り付ける場合においても適用可能である。
【0131】
上記実施形態では、一つの整列部を有するものについて説明したが、複数の整列部を有するものも採用可能である。また、複数の整列部を有する場合、各整列部で整列パターンが異ならしめることも可能である。具体的には、例えば、奇数列を第一の間隔パターンとし、偶数列を第二の間隔パターン(第一の間隔パターンと異なる間隔パターン)とすることも可能である。
【0132】
上記実施形態では、第二移送機構が繰り返し同一の間隔パターンで電子部品を移送するものについて説明したが、第二移送機構が、異なる間隔パターンで電子部品を移送することも可能である。具体的には、第二移送機構が第一の間隔パターンで電子部品を移送するステップと、第二の間隔パターンで電子部品を移送するステップとを繰り返すことも可能である。例えば、
図15において、第2搬送機構は、L1の行のICチップを移送するステップと、L2の行のICチップを移送するステップとを繰り返すことも可能である。換言すると、搬送工程が、電子部品を第一の間隔パターンで取り付けるステップと、電子部品を第一の間隔パターンと異なる第二の間隔パターンで取り付けるステップとを有することも可能である。
【0133】
上記実施形態では、第二移送機構が一度の移送作業に際して一行の電子部品を移送するものについて説明したが、第二移送機構が複数行の電子部品を同時に移送する構造とすることも可能である。この場合、複数行の電子部品の間隔パターンがそれぞれ異なることも可能である。例えば、
図15におけるL1の行のICチップとL2の行のICチップを同時に移送しても良い。
【0134】
上記実施形態では、ICチップのみが載置されていたが、本発明はこれに限られない。本発明は、
図16に記載のように、複数の電子部品J,K,M、例えば半導体やセンサを整列させて、同時に搬送することもできる。この場合、複数種類の電子部品を効率よく取り付けることができる。
【0135】
上記実施形態では、整列部において電子部品の各列が整然と並べられているものについて説明したが、例えば、マトリックス状に電子部品を整列部に並べて、異なる列の電子部品を行方向に間隔をあけて取り出す(例えば、1列目、4列目及び8列目の電子部品を取り出す)ことも可能である。すべての列の電子部品を取り出すのではなく、被着物の位置に対応した位置の電子部品を取り出すようにすることもできる。
【0136】
なお、上記実施形態では、被着物の位置を確認する構成を用いたが、本発明はこれに限らず、被着物の位置を確認する構成を用いない構成であってもよい。また、被着物の位置を確認する機構によって被着物の位置を確認し、載置テーブル上の電子部品の位置を調整するようにしても良い。この位置調整は、第一移送機構によって行っても良いし、別の位置調整機構を設けることもできる。
【0137】
装着対象物としては、
図17に示すように、一対の電極Sa,Sbが形成された電極シートを用いることもできる。一対の電極Sa,Sbは、それぞれ長手方向に沿って所定幅に形成されている。一対の電極Sa,Sbは、幅方向の中央に形成された隙間を挟んで、幅方向に並べて配置されている。一対の電極の幅は、同じであるが、異なる幅であっても良い。
【0138】
図17におけるストラップ製造装置は、RFIDタグ等に用いられるストラップを製造する。ここでストラップは、隙間をもって配された一対の電極Sa,Sbと、一対の電極Sa,Sbに接触し且つ一対の電極Sa,Sbの上記隙間に配置されたICチップCとを含んだものである。ストラップ製造装置は、整列ケース10と、装着対象物搬送機構(図示省略(
図1のシート搬送機構2と同機能の機構))と、ICチップ搬送機構(図示省略(
図1の第二移送機構50及び取付移送機構80と同種の機構))とを備えている。
【0139】
整列ケース10には、レーザー等を用いて半導体ウエハを切断し、複数のICチップCが形成された後、複数のICチップCが間隔をあけて複数列で並べられる。整列ケース10は、列状の溝10Aが並ぶように形成されており、複数のICチップCが溝に配置される。整列ケース10の溝10A内の最前列のICチップCが移動すると、残されたICチップCの列がICチップCの1つ分だけ前側に移動する。複数のICチップ列は、すべて同じ所定の間隔で配置されていても良いし、異なる間隔で配置されていても良い。複数のICチップ列の間隔等がすべて同じでも良いし、異なる間隔であっても良い。複数のICチップ列は、取り付け対象物の間隔に合わせて配置されている場合や、予め決められた間隔に配置されている場合もあり得る。
