(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-21
(45)【発行日】2024-10-29
(54)【発明の名称】パルス通電装置、パルス通電方法、パルス通電プログラム、たるみ改善美容方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20241022BHJP
A61Q 19/00 20060101ALN20241022BHJP
A61K 8/00 20060101ALN20241022BHJP
【FI】
A61N1/36
A61Q19/00
A61K8/00
(21)【出願番号】P 2024080242
(22)【出願日】2024-05-16
【審査請求日】2024-05-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390018913
【氏名又は名称】株式会社ホーマーイオン研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100209060
【氏名又は名称】冨所 剛
(72)【発明者】
【氏名】占部博也
(72)【発明者】
【氏名】秋本龍二
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2023-0114636(KR,A)
【文献】特開2020-130994(JP,A)
【文献】特開2012-152328(JP,A)
【文献】特表2022-553081(JP,A)
【文献】国際公開第2019/225162(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00 - 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極部にパルス出力を行
って前記電極部から人の肌へと通電するためのパルス通電装置であって、
電圧信号生成部と、
パルス生成部と、
前記電圧信号生成部及び前記パルス生成部を制御する制御部と、
を備え、
前記電圧信号生成部は、前記制御部の制御に基づいて、電源電圧から所定電圧を生成して出力し、
前記パルス生成部は、前記制御部の制御に基づいて、前記電圧信号生成部からの出力から、
周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを生成し、
前記パルス生成部は、前記制御部の制御に基づいて、前記第1パルス、前記第2パルス、前記第3パルス及び前記第4パルス
のみを、この順に周期的に前記電極部に出力
し、
前記第1パルス、前記第2パルスおよび前記第3パルスのうち、1つはVI型コラーゲンを有意に発現させるための第1周波数帯域に属し、1つはI型コラーゲンを有意に発現させるための第2周波数帯域に属し、1つはフィブリリン-1を有意に発現させるための第3周波数帯域に属し、
前記第4パルスは、前記第1パルス、前記第2パルス及び前記第3パルスとともに用いられてVI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1を有意に発現させるための、第4周波数帯域に属し、
前記第1周波数帯域は、1000Hz以上1250Hz以下、
前記第2周波数帯域は、8000Hz以上10000Hz以下、
前記第3周波数帯域は、2000Hz以上2500Hz以下、
前記第4周波数帯域は、4000Hz以上5000Hz以下である
ことを特徴とする、パルス通電装置。
【請求項2】
コンピュータに、
電源電圧から所定電圧を生成して出力する電圧信号生成手段と、
前記電圧信号生成手段による出力から、
周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを生成するパルス生成手段と、
前記パルス生成手段で生成された前記第1パルス、前記第2パルス、前記第3パルス及び前記第4パルス
のみを、この順に周期的に電極部に出力
して、前記電極部から人の肌へと通電する外部出力手段と、
を備えるパルス通電装置からのパルス出力を実行させ
、
前記第1パルス、前記第2パルスおよび前記第3パルスのうち、1つはVI型コラーゲンを有意に発現させるための第1周波数帯域に属し、1つはI型コラーゲンを有意に発現させるための第2周波数帯域に属し、1つはフィブリリン-1を有意に発現させるための第3周波数帯域に属し、
前記第4パルスは、前記第1パルス、前記第2パルス及び前記第3パルスとともに用いられてVI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1を有意に発現させるための、第4周波数帯域に属し、
前記第1周波数帯域は、1000Hz以上1250Hz以下、
前記第2周波数帯域は、8000Hz以上10000Hz以下、
前記第3周波数帯域は、2000Hz以上2500Hz以下、
前記第4周波数帯域は、4000Hz以上5000Hz以下である
