(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】就職支援システム、就職支援方法、及び就職支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241022BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024032320
(22)【出願日】2024-03-04
(62)【分割の表示】P 2023207001の分割
【原出願日】2023-12-07
【審査請求日】2024-03-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年3月8日 ウェブサイト<https://app.smart-syukatsu.jp>で公開 他
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523420295
【氏名又は名称】株式会社Lifedge
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 大介
(72)【発明者】
【氏名】小林 兼
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173884(JP,A)
【文献】特開2015-164022(JP,A)
【文献】特開2006-059195(JP,A)
【文献】特開2002-334147(JP,A)
【文献】特開2020-181361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
求職者を支援するための就職支援システムであって、
前記就職支援システムは、受付部、抽出部、表示処理部、
及び記憶部、を備え、
前記記憶部は、企業に関する
財務健全性、成長性、及び待遇、をそれぞれ数値化して得られる企業スコアと、
前記企業における複数の実績に対するスコア条件から得られる特定の企業における任意の求職者に対する内定可能性を示す内定スコアと、
前記企業スコアを前記スコア条件に基づく前記内定スコアの最高点に対応させて正規化し、該正規化された企業スコア及び前記内定スコアから得られる穴場度が紐づけられた企業情報を格納し、
前記受付部は、前記求職者から前記穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付け、
前記抽出部は、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出し、
前記表示処理部は、前記抽出された企業を前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する、
就職支援システム。
【請求項2】
前記就職支援システムは、更に算出部を備え、
前記企業情報には、企業における実績を示す複数の実績項目が含まれ、
前記算出部は、前記実績項目を
特定の企業における任意の求職者に対する内定可能性
を得るための前記スコア条件により実績評価値として数値化し、該実績評価値に基づいて内定スコアを算出し、
前記企業スコアと、前記内定スコアと、に基づいて前記穴場度を算出する、
請求項1に記載の就職支援システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記実績評価値を得るために利用される閾値領域を含んだスコア条件を格納し、
前記算出部は、前記スコア条件に基づいて、前記実績項目の数値が閾値領域以上の場合には前記実績評価値を前記内定スコアに加算する、
請求項2に記載の就職支援システム。
【請求項4】
前記スコア条件には、前記閾値領域からの数値距離に応じて前記実績評価値が決定される評価条件が含まれ、
前記算出部は、前記実績項目の数値が閾値領域である場合、前記内定スコアに当該実績項目のスコア条件における最大値を前記実績評価値として算出し、前記実績項目の数値が前記閾値領域から所定の数値距離だけ離れている場合、前記評価条件に基づいて前記実績評価値を算出する、
請求項3に記載の就職支援システム。
【請求項5】
前記評価条件は、前記閾値領域からの数値距離が大きいほど実績評価値が減少する条件を含む、
請求項4に記載の就職支援システム。
【請求項6】
前記受付部は、前記求職者から前記企業スコアと、前記穴場度と、を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付け、
前記抽出部は、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出し、
前記表示処理部は、前記抽出された企業を、前記企業スコア及び前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する、
請求項1に記載の就職支援システム。
【請求項7】
前記受付部は、抽出された複数の企業から、前記求職者が閲覧を希望する企業の選択入力を受け付け、
前記表示処理部は、前記企業に関連付けられた前記企業スコアを構成する複数の個別評価と共に、各個別評価を構成する複数の詳細評価を表示処理し、その表示処理の結果を送信する、
請求項6に記載の就職支援システム。
【請求項8】
求職者を支援するための就職支援システムが実行する就職支援方法であって、
前記就職支援システムは、受付部、抽出部、表示処理部、
及び記憶部、を備え、
前記記憶部が、企業に関する
財務健全性、成長性、及び待遇、をそれぞれ数値化して得られる企業スコアと、
前記企業における複数の実績に対するスコア条件から得られる特定の企業における任意の求職者に対する内定可能性を示す内定スコアと、
前記企業スコアを前記スコア条件に基づく前記内定スコアの最高点に対応させて正規化し、該正規化された企業スコア及び前記内定スコアから得られる穴場度が対応付けられた企業情報を格納するステップと、
前記受付部が、前記求職者から前記穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付けるステップと、