【0140】
上記装着対象物搬送機構は、装着対象物を搬送して、未だICチップが装着されていない部分を載置位置に移動させる。装着物搬送機構は、ICチップCが載置されるとICチップが載置された箇所を載置位置から移動させる。
【0141】
上記ICチップ搬送機構は、整列ケース10Aに整列された複数のICチップ列のうち、最前列のICチップCを行単位で1対の電極の隙間に搬送し、載置する。ICチップ搬送機構は、最前列のICチップの距離間隔を維持した状態で搬送する。
【0142】
図17の装置によるストラップの製造方法は、長手方向に沿って所定の隙間をあけて一対の電極が形成された電極シートを所定位置に搬送する工程と、
図17Aに示すように複数のICチップCが間隔をあけて複数列で並べられる工程と、複数のICチップCを列状態で保持しながら上記所定位置まで搬送し、
図17Bに示すように一対の電極Sa,Sbに接触し且つ一対の電極Sa,Sbの上記隙間にICチップを載置する工程とを備える。
【0143】
なお、
図17のストラップ製造装置では、整列ケース10A、装着対象物搬送機構及びICチップ搬送機構によりストラップが連なったストラップ原反を製造することができるが、さらに切断機構を備える装置であっても良い。つまり、上記ストラップの製造方法は、上記ICチップの載置工程後に、
図17Cに示すようにストラップごとに切断する工程をさらに備えることも可能である。切断装置は、連続するICチップの間で切断動作を行って、各ストラップを製造する。切断には、刃物を用いる他、レーザーやハーフカット、その他装着対象物の少なくとも一部を切断できる構成であれば、どのようなものでも採用可能である。
【0144】
また、ストラップ製造装置では、ストラップに接着剤等の塗布を行う塗布装置をさらに備えることも考えられる。塗布装置に加えて、接着剤を塗布した面に剥離紙を貼り付ける剥離紙供給機構を設けることも考えられる。
【0145】
なお、上記のような整列ケース10を用いると、ICチップCの列の間隔は決められているため、ICチップCの列の間隔を異なる間隔に変えたい場合には、異なる整列ケースを準備する必要がある。
図17の装置では、整列ケースを変えることで、ICチップC等の装着物の間隔を変えることができるので、装着物の装着間隔が異なる多種類の装着対象物に容易に対応できる。
【0146】
図17のストラップの構成として、原反の長手方向に沿った隙間をあけて隙間の幅方向両側に一対の電極17a,17bが配置された構成を採用しているが、
図18に示すように一対の電極の隙間に向けて一対の電極17a,17bが先細りの形状であってもよい。しかし、
図17のストラップのように一対の電極17a,17bの隙間が一定に設けられていることが好ましく、これにより、原反の長手方向における取付精度が低くても良い。言い換えると幅方向における位置さえ精度よく装着物を装着すればよいので取り付けやすい。このため、ストラップを効率よく製造できる。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の電子部品取付装置は、上述のように精度良く効率的に電子部品を被着物に取り付けることができるので、例えば半導体ウエハのICチップをアンテナ部材に取り付ける場合などに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0148】
1 載置台
2 搬送機構
3 移送機構
10 整列部
30 第一移送機構
50 第二移送機構
30a 柱部
31 走行体
32 上下動体
33 吸着保持装置
34 吸引具
35 負圧室
36 脱気口
37 筐体
38 吸着口
39 コレット部
40 吸引ホース
41 軸受部
42 移動体
43 長孔
50 第二移送機構
51 レール
60 取出手段
61 取出手段用吸着保持部
62 取出手段用支持部材
70 仮置部
71 修正手段
80 取付移送機構
81 保有部
82 移動部材
90 反転手段
95 供給装置
96 回収装置
100A 制御部
100B 被着物位置確認部材
C 電子部品
A 被着物
W 半導体ウエハ
S 長尺状シート
P1 第一受渡位置
P2 第二受渡位置
P3 第三受渡位置
P4 実装位置