ことを特徴とする、パルス通電プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルス通電装置、パルス通電方法、パルス通電プログラム、たるみ改善美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々の美容意識の高まりに応じて、人の顔等に電気的な刺激を与えるパルス通電方法が、種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている美容器具では、80kHzの第1パルス及び90kHzの第2パルスを所定間隔で交互に出力し、且つ1MHzの第3パルスを定常的に出力する通電方法を採用している。この通電方法によれば、単一の周波数のパルスを持続的に付与する場合と比べ、細胞や皮膚が周波数の刺激に慣れにくいため、細胞や皮膚の活性度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人々の美容意識が高まる中で、皮膚のたるみを改善するニーズが大きくなっている。近年の研究によれば、肌のたるみは、肌の真皮及び皮下組織のコラーゲンネットワークが縮小することが原因であることがわかってきている。そのため、皮膚のたるみを改善するには、真皮及び皮下組織のコラーゲンネットワークを構成するI型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)を有意に発現させることが有効である。しかしながら、特許文献1に開示された美容器具は、I型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)の有意な発現に着目したものではない。
【0006】
そこで、本発明は、I型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)を有意に発現させるパルス通電装置、パルス通電方法、パルス通電プログラム、たるみ改善美容方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るパルス通電装置は、(1)電極部にパルス出力を行うためのパルス通電装置であって、電圧信号生成部と、パルス生成部と、前記電圧信号生成部及び前記パルス生成部を制御する制御部と、を備え、前記電圧信号生成部は、前記制御部の制御に基づいて、電源電圧から所定電圧を生成して出力し、前記パルス生成部は、前記制御部の制御に基づいて、前記電圧信号生成部からの出力から、960Hz超15600Hz未満の周波数帯域に属し且つ周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを生成し、前記パルス生成部は、前記制御部の制御に基づいて、前記第1パルス、前記第2パルス、前記第3パルス及び前記第4パルスを、この順に周期的に前記電極部に出力することを特徴とする、パルス通電装置。
【0008】
(2) 前記第1パルス、前記第2パルス、前記第3パルス及び前記第4パルスは、いずれも、1000Hz以上10000Hz以下の周波数帯域に属することを特徴とする、(1)に記載のパルス通電装置。
【0009】
(3) 前記第1パルス、前記第2パルスおよび前記第3パルスのうち、1つはVI型コラーゲンを有意に発現させるための第1周波数帯域に属し、1つはI型コラーゲンを有意に発現させるための第2周波数帯域に属し、1つはフィブリリン-1を有意に発現させるための第3周波数帯域に属し、前記第4パルスは、前記第1パルス、前記第2パルス及び前記第3パルスとともに用いられてVI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1を有意に発現させるための、第4周波数帯域に属することを特徴とする、(2)に記載のパルス通電装置。
【0010】
(4) 第1周波数帯域は、1000Hz以上1250Hz以下、第2周波数帯域は、8000Hz以上10000Hz以下、第3周波数帯域は、2000Hz以上2500Hz以下、第4周波数帯域は、4000Hz以上5000Hz以下であることを特徴とする、(3)に記載のパルス通電装置。
【0011】
(5) (1)ないし(4)のうちいずれか1項に記載のパルス通電装置を用いたパルス通電による、たるみ改善美容方法(ただし、医療行為を除く)。
【0012】
(6) 電極部にパルス出力を行うためのパルス通電方法であって、電源電圧から所定電圧を生成して出力する電圧信号生成工程と、前記電圧信号生成工程による出力から、960Hz超15600Hz未満の周波数帯域に属し且つ周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを生成するパルス生成工程と、前記パルス生成工程で生成された前記第1パルス、前記第2パルス、前記第3パルス及び前記第4パルスを、この順に周期的に前記電極部に出力する外部出力工程と、を備えることを特徴とする、パルス通電方法。
【0013】
(7) コンピュータに、電源電圧から所定電圧を生成して出力する電圧信号生成手段と、前記電圧信号生成手段による出力から、960Hz超15600Hz未満の周波数帯域に属し且つ周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを生成するパルス生成手段と、前記パルス生成手段で生成された前記第1パルス、前記第2パルス、前記第3パルス及び前記第4パルスを、この順に周期的に電極部に出力する外部出力手段と、を実行させることを特徴とする、パルス通電プログラム。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、I型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)を有意に発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明におけるパルス通電装置の一例を示すブロック回路図である。