前記抽出部が、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出するステップと、
前記表示処理部が、前記抽出された企業を前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信するステップと、を含む、
就職支援方法。
【請求項9】
求職者を支援するための就職支援プログラムであって、
コンピュータを、受付部、抽出部、表示処理部、
及び記憶部、として機能させ、
前記記憶部は、企業に関する
財務健全性、成長性、及び待遇、をそれぞれ数値化して得られる企業スコアと、
前記企業における複数の実績に対するスコア条件から得られる特定の企業における任意の求職者に対する内定可能性を示す内定スコアと、
前記企業スコアを前記スコア条件に基づく前記内定スコアの最高点に対応させて正規化し、該正規化された企業スコア及び前記内定スコアから得られる穴場度が紐づけられた企業情報を格納し、
前記受付部は、前記求職者から前記穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付け、
前記抽出部は、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出し、
前記表示処理部は、前記抽出された企業を前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する、
就職支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就職支援システム、就職支援方法、及び就職支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から求職者と企業の求人案件とをマッチングするためのシステムが開発されている。そして昨今では、マッチングの精度を高めるために様々な工夫がされている。
【0003】
例えば特許文献1には、求職者と求人案件との適合度を示すベーススコアと、求職者起点優遇スコア又は企業起点優遇スコアと、に基づいてマッチングスコアを算出するマッチングシステムが開示されている。
【0004】
当該マッチングシステムによれば、求職者起点優遇スコア(企業における採用の時期、人数、緊急度等)又は企業起点優遇スコア(求職者の年齢、職歴等)に基づいてマッチングスコアを算出するため、求職者及び求人企業双方の意図に沿った適切なマッチングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のとおり特許文献1の技術を利用することで、求職者及び求人企業双方の意図に沿った適切なマッチングが可能となる。一方で、求職者はマッチングした企業以外にも就職活動においてライバルの少ない(内定しやすい)優良な企業を把握できれば、その企業への内定を望むことも多く、特許文献1の技術ではこのようなニーズに対応することが困難である。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は、求職者の内定可能性が高く且つ優良な企業(成長可能性が高い企業)への就職活動を適切且つ効果的に支援できる就職支援システムを提供することにある。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、求職者を支援するための就職支援システムであって、
前記就職支援システムは、受付部、抽出部、表示処理部、記憶部、を備え、
前記記憶部は、企業に関する企業スコアと、前記求職者の内定可能性に関する内定スコアと、から得られる穴場度が紐づけられた企業情報を格納し、
前記受付部は、前記求職者から前記穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付け、
前記抽出部は、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出し、
前記表示処理部は、前記抽出された企業を前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0009】
また、本発明は、求職者を支援するための就職支援システムが実行する就職支援方法であって、
前記就職支援システムは、受付部、抽出部、表示処理部、記憶部、を備え、
前記記憶部が、企業に関する企業スコアと、前記求職者の内定可能性に関する内定スコアと、から得られる穴場度が対応付けられた企業情報を格納するステップと、
前記受付部が、前記求職者から前記穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付けるステップと、
前記抽出部が、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出するステップと、
前記表示処理部が、前記抽出された企業を前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信するステップと、を含む。
【0010】
また、本発明は、求職者を支援するための就職支援プログラムであって、
コンピュータを、受付部、抽出部、表示処理部、記憶部、として機能させ、
前記記憶部は、企業に関する企業スコアと、前記求職者の内定可能性に関する内定スコアと、から得られる穴場度が対応付けられた企業情報を格納し、
前記受付部は、前記求職者から前記穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付け、
前記抽出部は、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出し、
前記表示処理部は、前記抽出された企業を前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0011】
このような構成にすることで、求職者の内定可能性が高く且つ優良な企業への就職活動を適切且つ効果的に支援することができる。すなわち、本就職支援システムでは、穴場度を利用することで、就職活動においてバランスの良い企業(優良企業でありながら内定可能性が比較的高い、就職活動において穴場として位置付けられるような企業)を求職者に紹介することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記就職支援システムは、更に算出部を備え、
前記企業情報には、企業における実績を示す複数の実績項目が含まれ、
前記算出部は、前記実績項目を前記内定可能性に関する所定条件により実績評価値として数値化し、該実績評価値に基づいて内定スコアを算出し、
前記企業スコアと、前記内定スコアと、に基づいて前記穴場度を算出する。
【0013】
このような構成にすることで、内定可能性を踏まえた適切な穴場度を算出することができる。その結果、求職者が求めるバランスの良い企業を精度良く抽出することができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、前記実績評価値を得るために利用される閾値領域が含まれるスコア条件を格納し、
前記算出部は、前記スコア条件に基づいて、前記実績項目の数値が閾値領域以上の場合には前記実績評価値を前記内定スコアに加算する。
【0015】
このような構成にすることで、より精度の良い穴場度を算出することができる。その結果、求職者が求めるバランスの良い企業を更に精度良く抽出することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記スコア条件には、前記閾値領域からの数値距離に応じて前記実績評価値が決定される評価条件が含まれ、
前記算出部は、前記実績項目の数値が閾値領域である場合、前記内定スコアに当該実績項目のスコア条件における最大値を前記実績評価値として算出し、前記実績項目の数値が前記閾値領域から所定の数値距離だけ離れている場合、前記評価条件に基づいて前記実績評価値を算出する。
【0017】
このような構成にすることで、より詳細な観点により穴場度を算出することができる。この詳細な観点から算出された穴場度を利用することで、求職者の希望により近い企業を精度良く抽出することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記評価条件は、前記閾値領域からの数値距離が大きいほど実績評価値が減少する条件を含む。
【0019】
このような構成にすることで、より精度の良い穴場度を算出することができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記受付部は、前記求職者から前記企業スコアと、前記穴場度と、を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付け、
前記抽出部は、前記内定希望情報と、前記企業情報と、に基づいて、前記求職者の内定希望に対応する企業を抽出し、
前記表示処理部は、前記抽出された企業を、前記企業スコア及び前記穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0021】
このような構成にすることで、企業スコア(例えば企業の規模や業績など)も踏まえて求職者が希望するバランスの良い企業を抽出することができる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記受付部は、抽出された複数の企業から、前記求職者が閲覧を希望する企業の選択入力を受け付け、
前記表示処理部は、前記企業に関連付けられた前記企業スコアを構成する複数の個別評価と共に、各個別評価を構成する複数の詳細評価を表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0023】
このような構成にすることで、求職者はより詳細な企業状況を確認でき、その結果、効果的な就職活動を行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、所定条件による穴場度を利用することで、就職支援システムに係る新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成のブロック図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び端末のハードウェア構成の一例の概略図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係る就職支援システムの処理手順のフローチャートを示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係る就職支援システムで利用される各情報の一例を示す。
【
図5】本発明の一実施形態に係る就職支援システムで利用されるスコア条件テーブルの一例を示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果の一例(選択情報)を示す。
【
図7】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果の一例(抽出結果)を示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果の一例(企業詳細)を示す。
【
図9】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果の一例(財務健全性の詳細スコア)を示す。
【
図10】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果(待遇の詳細スコア)の一例を示す。
【
図11】本発明の一実施形態に係る端末における表示処理結果(成長性の詳細スコア)の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0027】
例えば、本実施形態では就職支援システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法(ステップ)、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0028】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。