【
図2】
図1におけるパルス通電装置によるパルス通電のフローを示すフローチャートである。
【
図3】電極部2に出力される一周期分の第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスの一例を示す図である。
【
図4】各培養細胞に対する免疫蛍光染色の結果を示すものである。
【
図5】比較例(無通電時)のI型コラーゲン量を1とした場合における周波数変動通電のI型コラーゲン量の相対値と、比較例(無通電時)のVI型コラーゲン量を1とした場合における周波数変動通電のVI型コラーゲン量の相対値と、の算出結果である。
【
図6】比較例(無通電時)のフィブリリン-1量を1とした場合における、周波数変動通電のフィブリリン-1量の相対値の算出結果である。
【
図7】周波数変動通電グループ及び無通電グループからそれぞれランダムに選出された被験者における、0週間(0w)/1週間後(1w)/2週間後(2w)/8週間後(8w)の頬部の真皮及び皮下組織のコラーゲン密度を示したものである。
【
図8】
図7に示す画像における、0週間(試験前)の皮内コラーゲン量を1としたときの、1週間後、2週間後及び8週間後の皮内コラーゲン量の算出結果を示したものである。
【
図9】周波数変動通電グループ及び無通電グループにおける、0週間(0w)/1週間後(1w)/2週間後(2w)/8週間後(8w)のR5及びR7の変化量を示したものである。
【
図10】周波数変動通電グループ及び無通電グループにおける、たるみ改善度をそれぞれ示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(パルス通電装置について)
本実施形態におけるパルス通電装置について、詳細に説明する。
図1は、本発明におけるパルス通電装置の一例を示すブロック回路図である。
図2は、
図1におけるパルス通電装置によるパルス通電のフローを示すフローチャートである。
【0017】
図1に示すように、本実施形態におけるパルス通電装置1は、電源電圧から所定電圧を生成する電圧信号生成部11と、電圧信号生成部11の出力からパルスを生成するパルス生成部12と、電圧信号生成部11及びパルス生成部12を制御するCPU13(請求項1における制御部に相当)と、CPU13にクロック信号を供給するクロック発振器14と、を有する。
【0018】
このパルス通電装置1では、クロック発振器14で励起されるクロック信号に基づいてCPU13が駆動され、クロック信号に基づく所定周波数のパルスがCPU13から電圧信号生成部11に出力される。
【0019】
電圧信号生成部11は、CPU13からのパルスに基づいて、電源電圧から所定の出力レベル(出力電圧値)を生成し、パルス生成部12に出力する(
図2の電圧信号生成工程(S101))。電圧信号生成部11としては、例えばDC-DCコンバータを採用することができるが、電源電圧の形態等に応じて適宜変更することができる。
【0020】
パルス生成部12は、CPU13から出力された制御信号に基づいて、電圧信号生成部11の出力電圧から、周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを生成する(
図2のパルス生成工程(S102))。第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスについては、後述する。
【0021】
パルス生成部12はCPU13に制御されて、第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを、この順に、連続的かつ周期的に電極部2に出力する(
図2の外部出力工程(S103))。
図3は、電極部2に出力される一周期分の第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスの一例を示す図である。すなわち、本実施形態では、パルス生成部12は、第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスがこの順に連続して並ぶことで構成されるパルス群(
図3)を、連続して電極部2に出力する。
【0022】
(第1パルス~第4パルスについて)
続いて、本実施形態において、パルス生成部12で生成されて電極部2に周期的に出力される、第1パルス~第4パルスについて説明する。
【0023】
上述の通り、皮膚のたるみを改善するためには、真皮及び皮下組織のコラーゲンネットワークを構成するI型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)を有意に発現させることが有効である。そこで、本発明者らは、I型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)を有意に発現させるべく、種々様々な周波数の、パルスの組み合わせを検討した。
【0024】