【0029】
本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0030】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0031】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム構成を示すブロック図である。
図1に示すように就職支援システム1は、情報処理装置10及びデータベースDBを備える。就職支援システム1は、ネットワークNWを介して複数の求職者端末2(
図1では符号2(a)~2(c))、及び企業端末3(符号3(a)~3(c))と通信可能に構成されている。なお、本実施形態において、求職者端末2及び企業端末3をあわせてユーザ端末と呼ぶこともある。
【0032】
情報処理装置10は、サーバとして動作し、求職者端末2は求職者などが就職活動等を行うために利用する端末であり、企業端末3は求人企業が求人情報の登録等を行うために利用する端末である。
【0033】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0034】
なお、情報処理装置10として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、後述の機能構成要素を複数のコンピュータに実現させ、就職支援システム1を構成することも可能である。
【0035】
求職者端末2は、学生(及び転職希望者)などの求職者などが利用する端末である。求職者端末2として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。求職者端末2は、求職者用の就職支援アプリプログラムを記憶し、このアプリプログラムはユーザにおいてユーザ情報などを登録し、内定希望情報等の入力や選択、及び内定を希望する企業を閲覧等するための機能を有して構成される。
【0036】
企業端末3は、求人企業などが利用する端末である。企業端末3として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。企業端末3は、求人企業用の就職支援アプリプログラムを記憶し、企業情報の登録、及び内定希望者に関する情報の閲覧等をするための機能を有して構成される。
【0037】
なお、求職者端末2及び企業端末3は、それぞれの就職支援アプリプログラムを有していない構成にすることもできる。この場合、求職者端末2及び企業端末3はウェブブラウザ等を利用して各情報を閲覧、送信等することができる。
【0038】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、ハードウェア構成として、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
【0039】
制御部11は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る就職支援プログラム、OS、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置10の動作処理全体を制御する。
【0040】
記憶部12は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、本発明に係る就職支援プログラム及び、制御部11がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部11が、記憶部12に記憶されている就職支援プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0041】
通信部13は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0042】
図2(b)は端末90(
図1における求職者端末2及び企業端末3)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末90は、ハードウェア構成として、制御部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0043】
端末90の制御部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末90の動作処理全体を制御する。端末90の記憶部92は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、上述の就職支援アプリプログラム並びに、制御部91がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。
【0044】
端末90の通信部93は、ネットワークNWとの通信を制御する。端末90の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を制御部91に入力する。端末90の出力部95は、ディスプレイ等であって、制御部91の処理の結果等を表示する。
【0045】
<機能構成>
図2(a)に示すように、情報処理装置10は、機能構成として、受付部101、算出部102、表示処理部103、抽出部104、マッチング処理部105を備える。これらは、ソフトウェア(記憶部12に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部11等)によって具体的に実現されたものである。
【0046】
受付部101は、ユーザ端末から各種情報を受け付けて登録する。本実施形態において受付部101は、求職者から穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付ける。また、受付部101は、求職者から企業スコアと、穴場度と、を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付ける。受付部101は、抽出された複数の企業から、求職者が閲覧を希望する企業の選択入力を受け付ける。
【0047】
算出部102は、求職者の就職支援に利用されるスコア等を算出する。本実施形態において算出部102は、企業における実績を示す実績項目を、内定可能性に関する所定条件により実績評価値として数値化し、該実績評価値に基づいて内定スコアを算出し、企業スコアと、前記内定スコアと、に基づいて穴場度を算出する。
【0048】
また、算出部102は、実績項目を内定可能性に関する所定条件により実績評価値として数値化し、該実績評価値に基づいて内定スコアを算出し、企業スコアと、内定スコアと、に基づいて穴場度を算出する。算出部102は、実績評価値を得るために利用される閾値領域を含んだスコア条件に基づいて、実績項目の数値が閾値領域以上の場合には実績評価値を内定スコアに加算する。
【0049】
更に算出部102は、実績項目の数値が閾値領域である場合、内定スコアに当該実績項目のスコア条件における最大値を実績評価値として算出し、実績項目の数値が閾値領域から所定の数値距離だけ離れている場合、評価条件に基づいて実績評価値を算出することができる。
【0050】
表示処理部103は、求職者端末2及び企業端末3の表示画面等を表示処理する。本実施形態における表示処理部103は、抽出された企業を穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する。また、表示処理部103は、抽出部104によって抽出された求職者の内定希望に対応する企業を、企業スコア及び穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【0051】
更に表示処理部103は、企業に関連付けられた企業スコアを構成する複数の個別評価と共に、各個別評価を構成する複数の詳細評価を表示処理し、その表示処理の結果を送信することもできる。
【0052】
抽出部104は、ユーザ端末からの入力に基づいて各種情報を抽出する。本実施形態において抽出部104は、内定希望情報と、企業情報と、に基づいて、求職者の内定希望に対応する企業を抽出する。また、抽出部104は、内定希望情報と、企業情報と、に基づいて、求職者の内定希望に対応する企業を抽出する。
【0053】
マッチング処理部105は、マッチング処理を行う。本実施形態においてマッチング処理部105は、記憶部12へ予め登録された求職者の履歴書情報と、求職者からの穴場度(及び/又は企業スコアや業種など)の選択入力と、に基づいて求職者と求人企業のマッチング処理を行う。
【0054】
<データベースDB>
図1のデータベースDBは、求職者情報、企業情報、企業スコアの情報、穴場度の情報、スコア条件の情報(スコア条件テーブル)、その他就職支援に必要な情報などを格納する。これらの一部又は全部は、記憶部12等に格納されてもよいし、これらの一部が別のデータベース等に格納されてもよい。
【0055】
以下、
図3~11を参照して、就職支援システム1の説明及び各機能構成要素による処理内容について説明する。
<就職支援システムの概要>
本実施形態に係る就職支援システム1は、求職者に対して適切な就職支援を実施するためのシステムである。就職支援システム1は、穴場度という従来にはない指標を利用することで、求職者にとってバランスの良い企業(優良企業でありながら内定可能性が比較的高い、就職活動において穴場として位置付けられるような企業)を紹介することができる。
【0056】
本就職支援システム1では、特徴的なスコア条件によって得られる穴場度を利用することで、求職者にバランスの良い企業(求職者が就職を検討するうえでちょうど良い企業)を提案することができる。以下、就職支援システム1における処理の流れについて詳しく説明する。
【0057】
<各種情報の登録>
図3には、本発明の一実施形態に係る就職支援システムにおける処理手順のフローチャートを示す。S201において、就職(内定)を希望する求職者は、事前に求職者情報を登録する。また、求人を希望する企業(求人企業)は、企業情報を登録する。情報処理装置10の受付部101は、求職者情報や企業情報などの各種情報を受け付け、記憶部12へ登録する。
【0058】
図4(a)に示すように、求職者情報は、求職者の氏名、連絡先、履歴書情報、希望職種、登録日、などの情報を含んで求職者IDで管理される。求職者は、就職(内定)や転職を希望する者であり、例えば、学生や転職希望者などを含む。
【0059】
図4(b)に示すように、企業情報は、A株式会社などの企業名、企業の連絡先、住所、サービス業や建設業などの業種、企業における売上(及び利益などの売上に関する指標)、社歴、社員の人数、社員の平均年収、エンジニアや営業などの求人職種、などを含んで企業IDで管理される。
【0060】
例えば、企業情報には、平均年収として、30歳(又は30代)の平均年収、40歳(又は40代)の平均年収、50歳(又は50代)の平均年収、などのように、各年齢や各年代別の平均年収を含むようにすることもできる。また、図示を省略しているが、企業情報には後述する企業スコアや穴場度を算出するために利用可能な様々な情報が含まれる。
【0061】
記憶部12には、各企業における企業スコアの情報、及び穴場度の情報も登録される。本実施形態における企業スコアとは、企業に関する様々な指標を総合して得られるスコアである。つまり、企業スコアは、その数値が高いほど優良企業という評価になるものである。また、本実施形態では企業スコアの数値が高いほど高評価になるものにしているが、企業スコアの数値が低いほど企業の評価を高くする数値構成にすることもできる。
【0062】
図4(c)に示すように、企業スコアの情報は、企業ID、企業名、企業スコア、企業スコアを構成する財務健全性、成長性、待遇、などを含んで企業スコアIDで管理される。なお、本実施形態における企業スコアは、財務健全性、成長性、待遇により構成され、更に財務健全性、成長性、待遇は、企業における実績等を示す複数の実績項目から得られる。
【0063】