その結果、960Hz超15600Hz未満の周波数帯域に属し且つ周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを、この順に、連続的かつ周期的に出力するパルス通電(以下、周波数変動通電と称す)を行うことによって、I型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)を有意に発現させ得ることを見出した。これはすなわち、人の肌に対して上記周波数変動通電を行うことで、真皮及び皮下組織のI型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)が有意に発現し、肌のたるみを改善する効果が期待される。第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスは、いずれも、1000Hz以上10000Hz以下の周波数帯域に属することが好ましい。
【0025】
本実施形態における周波数変動通電では、第1パルス、第2パルス及び第3パルスのうち、1つはVI型コラーゲンを有意に発現させるための第1周波数帯域に属し、1つはI型コラーゲンを有意に発現させるための第2周波数帯域に属し、1つはフィブリリン-1を有意に発現させるための第3周波数帯域に属する。本実施形態(
図3)では、第1パルスが第1周波数帯域に属し、第2パルスが第2周波数帯域に属し、第3パルスが第3周波数帯域に属している。しかしながら、これに限られず、例えば、第1パルスが第2周波数帯域に属し、第2パルスが第1周波数帯域に属し、第3パルスが第3周波数帯域に属する形態であってもよく、第1パルスが第2周波数帯域に属し、第2パルスが第3周波数帯域に属し、第3パルスが第1周波数帯域に属する形態であってもよい。
【0026】
第1周波数帯域は、VI型コラーゲンを有意に発現させるための周波数帯域である。本発明者らが種々様々な周波数を検討した結果、第1周波数帯域は、1000Hz以上1250Hz以下に設定されることを見出した。
【0027】
第2周波数帯域は、I型コラーゲンを有意に発現させるための周波数帯域である。本発明者らが種々様々な周波数を検討した結果、第2周波数帯域は、8000Hz以上10000Hz以下に設定されることを見出した。
【0028】
第3周波数帯域は、フィブリリン-1を有意に発現させるための周波数帯域である。本発明者らが種々様々な周波数を検討した結果、第3周波数帯域は、2000Hz以上2500Hz以下に設定されることを見出した。
【0029】
さらに、本実施形態における周波数変動通電では、第4パルスは、前記第1パルス、前記第2パルス及び前記第3パルスとともに用いられてVI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1を有意に発現させるための、第4周波数帯域に属する。本発明者らが種々様々な周波数を検討した結果、第4周波数帯域は、4000Hz以上5000Hz以下に設定されることを見出した。
【0030】
なお、後述の実施例では、第1周波数帯域に属する周波数のパルスとして1200Hzを採用し、第2周波数帯域に属する周波数のパルスとして9600Hzを採用し、第3周波数帯域に属する周波数のパルスとして2400Hzを採用し、第4周波数帯域に属する周波数のパルスとして4800Hzを採用している。これは、それぞれの周波数帯域において、下限値の119.5%以上120%以下の範囲と、上限値の96%以上96.5%以下の範囲と、の重複値を代表値として採用することで、各周波数帯域における代表値のブレを抑制したものである。
【0031】
図3を参照して、第1パルス~第4パルスを出力する一周期における、第1パルスの出力時間をT1(秒)、第2パルスの出力時間をT2(秒)、第3パルスの出力時間をT3(秒)、第4パルスの出力時間をT4(秒)としたとき、0.7≦(T2/T1)≦1.3に設定し、0.7≦(T3/T1)≦1.3に設定し、0.4≦(T4/(T1+T2+T3))≦1に設定することが好ましい。0.7≦(T2/T1)≦1.3且つ0.7≦(T3/T1)≦1.3とすることで、T1、T2、T3のバランスをさらに良好に確保することができるため、VI型コラーゲン、I型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)をバランスよく発現させることができる。0.4≦(T4/(T1+T2+T3))とすることで、第1パルス~第3パルスまでの総出力時間(T1+T2+T3)に対して、第4パルスの通電時間(T4)も十分に確保することができるため、VI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1を有意に発現させやすくなる。一方、第4パルスの出力時間(T4)が過度に長いと、VI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1の有意な発現が飽和するため、(T4/(T1+T2+T3))≦1とすることが好ましい。
【0032】
T1~T4の上限および下限は、特に限定されないが、それぞれ、10≦T1≦720、10≦T2≦720、10≦T3≦720、20≦T4≦1440であることが好ましい。
【0033】