本実施形態における穴場度とは、求職者の採用可能性が比較的高く、且つ、求職者の就職活動においてバランスの取れた企業を示す指標である。穴場度は、その数値が高いほど就職活動においてライバルが少ないわりに成長性のある企業という評価になるものである。また、本実施形態では穴場度の数値が高いほど高評価になるものとしているが、穴場度の数値が低いほどバランスの良い企業であるという数値構成にすることもできる。詳細は後述するが、企業スコア及び穴場度は、算出部102によって算出され、記憶部12に格納される。
【0064】
<企業スコアの算出>
S202において、情報処理装置10の算出部102は、企業情報に基づいて企業スコアを算出する。算出部102は、記憶部12に格納された企業情報における各実績項目等に基づいて企業スコアを算出する。
【0065】
なお、本明細書では、企業情報に含まれる売上や社員の人数などの年度ごと(または最新)の状況(実績)を実績項目と呼び、実績項目から得られるスコアを詳細評価と呼ぶ。また、企業スコアを構成する財務健全性、待遇、成長性、は複数の詳細評価から構成され、これら財務健全性、待遇、成長性を個別評価と呼ぶ。
【0066】
本実施形態において算出部102は、複数の実績項目に基づいて、財務健全性、社員に対する待遇、成長性を数値化し、数値化された財務健全性、待遇、成長性をそれぞれ加算することで企業スコアを算出する。財務健全性は、企業がどれだけ財務面で蓄えがあり、安定的に利益を生み出す仕組みが整っているかを示す指標である。つまり、この財務健全性のスコアが高いほど財務が健全で長く企業活動を続けることができる可能性が高い企業であるといえる。
【0067】
本実施形態における財務健全性は、本業の利益率、企業全体の最終利益率、社員一人が生み出す利益額、儲かる仕組みと経営のうまさ(ROE)、資産の流動性の高さ(自己資本対固定資産比率)、過去からの利益の蓄え、などの項目によりスコア化される。例えば、社員一人が生み出す利益額は、直近二年平均税引前利益/直近社員数、などにより評価し、その評価に基づいて財務健全性に利用するためのスコアを算出することができる。
【0068】
待遇は、企業が社員にどれだけ給料面で還元しているか、また、今後還元される可能性があるかを示す指標である。つまり、待遇は、現在の平均年収だけでなく、今後どれくらい待遇が良くなる可能性があるかを示す指標である。なお、待遇は、給与面に加えて、職場環境等も考慮してスコア化しても良い。
【0069】
本実施形態における待遇は、30歳年収の良さ、40歳年収の良さ、50歳年収の良さ、年収を高めることができる余力、働きやすさ、などの項目によりスコア化される。例えば、年収を高めることができる余力は、(平均年収の2乗)+(直近二年平均税引前利益/直近社員数)、などにより評価し、その評価に基づいて待遇に利用するためのスコアを算出することができる(単体企業は単体で算出し、連結企業は連結で算出)。働きやすさは、平均勤続年数/社歴で評価し、その評価に基づいてスコア化(算出)することができる。
【0070】
30歳年収の良さは、若く体力もある時期の年収の良さを評価することができる。本実施形態において30歳年収は、企業が公開している有価証券報告書の平均年収、平均年齢を基に、業界ごとの賃金カーブを利用して算出した推定値である。
【0071】
40歳年収の良さは、人によっては役職がついてくる年齢における年収の良さを評価することができる。また、50歳年収の良さは、部長や役員などの重職に着く年齢の年収の良さを評価することができる。なお、40歳年収及び50歳年収も上記30歳年収と同様の推定値である。これら複数の段階(企業における節目の年齢等)の年収を評価し、この評価結果を利用することで、従来よりも求職者が求める客観的な企業スコアを算出することが出来る。
【0072】
成長性とは、企業の今後の成長の傾きを示す指標である。つまり、成長段階のベンチャー企業などがこのスコアが高くなる傾向がある。企業スコアを算出するためには、現在の状況だけでなく、これからどれだけ伸びていくかという未来の視点も重要なポイントとなり得る。
【0073】
本実施形態における成長性は、売上高の成長、本業利益額の成長、本業利益率の成長、などにより評価し、その評価に基づいて成長性に利用するためのそれぞれのスコアを算出することができる。
【0074】
算出部102は、それぞれの詳細項目から財務健全性、待遇、成長性のような個別評価を算出し、算出されたそれぞれのスコアに基づいて企業スコアを算出し、企業情報に紐づけて記憶部12に格納する。
【0075】
なお、本実施形態では、例えばEDINET(電子情報開示システム)などの公共機関が管理するデータベース等から企業情報を取得し、その情報に基づいて企業スコアを算出している。このように本実施形態では受付部101がEDINET等から企業情報を入手可能であるため、正確な企業情報を簡単に取得することができる。その結果、算出部102は、正確且つ効果的な企業スコアを算出することができる。
【0076】
<穴場度の算出>
S203において、情報処理装置10の算出部102は、企業スコア及び実績項目に基づく内定スコアにより穴場度を算出する。算出部102は、実績項目を内定可能性に関するスコア条件により実績評価値として数値化し、該実績評価値に基づいて内定スコアを算出し、算出された内定スコア及び企業スコアに基づいて穴場度を算出する。
【0077】
図5には、本発明の一実施形態に係る就職支援システムで利用されるスコア条件テーブルの一例を示す。同図に示すようにスコア条件には、上述した企業スコア、及び企業情報に含まれる売上、社歴、社員の人数、などの各実績項目に対する条件が含まれる。
【0078】
本明細書では、各実績項目に基づいて得られるスコアのことを内定スコアと表現している。
図5におけるスコア条件では、企業スコアの最高点が50点、内定スコアの最高点が50点の合計100点満点で穴場度が決定される。
【0079】
本実施形態では、各実績項目において内定スコアを得るための基準(閾値領域)が定められている。この閾値領域は、就職活動の内定可能性が高いと思われる観点で定められている。例えば、一般的に企業スコアを算出するためには、売上は高ければ高いほどスコアが高くなる一方、内定可能性を考えた場合にはこの閾値領域の範囲内であれば内定可能性が最も高いと評価できる基準である。
【0080】