また、T1:T2:T3:T4は、特に限定されないが、T1、T2及びT3の良好なバランスを確保しつつ、VI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1を有意に発現させやすくするために、1:1:1:2に設定することが好ましい。
【0034】
一実施形態として、例えば、第1周波数帯域に属する周波数を略1200Hzとし、第2周波数帯域に属する周波数を略9600Hzとし、第3周波数帯域に属する周波数を略2400Hzとし、第4周波数帯域に属する周波数を略4800Hzとすることができる。ここで、「略1200Hz」とは、製造誤差等による±5%(すなわち、1140Hz~1260Hz)を含み、「略9600Hz」「略2400Hz」「略4800Hz」においても同様とする。
【0035】
本発明について、実施例を示してさらに詳細に説明する。
【0036】
<第1実施例>
(実施例1)
まず、マウス脂肪前駆細胞(3T3-L1)をT-75フラスコにて前培養を行った。具体的には、10%FCS-DMEM(high glucose)でCO2:5%、温度:37℃で3~5日間培養した。8~9割コンフルエントになったら、トリプシン処理により細胞を回収し、24well plateに播種した。播種してから1日後に培地交換を実施し、さらに1日後に周波数変動通電を実施した。実施例1では、第1パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第2パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第3パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定して、第1パルス~第4パルスを1サイクルとした周波数変動通電を18サイクル(15min) ×4日間実施した。4日間の周波数変動通電が終了して6時間後に、I型コラーゲン、VI型コラーゲンとフィブリリン-1のそれぞれについて、遺伝子発現解析を行った。遺伝子発現に用いるプローブとして、サーモフィッシャーサイエンティフック社のI型コラーゲン、VI型コラーゲンとフィブリリン-1のtaqman probeを採用した。
【0037】
一方、マウス脂肪前駆細胞(3T3-L1)を、通電を行わない状態で8日間培養し、得られた培養細胞に対し、I型コラーゲン、VI型コラーゲンとフィブリリン-1のそれぞれについて、上述と同様の方法で遺伝子発現解析を行った(参考例)。この参考例でのI型コラーゲンの発現量を1とした場合における、実施例1でのI型コラーゲンの発現量を算出した。そして、発現量が1.09以上であった場合、「I型コラーゲンが有意に発現した」として評価を「○」とし、発現量が1.09未満であった場合、「I型コラーゲンが有意に発現しなかった」として評価を「×」とした。また、この参考例でのVI型コラーゲンの発現量を1とした場合における、実施例1でのVI型コラーゲンの発現量を算出した。そして、発現量が1.09以上であった場合、「VI型コラーゲンが有意に発現した」として評価を「○」とし、発現量が1.09未満であった場合、「VI型コラーゲンが有意に発現しなかった」として評価を「×」とした。さらに、この参考例でのフィブリリン-1の発現量を1とした場合における、実施例1でのフィブリリン-1の発現量を算出した。そして、発現量が1.09以上であった場合、「フィブリリン-1が有意に発現した」として評価を「○」とし、発現量が1.09未満であった場合、「フィブリリン-1が有意に発現しなかった」として評価を「×」とした。
【0038】
(実施例2)
実施例2では、第1パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第2パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第3パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0039】
(実施例3)
実施例3では、第1パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第2パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第3パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0040】
(実施例4)
実施例4では、第1パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第2パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第3パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0041】
(実施例5)
実施例5では、第1パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第2パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第3パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0042】
(実施例6)