すなわち、閾値領域は、単に数値が高いほどスコアへの影響度が大きくなるものではなく、求職者の内定可能性という観点において、ちょうど良い数値(最も良い数値)を定めたものである。なお、閾値領域は、所定の数値(定められた一つの数値、閾値)でも良いが、本実施形態における閾値領域は定める基準に応じて一定の範囲を有するように決定することができる。
【0081】
例えば、
図5の売上では、「30億円以上100億円未満」の実績評価値(加点)が最も高くなっており(
図5では15点)、「30億円未満」だと加点が0点である。つまり、この基準を境界線として加点されるか否かの条件が決定されるため、
図5の売上では「30億円以上100億円未満」が閾値領域となる。
【0082】
更に、
図5では、売上額が閾値領域から所定の数値距離だけ離れている場合、所定条件(評価条件)に基づいて実績評価値が決定される。本実施形態における評価条件は、閾値領域からの数値距離が大きいほど実績評価値が減少する条件である。例えば
図5の売上では、「100億円以上300億円未満」では加点が10点、「300億円以上500億円未満」では加点が8点、「500億円以上1000億円未満」では加点が6点、「1000億円以上」では加点が3点となっている。
【0083】
また、社歴(会社が存続している期間)では「10年以上25年未満」が閾値領域であり、この閾値領域から数値が離れると加点は減少する(会社の存続期間が長くなりすぎると加点は減少する)。同様に、人数(社員数)では「100人以上300人未満」が閾値であり、この閾値領域から数値が離れると加点は減少する(社員数が増えすぎると加点は減少する)。
【0084】
このように本実施形態における算出部102は、特徴的なスコア条件に基づいて、穴場度を算出している。その結果、求職者の就職活動において、バランスの良い企業を適切に紹介することができる。具体的に記憶部12は、実績評価値を得るために利用される閾値領域が含まれるスコア条件を格納し、算出部102は、スコア条件に基づいて、実績項目の数値が閾値領域以上(または所定の閾値以上)の場合には実績評価値を内定スコアに加算する。
【0085】
更に、スコア条件には、閾値領域からの数値距離に応じて実績評価値が決定される評価条件が含まれ、算出部102は、実績項目の数値が閾値領域(または所定の閾値)である場合、内定スコアに当該実績項目のスコア条件における最大値を実績評価値として算出し、実績項目の数値が閾値領域から所定の数値距離だけ離れている場合、評価条件に基づいて実績評価値を算出する。
【0086】
<選択情報の提示>
S204において情報処理装置10の表示処理部103は、選択情報を提示する。
図6には、本発明の一実施形態に係るユーザ端末における表示処理結果の一例を示す。
図6は、求職者端末2に表示される画面の一例である。求職者には、この表示画面W10が選択情報として提示される。
【0087】
同図に示すように表示画面W10には、業種、企業スコア、穴場度をそれぞれ任意に選択するための選択領域(選択ボックス)、企業情報等のデータ不足を除くためのボックス、穴場度等の表示条件を選択するためのボックス、及び現時点において記憶部12に登録されている複数の企業が表示されている。例えば、
図6に示すように、求職者が希望する企業を当該表示画面W10に直接入力して検索することもできる。また、本実施形態ではブックマーク機能があり、ブックマークされた企業は画面右側の図形を区別可能に(例えば黒塗りで)表示することができる。
【0088】
また、図示は省略しているが、例えば企業検索、ブックマーク、閲覧履歴、企業紹介、マイページなどの選択領域(選択ボタン)を用意し、求職者からの選択入力に応じてそれぞれの画面を表示することもできる。この場合、企業検索のボタンを選択(タッチ)することで、求職者端末2には
図6の表示画面W10が表示される。ブックマークのボタンが選択されると、求職者が予め選択したブックマーク登録をした企業が表示され、閲覧履歴のボタンがタッチされると、求職者による過去の閲覧履歴が表示される。
【0089】
例えば企業紹介のボタンが選択されると、1社目内定を取得できるような企業紹介サービスを受けることができる。具体的には、企業紹介の画面では、求職者情報と、企業スコア及び内定情報等のスコアリングデータから、内定が取りやすく、1社目内定にふさわしい企業を求職者に紹介するサービスを提供することができる。マイページのボタンが選択されると、求職者自身に関する情報の追加、変更等を行うことができ、更に求職者の履歴書情報を登録することもできる。
【0090】
S205において受付部101は、求職者から求職者端末2を介して内定希望者情報の選択入力を受け付ける。具体的に本実施形態では、
図6における穴場度の選択入力を受け付ける。
図6では、穴場度が5つの星で表現されているため(黒と白、黒が多いほど穴場度が高い)、求職者が黒色の星の数を選択する。なお、本実施形態では穴場度の選択を簡単にするために星の数(図形や記号等)で表現しているが、求職者が希望する穴場度の数値を直接入力し、受付部101がその選択入力を受け付ける構成にすることも出来る。
【0091】
<内定希望企業の抽出>
S206において抽出部104は、内定希望に対応する企業を抽出する。具体的に抽出部104は、受付部101が受け付けた内定希望情報と、穴場度が紐づけられた企業情報と、に基づいて、求職者の内定希望に対応する企業を抽出する。
【0092】
本実施形態では、表示画面W20において求職者端末2から所定の穴場度が選択入力されると(
図7では黒星3の穴場度、3.0~3.9の穴場度)、この選択入力(内定希望情報)に基づいて企業が抽出される。
図7では、求職者端末2から所定の穴場度と企業スコアが選択入力され、この選択入力に基づいて企業が抽出される。そしてS207において表示処理部103は、抽出された企業を穴場度(及び/又は企業スコア)と関連付けて表示処理し、その結果を求職者端末2へ送信する。このように本実施形態では、穴場度を利用することで、求職者の要望に対応したバランスの良い企業を紹介することができる。
【0093】