実施例6では、第1パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第2パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第3パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0043】
(実施例7)
実施例7では、第1パルスを第1周波数帯域の周波数(1000Hz)、第2パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第3パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0044】
(実施例8)
実施例8では、第1パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第2パルスを第2周波数帯域の周波数(10000Hz)、第3パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0045】
(比較例1)
比較例1では、第1パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第2パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、第3パルスを省略して、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。すなわち、比較例1の通電では、「第1パルス(1200Hz)→第2パルス(9600Hz)→第4パルス(4800Hz)」を1周期としている。
【0046】
(比較例2)
比較例2では、第1パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、第2パルス及び第3パルスを省略して、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。すなわち、比較例2の通電では、「第1パルス(1200Hz)→第4パルス(4800Hz)」を1周期としている。
【0047】
(比較例3)
比較例3では、第1パルスを960Hz、第2パルスを第2周波数帯域の周波数(9600Hz)、第3パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0048】
(比較例4)
比較例4では、第1パルスを第1周波数帯域の周波数(1200Hz)、第2パルスを15600Hz、第3パルスを第3周波数帯域の周波数(2400Hz)、第4パルスを第4周波数帯域の周波数(4800Hz)に設定し、実施例1と同様の方法で実験及び評価を行った。
【0049】
各実施例及び比較例において、VI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1のすべての評価が「○」である場合、総合評価を「○」とした。一方、VI型コラーゲン、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1のうち少なくとも1つの評価が「×」である場合、総合評価を「×」とした。
【0050】
各実施例及び比較例における設定周波数及び評価結果を、表1に示す。
【表1】
【0051】
実施例1~6では、第1パルス、第2パルス及び第3パルスの周波数を入れ替えたが、総合評価はいずれも「○」となった。また、実施例7では、第1パルスの周波数を1000Hzに設定したが、総合評価は「○」となった。実施例8では、第2パルスの周波数を10000Hzに設定したが、総合評価は「○」となった。
【0052】
一方、比較例1では、第3周波数帯域に属する周波数のパルス(第3パルス)を省略したため、フィブリリン-1が有意に発現せず、評価が「×」となった。比較例2では、第2周波数帯域に属する周波数のパルス(第2パルス)及び第3周波数帯域に属する周波数のパルス(第3パルス)を省略したため、I型コラーゲンおよびフィブリリン-1が有意に発現せず、いずれも評価が「×」となった。比較例3では、第1パルスが960Hzであったため、VI型コラーゲンが有意に発現せず、評価が「×」となった。比較例4では、第2パルスが15600Hzであったため、I型コラーゲンが有意に発現せず、評価が「×」となった。したがって、比較例1~4のいずれも、総合評価が「×」となった。
【0053】
<第2実施例>
マウス脂肪前駆細胞(3T3-L1)に対して実施された、第1実施例における実施例1の周波数変動通電(15min ×4日間)が終了して4日経過した培養細胞に対し、I型コラーゲン抗体及びVI型コラーゲン抗体を用いて、免疫蛍光染色を行った。また、比較例として、マウス脂肪前駆細胞(3T3-L1)を、通電を行わない状態で8日間培養し、得られた培養細胞(第1実施例の参考例)に対し、I型コラーゲン抗体及びVI型コラーゲン抗体を用いて、免疫蛍光染色を行った。各免疫蛍光染色では、一次抗体:Anti-Collagen I 抗体 [EPR7785] (ab138492)(アブカム社)、Collagen Type VI Polyclonal antibody(17023-1-AP )(Proteintech社)を採用し、二次抗体:Goat Anti-Rabbit IgG H&L (Alexa Fluor(R) 488) (ab150077)(アブカム社)を採用した。
図4は、各培養細胞に対する免疫蛍光染色の結果を示すものである。また、
図4から、I型コラーゲン量及びVI型コラーゲン量を、画像解析ソフト(ImageJ)にて解析して数値化し、比較例(無通電時)のI型コラーゲン量を1とした場合における周波数変動通電のI型コラーゲン量と、比較例(無通電時)のVI型コラーゲン量を1とした場合における周波数変動通電のVI型コラーゲン量と、を算出した。
図5は、比較例(無通電時)のI型コラーゲン量を1とした場合における周波数変動通電のI型コラーゲン量の相対値と、比較例(無通電時)のVI型コラーゲン量を1とした場合における周波数変動通電のVI型コラーゲン量の相対値と、の算出結果である。
【0054】
図4を参照して、周波数変動通電を行った場合、無通電時と比べて、I型コラーゲン量及びVI型コラーゲン量がともに多くなっていることが分かった。また、
図5を参照して、無通電時と比べて、周波数変動通電時において、I型コラーゲン量及びVI型コラーゲンがどちらも有意に発現していることが分かった。
【0055】
<第3実施例>
マウス脂肪前駆細胞(3T3-L1)に対して実施された、第1実施例における実施例1の周波数変動通電(15min ×4日間)が終了して2日経過した培養上清を回収し、フィブリリン-1抗体を用いて、ウェスタンブロッティングを行った。また、比較例として、マウス脂肪前駆細胞(3T3-L1)を、通電を行わない状態で6日間培養し、得られた培養上清に対し、フィブリリン-1抗体を用いて、ウェスタンブロッティングを行った。ウェスタンブロッティングでは、一次抗体:Fibrillin 1 antibody [11C1.3] (GTX23090) (Genetex社)を採用し、二次抗体:Horse anti-mouse IgG, HRP-linked Antibody #7076 (Cell Signaling社)を採用した。また内部標準タンパク質をGAPDHとした。GAPDHの一次抗体として、GAPDH antibody (GTX100118) (Genetex社)を採用した。各培養上清に対するウェスタンブロッティングの結果を、画像解析ソフト(ImageJ)にて解析して、フィブリリン-1の量を数値化し、比較例(無通電時)のフィブリリン-1の量を1とした場合における周波数変動通電のフィブリリン-1の量を算出した。
図6は、比較例(無通電時)のフィブリリン-1量を1とした場合における、周波数変動通電のフィブリリン-1量の相対値の算出結果である。
【0056】
図6を参照して、無通電時と比べて、周波数変動通電時において、フィブリリン-1が有意に発現していることが分かった。
【0057】
<第4実施例>
40代~60代のモニター5名を被験者として、通電能を有するフェイスマスクに、試験用美容液を含侵させ、週2回、1回5分の通電を頬部に対して8週間実施した。通電方法には、第1実施例における実施例1の周波数変動通電を用いた。また、比較例として、他のモニター2名を被験者として、週2回、上記試験用美容液のみを顔に塗布し(すなわち、無通電)、これを8週間実施した。そして、以下の方法によって、頬部のコラーゲン量及びたるみ関連パラメータをそれぞれ測定した。
【0058】
[コラーゲン量の測定]
超音波皮膚画像診断装置DermaLab(Cortex Technology社製)を用いて、各被験者の頬部の皮内コラーゲン密度を測定した。
図7は、周波数変動通電の被験者グループ(以下、周波数変動通電グループと称す)及び無通電の被験者グループ(以下、無通電グループと称す)からそれぞれランダムに選出された被験者における、0週間(0w)/1週間後(1w)/2週間後(2w)/8週間後(8w)の頬部の真皮及び皮下組織のコラーゲン密度を示したものである。
図7において、色が濃いほどコラーゲン密度が低く、色が薄いほどコラーゲン密度が高いことを示している。また、
図7に示す画像における色の濃淡を、専用ソフト(DermaLab USB SkinLab)にて解析し、0週間(試験前)の皮内コラーゲン量を1としたときの、1週間後、2週間後及び8週間後の皮内コラーゲン量を、それぞれ算出した。
図8は、その算出結果を示したものである。
【0059】
[たるみ関連パラメータの測定(1)]
皮膚粘弾性測定装置Cutometer DUAL MPA580(Courage+Khazaka社製)を用いて、各被験者の頬部のR5とR7を測定した。ここで、R5は、皮膚引っ張り時の瞬時の変形量に対する、皮膚引っ張り解除時の瞬時の戻り量の比(皮膚の正味弾性)であり、すなわち肌の弾力に関する指標である。また、R7は、皮膚引っ張り時の最大吸引高さに対する、皮膚引っ張り解除時の瞬時の戻り量の比(皮膚の弾性率)であり、すなわち肌のハリに関する指標である。
図9は、周波数変動通電グループ及び無通電グループにおける、0週間(0w)/1週間後(1w)/2週間後(2w)/8週間後(8w)のR5及びR7の変化量を示したものである。
図9における、各グループのR5の変化量は、各被験者において、試験前(0w)のR5の値を初期値として1週間後(1w)/2週間後(2w)/8週間後(8w)のR5の値をそれぞれ求め、各R5の値から試験前(0w)のR5の値を引いた差分を算出し、この差分をグループごとに平均した値を示している。