更に、本実施形態では穴場度と企業スコアに加えて、求職者が内定を希望する業種を選択することもできる。このような構成にすることで、求職者の要望により近い企業を抽出することができる。
【0094】
<マッチング処理>
上記のとおり、本実施形態では求職者の要望に対応したバランスの良い企業を紹介することで就職活動を支援しているが、この他にも、例えば求職者からの要望に応じて当該求職者と求人企業とのマッチング処理を行うこともできる。この場合、求職者は予め自身の履歴書情報を就職支援システム1(記憶部12)へ登録し(受付部101によって履歴書情報を受け付け)、マッチング処理部105は、その履歴書情報と、求職者からの穴場度(及び/又は企業スコアや業種など)の選択入力と、に基づいてマッチング処理を行うことができる。
【0095】
また、受付部101は、求職者からの選択入力などの履歴情報を受け付けて記憶部12へ格納し、表示処理部103はその履歴情報を企業端末3からの要求に基づいて表示処理し、その表示処理の結果を企業端末3へ送信することもできる。
【0096】
<表示処理>
次に本就職支援システム1における表示処理(企業情報に関する表示)について説明する。
図7において、受付部101は抽出された企業のうち、求職者端末2から求職者が詳細を確認したい企業の選択入力を受け付けると、
図8のように表示処理部103は表示画面W20に企業詳細を表示処理し、その表示処理結果を送信する。
【0097】
企業詳細は、会社名、穴場度、会社HP(選択することで閲覧可能)、証券コード、業種、東京証券取引所などの市場、決算期などを含んで構成される。これに加えて企業詳細には、企業スコアの詳細が含まれる。
図8に示すように表示処理部103は、企業スコア(スコア931、4.7)に加えて、企業スコアを構成する財務健全性(スコア296)、成長性(スコア249)、待遇(スコア386)についてもそれぞれのスコアと共にグラフ化して表示処理している。このように本実施形態では、求職者が希望する企業を選択することで、会社の情報と共に企業スコアの詳細についても同一画面で確認することができる。
【0098】
更に本実施形態では、企業スコアを構成する複数の個別評価(財務健全性、成長性、待遇)についても同一画面で確認することができる。具体的には
図9に示すように、
図8の企業詳細が表示された表示画面W20がスクロールされると、詳細スコアが表示される(表示処理部103によって表示処理されている)。
【0099】
詳細スコアでは、財務健全性、成長性、待遇のそれぞれを構成する項目について、より詳細なスコア等を確認することができる。
図9に示すように、財務健全性は、本業の利益率、企業全体の最終利益率、社員一人が生み出す利益額、儲かる仕組みと経営のうまさ、資産の流動性の高さ、過去からの利益の蓄え、によって構成される。これらの詳細評価は表示処理部103によって、それぞれのスコアと共に、グラフ化して表示処理される。
【0100】
また、
図9の詳細スコア(財務健全性)が表示された表示画面W20がスクロールされると、待遇の詳細スコアが表示される(
図10を参照)。同様に、
図10の詳細スコア(待遇)が表示された表示画面W20がスクロールされると、成長性の詳細スコアが表示される(
図11を参照)。
図10の待遇及び
図11の成長性においても、表示処理部103によって、それぞれの詳細評価のスコアと共に、それぞれの詳細評価をグラフ化して表示処理する。
【0101】
すなわち、本実施形態では、受付部101が、抽出された複数の企業から、求職者が閲覧を希望する企業の選択入力を受け付け、表示処理部103は、企業に関連付けられた企業スコアを構成する複数の個別評価と共に、各個別評価を構成する複数の詳細評価を表示処理し、その表示処理の結果を求職者端末2へ送信する。本実施形態においてこのような表示処理をすることで、求職者は、気になる企業の企業スコアがどのように構成され、更にどの項目が優れているか、すなわち、企業スコアを構成する個別評価と共に、更に個別評価を構成する詳細評価についても簡単且つ効果的に確認することができる。
【0102】
以上のように本発明に係る就職支援システム1によれば、所定条件による特徴的な穴場度を利用することで、求職者の内定可能性が高く且つ優良な企業(成長可能性が高い企業)への就職活動を適切且つ効果的に支援することができる。
【0103】
本実施形態では穴場度を構成する条件を具体的に示して説明しているが、当然ながら、内定可能性という観点における他の条件により穴場度を決定することもできる。例えば、採用予定人数、求人倍率、従業員数の伸び(傾きが急なほどスコアが高い条件)、ToBやToCの区分(例えば新卒採用の場合、ToBのほうが学生に知られていないのでライバルが少ない等の考え方)などをスコア条件に含める構成にすることもできる。また、本就職支援システムを新卒採用に限られず中途採用や他の採用形態に利用する場合にも本発明と同様の効果を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0104】
1 就職支援システム
2 求職者端末
3 企業端末
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
90 端末(求職者端末2、企業端末3)
91 制御部
92 記憶部
93 通信部
94 入力部
95 出力部
101 受付部
102 算出部
103 表示処理部
104 抽出部
105 マッチング処理部
NW ネットワーク
W10 表示画面(選択情報画面)
W20 表示画面(企業詳細画面)
【要約】
【課題】 本発明は、就職支援システム、就職支援方法、就職支援プログラムに関する。
【解決手段】 就職支援システム1は、受付部、抽出部、表示処理部、記憶部、を備える。
記憶部は、企業に関する企業スコアと、求職者の内定可能性に関する内定スコアと、から得られる穴場度が紐づけられた企業情報を格納し、
受付部は求職者から穴場度を含んだ内定希望情報の選択入力を受け付け、抽出部は、内定希望情報と、企業情報と、に基づいて、求職者の内定希望に対応する企業を抽出する。
表示処理部は、抽出された企業を穴場度と関連付けて表示処理し、その表示処理の結果を送信する。
【選択図】
図1