図9における、各グループのR7の変化量は、各被験者において、試験前(0w)のR7の値を初期値として1週間後(1w)/2週間後(2w)/8週間後(8w)のR7の値をそれぞれ求め、各R7の値から試験前(0w)のR7の値を引いた差分を算出し、この差分をグループごとに平均した値を示している。
【0060】
[たるみ関連パラメータの測定(2)]
3D画像撮影解析装置VECTRA Handy H2 (Canfield Scientific社製) を用いて、0週間(試験前)及び8週間後において、各被験者の顔を、仰臥位の状態及び座位の状態でそれぞれ撮影し、仰臥位から座位に状態変化した際の肌の形態変化をベクトル表示した。次に、頬部におけるベクトルをランダムに3本取り、その平均ベクトルを算出した。そして、8週間後における平均ベクトルから、0週間(試験前)における平均ベクトルを引いて差分ベクトルを算出し、この差分ベクトルに基づいて、たるみ改善度を評価した。たるみ改善度の値は、差分ベクトルの大きさとした。差分ベクトルの重力方向成分が、重力方向下方に向かう成分である場合には、「たるみが悪化した」として、たるみ改善度を負の値とした。差分ベクトルの重力方向成分が、重力方向上方に向かう成分である場合には、「たるみが改善した」として、たるみ改善度を正の値とした。
図10は、周波数変動通電グループ及び無通電グループにおける、たるみ改善度をそれぞれ示したものである。
図10における、各グループのたるみ改善度は、各被験者において上述の方法で算出したたるみ改善度を、グループごとに平均した値を示している。
【0061】
図7を参照して、周波数変動通電を行った場合、無通電時と比べて、皮内のコラーゲン量が多くなっていることが分かった。また、
図8を参照して、周波数変動通電時では、試験前と比べて、8週間経過時におけるコラーゲン量が有意に発現しているのに対し、無通電時では、試験前と比べて、8週間経過時におけるコラーゲン量がほとんど変化していないことが分かった。
【0062】
図9を参照して、周波数変動通電を行った場合、無通電時と比べて、8週間後におけるR5及びR7の増加量が非常に大きくなった。また、
図9を参照して、周波数変動通電時では、試験前と比べて、8週間経過時におけるR5及びR7値が有意に増加しているのに対し、無通電時では、試験前と比べて、8週間経過時におけるR5及びR7がほとんど変化していないことが分かった。すなわち、周波数変動通電を行った場合(第1実施例の実施例1に相当)、無通電時と比べて、皮膚の正味弾性及び皮膚の弾性率が大幅に改善した。
【0063】
図10を参照して、周波数変動通電を行った場合、無通電時と比べて、8週間後のたるみ改善度が向上していることが分かった。すなわち、周波数変動通電を行った場合(第1実施例の実施例1に相当)、無通電時と比べて、頬部の肌形状がたるみ改善方向に移動した。
【0064】
(変形例)
上述のパルス通電装置1を構成する各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU13等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、各部の機能を動作させることができる。
【0065】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD-ROM等の光ディスク、DVD-ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【0066】
(変形例)
上述の実施形態では、周波数変動通電として、第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを、この順に、連続的かつ周期的に出力するパルス通電を行っている。しかしながら、周期的に出力される第1パルス~第4パルスにおいて、第1パルスと第2パルスの間、第2パルスと第3パルスの間、第3パルスと第4パルスの間、第4パルスと次の周期の第1パルスの間に、それぞれ適宜な無通電時間を設けてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1:パルス通電装置 2:電極部 11:電圧信号生成部 12:パルス生成部 13:CPU
【要約】
【課題】本発明は、I型コラーゲン、VI型コラーゲン及びフィブリリン-1(弾性線維)を有意に発現させるパルス通電装置、パルス通電方法、パルス通電プログラム、たるみ改善美容方法を提供することを目的とする。
【解決手段】電極部にパルス出力を行うためのパルス通電装置であって、電圧信号生成部と、パルス生成部と、前記電圧信号生成部及び前記パルス生成部を制御する制御部と、を備え、前記電圧信号生成部は、前記制御部の制御に基づいて、電源電圧から所定電圧を生成して出力し、前記パルス生成部は、前記制御部の制御に基づいて、前記電圧信号生成部からの出力から、960Hz超15600Hz未満の周波数帯域に属し且つ周波数が互いに異なる第1パルス、第2パルス、第3パルス及び第4パルスを生成し、前記パルス生成部は、前記制御部の制御に基づいて、前記第1パルス、前記第2パルス、前記第3パルス及び前記第4パルスを、この順に周期的に前記電極部に出力することを特徴とする、パルス通電装置。
【選択図】
図3